説明

泡噴出容器

【課題】パーツ数を増やすことなく、バックサクション機能を備えるとともにきめの細かい泡を安定的に排出させることができる泡噴出容器を提案する。
【解決手段】本発明の泡噴出容器は、容器本体10の胴部12の圧搾により内容物と空気とを混合、発泡させて、その内容物をノズル36の先端から噴出させるにあたり、ノズル36に、排出経路Hと環状経路Kとを連通させて外気及び排出経路H内の残留内容物を環状経路K内に導入する貫通孔38を設け、シリンダー20に、空気の流入孔25を間隔をあけて取り囲んでなる環状壁26と、口部11に向けて延在し、その表裏を貫通する開口27cを残して環状経路Kを2つに区画するフランジ27とを、ともに一体連結して設けることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性の胴部を圧搾することにより、流動性を有する内容物(液状、ゲル状等)を発泡させて排出する泡噴出容器に関するものであって、パーツ数を増やすことなく、所期した泡質の内容物を安定的に排出することができるものである。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤やセットローション等の整髪剤を内容物とする容器としては、泡立て動作を省略して簡便な利用を図る観点から、内容物の流路内に例えばメッシュ等からなる発泡部材を組み入れておき、可撓性を有する胴部を圧搾することで、内容物と空気とを混合させつつこれらを発泡部材に通過させて発泡させ、泡状になった内容物をノズルの噴出口から排出する泡噴出容器が提案されている(例えば特許文献1参照)。また併せて、これらの容器を極力安価で提供できることも求められている。
【0003】
上記のような泡噴出容器において、泡状となった内容物は、噴出口から排出された分の他、一部がノズルの排出経路内に残ったままとなるが、残留した内容物は、時間が経つと泡が消えて元の流動性を有する内容物に戻るため、使用後しばらくすると噴出口から内容物が垂れ落ちる(液だれ)ことがあった。このことは、特にノズルの側面側に噴出口が設けられている横出しタイプの泡噴出容器において顕著であった。
【0004】
このような液だれを回避するものとしては、圧搾された胴部を復元させる外気導入孔を内容物の排出経路内に設けておき、胴部の復元に伴って容器本体内に取り込まれる外気とともに残留内容物も容器本体内に引き戻すバックサクション機能を設けた泡噴出容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭58−174272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、きめの細かい泡を作るには、発泡部材を通過する、内容物と空気との混合比が重要な要素の1つであり、泡質を一定に維持するには、この混合比を安定的に保つことが必要とされている。しかしながら、上記のようなバックサクション機能を有する泡噴出容器では、胴部の圧搾と復元を繰り返して内容物の排出を続けると、引き戻された残留内容物の泡が容器本体内に充満して、発泡部材に空気を送給する流入孔を塞いでしまうことがあり、空気の流入量の減少や空気への泡の混入等が発生して、内容物と空気との混合比が所期した割合から変わってしまい、泡質が悪くなる(泡のきめが粗くなる)ことがあった。このため、バックサクション機能を備えてもなお、きめの細かい泡を安定的に排出させることができ、併せて、パーツ数を増加させることなく材料コスト及び製造コストを極力抑えることができる、新たな泡噴出容器の出現が、従来から切に望まれていた。
【0007】
本発明の課題は、内容物を発泡させて排出させる泡噴出容器に関し、バックサクション機能を備えるとともに、きめの細かい泡を安定的に排出させることができ、しかもパーツ数を増加させることがない泡噴出容器を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、可撓性を有する胴部を有し、その内側を内容物の充填空間とする容器本体と、内容物の吸引管を保持するとともに空気の流入孔を備え、その内側に内容物と空気との合流空間を区画形成するシリンダーと、該容器本体の口部に固定保持され、該シリンダーを該口部に吊り下げ保持して該口部と該シリンダーとの相互間に該充填空間につながる環状経路を形成するベースキャップと、該合流空間につながる排出経路を有し該ベースキャップに一体連結するノズルとを備え、該胴部の圧搾により該合流空間にて内容物と空気とを混合、発泡させて、その内容物を該ノズルの先端開口から外界に噴出させる泡噴出容器であって、
前記ノズルに、前記排出経路と前記環状経路とを連通させて外気及び該排出経路内の残留内容物を該環状経路内に導入する貫通孔を設け、
前記シリンダーに、前記流入孔を間隔をあけて取り囲んでなる環状壁と、前記口部に向けて延在し、その表裏を貫通する開口を残して前記環状経路を2つに区画するフランジとを、ともに一体連結して設けることを特徴とする泡噴出容器である。
【0009】
前記環状壁は、前記容器本体の底部側から前記流入孔に向かって縮径する先細り壁であることが好ましい。
【0010】
前記環状壁を、前記流入孔と前記開口との相互間に、該開口に隣接して設けることが好ましい。
【0011】
前記ノズルは、該ノズルの先端開口に着脱自在に装着されるノズル蓋体を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
容器本体の口部とシリンダーとの相互間に環状経路を形成するとともに、ノズルに、内容物の排出経路と環状経路とを連通させて外気及び排出経路内の残留内容物を環状経路内に導入する貫通孔を形成したので、バックサクション機能を有効に発揮させてノズルの先端開口からの液だれを確実に防止することができる。
また、シリンダーに、空気の流入孔を間隔をあけて取り囲んでなる環状壁を設けているので、貫通孔を通して充填空間内に戻された泡を含む残留内容物が、流入孔に直接的に流れ込むおそれがなくなって、内容物と空気との混合比を所期した割合で維持でき、きめの細かい泡を安定的に排出させることが可能となる。
さらにシリンダーに、容器本体の口部に向けて延在して、その表裏を貫通する開口を残して環状経路を2つに区画するフランジを設けているので、区画された環状経路のうち、貫通孔側の上側環状経路を、残留内容物を一旦留め置く空間(貯留空間)として機能させることができる。そして、貯留空間内に一時的に留め置かれた内容物は、その泡が小さくなるか、或いは消えた状態で充填空間内に戻されることとなり、容器本体内が残留内容物の泡で充満されてしまうことが起きにくくなる。これにより、空気の流入孔がこの残留内容物の泡によって閉塞される不具合が発生しにくくなり、きめの細かい泡を連続的に排出させることが可能となる。
しかも、環状壁及びフランジを、シリンダーに一体連結して設けているので、パーツ数は増加せず、当該泡噴出容器のコストを極力抑えることができる。
【0013】
環状壁を、容器本体の底部側から空気の流入孔に向かって縮径する先細り壁とする場合は、胴部の圧搾によって加圧された容器本体内の空気が、先細り壁の底部側から流入孔側に向かって流れるにつれ集められて流入孔に導入されることになるので、胴部を大きく可撓させることなく内容物を排出することができ、使い勝手がよくなる。
【0014】
環状壁を、流入孔と開口との相互間に、この開口に隣接して設ける場合は、開口を通して環状経路内に流れ込む残留内容物が、隣接する環状壁に接触しやすくなり、残留内容物を、この環状壁を伝わらせて充填空間内へ戻しやすくなるので、残留内容物が流入孔に直接的に流れ込むおそれをさらに抑えることができる。
【0015】
ノズルに、その先端開口に着脱自在に装着されるノズル蓋体を設ける場合は、例えば当該泡噴出容器の流通時等において不用意に圧搾されることがあっても、ノズルからの内容物の排出を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に従う泡噴出容器の実施の形態を、一部を断面で示す側面図である。
【図2】(a)は、図1に示す泡噴出容器の部分拡大断面図であり、(b)は、(a)のX−Xに沿う部分拡大断面図であり、(c)は、(a)に示す矢印Aからの矢視図である。
【図3】本発明に従う他の泡噴出容器の実施の形態を、一部を断面で示す側面図である。
【図4】(a)は、図3に示す泡噴出容器の部分拡大断面図であり、(b)は、(a)に示す矢印Bからの矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に従う泡噴出容器の実施の形態を、一部を断面で示す側面図であって、図2の(a)は、図1に示す泡噴出容器の部分拡大断面図であり、(b)は、(a)のX−Xに沿う部分拡大断面図であり、(c)は、(a)に示す矢印Aからの矢視図である。
【0018】
図1、図2(a)において、符号10は容器本体である。容器本体10は、上部を開口させた筒状の口部11を有し、この口部11に肩部を介して底部付きの胴部12を連結しており、それらの内側に内容物の充填空間Mを形成している。ここで胴部12は、例えば合成樹脂等によって形成される可撓性を有するものである。また口部11の外面壁には、ねじ部11aが形成されている。さらに口部11の根元には、図2(b)に示すように、小突起11bと大突起11cとを周方向に間隔をあけて設けている。
【0019】
符号20は、後述するベースキャップにて口部11に吊り下げ保持されるシリンダーである。図示の例でシリンダー20は、その軸方向中間部に段差部21aを有する円筒状のシリンダー本体21と、シリンダー本体21の下方にて段差をもってこのシリンダー本体21の内面壁と一体連結するとともに、上部開口22aを有する円筒状の嵌合部22と、上部開口22aに対し上方への隙間をもって嵌合部22と連結する内側壁23とを備えている。ここで嵌合部22と内側壁23とを連結する側壁には、半径方向外側に向けて開口する少なくとも1つの側方孔24が設けられている。さらにシリンダー本体21と嵌合部22との連結部には、その表裏を貫通してシリンダー本体21の内側に容器本体10内の空気を取り込む少なくとも1つの流入孔25が形成されている。図示の例では、流入孔25を、図2(c)に示すように、周方向に間隔をあけて総計4個設けている。さらにシリンダー20は、流入孔25を間隔をあけて取り囲んでなる環状壁26を一体連結して設けている。ここで、図1、図2(a)に示す環状壁26は、容器本体の底部側から流入孔25に向かって縮径する先細り壁26Aとなっている。なお、ここでいう先細り壁とは、上方に向けてその内側の開口面積が小さくなるものを意味し、例えば円錐状のものだけでなく、角錐状であってもよい。
【0020】
ここで、図示のようにシリンダー20には、フランジ27を一体連結させて設けている。図示の例でフランジ27は、シリンダー本体21の上端と一体連結するとともに半径方向外側に向けて延在している。さらにフランジ27は、その上面にシリンダー本体21よりも大径となる上部嵌合壁27aと、フランジ27の端縁より立ち上がる環状の縁壁27bとを一体連結していて、さらに表裏を貫く少なくとも1つの開口27cを備えている。
【0021】
そして、シリンダー20の嵌合部22には、容器本体10の底部へ向けて延びる吸引管pが嵌合保持されている。これにより、胴部12を圧搾すると、充填空間M内の内容物は、吸引管pの内側を通り、上部開口22aを経て、側方孔24を通過する内容物流路にて、シリンダー20の内側に導入される。一方、充填空間M内の空気は、環状壁26(先細り壁26A)の内側を通って流入孔25を通過する空気流路にてその内側に導入される。
【0022】
また、容器本体10の口部11には、ベースキャップ30が設けられている。ベースキャップ30は、口部11を覆うドーム型の頂壁31を有し、この頂壁31に段部32を介して一体連結するリング壁33を備えている。頂壁31の内面には、後述する逆止弁の上部に当接してこれを抜け止め保持する抜け止めリブ31aが、周方向に間隔をあけて複数個設けられている。リング壁33の半径方向外側には、その縁部から垂下される環状の外壁34が設けられていて、外壁34の内面には、口部11のねじ部11aに係合するねじ部34aが形成されている。また外壁34の下端部には、図2(b)に示すように、回り止めリブ34bが設けられている。これによりベースキャップ30を容器本体10にねじ込むと、ねじ込み終了直前にて、回り止めリブ34bが、小突起11bを乗り越えて、この小突起11bと大突起11cとの間で回り止め保持される。さらに、図2(a)に示すようにリング壁33の半径方向内側には、シール壁35が設けられていて、充填空間M内を封止している。ここで、フランジ27の縁壁27bは、段部32の側壁の内面に対し弾性接触させることが好ましく、これにより、フランジ27とベースキャップ30とを隙間なく密着させることができる。なお図示したところでは、ねじによってベースキャップ30を固定保持する例を示したが、アンダーカットで固定保持するようにしてもよい。
【0023】
またベースキャップ30は、頂壁31と一体連結し先端側が僅かに上方に向けて傾くノズル36と、ノズル36の後端側に一体連結する内側筒部37とを備えている。そして内側筒部37を、シリンダー20の上部嵌合壁27aに挿入、嵌合させることで、シリンダー20を口部11に吊り下げ保持する。これにより、シリンダー20の外面壁とベースキャップ30及び口部11との相互間には、上部を頂壁31で覆われるとともに容器本体10の充填空間Mにつながる環状経路Kが区画形成される。なお、環状経路Kは、フランジ27によって上下に仕切られており、これにより環状経路Kは、その上部が上側環状経路Kaに、その下部が下側環状経路Kbに区画されている。一方、シリンダー本体21の内側空間は、胴部12の圧搾によって、上述した内容物流路を通して導入される内容物、及び上述した空気流路を通して導入される空気を、混合、発泡させる合流空間Gとなっている。
【0024】
そして、ノズル36には、その先端開口36aに着脱自在に装着されるノズル蓋体36bを設けてもよい。図示の例でノズル蓋体36bは、ヒンジ36cを介してノズル36に一体連結している。
【0025】
合流空間Gには、発泡部材40が配設されている。図示の例で発泡部材40は、シリンダー20の段差部21a上と、ベースキャップ30の内側筒部37のそれぞれに、1個ずつ配設されている。発泡部材40は、リング41の端面に固着されたメッシュ42からなり、空気の混在した内容物をこの発泡部材40に通過させることにより発泡させて泡状にすることができる。なお、発泡部材40の設置個数やメッシュ42の目の粗さ等は内容物の種類に応じて適宜変更される。
【0026】
発泡部材40を通過して泡状となった内容物は、ノズル36に向けて送出される。ここでノズル36の内側には、合流空間Gにつながる排出経路Hが形成されていて、内容物は、排出経路Hの出口となるノズル36の先端開口36aから外界に向けて噴出される。また、ベースキャップ30の内側筒部37には、排出経路Hと環状経路Kとを連通させる貫通孔38が設けられている。さらに環状経路Kには、シリンダー20の上部嵌合壁27aの外周側に嵌合し、また、ベースキャップ30の抜け止めリブ31aによって抜け止め保持される逆止弁50が設けられている。逆止弁50は、リング51の外側に弾性変位する環状の弁体52を備えていて、弁体52はベースキャップ30の段部32の下面と密着している。これにより、充填空間M側からの空気及び内容物が貫通孔38からは排出されない一方で、外気等は、貫通孔38を通して充填空間M内に導入される。
【0027】
上記のように構成される泡噴出容器は、胴部12の圧搾に伴い、逆止弁50の作用下で充填空間Mが加圧され、内容物は、上述した内容物流路を通り、側方孔24から半径方向外側に向かう流れでシリンダー20内に導入される。また、同じく加圧された空気は、容器本体10の上部にて、図1に示す二点鎖線の矢印のように容器本体10の底部側から口部11側に向かって流れ、上述した空気流路を通り、流入孔25から半径方向内側に向かう流れでシリンダー20内に導入される。これにより、シリンダー20内に導入された内容物及び空気は、互いに逆向きになる流れで十分に攪拌された状態となる。そして、攪拌された内容物及び空気は、合流空間G内の発泡部材40を通過して所期した泡質に発泡され、排出経路Hを経て、ノズル36の先端開口36aから噴出される。ここで、図示のようにシリンダー20に先細り壁26Aを設ける場合は、先細り壁26Aの内側の空気が、容器本体10の底部側から流入孔25に向かって流れるにつれて集められて流入孔25に流れ込むことになるので、シリンダー20内に効率よく空気を導入させることができ、胴部10の圧搾量をそれ程大きくすることなく、内容物を噴出させることができる。
【0028】
その後、胴部12の圧搾を解除すると、可撓性の胴部12は元の形状に復元する。これにより充填空間Mは負圧となるため、排出経路H内の発泡した残留内容物は、外気とともに貫通孔38を通り、逆止弁50の弁体52を押し下げて上側環状経路Kaに導入される。ここで、上側環状経路Kaは、フランジ27によって区画されて導入した残留内容物を一旦留め置く貯留空間になっているため、発泡した残留内容物はこの貯留空間内に一時的に留め置かれることになる。これにより、開口27cを通過する残留内容物を、泡を減らした状態で充填空間Mに戻すことができる。従って、充填空間Mが残留内容物の泡ですぐに充満されてしまうことがなくなり、この残留内容物の泡による空気の流入孔25の閉塞が発生しにくくなるので、内容物と空気との混合比を所期した割合で維持して、きめの細かい泡を安定的に、しかも連続して排出させることが可能となる。
【0029】
さらに、流入孔25は環状壁26で覆われているので、開口27cを通過する残留内容物が充填空間M内に戻されるにあたって、この流入孔25に直接的に流れ込むおそれがないので、流入孔25の閉塞がより発生しにくくなる。
【0030】
そして、図示のように、フランジ27の端縁に、段部32の側壁の内面と弾性接触する縁壁27bを設ける場合は、フランジ27と縁壁27bとの間からの残留内容物の漏れ出しを確実に防止することができる。これにより、残留内容物は、確実に開口27cのみから充填空間M内に導入されることになり、所期した通りの泡が安定的に排出される。
【0031】
また、図示の例のように、ノズル蓋体36bを設ける場合は、この泡噴出容器の流通時等において不用意に圧搾されることがあっても、ノズル36の先端開口36aからの内容物の排出を有効に防止することができる。なお、ノズル蓋体36bを、図示の例のようにヒンジ36cを介してノズル36に一体連結する場合は、パーツ数が増加せず、しかもノズル蓋体36bを取り外した後の紛失も防止できる。
【0032】
図3〜図4は、本発明に従う泡噴出容器の他の実施の形態を示す図であって、環状壁26として、図1〜図2(a)に示す先細り壁26Aに代えて、筒壁26Bを設けたものである。図示の例で筒壁26Bは、フランジ27の下面から垂下されて、流入孔25と開口27cとの相互間に位置しており、さらに開口27cに隣接して設けられている。これにより、開口27cから流れ出る残留内容物は、筒壁26Bの外面壁に接触しやすくなるため、この筒壁26Bを伝わらせて確実に充填空間M内へ戻すことができる。また、筒壁26Bも流入孔25を間隔をあけて取り囲むものであるので、残留内容物が流入孔25に直接的に流れ込むおそれを確実に取り除くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によれば、バックサクション機能を備えるとともに、きめの細かい泡を安定的に排出させることができて使い勝手がよく、しかもパーツ数は増加することがないので極力安価とすることができる泡噴出容器を提供できる。
【符号の説明】
【0034】
10 容器本体
11 口部
12 胴部
20 シリンダー
25 流入孔
26A 先細り壁(環状壁)
27 フランジ
27c 開口
30 ベースキャップ
36 ノズル
36a 先端開口
36b ノズル蓋体
38 貫通孔
G 合流空間
H 排出経路
K 環状経路
M 充填空間
p 吸引管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する胴部を有し、その内側を内容物の充填空間とする容器本体と、内容物の吸引管を保持するとともに空気の流入孔を備え、その内側に内容物と空気との合流空間を区画形成するシリンダーと、該容器本体の口部に固定保持され、該シリンダーを該口部に吊り下げ保持して該口部と該シリンダーとの相互間に該充填空間につながる環状経路を形成するベースキャップと、該合流空間につながる排出経路を有し該ベースキャップに一体連結するノズルとを備え、該胴部の圧搾により該合流空間にて内容物と空気とを混合、発泡させて、その内容物を該ノズルの先端開口から外界に噴出させる泡噴出容器であって、
前記ノズルに、前記排出経路と前記環状経路とを連通させて外気及び該排出経路内の残留内容物を該環状経路内に導入する貫通孔を設け、
前記シリンダーに、前記流入孔を間隔をあけて取り囲んでなる環状壁と、前記口部に向けて延在し、その表裏を貫通する開口を残して前記環状経路を2つに区画するフランジとを、ともに一体連結して設けることを特徴とする泡噴出容器。
【請求項2】
前記環状壁は、前記容器本体の底部側から前記流入孔に向かって縮径する先細り壁である請求項1に記載の泡噴出容器。
【請求項3】
前記環状壁を、前記流入孔と前記開口との相互間に、該開口に隣接して設けてなる請求項1に記載の泡噴出容器。
【請求項4】
前記ノズルは、該ノズルの先端開口に着脱自在に装着されるノズル蓋体を備える請求項1〜3の何れかに記載の泡噴出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−75667(P2013−75667A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215178(P2011−215178)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】