説明

注湯装置と注湯方法

【課題】容器の底にノズル孔を備えた注湯装置において、ノズル孔の閉塞防止は勿論のこと、ノズル孔に寸法変化をもたらすことなく、小径のノズル孔を用いても、金属溶湯の落下注湯を安定して且つ正確な寸法を保持して行うことができる注湯装置と、その装置を用いた注湯方法の提供を課題とする。
【解決手段】ノズル孔11を開口した注湯容器10と、ノズル孔11を進退自在に閉鎖及び開放するストッパー20とを備え、金属溶湯をノズル孔11から落下させて注湯を行う注湯装置であって、ストッパー20にはガス噴出口23を設けて、ノズル孔11に残留する金属溶湯をノズル孔11から下方に排出させるように構成し、注湯容器10の底部の外側には、ノズル孔11とその出口周辺を被覆するように酸化防止ガスを供給する酸化防止ガス供給手段30を設けて、ノズル孔11を通る溶湯の酸化を防止するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鋳鉄等の金属溶湯を注湯する注湯装置、注湯方法に関し、より詳しくはレオキャストプロセスに適した半溶融スラリーを得るのに適した注湯装置、注湯方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋳鉄、その他の金属溶湯を容器の底に設けられたノズル孔から下方に落下注湯させる注湯装置が、従来より提供されている。
溶融金属は冷えると凝固することから、注湯を停止することで、前記容器のノズル孔に凝固した金属が付着する問題が生じる。
凝固した金属がノズル孔に付着すると、単位時間当たりの注湯量が変化したり、注湯の流れに乱れが生じたりする問題が生じる。また付着した金属を取り除くためのメンテナンス作業が必要となる問題が生じる。
特に、ノズル孔から落下する溶湯の流れが所定の水平断面積となるように揃え、或いは落下する溶湯を液滴として、その個々の液滴の大きさを所定の容積に揃え、また落下中に生じる液滴の温度降下を所定の範囲に制御する、といった高度な注湯制御を目標とした新規技術開発の下においては、前記ノズル孔への僅かな異物の付着が注湯された溶湯の品質に大きな悪影響を及ぼすことになる。
【0003】
特開昭59−87968号公報(特許文献1)には、鋳込炉または他の冶金容器の底に設けられた出湯ノズル(4)に詰まったスラグを除去するための掃除装置として、出湯ノズル(4)を開閉する湯止棒(2)の中心部に貫通するプランジャ(3)を設けたストッパー装置が開示されている。
また特開平9−300065号公報(特許文献2)には、注湯容器(1)のノズル(2)の流路(5)に対して、下方から除去棒(3)を進退自在に侵入させ、これによって流路(5)に付着したスラグを除去する出湯ノズル掃除方法が開示されている。
また特開平9−300066号公報(特許文献3)には、底注ぎ取鍋(11)の内側に、注湯の停止、開始を行うストッパー(13)を設け、吐出ノズル(12)の清掃は、底注ぎ取鍋(11)を移動させた上で、下方から突き出し棒(14)を吐出ノズル(12)内に進退させて行うようにしたストッパー式底注ぎ取鍋の吐出ノズルの清掃装置が開示されている。
また特表2004−529777号公報(特許文献4)には、溶湯を保持する保持容器の中に設けられたストッパーに、内部チャンバ(1)、ガス放出ポート(2)、ロッド(4)を設けて、溶融金属の鋳込み中等において不活性ガス等を供給するようにしたストッパーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−87968号公報
【特許文献2】特開平9−300065号公報
【特許文献3】特開平9−300066号公報
【特許文献4】特表2004−529777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1〜3に開示するものでは、容器の底に設けられるノズル孔に対してプランジャ等の棒を侵入させる方式であることから、小径のノズル孔に対して適用しようとすると、プランジャ等の棒を極細くする必要があり、棒が破損しやすい問題が生じる。即ち、プランジャ等の棒は高温での使用に耐える必要があることからセラミックス等の脆性材料を用いる場合が多い。このため僅かな衝撃で簡単に破損してしまう問題がある。
またノズル孔に直接的にプランジャ等が侵入することで、ノズル孔が機械的に破損し或いは寸法変化をもたらす問題が生じる。このことは特に小径で且つ精密な寸法精度を必要とするノズル孔にあっては、致命的な問題を生じせしめる。
上記特許文献4に開示するものは、容器の底にある吐出しノズルに対して不活性ガス等を容器の内側から供給する構成を採用するものであるので、容器の内側にある吐出しノズル口及びその周辺への付着防止にはある程度の効果が期待されるものの、容器の外側にある吐出しノズルの口及びその周辺への付着防止が期待できず、結果として、特に小径のノズル孔に対する閉塞の阻止、更には小径で寸法精度を必要とするノズル孔の寸法変化を十分には阻止することができない問題を有していた。
【0006】
そこで本発明は上記従来の注湯装置の欠点を解消し、容器の底にノズル孔を備えた注湯装置において、ノズル孔の閉塞防止は勿論のこと、ノズル孔に寸法変化をもたらすことなく、小径のノズル孔を用いても、金属溶湯の落下注湯を安定して且つ正確な寸法を保持して行うことができる注湯装置の提供を課題とする。またそのような注湯装置を用いた正確で且つ安定した注湯方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の注湯装置は、金属溶湯を注湯するためのノズル孔を底部に開口した注湯容器と、該注湯容器の内側から前記ノズル孔を進退自在に閉鎖及び開放するストッパーとを備え、注湯容器に収容された金属溶湯を前記ノズル孔を介して注湯容器の底部から下方に落下させて注湯を行う注湯装置であって、
前記ストッパーには、該ストッパー内を通って導かれてきたガスを噴出させて前記注湯容器底部のノズル孔の入口から下方の出口へと貫通させるガス噴出口を設け、これによってノズル孔に残留する金属溶湯をノズル孔から下方に排出させるように構成し、
前記注湯容器の底部の外側には、前記ノズル孔とその出口周辺を被覆するように酸化防止ガスを供給する酸化防止ガス供給手段を設け、これによってノズル孔を通る溶湯の酸化を防止するように構成したことを第1の特徴としている。
また本発明の注湯装置は、上記第1の特徴に加えて、ストッパーのガス噴出口内への溶湯流入を防止するため、注湯中においても前記ガス噴出口にはガス圧を加えた状態とすることを第2の特徴としている。
また本発明の注湯装置は、上記第1又は第2の特徴に加えて、ストッパーのガス噴出口から噴出させるガスと酸化防止ガス供給手段から供給するガスは、それぞれ不活性ガス若しくは還元性ガスであることを第3の特徴としている。
また本発明の注湯装置は、上記第1〜第3の何れかに記載の特徴に加えて、注湯容器のノズル孔の径が1mm以上10mm以下であることを第4の特徴としている。
また本発明の注湯方法は、第1〜第4の何れかに記載の注湯装置を用い、注湯容器内での金属溶湯の保持温度を、初晶の晶出開始温度よりも20℃〜200℃高い温度範囲とし、その保持温度範囲から落下、注湯される金属溶湯を不連続な液滴状となるように調整し、且つ前記金属溶湯の液滴の落下を受ける受容器の容器温度を溶湯金属の固相線温度からそれより300℃低い温度までの温度範囲に保持することを第5の特徴としている。
また本発明の注湯方法は、上記第5の特徴に加えて、金属溶湯はCの含有量が0.8〜4.3重量%の過共析組成〜亜共晶組成の鋳鉄とし、液滴状で落下、注湯された溶湯をレオキャスト用半凝固スラリーとして用いることを第6の特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の注湯装置によれば、注湯容器内に保持されている金属溶湯は、ストパーの後退によって注湯容器の底のノズル孔が開放されることで、ノズル孔を通って注湯容器の下方に落下注湯される。またストッパーの進出によってノズル孔が閉鎖されることで、注湯が終了する。
前記ストッパーの進出によりノズル孔がストッパーによって閉鎖されると同時若しくは
少し遅れたタイミングで、ガスを前記ストッパーのガス噴出口から噴出させることで、該噴出されたガスが注湯容器底部の前記ノズル孔の入口から下方の出口へと貫通し、その結果として、ノズル孔内に残留している金属溶湯を凝固前に下方へ吹き飛ばして排出する。
加えて、注湯容器の底部の外側には、酸化防止ガス供給手段を設けて、該酸化防止ガス供給手段から供給される酸化防止ガスでノズル孔とその出口周辺を被覆するようにすることで、ノズル孔及びその出口周辺での溶湯金属の酸化を防止し、ノズル孔内及びノズル孔出口周辺への酸化物付着を防止することができる。
よって請求項1に記載の注湯装置によれば、酸化防止ガス供給手段により前記ノズル孔及びその周辺への酸化物付着を防止しながら前記ストッパーのガス噴出口からガスをノズル孔の入口へ向けて噴出させることで、ノズル孔内とその出口周辺に残留している金属溶湯を確実に排除することができる。これによりノズル孔の閉塞を防止することはもとより、ノズル孔への凝固物付着によるノズル孔の僅かな寸法変化を予防し、小径で且つ高寸法精度を必要とするノズル孔に至るまで、正確で且つ経時的な注湯変動を十分に抑制することが可能な落下注湯を安定して行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の注湯装置によれば、上記請求項1に記載の構成による作用効果に加えて、ストッパーのガス噴出口内への溶湯流入を防止するため、注湯中においても前記ガス噴出口にはガス圧を加えた状態とするようにしているので、
ノズル孔内の残留金属溶湯を排出させるためのガスが噴出待機状態にある注湯中において、注湯容器内の溶湯がガス噴出口内に侵入して凝固閉塞を起こすような状況となるのを確実に防止することができる。よって必要なときに確実に安定してガスをガス噴出口から噴出させることができ、注湯後にノズル孔内に残る残留金属溶湯を確実に排除することができる。
請求項3に記載の注湯装置によれば、上記請求項1又は2に記載の構成による作用効果に加えて、ストッパーのガス噴出口から噴出させるガスと酸化防止ガス供給手段から供給するガスは、それぞれ不活性ガス若しくは還元性ガスであるので、
ガス噴出孔からガスを噴出してノズル孔内に残留する金属溶湯を排出させる際、前記噴出させるガスが不活性ガスであることにより、残留金属溶湯の酸化を防止しながら排出を行うことができる。また更にガスが還元性ガスであれば、ノズル孔内で酸化せんとする残留金属溶湯を還元しながら、その付着を効果的に予防しつつ、外部へ確実に排出することはできる。加えてガス噴出孔から噴出させるガスを不活性ガス、還元性ガスとすることで、ストッパー内のガス通路の酸化による通路閉塞、ガス流の経時的変化を防止することができる。
同様に、酸化防止ガス供給手段から供給される酸化防止ガスが不活性ガスであることにより、ノズル孔及びその出口周辺を不活性ガス雰囲気とすることができ、注湯中を含むガス供給中でのノズル孔及びノズル孔出口周辺での金属溶湯の酸化を防止して酸化物の付着を予防することができる。更に酸化防止ガスを還元性ガスにすれば、ノズル孔及びノズル孔出口周辺での金属溶湯の酸化を強力に阻止して、酸化物の付着を十分確実に防止することができる。
【0010】
請求項4に記載の注湯装置によれば、上記請求項1〜3の何れかに記載の構成による作用効果に加えて、注湯容器のノズル孔の径が1mm以上10mm以下であることにより、
そのような孔径の小さなノズル孔を用いた注湯を行うことができる。更には金属溶湯を液滴状態で落下注湯することが可能となる。そしてその際、本発明ではノズル孔とその出口周辺を酸化防止ガスで酸化防止しながら、ストッパーのガス噴出口からのガスでノズル孔内に残留する金属溶湯を確実に排除することができることから、小さなノズル孔であっても、その閉塞を十分に予防し、またその寸法精度の変動を十分に予防して、正確な液滴注湯を安定して行うことが可能となる。
前記ノズル径が10mmを超える場合には、注湯落下中における金属溶湯の効果的な温度降下を確保することができず、レオキャスト用スラリーを得る場合に、スラリーに生じる初晶を粒状化するのが困難になる。また1mm未満の場合には、ノズル孔の閉塞リスクが高くなる問題と、溶湯の落下における温度降下が急となりすぎて、レオキャスト用スラリーを得るための温度制御が難しくなる。勿論、注湯に時間がかかりすぎる問題も生じる。
【0011】
請求項5に記載の注湯方法によれば、請求項1〜4の何れかに記載の構成による装置を用いて、注湯が行われる。注湯容器内での金属溶湯の保持温度は、その金属溶湯の初晶の晶出開始温度よりも20℃〜200℃高い温度範囲とされ、その保持温度で注湯が行われる。注湯は落下する金属溶湯が液滴状となるように調整される。液滴状の金属溶湯の落下を受ける受容器の容器温度は、溶湯金属の固相線温度からそれより300℃低い温度までの温度範囲に保持される。
上記のように金属溶湯の保持温度範囲と、液滴落下と、受容器の容器温度範囲とを確保することで、レオキャスト用スラリーとして、初晶が樹枝状ではなく、粒状化した良好なスラリーを容易に確実に得ることが可能となる。
注湯容器での金属溶湯の保持温度が初晶開始温度よりも20℃高い温度未満の場合は、ノズル孔が閉塞しやすく、注湯がうまく行えない。また保持温度が初晶開始温度よりも200℃高い温度を超える場合には、滴が受容器内に落下した際の温度を初晶の晶出温度付近まで下げるのが実質上困難となり、粒状化した初晶をもつレオキャスト用の半凝固スラリーを得ることが困難となる。金属溶湯の注湯容器内での保持温度を上記の範囲とすることで、粒状化した初晶をもつレオキャスト用半凝固スラリーを容易に、安定して得ることが可能となる。
また受容器の容器温度が、溶湯金属の固相線温度を超える場合は、半凝固スラリーを得ることができない。また固相線温度より300℃を超えて低い場合は、落下注湯された金属溶湯と受容器との温度差が大きすぎて、樹枝状の初晶が生じ、粒状化した初晶を得ることができない。
請求項6に記載の注湯方法によれば、請求項5に記載の構成による作用効果に加えて、Cの含有量が0.8〜4.3重量%の過共析組成〜亜共晶組成の鋳鉄によるレオキャストを行うことで、良好な鋳造組織による良好な機械的性質を有するレオキャスト鋳物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る注湯装置の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る注湯装置の注湯中における状態を示す要部の拡大図である。
【図3】本発明の実施形態に係る注湯装置において、ノズル孔がストッパーにより閉鎖されている状態を示す要部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面も参照して以下に説明する。
図1は実施形態に係る注湯装置の概略構成を示す。注湯装置は、注湯容器10とストッパー20と酸化防止ガス供給手段30とを少なくとも備えている。また注湯された金属溶湯を受ける受容器40、制御部50を備えている。
【0014】
前記注湯容器10は、注湯に供される金属溶湯を保持する容器である。この注湯容器10には、図示しない手段によって金属溶湯が流入される。勿論、注湯容器10内で固化金属を溶解して金属溶湯を得るように構成することも可能である。
注湯容器10は、その内部に保持される金属溶湯を所定の温度に保持するために、電磁誘導加熱等の加熱手段を付属させることができる。
注湯装置を、例えばC含有量が0.8〜4.3重量%の過共析組成〜亜共晶組成の鋳鉄のレオキャストに用いる場合には、注湯容器10での保持温度を前記組成の鋳鉄の初晶晶出温度よりも20℃〜200℃高い温度範囲とすることができる。
注湯容器10は移動可能とするが、固定的に設置されるものであってもよい。
【0015】
注湯容器10には、その底部10aにノズル孔11を開口している。ノズル孔11はノズル孔11用のブロック12に設けられ、該ブロック12は注湯容器10に対して取替可能に取り付けることができるようにして、一体化されている。
注湯容器10内に収容された金属溶湯は前記ノズル孔11を通って注湯容器10の下方に落下されることで、注湯が行われる。
前記ノズル孔11の入口側である上部乃至上半部は、すり鉢状の凹陥部11aに構成されており、ストッパー20の下端部20aを受け入れることで、閉鎖できるようになされている。
ノズル孔11の前記凹陥部11aより下の部分が、実質的なノズル孔11となっている。この実質的なノズル孔11は円形孔とすることができる。この円形孔の口径が、従来のものに比べて非常に小さいことが本発明の特徴の1つとなっている。即ち、このノズル孔11の口径は1mm〜10mmとし、好ましくは2mm〜8mmとする。このような小さな口径とすることで、注湯容器10から落下、注湯される溶湯を小径の液滴とすることが可能となる。前記ノズル孔11の好ましい口径は、少なくとも上記したC含有量が0.8〜4.3重量%の過共析組成〜亜共晶組成の鋳鉄の液滴注湯に適した寸法である。
【0016】
前記ストッパー20は、前記注湯容器10内のノズル孔11を開閉するためのものである。即ち、ストッパー20が進出して前記ノズル孔11を閉鎖することで、注湯容器10からの注湯が停止される。またストッパー20がノズル孔11から上方に後退することで、ノズル孔11が開放され、注湯容器10からの注湯が開始される。
ストッパー20の下端部20aは半球形状ないし膨出形状として、前記ノズル孔11の凹陥部11aに同軸的に侵入して着座することで、ノズル孔11を閉鎖する。
ストッパー20の上端側は、連結具21を介して、シリンダー22のピストン22aに連結されている。
前記シリンダー22は制御部50により制御され、ピストン22aの進退が行われる。
【0017】
前記ストッパー20の下端部20aには、ガス噴出口23が設けられている。
ガス噴出口23から噴出されるガスは、注湯が終了したときにノズル孔11内に残留する金属溶湯を、ノズル孔11から下方へ吹き飛ばして排出するために用いる、吹き飛ばし用ガスである。この吹き飛ばし用ガスは、吹き飛ばしを主たる目的としていることから、そのガスの種類は特に限定されるものではない。しかし、ノズル孔11内に残留する金属溶湯の酸化によるノズル孔11内やその周辺への付着、固着の容易化を防ぐために、アルゴン、窒素等の不活性ガスを用いることができる。また更に還元性ガスを用いることも可能である。還元性ガスとしては、一酸化炭素ガス、硫化水素ガス、二酸化硫黄ガス、一酸化窒素ガス、水素等があるが、操業に適した種類の還元性ガスを選択して用いる。
前記ガス噴出口23は、ストッパー20が進出、降下して前記ノズル孔11の凹陥部11aに当接、着座し、これによってノズル孔11を閉鎖状態とする位置に停止した際に、ノズル孔11の孔心と同心となるように構成する。
ガス噴出口23の口径は、同心となるノズル孔11の孔径(凹陥部11aの孔径ではない)よりも小さくするのが好ましい。ガス噴出口23の口径がノズル孔11の孔径以上となると、凹陥部11aに吹き飛ばし用ガスが衝突することで該凹陥部11aでの破損が生じやすくなる。また吹き飛ばし用ガスの一部が遮られることで、ノズル孔11内に残留する金属溶湯の吹き飛ばし効果が弱くなる。
【0018】
細長いストッパー20の中心を通ってガス噴出口23からガス通路24が形成され、更にこのガス通路24はストッパー20の外のガス配管25を経て、吹き飛ばし用ガス供給源26に接続する。即ち、吹き飛ばし用ガス供給源26からガス配管25、ガス通路24を通って、吹き飛ばし用ガスがガス噴出口23から下方に噴出され、ノズル孔11の入口から下方の出口へと貫通する。
前記吹き飛ばし用ガス供給源26からの吹き飛ばし用ガスの供給は、制御部50によって制御される。
前記ストッパー20の材料としては、金属溶湯の高温に対して溶けないこと、及び内部を通る吹き飛ばし用ガスが外に漏れないことが必要とされる。従って耐熱材料で緻密質であることが要求される。そのような材料としては、例えばBN焼結体、アルミナ・黒鉛焼結体、アルミナ焼結体等を用いることが可能である。
【0019】
前記酸化防止ガス供給手段30は、前記ノズル孔11とその出口周辺を被覆するように酸化防止ガスを供給する手段である。より具体的には、注湯容器10の底部10aの外側に配置されるガス供給ブロック31で構成されており、該ガス供給ブロック31に対しては酸化防止ガスを供給するガス配管32が接続され、該ガス配管32は酸化防止ガス供給源33に接続されている。酸化防止ガス供給源33からの酸化防止ガスの供給は、制御部50によって制御される。
前記ガス供給ブロック31には、酸化防止ガスのガス吹出口31aが設けられている。このガス吹出口31aは、前記ノズル孔11の出口の周囲に2ヶ所或いはそれ以上の箇所に、均等に配されて設けられている。また各ガス吹出口31aはノズル孔11の出口の周囲から、ノズル孔11の出口とその周辺に向けて斜め上向きに傾斜して設けられている。
以上のような構成により、ガス吹出口31aから吹き出される酸化防止ガスは、ノズル孔11の出口周囲の斜め下方からノズル孔11に向けて斜め上方に供給され、ノズル孔11とその出口周辺とを被覆する。
【0020】
前記ガス供給ブロック31は、耐熱材料で構成することができる。このガス供給ブロック31は注湯容器10の底部10aの外底面に当接するようにして設けることができる。そしてまたガス供給ブロック31は、中心部に前記ノズル孔11よりも大きい孔、例えば1.5倍〜3倍の孔を酸化防止ガスのガス溜孔31bとして有するリング状のブロックとすることができる。
前記ガス溜孔31bを設けることで、ガス吹出口31aから吹き出された酸化防止ガスが、ガス溜孔31bに溜まりやすく、ノズル孔11の出口及びその周辺の雰囲気を確実に酸化防止ガスで置換し、被覆することができる。
ノズル孔11及びその出口周辺が酸化防止ガスで被覆されることで、金属溶湯の酸化が防止され、溶湯酸化によるノズル孔11及びその周辺への付着を防止することができる。
【0021】
前記酸化防止ガスの供給によるノズル孔11の出口及びその周辺の被覆は、注湯容器10からの注湯が開始される少し前から行い、少なくとも注湯中、及び注湯終了後における前記吹き飛ばし用ガスの噴出期間の終了まで行われる。そしてその後に酸化防止ガスの供給が停止される。
なお、酸化防止ガスの吹き出し強さは、供給途中で変更することができる。例えば吹き飛ばし用ガスの噴出期間の終了時、或いは終了時の前後一定時間においては、酸化防止ガスの吹き出し強さを上げる構成とすることで、ノズル孔11の出口周辺に付着している金属溶湯があれば、これを吹き飛ばして除去することができる。
【0022】
前記受容器40は、注湯を受ける容器である。より具体的にはレオキャスト用の半凝固スラリーの生成容器としての役割を果たす。
この受容器40に溜められたスラリーは鋳造、より具体的にはレオキャストに供される。
受容器40は、予熱を行うために加熱手段を付属させることができる。受容器40を予熱することで、注湯容器10から落下注湯されてきた溶湯と受容器40との温度差を小さくし、樹枝状の初晶が生じるのを防止し、粒状の初晶が生じるようにすることができる。
【0023】
ところで、レオキャスト用スラリーに適したスラリーを得るためには、できるだけ低温の溶湯を受容器40へ注湯する必要がある。注湯完了時の溶湯における温度分布をなくすことが発生する初晶を粒状化するのに必要であることから、受容器40の予熱温度と注湯温度の差を小さくするのが好ましい。
低温注湯を実現する方法としては、注湯容器10内の溶湯を低温保持することが考えられるが、注湯容器10内の溶湯温度を下げすぎると、ノズル孔11の閉塞のリスクが大幅に高まるため、注湯容器10内の溶湯は固相線温度からある程度余裕(例えば+50〜150℃)を持った温度で保持する必要がある。
従って低温注湯を実現するためには、ノズル孔11から溶湯を滴下し、受容器40に到達するまでの間に、溶湯温度を下げるようにするのが一案であると考えた。これが液滴での注湯を行う理由である。そして液滴による注湯を行うにはノズル孔11を十分に小さくする必要がある。
しかしながらノズル孔11の径を小さくしすぎると、ノズル孔11の閉塞リスクが高まる。また受容器40への到達時に温度が下がりすぎ、到達したときには凝固して山形に積層して不良となる。また注湯に時間がかかりすぎる。
逆にノズル孔11の径を大きくしすぎると、滴下溶湯の温度低下が小さいため、受容器40と注湯された溶湯温度との差が大きく、注湯完了時の温度差により初晶の粒状化が不十分となり、成形に適した半凝固スラリーが生成できない。
以上より、発明者の実験に基づく知得によれば、ノズル孔11の口径は1mm〜10mmが好ましく、2mm〜8mmがより好ましい。
【0024】
前記制御部50は、前記ストッパー20の進退動作を制御すると共に、吹き飛ばし用ガス供給源26からの吹き飛ばし用ガスの供給の開始、停止のタイミング及び供給圧(ガス噴出口23からの噴出圧)を制御する。また制御部50は、前記酸化防止ガス供給源33からの酸化防止ガスの供給の開始、停止のタイミング及び供給圧(ガス吹出口31aからの吹出圧)を制御する。
更に制御部50は、注湯容器10の温度情報や注湯容器10に収容されている金属溶湯の温度情報を図示しない温度検出手段から入力し、必要に応じて注湯容器10や金属溶湯の加熱に対する制御を行う。また制御部50は、前記受容器40の温度情報、受容器40内に注湯された溶湯の温度情報を図示しない温度検出手段から入力し、必要に応じて受容器40の加熱に対する制御を行う。
【0025】
前記制御部50による制御は、例えば次のようにして行う。
今、注湯容器10内に流し込まれた金属溶湯の保持温度が、所定の注湯適正温度、例えば初晶晶出温度より20℃〜200℃高い温度の温度範囲における所定温度になっており、且つ受容器40の温度が適正温度、例えば初晶晶出温度より0〜300℃低い温度の温度範囲における所定温度になっていることを確認すると、制御部50は先ず酸化防止ガス供給源33からの酸化防止ガスの供給を開始する。これによって、ノズル孔11の出口及びその出口側周辺が酸化防止ガスで被覆される。
次に制御部50は、前記酸化防止ガスの供給に少し遅れたタイミングで、ストッパー20をノズル孔11の閉鎖位置から上昇させる。これによりノズル孔11が開放される。このとき、制御部50はストッパー20内への吹き飛ばし用ガスの供給圧の付加も開始する。これによりストッパー20内にガス噴出口23を介して溶湯が侵入するのが防止される。
前記ストッパー20の上昇によるノズル孔11の開放により、注湯容器10からノズル孔11を通って、溶湯の落下注湯が開始される。このときノズル孔11の口径を小さくすることで、落下する溶湯を液滴とすることができる。液滴とすることで、落下中における溶湯の温度低下を大きくすることができ、よって注湯容器10内での溶湯保持温度を高く保って、ノズル孔11の閉塞の恐れを十分に回避しながら、且つ受容器40に落下した際の温度を初晶晶出温度領域にまで低下させることが可能となる。
なお、注湯容器10から受容器40までの落下距離は、その間での温度降下量に比例することから、前記注湯容器10内での溶湯保持温度、ノズル孔11の口径、溶湯の初晶晶出温度との関係において、実験により最適の落下距離が決定されることになる。
所定の注湯が終了すると、制御部50はストッパー20を降下させ、ノズル孔11を閉鎖させる。ノズル孔11の閉鎖を検知すると、制御部50は、吹き飛ばし用ガスの供給圧を増加させ、ガス噴出口23から吹き飛ばし用ガスを噴出させる。これによりノズル孔11の孔内に残留する金属溶湯が下方に吹き飛ばされて排出される。一定時間の後、吹き飛ばし用ガスの噴出が停止される。その後、酸化防止ガスの供給も停止される。
【0026】
以上で説明した本発明の注湯装置を用いた注湯方法を説明する。本発明の注湯方法は、主としてレオキャスト用の半凝固スラリーを得るのに適した注湯方法である。
この注湯方法は、先ず注湯容器10での金属溶湯の保持温度を、初晶の晶出温度よりも20℃〜200℃高い温度、より好ましくは晶出温度よりも50℃〜150℃高い温度とする。この場合、金属溶湯としては上記C含有量が0.8〜4.3重量%の過共析組成〜亜共晶組成の鋳鉄材料を用いる。この鋳鉄材料の初晶晶出温度が例えば1300℃の場合は、前記好ましい保持温度は、1320℃〜1500℃、より好ましくは1350℃〜1450℃となる。
次にこの注湯方法は、注湯容器10からノズル孔11を経て落下注湯される溶湯が不連続な液滴状、即ち液滴による落下注湯となるように調整する。液滴による落下注湯に適したノズル孔11の口径は、上記C含有量が0.8〜4.3重量%の過共析組成〜亜共晶組成の鋳鉄材料のレオキャストの場合、既述したように1mm〜10mmが好ましく、より好ましくは2mm〜8mmであることが実験により明らかにされている。
次にこの注湯方法は、溶湯が未だ凝固はしていないが初晶を晶出した状態、即ち初晶晶出温度(液相線温度)と固相線温度との間の温度、少なくとも初晶晶出温度に近い温度まで低下した温度の液滴で受容器40に落下するように調整する。この調整は、注湯容器10での溶湯保持温度と、落下中における液滴の降下温度を考慮することで行うことができる。注湯が液滴で且つ初晶が晶出した状態で行われることで、初晶が小さく粒状化したレオキャストに適した半凝固スラリーを得ることができる。
更にこの注湯方法は、受容器40の容器温度(保温温度)を、溶湯金属の固相線温度〜固相線温度より300℃低い温度の温度範囲とする。このように受容器40の保温温度を上げることで、落下してきた溶湯の冷却勾配を小さくし、樹枝状晶の発生を抑制することができる。
なお上記C含有量が0.8〜4.3重量%の過共析組成〜亜共晶組成の鋳鉄材料としては、例えばC:2.6重量%、Si:1.5重量%、残部をFeとした鉄―炭素―珪素系の亜共晶鋳鉄を用いることができる。またC:1.0重量%、Si:1.5重量%の過共析鋳鉄を用いることができる。
【0027】
本発明装置、方法に関し、注湯回数と経時的なノズル孔11の閉塞、注湯量の変化についてのテストを行った。
ノズル孔11の口径を4mm、ストッパー20のガス噴出口の口径を1mmとした注湯容器10を用い、ストッパー20によるノズル孔11の開放時間を20秒、閉鎖時間を4分40秒(ノズル孔11内の残溶湯が凝固する十分な時間)とするサイクルで、複数サイクルの注湯を行った。
注湯材料としては、成分組成がC:2.6重量%、Si:1.5重量%、初晶晶出温度が1300℃の亜共晶鋳鉄材料を用いた。
また注湯容器10からの注湯温度を1400℃とした。
【0028】
<テスト1>
ガス噴出口23からの吹き飛ばし用ガス、並びにガス吹出口31aからの酸化防止ガスを用いることなく、1回5分(ノズル孔11の開放20秒、閉鎖4分40秒)のサイクル注湯を行った。
結果として、2サイクル目で、ノズル孔11の閉塞により注湯不能となった。言うまでもなく判定は不良である。
【0029】
<テスト2>
ガス噴出口23からの吹き飛ばし用ガスとして空気を用い、一方、ガス吹出口31aからの酸化防止ガスは用いることなく、1回5分のサイクル注湯を行った。
結果として、13サイクル目で、ノズル孔11の閉塞により注湯不能となった。判定は不良である。
【0030】
<テスト3>
ガス噴出口23からの吹き飛ばし用ガスとして不活性ガス(アルゴンガス)を用い、一方、ガス吹出口31aからの酸化防止ガスは用いることなく、1回5分のサイクル注湯を行った。
結果として、行った50サイクルの注湯の最後まで、ノズル孔11の閉塞は生じなかった。しかしながら、途中からノズル孔11を通過した溶湯の落下挙動が不安定となり、口径70mmの受容器40の外へこぼれる場合が生じた。またノズル孔11を通過する溶湯量も途中から少し減少した。例えば初回注湯である1回目は20秒のノズル開放時間に3.0kgが注湯されたが、最終注湯である50回目は20秒のノズル開放時間における注湯量が2.5kgに減少した。これは、ノズル孔11内及びその周辺に溶湯の一部が酸化して付着したためであることが判った。判定は、不良とは言えないので可であると言える。しかし、良好とは言えない。
【0031】
<テスト4>
ガス噴出口23からの吹き飛ばし用ガスとして還元性ガス(アルゴンガスで濃度調整したプロパンガス)を用いた。それ以外はテスト3と同様にテストを行った。
テスト4の結果は、テスト3と同様であった。
【0032】
<テスト5>
ガス噴出口23からの吹き飛ばし用ガスとして不活性ガス(アルゴンガス)を用い、また、ガス吹出口31aからの酸化防止ガスとして不活性ガス(アルゴンガス)を用いて、1回5分のサイクル注湯を行った。
結果として、行った50サイクルの注湯の最後まで、ノズル孔11の閉塞は生じなかった。またテスト中において、ノズル孔11を通過した溶湯の落下挙動が不安定となることはなく、口径70mmの受容器40の外へこぼれることもなかった。またノズル孔11を通過する溶湯量も当初の3.0kgから減少することもなかった。そしてノズル孔11内及びその周辺への溶湯の酸化付着は生じていないことが確認できた。これは、ノズル孔11及びその周辺への酸化防止ガス(不活性ガス)の供給に伴うシールド(被覆)効果によって、ガス噴出口23からの吹き飛ばし用ガス(不活性ガス)による残留溶湯排出、排除効果を高めることができたことによるものである。判定は良好である。
【0033】
<テスト6>
ガス噴出口23からの吹き飛ばし用ガスとして還元性ガス(アルゴンガスで濃度調整したプロパンガス)を用いた。それ以外はテスト5と同様にテストを行った。
テスト6の結果は、テスト5と同様であった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の注湯装置、注湯方法は、鋳物製造、特にレオキャスト用の半凝固スラリーを生成する上で産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0035】
10 注湯容器
10a 底部
11 ノズル孔
11a 凹陥部
11b 出口
12 ブロック
20 ストッパー
20a 下端部
21 連結具
22 シリンダー
22a ピストン
23 ガス噴出口
24 ガス通路
25 ガス配管
26 吹き飛ばし用ガス供給源
30 酸化防止ガス供給手段
31 ガス供給ブロック
31a ガス吹出口
31b ガス溜孔
32 ガス配管
33 酸化防止ガス供給源
40 受容器
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属溶湯を注湯するためのノズル孔を底部に開口した注湯容器と、該注湯容器の内側から前記ノズル孔を進退自在に閉塞及び開放するストッパーとを備え、注湯容器に収容された金属溶湯を前記ノズル孔を介して注湯容器の底部から下方に落下させて注湯を行う注湯装置であって、
前記ストッパーには、該ストッパー内を通って導かれてきたガスを噴出させて前記注湯容器底部のノズル孔の入口から下方の出口へと貫通させるガス噴出口を設け、これによってノズル孔に残留する金属溶湯をノズル孔から下方に排出させるように構成し、
前記注湯容器の底部の外側には、前記ノズル孔とその出口周辺を被覆するように酸化防止ガスを供給する酸化防止ガス供給手段を設け、これによってノズル孔を通る溶湯の酸化を防止するように構成したことを特徴とする注湯装置。
【請求項2】
ストッパーのガス噴出口内への溶湯流入を防止するため、注湯中においても前記ガス噴出口にはガス圧を加えた状態とすることを特徴とする請求項1に記載の注湯装置。
【請求項3】
ストッパーのガス噴出口から噴出させるガスと酸化防止ガス供給手段から供給するガスは、それぞれ不活性ガス若しくは還元性ガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の注湯装置。
【請求項4】
注湯容器のノズル孔の径が1mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の注湯装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の注湯装置を用い、注湯容器内での金属溶湯の保持温度を、初晶の晶出開始温度よりも20℃〜200℃高い温度範囲とし、その保持温度範囲から落下、注湯される金属溶湯を不連続な液滴状となるように調整し、且つ前記金属溶湯の液滴の落下を受ける受容器の容器温度を溶湯金属の固相線温度からそれより300℃低い温度までの温度範囲に保持することを特徴とする注湯方法。
【請求項6】
金属溶湯はCの含有量が0.8〜4.3重量%の過共析組成〜亜共晶組成の鋳鉄とし、液滴状で落下、注湯された溶湯をレオキャスト用半凝固スラリーとして用いることを特徴とする請求項5に記載の注湯方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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