説明

波形トタン板および波形トタン板使用の防護壁

【課題】容易に巻き取り姿勢にでき、容易に切断できる波形トタン板、および直線状にも曲線状にも容易に設置できる波形トタン板使用の防護壁を提供する。
【解決手段】波形トタン板11は、全体を長方形状に形成し、波方向を長手方向Aに沿った方向として形成した。波形トタン板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向であることから、弾性反発力は小となり、波方向(長手方向)での巻き取りを容易に行える。巻き取り姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬は、1人で簡単かつ容易に行える。波形トタン板は、必要な長さに切断して使用でき、切断作業は、波の山や谷の稜線に沿って短手方向Bに平坦状に行えばよく、容易に行える。波形トタン板使用の防護壁1は、波形トタン板を、長手方向を横方向としかつ短手方向Bを上下方向として、地上側に設けた柵体2に固定して構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば簡易な建築物の屋根や側壁に使用される波形トタン板、および獣の侵入防止のために農地(田畑など)と外地(山地など)との境界部に設けられる波形トタン板使用の防護壁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとしては、次のような構成が提供されている。すなわち、トタン板からなる波板は長方形状に形成され、その際に波は、その波方向を短手方向に沿った方向に形成されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実願平4−4276号(実開平6−12660号)のCD−ROM(第13頁、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した従来構成によると、波板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の長手方向(約2m)であることから、波方向、すなわち短手方向の弾性反発力は大となり、以て短手方向での巻き取りは容易に行えない。したがって、波板の取り扱い、つまり人手や車による運搬は、長方形状(平板状)のままで行わなければならず、その運搬場所などによっては、1人では運び難いことになる。また波板を、たとえば小屋の屋根や簡易な側壁に使用する場合、長手方向において切断しなければならないときもあり、その際に、波の山や谷を乗り越えての切断であることから、その切断作業は容易に行えない。
【0004】
そして波板を、たとえば長手方向を横方向として防護壁などに使用するとき、波の山や谷の稜線方向(長手方向)において曲げることができないことから、直線にしか防護壁を設置することができず、防護壁の設置場所、設置箇所の環境に応じて曲線(カーブ状)に設置することはできない。
【0005】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、容易に巻き取り姿勢にし得るとともに、容易に切断し得る波形トタン板を提供することを目的としたものである。
また請求項3記載の発明は、直線状にも曲線状(カーブ状)にも容易に設置し得る波形トタン板使用の防護壁を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の波形トタン板は、全体を長方形状に形成し、波を、その波方向を長手方向に沿った方向として形成したことを特徴としたものである。
【0007】
したがって請求項1の発明によると、波形トタン板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向であることから、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向での巻き取りを容易に行える。そして波形トタン板は、必要な長さに切断して使用し得、その際に切断は、波の山や谷の稜線に沿って短手方向に平坦状に行えばよい。
【0008】
また本発明の請求項2記載の波形トタン板は、上記した請求項1記載の構成において、短手方向における少なくとも一方の縁部を曲げ縁部に形成したことを特徴としたものである。
【0009】
したがって請求項2の発明によると、波形トタン板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向であることから、縁部に折り返し縁部が存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向での巻き取りを容易に行える。
【0010】
そして本発明の請求項3記載の波形トタン板使用の防護壁は、全体を長方形状に形成するとともに、波を、その波方向を長手方向に沿った方向に形成して、波形トタン板を構成し、この波形トタン板を、長手方向を横方向としかつ短手方向を上下方向として、地上側に設けた柵体に固定したことを特徴としたものである。
【0011】
したがって請求項3の発明によると、波形トタン板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向であることから、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向での巻き取りを容易に行える。このような波形トタン板は、たとえば農地(田畑など)と外地(山地など)との境界部で地上側に柵体を設け、そして、柵体に波形トタン板と、その長手方向を横方向としかつ短手方向を上下方向として、外地側から当て付けられのち固定させることで、防護壁に使用し得る。その際に、隣接した波形トタン板は、長手方向の端における波を重ね合わせたのち、この重ね合わせ部分を柵体に固定している。さらに波形トタン板は、長手方向、すなわち波方向を横方向として曲げ易いことから、その設置場所、設置箇所の環境に応じて、曲線状(カーブ状)に容易に設置し得る。このようにして防護壁を設置し得るのであるが、このとき波形トタン板は、波の山や谷の稜線などを上下方向(短手方向)に形成していることで、猪などの獣が手足を引っ掛けようとしても滑ることになり、以て乗り越え難いものとなる。
【0012】
さらに本発明の請求項4記載の波形トタン板使用の防護壁は、上記した請求項3記載の構成において、波形トタン板は、短手方向における少なくとも一方の縁部を曲げ縁部に形成し、この曲げ縁部を上位として、柵体に固定したことを特徴としたものである。
【0013】
したがって請求項4の発明によると、波形トタン板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向であることから、縁部に折り返し縁部が存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向での巻き取りは容易に行える。このような波形トタン板は、折り返し縁部を上位として柵体に固定させることで、防護壁に使用しえ、その際に、上端に円弧状縁面が位置していることで、手などが接触したとしても傷付き難いものとなる。
【発明の効果】
【0014】
上記した本発明の請求項1によると、波形トタン板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向であることから、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向での巻き取りを容易に行うことができる。したがって、巻き取り姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができる。そして波形トタン板は、必要な長さに切断して使用でき、その際に切断は、波の山や谷の稜線に沿って短手方向に平坦状に行えばよく、切断作業は容易に行うことができる。
【0015】
また上記した本発明の請求項2によると、波形トタン板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向であることから、縁部に折り返し縁部が存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向での巻き取りを容易に行うことができる。
【0016】
そして上記した本発明の請求項3によると、波形トタン板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向であることから、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向での巻き取りを容易に行うことができる。したがって、巻き取り姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができる。
【0017】
このような波形トタン板は、たとえば農地(田畑など)と外地(山地など)との境界部で地上側に柵体を設け、そして、柵体に波形トタン板を、その長手方向を横方向としかつ短手方向を上下方向として、外地側から当て付けたのち固定させることで、防護壁に使用できる。その際に、隣接した波形トタン板は、長手方向の端における波を重ね合わせたのち、この重ね合わせ部分を柵体に固定している。さらに波形トタン板は、長手方向、すなわち波方向を横方向として曲げ易いことから、その設置場所、設置箇所の環境に応じて、曲線(カーブ状)に容易に設置することができる。このようにして防護壁を設置できるのであるが、このとき波形トタン板は、波の山や谷の稜線などを上下方向(短手方向)に形成していることで、猪などの獣が手足を引っ掛けようとしても滑ることになり、以て乗り越え難いものにできる。
【0018】
さらに上記した本発明の請求項4によると、波形トタン板は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向であることから、縁部に折り返し縁部が存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向での巻き取りは容易に行うことができる。このような波形トタン板は、折り返し縁部を上位として柵体に固定させることで、防護壁に使用できる。その際に、上端に円弧状縁面が位置していることで、手などが接触したとしても傷付き難いものにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、波形トタン板を防護壁に採用した状態として、図1〜図6に基づいて説明する。
【0020】
図3、図4において、波形トタン板11は、全体が長方形状(定尺)に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。そして、短手方向Bにおける一方の縁部が重合状の折り返し縁部(曲げ縁部の一例)11Aに形成され、以て一方端に円弧状縁面11aが形成されている。ここで波形トタン板11は、たとえば厚さが0.2mm、長手方向Aの波付け前の標準長さが1829mm、短手方向Bの標準幅が[762mm−50mm]、折り返し縁部11Aの幅が50mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0021】
このような波形トタン板11は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向(約700mm)Bであることから、一方縁部に折り返し縁部11Aが存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向Aでの巻き取りは容易に行える。したがって図5に示すように、巻き部材10により巻き取り姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができ、また巻き取り姿勢でダンボール箱に詰め込むこともできる。なお波形トタン板11の取り扱い、つまり人手や車による運搬は、従来と同様に、長方形状(平板状)のままでも行うことができる。
【0022】
前記波形トタン板11は防護壁に使用できる。すなわち図1、図2に示すように、たとえば農地(田畑など)4と外地(山地など)5との境界部で地上側には、所定の間隔置きに杭(柵体の一例)2が打ち込みなどにより設けられている。そして、隣接した杭2間に前記波形トタン板11が、その長手方向Aを横方向としかつ短手方向Bを上下方向として、外地5側から当て付けられたのち、固定具(ワイヤー、釘など)3により固定されている。その際に、隣接した波形トタン板11は、長手方向Aの端における波が重ね合わされたのち、この重ね合わせ部分が固定具3により杭2に固定されている。
【0023】
また、波形トタン板11は、折り返し縁部11Aを上位として杭2に固定されており、このとき固定される波形トタン板11の下部(約100mm〜200mm)は地中側に埋め込まれている。さらに波形トタン板11は、長手方向A、すなわち波方向を横方向として曲げ易いことから、その設置場所、設置箇所の環境に応じて、図6のイに示すように、曲線状(カーブ状)に容易に設置することができる。
【0024】
以上により防護壁1を設置できるのであるが、このとき波形トタン板11は、折り返し縁部11Aを上位として杭2に固定されており、その上端に円弧状縁面11aが位置されていることで、手などが接触したとしても傷付き難いものとなる。また波形トタン板11は、波の山や谷の稜線などが上下方向(短手方向B)に形成されていることで、猪などの獣が手足を引っ掛けようとしても滑ることになり、以て乗り越え難いものとなる。さらに波形トタン板11の下部が地中側に埋め込まれていることで、獣が土を掘って潜りぬけることも阻止し得る。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2を、図7、図8に基づいて説明する。
【0025】
この実施の形態2において、波形トタン板12は、全体が長方形状(定尺)に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。ここで波形トタン板12は、たとえば、厚さが0.2mm、長手方向Aの波付け前の標準長さが1829mm、短手方向Bの標準幅が762mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0026】
このような波形トタン板12は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向(762mm)Bであることから、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向Aでの巻き取りは、上述した実施の形態1と比べて、より容易に行える。したがって、巻き部材10により巻き取り姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができ、また巻き取り姿勢でダンボール箱に詰め込むこともできる。なお波形トタン板12の取り扱い、つまり人手や車による運搬は、従来と同様に、長方形状(平板状)のままでも行うことができる。そして波形トタン板12は、実施の形態1と同様にして、防護壁1に使用できる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3を、図9に基づいて説明する。
【0027】
この実施の形態3において、波形トタン板13は、全体が長方形状(定尺)に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。そして、短手方向Bにおける両方の縁部が、同じ方向で重合状の折り返し縁部13A,13Bに形成され、以て両端は円弧状縁面13a,13bに形成されている。ここで波形トタン板13は、たとえば厚さが0.2mm、長手方向Aの波付け前の標準長さが1829mm、短手方向Bの標準幅が[762mm−100mm]、折り返し縁部13A,13Bの幅がそれぞれ50mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0028】
このような波形トタン板13は、波の山や谷の稜線などの方向が長方形状の短手方向(約660mm)Bであることから、両方縁部に折り返し縁部13A,13Bが存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向Aでの巻き取りは容易に行える。したがって、巻き部材10により巻き取り姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができ、また巻き取り姿勢でダンボール箱に詰め込むこともできる。なお波形トタン板13の取り扱い、つまり人手や車による運搬は、従来と同様に、長方形状(平板状)のままでも行うことができる。そして波形トタン板13は、実施の形態1と同様にして、防護壁1に使用できる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4を、図10に基づいて説明する。
【0029】
この実施の形態4において、波形トタン板14は、全体が長方形状(定尺)に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。そして、短手方向Bにおける両方の縁部が、逆方向で重合状の折り返し縁部14A,14Bに形成され、以て両端は円弧状縁面14a,14bに形成されている。ここで波形トタン板14は、たとえば厚さが0.2mm、長手方向Aの波付け前の標準長さが1829mm、短手方向Bの標準幅が[762mm−100mm]、折り返し縁部14A,14Bの幅がそれぞれ50mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0030】
このような波形トタン板14は、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向(約660mm)Bであることから、両方縁部に折り返し縁部14A,14Bが存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向Aでの巻き取りは容易に行える。したがって、巻き部材10により巻き取り姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができ、また巻き取り姿勢でダンボール箱に詰め込むこともできる。なお波形トタン板14の取り扱い、つまり人手や車による運搬は、従来と同様に、長方形状(平板状)のままでも行うことができる。そして波形トタン板14は、実施の形態1と同様にして、防護壁1に使用できる。
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5を、図11に基づいて説明する。
【0031】
この実施の形態5において、波形トタン板15は、全体が長方形状に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。そして、短手方向Bにおける一方の縁部は、角度θが60度〜150度の折り曲げ部(曲げ縁部の一例)15Aに形成されている。ここで波形トタン板15は、たとえば厚さが0.2mm、長手方向Aの波付け前の標準長さが1829mm、短手方向Bの標準幅が[762mm−100mm]、折り曲げ部15Aの幅が100mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0032】
このような波形トタン板15は、主として、折り目線15aを頂部として、とんがり屋根や平らに近い屋根の屋根板として使用でき、その際に折り曲げ部15Aを利用して雨水の浸入を防ぐことができる。また波形トタン板15を実施の形態1と同様にして、防護壁1に使用する場合、折り曲げ部15Aが外地(山地など)5側に向くようにして杭2間に固定され、この折り曲げ部15Aによって猪などの獣は、より乗り越え難いものとなる。
[実施の形態6]
次に、本発明の実施の形態6を、図12に基づいて説明する。
【0033】
この実施の形態6において、波形トタン板16は、全体が長方形状に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。そして、短手方向Bにおける一方の縁部は、角度θが10度〜45度の忍び返し部(曲げ縁部の一例)16Aに形成され、以て上端は円弧状縁面16aに形成されている。ここで波形トタン板16は、たとえば厚さが0.2mm、長手方向Aの波付け前の標準長さが1829mm、短手方向Bの標準幅が[762mm−100mm]、忍び返し部16Aの幅が100mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0034】
このような波形トタン板16は、実施の形態1と同様にすることで、主として防護壁1に使用し得、この場合に忍び返し部16Aが外地(山地など)5側に向くようにして杭2間に固定されている。その際に上端に円弧状縁面16aが位置されていることで、手などが接触したとしても傷付き難いものとなる。また波形トタン板16は、波の山や谷の稜線などが上下方向(短手方向B)に形成されていることで、猪などの獣が手足を引っ掛けようとしても滑ることになり、以て乗り越え難いものとなる。さらに忍び返し部16Aによって猪などの獣は、より乗り越え難いものとなる。
【0035】
上記した実施の形態1〜6では、長手方向Aの波付け前の標準長さが1829mmの波形トタン板11〜16が示されているが、これは長手方向Aにおいて長尺に連続成形された波形トタン板であってもよく、以下に種々な例を実施の形態7〜10として説明する。
[実施の形態7]
次に、本発明の実施の形態7を、図13に基づいて説明する。
【0036】
この実施の形態7において、長尺の波形トタン板11Lは、長手方向Aにおいて長尺に連続成形されて全体が長方形状に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。そして、短手方向Bにおける一方の縁部が重合状の折り返し縁部(曲げ縁部の一例)11Aに形成され、以て一方端に円弧状縁面11aが形成されている。ここで長尺の波形トタン板11Lは、たとえば厚さが0.2mm、短手方向Bの標準幅が[762mm−50mm]、折り返し縁部11Aの幅が50mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0037】
このような長尺の波形トタン板11Lは、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向(約700mm)Bであることから、一方縁部に折り返し縁部11Aが存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向Aでのロール状の巻き取りは容易に行える。したがって、ロール状に巻き取った姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができ、また巻き取り姿勢でダンボール箱に詰め込むこともできる。
【0038】
この長尺の波形トタン板11Lは、必要な長さに切断して使用でき、その際に切断は、波の山や谷の稜線に沿って短手方向Bに平坦状に行えばよく、切断作業は容易に行うことができる。さらにロール状に巻き取った姿勢の長尺の波形トタン板11Lは、その長手方向Aの遊端を杭2や建物に固定したのち、巻き戻ししながら伸ばすことで、その配設は、最少人数で簡単かつ容易に行うことができる。また配設は、その長さ方向の中間部分を杭2や建物に固定させて行ってもよい。
[実施の形態8]
次に、本発明の実施の形態8を、図14に基づいて説明する。
【0039】
この実施の形態8において、長尺の波形トタン板12Lは、長手方向Aにおいて長尺に連続成形されて全体が長方形状に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。ここで波形トタン板12は、たとえば、厚さが0.2mm、短手方向Bの標準幅が762mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0040】
このような波形トタン板12Lは、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向(762mm)Bであることから、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向Aでの巻き取りは、上述した実施の形態7と比べて、より容易に行える。したがって、ロール状に巻き取った姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができ、また巻き取り姿勢でダンボール箱に詰め込むこともできる。
【0041】
この長尺の波形トタン板12Lは、必要な長さに切断して使用でき、その際に切断は、波の山や谷の稜線に沿って短手方向Bに平坦状に行えばよく、切断作業は容易に行うことができる。さらにロール状に巻き取った姿勢の長尺の波形トタン板12Lは、その長手方向Aの遊端を杭2や建物に固定したのち、巻き戻ししながら伸ばすことで、その配設は、最少人数で簡単かつ容易に行うことができる。また配設は、その長さ方向の中間部分を杭2や建物に固定させて行ってもよい。
[実施の形態9]
次に、本発明の実施の形態9を、図15に基づいて説明する。
【0042】
この実施の形態9において、長尺の波形トタン板13Lは、長手方向Aにおいて長尺に連続成形されて全体が長方形状に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。そして、短手方向Bにおける両方の縁部が、同じ方向で重合状の折り返し縁部13A,13Bに形成され、以て両端は円弧状縁面13a,13bに形成されている。ここで長尺の波形トタン板13Lは、たとえば厚さが0.2mm、短手方向Bの標準幅が[762mm−100mm]、折り返し縁部13A,13Bの幅がそれぞれ50mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0043】
このような長尺の波形トタン板13Lは、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向(約660mm)Bであることから、両方縁部に折り返し縁部13A,13Bが存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向Aでのロール状の巻き取りは容易に行える。したがって、ロール状に巻き取った姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができ、また巻き取り姿勢でダンボール箱に詰め込むこともできる。
【0044】
この長尺の波形トタン板13Lは、必要な長さに切断して使用でき、その際に切断は、波の山や谷の稜線に沿って短手方向Bに平坦状に行えばよく、切断作業は容易に行うことができる。さらにロール状に巻き取った姿勢の長尺の波形トタン板13Lは、その長手方向Aの遊端を杭2や建物に固定したのち、巻き戻ししながら伸ばすことで、その配設は、最少人数で簡単かつ容易に行うことができる。また配設は、その長さ方向の中間部分を杭2や建物に固定させて行ってもよい。
[実施の形態10]
次に、本発明の実施の形態10を、図16に基づいて説明する。
【0045】
この実施の形態9において、長尺の波形トタン板14Lは、長手方向Aにおいて長尺に連続成形されて全体が長方形状に形成され、波は、その波方向を長手方向Aに沿った方向として形成されている。そして、短手方向Bにおける両方の縁部が、逆方向で重合状の折り返し縁部14A,14Bに形成され、以て両端は円弧状縁面14a,14bに形成されている。ここで長尺の波形トタン板14Lは、たとえば厚さが0.2mm、短手方向Bの標準幅が[762mm−100mm]、折り返し縁部14A,14Bの幅がそれぞれ50mmであり、そして波の高さは9mm、波のピッチは31.8mmとされている。
【0046】
このような長尺の波形トタン板14Lは、波の山や谷の稜線方向が長方形状の短手方向(約660mm)Bであることから、両方縁部に折り返し縁部14A,14Bが存在していながらも、その弾性反発力は小となり、以て波方向、すなわち長手方向Aでのロール状の巻き取りは容易に行える。したがって、ロール状に巻き取った姿勢を維持した状態で、人手や車による運搬(取り扱い)は、その運搬場所などに関係なく、1人で簡単かつ容易に行うことができ、また巻き取り姿勢でダンボール箱に詰め込むこともできる。
【0047】
この長尺の波形トタン板14Lは、必要な長さに切断して使用でき、その際に切断は、波の山や谷の稜線に沿って短手方向Bに平坦状に行えばよく、切断作業は容易に行うことができる。さらにロール状に巻き取った姿勢の長尺の波形トタン板14Lは、その長手方向Aの遊端を杭2や建物に固定したのち、巻き戻ししながら伸ばすことで、その配設は、最少人数で簡単かつ容易に行うことができる。また配設は、その長さ方向の中間部分を杭2や建物に固定させて行ってもよい。
【0048】
上記した実施の形態7〜10において、長尺に連続成形されときの長さとは、たとえば、ロール状に巻き取った状態で1人が持ち運びできる重さに相当する長さ、たとえば20000mm(20m)前後が好適とされている。
【0049】
上記した実施の形態1〜10では、各種の波形トタン板11〜16、11L〜14Lとして、厚さが0.2mmのものを示したが、これは0.16mm〜0.5mmの厚さのものが好適に採用されるものである。
【0050】
上記した実施の形態1、3〜7、9、10では、各種の波形トタン板11、13、14、11L、13L、14Lとして、その折り返し縁部11A、13A,13B、14A,14Bの幅がそれぞれ50mmのものを示したが、これは20mm〜50mmの幅のものが好適に採用されるものであり、また上部の折り返し縁部13A、14Aの幅と下部の折り返し縁部13B、14Bの幅とに変化(差)を持たせてもよい。
【0051】
上記した実施の形態1、3〜7、9、10では、曲げ縁部により全体を補強でき、以て強度を確保できる。
上記した実施の形態1では、波形トタン板11を獣の侵入を防ぐ防護壁1に使用しているが、これは波形トタン板11〜16の下部(約500mm)を地中側に埋め込むことによって、竹の地下茎の侵食防止に使用できる。また、畦道などの防護壁1に使用できる。
【0052】
上記した実施の形態1では、柵体として杭2が示されているが、これは枠状物など種々な形状のものが使用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1を示し、波形トタン板使用の防護壁における要部の斜視図である。
【図2】同波形トタン板使用の防護壁における要部の平面図である。
【図3】同波形トタン板を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、(f)はC−C線拡大図、(g)はD−D線拡大図、(h)はE−E線拡大図である。
【図4】同波形トタン板の要部の斜視図である。
【図5】同波形トタン板の巻き取り姿勢の斜視図である。
【図6】同波形トタン板使用の防護壁における別使用形態での要部の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態2を示し、波形トタン板であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、(f)はF−F線拡大図、(g)はG−G線拡大図である。
【図8】同波形トタン板の要部の斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態3を示し、波形トタン板であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、(f)はH−H線拡大図、(g)はI−I線拡大図、(h)はJ−J線拡大図、(i)はK−K線拡大図である。
【図10】本発明の実施の形態4を示し、波形トタン板であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、(f)はL−L線拡大図、(g)はM−M線拡大図、(h)はN−N線拡大図、(i)はO−O線拡大図である。
【図11】本発明の実施の形態5を示し、波形トタン板の側面図である。
【図12】本発明の実施の形態6を示し、波形トタン板の側面図である。
【図13】本発明の実施の形態7を示し、長尺の波形トタン板であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、(f)はP−P線拡大図、(g)はQ−Q線拡大図、(h)はR−R線拡大図である。
【図14】本発明の実施の形態8を示し、長尺の波形トタン板であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、(f)はS−S線拡大図、(g)はT−T線拡大図である。
【図15】本発明の実施の形態9を示し、長尺の波形トタン板であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、(f)はU−U線拡大図、(g)はV−V線拡大図、(h)はW−W線拡大図、(i)はX−X線拡大図である。
【図16】本発明の実施の形態10を示し、長尺の波形トタン板であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、(f)はY−Y線拡大図、(g)はZ−Z線拡大図、(h)はα−α線拡大図、(i)はβ−β線拡大図である。
【符号の説明】
【0054】
1 防護壁
2 杭(柵体)
3 固定具
4 農地(田畑)
5 外地(山地)
10 巻き部材
11 波形トタン板
11L 長尺の波形トタン板
11A 折り返し縁部(曲げ縁部)
11a 円弧状縁面
12 波形トタン板
12L 長尺の波形トタン板
13 波形トタン板
13L 長尺の波形トタン板
13A 折り返し縁部(曲げ縁部)
13a 円弧状縁面
13B 折り返し縁部(曲げ縁部)
13b 円弧状縁面
14 波形トタン板
14L 長尺の波形トタン板
14A 折り返し縁部(曲げ縁部)
14a 円弧状縁面
14B 折り返し縁部(曲げ縁部)
14b 円弧状縁面
15 波形トタン板
15A 折り曲げ部(曲げ縁部)
15a 折り目線
16 波形トタン板
16A 忍び返し部(曲げ縁部)
16a 円弧状縁面
A 長手方向
B 短手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体を長方形状に形成し、波を、その波方向を長手方向に沿った方向として形成したことを特徴とする波形トタン板。
【請求項2】
短手方向における少なくとも一方の縁部を曲げ縁部に形成したことを特徴とする請求項1記載の波形トタン板。
【請求項3】
全体を長方形状に形成するとともに、波を、その波方向を長手方向に沿った方向に形成して、波形トタン板を構成し、この波形トタン板を、長手方向を横方向としかつ短手方向を上下方向として、地上側に設けた柵体に固定したことを特徴とする波形トタン板使用の防護壁。
【請求項4】
波形トタン板は、短手方向における少なくとも一方の縁部を曲げ縁部に形成し、この曲げ縁部を上位として、柵体に固定したことを特徴とする請求項3記載の波形トタン板使用の防護壁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−261109(P2008−261109A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103360(P2007−103360)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(507119191)大和鋼業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】