説明

注視判定装置

【課題】視線方向に基づく注視対象の判定に対する較正の利便性を適切に向上させる。
【解決手段】注視判定装置10は、車載機器毎の存在領域である第1領域が一時的に拡大された第2領域と視線方向とが交差する場合に、視線検出部21により検出された視線方向に対応する座標位置を車載機器毎に格納する座標位置格納部25と、車載機器毎の座標位置の格納数が所定数以上である場合に座標位置の中央位置を算出する中央位置算出部27と、第1領域記憶部23に記憶された車載機器毎の第1領域の中心座標位置が中央位置算出部27により算出された中央位置に一致するようにして第1領域の位置を変更する第1領域位置変更部28と、視線方向が第1領域位置変更部28により位置が変更された第1領域と交差する場合に、運転者が第1領域に対応する車載機器を注視していると判定する注視判定部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注視判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば操作者により操作された車載機器の位置情報と、この操作時における操作者の視線に応じた位置情報との差異が所定値未満である場合に、眼球センサの検出値を較正する視線検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−259931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る視線検出装置によれば、眼球センサの検出値を較正するためには操作者による車載機器の操作が必要であり、較正が行なわれるタイミングが制限されてしまうという問題が生じる。しかも、較正のために操作者による意図的な操作が必要とされることで煩わしさが生じてしまうという問題が生じる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、視線の検出結果に基づく注視対象の判定処理に対する較正の利便性を適切に向上させることが可能な注視判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る注視判定装置は、運転席に着座した運転者の眼を撮像して画像を出力する撮像手段(例えば、実施の形態での乗員カメラ11)と、該撮像手段から出力された前記画像に基づき前記運転者の視線方向を検出して検出結果を出力する視線検出手段(例えば、実施の形態での視線検出部21)と、少なくとも1つ以上の車載機器毎の存在領域を第1領域として記憶する記憶手段(例えば、実施の形態での第1領域記憶部23)と、前記視線検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向が、前記記憶手段に記憶された前記第1領域と交差する場合に、前記運転者が当該第1領域に対応する前記車載機器を注視していると判定する注視判定手段(例えば、実施の形態での注視判定部22)とを備える注視判定装置であって、前記車載機器毎の前記第1領域を前記車載機器近傍において一時的に拡大して拡大結果を前記車載機器毎の第2領域として出力する領域拡大手段(例えば、実施の形態での領域拡大部24)と、前記視線検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向が、前記領域拡大手段から出力された前記第2領域と交差する場合に、当該視線方向に対応する座標位置を前記車載機器毎に格納する格納手段(例えば、実施の形態での座標位置格納部25)と、前記格納手段に格納された前記車載機器毎の前記座標位置の格納数が所定数以上であるか否かを判定して判定結果を出力する格納数判定手段(例えば、実施の形態での格納数判定部26)と、前記格納数判定手段から出力された前記判定結果において前記格納数が所定数以上である場合に、前記車載機器毎の前記座標位置の中央位置を算出して算出結果を出力する中央位置算出手段(例えば、実施の形態での中央位置算出部27)と、前記記憶手段に記憶された前記車載機器毎の前記第1領域の中心座標位置が前記中央位置算出手段から出力された前記算出結果の前記車載機器毎の前記中央位置に一致するようにして、前記第1領域の位置を変更して変更結果を出力する領域位置変更手段(例えば、実施の形態での第1領域位置変更部28)とを備え、前記注視判定手段は、前記視線検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向が、前記領域位置変更手段から出力された前記変更結果の前記第1領域と交差する場合に、前記運転者が当該第1領域に対応する前記車載機器を注視していると判定する。
【0007】
さらに、本発明の第2態様に係る注視判定装置は、少なくとも1つ以上の方向での車両の加速度を取得して取得結果を出力する加速度取得手段(例えば、実施の形態での加速度センサ13)と、前記加速度取得手段から出力された前記取得結果の前記加速度が所定値以下であるか否かを判定して判定結果を出力する加速度判定手段(例えば、実施の形態でのステップS31)とを備え、前記格納手段は、前記視線検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向のうち、前記加速度判定手段から出力された前記判定結果において前記加速度が前記所定値以下であるときに前記視線検出手段により検出された前記視線方向が、前記領域拡大手段から出力された前記第2領域と交差する場合に、当該視線方向に対応する座標位置を前記車載機器毎に格納する。
【0008】
さらに、本発明の第3態様に係る注視判定装置では、前記領域拡大手段は、前記車載機器毎の前記第1領域を、該第1領域の周縁部を前記車載機器の周縁部に対応する形状で所定程度だけ拡大するようにして、一時的に拡大する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1態様に係る注視判定装置によれば、運転者による特別な操作を必要とせずに車載機器毎の存在領域である第1領域の位置を変更して較正を行なうことができ、利便性を向上させることができる。
また、車載機器近傍において第1領域を拡大して得られる第2領域に対してのみ、視線方向に対応する座標位置を格納することから、座標位置の中央位置の算出精度の向上に寄与しない座標位置が格納されてしまうことを防止して、中央位置の算出結果に所望の精度を確保することができると共に、処理演算負荷が不必要に増大してしまうことを防止することができる。
また、第1領域の位置を変更する較正の実行途中において、視線検出手段から出力された検出結果の視線方向が、第2領域と交差する場合に、運転者が当該第2領域に対応する車載機器を注視していると判定する判定手段を備えた場合には、較正の実行途中であっても、運転者が車載機器を注視しているか否かを判定することができ、装置の信頼性を向上させることができる。
【0010】
さらに、本発明の第2態様に係る注視判定装置によれば、加速度が所定値よりも大きい場合、つまり運転者の姿勢が定常状態ではない可能性が高い場合に検出された視線方向を除外して、視線方向に対応する座標位置を格納することから、第1領域の位置の変更を精度良く行なうことができる。
【0011】
さらに、本発明の第3態様に係る注視判定装置によれば、第1領域の周縁部を車載機器の周縁部に対応する形状で所定程度だけ拡大して第2領域を設定することにより、座標位置の中央位置の算出精度の向上に寄与しない座標位置が格納されてしまうことを防止して、中央位置の算出結果に所望の精度を確保することができると共に、処理演算負荷が不必要に増大してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る注視判定装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る第1領域および第2領域の例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る注視判定装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3に示す注視判定の処理を示すフローチャートである。
【図5】図3に示す補正を伴う注視判定の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態の第1変形例に係る補正を伴う注視判定の処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態の第2変形例に係る注視判定装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の注視判定装置の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による注視判定装置10は、例えば図1に示すように、乗員カメラ11と、処理装置12と、加速度センサ13とを備えて構成され、さらに、処理装置12は、視線検出部21と、注視判定部22と、第1領域記憶部23と、領域拡大部24と、座標位置格納部25と、格納数判定部26と、中央位置算出部27と、第1領域位置変更部28とを備えて構成されている。
【0014】
乗員カメラ11は、少なくとも車両の運転席に着座した運転者の眼を撮像対象として、例えば可視光領域または赤外線領域にて撮像可能であって、運転者の眼を含む画像を出力する。
【0015】
処理装置12の視線検出部21は、乗員カメラ11から出力された画像に基づき、例えば運転者の眼を検知対象とした所定の認識処理を行ない、認識した眼に基づき、運転者の視線方向(つまり、視線ベクトルの方向)を検出して、検出結果を出力する。
注視判定部22は、視線検出部21から出力された検出結果と、第1領域記憶部23に記憶されている第1領域とに基づき、例えば運転者の視線方向が第1領域と交差するか否かを判定することにより、運転者が第1領域に対応する車載機器を注視しているか否かを判定して、判定結果を出力する。
なお、注視判定部22は、後述する補正処理の実行中(つまり、第2領域が設定されている状態)では、例えば運転者の視線方向が第2領域と交差するか否かを判定することにより、運転者が第2領域に対応する車載機器を注視しているか否かを判定して、判定結果を出力する。
【0016】
第1領域記憶部23は、各種の車載機器毎の存在領域を第1領域として記憶している。
この第1領域は、例えば車載機器の実際の存在位置に応じて予め設定された既定の存在領域(例えば図2(A)に示すドアミラー、ルームミラー、ナビゲーション画面などに対する各領域A1〜A4など)である。
【0017】
領域拡大部24は、第1領域記憶部23に記憶されている第1領域の位置を補正する補正処理の実行時に、第1領域記憶部23に記憶されている第1領域を一時的に拡大して第2領域(例えば図2(B)に示す各領域C1〜C4など)を設定する。
領域拡大部24は、車載機器毎に車載機器近傍において第1領域を拡大しており、例えば第1領域の周縁部を、車載機器の周縁部に対応する形状で所定程度だけ拡大する。
【0018】
なお、第1領域および第2領域の形状は、対応する車載機器の形状に限定されず、例えば矩形や楕円形などの各種の形状であってもよい。
また、第1領域を拡大する場合には、例えば適宜の倍率(縦方向に1.4倍かつ横方向に1.2倍など)で拡大してもよいし、適宜の加算(縦方向にプラス15cmかつ横方向にプラス20cmなど)で拡大してもよい。
【0019】
座標位置格納部25は、視線検出部21から出力された検出結果の視線方向が、車載機器毎の第2領域と交差する場合に、この視線方向に対応する第2領域上の座標位置(つまり、視線方向と第2領域との交点の座標位置)を車載機器毎に格納する。
また、座標位置格納部25は、例えば加速度センサ13から出力される加速度の検出結果に基づき、視線方向に対応する第2領域上の座標位置を格納するか否かを決定しており、先ず、加速度センサ13により検出された加速度が所定の閾値以下であるか否かを判定する。そして、検出された加速度が所定値以下であるときに視線検出部21により検出された視線方向が第2領域と交差する場合に、この視線方向に対応する第2領域上の座標位置を車載機器毎に格納する。
なお、加速度に対する所定の閾値は、例えば、前後方向加速度に対して0.5G、上下方向加速度に対して0.2G、左右方向加速度に対して0.4Gなどである。
【0020】
格納数判定部26は、座標位置格納部25に格納された車載機器毎の座標位置の格納数(例えば、車両が始動してから累積された格納数など)が所定数以上であるか否かを車載機器毎に判定して、判定結果を出力する。
中央位置算出部27は、格納数判定部26から出力された判定結果において何れかの車載機器に対する座標位置の格納数が所定数以上である場合には、この車載機器に対して座標位置格納部25に格納されている複数の座標位置の中央位置(例えば図2(C)に示す各中央位置D1〜D4など)を算出して、算出結果を出力する。
なお、座標位置の格納数に対する所定数は、例えば各座標位置での視線方向の停留時間を積算して得られる積算時間が所定時間となる状態に対応する座標位置の格納数などである。
なお、複数の座標位置の中央位置が算出された車載機器に対しては、第1領域の一時的な拡大により第2領域を設定する動作は解除される。
【0021】
第1領域位置変更部28は、中央位置算出部27から出力された車載機器毎の中央位置を補正位置として、第1領域記憶部23に記憶されている車載機器毎の第1領域の中心座標位置が補正位置に一致するようにして、第1領域記憶部23に記憶されている車載機器毎の第1領域の位置を変更して、変更結果(例えば図2(C)に示す位置変更後の各領域B1〜B4など)を出力する。
【0022】
この実施の形態による注視判定装置10は上記構成を備えており、次に、この注視判定装置10の動作について説明する。
【0023】
先ず、例えば図3に示すステップS01においては、運転者の視線ベクトルを取得する。
次に、ステップS02においては、第1領域記憶部23に記憶されている第1領域の中心座標位置を変更する補正処理が完了しているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進み、このステップS03においては、後述する注視判定の処理を実行し、エンドに進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS04に進み、このステップS04においては、後述する補正を伴う注視判定の処理を実行し、エンドに進む。
【0024】
以下に、上述したステップS03での注視判定の処理について説明する。
先ず、例えば図4に示すステップS11においては、第1領域記憶部23に記憶されている車載機器毎の第1領域の中心座標位置を、補正処理により設定された補正位置に一致させるようにして第1領域の位置を変更する。
【0025】
次に、ステップS12においては、視線ベクトルが第1領域に交差しているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS13に進み、このステップS13においては、運転者が第1領域に対応する対象(車載機器)を注視していると判定し、エンドに進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS14に進み、このステップS14においては、運転者が第1領域に対応する対象(車載機器)を注視していないと判定し、エンドに進む。
【0026】
以下に、上述したステップS04での補正を伴う注視判定の処理について説明する。
先ず、例えば図5に示すステップS21においては、例えば車載機器毎に車載機器近傍において第1領域を拡大することなどによって、第2領域を取得する。
次に、ステップS22においては、視線ベクトルが第2領域に交差しているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS23に進み、このステップS23においては、運転者が第2領域に対応する対象(車載機器)を注視していないと判定し、エンドに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS24に進む。
【0027】
次に、ステップS24においては、視線ベクトルと第2領域との交点の座標位置を車載機器毎に格納する。
次に、ステップS25においては、何れかの車載機器に対する座標位置の格納数が所定数以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS28に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS26に進む。
【0028】
次に、ステップS26においては、格納した座標位置の中央位置を補正位置として、第1領域の中心座標位置を補正位置に一致させる。
次に、ステップS27においては、補正処理を完了する。
次に、ステップS28においては、運転者が第2領域に対応する対象(車載機器)を注視していると判定し、エンドに進む。
【0029】
上述したように、本実施の形態による注視判定装置10によれば、運転者による特別な操作を必要とせずに車載機器毎の存在領域である第1領域の位置を変更する補正によって注視判定の較正を行なうことができ、利便性を向上させることができる。
また、車載機器近傍において第1領域を拡大して得られる第2領域に対してのみ、視線方向に対応する座標位置を格納することから、座標位置の中央位置の算出精度の向上に寄与しない座標位置が格納されてしまうことを防止して、中央位置の算出結果に所望の精度を確保することができると共に、処理演算負荷が不必要に増大してしまうことを防止することができる。
また、第1領域の位置を変更する補正処理の実行途中において、視線検出部21から出力された検出結果の視線方向が、第2領域と交差する場合に、運転者が当該第2領域に対応する車載機器を注視していると判定することにより、補正処理の実行途中であっても、運転者が車載機器を注視しているか否かを判定することができ、装置の信頼性を向上させることができる。
【0030】
さらに、第1領域の周縁部を、車載機器の周縁部に対応する形状で所定程度だけ拡大して第2領域を設定することにより、座標位置の中央位置の算出精度の向上に寄与しない座標位置が格納されてしまうことを防止して、中央位置の算出結果に所望の精度を確保することができると共に、処理演算負荷が不必要に増大してしまうことを防止することができる。
【0031】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図6に示す第1変形例のように、加速度センサ13により検出された加速度が所定の閾値以下である場合にのみ、視線ベクトルと第2領域との交点の座標位置を車載機器毎に格納してもよい。
この第1変形例では、上述したステップS22の判定結果が「YES」の場合には、ステップS31に進む。
そして、ステップS31においては、加速度センサ13により検出された加速度が所定の閾値以下であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS28に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS24に進む。
【0032】
この第1変形例によれば、加速度が所定の閾値よりも大きい場合、つまり旋回時や加減速時などにおいて運転者の姿勢が定常状態ではない可能性が高い場合に検出された視線方向を除外して、視線方向に対応する座標位置を格納することから、第1領域の位置の変更を精度良く行なうことができる。
なお、加速度が所定の閾値よりも大きくなって座標位置の格納が行われない場合であっても、視線方向が第2領域と交差するか否かに応じて注視判定が実行されることにより、装置の信頼性を向上させることができる。
【0033】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図7に示す第2変形例のように、運転者毎に車載機器毎の補正位置のデータを記憶して、運転者毎の補正位置に基づいて第1領域の中心座標位置を変更してもよい。
この第2変形例では、先ず、ステップS41において、乗員カメラ11から出力された画像に基づき運転者の顔を認識する。
次に、ステップS42においては、認識した運転者に応じた補正位置が存在するか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS44に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS43に進む。
【0034】
次に、ステップS43においては、認識した運転者に応じた補正位置を取得し、第1領域記憶部23に記憶されている車載機器毎の第1領域の中心座標位置を補正位置に一致させるようにして第1領域の位置を変更する。
次に、ステップS44においては、運転者の視線ベクトルを取得する。
次に、ステップS45においては、第1領域記憶部23に記憶されている第1領域または運転者に応じた補正位置によって補正された第1領域の中心座標位置を変更する補正処理が完了しているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS46に進み、このステップS46においては、上述した補正を伴う注視判定の処理を実行し、エンドに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS47に進む。
そして、ステップS47においては、補正処理により設定された補正位置を運転者に対応させて記憶する。
そして、ステップS48においては、上述した注視判定の処理を実行し、エンドに進む。
この第2変形例によれば、運転者毎に応じて第1領域の位置変更の変更精度を向上させることができる。
【0035】
なお、上述した実施の形態においては、第1領域を一時的に拡大して第2領域を設定するとしたが、これに限定されず、単に、補正処理の実行中においては第2領域を用いて、補正処理の実行中以外においては第1領域を用いて、視線方向と各領域との交差の有無を判定する際に、補正処理の実行有無に応じて第1領域と第2領域とを切り替えてもよい。この場合、第2領域は第1領域が拡大されて設定された領域であればよい。
【符号の説明】
【0036】
10 注視判定装置
11 乗員カメラ(撮像手段)
13 加速度センサ(加速度取得手段)
21 視線検出部(視線検出手段)
22 注視判定部(注視判定手段)
23 第1領域記憶部(記憶手段)
24 領域拡大部(領域拡大手段)
25 座標位置格納部(格納手段)
26 格納数判定部(格納数判定手段)
27 中央位置算出部(中央位置算出手段)
28 第1領域位置変更部(領域位置変更手段)
ステップS31 加速度判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席に着座した運転者の眼を撮像して画像を出力する撮像手段と、該撮像手段から出力された前記画像に基づき前記運転者の視線方向を検出して検出結果を出力する視線検出手段と、少なくとも1つ以上の車載機器毎の存在領域を第1領域として記憶する記憶手段と、前記視線検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向が、前記記憶手段に記憶された前記第1領域と交差する場合に、前記運転者が当該第1領域に対応する前記車載機器を注視していると判定する注視判定手段とを備える注視判定装置であって、
前記車載機器毎の前記第1領域を前記車載機器近傍において一時的に拡大して拡大結果を前記車載機器毎の第2領域として出力する領域拡大手段と、
前記視線検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向が、前記領域拡大手段から出力された前記第2領域と交差する場合に、当該視線方向に対応する座標位置を前記車載機器毎に格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記車載機器毎の前記座標位置の格納数が所定数以上であるか否かを判定して判定結果を出力する格納数判定手段と、
前記格納数判定手段から出力された前記判定結果において前記格納数が所定数以上である場合に、前記車載機器毎の前記座標位置の中央位置を算出して算出結果を出力する中央位置算出手段と、
前記記憶手段に記憶された前記車載機器毎の前記第1領域の中心座標位置が前記中央位置算出手段から出力された前記算出結果の前記車載機器毎の前記中央位置に一致するようにして、前記第1領域の位置を変更して変更結果を出力する領域位置変更手段とを備え、
前記注視判定手段は、前記視線検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向が、前記領域位置変更手段から出力された前記変更結果の前記第1領域と交差する場合に、前記運転者が当該第1領域に対応する前記車載機器を注視していると判定することを特徴とする注視判定装置。
【請求項2】
少なくとも1つ以上の方向での車両の加速度を取得して取得結果を出力する加速度取得手段と、
前記加速度取得手段から出力された前記取得結果の前記加速度が所定値以下であるか否かを判定して判定結果を出力する加速度判定手段とを備え、
前記格納手段は、前記視線検出手段から出力された前記検出結果の前記視線方向のうち、前記加速度判定手段から出力された前記判定結果において前記加速度が前記所定値以下であるときに前記視線検出手段により検出された前記視線方向が、前記領域拡大手段から出力された前記第2領域と交差する場合に、当該視線方向に対応する座標位置を前記車載機器毎に格納することを特徴とする請求項1に記載の注視判定装置。
【請求項3】
前記領域拡大手段は、前記車載機器毎の前記第1領域を、該第1領域の周縁部を前記車載機器の周縁部に対応する形状で所定程度だけ拡大するようにして、一時的に拡大することを特徴とする請求項1に記載の注視判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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