波板製造装置
【課題】スリット穴付き波板をスリット穴の部分で変形させることなしに所望の波板形状にピッチ詰めすることができる波板製造装置を提供する。
【解決手段】成形ロール対11a、11bとピッチ詰めロール対12a、12bとの間に配置されるガイド部14において、成形ロール対11a、11bとピッチ詰めロール対12a、12bのそれぞれの成形歯から波板材10を分離するための複数の跳ね出し板141を、波板材10に形成されたスリット穴20の列間に位置するように配置した。
【解決手段】成形ロール対11a、11bとピッチ詰めロール対12a、12bとの間に配置されるガイド部14において、成形ロール対11a、11bとピッチ詰めロール対12a、12bのそれぞれの成形歯から波板材10を分離するための複数の跳ね出し板141を、波板材10に形成されたスリット穴20の列間に位置するように配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排気ガスを浄化する触媒コンバータに用いられるメタル担体の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関等の排気系には、排ガスを浄化するための触媒コンバータが装着されている。この様な触媒コンバータに用いる触媒担体として、Fe−Cr−Al系フェライトステンレス箔材等の金属製薄板からなるメタル担体が広く用いられている。
【0003】
この種のメタル担体は、金属製薄板からなる波板と平板とを交互に多重に巻き回して断面略円形状としたコアと、このコアを装着する金属製の外筒とで構成され、上記波板と平板との間に形成された複数のセル通路内に排気ガスを通過させることによって、排気ガス中に含まれる有害成分をコア表面に形成された触媒層の触媒反応により除去するようにしたものである。
【0004】
従来、メタル担体の排気浄化性能を向上させることを目的として、波板の表面に複数のスリット穴を形成し、排気ガスがメタル担体内を通過する際に乱流を発生させて、排気ガスと触媒層とがより多く接触するようにしたものが知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
また、波板製造装置としては、コルゲート加工機により波板状に形成されたフィン材を、ピッチ詰め機、中間詰め機、およびピッチ出し機という順番で連続的に加工することによりフィンのピッチを調整するようにしたものが知られている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−143693号公報
【特許文献2】特開2004−188328号公報
【特許文献3】特開平11−147149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特開平11−147149号公報に開示された製造方法は、ピッチ詰めロールとフィン頂部とをかみ合わせてピッチ詰めするため、フィン頂部同士が接するまでピッチを詰めることはできず、このためステンレス材などの反発力の大きな材料では、成形後に山が戻ってしまい、フィンを所望の波形形状に成形することは困難であった。
【0007】
これに対して本願出願人は、成形ロールとピッチ詰めロールとの間において、成形ロールのフィン排出力を利用してフィンの頂部同士を圧接することでピッチ詰めを行うようにしたコルゲートフィン製造装置を提案している(特願2004−042598号)。
【0008】
上述したコルゲートフィン製造装置では、成形ロールとピッチ詰めロールとの間にフィンの斜行を防ぐためのフィンガイドが設けられている。このフィンガイドには、各ロールの成形歯からフィンを分離するための跳ね出し板がフィンの幅方向に沿って複数枚配置されている。そして、この跳ね出し板の先端はくさび形に形成されて各ロールに形成された溝部と係合するように構成されている。
【0009】
上記コルゲートフィンの製造装置ではロールや波板の幅に合わせて跳ね出し板を配置しているため、このコルゲートフィンの製造装置を用いて波板の成形を行った場合は、成形方向において、波板に形成されたスリット穴と跳ね出し板とが重なる(成形方向で略一致する)ことがあり得る。このように波板のスリット穴と跳ね出し板とが重なると、ピッチ詰めした際に跳ね出し板の先端がスリット穴に引っ掛かかり、その部分で波板が変形してしまいピッチ詰めができなくなる可能性がある。
【0010】
この発明の目的は、スリット穴付き波板を所望の波板形状にピッチ詰めすることができる波板製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、成形方向に沿って複数列のスリット穴が形成された帯状の波板材を第1波形形状に成形する成形ロール対と、前記成形ロール対から排出された前記波板材のフィン頂部同士を圧接して第2波形形状とするとともに、前記波板材の圧接されたフィン頂部同士を分離して前記第2波形形状よりもフィンピッチの広い第3波形形状とするピッチ詰めロール対と、前記ピッチ詰めロール対から排出された前記波板材の前記第3波板形状のフィン頂部間を押し広げて、前記波板材を目標波板形状に成形する形状出しロール対と、前記成形ロール対と前記ピッチ詰めロール対との間に配置されたガイド部とを備え、前記ガイド部は、前記成形ロール対と前記ピッチ詰めロール対のそれぞれの成形歯から前記波板材を分離するための複数の跳ね出し板を備え、前記複数の跳ね出し板を前記波板材に形成された前記スリット穴の列間に位置するように配置したことを特徴とする波板製造装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガイド部の跳ね出し板が波板材に形成されたスリット穴の列間に位置しているため、ピッチ詰めの際に跳ね出し板の先端部が波板材のスリット穴に引っ掛かることがなくなり、波板材がスリット穴の部分で変形するトラブルを発生させることなしに所望の波板形状にピッチ詰めを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係わる波板製造装置を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は本実施例の波板製造装置に用いられるガイド部の分解斜視図、図2は波板製造装置の概略構成図、図3は波板の平面図、図4〜図6は各ロール部の部分拡大図である。
【0015】
本実施例の波形製造装置100は、図2に示すように、成形ロール部11、ピッチ詰めロール部12、及び形状出しロール部13を備えて構成されている。また、図示していないが、成形ロール部11の上流側には、帯状の波板材10が巻き取られた供給ローラが配置され、この供給ローラにセットされた波板材10が、図示しない送りロール等により引き出されて、連続して成形ロール部11へ送られるように構成されている。図2では、本製造装置100を構成する主要部分のみを示し、その他の部分(例えば駆動機構等)については図示を省略している。
【0016】
波板材10には、図3に示すように、成形方向(図中矢印方向)に沿って複数列のスリット穴20が連続して形成されている。本実施例では、スリット穴20が成形方向に沿って複数列に形成され、且つ波板材10の幅方向(成形方向と直交する方向)から見たときにスリット穴20が重なり合うように形成されている。ただし、スリット穴20は成形方向に沿って複数列に形成されていればよく、幅方向の形成位置は図3の例に限定されるものではない(例えばスリット穴20を格子状に形成したものであってもよい)。
【0017】
成形ロール部11は、上下一対の成形ロール11a、11bからなり、これら成形ロール11a、11bの表面には、図4に示すように、それぞれ複数の成形歯110a、110bが形成されている。この成形歯110a、110bを所定間隔で嵌合させ、矢印方向に回転駆動しながらロール間に波板材10を供給することにより、波板材10は図4に示すような波形形状(以下、第1波形形状という)に成形される。この成形歯110a、110bは、成形時に波板材10が破断しないように、目標とする波板高さ、波板ピッチの波形形状(以下、目標波形形状という)に比べて波板の高さが低く、また山のピッチが広くなるように設定される。
【0018】
ピッチ詰めロール部12は、上下一対のピッチ詰めロール12a、12bからなり、これらピッチ詰めロール12a、12bの表面には、図5に示すように、それぞれ成形歯120a、120bが形成されている。上流の成形ロール部11から排出された波板材10は、ピッチ詰めロール部12の入口側で一時的に堰き止められることで波板頂部同士が圧接された波形形状となる(以下、第2波形形状という)。この第2波形形状において、各波板頂部は略半円形となっている。この状態でピッチ詰めロール12a、12bを矢印方向に回転駆動すると、成形歯120a、120bの山部分が圧接された波板頂部間に入り込み、谷部分が波板頂部を全面で押さえながら波板頂部同士を分離する。これにより、出口側では波板頂部同士が分離して、第2波形形状よりも波板ピッチの広い波形形状となる(以下、第3波形形状という)。
【0019】
ここで、波板頂部を部分的に押さえながら移動させると、波板材10の変形を引き起こすおそれがある。しかしながら本実施例では、図5に示すように、波板頂部を全面で押さえながら波板頂部同士を分離しているため、波板材10の変形を防止することができる。
【0020】
形状出しロール13部は、上下一対の形状出しロール13a、13bからなり、これら形状出しロール13a、13bの表面には、図6に示すように、それぞれ成形歯130a、130bが形成されている。この成形歯130a、130bの山部分は第3波形形状に成形された波板材10の波板頂部間に入り込み、波板ピッチが広がるように波板頂部間を押し広げている。ここでは、波板材10の弾性域を利用して、波板ピッチが目標値よりも広くなるように押し広げている。形状出しロール13部から排出された波板材10は、押し広げられた波板ピッチが弾性力により縮まって、最終的な目標波形形状に成形される。
【0021】
成形ロール部11とピッチ詰めロール部12の間、ピッチ詰めロール部12と形状出しロール部13との間には、波板材10の厚み方向及び幅方向への斜行を抑制するとともに、各部のロールに形成された成形歯から波板材10を分離するためのガイド部14、15が配置されている。
【0022】
次に、本実施例におけるガイド部14、15の構成を図1を参照しながら詳細に説明する。ここでは、成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間に配置されたガイド部14について説明するが、ガイド部15についても基本的な構造は同じであるため説明を省略する。
【0023】
図1に示すように、ガイド部14は、波板材10の幅方向に積層された複数のガイドブロック140と、このガイドブロック140の間に挟み込むように積層された複数の跳ね出し板141と、波板材10の幅方向の両端に取り付けられた波板側面押さえ板142とを備えて構成されている。
【0024】
ガイドブロック140は、波板材10の上下方向(厚さ方向)への斜行(上下方向への逃げ挙動)を抑制するためのガイド部材であり、一つおきに跳ね出し板141を挟んで積層されている。また、ガイドブロック140には、積層方向に貫通する位置決め用穴140aが2箇所に形成されている。
【0025】
このガイドブロック140を設けることにより、とくに成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間において、ピッチ詰めを行う際に波板材10が上下方向に斜行するのを抑えることができるため、波板頂部同士を確実に圧接させることができる。
【0026】
跳ね出し板141は、各ロールの成形歯110a、110b、120a、120bから、その表面に密着している波板材10を分離するためのガイド部材である。図1に示すように、跳ね出し板141は、波板材10を成形方向に搬送したときに、先端部141aが波板材10に形成されたスリット穴20の列間に位置するように配置されている。各跳ね出し板141の配置間隔は、ガイドブロック140の幅により調整することができる。
【0027】
図1に示す各ロールの成形歯には、跳ね出し板141のくさび形状の先端部141aと嵌合するための複数の溝部がロール円周に沿って形成されている。すなわち、成形ロール11a、11bの成形歯110a、110bには、跳ね出し板141の先端部141aと嵌合する位置に4箇所の溝部111a、111bが、またピッチ詰めロール12a、12bの成形歯120a、120bには、跳ね出し板141の先端部141aと嵌合する位置に4箇所の溝部121a、121bがそれぞれ形成されている。また、各跳ね出し板141には、積層方向に貫通する図示しない位置決め用穴が2箇所に形成されている。
【0028】
波板側面押さえ板142は、波板材10の横方向(幅方向)への斜行を抑制するためのガイド部材であり、一体化されたブロックの幅方向の両端に配置されている。また、波板側面押さえ板142には、ガイドブロック140及び跳ね出し板141のそれぞれに形成された位置決め用穴と連通する位置決め用穴142aが4箇所に形成されている。
【0029】
この波板側面押さえ板142は、とくに成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間において、ピッチ詰めを行う際に波板材10が左右方向に逃げるのを抑えることができるため、波板頂部同士を確実に圧接させることができる。
【0030】
本実施例のガイド部14は、図1に示すように、ガイドブロック140と跳ね出し板141とを交互に積層したブロックを2つ用意して対向配置するとともに、その両側に波板側面押さえ板142を取り付け、ボルト143を4箇所の位置決め用穴に貫通させてナット144で締結することにより完成する。上下に配置されたブロック間には、波板材10を通過させるための内部空間(搬送路)が形成されている。
【0031】
上記のように構成されたガイド部14においては、ピッチ詰めロール12a、12bに形成された溝部121a、121bと、跳ね出し板141の先端部141aとが嵌合しているため、各ロールの成形歯と波板材10とが密着している場合でも、溝部121a、121bと波板材10との間に入り込んだ跳ね出し板141の先端部141aによって、各ロールの成形歯から波板材10を確実に分離することができる。
【0032】
そして、跳ね出し板141は、その先端部141aが波板材10に形成されたスリット穴20の列間に位置するように配置されているため、ピッチ詰めの際に跳ね出し板141の先端部が波板材10のスリット穴20に引っ掛かることがなく、波板材10がスリット穴20の部分で変形するトラブルを発生させることなしに所望の波板形状にピッチ詰めを行うことができる。
【0033】
次に、上記のように構成された波板製造装置100を用いて波板を製造する手順を説明する。
【0034】
まず、成形ロール11a(或いは他のロールを含めて)を上方に持ち上げて、フラットな波板材10を形状出しロール部13の出口付近まで通過させる。そして、図1に示すように、成形ロール11a(或いは他のロールを含めて)を定位置に戻して、成形ロール部11の成形ロール11a、11bを矢印方向に回転駆動する。これにより、図2に示すように、波板材10は第1波形形状に成形される(一次成形工程)。このとき、ピッチ詰めロール部12及び形状出しロール部13のロールは停止させておく。
【0035】
波板材10の第1波形形状に形成された部分は、やがてピッチ詰めロール部12に達して、ピッチ詰めロール12a、12b間に突き当たる。この後、更に成形ロール11a、11bを回転駆動すると、第1波形形状に成形された波板材10は成形ロール部11の入口側で一時的に堰き止められ、成形ロール部11からの波板排出力により波板頂部同士が圧接されて第2波形形状となる(この工程をピッチ詰めという)。このとき、第2波形形状の部分がピッチ詰めロール12a、12bの成形歯120a、120bと噛み合うように、ピッチ詰めロール12a、12bを矢印方向に所定角度だけ回転駆動してもよい。
【0036】
この後、成形ロール11a、11bを回転駆動し続けると、第2波形形状の部分が成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間に溜まることになる。そして、第2波形形状の部分が成形ロール部11の出口付近まで溜まった段階で、成形ロール部11、ピッチ詰めロール部12及び形状出しロール部を同期駆動して、上記各ロール部から波板材10を1山づつ下流側に排出させる。この同期駆動を開始した後は、波板材10を成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間に一時的に堰き止める必要はなく、成形ロール部11から排出される第1波形形状の1山が成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間で順に圧接され、1山づつ第2波形形状に成形される。
【0037】
上記同期駆動により、図3に示すように、ピッチ詰めロール12a、12bに形成された成形歯120a、120bでは、山部分が波板材10の圧接された波板頂部間に入り込み、谷部分が波板頂部を全面で押さえながら波板頂部同士を分離して、第2波形形状よりも波板ピッチの広い第3波形形状に成形される(二次成形工程)。
【0038】
続いて、図4に示すように、波板材10は形状出しロール13a、13bの成形歯130a、130bにより、第3波形形状に成形された波板頂部間が押し広げられる。その後、形状出しロール13部から排出された波板材10は波板ピッチが縮まり、目標波形形状に成形される(三次成形工程)。
【0039】
以上説明したように、本実施例によれば、二次成形工程において、成形ロール部11の波板排出力を利用して波板頂部同士が圧接するまで波板ピッチを詰めるようにしているため、ステンレス材のような反発力の大きな材料を使用した場合でも、成形後に山が戻ってしまうことがなく、波板形状を均一なものとすることができる。
【0040】
また、ガイド部14(15)は、跳ね出し板141の先端部141aが波板材10に形成されたスリット穴20の列間に位置しているため、ピッチ詰めの際に跳ね出し板141の先端部が波板材10のスリット穴20に引っ掛かることがなく、波板材10がスリット穴20の部分で変形するトラブルを発生させることなしに所望の波板形状にピッチ詰めを行うことができる(請求項1の効果)。
【0041】
したがって、本実施例の波板製造装置100においては、ピッチ詰め成形後の波板形状にばらつきがなく、また波板材10がスリット穴20の部分で変形するトラブルを発生させることなしに、波板を所望の形状にピッチ詰め成形することができる。
【0042】
また、特開平11−147149号公報に開示された製造方法では、波板成形に4段階の工程を設けており、このうち形状出しは2段階の工程で波板を引っ張っている。しかしながら、本実施例では、形状出しの工程を1工程減らすことができるため、製造ラインを短縮することができる。
【0043】
また、波板ピッチ詰め成形(波板高さ>波板ピッチ)の加工が出来ることにより、波板が密となり、メタル担体の容積当たり素材面積は増加するので、触媒を同じ面積で使用する場合では、容積を減少することができ、メタル担体の小型化が可能となる。また、成形後の平板と波板のなす角度が大きくなるため、圧迫力の伝搬が大きくなり、担体製造時の絞り工程が割愛され、拡散接合によるロウ付け特性を改善することができる。
【0044】
さらに、波板の高さが大きくなることで巻数が減少し、担体素材の単位面積当たりの平板と波板がなすフィレット数が削減され、触媒量を削減することができる。
【0045】
なお、本実施例では、メタル担体のコアに用いられる波板の製造装置について説明したが、本発明はこれらの用途に限定されるものではなく、波板を用いた他の工業製品一般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例の波板製造装置に用いられるガイド部の分解斜視図。
【図2】波板製造装置の概略構成図
【図3】波板の平面図。
【図4】ピッチ詰めロールの部分拡大図。
【図5】形状出しロール部の部分拡大図。
【図6】ガイド部の構成を示す分解斜視図。
【符号の説明】
【0047】
10…波板材
11…成形ロール部
11a、11b…成形ロール
12…ピッチ詰めロール部
12a、12b…ピッチ詰めロール
13…形状出しロール部
13a、13b…形状出しロール
14、15…ガイド部
20…スリット穴
100…波形製造装置
110a、120a、130a…成形歯
111a、121a…溝部
140…ガイドブロック
140a、142a…位置決め用穴
141…跳ね出し板
142…波板側面押さえ板
143…ボルト
144…ナット
【技術分野】
【0001】
この発明は、排気ガスを浄化する触媒コンバータに用いられるメタル担体の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関等の排気系には、排ガスを浄化するための触媒コンバータが装着されている。この様な触媒コンバータに用いる触媒担体として、Fe−Cr−Al系フェライトステンレス箔材等の金属製薄板からなるメタル担体が広く用いられている。
【0003】
この種のメタル担体は、金属製薄板からなる波板と平板とを交互に多重に巻き回して断面略円形状としたコアと、このコアを装着する金属製の外筒とで構成され、上記波板と平板との間に形成された複数のセル通路内に排気ガスを通過させることによって、排気ガス中に含まれる有害成分をコア表面に形成された触媒層の触媒反応により除去するようにしたものである。
【0004】
従来、メタル担体の排気浄化性能を向上させることを目的として、波板の表面に複数のスリット穴を形成し、排気ガスがメタル担体内を通過する際に乱流を発生させて、排気ガスと触媒層とがより多く接触するようにしたものが知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
また、波板製造装置としては、コルゲート加工機により波板状に形成されたフィン材を、ピッチ詰め機、中間詰め機、およびピッチ出し機という順番で連続的に加工することによりフィンのピッチを調整するようにしたものが知られている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−143693号公報
【特許文献2】特開2004−188328号公報
【特許文献3】特開平11−147149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特開平11−147149号公報に開示された製造方法は、ピッチ詰めロールとフィン頂部とをかみ合わせてピッチ詰めするため、フィン頂部同士が接するまでピッチを詰めることはできず、このためステンレス材などの反発力の大きな材料では、成形後に山が戻ってしまい、フィンを所望の波形形状に成形することは困難であった。
【0007】
これに対して本願出願人は、成形ロールとピッチ詰めロールとの間において、成形ロールのフィン排出力を利用してフィンの頂部同士を圧接することでピッチ詰めを行うようにしたコルゲートフィン製造装置を提案している(特願2004−042598号)。
【0008】
上述したコルゲートフィン製造装置では、成形ロールとピッチ詰めロールとの間にフィンの斜行を防ぐためのフィンガイドが設けられている。このフィンガイドには、各ロールの成形歯からフィンを分離するための跳ね出し板がフィンの幅方向に沿って複数枚配置されている。そして、この跳ね出し板の先端はくさび形に形成されて各ロールに形成された溝部と係合するように構成されている。
【0009】
上記コルゲートフィンの製造装置ではロールや波板の幅に合わせて跳ね出し板を配置しているため、このコルゲートフィンの製造装置を用いて波板の成形を行った場合は、成形方向において、波板に形成されたスリット穴と跳ね出し板とが重なる(成形方向で略一致する)ことがあり得る。このように波板のスリット穴と跳ね出し板とが重なると、ピッチ詰めした際に跳ね出し板の先端がスリット穴に引っ掛かかり、その部分で波板が変形してしまいピッチ詰めができなくなる可能性がある。
【0010】
この発明の目的は、スリット穴付き波板を所望の波板形状にピッチ詰めすることができる波板製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、成形方向に沿って複数列のスリット穴が形成された帯状の波板材を第1波形形状に成形する成形ロール対と、前記成形ロール対から排出された前記波板材のフィン頂部同士を圧接して第2波形形状とするとともに、前記波板材の圧接されたフィン頂部同士を分離して前記第2波形形状よりもフィンピッチの広い第3波形形状とするピッチ詰めロール対と、前記ピッチ詰めロール対から排出された前記波板材の前記第3波板形状のフィン頂部間を押し広げて、前記波板材を目標波板形状に成形する形状出しロール対と、前記成形ロール対と前記ピッチ詰めロール対との間に配置されたガイド部とを備え、前記ガイド部は、前記成形ロール対と前記ピッチ詰めロール対のそれぞれの成形歯から前記波板材を分離するための複数の跳ね出し板を備え、前記複数の跳ね出し板を前記波板材に形成された前記スリット穴の列間に位置するように配置したことを特徴とする波板製造装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガイド部の跳ね出し板が波板材に形成されたスリット穴の列間に位置しているため、ピッチ詰めの際に跳ね出し板の先端部が波板材のスリット穴に引っ掛かることがなくなり、波板材がスリット穴の部分で変形するトラブルを発生させることなしに所望の波板形状にピッチ詰めを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係わる波板製造装置を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は本実施例の波板製造装置に用いられるガイド部の分解斜視図、図2は波板製造装置の概略構成図、図3は波板の平面図、図4〜図6は各ロール部の部分拡大図である。
【0015】
本実施例の波形製造装置100は、図2に示すように、成形ロール部11、ピッチ詰めロール部12、及び形状出しロール部13を備えて構成されている。また、図示していないが、成形ロール部11の上流側には、帯状の波板材10が巻き取られた供給ローラが配置され、この供給ローラにセットされた波板材10が、図示しない送りロール等により引き出されて、連続して成形ロール部11へ送られるように構成されている。図2では、本製造装置100を構成する主要部分のみを示し、その他の部分(例えば駆動機構等)については図示を省略している。
【0016】
波板材10には、図3に示すように、成形方向(図中矢印方向)に沿って複数列のスリット穴20が連続して形成されている。本実施例では、スリット穴20が成形方向に沿って複数列に形成され、且つ波板材10の幅方向(成形方向と直交する方向)から見たときにスリット穴20が重なり合うように形成されている。ただし、スリット穴20は成形方向に沿って複数列に形成されていればよく、幅方向の形成位置は図3の例に限定されるものではない(例えばスリット穴20を格子状に形成したものであってもよい)。
【0017】
成形ロール部11は、上下一対の成形ロール11a、11bからなり、これら成形ロール11a、11bの表面には、図4に示すように、それぞれ複数の成形歯110a、110bが形成されている。この成形歯110a、110bを所定間隔で嵌合させ、矢印方向に回転駆動しながらロール間に波板材10を供給することにより、波板材10は図4に示すような波形形状(以下、第1波形形状という)に成形される。この成形歯110a、110bは、成形時に波板材10が破断しないように、目標とする波板高さ、波板ピッチの波形形状(以下、目標波形形状という)に比べて波板の高さが低く、また山のピッチが広くなるように設定される。
【0018】
ピッチ詰めロール部12は、上下一対のピッチ詰めロール12a、12bからなり、これらピッチ詰めロール12a、12bの表面には、図5に示すように、それぞれ成形歯120a、120bが形成されている。上流の成形ロール部11から排出された波板材10は、ピッチ詰めロール部12の入口側で一時的に堰き止められることで波板頂部同士が圧接された波形形状となる(以下、第2波形形状という)。この第2波形形状において、各波板頂部は略半円形となっている。この状態でピッチ詰めロール12a、12bを矢印方向に回転駆動すると、成形歯120a、120bの山部分が圧接された波板頂部間に入り込み、谷部分が波板頂部を全面で押さえながら波板頂部同士を分離する。これにより、出口側では波板頂部同士が分離して、第2波形形状よりも波板ピッチの広い波形形状となる(以下、第3波形形状という)。
【0019】
ここで、波板頂部を部分的に押さえながら移動させると、波板材10の変形を引き起こすおそれがある。しかしながら本実施例では、図5に示すように、波板頂部を全面で押さえながら波板頂部同士を分離しているため、波板材10の変形を防止することができる。
【0020】
形状出しロール13部は、上下一対の形状出しロール13a、13bからなり、これら形状出しロール13a、13bの表面には、図6に示すように、それぞれ成形歯130a、130bが形成されている。この成形歯130a、130bの山部分は第3波形形状に成形された波板材10の波板頂部間に入り込み、波板ピッチが広がるように波板頂部間を押し広げている。ここでは、波板材10の弾性域を利用して、波板ピッチが目標値よりも広くなるように押し広げている。形状出しロール13部から排出された波板材10は、押し広げられた波板ピッチが弾性力により縮まって、最終的な目標波形形状に成形される。
【0021】
成形ロール部11とピッチ詰めロール部12の間、ピッチ詰めロール部12と形状出しロール部13との間には、波板材10の厚み方向及び幅方向への斜行を抑制するとともに、各部のロールに形成された成形歯から波板材10を分離するためのガイド部14、15が配置されている。
【0022】
次に、本実施例におけるガイド部14、15の構成を図1を参照しながら詳細に説明する。ここでは、成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間に配置されたガイド部14について説明するが、ガイド部15についても基本的な構造は同じであるため説明を省略する。
【0023】
図1に示すように、ガイド部14は、波板材10の幅方向に積層された複数のガイドブロック140と、このガイドブロック140の間に挟み込むように積層された複数の跳ね出し板141と、波板材10の幅方向の両端に取り付けられた波板側面押さえ板142とを備えて構成されている。
【0024】
ガイドブロック140は、波板材10の上下方向(厚さ方向)への斜行(上下方向への逃げ挙動)を抑制するためのガイド部材であり、一つおきに跳ね出し板141を挟んで積層されている。また、ガイドブロック140には、積層方向に貫通する位置決め用穴140aが2箇所に形成されている。
【0025】
このガイドブロック140を設けることにより、とくに成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間において、ピッチ詰めを行う際に波板材10が上下方向に斜行するのを抑えることができるため、波板頂部同士を確実に圧接させることができる。
【0026】
跳ね出し板141は、各ロールの成形歯110a、110b、120a、120bから、その表面に密着している波板材10を分離するためのガイド部材である。図1に示すように、跳ね出し板141は、波板材10を成形方向に搬送したときに、先端部141aが波板材10に形成されたスリット穴20の列間に位置するように配置されている。各跳ね出し板141の配置間隔は、ガイドブロック140の幅により調整することができる。
【0027】
図1に示す各ロールの成形歯には、跳ね出し板141のくさび形状の先端部141aと嵌合するための複数の溝部がロール円周に沿って形成されている。すなわち、成形ロール11a、11bの成形歯110a、110bには、跳ね出し板141の先端部141aと嵌合する位置に4箇所の溝部111a、111bが、またピッチ詰めロール12a、12bの成形歯120a、120bには、跳ね出し板141の先端部141aと嵌合する位置に4箇所の溝部121a、121bがそれぞれ形成されている。また、各跳ね出し板141には、積層方向に貫通する図示しない位置決め用穴が2箇所に形成されている。
【0028】
波板側面押さえ板142は、波板材10の横方向(幅方向)への斜行を抑制するためのガイド部材であり、一体化されたブロックの幅方向の両端に配置されている。また、波板側面押さえ板142には、ガイドブロック140及び跳ね出し板141のそれぞれに形成された位置決め用穴と連通する位置決め用穴142aが4箇所に形成されている。
【0029】
この波板側面押さえ板142は、とくに成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間において、ピッチ詰めを行う際に波板材10が左右方向に逃げるのを抑えることができるため、波板頂部同士を確実に圧接させることができる。
【0030】
本実施例のガイド部14は、図1に示すように、ガイドブロック140と跳ね出し板141とを交互に積層したブロックを2つ用意して対向配置するとともに、その両側に波板側面押さえ板142を取り付け、ボルト143を4箇所の位置決め用穴に貫通させてナット144で締結することにより完成する。上下に配置されたブロック間には、波板材10を通過させるための内部空間(搬送路)が形成されている。
【0031】
上記のように構成されたガイド部14においては、ピッチ詰めロール12a、12bに形成された溝部121a、121bと、跳ね出し板141の先端部141aとが嵌合しているため、各ロールの成形歯と波板材10とが密着している場合でも、溝部121a、121bと波板材10との間に入り込んだ跳ね出し板141の先端部141aによって、各ロールの成形歯から波板材10を確実に分離することができる。
【0032】
そして、跳ね出し板141は、その先端部141aが波板材10に形成されたスリット穴20の列間に位置するように配置されているため、ピッチ詰めの際に跳ね出し板141の先端部が波板材10のスリット穴20に引っ掛かることがなく、波板材10がスリット穴20の部分で変形するトラブルを発生させることなしに所望の波板形状にピッチ詰めを行うことができる。
【0033】
次に、上記のように構成された波板製造装置100を用いて波板を製造する手順を説明する。
【0034】
まず、成形ロール11a(或いは他のロールを含めて)を上方に持ち上げて、フラットな波板材10を形状出しロール部13の出口付近まで通過させる。そして、図1に示すように、成形ロール11a(或いは他のロールを含めて)を定位置に戻して、成形ロール部11の成形ロール11a、11bを矢印方向に回転駆動する。これにより、図2に示すように、波板材10は第1波形形状に成形される(一次成形工程)。このとき、ピッチ詰めロール部12及び形状出しロール部13のロールは停止させておく。
【0035】
波板材10の第1波形形状に形成された部分は、やがてピッチ詰めロール部12に達して、ピッチ詰めロール12a、12b間に突き当たる。この後、更に成形ロール11a、11bを回転駆動すると、第1波形形状に成形された波板材10は成形ロール部11の入口側で一時的に堰き止められ、成形ロール部11からの波板排出力により波板頂部同士が圧接されて第2波形形状となる(この工程をピッチ詰めという)。このとき、第2波形形状の部分がピッチ詰めロール12a、12bの成形歯120a、120bと噛み合うように、ピッチ詰めロール12a、12bを矢印方向に所定角度だけ回転駆動してもよい。
【0036】
この後、成形ロール11a、11bを回転駆動し続けると、第2波形形状の部分が成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間に溜まることになる。そして、第2波形形状の部分が成形ロール部11の出口付近まで溜まった段階で、成形ロール部11、ピッチ詰めロール部12及び形状出しロール部を同期駆動して、上記各ロール部から波板材10を1山づつ下流側に排出させる。この同期駆動を開始した後は、波板材10を成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間に一時的に堰き止める必要はなく、成形ロール部11から排出される第1波形形状の1山が成形ロール部11とピッチ詰めロール部12との間で順に圧接され、1山づつ第2波形形状に成形される。
【0037】
上記同期駆動により、図3に示すように、ピッチ詰めロール12a、12bに形成された成形歯120a、120bでは、山部分が波板材10の圧接された波板頂部間に入り込み、谷部分が波板頂部を全面で押さえながら波板頂部同士を分離して、第2波形形状よりも波板ピッチの広い第3波形形状に成形される(二次成形工程)。
【0038】
続いて、図4に示すように、波板材10は形状出しロール13a、13bの成形歯130a、130bにより、第3波形形状に成形された波板頂部間が押し広げられる。その後、形状出しロール13部から排出された波板材10は波板ピッチが縮まり、目標波形形状に成形される(三次成形工程)。
【0039】
以上説明したように、本実施例によれば、二次成形工程において、成形ロール部11の波板排出力を利用して波板頂部同士が圧接するまで波板ピッチを詰めるようにしているため、ステンレス材のような反発力の大きな材料を使用した場合でも、成形後に山が戻ってしまうことがなく、波板形状を均一なものとすることができる。
【0040】
また、ガイド部14(15)は、跳ね出し板141の先端部141aが波板材10に形成されたスリット穴20の列間に位置しているため、ピッチ詰めの際に跳ね出し板141の先端部が波板材10のスリット穴20に引っ掛かることがなく、波板材10がスリット穴20の部分で変形するトラブルを発生させることなしに所望の波板形状にピッチ詰めを行うことができる(請求項1の効果)。
【0041】
したがって、本実施例の波板製造装置100においては、ピッチ詰め成形後の波板形状にばらつきがなく、また波板材10がスリット穴20の部分で変形するトラブルを発生させることなしに、波板を所望の形状にピッチ詰め成形することができる。
【0042】
また、特開平11−147149号公報に開示された製造方法では、波板成形に4段階の工程を設けており、このうち形状出しは2段階の工程で波板を引っ張っている。しかしながら、本実施例では、形状出しの工程を1工程減らすことができるため、製造ラインを短縮することができる。
【0043】
また、波板ピッチ詰め成形(波板高さ>波板ピッチ)の加工が出来ることにより、波板が密となり、メタル担体の容積当たり素材面積は増加するので、触媒を同じ面積で使用する場合では、容積を減少することができ、メタル担体の小型化が可能となる。また、成形後の平板と波板のなす角度が大きくなるため、圧迫力の伝搬が大きくなり、担体製造時の絞り工程が割愛され、拡散接合によるロウ付け特性を改善することができる。
【0044】
さらに、波板の高さが大きくなることで巻数が減少し、担体素材の単位面積当たりの平板と波板がなすフィレット数が削減され、触媒量を削減することができる。
【0045】
なお、本実施例では、メタル担体のコアに用いられる波板の製造装置について説明したが、本発明はこれらの用途に限定されるものではなく、波板を用いた他の工業製品一般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例の波板製造装置に用いられるガイド部の分解斜視図。
【図2】波板製造装置の概略構成図
【図3】波板の平面図。
【図4】ピッチ詰めロールの部分拡大図。
【図5】形状出しロール部の部分拡大図。
【図6】ガイド部の構成を示す分解斜視図。
【符号の説明】
【0047】
10…波板材
11…成形ロール部
11a、11b…成形ロール
12…ピッチ詰めロール部
12a、12b…ピッチ詰めロール
13…形状出しロール部
13a、13b…形状出しロール
14、15…ガイド部
20…スリット穴
100…波形製造装置
110a、120a、130a…成形歯
111a、121a…溝部
140…ガイドブロック
140a、142a…位置決め用穴
141…跳ね出し板
142…波板側面押さえ板
143…ボルト
144…ナット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形方向に沿って複数列のスリット穴(20)が形成された帯状の波板材(10)を第1波形形状に成形する成形ロール対(11a、11b)と、前記成形ロール対(11a、11b)から排出された前記波板材(10)の波板頂部同士を圧接して第2波形形状とするとともに、前記波板材(10)の圧接された波板頂部同士を分離して前記第2波形形状よりも波板ピッチの広い第3波形形状とするピッチ詰めロール対(12a、12b)と、前記ピッチ詰めロール対(12a、12b)から排出された前記波板材(10)の前記第3波板形状の波板頂部間を押し広げて、前記波板材(10)を目標波板形状に成形する形状出しロール対(13a、13b)と、前記成形ロール対(11a、11b)と前記ピッチ詰めロール対(12a、12b)との間に配置されたガイド部(14)とを備えた波板製造装置であって、
前記ガイド部(14)は、前記成形ロール対(11a、11b)と前記ピッチ詰めロール対(12a、12b)のそれぞれの成形歯から前記波板材(10)を分離するための複数の跳ね出し板(141)を備え、前記複数の跳ね出し板(141)を前記波板材(10)に形成された前記スリット穴(20)の列間に位置するように配置したことを特徴とする波板製造装置。
【請求項1】
成形方向に沿って複数列のスリット穴(20)が形成された帯状の波板材(10)を第1波形形状に成形する成形ロール対(11a、11b)と、前記成形ロール対(11a、11b)から排出された前記波板材(10)の波板頂部同士を圧接して第2波形形状とするとともに、前記波板材(10)の圧接された波板頂部同士を分離して前記第2波形形状よりも波板ピッチの広い第3波形形状とするピッチ詰めロール対(12a、12b)と、前記ピッチ詰めロール対(12a、12b)から排出された前記波板材(10)の前記第3波板形状の波板頂部間を押し広げて、前記波板材(10)を目標波板形状に成形する形状出しロール対(13a、13b)と、前記成形ロール対(11a、11b)と前記ピッチ詰めロール対(12a、12b)との間に配置されたガイド部(14)とを備えた波板製造装置であって、
前記ガイド部(14)は、前記成形ロール対(11a、11b)と前記ピッチ詰めロール対(12a、12b)のそれぞれの成形歯から前記波板材(10)を分離するための複数の跳ね出し板(141)を備え、前記複数の跳ね出し板(141)を前記波板材(10)に形成された前記スリット穴(20)の列間に位置するように配置したことを特徴とする波板製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2006−212656(P2006−212656A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26331(P2005−26331)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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