説明

洗濯乾燥機

【課題】 乾燥装置を通常の乾燥運転以外に使用可能とすることで、使い勝手の改善を図ることができる洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】洗濯乾燥機の回転槽4内に連通された吹出し口14に、吹出し口14からの風を案内するためのダクト40を着脱可能に設け、このダクト40は、外筒44と内筒45とを含んで伸縮自在かつ外筒44と内筒45との相対位置を保持することができ、そのダクト40を取り付けることで、温風運転または送風運転が選択可能となり、乾燥装置19を通常の乾燥物を乾燥させる通常の乾燥運転以外に使用可能とすることで、乾燥可能な対象物に広がりを持たせることができ、使い勝手の改善を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乾燥装置に改良を加えた洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の洗濯乾燥機は、衣類の洗濯、乾燥を一台で行なえるものである。この洗濯乾燥機は、乾燥装置により、衣類が収容された洗濯槽兼脱水槽たる回転槽の内部に温風を供給しながら、回転槽の回転と該回転槽の内部に設けられた撹拌体の回転とを交互に行なうことにより衣類を撹拌させて、乾燥運転を実行するようになっている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−260293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら従来によれば、乾燥装置は、洗濯等により水分を帯びた適量の衣類を乾燥することを目的としているため、例えば、衣類の量が少ない場合には、温風の吹出し口と衣類の距離が離れて、温風が直接当たらず乾燥効率が悪くなり、靴等を乾燥させる場合には、温風が靴の中まで行届かずに未乾燥状態になったり、或いは、シワがつかないようにたたまれたセータ等を一枚で乾燥する場合には、温風が当たらない部分があって乾燥むらを生じるといったように、乾燥装置を通常の乾燥運転以外に用いる場合には、使い勝手が悪いといった問題があった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、乾燥装置を通常の乾燥運転以外に使用可能とすることで、使い勝手の改善を図ることができる洗濯乾燥機を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、洗濯装置による洗濯および乾燥装置による乾燥を行うものにおいて、乾燥装置の洗濯槽に臨む吹出し口に、この吹出し口からの風を案内するためのアタッチメントを着脱可能に装着したことを特徴とする。
このような構成によれば、乾燥装置の吹出し口に必要に応じて着脱可能なアタッチメントを取り付けることにより、乾燥装置を通常の乾燥運転以外に使用可能とすることで、乾燥可能な対象物に広がりを持たせることができ、使い勝手の改善を図ることができる。
【0006】
請求項5記載の発明は、洗濯装置による洗濯および乾燥装置による乾燥を行うものにおいて、洗濯物の出し入れ口を開閉する蓋を具備し、この蓋を開けた状態で、乾燥装置による乾燥運転を可能としたことを特徴とする。
このような構成によれば、蓋を開けた状態で、乾燥装置による乾燥運転ができるため、乾燥装置を通常の乾燥運転以外に使用可能とすることで、使い勝手の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗濯乾燥機によれば、乾燥装置を通常の乾燥運転以外に使用可能とすることで、使い勝手の改善を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、洗濯乾燥機全体の構成を示す。この図1において、外箱1の内部には、外槽2が弾性支持機構3(一部のみ図示)により支持されて設けられ、この外槽2の内部には、回転槽4が回転可能に設けられる。外槽2には、外槽2内の水位を測定するための水位センサ52(図8参照)が設けられている。
【0009】
回転槽4は、内壁5と外壁6との二重壁により構成されており、その内壁5と外壁6との間には、通水・通気スペース7が設けられている。内壁5には、多数の通水・通気孔5aが形成されていて、通水・通気スペース7と連通し、外壁6の最上部には、通水・通気スペース7と連通するようにして、脱水・脱気孔6aが例えば横一列に形成され、要するに、通水・通気孔5aは、通水・通気スペース7を介して脱水・脱気孔6aと連通されているのである。これらにより、回転槽4が洗濯槽、脱水槽、更には乾燥槽として機能するのである。
【0010】
回転槽4内の下部には、洗濯(洗い、すすぎ)用の撹拌体10が回転可能に設けられており、この撹拌体10と回転槽4とを回転駆動するためのモータ9が、外槽2の下方外側に配設されている。さらに、外槽2の下方外側には、排水弁11aが設けられ、この排水弁11aからは、回転槽4内の水が外槽2内の排水・排気路12を通じて排水される。尚、外槽2内の水は排水弁11bを介して排水されるようになっている。そして、外槽2、回転槽4、モータ9および撹拌体10は、洗濯装置11を構成する。
【0011】
外槽2の外側方部には、流路13が設けられている。この流路13下側の一端部は、前記排水・排気路12に接続されており、上側の他端部は、例えば蛇腹形状の吹出し口14に接続され、この吹出し口14は、前記外槽2の上縁部に装着された環状の槽カバー15の後部を貫通して、回転槽4内に連通されている。なお、槽カバー15には、内蓋16が開閉可能に設けられている。
【0012】
上記流路13の上部には、ファン17とヒータ18とが内設されている。そのうち、排水・排気路12と、流路13、ファン17およびヒータ18は、回転槽4内に風を供給する乾燥装置19を構成するものである。なお、流路13を通る湿気を含んだ空気は、その折りに流路13外の空気により冷却されて凝縮し、除湿されるのである。
外箱1上には、トップカバー20が装着されており、このトップカバー20の後内部には、上記流路13のファン17及びヒータ18を配設した部分から先方の部分が配設されると共に、給水弁53(図8参照)が配設されている。図示はしないが、給水弁53の一端には、水道の蛇口(図示せず)が接続され、他端には、回転槽4に臨むようにして給水ホースが接続され、その水を回転槽4内に供給するものである。
【0013】
トップカバー20の開口部(洗濯物の出し入れ口)21には、蓋22が設けられており、この蓋22は、開口部21を覆った閉塞状態から二つに折りたたまれて開口部21が開放された開放状態に開閉可能に構成されている。尚、図示しないが、トップカバー20には、蓋22の開閉を検知する蓋スイッチ51(図8参照)が設けられると共に、蓋22の閉塞状態を維持させるための蓋ロック機構54(図8参照)が設けられている。
トップカバー20の前部には、操作パネル23が設けられると共に、その下方に位置して制御装置24が設けられている。このうち、操作パネル23は、洗濯乾燥機の運転に関する操作を使用者が行うためのものであり、制御装置24は、洗濯乾燥機の動作全般を制御するものである。
【0014】
図2は、操作パネル23の詳細を示す図である。この図2において、操作パネル23には、電源スイッチ25、運転開始すると共に運転中の動作を一時的停止するためのスタート・一時停止スイッチ26が設けられ、さらに、選択スイッチとして、洗いスイッチ27、すすぎスイッチ28、脱水スイッチ29、洗濯スイッチ30、洗乾スイッチ31、乾燥スイッチ32および手動乾燥スイッチ33が設けられ、使用者は、各種操作スイッチ27ないし33を操作することで、表示部34の各種操作スイッチ27ないし33に対応した各種表示部の運転内容を選択することができる。特に、使用者が手動乾燥スイッチ33により選択可能な運転内容としては、後述する状況に応じて、「温風」34a、「送風」34b、「蓋開温風」34cおよびオフ34dのパターンが選択可能な運転内容となる。
【0015】
図1において、吹出し口14の先端には、吹出し口14からの風を案内するためのダクト(アタッチメントに相当)40が着脱可能に設けられている。
図3は、ダクト40の着脱状態を示す。この図3において、吹出し口14の先端部には、係合爪部41aを有する筒状の取り付け部41が設けられると共に、例えばリードスイッチ型のダクト取り付けスイッチ42が配設され、さらに、取り付け部41には、後述するダクト40の取り付け部57が着脱可能に取り付けられる。また、ダクト40には、ダクト取り付けスイッチ42と対応するようにマグネット43が設けられている。ダクト取り付けスイッチ42は、ダクト40が吹出し口14に取り付けられることにより、マグネット43が接近して、オンされる構成である。
【0016】
ダクト40は、外筒44と内筒45とを含んで構成されており、図3(a)に示す外筒44の内周側に内筒45が収納された縮み状態から、図3(b)に示す内筒45の端部に設けられた凸部45aと外筒44に設けられた凹部44aとが嵌り合う伸び状態まで伸縮自在である。さらに、ダクト40は、内筒45の凸部45aを含む端部と外筒44の内周面との摩擦により、変化させた外筒44と内筒45との相対位置を保持することが可能(事後保持可能)な構成である。
【0017】
ダクト40における外筒44上端部には、二段筒状の取り付け部57が設けられており、この取り付け部57には、この取り付け部57が取り付け部41に挿入接続されたときに取り付け部41の係合爪部41aに係合する係合爪部57aが形成されている。そして、この係合爪部57aは、操作片部57bが押圧操作されることにより、係合爪部41aとの係合が解除されるようになっている。
【0018】
図8には、洗濯乾燥機の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより示されている。この図8において、各種操作スイッチ25ないし33は、使用者により操作パネル23の各種操作スイッチ25ないし33が操作されると検知信号を発生する。蓋スイッチ51は、蓋22が開放されるとオフする。水位センサ52は、所定の水位ごとに検知信号をレベル出力する。ダクト取り付けスイッチ42は、取り付け部41にダクト40の取り付け部57が取り付けられるとオンする。制御装置24は、CPU、制御プログラムを記憶したROM、およびワーキングエリアのRAMなどを含んだマイクロコンピュータを構成するもので、この制御装置24には、各種操作スイッチ25ないし33、蓋スイッチ51、水位センサ52、ダクト取り付けスイッチ42からの検出信号が入力される構成となっている。また、制御装置24は、表示部34を制御し、さらに、給水弁53、蓋ロック機構54、排水弁11a,11b、ファン17およびヒータ18それぞれを駆動する駆動回路55、モータ9を可変速制御するインバータ装置56に制御信号を出力する。
【0019】
次に本実施例の作用について、制御装置24の動作を示す図9に基づいて説明する。
まず、使用者が、通常の洗濯、洗濯乾燥もしくは乾燥を行なう場合、使用者は、洗濯乾燥機の電源スイッチ25を操作してオンし、回転槽4内に洗濯物を投入すると共に、操作パネル23による操作を行ない希望する運転内容を選択する。使用者により電源がオンされると、制御装置24は、洗濯・乾燥運転に関する処理を開始する。
【0020】
図9は、制御装置24による洗濯・乾燥運転に関する処理を示すフローチャートである。この図9において、制御装置24は、ダクト取り付けスイッチ42からの検出信号(オン信号)があるかを確認する(S1)。ここで、使用者は、通常の洗濯、乾燥または洗濯乾燥運転を実行させようとしているため、ダクト40は取り付けられておらず、制御装置24は、ダクト取り付けスイッチからの信号なしと判断し(S1:NO)、「蓋開温風」が選択されているかを確認する(S13)。ここでも、使用者は、通常の洗濯、乾燥または洗濯乾燥運転を実行させようとしているため、手動乾燥スイッチ33以外の操作スイッチを操作して、運転内容を選択するため、制御装置24は、「蓋開温風」が選択されていないと判断して(S13:NO)、スタート・一時停止スイッチ26が押されるのを待って(S14:YES)、通常の洗濯・乾燥運転に関する処理に移行する(S15)。そして、使用者により選択された運転内容に対応した通常の洗濯、乾燥または洗濯乾燥運転が実行されるのである。これら洗濯、乾燥または洗濯乾燥運転において、制御装置24は、蓋スイッチ51により閉塞状態を検知した後、蓋ロック機構54により蓋22のロックを次のようなタイミングで行なっている。このタイミングは、使用者により選択された運転内容に、洗い行程が入る場合は、洗い行程が終了してすすぎ行程の開始するタイミングであり、洗い行程が含まれない運転では、運転内容を開始するタイミングである。
【0021】
次に、ダクト40を取り付けて乾燥運転を行なう場合、使用者は、吹出し口14にダクト40の取り付けを行ない、洗濯乾燥機の電源スイッチ25を操作してオンし、回転槽4内に乾燥物を設置させる。例えば、図1に示すように量が少ない乾燥物を乾燥させる場合、使用者は、吹出し口14からの風を案内するダクト40の先端を乾燥物に近づけた状態で、温風運転を行なう。
【0022】
また、図4は、靴等を乾燥する場合の乾燥例を示す。この図4において、吹出し口14の先端にダクト40を取り付け、ダクト40の先端に二股ダクト46を取り付け、さらに、この二股ダクト46のそれぞれの吹出し口46aに靴を配置した一例である。
図5は、セータ等を乾燥する場合の乾燥例を示す。この図5において、吹出し口14の先端にダクト40を取り付け、さらに、ダクト40の先端に乾燥袋47を設けて、この乾燥袋47の中にセータ等を入れて乾燥させた場合の一例である。尚、乾燥袋47は、ダクト40から送られてくる風により膨張し、その中の一部の風が、循環用の吹出し孔47aから吹き出すことで循環する構成である。
【0023】
図6は、外部に乾燥室48を設置した場合の乾燥例を示す。この図5において、吹出し口14の先端に例えば蛇腹状のダクト(アタッチメントに相当)49を設け、このダクト49は、内蓋16を開放させると共に蓋22を開放させることで、ダクト49は外部に取り出され、そのダクト49の吹出し口49aは、乾燥室48の接続部48aに接続される。この乾燥室48は、室内に設置された掛棒48bに乾燥物をハンガ等に掛けて乾燥するものである。
【0024】
そして、使用者は、手動乾燥スイッチ33を操作することにより運転内容として「温風」あるいは「送風」を選択する。すると、制御装置24は、電源オンに伴って運転内容に関する処理を実行する。
即ち、図9に示す運転内容に関する処理において、制御装置24は、ダクト取り付けスイッチ42からの検知信号ありとし(S1:YES)、手動乾燥スイッチ33のみを操作可能とする(S2)。ここで、使用者は、手動乾燥スイッチ33のみ操作して、「温風」または「送風」を選択するのである。制御装置24は、スタート・一時停止スイッチ26が押されたことを確認すると(S3:YES)、選択された運転内容が温風運転かを判断する(S6)。まず、図4に示すように使用者が靴として革靴を乾燥させる場合は縮み等を考慮して送風運転を選択しており、制御装置24は、「送風」と判断し(S6:NO)、ヒータ18をオフすると共にファン17をオンし(S10,S11)、一定時間運転後に終了し(S12)、電源をオフする。
【0025】
次に、図1に示す量が少ない乾燥物を乾燥させる場合、図5に示すように使用者がセータを乾燥させる場合、あるいは、図6に示すように乾燥室48を利用して乾燥物を乾燥させる場合は、使用者は「温風」を選択しており、制御装置24は、「温風」と判断し(S6:YES)、ヒータ18をオンさせると共に送風ファン17をオンさせ(S7,S8)、一定時間後に終了し(S12)、電源をオフする。
【0026】
尚、通常の洗濯乾燥機は、洗濯・乾燥運転においては蓋ロックを行う構成としている。しかし、本実施例では、通常の洗濯・乾燥運転においては、蓋スイッチ51により蓋22の閉塞状態を検知してから蓋ロック機構54で蓋ロックを行なう作用としたが、ダクト40が取り付けられた乾燥運転においては、蓋ロックを行なわない構成のため、図6に示すような、蓋22を開放させて運転させることができる。
【0027】
図7は、蓋22を開放させて洗濯物を乾燥する場合を示している。ここでは、例えば、ダクト40を取り付けることなく、トップカバー20に掛棒50を設置して、この掛棒50にハンガ等に掛けることで、乾燥物を乾燥させる場合を説明する。使用者は、蓋22を開放状態にし、乾燥物を設置すると共に電源をオンさせ、手動乾燥スイッチ33を操作して、「蓋開温風」を選択する。すると、制御装置24は、電源オンに伴って、運転内容に関する処理を開始する。
【0028】
即ち、図9に示す運転内容に関する処理において、制御装置24は、ダクト取り付けスイッチ42からの検知信号はなく(S1:NO)、「蓋開温風」が選択されているとし(S13:YES)、スタートスイッチ26が押されるのを待つ(S16:NO)。ここで、ステップ16がNOの場合、ステップ13に戻っている。制御装置24は、「蓋開温風」が選択されてスタート・一時停止スイッチ26が操作されると(S13:YES,S16:YES)、ヒータ18をオンすると共にファン17をオンし(S17,S18)、所定時間運転後に終了し(S19)、電源をオフする。
【0029】
以上のように本実施例によれば、洗濯乾燥機の回転槽4内に連通された吹出し口14に、吹出し口14からの風を案内するためのダクト40を着脱可能に設けられる。
さらに、このダクト40は、外筒44と内筒45とを含んで構成されており、外筒44の内周側に内筒45が収納された縮み状態(図3(a))から、内筒45の端部に設けられた凸部45aと外筒44に設けられた凹部44aとが嵌り合う伸び状態(図3(b))まで伸縮自在であり、さらに、内筒45の凸部45aを含む端部と外筒44の内周面との摩擦により、変化させた外筒44と内筒45との相対位置を事後保可能である。
【0030】
また、吹出し口14の先端の取り付け部41には、ダクト取り付けスイッチ42が設けられ、制御装置24の運転内容に関する処理において、ダクト取り付けスイッチ42からの検知信号があると(S1:YES)、手動乾燥スイッチ33のみ操作可能とし、「温風」または「送風」が選択できて、温風運転または送風運転が実行可能となる。
【0031】
このような構成によれば、従来の衣類の量が少ない場合には、従来は温風の吹出し口と乾燥物の距離が離れており温風が乾燥物に直接当たらなかったり、靴等を乾燥させる場合には温風が靴の中まで行届かなかったりしたが、洗濯乾燥機の吹出し口14に必要に応じて着脱可能なダクト40、さらには、ダクト40に二股ダクト46を取り付けることにより、風を乾燥物まで導くことで、従来では乾燥し難かった乾燥物を乾燥させることができる。さらに、従来は使用者によりシワがつかないようにたたまれたセータ等を一枚で乾燥する場合には乾燥むらが発生し乾燥し難かったりしたが、ダクト40に乾燥袋47を設けることで、ダクト40からの温風を乾燥袋47の中に充満させながら乾燥を行なうため、温風が当たらないといった事がなく乾燥物全体に温風を行き届かせて乾燥むらを防止することができる。従って、乾燥装置19を通常の乾燥運転以外に使用可能とすることで、通常の乾燥運転では乾燥し難い乾燥物まで乾燥させることができて、乾燥可能な対象物に広がりを持たせることができ、使い勝手の改善を図ることができる。
【0032】
加えて、洗濯乾燥機のトップカバー20の開口部21には、蓋22が設けられており、この蓋22は、開口部21を覆った閉塞状態から蓋が二つに折りたたまれて開口部21が開放された開放状態に開閉可能に構成され、制御装置24の運転内容に関する処理において、ダクト取り付けスイッチ42からの検知信号があり(S1:YES)、手動乾燥スイッチ33の操作により選択された運転が開始されて停止終了するまで(S2〜S9、S2〜S12)、および、ダクト取り付けスイッチ42からの検知信号がなく(S1:NO)、手動乾燥スイッチ33にて「蓋開温風」が選択された運転が開始されて停止終了するまで(S13〜S19)の間に、蓋ロック機構を動作させていないので、蓋22が開放状態にて乾燥運転が可能となる。
【0033】
このような構成によれば、蓋22を開けた状態で、乾燥装置19による乾燥運転ができるため、通常の乾燥運転以外として、洗濯乾燥機外に乾燥室48を設置して乾燥を行なうことができたり、トップカバー20に掛棒50を設置し、この掛棒50にハンガ等に掛けることで、乾燥物を乾燥させたりすることができる。従って、乾燥装置19を通常の乾燥運転以外に使用可能とすることで、通常の乾燥運転では乾燥し難い乾燥物まで乾燥させることができて、乾燥可能な対象物に広がりを持たせることができ、使い勝手の改善を図ることができる。
【0034】
(変形例)
上記実施例において、ダクト40を外筒44と内筒45により構成したが、蛇腹形状のダクト49を、乾燥室48を利用した乾燥以外に使用してもよく、この場合、ダクト49は、伸縮可能かつ事後保持可能な通常の蛇腹ホースとする。
上記実施例において、手動乾燥スイッチ33により、「蓋開温風」を選択可能な構成としたが、「蓋開温風」だけに限らず「蓋開送風」を選択可能とし、蓋開送風を運転可能な構成としてもよい。
【0035】
上記実施例においては、通常の洗濯・乾燥運転においては、すすぎ行程から蓋ロックを行う構成としたが、洗い行程の開始から蓋ロックを行う構成としてもよい。
上記実施例においては、蓋ロック機構54を設ける構成としたが、蓋ロック機構54を省略して構成してもよく、この場合は、洗い行程の開始あるいはすすぎ行程の開始から、蓋検出スイッチ51からの蓋22の閉塞状態を確認することで、運転を行なうようにし、さらに、運転中に蓋22が開放されると運転が停止されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図
【図2】操作パネルを示す平面図
【図3】(a)縮状態のダクトを示す図 (b)伸状態のダクトを示す図
【図4】図1相当図
【図5】図1相当図
【図6】図1相当図
【図7】図1相当図
【図8】洗濯乾燥機の電気的構成を示すブロック図
【図9】制御装置による運転内容に関する処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0037】
図面中、1は外箱、2は外槽、4は回転槽、9はモータ、10は撹拌体、11は洗濯装置、11a,11bは排水弁、12は排水・排気路、13は流路、14は吹出し口、15は槽カバー、16は内蓋、17はファン、18はヒータ、19は乾燥装置、20はトップカバー、21は開口部、22は蓋、23は操作パネル、24は制御装置、25は電源スイッチ、26はスタート・一時停止スイッチ、33は手動乾燥スイッチ、34は表示部、34aは「温風」、34bは「送風」、34cは「蓋開温風」、34dはオフ、40はダクト(アタッチメント)、41は取り付け部、42はダクト取り付けスイッチ、43マグネット、44は外筒、44aは凹部、45は内筒、45aは凸部、46は二股ダクト、46aは吹出し口、47は乾燥袋、48は乾燥室、49はダクト(アタッチメント)、49aは吹出し口、50は掛棒、51は蓋スイッチ、52は水位センサ、53は給水弁、54は蓋ロック機構、55は駆動回路、56はインバータ装置、57は取り付け部を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯装置による洗濯および乾燥装置による乾燥を行うものにおいて、
乾燥装置の洗濯槽に臨む吹出し口に、この吹出し口からの風を案内するためのアタッチメントを着脱可能に装着したことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記アタッチメントは、伸縮可能であると共に事後保持可能な構成であることを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記アタッチメントの装着を検知する検知手段を有し、それに応じた内容の運転を実行可能とすることを特徴とする請求項1または2記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
アタッチメントの装着が検知された場合の運転は、乾燥装置のファンを駆動する運転であることを特徴とする請求項3記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
洗濯装置による洗濯および乾燥装置による乾燥を行うものにおいて、
洗濯物の出し入れ口を開閉する蓋を具備し、
この蓋を開けた状態で、乾燥装置による運転を可能としたことを特徴とする洗濯乾燥機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−191(P2006−191A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−176987(P2004−176987)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューママーケティング株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝家電製造株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】