説明

泡吐出容器

【課題】 大容量の泡を吐出することができ、使用性に優れる泡吐出容器を提供する。
【解決手段】少なくとも2箇所に口部3,4を有する容器本体2と、前記容器本体2内に外気を送り込むエアーポンプ10と、空気および内容液を混合して泡を発生させる泡発生装置20とを備え、前記エアーポンプ10と前記泡発生装置20とが各々異なる口部3,4に取り付けられていることを特徴とする泡吐出容器1を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量の泡を発生することが可能な泡吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗剤などの内容液を空気と混合して泡状にして吐出する泡吐出容器としては、従来、種々の構成が知られている(例えば特許文献1,2,3)。
例えば特許文献1に示すようなエアタンク内蔵泡吐出ポンプディスペンサーの場合、容器内にシリンダおよびピストンからなるポンプを内蔵しており、吐出可能な泡の量は、シリンダとピストンとの間に形成されるエアータンクの容積によって制限を受ける。この種の容器では、一回に吐出可能な量は、一般に内容液1.0〜1.5cm、空気10〜20cm程度である。これ以上大量の泡を吐出させるためには、エアータンクを大きくする必要があるが、エアータンクがあまりに大きいと手ごろな大きさの容器には入りきらず、実用的でない。
特許文献2に示すようなスクイズ式容器の場合、胴部の圧搾(スクイズ)によって容器の内圧を上昇させ、空気と内容液を混合発泡して吐出するようになっているが、泡を吐出させるためには、多量の内容液を押し上げて液面を上昇させる必要があり、操作に大きな力が必要である。しかも、容器内に収容できる空気の量は液面より上の体積に限られるので、内容液の残量が多い場合には容器内の空気の量が比較的少ない。このような場合に液のみが噴出することを避けるためには、必要以上に大きな空間を設けることになり、容器が大きくなってしまうか、または、容器の材質の選定等により一回の吐出量を制限する必要がある。このため、大容量の泡を吐出させることは困難である。
特許文献3に示すようなエアーポンプ式泡吐出容器の場合、ボトルにエアーポンプを取り付けることで大容量の泡吐出を可能としている。しかし内容液の詰め替え時に大きなヘッドと泡発生装置とを一緒に取り外すことが必要となる構造であるため、使いづらいという問題がある。
特許文献4に示すような泡吐出容器の場合、容器本体の胴部に伸縮可能な蛇腹部を設けたことで泡の吐出を可能にしている。しかし内容液の詰め替え時に大きなヘッドと泡発生装置とを一緒に取り外すことが必要となる構造であるため、詰め替えの作業が面倒であるという問題がある。
【特許文献1】実開平6−32346号公報
【特許文献2】特開平7−223659号公報
【特許文献3】特許第3240810号公報
【特許文献4】実開平1−163564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大容量の泡を吐出することが可能であり、使用性に優れる泡吐出容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の課題を解決するため、請求項1の発明は、少なくとも2箇所に口部を有する容器本体と、前記容器本体内に外気を送り込むエアーポンプと、空気および内容液を混合して泡を発生させる泡発生装置とを備え、前記エアーポンプと前記泡発生装置とが各々異なる口部に設けられていることを特徴とする泡吐出容器である。
請求項2の発明は、前記泡発生装置のディップチューブには、該ディップチューブ内における内容液の下降を阻止する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の泡吐出容器である。
請求項3の発明は、前記エアーポンプは、1回の操作により吐出される空気量を調整する吐出量調整機構を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の泡吐出容器である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の泡吐出容器によれば、詰め替え時にエアーポンプと泡発生装置との両方を取り外す必要がなく、使用性に優れる。しかも、容器本体に対してエアーポンプが外付けされているから、容器本体のサイズにかかわらず必要な吐出量のエアーポンプを設けることができ、大容量の泡(例えば20〜50cm程度)を吐出することが可能である。また、前記エアーポンプを取り外して開口される口部から詰め替え用内容液の注入が可能であるから、泡発生装置のディップチューブを引抜く必要がなく、詰め替え口を開く作業が容易であり、液ダレの心配もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の泡吐出容器の第1形態例を示す断面図であり、図2は、泡発生装置の要部を示す部分拡大断面図である。図3は、ノズル部材と第1のキャップとの嵌合により泡通路を閉鎖した状態を示す部分拡大断面図である。
図1に示すように、本形態例の泡吐出容器1は、頂部5の2箇所に円筒状の口部3,4を有する容器本体2と、容器本体2内に外気を送り込むエアーポンプ10と、空気と内容液とを混合発泡して吐出する泡発生装置20と、泡発生装置20を保持して第1の口部3に着脱自在に取り付けられた第1のキャップ30と、エアーポンプ10を支持して第2の口部4に着脱自在に取り付けられた第2のキャップ40と、第1のキャップ30の上側に設けられたノズル部材50とを備えて構成されている。
容器本体2は、プラスチックからブロー成形等により成形されており、胴部6内に液体洗浄剤等の内容液Lを収納できるようになっている。容器本体2内において、内容液Lの液面Sより上側には空気Aが存在している。
【0007】
エアーポンプ10は、蛇腹状の側壁部11bの一側が円板状の頂壁部11aにより閉塞されるとともに他側が嵌合穴11dを有する底部11cとなっている蛇腹部材11と、蛇腹部材11の頂壁部11aの中央部に設けられた吸気弁13と、蛇腹部材11の底部11cに装着された取付部材14とを備えて構成されている。吸気弁13は外から蛇腹部材11内の空気室12への空気の流入を許容し、内から外への空気の流出を阻止する逆止弁である。
取付部材14は、蛇腹部材11の嵌合穴11dに嵌入される略円筒状の本体部14aと、本体部14aの周縁に突設されたフランジ部14bとを備え、本体部14aの中央には空気通路14cが開口されている。
【0008】
第2のキャップ40は、頂壁部41とその周囲に下向きに突設された円筒状の周壁部42とを有し、頂壁部41の中央部には貫通穴43が開口されている。第2のキャップ40は、ねじの螺合により第2の口部4に着脱自在に取付可能になっている。
エアーポンプ10は、取付部材14の本体部14aを第2のキャップ40の貫通穴43に挿入し、取付部材14の本体部14aを蛇腹部材11の嵌合穴11dに嵌入し、第2のキャップ40の頂壁部41を蛇腹部材11の底部11cと取付部材14のフランジ部14bとの間に挟み込むことで、第2のキャップ40に装着されるようになっている。
なお、エアーポンプ10と第2のキャップ40とを一体に形成することも可能である。
【0009】
エアーポンプ10を操作して蛇腹部材11を収縮させると、容器本体2内の空気Aが加圧され、内容液Lがディップチューブ23(後述)を上昇し、後述の空気通路25から空気が流入する。従って、蛇腹部材11の頂壁部11aを押圧するだけで、空気Aと内容液Lの両方を泡発生装置20内に流入させることができる。
蛇腹部材11は、弾性を有するプラスチック等から形成すると、押圧したあとに自身の弾性によって元の形状を復元する。蛇腹部材11が拡大すると、空気室12の内圧が低下して吸気弁13が開き、外気が自動的に空気室12内に吸入される。空気室12に十分な量の空気が吸入されると、吸気弁13は自動的に閉鎖する。
【0010】
図2に示すように、泡発生装置20は、多孔質または網状のメッシュ部材21と、メッシュ部材21の下方に設けられたチューブホルダー22と、チューブホルダー22から下方に垂下されたディップチューブ23と、チューブホルダー22内に収容されたボール24とを備えて構成されている。
【0011】
チューブホルダー22は略円筒状の部材であり、空気と内容液とが混合される混合室22aの下側にディップチューブ23を保持するホルダー部22bが設けられている。
ホルダー部22bの内径は、ディップチューブ23の外径よりも若干広くなっており、ホルダー部22bの内面とディップチューブ23の外面との間は、空気Aが流通する空気通路25となっている。ディップチューブ23の上端部は、ホルダー部22bの内面に突設された突起(図示略)などによってホルダー部22bに嵌着されており、ディップチューブ23の下端部23aは、容器本体2の底部7近くに達しており、ディップチューブ23の下端部23aには吸液口23bが開口している。
【0012】
混合室22aとホルダー部22bとの間には、ボール24を支持する弁座22cが形成されている。弁座22cの中央部には液通路となる穴22dが開口している。
ボール24は、自重で弁座22cに当接すると液通路22dを閉塞する一方、ディップチューブ23内を上昇する液圧に押圧されると弁座22cから離れて液通路22dを開放し、内容液Lが混合室22aに流入することを許容するようになっている。すなわち、ボール24と弁座22cとにより逆止弁26が構成される。
【0013】
泡発生装置20は、空気通路25を通じて流入した空気Aと、ディップチューブ23を通じて流入した内容液Lとを混合室22a内で合流させ、空気Aと内容液Lとがメッシュ部材21を通過する間に両者を混合して泡を発生させるようになっている。
混合される内容液Lと空気Aの比率は、内容液Lの組成などにもよるが、例えば1:10〜1:20程度である。内容液Lと空気Aの比率は、内容液Lの粘度や比重などに応じて空気通路25や逆止弁26の開口断面積などを適宜設計することにより、所望の比に調整することができる。
一回目の開始時にはディップチューブ23内に空気が残留しているので、空気が抜け終わり泡が吐出し始めるまでエアーポンプ10の空押しが必要になるが、ディップチューブ23内の液面が混合室22aまで達すると、泡の吐出が終了した後に逆止弁26のボール24が液通路22dを閉塞してディップチューブ23内の液面の下降を抑制する。従って、二回目以降の使用時にはエアーポンプ10の空押しをすることなく速やかに泡を吐出させることができる。
【0014】
なお、図2に示す構成では、ディップチューブ23内の内容液の下降を阻止する逆止弁をディップチューブ23の上端側に設けているが、本発明は特にこれに限定されるものではない。図4に示すように、ディップチューブ23内の内容液の下降を阻止する逆止弁27をディップチューブ23の下端側に設けることもできる。図4に示す例では、ディップチューブ23の下端に弁座28aを有する筒状のハウジング28をはめ込み、このハウジング28内にボール24を収納することで逆止弁27を構成している。
【0015】
第1のキャップ30は、頂壁部31とその周囲に下向きに突設された円筒状の周壁部32とを有し、頂壁部31の中央部には内部に泡通路35が形成された嵌合筒33,34が突設されている。嵌合筒33,34は頂壁部31の上側および下側に突出しており、頂壁部31から下側に突設された下部嵌合筒33にはチューブホルダー22の上端部が嵌入されて固定される一方、頂壁部31から上側に突設された上部嵌合筒34にはノズル部材50の下部が嵌合されるようになっている。さらに頂壁部31の上面には、ノズル部材50の下部を係合する(図3参照)ための係合凸部37が上部嵌合筒34の周囲を取り巻くように突設されている。
【0016】
第1のキャップ30は、ねじの螺合により第1の口部3に着脱自在に取付可能になっている。また、第1のキャップ30の嵌合筒33,34内には、メッシュ押え36が形成されている。泡発生装置20を第1のキャップ30に装着するには、チューブホルダー22の混合室22a内にボール24を収納し、チューブホルダー22の上端部と第1のキャップ30のメッシュ押え36との間にメッシュ部材21を入れてチューブホルダー22の上端部を第1のキャップ30の下部嵌合筒33に嵌合させる。これにより、泡発生装置20を組み立てて第1のキャップ30に取り付けることができる。
【0017】
ノズル部材50は、吐出口51を有するヘッド部52と、ヘッド部52から垂下されたステム部53およびスカート部54とを有する。ヘッド部52およびステム部53の内部には、吐出口51とステム部53の下端部53aとの間を連通する流路55が形成されている。スカート部54は、ステム部53の周囲を取り巻くように形成されており、スカート部54とステム部53との隙間に第1のキャップ30の上部嵌合筒34を嵌入することにより、ノズル部材50を第1のキャップ30に取り付けるとともに、第1のキャップ30内の泡通路35とノズル部材50内の流路55とを連通させることができるようになっている。
【0018】
ノズル部材50は、第1のキャップ30から脱落することなく上部嵌合筒34に沿って上下動が可能であり、図3に示すように、ステム部53の下端部53aを上部嵌合筒34と係合凸部37との間に押し込んで係合させると、メッシュ押え36がノズル部材50内の流路55の下端部開口55aを閉塞するようになっている。これにより、泡の使用を意図しないときは、ノズル部材50を押し込んで第1のキャップ30内の泡通路35とノズル部材50内の流路55との間が遮断される。このため、泡吐出容器1が傾いたり倒れたりした場合でも、内容液Lの漏出を防止することができる。
【0019】
本形態例の泡吐出容器1の使用方法を説明する。
エアーポンプ10の蛇腹部材11を押圧すると、容器本体2内の空気Aが加圧され、空気Aが空気通路25を通じて混合室22aに流入する。また、内容液Lは、加圧された空気Aに押圧されてディップチューブ23を上昇して混合室22aに流入する。混合室22aでは空気Aと内容液Lとが合流して混合され、さらに上昇してメッシュ部材21を通過する間に発泡する。得られた泡は、ノズル部材50内の流路55を経て吐出口51より吐出される。
【0020】
本形態例の泡吐出容器1の場合、エアーポンプ10が容器本体2に外付けされているから、容器本体2のサイズにかかわらず必要な吐出量のエアーポンプ10を設けることができ、大容量の泡(例えば20〜50cm程度またはそれ以上)を吐出することが可能である。
内容液Lの詰め替えの際には、第2のキャップ40をひねってエアーポンプ10を取り外し、開口した第2の口部4から詰め替え用内容液の注入が可能である。この際、泡発生装置20を取り外す必要がなく、ディップチューブ23からの液ダレの心配もない。
【0021】
次に、本発明の泡吐出容器の第2形態例について図5を参照しながら説明する。図5において、図1〜図3に示す構成と同一または同様の構成には、同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
図5に示すように、第2形態例の泡吐出容器1Aは、頂部5の2箇所に円筒状の口部3,4を有する容器本体2と、容器本体2内に外気を送り込むエアーポンプ10Aと、空気Aと内容液Lとを混合発泡して吐出する泡発生装置20と、泡発生装置20を保持して第1の口部3に着脱自在に取り付けられた第1のキャップ30と、エアーポンプ10Aを支持して第2の口部4に着脱自在に取り付けられた第2のキャップ40と、第1のキャップ30の上側に設けられたノズル部材50とを備えて構成されている。
本形態例の泡吐出容器1Aにおける泡発生装置20、第1のキャップ30およびノズル部材50は、図2の部分拡大断面図に示すものと同一のものであり、詳しい説明は上述したとおりであるから省略する。なお、図5にはディップチューブ23内の内容液の下降を阻止する逆止弁26をディップチューブ23の上端側に設けた例を示すが、図4に示すように、逆止弁27をディップチューブ23の下端側に設けることもできる。
【0022】
第2形態例の泡吐出容器1Aは、エアーポンプ10Aの蛇腹部材11にスプリング16が内蔵されているものである。ここでは、蛇腹部材11を第2のキャップ40に取り付けるための取付部材14Aの本体部14aにスプリング座15が設けられており、スプリング16は圧縮コイルバネであって、スプリング座15に反力を取って蛇腹部材11の頂壁部11aを付勢している。従って、泡を吐出するため蛇腹部材11を押圧して収縮させたあと、蛇腹部材11への押圧力を解除すると、スプリング16の付勢力により蛇腹部材11は速やかに元の形状を復元することができる。
【0023】
本形態例の泡吐出容器1Aの使用方法を説明する。
エアーポンプ10Aの蛇腹部材11を押圧すると、容器本体2内の空気Aが加圧され、空気Aが空気通路25を通じて混合室22aに流入する。また、内容液Lは、加圧された空気Aに押圧されてディップチューブ23を上昇して混合室22aに流入する。混合室22aでは空気Aと内容液Lとが合流して混合され、さらに上昇してメッシュ部材21を通過する間に発泡する。得られた泡は、ノズル部材50内の流路55を経て吐出口51より吐出される。
【0024】
本形態例の泡吐出容器1Aの場合、エアーポンプ10Aが容器本体2に外付けされているから、容器本体2のサイズにかかわらず必要な吐出量のエアーポンプ10Aを設けることができ、大容量の泡(例えば20〜50cm程度)を吐出することが可能である。
内容液Lの詰め替えの際には、第2のキャップ40をひねってエアーポンプ10Aを取り外し、開口した第2の口部4から詰め替え用内容液の注入が可能である。この際、泡発生装置20を取り外す必要がなく、ディップチューブ23からの液ダレの心配もない。
エアーポンプ10Aにはスプリング16が内蔵されているので、蛇腹部材11への押圧力を解除すると、スプリング16の付勢力により蛇腹部材11は速やかに元の形状を復元し、迅速に空気を吸引することができる。
【0025】
次に、本発明の泡吐出容器の第3形態例について図6を参照しながら説明する。図6において、図1〜図3に示す構成と同一または同様の構成には、同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
図6に示すように、第3形態例の泡吐出容器1Bは、頂部5の2箇所に円筒状の口部3,4を有する容器本体2と、容器本体2内に外気を送り込むエアーポンプ10Bと、空気Aと内容液Lとを混合発泡して吐出する泡発生装置20と、泡発生装置20を保持して第1の口部3に着脱自在に取り付けられた第1のキャップ30と、エアーポンプ10Bを支持して第2の口部4に着脱自在に取り付けられた第2のキャップ40と、第1のキャップ30の上側に設けられたノズル部材50とを備えて構成されている。
本形態例の泡吐出容器1Bにおける泡発生装置20、第1のキャップ30およびノズル部材50は、図2の部分拡大断面図に示すものと同一のものであり、詳しい説明は上述したとおりであるから省略する。なお、図6にはディップチューブ23内の内容液の下降を阻止する逆止弁26をディップチューブ23の上端側に設けた例を示すが、図4に示すように、逆止弁27をディップチューブ23の下端側に設けることもできる。
【0026】
第3形態例の泡吐出容器1Bのエアーポンプ10Bは、頂壁部61aおよびその周囲に下向きに突設された円筒状の周壁部61bとを有して下向きに開口したピストン61と、ピストン61の頂壁部61aの中央部に設けられた吸気弁13と、ピストン61の周壁部61bの周囲に内ばめされたシリンダー62と、シリンダー62の底部62aに装着された取付部材14Bとを備えて構成されている。
シリンダー62は、底部62aの周囲に上向きに突設された円筒状の周壁部62bを有し、この周壁部62bの上端部には、周壁部62bの外方に突設された係止部62cが形成されている。ピストン61の周壁部61bの下端部には、シリンダー62の係止部62cと係合する係合部61cが形成されており、シリンダー62の外側にピストン61をはめこむことにより、ピストン61とシリンダー62の内部に空気室64が画成される。
【0027】
取付部材14Bは、シリンダー62の底部62aに形成された嵌合穴62dに嵌入される略円筒状の本体部14aと、本体部14aの周縁に突設されたフランジ部14bとを備える。本体部14aの中央には空気通路14cとスプリング座15が設けられている。
ピストン61とシリンダー62の内部には、スプリング座15に反力を取ってピストン61の頂壁部61aを付勢するスプリング16が内蔵されている。スプリング16は圧縮コイルバネである。
シリンダー62の周壁部62bの外面にはシリンダー62の周壁部62bの内面との間にOリング63が装着されており、シリンダー62に対するピストン61の上下往復運動が円滑に進むようになっている。
【0028】
シリンダー62に対してピストン61を図6の下向きに押し込むと、容器本体2内の空気Aが加圧され、内容液Lがディップチューブ23を上昇し、泡発生装置20内で泡を発生させることができる。ピストン61への押圧力を解除すると、スプリング16の付勢力によりピストン61が上昇し、空気室64の内圧が低下して吸気弁13が開き、外気が自動的に空気室64内に取り込まれる。空気室64に十分な量の空気が取り込まれると、吸気弁13は自動的に閉鎖する。
【0029】
本形態例の泡吐出容器1Bの使用方法を説明する。
エアーポンプ10Bのシリンダー62に対してピストン61を押圧すると、容器本体2内の空気Aが加圧され、空気Aが空気通路25を通じて混合室22aに流入する。また、内容液Lは、加圧された空気Aに押圧されてディップチューブ23を上昇して混合室22aに流入する。混合室22aでは空気Aと内容液Lとが合流して混合され、さらに上昇してメッシュ部材21を通過する間に発泡する。得られた泡は、ノズル部材50内の流路55を経て吐出口51より吐出される。
【0030】
本形態例の泡吐出容器1Bの場合、エアーポンプ10Bが容器本体2に外付けされているから、容器本体2のサイズにかかわらず必要な吐出量のエアーポンプ10Bを設けることができ、大容量の泡(例えば20〜50cm程度)を吐出することが可能である。
内容液Lの詰め替えの際には、第2のキャップ40をひねってエアーポンプ10Bを取り外し、開口した第2の口部4から詰め替え用内容液の注入が可能である。この際、泡発生装置20を取り外す必要がなく、ディップチューブ23からの液ダレの心配もない。
エアーポンプ10Bにはスプリング16が内蔵されているので、ピストン61への押圧力を解除すると、スプリング16の付勢力によりピストン61は速やかに上昇し、迅速に空気を吸入することができる。
【0031】
次に、本発明の泡吐出容器の第4形態例について図7,図8を参照しながら説明する。図7,図8において、図1〜図3に示す構成と同一または同様の構成には、同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
図7に示すように、第4形態例の泡吐出容器1Cは、頂部5の2箇所に円筒状の口部3,4を有する容器本体2と、容器本体2内に外気を送り込むエアーポンプ10Cと、空気Aと内容液Lとを混合発泡して吐出する泡発生装置20と、泡発生装置20を保持して第1の口部3に着脱自在に取り付けられた第1のキャップ30と、エアーポンプ10Cを支持して第2の口部4に着脱自在に取り付けられた第2のキャップ40と、第1のキャップ30の上側に設けられたノズル部材50とを備えて構成されている。
本形態例の泡吐出容器1Cにおける泡発生装置20、第1のキャップ30およびノズル部材50は、図2の部分拡大断面図に示すものと同一のものであり、詳しい説明は上述したとおりであるから省略する。なお、図6にはディップチューブ23内の内容液の下降を阻止する逆止弁26をディップチューブ23の上端側に設けた例を示すが、図4に示すように、逆止弁27をディップチューブ23の下端側に設けることもできる。
【0032】
第4形態例の泡吐出容器1Cは、エアーポンプ10Cの吐出量を調節するための吐出量調整機構70が設けられているものである。図7,図8に示すように、吐出量調整機構70は、蛇腹部材11を第2のキャップ40に取り付けるための取付部材14Cから上向きに立設された第1筒体71と、第1筒体71の内側に嵌合された第2筒体72とを備え、第2筒体72の外面下部には一対のキー73,73が突設されており、第1筒体71の内面には第2筒体72のキー73,73に係合される凹陥部74,74が形成されてなるものである。それぞれの凹陥部74はキー73の下面を載せるための段部75,75,…を異なる高さに複数有し、キー73を載せる段部75を変更することによって第2筒体72の上面76の高さを異なる高さに調節することができるようになっている。
【0033】
エアーポンプ10Cの蛇腹部材11は、第2筒体72の中に貫挿されており、蛇腹部材11の頂壁部11aを押圧するとき、頂壁部11aの高さが第2筒体72の上面76と同じ高さに達すると、手が第2筒体72の上面76に当たるので、それ以上の押圧が阻止される。従って、このエアーポンプ10Cにおいては、無押圧状態における蛇腹部材11の頂壁部11aと第2筒体72の上面76との高低差ΔHだけ蛇腹部材11の押し込みが許容されることになる。
第2筒体72の上端部には第2筒体72の径方向外向きにつば部77が形成されているので、第2筒体72の上面76の面積が広くなり、蛇腹部材11を押圧する際に第2筒体72の上面76を超える押し下げを確実に阻止することができる。
【0034】
また、本形態例の泡吐出容器1Cでは、蛇腹部材11を第2のキャップ40に取り付けるための取付部材14Aにスプリング座15が設けられており、蛇腹部材11にスプリング16が内蔵されている。ここではスプリング16は圧縮コイルバネであり、スプリング座15に反力を取って蛇腹部材11の頂壁部11aを付勢している。従って、泡を吐出するために蛇腹部材11を押圧して収縮させたあと、蛇腹部材11への押圧力を解除すると、スプリング16の付勢力により蛇腹部材11は速やかに元の形状を復元することができる。
【0035】
本形態例の泡吐出容器1Cの使用方法を説明する。
エアーポンプ10Cの蛇腹部材11を押圧すると、容器本体2内の空気Aが加圧され、空気Aが空気通路25を通じて混合室22aに流入する。また、内容液Lは、加圧された空気Aに押圧されてディップチューブ23を上昇して混合室22aに流入する。混合室22aでは空気Aと内容液Lとが合流して混合され、さらに上昇してメッシュ部材21を通過する間に発泡する。得られた泡は、ノズル部材50内の流路55を経て吐出口51より吐出される。
【0036】
本形態例の泡吐出容器1Cの場合、エアーポンプ10Cが容器本体2に外付けされているから、容器本体2のサイズにかかわらず必要な吐出量のエアーポンプ10Cを設けることができ、大容量の泡(例えば20〜50cm程度)を吐出することが可能であるとともに、吐出量調整機構70の設定によって、5〜20cm程度の通常の泡ポンプと同様の吐出量を選択可能にすることもできる。
内容液Lの詰め替えの際には、第2のキャップ40をひねってエアーポンプ10Cを取り外し、開口した第2の口部4から詰め替え用内容液の注入が可能である。この際、泡発生装置20を取り外す必要がなく、ディップチューブ23からの液ダレの心配もない。
エアーポンプ10Cにはスプリング16が内蔵されているので、蛇腹部材11への押圧力を解除すると、スプリング16の付勢力により蛇腹部材11は速やかに元の形状を復元し、迅速に空気を吸引することができる。
第1筒体71に対する第2筒体72の高さを変更することによって、蛇腹部材11を押し込み可能な長さΔHを変更することができるので、エアーポンプ10Cの1回の操作により吐出される空気量を複数通りに変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、大容量の泡を吐出する泡吐出容器として好適に利用することができる。内容液としては、液体石ケンやシャンプー等の液体洗浄剤など、種々の液体に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の泡吐出容器の第1形態例を示す断面図である。
【図2】泡発生装置の要部を示す部分拡大断面図である。
【図3】ノズル部材と第1のキャップとの嵌合により泡通路を閉鎖した状態を示す部分拡大断面図である。
【図4】ディップチューブの下端に逆止弁を取り付けた例を示す部分拡大断面図である。
【図5】本発明の泡吐出容器の第2形態例を示す断面図である。
【図6】本発明の泡吐出容器の第3形態例を示す断面図である。
【図7】本発明の泡吐出容器の第4形態例を示す断面図である。
【図8】第4形態例に係る泡吐出容器の吐出量調整機構の一例を示す(a)分解斜視図および(b)組立状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1,1A,1B,1C…泡吐出容器、2…容器本体、3,4…口部、10,10A,10B,10C…エアーポンプ、20…泡発生装置、23…ディップチューブ、26,27…逆止弁、70…吐出量調整機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2箇所に口部を有する容器本体と、前記容器本体内に外気を送り込むエアーポンプと、空気および内容液を混合して泡を発生させる泡発生装置とを備え、前記エアーポンプと前記泡発生装置とが各々異なる口部に設けられていることを特徴とする泡吐出容器。
【請求項2】
前記泡発生装置のディップチューブには、該ディップチューブ内における内容液の下降を阻止する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の泡吐出容器。
【請求項3】
前記エアーポンプは、1回の操作により吐出される空気量を調整する吐出量調整機構を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の泡吐出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−143247(P2006−143247A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−332923(P2004−332923)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】