説明

洗浄体分別装置

【課題】 本発明は、流体流路1において流体Fと共に流通する洗浄体SBを下流側分岐路3に分別する洗浄体分別装置30において、濾別した洗浄体SBを良好に導入口33aに流入させることができ、更に、分別部濾別部材32を簡単に筒状本体31内に組み付け可能な洗浄体分別装置30を提供する点にある。
【解決手段】 前記導入口33aが、前記筒状本体31内において上流側に向けて開口し、前記分別部濾別部材32が、上流側に向けて拡径する錐状に形成されていると共に、前記錐状の頂部に前記導入口33aに連通する連通部32cが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が流通する流体流路に設けられた洗浄対象部よりも下流側に接続される筒状本体と、前記筒状本体内に流入した前記流体から洗浄体を濾別する分別部濾別部材と、前記分別部濾別部材で濾別された前記洗浄体を受け入れて前記流体流路における前記洗浄対象部よりも下流側から分岐する下流側分岐路に導く導入口とを備え、前記流体流路において前記流体と共に流通する前記洗浄体を前記下流側分岐路に分別する洗浄体分別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収冷温水機の吸収器や凝縮器等のように、伝熱管内に流通する冷却水等の流体と伝熱管外を流通する吸収液等の熱媒との熱交換を行う熱交換器においては、その伝熱管の内壁等に、流体中の塩類等が析出・付着してスケールが発生する場合があり、たとえば、そのスケールにより、熱交換器の効率低下などの問題が発生する場合がある。
【0003】
そこで、流体が流通する流体流路に設けられた熱交換器等の洗浄対象部に、海綿状の洗浄ボール等の洗浄体を、流体と共に流通させることで、洗浄対象部に発生したスケールを除去することができる洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。
【0004】
かかる従来の洗浄装置は、洗浄対象部よりも下流側に、流体流路における洗浄対象部よりも下流側から分岐する下流側分岐路に洗浄体を分別する洗浄体分別部を備え、その下流側分岐路と流体流路における洗浄対象部よりも上流側から分岐する上流側分岐路とを接続する循環路を備えると共に、その循環路に、下流側分岐路から上流側分岐路に向かう方向に流体を搬送可能なポンプを備え、運転制御装置により、上記ポンプを作動させる状態で、洗浄体を流体と共に洗浄対象部と循環路との間で循環させる洗浄体循環運転を行うことで、洗浄体を洗浄対象部に通過させて、スケールを除去するように構成されている。
【0005】
上記のような洗浄装置において、洗浄対象部よりも下流側に設けられる洗浄体分別部としての洗浄体分別装置としては、洗浄対象部よりも下流側に接続される筒状本体と、筒状本体内に流入した流体から洗浄体を濾別する分別部濾別部材と、分別部濾別部材で濾別された洗浄体を受け入れて下流側分岐路に導く導入口とを備え、流体流路において流体と共に流通する洗浄体を下流側分岐路に分別する洗浄体分別装置がある(例えば、特許文献3を参照。)。
【0006】
かかる特許文献3に記載の洗浄体分別装置は、上記分別部濾別部材が、上記筒状本体を斜めに横断する形態で配置された格子板で構成され、更に、上記導入口が、筒状本体の内壁において流体の流通方向と垂直な方向に開口するように形成されて、その分別部濾別部材により濾別された洗浄体をその分別部濾別部材に沿って筒状本体の内壁側に移動させて、上記導入口から下流側分岐路に導くように構成されている。
【0007】
【特許文献1】特開昭58−14000号公報
【特許文献2】特開平4−13095号公報
【特許文献3】特開平4−13096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の洗浄体分別装置では、分別部濾別部材が平板状に構成されているので、導入口付近に移動してきた洗浄体はその分別濾別部材と筒状部材の内壁との交差線上に分散した状態となり、洗浄体を導入口に流入せずに筒状本体内に残ってしまう場合があった。
また、上記洗浄体分別装置においては、分別濾別部材により濾別された洗浄体が、その分別部濾別部材に形成された孔に引っ掛かって、導入口側へ移動しない場合があった。
【0009】
また、平板状の上記分別部濾別部材は、筒状本体を斜めに横断することから楕円状等に形成され、その楕円状の分別部濾別部材を筒状本体内に挿入し組み付けることが困難な場合があった。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、濾別した洗浄体を良好に導入口に流入させることができ、更に、分別部濾別部材を簡単に筒状本体内に組み付け可能な洗浄体分別装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る洗浄体分別装置は、流体が流通する流体流路に設けられた洗浄対象部よりも下流側に接続される筒状本体と、前記筒状本体内に流入した前記流体から洗浄体を濾別する分別部濾別部材と、前記分別部濾別部材で濾別された前記洗浄体を受け入れて前記流体流路における前記洗浄対象部よりも下流側から分岐する下流側分岐路に導く導入口とを備え、前記流体流路において前記流体と共に流通する前記洗浄体を前記下流側分岐路に分別する洗浄体分別装置であって、その第1特徴構成は、前記導入口が、前記筒状本体内において上流側に向けて開口し、
前記分別部濾別部材が、上流側に向けて拡径する錐状に形成されていると共に、前記錐状の頂部に前記導入口に連通する連通部が形成されている点にある。
【0012】
上記第1特徴構成によれば、上記導入口が筒状本体内において上流側に向けて開口しているので、筒状本体内に流入した流体の一部が導入口を通じて下流側分岐路に流入することになり、更に、上記分別部濾別部材が上記のような錘状に形成されて、その頂部にある連通部が上記導入口に連通する状態で接続されていることで、錘状の分別部濾別部材に濾別された洗浄体は、その錘状の内壁に沿って良好に移動して連通部に集結し、導入口に流入する流体の流れに伴って良好に導入口に流入することになる。
また、分別部濾別部材を錘状に形成することで、平板状に形成する場合よりも、分別濾別部材の流体の流通方向に沿った長さをできるだけ短くしながら、分別部濾別部材の流体の流通方向に対する傾斜角度を出来るだけ鋭角として、洗浄体が分別部濾別部材に形成された孔に引っ掛かって移動しなくなることを抑制し、一層洗浄体を良好に導入口に流入させることができる。
更に、上記分別濾別部材が錘状であるため、その分別部濾別部材を筒状本体よりも上流側端部より簡単に抜き差し可能となり、分別部濾別部材を簡単に筒状本体内に組み付けることができる。
【0013】
本発明に係る洗浄体分別装置の第2特徴構成は、前記分別部濾別部材が、前記流体の流通方向を長手方向とする複数の長孔が穿設された板材で構成されている点にある。
【0014】
上記第2特徴構成によれば、分別部濾別部材を、上記のような複数の長孔が穿設された板材で構成することで、分別部濾別部材に沿って流体の流通方向に移動する洗浄体が、その長孔に引っ掛かることが抑制され、一層良好に濾別した洗浄体を導入口に流入させることができる。
【0015】
本発明に係る洗浄体分別装置の第3特徴構成は、前記分別部濾別部材が、角錐状に形成されている点にある。
【0016】
上記第3特徴構成によれば、上記分別部濾別部材を角錐状に形成することで、複数の三角形の板材を溶接等で組み合わせて、簡単に上記分別部濾別部材を製作することができる。
【0017】
本発明に係る洗浄体分別装置の第4特徴構成は、前記筒状本体が、前記筒状本体よりも上流側の本管に形成された本管側フランジとの間でフランジ接続される本体側フランジを有し、
前記分別部濾別部材が、前記本管側フランジと前記本体側フランジとの間に挟持される濾別部材フランジを有する点にある。
【0018】
上記第4特徴構成によれば、上記分別部濾別部材は、本管側フランジとの間の接続を解除した状態で、筒状本体の本体側フランジ側から着脱自在となり、更に、本管側フランジと本体側フランジとをフランジ接続する際にそれらにより濾別部材フランジを挟持することで、連通路を導入口に対して挿入又は当接する状態で、上記分別部濾別部材を筒状本体内に簡単に固定することができる。
【0019】
本発明に係る洗浄体分別装置の第5特徴構成は、前記洗浄体が、海綿体製の洗浄ボールである点にある。
【0020】
上記第5特徴構成によれば、上記洗浄体としては、ゴム又は樹脂等からなる海綿体製の洗浄ボールを用いた場合でも、濾別した洗浄ボールを良好に導入口に流入させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示す洗浄装置100は、吸収冷温水機の吸収器や凝縮器等のように、冷却水等の流体Fが流通する流体流路1に設けられた洗浄対象部としての熱交換器20の伝熱管22内に、洗浄体としてのゴムや樹脂等からなる海綿(スポンジ)状の洗浄ボールSBを、流体Fと共に流通させることで、熱交換器20の伝熱管22内に発生したスケールを除去するように構成されている。
【0022】
かかる洗浄装置100は、流体Fが流通する流体流路1に設けられた熱交換器20よりも下流側1Bに、該下流側1Bから分岐する下流側分岐路3に流体Fと共に流通する洗浄ボールSBを分別する洗浄体分別装置30(洗浄体分別部)を備える。
この洗浄体分別装置30は、詳細については後述するが、熱交換器20よりも下流側1Bに接続される筒状本体31と、その筒状本体31内に流入した流体Fから洗浄ボールSBを濾別する分別部濾別部材32と、分別部濾別部材32で濾別された洗浄ボールSBを受け入れて下流側分岐路3に導く導入口33aとを備え、流体流路1において流体Fと共に流通する洗浄ボールSBを下流側分岐路3に分別するように構成されている。
【0023】
更に、洗浄装置100は、下流側分岐路3と流体流路1における熱交換器20よりも上流側1Aから分岐する上流側分岐路2とを接続する循環路4を備えると共に、上流側分岐路2に、下流側分岐路3から上流側分岐路2に向かう方向に流体Fを搬送可能なポンプ9を備え、このポンプ9は、運転制御装置50(運転制御手段)によるコンピュータ制御やシーケンス制御等により作動制御される。
【0024】
そして、この運転制御装置50は、図4に示すように、下流側分岐路3と上流側分岐路2との接続状態が循環路4を介して接続される循環状態であるときに、ポンプ9を作動させる状態で、洗浄ボールSBを流体Fと共に熱交換器20の伝熱管22内と循環路4との間で循環させて、熱交換器20の伝熱管22内を洗浄する洗浄体循環運転を実行可能に構成されている。
【0025】
また、運転制御装置50は、予め設定された一定時間の間、又は、洗浄停止ボタンが押圧されて停止指令が入力されるまでの間、上記洗浄体循環運転を実行するように構成することができ、更に、予め設定された一定期間毎や洗浄開始ボタンが入力されたときなどに、上記洗浄体循環運転を開始するように構成することができる。
【0026】
更に、洗浄装置100は、循環路4と上流側分岐路2との接続部から分岐する上流側回収送出路6と、循環路4と下流側分岐路3との接続部から分岐する下流側回収送出路7とを備え、更に、上流側回収送出路6と下流側回収送出路7との間に、上流側回収送出路6と下流側回収送出路7との間を仕切る形態で配置され流体Fから洗浄ボールSBを濾別する収容部濾別部材43を備えた洗浄体収容部40を備える。
【0027】
この洗浄体収容部40は、下流側回収送出路7が上方側部に接続され上流側回収送出路6が下方底部に接続された密閉容器41内に、その上方と下方とを仕切る形態で上記収容部濾別部材43が設けて構成されている。また、上記収容部濾別部材43は、洗浄ボールSBの直径よりも小径の孔が多数設けられた多孔状の板材又は網等で構成されている。
即ち、上記洗浄体収容部40は、流体Fが下流側回収送出路7側から上流側回収送出路6側へ向けて密閉容器41内を流通する場合には、その流体Fと共に流通する洗浄ボールSBを上記収容部濾別部材43により濾別して回収し、逆に、流体Fが上流側回収送出路6側から下流側回収送出路7側へ向けて密閉容器41内を流通する場合には、収容部濾別部材43上の洗浄ボールSBをその流体Fの流れと共に下流側回収送出路7側に送出するように構成されている。
【0028】
更に、洗浄装置100は、下流側分岐路3と上流側分岐路2との接続状態を、循環路4を介して接続される循環状態と、洗浄体収容部40を介して接続される回収送出状態とに切り換え可能な切換手段として、循環路4と下流側分岐路3と下流側回収送出路7とに接続された三方切換弁10を備え、この三方切換弁10は、ポンプ9と同様に、運転制御装置50により作動制御される。
【0029】
即ち、上記三方切換弁10は、図4に示すように、循環路4が接続されたポート10aと下流側分岐路3が接続されたポート10bとを連通状態とすると共に、下流側回収送出路7が接続されたポート10cを閉状態とすることで、下流側分岐路3と上流側分岐路2とを循環路4を介して接続する循環状態とし、一方、図2,図3及び図5に示すように、上記ポート10bと上記ポート10cとを連通状態とすると共に、上記ポート10aを閉状態とすることで、下流側分岐路3と上流側分岐路2とを洗浄体収容部40を介して接続する回収送出状態とすることができる。
【0030】
そして、運転制御装置50は、図4に示すような洗浄体循環運転を実行する前に、図2及び図3に示すように、ポンプ9を作動させない状態で三方切換弁10を回収送出状態(ポート10bとポート10cとを連通状態とすると共にポート10aを閉状態とする状態)とする洗浄体送出運転を実行するように構成されている。
【0031】
即ち、運転制御装置50により上記洗浄体送出運転を実行すると、上流側分岐路2の流体圧力が下流側分岐路3の流体圧力よりも高いことから、熱交換器20よりも上流側1Aの流体Fが、上流側分岐路2、及び、上流側回収送出路6を介して洗浄体収容部40内に流入し、更に、その流体Fが、洗浄体収容部40内から下流側回収送出路7を介して下流側分岐路3に流通することになる。
【0032】
よって、上記洗浄体送出運転を実行することにより、洗浄体収容部40の収容部濾別部材43上の洗浄ボールSBを、図2に示すように、上記流体Fの流れに乗せて、下流側回収送出路7及び下流側分岐路3に送出し、図3に示すように、下流側分岐路3内に滞留させることができる。
【0033】
尚、運転制御装置50により洗浄体送出運転を行う時間は、洗浄ボールSBを完全に下流側分岐路3内に送出できる時間として設定され、このような時間は実験や計算等により求めることができる。
【0034】
運転制御装置50は、上記洗浄体送出運転を実行した後、洗浄体循環運転を実行するときに、図4に示すように、ポンプ9を作動させる状態で三方切換弁10を循環状態(ポート10aとポート10bとを連通状態とすると共にポート10cを閉状態とする状態)とすることで、洗浄ボールSBを流体Fと共に熱交換器20の伝熱管22内と循環路4との間で循環させるように構成されている。
よって、この洗浄体循環運転を実行している際の洗浄ボールSBは、洗浄体収容部40を通過せずに、循環路4を通過することになるので、洗浄ボールSBの洗浄体収容部40の密閉容器41の内壁や収容部濾別部材43への衝突による磨耗が防止される。
【0035】
次に、運転制御装置50は、上記洗浄体循環運転を実行した後に、図5に示すように、ポンプ9を作動させる状態で三方切換弁10を回収送出状態(ポート10bとポート10cとを連通状態とすると共にポート10aを閉状態とする状態)とする洗浄体回収運転を実行するように構成されている。
【0036】
即ち、運転制御装置50により上記洗浄体回収運転を実行すると、洗浄ボールSBと共に下流側分岐路3に流入した流体Fが、下流側回収送出路7側から上流側回収送出路6側へ向けて密閉容器41内を流通することになる。
よって、上記洗浄体回収運転を実行することにより、洗浄ボールSBを、洗浄体収容部40の収容部濾別部材43上に回収することができる。
【0037】
尚、運転制御装置50により洗浄体回収運転を行う時間は、洗浄ボールSBを完全に収容部濾別部材43上に回収できる時間として設定され、このような時間は実験や計算等により求めることができる。
【0038】
次に、洗浄体分別装置30の詳細構成について説明を加える。
図1及び図7に示すように、洗浄体分別装置30において、導入口33aが、筒状本体31内において上流側(熱交換器20側)に向けて開口し、分別部濾別部材32が、上流側に向けて拡径する円錐状等の錐状に形成されていると共に、錐状の頂部に導入口33aに連通する連通部32cが形成されている。
【0039】
尚、上記導入口33aは、一端側が下流側分岐路3に接続され、筒状本体31の側壁から中心部に向けて延出し上流側に屈折する導入管33の他端側開口として形成することができる。
【0040】
よって、洗浄体分別装置30の筒状本体31内に流体Fと共に流入した洗浄ボールSBは、分別部濾別部材32の錘状の内壁に沿って良好に上記連通部32に集まり、一部の流体Fと共に導入口33aに流入することになる。
【0041】
また、上記分別部濾別部材32は、流体Fの流通方向を長手方向とする複数の長孔hが穿設された板材32bで構成されている。
よって、上記分別部濾別部材32により濾別された洗浄ボールSBが、上記長孔hの縁に引っ掛かることを抑制して、良好に分別部濾別部材32の内壁に沿って連通孔32に移動することになる。
【0042】
また、筒状本体31は、筒状本体32よりも上流側の本管25に形成された本管側フランジ25aとの間でフランジ接続される本体側フランジ31aを有し、更に、分別部濾別部材32が、本管側フランジ25aと本体側フランジ31aとの間に挟持される濾別部材フランジ32a有する。
よって、上記分別部濾別部材32は、本管側フランジ25aとの間の接続を解除した状態で、筒状本体32の本体側フランジ31a側から着脱自在となり、更に、本管側フランジ25aと本体側フランジ31aとをフランジ接続する際にそれらにより濾別部材フランジ32aを挟持することで、連通路32cを導入口33aに対して挿入又は当接する状態で、上記分別部濾別部材32を筒状本体31内に簡単に固定することができる。
【0043】
また、上記分別濾別部材32は、図8に示すように、多数の長孔hを形成した平板状の板材32bを張り合わせて、四角錐等の角錐状に形成することができる。
【0044】
更に、上記分別濾別部材32は、図9に示すように、複数の棒状体32dを錘状に並設して構成することもでき、洗浄ボールSBをその棒状体32dに沿って良好に連通孔32に移動させることができる。
【0045】
また、上記棒状体32dで構成する場合には、互いに長さが異なる複数種の棒状体32dを並設することで、棒状体32d間に形成される長孔hの大きさを洗浄ボールSBの直径以下の略均一なものとすることができる。
また、リング状の固定部材32eを錘状に並設された棒状体32dの外周側にはめ込んで溶接固定することで、棒状体32dのばたつきを防止することができる。
【0046】
〔別実施形態〕
(1)
上記実施の形態では、洗浄体送出運転を実行する際に、上流側分岐路2において流体Fがポンプ9を逆流するように構成したが、ポンプ9が上流側分岐路2に設けられている場合でも、ポンプ9において流体Fが逆流しないように構成することも可能である。
即ち、図6に示すように、ポンプ9が上流側分岐路2に設けられている場合に、上流側分岐路2のポンプ9の吐出側と上流側回収送出路6とを接続する送出用バイパス路12を備えると共に、送出用バイパス路12に送出用バイパス弁としての三方切換弁13を備える。
この三方切換弁13は、上流側分岐路2と送出用バイパス路12との接続部に設けられ、流体流路1側に接続されたポート13aと送出用バイパス路12側に接続されたポート13bと、ポンプ9の吐出側に接続されたポート13cを有する。
そして、運転制御装置50は、洗浄体送出運転を実行するときには、送出用バイパス弁を開状態とする、即ち、三方切換弁13のポート13aとポート13bを連通状態とすると共にポート13cを閉状態として、熱交換器20よりも上流側1Aの流体Fを、上流側分岐路2、送出用バイパス路12、及び、上流側回収送出路6を介して洗浄体収容部40内に流入させるように構成されている。一方、運転制御装置50は、洗浄体循環運転及び洗浄体回収運転を実行するときには、送出用バイパス弁を閉状態とする、即ち、三方切換弁13のポート13aとポート13cを連通状態とすると共にポート13bを閉状態として、ポンプ9を作動させて下流側分岐路3から循環路4又は洗浄体回収部40を介して上流側分岐路2に向けて流体Fを流通させることができる。
尚、上記送出用バイパス弁として上記三方切換弁13を使用したが、ポンプ9に逆止弁が設けられている場合などには、ポンプ9の吐出側のポート10cを閉状態とする必要がないので、上記送出用バイパス弁を、送出用バイパス路12に設けた開閉弁で構成することができる。
【0047】
(2)
上記実施の形態では、ポンプ9を上流側分岐路2に設けたが、別に、ポンプ9を下流側分岐路3に設けても構わない。
【0048】
(3)
上記実施の形態では、洗浄体として海綿状の洗浄ボールを使用したが、海綿状でないゴム又は樹脂等からなる洗浄体等の別の洗浄体を使用しても構わない。
【0049】
(4)
上記実施の形態では、下流側分岐路3と上流側分岐路2との接続状態を、循環路4を介して接続される循環状態と、洗浄体収容部40を介して接続される回収送出状態とに切り換え可能な上記切換手段として、三方切換弁10を設けたが、別に、上記循環路4、及び、洗浄体収容部40に接続された上流側回収送出路6又は下流側回収送出路7の夫々に、開閉弁を設けて上記切換手段としても構わない。
【0050】
(5)
上記実施の形態では、熱交換器20を洗浄対象部としたが、別に、上記熱交換器20以外の配管や弁等の流体流路1において流体Fが流通する部位を上記洗浄対象部としても構わない。
【0051】
(6)
上記実施の形態では、洗浄体分別装置30の分別部濾別部材32を、流体Fの流通方向を長手方向とする複数の長孔hが穿設された板材32bで構成したが、別に、長孔以外の形状の穴が複数穿設された板材や格子等で構成しても構わない。
【0052】
(7)
上記実施の形態では、洗浄体分別装置30の分別部濾別部材32が、本管側フランジと本体側フランジとの間に挟持される濾別部材フランジ32aを有するように構成したが、別に、濾別部材フランジ32aを設けることなく、分別部濾別部材32を筒状本体31に固定するように構成しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】洗浄装置の実施形態を示す図
【図2】洗浄装置の洗浄体送出運転時の状態を示す図
【図3】洗浄装置の洗浄体送出運転終了時の状態を示す図
【図4】洗浄装置の洗浄体循環運転時の状態を示す図
【図5】洗浄装置の洗浄体回収運転時の状態を示す図
【図6】洗浄装置の別実施形態を示す図
【図7】洗浄体分別装置の実施形態を示す図
【図8】洗浄体分別装置の別実施形態を示す図
【図9】洗浄体分別装置の別実施形態を示す図
【符号の説明】
【0054】
1:流体流路
1B:下流側
2:上流側分岐路
3:下流側分岐路
20:熱交換器(洗浄対象部)
30:洗浄体分別装置
31:筒状本体
32:分別部濾別部材
32a:濾別部材フランジ
32c:連通口(連通部)
33a:導入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通する流体流路に設けられた洗浄対象部よりも下流側に接続される筒状本体と、前記筒状本体内に流入した前記流体から洗浄体を濾別する分別部濾別部材と、前記分別部濾別部材で濾別された前記洗浄体を受け入れて前記流体流路における前記洗浄対象部よりも下流側から分岐する下流側分岐路に導く導入口とを備え、前記流体流路において前記流体と共に流通する前記洗浄体を前記下流側分岐路に分別する洗浄体分別装置であって、
前記導入口が、前記筒状本体内において上流側に向けて開口し、
前記分別部濾別部材が、上流側に向けて拡径する錐状に形成されていると共に、前記錐状の頂部に前記導入口に連通する連通部が形成されている洗浄体分別装置。
【請求項2】
前記分別部濾別部材が、前記流体の流通方向を長手方向とする複数の長孔が穿設された板材で構成されている請求項1に記載の洗浄体分別装置。
【請求項3】
前記分別部濾別部材が、角錐状に形成されている請求項1又は2に記載の洗浄体分別装置。
【請求項4】
前記筒状本体が、前記筒状本体よりも上流側の本管に形成された本管側フランジとの間でフランジ接続される本体側フランジを有し、
前記分別部濾別部材が、前記本管側フランジと前記本体側フランジとの間に挟持される濾別部材フランジを有する請求項1から3の何れか1項に記載の洗浄体分別装置。
【請求項5】
前記洗浄体が、海綿体製の洗浄ボールである請求項1から4の何れか1項に記載の洗浄体分別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−3008(P2006−3008A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179662(P2004−179662)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000199887)川重冷熱工業株式会社 (59)
【Fターム(参考)】