説明

洗浄剤、及び該洗浄剤を用いた洗浄方法

【課題】本発明が解決しようとする課題は、湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置内部に固着した湿気硬化型ホットメルト組成物及びその硬化物を、効率よく実用上十分なレベルにまで除去することの可能な洗浄剤、及びそれを用いた洗浄方法を提供することである。
【解決手段】本発明は、下記一般式(I)で示される化合物(A)を含有してなることを特徴とする洗浄剤に関するものであり、かかる洗浄剤及びそれを用いた洗浄方法を適用することによって、前記課題を解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物の除去に使用可能な洗浄剤、及びそれを用いた洗浄方法に関するものである。更に詳しくは、湿気硬化型ホットメルト組成物を各種基材へ塗布する際に使用する各種供給装置の洗浄に使用可能な洗浄剤及びその洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットメルト接着剤は、一般に瞬間接着性等に優れるという特性を有することから、近年、製本、包装、木工等をはじめとする様々な用途で大量に使用されている。
【0003】
前記ホットメルト接着剤は、通常、常温で非常に粘稠な液状または固体状であるため、該接着剤を前記用途等で使用する際には、一般にホットメルトアプリケーターといわれる接着剤の供給装置を用いて該接着剤を加熱溶融し、塗工に適した所望の加熱溶融粘度に調整する必要がある。
【0004】
前記ホットメルト接着剤の塗布等に使用するホットメルトアプリケーターは、通常、ホットメルト接着剤の投入口、投入されたホットメルト接着剤を加熱溶融するための溶融タンク、及び加熱溶融されたホットメルト接着剤を塗工するための排出口、及び該接着剤を溶融タンクから排出口へ移送するためのホース部等から構成されるものが多い。
【0005】
特に、ホットメルト接着剤として湿気硬化型ホットメルト接着剤を使用する場合には、湿気硬化型ホットメルト接着剤が湿気と接触し硬化することを防止する観点から、前記設備には、一般に、溶融タンク内の空気を常時または定期的に窒素ガスや炭酸ガスで置換するための設備が必要とされる場合がある。
【0006】
しかし、前記したような置換設備を有している場合であっても、かかる設備のみではホットメルトアプリケーター内部の湿気を完全に排除することができないため、依然としてアプリケーター内部での該接着剤の湿気硬化を十分なレベルにまで抑制することは困難であった。
【0007】
また、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、熱の影響によっても徐々に硬化を進行する場合があるため、前記置換設備によってホットメルトアプリケーター内部の空気を窒素ガス等で十分に置換できたとしても、アプリケーターの長期間にわたる使用により、前記溶融タンクや移送ホース内部に該接着剤の硬化物が溶融タンク等の壁面等に固着する場合があった。
【0008】
ホットメルトアプリケーター内部に該接着剤の硬化物等が固着すると、加熱溶融した湿気硬化型ホットメルト接着剤を効率よく塗布装置に移送することができず、また、該接着剤の粒子状またはフレーク状の硬化物やゲル化物が、加熱溶融された湿気硬化型ホットメルト接着剤とともに基材上に塗布される場合があるため、得られる化粧造作部材等の積層体の接着不良や外観不良を引き起こす場合がある。そのため、産業界からは、前記アプリケーター等の内部に残留した接着剤の固着物を効率良く除去可能な洗浄剤や洗浄方法の検討が求められていた。
【0009】
例えば、湿気硬化型ホットメルト接着剤が有するイソシアネート基と反応しうる官能基を有する、アルコールや1級または2級アミン、カルボン酸等の化合物を主成分とする処理剤を使用する方法や(例えば、特許文献1参照。)、特定の非反応性ホットメルト接着剤を用いてアプリケーター内部の湿気硬化型ホットメルト接着剤と置換する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
しかし、前記いずれの方法であっても、アプリケーター内部に固着した湿気硬化型ホットメルト接着剤やその硬化物を、効率よく十分なレベルにまで除去することは困難であった。
【0011】
【特許文献1】特開平7−197006号公報
【特許文献2】特開2001−129477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置内部に固着した湿気硬化型ホットメルト組成物及びその硬化物を、効率よく実用上十分なレベルにまで除去することの可能な洗浄剤、及びそれを用いた洗浄方法を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、前記方法で洗浄された湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置を用いて基材上に湿気硬化型ホットメルト組成物を効率よく塗布する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、従来より可塑剤として知られている特定のポリエステル化合物を使用すると、湿気硬化型ポリウレタン組成物やその硬化物を効率よく十分なレベルにまで除去できることを見出した。
【0014】
即ち、本発明は、下記一般式(I)で示される化合物(A)を含有してなることを特徴とする洗浄剤に関するものである。
【0015】
【化1】

【0016】
(一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立してアルキル基、R、R及びRはそれぞれ独立してアルキレン基、nは1〜4の整数を示す。)
また、本発明は、湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物が固着した部位と、前記湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化点以上の温度で加熱された前記洗浄剤とを接触させることによって、固着した前記硬化物を前記部位から除去することを特徴とする洗浄方法に関するものである。
【0017】
また、本発明は、湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置に、前記湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化点以上の温度で加熱された前記洗浄剤を供給し、前記供給装置を構成する湿気硬化型ホットメルト組成物の流路内を循環させることによって、前記硬化物を前記流路の内壁から遊離させる、供給装置の洗浄方法に関するものである。
【0018】
また、本発明は、湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物が固着した部位と、前記湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化点以上の温度で加熱された前記洗浄剤とを接触させることによって、固着した前記硬化物を前記部位から除去し、次いで湿気硬化型ホットメルト組成物を供給し、加熱溶融状態の前記湿気硬化型ホットメルト組成物を、基材上に塗布する方法に関するものである。
【0019】
また、本発明は、湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置に、前記湿気硬化型ホットメルト組成物が有する軟化点以上の温度で加熱された前記洗浄剤を供給し、前記供給装置を構成する湿気硬化型ホットメルト組成物の流路内を循環させることによって、前記硬化物を前記流路の内壁から遊離させた後、前記洗浄剤を前記供給装置から排出し、次いで、前記供給装置に、湿気硬化型ホットメルト組成物を供給し、加熱溶融状態の前記湿気硬化型ホットメルト組成物を、基材上に塗布する方法に関するものである。
【0020】
また、本発明は、湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置に、前記湿気硬化型ホットメルト組成物が有する軟化点以上の温度で加熱された前記洗浄剤を供給し、前記供給装置を構成する湿気硬化型ホットメルト組成物の流路内を循環させることによって、前記硬化物を前記流路の内壁から遊離させた後、前記洗浄剤を前記供給装置から排出し、次いで、前記供給装置に、加熱溶融状態の湿気硬化型ホットメルト組成物を供給し、ろ過精度が40〜80μmの焼成金属繊維からなるフィルターを用いてろ過した加熱溶融状態の前記湿気硬化型ホットメルト組成物を、基材上に塗布する方法に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の洗浄剤は、下記一般式(I)で示される化合物(A)、及び必要に応じてその他の各種添加剤等を含有してなるものである。
【0022】
【化2】

【0023】
(一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立してアルキル基、R、R及びRはそれぞれ独立してアルキレン基、nは1〜4の整数を示す。)
【0024】
前記洗浄剤は、常温で固体状であっても液体状であってもよいが、常温では固体状であるが、加熱によって溶融するものであることが、取り扱いが容易であるため好ましい。
【0025】
前記化合物(A)またはその加熱溶融物は、加熱溶融状態の湿気硬化型ホットメルト組成物を溶解しやすく、また、前記湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物を膨潤させることにより、その固着部位から遊離させることが可能である。特に、前記化合物(A)としては8.5〜9.9の範囲の溶解度パラメータを有するものを使用することが、加熱溶融状態の湿気硬化型ホットメルト組成物を溶解させやすいため好ましい。
なお、前記溶解度パラメータとは、Smallの式(下記式1)で計算した値である。
【0026】
SP = dΣG/M (1)
ここで、SPは溶解度パラメータを、Mは単位分子量を、dは密度(g/cm)を、Gは原子団または官能基に固有の定数を表す。
【0027】
前記化合物(A)としては、前記一般式(I)を満たすものであればいずれも使用できるが、前記一般式(I)中のR及びRがそれぞれ独立して炭素原子数1〜8の脂肪族アルキル基であり、R及びRがそれぞれ独立して炭素原子数1〜4の脂肪族アルキレン基であり、Rが炭素原子数1〜10の脂肪族アルキレン基であり、かつnが1〜4の整数であるものを使用することが好ましく、R及びRがブチル基であり、R及びRがエチレン基であり、Rがブチレン基であり、かつnが2であるものを使用することがより好ましく、具体的には、ジ−モノブチルエチルグリコールアジペートを使用することが洗浄効果に優れるため特に好ましい。
【0028】
また、前記化合物(A)としては、500以下の分子量を有するものを使用することが、湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物を膨潤させ、該硬化物を固着部位から遊離させやすいため好ましい。
【0029】
前記化合物(A)は、ジカルボン酸、及び片末端の水酸基が封鎖されたポリエーテルポリオールを、公知慣用の方法でエステル化反応することによって製造することができる。
【0030】
前記ジカルボン酸としては、例えばアジピン酸やセバシン酸等を使用することができ、なかでもアジピン酸を使用することが、比較的安価で容易に入手可能であり、かつ得られる化合物(A)の溶解度パラメータを調整しやすいため好ましい。
【0031】
また、前記片末端の水酸基が封鎖されたポリエーテルポリオールとしては、例えば
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリプロピレングリコール等の片末端の水酸基が、メチル基やエチル基等のアルキル基で封鎖された、モノアルキレングリコールモノアルキルエーテルやポリアルキレングリコールポリアルキルエーテル等を使用することができ、なかでもジエチレングリコールの片末端の水酸基がメチル基やエチル基、またはブチル基で封鎖された、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、またはジエチレングリコールモノブチルエーテル等を使用することが好ましく、とりわけジエチレングリコールモノブチルエーテルを使用することが、湿気硬化性ホットメルト組成物の硬化物を膨潤させやすく、かつ洗浄性に優れるため好ましい。
【0032】
本発明の洗浄剤は、前記化合物(A)の他に、必要に応じて結晶性ポリマーを含んでいることが好ましい。
【0033】
前記結晶性ポリマーとしては、分子内に結晶性セグメントを有するポリマーであって、具体的には、分子内に結晶性セグメントを有する、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ならびにポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリアルキレン樹脂を使用することができる。なかでも、直鎖状脂肪族ポリエステル樹脂、繰り返し炭素数が4以上の直鎖状脂肪族ポリエーテル樹脂、直鎖状脂肪族ポリカーボネート樹脂や、前記樹脂と同様の構造を有する直鎖状ウレタン樹脂を使用することが好ましく、ポリカプロラクトンを使用することがより好ましい。前記結晶性ポリマーを使用することによって、前記化合物(A)と湿気硬化性ホットメルト組成物との相溶性を向上でき、かつ、洗浄後の供給装置から排出される使用済の洗浄剤及び装置内部から除去された湿気硬化型ホットメルト組成物を固体状にできるため、かかる排出物の取り扱いを容易にすることができる。
【0034】
前記結晶性ポリマーは、本発明の洗浄剤が常温で固形状態となる範囲で使用することが好ましく、具体的には洗浄剤の全量に対して1〜50質量%の範囲で使用することが好ましい。
【0035】
また、本発明の洗浄剤は、前記化合物(A)の他に、必要に応じて活性水素を有するワックス類を含んでいることが好ましい。
【0036】
前記活性水素を有するワックス類は、湿気硬化型ホットメルト組成物の湿気硬化反応に寄与するイソシアネート基やシリル基と反応し、装置内部に残存する該組成物の湿気硬化反応の進行を停止または抑制することができる。また、活性水素を有するワックス類を含有する本発明の洗浄剤は、洗浄後の供給装置から排出される使用済の洗浄剤及び装置内部から除去された湿気硬化型ホットメルト組成物を固体状にできるため、かかる排出物の取り扱いを容易にすることができる。
【0037】
前記活性水素を有するワックス類としては、例えば固体状の高級アルコールや、ヒドロキシカルボン酸を使用することができる。
【0038】
前記高級アルコールとしては、例えばステアリルアルコール等を使用することができ、前記ヒドロキシカルボン酸としては、例えばヒドロキシステアリン酸を使用できるが、ヒドロキシステアリン酸を使用することが好ましい。
【0039】
前記活性水素を有するワックス類は、本発明の洗浄剤が常温で固形状態となる範囲で使用することが好ましく、具体的には洗浄剤の全量に対して1〜50質量%の範囲で使用することが好ましい。
【0040】
また、本発明の洗浄剤は、供給装置等の内部に固着した湿気硬化型ポリウレタンホットメルト組成物の硬化物の洗浄に使用することが好ましい。
【0041】
次に、本発明の洗浄剤を用いた洗浄方法について説明する。
本発明の洗浄方法は、湿気硬化型ホットメルト組成物やその硬化物が固着した部位と、加熱した本発明の洗浄剤とを接触させることで、前記組成物または前記硬化物を溶解または膨潤させその固着部位から遊離させる方法である。
【0042】
本発明の洗浄剤の加熱温度は、湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化温度程度であることが好ましく、より具体的には80〜150℃の範囲であることが好ましい。かかる温度に調整された洗浄剤は、湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物中に浸透しそれを膨潤させやすいため、より一層優れた洗浄効果を発現できる。
【0043】
なお、前記接触は、より具体的には、液状の洗浄剤中に湿気硬化型ホットメルト組成物やその硬化物が固着した部位を浸漬させることや、該部位に液状の洗浄剤を塗布すること等を意味する。前記接触は、概ね5分〜8時間程度であることが好ましい。
【0044】
以下、本発明の洗浄剤を用いた洗浄方法について、具体的な例を挙げて説明する。
はじめに、湿気硬化型ホットメルト組成物の一般的な塗工装置として知られている2本ロール方式のロールコーターの洗浄方法について説明する。
【0045】
第一に、湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化温度、具体的には概ね80〜150℃程度に温度調整したロール上に固形状の洗浄剤を載置し、加熱溶融することでロール表面に加熱溶融状態の前記洗浄剤を接触させ、または、予め加熱溶融した液状の洗浄剤をロール表面に接触させる。その際、ロールを回転させることによって該洗浄剤をロール表面全体に接触させることが好ましい。
【0046】
第二に、湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物及び加熱溶融状態の湿気硬化ホットメルト組成物がロール表面から遊離、または湿気硬化ホットメルト組成物が本発明の洗浄剤中に溶解したのを確認した後、該洗浄剤をロール表面から除去する。
【0047】
前記除去は、2本の前記ロール間の距離を広くする、または前記ロールの回転方向を適宜変更する等することによって行うことができる。
【0048】
以上の工程を2〜3回程度繰り返す行うことで、ロールコーターを構成するロール表面に固着した湿気硬化型ホットメルト組成物、及びその硬化物を、短時間で除去することが可能である。
【0049】
次に、湿気硬化型ホットメルト組成物の一般的な塗工装置として知られているダイコーターの洗浄方法について説明する。
【0050】
ダイコーターの洗浄方法としては、例えば湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化温度程度に加熱した加熱溶融状態の洗浄剤中に、該組成物及びその硬化物が固着したダイコーターの一部位を浸漬する方法がある。湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物は、とりわけ、ダイコーターの開口部(湿気硬化型ホットメルト組成物の排出部)に固着しやすい。
【0051】
そのため、前記開口部に付着した該組成物の硬化物は、加熱溶融状態の該組成物とともに基材上に塗布されてしまい、その結果、得られる化粧造作部材等の外観不良を引き起こす場合がある。
【0052】
したがって、ダイコーターを洗浄する際には、その開口部が十分に洗浄剤中に浸るようにすることが好ましい。
【0053】
また、ダイコーターは、通常、その内部に残留した湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化等を抑制する観点から、ホットメルトアプリケーターからその開口部までを密閉状態で維持することが多い。密閉状態にする方法としては、ダイコーターの開口部を非通気性の粘着シート等を用いて封鎖する方法がある。
【0054】
しかし、前記方法では、その開口部から粘着シートを剥離する際に、粘着剤が前記開口部に残留し、その結果、塗工不良を引き起こす場合がある。
【0055】
一方、ダイコーターの開口部を前記洗浄剤中に完全に浸す方法であれば、その開口部を洗浄できるだけでなく、粘着シートを使用せずともダイコーター内部の密閉性を維持できるという利点がある。
【0056】
次に、ホットメルトアプリケーター等のホットメルト組成物の供給装置、とりわけそれを構成する溶融タンクの洗浄方法について説明する。
【0057】
はじめに、供給装置を構成する溶融タンク内部に残存する湿気硬化型ホットメルト組成物をある程度排出した後、本発明の洗浄剤を該湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化点以上の温度、概ね130〜150℃に調整した溶融タンク内に投入する。その際、前記洗浄剤は、固体状であっても加熱溶融したものであってもよい。
【0058】
前記溶融タンク内のみの洗浄の場合、溶融タンク内に固着した湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物が前記洗浄剤中に十分浸漬した状態で、30分〜8時間程度放置することにより洗浄可能である。
一方、前記供給装置を構成する溶融タンクのみならず、ポンプ、ホース、及び排出口等の湿気硬化型ホットメルト組成物の流路内をも同時に洗浄する場合には、湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化点以上の温度で加熱された洗浄剤を、前記供給装置を構成する前記流路内で循環させる方法が、洗浄剤の使用量を低減等の観点から好ましい。
【0059】
前記循環時間は、洗浄する前記供給装置の大きさや汚れの程度により異なるが、概ね30分〜8時間程度であることが好ましい。
【0060】
前記方法によって、供給装置内部に残存していた湿気硬化型ホットメルト組成物は、前記洗浄剤中に溶解するため、装置内部から容易に除去することができる。
【0061】
また、供給装置内部に固着していた湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物は、前記洗浄剤によって膨潤するため、例えば、本発明の洗浄剤とは異なる、比較的高粘度の洗浄剤やホットメルト組成物等を別途、投入し、循環、排出することによって、容易に装置内壁等から容易に遊離することができる。
【0062】
前記方法で洗浄したホットメルトアプリケーター等の供給装置であれば、各種基材上に湿気硬化型ホットメルト組成物を効率よく塗布することができる。
【0063】
本発明の洗浄方法は、前記供給装置のほかに、例えばスリットコーター、ダイコーター、ノズルガン、スプレーガン等の供給装置の洗浄に適用することができる。
【0064】
本発明の洗浄方法によって洗浄された湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置は、例えば良好な表面外観等の必要とされる積層体、具体的には化粧造作部材等の製造に使用することができる。
【0065】
その際、前記方法で洗浄した供給装置を使用し、各種基材上に湿気硬化型ホットメルト組成物を塗布する際に、前記洗浄剤によって遊離した湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物の一部が、該塗布面に供給される場合がある。該硬化物は、塗布面の平滑性を損なうため、例えば基材上に化粧紙を貼付して得られる化粧造作部材の表面外観不良や凸状の表面欠陥や線状の未塗布欠陥を生じる場合がある。
【0066】
前記問題を解決する方法としては、例えば加熱溶融した前記湿気硬化型ホットメルト組成物をフィルターを介して基材上に塗布する方法が挙げられる。
【0067】
前記フィルターとしては、金属繊維からなるフェルトの積層体を焼成して得られる不織布状のフィルターや、焼成した金属繊維からなる金網等の焼成金属繊維フィルターを使用することが、圧力損失が低いため好ましく、なかでも金属繊維からなるフェルトの積層体を焼成して得られる不織布状のフィルターを使用することが、ろ過精度の向上の観点からより好ましい。
【0068】
前記焼成金属繊維フィルターは、直径数ミクロンの金属繊維からなる不織布を焼成することによって得られるものであり、フィルター内の開孔部に粒子などの固形分を接触付着して捕集することができる。
【0069】
前記金属焼成繊維フィルターを構成する金属は、腐蝕あるいは剥離を生じないような金属であればよいが、例えば工業的に入手容易なニッケル、ステンレススチールや、ハステロイ(ヘインズ社の登録商標)等のニッケル合金が挙げられる。
【0070】
前記金属焼成繊維フィルターのろ過精度(孔径)は、微粒子除去率の観点から80μm以下であることが好ましく、40〜80μmの範囲であることが、高ろ過精度を確保するうえでより好ましい。
【0071】
前記焼成金属フィルターとしては、例えば、富士フィルター株式会社製のフジメタルファイバーやニチダイフィルター株式会社製のメタルファイバー等を使用することができる。
【実施例】
【0072】
[溶融粘度の測定方法]
ICI型コーンプレート型回転粘度計(コーン直径:φ19.5mm、コーン角度:2.0°)を用いて、後述する湿気硬化性ホットメルト接着剤または後述する洗浄剤の125℃における溶融粘度(mPa・s)を測定した。
【0073】
〔湿気硬化型ホットメルト接着剤の調製例〕
1リットルの4つ口フラスコに、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールとを反応させて得られた数平均分子量が3000のポリエステルポリオール500質量部、ネオペンチルグリコールとテレフタル酸とを反応させて得られた数平均分子量1000のポリエステルポリオールを250質量部、セバシン酸と1,6−ヘキサンジオールとを反応させて得られた数平均分子量が3500のポリエステルポリオール250質量部を120℃に減圧加熱して、水分0.05質量%となるまで脱水した。
【0074】
次いで、前記4つ口フラスコを70℃に冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを207質量部加えた後、90℃まで昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで3時間反応することによってウレタンプレポリマーを得た。
【0075】
得られたウレタンプレポリマーと、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル(商品名:U−CAT 2041、サンアプロ株式会社製)を0.15質量部と、メタンスルホン酸を0.05質量部とを混合、均一になるまで攪拌することによって、湿気硬化型ホットメルト組成物を得た。得られた湿気硬化型ホットメルト組成物の溶融粘度は11000mPa・sであり、適定法により測定したイソシアネート基含有量は2.1質量%であった。
【0076】
(実施例1)
〔洗浄剤1の調製〕
2リットルの4つ口フラスコに、アジピン酸300質量部と、ジエチレングリコールモノブチルエーテル750質量部とを入れ、攪拌しながら200℃に加熱した後、0.0005質量部のp−トルエンスルフォン酸を更に加えた。次いで、減圧下還流しながら2時間エステル化反応させることによって洗浄剤1を得た。前記洗浄剤1の沸点は300℃、23℃での粘度は100mPa・sの液状であった。
【0077】
(実施例2)
〔洗浄剤2の調製〕
2リットルの4つ口フラスコに、上記洗浄剤1の800質量部と、12−ヒドロキシステアリン酸100質量部と、ポリカプロラクトンポリマーであるプラクセル H1(ダイセル化学工業株式会社製、数平均分子量1万 )50質量部とを混合し、120℃で1時間加熱し均一溶解することによって洗浄剤2を得た。前記洗浄剤2は、23℃でペースト状であった。
【0078】
(比較例1)
〔洗浄剤3の調製〕
2リットルの4つ口フラスコに、ポリエチレンワックス(デグサ ジャパン株式会社製の「VESTOWAX A118」)900質量部と、ステアリルアルコール100質量部とを、140℃で1時間加熱し均一溶解することによって洗浄剤3を得た。前記洗浄剤3は、23℃で固形状であった。
【0079】
(比較例2)
〔洗浄剤4の調製〕
2リットルの4つ口フラスコに、テレフタル酸700質量部と、ブチルアルコール350質量部を入れ、攪拌しながら200℃に加熱し、0.0005質量部のp−トルエンスルフォン酸を加えた。減圧下還流しながら2時間エステル化反応させることによって洗浄剤4を得た。前記洗浄剤4の沸点は、23℃で淡黄色液状であった。
【0080】
【表1】

【0081】
(実施例3)ロールコーターの洗浄
有効幅400mmの3本式ホットメルトロールコーター(松下工業株式会社製)のロール表面温度を115℃に設定し、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤0.5kgを投入した。
【0082】
次いで、ミディアムデンシティーファイバーボード(MDFと省略。横:300mm、縦:1800mm、厚み:2.5mm)の表面に、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤を20m/分の速度で40g/m塗布し、該塗布面に、オレフィンからなる化粧シート(幅:300mm、厚み:160μm、長さ:300mのロール形状)を、ロールプレスを用いて貼り合わせることによって化粧造作部材を得た。
【0083】
前記作業終了後、ロールコーター上には、湿気硬化型ホットメルト接着剤と、ロールの端部に湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物が多量に固着していた。
【0084】
そこで、115℃に調整したロールコーター上に、前記洗浄剤1を50g投入し、ロールコーターを回転することによって、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物の固着部に前記洗浄剤1を10分間接触させたところ、ロールコーター上に固着した湿気硬化性ホットメルト接着剤が遊離した。
【0085】
前記洗浄剤1とロールコーター上から遊離した湿気硬化型ホットメルト接着剤との混合物を、ロールコーター上からから除去し、再度、50gの洗浄剤1をロールコーター上に投入し5分間ロールコーターを回転させた後、洗浄剤1をロールコーター上から除去した。
【0086】
除去後、ロールコーターの表面に一部残留した湿気硬化型ホットメルト接着剤をウエスで拭き取り、洗浄作業を終了した。洗浄後のロールコーター表面には、湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物の付着は全く認められなかった。
【0087】
(実施例4)
洗浄剤1の代わりに、洗浄剤2を用いる以外は、実施例3と同様の方法で、ロールコーターの洗浄を行った。
【0088】
洗浄剤1を用いた場合には、ロール表面に一部残留していた洗浄剤1をウエス等を用いて拭き取らないと、翌日、ロールコーターを再利用した際に湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物がロール表面に付着する場合があったが、洗浄剤2を用いた場合であれば、洗浄後のロール表面に一部残留した洗浄剤2を拭き取らなくても、翌日のロールコーターの再利用の際に、硬化物した湿気硬化型ホットメルト接着剤がロール表面していることはほとんどなかった。
また、洗浄剤2を用いた場合には、洗浄剤2とロールコーター上から剥離した湿気硬化型ホットメルト接着剤との混合物とが冷却により固化するため、該混合物を廃棄等する際の取り扱いが容易であった。
【0089】
(比較例3)
洗浄剤1の代わりに、洗浄剤3を用いる以外は、実施例3と同様の方法で、ロールコーターの洗浄を行った。
【0090】
洗浄剤3では、ロール表面に固着した湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物を溶解または遊離することはできなかった。なお、該洗浄剤3を用いて3回繰り返し洗浄を行ったが、ロール表面には、依然として湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物の固着が認められた。
【0091】
(実施例5)部品の洗浄
前記湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物の固着したフィルター、及び溶融タンクとヒートホースとの接続金具を、150℃に加熱した1500質量部の洗浄剤2中に浸漬し、2時間維持したところ、前記フィルター及び接続金具に固着していた湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物を完全に除去することを目視で確認できた。
【0092】
(比較例4)部品の洗浄
前記湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物が固着した前記フィルター及び接続金具を、アセトン500質量部中に浸漬し、50℃で2時間加熱したが、フィルター及び接続金具表面には、依然として前記湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物が固着していた。
【0093】
(比較例5)部品の洗浄
前記湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物が固着した前記フィルター及び接続金具を、500質量部のハイゾールSAS(新日本石油株式会社、高沸点芳香族炭化水素系化合物)中に浸漬し、150℃で2時間加熱したが、フィルター及び接続金具表面には、依然として前記湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物が固着していた。
【0094】
(実施例6)ラミネーターの洗浄
ノードソン社製の溶融装置「MC−8」と、ノードソン社製のダイコーター「BC−51」とを備えた丸仲商事株式会社製のポリウレタン樹脂ラミネーター「ラミネーターPL−300PUR/M」(有効幅400mm、Φ20mm*100mmの200メッシュインラインフィルター付。溶融タンクとホース部分とダイコーターの温度条件:120℃)に、前記湿気硬化型ホットメルト接着剤3kgを投入し、該湿気硬化型ホットメルト接着剤をオレフィンからなる化粧シート(幅:300mm、厚み:160μm、長さ:300mのロール形状)上に、塗布速度10m/分の速度で50μmの厚みになるように塗布し、次いで該塗布面に、ミディアムデンシティーファイバーボード(MDFと省略。横:300mm、縦:1800mm、厚み:2.5mm)を貼り合わせることによって化粧造作部材を作製した。
【0095】
上記方法により化粧造作部材を10枚作製した後、前記ポリウレタン樹脂ラミネーターを構成する溶融装置、ホース部分、及びダイコーターの温度を常温に戻し、ダイコーターの開口部にアルミテープ(ニトムズ製、50μm厚の軟質アルミ箔/粘着剤)を貼り、ラミネーター内部への空気の侵入を遮断した状態で20時間放置した。
【0096】
上記化粧造作部材の作製と空気の侵入を遮断した状態での放置とを1日の作業とし、これを5日間行った後、前記放置と同様の状態で2日間放置することを1サイクルとするとき、これを4サイクル行った後に、前記ラミネーターの洗浄を行った。洗浄前のラミネーター内部壁等には、湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物が多量に固着していた。
【0097】
溶融装置とホース部分とダイコーターの温度を150℃に設定した前記ラミネーター内に洗浄剤1を7kg投入した。ダイコーターから排出された洗浄剤1が再び溶融タンクに戻り、該ラミネーター内を循環するように設定した。また、ダイコーターから排出された洗浄剤1には、湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物等が混合されているが、それらが装置内部を循環することを防止するために、ダイコーターと溶融タンクとを繋ぐホースの間に、200メッシュの金網を配置した。
【0098】
前記ラミネーターの最大能力(ポンプ回転数80rpm)で循環洗浄を2時間実施した後、洗浄剤1等を排出したところ、ラミネーターの溶融タンク壁等には、膨潤した湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物が残存していた。
この膨潤した湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物は、容易にはく離可能であることから、掃除機等を用いて該硬化物を除去することによって、ラミネーター内の湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその硬化物の大部分を除去することができた。
【0099】
(実施例7)
前記方法で洗浄した前記ラミネーターを構成する溶融タンクとダイコーターとの間に、ミクロン単位の金属繊維からなる、不織布の焼結体であるメタルファイバー(ニタダイフィルター株式会社製、商品名40AL3、ろ過精度40μm)をろ過エレメントとするろ過装置を配置したラミネーターを用い、前記と同様の方法で化粧造作部材の製造を行った。その際、化粧シート上に塗布された湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗布面には、その硬化物等がほとんど存在しないため、表面平滑性に優れた化粧造作部材を製造することができた。
【0100】
(比較例6)
洗浄剤1の代わりに、ベンゾエート系可塑剤 モノサイザー PB−3(大日本インキ化学工業株式会社製、SP値;9.9)を8kg使用すること以外は、実施例6と同様の方法でラミネーターの洗浄を行った。
【0101】
しかし、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化物は、依然としてラミネーター内壁に固着しており、それを容易に除去することはできなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で示される化合物(A)を含有してなることを特徴とする洗浄剤。
【化1】

(一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立してアルキル基、R、R及びRはそれぞれ独立してアルキレン基、nは1〜4の整数を示す。)
【請求項2】
前記一般式(I)中のR及びRがそれぞれ独立して炭素原子数1〜8の脂肪族アルキル基であり、R及びRがそれぞれ独立して炭素原子数1〜4の脂肪族アルキレン基であり、Rが炭素原子数1〜10の脂肪族アルキレン基であり、かつnが1〜4の整数である、請求項1に記載の洗浄剤。
【請求項3】
前記一般式(I)中のR及びRがブチル基であり、R及びRがエチレン基であり、Rがブチレン基であり、かつnが2である、請求項1に記載の洗浄剤。
【請求項4】
前記化合物(A)が、ジカルボン酸と、モノアルキレングリコールモノアルキルエーテルまたはポリアルキレングリコールポリアルキルエーテルとを反応させて得られるものである、請求項1に記載の洗浄剤
【請求項5】
前記化合物(A)が、8.5〜9.9の溶解度パラメーターを有するものである、請求項1に記載の洗浄剤。
【請求項6】
更に、活性水素基を有するワックス類を含有してなる、請求項1に記載の洗浄剤。
【請求項7】
前記活性水素基を有するワックス類がヒドロキシカルボン酸である、請求項6に記載の洗浄剤。
【請求項8】
前記ヒドロキシカルボン酸がヒドロキシステアリン酸である、請求項7に記載の洗浄剤。
【請求項9】
更に結晶性ポリマーを含有してなる、請求項1または6に記載の洗浄剤。
【請求項10】
前記結晶性ポリマーが、直鎖状脂肪族ポリエステル樹脂または直鎖状脂肪族ポリエステル構造を有するポリウレタン樹脂である、請求項9に記載の洗浄剤。
【請求項11】
湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物が固着した部位と、前記湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化点以上の温度で加熱された請求項1〜10のいずれかに記載の洗浄剤とを接触させることによって、固着した前記硬化物を前記部位から除去することを特徴とする洗浄方法。
【請求項12】
湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置に、前記湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化点以上の温度で加熱された請求項1〜10のいずれかに記載の洗浄剤を供給し、前記供給装置を構成する湿気硬化型ホットメルト組成物の流路内を循環させることによって、前記硬化物を前記流路の内壁から遊離させる、供給装置の洗浄方法。
【請求項13】
前記洗浄剤の加熱温度が、130℃〜150℃の範囲である、請求項11または12に記載の洗浄方法。
【請求項14】
湿気硬化型ホットメルト組成物の硬化物が固着した部位と、前記湿気硬化型ホットメルト組成物の軟化点以上の温度で加熱された請求項1〜10のいずれかに記載の洗浄剤とを接触させることによって、固着した前記硬化物を前記部位から除去し、次いで湿気硬化型ホットメルト組成物を供給し、加熱溶融状態の前記湿気硬化型ホットメルト組成物を、基材上に塗布する方法。
【請求項15】
湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置に、前記湿気硬化型ホットメルト組成物が有する軟化点以上の温度で加熱された請求項1〜10のいずれかに記載の洗浄剤を供給し、前記供給装置を構成する湿気硬化型ホットメルト組成物の流路内を循環させることによって、前記硬化物を前記流路の内壁から遊離させた後、前記洗浄剤を前記供給装置から排出し、次いで、前記供給装置に、湿気硬化型ホットメルト組成物を供給し、加熱溶融状態の前記湿気硬化型ホットメルト組成物を、基材上に塗布する方法。
【請求項16】
湿気硬化型ホットメルト組成物の供給装置に、前記湿気硬化型ホットメルト組成物が有する軟化点以上の温度で加熱された請求項1〜10のいずれかに記載の洗浄剤を供給し、前記供給装置を構成する湿気硬化型ホットメルト組成物の流路内を循環させることによって、前記硬化物を前記流路の内壁から遊離させた後、前記洗浄剤を前記供給装置から排出し、次いで、前記供給装置に、湿気硬化型ホットメルト組成物を供給し、ろ過精度が40〜80μmの焼成金属繊維からなるフィルターを用いてろ過した加熱溶融状態の前記湿気硬化型ホットメルト組成物を、基材上に塗布する方法。

【公開番号】特開2008−222866(P2008−222866A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63317(P2007−63317)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】