説明

治療用超音波システム

超音波システムは、内部を縦方向に延伸する主内腔を有する細長い軟性カテーテルボディーを含むカテーテルを有する。カテーテルは、カテーテルボディーの主内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材をさらに含み、該超音波伝達部材は、超音波発生装置に接続可能な近位端と、カテーテルボディーの遠位端に結合される遠位端を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明分野】
【0001】
本発明は医療機器に関し、特に、血管などの管状の解剖学的構造の中の閉塞物を離解させる治療用の超音波システム及びそれと共に使用する方法に関する。
【0002】
関連出願
この出願は、2002年8月2日出願の米国特許出願第10/211、418号(発明の名称「治療用超音波システム」)及び2002年9月20日出願の米国特許出願第09/251,227号(発明の名称「超音波カテーテルを変換器へ取り付けるコネクタ」)の一部継続出願である。これらの米国出願の全開示はここに完全に詳しく説明されるが、参照のためにここに組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
血管から閉塞物質を離解させ又は取り除くために使用する多くの超音波システムと装置がこれまで提案されている。超音波カテーテルは人間と動物の血管から種々のタイプの閉塞物を離解させるために使用されてきた。超音波エネルギを冠動脈などのより小さい血管へうまく適用するためには、大動脈弓と冠状動脈トリーの蛇行性脈管を通って経腔的に前進することができる十分小さくかつフレキシブルな比較的小径の超音波カテーテルの使用を必要とする。しかしながら、一般に、これらのシステムと装置のすべてがいくつかの問題に行きあたる。
【0004】
第1タイプの問題は一般に、閉塞物質を離解させ又は取り除くために、超音波エネルギを超音波源から超音波エネルギを使用する装置の先端まで伝達することの有効性に関する。超音波変換器(超音波振動子)のような超音波源は通常人体を外に位置しているので、超音波エネルギをおよそ150cm程の長い距離、超音波伝達ワイヤに沿って超音波源から遠位先端まで配送する必要がある。伝達ワイヤにおける音響エネルギの減衰は遠位先端に達するエネルギが減少することを意味する。十分なエネルギが遠位先端に達するのを保証するために、伝達ワイヤに沿って超音波源から遠位先端までより大きいエネルギ量を送らなければならない。ワイヤに沿う増加したエネルギのこの伝達は、変換器と伝達ワイヤの接続点のようなある重要な位置において伝達ワイヤが受ける疲労を増加させるかもしれない。
【0005】
2番目のタイプの問題はそのようなカテーテルを通って延伸する超音波伝達部材の破損に関する。超音波伝達部材は、その小径のために、特に破損に影響されやすい。超音波伝達部材の破損は典型的にその近位端の近くで起き、一般に、超音波カテーテルカップリングと超音波変換器カップリングのインターフェースのいくつかの超音波ノード内で起きる。これは、エネルギ集積量がこれらのポイントで最も高いという理由によるものであると信じられている。さらに、かなりの量の熱が超音波伝達部材の長さに沿って増え、過度の熱は超音波伝達部材の一体性を破損しうる。
【0006】
第3のタイプの問題は超音波装置を患者の脈管、特に、より小さくより多くの蛇行性の管を含む脈管の中に正確に位置決めすることに関する。この必要性に対処するために、フレキシブルでロープロフィールの超音波装置が提供され、この装置は小さくて蛇行性の脈管内を通って進むことができる。しかしながら、これらの装置は脈管内を通って進むこよのニーズを満たすことに関して完全に満足できるというわけではなかった。
【0007】
4番目のタイプの問題は閉塞物質の実際の離解に関連する。超音波手順の間、カテーテルの遠位先端は閉塞物質を離解するために変位される。この点に関し、遠位先端のこの変位を最適な方法で作動させることが望ましい。
【0008】
5番目のタイプの問題は、閉塞物質が離解又は壊されたときに作り出される粒子の取り除きに関連する。遠位塞栓他の臨床の複雑さを避けるために患者の脈管からこれらの粒子を取り除くことは重要である。
【0009】
したがって、超音波装置又はカテーテルを持つ改良された超音波システムであって前述の問題に対処するシステムの必要性はいまだ存在している。
【発明の概要】
【0010】
用語「超音波伝達ワイヤ」と「超音波伝達部材」は互換性を持ってここに使用され同じ要素を意味することを意図する。
【0011】
発明の目的は超音波伝達部材と変換器との改良された接続を提供する超音波装置を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は超音波伝達部材の破損を最小にする超音波装置を提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、より小さく、より蛇行性の脈管内を通過して進むことができる超音波装置を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は閉塞物質の位置を臨床医にとってより見やすくすることを可能にする超音波装置を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、超音波装置のカテーテル先端であって、閉塞物質の離解の間にカテーテル先端の変位を改良できるカテーテル先端を供給することである。
【0016】
発明のさらに別の目的は、患者の脈管系から粒子を効果的に取り除く超音波装置を提供することである。
【0017】
本発明のこれらの目的を達成するために、内部を縦方向に延伸する主内腔を持った細長い軟性カテーテルボディーを含むカテーテルを有する超音波システムを提供する。カテーテルはカテーテルボディーの主内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材をさらに含み、超音波伝達部材は超音波発生装置に接続可能な近位端とカテーテルボディーの遠位端に結合される遠位端を有する。
【0018】
本発明の1つの実施態様によると、ガイドワイヤ内腔は主内腔の一部を通って縦方向に延伸し、カテーテルボディーの遠位端よりもカテーテルボディーの近位端の近くに位置するガイドワイヤポートにおいて終端する。主内腔のほぼ中心に置くことができるガイドワイヤチューブによってガイドワイヤ内腔を画定することができる。
【0019】
本発明の別の実施態様によると、遠位ヘッドがカテーテルボディーの遠位端に連結され、該遠位ヘッドは剛性かつラジオデンス(radiodense)の低密度材料から作られている。
【0020】
本発明の別の実施態様によると、カテーテルは穴を持つ遠位先端を有し、該穴は基部と、該基部の直径より小さな内径を持つ遠位部を備える。ガイドワイヤ内腔が主な内腔の一部を通って縦方向に延伸し遠位先端の穴の基部内へ延伸し、ガイドワイヤ内腔は遠位ヘッドの穴の遠位部の手前で終端する。
【0021】
本発明はまた逆浣注方法を提供する。そこでは、組織粒子がカテーテルの主内腔を通して遠位先端から近位端まで冷却流体によって運ばれて血管の外へ取り除かれる。この逆浣注を使用することで、組織粒子除去と超音波伝達部材の冷却を同時に可能にする。
【0022】
本発明はまた、造影剤を使用することで医療の間に治療位置を局所的にイメージ化する方法を提供する。
【0023】
本発明はまた、カテーテルの遠位端を形成する方法を提供する。これは、カテーテルの遠位端をある時間熱源の上に曲げた形状に維持し、次に遠位端を冷却することによって達成できる。
【好ましい実施態様の詳細な説明】
【0024】
以下の詳細な説明は現在想定される発明を実施する最良のモードである。この説明は限定の意味に取られないものであり、発明の実施態様の一般原理について単に説明する目的のものである。発明の範囲は添付の特許請求によって最も良く画定されている。ある場合において、不要な詳細で本発明の説明をあいまいにしないように、周知の装置、構成、要素、機構、及び方法の詳細な説明は省略される。
【0025】
図1と2は本発明に従い動物か人間の血管内の閉塞物質を離解させて取り除くことに使用する超音波システムを示す。超音波システムは、近位端14と、遠位端16を有する細長いカテーテルボディー12であって、その内部を通って縦方向に延伸する少なくとも1つの内腔を画定するカテーテルボディーを有する超音波カテーテル装置10を含む。超音波カテーテル装置10は、その近位端14において、Yコネクタ18、カテーテルノブ20、及びスライドカラー22を介して超音波変換器24に作動可能に結合される。超音波変換器24は信号発生器26に連結させており、信号発生器26は足で作動させることができるオンオフスイッチ28を含むことができる。信号発生器26をIVポール27によって支えることができる。オンオフスイッチ28が押されると、信号発生器26は超音波変換器24に電気的信号を送り、超音波変換器(振動子)24は電気的信号を超音波エネルギに変換する。そのような超音波エネルギは次にカテーテル装置10を通り遠位端16に送られる。以下により詳細に説明するように、ガイドワイヤ30をカテーテル装置10に関連して利用することができる。
【0026】
図3A、3B、4A、及び4Bはカテーテル装置10のカテーテルボディー12の遠位端16の2つの非限定的構成を示す。同じ要素を示すため、かつ、この開示で反復を避けるために、図3A−4Bにおいて同じ番号を使用している。カテーテルボディー12は、フランス国、Hauts Ve-Sine, Cour be VoieのAtochimieによって製造されているナイロン(Pebax)(登録商標)などのフレキシブルな(軟性)ポリマ材料で形成される。軟性カテーテルボディー12は望ましくは、内部を縦方向に延伸する1つ又は2つ以上の内腔を有する細長いチューブ形状である。カテーテルボディー12は主内腔40を画定する。細長い超音波伝達部材42が主内腔40を通って縦方向に延伸する。超音波伝達部材42は、そこを超音波エネルギが通るように超音波変換器24に取り外し自在に接続可能な近位端を有する。そのような構成において、超音波変換器24に連結され足で作動可能なオンオフスイッチ28が押されると、超音波エネルギが超音波伝達部材42を通ってカテーテルボディー12の遠位端16に達する。
【0027】
遠位ヘッド44はカテーテルボディー12の遠位端16に取り付けられている。図示の実施態様では、遠位ヘッド44は、鈍い(ほぼ丸まった)遠位先端46と、遠位ヘッド44の最大外径よりわずかに小さい外径を持った近位部48を有する。それにより、遠位ヘッド44の近位部48をカテーテルボディー12の中に受けるように、カテーテルボディー12の解放遠位端52に置かれる輪状の肩50が画定されている。
【0028】
遠位ヘッド44は望ましくは、剛性かつラジオデンスの低密度材料から形成される。そのような特性を持つ材料が望ましい。なぜならば、変換器24から超音波伝達部材42を通して遠位ヘッド44へ送られた超音波エネルギが患者の脈管内の急な曲がり部分を通るからである。これらの曲がり部分は遠位ヘッド44での変位及びそのアテローム性プラークを離解する性能にかなり影響を与える。より重い遠位ヘッド44によってより小さい変位をもたらすように、遠位ヘッド44は追加荷重を備える。その結果、剛性かつラジオデンス材料で作られ低密度である遠位ヘッド44は離解の有効性を改良する。非限定的実施態様として、材料は5g/cmを超えず、又は材料は遠位ヘッド44の総質量が0.015グラムを超えない平均密度を有するべきである。
【0029】
望ましい材料としては、チタン合金が望ましく、その理由はいかなるチタン合金も最高強度対重量比を有し、耐蝕性かつ生物適合材料であるからである。純チタンは4511.82Kg/m(0.163lb(ポンド)/in)の密度を有する。チタニウムと共に使用する望ましい合金要素の例は、896.318-1034.21Pa(130−150ksi)の範囲の引張降伏強度を有するTi−6Al4Vなどのようアルミとバナジウムを含む。
【0030】
純アルミは比較的弱いが、様々な要素と合金化することで、最小密度を犠牲にすることなくかなりの強度改善をすることができる。純アルミは2684.95Kg/m(0.097lb/in)の密度を持つ。アルミのための望ましい合金化元素の例は、3、4、5及び6シリーズアルミニウム合金のような、マンガン、シリコン、及び/又はマグネシウムを含む。これらの共通合金の引張降伏強度は68.9- 344.7 Pa(10−50ksi)の範囲である。
【0031】
マグネシウム合金もまた望ましい。なぜならば、非常に軽く、安定していて、豊富で、機械加工が簡単であるからである。マグネシウム合金は高い比強度及び剛性を有し、かつまた、1522.39−1828.87Kg/m3(0.064−0.066lb/in3)の範囲の非常に小さい密度及び151.7−379.2Pa(22−55ksi)の範囲の引張強度を有する。マグネシウムと共に使用できる望ましい合金化元素の例は、機械加工される先端の場合のAZ31Bのようなアルミ及び亜鉛、あるいは、鋳造先端の場合のZE63AやZK61Aなどの亜鉛及び希土類元素又はジルコニウムを含む。
【0032】
様々な構造用ポリマ又はエンジニアリングポリマは、その本来の低密度ながら高衝撃強度及び剛性のため、先端材料として望ましい。望ましいプラスチックの例はABS、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリアリーレート、ポリスルホン又はそれらの混合物を含む。
【0033】
さらに、ガイドワイヤ内腔60を画定するガイドワイヤチューブ58は遠位ヘッド44を通って形成された中央穴と、主内腔40とを通って延伸する。本発明では、ガイドワイヤチューブ58とその内腔60は、主内腔40内で偏心して位置されるのではなく、主内腔40及び遠位ヘッド44内に中心位置に位置される。図3Bと4Bは、ガイドワイヤ内腔60を通って延伸するガイドワイヤ30を示す。主内腔40の中心位置にガイドワイヤチューブ58とその内腔60を提供することにより、ガイドワイヤ64上でのカテーテル10の動きが改良される。
【0034】
カテーテル分野の技術上周知の取付方法又は接着方法を使用することで、ガイドワイヤチューブ58を遠位ヘッド44の中央穴に取り付け又は接着することができる。図3A−3Bと4A−4Bはガイドワイヤチューブ58を遠位ヘッド44の内部に連結する2つの異なった方法を示す。図3Aと3Bに示す1実施態様では、中央穴は基部62と、遠位先端46で解放された遠位部68を有する。基部62は遠位部68より大きい内径を有するが、遠位部68の内径はガイドワイヤ内腔60の内径とほぼ同じ大きさである。したがって、基部の内径はガイドワイヤチューブ58の外径とほぼ同じ大きさであり、それ故、ガイドワイヤチューブ58の遠位端を基部62内にぴったりと受ける。遠位部68の内径をガイドワイヤ内腔60の内径とほぼ同じくらいにすることによって、ガイドワイヤ30の運動のために滑らかな寸法遷移を提供することができる。さらに、ガイドワイヤチューブ58の遠位端を遠位ヘッド44の遠位先端46の手前で終端させることによって、ガイドワイヤチューブ58の材料(即ち、通常、プラスチック)は離解の間にアテローム性物質に接する必要はなく、その結果、離解の有効性を改良する。これはガイドワイヤチューブ58の塑性材料がアテローム性物質を離解することにそれほど有効でないからである。
【0035】
図4Aと4Bに示す別の実施態様では、中央穴63は遠位ヘッド44において、その長さにおいて同じ内径を有し、ガイドワイヤチューブ58が遠位ヘッド44の全長に渡ってその同心縦軸上を通って延伸する。
【0036】
カテーテル装置10が「ワイヤ上(over-the-wire)」カテーテル装置であるならば、ガイドワイヤチューブ58はカテーテルボディー12の長さに沿って延伸することができる。カテーテル装置10が図1に示すように「モノレール」カテーテル装置であるならば、ガイドワイヤチューブ58は、カテーテルボディー12上に位置するガイドワイヤ孔66で終端し、ガイドワイヤ30は(図1に示すように)この位置においてカテーテルボディー12を出る。図2に言及し、カテーテルボディー12上のさまざまな別の場所でガイドワイヤ孔66を提供することができる。例えば、1つの可能な位置66aは、カテーテルボディー12の遠位端16に隣接するが、そこからわずかに基部に近い所に位置する。別の例として、もう1つの可能な位置66bはYコネクタ18に隣接するが、そこからわずかに遠位の所に位置する。
【0037】
ガイドワイヤ孔を異なる位置66a、66bに設けることは異なる利益と難点を与え、それらの使用は必要な適用と臨床医の個人的な好みに依存する。例えば、孔66が遠位端16により近い位置にあるなら、使用のときに、孔66が患者の脈管内に置かれることが想定される。そのような状況で、臨床医は、ガイドワイヤの位置を失わないで、カテーテル他の装置をガイドワイヤ上で交換できる。しかしながら、この状況は、孔66が脈管内に置かれるので、ガイドワイヤの交換が不可能となる欠点に苦しむ。別の例として、孔66がYコネクタ18に隣接するが、Yコネクタ18からわずかに遠位位置にあるときに、使用中に、孔66が患者の体外に置かれることが想定される。そのような状況で、臨床医はまだカテーテル他の装置をガイドワイヤ上で交換できるが、より長いガイドワイヤが必要とされる。さらに、ガイドワイヤ交換を容易にすることができる。しかしながら、この状況は、手順の間、臨床医がカテーテルとガイドワイヤを作動操作することがより難しくなるという欠点に苦しむ。
【0038】
超音波伝達部材42は主内腔40を通って延伸し、縦方向に遠位ヘッド44の近位部48内で延伸する穴64に挿入される。超音波伝達部材42の遠位端は、それ自体と遠位ヘッド44の周囲材料との摩擦係合により、あるいは、その他溶接、接着、はんだ付け、クリンピング等(但し、これらに限定されるものではない)の機械的又は化学的固定手段により、穴64の中にしっかり保持される。このように、超音波伝達部材42を遠位ヘッド44にしっかり取り付けることは、超音波伝達部材42を通る超音波エネルギ量子の遠位ヘッド44への直接的伝達を容易にするのに役立つ。その結果、遠位ヘッド44、及びカテーテル装置10の遠位端16は、超音波伝達部材42を通って伝えられる超音波エネルギの結合した量子による超音波振動を受けることができる。
【0039】
好ましい実施態様では、金属、硬質プラスチック、セラミック、光ファイバー、水晶、ポリマ、及び/又はそれらの合成物(但し、必ずしもこれらの物に限定されるわけではない)含むものであって、超音波変換器24から遠位ヘッド44まで超音波エネルギを有効に伝えることができる如何なる材料から超音波伝達部材42を作ることができる。発明の1つの態様によると、超音波伝達部材42の一部又は全ての部分を超弾性を示す1つ以上の材料から形成することができる。望ましくは、そのような材料はカテーテル装置10の操作の間に超音波伝達部材42が通常経験する温度範囲において一貫して超弾性を示すべきである。特に、超音波伝達部材30のすべてか一部が「形状記憶合金」として知られている1つ以上の合金から形成されうる。本発明の超音波伝達部材42を形成するために可能な超弾性合金の例は、米国特許No.4,665,906(ジャービス)、4,565,589(ハリソン)、4,505,767(クイン)、4,337、090(ハリソン)において詳細に説明されている。米国特許No.4,665,906、4,565,589、4,505,767及び4,337、090の開示は、本発明の超音波伝達部材42が作動する温度範囲内で超弾性である特定の合金の成分、特性、化学、及び挙動の説明に限り、参照のためにここに取り入れられる。これらの超弾性合金の全て又はいくつかは超弾性超音波伝達部材42を形成するのに使用可能である。
【0040】
Yコネクタ18の正面部分は、カテーテル分野の技術における公知技術を使用してカテーテル10の近位端14に連結されている。注入チューブ55を介して注射ポンプ(図示省略)、IVバッグ(図示省略)又はスポイト(図示省略)をYコネクタ18の注入ポート又はサイドアーム72に連結できる。注射ポンプを使用して注入冷媒液(例えば、0.9%のNaCl溶液)を内腔カテーテル10の主内腔40に入れ又は通すことができる。主内腔40を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材42の過熱を防ぐのに冷媒液のそのような流れを利用することができる。カテーテル10の主内腔40を通る冷媒液のそのような流れは、超音波伝達部材42の外部表面を洗うのに役立ち、そのため、冷媒液と超音波伝達部材42の間の温度平衡を与える。したがって、冷媒液の温度及び/又は流量を調整して超音波伝達部材42の適切な冷却及び/又は他の温度調整を提供することができる。例えば、カテーテル10の遠位端16における冷媒温度は、望ましくは35−44℃の範囲にあり、組織変性が通常およそ50℃で起こるので、冷媒温度は望ましくは50℃未満である。
【0041】
上記に加えて、以下で詳細に説明するように、イメージ化の目的のために、注射ポンプ又は注射器を使用してX線撮影造影剤をカテーテル10内に注入することができる。注射ポンプを介して選択的にカテーテル10に注入することができるトリヨードベンゼン系X線写真造影剤の例は、ニュージャージ州ウェインのBerlex Labが販売するAngiovist370と、ミズリー州、セントルイスのMalinkrodtが販売するHexabrixである。
【0042】
Yコネクタ18の近位端をカテーテルノブ20の遠位端においてねじ付き遠位穴(例えば、図5及び図6の番号88を参照)に螺合させることによって、Yコネクタの近位端はカテーテルノブ20の遠位端に取り付けられる。カテーテルノブ20の近位端は、スリーブ80と、変換器ハウジング82の遠位端によって受けられる。スリーブ80は変換器ハウジング82の遠位端の上に置かれカテーテルノブ20にオーバーラップする。摺動自在なカラー22はスリーブ80の上に置かれる。カラー22は、それが変換器24のハウジング82の方へ引っ込められた位置である非支持位置と、スリーブ80上に延伸する位置である支持位置を有する。スリーブ80は開放端スロット21(図2参照)を有する。代替的に、スリーブは閉鎖端スロット38、あるいは、閉鎖端スロット38と、開放端スロット21を適宜組み合わせた複数のスロットを持つことができる。カラー22はテーパー付き内穴36を有し、支持位置に動かされると、カラー22はスリーブ80の周りに配置されて、スリーブ80を押圧して把持する。カラー22はまた、非支持位置から支持位置までの移動を容易にする皿穴34を備えることができる。カラー22は変換器24のハウジングに配置されカテーテルノブ20の少なくとも一部を支持する支持部材として機能する。スリーブ80とカラー22によってカテーテルノブ20を支持することにより、変換器24と超音波伝達部材42の間の接続領域に作用する機械的応力を減少させ、かつ、超音波伝達部材42の疲労及び潜在的な破損を減少させる。
【0043】
また、図5について言及し、本発明は、超音波伝達部材42を変換器24に効果的に連結する音波コネクタセンブリをさらに供給する。これにより、段階音波増幅を減少させ、伝達部材42の滑らかな接続遷移状態を供給し、その結果、伝達部材42が経験する応力と疲労を減少させる。音波コネクタセンブリは、超音波伝達部材42の近位端を把持又は他の態様で保持するように機能し、かつ、取り外し自在に変換器24に連結できる音波コネクタ76を含む。言い換えれば、音波コネクタ76は、超音波エネルギの縦方向の伝播を維持すると共に、接続領域での横方向の運動を最小にするように超音波伝達部材42を変換器24に結合する取付要素として機能する。この点に関し、縦方向の振動が望ましく、横方向の振動は超音波伝達部材42を破損させるかもしれない。超音波伝達部材42と変換器角78の間の接続領域は、振動エネルギがこの接続を通るので、重要である。この最も高い変位点では、縦方向の振動が腹(最大変異/最小応力)を作ると共に、横方向の振動が最大応力のノード又は領域を生じさせる。横向きの動きの最大量が超音波伝達部材42と変換器角78の間の接続領域に起り、超音波伝達部材42の断面積が小さいので、超音波伝達部材42と変換器角78の間の接続領域での横向きの運動を減少させることは、超音波伝達部材42を保全保護しかつ超音波伝達部材42の破損の可能性を最小にすることに関して重要である。そのような横振動は、以下で説明するように、超音波伝達部材42に沿って超音波伝達部材42と変換器角78の間の接続領域に横方向の吸収体を置くことによって最小にされる。
【0044】
図5に示す1実施態様では、音波コネクタセンブリはカテーテルノブ20の近位穴84の中に収容される音波コネクタ76を含む。近位穴84は、変換器角78を音波コネクタ76に係合させるために挿入する近位開口を有する後部86を有する。カテーテルノブ20の遠位端に遠位穴88が設けられており、この穴88はチャンネル90を介して近位穴84に連通する。音波コネクタ76は、中央部92から遠位方向に延伸するフロントシャフト94を含む。音波コネクタ76はまた、中央部92から近位方向に延伸するねじ付きステム94を有し、このステムは変換器角78の遠位端を音波コネクタ76に着脱自在にねじ付けることを可能にする。Yコネクタ18の近位端を遠位穴88の遠位開口に係合することができる。
【0045】
フロントシャフト94の遠位端は、中央部92の手前で終端する内穴(図示省略)を有する。超音波伝達部材42の近位端はノブ20のチャンネル90を通り、穴84と88を通って延伸して、フロントシャフト94の内穴内にぴったり合うようになる寸法とされている。超音波伝達部材42の近位端は、溶接、接着、クリンピング、はんだ付け、他の従来の取付機構によりフロントシャフト94の内穴の中に固定されている
第1吸収体98は遠位穴88内に座し、超音波伝達部材42受ける(すなわち、回りを囲む)穴を有する。吸収体100は近位穴84に座し、超音波伝達部材42受ける(すなわち、回りを囲む)穴を有する。言い換えれば、各吸収体98と100は超音波伝達部材42と、それぞれの穴88と84の間に置かれる。弾性材料で吸収体98,100を作ることができ、吸収体の非制限例はポリマ又はゴムを含む。代替的に、吸収体98,100をOリングの態様とすることができる。吸収体98,100は、横向きの微小運動を吸収して望ましくない横振動を最小にするように機能する。
【0046】
図6は、僅かに異なるカテーテルノブ20の構成に対して、図5に示す音波コネクタ76がどのように使用されるかについて図示する。図6のカテーテルノブ20aは、後部86aを備える近位穴84aと、該近位穴84aを遠位穴88aに繋ぐチャンネル90aを有する。超音波伝達部材42はYコネクタ18を通り、遠位穴の88aと、チャンネル90aと近位穴84aを通って延伸する。音波コネクタ76は近位穴84aに座し、音波コネクタ76のフロントシャフト94はチャンネル90aの中に座す。吸収体98a(上の吸収体98と100と同じとすることができる)は遠位穴88aに座し、超音波伝達部材42を受ける(すなわち、周囲を囲む)穴を有する。Yコネクタ18の近位端を遠位穴88aの遠位開口に螺合させることができる。
【0047】
図5と6に示す音波コネクタ76は部分的なねじと平坦な近位面を備える。これらは、変換器角78と音波コネクタ76とのしっかりした接続を提供するために重要である。特に、図5と6に言及し、ねじ付きステム96は、ねじが切られていない小領域104に続くねじ部102を有する。小領域104はねじ部102を中央部92の近位面106から分離する。この近位面は平坦であり、変換器角78の平坦な遠位面108に接続されて、その結果、変換器角78と音波コネクタ76間の手動接続及び切り離し(ねじ接続による係合と離脱)可能にする。
【0048】
本発明はさらに逆浣注と冷却を同時に与える。プラークの離解や脈管形成の間に発生する粒子は脳卒中又は心臓発作を引き起こすかもしれない。従って、これらの粒子を取り除くことは超音波手順にとって重要である。本発明によると、超音波手順の間に離解された粒子を取り除くのに逆浣注を使用できる。図7に言及し、矢印122によって示されるように案内カテーテル120を通して(そしてカテーテルボディー12の外面上を)浣注流体を注入できる。浣注流体は、カテーテル10の遠位ヘッド44まで流れ、遠位ヘッド44に設けた孔32に粒子を通して反対方向(すなわち、遠位位置より基部方向)に運び、主内腔40に通す。浣注流体と粒子は主内腔40の中を基部方向にYコネクタ18へと流れ、そして、注入チューブ55内に流れ、注入チューブ55に連結されたボトルか容器の中に集められる。この操作の間、注入ポンプは、粒子を主内腔40に通して遠位位置から近位方向に引っ張る負圧ポンプか真空装置として機能できる。主内腔40に通して粒子と共に引っ張られる浣注液はまた超音波伝達部材42を同時に冷却する冷媒として機能し、注入チューブ55を介して取り出される。
【0049】
さらなる別の代替手段として、ガイドワイヤチューブ58の内腔を介して粒子を取り除くために真空を適用することによって、粒子を取り除くことができる。例えば、「ワイヤ上(over-the-wire)」カテーテルの実施態様において、ポンプか注射器(スポイト)を使用することでガイドワイヤチューブ58の内腔60を介して粒子を取り除くことができる。
【0050】
本発明はまた、超音波手順の間、遠位ヘッド44の区域の局部的イメージ化のための方法を提供する。カテーテル10の遠位先端への造影剤の注入、及び、治療する閉塞部での直接的造影剤の注入又は該閉塞部に造影剤を注入する能力は重要な臨床的利点を提供する。この注入を主内腔40を通して実行でき、又は、「ワイヤ上(over-the-wire)」カテーテルの場合、ガイドワイヤ内腔60を通して実行できる。超音波手順の間の遠位ヘッド44の区域の局部的イメージ化の方法において、医師はカテーテル10を閉塞位置に進めることができる。造影剤(上で説明されたものなど)は、次に、浣注ポート72(図1)を介して主内腔40に通して注入され、遠位ヘッド44の孔32に通して出すことができる。「ワイヤ上」の実施態様の場合、造影剤はガイドワイヤ内腔58と遠位ヘッド44の中央穴の遠位部68を通って出ることができる。造影剤は、カテーテル10の遠位ヘッド44が閉塞部の近位端に位置することを確認するのに役立つ(このステップは以下、「造影剤注入(contrast injection)」と呼ばれる)。次に、エネルギの付与が開始され、カテーテル10が閉塞部に進められる。初期エネルギ付与時間の経過の後に、エネルギの付与が止められ、別の造影剤注入がカテーテル10を通して実行される。これは、カテーテル10の遠位ヘッド44が閉塞部に入った状態において、閉塞部に造影剤を注入し、医師が管経路を可視化することを助け、切開と穴あけの危険を減少させる。次に、診断及び前進の目的のために必要に応じて造影剤注入と交互して、エネルギの付与とカテーテルの前進が再開される。このプロセスは、カテーテル10がガイドワイヤを前進させて首尾よく完全に閉塞部を横切らせるまで続けられる。
【0051】
さらに、特定の患者の特定の解剖学的な状況に対処するためにカテーテル10の遠位端16をメーカーによって、又はカテーテルラボ内でエンドユーザによって、カスタム成形することができる。カテーテルボディー12を構成するポリマは、その熱変形温度が100℃以下であるように選択される。そのようなポリマの例は、市販されている全てのグレードのPebaxを含むナイロンファミリーを含む。成形は、カテーテル10の遠位端16を蒸気源130上に数秒間曲がった形状に保持し、次に、遠位端16を室温で冷やすか、塩水バス(浴)中その他同様な手段で遠位端16を冷却することによって達成される。蒸気源130は、電気やかん、衣服に蒸気を当てるスチーマー等の従来の如何なる器具とすることができる。熱気源(ヘア・ドライヤなど)もまた使用できるが、温度がより反復性である蒸気源の方が好ましい。
【0052】
成形の前に、延性ワイヤ132をカテーテルの主内腔40の遠位端に置くこととしてもよい。これは2つの目的に役立つ。延性ワイヤ132は、カテーテルボディー12が曲がるときにそのキンクを防止し、かつ、成形の過程の間にカテーテルボディー12を必要な形に保持する。
【0053】
以上の説明により本発明の特定の実施態様について述べたが、発明の技術的思想から逸脱することなくそれらの態様に多くの変更をなすことが可能であることが理解される。付随する特許請求の範囲は本発明の真の範囲及び技術的思想に含まれるそのような変更をカバーすることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による超音波システムの斜視図である。
【図2】図1に示す超音波システムに使用できる超音波カテーテルの斜視図である。
【図3】図3Aは図2の超音波カテーテルの、1つの実施態様に従う遠位端の断面図である。図3Bは図3Aの超音波カテーテルの遠位端の断面図であり、ガイドワイヤがガイドワイヤ内腔を通って延伸している状態を示す図である。
【図4】図4Aは図2の超音波カテーテルの別の実施態様の遠位端の断面図である。図4Bは図4Aの超音波カテーテルの遠位端の断面図であり、ガイドワイヤがガイドワイヤ内腔を通って延伸する状態を示す図である。
【図5】図1の超音波システムに使用できる音波コネクタセンブリの1実施態様の断面図である。
【図6】図1の超音波システムに使用できる音波コネクタセンブリの別の実施態様の断面図である。
【図7】図1の超音波システムのカテーテルの逆浣注を示す図である。
【図8】図1の超音波システムのカテーテルの遠位端の成形について示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と、遠位端と、内部を通って縦方向に延伸する主内腔とを有する細長い軟性カテーテルボディーと;
前記カテーテルボディーの前記主内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材であって、前記カテーテルボディーの前記遠位端に位置する遠位端を含む超音波伝達部材と;
前記主内腔の一部を通って縦方向に延伸し、前記カテーテルボディーの前記遠位端よりも前記カテーテルボディーの前記近位端の近くに位置するガイドワイヤポートにおいて終端するガイドワイヤ内腔と;
を含む超音波カテーテル。
【請求項2】
請求項1の超音波カテーテルであって、前記カテーテルボディーの前記近位端に接続されたYコネクタをさらに含み、前記ガイドワイヤポートが前記Yコネクタに隣接して置かれている超音波カテーテル。
【請求項3】
近位端と、遠位端と、内部を通って縦方向に延伸する少なくとも1つの内腔とを有する細長い軟性カテーテルボディーと;
カテーテルボディーの遠位端に置かれ、剛性かつラジオデンスの低密度材料から作られた遠位ヘッドと;
前記カテーテルボディーの前記少なくとも1つの内腔を通って縦方向に延伸し、前記遠位ヘッドに連結された遠位端を有する超音波伝達部材と;
を含む超音波カテーテル。
【請求項4】
請求項3の超音波カテーテルであって、前記遠位ヘッドの材料はチタン合金である超音波カテーテル。
【請求項5】
請求項3の超音波カテーテルであって、前記遠位ヘッドの材料はマグネシウム合金である超音波カテーテル。
【請求項6】
請求項3の超音波カテーテルであって、前記遠位ヘッドの材料は、ABS、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリアリーレート、ポリスルホン、及びそれらの混合物の群から選択される超音波カテーテル。
【請求項7】
請求項3の超音波カテーテルであって、前記遠位ヘッドの材料は5g/cm未満の平均密度を持つ超音波カテーテル。
【請求項8】
請求項3の超音波カテーテルであって、前記遠位ヘッドの総質量は0.015グラム未満である超音波カテーテル。
【請求項9】
請求項3の超音波カテーテルであって、前記遠位ヘッドの材料はアルミニウム合金である超音波カテーテル。
【請求項10】
近位端と、遠位端と、内部を通って縦方向に延伸する主内腔とを有する細長い軟性カテーテルボディーと;
前記カテーテルボディーの前記主内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材であって、前記カテーテルボディーの前記遠位端に位置する遠位端を有する超音波伝達部材と;
前記主内腔の一部を通って縦方向に延伸し前記主内腔のほぼ中心に位置するガイドワイヤ内腔と;
を含む超音波カテーテル。
【請求項11】
請求項10の超音波カテーテルであって、前記ガイドワイヤ内腔は前記カテーテルボディーの前記近位端に隣接したガイドワイヤポートで終端する超音波カテーテル。
【請求項12】
請求項10の超音波カテーテルであって、前記ガイドワイヤ内腔は前記遠位ヘッドに取り付けられたガイドワイヤチューブによって画定される超音波カテーテル。
【請求項13】
請求項12の超音波カテーテルであって、前記ガイドワイヤ内腔は前記遠位ヘッドのほぼ中心に置かれる超音波カテーテル。
【請求項14】
近位端と、遠位ヘッドと、内部を通って縦方向に延伸する主内腔とを有する細長い軟性カテーテルボディーであって、前記遠位ヘッドは、基部と、該基部の内径より小さい内径を持つ穴を有する軟性カテーテルボディーと;
前記カテーテルボディーの前記主内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材であって、近位端と、前記カテーテルボディーの前記遠位ヘッドに位置する遠位端を含む超音波伝達部材と;
前記主内腔の一部を通って縦方向に延伸して前記遠位ヘッドの前記穴の基部内に延伸し前記遠位ヘッドの前記穴の前記遠位部の手前で終端するガイドワイヤ内腔と;
を含む超音波カテーテル。
【請求項15】
請求項14の超音波カテーテルであって、前記ガイドワイヤ内腔は前記遠位ヘッドに取り付けられたガイドワイヤチューブによって画定される超音波カテーテル。
【請求項16】
請求項14のカテーテル超音波カテーテルであって、前記ガイドワイヤ内腔は近位端と遠位端を有し、前記ガイドワイヤ内腔の前記近位端は前記カテーテルボディーの前記近位端に隣接して終端して前記カテーテルボディーに取り付けられている超音波カテーテル。
【請求項17】
請求項14の超音波カテーテルであって、前記ガイドワイヤ内腔は近位端と遠位端を有し、前記ガイドワイヤ内腔の前記近位端は、前記カテーテルボディーの遠位端に隣接して終端しかつ前記カテーテルボディーに取り付けられている超音波カテーテル。
【請求項18】
血管から粒子を取り除く方法であって:
近位端と、遠位先端と、内部を通って縦方向に延伸する内腔と、該内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材を有する超音波カテーテルを経皮的に血管に導入し;
血管の必要な治療位置に前記超音波カテーテルの前記遠位先端を位置決めし;
前記超音波カテーテルの外部に沿って流体の流れを前記必要な治療位置に導入し;
組織粒子を生じさせる超音波離解を前記必要な治療位置で開始し;
前記生じた組織粒子を前記流体と共に前記超音波カテーテルの前記内腔を通して前記遠位先端から前記近位端まで運んで前記血管の外に取り去ると共に、同時に、前記超音波伝達部材を冷却する;
ことを含む方法。
【請求項19】
医療の間に治療位置を局所的にイメージ化する方法であって:
(a)近位端と、遠位先端と、内部を通って縦方向に延伸する内腔と、該内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材とを有する超音波カテーテルを経皮的に血管に導入し;
(b)損傷部を持つ血管の必要な治療位置に前記超音波カテーテルの前記遠位先端を位置決めし;
(c)前記必要な治療位置で超音波離解を開始し;
(d)前記超音波カテーテルの前記内腔に造影剤を注入して前記遠位先端から排出する;
ステップを含む方法。
【請求項20】
請求項19の方法であって、ステップ(d)は、いつでも、ステップ(b)とステップ(c)の間に実行される方法。
【請求項21】
請求項20の方法であって、ステップ(d)はステップ(c)における前記超音波離解が終了した後に実行される方法。
【請求項22】
請求項19の方法であって、(g)前記カテーテルの前記遠位先端がガイドワイヤを前進させて前記損傷部を完全に横切らせるまで、ステップ(c)と(d)を繰り返すことをさらに含む方法。
【請求項23】
カテーテルの遠位端を形成する方法であって:カテーテルの遠位端を熱源上である時間曲げた形状に維持し;前記遠位端を冷却する;ステップを含む方法。
【請求項24】
請求項23の方法であって、前記冷却ステップは、室温以下で冷却することを含む方法。
【請求項25】
請求項23の方法であって、冷却ステップは、前記遠位端を塩水バス内で冷却することを含む方法。
【請求項26】
請求項23の方法であって、前記カテーテルの材料を熱変形温度が100℃以下である材料にすることをさらに含む方法。
【請求項27】
請求項23の方法であって、前記カテーテルの遠位端を熱源上である時間曲げた状態に維持する前に、延性ワイヤをカテーテルの遠位端に置くことをさらに含む方法。
【請求項28】
請求項23の方法であって、前記熱源は蒸気源である方法。
【請求項29】
近位端と、遠位端と、内部を通って縦方向に延伸する少なくとも1つの内腔とを有する軟性カテーテルボディーと;
前記カテーテルボディーの前記少なくとも1つの内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材であって、近位端と、前記カテーテルボディーの前記遠位端に位置する遠位端を含む超音波伝達部材と;
前記カテーテルボディーの前記近位端に位置され前記超音波伝達部材の前記近位端を超音波発生装置に連結する音波コネクタであって、前記近位端の前記超音波発生装置への連結が前記超音波発生装置の最大縦変位が生じる位置でなされている音波コネクタと;
を含む超音波カテーテル。
【請求項30】
請求項29の超音波カテーテルであって、前記超音波伝達部材の一部と前記音波コネクタを囲む穴を備えるカテーテルノブをさらに含む超音波カテーテル。
【請求項31】
請求項30の超音波カテーテルであって、前記カテーテルノブの前記穴の中に保持された吸収体をさらに含む超音波カテーテル。
【請求項32】
請求項30の超音波カテーテルであって、前記音波コネクタは、前記超音波発生装置に接続される基部と、前記超音波伝達部材の前記近位端を受ける穴を画定する前部とを含む超音波カテーテル。
【請求項33】
請求項31の超音波カテーテルあって、前記吸収体は複数のOリングを含む超音波カテーテル。
【請求項34】
請求項31の超音波カテーテルあって、前記吸収体は、互いに隣接して置かれた少なくとも2個の異なった吸収体を含む超音波カテーテル。
【請求項35】
請求項31の超音波カテーテルあって、前記吸収体は、互いに離間して置かれた2個の吸収体を含む超音波カテーテル。
【請求項36】
近位端と、遠位端と、内部を通って縦方向に延伸する少なくとも1つの内腔とを有する細長い軟性カテーテルボディーと;
前記カテーテルボディーの前記少なくとも1つの内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材であって、音波コネクタに取り付けられた近位端と、前記カテーテルボディーの前記遠位端に取り付けられた遠位端を含む超音波伝達部材と;
前記超音波伝達部材を超音波発生装置に連結する音波コネクタであって、前記超音波伝達部材が取り付けられる遠位穴と、平坦な近位表面を有する中心部と、前記近位表面から延伸して離間し前記超音波発生装置に取り付けられたねじ部とを含む音波コネクタと;
を含む超音波カテーテル。
【請求項37】
請求項36の超音波カテーテルであって、前記ねじ部と前記平坦な近位表面の間にさらにスペースを含み、前記平坦な近位表面にはねじが設けられていない超音波カテーテル。
【請求項38】
超音波カテーテルに超音波変換器を連結するコネクタであって;
カテーテルノブと;
変換器ハウジングを有する変換器であって、前記変換器ハウジングは、スリーブを含むカテーテルカップリングを有する超音波変換器と;
前記超音波変換器と前記カテーテルノブの接続を支持するために前記変換器ハウジングと前記スリーブに結合された輪状のカラーであって、
(i)該カラーが前記スリーブの周りに置かれない第1非支持位置と、
(ii)前記カラーが前記スリーブの一部の周りに置かれる第2支持位置と、
の間で摺動自在である輪状のカラーと;
を含むコネクタ。
【請求項39】
請求項38のコネクタであって、前記カラーが前記第1位置から前記第2位置まで動くときに前記スリーブに対してますますより強いグリップを与えるように前記スリーブに対して構成されたテーパー付きの内穴を前記カラーが有するコネクタ。
【請求項40】
請求項38のコネクタであって、前記カラーは、第1位置から第2位置までの移動を容易にするために設けた皿穴を有するコネクタ。
【請求項41】
請求項38のコネクタであって、前記スリーブは解放端スロットを有するコネクタ。
【請求項42】
請求項38のコネクタであって、前記スリーブは閉鎖端スロットを有するコネクタ。
【請求項43】
請求項38のコネクタであって、前記スリーブは複数の閉鎖端スロットと開放端スロットを有するコネクタ。
【請求項44】
請求項38のコネクタであって、前記スリーブは前記変換器ハウジングに取り付けられているコネクタ。
【請求項45】
請求項38のカテーテルであって、前記カテーテルが前記変換器ハウジングと結合されるときに前記カラーは前記カテーテルノブにオーバラップするカテーテル。
【請求項46】
医療の間に超音波伝達部材を冷やす方法であって:
(a)近位端と、遠位先端と、内部を縦方向に通って延伸する内腔と、該内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材とを含む超音波カテーテルを経皮的に血管に導入し;
(b)損傷部を持つ血管の必要な治療位置に前記カテーテルの前記遠位先端を位置決めし;
(c)冷却剤の浣注流を前記カテーテルの前記内腔に通すことを開始し;
(d)前記必要な治療位置で超音波離解を開始し;
(e)前記遠位先端における前記冷却剤の温度が50℃を超えないように前記浣注流の流量と圧力を維持する;
ことを含む方法。
【請求項47】
医療の間に超音波伝達部材を冷却する方法であって:
(a)近位端と、遠位先端と、内部を縦方向に延伸する内腔と、該内腔を通って縦方向に延伸する超音波伝達部材とを含む超音波カテーテルを経皮的に血管に導入し;
(b)損傷部を持つ血管の必要な治療位置に前記カテーテルの前記遠位先端を位置決めし;
(c)冷却剤の浣注流を前記損傷部に隣接した前記遠位先端の外部から前記カテーテルの外及び基部へと前記カテーテルの前記内腔に通すことを容易にするために負圧を生じさせ;
(e)前記遠位先端における前記冷却剤の温度が50℃を超えないように前記浣注流の流量と圧力を維持する;
ことを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−520255(P2007−520255A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517355(P2006−517355)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/019378
【国際公開番号】WO2004/112888
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505437169)フロウカーディア・インク (2)
【Fターム(参考)】