説明

治療薬を含有するコーティングを有する管腔内装置

【課題】管腔内装置、特に管腔内人工器官、シャント、カテーテルまたは局所薬剤送達装置の提供。
【解決手段】生体適合性を高めるために、少なくとも1つのコーティングが提供される。コーティングは、管腔内装置に付着する基質に含まれる治療薬を含有する。基質は、生体適合性の小さいポリマーで形成されるのではなく、タラ肝油またはオリーブ油などの生体適合性油または脂肪で形成される。好ましくは、生体適合性油または脂肪はα-トコフェロールをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管腔内装置に関し、特に、管腔内装置に付着する基質に含まれる治療薬を含有する少なくとも1つのコーティングが提供された、管腔内人工器官、シャント、カテー
テルまたは局所薬剤送達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
管腔の狭窄(例えば、冠動脈のアテローム硬化型の狭窄)の拡張後に全身(経口または静
脈内)投与型抗再狭窄治療薬を用いたいくつかの試みは、治療薬が作用しなければならな
い場所において治療薬は低濃度にしかならず、さらに高用量を投与すると全身投与された治療薬の副作用が生じるという結果に終わった。この理由のために、治療薬は、治療対象臓器部位に局所的に投与された。例えば、特殊なカテーテルを使用して冠動脈狭窄を治療する際には、治療薬は血管壁に注射された。この方法の欠点は、いわゆる局所治療の効率が限られていることと(投与した治療薬の5%未満しか標的臓器に到達しない)、局所薬剤投与による標的臓器の損傷の増加である。
【0003】
別の方法は、腔内人工器官をポリマーコーティングで被覆し、そのポリマーに治療薬を含浸させる方法である(EP-A-0623354、・・・)。この方法の欠点は、コーティングの薬物収容力に限界があることと、接触面積が広いことによりあまりにも速く治療薬が放出されることである。さらに、ポリマーは、治療薬の不活性化を生ずることがある過激な重合段階を必要とし、ほとんどのポリマーはあまり生体適合性ではなく、異物炎症性応答を誘導し、さらなる過形成および再狭窄さえ生じる。
【発明の開示】
【0004】
従って、本発明の目的は、過激な重合段階を必要とせず、生体適合性で、治療薬の局所徐放性を達成することができるコーティングが提供された新規管腔内装置を提供することである。
【0005】
この目的を達成するためには、本発明による管腔内装置は、治療薬を含む基質が生体適合性油または脂肪によって形成されることを特徴とする。
【0006】
驚くべきことには、管腔内に挿入したときコーティングのほとんどが管腔内装置に残っているほど十分強力に、油または脂肪が管腔内装置に付着することが見出された。油または脂肪基質は、さらに、一旦体内腔に挿入されると、治療薬の放出速度を低下させる。生体適合性油または脂肪を選択することにより、コーティングは、管腔内装置によって誘導される異物炎症性応答を減少させる。油または脂肪コーティングのさらに別の利点は、油または脂肪コーティングは潤滑作用があるので、管腔内装置の生体適合性を低下させる可能性のあるさらに別の潤滑剤を使用する必要がない。
【0007】
生体適合性油または脂肪とは、本明細書において、油または脂肪が、管腔内装置を適用する予定の管腔組織に任意の耐用不可能な有害作用を有さないことを意味する。
【0008】
「油または脂肪」という用語は、脂肪は室温において固体であるが油は室温において液体であるという、脂肪が1つの点に関してだけ油と異なる、油または脂肪の物理的特徴を
有する指定物質にさらに使用される。液体状態、すなわち、十分に高温では、油および脂肪は、粘稠性および特徴的な滑らかな質感を有する。これらはさらに、水より軽く、水に不溶である。
【0009】
脂肪および油は、脂肪性の粘稠性のために、管腔内装置に十分に強力に付着することができる。さらに、それらは水溶性でないので、体内腔で治療薬の長期放出を提供することができる。
【0010】
油または脂肪として、種々の製品を使用することができる。まず、いくつかの鉱物油が生体適合性となりうるが、動物油または植物油、特に魚油、オリーブ油、アマニ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油および/またはヤシもしくはヤシの実油などの食用油が適している。タラ肝油およびオリーブ油について優れた作用が実験的に証明されている。油は天然型で使用されなければならないわけではなく、化学構造が改変されてもよい。天然の生物油は、特に(好ましくは、不飽和脂肪酸を含有するように部分的にのみ)水素化して、融点を上昇させることができる。さらに、天然の油の組成、または特定の成分、特にトリグリセリドの組成に類似した組成を有する合成油または脂肪を製造することができる。
【0011】
上記の好ましい態様において、油は、グリセロールと1つ以上の脂肪酸とから構成され
るトリグリセリドを含む。好ましくは、油は20重量%より多いトリグリセリドを含み、最
も好ましくは70重量%より多いトリグリセリドを含む。これらの量は天然の油中に存在し
てもよく、トリグリセリドを添加することによってもしくは油をさらに精製することによって得られてもよい。しかし、本発明の他の態様において、他のトリヒドロキシまたはポリヒドロキシ化合物をグリセロールと置換することができる。90%より多いトリグリセリ
ドを含有するように精製されたタラ肝油が特に好ましい。
【0012】
油または脂肪はまた、遊離脂肪酸(遊離-COOH基を有する)を含有してもよいが、これ
らは好ましくは、50重量%未満の量であり、さらに好ましくは、ごくわずかの割合、例え
ば、約10重量%未満の遊離脂肪酸の量である。油または脂肪はさらに、他の脂肪酸誘導体
、特に脂肪酸のメチルまたはエチルエステルから構成されることができ、あるいは含んでもよい。
【0013】
生体適合性油または脂肪として使用することができるさらに別の「油」または「脂肪」物質の例は、α-トコフェロールおよび/または酢酸α-トコフェロールなどのその誘導体である。α-トコフェロールおよび/またはその誘導体は油もしくは脂肪の一成分であっ
ても、油または脂肪が実質的に完全にこの化合物からなってもよい。
【0014】
EP-A-0 623 354にすでに開示されているように、トコフェロール(ビタミンE)は治療薬
である。概して、本発明によると、管腔内装置に付着する基質を形成する油または脂肪は、治療薬が油または脂肪である場合には、この治療薬で部分的または完全に形成されてもよい。当然のことであるが、1種以上のさらに別の治療薬をこのように形成した油または
脂肪基質に組み入れることができる。
【0015】
本発明者らは、α-トコフェロールおよび/またはその誘導体を、好ましくは、脂肪酸
および/またはその誘導体、特に1種以上のトリグリセリドを含む油または脂肪と組み合
わせて使用することを見出した。本発明者らは、さらに特に、この組み合わせを含有するコーティングは血管組織に非常に優れた生体適合性を示したことを見出した。炎症スコアの減少、特に狭窄領域および新生内膜過形成の減少に対して観察された効果は、相乗効果の出現を示している。α-トコフェロールおよび/またはその誘導体は好ましくは、この
ような相乗効果を達成するために脂肪酸および/またはそれらの誘導体を含む油または脂肪と混合されるが、第1の油または脂肪コーティング上のα-トコフェロールおよび/またはその誘導体のトップコートも良好な結果を提供すると思われた。このようなトップコートは好ましくは、少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%のα-トコフェ
ロールおよび/またはその誘導体を含む。コーティングの油または脂肪の一成分である場合には、この油または脂肪は、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%の
α-トコフェロールおよび/またはその誘導体を含む。
【0016】
治療薬は、油または脂肪の成分ではなく、任意の化学結合技法によって油または脂肪に化学的に結合されてもよい。油または脂肪が、例えばトリグリセリドを含む場合には、治療薬は、例えば脂肪酸基またはグリセロール基に化学結合されうる。一方、脂肪酸基そのものは、治療薬であってもよい脂肪酸によって形成されてもよい。このような脂肪酸は、特に不飽和脂肪酸であり、さらに特にω-3脂肪酸である。治療効果に関しては、脂肪酸は好ましくは、5重量%を超える、さらに好ましくは10重量%を超える、最も好ましくは15重
量%を超える不飽和脂肪酸によって形成される。最も好ましくは、これらの不飽和脂肪酸
は、エイコサペンタエン酸(eicosapantaenoic acid, EPA)および選択的にドコサヘキサエン酸(decosahexaenoic acid, DHA)を含む。特にタラ肝油およびオリーブ油についての実
験は、このような油だけからなるコーティング、すなわち、治療薬が添加されていない場合には、治癒応答にすでに有用な効果を有しており、人工器官の開通性を改善することを示している。タラ肝油およびオリーブ油のような生体適合性油の有用な効果は、それらの抗酸化および抗炎症作用、特に不飽和脂肪酸の抗酸化作用によって説明することができる。この抗酸化作用は、抗酸化作用を有するビタミンEまたはその誘導体を添加することに
よりまたはそれが天然に存在することにより増加されうる(例えば、油または脂肪が部分
的に水素化されている場合)。さらに、生体適合性油は、細胞培養実験において平滑筋細
胞の増殖を阻止する。
【0017】
本発明による装置において、治療薬は油または脂肪と混合されてもよい。治療薬は、油もしくは脂肪に可溶性である場合には、それらに溶解することができ、または油もしくは脂肪に可溶性でない場合には、それらに分散させることができ、さらに特に、治療薬が液体か固体かということに応じて、乳化もしくは懸濁化することができる。
【0018】
治療薬は、ビンブラスチン、シロリムス、ミトキサントロン、タクロリムス、パクリタキセル、サイトカラシン、ラトルンクリン(latrunculin)およびエベロリムスからなる群
より選択することができ、特に好ましくはエベロリムスである。治療薬はまた、デフェロキサミン、ゲルダナマイシン、ナイジェリシン、ペニトレム、パキシリン、ベルクロゲン、KT5720、KT5823、アニソマイシン、塩化ケレリトリン、ゲニステイン、パルテノリド、トリコスタチンA、T2トキシン、ゼアラレノン、インターフェロン、エピサロン(epithalon)-D、Ca-イオノフォア、4ブロモCaイオノフォア、アフラトキシン、アフィジコリン、ブレフェルジンA、セルレニン、クロモマイシンA3、シトリニン、シクロピアゾン酸(cyclopiazonic acid)、フォルソコリン(forsokolin)、フマギリン、フモニシンB1、B2、ヒペリ
シン、K252、ミコフェノール酸、オクラトキシンAおよびオリゴマイシンからなる群より
、またはさらにミコフェノール酸、ミコフェノレートモフェチル、ミゾリビン、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾンおよび他のコルチコステロイド、certican(商標)、tritolide(商標)、methotrexate(商標)、benidipine(商標)、ascomycin(商標)、wortmannin(商標)、LY294002、Camptothecin(商標)、Topotecan(商標)、ヒドロキシ尿
素、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダクリズマブ、アザチオプリン、gemcitabine(商標)並びにそれらの誘導体および類似体からなる群より選択することができる。治
療薬として、抗血栓および/または抗再狭窄作用を有するある種の物質(タンパク質)をコードする遺伝子も使用することができる。
【0019】
治療薬は異なる作用を有してもよく、これに関しては、免疫抑制剤、抗炎症剤、抗増殖剤、抗遊走剤、抗線維化剤、アポトーシス促進剤、カルシウムチャネル遮断剤、抗腫瘍剤、抗体、抗血栓剤、抗血小板剤、IIb/IIIa遮断剤、抗ウィルス剤、抗癌剤、化学療法剤、血栓溶解剤、血管拡張剤、抗生物質、増殖因子アンタゴニスト、フリーラジカルスカベンジャー、放射線不透過剤、抗血管形成剤、血管形成剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、サイトカイン阻害剤、一酸化窒素ドナーおよびサイトカイン
活性化剤から選択することができる。
【0020】
本発明による管腔内装置に提供されるコーティングは、治療薬および油または脂肪以外の他の物質を含んでもよい。例えば、コーティングを安定化するために、いくつかの物質、特にいくつかの天然または合成ポリマー物質、結合剤、増粘剤等をコーティングに添加することが可能である。しかし、油または脂肪コーティングの改善された生体適合性をできるだけ維持するために、このような物質の量は好ましくは、30重量%未満、さらに好ま
しくは85重量%未満、最も好ましくは95重量%未満に保たれる。これは、コーティングが好ましくは、少なくとも70重量%、さらに好ましくは少なくとも85重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%の油または脂肪および治療薬を含むことを意味する。コーティングの油
または脂肪の含量は、好ましくは少なくとも50重量%、さらに好ましくは少なくとも70重
量%、最も好ましくは少なくとも80重量%であり、特に好ましくは油または脂肪の含量は少なくとも90重量%である。
【0021】
コーティングからの治療薬の放出を制御または調整するために、トップコート、特に同一または異なる生体適合性油または脂肪のトップコートをこのコーティングの上面に塗布することができる。治療薬が送達される速度は、コーティング中の油もしくは脂肪に対する治療薬の比によって、または種々の薬剤濃度の多数のコーティングを提供することによってさらに制御することができる。本発明による装置では、治療薬の放出は、ある安定レベルおよび融点を有する適当な生体適合性油または脂肪を選択することによってさらに制御することができる。
【0022】
治療薬に有害な影響を与えることなく、治療薬を融解した状態で油または脂肪と混合することができるように、油または脂肪は、好ましくは100℃未満、さらに好ましくは80℃
未満の融点を有する。混合物が、治療薬と、融解した状態の油または脂肪と、エタノールなどの揮発性溶媒から作成されうるように、融点は、好ましくはさらに60℃より低く、さらに好ましくは40℃より低い。
【0023】
固相状態の油または脂肪基質からの治療薬の放出が遅すぎることがあることを考慮すると、油または脂肪は生体内腔に一旦挿入されたら溶融状態であるように、油または脂肪の融点は、好ましくは37℃以下である。
【0024】
油または脂肪は室温において油であってもよい。例えば、上記の天然油は、ヤシ油およびヤシの実油を除いて、室温において液体である。アマニ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、オリーブ油およびタラ肝油は約0℃以下の融点を有する。このような低い融点の場合
でも、これらの油は管腔内装置に十分に強力に付着できることが、実験により示されている。しかし、コーティングをさらに安定にするために、これらの不飽和油は、部分的に水素化して融点を上昇させることによってさらに安定化することができる。融点は、油または脂肪の望ましい安定性(粘性)および放出特性に応じて、10、15、20または30℃より高い融点まで上昇させることができる。
【0025】
不飽和脂肪酸鎖をなお含む化学的硬化油または脂肪を使用する場合には、硬化油または脂肪は、好ましくは不飽和脂肪酸鎖のトランス異性体を含有しない。天然油は通常、このようなトランス異性体を含有しない。しかし、通常の硬化過程中に、トランス異性体が形成される。このようなトランス異性体は負の影響を与えることがあるので、好ましくは、例えば国際公開公報第98/54275に記載されている技法により除去される。
【0026】
本発明はまた、管腔内装置に付着する基質に含まれる治療薬を含有する少なくとも1つ
のコーティングを有する、管腔内装置、特に管腔内人工器官、シャント、カテーテルまたは局所薬剤送達装置を提供する方法に関する。本発明によると、基質は、治療薬を含み、
流動可能な状態で装置に塗布される生体適合性油または脂肪によって形成される。
【0027】
油または脂肪は、粘性が十分に低い場合には(選択的に加熱後)、溶融した状態で装置に塗布することができる。しかし、通常好ましくは油または脂肪を装置に塗布する前に油または脂肪と混合する溶媒を使用し、溶媒と油または脂肪との混合物を装置に塗布後に、溶媒を蒸発させる。溶媒は通常、有機溶媒、特にエタノールなどのアルコールである。
【0028】
油または脂肪が溶媒に可溶性である場合には、油または脂肪のその溶媒中の溶液を先ず作製することができ、油または脂肪にまだ含まれていない場合には、その後治療薬を添加することができる。油または脂肪が可溶性でない場合には、均一な混合物、特にエマルジョンを先ず作製する。または、治療薬を先ず溶媒に溶解または分散させてから、油または脂肪と混合することができる。
【0029】
本発明の好ましい態様による典型的な方法は以下の段階を含む:
a)人工器官を洗浄、脱脂および乾燥する
b)脱酸素溶液に人工器官を浸漬し、空気乾燥する
c)好ましくは液体状態の油または脂肪中に、生体適合性油または脂肪と溶媒とのエマルジョンまたは溶液を作製する
d)このエマルジョン/溶液において、油もしくは脂肪が治療薬をまだ含有しない場合には治療薬を溶解し、または油もしくは脂肪が治療薬をすでに含有する場合には追加の治療薬を溶解する。治療物質は、溶媒/油エマルジョンもしくは溶液との真の溶液となりうるか、または溶媒/油エマルジョンもしくは溶液に微粒子で分散されうるように、溶媒/油エマルジョンもしくは溶液全体に分散されればよい。
e)均一な混合物/溶液となるまで、得られた溶液を撹拌する
f)ディップコーティングまたはスプレーコーティングまたは任意の他のコーティング方法を使用して、油/溶媒エマルジョンまたは溶液を含有する治療薬を人工器官の本体に塗布する。
g)溶媒が蒸発するまで空気乾燥する。
h)選択的に、最終的に異なる治療薬を使用して以上の段階を複数回繰り返す。
i)滅菌層流で人工器官をさらに空気乾燥する。
【0030】
段階cの前に、治療薬を、溶媒または油もしくは脂肪にすでに添加してもよい。油また
は脂肪は、例えば、EPA、および選択的にDHAで強化してもよい。α-トコフェロールおよ
び/またはその誘導体を油または脂肪に添加することも可能である。さらに、不飽和脂肪酸基などの治療的に活性な基をすでに含む油もしくは脂肪を選択することができ、または任意の化学的結合技法を使用して治療薬を油もしくは脂肪に結合することができる。このように油または脂肪に治療薬がすでに提供されている場合には、治療薬をこれ以上添加する必要はないが、さらなる治療薬を添加することも可能である。例えば、油がα-トコフ
ェロールもしくはその誘導体によって形成されている場合、または油がα-トコフェロー
ルもしくはその誘導体を含む場合がそうである。
【0031】
生体適合性油または脂肪からなるトップコートを乾燥後、特に天然の食用油またはα-
トコフェロール(もしくはその誘導体)またはその組み合わせを、デッィプコーティング、スプレーコーティングまたは任意の他のコーティング方法を使用して存在させることができる。
【0032】
乾燥後、コーティングした得られた人工器官はそのまま使用することができ、またはさらに乾燥および滅菌することができる。保存時に生体適合特性を維持するために、コーティングした得られた人工器官を光から保護することが賢明である。
【0033】
人工器官を被覆する薬剤に、生体適合性の、特に生物油または脂肪を密着させることにより、人工器官の膨張中に弾性基質内にある薬剤を人工器官に保持させることができ、また植込み後の薬剤の投与を緩徐化する。さらに、使用する生物油の融点に応じて、油は脂肪になることができ、薬剤を保持し、さらに安定な表面コーティングを生じる。さらにある化学物質(炭酸水素塩)を添加することによってまたは水素化することによって、コーティングをさらに安定化することができ、薬剤を含有する非常に安定なコーティングを生じる。人工器官が金属表面またはポリマー表面を有するかどうかにかかわらず、本発明の方法を使用することができる。本方法はまた、人工器官を溶液(エマルジョン)に単純に浸漬することによってまたは人工器官に溶液(エマルジョン)を噴霧することによって実施することができるので、極めて単純な方法である。人工器官に含まれる薬剤の量は、異なる薬剤濃度および/または異なるコーティング塗布方法を使用することによって容易に制御することができる。薬剤が送達される速度は、ある安定性レベルおよび融点で適当な生体適合性油または脂肪を選択することによって、さらに溶液中の油に対する薬剤の比によって制御することができる。放出速度は、追加のバリアコーティングまたは異なる薬剤濃度の多層コーティングを使用することによってさらに制御することができる。さらに、このシステムにより、異なる治療薬を使用することができる。操作時には、本発明により作製した人工器官は、生体内腔の選択した部分に経腔的に人工器官を導入し、生体内腔に接触させて人工器官を放射状に膨張させることによって、生体内腔に薬剤を送達することができる。経腔的送達は、人工器官を送達するために設計されたカテーテルによって実施することができ、放射状の膨張は人工器官のバルーン膨張、人工器官の自己膨張または自己膨張とバルーン膨張との組み合わせによって実施することができる。
【0034】
従って、本発明は、塗布された治療的に有意な量の薬剤または遺伝子を損失することなく、選択した生体内腔または導管内に送達されて膨張しうる人工器官を提供する。本発明はまた、内腔または導管の組織に薬剤または遺伝子の持続的な放出を可能にする薬剤または遺伝子を含有する人工器官を提供する。
【0035】
本発明により使用する人工器官の下層構造は、例えば、自己膨張型またはバルーン膨張型で、金属またはポリマー材料の、実質的に任意の人工器官設計であってもよい。従って、US-A-4.733.665(Palmaz)およびUS-A-5.603.721(Lau)に開示されているものなどの金属
製の人工器官設計を本発明に使用してもよい。また、局所的な薬剤送達を最適にするための特殊な表面処理または特殊な設計の人工器官は、本発明に特に適している(例えば、DE199 16 086 A1、EPO 950 386 A2、EP1 132 058 A1、国際公開公報第01/66036 A2号、国際
公開公報第98/23228号、米国特許第5.902.266号、米国特許第5.843.172号、・・・)。特
に、人工器官の表面は、治療薬の負荷量を増加するためおよび/または放出を遅くするためのコーティング材料を充填することができる開いた穴または窪みが提供されてもよい。コーティングを塗布後、穴または窪みの横の人工器官表面をふき取るかまたはきれいにして、コーティング材料を除去する。従って、本発明は人工器官全体を被覆する連続的なコーティングだけでなく、不連続的な局所コーティングまたは局所コーティングとその上に塗布した連続トップコーティングとの組み合わせも含む。コーティングはさらに、人工器官の表面にさらに適用されなくてもよい。例えば、多孔性人工器官を使用する場合には、コーティングは人工器官の孔内に位置してもよい。人工器官は、設計に適した物理特性を有する実質的に任意の生体適合性材料から製造されてもよい。例えば、タンタル、ニチノールおよびステンレス鋼は多数のこのような設計に適していることが証明されており、本発明に使用してもよい。また、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリアセタール、ポリ(
乳酸)、ポリ(エチレンオキシド)/ポリ(ブチレンテレフタレート)コポリマーなどの生物
学的に安定なまたは生体吸収性ポリマーから作製された人工器官を本発明に使用してもよい。人工器官の表面は、製造過程中に混入する可能性のある汚染物質を含まず清潔であるべきであるが、本発明において塗布したコーティングを保持するために特定の表面処理を必要としない。
【0036】
選択した油または脂肪は生体適合性であり、人工器官が植え込まれたときに管壁への刺激を最小にすべきである。溶液中の油/溶媒エマルジョンに対する治療物質の比は、治療物質を人工器官に固定する際の油または脂肪の効果およびコーティングが血管または生体内導管の組織に治療物質を放出する速度に依存する。治療物質を人工器官に保持させる際の油または脂肪の効果が比較的悪い場合には、より多くの油または脂肪が必要とされることがあり、可溶性の大きい治療物質の溶出を制限する溶出基質を提供するために、より大量の油が必要とされることがある。従って、油/溶媒エマルジョンに対する治療物質の広い比、特に約100:1〜1:100の範囲の重量比が適当と思われる。
【0037】
本新規コーティング方法を用いた実験的研究
生物学的コーティングは以下に基づいている:
1)可溶性の生物油(魚油、オリーブ油および他の生物油)、
2)αトコフェロール(Vit E油溶液)、および単層または多層で使用されるこれらの成分(50/50)の混合物。
全てのコーティング溶液は、均一な溶液が得られるまで、十分に振とうした。
【0038】
ステントおよびステントコーティング
バルーンを取り付けたステンレス鋼バルーン膨張式冠動脈ステント(長さ16mm)をこれらの検討に使用した。未処理のステントを滅菌し、炭酸水素塩溶液に浸漬して空気乾燥し、次いで油コーティング溶液でディップコーティングした。コーティングしたステントを空気乾燥するか、またはエチレンオキシドで滅菌してから、ブタ冠動脈に植え込んだ。コーティングしたステントの表面の特徴を光学的および走査型電子顕微鏡(SEM)で調査した

【0039】
ステントの植込み
体重20〜25kgの家畜化された交配ブタ(両性)を使用した。検討期間中、脂質またはコレステロールを加えない標準的な天然の穀類飼料で飼育した。動物は全て、実験動物の取り扱いと使用に関するベルギー国立研究所の衛生ガイドライン(Belgium National Institute of Health Guidelines for care and use of laboratory animals)に準拠して取り扱った。
【0040】
急性検討
この検討では、対照の未処理のステントおよび油をコーティングしたステント(タラ肝
油(CLO)、α-トコフェロールの油溶液(VIT E)、CLO+VIT E、各群5つのステント)を無作為にブタの冠動脈に植え込んだ。ブタは5日後に犠牲にし、急性炎症性応答および血栓形成
を評価した。
【0041】
慢性検討
この検討では、対照の未処理のステント(n=16)および油をコーティングしたステント(CLO n=13、VIT E n=16、CLO+VIT E n=3)を無作為にブタの冠動脈に植え込んだ。ブタは4週間後に犠牲にし、支柱周囲の炎症および新生内膜過形成を評価した。
【0042】
冠動脈における外科的手技およびステントの植込みは、De Scheerderらによる「Local angiopeptin delivery using coated stents reduces neointimal proliferation in overstretched porcine coronary arteries」J. Inves. Cardiol. 8: 215-222; 1996および
「Experimental study of thrombogenicity and foreign body reaction induced by heparin-coated coronary stents」Circulation 95: 1549-1553; 1997に記載されている方法により実施した。
【0043】
オーバーサイズを10〜20%にするための基準としてガイドカテーテルを使用した。
【0044】
組織形態計測的分析のための組織処理
追跡調査5日目または4週間目に、ブタを犠牲にして、ステントを挿入した冠動脈を10%
ホルマリン溶液で80mmHgにおいて潅流した。動脈セグメントは、ステントの近位および遠位の最低1 cmの血管セグメントと共に慎重に切開した。セグメントを10%ホルマリン溶液
でさらに固定した。組織形態計測分析のために、各セグメントを、近位、中央および遠位ステントセグメントに切断した。組織標本を冷却した重合樹脂(Technovit 7100, Heraus Kulzer GmbH、およびWehrheim、ドイツ)に包埋した。厚さ5ミクロンの切片を、硬い金属
ナイフを備えた回転式重負荷用ミクロトームHM 360(Microm、Walldorf、ドイツ)で切断し、ヘマトキシリン-エオシン、マッソントリクローム、弾性染色およびリンタングステン
酸ヘマトキシリン染色で染色した。光学顕微鏡調査は、使用したステントの種類について盲検的に実施した。ステント留置による動脈壁の損傷は、各ステントフィラメント部位について評価し、「Restenosis and the proportional neointimal response to coronary artery injury: results in a porcine model」J. Am. Coll. Cardiol. 1992; 19(2): 267-74においてSchwartzらによって記載されているように段階分けした。全てのステントフィラメント部位における炎症反応を、炎症細胞を探索して慎重に調査し、以下のように判定した:
1=ステントフィラメント周囲に組織球・リンパ球の浸潤はわずかにしか見られない、
2=ステントフィラメントを覆う組織球・リンパ球の浸潤はやや多く見られるが、異物肉芽腫または巨細胞は見られない、
3=炎症細胞および/または巨細胞が多く見られ、中膜にも侵入している。
【0045】
血栓の性状は、リンタングステン酸ヘマトキシリン染色したスライド上の全てのステントフィラメントについて評価し、以下のように段階分けした:
1=ステントフィラメントにわずかな血栓が隣接している、
2=顕著に見られ、ステントフィラメントを覆っている、
3=大きい血栓が見られ、狭窄面積<50%に至る、
4=大きい血栓が見られ、狭窄面積>50%に至る。
【0046】
平均スコアは、各フィラメントのスコアの合計/存在するフィラメントの数として算出した。
【0047】
回収した冠動脈セグメントの形態計測学的分析は、コンピュータによる形態計測プログラム(Leitz CBA 8000)を使用することによって3つの断片(近位、中央および遠位ステント部分)について実施した。それぞれ、動脈内腔、内弾性板(IEL)の内側領域および外弾性板(EEL)の内側領域の面積を測定した。さらに、狭窄面積(1-内腔面積/IEL面積)および新生内膜過形成面積(IEL面積-内腔面積)を算出した。
【0048】
統計学
異なる群の比較のために、非対応t検定を使用する。データは平均値±SDとして表す。p値≦0.05は、統計学的に有意であると考えた。
【0049】
結果
コーティングしたステントのSEM画像
ステントフィラメントを被覆するコーティングの厚さは10μmであった。ステント表面
は滑らかであった。
【0050】
組織病理学的所見(表1)
追跡調査5日目に、未処理のステントおよび全てのCLOコーティングしたステントは、同
一の組織病理学的応答を誘導した。ステントフィラメントは血管壁に対して良好な整合性を示した。内弾性膜はステントフィラメントの下に位置し、中膜は圧縮されていた。ステント植込みにより引き起こされた動脈損傷は、グループ間で有意に異ならなかった。ステントフィラメントを覆う薄い繊維素層が観察された。ステント支柱を覆う血栓の網目構造に捕獲された炎症細胞がわずかに観察された。CLOコーティングしたステントと未処理の
ステントの炎症スコアおよび血栓スコアには有意な差は観察されなかった。
【0051】
追跡調査4週間目には、組織病理学的調査により、CLOコーティングしたステントおよび未処理のステントの内腔表面は内皮細胞で完全に被覆されていることがわかった。わずかな炎症細胞がステント支柱に隣接しているのが見られた。2より大きい支柱周辺の炎症ス
コアはまれであった。CLOコーティングしたステント全ての平均炎症スコアは未処理のス
テントより低かったが、VIT Eコーティングしたステントだけは、炎症スコアが有意に低
かった(1.10±0.29対1.00±0.01、P<0.05)。内弾性板および中膜の裂創が観察された。未処理のステントと比較すると、CLOコーティングしたステントの動脈損傷スコア(0.28±0.39対0.19±0.19、P>0.05)およびCLO+VIT Eコーティングしたステント(0.28±0.39対0.21
±0.16、P>0.05)は低かった。
【0052】
形態計測学
追跡調査4週間目には、全てのCLOコーティングしたステントおよび未処理のステントの新生内膜は、細胞外基質およびSMCのものからなり、十分に組織化されていた。未処理の
ステントの内腔領域は、VIT Eコーティングしたステントより有意に広かった(5.17±1.19対4.19±0.93、P<0.001)が、CLO+VIT Eコーティングしたステントより狭かった(5.17±1.19対6.37±0.97、P<0.01)。未処理のステントの新生内膜過形成はVIT Eステントとほぼ同じであったが、CLOコーティングしたステント(1.50±0.76対1.25±0.61、P>0.05)およびCLO+VIT Eコーティングしたステント(1.50±0.76対0.96±0.20、P<0.05)よりも大きかった。
【0053】
(表1)追跡調査4週間目のコーティングしたステントに対する組織形態測定学的応答

未処理のステントと比較して、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。
【0054】
結論
全ての3つのコーティングしたステントおよび未処理のステントは、追跡調査5日目には同様の組織応答を誘発した。その経過時点では、コーティングしたステントでさらなる炎症性応答および血栓形成の増加は観察されなかった。追跡調査4週間目では、全てのコー
ティングしたステントが軽度の炎症性応答を示した。コーティングしたステントの炎症スコアは、特にVIT Eコーティングを使用したとき、未処理のステントより低かった。CLOおよびCLO+VIT Eコーティングしたステントは、未処理のステントと比較して新生内膜過形
成が少なかった。VIT Eコーティングしたステントの新生内膜過形成は未処理のステント
とほぼ同じであったので、VIT Eコーティングしたステントの内腔面積の減少は、選択し
たステント留置動脈が細かったことによって生じる可能性がある。
結論として、CLO、VIT EおよびCLO+VIT Eコーティングは全て血管組織に優れた生体適
合性を示し、従って局所薬剤送達の媒体として働くことができると思われる。最も良好な結果はCLO+VIT Eの組み合わせで得られた。
【0055】
オリーブ油コーティング
タラ肝油およびビタミンE油を用いた試験以外に、同様の試験をオリーブ油を用いて実
施した。これらの試験の結果を表2に示す。この表では、表1に示す未処理のステントの結果と比較したとき、オリーブ油だけからなるコーティングは内腔面積、新生内膜過形成および狭窄面積に対して有益な効果を示すことがわかる。
【0056】
(表2)追跡調査4週間目のオリーブ油コーティングしたステントに対する組織形態測定学的応答

【0057】
生物油に添加したタクロリムス
本新規コーティング方法を評価するために、市販のバルーン膨張式冠動脈ステント(V-Flex Plus、16mm/3.0mm、William Cook Europe)を管腔内人工器官として使用した。薬剤として、本発明者らは、IL-2媒介性T細胞増殖を遮断し、抗炎症および抗増殖活性を有する
カルシニューリン阻害剤であるタクロリムスを使用した。
【0058】
タクロリムス(1mg)を、50%高純度エイコサペンタエン酸(EPA)強化油と50%純エタノール
のエマルジョンに溶解した。5分間激しく撹拌した後、均一な溶液を得た。ステントを洗
浄し、脱脂し、乾燥した。ステントを30秒間炭酸水素ナトリウム溶液に浸漬し、空気乾燥し、次いでタクロリムス/エイコサペンタエン酸(EPA)強化油/エタノールエマルジョン
に浸漬した。
【0059】
ステントを温かい層流中で空気乾燥してエタノールを蒸発させ、薄い均一なコーティング層を得た。ステントは、繰り返し浸漬し乾燥した(3回)。その後、ステントをα-トコフェロール/エタノール溶液に浸漬し、再度空気乾燥した。
【0060】
1つのステントに与えられた総タクロリムス量は800μgであった。
【0061】
インビトロにおける薬剤放出は、4週間にわたる薬剤の連続的な放出を示した。
【0062】
ブタ冠動脈モデルを使用したインビボ実験は、コーティングシステムの完璧な生体適合性を明らかにした。ステント植込み後5日、10日並びに4週間および8週間経過時には炎症
性応答は見られなかった。薬剤を含有しないコーティングを使用したとき、コーティングしていない未処理のステントと比較して、4および8週間経過時にステントにおける(in-stent)新生内膜過形成の予想していなかった20%の低下が観察された。タクロリムスを添
加すると、新生内膜過形成をさらに減少させることができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔内装置に付着する基質に含まれる治療薬を含有する少なくとも1つのコーティングが提供された、管腔内装置、特に管腔内人工器官、シャント、カテーテルまたは局所薬剤送達装置であって、前記基質が生体適合性油または脂肪で形成されており、その油または脂肪が化学的に硬化された油または脂肪であることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記化学的に硬化された油または脂肪が、部分的に水素化された油または脂肪であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記化学的に硬化された油または脂肪が、不飽和脂肪酸鎖を含むが、不飽和脂肪酸鎖のトランス異性体を実質的に含まないことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記治療薬が、免疫抑制剤、抗炎症剤、抗増殖剤、抗遊走剤、抗線維化剤、アポトーシス促進剤、カルシウムチャネル遮断剤、抗腫瘍剤、抗体、抗血栓剤、抗血小板剤、IIb/IIIa遮断剤、抗ウィルス剤、抗癌剤、化学療法剤、血栓溶解剤、血管拡張剤、抗生物質、増殖因子アンタゴニスト、フリーラジカルスカベンジャー、放射線不透過剤、抗血管形成剤、血管形成剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、サイトカイン阻害剤、一酸化窒素ドナーおよびサイトカイン活性化剤からなる群より選択される少なくとも1つの治療薬を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記油または脂肪が、脂肪酸および/または1つ以上のその誘導体を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記油または脂肪が、グリセロールおよび1つ以上の脂肪酸から構成される1つ以上のトリグリセリドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記脂肪酸がオメガ-3脂肪酸を含むことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記脂肪酸がエイコサペンタエン酸および/またはドコサヘキサエン酸を含むことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は血管内人工器官であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。

【公開番号】特開2006−51369(P2006−51369A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−242578(P2005−242578)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【分割の表示】特願2003−541902(P2003−541902)の分割
【原出願日】平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願人】(505330882)ジスコート・ナムローゼ・フエンノートシャップ (2)
【氏名又は名称原語表記】ZISCOAT N.V.
【Fターム(参考)】