説明

波形観測システム

【課題】回路基板上の測定位置を直観的に確認し、同時に波形等を観測でき、かつ、プローブの数を増やした際に波形をいくつも表示することができる装置を提供することを課題とする。また、設備がない場所での工学教育、e-Learningへの応用という教育教材として提供すること。
【解決手段】電子回路の基板やプローブの位置、方向を測定し、プローブより取り込んだ信号波形のデータの処理、処理した波形等を投影する装置であって、オシロスコープ等の設備がない環境でも、パソコンとUSBカメラさえあればオシロスコープを用いたバーチャル教育を行うことができ、またコンピュータ上での回路製作の補助教材、さらには目には見えない物理量の測定などを実践することが可能なことを特徴とする波形等観測システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波形等観測システムに関し、例えば、測定した波形を測定したプローブの近くにプロジェクターにより投影することで、回路基板上の測定位置を直観的に確認し、同時に波形を観測できる波形等観測システムに関する。また、オシロスコープ等の設備がない場所での工学教育やe-Learningなどにも応用が可能なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パターン光をプロジェクターにて投影した画像の3次元形状を計測する装置において計測時間の短縮を図るものが知られており、例えば下記のものがある。
特許文献1には、パターン光をプロジェクターにて投影した画像の3次元形状を計測する装置において、入力する枚数を削減し計測時間の短縮を図る。プロジェクターから投影されたパターン参照画像とパターン測定画像が投影されカメラにより撮像される。得られた参照画像をもとに、測定画像の位相接続が行われ、これにより3次元形状が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−003212
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
我々発明者が、波形等観測システムの必要性を思いついたのは、工学実験などで実際に使用する際、従来のオシロスコープではケーブルと信号波形を表示するディスプレイとが離れているため、「基板とディスプレイを交互に見るという作業をなくしたい。」という実験者の意見を実現したいとの考えによる。
従来の波形等観測方法で問題となるのが、同形状のプローブを複数使用してさまざまな対象物の波形を測定しているとオシロスコープ上に表示された波形は回路のどの場所を測定しているのかを判断しづらいということである。
そこで、本発明は、回路基板上の測定位置を直観的に確認し、同時に複数の波形を観測でき、かつ、プローブの数の増減に応じて波形表示を増減することができるシステムを提供することを課題とする。
また、別の観点からは、本発明は、設備がない場所での工学教育、e-Learningへの応用という教育教材として提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者は、測定した波形を測定したプローブの近くに表示することで、回路基板上の測定位置を直観的に確認できると考えた。
また、従来のオシロスコープを用いた波形等観測とは違い、測定しているプローブの近くに波形を表示するので回路と波形との比較がしやすくなり直感的な理解が可能となる。さらに、プローブの数の増減に応じて波形表示を増減すること、各波形を大きく表示することもできると考えた。
【0006】
本発明は、以下の技術手段から構成される。
[1]電子回路基板に取りつけるための複数の基板用ARタグと、電子回路基板を含む作業領域を撮影するカメラと、複数のプローブによって測定された波形を表示するオシロスコープと、各プローブに取りつけるための複数のプローブ用ARタグと、作業領域に波形画像を投影するためのプロジェクターと、カメラ、オシロスコープおよびプロジェクターと接続されたコンピュータと、を備えた波形等観測システムであって、コンピュータが、カメラが撮影した作業領域画像を取得し記憶装置に記憶する手段と、記憶装置に記憶した作業領域画像から基板用ARタグを認識し、基板座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、記憶装置に記憶した作業領域画像からプローブ用ARタグを認識し、プローブの座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、オシロスコープから取得した波形画像情報について、それと対応するプローブのプローブ座標情報に基づき当該プローブの近傍に投影座標を設定し記憶装置に記憶する手段と、設定した投影座標に基づきプロジェクターに波形画像を投影させる手段と、を備えることを特徴とする波形等観測システム。
[2]コンピュータが、波形画像を拡大または縮小する操作スイッチとしてのARタグをプロジェクターに投影させる手段を備えることを特徴とする[1]の波形等観測システム。
[3]コンピュータが、予め記憶装置に記憶した波形画像情報について、それと対応するプローブのプローブ座標情報に基づき当該プローブの近傍に投影座標を設定する手段と、設定した投影座標に基づきプロジェクターに、波形画像情報を投影させる手段と、予め記憶装置に記憶した波形画像情報とオシロスコープから取得した波形画像情報とが実質的に一致するかを判定し、判定結果をプロジェクターに投影させる手段を備えることを特徴とする[1]または[2]の波形等観測システム。
【0007】
[4]電子回路基板に取りつけるための複数の基板用ARタグと、電子回路基板を含む作業領域を撮影するカメラと、プローブ様部材と、プローブ様部材に取りつけるための複数のプローブ用ARタグと、カメラと接続され、表示装置および入力装置を有するコンピュータと、を備えた波形等観測システムであって、コンピュータが、カメラが撮影した作業領域画像を取得し記憶装置に記憶する手段と、記憶装置に記憶した作業領域画像から基板用ARタグを認識し、基板座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、記憶装置に記憶した作業領域画像からプローブ用ARタグを認識し、プローブ様部材の座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、予め記憶装置に記憶した波形画像情報について、それと対応するプローブのプローブ座標情報に基づき当該プローブの近傍に投影座標を設定する手段と、設定した投影座標に基づき表示装置に作業領域画像に波形画像を重畳した合成画像を表示させる手段と、を備えることを特徴とする波形等観測システム。
[5]物理量検出部を有する物理量計測器と、物理量検出部に取りつけるための検出用ARタグと、作業領域に設置される基準座標タグと、基準座標タグおよび検出対象部材を含む作業領域を撮影するカメラと、物理量計測器およびカメラと接続され、表示装置および入力装置を有するコンピュータと、を備えた波形等観測システムであって、コンピュータが、カメラが撮影した作業領域画像を取得し記憶装置に記憶する手段と、記憶装置に記憶した作業領域画像から基準座標タグを認識し、基準座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、記憶装置に記憶した作業領域画像から検出用ARタグを認識し、物理量検出部の座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、予め記憶装置に記憶したメッシュ線情報を付加した作業領域画像を表示装置に表示させる手段と、物理量計測が検出した物理量とその高さが対応するように描画したメッシュ線の画像を、物理量検出部の座標に基づき作業領域画像に重畳した合成画像を表示装置に表示させる手段と、を備えることを特徴とする波形等観測システム。
[6]物理量計測器が、放射線量計測器であることを特徴とする[5]の波形等観測システム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回路基板上の測定位置を直観的に確認し、同時に波形を観測でき、かつ、プローブの数の増減に応じて波形表示を増減することができるシステムを提供することが可能となる。それに加えて、コンピュータの操作などによって波形を大きく表示することも可能であり、波形がプローブごとにそれぞれの近くに表示されるため、測定が非常にやりやすくなる。
また、設備がない場所での工学教育、e-Learningへの応用という教育教材としても提供することが可能となる。
さらには、プロジェクターは曲面や球面にも投影することができることを利用して球体に地球や月、火星といった惑星を投影し、タグを付けたペンなどで場所を示すとその惑星の場所の詳細が表示されるという教材にも応用可能となる。
他にも、物理量である電気、電磁気、熱、放射線などの目には見えない物理量の測定にも応用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係る波形等観測システムの全体構成図である。
【図2】プローブに取り付けるタグの構成図である。
【図3】観測波形を投影した時の図である。
【図4】観測波形を複数投影した時の図である。
【図5】ARタグの座標変換の説明図である。
【図6】ARタグの一例を示す図である。
【図7】実施例3に係る波形等観測システムの全体構成図である。
【図8】実施例4に係る物理量測定システムの全体構成図である。
【図9】実施例4に係る物理量測定システムの初期画面である。
【図10】実施例4に係る物理量測定システムの測定時の画面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明を実施するための形態を波形等観測システムの一例で説明する。
本発明は、ARタグを取り付けた電子回路基板と、タグの情報を読み取るため作業台に固定されたカメラと、プローブによって測定された波形を処理するオシロスコープと、出力部と、制御部とを備えた波形等観測システムであって、制御部が、カメラで読み取ったARタグの位置情報と、オシロスコープで測定した波形に基づきプロジェクターから出力させることを特徴とする波形等観測システムである。
まず基板の位置、傾きを測定する手段については、拡張現実感「AR」の技術を採用する。具体的には、図1に示すように基板の4隅のうち3箇所に基板用ARタグ8を設置する。基板用ARタグは、図6に示すような図形が印刷された基板の位置や傾きが取得できる3〜4つのタグにより構成されている。基板用ARタグは、基板にマジックテープ(登録商標、以下省略)により貼付される。
【0011】
次にプローブの位置、傾きを測定する手段については、プローブに取り付けるタグはキャップのような形にし、取り外しが簡単に行えるようにする。キャップは四角柱(図2)や五角柱といった多角柱で周りにタグをつけたものである。キャップの取り付け位置はなるべく作業の邪魔にならないようにプローブの後ろのほうに取り付け、どのプローブにも対応できるようにキャップの内側にはスポンジのようなものでどのプローブにも取り付けができるようにする。基板は大きさや位置、向きといった情報を必要とするため最低3つ以上のタグを必要とする。それらのタグを基板の4隅に取り外し可能なマジックテープなどで固定する。タグをたくさん取り付けてもよいが回路製作の邪魔になるのでなるべく少ない3,4個のタグをとりつけるほうがよい。
カメラは、市販のUSBカメラ(CCDカメラ、CMOSカメラ等)を使用する。
上記において、回路の基板やプローブの位置や傾きを測定するにはカメラで撮影した画像からタグ上の2色のパターンを認識し、予め登録しておいたタグのパターン形状と照合してタグを特定する。特定することで撮影された映像からタグの座標をコンピュータで測定する。特定されたタグと撮影したタグを比較することで、プローブや基板の傾きと位置を測定できる。例えば図5(A)のように四角形状のパターン(33)のタグが、カメラで撮影された画像では平行四辺形形状(34)になっていた場合には、図5(B)の下方に示すように座標が図のように斜めになっていることがわかり、そこから位置と傾きが測定できる。また、カメラの位置はなるべく動かさずに使用するためカメラ固定台が必要である。
【0012】
プローブより測定した回路による信号波形の処理はオシロスコープを使用する。取得した波形の取りだし方法は2通りある。1つは波形を取得したオシロスコープからシリアルケーブルを使ってコンピュータに取り込む方法であり、もう1つはオシロスコープとコンピュータが一体となった装置がありこの装置を使用すると測定した波形のデータが直接メモリに保存され、そのデータを呼び出して使用する方法である。
【0013】
波形を表示するにはプロジェクターを用いる。プロジェクターはコンピュータ処理した波形を投影するものであり、取得した波形データをもとに図3のような投影するための図を作成する。また、プローブや基板のタグによる位置情報より投影図の位置などを設定する。投影した全体図は図4のようになる。符号21,25,29が第1のプローブ、符号22,26,30が第2のプローブ、符号23,27,31が第3のプローブ、符号24,28,32が第4のプローブとそれぞれ組になっており対応する。図のように波形はそれぞれのプローブの位置に投影する。波形を複数表示するために作業台全体にプロジェクターを映し、映した一部を使用して波形を投影する。このようにすることで1台のプロジェクターで複数の波形を表示することができる。つまりプローブの数が増えてもそれぞれの波形をプローブ近くに表示することが可能である。
【0014】
また、投影した図の中にもタグを設けるとカメラでそのタグを認識することができる(図3)。タグは少しでも隠れたり歪んだりすると認識されなくなる。このことを利用して指で投影されたタグを隠し、歪ませると認識されなくなり認識されなくなると動作するというプログラムを組み、スイッチとして使用することができる。しかしタグ1つだけでは誤作動があるのでタグを2つ以上隠さないと動作しないように設計すると誤作動を防ぐことができる。図3ではタグ15は誤作動を防ぐためのタグとし、このタグと他のタグを隠すと動作するように設計を行うとスイッチとして動作することが可能である。図3の例ではタグ16は図全体を2倍に拡大するスイッチ、タグ17は振幅の拡大のスイッチ、タグ18は振幅の縮小のスイッチ、タグ19は時間軸の縮小のスイッチ、タグ20は時間軸の拡大のスイッチである。
【0015】
以下では、本発明の詳細を実施例で説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるもの
ではない。
【実施例1】
【0016】
実施例1は測定した波形を測定したプローブの近くにプロジェクターにより投影することで、回路基板上の測定位置を直観的に確認し、同時に波形を観測できる波形等観測システムに関する。基板の位置、傾きの測定には、拡張現実感「AR」の技術を採用した。ARは、コンピュータを用いて現実環境に情報を付加する技術である。例えば、カメラで撮影したタグを認識して位置や傾き、角度などといった座標情報を計算し、それをもとにカメラで撮影した現実の映像とCGなどのグラフィックを合成して表示する。
【0017】
[システム構成]
図1に示す本実施例の波形等観測システムは、液晶ディスプレイ等の表示装置およびマウス・キーボード等の入力装置を備えるコンピュータ1と、プロジェクター2と、カメラ3と、プローブ4と、オシロスコープ5と、作業台(スクリーン)6と、USBケーブル7と、タグ8と、回路基板9とを主要な構成要素とする。
【0018】
コンピュータ1は、プロジェクター2、カメラ3、およびオシロスコープ5と接続されており、カメラ3とオシロスコープ5からの情報を受信し、専用プログラムによる情報処理をした後プロジェクター2に送信する。
プロジェクター2は、コンピュータ1で処理された情報を受信し、作業台(スクリーン)6に投影する。
カメラ3は30万画素程度以上の画素数を持つUSBカメラを用い、回路基板9やプローブ4に取り付けられたタグ8を撮影し、コンピュータ1に送信する。
プローブ4は、オシロスコープ5と接続されており、測定対象に取り付けることで測定した情報をオシロスコープ5に送信する。また、プローブ4には、その位置情報を得るために、四角柱のキャップ11が取り付けられている。
オシロスコープ5は、プローブ4によって測定した回路による信号波形を受信し、その情報を処理してコンピュータ1に送信する。
【0019】
作業台(スクリーン)6は、回路基板9をずれないように固定する台であり、またプロジェクター2から投影されるスクリーンとなる。作業台6には支持柱35が設けられており、プロジェクター2およびカメラ3が固定される。
USBケーブル6は、コンピュータ1とオシロスコープ5を接続し、情報を送受信するケーブルである。
タグ8は、プローブ4や回路基板9にマジックテープを用いて取り付けられており、カメラに判別させる。
回路基板9は、測定用の回路であり、タグ8が隅に取り付けられている。
【0020】
図2は図1のプローブ4を拡大したものであり、四角柱のキャップ11と、プローブ用ARタグ12とスポンジ13とを主要な構成要素とする。
四角柱のキャップ11は、タグ12を4面に取り付けたものであり、プローブ4に取り付け・取り外しが可能である。
スポンジ13は、任意の太さ・形状のプローブ4にもタグ12の取り付けが可能なように四角柱のキャップ11に設けられた貫通孔の内周面に取り付けられている。
【0021】
図3は観測波形を投影した時の図であり、波形表示14と、誤作動防止タグ15と、投影図拡大タグ16と、波形振幅拡大タグ17と、波形振幅縮小タグ18と、波形表示周期縮小タグ19と、波形表示周期拡大タグ20とを主要な構成要素とする。タグ15〜20は、プロジェクター2によって波形21〜24のそれぞれに投影される。
波形表示14は、プローブ4からの情報をオシロスコープ5からコンピュータ1へ送信し、プロジェクター2から投影した波形である。
タグ15〜20に指を重ねることでタグの一部を歪ませる事で、カメラ3に撮影された映像がタグとして認識されなくなることを利用して表示方法を切り替える。誤作動防止タグ15は、このタグ15と他のタグ16〜20の一つを同時に指で隠すと動作する操作スイッチとしての役割を持つ。投影図拡大タグ16は、投影図10全体を2倍に拡大するスイッチである。
波形表示振幅拡大タグ17は、波形表示14の振幅を拡大するスイッチである。
波形表示振幅縮小タグ18は、波形表示14の振幅を縮小するスイッチである。
波形表示縮小タグ19は、波形表示14の時間軸を縮小するスイッチである。
波形の表示周期の拡大タグ20は、波形表示14の時間軸を拡大するスイッチである。
【0022】
図4は観測波形を複数投影した時の図であり、プローブの波形21〜24と、プローブのタグ25〜28と、プローブ29〜32とを主要な構成要素とする。
プローブの波形21と、プローブのタグ25と、プローブ29とが組となっており、プローブ29で読み取った波形とプローブのタグ25によって得た位置情報を基にプローブの波形21を表示する。
同様にプローブの波形22と、タグ26と、プローブ30がと組をなし、波形23、タグ27、プローブ31が組をなし、波形24、タグ28、プローブ32が組をなしている。
図5は、ARタグ33、34の座標変換を説明するための図面である。
ARタグ33は、四角形状パターンのタグの一例を示すものである。
ARタグ34は、カメラ3でARタグ33を実際に撮影し、撮影された画像が平行四辺形形状になっていた場合を想定している。
【0023】
基板用ARタグ8は、図6に示すような、2色の図形が印刷されたものである。基板は大きさや位置、向きといった情報を必要とするため最低3つ以上のARタグ8を必要とする。そのため図1では、基板の4隅のうち3箇所に設置する。またARタグ8は、接着剤で貼付けしてもよいが、マジックテープなどを用いて基板に貼付し基板から簡単に取り外しができるようにしてもよい。タグ8をたくさん取り付けてもよいが回路製作の邪魔になるので、位置情報が得られる範囲でなるべく少ない数(例えば3,4個)とするのがよい。
プローブ4には位置、傾きを測定するためタグのついたキャップ11を取り付ける必要がある。キャップ11の取り付け位置はなるべく作業の邪魔にならないようにプローブの根元部分にし、四角柱(図1参照)や五角柱といった多角柱のキャップの周りにタグを取り付けてほとんどの位置からタグを認識できるようにする。
【0024】
カメラ3は、回路基板9やプローブ4に取り付けられたタグ8を撮影し、その情報を基にコンピュータ1で回路の基板やプローブの位置、傾きなどの座標を測定する。また、カメラ3の位置はなるべく動かさずにして使用するためカメラを固定する台も必要である。図1では支持柱35によりカメラ3を固定している。
回路基板9やプローブの位置や傾きを測定するにはカメラ3で撮影した画像からタグ上の2色のパターンを認識し、予め登録しておいたタグのパターン形状と照合してタグを特定する。特定することで撮影された映像からタグ8の座標をコンピュータ1で測定する。特定されたタグと撮影したタグ8を比較することで位置と傾きを測定できる。例えば図5(A)のように四角形状のパターン33のタグが、カメラ3で撮影された画像では図5(B)のように平行四辺形形状34になっていた場合を想定する。その場合には図5(A)の座標が図5(B)のように斜めになっていることがわかり、そこからタグの位置と傾きが測定できる。
【0025】
測定した波形や回路の基板などの位置や傾きといった情報がコンピュータ1に取り込まれオシロスコープ5の波形を表示するための情報処理を専用プログラムにより行う。オシロスコープ5で取得した波形情報は、シリアルケーブル7を使ってコンピュータ1に取り込む。ここで、オシロスコープ5とコンピュータ1が一体となった装置を使用すると測定した波形のデータが直接メモリに保存されるため、そのデータを呼び出して使用するようにしてもよい。
プロジェクター2はコンピュータ処理した波形を投影するものであり、コンピュータ1との接続はD-Sub15ピンのケーブルを使用する。プロジェクター2と取得した波形データをもとに図3のような投影するための図を作成する。また、プローブ用ARタグ12や基板用ARタグ8による位置情報より各投影図10の位置などを設定する。実際の投影図10は図4のようになる。符号21,25,29が第1のプローブ、符号22,26,30が第2のプローブ、符号23,27,31が第3のプローブ、符号24,28,32が第4のプローブとそれぞれ組になっている。図のように波形をそれぞれのプローブを追従し、測定対象に対して近い位置に投影する。プロジェクター2を支持柱35に固定し、投影するスクリーンは作業台6を用いる。波形を複数表示するために作業台全体にプロジェクター2を映し、映した一部を使用して波形を投影する。コンピュータ1の専用プログラムにより、プローブ29〜32から取得した波形情報を処理させ、プロジェクター2により4つの投影図10を作業台上に同時に投影する。このようにすることで1台のプロジェクターで、プローブと同じ数の波形を表示することができる。つまり、プローブ4の数の増減にあわせて、それぞれの波形をプローブ4の近くに表示することが可能である。また、投影図10の中にもタグ15〜20を含めるとカメラ3でそのタグを認識することができる(図3)。各タグは少しでも隠れたり歪んだりすると認識されなくなる。このことを利用して指で投影されたタグを隠し、歪ませると認識されなくなり認識されなくなると動作するという機能を専用プログラムに盛り込み、ソフトウェアによる操作スイッチとして使用する。本実施例では、タグ1つだけでは誤作動があるのでタグを2つ以上隠さないと動作しないように設計すると誤作動を防ぐようにしている。図3に示すように誤動作防止タグ15を設け、このタグ15と他のタグ16〜20のいずれか一つを同時に指で隠すと動作するように設計を行うとスイッチとして動作することが可能である。
【0026】
[使用方法]
実施例1の波形等観測システムは、次に述べる手順で使用される。
ユーザーは、コンピュータ1とオシロスコープ2、プロジェクター5を起動のうえでプローブ4を回路基板9に接続する操作を行うと、コンピュータ1で実行されている専用プログラムがカメラ3によって撮影された画像から基板用ARタグ8上の2色のパターンを認識し、予め登録しておいたタグのパターン形状と照合して基板用ARタグ8を特定する。これにより、専用プログラムは、撮影された映像からタグ8の座標を測定し位置情報を取得する。特定されたタグと撮影したタグ8を比較することで回路基板9の位置と傾きを認識できる。例えば図5(A)のように四角形状のパターン33のタグが、カメラ3で撮影された画像では図5(B)のような平行四辺形形状34になっていた場合、回路基板9が斜めに撮影されていることが認識できる。専用プログラムは、認識した回路基板9の位置と傾きに基づき、プロジェクター2による投影位置を自動調整する。
続いて、専用プログラムは、カメラ3によって撮影された画像からプローブ用ARタグ25〜28上の2色のパターンを認識し、予め登録しておいたタグのパターン形状と照合してプローブ用ARタグ25〜28を特定する。専用プログラムは、プローブ用ARタグ25〜28の位置情報に基づき、投影図10中に表示される波形21〜24の配置を決定する。
プロジェクター2は、コンピュータ1から送信された投影位置調整済みの投影情報を受信し、作業台(スクリーン)6に投影する。この投影中も、カメラ3によりプローブ用ARタグ25〜28の撮影は行われており、プローブ4によって測定された波形の投影図は、ほぼリアルタイムでそのプローブ4を追従し近い位置に投影される。これにより、ユーザーは、測定している波形を見ると同時に対象物も見ることができる。
【0027】
波形表示14と、誤作動防止タグ15と、投影図拡大タグ16と、波形振幅拡大タグ17と、波形振幅縮小タグ18と、波形表示周期縮小タグ19と、波形表示周期縮大タグ20も投影する。ユーザーは、タグ15〜20に指を重ねることで、投影された波形の拡大縮小、あるいは周期の変更などをおこなうことができる。 以上に説明した実施例1のシステムによれば、プローブを複数用いる場合であっても、ユーザーが回路基板上の測定位置を直観的に確認し、同時に複数の波形を基板上で観測できるシステムを提供することが可能となる。
【実施例2】
【0028】
実施例2は、設備がない場所での工学教育用の波形等観測システムに関する。小中学校や普通高校においては、オシロスコープ等の設備が備えられていないことが多い。しかし、本実施例のシステムを用いれば、オシロスコープ等の設備がない環境でも、パソコンとUSBカメラさえあればオシロスコープを用いたバーチャル教育を実践することが可能である。パソコン以外の設備がない発展途上国においても、バーチャル教育を実践可能である。
【0029】
[システム構成]
本実施例の波形等観測システムは、液晶ディスプレイ等の表示装置およびマウス・キーボード等の入力装置を備えるコンピュータ1と、カメラ3と、作業台(スクリーン)6と、タグ8と、回路基板9とを主要な構成要素とする。本実施例では、実施例1と異なり、オシロスコープとプロジェクターは不要である。
【0030】
コンピュータ1は、カメラ3と接続されており、カメラ3からの情報を受信し、専用プログラムによる情報処理を行い実施例1の波形21〜24と同様な波形をコンピュータ1の画面に出力する。
カメラ3は30万画素程度以上の画素数を持つUSBカメラを用い、回路基板9やプローブ4に取り付けられたタグ12を撮影し、コンピュータ1に送信する。
プローブ4は、その位置情報を得るためのタグ12の付いた模型を用いる。
【0031】
作業台(スクリーン)6は、回路基板9をずれないように固定する台である。作業台6には支持柱35が設けられており、カメラ3が固定される。
タグ8は、プローブ4や回路基板9にマジックテープを用いて取り付けられており、カメラ3に判別させる。
回路基板9は、測定用の回路であり、タグ8が隅に取り付けられている。
コンピュータ1は、回路基板9の各位置の波形を予め複数のパターン、イメージファイルとしてハードディスク(記憶装置)に記憶している。コンピュータ1は、実施例1と同様、カメラ3による映像から回路基板9やプローブ4の位置、傾きなどの座標を測定する。測定した相対位置情報に基づき、プローブ4と回路基板9の相対位置情報を算出する。そして、予め作成した相対位置情報と波形イメージファイルの対応表に基づきコンピュータ1の画面に基板と波形の合成イメージ(図4参照)を表示する。この際、操作用ボタン(例えば、波形振幅を拡大縮小するボタン、波形表示周期を拡大縮小するボタン)を含むグラフィカルユーザーインターフェースを表示させるようにしてもよい。
【0032】
[使用方法]
実験指導者(教員)は、まず、画面に表示する波形画像として、複数の波形パターンを予めイメージファイルとしてコンピュータ1のハードディスクに記憶しておく。そして、タグ8が付いた基板とタグ12が付いたプローブ(模型でよい)を生徒に配布する。生徒が使用するプローブ4にはオシロスコープが接続されていない。しかし、本実施例ではコンピュータ1の画面にオシロスコープの表示と同様の波形を表示させることで代用する。具体的には、プローブ4のタグ8の位置および姿勢をUSBカメラ3で撮影してプローブ4と回路基板9の相対位置情報を取得し、予め作成したプローブ4および回路基板9の相対位置情報と波形イメージファイルの対応表に基づきコンピュータ1の画面に基板と波形の合成イメージ(図4参照)を表示する。このように、本実施例によれば、プローブの設置位置に応じた波形の合成イメージをパソコンに出力することができるので、オシロスコープやプロジェクター2が無い環境下でも、オシロスコープを用いたバーチャル教育を実践することが可能となる。また、正解と間違いを含む波形出力を画面上に複数表示させ、生徒に正解を選択させる問題演習を行ってもよい。
【実施例3】
【0033】
実施例3は、コンピュータ上での回路製作の補助教材として使用することも可能である、e-Learning用の波形等観測システムに関する。図7に示す本実施例のシステムでは、コンピュータ上で回路をレイアウトし、プロジェクターにて作製したレイアウトの波形図を投影し、投影された波形図と実際に作製した電子回路の波形図が一致するかを判定する。また、USBカメラはタグを認識するだけのものではなく、実験状況を撮影することも可能である。実際の工学実験では観測したデータしか残さないことが多いが、本実施例のシステムではUSBカメラを使って作成した回路を画像データとして残すことができる。回路だけでなく、プローブでどの位置を測定しているのかもデータに残すことができ、レポートなどで回路製作のプロセスについての評価をすることもできる。また、波形を表示するだけでなく測定した場所の電圧や周波数の値、演算した結果を投影してUSBカメラで撮影することで各種データを残すことができる。波形などを投影している映像を録画するなどして保存し、それを次のクラスや次の年度の際に再生することで、それを見た他の生徒(後輩)も電気回路を直感的に勉強することができる。
なお、本実施例の波形等観測システムは、プロジェクターが曲面や球面にも投影することができることを利用して球体に地球や月、火星といった惑星を投影し、タグを付けたペンなどで場所を示すとその惑星の場所の詳細が表示されるという教材にも応用できる。
【0034】
[システム構成]
本実施例の波形等観測システムは、コンピュータ1と、プロジェクター2と、カメラ3と、プローブ4と、オシロスコープ5と、作業台(スクリーン)6と、タグ12と、回路基板9とを主要な構成要素とする。
【0035】
コンピュータ1は、カメラ3と接続されており、カメラ3からの情報を受信し、専用プログラムによる情報処理をした後プロジェクター2に送信する。
プロジェクター2は、コンピュータ1で処理された情報を受信し、作業台(スクリーン)6に投影する。
カメラ3は30万画素程度以上の画素数を持つUSBカメラを用い、回路基板9やプローブ4に取り付けられたタグ12を撮影し、コンピュータ1に送信する。
プローブ4は、オシロスコープ5と接続されており、測定対象に取り付けることで測定した情報をオシロスコープ5に送信する。また、プローブ4には、その位置情報を得るために、四角柱のキャップ11が取り付けられている。
オシロスコープ5は、プローブ4によって測定した回路による信号波形を受信し、その情報を処理してコンピュータ1に送信する。
【0036】
作業台(スクリーン)6は、回路基板9をずれないように固定する台であり、またプロジェクター2から投影されるスクリーンとなる。作業台6には支持柱35が設けられており、プロジェクター2およびカメラ3が固定される。
タグ12は、プローブ4や回路基板9にマジックテープを用いて取り付けられており、カメラ3に判別させる。
回路基板9は、測定用の回路であり、タグ8が隅に取り付けられている。
【0037】
コンピュータ1は、ユーザーによって入力された回路設計情報と、その回路基板における各位置の波形の回路シミュレータによる解析と、実施例1と同様にカメラ3による映像から回路基板9やプローブ4の位置、傾きなどの座標情報を照合させる。プロジェクター2により回路基板9上に回路設計情報図を投影する。
【0038】
[使用方法]
実験指導者(教員)は、複数の回路設計情報パターン、およびその回路基板9における各位置の波形を回路シミュレータにより解析しコンピュータ1のハードディスクに記憶しておく。そして、生徒はプロジェクター2によって回路基板9上に投影された回路設計情報図をもとに回路を作成する。次に配線した回路基板9の測定したい部分にプローブ4を接続させることによってオシロスコープ5で各波形を計測する。その際、コンピュータ1はカメラ3による映像から回路基板9とプローブ4の座標情報を取得し、その位置にあるべきデータ(シミュレータによる理想波形)と、計測波形を画像処理により照合させ、一致度を判定する。この際、理想波形と計測波形の一致度が予め設定した許容値以内である場合には合格と判定し合格を示す画像を選択し、許容値を超える場合には不合格と判定し不合格を示す画像を選択する。プロジェクター2を用いて双方の波形および判定結果44を投影することにより、生徒が正しい電子回路を設計するためのサポートをすることができる。
【実施例4】
【0039】
実施例4は、物理量測定用の波形等観測システムに関する。本実施例で、物理量とは電気、電磁気、熱、電磁波(電波、光、放射線等含む)などの目には見えない物理量のことを指す。以下では、放射線を扱った実験の際に、実験装置内でタグを取り付けた棒などで示した場所の放射線の汚染度などを視覚的にわかるように表示する場合の例を説明する。
【0040】
[システム構成]
図8は実施例4の物理測定用システムの構成を示している。本実施例のシステムは、計測データを数値計算する為のコンピュータ1と、放射線量計測器36と、映像を取得するためのカメラ3と、作業台6と、計数管37と、計数管37の位置を認識するための検出用タグ38と、放射性物質39と、基準座標を設定するためのとなる基準座標タグ40と、遮蔽物41を主要な構成要素とする。
【0041】
コンピュータ1は、本体に接続された放射線量計測器36とカメラ3からの情報を受信し、専用プログラムによる情報処理をした後、画面に表示する。
放射線量計測器36は、Health Physics Instruments社のSURVEY METER, CYPHER MODEL 5000を用いた。放射線量計測器36は、放射能の強弱を放射線の量として数値で表示することができ、計測した放射線の量をコンピュータ1に送信する。
カメラ3は30万画素程度以上の画素数を持つUSBカメラを用い、計数管の位置を認識するための検出用タグ38と基準座標タグ40を撮影し、コンピュータ1に送信する。
作業台6は、放射性物質39と、遮蔽物41を設置する台である。作業台6には、基準座標タグ40がずれないように固定されている。
計数管37は、放射線量計測器36の放射線検出部である。
計数管の位置を認識するための検出用タグ38は、計数管37に取り付けられカメラ3により計数管37の位置をコンピュータ1に識別させるためのものである。
放射性物質39は、放射能を持つ物質であり、Co60ガンマ線源を用いた。
遮蔽物41は、鉛を用いた。
基準座標タグ40は、カメラ3で撮影し、コンピュータ1に判別させることにより、メッシュ線を画面に表示する際の基準座標を設定可能とするためのものである。
【0042】
コンピュータ1は、カメラ3による検出用タグ38とタグ40の位置情報と放射線量計測器36により取得した計測データを受信する。コンピュータ1は、カメラ3による検出用タグ38と40の位置情報から、検出用タグ38とタグ40との距離を計算し計数管37の位置情報を取得する。また、放射線量計測器36による放射能の強弱を放射線の量として数値化した情報をメッシュ線で結んだ3次元グラフを作成する。上述した2つの情報とカメラ3からの映像を照合させリアルタイムで画面に表示(図10参照)する。既存の放射線検出器を使用して放射線検出などの実験を行う場合、放射線の検出量を、放射線を検出した際に発生させる音や、時間ごとの放射線の本数などの数値情報だけで認識する必要があり、上記のように、位置情報と計測データを関連づけて認識する事が困難である。このシステムにより、どの位置においてどの程度の計測データを取得したか直観的に理解できるように3D表示することが出来る。
【0043】
[使用方法]
実験者は、まずコンピュータ1と、放射線量計測器36と、カメラ3を起動する。そして、コンピュータ1の画面にメッシュ線と放射性物質39が表示(図9を参照)されていることを確認する。次に、実験者は計数管37を対象物に近づける。計数管37を近づけると、計数管37で検出された放射線量が放射線量計測器36を通してコンピュータ1に送信される。コンピュータ1は、放射線量の密度に対応するメッシュ線をリアルタイムで作成し画面に表示させる(図10を参照)。実験者は、山の高さにより放射能の強弱を直感的に理解することが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
1 コンピュータ
2 プロジェクター
3 カメラ
4 プローブ
5 オシロスコープ
6 作業台(スクリーン)
7 USBケーブル
8 基板用ARタグ
9 回路基板
10 投影図
11 キャップ
12 プローブ用ARタグ
13 スポンジ
14 波形表示
15 誤作動防止タグ
16 投影図拡大タグ
17 波形振幅拡大タグ
18 波形振幅縮小タグ
19 波形表示周期縮小タグ
20 波形表示周期拡大タグ
21 第1のプローブの波形
22 第2のプローブの波形
23 第3のプローブの波形
24 第4のプローブの波形
25 第1のプローグのARタグ
26 第2のプローグのARタグ
27 第3のプローグのARタグ
28 第4のプローグのARタグ
29 第1のプローブ
30 第2のプローブ
31 第3のプローブ
32 第4のプローブ
33 ARタグ
34 カメラで撮影したARタグ
35 支持柱
36 放射線量計測器
37 計数管
38 検出用タグ
39 放射性物質
40 基準座標タグ
41 遮蔽物
42 計測波形
43 理想波形
44 判定結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路基板に取りつけるための複数の基板用ARタグと、
電子回路基板を含む作業領域を撮影するカメラと、
複数のプローブによって測定された波形を表示するオシロスコープと、
各プローブに取りつけるための複数のプローブ用ARタグと、
作業領域に波形画像を投影するためのプロジェクターと、
カメラ、オシロスコープおよびプロジェクターと接続されたコンピュータと、を備えた波形等観測システムであって、
コンピュータが、カメラが撮影した作業領域画像を取得し記憶装置に記憶する手段と、
記憶装置に記憶した作業領域画像から基板用ARタグを認識し、基板座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、
記憶装置に記憶した作業領域画像からプローブ用ARタグを認識し、プローブの座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、
オシロスコープから取得した波形画像情報について、それと対応するプローブのプローブ座標情報に基づき当該プローブの近傍に投影座標を設定し記憶装置に記憶する手段と、
設定した投影座標に基づきプロジェクターに波形画像を投影させる手段と、
を備えることを特徴とする波形等観測システム。
【請求項2】
コンピュータが、波形画像を拡大または縮小する操作スイッチとしてのARタグをプロジェクターに投影させる手段を備えることを特徴とする請求項1の波形等観測システム。
【請求項3】
コンピュータが、
予め記憶装置に記憶した波形画像情報について、それと対応するプローブのプローブ座標情報に基づき当該プローブの近傍に投影座標を設定する手段と、
設定した投影座標に基づきプロジェクターに、波形画像情報を投影させる手段と、
予め記憶装置に記憶した波形画像情報とオシロスコープから取得した波形画像情報とが実質的に一致するかを判定し、判定結果をプロジェクターに投影させる手段を備えることを特徴とする請求項1または2の波形等観測システム。
【請求項4】
電子回路基板に取りつけるための複数の基板用ARタグと、
電子回路基板を含む作業領域を撮影するカメラと、
プローブ様部材と、
プローブ様部材に取りつけるための複数のプローブ用ARタグと、
カメラと接続され、表示装置および入力装置を有するコンピュータと、を備えた波形等観測システムであって、
コンピュータが、カメラが撮影した作業領域画像を取得し記憶装置に記憶する手段と、
記憶装置に記憶した作業領域画像から基板用ARタグを認識し、基板座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、
記憶装置に記憶した作業領域画像からプローブ用ARタグを認識し、プローブ様部材の座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、
予め記憶装置に記憶した波形画像情報について、それと対応するプローブ様部材のプローブ座標情報に基づき当該プローブ様部材の近傍に投影座標を設定する手段と、
設定した投影座標に基づき表示装置に作業領域画像に波形画像を重畳した合成画像を表示させる手段と、
を備えることを特徴とする波形等観測システム。
【請求項5】
物理量検出部を有する物理量計測器と、
物理量検出部に取りつけるための検出用ARタグと、
作業領域に設置される基準座標タグと、
基準座標タグおよび検出対象部材を含む作業領域を撮影するカメラと、
物理量計測器およびカメラと接続され、表示装置および入力装置を有するコンピュータと、を備えた波形等観測システムであって、
コンピュータが、カメラが撮影した作業領域画像を取得し記憶装置に記憶する手段と、
記憶装置に記憶した作業領域画像から基準座標タグを認識し、基準座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、
記憶装置に記憶した作業領域画像から検出用ARタグを認識し、物理量検出部の座標情報を取得し記憶装置に記憶する手段と、
予め記憶装置に記憶したメッシュ線情報を付加した作業領域画像を表示装置に表示させる手段と、
物理量計測が検出した物理量とその高さが対応するように描画したメッシュ線の画像を、物理量検出部の座標に基づき作業領域画像に重畳した合成画像を表示装置に表示させる手段と、
を備えることを特徴とする波形等観測システム。
【請求項6】
物理量計測器が、放射線量計測器であることを特徴とする請求項5の波形等観測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−220477(P2012−220477A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90288(P2011−90288)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【特許番号】特許第4908642号(P4908642)
【特許公報発行日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【出願人】(711003598)
【出願人】(711003602)
【出願人】(511094635)
【Fターム(参考)】