注文管理サーバ、注文管理システム
【課題】客が注文した調理品目の調理過程を、わかりやすく正確に客に提示できるようにする。
【解決手段】注文元端末から注文を受けた調理品目毎に、その調理品目の調理過程管理データをその調理品目の注文元を識別するデータとともに格納したデータファイルを作成する。厨房端末から注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を受けて、当該調理品目のデータファイルに格納される調理過程管理データで管理される調理過程段階を次段階に更新する。データファイル毎に、そのデータファイルに対応する調理品目の、そのデータファイルに格納されている調理過程管理データにより特定される段階の調理完成度を表わす画像データを検出して、データファイルに格納されている注文元識別データで特定される注文元端末が有する画像表示装置に出力する。
【解決手段】注文元端末から注文を受けた調理品目毎に、その調理品目の調理過程管理データをその調理品目の注文元を識別するデータとともに格納したデータファイルを作成する。厨房端末から注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を受けて、当該調理品目のデータファイルに格納される調理過程管理データで管理される調理過程段階を次段階に更新する。データファイル毎に、そのデータファイルに対応する調理品目の、そのデータファイルに格納されている調理過程管理データにより特定される段階の調理完成度を表わす画像データを検出して、データファイルに格納されている注文元識別データで特定される注文元端末が有する画像表示装置に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理品目を注文した顧客に、その調理品目の調理過程を通知できる飲食店向けの注文管理サーバ及びこの装置を用いた注文管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、来客者が調理進捗状況を把握できる飲食物提供システムを開示する。このシステムは、飲食店の各テーブルに電子メニューとテーブル表示装置を設け、厨房に厨房表示装置を設ける。各テーブルの電子メニュー及びテーブル表示装置と、厨房表示装置とは、通信回線で接続する。
【0003】
電子メニューを介して客の注文が入力されると、システムは、その注文内容を厨房表示装置に表示させる。注文を確認した調理人が厨房表示装置で確認操作を行うと、システムは、当該注文をした客が着いているテーブルのテーブル表示装置に、例えば「受け付けました」の文字情報を表示させる。注文を受けた調理品目の調理にかかる際に調理人が厨房表示装置で宣言操作を行うと、システムは、前記テーブル表示装置の表示文字情報を例えば「受け付けました」から「調理中」に代える。調理された品目を配膳する際に店員が厨房表示装置で宣言操作を行うと、システムは、前記テーブル表示装置の表示文字情報を例えば「調理中」から「配膳中」に代える。
【0004】
したがって、飲食店のテーブルに着いた客は、テーブル表示装置に表示される文字情報により、次の1〜3の状況を知ることができる。
状況1:自身が注文した品目は、厨房で受付けられたが、未だ調理されていない。
状況2:自身が注文した品目は、調理中である。
状況3.自身が注文した品目は、間もなく配膳される。
【0005】
すなわち客は、注文した調理品目が調理中であるか否か、あるいは、間もなく配膳されるか否かに関して把握することはできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の飲食物提供システムは、注文した品目が調理中であることを客が把握できたとしても、調理過程のどの段階まで捗っているのかといった詳細な状況までを客が把握することはできない。調理中の品目がいつ頃出来上がるのかわからないと、客に不安感を与え、客のストレスが高まるという懸念がある。
【0007】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、客が注文した調理品目の調理過程を、わかりやすく正確に客に提示することができ、顧客満足度を高め得る注文管理サーバ及びこの装置を用いた注文管理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の注文管理サーバは、調理品目を調理する過程の一段階毎に、その段階の調理完成度を表わす画像データを記憶する画像記憶手段と、例えば注文元端末から注文を受けた調理品目毎に、その調理品目の調理過程管理データをその調理品目の注文元を識別するデータとともに格納したデータファイルを作成するファイル作成手段と、データファイルを保存するファイル保存手段と、例えば厨房端末から注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を受けて、ファイル保存手段に保存されている当該調理品目の前記データファイルに格納される調理過程管理データで管理される調理過程段階を次段階に更新するデータ更新手段と、ファイル保存手段に保存されているデータファイル毎に、そのデータファイルに対応する調理品目の、そのデータファイルに格納されている調理過程管理データにより特定される段階の調理完成度を表わす画像データを画像記憶手段から検出する画像検出手段と、この画像検出手段により検出した画像データを、当該画像データに対応する調理品目のデータファイルに格納されている注文元識別データで特定される例えば注文元端末が有する画像表示装置に出力する画像出力手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、客が注文した調理品目の調理過程を、わかりやすく正確に客に提示することができ、顧客満足度を高め得る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態である注文管理システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態において使用する品目データベースで記憶されるデータの構成を示す図。
【図3】同実施形態において使用する調理過程データベースで記憶されるデータの構成を示す図。
【図4】同実施形態において使用する画像データベースで記憶されるデータの構成を示す図。
【図5】同実施形態における電子メニュー端末の要部構成を示すブロック図。
【図6】同実施形態における厨房端末の要部構成を示すブロック図。
【図7】同実施形態における注文管理サーバの要部構成を示すブロック図。
【図8】同実施形態において、注文管理サーバで作成される注文品管理ファイルのデータ構造を示す図。
【図9】同実施形態において、電子メニュー端末と注文管理サーバと厨房端末との間の主要なデータのやり取りを示す模式図。
【図10】同実施形態において、注文管理サーバのCPUが実行する注文データ受信処理の手順を示す流れ図。
【図11】同実施形態において、注文管理サーバのCPUが実行する調理タスク終了処理の手順を示す流れ図。
【図12】同実施形態において、注文管理サーバのCPUが実行する注文品状況応答処理の手順を示す流れ図。
【図13】同実施形態において、厨房端末で表示される調理指示画面の一例を示す平面図。
【図14】同実施形態において、電子メニュー端末で表示される受付完了画面の一例を示す平面図。
【図15】同実施形態において、電子メニュー端末で表示される調理状況画面の一例を示す平面図。
【図16】同実施形態において、電子メニュー端末で表示される注文品完成画面の一例を示す平面図。
【図17】本発明において、調理完成度を表わす画像データの他の例を示す図。
【図18】図17の例を用いたときの調理状況画面の一例を示す平面図。
【図19】図17の例を用いたときの注文品完成画面の一例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための一形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、テーブルに着いた客がそのテーブルに用意されている電子メニュー端末を利用して調理品目の注文を行うセルフオーダ対応の注文管理システムに本発明を適用した場合である。
【0012】
図1は、本実施形態における注文管理システム1の全体構成を示すブロック図である。注文管理システム1は、注文管理サーバ10と、データベースサーバ20と、複数の電子メニュー端末30と、複数の厨房端末40と、POS端末50とを備えている。
【0013】
注文管理サーバ10は、第1の通信回線61を介して、データベースサーバ20と各電子メニュー端末30とを接続している。また、注文管理サーバ10は、第2の通信回線62を介して各厨房端末40とPOS端末50とを接続している。第1,第2の通信回線61,62は、有線・無線を問わない。厨房端末40とPOS端末50とをそれぞれ第1の通信回線61に接続して、第2の通信回線62を省略することも可能である。
【0014】
データベースサーバ20は、品目データベース21、調理過程データベース22、画像データベース23等の種々のデータベースを管理するのに特化したコンピュータ機器である。
【0015】
飲食店において、客に提供される全ての調理品目に関する情報が、品目データベース21で記憶される。図2に示すように、1品目のデータとして、品目コード、品目名称、単価、メニュー用画像コード、完成品画像コード、調理過程コード等を、品目データベース21は記憶する。
【0016】
品目コードは、各調理品目を識別するために品目毎に割り当てられる。メニュー用画像コードは、電子メニュー端末30にメニュー画像として表示される当該調理品目の画像データを識別する。完成品画像コードは、電子メニュー端末30に完成品画像として表示される当該調理品目の画像データを識別する。調理過程コードは、当該メニュー品目の調理過程を示す調理過程データを識別する。メニュー画像は平面画像(二次元画像)であり、完成品画像は立体画像(三次元画像)である。
【0017】
各調理品目の調理過程に関する情報が、調理過程データベース22で記憶される。図3に示すように、1品目の調理過程を示すデータとして、調理過程コード、調理タスク数n、調理タスクコード、調理タスク名称、調理タスク画像コード等を、調理過程データベース22は記憶する。調理タスクコード、調理タスク名称及び調理タスク画像コードは、調理タスクの数nだけ存在する。
【0018】
調理過程コードは、異なる調理過程を識別するために調理過程の種類別に割り当てられる。調理品目が異なっても調理過程が同じであれば、品目データに同一の調理過程コードが設定される。調理タスク数nは、調理過程の段階数である。n段階の調理作業を行うことによって、調理品目が完成する。調理タスクコードは、i(1≦i≦n)段階目の調理タスクを識別する。調理タスク名称は、i段階目の調理タスクの内容を示す。調理タスク画像コードは、i段階目の調理タスクによる調理品目の完成度を表わす画像データを識別する。調理の完成度を表わす調理タスク画像は立体画像である。例えば、ハンバーガーのパテを焼くという調理タスクに対しては、パテを焼いている画の立体画像が調理タスク画像として用いられる。バンズを温めるという調理タスクに対しては、バンズを温めている画の立体画像が調理タスク画像として用いられる。
【0019】
前記メニュー用画像、完成品画像、調理タスク画像等の各種の画像データは、画像データベース23によって記憶される。図4に示すように、画像データベース23は、各種の画像データを、それぞれ対応する画像コードに関連付けて記憶する。
【0020】
ここに、品目データベース21、調理過程データベース22及び画像データベース23は、調理品目を調理する過程の一段階毎に、その段階の調理完成度を表わす画像データを記憶する画像記憶手段を構成する。
【0021】
図5は、電子メニュー端末30の要部構成を示すブロック図である。電子メニュー端末30は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)31を搭載している。そしてこのCPU31に、アドレスバス,データバス等のバスライン32を介して、ROM(Read Only Memory)33、RAM(Random Access Memory)34、通信インターフェース35、タッチパネルコントローラ36、表示コントローラ37等を接続している。
【0022】
通信インターフェース35は、第1の通信回線61を利用したデータ通信を司る。表示コントローラ37は、立体視ディスプレイ38の画面表示を制御する。立体視ディスプレイ38は、立体画像を立体視可能に表示する画像表示装置であって、その画面にタッチパネル39を配設している。タッチパネルコントローラ36は、タッチパネル39を制御してタッチ操作された画面上の座標信号を取り込む。各電子メニュー端末30は、飲食店の各テーブルに少なくとも1台ずつ設置されている。各電子メニュー端末30には、それぞれ固有のメニュー端末IDが設定されている。
【0023】
図6は、厨房端末40の要部構成を示すブロック図である。厨房端末40は、制御部本体としてCPU41を搭載している。そしてこのCPU41に、アドレスバス,データバス等のバスライン42を介して、ROM43、RAM44、通信インターフェース45、タッチパネルコントローラ46、表示コントローラ47等を接続している。
【0024】
通信インターフェース45は、第2の通信回線62を利用したデータ通信を司る。表示コントローラ47は、ディスプレイ48の画面表示を制御する。ディスプレイ48は、平面画像を表示する画像表示装置であって、その画面にタッチパネル49を配設している。タッチパネルコントローラ46は、タッチパネル49を制御してタッチ操作された画面上の座標信号を取り込む。厨房は、調理品目のカテゴリ毎に区分されており、1区画に少なくとも1台の厨房端末40が設置されている。各厨房端末40には、設置区画の厨房で調理される品目のコードリストが設定されている。
【0025】
図7は、注文管理サーバ10の要部構成を示すブロック図である。注文管理サーバ10は、制御部本体としてCPU11を搭載している。そしてこのCPU11に、アドレスバス,データバス等のバスライン12を介して、ROM13、RAM14、第1通信インターフェース15、第2通信インターフェース16、HDD(Hard Disk Drive)装置17等を接続している。
【0026】
第1通信インターフェース15は、第1の通信回線61を利用したデータ通信を司る。第2通信インターフェース16は、第2の通信回線62を利用したデータ通信を司る。HDD装置17は、注文品管理ファイル18の保存部として機能する。
【0027】
注文管理サーバ10は、電子メニュー端末30から調理品目の注文を受けると、その調理品目毎に注文品管理ファイル18を作成する。図8に示すように、注文品管理ファイル18には、メニュー端末ID、品目コード、品目名称、調理過程コード、調理タスク数n、処理タスク数iが格納される。また、n段階の調理過程を管理する調理過程管理データとして調理タスク1〜nの各コード、名称及び画像コードが、それぞれステータスを付して格納される。ステータスは、対応する調理タスクが未処理のときは“0”であり、調理中になると“1”に更新され、調理が終了すると“2”に更新される。
【0028】
図9の模式図は、電子メニュー端末30と注文管理サーバ10と厨房端末40との間の主要なデータのやり取りを示している。図10〜図12の流れ図は、注文管理サーバ10のCPU11が実行する主要な処理の手順を示している。以下、これらの図を参照して、注文管理システム1の本発明に係る作用を説明する。
【0029】
電子メニュー端末30は、注文受付モードと在席モードとを有する。テーブルに着いた客から調理品目の注文を受けるまでは注文受付モードが設定され、注文を受けると在席モードに切り替わる。その後、このテーブルに着いた客の会計がPOS端末50で終了すると、注文受付モードに復帰する。
【0030】
注文受付モードでは、電子メニュー端末30のCPU31は、品目データベース21と画像データベース23の各データに基づいて電子メニュー画面のデータを生成する。各調理品目の名称、単価及びメニュー用画像の一覧が、電子メニュー画面に配置される。電子メニュー画面は、立体視ディスプレイ38に表示される。
【0031】
テーブルに着いた客は、電子メニュー画面から注文する調理品目を探し出し、この品目のメニュー用画像にタッチする。CPU31は、タッチパネルコントローラ36で検知されたタッチ位置の座標信号により、タッチされたメニュー用画像の調理品目を注文品として検出する。そして、この注文品の品目コードとメニュー端末IDとを含む注文データを生成し、通信インターフェース35を介して注文管理サーバ10に送信する(図9のP1)。ここに、電子メニュー端末30は、調理品目の注文を受付けて注文管理サーバ10に通知する注文受付手段を備えた注文元端末として機能する。
【0032】
上記注文データを受信すると、注文管理サーバ10のCPU11は、図10の流れ図に示す手順の注文データ受信処理を開始する。この処理の機能は、ROM13に記憶されたプログラムにより実現される。
【0033】
先ず、CPU11は、受信した注文データを解析する(ST1)。そして、この注文データから、メニュー端末IDと注文品の品目コードとを取得する(ST2)。品目コードを取得したならば、CPU11は、品目データベース21を検索して、取得した品目コードがセットされている品目データを検出する(ST3)。そして、検出した品目データから調理過程コードを取得する(ST4)。調理過程コードを取得したならば、CPU11は、調理過程データベース22を検索して、取得した調理過程コードがセットされている調理過程データを検出する(ST5)。
【0034】
こうして、注文品の品目データと調理過程データとをそれぞれ検出したならば、CPU11は、処理タスク数iを“1”に設定する(ST6)。そして、検出された調理過程データに含まれるi段階目の調理タスクコードのステータスを“1”と設定し、他の段階の調理タスクコードのステータスを“0”と設定する(ST7)。しかる後、CPU11は、図8に示すデータ構造の注文品管理ファイル18をRAM14上で作成する(ST8:ファイル作成手段)。
【0035】
CPU11は、注文データに他の注文品の品目コードが含まれているか否かを判断する(ST9)。電子メニュー端末30において、2品目以上の注文が同時になされた場合、1つの注文データに複数の注文品の品目コードが含まれる。注文データに他の注文品の品目コードが含まれている場合には(ST9のYES)、CPU11は、前記ステップST2〜ST8の処理を再度実行する。すなわちCPU11は、他の注文品に対する注文品管理ファイル18を作成する。
【0036】
注文データに含まれている全ての注文品について注文品管理ファイル18が作成されると(ST9のNO)、CPU11は、注文品管理ファイル18を基に、注文品毎に調理指示データを生成する(ST10)。調理指示データには、注文品管理ファイル18のメニュー端末ID、品目コード、品目名称、調理過程コード、調理タスク数n、n段階の調理タスクコード及び調理タスク名称が含まれる。CPU11は、第2通信インターフェース16を介して厨房端末40に調理指示データを送信する(図9のP2:ST11)。
【0037】
また、CPU11は、注文品管理ファイル18を基に、注文を発した電子メニュー端末30に対する注文受付データを生成する(ST12)。注文受付データには、注文品管理ファイル18のメニュー端末ID、品目コード、品目名称が含まれる。また、品目コードに関連付けて品目データベース21で記憶されている単価と、注文数量及び金額と、その合計も含まれる。CPU11は、第1通信インターフェース15を介して電子メニュー端末30に注文受付データを送信する(図9のP3:ST13)。
【0038】
しかる後、CPU11は、作成した全ての注文品管理ファイル18をHDD装置17に保存する。以上で、注文データ受信処理は終了する。ここに、HDD装置17は、ファイル保存手段を構成する。
【0039】
なお、注文データ受信処理は、注文受付データの生成及び送信を先に実行し、後から調理指示データの生成及び送信を実行してもよい。また、注文データ受信処理は、注文品管理ファイル18の保存処理を、注文受付データ及び調理指示データの生成及び送信処理より前に行ってもよい。
【0040】
各厨房端末40のCPU41は、通信インターフェース45を介して調理指示データを受信すると、このデータに含まれる品目コードが自己に設定されたコードリストに含まれているか否かを判断する。含まれていない場合、CPU41は調理指示データを破棄する。含まれている場合、CPU41は調理指示画面70をディスプレイ48に表示させる(図9のQ1)。
【0041】
調理指示画面70の一例を図13に示す。図13に示すように、調理指示画面70には、調理指示データに含まれるメニュー端末IDと品目名称とn段階の各調理タスク名とが表示される。また、調理タスク名毎に状況表示部71が付加されている。
【0042】
状況表示部71は、当初、1段階目の調理タスク名に対して「実施中」が表示され、2段階目以降の調理タスク名に対しては「未処理」が表示される。「実施中」の状況表示部71(図13では太枠で示している)は、タッチ操作が可能である。調理人は、「実施中」が表示されている調理タスクを実行する。そしてこのタスクが終了すると、「実施中」の状況表示部71をタッチ操作する。
【0043】
厨房端末40のCPU41は、「実施中」の状況表示部71がタッチ操作されると、該当する調理タスクの終了コマンドを生成する。終了コマンドには、タッチ操作された状況表示部71に対応して表示されているメニュー端末IDと注文品の品目コードとが含まれる。CPU41は、通信インターフェース45を介して終了コマンドを注文管理サーバ10に送信する(図9のP3)。
【0044】
また、CPU41は、タッチ操作された状況表示部71を「実施中」から「済」に変更し、次段階の状況表示部71を「未処理」から「実施中」に変更する。なお、次段階の状況表示部71が存在せず、全ての状況表示部71が「済」に変更された場合には、CPU41は、調理指示画面70から当該注文品のデータを削除する。ここに、厨房端末40は、注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を行う通知手段を備えている。
【0045】
調理タスク終了コマンドを受信すると、注文管理サーバ10のCPU11は、図11の流れ図に示す手順の調理タスク終了処理を開始する。この処理の機能は、ROM13に記憶されたプログラムにより実現される。
【0046】
先ず、CPU11は、受信した調理タスクコマンドからメニュー端末IDと品目コードを取得する(ST21)。そして、取得したメニュー端末IDと品目コードとが設定されている注文品管理ファイル18をHDD装置17からRAM14に読み出す(ST22)。
【0047】
次に、CPU11は、読み出した注文品管理ファイル18から処理タスク数iを取得する。そして、i段階目の調理タスクコードに対応するステータスを“1”から“2”に更新する(ST23)。次に、CPU11は、処理タスク数iを“1”だけ増加する(ST24)。そして、処理タスク数iが調理タスク数nを超えたか否かを判断する(ST25)。
【0048】
n段階の調理タスクがある注文品に対して(n−1)段階までの調理タスクに対する終了コマンドを受信した場合には、処理タスク数iが調理タスク数nを超えない。この場合(ST25のNO)、CPU11は、i番目の調理タスクコードのステータスを“1”に更新する(ST26:データ更新手段)。しかる後、CPU11は、注文品管理ファイル18をHDD装置17に上書きする(ST27)。以上で、調理タスク終了処理は終了する。
【0049】
一方、n段階の調理タスクがある注文品に対して最終のn段階の調理タスクに対する終了コマンドを受信した場合には、処理タスク数iが調理タスク数nを超える。この場合(ST25のYES)、CPU11は、この注文品管理ファイル18に含まれる品目コードで品目データベース21を検索して、注文品の完成品画像コードを検出する(ST28)。さらに、CPU11は、この完成品画像コードで画像データベース23を検索して、該当注文品の完成品画像データを検出する(ST29)。
【0050】
CPU11は、注文品完成通知データを生成する(ST30)。このデータには、調理タスク終了コマンドに含まれていたメニュー端末ID及び品目コードと、画像データベース23が検出した完成品画像データとが含まれる。CPU11は、第1通信インターフェース15を介して電子メニュー端末30に注文品完成通知データを送信する(図9のP7:ST31)。しかる後、CPU11は、HDD装置17から当該注文品の管理ファイル18を削除する(ST32)。以上で、調理タスク終了処理は終了する。
【0051】
各電子メニュー端末30のCPU31は、通信インターフェース35を介して注文受付データを受信すると、このデータに含まれるメニュー端末IDが自己に設定されたIDと一致するか否かを判断する。一致しない場合は、CPU11は、注文受付データを破棄する。一致する場合には、CPU11は、受付完了画面80を立体視ディスプレイ38に表示させる(図9のQ2)。
【0052】
受付完了画面80の一例を図14に示す。図14に示すように、受付完了画面80には、各注文品の名称、単価、注文点数及び金額とその合計が表示される。また、注文品毎に、状況確認ボタン81が表示される。
【0053】
注文品の調理進捗状況を確認したい場合、客は状況確認ボタン81にタッチする。電子メニュー端末30のCPU31は、状況確認ボタン81がタッチ操作されると、注文品状況問合せコマンドを生成する。このコマンドには、メニュー端末IDと、タッチ操作された状況確認ボタン81に対応する注文品の品目コードとが含まれる。CPU31は、通信インターフェース35を介して注文管理サーバ10に注文品状況問合せコマンドを送信する(図9のP5)。
【0054】
注文品状況問合せコマンドを受信すると、注文管理サーバ10のCPU11は、図12の流れ図に示す手順の注文品状況応答処理を開始する。この処理の機能は、ROM13に記憶されたプログラムにより実現される。
【0055】
先ず、CPU11は、受信した注文品状況問合せコマンドからメニュー端末IDと品目コードを取得する(ST41)。そして、取得したメニュー端末IDと品目コードとが設定されている注文品管理ファイル18をHDD装置17からRAM14に読み出す(ST42)。
【0056】
次に、CPU11は、読み出した注文品管理ファイル18からステータスが“1”に設定されている調理タスクの名称と画像コードとを取得する(ST43)。さらに、CPU11は、この調理タスク画像コードで画像データベース23を検索して、該当する調理タスク画像データを検出する(ST44:画像検出手段)。
【0057】
CPU11は、注文品状況応答データを生成する(ST45)。このデータには、注文品状況問合せコマンドに含まれていたメニュー端末ID及び品目コードと、画像データベース23から検出した調理タスク画像データとが含まれる。CPU11は、第1通信インターフェース15を介して電子メニュー端末30に注文品状況応答データを送信する(図9のP6:ST46:画像出力手段)。以上で、注文品状況応答処理は終了する。
【0058】
各電子メニュー端末30のCPU31は、通信インターフェース35を介して注文品状況応答データを受信すると、このデータに含まれるメニュー端末IDが自己に設定されたIDと一致するか否かを判断する。一致しない場合は、CPU11は、注文品状況応答データを破棄する。一致する場合には、CPU11は、注文品の調理状況画面90を立体視ディスプレイ38に表示させる(図9のQ3)。
【0059】
調理状況画面90の一例を図15に示す。図15に示すように、調理状況画面90には、画面中央の画像表示部91に調理タスク画像データの立体画像が表示される。また、調理タスクのコメントと、注文品の名称も表示される。調理タスクのコメントは、注文品状況応答データに含まれる調理タスク名称から作成される。注文品の名称は、同注文品状況応答データに含まれる品目コードから検索される。
【0060】
各電子メニュー端末30のCPU31は、通信インターフェース35を介して注文品完成通知データを受信すると、このデータに含まれるメニュー端末IDが自己に設定されたIDと一致するか否かを判断する。一致しない場合は、CPU11は、注文品完成通知データを破棄する。一致する場合には、CPU11は、注文品の調理完成画面100を立体視ディスプレイ38に表示させる(図9のQ4)。
【0061】
調理完成画面100の一例を図16に示す。図16に示すように、調理完成画面100には、画面中央の画像表示部101に完成品画像データの立体画像が表示される。また、調理品の完成を通知するコメントと、注文品の名称も表示される。調理品の完成を通知するコメントは、予め設定されている。注文品の名称は、注文品完成通知データに含まれる品目コードから検索される。
【0062】
このように、テーブルの電子メニュー端末30を操作して調理品目を注文した客は、この端末30の立体視ディスプレイ38上で調理品目毎に調理状況画面90をいつでも閲覧することができる。ここで、調理状況画面90に表示される調理タスク画像は、その調理品目に対して厨房で現在実施されている作業タスクを示すものである。したがって、客はテーブルに居ながらにして、調理タスク画像の内容から、注文した調理品目の調理がどの程度捗っているのかを正確に把握することができる。
【0063】
しかも、調理タスク画像は、その調理タスクの内容を立体的に示したものであり、電子メニュー端末30のディスプレイは立体視ディスプレイ38であるため、客は調理タスクの立体画像を立体視可能に見ることができる。したがって、客は、調理タスクの内容を容易に理解することができる。その結果、客のストレスを軽減することができ、顧客満足度を大いに高めることができる。
【0064】
また、注文品の調理過程が全て終了して注文品が完成した際には、この注文品の注文を受付けた電子メニュー端末30の立体視ディスプレイ38に、注文品の完成画像が立体視可能に表示される。したがって、注文品の完成画像を確認した客は、注文品がまもなく配膳されることを知り得る。しかも、配膳される注文品のイメージを完成画像から得られるので、顧客満足度をより一層高めることができる。
【0065】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0066】
例えば前記実施形態では、調理完成度を表わす画像データとして、一段階毎にその段階の調理内容を示す立体画像データを記憶したが、調理完成度を表わす画像データは、これに限定されるものではない。調理完成度を表わす画像データの他の形態を図17に示す。図17において、画像データ111は調理過程の初期段階であり、画像データ112は調理過程の中期段階であり、画像データ113は調理過程の最終段階である。画像データ111内の調理品目画像H1は、飛び出し量の小さい立体画像である。画像データ113内の調理品目画像H3は、飛び出し量の大きい立体画像である。画像データ112内の調理品目画像H2は、飛び出し量が中程度の立体画像である。各画像データ111〜113内の棒状の要素Kは、スケールを示している。
【0067】
すなわち、この他の形態は、調理完成度を表わす画像データとして、調理完成度が高まるにつれて飛び出し量が大きくなる調理品目の立体画像データを記憶した場合である。画像データ111に対応した調理状況画面の一例を図18に示す。また、画像データ113に対応した注文品完成画面の一例を図19に示す。図18,図19から明らかなように、客は、調理品目画像の飛び出し量の高さから、調理過程の進捗状況を容易に把握することができる。
【0068】
また、前記実施形態では、注文管理サーバ10に内蔵されたHDD装置17をファイル保存手段として機能させたが、ファイル保存手段はこれに限定されるものではない。注文管理サーバ10内のRAM14に注文品管理ファイル18を記憶させてもよい。また、注文管理サーバ10に外付けされたHDD装置やフラッシュメモリ等の記憶媒体に、注文品管理ファイル18を書き込むようにしてもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、受付完了画面80の状況確認ボタン81が操作されると、そのボタンに対応する注文品の調理状況画面90を表示させるようにした。しかし、注文品の調理過程が1段階進む毎に、自動的に最新の調理状況画面90を表示させるようにしてもよい。
【0070】
すなわち、注文管理サーバ10のCPU11が実行する調理タスク終了処理において、そのステップST27で注文品管理ファイル18をHDD装置17に上書きする前に、注文品状況応答処理のステップST43〜ST46の処理を実行する。そうすることにより、注文品の調理過程が1段階進む毎に、電子メニュー端末30に最新の調理状況画面90を自動的に表示させることができる。
【0071】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…注文管理システム、10…注文管理サーバ、18…注文品管理ファイル、20…データベースサーバ、21…品目データベース、22…調理過程データベース、23…画像データベース、30…電子メニュー端末、38…立体視ディスプレイ、40…厨房端末、70…調理指示画面、80…受付完了画面、90…調理状況画面、100…調理完成画面。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2002−342847号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理品目を注文した顧客に、その調理品目の調理過程を通知できる飲食店向けの注文管理サーバ及びこの装置を用いた注文管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、来客者が調理進捗状況を把握できる飲食物提供システムを開示する。このシステムは、飲食店の各テーブルに電子メニューとテーブル表示装置を設け、厨房に厨房表示装置を設ける。各テーブルの電子メニュー及びテーブル表示装置と、厨房表示装置とは、通信回線で接続する。
【0003】
電子メニューを介して客の注文が入力されると、システムは、その注文内容を厨房表示装置に表示させる。注文を確認した調理人が厨房表示装置で確認操作を行うと、システムは、当該注文をした客が着いているテーブルのテーブル表示装置に、例えば「受け付けました」の文字情報を表示させる。注文を受けた調理品目の調理にかかる際に調理人が厨房表示装置で宣言操作を行うと、システムは、前記テーブル表示装置の表示文字情報を例えば「受け付けました」から「調理中」に代える。調理された品目を配膳する際に店員が厨房表示装置で宣言操作を行うと、システムは、前記テーブル表示装置の表示文字情報を例えば「調理中」から「配膳中」に代える。
【0004】
したがって、飲食店のテーブルに着いた客は、テーブル表示装置に表示される文字情報により、次の1〜3の状況を知ることができる。
状況1:自身が注文した品目は、厨房で受付けられたが、未だ調理されていない。
状況2:自身が注文した品目は、調理中である。
状況3.自身が注文した品目は、間もなく配膳される。
【0005】
すなわち客は、注文した調理品目が調理中であるか否か、あるいは、間もなく配膳されるか否かに関して把握することはできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の飲食物提供システムは、注文した品目が調理中であることを客が把握できたとしても、調理過程のどの段階まで捗っているのかといった詳細な状況までを客が把握することはできない。調理中の品目がいつ頃出来上がるのかわからないと、客に不安感を与え、客のストレスが高まるという懸念がある。
【0007】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、客が注文した調理品目の調理過程を、わかりやすく正確に客に提示することができ、顧客満足度を高め得る注文管理サーバ及びこの装置を用いた注文管理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の注文管理サーバは、調理品目を調理する過程の一段階毎に、その段階の調理完成度を表わす画像データを記憶する画像記憶手段と、例えば注文元端末から注文を受けた調理品目毎に、その調理品目の調理過程管理データをその調理品目の注文元を識別するデータとともに格納したデータファイルを作成するファイル作成手段と、データファイルを保存するファイル保存手段と、例えば厨房端末から注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を受けて、ファイル保存手段に保存されている当該調理品目の前記データファイルに格納される調理過程管理データで管理される調理過程段階を次段階に更新するデータ更新手段と、ファイル保存手段に保存されているデータファイル毎に、そのデータファイルに対応する調理品目の、そのデータファイルに格納されている調理過程管理データにより特定される段階の調理完成度を表わす画像データを画像記憶手段から検出する画像検出手段と、この画像検出手段により検出した画像データを、当該画像データに対応する調理品目のデータファイルに格納されている注文元識別データで特定される例えば注文元端末が有する画像表示装置に出力する画像出力手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、客が注文した調理品目の調理過程を、わかりやすく正確に客に提示することができ、顧客満足度を高め得る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態である注文管理システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態において使用する品目データベースで記憶されるデータの構成を示す図。
【図3】同実施形態において使用する調理過程データベースで記憶されるデータの構成を示す図。
【図4】同実施形態において使用する画像データベースで記憶されるデータの構成を示す図。
【図5】同実施形態における電子メニュー端末の要部構成を示すブロック図。
【図6】同実施形態における厨房端末の要部構成を示すブロック図。
【図7】同実施形態における注文管理サーバの要部構成を示すブロック図。
【図8】同実施形態において、注文管理サーバで作成される注文品管理ファイルのデータ構造を示す図。
【図9】同実施形態において、電子メニュー端末と注文管理サーバと厨房端末との間の主要なデータのやり取りを示す模式図。
【図10】同実施形態において、注文管理サーバのCPUが実行する注文データ受信処理の手順を示す流れ図。
【図11】同実施形態において、注文管理サーバのCPUが実行する調理タスク終了処理の手順を示す流れ図。
【図12】同実施形態において、注文管理サーバのCPUが実行する注文品状況応答処理の手順を示す流れ図。
【図13】同実施形態において、厨房端末で表示される調理指示画面の一例を示す平面図。
【図14】同実施形態において、電子メニュー端末で表示される受付完了画面の一例を示す平面図。
【図15】同実施形態において、電子メニュー端末で表示される調理状況画面の一例を示す平面図。
【図16】同実施形態において、電子メニュー端末で表示される注文品完成画面の一例を示す平面図。
【図17】本発明において、調理完成度を表わす画像データの他の例を示す図。
【図18】図17の例を用いたときの調理状況画面の一例を示す平面図。
【図19】図17の例を用いたときの注文品完成画面の一例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための一形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、テーブルに着いた客がそのテーブルに用意されている電子メニュー端末を利用して調理品目の注文を行うセルフオーダ対応の注文管理システムに本発明を適用した場合である。
【0012】
図1は、本実施形態における注文管理システム1の全体構成を示すブロック図である。注文管理システム1は、注文管理サーバ10と、データベースサーバ20と、複数の電子メニュー端末30と、複数の厨房端末40と、POS端末50とを備えている。
【0013】
注文管理サーバ10は、第1の通信回線61を介して、データベースサーバ20と各電子メニュー端末30とを接続している。また、注文管理サーバ10は、第2の通信回線62を介して各厨房端末40とPOS端末50とを接続している。第1,第2の通信回線61,62は、有線・無線を問わない。厨房端末40とPOS端末50とをそれぞれ第1の通信回線61に接続して、第2の通信回線62を省略することも可能である。
【0014】
データベースサーバ20は、品目データベース21、調理過程データベース22、画像データベース23等の種々のデータベースを管理するのに特化したコンピュータ機器である。
【0015】
飲食店において、客に提供される全ての調理品目に関する情報が、品目データベース21で記憶される。図2に示すように、1品目のデータとして、品目コード、品目名称、単価、メニュー用画像コード、完成品画像コード、調理過程コード等を、品目データベース21は記憶する。
【0016】
品目コードは、各調理品目を識別するために品目毎に割り当てられる。メニュー用画像コードは、電子メニュー端末30にメニュー画像として表示される当該調理品目の画像データを識別する。完成品画像コードは、電子メニュー端末30に完成品画像として表示される当該調理品目の画像データを識別する。調理過程コードは、当該メニュー品目の調理過程を示す調理過程データを識別する。メニュー画像は平面画像(二次元画像)であり、完成品画像は立体画像(三次元画像)である。
【0017】
各調理品目の調理過程に関する情報が、調理過程データベース22で記憶される。図3に示すように、1品目の調理過程を示すデータとして、調理過程コード、調理タスク数n、調理タスクコード、調理タスク名称、調理タスク画像コード等を、調理過程データベース22は記憶する。調理タスクコード、調理タスク名称及び調理タスク画像コードは、調理タスクの数nだけ存在する。
【0018】
調理過程コードは、異なる調理過程を識別するために調理過程の種類別に割り当てられる。調理品目が異なっても調理過程が同じであれば、品目データに同一の調理過程コードが設定される。調理タスク数nは、調理過程の段階数である。n段階の調理作業を行うことによって、調理品目が完成する。調理タスクコードは、i(1≦i≦n)段階目の調理タスクを識別する。調理タスク名称は、i段階目の調理タスクの内容を示す。調理タスク画像コードは、i段階目の調理タスクによる調理品目の完成度を表わす画像データを識別する。調理の完成度を表わす調理タスク画像は立体画像である。例えば、ハンバーガーのパテを焼くという調理タスクに対しては、パテを焼いている画の立体画像が調理タスク画像として用いられる。バンズを温めるという調理タスクに対しては、バンズを温めている画の立体画像が調理タスク画像として用いられる。
【0019】
前記メニュー用画像、完成品画像、調理タスク画像等の各種の画像データは、画像データベース23によって記憶される。図4に示すように、画像データベース23は、各種の画像データを、それぞれ対応する画像コードに関連付けて記憶する。
【0020】
ここに、品目データベース21、調理過程データベース22及び画像データベース23は、調理品目を調理する過程の一段階毎に、その段階の調理完成度を表わす画像データを記憶する画像記憶手段を構成する。
【0021】
図5は、電子メニュー端末30の要部構成を示すブロック図である。電子メニュー端末30は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)31を搭載している。そしてこのCPU31に、アドレスバス,データバス等のバスライン32を介して、ROM(Read Only Memory)33、RAM(Random Access Memory)34、通信インターフェース35、タッチパネルコントローラ36、表示コントローラ37等を接続している。
【0022】
通信インターフェース35は、第1の通信回線61を利用したデータ通信を司る。表示コントローラ37は、立体視ディスプレイ38の画面表示を制御する。立体視ディスプレイ38は、立体画像を立体視可能に表示する画像表示装置であって、その画面にタッチパネル39を配設している。タッチパネルコントローラ36は、タッチパネル39を制御してタッチ操作された画面上の座標信号を取り込む。各電子メニュー端末30は、飲食店の各テーブルに少なくとも1台ずつ設置されている。各電子メニュー端末30には、それぞれ固有のメニュー端末IDが設定されている。
【0023】
図6は、厨房端末40の要部構成を示すブロック図である。厨房端末40は、制御部本体としてCPU41を搭載している。そしてこのCPU41に、アドレスバス,データバス等のバスライン42を介して、ROM43、RAM44、通信インターフェース45、タッチパネルコントローラ46、表示コントローラ47等を接続している。
【0024】
通信インターフェース45は、第2の通信回線62を利用したデータ通信を司る。表示コントローラ47は、ディスプレイ48の画面表示を制御する。ディスプレイ48は、平面画像を表示する画像表示装置であって、その画面にタッチパネル49を配設している。タッチパネルコントローラ46は、タッチパネル49を制御してタッチ操作された画面上の座標信号を取り込む。厨房は、調理品目のカテゴリ毎に区分されており、1区画に少なくとも1台の厨房端末40が設置されている。各厨房端末40には、設置区画の厨房で調理される品目のコードリストが設定されている。
【0025】
図7は、注文管理サーバ10の要部構成を示すブロック図である。注文管理サーバ10は、制御部本体としてCPU11を搭載している。そしてこのCPU11に、アドレスバス,データバス等のバスライン12を介して、ROM13、RAM14、第1通信インターフェース15、第2通信インターフェース16、HDD(Hard Disk Drive)装置17等を接続している。
【0026】
第1通信インターフェース15は、第1の通信回線61を利用したデータ通信を司る。第2通信インターフェース16は、第2の通信回線62を利用したデータ通信を司る。HDD装置17は、注文品管理ファイル18の保存部として機能する。
【0027】
注文管理サーバ10は、電子メニュー端末30から調理品目の注文を受けると、その調理品目毎に注文品管理ファイル18を作成する。図8に示すように、注文品管理ファイル18には、メニュー端末ID、品目コード、品目名称、調理過程コード、調理タスク数n、処理タスク数iが格納される。また、n段階の調理過程を管理する調理過程管理データとして調理タスク1〜nの各コード、名称及び画像コードが、それぞれステータスを付して格納される。ステータスは、対応する調理タスクが未処理のときは“0”であり、調理中になると“1”に更新され、調理が終了すると“2”に更新される。
【0028】
図9の模式図は、電子メニュー端末30と注文管理サーバ10と厨房端末40との間の主要なデータのやり取りを示している。図10〜図12の流れ図は、注文管理サーバ10のCPU11が実行する主要な処理の手順を示している。以下、これらの図を参照して、注文管理システム1の本発明に係る作用を説明する。
【0029】
電子メニュー端末30は、注文受付モードと在席モードとを有する。テーブルに着いた客から調理品目の注文を受けるまでは注文受付モードが設定され、注文を受けると在席モードに切り替わる。その後、このテーブルに着いた客の会計がPOS端末50で終了すると、注文受付モードに復帰する。
【0030】
注文受付モードでは、電子メニュー端末30のCPU31は、品目データベース21と画像データベース23の各データに基づいて電子メニュー画面のデータを生成する。各調理品目の名称、単価及びメニュー用画像の一覧が、電子メニュー画面に配置される。電子メニュー画面は、立体視ディスプレイ38に表示される。
【0031】
テーブルに着いた客は、電子メニュー画面から注文する調理品目を探し出し、この品目のメニュー用画像にタッチする。CPU31は、タッチパネルコントローラ36で検知されたタッチ位置の座標信号により、タッチされたメニュー用画像の調理品目を注文品として検出する。そして、この注文品の品目コードとメニュー端末IDとを含む注文データを生成し、通信インターフェース35を介して注文管理サーバ10に送信する(図9のP1)。ここに、電子メニュー端末30は、調理品目の注文を受付けて注文管理サーバ10に通知する注文受付手段を備えた注文元端末として機能する。
【0032】
上記注文データを受信すると、注文管理サーバ10のCPU11は、図10の流れ図に示す手順の注文データ受信処理を開始する。この処理の機能は、ROM13に記憶されたプログラムにより実現される。
【0033】
先ず、CPU11は、受信した注文データを解析する(ST1)。そして、この注文データから、メニュー端末IDと注文品の品目コードとを取得する(ST2)。品目コードを取得したならば、CPU11は、品目データベース21を検索して、取得した品目コードがセットされている品目データを検出する(ST3)。そして、検出した品目データから調理過程コードを取得する(ST4)。調理過程コードを取得したならば、CPU11は、調理過程データベース22を検索して、取得した調理過程コードがセットされている調理過程データを検出する(ST5)。
【0034】
こうして、注文品の品目データと調理過程データとをそれぞれ検出したならば、CPU11は、処理タスク数iを“1”に設定する(ST6)。そして、検出された調理過程データに含まれるi段階目の調理タスクコードのステータスを“1”と設定し、他の段階の調理タスクコードのステータスを“0”と設定する(ST7)。しかる後、CPU11は、図8に示すデータ構造の注文品管理ファイル18をRAM14上で作成する(ST8:ファイル作成手段)。
【0035】
CPU11は、注文データに他の注文品の品目コードが含まれているか否かを判断する(ST9)。電子メニュー端末30において、2品目以上の注文が同時になされた場合、1つの注文データに複数の注文品の品目コードが含まれる。注文データに他の注文品の品目コードが含まれている場合には(ST9のYES)、CPU11は、前記ステップST2〜ST8の処理を再度実行する。すなわちCPU11は、他の注文品に対する注文品管理ファイル18を作成する。
【0036】
注文データに含まれている全ての注文品について注文品管理ファイル18が作成されると(ST9のNO)、CPU11は、注文品管理ファイル18を基に、注文品毎に調理指示データを生成する(ST10)。調理指示データには、注文品管理ファイル18のメニュー端末ID、品目コード、品目名称、調理過程コード、調理タスク数n、n段階の調理タスクコード及び調理タスク名称が含まれる。CPU11は、第2通信インターフェース16を介して厨房端末40に調理指示データを送信する(図9のP2:ST11)。
【0037】
また、CPU11は、注文品管理ファイル18を基に、注文を発した電子メニュー端末30に対する注文受付データを生成する(ST12)。注文受付データには、注文品管理ファイル18のメニュー端末ID、品目コード、品目名称が含まれる。また、品目コードに関連付けて品目データベース21で記憶されている単価と、注文数量及び金額と、その合計も含まれる。CPU11は、第1通信インターフェース15を介して電子メニュー端末30に注文受付データを送信する(図9のP3:ST13)。
【0038】
しかる後、CPU11は、作成した全ての注文品管理ファイル18をHDD装置17に保存する。以上で、注文データ受信処理は終了する。ここに、HDD装置17は、ファイル保存手段を構成する。
【0039】
なお、注文データ受信処理は、注文受付データの生成及び送信を先に実行し、後から調理指示データの生成及び送信を実行してもよい。また、注文データ受信処理は、注文品管理ファイル18の保存処理を、注文受付データ及び調理指示データの生成及び送信処理より前に行ってもよい。
【0040】
各厨房端末40のCPU41は、通信インターフェース45を介して調理指示データを受信すると、このデータに含まれる品目コードが自己に設定されたコードリストに含まれているか否かを判断する。含まれていない場合、CPU41は調理指示データを破棄する。含まれている場合、CPU41は調理指示画面70をディスプレイ48に表示させる(図9のQ1)。
【0041】
調理指示画面70の一例を図13に示す。図13に示すように、調理指示画面70には、調理指示データに含まれるメニュー端末IDと品目名称とn段階の各調理タスク名とが表示される。また、調理タスク名毎に状況表示部71が付加されている。
【0042】
状況表示部71は、当初、1段階目の調理タスク名に対して「実施中」が表示され、2段階目以降の調理タスク名に対しては「未処理」が表示される。「実施中」の状況表示部71(図13では太枠で示している)は、タッチ操作が可能である。調理人は、「実施中」が表示されている調理タスクを実行する。そしてこのタスクが終了すると、「実施中」の状況表示部71をタッチ操作する。
【0043】
厨房端末40のCPU41は、「実施中」の状況表示部71がタッチ操作されると、該当する調理タスクの終了コマンドを生成する。終了コマンドには、タッチ操作された状況表示部71に対応して表示されているメニュー端末IDと注文品の品目コードとが含まれる。CPU41は、通信インターフェース45を介して終了コマンドを注文管理サーバ10に送信する(図9のP3)。
【0044】
また、CPU41は、タッチ操作された状況表示部71を「実施中」から「済」に変更し、次段階の状況表示部71を「未処理」から「実施中」に変更する。なお、次段階の状況表示部71が存在せず、全ての状況表示部71が「済」に変更された場合には、CPU41は、調理指示画面70から当該注文品のデータを削除する。ここに、厨房端末40は、注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を行う通知手段を備えている。
【0045】
調理タスク終了コマンドを受信すると、注文管理サーバ10のCPU11は、図11の流れ図に示す手順の調理タスク終了処理を開始する。この処理の機能は、ROM13に記憶されたプログラムにより実現される。
【0046】
先ず、CPU11は、受信した調理タスクコマンドからメニュー端末IDと品目コードを取得する(ST21)。そして、取得したメニュー端末IDと品目コードとが設定されている注文品管理ファイル18をHDD装置17からRAM14に読み出す(ST22)。
【0047】
次に、CPU11は、読み出した注文品管理ファイル18から処理タスク数iを取得する。そして、i段階目の調理タスクコードに対応するステータスを“1”から“2”に更新する(ST23)。次に、CPU11は、処理タスク数iを“1”だけ増加する(ST24)。そして、処理タスク数iが調理タスク数nを超えたか否かを判断する(ST25)。
【0048】
n段階の調理タスクがある注文品に対して(n−1)段階までの調理タスクに対する終了コマンドを受信した場合には、処理タスク数iが調理タスク数nを超えない。この場合(ST25のNO)、CPU11は、i番目の調理タスクコードのステータスを“1”に更新する(ST26:データ更新手段)。しかる後、CPU11は、注文品管理ファイル18をHDD装置17に上書きする(ST27)。以上で、調理タスク終了処理は終了する。
【0049】
一方、n段階の調理タスクがある注文品に対して最終のn段階の調理タスクに対する終了コマンドを受信した場合には、処理タスク数iが調理タスク数nを超える。この場合(ST25のYES)、CPU11は、この注文品管理ファイル18に含まれる品目コードで品目データベース21を検索して、注文品の完成品画像コードを検出する(ST28)。さらに、CPU11は、この完成品画像コードで画像データベース23を検索して、該当注文品の完成品画像データを検出する(ST29)。
【0050】
CPU11は、注文品完成通知データを生成する(ST30)。このデータには、調理タスク終了コマンドに含まれていたメニュー端末ID及び品目コードと、画像データベース23が検出した完成品画像データとが含まれる。CPU11は、第1通信インターフェース15を介して電子メニュー端末30に注文品完成通知データを送信する(図9のP7:ST31)。しかる後、CPU11は、HDD装置17から当該注文品の管理ファイル18を削除する(ST32)。以上で、調理タスク終了処理は終了する。
【0051】
各電子メニュー端末30のCPU31は、通信インターフェース35を介して注文受付データを受信すると、このデータに含まれるメニュー端末IDが自己に設定されたIDと一致するか否かを判断する。一致しない場合は、CPU11は、注文受付データを破棄する。一致する場合には、CPU11は、受付完了画面80を立体視ディスプレイ38に表示させる(図9のQ2)。
【0052】
受付完了画面80の一例を図14に示す。図14に示すように、受付完了画面80には、各注文品の名称、単価、注文点数及び金額とその合計が表示される。また、注文品毎に、状況確認ボタン81が表示される。
【0053】
注文品の調理進捗状況を確認したい場合、客は状況確認ボタン81にタッチする。電子メニュー端末30のCPU31は、状況確認ボタン81がタッチ操作されると、注文品状況問合せコマンドを生成する。このコマンドには、メニュー端末IDと、タッチ操作された状況確認ボタン81に対応する注文品の品目コードとが含まれる。CPU31は、通信インターフェース35を介して注文管理サーバ10に注文品状況問合せコマンドを送信する(図9のP5)。
【0054】
注文品状況問合せコマンドを受信すると、注文管理サーバ10のCPU11は、図12の流れ図に示す手順の注文品状況応答処理を開始する。この処理の機能は、ROM13に記憶されたプログラムにより実現される。
【0055】
先ず、CPU11は、受信した注文品状況問合せコマンドからメニュー端末IDと品目コードを取得する(ST41)。そして、取得したメニュー端末IDと品目コードとが設定されている注文品管理ファイル18をHDD装置17からRAM14に読み出す(ST42)。
【0056】
次に、CPU11は、読み出した注文品管理ファイル18からステータスが“1”に設定されている調理タスクの名称と画像コードとを取得する(ST43)。さらに、CPU11は、この調理タスク画像コードで画像データベース23を検索して、該当する調理タスク画像データを検出する(ST44:画像検出手段)。
【0057】
CPU11は、注文品状況応答データを生成する(ST45)。このデータには、注文品状況問合せコマンドに含まれていたメニュー端末ID及び品目コードと、画像データベース23から検出した調理タスク画像データとが含まれる。CPU11は、第1通信インターフェース15を介して電子メニュー端末30に注文品状況応答データを送信する(図9のP6:ST46:画像出力手段)。以上で、注文品状況応答処理は終了する。
【0058】
各電子メニュー端末30のCPU31は、通信インターフェース35を介して注文品状況応答データを受信すると、このデータに含まれるメニュー端末IDが自己に設定されたIDと一致するか否かを判断する。一致しない場合は、CPU11は、注文品状況応答データを破棄する。一致する場合には、CPU11は、注文品の調理状況画面90を立体視ディスプレイ38に表示させる(図9のQ3)。
【0059】
調理状況画面90の一例を図15に示す。図15に示すように、調理状況画面90には、画面中央の画像表示部91に調理タスク画像データの立体画像が表示される。また、調理タスクのコメントと、注文品の名称も表示される。調理タスクのコメントは、注文品状況応答データに含まれる調理タスク名称から作成される。注文品の名称は、同注文品状況応答データに含まれる品目コードから検索される。
【0060】
各電子メニュー端末30のCPU31は、通信インターフェース35を介して注文品完成通知データを受信すると、このデータに含まれるメニュー端末IDが自己に設定されたIDと一致するか否かを判断する。一致しない場合は、CPU11は、注文品完成通知データを破棄する。一致する場合には、CPU11は、注文品の調理完成画面100を立体視ディスプレイ38に表示させる(図9のQ4)。
【0061】
調理完成画面100の一例を図16に示す。図16に示すように、調理完成画面100には、画面中央の画像表示部101に完成品画像データの立体画像が表示される。また、調理品の完成を通知するコメントと、注文品の名称も表示される。調理品の完成を通知するコメントは、予め設定されている。注文品の名称は、注文品完成通知データに含まれる品目コードから検索される。
【0062】
このように、テーブルの電子メニュー端末30を操作して調理品目を注文した客は、この端末30の立体視ディスプレイ38上で調理品目毎に調理状況画面90をいつでも閲覧することができる。ここで、調理状況画面90に表示される調理タスク画像は、その調理品目に対して厨房で現在実施されている作業タスクを示すものである。したがって、客はテーブルに居ながらにして、調理タスク画像の内容から、注文した調理品目の調理がどの程度捗っているのかを正確に把握することができる。
【0063】
しかも、調理タスク画像は、その調理タスクの内容を立体的に示したものであり、電子メニュー端末30のディスプレイは立体視ディスプレイ38であるため、客は調理タスクの立体画像を立体視可能に見ることができる。したがって、客は、調理タスクの内容を容易に理解することができる。その結果、客のストレスを軽減することができ、顧客満足度を大いに高めることができる。
【0064】
また、注文品の調理過程が全て終了して注文品が完成した際には、この注文品の注文を受付けた電子メニュー端末30の立体視ディスプレイ38に、注文品の完成画像が立体視可能に表示される。したがって、注文品の完成画像を確認した客は、注文品がまもなく配膳されることを知り得る。しかも、配膳される注文品のイメージを完成画像から得られるので、顧客満足度をより一層高めることができる。
【0065】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0066】
例えば前記実施形態では、調理完成度を表わす画像データとして、一段階毎にその段階の調理内容を示す立体画像データを記憶したが、調理完成度を表わす画像データは、これに限定されるものではない。調理完成度を表わす画像データの他の形態を図17に示す。図17において、画像データ111は調理過程の初期段階であり、画像データ112は調理過程の中期段階であり、画像データ113は調理過程の最終段階である。画像データ111内の調理品目画像H1は、飛び出し量の小さい立体画像である。画像データ113内の調理品目画像H3は、飛び出し量の大きい立体画像である。画像データ112内の調理品目画像H2は、飛び出し量が中程度の立体画像である。各画像データ111〜113内の棒状の要素Kは、スケールを示している。
【0067】
すなわち、この他の形態は、調理完成度を表わす画像データとして、調理完成度が高まるにつれて飛び出し量が大きくなる調理品目の立体画像データを記憶した場合である。画像データ111に対応した調理状況画面の一例を図18に示す。また、画像データ113に対応した注文品完成画面の一例を図19に示す。図18,図19から明らかなように、客は、調理品目画像の飛び出し量の高さから、調理過程の進捗状況を容易に把握することができる。
【0068】
また、前記実施形態では、注文管理サーバ10に内蔵されたHDD装置17をファイル保存手段として機能させたが、ファイル保存手段はこれに限定されるものではない。注文管理サーバ10内のRAM14に注文品管理ファイル18を記憶させてもよい。また、注文管理サーバ10に外付けされたHDD装置やフラッシュメモリ等の記憶媒体に、注文品管理ファイル18を書き込むようにしてもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、受付完了画面80の状況確認ボタン81が操作されると、そのボタンに対応する注文品の調理状況画面90を表示させるようにした。しかし、注文品の調理過程が1段階進む毎に、自動的に最新の調理状況画面90を表示させるようにしてもよい。
【0070】
すなわち、注文管理サーバ10のCPU11が実行する調理タスク終了処理において、そのステップST27で注文品管理ファイル18をHDD装置17に上書きする前に、注文品状況応答処理のステップST43〜ST46の処理を実行する。そうすることにより、注文品の調理過程が1段階進む毎に、電子メニュー端末30に最新の調理状況画面90を自動的に表示させることができる。
【0071】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…注文管理システム、10…注文管理サーバ、18…注文品管理ファイル、20…データベースサーバ、21…品目データベース、22…調理過程データベース、23…画像データベース、30…電子メニュー端末、38…立体視ディスプレイ、40…厨房端末、70…調理指示画面、80…受付完了画面、90…調理状況画面、100…調理完成画面。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2002−342847号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理品目を調理する過程の一段階毎に、その段階の調理完成度を表わす画像データを記憶する画像記憶手段と、
注文を受けた調理品目毎に、その調理品目の調理過程管理データをその調理品目の注文元を識別するデータとともに格納したデータファイルを作成するファイル作成手段と、
前記データファイルを保存するファイル保存手段と、
前記注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を受けて、前記ファイル保存手段に保存されている当該調理品目の前記データファイルに格納される調理過程管理データで管理される調理過程段階を次段階に更新するデータ更新手段と、
前記ファイル保存手段に保存されている前記データファイル毎に、そのデータファイルに対応する調理品目の、そのデータファイルに格納されている調理過程管理データにより特定される段階の前記調理完成度を表わす画像データを前記画像記憶手段から検出する画像検出手段と、
この画像検出手段により検出した画像データを、当該画像データに対応する調理品目の前記データファイルに格納されている注文元識別データで特定される注文元の画像表示装置に出力する画像出力手段と、
を具備したことを特徴とする注文管理サーバ。
【請求項2】
前記画像記憶手段は、調理完成度を表わす画像データとして、一段階毎にその段階の調理内容を示す立体画像データを記憶することを特徴とする請求項1記載の注文管理サーバ。
【請求項3】
前記画像記憶手段は、調理完成度を表わす画像データとして、調理完成度が高まるにつれて飛び出し量が大きくなる調理品目の立体画像データを記憶することを特徴とする請求項1記載の注文管理サーバ。
【請求項4】
請求項2または3記載の注文管理サーバと、
注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を行う通知手段を備えた厨房端末と、
画像表示装置として立体画像を立体視可能に表示できる立体視ディスプレイを備えるとともに、調理品目の注文を受付けて前記注文管理サーバに通知する注文受付手段を備えた注文元端末と、
を具備したことを特徴とする注文管理システム。
【請求項1】
調理品目を調理する過程の一段階毎に、その段階の調理完成度を表わす画像データを記憶する画像記憶手段と、
注文を受けた調理品目毎に、その調理品目の調理過程管理データをその調理品目の注文元を識別するデータとともに格納したデータファイルを作成するファイル作成手段と、
前記データファイルを保存するファイル保存手段と、
前記注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を受けて、前記ファイル保存手段に保存されている当該調理品目の前記データファイルに格納される調理過程管理データで管理される調理過程段階を次段階に更新するデータ更新手段と、
前記ファイル保存手段に保存されている前記データファイル毎に、そのデータファイルに対応する調理品目の、そのデータファイルに格納されている調理過程管理データにより特定される段階の前記調理完成度を表わす画像データを前記画像記憶手段から検出する画像検出手段と、
この画像検出手段により検出した画像データを、当該画像データに対応する調理品目の前記データファイルに格納されている注文元識別データで特定される注文元の画像表示装置に出力する画像出力手段と、
を具備したことを特徴とする注文管理サーバ。
【請求項2】
前記画像記憶手段は、調理完成度を表わす画像データとして、一段階毎にその段階の調理内容を示す立体画像データを記憶することを特徴とする請求項1記載の注文管理サーバ。
【請求項3】
前記画像記憶手段は、調理完成度を表わす画像データとして、調理完成度が高まるにつれて飛び出し量が大きくなる調理品目の立体画像データを記憶することを特徴とする請求項1記載の注文管理サーバ。
【請求項4】
請求項2または3記載の注文管理サーバと、
注文を受けた調理品目に対する調理過程の一段階が終了したことを示す通知を行う通知手段を備えた厨房端末と、
画像表示装置として立体画像を立体視可能に表示できる立体視ディスプレイを備えるとともに、調理品目の注文を受付けて前記注文管理サーバに通知する注文受付手段を備えた注文元端末と、
を具備したことを特徴とする注文管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−164853(P2011−164853A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25683(P2010−25683)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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