注射器先端キャップおよび注射器アセンブリ
【課題】上面16aおよび下面16bを有する基部16と、上面16aから延出し非円形断面を有する上部壁14を備える本体12と、下面16bから延出するシャフト18とを備える先端キャップ10を提供する。外筒、および外筒を通って延在する注射器先端220を備える注射器200と、注射器先端220上に設けられたコネクタ230とを備える注射器アセンブリを提供する。
【解決手段】注射器アセンブリは、注射器先端220を封止的に覆うための先端キャップ10をさらに備え、先端キャップ10は、上面16aおよび下面16bを有する基部16と、上面16aから延出し非円形断面を有する上部壁14を備える本体12と、下面16bから延出し注射器先端220に取り付くための接続手段20を有するシャフト18とを備える。
【解決手段】注射器アセンブリは、注射器先端220を封止的に覆うための先端キャップ10をさらに備え、先端キャップ10は、上面16aおよび下面16bを有する基部16と、上面16aから延出し非円形断面を有する上部壁14を備える本体12と、下面16bから延出し注射器先端220に取り付くための接続手段20を有するシャフト18とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が充満した容器の開口を閉鎖するための先端キャップに関し、より詳細には、注射器の先端キャップおよび注射器アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年4月22日出願の米国意匠出願第29/180,313号の一部継続出願であり、同出願は本明細書に参照により組み込まれる。
【0003】
従来の注射器はそれぞれ、開口した基端部およびそれに対向する末端部を有する外筒を備える。その両端間に円筒壁が延在し、物質収容チャンバを画成する。通常ルアー(luer)と呼称される細長い先端が、注射器外筒の末端部から突き出し、この先端は外筒の物質収容チャンバに連通する細い通路を有する。内筒が、注射器外筒の開口基端部から挿入され、円筒チャンバ壁と液密に係合しつつ摺動することができる。内筒が末端部方向に摺動移動することにより、チャンバ内の液体を先端の通路を通して押し出す。逆に、内筒が基端部方向に移動することにより、先端内の通路を通して注射器外筒のチャンバに液体を吸引する。
【0004】
従来の注射器外筒は、通常プラスチックまたはガラス製である。ガラスはプラスチックより低い気体透過率を示す。したがって、ガラスの注射器外筒は、周囲気体との相互作用を特に受け易い薬剤に使用される。ガラス外筒はまた、注射器外筒内に事前に充填され、使用されるまでかなりの時間貯蔵される薬剤に使用されることが好ましい。
【0005】
そのような注射器は、針カニューレを備える針アセンブリをさらに有し、針カニューレは基端、尖った先端、およびそれを通って軸方向に延在する内腔を有し得る。針アセンブリは、針カニューレの内腔を注射器外筒の先端を通る通路に選択的に液体連通させるために、通常、注射器外筒上の装着手段に係合可能な受口を備える。あるいは、針カニューレは、注射器外筒に直接強固に固定し、または「埋め込む」ことができる。
【0006】
注射器外筒に事前充填された薬剤は、使用するまでの薬剤の汚染や目減りを防止するために密封しなければならない。また、密封することにより、医療従事者が不必要に薬剤に曝されるのを防止する。針が注射器本体に埋め込まれていない場合、薬剤の漏洩を防止し汚染を回避するために、従来の機器は、注射器外筒の末端部の先端を覆って装着される、先端キャップと呼称される栓または蓋を有している。事前充填された注射器が先端キャップで蓋をされたとき、良好なシールが維持されることが特に重要である。これは、通常、先端キャップを注射器にきつく取り付けることにより達成される。しかし、過度にきつくすると、先端キャップを取り外すことが困難になり得る。さらに、事前充填された注射器は、内容物を確実に滅菌梱包するために、充填および蓋をした後にオートクレーブ処理をすることがある。しかし、オートクレーブ処理は、副次的影響として先端キャップと注射器との間に相互作用も有し得、それによって、キャップを取り外すのがさらに難しくなることがある。
【0007】
従来技術の先端キャップは、注射器を使用する直前に注射器から取り外され、針アセンブリの受口がルアーおよび/またはルアーカラー、あるいは注射器外筒の露出先端に隣接する他の取付け手段にしっかりと係合される。たとえば、本明細書の譲受人が商標「Luer−Lok」の下に販売している構成などにより、針カニューレの内腔が注射器外筒の露出先端に連通するように、針受口をルアーカラーの内側にねじ係合することができる。
【0008】
注射器外筒の液体用開口をシールするのに使用される現在の先端キャップは、通常、丸いキャップ壁設計を有する一体設計である。スクリュータイプのねじ式キャップの機械的利点は、回転力を軸力に変換することであり、その結果、先端キャップのシール機構を容器のルアーに締め付け、シール機構とルアーとの間が締まり嵌めになることにより緊密なシールを形成する。現在の先端キャップでは、ボトル(bottle)にシールを実施したり、解除したりするのに必要なトルクの少なくとも一部は、使用者がキャップを回転させるためにキャップ壁の外側に把持力を加えた時に生じる摩擦力によって発生する。
【0009】
従来技術の先端キャップ設計に関連する問題は、使用者が、キャップをその軸の周りに回転させるために捩り力(トルク)を掛けるだけではなく、キャップが滑らないように保持するのに十分なキャップ壁に垂直な力も接点に加えることによって、円形キャップを把握するための把持力を掛けなければならないことである。これは、殊に通常の先端キャップの寸法が小さいことを考慮すると器用さや力に欠ける一部の使用者には難しく、また、先端キャップが注射器外筒と過度に緊密に係合している場合に難しくなり得る。従来技術の設計による先端キャップの使用において難しいのは、使用者は、先端キャップの把握と回転の両方を同時に行うための力を、先端キャップに垂直に掛けなければならないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、それを回転させるトルクを同時に掛けながらその把持がより容易に行える先端キャップを提供することにより、取り付け取り外しを容易に行うことができるように改善された注射器先端キャップが必要とされる。具体的には、使用者に、先端キャップを把持し、かつ、把持力をさらに掛ける必要なしに回転軸に対し接線方向の力を先端キャップに掛けるための面を提供する、非円形の、たとえば楕円形の把持面を有する先端キャップを提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の従来の装置とは対照的に、本発明によれば、注射器に取り付けるためにキャップを回転させるための強力な機械的利点を使用者に提供する先端キャップを構成することができることが分かってきた。具体的には、本発明の先端キャップは、キャップを回転させるために追加のてこ作用を使用者に提供する把持面をもたらす非円形断面形状を備える。
【0012】
本発明は、事前充填された注射器外筒などの注射器を閉鎖するための注射器先端キャップアセンブリを提供する。先端キャップは、非円形上部壁を有する先端キャップ本体と、基部シール面と、それに従属するシャフトとを備え、シャフトは、先端キャップを注射器に取り付けるためにねじ付きでもよい。ねじ付き先端キャップの開閉は、回転軸に対し接線方向のトルクをキャップに掛けてキャップを回転させ、それによってキャップと容器のねじを噛合させてキャップを上げ下げすることによって達成される。キャップに掛ける力は、使用者がキャップの外周を把持することによって加えられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の先端キャップは、使用者が、キャップを回転させてキャップを開閉するのに必要な回転力を掛けるのを容易にし、より効果的にする。非円形の把持領域が、キャップの回転軸に対し接線方向に直接力を掛ける面を実現する。力は先端キャップに、回転軸に対し接線方向に軸からある距離を置いて加えられる。したがって、非円形先端キャップは、それに掛けられる力を増加させるレバーアームとして作用する。さらに、非円形形状のゆえに、従来技術による設計の場合のようにキャップを把持するために使用者がキャップの側面に垂直な力を掛ける必要はない。
【0014】
本発明の先端キャップの一利点は、キャップを回転させるための強化された機械的利点を使用者に提供することである。
【0015】
本発明の先端キャップの別の利点は、先端キャップの外面が、使用者にとって操作性および把持力を向上させ、使用者の指に喰い込まない快適な把持面を提供する特徴を備えることである。
【0016】
したがって、本発明は、上面および下面を有する基部と、上面から延出する非円形断面の上部壁を有する本体と、下面から延出する、注射器外筒に取り付く中空シャフトとを備える先端キャップを対象とする。
【0017】
本発明の様々な特徴、目的、利益および利点が、添付特許請求の範囲と共に、下記の好ましい実施形態の詳細な説明を図面と併せて読むことにより、さらに明らかになる。図面では全体を通じて、同じ参照番号は同じ構成部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態による先端キャップの斜視図である。
【図2】図1の先端キャップの第1の側面図である。
【図3】図1の先端キャップの第2の側面図である。
【図4】図1の先端キャップ上面図である。
【図4a】図4の切断線4a−4aに沿った本発明による先端キャップの断面図である。
【図4b】図4の切断線4b−4bに沿った本発明による先端キャップの断面図である。
【図5】図1の先端キャップの底面図である。
【図6】凹凸を付けた上部壁を有する、本発明の実施形態による先端キャップの斜視図である。
【図6a】凹凸を付けた上部壁を有する、本発明の実施形態による先端キャップの斜視図である。
【図7】図6の先端キャップの上面図である。
【図8】従来技術の設計による先端キャップを回転させる場合の力線図である。
【図9】本発明による先端キャップを回転させる場合の力線図である。
【図10a】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10b】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10c】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10d】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10e】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10f】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで図面を参照すると、図1は本発明による先端キャップを示す。具体的には、図1は先端キャップ10を示す。図から分かるとおり、先端キャップ10は、上部壁14およびそれに従属するシール基部16を有するキャップ本体12、ならびに注射器200に接続し、また、それから取り外すためのシャフト18を備える。シャフト18およびキャップ本体12は、上部壁14に掛けられる先端キャップ10を回転させて注射器本体に接続させる力を受けるために、単一で一体の先端キャップを形成する。上部壁14は、非円形の管状構造であり、シール基部16から上方に延びる。シール基部16は、上面16aおよび底面16bそれぞれを有する実質的に平らな面である。上部壁14は、好ましくは少なくともその外周の大部分に沿ってシール基部上部16aに強固に結合され、シャフト18は、シール基部底部16bに強固に結合されている。
【0020】
図2は、キャップ本体12の長軸40に沿って側方から見た本発明による先端キャップ10を示す。図2に示すとおり、上部壁14は、キャップ本体12の長軸40に沿って、シール基部16と同じ幅であることが望ましい。シール基部16から下方に延びるシャフト18も示されている。シャフト18は、注射器200のルアー先端220に取り付くように構成されている。注射器200の先端220に、たとえばルアーロッキングカラー(luer locking collar)などのコネクタ230を設けることができる。コネクタ230は、内部に形成されたねじ232を備え得る。好ましくは、シャフト18は、コネクタ230のねじ232と相補的に噛合するねじ20を有する。ねじ20は、先端キャップ10の所定の角度変位に対して適切な固定が行えるように構成されている。この構成により、シャフト18の内部と緊密に接触することによって、ルアー先端220の周りにシールを形成する。ねじ20は、公知のいかなるねじ式構成とでも協働するように構成することができ、ルアー先端220に対する先端キャップ10の位置を維持するための保持力を増加させることができる。あるいは、シャフト18を、それに限定されないが、摺動ルアー接続を含む他の公知のいかなる接続構成によって構成してもよい。
【0021】
図3は、本発明による先端キャップ10を、側方から先端キャップ本体12の短軸42に沿って見たところを示す。好ましくは、図3から分かるように、シール基部16の部分16cは上部壁14の短軸42に沿って半径方向外方に延びている。部分16cは、使用者の指が先端キャップ10に対して下方に動きすぎることに対する防御壁として働くことができる。部分16cによって、関連する注射器本体、特に殺菌されている部分への不注意による接触を防止することができる。
【0022】
図4は、本発明による先端キャップ10を上から見たところを示す。この図は、上部壁14が実質的に非円形であることを示す。好ましくは、上部壁14は細長く、長軸40および短軸42を有する。本発明による上部壁14は、好ましくは、非円形の楕円形に形成され、それによって上部壁14で形成される細長い把持面50を形成する。把持面50(たとえば図2参照)は、長軸40に沿って形成される面に限定される必要はなく、短軸42に沿って形成される面を含むことができる。さらに、把持面50は、長軸および短軸40、42の両方に沿って延在する面を含むことができる。図9に関して記述されるように、非円形の上部壁14を用いると、使用者が先端キャップ10を把握し、先端キャップ10に回転力(トルク)を、同時に強く先端キャップ10を把持する必要なしに掛けることができるようになる。さらに、本発明の非円形の上部壁14によって、先端キャップ10は、従来技術の円形先端キャップでしばしば起こったような使用者から転がり離れる可能性がなくなる。
【0023】
図4aおよび4bは、図4の切断線4a−4aおよび4b−4bに沿った本発明による先端キャップの断面を示す。断面4a−4aおよび4b−4bに示すように、好ましくは、シャフト18は中空で、内壁および外壁それぞれ54および56を有し、底端部で開口している。好ましくは、内孔58は、少なくとも部分的にシール基部16の中へ延びるように形成され、先端キャップ10が図2に示すように注射器200に取り付けられたとき底面16bを超えて延びるルアー先端を受け入れるように形作られ構成される。内孔58は、先端またはルアーの一般的な形状に適合するように内側を形作ることができる。たとえば、図4aに示すように、内孔58の内側端59は平坦な形状を有し、それが固定される注射器部分の形状と相補的になっている。内孔58の外面44は、製品を鋳型から抜くときに有利に働くように図示のようにほぼ円錐形にすることができる。また、底面16bに凹設された凹部52が図示されている。
【0024】
図5は、本発明による先端キャップ10の底面図である。図5には、シール基部16の底面16bが示されている。鋳造機械から先端キャップ10を容易に取り外せるように、1つまたは複数の凹部52をシール基部16に、図示のように底面16bに凹設して設けることができる。
【0025】
1つまたは複数の外側へ延出する小片またはタブ51を、シール基部16から延出する片持ち梁の形で形成して、本発明による先端キャップ10の機械による取り扱いを容易にすることができることも留意されるべきである。小片またはタブ51は、「フォーギビング(forgiving)」機械などの機械が、把持面50に係合することなく先端キャップ10を取り扱えるようにする。したがって、把持面51を取り扱う必要がある場合より簡単な、小片またはタブ51を係合する機械構成を使用することができる。4個のそのような小片またはタブが図5に示されているが、そのような構造の数および配置は必要に応じて変更されることが当業者には理解されよう。
【0026】
図6、6a、7に示されるように、先端キャップ10は上部壁14表面に凹凸を付けることができる。たとえば、図6に示す先端キャップ10は、上部壁14の外面上に複数のリブ60を備える。リブ60は、強力な把持面を使用者に提供するために、上部壁14の外面に凹凸を形成する。当業者にとって、また本明細書に記載された開示から明らかなように、リブの配置と数は、使用者に所望の触感および把持特性を提供するために変化させることができる。さらに、この実施形態では表面の凹凸がリブとして示されているが、上部壁14の表面を、替わりに他のタイプの凹凸または表面構造にして、触感を提供し、把持力をさらに増すことができる。当業者には理解され、また図6aに示されるように、上部壁14は、たとえば別法として複数の小さな窪みや、それに限定されないが、米国ニューハンプシャ州SalemのStandex International Corp.により商標「MOLD−TECH」の下に維持されているライブラリに見られる凹凸を含めて他の公知の凹凸にすることができる。
【0027】
次に図7を参照すると、リブ60の輪郭を見ることができる。好ましくは、リブ60は、上部壁14の外面上に長い方の壁の部分(長軸40に沿って配置されている)に沿って配置される。このように、リブ60は、使用者が先端キャップ10を回転させるためにそれを把持するところに配置される。それに加えて、リブ60はさらに、使用者の指に喰い込まないような表面を提供する。図7に示されるように、先端キャップ10の本体12の断面輪郭は、把持面50に形成された複数の溝62を有する楕円形である。したがって、楕円形把持面50は、高トルクの取付け/取外し状態の下で、使用者の指に押し込まれるような突起物をもたない。別の凹凸を、図7に示すのと同じ位置に配置することもできる。
【0028】
次に図8を参照すると、従来技術のキャップをその中心軸の周りに回転させるために使用者によって掛けられる力を示す力の線図が示されている。図8は、中心軸82を有する従来技術の先端キャップの円形上部壁80を示しており、上部壁80は使用者の手84によって把握されている。使用者の手84が、上部壁80の表面に直角な把持力86を掛けているところが図示されている。キャップを回転させるために、使用者は先端キャップに回転力(トルク)も掛けなければならない。たとえば、先端キャップを時計方向に回転させるために、使用者は、上部壁80に対して接線方向の力88を掛ける。同様に、先端キャップを半時計方向に回転させるために、使用者は、上部壁80の回転軸に対して接線方向に力89を掛ける。使用者が掛けなければならない把持力86の大きさは、先端キャップを回転させるのに必要な回転力に比例する。たとえば、固く締められた先端キャップを回転させるとき、使用者は先端キャップを、より緩く締められた先端キャップに対するよりも固く把持しなければならない。
【0029】
図9に、本発明による先端キャップ10を回転させるために使用者によって掛けられる力を示す力の線図を示す。図9は、本発明による先端キャップ10の上面図であり、中心軸90を有し、使用者の手92によって把握されている非円形上部壁14を示す。キャップを半時計方向に回転させるために、使用者は力94を上部壁14に掛ける。同様に、先端キャップを時計方向に回転させるために、使用者は力96を上部壁14に掛ける。従来技術の設計とは対照的に、本発明による先端キャップ10の使用者は、それをねじ係合させ、またはねじ係合から解除するためには、先端キャップ10に単に回転力を掛ければよく、大きな把持力は必要ない。
【0030】
より詳細には、先端キャップの開閉は、キャップ、およびそれと相補的な容器または他の相補的接続構成の螺旋ねじ上のある位置に先端キャップを保持しようとする力に打ち勝つのに十分な力を先端キャップに加えて、キャップを回転させて開位置または閉位置のいずれかからキャップを移動させることによって行う。ねじ式キャップを回転させる力は、キャップの回転軸からある距離位置で回転軸に対し接線方向に掛けられる。図8に記載されているように、従来技術の丸いキャップを回転させるためには、キャップを中心軸周りに回すだけでなく、それを保持するのに十分な力でキャップを把握しなければならない。したがって、力は、キャップを回転させるために回転軸に対して接線方向に加え、キャップを保持するためにキャップ表面に対して垂直に加えなければならない。キャップを保持するために加える力は回転させるのに加える力に比例し、このため、特に、たとえば固く取り付けられたキャップを回転させるとき、把持力および回転力の両方を加えるのをより困難にする。
【0031】
対照的に、本発明による先端キャップ10は、それを容易に回転させるためのレバーアームを使用者に提供する楕円形把持部を有する。好ましくは、図9に示すように、上部壁14上の、長軸40に沿う中心軸90からの距離「d」の任意の点98位置で、使用者が先端キャップ10を把握する。力94または96が上部壁14に直接加えられる。丸いキャップと異なって、回転力(94または96)は点98位置で上部壁14に対して直角に加えられるので、使用者が先端キャップ10を、滑るのを防ぐために把持する必要はない。上部壁14が長さ「d」のレバーアームとして作用して、先端キャップ10を回転させるための機械的利点を提供する。
【0032】
注射器本体用にねじ付き接続部が設けられていない場合でも、先端キャップ10を取り外すのに回転力を用いることがある。たとえば、先端キャップ10を、それが摺動ルアー接続によって取り付けられているルアーからねじって外すことができる。したがって、上記のトルク上の利点は、この場合や同様な場合についても利点となる。
【0033】
本発明の先端キャップ10は、先端キャップを通して注射器の先端を容易に見ることができるように、透明な鋳造熱可塑性材料製でもよい。代表的な材料としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、および塩化ポリビニルがある。透明な先端キャップを提供することは本発明の範囲内であるが、収集された試料に実施される実験の種類を明示するカラーコード付きの先端キャップを提供することも本発明の範囲内である。
【0034】
本発明の先端キャップ10を、非円形の楕円形上部壁14を有する好ましい一実施形態に関して詳細に記述してきたが、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、先端キャップ上部壁14の様々な変更実施形態が考案されることは、当業者にとって、また本明細書に記載された開示から明らかなはずである。たとえば、先端キャップ10は、トルクの発生を強化するために、代替形状や追加の把持要素などの変更を別様に含んでもよい。上部壁14の代替形状には、上記の好ましい実施形態の非円形の楕円形状に加えて、本発明の先端キャップ10のトルク低減特性を実現する卵型、正方形や長方形などの多角形、その他の非円形の形状を含み得る。さらに、別の代替実施形態には、上部壁14の周囲に半径方向に突出する構造が配置された先端キャップ上部壁14を含み得る。突出構造は、延伸した把持面50を使用者に提供し、延伸把持面50は、使用者が回転させるとき、図1〜7、および9に関連して上記に述べたように、先端キャップ10に掛かるトルクを増加させるレバーアームとして作用する。
【0035】
把持要素は、先端キャップ10にトルクを加えるに際し容易に把持できる面を使用者に提供するように、別様に構成することができる。把持要素は、様々な代替形状を取ることができ、たとえば、先端キャップ10は、星型に製作してもよく、またその外周に沿って配置された半径方向に延在する構造を有してもよい。あるいは、先端キャップ10は、正方形や長方形を有するように形作ることもできる。
【0036】
当業者には理解されるように、様々な構成が上述の本発明の原理に帰属させることができる。非限定的な例として、図10a〜fを参照すると、本発明による先端キャップ10の代替実施形態が示されている。図10aは、拡張された把持要素を使用者に提供するためにフランジ104を上部壁14に隣接して配置し、そのフランジが上部壁から半径方向にシール基部16の縁まで外向きに延在する代替実施形態を示す。ただし、フランジの大きさおよび寸法は、先端キャップを回転させる力を加えるのに十分な大きさの面を使用者に提供するために、変化させることができることに留意すべきである。好ましくは、フランジ104はそれぞれ、外向きに延在する半径方向長さが、円周方向に延在するそれぞれの幅より長い。さらに、追加フランジ104は、図10aに示された実施形態をさらに変形して使用することができる。さらに、追加の把持要素を提供するために、図10aの実施形態ではリブ102を設けることができる。先端キャップ10の中心からフランジ104の縁までの半径方向距離は、リブ102の縁までの半径方向距離より長いことに留意すべきである。
【0037】
図10bは、シール基部16から突き出した全体として凹形の2つの弓形構造108を有する別の代替実施形態を示す。弓形構造108は、やはりシール基部16から延出する支持部110によって強固に一体に結合されている。構造108は、使用者が先端キャップ10にトルクを掛けるために握り易い面を提供する。さらに図10cに示すように、弓形構造108の大きさと寸法は、たとえば把持面の寸法を大きくするために、変化させることができる。図10bおよび10cの実施形態はレセプタクル(receptacle)形状のキャップ把持面を有さないことが当業者にとって明らかであることはさらに留意すべきである。それゆえ、これら実施形態では、蒸気オートクレーブ処理中に湿気を停留させない。それに加えて、ばらで貯蔵したとき、互いに入り組んでしまう傾向にならないという利点をさらに有する。
【0038】
次に図10dを参照すると、使用者が先端キャップ10にトルクを掛けるのに把持し易い面を提供するために、シール基部16から延出する中心構造112を有し、中心構造112の周りに好ましくは90度間隔で配置された複数の構造114を有する別の代替実施形態が示されている。図10dは、本発明に従って外側構造114の数および間隔を変更することにより変更してもよく、さらに、構造112および114は円筒形として示されているが、たとえば多角形のような他のいかなる形状を使用してもよい。
【0039】
図10eに、本発明による先端キャップ10が、複数のリブ120を上部壁14の周りに離間して設けるために壁断面を波形にすることにより直径が増加した上部壁14を有する別の代替実施形態を示す。リブ120は、使用者が把持する面の角度を変化させることにより向上型把持面を使用者に提供するリブ間曲面122によって相互に連結されている。このようにして、使用者は、先端キャップ10の回転軸に対して接線方向ではない面を保持することができる。
【0040】
図10fは、使用者が先端キャップ10にトルクを加えるのに把持し易い面を提供するために、本発明による先端キャップ10が多角形で長方形の上部壁14を有する別の代替実施形態を示す。当業者には明らかなように、長方形の上部壁の寸法は、たとえば把持面の寸法を増すために変化させることができ、また他の多角形構成を使用することができる。さらに、上部壁14の多角形面は、回転軸の接線に対して垂直な力を掛けるための面を使用者に提供する。
【0041】
当業者が本発明の装置を実施することができるように本発明の好ましい実施形態を記述してきたが、添付特許請求の範囲に定義された本発明の概念および意図から逸脱することなく、様々な変形形態および変更形態を採用することができることが理解される。たとえば、上部壁の形状は、長軸および短軸を長くし、または短くすることによって変えることができる。あるいは、上部壁を、たとえば長方形など好ましくは細長い他の非円形形状にすることができる。したがって、上記の説明は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものとして使用するべきではない。本発明の範囲は、添付特許請求の範囲を参照することによってのみ決定されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が充満した容器の開口を閉鎖するための先端キャップに関し、より詳細には、注射器の先端キャップおよび注射器アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年4月22日出願の米国意匠出願第29/180,313号の一部継続出願であり、同出願は本明細書に参照により組み込まれる。
【0003】
従来の注射器はそれぞれ、開口した基端部およびそれに対向する末端部を有する外筒を備える。その両端間に円筒壁が延在し、物質収容チャンバを画成する。通常ルアー(luer)と呼称される細長い先端が、注射器外筒の末端部から突き出し、この先端は外筒の物質収容チャンバに連通する細い通路を有する。内筒が、注射器外筒の開口基端部から挿入され、円筒チャンバ壁と液密に係合しつつ摺動することができる。内筒が末端部方向に摺動移動することにより、チャンバ内の液体を先端の通路を通して押し出す。逆に、内筒が基端部方向に移動することにより、先端内の通路を通して注射器外筒のチャンバに液体を吸引する。
【0004】
従来の注射器外筒は、通常プラスチックまたはガラス製である。ガラスはプラスチックより低い気体透過率を示す。したがって、ガラスの注射器外筒は、周囲気体との相互作用を特に受け易い薬剤に使用される。ガラス外筒はまた、注射器外筒内に事前に充填され、使用されるまでかなりの時間貯蔵される薬剤に使用されることが好ましい。
【0005】
そのような注射器は、針カニューレを備える針アセンブリをさらに有し、針カニューレは基端、尖った先端、およびそれを通って軸方向に延在する内腔を有し得る。針アセンブリは、針カニューレの内腔を注射器外筒の先端を通る通路に選択的に液体連通させるために、通常、注射器外筒上の装着手段に係合可能な受口を備える。あるいは、針カニューレは、注射器外筒に直接強固に固定し、または「埋め込む」ことができる。
【0006】
注射器外筒に事前充填された薬剤は、使用するまでの薬剤の汚染や目減りを防止するために密封しなければならない。また、密封することにより、医療従事者が不必要に薬剤に曝されるのを防止する。針が注射器本体に埋め込まれていない場合、薬剤の漏洩を防止し汚染を回避するために、従来の機器は、注射器外筒の末端部の先端を覆って装着される、先端キャップと呼称される栓または蓋を有している。事前充填された注射器が先端キャップで蓋をされたとき、良好なシールが維持されることが特に重要である。これは、通常、先端キャップを注射器にきつく取り付けることにより達成される。しかし、過度にきつくすると、先端キャップを取り外すことが困難になり得る。さらに、事前充填された注射器は、内容物を確実に滅菌梱包するために、充填および蓋をした後にオートクレーブ処理をすることがある。しかし、オートクレーブ処理は、副次的影響として先端キャップと注射器との間に相互作用も有し得、それによって、キャップを取り外すのがさらに難しくなることがある。
【0007】
従来技術の先端キャップは、注射器を使用する直前に注射器から取り外され、針アセンブリの受口がルアーおよび/またはルアーカラー、あるいは注射器外筒の露出先端に隣接する他の取付け手段にしっかりと係合される。たとえば、本明細書の譲受人が商標「Luer−Lok」の下に販売している構成などにより、針カニューレの内腔が注射器外筒の露出先端に連通するように、針受口をルアーカラーの内側にねじ係合することができる。
【0008】
注射器外筒の液体用開口をシールするのに使用される現在の先端キャップは、通常、丸いキャップ壁設計を有する一体設計である。スクリュータイプのねじ式キャップの機械的利点は、回転力を軸力に変換することであり、その結果、先端キャップのシール機構を容器のルアーに締め付け、シール機構とルアーとの間が締まり嵌めになることにより緊密なシールを形成する。現在の先端キャップでは、ボトル(bottle)にシールを実施したり、解除したりするのに必要なトルクの少なくとも一部は、使用者がキャップを回転させるためにキャップ壁の外側に把持力を加えた時に生じる摩擦力によって発生する。
【0009】
従来技術の先端キャップ設計に関連する問題は、使用者が、キャップをその軸の周りに回転させるために捩り力(トルク)を掛けるだけではなく、キャップが滑らないように保持するのに十分なキャップ壁に垂直な力も接点に加えることによって、円形キャップを把握するための把持力を掛けなければならないことである。これは、殊に通常の先端キャップの寸法が小さいことを考慮すると器用さや力に欠ける一部の使用者には難しく、また、先端キャップが注射器外筒と過度に緊密に係合している場合に難しくなり得る。従来技術の設計による先端キャップの使用において難しいのは、使用者は、先端キャップの把握と回転の両方を同時に行うための力を、先端キャップに垂直に掛けなければならないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、それを回転させるトルクを同時に掛けながらその把持がより容易に行える先端キャップを提供することにより、取り付け取り外しを容易に行うことができるように改善された注射器先端キャップが必要とされる。具体的には、使用者に、先端キャップを把持し、かつ、把持力をさらに掛ける必要なしに回転軸に対し接線方向の力を先端キャップに掛けるための面を提供する、非円形の、たとえば楕円形の把持面を有する先端キャップを提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の従来の装置とは対照的に、本発明によれば、注射器に取り付けるためにキャップを回転させるための強力な機械的利点を使用者に提供する先端キャップを構成することができることが分かってきた。具体的には、本発明の先端キャップは、キャップを回転させるために追加のてこ作用を使用者に提供する把持面をもたらす非円形断面形状を備える。
【0012】
本発明は、事前充填された注射器外筒などの注射器を閉鎖するための注射器先端キャップアセンブリを提供する。先端キャップは、非円形上部壁を有する先端キャップ本体と、基部シール面と、それに従属するシャフトとを備え、シャフトは、先端キャップを注射器に取り付けるためにねじ付きでもよい。ねじ付き先端キャップの開閉は、回転軸に対し接線方向のトルクをキャップに掛けてキャップを回転させ、それによってキャップと容器のねじを噛合させてキャップを上げ下げすることによって達成される。キャップに掛ける力は、使用者がキャップの外周を把持することによって加えられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の先端キャップは、使用者が、キャップを回転させてキャップを開閉するのに必要な回転力を掛けるのを容易にし、より効果的にする。非円形の把持領域が、キャップの回転軸に対し接線方向に直接力を掛ける面を実現する。力は先端キャップに、回転軸に対し接線方向に軸からある距離を置いて加えられる。したがって、非円形先端キャップは、それに掛けられる力を増加させるレバーアームとして作用する。さらに、非円形形状のゆえに、従来技術による設計の場合のようにキャップを把持するために使用者がキャップの側面に垂直な力を掛ける必要はない。
【0014】
本発明の先端キャップの一利点は、キャップを回転させるための強化された機械的利点を使用者に提供することである。
【0015】
本発明の先端キャップの別の利点は、先端キャップの外面が、使用者にとって操作性および把持力を向上させ、使用者の指に喰い込まない快適な把持面を提供する特徴を備えることである。
【0016】
したがって、本発明は、上面および下面を有する基部と、上面から延出する非円形断面の上部壁を有する本体と、下面から延出する、注射器外筒に取り付く中空シャフトとを備える先端キャップを対象とする。
【0017】
本発明の様々な特徴、目的、利益および利点が、添付特許請求の範囲と共に、下記の好ましい実施形態の詳細な説明を図面と併せて読むことにより、さらに明らかになる。図面では全体を通じて、同じ参照番号は同じ構成部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態による先端キャップの斜視図である。
【図2】図1の先端キャップの第1の側面図である。
【図3】図1の先端キャップの第2の側面図である。
【図4】図1の先端キャップ上面図である。
【図4a】図4の切断線4a−4aに沿った本発明による先端キャップの断面図である。
【図4b】図4の切断線4b−4bに沿った本発明による先端キャップの断面図である。
【図5】図1の先端キャップの底面図である。
【図6】凹凸を付けた上部壁を有する、本発明の実施形態による先端キャップの斜視図である。
【図6a】凹凸を付けた上部壁を有する、本発明の実施形態による先端キャップの斜視図である。
【図7】図6の先端キャップの上面図である。
【図8】従来技術の設計による先端キャップを回転させる場合の力線図である。
【図9】本発明による先端キャップを回転させる場合の力線図である。
【図10a】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10b】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10c】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10d】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10e】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図10f】把持要素を組み込んだ本発明の別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで図面を参照すると、図1は本発明による先端キャップを示す。具体的には、図1は先端キャップ10を示す。図から分かるとおり、先端キャップ10は、上部壁14およびそれに従属するシール基部16を有するキャップ本体12、ならびに注射器200に接続し、また、それから取り外すためのシャフト18を備える。シャフト18およびキャップ本体12は、上部壁14に掛けられる先端キャップ10を回転させて注射器本体に接続させる力を受けるために、単一で一体の先端キャップを形成する。上部壁14は、非円形の管状構造であり、シール基部16から上方に延びる。シール基部16は、上面16aおよび底面16bそれぞれを有する実質的に平らな面である。上部壁14は、好ましくは少なくともその外周の大部分に沿ってシール基部上部16aに強固に結合され、シャフト18は、シール基部底部16bに強固に結合されている。
【0020】
図2は、キャップ本体12の長軸40に沿って側方から見た本発明による先端キャップ10を示す。図2に示すとおり、上部壁14は、キャップ本体12の長軸40に沿って、シール基部16と同じ幅であることが望ましい。シール基部16から下方に延びるシャフト18も示されている。シャフト18は、注射器200のルアー先端220に取り付くように構成されている。注射器200の先端220に、たとえばルアーロッキングカラー(luer locking collar)などのコネクタ230を設けることができる。コネクタ230は、内部に形成されたねじ232を備え得る。好ましくは、シャフト18は、コネクタ230のねじ232と相補的に噛合するねじ20を有する。ねじ20は、先端キャップ10の所定の角度変位に対して適切な固定が行えるように構成されている。この構成により、シャフト18の内部と緊密に接触することによって、ルアー先端220の周りにシールを形成する。ねじ20は、公知のいかなるねじ式構成とでも協働するように構成することができ、ルアー先端220に対する先端キャップ10の位置を維持するための保持力を増加させることができる。あるいは、シャフト18を、それに限定されないが、摺動ルアー接続を含む他の公知のいかなる接続構成によって構成してもよい。
【0021】
図3は、本発明による先端キャップ10を、側方から先端キャップ本体12の短軸42に沿って見たところを示す。好ましくは、図3から分かるように、シール基部16の部分16cは上部壁14の短軸42に沿って半径方向外方に延びている。部分16cは、使用者の指が先端キャップ10に対して下方に動きすぎることに対する防御壁として働くことができる。部分16cによって、関連する注射器本体、特に殺菌されている部分への不注意による接触を防止することができる。
【0022】
図4は、本発明による先端キャップ10を上から見たところを示す。この図は、上部壁14が実質的に非円形であることを示す。好ましくは、上部壁14は細長く、長軸40および短軸42を有する。本発明による上部壁14は、好ましくは、非円形の楕円形に形成され、それによって上部壁14で形成される細長い把持面50を形成する。把持面50(たとえば図2参照)は、長軸40に沿って形成される面に限定される必要はなく、短軸42に沿って形成される面を含むことができる。さらに、把持面50は、長軸および短軸40、42の両方に沿って延在する面を含むことができる。図9に関して記述されるように、非円形の上部壁14を用いると、使用者が先端キャップ10を把握し、先端キャップ10に回転力(トルク)を、同時に強く先端キャップ10を把持する必要なしに掛けることができるようになる。さらに、本発明の非円形の上部壁14によって、先端キャップ10は、従来技術の円形先端キャップでしばしば起こったような使用者から転がり離れる可能性がなくなる。
【0023】
図4aおよび4bは、図4の切断線4a−4aおよび4b−4bに沿った本発明による先端キャップの断面を示す。断面4a−4aおよび4b−4bに示すように、好ましくは、シャフト18は中空で、内壁および外壁それぞれ54および56を有し、底端部で開口している。好ましくは、内孔58は、少なくとも部分的にシール基部16の中へ延びるように形成され、先端キャップ10が図2に示すように注射器200に取り付けられたとき底面16bを超えて延びるルアー先端を受け入れるように形作られ構成される。内孔58は、先端またはルアーの一般的な形状に適合するように内側を形作ることができる。たとえば、図4aに示すように、内孔58の内側端59は平坦な形状を有し、それが固定される注射器部分の形状と相補的になっている。内孔58の外面44は、製品を鋳型から抜くときに有利に働くように図示のようにほぼ円錐形にすることができる。また、底面16bに凹設された凹部52が図示されている。
【0024】
図5は、本発明による先端キャップ10の底面図である。図5には、シール基部16の底面16bが示されている。鋳造機械から先端キャップ10を容易に取り外せるように、1つまたは複数の凹部52をシール基部16に、図示のように底面16bに凹設して設けることができる。
【0025】
1つまたは複数の外側へ延出する小片またはタブ51を、シール基部16から延出する片持ち梁の形で形成して、本発明による先端キャップ10の機械による取り扱いを容易にすることができることも留意されるべきである。小片またはタブ51は、「フォーギビング(forgiving)」機械などの機械が、把持面50に係合することなく先端キャップ10を取り扱えるようにする。したがって、把持面51を取り扱う必要がある場合より簡単な、小片またはタブ51を係合する機械構成を使用することができる。4個のそのような小片またはタブが図5に示されているが、そのような構造の数および配置は必要に応じて変更されることが当業者には理解されよう。
【0026】
図6、6a、7に示されるように、先端キャップ10は上部壁14表面に凹凸を付けることができる。たとえば、図6に示す先端キャップ10は、上部壁14の外面上に複数のリブ60を備える。リブ60は、強力な把持面を使用者に提供するために、上部壁14の外面に凹凸を形成する。当業者にとって、また本明細書に記載された開示から明らかなように、リブの配置と数は、使用者に所望の触感および把持特性を提供するために変化させることができる。さらに、この実施形態では表面の凹凸がリブとして示されているが、上部壁14の表面を、替わりに他のタイプの凹凸または表面構造にして、触感を提供し、把持力をさらに増すことができる。当業者には理解され、また図6aに示されるように、上部壁14は、たとえば別法として複数の小さな窪みや、それに限定されないが、米国ニューハンプシャ州SalemのStandex International Corp.により商標「MOLD−TECH」の下に維持されているライブラリに見られる凹凸を含めて他の公知の凹凸にすることができる。
【0027】
次に図7を参照すると、リブ60の輪郭を見ることができる。好ましくは、リブ60は、上部壁14の外面上に長い方の壁の部分(長軸40に沿って配置されている)に沿って配置される。このように、リブ60は、使用者が先端キャップ10を回転させるためにそれを把持するところに配置される。それに加えて、リブ60はさらに、使用者の指に喰い込まないような表面を提供する。図7に示されるように、先端キャップ10の本体12の断面輪郭は、把持面50に形成された複数の溝62を有する楕円形である。したがって、楕円形把持面50は、高トルクの取付け/取外し状態の下で、使用者の指に押し込まれるような突起物をもたない。別の凹凸を、図7に示すのと同じ位置に配置することもできる。
【0028】
次に図8を参照すると、従来技術のキャップをその中心軸の周りに回転させるために使用者によって掛けられる力を示す力の線図が示されている。図8は、中心軸82を有する従来技術の先端キャップの円形上部壁80を示しており、上部壁80は使用者の手84によって把握されている。使用者の手84が、上部壁80の表面に直角な把持力86を掛けているところが図示されている。キャップを回転させるために、使用者は先端キャップに回転力(トルク)も掛けなければならない。たとえば、先端キャップを時計方向に回転させるために、使用者は、上部壁80に対して接線方向の力88を掛ける。同様に、先端キャップを半時計方向に回転させるために、使用者は、上部壁80の回転軸に対して接線方向に力89を掛ける。使用者が掛けなければならない把持力86の大きさは、先端キャップを回転させるのに必要な回転力に比例する。たとえば、固く締められた先端キャップを回転させるとき、使用者は先端キャップを、より緩く締められた先端キャップに対するよりも固く把持しなければならない。
【0029】
図9に、本発明による先端キャップ10を回転させるために使用者によって掛けられる力を示す力の線図を示す。図9は、本発明による先端キャップ10の上面図であり、中心軸90を有し、使用者の手92によって把握されている非円形上部壁14を示す。キャップを半時計方向に回転させるために、使用者は力94を上部壁14に掛ける。同様に、先端キャップを時計方向に回転させるために、使用者は力96を上部壁14に掛ける。従来技術の設計とは対照的に、本発明による先端キャップ10の使用者は、それをねじ係合させ、またはねじ係合から解除するためには、先端キャップ10に単に回転力を掛ければよく、大きな把持力は必要ない。
【0030】
より詳細には、先端キャップの開閉は、キャップ、およびそれと相補的な容器または他の相補的接続構成の螺旋ねじ上のある位置に先端キャップを保持しようとする力に打ち勝つのに十分な力を先端キャップに加えて、キャップを回転させて開位置または閉位置のいずれかからキャップを移動させることによって行う。ねじ式キャップを回転させる力は、キャップの回転軸からある距離位置で回転軸に対し接線方向に掛けられる。図8に記載されているように、従来技術の丸いキャップを回転させるためには、キャップを中心軸周りに回すだけでなく、それを保持するのに十分な力でキャップを把握しなければならない。したがって、力は、キャップを回転させるために回転軸に対して接線方向に加え、キャップを保持するためにキャップ表面に対して垂直に加えなければならない。キャップを保持するために加える力は回転させるのに加える力に比例し、このため、特に、たとえば固く取り付けられたキャップを回転させるとき、把持力および回転力の両方を加えるのをより困難にする。
【0031】
対照的に、本発明による先端キャップ10は、それを容易に回転させるためのレバーアームを使用者に提供する楕円形把持部を有する。好ましくは、図9に示すように、上部壁14上の、長軸40に沿う中心軸90からの距離「d」の任意の点98位置で、使用者が先端キャップ10を把握する。力94または96が上部壁14に直接加えられる。丸いキャップと異なって、回転力(94または96)は点98位置で上部壁14に対して直角に加えられるので、使用者が先端キャップ10を、滑るのを防ぐために把持する必要はない。上部壁14が長さ「d」のレバーアームとして作用して、先端キャップ10を回転させるための機械的利点を提供する。
【0032】
注射器本体用にねじ付き接続部が設けられていない場合でも、先端キャップ10を取り外すのに回転力を用いることがある。たとえば、先端キャップ10を、それが摺動ルアー接続によって取り付けられているルアーからねじって外すことができる。したがって、上記のトルク上の利点は、この場合や同様な場合についても利点となる。
【0033】
本発明の先端キャップ10は、先端キャップを通して注射器の先端を容易に見ることができるように、透明な鋳造熱可塑性材料製でもよい。代表的な材料としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、および塩化ポリビニルがある。透明な先端キャップを提供することは本発明の範囲内であるが、収集された試料に実施される実験の種類を明示するカラーコード付きの先端キャップを提供することも本発明の範囲内である。
【0034】
本発明の先端キャップ10を、非円形の楕円形上部壁14を有する好ましい一実施形態に関して詳細に記述してきたが、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、先端キャップ上部壁14の様々な変更実施形態が考案されることは、当業者にとって、また本明細書に記載された開示から明らかなはずである。たとえば、先端キャップ10は、トルクの発生を強化するために、代替形状や追加の把持要素などの変更を別様に含んでもよい。上部壁14の代替形状には、上記の好ましい実施形態の非円形の楕円形状に加えて、本発明の先端キャップ10のトルク低減特性を実現する卵型、正方形や長方形などの多角形、その他の非円形の形状を含み得る。さらに、別の代替実施形態には、上部壁14の周囲に半径方向に突出する構造が配置された先端キャップ上部壁14を含み得る。突出構造は、延伸した把持面50を使用者に提供し、延伸把持面50は、使用者が回転させるとき、図1〜7、および9に関連して上記に述べたように、先端キャップ10に掛かるトルクを増加させるレバーアームとして作用する。
【0035】
把持要素は、先端キャップ10にトルクを加えるに際し容易に把持できる面を使用者に提供するように、別様に構成することができる。把持要素は、様々な代替形状を取ることができ、たとえば、先端キャップ10は、星型に製作してもよく、またその外周に沿って配置された半径方向に延在する構造を有してもよい。あるいは、先端キャップ10は、正方形や長方形を有するように形作ることもできる。
【0036】
当業者には理解されるように、様々な構成が上述の本発明の原理に帰属させることができる。非限定的な例として、図10a〜fを参照すると、本発明による先端キャップ10の代替実施形態が示されている。図10aは、拡張された把持要素を使用者に提供するためにフランジ104を上部壁14に隣接して配置し、そのフランジが上部壁から半径方向にシール基部16の縁まで外向きに延在する代替実施形態を示す。ただし、フランジの大きさおよび寸法は、先端キャップを回転させる力を加えるのに十分な大きさの面を使用者に提供するために、変化させることができることに留意すべきである。好ましくは、フランジ104はそれぞれ、外向きに延在する半径方向長さが、円周方向に延在するそれぞれの幅より長い。さらに、追加フランジ104は、図10aに示された実施形態をさらに変形して使用することができる。さらに、追加の把持要素を提供するために、図10aの実施形態ではリブ102を設けることができる。先端キャップ10の中心からフランジ104の縁までの半径方向距離は、リブ102の縁までの半径方向距離より長いことに留意すべきである。
【0037】
図10bは、シール基部16から突き出した全体として凹形の2つの弓形構造108を有する別の代替実施形態を示す。弓形構造108は、やはりシール基部16から延出する支持部110によって強固に一体に結合されている。構造108は、使用者が先端キャップ10にトルクを掛けるために握り易い面を提供する。さらに図10cに示すように、弓形構造108の大きさと寸法は、たとえば把持面の寸法を大きくするために、変化させることができる。図10bおよび10cの実施形態はレセプタクル(receptacle)形状のキャップ把持面を有さないことが当業者にとって明らかであることはさらに留意すべきである。それゆえ、これら実施形態では、蒸気オートクレーブ処理中に湿気を停留させない。それに加えて、ばらで貯蔵したとき、互いに入り組んでしまう傾向にならないという利点をさらに有する。
【0038】
次に図10dを参照すると、使用者が先端キャップ10にトルクを掛けるのに把持し易い面を提供するために、シール基部16から延出する中心構造112を有し、中心構造112の周りに好ましくは90度間隔で配置された複数の構造114を有する別の代替実施形態が示されている。図10dは、本発明に従って外側構造114の数および間隔を変更することにより変更してもよく、さらに、構造112および114は円筒形として示されているが、たとえば多角形のような他のいかなる形状を使用してもよい。
【0039】
図10eに、本発明による先端キャップ10が、複数のリブ120を上部壁14の周りに離間して設けるために壁断面を波形にすることにより直径が増加した上部壁14を有する別の代替実施形態を示す。リブ120は、使用者が把持する面の角度を変化させることにより向上型把持面を使用者に提供するリブ間曲面122によって相互に連結されている。このようにして、使用者は、先端キャップ10の回転軸に対して接線方向ではない面を保持することができる。
【0040】
図10fは、使用者が先端キャップ10にトルクを加えるのに把持し易い面を提供するために、本発明による先端キャップ10が多角形で長方形の上部壁14を有する別の代替実施形態を示す。当業者には明らかなように、長方形の上部壁の寸法は、たとえば把持面の寸法を増すために変化させることができ、また他の多角形構成を使用することができる。さらに、上部壁14の多角形面は、回転軸の接線に対して垂直な力を掛けるための面を使用者に提供する。
【0041】
当業者が本発明の装置を実施することができるように本発明の好ましい実施形態を記述してきたが、添付特許請求の範囲に定義された本発明の概念および意図から逸脱することなく、様々な変形形態および変更形態を採用することができることが理解される。たとえば、上部壁の形状は、長軸および短軸を長くし、または短くすることによって変えることができる。あるいは、上部壁を、たとえば長方形など好ましくは細長い他の非円形形状にすることができる。したがって、上記の説明は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものとして使用するべきではない。本発明の範囲は、添付特許請求の範囲を参照することによってのみ決定されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤用のシリンジの先端を覆うための先端キャップであって、
前記先端キャップ(10)は、上面(16a)と下面(16b)とを有する基部(16)と、前記上面(16a)から延出し且つ前記上面(16a)と実質的に直交する角度で見たとき強制されていない状態で実質的に非円形の断面を維持する上壁(14)を有する本体(12)と、前記下面(16b)から延出するシャフト(18)と、を有し、
前記シャフト(18)は、前記シリンジの先端を取り外し可能に受けるような形状に内部が形成され、
前記先端キャップ(10)は、前記先端キャップの前記シャフト(18)に取り外し可能に前記先端が受け入れられ、かつ前記先端キャップ(10)が前記シリンジから取り外されるまで、前記シリンジの先端を連続的にシールすると共にシリンジ内の薬剤を収容する連続的で途切れのないシール面を形成し、
前記シリンジ内の薬剤は前記キャップ(10)を取り外した状態で前記シリンジの先端を通じて使用可能になることを特徴とする先端キャップ。
【請求項2】
前記非円形断面は楕円であることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項3】
前記非円形断面は卵形であることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項4】
前記非円形断面は長方形であることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項5】
前記非円形断面は1対の弓形構造で構成されることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項6】
前記非円形断面は多角形であることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項7】
前記非円形断面は、前記先端キャップの中心軸の周りに配置された複数の円筒構造で構成されることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項8】
前記上部壁は、凹凸の付いた表面を有することを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項9】
前記凹凸の付いた表面は複数のリブを備えることを特徴とする請求項8に記載の先端キャップ。
【請求項10】
前記凹凸の付いた表面は複数の窪みを備えることを特徴とする請求項8に記載の先端キャップ。
【請求項11】
前記上部面は、円周上に離間された複数のリブを備えることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項12】
前記先端キャップを注射器に接続する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項13】
前記接続手段は摺動ルアー接続を備えることを特徴とする請求項12に記載の先端キャップ。
【請求項14】
前記接続手段は螺旋ねじを備えることを特徴とする請求項12に記載の先端キャップ。
【請求項15】
先端を有する注射器と、前記注射器先端を封止的に覆うための先端キャップとを備えた注射器アセンブリであって、
前記先端キャップ(10)は、上面(16a)と下面(16b)とを有する基部(16)と、前記上面(16a)から延出し且つ前記上面(16a)と実質的に直交する角度で見たとき強制されていない状態で実質的に非円形の断面を維持する上壁(14)を有する本体(12)と、前記下面(16b)から延出するシャフト(18)と、を有し、
前記シャフト(18)は、前記シリンジの先端を取り外し可能に受けるような形状に内部が形成され、
前記先端キャップ(10)は、前記先端キャップの前記シャフト(18)に取り外し可能に前記先端が受け入れられ、かつ前記先端キャップ(10)が前記シリンジから取り外されるまで、前記シリンジの先端を連続的にシールすると共にシリンジ内の薬剤を収容する連続的で途切れのないシール面を形成し、
前記シリンジ内の薬剤は前記キャップ(10)を取り外した状態で前記シリンジの先端を通じて使用可能になることを特徴とする注射器アセンブリ。
【請求項16】
前記筒は非円形楕円断面を有することを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項17】
前記筒は卵形断面を有することを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項18】
前記筒は長方形断面を有することを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項19】
前記非円形断面は1対の弓形構造で構成されることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項20】
前記非円形断面は多角形であることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項21】
前記非円形断面は、前記先端キャップの中心軸周りに配置された複数の円筒構造で構成されることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項22】
前記上部壁は、少なくとも部分的に前記上面の周上に配置されていることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項23】
前記筒の外面は、凹凸の付いた表面をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項24】
前記凹凸の付いた表面は、複数のリブを備えることを特徴とする請求項23に記載の注射器アセンブリ。
【請求項25】
前記凹凸の付いた表面は、複数の窪みを備えることを特徴とする請求項23に記載の注射器アセンブリ。
【請求項26】
前記凹凸の付いた表面は、複数の半径方向に延出するフランジを備えることを特徴とする請求項23に記載の注射器アセンブリ。
【請求項27】
前記先端キャップを注射器に接続する手段をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項28】
前記接続手段は摺動ルアー接続であることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項29】
前記接続手段は螺旋ねじであることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項30】
凹設された内孔が、前記基部の前記下面を通って少なくとも部分的に延在することを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項31】
前記注射器先端は、前記先端キャップが前記注射器の前記注射器先端を覆う際に、少なくとも部分的に前記内孔中に延出することを特徴とする請求項30に記載の注射器アセンブリ。
【請求項1】
薬剤用のシリンジの先端を覆うための先端キャップであって、
前記先端キャップ(10)は、上面(16a)と下面(16b)とを有する基部(16)と、前記上面(16a)から延出し且つ前記上面(16a)と実質的に直交する角度で見たとき強制されていない状態で実質的に非円形の断面を維持する上壁(14)を有する本体(12)と、前記下面(16b)から延出するシャフト(18)と、を有し、
前記シャフト(18)は、前記シリンジの先端を取り外し可能に受けるような形状に内部が形成され、
前記先端キャップ(10)は、前記先端キャップの前記シャフト(18)に取り外し可能に前記先端が受け入れられ、かつ前記先端キャップ(10)が前記シリンジから取り外されるまで、前記シリンジの先端を連続的にシールすると共にシリンジ内の薬剤を収容する連続的で途切れのないシール面を形成し、
前記シリンジ内の薬剤は前記キャップ(10)を取り外した状態で前記シリンジの先端を通じて使用可能になることを特徴とする先端キャップ。
【請求項2】
前記非円形断面は楕円であることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項3】
前記非円形断面は卵形であることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項4】
前記非円形断面は長方形であることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項5】
前記非円形断面は1対の弓形構造で構成されることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項6】
前記非円形断面は多角形であることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項7】
前記非円形断面は、前記先端キャップの中心軸の周りに配置された複数の円筒構造で構成されることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項8】
前記上部壁は、凹凸の付いた表面を有することを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項9】
前記凹凸の付いた表面は複数のリブを備えることを特徴とする請求項8に記載の先端キャップ。
【請求項10】
前記凹凸の付いた表面は複数の窪みを備えることを特徴とする請求項8に記載の先端キャップ。
【請求項11】
前記上部面は、円周上に離間された複数のリブを備えることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項12】
前記先端キャップを注射器に接続する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の先端キャップ。
【請求項13】
前記接続手段は摺動ルアー接続を備えることを特徴とする請求項12に記載の先端キャップ。
【請求項14】
前記接続手段は螺旋ねじを備えることを特徴とする請求項12に記載の先端キャップ。
【請求項15】
先端を有する注射器と、前記注射器先端を封止的に覆うための先端キャップとを備えた注射器アセンブリであって、
前記先端キャップ(10)は、上面(16a)と下面(16b)とを有する基部(16)と、前記上面(16a)から延出し且つ前記上面(16a)と実質的に直交する角度で見たとき強制されていない状態で実質的に非円形の断面を維持する上壁(14)を有する本体(12)と、前記下面(16b)から延出するシャフト(18)と、を有し、
前記シャフト(18)は、前記シリンジの先端を取り外し可能に受けるような形状に内部が形成され、
前記先端キャップ(10)は、前記先端キャップの前記シャフト(18)に取り外し可能に前記先端が受け入れられ、かつ前記先端キャップ(10)が前記シリンジから取り外されるまで、前記シリンジの先端を連続的にシールすると共にシリンジ内の薬剤を収容する連続的で途切れのないシール面を形成し、
前記シリンジ内の薬剤は前記キャップ(10)を取り外した状態で前記シリンジの先端を通じて使用可能になることを特徴とする注射器アセンブリ。
【請求項16】
前記筒は非円形楕円断面を有することを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項17】
前記筒は卵形断面を有することを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項18】
前記筒は長方形断面を有することを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項19】
前記非円形断面は1対の弓形構造で構成されることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項20】
前記非円形断面は多角形であることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項21】
前記非円形断面は、前記先端キャップの中心軸周りに配置された複数の円筒構造で構成されることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項22】
前記上部壁は、少なくとも部分的に前記上面の周上に配置されていることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項23】
前記筒の外面は、凹凸の付いた表面をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項24】
前記凹凸の付いた表面は、複数のリブを備えることを特徴とする請求項23に記載の注射器アセンブリ。
【請求項25】
前記凹凸の付いた表面は、複数の窪みを備えることを特徴とする請求項23に記載の注射器アセンブリ。
【請求項26】
前記凹凸の付いた表面は、複数の半径方向に延出するフランジを備えることを特徴とする請求項23に記載の注射器アセンブリ。
【請求項27】
前記先端キャップを注射器に接続する手段をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項28】
前記接続手段は摺動ルアー接続であることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項29】
前記接続手段は螺旋ねじであることを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項30】
凹設された内孔が、前記基部の前記下面を通って少なくとも部分的に延在することを特徴とする請求項15に記載の注射器アセンブリ。
【請求項31】
前記注射器先端は、前記先端キャップが前記注射器の前記注射器先端を覆う際に、少なくとも部分的に前記内孔中に延出することを特徴とする請求項30に記載の注射器アセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図6a】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図10e】
【図10f】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図6a】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図10e】
【図10f】
【公開番号】特開2011−19945(P2011−19945A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237909(P2010−237909)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【分割の表示】特願2004−571461(P2004−571461)の分割
【原出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【分割の表示】特願2004−571461(P2004−571461)の分割
【原出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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