説明

波長同調可能な選択性オプトエレクトロニックフィルタ

本発明は、ブラッグミラーのような2つの部分反射装置10、12の間に配置された共振空洞を備える波長同調可能な選択性オプトエレクトロニックフィルタに関し、前記共振空洞は、高い屈折率をもつ固体材料でできており、2つの部分反射装置10、12間で導波管を構成しているディスク16から成る。前記フィルタは優れた選択性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、波長分割多重(WDM)タイプまたは高密度波長分割多重(DWDM)タイプの光電気通信システムのさまざまなチャンネルの波長逆多重化に適用可能である、選択性の、波長同調可能なオプトエレクトロニックフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
選択性の、波長同調可能なフィルタは、微小光電気機械システム(MOEMS)の構成要素でできているものが知られており、その構成要素は従来の微小技術方法を使用して製作されることができ、フィルタはそれら構成要素の材料を機械的に変形することによって同調されることができる。このようなフィルタは、ファブリペロタイプのものであり、ブラッグミラーのような平行する2つの部分反射装置の間に配置されている空気の層または「プレート」によって形成されている共振空洞を備える。共振波長は、反射装置の少なくとも1つを弾力変形が可能な方式で装着することによって、また2つの部分反射装置の間に制御電圧を与えることで生成される静電圧力を用いてその反射装置を動かすことによって同調可能である。その動きが、共振空洞の厚さの変化、したがってフィルタの中心波長の変化につながる。
【0003】
共振空洞を画定する反射装置が平坦で横方向寸法が小さなものであるとき、0.5ナノメートル(nm)より良いスペクトル選択性を得ることは可能でないが、DWDMタイプの信号を逆多重化するときには、0.2nm以下の値を得ようとする必要がある。
【0004】
この制約は、平らな空洞では光ビームの自然拡散により、空洞から横方向に逃げることなくビームが反射装置間でたどることができる往復移動可能の回数が制限される事実に起因している。これは、「空洞不安定性」として知られている現象である。
【0005】
このような選択性を改善する1つの知られている方法は、適切な初期の正曲率を2つの部分反射装置の1つに課して、各往復移動可能で電磁波を再焦点合わせすることであり、それによって電磁波が、大幅に減衰することなく共振空洞内をたどることができる往復移動可能の数が増加する。その技法は、文献US−A−6645784(Tayebati他)に説明されているが非常に複雑であり実行するのに高価である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の具体的な一目的は、上記に指定したタイプのフィルタのスペクトル選択性を改善するその問題に、簡単で効果的でありかつ安価な解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明は、2つの部分反射装置の間に形成された共振空洞を備え、各部分反射装置が、使用される波長で透過性である層の積重ねと、フィルタを波長同調するために反射装置の端子に電界を与える手段とによって構成された、波長同調可能な選択性オプトエレクトロニックフィルタであって、共振空洞が、前記波長において透過性であり高い屈折率を有する固体材料のディスクで構成され、反射装置の間で導波管を形成すること、および、反射装置の第1のものが、少なくとも部分的に移動可能または変形可能であり、空気のプレートによって共振空洞を形成するディスクから分離されることを特徴とする、オプトエレクトロニックフィルタを提供する。
【0008】
屈折率の高い透過性である固体材料のディスクによって形成され共振空洞を構成する導波管は、電磁波が部分反射装置間の往復移動可能に従う間にその電磁波を横方向で閉じ込め、したがって共振空洞の端部にわたって横方向の損失を回避する。この損失の減少がフィルタのスペクトル選択性の著しい改善につながる。
【0009】
さらに、前述の移動可能なまたは変形可能な部分を動かす結果としてディスクに隣接する空気のプレートの厚さを変えることにより、波長においてフィルタを同調することが可能になる。なぜなら、前述のディスクによって形成されている共振空洞の有効厚さが、反射波の一部が反射装置に浸透することによってディスクの厚さより大きくなるからである。
【0010】
共振空洞を構成する高屈折率材料のディスクは、共振波の伝播が準モノモードであることを保証し、ならびに可能にするように一般的に10マイクロメートル(μm)程度である小さな直径を有し有利である。
【0011】
一般的に、第1および第2の部分反射装置は、使用される波長において透過性である材料の各積重ねによって構成されており、反射装置の1つまたは反射装置の各々で前記層の1つまたは前記層のグループが移動可能または変形可能であり、空気のプレートによって共振空洞のディスクから分離される。
【0012】
本発明の特に有利な実施形態では、第1の反射装置は半導体材料と空気の層の交互層でできており、pタイプのドーピング(またはnタイプ)をもつ移動可能または変形可能である半導体プレートを含み、そのタイプのドーピングは前記第1の反射装置の他方の半導体材料の層と反対のドーピングタイプである。
【0013】
共振空洞を形成するディスクも、反射装置の移動可能プレートのものとは反対のタイプのドーピングを有する半導体材料でできている。
【0014】
有利なことに、第2の部分反射装置も、使用される波長において透過性である半導体材料の層の積重ねを備え、半導体材料の層の1つまたは前記層のグループが移動可能または変形可能なプレートを形成しており、そのプレートが空洞を形成するディスクから空気の層によって分離され、前記移動可能または変形可能なプレートのドーピングが第2の部分反射装置の半導体材料のもう一方の層のものとは反対のタイプのものである。
【0015】
こうした状況では前記移動可能または変形可能なプレート双方のドーピングは同じタイプのものである。
【0016】
本発明の具体的な一実施形態では、前記移動可能または変形可能な各プレートは、適正な寸法の弾性変形可能なアームによって、固定された周辺支持体に連結されている懸垂プレートである。
【0017】
前記部分反射装置の半導体材料の層の全部および共振空洞を形成するディスクは、懸垂タイプのものであり、必要に応じて剛性のまたは弾性変形可能なアームによって固定された周辺支持体に連結されていることが好ましい。
【0018】
第1の実施形態では、フィルタの波長同調のための手段は、共振空洞を形成しているディスクのいずれかの側部に位置している部分反射装置の半導体材料の静止層および移動可能プレートに接続された2つの電極を、前記電極間に制御電圧を与えるための手段と共に備える。
【0019】
反射装置、移動可能プレート、および共振空洞の半導体材料層のドーピングは、反対方向に接続された2つのダイオードの構造を生成し、したがって与えられた電圧の極性に依存して移動可能プレートを反射装置の静止部分(それが反射装置の部分を形成している)に向かって変形させるか、または共振空洞に向かって変形させることを可能にしている。これが双方向性の作動を与えようとすることを可能にし、したがってその初期値に対して共振波長が延長されまたは縮小されることを可能にしている。
【0020】
本発明のフィルタの他方の部分反射装置も移動可能または変形可能なプレートを含むとき、波長同調手段は、前記ディスクならびにディスクのいずれかの側部およびそれぞれの移動可能プレート上に位置している反射装置の半導体材料の2つの静止層に接続されている3つの電極を、ディスクに連結された電極と前記静止層に連結された電極の間に同一電圧を与えるための手段と共に備える。
【0021】
このような状況では、共振空洞のいずれかの側部に位置している移動可能プレートを両方同時に変形させることが可能であり、それによって波長同調範囲を倍化させ、したがって例えばWDMタイプの電気通信システムのCおよびLバンド(1525nm〜1562nm、および1570nm〜1615nm)の両方をカバーすることを可能にしている。
【0022】
例として作成された下記説明を読み、添付図面を参照すれば本発明がより良く理解されることができ、本発明のその他の詳細、特徴および利点がより明確になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
先ず本発明のフィルタの全体構造を示す略図である図1を参照するが、前記フィルタの構造は、基本的に、基板14により担持された2つのブラッグミラー10および12を備え、前記ブラッグミラーの間に位置する高い屈折率を有し当該の波長において共振空洞を構成する固体材料のディスク16(ディスクはk.λ/2に等しい厚さを有し、ここにkは本例では3に等しい)を有することを考慮している。
【0024】
図1の頂部ブラッグミラー10は、1/4波長プレートを形成している半導体材料の交互層18、20、22を備え、その交互層は互いに、かつ共振ディスク16から空気の1/4波長プレート24によって分離されており、底部ブラッグミラー12は、半導体材料の層26、28、および30からできており、それらの層は1/4波長プレートであり相互におよび共振ディスク16からそれぞれの空気の1/4波長プレート32、34、36、および38によって分離されている。
【0025】
ブラッグミラー内の半導体材料のさまざまな層は静止している、つまりそれらは移動可能ではない、または変形可能ではないが、ディスク16に隣接する1つの層、例えば底部ブラッグミラー12の層26は例外で、その層は軸方向にディスク16に向かっておよびディスクから離れるように移動可能または変形可能である。
【0026】
ブラッグミラーを形成する半導体材料のさまざまな層の厚さが図1で与えられており、それらは(2k+1)λ/4に等しく、kは本例では機械的な最適化のために2または3に等しい。本例では、空気のプレートは(2k+1)λ/4に等しい厚さを有し、k=0であるが、ブラッグミラー12の移動可能プレート26のいずれかの側部に位置するプレート32および34は例外で、これらのプレートは3λ/4に等しい厚さを有する。
【0027】
移動可能プレート26は、例えば頂部ブラッグミラー10にしっかりと固定されている頂部コンタクト40と、例えば底部ブラッグミラー12の基板14または半導体プレートにしっかりと固定された底部コンタクト42との間に与えられた電圧の制御の下に1方向または他方向に動かされるが、移動可能プレート26が移動する方向は与えられた電圧の極性に依存する。ブラッグミラー10および12のさまざまな半導体プレートは、すべて同じタイプのドーピング(例えばn)を有するが、移動可能プレート26は例外で反対のタイプ(例えばp)のドーピングを有する。
【0028】
移動可能プレート26の1方向または他方向への移動が、前記移動可能プレート26と共振ディスクの間にある空気プレート32の厚さを加減し、それによって、本発明のフィルタに対する透過中心波長を変えるが、これは反射波が底部ブラッグミラー12に部分的に浸透することによって、前記フィルタの共振空洞の有効厚さがディスク16の厚さより大きくなるためである。
【0029】
そのしっかりした構造およびその高い屈折率ゆえに共振ディスク16はブラッグミラー10と12の間で導波管を構成し、それによって横方向の漏洩による共振電磁波からの損失を大幅に制限している。
【0030】
波が共振ディスク16内を準モノモードで伝播することを確実にするために、ディスクの直径は比較的小さな値、例えば約10μmに選定される。
【0031】
共振空洞からの横方向損失を減少させることはブラッグミラーの反射率を、したがって共振波の往復移動数を増加させ、それによって本発明のフィルタに対するより良い選択性が得られる。
【0032】
移動可能プレート26は有利には、例えば図2に示される形で懸垂される構造である。
【0033】
本例では、移動可能プレート26は、円形外形のディスクの形態であり約10μmの直径を有し、4つのアーム46によりアンカースタッド44に連結されており、そのアーム46は互いに90°の角度でディスク26より外側に向いて延びており弾性的に曲げ変形が可能である。
【0034】
図3に概略的に示されている実施形態では、ブラッグミラー10および12のすべてのプレートは、ならびに共振ディスク16も、約10μmの直径を有し、直線的な平行六面体の形状の固定フレーム48から、フレーム48の内側で対角線状に延びているアーム50により懸垂されている中央ディスクをそれぞれ備えており、これらのアームは幅が約5μmであり長さが50μm〜70μmのものである。
【0035】
図3に示されている構造は、ディープイオンエッチングと選択的化学エッチングの組合せによって得られる。
【0036】
図4に概略的に示されているフィルタの実施形態では、共振ディスク16のいずれかの側部に位置しているブラッグミラー10および12の2つの半導体プレート22および26は、移動可能プレートでありそれらは共振ディスク16からそれぞれ空気プレート24および34によって分離されており、その各々の厚さは3λ/4に等しい。
【0037】
2つのブラッグミラーの静止半導体プレート18、20、28、30およびディスク16はnタイプのドーピングを有し、一方移動可能プレート22および26はpタイプのドーピングを有する。これが第1のブラッグミラー10の半導体プレート20、22、共振ディスク16の間、および第2のブラッグミラー12の半導体プレート26、28の間で反対方向に装着されたダイオード52の構造を生成する。制御電極54、56、58は、2つの電圧Vを電極54と56の間および電極56と58の間に与えるためのもので(この2つの電圧は共通の電極56に対して同一である)、一例として第1のブラッグミラー10の半導体層20、共振ディスク16、および第2のブラッグミラー12の半導体層28に接続されている。
【0038】
電圧Vの極性に依存して、移動可能プレート22および26は、同時に共振ディスク16から離れて行き、それによって共振波長を長くし、または同時に共振ディスク16に近寄り、それによって共振波長を短くする。
【0039】
これが、本発明のフィルタの波長同調範囲を2倍にすることを可能にしている。
【0040】
フィルタは、低屈折率を有する材料、例えばSiO、および高屈折率を有する材料、例えばTiOの層を使用して作製されることができる。図1の構造を有するフィルタは、次いで下記光学公式に対応することができる:
L(HL)9 6H AAA (HL)7H
ここにLはSiOのλ/4層を表わし、HはTiOのλ/4層を表わし、Aは空気のλ/4層を表わし、L(HL)9は9つの異なるプレートを有する頂部ブラッグミラー10を表わし、6Hは高屈折率および3λに等しい厚さを有する共振ディスクを表わし、AAA (HL)7Hは、その調整可能な厚さの空気プレートAAAを伴う底部ブラッグミラー12を表わす。
【0041】
このような構造は1550nmの中心波長に対して0.1nmの選択性をもたらす。その同調範囲は、選択性の損失を伴わずに50nmである。
【0042】
図4に概略的に示されている構造を有する本発明のフィルタは、次いで下記の光学公式を満足する:
(HL)6H AAA 6H AAA (HL)7H
このフィルタは1550nmの中心波長に対して約0.1nmの選択性をもたらし、その同調範囲は中心波長の周りで100nmを超える。
【0043】
一変形形態では、本発明のフィルタは、図4で与えられている厚さを有し、λ/4に等しい厚さを有する空気のプレート(共振ディスク16のいずれかの側部の上にあるプレートは例外で、これは3λ/4に等しい厚さを有する)と交互に配置されているリン化インジウム(InP)のプレートでできていていることもあり、ディスク16も同様にリン化インジウムである。この実施形態では、リン化インジウムのさまざまなプレートはInGaAsのスペーサによって互いに分離されている。
【0044】
同調範囲は100nmより大きく、WDMタイプの電気通信システムのCおよびLバンドをカバーしようとすることを可能にしている。
【0045】
図5は、本発明のフィルタの透過率を波長の関数として示すグラフであり、そのフィルタは図1に概略的に示されている構造を有する。破線の曲線C1は理論的な曲線であり、一方実線の曲線C2は、リン化インジウム(InP)でできているその半導体層およびディスク16をもつ図1のフィルタを使用して得られた実験的な曲線である。2つの曲線C1、C2が互いに非常に近接しており、−3dBで測定した透過帯域が0.15nmより小さいことが見られることができる。−20dBの拒絶が中心波長の±0.45nmで得られ、最大拒絶は25dBより良好である。
【0046】
図6のグラフで曲線C3が、図1のフィルタの中心波長の変化を電極40と42の間の電圧Vの関数として示し、曲線C4が−3dBでの変化または半値全幅(FWHM)透過帯域の変化を制御電圧Vの関数として表わしている。
【0047】
曲線C3は、波長同調が、著しい選択性の低下を伴うことなく−6ボルトから+6ボルトの範囲にある制御電圧Vに対して45nmの範囲にわたって得られることを示している。これらの曲線C3およびC4は、図1の構造のフィルタでの実験的な測定からプロットされたもので、そのフィルタの構造ではブラッグミラーおよび共振ディスクが前述のようにリン化インジウムの層で形成されていた。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のフィルタの構造を示す略図である。
【図2】フィルタの一要素の平面略図である。
【図3】一変形実施形態の透視略図である。
【図4】本発明のフィルタの一変形形態の全体構造を示す略図である。
【図5】本発明のフィルタの透過率の理論値および測定値を示すグラフである。
【図6】本発明のフィルタの−3dB透過帯域の中心波長の変化を制御電圧の関数として示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部分反射装置(10、12)の間に形成された共振空洞を備え、各部分反射装置が、使用される波長で透過性である層の積重ねと、フィルタを波長同調するために反射装置(10、12)の端子に電界を与える手段とによって構成された、波長同調可能な選択性オプトエレクトロニックフィルタであって、共振空洞が、前記波長において透過性であり高い屈折率を有する固体材料のディスク(16)で構成され、反射装置(10、12)の間で導波管を形成すること、および、反射装置の第1のもの(26)が、少なくとも部分的に移動可能または変形可能であり、空気のプレート(32)によって共振空洞を形成するディスク(16)から分離されることを特徴とする、オプトエレクトロニックフィルタ。
【請求項2】
第2の反射装置が、少なくとも部分的に移動可能または変形可能であり、空気のプレート(24)によって共振空洞を形成するディスク(16)から分離されることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
高屈折率材料のディスク(16)が、共振波が準モノモードで伝播するように例えば10μm程度の小さな直径を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルタ。
【請求項4】
第1の反射装置が、空気と、前記波長に対して透過性である固体材料の層またはプレートとの交互層を備え、かつ、上記に指定した空気のプレート(32)によってディスク(16)から分離される固体材料の移動可能または変形可能な層(26)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルタ。
【請求項5】
第2の反射装置が、空気と、前記波長で透過性である固体材料の層またはプレートとの交互層を備え、固体材料の前記層の1つ(22)が、空気の層(24)によって共振空洞のディスク(16)から分離される移動可能または変形可能なプレートを形成することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のフィルタ。
【請求項6】
2つの反射装置内の固体材料の層が、半導体材料の層であること、および、前述の各反射装置の移動層が、反射装置の固体材料の他方の層のドーピングとは反対のドーピングを有することを特徴とする、請求項4または5に記載のフィルタ。
【請求項7】
両方の移動層(22、26)のドーピングが同じタイプであることを特徴とする、請求項6に記載のフィルタ。
【請求項8】
各移動層(22、26)が懸垂された層であることを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項9】
共振空洞を形成するディスク(16)を移動層(22、26)から分離する空気の層(24、32)が、(2k+1)λ/4に等しい厚さを有することを特徴とする、請求項4から8のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項10】
共振空洞を形成するディスク(16)が、k.λ/2に等しい厚さを有することを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載のフィルタ。
【請求項11】
共振空洞を形成するディスク(16)が円形外形のものであることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載のフィルタ。
【請求項12】
2つの部分反射装置(10、12)の固体材料の層全部および共振空洞を形成するディスク(16)が懸垂されること、および、フィルタがイオンエッチングによって、また選択的化学エッチングによって作製されることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載のフィルタ。
【請求項13】
波長同調手段が、ディスク(16)の対辺に位置している半導体材料の層および前記移動層(26)に接続されている電極(40、42)と、前記電極に制御電圧を与えるための手段とを備えることを特徴とする、請求項4から12のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項14】
波長同調手段が、反射装置のうちの1つの半導体材料の静止層に接続された第1の電極(54)と、共振空洞を形成するディスク(16)に接続された電極(56)と、他方の反射装置の半導体材料の静止層に接続された第3の電極(58)と、第2と第3の電極(56、54)間ならびに第2と第3の電極(58、56)間に同一電圧を与えるための手段とを備えることを特徴とする、請求項5から12のいずれか一項に記載のフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−527435(P2008−527435A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549932(P2007−549932)
【出願日】平成18年1月3日(2006.1.3)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000006
【国際公開番号】WO2006/072734
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(507230223)
【Fターム(参考)】