説明

注入装置のための挿入装置

皮下注入のための注入装置(102)を少なくとも部分的に皮膚内に挿入するための挿入装置(100、1100)は、皮膚と係合するように構成された下面(176)を有するスリーブ(106、1106)、注入装置(102)を後退位置と前進位置の間で担持するためのシャトルまたはキャリッジ(116、1116)、シャトルまたはキャリッジ(116、1116)を前進位置に向けて移動させる少なくとも1つの第1の付勢部材(108、1108)、および第1の付勢部材(108、1108)がキャリッジを後退位置から前進位置に移動させるようにするアクチュエータ(104、1104)を備えることができる。一部の実施形態では、挿入装置(100、1100)は、さらに、ハブ(110、1110)、およびハブをシャトルまたはキャリッジ(116、1116)から離れるように移動させる少なくとも1つの第2の付勢部材(114、1114)を備えることができる。一部の実施形態では、挿入装置(100、1100)は、さらに、ハブ(110、1110)に取り付けられたニードル(112、1112)を備えることができる。注入装置の挿入方法、および挿入装置(100、1100)に含むことができる様々な他の形状も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2007年9月17日に出願された米国仮特許出願第60/973,134号と、2008年4月3日に出願された米国仮特許出願第61/042,232号とに基づく優先権を主張するものである。これら米国仮特許出願の全内容が、参照によって本明細書に組み込まれ、これにより本明細書の一部分を成している。
【0002】
本発明は、注入セットなど注入装置を被験者の体内に挿入しやすくする装置に関し、より詳細には、注入装置を人の皮膚内に少なくとも部分的に挿入するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
皮下注射は、患者の体内に薬剤を送達する標準的な方法である。頻繁な、または連続的な薬剤の皮下注射を容易にするために、皮下注射ポートが使用されることが多い。こうした注射ポートには、皮膚を通って延在し、数日間にわたり定位置に残される構成要素が含まれる。現在、こうした注射ポートの主な用途は、患者が携行する携帯用ポンプからインスリンなど薬剤を連続的に送達することである。
【0004】
一般に、皮下注射ポートは、最初に人に取り付けるときに人の皮膚を穿刺するための鋭い剛性のニードルが必要である。多くの場合、ニードルが引き抜かれ、軟性プラスチックカニューレが体内に長期間にわたり残される。他の場合は、剛性のニードルが中空であり、薬剤を送達するために患者の体内に残されてもよい。
【0005】
皮下注射ポートは、時々、挿入装置を使用して皮膚内に挿入される。
【0006】
従来の挿入装置は、ユーザのニーズに十分対処していない。一部のユーザは、糖尿病性ニューロパシーなどの病状を患っている可能性がある。糖尿病性ニューロパシーを患う糖尿病患者が注入装置を簡単に把持し操作するための挿入装置は有利である。糖尿病性ニューロパシーは、手や指の麻痺、感覚喪失、および筋肉の衰弱を引き起こす恐れがあり、そのために細かい運動の制御が難しくなることがある。ユーザは、時に、たとえばユーザの横腹または背中など、挿入が難しいユーザの身体部位に注入装置を挿入しなければならないことがある。場合によっては、子供の身体に注入装置を配置する際に、大人が子供を助ける必要があることもある。上記その他の場合に、最低数の操作ステップしか必要とせずに、注入装置のための挿入装置の安全な操作および廃棄処分を行うことができることが有益であろう。こうした挿入装置は、誤ってニードルを刺す、および/または挿入装置を時期尚早に作動させてしまう可能性を有利に最低限に抑えることができる。したがって、挿入装置によって注入セットなど注入装置を迅速に安全に便利に挿入することは有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第2005/0107743号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2007/0185441号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本明細書に開示した実施形態の少なくとも1つにより、スリーブ、シャトル、少なくとも1つの第1の付勢部材、ハブ、ニードル、少なくとも1つの第2の付勢部材、およびアクチュエータを備える、皮下注入のための注入装置を皮膚を通して挿入する装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
スリーブは上面および下面を有することができる。スリーブの下面を皮膚と係合するように構成することができる。
【0010】
シャトルは、注入装置を収容するための容器、少なくとも1つの第1の移動制限アーム、および少なくとも1つの第1のハブ保持アームを備えることができる。シャトルは、後退位置と前進位置の間で可動でもよい。第1の移動制限アームは、シャトルが後退位置にある場合に、スリーブの上面と係合して、シャトルの前進位置に向かう移動を阻止することができる。第1の付勢部材をシャトルに動作可能に連結して、シャトルを前進位置に向けて移動させることができる。
【0011】
ハブは上側および下側を有することができる。ハブは、シャトルに対して第1の位置と第2の位置の間で可動でもよい。シャトルの第1のハブ保持アームは、ハブが第1の位置にある場合に、ハブがシャトルから離れるように移動するのを阻止することができる。
【0012】
ニードルは上端および下端を有することができる。上端はハブの下側に固定して取り付けることができる。下端は皮膚を穿刺するように構成することができる。ニードルの下端は、シャトルが前進位置に存在し、ハブが第1の位置にある場合に、スリーブの下面の下に延びることができる。ハブが第2の位置にある場合に、ニードルの下端をスリーブの下面の上方に位置付けることができる。第2の付勢部材をハブに動作可能に連結して、ハブをシャトルから上方にスリーブの下面から離れるように移動させることができる。
【0013】
アクチュエータをスリーブに可動に取り付けて、第1の移動制限アームが上面と係合した場合に、アクチュエータのスリーブに向かう前進によって、シャトルの第1の移動制限アームをスリーブの上面から係合解除できるようにすることができる。シャトルの第1の移動制限アームをスリーブの上面から係合解除することによって、第1の付勢部材がシャトルを後退位置から前進位置に移動させることができるようになる。シャトルの後退位置から前進位置への移動によって、シャトルの第1のハブ保持アームがハブを解放して、第2の付勢部材がハブを第1の位置から第2の位置に移動させることができるようになる。
【0014】
本明細書に開示した少なくとも1つの実施形態によれば、注入装置を少なくとも部分的に皮膚内に配置するための挿入装置は、スリーブ、キャリッジ、少なくとも1つの第1の付勢部材、ハブ、ニードル、少なくとも1つの第2の付勢部材、およびアクチュエータを備えることができる。
【0015】
スリーブは底面を有することができる。底面を皮膚と係合するように構成することができる。
【0016】
キャリッジは注入装置を担持することができる。キャリッジを少なくとも部分的にスリーブ内に位置付けることができる。キャリッジは、後退位置と前進位置の間で可動でもよい。キャリッジが後退位置にある場合に、注入装置の最下部分をスリーブの底面から上方に間隔をおいて配置することができる。キャリッジが前進位置にある場合に、注入装置の底部分はスリーブの下面の下に延びることができる。第1の付勢部材をキャリッジに動作可能に連結して、キャリッジを前進位置に向けて移動させることができる。
【0017】
ハブは、キャリッジに対して第1の位置と第2の位置の間で可動でもよい。ニードルは上端および下端を有することができる。上端をハブの下側に固定して取り付けることができる。下端を皮膚を穿刺するように構成することができる。ハブが第1の位置にある場合に、ニードルはキャリッジの下に延びることができる。ハブが第2の位置にある場合は、ニードルの下端はキャリッジよりも下に延びない。第2の付勢部材をハブに動作可能に連結して、ハブをキャリッジから上方にスリーブの下面から離れるように移動させることができる。
【0018】
アクチュエータをスリーブに動作可能に連結して、第1の付勢部材がキャリッジを後退位置から前進位置に移動させるようにすることができる。キャリッジの後退位置から前進位置に向かう移動によって、ハブが第1の位置から第2の位置に移動することができるようになる。
【0019】
本明細書に開示した少なくとも1つの実施形態によれば、注入装置を皮膚内に少なくとも部分的に配置するための挿入装置は、ハウジング、キャリッジ、少なくとも1つの第1の付勢部材、およびアクチュエータを備えることができる。
【0020】
ハウジングは底面を有することができる。底面を皮膚と係合するように構成することができる。
【0021】
キャリッジは注入装置を担持するように構成することができる。キャリッジを少なくとも部分的にハウジング内に配置することができる。キャリッジは、後退位置と前進位置の間で可動でもよい。キャリッジが後退位置にある場合に、注入装置の最下部分をハウジングの底面から上方に間隔をおいて配置することができる。キャリッジが前進位置にある場合に、注入装置の底部分はハウジングの下面の下に延びることができる。キャリッジは、注入装置と係合して、キャリッジが後退位置から前進位置に移動する前に、注入装置がキャリッジから解放されるのを阻止する少なくとも1つの可動部材を備えることができる。第1の付勢部材をキャリッジに動作可能に連結して、キャリッジを前進位置に向けて移動させることができる。
【0022】
アクチュエータをハウジングに動作可能に連結して、第1の付勢部材がキャリッジを後退位置から前進位置に移動させるようにすることができる。キャリッジの後退位置から前進位置に向かう移動によって、ハブを第1の位置か記第2の位置に移動させることができる。
【0023】
本発明の上記その他の実施形態は、添付の図の参照により、好ましい実施形態の以下の詳細な記載から、当業者には容易に明らかになるであろう。本発明は開示したどの特定の1つまたは複数の好ましい実施形態にも限定されないものである。
【0024】
この概要も以下の詳細な記載も本発明を限定しないものとする。本発明は特許請求の範囲によって定義される。
【0025】
次に、図面を参照して特定の実施形態を記載する。図面は本発明の様々な特徴を示すが、限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】一実施形態による挿入装置および挿入セットを示す分解斜視図である。
【図2】図1の挿入装置を組み立てた斜視図である。
【図3】図1の挿入装置のアクチュエータから保護キャップを取り外したところを示す図である。
【図4】図1の挿入装置のアクチュエータを示す側面図である。
【図5】図4のアクチュエータを示す下部斜視図である。
【図6】図1の挿入装置のスリーブを示す上部斜視図である。
【図7】図6のスリーブを示す下部斜視図である。
【図8】図1の挿入装置のニードルおよびニードルハブを示す下部斜視図である。
【図9】図1の挿入装置のシャトルを示す上部斜視図である。
【図10】図9の線10‐10に沿って切り取られた図9のシャトルを示す断面図である。
【図11】図9の線11‐11に沿って切り取られた図9および10のシャトルを示す断面図である。
【図12】挿入装置と共に使用される保護キャップを示す上部斜視図である。
【図13】注入装置の一部が保護キャップに収容されたところを示す、図12の保護キャップの上部斜視図である。
【図14】図3で示した線14‐14に沿って切り取られた作動前の図1の挿入装置を示す断面図である。
【図15】図14の線15‐15に沿って切り取られた作動前の図1の挿入装置を示す別の断面図である。
【図16】作動後の図1の挿入装置を示す、図15と同様の断面図である。
【図17】作動後の図1の挿入装置を示す、図14と同様の別の断面図である。
【図18】一実施形態による挿入装置および挿入セットを示す分解斜視図である。
【図19】図18の挿入装置を組み立てた斜視図である。
【図20】図18の挿入装置のアクチュエータを示す斜視図である。
【図21】図20のアクチュエータを示す下部斜視図である。
【図22】図18の挿入装置のスリーブを示す上部斜視図である。
【図23】図22のスリーブを示す下部斜視図である。
【図24】図18の挿入装置のニードルハブを示す上部斜視図である。
【図25】図18の挿入装置のシャトルを示す上部斜視図である。
【図26】図25のシャトルを示す下部斜視図である。
【図27】図25の線27‐27に沿って切り取られた図25および26のシャトルを示す断面図である。
【図28】図25の線28‐28に沿って切り取られた図25および26のシャトルを示す別の断面図である。
【図29】作動前の図18の挿入装置を示す図27と同様の断面図である。
【図30】作動後の図18の挿入装置を示す図27および図29と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、注入セットなど注入装置102用の挿入装置100の一実施形態を示す図である。注入セットを含む幾つかの例示の注入装置の例に関するさらなる詳細が特許文献1および特許文献2に記載されており、その両方の全体を参照により本明細書に組み込む。挿入装置を使用して挿入することができる、注入セットなど多様なタイプの注入装置があり、上記の刊行物は、本明細書に記載した挿入装置と共に使用することができ、または共に使用されるように適合可能な幾つかの注入装置を示す単なる例として提供したものである。
【0028】
図1を参照すると、挿入装置100は、アクチュエータ104、スリーブ106、挿入バネ108、ニードルハブ110、ニードル112、引き込みバネ114、シャトルまたはキャリッジ116、保護キャップ118、およびカバー120を備えることができる。注入装置102は注入セットでもよく、ベース122および管セット124を備えることができる。ベース122は軟性カニューレ264および接着シート266を備えることができる。管セットは、注入キャップ240、ある長さの管250、およびコネクタ254を備えることができる(図13を参照)。一部の実施形態では、注入装置102を挿入装置100内にパッケージすることができる。
【0029】
図2は、保護キャップ118がアクチュエータ104と係合した、組み立てた状態の挿入装置100を示す図である。図3で示したように、ベース122を挿入する準備の際は、保護キャップ118をアクチュエータ104から取り外すことができる。一部の実施形態では、挿入装置100はキャップ118を省くことができる。
【0030】
図4を参照すると、アクチュエータ104は、1つまたは複数の把持面126、1つまたは複数の押し込み面130、脚136を有する1つまたは複数のアーム134、および結合領域140を含むことができる。一部の実施形態では、アクチュエータ104を、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリカーボネート、ポリエチレン、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)など、剛性プラスチックで作成することができる。
【0031】
把持面126はアクチュエータ104の外周に全体または部分的に延びることができ、または別法として、アクチュエータ104の反対側に配置することもでき、あるいはアクチュエータ104上に間隔をおいて配置することもできる。把持面126は、糖尿病性ニューロパシーのために器用さや力を失った糖尿病患者が簡単に把持できるように十分大きい外径などの寸法を有することが好ましい。複数の把持面126を有する実施形態では、簡単に把持できるように、把持面を一定の間隔をおいて配置することができる。1つまたは複数の把持面126はまた、十分な面積を有し、ユーザがユーザの指および/または掌の中央部分を使用して、1つまたは複数の把持面126でアクチュエータ104を保持することができるように配置することができる。
【0032】
一部の実施形態では、把持面126は複数の畝または他の表面要素128を含むことができる。表面要素128は、ユーザの指とアクチュエータ104の摩擦または界面を増加して、アクチュエータ104をしっかり保持するユーザの能力を向上させることができる。たとえば、表面要素128は、1つまたは複数のテクスチャ、小凹点、隆起、溝、または他の表面形状を含むことができる。表面要素128をアクチュエータ104の1つまたは複数の他の部分と一体に形成することができ、または別々に形成して、締り嵌めなど機械的結合によって、あるいは接着剤など任意の周知の結合技法によって取り付けることができる。
【0033】
アクチュエータ104の押し込み面130、132は、ユーザの指および/または掌と接触するように寸法付けし配置することができる1つまたは複数の上方押し込み面130、および/または1つまたは複数の下方押し込み面132を含むことができる。たとえば、上方押し込み面130を主にユーザの掌と接触するように構成し、下方押し込み面132を主にユーザの指と接触するように構成することができる。図4で示したアクチュエータ104の実施形態では、上方押し込み面130は全般的に凸面の半球形であり、下方押し込み面132は全般的に凹面である。
【0034】
続けて図4を参照すると、アクチュエータは1つまたは複数のアーム134を備えることができ、アーム134は脚136を有することができる。脚136をアーム134の終端部またはその付近に配置することができる。脚はカム面138を含むことができ、図4で示したように外側を向いてもよく、内側、または円周方向、あるいは他の方向を向いてもよい。一部の実施形態では、アクチュエータ104は、アーム、脚、およびカム面を省くことができる。一部の実施形態では、アクチュエータ104は他の形状を含むことができる。
【0035】
結合領域140は、アクチュエータ104と保護キャップ118のしっかりした取り付けを容易にすることができる(図1および2を参照)。結合領域140は溝142を含むことができ、溝142は保護キャップ118の相補構造としっかり係合することができるが、保護キャップ118をアクチュエータ104から容易に取り外すこともできるようにする。一部の実施形態では、結合領域140は、追加または別法として、畝を含むことができる。畝は、保護キャップ118の相補構造としっかり係合することができるが、保護キャップ118をアクチュエータ104から容易に取り外すこともできるようにする。
【0036】
図5を参照すると、アクチュエータ104は、アクチュエータ104の内部に幾つかの形状を含むことができる。たとえば、アクチュエータ104は、1つまたは複数の変位部材144、1つまたは複数のガイドポスト148、および移動制限部材152を備えることができる。変位部材144、ガイドポスト148、および移動制限部材152の一部または全てがアクチュエータ104の下側から下方に延びることができる。変位部材144は係合面146を含むことができる。1つまたは複数のガイドポスト148は停止面150を含むことができる。移動制限部材152は円筒形でもよく、または正方形、三角形、切頭円錐形、または弓形など他の構成を有することもできる。
【0037】
図6を参照すると、スリーブ106は上面154を備えることができる。上面154は、アクチュエータ104のガイドポスト148と協働するように寸法付けられ配置された1つまたは複数の孔156を含むことができる。別法として、孔156を上面154ではなくスリーブの表面に形成することもできる。一部の実施形態では、孔156は、上面154内などスリーブ106の一側面または両側に形成された凹部を含むことができる。
【0038】
スリーブ106は1つまたは複数の外側ガイドレール158および/または1つまたは複数の内側ガイドレール160を備えることができる。外側ガイドレール158は、好ましくは、内面260など、アクチュエータ104の1つまたは複数の内面と協働するように寸法付けられ構成される(図5を参照)。たとえば、外側ガイドレール158はアクチュエータ104の内面260とスライド式に係合して、アクチュエータ104とスリーブ106を全般的に直線の経路に沿って互いに移動させることができる。外側ガイドレール158は、追加または別法として、アクチュエータ104の1つまたは複数の内面と協働して、アクチュエータ104とスリーブ106が互いに対して回転できるようにすることができる。外側ガイドレール158は、図6で示したように、全般的に線形(たとえば直線状)に延びることができるが、外側ガイドレール158は他の構成を有することもできる。
【0039】
内側ガイドレール160を以下で論じるようにシャトル116の適した構造と協働するように寸法付け構成することができる。内側ガイドレール160は、図6で示したように、長手方向に延びることができ、または他の構成を有することができる。一部の実施形態では、内側ガイドレール160は、その間にチャネルを画定するように対に構成される。
【0040】
続けて図6を参照すると、スリーブ106は凹部168を備えることもできる。凹部168は注入装置102の1つまたは複数の部分がその中を通って延びることができるようにする(図14および17を参照)。
【0041】
また図6を参照すると、スリーブ106は1つまたは複数の孔166を含むことができる。孔166を使用して、スリーブ106の内側形状を成形しやすくすることができる。
【0042】
スリーブ106は停止レッジ262を備えることもできる。停止レッジ262の目的を図14〜17と併せて以下にさらに詳細に記載する。
【0043】
スリーブ106は、アクチュエータ104のアーム134(図4を参照)が孔162を通って延びることができるように構成された1つまたは複数の孔162を含むことができる。孔162は、アクチュエータ104が係止位置と非係止位置の間でスリーブ106に対して回転されるときに、アーム134が孔162内で移動することができるようにする幅を有することができる。こうした実施形態が係止位置にある場合、アクチュエータ104の停止面150をスリーブ106の上面154上に配置して、アクチュエータ104がスリーブ106に対して皮膚に向かって移動するのを阻止することができる。こうした実施形態が非係止位置にある場合、停止面150は孔156と位置合わせされて、停止面を含むガイドポストが孔156を通って前進することができるようになされる。スリーブ106は表示部164を備えて、アクチュエータ104およびスリーブ106が係止位置と非係止位置のどちらにあるのかを示すこともできる。
【0044】
図7を参照すると、スリーブ106は、アーム134の1つまたは複数の脚136がその中で移動することができる凹部170を備えることができる。凹部170の一側面の境界を、アクチュエータ104の1つまたは複数の脚136と係合するように構成された肩部172によって画定することができる。肩部172は突起174を備えて、アクチュエータ104が係止位置と非係止位置の間でスリーブ106に対して誤って回転するのを阻止することができる。突起174は、アクチュエータ104が係止位置と非係止位置の間でスリーブ106に対して移動された場合に、ユーザに感触のフィードバックを与えることもできる。
【0045】
スリーブ106は下面176を備えることもできる。下面176を、注入装置102のベース122の人の皮膚内への変位中に、人の皮膚との安定した接触をもたらすように構成することができる。下面176は、図7で示したように連続してもよく、または断片でもよい。
【0046】
一部の実施形態では、スリーブ106は凹部178(図15および16を参照)を備えて、挿入バネ108の全てまたは一部をその中に受けることができる。
【0047】
図7を続けて参照すると、一部の実施形態では、スリーブ106はカム面180を備えることができる。図7で示したように、カム面180は円筒形でもよく、または他の構成を有することができる。たとえば、図7で示したように、カム面180は全般的に円形の断面を有することができ、または多角形など他の断面形状を有することができる。図7で示したように、カム面180は閉ループを形成することができ、または閉ループを形成しなくてもよいが、代わりに1つまたは複数の長手方向のカム面を備えることもできる。
【0048】
一部の実施形態では、スリーブ106をABSなど剛性プラスチック、ポリカーボネート、ポリエチレン、またはPETで作成することができる。
【0049】
図8を参照すると、ニードルハブ110は上側182および下側184を備えることができる。下側184はニードル取り付け孔186および凹部188を備えることができる。凹部188を引き込みバネ114の全てまたは一部を受けるように構成することができる(図1および14〜17を参照)。ニードルハブは、1つまたは複数の係合面190およびフォロワ面192を含むこともできる。一部の実施形態では、ニードルハブ110をABSなど剛性プラスチック、ポリカーボネート、ポリエチレン、またはPETで作成することができる。
【0050】
ニードル112をニードルハブ110のニードル取り付け孔186内に挿入し固定することができる。ニードル112を溶液型接着剤など任意の適した接着剤でニードルハブ110に固定することができる。ニードル112は勾配を付けた端部194を含むことができる。一部の実施形態では、ニードル112をステンレス鋼など適した金属で作成することができる。
【0051】
図9〜11を参照すると、シャトル116は、挿入バネ108の少なくとも一部を受けるように構成された凹部202を含むことができる(図14〜17を参照)。挿入バネ108はスリーブ106と係合することができ、挿入バネ108はシャトル116をスリーブ106から偏倚させることができる。ガイドポスト148はスリーブ106内の孔156(図6)を通って延びることができ、挿入バネはガイドポスト148と係合して、アクチュエータをシャトル116から偏倚させることができる(図14〜15を参照)。
【0052】
シャトル116は、それぞれスリーブ係合脚198を有する1つまたは複数のスリーブ係合アーム196を含むことができる。シャトル116のスリーブ係合アーム196は、スリーブ係合脚198がスリーブ106の上面154上で止まり挿入バネ108を圧縮状態に維持するように、偏倚させることができる(図14を参照)。
【0053】
好ましくは、スリーブ係合脚198および上面154は、アクチュエータ104の変位部材144と位置合わせされて、変位部材144の係合面146がスリーブ係合脚198のカム面200と位置合わせされるように構成される。したがって、変位部材144の脚198に対する移動によって、脚198がスリーブ106の上面154から係合解除されるようにすることができる。図9〜10および14で示したように、スリーブ係合脚198のカム面200に勾配を付けることができ、または別法として、係合面146に勾配を付けることもできる。
【0054】
シャトル116をニードルハブ110およびニードル112を収容するように構成することができる。たとえば、シャトル116は、ニードルハブ110のフォロワ面192と協働してニードルハブ110を方向付けし、ニードルハブ110がシャトル116に対してスライド式に移動することができるように構成された1つまたは複数のカム面204を備えることができる。シャトル116はニードル孔206を含んで、ニードル112がその中を通って延びるようにすることができる。
【0055】
図11を参照すると、シャトル116は、引き込みバネ114の少なくとも一部を受けるための1つまたは複数の凹部208を含むことができる。引き込みバネ114は、たとえば凹部188でニードルハブ110と係合することもでき、引き込みバネ114はニードルハブ110をシャトル116から偏倚させることができる(図14〜17を参照)。
【0056】
図9〜11を続けて参照すると、シャトル116は、それぞれニードルハブ係合脚212を有する1つまたは複数のニードルハブ係合アーム210を含むことができる。ニードルハブ係合アーム210をニードルハブ110から離れるように偏倚させて、ニードルハブ110がカム面204に沿って自由に移動できるようにすることができる。ニードルハブ110をシャトル116に向けて押し付けて、引き込みバネ114を圧縮することができる(図14および15を参照)。次いで、ニードルハブ係合アーム210を共に押し付けて、ニードルハブ係合脚212をニードルハブ110の上側182と係合させ、ニードルハブ110のシャトル116から離れる動きを制限することができる。ニードルハブ係合アーム210はフォロワ面214(図11を参照)を備えることもでき、フォロワ面214はスリーブ106のカム面180と協働して、ニードルハブ係合アーム210が広げられてニードルハブ110が解放されるのを阻止する(図15および16を参照)。
【0057】
図9を参照すると、シャトル116は案内面216を備えることができる。案内面216は、シャトル116が挿入バネ108の力を受けてスリーブ106から離れるように移動するときに、スリーブ106のカム面180と協働して、シャトル116をスリーブ106対して方向付けるように寸法付けられ配置される。
【0058】
図11を参照すると、シャトル116はスロット218を含むことができ、スロット218は、スリーブ106の内側ガイドレール160と協働して、シャトル116がスリーブ106に対して回転するのを阻止または防止し、スリーブ係合アーム196およびスリーブ係合脚198の移動を案内するように寸法付けられ構成される。
【0059】
図10および11を参照すると、シャトル116は注入装置102の少なくとも一部を受けるための凹部220を含むことができる。凹部220を、ニードル112がニードル孔206およびベース122のカニューレ264を通って延びるように位置付けることができる。シャトル116は、注入装置102と係合するための表面222および224など追加の表面を備えることもできる。
【0060】
シャトル116は1つまたは複数のベース保持アーム226を備えることができる。一部の実施形態では、ベース保持アーム226は凹部220内に延びて、注入装置102と係合することができる。アーム226は、ベース122と摩擦係合するリブ230などの形状を含むことができるセット係合面228を含むことができる。セット係合面228は実質的に平坦でもよく、または他の実施形態では凹面でもよく、あるいは他の形状を有することができる。アーム226は表面232を含むことができ、表面232は、ニードルハブ110と係合して、セット係合面228を注入装置102と接触するように押し付け、注入装置102がシャトル116から誤って係合解除されるのを阻止するように位置付けられる。シャトル116のニードルハブ係合アーム210がニードルハブ110を保持して、引き込みバネ114の圧縮を維持する場合、ニードルハブ110の係合面190は係合面232を押し付けて、アーム226を移動させ、それによって注入装置102を凹部220内でセット係合面228の間で締め付けることができる。
【0061】
一部の実施形態では、シャトル116をABSなど剛性プラスチック、ポリカーボネート、ポリエチレン、またはPETで作成することができる。しかし、シャトル116を作成する材料は十分な記憶を有して、本明細書に記載したように適切に機能することが有利である。
【0062】
図12および13を参照すると、保護キャップ118は、図13で示したように、その中に管セット124を収容するための十分大きい幅、径、または長さの円筒形の壁234を備えることができる。保護キャップ118は、複数の孔236を含んで、挿入装置100および/または注入装置102の消毒を容易にすることができる。
【0063】
カバー120(図1〜3を参照)を挿入装置100および/または注入装置102の消毒の前または後に孔236を覆うように保護キャップ118に与えることができる。一部の実施形態では、カバー120をDuPont Tyvek(登録商標)または他の適した材料で作成することができる。
【0064】
一部の実施形態では、保護キャップ118は、注入装置102の管セット124を受けて保持するための1つまたは複数の構造を含むことができる。保護キャップ118は、注入キャップ240を受けるための1つまたは複数の受け構造238、および脚244を有する1つまたは複数のアーム242を備えて、注入キャップ240を保護キャップ118内にしっかり保持することができる。
【0065】
保護キャップ118は、管250の長さを保持するように構成された脚248を有する複数のアーム246を含むことができる。アーム246の1つは、コネクタ254を受けるための凹部252を含むこともできる。保護キャップ118はコネクタ254の一部を受けるための凹部256を備えて、コネクタ254を凹部256と凹部252を含むアーム246との間でしっかり保持することができる。
【0066】
保護キャップ118はアクチュエータ104の結合領域140と協働するように構成された結合領域258を備えることができる。
【0067】
一部の実施形態では、保護キャップ118をABSなど、剛性または半剛性のプラスチック、ポリカーボネート、ポリエチレン、またはPETで作成することができる。一部の実施形態では、アクチュエータ104および保護キャップ118を異なる材料で作成することが望ましい。たとえば、保護キャップ118をアクチュエータ104の材料よりも剛性でない材料で作成して、結合領域140、258の操作を容易にすることができる。追加または別法として、保護キャップ118をポリカーボネートなど透明の材料で作成して、たとえば製造者またはユーザが注入装置102を目視しやすくすることができる。
【0068】
保護キャップ118を、管セット124の保管および輸送に有利に使用することができる。コネクタ254を注入ポンプに連結し、管セット124をプライミングし、保護キャップ118を注入キャップ240のための無菌環境として使用することもできる。
【0069】
アクチュエータ104、スリーブ106、シャトル116、および保護キャップ118を、上記で特定したものなど、当業者に周知の任意の多様なプラスチックで作成することができ、または別法として、金属または他の材料で作成することもできる。挿入バネ108および引き込みバネ114を、プラスチック、金属、ゴム、または他の材料で作成することができる。一部の実施形態では、挿入バネ108および引き込みバネ114をステンレス鋼またはバネ鋼など鋼で作成することができる。バネ108および114はコイルバネ以外の構成を有してもよい。
【0070】
挿入装置100および注入装置102を共にパッケージにして、図2で示したように、組み立てた状態で輸送することができる。ラベル(図示せず)を保護キャップ118およびアクチュエータ104の側部に付着して、ユーザに取扱説明を提供し、挿入装置100に開封明示シールを提供することができる。図3で示したように、ユーザが保護キャップ118をアクチュエータ104から取り外す前にラベルを破らなくてはならないように、ラベルを位置付けることができる。
【0071】
保護キャップ118をアクチュエータ104から取り外した後に、コネクタ254および管250の長さの一部または全てが保護キャップ118から取り外される。コネクタ254が注入ポンプに連結され、次いで管セット124がプライミングされる。注入キャップ240は保護キャップ118の内部に保持されたままで、注入キャップ240の無菌性が保護される。
【0072】
患者の皮膚上に注入部位を準備した後、ユーザは、保護用の紙の裏打ちが存在する場合はそれをベース122の接着部から取り外す。次いで、スリーブ106を係止位置から非係止位置にアクチュエータ104に対して回転させ、スリーブ106の下面176を皮膚上の注入部位に配置する。
【0073】
アクチュエータ104を、アクチュエータ104を前進させるときに案内するスリーブ106の外側ガイドレール158が存在する場合はそれと共に皮膚に向けて前進させる。アクチュエータ104をスリーブ106に向けて前進させることによって、シャトル116のスリーブ係合脚198をスリーブ106の上面154から係合解除させ、または取り外すことができる。たとえば、図14および15を参照すると、アクチュエータ104は、アクチュエータ104の変位部材144の係合面146がシャトル116のスリーブ係合脚198のカム面200を押し付けて、スリーブ係合脚198がスリーブ106の上面154から外れるように押し、シャトル116がスリーブ106内を前進することができるようになるまで、挿入バネ108を圧縮する。シャトル116がシャトル116のスロット218と協働し、内側ガイドレール160と協働して前進するときに、シャトル116のスリーブ106内の方向を保つことができる。スリーブ106内のシャトル116の前進を、スリーブ係合脚198とスリーブ106の停止レッジ262の係合によって制限することができる(図17を参照)。
【0074】
シャトル116の後退位置から前進位置に向かう移動により、ハブ110が、ニードルハブ係合アーム210から離れるように移動することができ、またはそうさせることができる。たとえば、シャトル116がスリーブ106内の移動範囲の終端に近づき、または到達したときに、ニードルハブ係合アーム210がスリーブ106のカム面180を外して、ニードルハブ係合アーム210がニードルハブ110から離れるように移動できるようにすることができる。図16および17で示したように、ニードルハブ110がニードルハブ係合アーム210から解放された後、引き込みバネ114がニードルハブ110をシャトル116から離れるように押して、ニードル112を挿入装置100内に引き込む。シャトル116の案内面204は、ニードルハブ110がシャトル116から離れるように移動するときに、ニードル112が皮膚から実質的に線形に(たとえば直線状に)引き込められるように、ニードルハブ110を方向付けることができる。したがって、ニードル112をベース122の挿入の前および後に保護して、不慮のニードル刺しを防止することができる。この自動引き込み機能は、確実に、注入装置102が挿入されている間だけ、ニードル112が露出されるようにすることができる。一部の実施形態では、挿入装置100を一回だけ使用して、挿入装置100を、ニードルが安全にその中に保持された状態で廃棄することができるように構成することができる。
【0075】
シャトル116の表面222および224はベース122を皮膚に対して押し付けることができる。追加または別法として、表面222および224は、ニードル112が引き込められたときに、注入装置102が皮膚から離れるように移動するのを阻止することができる。アーム226を備える実施形態(図10を参照)では、ニードルハブ110がシャトル116から離れるように移動した後、アーム226の係合面232から圧力を解放して、セット係合面228をベース122から解放し、ベース122がシャトル116から解放されるようにすることができる。
【0076】
ユーザは、キャップ118に対する圧力を維持して、シャトル116の表面222および224が、ベース122など注入装置102の一部を皮膚に接触するように保持し、注入装置102と皮膚の良好な接着を確保することができるようにする。その後、ユーザは挿入装置100を皮膚から持ち上げて、カニューレが皮膚を通って延在する状態で、注入装置102を皮膚に接触したままにすることができる。
【0077】
挿入装置100を皮膚から取り外した後、保護キャップ118をアクチュエータ104と係合させて、挿入装置100内のニードル112を安全に処分することができる。しかし、一部の実施形態では、保護キャップ118が省略され、または保護キャップ118がアクチュエータ104と係合しなくても、ニードル112が挿入装置100内に引き込まれた状態で、挿入装置100を安全に処分することができる。
【0078】
一部の実施形態では、参照によって全体が本明細書に組み込まれている特許文献2に記載されたものなど、剛性注入カニューレ264を有する注入セット102の挿入に装置100を使用することができる。挿入装置100のこうした実施形態は、注入カニューレ264が皮膚を穿刺する十分な剛性を有する場合は、ニードル112を省略することができる。
【0079】
図18は、注入装置102など注入装置のための挿入装置1100の一実施形態を示す図である。挿入装置1100は挿入装置100と多くの点で同様である。したがって、挿入装置1100の同様の構成要素は、挿入装置100の対応する構成要素の参照番号を1000だけ増加したものである。挿入装置100と同様に、挿入装置1100は、アクチュエータ1104、スリーブ1106、挿入バネ1108、ニードルハブ1110、ニードル1112、引き込みバネ1114、シャトル1116、保護キャップ1118、およびカバー1120を備えることができる。一部の実施形態では、注入装置102を挿入装置1100内にパッケージすることができる。
【0080】
挿入装置1100は幾つかの面で挿入装置100と異なる。たとえば、アクチュエータ1104は図19および20で示したように、1つまたは複数の突起1107を備えることができる。突起1107は、1つまたは複数の把持面1126、1つまたは複数の押し込み面1130、またはその組み合わせから全般的に離れるように延びることができる。突起1107をアクチュエータ1104の周囲に実質的に等間隔に、または他の方法でアクチュエータ1104上に間隔をおいて配置することができる。把持面1126は突起1107の間に延びることができる。
【0081】
突起1107は1つまたは複数の利点を提供することができる。たとえば、突起は、保護包装、覆い、または他のシール、あるいは開封明示形状の除去を助けることができる。挿入装置が無菌状態で維持されるようにシールした構成で、挿入装置をエンドユーザに配送することができる。一部の実施形態では、挿入装置100、1100を組み立てた状態(図3および19)で配送し、結合領域140、1140をアクチュエータ104、1104と保護キャップ118、1118の間で実質的にシールすることによって、無菌性を維持することができる。一部の実施形態では、結合領域1140をプラスチックまたはセロハンの収縮包装、または任意の他の適した材料から形成された収縮包装の層で包装することができる。収縮包装、覆い、または他のシール、あるいは開封明示形状の層を結合領域1140にわたって配置することによって、無菌性を維持し、開封が行われたかどうかを示すことができるが、こうした層の除去は、一部のユーザには、特に糖尿病性ニューロパシーを患っているために手先が器用に動かない人には、難しいことがある。一部の実施形態では、突起1107は、図19で示したように、1つまたは複数の表面1105を備えて、収縮包装、覆い、または他のシール、あるいは開封明示形状を結合領域1140から除去しやすくすることができる。たとえば、収縮包装を、表面1105を他の物体に対して摩擦し、収縮包装が十分に緩むように圧力を加えて、収縮包装を引き裂き、または他の方法で除去することができる。表面1105は、タブ、穿孔、または他の形状を設けるのに適した場所を提供して、ユーザが、保護包装、覆い、または他のシール、あるいは開封明示形状を除去する助けをすることもできる。追加または別法として、突起1107は、アクチュエータ1104の方向を示し、追加の1つまたは複数の把持用表面、あるいはその両方を提供することによって、使用中または操作中に、アクチュエータ1104の操作を助けることができる。
【0082】
図20で示したように、アクチュエータ1104は、1つまたは複数の孔1163を含むことができる。アクチュエータ1104は、表示部1165を備えて、アクチュエータ1104とスリーブ1106が非係止位置または係止位置のどちらにあるかを示すことができる。
【0083】
図21を参照すると、アクチュエータ1104の内部は、1つまたは複数の変位部材1144、1つまたは複数のガイドポスト1148、1つまたは複数の移動制限部材1152、および1つまたは複数の溝または移動止め1171を含むことができる。一部の実施形態では、移動止めは溝以外の構成を有することができる。図21で示した実施形態など、一部の実施形態では、溝1171を1つまたは複数の孔1163に隣接するように配置することができる。
【0084】
図22および23を参照すると、スリーブ1106は、1つまたは複数のアーム1135を備えることができる。各アーム1135は脚1137を備えることができる。脚1137をアーム1135の終端部に配置することができる。各脚はカム面1139を含むことができる。脚1137は、図22および23で示したように、外側を向いてもよく、内側、円周方向、または他の方向を向いてもよい。
【0085】
1つまたは複数のアーム1135は畝1175を含むことができる。畝1175をアーム1135の中央に配置することができ、図22および23で示したように、畝1175はアームのベースから終端部に向かって部分的または全体に延びることができる。一部の実施形態では、畝1175をアーム1135の縁部付近に配置することができる。図22および23で示した畝1175は、概ね直線であり、畝の長さに沿って一定の高さおよび幅を有しているが、他の実施形態では、畝が湾曲してもよく、または一定でない幅または高さを有してもよい。一部の実施形態では、畝は円形でもよく、単一の全般的に円形の隆起、または一連の隆起、あるいは他の構成に似たものでもよい。
【0086】
また図20を参照すると、アクチュエータ1104の1つまたは複数の孔1163を、スリーブ1106の1つまたは複数のアーム1135、脚1137、カム面1139、および畝1175(図22および23を参照)の一部が孔1163を部分的または完全に通って延びることができるように構成することができる。1つまたは複数の孔1163は、アクチュエータ1104が係止位置と非係止位置の間でスリーブ1106に対して回転されたときに、スリーブ1106の脚1137が孔1163内で移動することができるようにする幅を有することができる。
【0087】
溝1171を、脚1137が孔1163を完全または部分的に通って延びる場合に、アーム1135の畝1175を受けるように構成することができる。脚1137をアーム1135と共に孔1163に対して回転させると、同時に畝1175が溝1171に対して移動する。こうすると、係止位置を畝1175と溝1171の1つの係合によって示し、非係止位置を畝1175と他の溝1171の係合によって示すことができる。追加または別法として、係止位置を、孔1163の1つを通して見たときに、脚1137がアクチュエータ1104上の表示部1165の1つに接近したことによって示すことができる。
【0088】
一部の実施形態では、畝1175が溝1171の1つと係合している場合、アーム1135を孔1163に対して回転させるには、さらに力を要する。したがって、アクチュエータ1104の、スリーブ1106に対する不慮の回転を阻止することができる。不慮の回転によって、装置の係止が誤って外れる恐れがある。畝1175と溝1171の1つとの係合は、アクチュエータ1104が係止位置と非係止位置の間で移動されたときに、ユーザに感触のフィードバックを与えることもできる。
【0089】
他の実施形態では、アーム1135は1つまたは複数の溝を備えることができ、アクチュエータ1104は1つまたは複数の畝を含むことができ、1つまたは複数の溝と1つまたは複数の畝は協働するように構成される。他の構成も使用することができる。たとえば、アーム1135は1つまたは複数の移動止めを含むことができ、アクチュエータ1104は1つまたは複数の隆起を含むことができ、1つまたは複数の移動止めと1つまたは複数の隆起は協働するように構成される。
【0090】
図24は、ニードルハブ1110を示す図である。この実施形態では、ニードルハブ1110は、上側1182、下側1184、円筒形のフォロワ面1192、および突起1183を備える。突起1183は、図24で示したように、上側1182上に配置してもよく、または他の実施形態では、下側1184上に配置してもよい。突起1183は、挿入装置1100の組み立てを助けることができる。たとえば、突起1183は、挿入装置1100の組み立て中に、ニードルハブ1110を適切に方向付けしやすくすることができる。追加または別法として、突起1183は、組み立て中にニードルハブを操作し安定させるためのハンドルとして働くことができる。
【0091】
図25〜28はシャトル1116を示す図である。シャトル1116は、挿入バネ1108の少なくとも一部を受けるように構成された1つまたは複数の凹部1202を含むことができる。シャトル1116は、それぞれスリーブ係合脚1198を有する1つまたは複数のスリーブ係合アーム1196を備えることができる。シャトルは1つまたは複数のカム面1204を備えることができ、カム面1204は、ニードルハブ1110のフォロワ面1192と協働して、ニードルハブ1110を方向付け、ニードルハブ1110がシャトル1116に対してスライド式に移動することができるように構成される。シャトル1116は、引き込みバネ1114の少なくとも一部を受けるための1つまたは複数の凹部1208を含むことができる。シャトルは、それぞれニードルハブ係合脚1212を有する1つまたは複数のニードルハブ係合アーム1210を備えることができる。
【0092】
シャトル1116は、注入セットなど、注入装置102の少なくとも一部を受けるための凹部1220を含むことができる。凹部1220を、ニードル1112がニードル孔1206およびベース122のカニューレ264を通って延びるように位置付けることができる。シャトル1116は、注入装置102と係合するための表面1222および1224など追加の表面を備えることもできる。
【0093】
一部の実施形態では、シャトル1116は、図25〜28で示したものなど、注入装置102と係合するための1つまたは複数のベース保持アーム1226を備えることができる。一部の実施形態では、ベース保持アーム1226をベース保持アーム用凹部1221内に位置付けることができる。アーム1226は、ベース122をクランプ締めし、把持し、または他の方法でベース122と係合して、ベース122をシャトル1116に固定するためのベース保持脚1227を含むことができる。ベース保持脚1227は実質的に平坦でもよく、または他の実施形態では、凹面でもよく、あるいは他の形状を有してもよい。ベース保持アーム1226はスリーブ係合面1233を含むことができる。スリーブ係合面1233は、スリーブ1106のカム面1180と係合して、ベース保持脚1227をベース122に向けて前進させて、注入装置102がシャトル116から誤って取り外されるのを阻止するように位置付けることができる。一部の実施形態では、カム面1180がスリーブ係合面1233と係合した場合に、ベース保持脚1227がベース122の底縁部の下に延びることによって、注入装置102のシャトル1116からの物理的分離を阻止するように、ベース保持脚1227を構成することができる。
【0094】
挿入装置1100を以下のように使用することができる。ユーザは、皮膚上の注入部位を準備した後に、保護用の紙の裏打ちが存在する場合は、それをベース122の接着部から取り外すことができる。次いで、スリーブ1106をアクチュエータ1104に対して係止位置から非係止位置に回転させて、スリーブ1106の下面1176を皮膚上の注入部位に配置することができる。
【0095】
アクチュエータ1104を皮膚に向けて前進させることができ、アクチュエータ1104が前進するときに、スリーブ1106の外側ガイドレール1158がアクチュエータ1104を案内する。アクチュエータ1104は、アクチュエータ1104の変位部材1144の係合面1146がシャトル1116のスリーブ係合脚1198のカム面1200を押し付けて、スリーブ係合脚1198がスリーブ1106の上面1154から外れるように力を加え、シャトル1116がスリーブ1106内で前進することができるようになるまで、挿入バネ1108を圧縮することができる。シャトル1116が、シャトル1116のスロット1218と協働し、内側ガイドレール1160と協働して前進されるときに、スリーブ1106内のシャトル1116の方向を保つことができる。シャトル1116のスリーブ1106内の前進を、スリーブ係合脚1198とスリーブ1106の1つまたは複数の停止レッジ1262の係合によって制限することができる(図30を参照)。
【0096】
シャトル1116がスリーブ1106を通って前進するときに、シャトル1116のスリーブ係合面1233はスリーブ1106のカム面1180に対して下方に前進することができる。ベース保持アーム1226は、シャトル1116のスリーブ係合面1233がスリーブ1106のカム面1180を外すと、外側に広がることができる。ベース保持脚1227は、ベース保持アーム1226が外側に広がって、ベース122をシャトル1116から解放することができるときに、ベース122から離れるように移動することができる。
【0097】
シャトル1116がスリーブ1106内で移動範囲の終端に近づき、または到達したときに、ニードルハブ係合アーム1210はスリーブ1106のカム面1180を外して、ニードルハブ係合アーム1210がニードルハブ1110から離れるように移動することができるようにする。ニードルハブ1110がニードルハブ係合アーム1210から解放された後、引き込みバネ114がニードルハブ1110をシャトル1116から離れるように押して、ニードル1112を挿入装置1100内に引き込めることができる。シャトル1116の案内面1204は、ニードルハブ1110がシャトル1116から離れるように移動するときに、ニードル1112を患者の皮膚から実質的に線形に(たとえば直線状に)引き込めることができるように、ニードルハブ1110を方向付けることができる。したがって、ニードル1112をベース122の挿入の前および後に突き出ないように保護して、不慮のニードル刺しを防止することができる。この自動引き込め機能は、確実に注入装置102の挿入中だけニードル1112が露出されるようにすることができる。
【0098】
シャトル1116の表面1222または1224、あるいはその両方が、ベース122を皮膚に押し付けることができる。ユーザは、キャップ118に対する圧力を維持して、シャトル1116の表面1222および1224がベース122を皮膚に接触するように保持し、ベース122と皮膚の良好な接着を確保することができる。その後、ユーザは、挿入装置1100を皮膚から離れるように持ち上げ、カニューレが皮膚を通って延びている状態でベース122を皮膚に接触したままにすることができる。
【0099】
挿入装置1100が皮膚から取り外された後、保護キャップ1118をアクチュエータ1104と係合させて、挿入装置1100内のニードル1112を安全に廃棄することができる。
【0100】
一部の実施形態では、挿入装置1100を使用して、参照により全体が本明細書に組み込まれている特許文献2に記載されているものなど、剛性注入カニューレ264を有する、注入セットなど注入装置102を挿入することができる。挿入装置1100のこうした実施形態は、注入カニューレ264が皮膚を穿刺するように十分剛性の場合は、ニードル1112を省くことができる。さらに、挿入装置1100内のニードルハブ1110の移動が注入装置102のベース122の、シャトル1116への固定に影響を与えない場合は、ニードルハブ1110および引き込みバネ1114を省くことができる。こうした構成要素を省く場合、シャトル1116の対応する構造の単純化を行うこともできる。他の構成、構造、またはプロセスを上記その他の実施形態で省略してもよい。
【0101】
本開示の図面で示し、テキストに記載した例は限定的なものではなく、単に幾つかの実施形態の様々な態様を示すものである。多くの他の代替形態および構成が可能であり、それらは本開示に包含されるものである。さらに、それぞれ各実施形態に関して本明細書に記載した構成要素および特徴を本開示の他の構成要素に使用して、明確に示し、または記載していない追加の実施形態を形成することができる。また、本明細書に記載した構成要素、構造、またはプロセスは全て不可欠でも、必須でもない。
【符号の説明】
【0102】
100、1100 挿入装置
102 注入装置
104、1104 アクチュエータ
106、1106 スリーブ
108、1108 挿入バネ
110、1110 ニードルハブ
112、1112 ニードル
114、1114 引き込みバネ
116、1116 シャトル
118、1118 保護キャップ
120、1120 カバー
122 ベース
124 管セット
126、1126 把持面
128 表面要素
130、132、1130 押し込み面
134、242、246、1135 アーム
136、244、248、1137 脚
138、180、200、204、1139、1180、1200、1204 カム面
140、258、1140 結合領域
142、1171 溝
144、1144 変位部材
146、190、1146 係合面
148、1148 ガイドポスト
150 停止面
152、1152 移動制限部材
154、1154 上面
156、162、166、236、1163 孔
158、1158 外側ガイドレール
160、1160 内側ガイドレール
164、1165 表示部
168、170、178、188、202、208、220、252、256、1202、1208、1220、1221 凹部
172 肩部
174、1107、1183 突起
176、1176 下面
182、1182 上側
184、1184 下側
186 ニードル取り付け孔
192、214、1192 フォロワ面
194 勾配を付けた端部
196、1196 スリーブ係合アーム
198、1198 スリーブ係合脚
206、1206 ニードル孔
210、1210 ニードルハブ係合アーム
212、1212 ニードルハブ係合脚
216 案内面
218、1218 スロット
222、224、232、1105、1222、1224 表面
226、1226 ベース保持アーム
228 セット係合面
230 リブ
234 円筒形の壁
238 受け構造
240 注入キャップ
250 ある長さの管
254 コネクタ
260 内面
262、1262 停止レッジ
264 カニューレ
266 接着シート
1175 畝
1227 ベース保持脚
1233 スリーブ係合面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮下注入を実施するために皮膚を通じて注入装置を挿入するための装置であって、
上面と、皮膚に係合するように構成されている下面とを有しているスリーブと、
前記注入装置を収容するための容器と、少なくとも1つの第1の移動制限アームと、少なくとも1つの第1のハブ保持アームとを備えているシャトルであって、前記シャトルが、後退位置と前進位置の間で移動可能であり、前記シャトルが前記後退位置に配置されている場合に、前記第1の移動制限アームが前記スリーブの前記上面に係合し、これにより前記シャトルが前記前進位置に向かって移動することを阻止する前記シャトルと、
前記シャトルを前記前進位置に向かって前進させるために、前記シャトルに機能的に連結されている少なくとも1つの第1の付勢部材と、
上側と下側とを有していると共に、前記シャトルに対して第1の位置と第2の位置の間で移動可能なハブであって、前記ハブが前記第1の位置に配置されている場合に、前記シャトルの前記第1のハブ保持アームが、ハブが前記シャトルから離隔するように移動することを阻止する前記ハブと、
上端と下端とを有しているニードルであって、前記上端が、前記ハブの前記下側に固定状態で取り付けられ、前記下端が、皮膚を穿刺するように構成されており、前記シャトルが前記前進位置に配置され、且つ、前記ハブが前記第1の位置に配置されている場合に、前記ニードルの前記下端が、前記スリーブの前記下面の下方に延在しており、前記ハブが前記第2の位置に配置されている場合に、前記ニードルの前記下端が、前記スリーブの前記下面の上方に位置決めされている前記ニードルと、
前記シャトルから上方に且つ前記スリーブの前記下面から離間するように前記ハブを付勢するために、前記ハブに機能的に連結されている少なくとも1つの第2の付勢部材と、
前記第1の移動制限アームが前記上面に係合している場合に、アクチュエータが前記スリーブに向かって前進することによって、前記シャトルの前記第1の移動制限アームが、前記スリーブの前記上面から係合解除されるように、前記スリーブに移動可能に取り付けられている前記アクチュエータと、
を備えている前記装置において、
前記シャトルの前記第1の移動制限アームが、前記スリーブの前記上面から係合解除されることによって、前記第1の付勢部材が、前記後退位置から前記前進位置に前記シャトルを移動させ、
前記シャトルが、前記後退位置から前記前進位置に移動されることによって、前記シャトルの前記第1のハブ保持アームが、前記ハブを解放し、これにより前記第2の付勢部材が、前記第1の位置から前記第2の位置に前記ハブを移動させることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記スリーブが、少なくとも1つの孔を備えており、
前記アクチュエータが、少なくとも1つの突起を備えており、
前記少なくとも1つの孔と前記少なくとも1つの突起とが、前記スリーブの前記上面から前記シャトルの前記第1の移動制限アームを係合解除するために、前記アクチュエータと前記スリーブとが、前記アクチュエータが前記スリーブの前記下面に向かって移動することが阻止されている第1の位置と、前記アクチュエータが前記下面に向かって移動可能とされる第2の位置との間において回転するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シャトルが、前記シャトルの前記第1の移動制限アームが前記スリーブの前記上面から係合解除される前において、前記注入装置が前記シャトルから解放されることを阻止するために、前記注入装置に係合する少なくとも1つの可動部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記シャトルが、前記スリーブ内に少なくとも部分的に受容されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の付勢部材が、前記スリーブと前記シャトルとの間に位置決めされているバネを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ハブが、前記シャトル内に少なくとも部分的に受容されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の付勢部材が、前記シャトルと前記ハブとの間に位置決めされているバネを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの孔が、前記スリーブの前記上面に配置され、
前記少なくとも1つの突起が、前記アクチュエータの下側から下方に延在していることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記シャトルの前記第1の移動制限アームが前記スリーブの前記上面から係合解除される前において、前記可動部材と前記注入装置とを接触させることによって、前記注入装置が前記シャトルから解放されることを阻止するために、前記少なくとも1つの可動部材が、前記ハブが前記第1の位置に配置されている場合に前記ハブによって係合されているように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記シャトルの前記第1の移動制限アームが前記スリーブの前記上面から係合解除される前において、前記可動部材と前記注入装置とを接触させることによって、前記注入装置が前記シャトルから解放されることを阻止するために、前記少なくとも1つの可動部材が、前記シャトルが前記後退位置に配置されている場合に前記スリーブのカム面によって係合されているように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項11】
注入装置を皮膚内に少なくとも部分的に配置するための挿入装置であって、
皮膚に係合するように構成されている底面を有しているスリーブと、
前記注入装置を担持するためのキャリッジであって、前記スリーブ内に少なくとも部分的に配置され、後退位置と前進位置との間で移動可能とされる前記キャリッジであって、前記キャリッジが前記後退位置に配置されている場合に、前記注入装置の最下部分が、前記スリーブの前記底面から上方に離隔配置されており、前記キャリッジが前記前進位置にある場合に、前記注入装置の底部分が、前記スリーブの前記下面の下方に延在している前記キャリッジと、
前記キャリッジを前記前進位置に向かって付勢させるために、前記キャリッジに機能的に連結されている少なくとも1つの第1の付勢部材と、
前記キャリッジに対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能とされるハブと、上端と下端とを有しているニードルと、前記上端が、前記ハブの下面に固定状態で取り付けられており、前記下端が、皮膚を穿刺するように構成されており、前記ハブが前記第1の位置に配置されている場合に、前記ニードルが前記キャリッジの下方に延在しており、前記ハブが前記第2の位置に配置されている場合に、前記ニードルの前記下端が、前記キャリッジよりも下方に延在していない前記ハブおよび前記ニードルと、
前記キャリッジから上方に且つ前記スリーブの前記下面から離隔するように前記ハブを付勢するために、前記ハブに機能的に連結されている少なくとも1つの第2の付勢部材と、
前記第1の付勢部材が前記キャリッジを前記後退位置から前記前進位置に移動させるように、前記スリーブに機能的に連結されているアクチュエータと、
を備えている前記挿入装置において、
前記キャリッジが前記後退位置から前記前進位置に向かって移動することによって、前記ハブが、前記第1の位置から前記第2の位置に移動することを特徴とする挿入装置。
【請求項12】
前記挿入装置が、注入開始前に前記注入装置から取り外されるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の挿入装置。
【請求項13】
前記キャリッジが、前記キャリッジが前記後退位置から前記前進位置に移動することを阻止するために、前記スリーブに係合するように構成されている少なくとも1つの第1のアームを備え、
前記第1のアームが、前記第1の付勢部材が前記キャリッジを前記後退位置から前記前進位置に移動させるために、前記アクチュエータが前記第1のアームを前記スリーブから係合解除されるように、前記アクチュエータによって係合可能とされることを特徴とする請求項11に記載の挿入装置。
【請求項14】
前記キャリッジが、前記ハブが前記第1の位置から前記第2の位置に移動することを阻止するために、前記ハブに係合するように構成されている少なくとも1つの第2のアームを備え、
前記第2のアームが、少なくとも前記ニードルの下端が前記皮膚を穿刺するまで、前記シャトルによって、前記ハブとの係合状態を保持されていることを特徴とする請求項11に記載の挿入装置。
【請求項15】
前記第1の付勢部材が、前記キャリッジ及び前記アクチュエータに係合されていることを特徴とする請求項11に記載の挿入装置。
【請求項16】
前記第2の付勢部材が、前記キャリッジ及び前記ハブに係合されていることを特徴とする請求項11に記載の挿入装置。
【請求項17】
前記キャリッジが前記前進位置に配置されている場合に、前記挿入装置の表面が前記皮膚の外面に対して押し付けられていることを特徴とする請求項11に記載の挿入装置。
【請求項18】
前記挿入装置の前記表面が、接着面であることを特徴とする請求項17に記載の挿入装置。
【請求項19】
注入装置を皮膚内に少なくとも部分的に配置するための挿入装置にであって、
皮膚に係合するように構成されている底面を有しているハウジングと、
前記注入装置を担持するためのキャリッジであって、前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、後退位置と前進位置との間で移動可能とされる前記キャリッジであって、前記キャリッジが前記後退位置に配置されている場合に、前記注入装置の最下部分が前記ハウジングの前記底面から上方に離隔配置されており、前記キャリッジが前記前進位置に配置されている場合に、前記注入装置の底部分が前記ハウジングの前記下面の下方に延在している前記キャリッジであって、前記キャリッジが前記後退位置から前記前進位置に向かって移動する前において、前記注入装置が前記キャリッジから解放されることを阻止するために、前記注入装置に係合する少なくとも1つの可動部材を備えている前記キャリッジと、
前記キャリッジを前記前進位置に向かって付勢するために、前記キャリッジに機能的に連結されている少なくとも1つの第1の付勢部材と、
前記第1の付勢部材が前記キャリッジを前記後退位置から前記前進位置に移動させるように、前記ハウジングに機能的に連結されているアクチュエータと、
を備えている前記挿入装置において、
前記キャリッジが前記後退位置から前記前進位置に向かって移動することによって、前記ハブが前記第1の位置から前記第2の位置に移動することを特徴とする挿入装置。
【請求項20】
前記キャリッジが前記後退位置から前記前進位置に移動する前において、前記可動部材と前記注入装置とを接触させることによって、前記注入装置が前記キャリッジから解放されることを阻止するために、前記少なくとも1つの可動部材が、前記キャリッジが前記後退位置に配置されている場合に前記ハウジングのカム面によって係合されるように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の挿入装置。
【請求項21】
ハブをさらに備え、
前記キャリッジが前記後退位置から前記前進位置に向けて移動する前において、前記可動部材と前記注入装置とを接触させることによって、前記注入装置が前記キャリッジから解放されることを阻止するために、前記少なくとも1つの可動部材が、前記ハブが前記第1の位置に配置されている場合に前記ハブによって係合されるように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の挿入装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの可動部材が、前記キャリッジが前記後退位置に配置されている場合に、前記注入装置の少なくとも一部の下方に延在しているように構成されている少なくとも1つの脚を備えていることを特徴とする請求項19に記載の挿入装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの可動部材が、前記注入装置の外周近傍で前記注入装置に係合していることを特徴とする請求項20に記載の挿入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2010−538751(P2010−538751A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524961(P2010−524961)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/075876
【国際公開番号】WO2009/039013
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(508004797)アイシーユー・メディカル・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】