説明

油脂回収フィルター

【課題】油脂成分等の除去効率が悪く、エネルギー消費量が大きい。
【解決手段】上下方向に相互間に間隔をあけて分離可能に重ねた複数個のリング状フィルター部材1、1a…と、最上段のリング状フィルター部材1b上に分離可能に載置してその中央開口部2を覆うカバー3とを有し、上記リング状フィルター部材1、1a…は相反方向に傾斜する内外周壁部4、5と上記間隔を保持する手段とを有し、該間隔保持手段によりリング状フィルター部材1、1a…間に、通過する排ガスを蛇行させる流路6、6a…を形成して、該蛇行流路6、6a…内に内外両側より排ガスを流入可能にしたフィルターを排気経路内に設置する。複数の蛇行流路6、6a…が上下方向に並んでそれら全ての流出口に吸引力を作用させることを可能にして、各蛇行流路6、6a…内全体を排ガスが流れる様にして、油脂成分等の除去効率の向上を図って省エネルギー化を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房、焼肉店などの調理施設で、加熱調理器や無煙ロースターから発生する排ガスに含まれる油脂成分、煤等(以降、油脂成分等と称する)を分離回収する様にした油脂回収フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、厨房、焼肉店などの調理施設で加熱調理時に発生する排ガスは、コンロ、七輪の様な加熱調理器の上方に設置した上引き吸煙ダクトや、無煙ロースターから垂下させた排気部に連通する床下に配管した排気ダクトに、排気ファン等の吸引装置を設置して、油脂成分等を含む排ガスを、排気経路内に設置したフィルター内を通過させて油脂成分等を回収し、浄化された排ガスを排気ダクトから外部排出する様にしている。
例えば、通気孔を有した外筒体及び内筒体を有した中空円筒状の収納体と、該収納体における外筒体と内筒体との間の収納空間内に収納した、多孔質無機材料から成る多数の吸着材と、収納体の中央開口部を閉塞するキャップとを有した油脂回収装置があり、排ガスが吸着体を通過する過程において、吸着材の間隙を複雑に屈曲して流通し、大部分の油脂成分等は通過時の乱流で吸着材に付着し、排ガスは浄化されて浄化空気として排気ダクトから外部放出され、吸着能力が低下した吸着材を新たな吸着材に交換して使用する(例えば、特許文献1参照)。
つまり、交換撤去された吸着材は産業廃棄物として処理せねばならず、而も吸着材の製造時の焼成工程でCO2 の大気放出を避けられず、製造時及び使用後に環境に対し少なからず悪影響を及ぼしてしまうことを否定出来ない。
【0003】
そこで、再利用可能な金属製フィルターとして、所定の間隔で配される複数の蛇行流強制羽を立て状態でリング枠に保持させてなる内側リングと、同じく所定の間隔で配される複数の蛇行流強制羽を立て状態でリング枠に保持させてなる外側リングとを、互いの蛇行流強制羽が交互に入り込み合って蛇行流路を形成する様に組み合わせた油分回収フィルターを吸引流路に設置することで、排ガスを前記外側リングの外周側から前記内側リングの内周側へ通し、その際に前記蛇行流路で前記排ガスの流れに蛇行流を生じさせ、この蛇行流の発生により油脂成分等を回収する、即ち形成された蛇行流路で曲折の大きい蛇行を伴なう流れで排ガスが流れて、排ガス中の油脂成分等を極めて高い効率で分離する様にしたものが見受けられる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−156127号公報
【特許文献2】特開2000−184968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献2に記載された従来技術にあっては、確かに再利用可能で製造時に焼成工程は無いが、排ガスの流入出部位が隣接する蛇行流強制羽間の隙間、即ち上下方向に長いスリット形状で、内外周両面の円周方向に所定間隔毎に形成されており、下方への吸引に伴い、その吸引力は蛇行流路の縦長の流出口の下方部位に強く作用して、排ガスは蛇行流路内を内方且つ下方へ斜行しつつ蛇行するため、全体的には大きな蛇行にはならず、而も蛇行流路内全体を排ガスが流れずに部分的に通過するため、除去効率を向上させるべくある程度の吸引力を作用させねばならず、更に洗浄時に内側リングと外側リングとに分割したとしても、夫々に複数の蛇行流強制羽が円周方向に所定間隔毎に配置されいるため、形状が複雑で洗浄作業が面倒になるなど、解決せねばならない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記従来技術に基づく、油脂成分等の除去効率が悪く、洗浄し難い課題に鑑み、上下方向に相互間に間隔をあけて分離可能に重ねた複数個のリング状フィルター部材と、最上段のリング状フィルター部材上に分離可能に載置してその中央開口部を覆うカバーとを有し、上記リング状フィルター部材は相反方向に傾斜する内外周壁部と上記間隔を保持する手段とを有し、該間隔保持手段によりリング状フィルター部材間に、通過する排ガスを蛇行させる流路を形成して、該蛇行流路内に内外両側より排ガスを流入可能にしたフィルターを排気経路内に設置すれば、複数の蛇行流路が上下方向に並んでそれら全ての流出口に吸引力を作用させることを可能にして、各蛇行流路内全体を排ガスが流れる様にし、而もリング状フィルター部材及びカバーに分割することで、夫々が洗浄作業し易い皿やボウルの様な形態に成って、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
要するに本発明は、上下方向に相互間に間隔をあけて分離可能に重ねた複数個のリング状フィルター部材と、最上段のリング状フィルター部材上に分離可能に載置してその中央開口部を覆うカバーとを有し、上記リング状フィルター部材は相反方向に傾斜する内外周壁部と上記間隔を保持する手段とを有し、該間隔保持手段によりリング状フィルター部材間に、通過する排ガスを蛇行させる流路を形成して、該蛇行流路内に内外両側より排ガスを流入可能にしたので、複数の蛇行流路を上下方向に並べることで、それら全ての流出口に吸引力を作用させることが出来るため、各蛇行流路内全体に排ガスを流して、排気ガスが蛇行流路内を通過する過程で急激に方向転換されることで、吸引された排気ガス中の油脂成分等に慣性力が働いて、蛇行流路を形成する上方のリング状フィルター部材の外面及び下方のリング状フィルター部材の内面に衝突して当該面に付着するため、排ガスを浄化した後に外部排出することが出来、よって油脂成分等の除去効率の向上を図って省エネルギー化を実現出来る。
而も、各リング状フィルター部材とカバーに分割可能であることから、各々が高さを低く抑えた皿やボウルの様な形態にすることが出来るため、洗浄作業の容易化を図ることが出来、その結果一般的な食器洗浄器でも洗浄可能にすることが出来、更に全体的にコンパクト化出来るため、収容スペースに制限される排気経路に最適なフィルターを提供出来、尚且つリング状フィルター部材の個数変更することにより、設置対象による排気ガスの処理量の違いに簡単に対応することが出来る。
従って、調理施設で使用するレンジ、コンロ等から発生する排ガスからの油脂成分等の回収除去、或いは無煙ロースター内に収納されている油脂回収フィルター、或いはコンロ、七輪などの加熱調理器で発生する排ガスの上引き排気装置内に収納される油脂回収フィルターとして使用することが出来る。
【0008】
上記リング状フィルター部材における外周壁部を外方且つ上方へ傾斜させ、内周壁部を内方且つ上方へ傾斜させて、断面V字状の環状溝を形成したので、各リング状フィルター部材における内外周壁部の内面に付着した油脂成分等がその内面を流下して環状溝の底部に溜まり、内外周壁部の外面に付着した油脂成分等がその外面を流下して下方のリング状フィルター部材の環状溝内に滴下して溜まるため、洗浄時に溜まった油脂成分等を除去回収した後に洗浄出来るため、洗浄後の汚水中に含有される油脂成分等を可能な限り少量に抑えることが出来る。
【0009】
上記外周壁部は、外方且つ上方へ傾斜させた傾斜部位と、該傾斜部位の上端部より上方に連続形成した垂壁部位とを有し、該垂壁部位の中間部に拡径段部を形成して、該拡径段部の下面を、下方のリング状フィルター部材における外周壁部の上端部との当接面とし、上記垂壁部位おける拡径段部より上方部位に複数個の通気口を形成して、上記蛇行流路に対し排ガスを流入出可能にしたので、複数個のリング状フィルター部材を単に重ねるだけで蛇行流路を形成出来る。
【0010】
上記カバーは、最上段のリング状フィルター部材の中央開口部の上方に位置するカバー本体と、該カバー本体の下部に一体形成された、最上段のリング状フィルター部材の内外周壁部間に位置する仕切り周壁部とを有し、該仕切り周壁部に通気手段を講じて、最上段のリング状フィルター部材とカバーとの間に蛇行流路を形成したので、排ガスが通過する蛇行流路が増えるため、更なる処理効率の向上を図ることが出来る。
【0011】
上記カバー本体の中央に下方膨出部を形成して、カバー本体の上面中央に、下方へ漸次縮径する凹部を形成し、上記下方膨出部と上記仕切り周壁部との間に最上段のリング状フィルター部材の内周壁部を位置させたので、リング状フィルター部材とカバーとの間の蛇行流路に対する排ガスの流入出のスムーズ化を図ることが出来る。
【0012】
上記下方膨出部の傾斜部位に複数個の通気孔を規則的に配置形成すると共に、該通気孔の上縁部より庇部を、凹部の中心方向に突設したので、排ガスが上記通気孔を通過する前後に、庇部により排気ガスを急激に方向転換させることが出来るため、該庇部の下面にも油脂成分等を付着させて更なる除去効率の向上を図ることが出来、而も付着した油脂成分等を凹部上面に滴下させる様にすれば、該凹部の底部に溜めることが出来、油脂成分等の回収効率の更なる向上を図ることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る油脂回収フィルターにおけるリング状フィルター部材の平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1のA−A断面拡大図である。
【図4】本発明に係る油脂回収フィルターにおけるカバーの平面図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6(a)】図4のB−B断面拡大図である。
【図6(b)】図4のC−C断面拡大図である。
【図7】本発明に係る油脂回収フィルターの中央縦断面図である。
【図8】本発明に係る油脂回収フィルターの他の実施例の中央縦断面図である。
【図9(a)】油脂回収フィルターにおける上方からの排ガスの通過状態を示す要部拡大断面図である。
【図9(b)】油脂回収フィルターにおける下方からの排ガスの通過状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】本発明に係る油脂回収フィルターを設置した縦引き無煙ロースターの断面端面図である。
【図11】本発明に係る油脂回収フィルターを設置した横引き無煙ロースターの断面端面図である。
【図12】本発明に係る油脂回収フィルターを設置した上引き排気装置の一部破断した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る油脂回収フィルターの一実施例を図面に基づき説明する。
本発明に係る排気経路内設置型油脂回収フィルターにあっては、例えばステンレスの様な金属製の複数個のリング状フィルター部材1、1a…を、上下方向に相互間に間隔をあけて下方のリング状フィルター部材1、1a…の上に上方のリング状フィルター部材1a、1b…を載置して重ね、積重状態のリング状フィルター部材1、1a…の最上段のもの(図面上、リング状フィルター部材1b)の上に、その中央開口部2を覆う、上記リング状フィルター部材1、1a…と同材質のカバー3を載置し、上記リング状フィルター部材1、1a…の夫々は、相反方向に傾斜する内外周壁部4、5と、上記間隔を保持する手段とを有し、該間隔保持手段によりリング状フィルター部材1、1a…間に、通過する排ガスを蛇行させる流路6、6a…を形成して、該蛇行流路6、6a…内に内外両側より排ガスを流入可能にして、反対側より流出可能にしている。
そして、図10に示す様な縦引き無煙ロースターや、図11に示す様な横引き無煙ロースターや、或いは図12に示す様な上引き排気装置に設置する様にしている。
【0015】
具体的には、図1〜3に示す様に、上記リング状フィルター部材1、1a…の夫々の外周壁部4を外方且つ上方へ傾斜させ、内周壁部5を内方且つ上方へ傾斜させて、該内外周壁部4、5の間が断面V字状の環状溝7と成り、内周壁部5より内側が上記中央開口部2となる。
【0016】
上記外周壁部4は、外方且つ上方へ傾斜させた傾斜部位4aと、該傾斜部位4aの上端部より上方に連続形成した垂壁部位4bとを有し、該垂壁部位4bの中間部で下端側寄りに拡径段部8を形成し、該拡径段部8の下面を、下方のリング状フィルター部材1、1a…における外周壁部4の上端部との当接面として、外周壁部4における垂壁部位4bと拡径段部8で上記間隔保持手段を構成している。
尚、上記実施例における間隔保持手段は、上記構成に限定せず、例えば、図示しないが、各リング状フィルター部材1、1a…における環状溝7の底部に、上方のリング状フィルター部材1a、1b…を下方支持する突起を形成しても良い。
【0017】
上記垂壁部位4bにおける拡径段部8より上方部位に複数個の通気口9、9a…を、円周方向に所定間隔毎に配置形成して、上記蛇行流路6に対し排ガスを流入出可能にしている。
つまり、通気口9、9a…の形状、大きさの異なる数種類のリング状フィルター部材1、1a…から適宜選択することで、処理流量、通過抵抗による静圧がコントロール可能になる。
【0018】
上記カバー3は、積重状態のリング状フィルター部材1、1a…の最上段のものの中央開口部2の上方に位置するカバー本体10と、該カバー本体10の下部に一体形成された、積重状態のリング状フィルター部材1、1a…の最上段のものの内外周壁部4、5の間に位置する仕切り周壁部11とを有し、該仕切り周壁部11に排ガスの通気手段を講じている。
【0019】
具体的には、図4〜7に示す様に、カバー本体10の外周部より下方へ仕切り周壁部11が連続形成され、該仕切り周壁部11の下端部を積重状態のリング状フィルター部材1、1a…の最上段のものの上に接地させ、仕切り周壁部11に複数個の通気口12、12a …を、円周方向に所定間隔毎に配置形成して上記通気手段としている。
上記カバー本体10の中央に山形状の下方膨出部13を形成して、カバー本体10の上面中央に、下方へ漸次縮径する凹部14を形成し、該凹部14と上記仕切り周壁部11との間に、積重状態のリング状フィルター部材1、1a…の最上段のものの内周壁部5を位置させて、該内周壁部5とカバー3における仕切り周壁部11及び上記下方膨出部13により蛇行流路15を形成している。
上記凹部14の傾斜部位に複数個の通気孔16、16a …を規則的に配置形成すると共に、該通気孔16、16a …の上縁部より庇部17、17a …を、凹部14の中心方向に突設している。
【0020】
或いは、基本的に、カバー本体10と、該カバー本体10の外周部より内側に一体形成した仕切り周壁部11とを有し、カバー本体10の外周部をリング状フィルター部材1、1a…の最上段のもの(図面上、リング状フィルター部材1b)の外周壁部4の上端部に載置すると共に、仕切り周壁部11の下端とリング状フィルター部材1、1a…の最上段のもの(図面上、リング状フィルター部材1b)との間に隙間18を設け、該隙間18を上記通気手段としている。
具体的には、図12に示す上引き排気装置に設置するカバー3として、図8に示す様に、カバー本体10は中央が高く外周側へ緩やかに傾斜し、カバー本体10における仕切り周壁部11より外周側に油脂成分等の複数個の落下孔19、19…を形成し、使用中にカバー本体10の上面に付着した油脂成分等が液状化し流下して落下孔19、19…からリング状フィルター部材1、1a…の最上段のもの(図面上、リング状フィルター部材1b)の環状溝7内に滴下貯留される様に成っている。
【0021】
次に、本発明に係る油脂回収フィルターの作用について説明する。
先ず、図9(a)に示す様に、上方から下方へ排ガスが流れる場合には、各リング状フィルター部材1、1a…における外周壁部4の通気口9、9a…及びカバー3における通気手段である通気口12、12a …(図8の油脂回収フィルターでは隙間18)から蛇行流路6、6a…、15内に排気ガスを吸引して、隣接するリング状フィルター部材1、1a…における内周壁部5の上端部間の隙間及びリング状フィルター部材1、1a…の最上段のもの(図面上、リング状フィルター部材1b)における内周壁部5の上端部とカバー3との隙間から流出する。
【0022】
次に、図9(b)に示す様に、下方から上方へ排ガスが流れる場合には、最下段のリング状フィルター部材1の中央開口部2を通過して、隣接するリング状フィルター部材1、1a…における内周壁部5の上端部間の隙間及びリング状フィルター部材1、1a…の最上段のもの(図面上、リング状フィルター部材1b)における内周壁部5の上端部とカバー3との隙間から蛇行流路6、6a…、15内に排気ガスを吸引して、各リング状フィルター部材1、1a…における外周壁部4の通気口9、9a…及びカバー3における通気手段である通気口12、12a …(図8の油脂回収フィルターでは隙間18)から流出する。
【0023】
そして、蛇行流路6、6a…、15内を排気ガスが通過する過程で急激に方向転換されて、吸引された排気ガス中の油脂成分等に慣性力が働いて、内外周壁部4、5及びカバー3に衝突して該内外周壁部4、5及びカバー3に付着し、付着した油脂成分等は内外周壁部4、5の壁面に沿って流下し、下方のリング状フィルター部材1、1a…の環状溝7内に流入又は滴下して該環状溝7の底部に貯留される。
【0024】
尚、カバー3における通気孔16、16a …を排気ガスが通過するが、庇部17、17a …により蛇行するため、排気ガス中の油脂成分等を慣性力で庇部の下面に衝突させて付着させ、付着した油脂成分等は凹部14の表面に滴下して該凹部14の底部に貯留される。
【符号の説明】
【0025】
1、1a… リング状フィルター部材
2 中央開口部
3 カバー
4 外周壁部
4a 傾斜部位
4b 垂壁部位
5 内周壁部
6、6a… 蛇行流路
7 環状溝
8 拡径段部
9、9a… 通気口
10 カバー本体
11 仕切り周壁部
13 下方膨出部
14 凹部
15 蛇行流路
16、16a … 通気孔
17、17a … 庇部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に相互間に間隔をあけて分離可能に重ねた複数個のリング状フィルター部材と、最上段のリング状フィルター部材上に分離可能に載置してその中央開口部を覆うカバーとを有し、上記リング状フィルター部材は相反方向に傾斜する内外周壁部と上記間隔を保持する手段とを有し、該間隔保持手段によりリング状フィルター部材間に、通過する排ガスを蛇行させる流路を形成して、該蛇行流路内に内外両側より排ガスを流入可能にしたことを特徴とする油脂回収フィルター。
【請求項2】
上記リング状フィルター部材における外周壁部を外方且つ上方へ傾斜させ、内周壁部を内方且つ上方へ傾斜させて、断面V字状の環状溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の油脂回収フィルター。
【請求項3】
上記外周壁部は、外方且つ上方へ傾斜させた傾斜部位と、該傾斜部位の上端部より上方に連続形成した垂壁部位とを有し、該垂壁部位の中間部に拡径段部を形成して、該拡径段部の下面を、下方のリング状フィルター部材における外周壁部の上端部との当接面とし、上記垂壁部位おける拡径段部より上方部位に複数個の通気口を形成して、上記蛇行流路に対し排ガスを流入出可能にしたことを特徴とする請求項2記載の油脂回収フィルター。
【請求項4】
上記カバーは、最上段のリング状フィルター部材の中央開口部の上方に位置するカバー本体と、該カバー本体の下部に一体形成された、最上段のリング状フィルター部材の内外周壁部間に位置する仕切り周壁部とを有し、該仕切り周壁部に通気手段を講じて、最上段のリング状フィルター部材とカバーとの間に蛇行流路を形成したことを特徴とする請求項2又は3記載の油脂回収フィルター。
【請求項5】
上記カバー本体の中央に下方膨出部を形成して、カバー本体の上面中央に、下方へ漸次縮径する凹部を形成し、上記下方膨出部と上記仕切り周壁部との間に最上段のリング状フィルター部材の内周壁部を位置させたことを特徴とする請求項4記載の油脂回収フィルター。
【請求項6】
上記下方膨出部の傾斜部位に複数個の通気孔を規則的に配置形成すると共に、該通気孔の上縁部より庇部を、凹部の中心方向に突設したことを特徴とする請求項5記載の油脂回収フィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−153722(P2011−153722A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13788(P2010−13788)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(591031902)シンポ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】