説明

洗壜機の給壜装置

【課題】壜を壜押し込みプレートにより洗壜装置本体内のボトルホルダに確実に押し込むことができ、壜がボトルホルダから滑り落ちることがなく、また壜の押し込み後に壜押し込みアームが元の位置に戻る際に壜押し込みプレートが後続の壜の口部に接触することがない洗壜機の給壜装置を提供する。
【解決手段】多数の壜を直立した状態で搬送する給壜コンベヤ31と、直立状態の壜を徐々に横倒しにするための給壜ガイド32と、壜を給壜ガイド32に沿って持ち上げるための壜持ち上げ用アーム33と、横倒しになった壜をボトルホルダ24に押し込むための壜押し込みプレート35を有した揺動可能な壜押し込みアーム34とを備え、壜押し込みプレート35は、横倒しになった壜の壜底外周縁部に接触する左右一対の突出部35a,35aと、一対の突出部突出部35a,35aの間にある凹部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール壜等のガラス壜をボトルホルダで保持して液漕内に移動させて洗浄する洗壜機において、ボトルホルダに壜を供給するための給壜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビール壜等を洗浄する洗壜機は、例えば、給壜装置、洗壜装置本体、排壜装置から構成される。給壜装置は、多数の壜を直立した状態で搬送する給壜コンベヤと、直立状態の壜を徐々に横倒しにするための案内面を有する給壜ガイドと、壜を給壜ガイドに沿って持ち上げるための壜持ち上げ用アームと、横倒しになった壜をボトルホルダに押し込むための壜押し込みアームとを備えている。
【0003】
前記給壜装置において、壜は壜コンベヤにより搬送され、給壜コンベヤの出口端で、壜は壜持ち上げ用アームにより持ち上げられて給壜ガイドの案内面により案内されつつ横倒しになり、横倒しになった壜は、壜押し込みプレートを先端に備えた壜押し込みアームにより押し込まれて給壜ガイドの案内面上を移動し、ボトルホルダに口部側を先頭に底部側を後にして挿入される。洗壜装置本体においては、壜を受け取ったボトルホルダは装置本体内を走行する無端チェーンにより搬送され、装置本体内に設置された複数の浸漬槽で、洗浄液により壜の汚れの除去、壜内異物の除去、ラベルの剥離などを行い、装置本体内に設置されたブラシまたはジェットによる洗浄を行った後に、リンスを行う。そして、洗浄された壜は、排壜装置により洗壜機外へ排出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した洗壜機の給壜装置においては、壜押し込みアームの先端部にある壜押し込みプレートが壜底の中央部に当接して壜底中央部を押すことにより、壜を洗壜装置本体内のボトルホルダに押し込むようにしている。
しかしながら、壜を壜押し込みプレートによりボトルホルダ内に押し込んだ後、壜押し込みプレートが壜底中央部から離間した直後に、押し込まれた壜がボトルホルダから滑り落ちることがあった。このように、壜がボトルホルダから滑り落ちる現象は冬季に特に発生していた。
【0005】
また、壜押し込みアームは、上方の支点を中心として揺動するように構成されており、壜押し込みアームは、ボトルホルダ側に揺動して壜をボトルホルダに押し込んだ後に、ボトルホルダ側から遠ざかる方向に揺動して元の位置に戻るようになっている。しかしながら、壜押し込みアームが揺動して元の位置に戻る際に、壜押し込みプレートの先端が給壜ガイド上にある後続の壜の口部に接触し、後続の壜が落下する場合があった。
【0006】
本発明者らは、ボトルホルダ内に押し込まれた壜がボトルホルダから滑り落ちる現象について、実機で運転を継続しながら長期間にわたって観察を続けた結果、壜底部に液体が溜まってこの液体が凍結している場合に、壜がボトルホルダから滑り落ちることが多いことを究明した。すなわち、ビール壜等の飲料壜においては、壜底部に残液がある場合があり、また回収された壜の保管場所によっては、壜底部に雨水が溜まっている場合がある。この場合、冬季には、壜底部に溜まった液体が凍結し、壜底側が口部側に比べてきわめて重くなり、著しく壜底側に重心が偏り、この結果、ボトルホルダ内に押し込まれた壜がボトルホルダから滑り落ちることがあることを究明した。
【0007】
本発明者らは、ボトルホルダから壜が落下する原因が壜底部に溜まった液体にあるという事実に基づいて、種々の実験を繰り返し行うとともに実験結果の解析を進めた結果、従来の壜押し込みプレートには、以下の問題点があることを究明した。
1)壜押し込みプレートは壜底の中央部に当接して壜を押し込むようにしている。この場合、壜底の中央部は、壜底においてもっとも凹んだ部分であるため、壜押し込むプレートのストローク(押し込み量)を同一にせざるを得ない条件においては、壜底の中央部に当接して壜を押し込む場合には、壜底の外周縁部に当接して壜を押し込む場合に比べて壜の押し込み量が少ない。
2)壜押し込みプレートは樹脂製のプレートからなるが、プレートの厚みが不足しているため、壜の押し込み時にプレートが変形して押込み量が不足する場合がある。
【0008】
さらに、本発明者らは、壜押し込みアームが元の位置に戻る際に、給壜ガイド上にある後続の壜に壜押し込みプレートが接触する原因についても、実機で運転を継続しながら長期間にわたって観察を続けた結果、壜底部に液体が溜まっている場合が多いことを究明した。すなわち、壜底部に液体が溜まっている場合、特に、この液体が凍結している場合には、壜底部が重いために給壜ガイドの箇処において壜が倒れにくく、そのため、壜押し込みプレートが戻る際に後続の壜の口部に接触する場合があることを究明した。
【0009】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、壜を壜押し込みプレートにより洗壜装置本体内のボトルホルダに確実に押し込むことができ、壜がボトルホルダから滑り落ちることがなく、また壜の押し込み後に壜押し込みアームが元の位置に戻る際に壜押し込みプレートが後続の壜の口部に接触することがない洗壜機の給壜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するため、本発明の洗壜機における給壜装置は、壜をボトルホルダで保持し、循環移動するコンベヤによって液槽内を移動させて洗浄する洗壜機において、多数の壜を直立した状態で搬送する給壜コンベヤと、直立状態の壜を徐々に横倒しにするための給壜ガイドと、壜を給壜ガイドに沿って持ち上げるための壜持ち上げ用アームと、横倒しになった壜を前記ボトルホルダに押し込むための壜押し込みプレートを有した揺動可能な壜押し込みアームとを備え、前記壜押し込みプレートは、横倒しになった壜の壜底外周縁部に接触する左右一対の突出部と、前記一対の突出部の間にある凹部とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、壜底において最も凹んだ部分である壜底の中央部に比べて、外方に突出している壜底外周縁部を壜押し込みプレートの左右一対の突出部により押すようにしたため、壜押し込みプレートによる壜の押し込み量を増加させることができる。
【0011】
本発明の好ましい態様によれば、前記左右一対の突出部は、前記壜底外周縁部のうちの水平方向に対向した二つの部分に接触することを特徴とする。
本発明によれば、壜押し込みプレートの左右一対の突出部は壜底外周縁部のうちの水平方向に対向した二つの部分に接触するため、壜を安定して押し込むことができる。
【0012】
本発明の好ましい態様によれば、前記左右一対の突出部の先端は、平坦に形成され、前記壜底外周縁部のみに接触するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、壜底において外方に最も突出した部分である壜底外周縁部のみに、前記左右一対の突出部の先端が接触するため、壜の押し込み量を増加させることができる。
【0013】
本発明の好ましい態様によれば、前記凹部は下方にいくにつれて肉薄になるように傾斜面になっていることを特徴とする。
本発明によれば、壜をボトルホルダに押し込んだ後に、壜押し込みアームが元の位置に戻る際に、壜押し込みプレートは、凹部により、後続の壜との接触を避けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、壜を壜押し込みプレートにより洗壜装置本体内のボトルホルダに押し込む際に、壜押し込みプレートによる壜の押し込み量を増加させることができ、壜をボトルホルダ内に確実に押し込むことができる。したがって、一旦、壜がボトルホルダ内に押し込まれれば、壜がボトルホルダから滑り落ちることがない。
また、本発明によれば、壜をボトルホルダに押し込んだ後に、壜押し込みアームが元の位置に戻る際に、壜押し込みプレートが給壜ガイドの案内面上にある後続の壜の口部に接触することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る洗壜機の給壜装置の実施形態を図1乃至図7を参照して説明する。
図1は、本発明の洗壜機の全体構成を示す模式的な断面図である。図1に示すように、洗壜機1は、ビール壜等の壜2を洗浄する洗壜装置本体10と、洗壜装置本体10の入口側(図の左側)に配置され壜2を洗壜装置本体10に供給する給壜装置30と、洗壜装置本体10の出口側(図の右側)に配置され洗浄された壜2を洗壜装置本体10から排出する排壜装置50とを備えている。
【0016】
洗壜装置本体10のハウジング11内には、入口側から順に、汚れた壜2を受入れてノズル12aにより予備洗浄を行う予備洗浄室12、苛性液からなる洗浄液を貯留して洗浄を行う複数(図1では6個)の液槽としての浸漬槽13,14,15,16,17,18、温水を貯留してすすぎを行う液槽である温水浸漬槽19、及び仕上げ洗浄と壜及びボトルホルダの水切りを行う後処理室20が配設されている。浸漬槽13〜18および温水浸漬槽19には、それぞれ壜2の底を案内するために板状材を曲げて形成した壜底ガイド21が設けられている。
【0017】
また、洗壜装置本体10は、ハウジング11の両内側面に沿って走行するとともに洗壜コンベヤを構成する2本の無端チェーン22(太い線で図示)を備えている。これら無端チェーン22は、スプロケットとローラガイドによって案内されつつ、壜底ガイド21に沿って壜2を移送し、予備洗浄室12、浸漬槽13〜18、温水浸漬槽19、後処理室20を順次循環移動する。この2本の無端チェーン22には、ハウジング11の巾方向に沿って配置されるキャリアフレーム(図示せず)の両端が固定されていて、このキャリアフレームには、洗壜機1の能力によって異なるが10〜40個程度の複数のボトルホルダ24が固定されている。すなわち、2本の無端チェーン22には、複数のボルトホルダ24が縦横に整列された状態で支持されており、これら縦横に整列されたボトルホルダ24は、無端チェーン22の走行に伴って、予備洗浄室12、浸漬槽13〜18、温水浸漬槽19、後処理室20を順次移動する。
【0018】
図2は、給壜装置30を示す模式的側面図である。図2に示すように、給壜装置30は、多数の壜2を直立した状態で搬送する給壜コンベヤ31と、直立状態の壜2を徐々に横倒しにするための略円弧状の案内面32aと直線状の案内面32bとを有する給壜ガイド32と、壜2を給壜ガイド32に沿って持ち上げるための壜持ち上げ用アーム33と、横倒しになった壜2をボトルホルダ24に押し込むための壜押し込みアーム34とを備えている。壜持ち上げ用アーム33は、駆動装置60によって矢印方向に回転可能になっている。壜押し込みアーム34は、支点Oを中心として揺動可能になっており、先端部に、壜2をボルトホルダ24に押し込むための壜押し込みプレート35を備えている。
【0019】
図1および図2に示すように構成された洗壜機1において、壜2は、洗壜装置本体10の全幅に対応して装備された給壜コンベヤ31の上に直立して載置され、洗壜装置本体10のボトルホルダ24の横一列の個数に対応する列数で移送される。壜2は、壜コンベヤ31により搬送され、給壜コンベヤ31の出口端にある給壜ガイド32に当接し、給壜コンベヤ31の出口端で壜持ち上げ用アーム33により持ち上げられる。その後、壜2は、給壜ガイド32の略円弧状の案内面32aにより案内されつつ横倒しになり、横倒しになった壜2は、壜押し込みアーム34の先端部にある壜押し込みプレート35により押し込まれる。そして、壜2は、給壜ガイド32の直線状の案内面32bの上を移動し、ボトルホルダ24に口部側を先頭に底部側を後にして挿入される。
【0020】
給壜装置30によりボトルホルダ24に供給された壜2は、ボトルホルダ24に保持された状態で、浸漬槽13〜18で浸漬洗浄され、温水浸漬槽19ですすがれ、後処理室20で仕上げ洗浄および水切りが行われる。そして、洗浄された壜2は、排壜装置50に供給され、排壜装置50によって洗壜機1の外部に排出される。
【0021】
図3は、図2に示す給壜装置30およびボトルホルダ24を更に詳細に示す模式的側面図である。図3に示すように、壜押し込みアーム34は、支点Oにおいて、揺動装置70に連結されている。揺動装置70は、複数のリンク71、カム72等を備えたカム・リンク機構からなり、壜押し込みアーム34を、矢印で示すように、支点Oを中心として揺動させるようになっている。上述したように、壜押し込みアーム34が揺動することによって、壜2は、壜押し込みアーム34の先端部にある壜押し込みプレート35により押し込まれて給壜ガイド32の直線状の案内面32bの上を移動し、ボトルホルダ24内に挿入される。
【0022】
図4は、壜押し込みアーム34が揺動端で、壜押し込みプレート35が最も前進した位置にあり、壜2がボトルホルダ24に挿入された直後の状態を示す模式的側面図である。図4に示すように、壜押し込みアーム34が揺動端で壜押し込みプレート35が最も前進した位置にあるとき、壜2の壜底2aがボトルホルダ24から突出する突出量Lの許容値は、20〜30mmである。
本実施形態においては、上記突出量が許容値(20〜30mm)の範囲に収まるように、壜押し込みプレート35について種々の工夫がなされている。
【0023】
図5は、壜押し込みプレート35を出す図であり、図5(a)は壜押し込みプレート35の正面図、図5(b)は図5(a)のA矢視図、図5(c)は図5(a)のB矢視図である。図5(a)乃至図5(c)に示すように、壜押し込みプレート35は、概略直方体状をなし、上部に複数(図5に示す例においては4個)のボルト穴35hを有し、下部に2つの突出部35a,35aを有し、2つの突出部35a,35aの間に凹部35bを有している。図5(b)に示すように、突出部35aは三角形状の断面を有している。また、凹部35bは、下方に向かって次第に肉薄になるようにテーパ面(傾斜面)になっている。
【0024】
図5(a)乃至図5(c)に示すように構成された壜押し込みプレート35においては、ボルト穴35hにボルト(図示せず)を装着して壜押し込みアーム34に固定する。すなわち、ボルト穴35hがある部分は、壜押し込みアーム34への取付部を構成している。そして、壜押し込みプレート35が壜2の壜底2aに当接して壜2を押し込む際には、2つの突出部35a,35aは、壜2の壜底外周縁部のみに接触し、壜底中央部には接触しない。すなわち、二つの突出部35a,35aは、壜2の壜底外周縁部に接触して壜2をボトルホルダ24に押し込むための接触部を構成している。突出部35aの先端は平坦になっていて、壜底外周縁部のみに接触するようになっている。また、凹部35bは、壜2をボトルホルダ24に押し込んだ後に壜押し込みアーム34が元の位置に戻る際に壜押し込みプレート35が壜2の口部に接触しないようにするための逃げ部を構成している。
【0025】
図6は、壜押し込みプレート35が壜2をボトルホルダ24に向かって押し込む状態を示す図であり、図6(a)は、壜押し込みプレート35の2つの突出部35a,35aが横倒しの壜2の壜底2aに当接している状態を示す側面図であり、図6(b)は図6(a)のD矢視図である。図6(a)および図6(b)に示すように、壜押し込みプレート35の2つの突出部35a,35aの先端部が壜2の壜底外周縁部2cのみに接触している。図6(b)に示すように、壜2の壜底外周縁部2cにはナーリングが施されており、突出部35aはナーリングの細かな凸部に接触するようになっている。そして、前記二つの突出部35a,35aは、壜2の円環状の壜底外周縁部2cのうち水平方向に対向した二つの部分のみに接触している。二つの突出部35a,35aは、壜2の中心よりやや上方の壜底外周縁部2cに接触している。
【0026】
また壜押し込みプレート35の幅Wは壜2の壜底の直径dに略等しく、すなわち、W≒dに設定されている。また壜押し込みプレート35の取付部の厚さt1は、壜押し込みプレート35の幅Wを基準とすると、t1=(1/2)W〜(1/4)Wに設定されている。すなわち、壜押し込みプレート35は、肉厚に形成されていて、壜2を押し込む際に変形しないような充分な厚さを有している。そして、壜押し込みプレート35の突出部35aの高さt2は、壜押し込みプレート35の幅Wを基準とすると、t2=(2/3)W〜(1/3)Wに設定されていて、突出部35aの高さを高くして、壜2をボトルホルダ24内へ押し込む際に、壜2の壜底2aのボトルホルダ24からの突出量が許容値(20〜30mm)の範囲に完全に収まるようにしている。
【0027】
本発明においては、壜2をボトルホルダ24に押し込む際に、壜押し込みプレート35が壜2の壜底外周縁部2cのみに接触するように設定されている。従来の壜押し込みプレートが壜底中央部のみに接触するように設定されていたのに対し、本発明の壜押し込みプレートは壜底外周縁部2cのみに接触するように設定されているため、壜2のボトルホルダ24への押し込み量を増加させることができる。
また、本発明の壜押し込みプレート35の取付部の厚さt1および突出部35aの取付部からの突出高さt2は、従来の壜押し込みプレートに比べて厚く設定されているため、壜2のボトルホルダ24への押し込み時における壜押し込みプレート35の変形を防止することができる。
【0028】
図7は、壜2をボトルホルダ24に押し込んだ後に壜押し込みアーム34が揺動して元の位置に戻る際に、壜押し込みプレート35の軌跡を図示した模式図である。
図7に示すように、壜押し込みプレート35における2つの突出部35a,35a間の凹部35bが後続の壜2の口部2mの上方を移動することになる。図7において、曲線C1は凹部35bの下端aの軌跡を示し、曲線C2は突出部35aの先端bの軌跡を示す。
本発明の壜押し込みプレート35は、図7に示すように、壜押し込みアーム34が元の位置に戻る際に壜押し込みプレート35が壜2の口部2mに接触しないようにするための逃げ部を構成する凹部35bを有しているため、ハッチングで示す領域(Area)分だけ、従来の壜押し込みプレートに比べて後続の壜2に接触しないための非接触部が増加する。
したがって、壜2の壜底部に液体が溜まって凍結しているため、給壜ガイド32の略円弧状の案内面32aにおいて横倒しが不充分な場合でも、壜押し込みプレート35に凹部35bが形成されているため、壜押し込みプレート35が壜2の口部2mに接触することがない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の洗壜機の全体構成を示す模式的な断面図である。
【図2】図2は、給壜装置を示す模式的側面図である。
【図3】図3は、図2に示す給壜装置およびボトルホルダを更に詳細に示す模式的側面図である。
【図4】図4は、壜がボトルホルダに挿入された直後の状態を示す模式的側面図である。
【図5】図5は、壜押し込みプレートを出す図であり、図5(a)は壜押し込みプレートの正面図、図5(b)は図5(a)のA矢視図、図5(c)は図5(a)のB矢視図である。
【図6】図6は、壜押し込みプレートが壜をボトルホルダに向かって押し込む状態を示す図であり、図6(a)は、壜押し込みプレートの2つの突出部が横倒しの壜の壜底に当接している状態を示す側面図であり、図6(b)は図6(a)のD矢視図である。
【図7】図7は、壜をボトルホルダに押し込んだ後に壜押し込みアームが揺動して元の位置に戻る際に、壜押し込みプレートの軌跡を図示した模式図である。
【符号の説明】
【0030】
1 洗壜機
2 壜
2a 壜底
2c 壜底外周縁部
10 洗壜装置本体
11 ハウジング
12 予備洗浄室
12a ノズル
13〜18 浸漬槽
19 温水浸漬槽
20 後処理室
21 壜底ガイド
22 無端チェーン
24 ボトルホルダ
30 給壜装置
31 給壜コンベヤ
32 給壜ガイド
32a,32b 案内面
33 壜持ち上げ用アーム
34 壜押し込みアーム
35 壜押し込みプレート
35a 突出部
35b 凹部
50 排壜装置
60 駆動装置
70 揺動装置
71 複数のリンク
72 カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壜をボトルホルダで保持し、循環移動するコンベヤによって液槽内を移動させて洗浄する洗壜機において、多数の壜を直立した状態で搬送する給壜コンベヤと、直立状態の壜を徐々に横倒しにするための給壜ガイドと、壜を給壜ガイドに沿って持ち上げるための壜持ち上げ用アームと、横倒しになった壜を前記ボトルホルダに押し込むための壜押し込みプレートを有した揺動可能な壜押し込みアームとを備え、
前記壜押し込みプレートは、横倒しになった壜の壜底外周縁部に接触する左右一対の突出部と、前記一対の突出部の間にある凹部とを備えたことを特徴とする洗壜機の給壜装置。
【請求項2】
前記左右一対の突出部は、前記壜底外周縁部のうちの水平方向に対向した二つの部分に接触することを特徴とする請求項1記載の洗壜機の給壜装置。
【請求項3】
前記左右一対の突出部の先端は、平坦に形成され、前記壜底外周縁部のみに接触するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の洗壜機の給壜装置。
【請求項4】
前記凹部は下方にいくにつれて肉薄になるように傾斜面になっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の洗壜機の給壜装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−154934(P2009−154934A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336613(P2007−336613)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【出願人】(392032100)キリンエンジニアリング株式会社 (54)
【Fターム(参考)】