洗濯機のクラッチ誤動作感知装置及び感知方法
【課題】クラッチの異常有無を判断して、その判断結果をユーザーに知らせることができる洗濯機のクラッチ誤動作感知装置及び感知方法を提供する。
【解決手段】クラッチ誤動作感知装置は、モータ及びクラッチモータに電圧を供給する電源部と、前記電源部から前記クラッチモータに供給される電圧のパルス数をカウントするパルス計数部と、前記クラッチモータの駆動開始以後の第1設定時間の間前記スイッチがスイッチングされない場合、前記クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動させる過程を繰り返し、前記過程が設定回数以上繰り返す間前記スイッチがスイッチングされなければユーザーにクラッチの異常を知らせるマイクロコンピュータとを含む。
【解決手段】クラッチ誤動作感知装置は、モータ及びクラッチモータに電圧を供給する電源部と、前記電源部から前記クラッチモータに供給される電圧のパルス数をカウントするパルス計数部と、前記クラッチモータの駆動開始以後の第1設定時間の間前記スイッチがスイッチングされない場合、前記クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動させる過程を繰り返し、前記過程が設定回数以上繰り返す間前記スイッチがスイッチングされなければユーザーにクラッチの異常を知らせるマイクロコンピュータとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機、特に洗濯機のクラッチの誤動作を感知することができる感知装置及び感知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、洗濯機は洗剤の乳化作用及び洗濯翼の回転による水流の摩擦作用、及びパルセータが洗濯物に加える衝撃作用などを利用して衣服,寝具などに附着した各種汚染物質をとり除く製品であって、センサーによって洗濯物の量と種類を検出して洗濯方法を自動で設定し、また洗濯物の量と種類によって洗濯水を適切に給水した後、マイクロコンピュータの制御を受けて洗濯を行う。
【0003】
従来の全自動洗濯機の駆動方式は大きく二つに区分される。一つは動力伝達用ベルトやプーリーなどを利用して駆動モータの回転動力を洗濯軸や脱水軸に伝達してパルセータまたは脱水槽を回転させる方式であり、他の一つはブラシレス直流モータ(BLDCモータ)の速度制御によって洗濯槽や脱水槽を洗濯及び脱水時にそれぞれ異なる速度で回転させる方式である。
【0004】
しかしこのような従来の洗濯機は、動力伝達経路の切換えのために使われるクラッチの誤動作を認識することができないという問題点を有していた。従って、クラッチの誤動作による洗濯機の破損を防止することができなかった。
また、クラッチが破損した場合、モータを停止させても洗濯槽の制動を制御することができないのでユーザーに危険を与えるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためのもので、クラッチの異常の有無を判断してその判断結果をユーザーに知らせることで、クラッチの動作不良及び破損を予め防止することができるクラッチの誤動作感知装置及び感知方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を果たすための本発明によるクラッチ誤動作感知装置は、モータの動力を洗濯軸と脱水軸に選択的に伝達するカップリング、カップリングを駆動するクラッチモータ、クラッチモータと連動回転してその連動回転によってスイッチング信号を出力するカムを備えたクラッチと、クラッチモータに電圧を供給する電源部と、電源部からクラッチモータに供給される電圧のパルス数をカウントするパルス計数部と、カムが第1設定時間の間にスッイチング信号を出力しない場合、クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動する過程を繰り返し、その過程が設定回数繰り返される間にカムがスイッチング信号を出力しなければクラッチの異常と判断するマイクロコンピュータとを含む。
【0007】
本発明の他の態様として、クラッチ誤動作感知装置は、洗濯軸または脱水軸にモータの動力を伝達するカップリングと、カップリングに動力を与えるクラッチモータと,カップリングを制御するスイッチと、クラッチモータに連動回転して、その連動回転によってスイッチをオンまたはオフにするカムを備えたクラッチと、モータ及びクラッチモータに電圧を供給する電源部と、電源部からクラッチモータに供給される電圧のパルス数をカウントするパルス計数部と、クラッチモータの駆動開始以後の第1設定時間の間スイッチがスイッチングされない場合、クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動する過程を繰り返し、その過程が設定回数繰り返される間にスイッチがスイッチングされなければユーザーにクラッチの異常を知らせるマイクロコンピュータとを含む。
【0008】
本発明のもう一つの態様として、クラッチ誤動作感知装置は、モータの回転速度を感知する速度感知部と、モータの制動終了後の所定時間の間モータが再加速されるかどうかによってクラッチの異常有無を判断するマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータの制御によってクラッチの異常を知らせるメッセージを表示するディスプレイ部とを含む。
【0009】
本発明の他の態様として、クラッチ誤動作感知装置は、洗濯軸または脱水軸にモータの動力を伝達するカップリングと、カップリングに動力を提供するクラッチモータと、クラッチモータを駆動するクラッチ駆動部を具備したクラッチと、電源部からモータ駆動部に供給される電圧を感知する電圧感知部と、カップリングの位置を感知するカップリング位置感知部と、電圧感知部を介して感知した電圧レベルが設定電圧のレベルより高ければクラッチ誤動作と判断するマイクロコンピュータとを含む。
【0010】
本発明によるクラッチ誤動作の感知方法は、(a)クラッチモータを駆動してカムを回転させる段階と、(b)カムがスイッチング信号を出力するかどうか判断する段階と、(c)カムが第1設定時間の間スイッチング信号を出力しない場合、クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動する過程を繰り返す段階と、(d)その過程が設定回数繰り返す間にカムがスイッチング信号を出力しなければエラーメッセージを表示する段階を含む。
【0011】
本発明の他の態様として、クラッチ誤動作感知方法は、(a)クラッチモータを駆動してカムを回転させる段階と、(b)スイッチがスイッチングされたかどうか判断する段階と、(c)スイッチが第1設定時間の間スイッチングされない場合、クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動する過程を繰り返し、その過程の繰り返し回数をカウントする段階と、(d)前記過程が設定回数繰り返するまでスイッチがスイッチングされなければエラーメッセージを表示するか警告音を出す段階を含む。
【0012】
本発明のさらに他の態様として、クラッチ誤動作感知方法は、(a)ユーザーが制動命令を入力するとモータの制動が終了したかどうか判断する段階と、(b)モータの制動が終了した場合、所定時間の間モータが再加速されるかどうか判断する段階と、(c)モータが再加速されればクラッチの異常と判断してクラッチの異常を知らせるメッセージを表示する段階とを含む。
【0013】
本発明のさらに他の態様として、クラッチ誤動作感知方法は、(a)電源部からモータ駆動部に供給される電圧レベルを感知する段階と、(b)感知された電圧レベルを設定電圧レベルと比べる段階と、(c)感知された電圧レベルが設定電圧レベルより大きければクラッチの異常と判断する段階とを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置及び感知方法によれば、クラッチの異常の有無を判断して、その判断結果をユーザーに知らせるようにしたので、クラッチの動作不良と破損を予め防止することができる。また、クラッチの誤動作や破損による洗濯槽または脱水槽の誤動作を防止することができるので、ユーザーの危険負担を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による洗濯機の概路図である。
【図2A】図1のクラッチ及びモータを示した断面図である。
【図2B】図1のクラッチ及びモータを示した断面図である。
【図3】本発明によるクラッチモータの斜視図である。
【図4】図3の分解斜視図である。
【図5A】クラッチモータの駆動時のカムとスイッチとの動作関係を説明するための図である。
【図5B】クラッチモータの駆動時のカムとスイッチとの動作関係を説明するための図である。
【図5C】クラッチモータの駆動時のカムとスイッチとの動作関係を説明するための図である。
【図6】クラッチモータとカムとスイッチとの動作を説明するためのチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態によるクラッチ誤動作感知装置を示したブロック図である。
【図8】本発明の第1実施形態によるクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態によるクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態によるクラッチ誤動作感知装置を示したブロック図である。
【図11】本発明の第2実施形態によるクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
【図12】本発明の第3実施形態によるクラッチ誤動作感知装置を示したブロック図である。
【図13】インペラ回転方式及びタブ回転方式に従ったクラッチカップリングの位置を示した図である。
【図14】本発明の第3実施形態によるクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、前記目的を具体的に実現することができる本発明の望ましい実施形態を添付された図面を参照して説明する。実施形態を説明するにおいて,同一構成に対しては同一名称及び同一符号が使われているため、これによる付加的な説明は下記で省略する。
図1は本発明による全自動洗濯機を簡略に示した縦断図である。
図1に示したように、自動洗濯機は本体1と、本体1内に設置された外槽2aと、外槽2aの内部で回転可能な内槽2bを含む。そして、内槽2b内の下部中央には洗濯及び脱水時に左、右に回転するパルセータ3が設置される。
また,全自動洗濯機は、内槽2bに回転動力を伝達する脱水軸5と、パルセータ3に回転動力を伝達する洗濯軸4とを有し、さらに洗濯行程か脱水行程かによってモータ7の動力を洗濯軸4か脱水軸5のいずれかに伝えるクラッチ6を含む。
【0017】
クラッチ6の構成は次の通りである。図2a及び図2bに示したように、外槽1の下部にクラッチモータ60が設置され、そのクラッチモータ60の駆動部602にはカム600が結合されている。軸支持ベアリングケース20内にレバーガイド30が固定され、そのレバーガイド30の案内を受けて、レバー8がクラッチモータ60の駆動時に直線運動する。レバー8は傾斜面801を有する凹所800と傾斜面801の下端から水平に延びる平坦面802を有する。
クラッチモータ60のカム600とレバー8との間にコネクティングロッド17が設置されており、クラッチモータ60がオンのとき、そのロッド17がレバー8をクラッチモータ60の方に引く。リターンスプリング14がレバーガイド30の一方の端部とレバー8の掛止突起803との間に取り付けられており、レバー8がレバーガイド30の先端から離れたとき、レバー8に復帰力を付与する。
【0018】
中空シリンダ型の稼動子9が脱水時にレバー8の凹所800に挿入されているように設けられており、洗濯モードへの転換時にそれが傾斜面801に沿って当接したまま下降して平坦面802の下に移動させられる。
また、プランジャ10が稼動子9の中空の案内中空部900に沿って昇降可能に設けられており、緩衝スプリング11が稼動子9とプランジャ10との間に設けられている。カップリングストッパー22が軸支持ベアリングケース20の下部に固定されており、ストッパーは軸支持ベアリングケース20の円周方向に沿って形成されたギヤ歯221を有する。フォーク形態の一方の先端がプランジャ10の下端部にヒンジ結合された稼動ロッド12が、カップリングストッパー22の下部に形成された支持ブラケット220の下端部に中間部の一箇所でヒンジ結合されており、プランジャ10の昇降時に、そのヒンジ結合された中間部の一箇所を中心としてシーソ運動させられるようになっている。BLDCモータ7の回転動力の伝達経路を転換させるカップリング15が、稼動ロッド12によって脱水軸5に沿って昇降するように設けられている。コネクタアセンブリ16がローター7bの回転力を洗濯軸4に伝達するように設けられている。
【0019】
図3及び図4のようにカム600が駆動部602に直接結合されて駆動部602の回転時に等速回転し、駆動部602が止まる位置でカム600も止まるようになっている。
カム600とスイッチ650との動作関係を説明すると次の通りである。
当初、カム600は初期地点と一致する状態にあり、その状態ではスイッチ650がオフ状態を維持する。
ここで前記カム600が初期地点と一致する状態とは、図5cのようにカム600のロッド連結軸601が図示の初期地点に位置する状態である。
この状態で洗濯のために動力伝達経路を転換させる時には、クラッチモータ60がオンになって駆動され、これによってカム600が反時計方向に回転する。この時カム600の回転角が初期地点から150度の角度になる位置に到逹するまではスイッチ650の突出部650aがカム凹所面600aに位置しているので、スイッチ650はオフ状態を維持する。
【0020】
その後,カム600の初期地点からの回転角が150度に到逹すると、スイッチ650の突出部650aがカム600のカム凹所面600aを脱してスイッチ650をオンとさせる。
このように、カム600の初期地点からの回転角が150度に達すると、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221が互いにかみ合った状態になる。
【0021】
さらに,図5aのようにカム600が初期地点から170度の維持地点に到逹すると、クラッチモータ60がオフになる。このようにカム600が維持地点と一致する地点でクラッチモータ60をオフさせる理由は、より確実に洗濯モードへの動力転換が成されるようにするためである。
【0022】
一方,洗濯終了後の脱水時には、カム600が初期地点と一致する位置に復帰しなければならない。このために脱水モードへの動力転換時にはクラッチモータ60が再びオンとさせられてカム600を反時計方向に回転させる。この時、図5bに示したように、スイッチ650のオン状態を維持しながらカム600が回転し、初期地点から反時計方向に328度角度になる地点(維持地点から反時計方向に158度地点)を通過してスイッチ650の突出部650aがカム凹所面600aに位置し、これによってスイッチ650はオフ状態に転換する。
【0023】
スイッチ650がオフ状態に転換されても、カム600が初期地点と一致する地点に到逹するまでマイクロコンピュータの制御によってクラッチモータ60にオン状態を維持させ、カム600が初期地点と一致する地点に位置してオフにさせる。この時、スイッチ650がオフになった直後からカム600が初期地点と一致する地点に到逹するまで、クラッチモータ60をオン状態に維持する間、クラッチモータ60に供給されるAC電源のパルスの数をカウントする。そのパルス数を利用して前記したクラッチモータ60の制御が行われる。
【0024】
一方、前記したようにカム600が初期地点に位置した状態では、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221とのかみ合いが解除されるだけでなく、上側セレーション150aと下側セレーション150bがコネクタアセンブリのインナーコネクタ16bの上端部の外周面上のセレーション161b及び脱水軸5の下端部のセレーションにそれぞれ同時に係合し、洗濯軸4と脱水軸5の同時回転による脱水が行われる。
【0025】
本発明によるクラッチ6は、洗濯が始まる前にはクラッチモータ60に電源が印加されないオフ状態とされており、その状態では図2bのようにカップリング15が下降した状態を維持する。この時、稼動子9はレバー8の傾斜面801を有する凹所800に位置している。
【0026】
このような状態でクラッチモータ60に電源が印加されてクラッチモータ60がオンになれば、クラッチモータ60の駆動力がカム600に伝達されて、カム600の回転運動によってコネクティングロッド17がクラッチモータ60の方に移動し、これによってレバー8がレバーガイド30に沿ってクラッチモータ60方へ引かれる。この時、レバーガイド30の後端部に設置されたリターンスプリング14が延びる。
【0027】
一方、カム600の回転時にレバー8の傾斜面801に接触していた稼動子9は傾斜面801に沿って降り、カム600が維持地点に位置する時点では図2aのようにレバー8の平坦面802の下に稼動子9が位置するようになる。
このようにカム600の回転及びレバー8のクラッチモータ側への移動によって稼動子9が下降すると、稼動子9は緩衝スプリング11を圧縮し、これによって案内中空部900に沿って昇降するように設置されたプランジャ10も下降する。
プランジャ10の下降によってプランジャ10にヒンジ結合した稼動ロッド12が、カップリングストッパー22の支持ブラケット220を通っている中間部の固定ピン12bを中心として反時計方向に回転する。
【0028】
このように、稼動ロッド12が固定ピン12bを中心に反時計方向に回転すると、稼動ロッド12の先端はカップリング15の下部面に接触して脱水軸5に沿ってカップリング15を軸の上側方向に押し上げる。これによって、洗濯モードへの動力転換終了時、カップリング15上端部に形成されたギヤ歯151は、図2aに示したように、カップリングストッパー22に備えられたギヤ歯221にかみ合う。
【0029】
このようにカップリング15のギヤ歯151がカップリングストッパー22のギヤ歯221と噛み合うようになれば、カップリング15がコネクタアセンブリ16を外れ、ローター7bが回転すると洗濯軸4だけが回転することになる。即ち、洗濯時にカップリング15は、脱水軸5の外周面のセレーションとだけ噛み合い、洗濯軸4と噛み合ったインナーコネクタ16bの上端部のセレーション161bとは噛み合わない状態であるので、ローター7bの回転動力は洗濯軸4を通じてパルセータ3にだけ伝達される。
そして、カップリング15のギヤ歯151がカップリングストッパー22のギヤ歯221に噛み合った状態では、カップリング15の回転はカップリングストッパー22のギヤ歯221によって阻止される。
【0030】
図2aのようにして洗濯が行われてから、洗濯が終了して脱水のために脱水槽モードへの動力伝達経路転換が要求される時には、再びクラッチモータ60に電源が印加されてクラッチモータ60が駆動してカム600が回転する。
そして、クラッチモータ60のカム600が回転して脱水位置に移動すると、レバー8はリターンスプリング14の復元力によってクラッチモータ60から離れる方向へ動く。これによって、洗濯モードではレバー8の平坦面802に接していた稼動子9は図2bのようにレバー8の復帰が終了した時点では、傾斜面801を備えたレバー8の凹所800に位置する。
【0031】
このように、レバー8の移動による稼動子9の上昇時に、緩衝スプリング11に加えられた圧縮力が緩和され、これによってプランジャ10は稼動子9の案内中空部900に沿って上昇する。プランジャ10の上昇によってプランジャ10にヒンジ結合された稼動ロッド12が固定ピン12bを中心に図面(図2a参照)上時計方向に回転する。
稼動ロッド12が固定ピン12bを中心として時計方向に回動することによって、稼動ロッド12の先端でカップリング15を支持していた力は除かれる。したがって、カップリング15は自重と圧縮スプリング40の復元力によって下降し、これによってカップリング15のギヤ歯151はカップリングストッパー22のギヤ歯221から離れる。
【0032】
カップリング15が降りきると、カップリング15の内周面のセレーション150a、150bは、セレーション161bと脱水軸5の下端のセレーションとそれぞれ噛み合い、これによってローター7bの高速回転時に洗濯軸4と脱水軸5が高速に回転して脱水が行われる。
【実施形態1】
【0033】
図7に示したように、本発明の第1実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置は,電源部71、パルス計数部72、マイクロコンピュータ100、モータ7、クラッチ6そしてディスプレイ部700を含む。
クラッチ6は、図3及び図4に示したように洗濯または脱水行程によってカップリング15を上昇または下降させるクラッチモータ60と、そのクラッチモータ60と連動回転し、その連動回転によってスイッチング信号を出力するカム600を備えている。
電源部71はモータ7とクラッチモータ60に電圧を供給して、パルス計数部72は電源部71からクラッチモータ60に供給されるAC電源のパルス数をカウントする。
【0034】
クラッチモータ60が駆動された後にカム600が設定時間以内にスイッチング信号を出力させなければ、マイクロコンピュータ100はクラッチモータ60をオフさせてから再駆動させ、カム600がスイッチング信号を出力するかどうかを再確認する。もしカム600がスイッチング信号を出力させなければ、マイクロコンピュータ100はクラッチモータ60の再駆動とスイッチング信号確認過程を繰り返す。
【0035】
このような繰り返し過程があらかじめ設定した回数以上繰り返してもカム600がスイッチング信号を出力しなければ、マイクロコンピュータ100はクラッチ6に異常が発生したものと認識する。そしてマイクロコンピュータ100はエラーメッセージを表示するか、又は警告音を発するための制御信号を出力する。即ち、カム600がスイッチング信号を出力できなかった回数をカウントし、そのカウント値が設定数以上であれば、ディスプレイ部700にエラーメッセージを表示するか、警告音を出す。
【0036】
また、マイクロコンピュータ100は、カム600が正常にスイッチング信号を出力した場合に、クラッチモータ600の駆動を一定時間の間維持させるためにパルス計数部72のカウントしたパルス数を利用する。即ち、カウントされたパルス数が設定されたパルス数になるまでクラッチモータ600を駆動させ続ける。
【0037】
本発明の第1実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知方法を二つのモードによって区分して説明する。二つのモードのうち、一つは洗濯または濯ぎ遂行時に使われるパルセータモードで,他の一つは脱水遂行時に使われる脱水槽モードである。
まず、洗濯機の動力伝達モード転換方法のうち、パルセータモードへの転換過程を説明すれば次の通りである。
【0038】
図8に示したように、マイクロコンピュータ100の制御によってBLDCモータ7を瞬間的にN回(例えば、2回)または設定時間(1乃至3秒)の間、洗濯時の回転角度に比べて小さな角度で左右に交互に回転させる(S11)。
S11段階でBLDCモータ7を回転させる理由は、カップリング15の上昇を抑制する要因をとり除くためである。カップリング15の上昇を抑制する現象は、カップリング15と噛み合う脱水軸5とインナーコネクタ16bのズレにより、セレーション150a、150bが脱水軸5の下端部のセレーション及びインナーコネクタ16bの上端部のセレーション161bと互いに反対方向に作用する面圧によって発生する。したがってカップリング15を洗濯モード位置に上昇させる段階を行う前に、カップリング15の上昇を抑制する要因をとり除くためにBLDCモータ7を左右に回転させる段階を行う。
【0039】
その後、マイクロコンピュータ100はカム600を回転させるためにクラッチモータ60を駆動させる(S12)。そして、マイクロコンピュータ100はカム600の回転によってスイッチ650がオンになったか否かを判断する(S13)。ここで,スイッチ650がオンになるということは、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221とが互いにかみ合ったことを意味する。従って、スイッチ650がオン状態であるか否かを判断することで、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221とがかみ合ったかどうかが分かる。
【0040】
次いで、S13段階における判断結果、スイッチ650がオンになったと判断されれば、パルス計数部72はスイッチ650がオン状態であるうちにクラッチモータ60に供給されるAC電圧のパルス数をカウントする。そしてマイクロコンピュータ100はカウントされたパルス数が予め設定されたパルス数、例えば、「66」以上であるかどうかを判断する(S14)。
【0041】
S14段階における判断結果、カウントされたパルス数が予め設定されたパルス数より小さければS13段階に戻る。そしてカウントされたパルス数が予め設定されたパルス数より大きいか同じになるまで、S13段階とS14段階を繰り返す。このようにS13段階とS14段階が繰り返されている間、クラッチモータ60はずっと駆動し続ける。したがってカップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221がさらに堅固にかみ合わされる。
【0042】
反対にS14段階における判断結果、AC電圧のパルス数が予め設定されたパルス数より大きいか同じであれば、マイクロコンピュータ100の制御によってクラッチモータ60は停止させられ(S15)、BLDCモータ7は瞬間的に左右に回転させられる(S16)。この時はBLDCモータ7を洗濯時の回転角度に比べて小さな角度でN回(例えば、2回)、または設定時間(1ないし3秒)の間回転させる。このように前記左右の回転を2回実施するのは、モータまたは機構的な異常によってカップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯22とのかみ合いが完全ではない状態で動作するのを予め防止するためである。
【0043】
一方、S13段階における判断結果、スイッチ650がオンにならないと、クラッチモータ60を駆動した時点から第1設定時間、例えば7秒が経過したかどうかを判断する(S17)。
S17段階における判断結果、第1設定時間が経過したらマイクロコンピュータ100はM(スイッチオン未感知回数)を「1」ずつ増加させて(S18)、MがN(設定回数、例えば4回)以上であるかどうかどうかを判断する(S19)。
【0044】
S19段階における判断結果、Mが設定回数N未満の場合、第2設定時間例えば,1秒間クラッチモータ60をオフにした後(S20)、クラッチモータ60を再び駆動させる(S12)。
一方、S19段階における判断結果、Mが設定回数N以上であれば、マイクロコンピュータ100はディスプレイ部700にエラーメッセージを表示するS21。即ち、第1設定時間の間、スイッチ650がオンにならなず、またスイッチ650がオンにならなかった回数が設定回数N以上であれば、マイクロコンピュータ100はカム600、またはスイッチ650に異常が発生したものと認識してディスプレイ部700にエラーメッセージを表示する。
【0045】
以下、本発明による洗濯機の動力伝達モード転換方法での脱水槽モードへの転換過程について説明すれば次の通りである。
図9に示したように、マイクロコンピュータ100の制御によってBLDCモータ7は瞬間的にN回(例えば、2回)、または設定時間(1ないし3秒)の間、左右に回転する(S31)。この時のBLDCモータ7の回転角度は洗濯時の回転角度に比べて小さな角度で回転する。
S31段階でBLDCモータ7を回転させる理由は、カップリング15の上昇を抑制する要因をとり除くためである。カップリング15の上昇を抑制する現象は、カップリング15と噛み合う脱水軸5とインナーコネクタ16bのズレによりセレーション150a、150bが脱水軸5の下端部のセレーションとインナーコネクタ16bの上端部のセレーション161bと互いに反対方向に作用する面圧によって発生する。したがってカップリング15を洗濯モード位置に上昇させる段階を行う前に、カップリング15の上昇を抑制する要因をとり除くためにBLDCモータ7を左右に回転させる段階を行う。
【0046】
その後、マイクロコンピュータ100は、カム600を回転させるためにクラッチモータ60を駆動させる(S32)。そして、マイクロコンピュータ100はカム600の回転によってスイッチ650がオフになったかどうかどうかを判断する(S33)。ここでスイッチ650がオフになるということは、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221のかみ合い(結合)が解けることを意味する。したがってスイッチ650がオフ状態であるかどうかどうかを判断することで、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221の結合が解けたかどうかが分かる。
【0047】
次いで、S33段階における判断結果、スイッチ650がオフになったと判断されると、パルス計数部72は、スイッチ650がオフ状態であるうちにクラッチモータ60に供給されるAC電圧のパルス数をカウントする。そしてマイクロコンピュータ100はカウントされたパルス数が予め設定されたパルス数、例えば、「66」以上であるかどうか判断する(S34)。
【0048】
S34段階における判断結果、カウントされたパルス数が予め設定されたパルス数より少なければS33段階に戻る。そしてカウントされたパルス数が予め設定されたパルス数より大きいか同一になるまでS33段階とS34段階を繰り返す。このようにS33段階とS34段階が繰り返されている間、クラッチモータ60は駆動し続ける。したがってカップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221との結合が完全に解ける。
【0049】
反対に、S34段階における判断結果、AC電圧のパルス数が予め設定されたパルス数以上であればマイクロコンピュータ100の制御によってクラッチモータ60は停止させられ(S35)、BLDCモータ7は瞬間的に左右に回転させられる(S36)。
この時、BLDCモータ7を洗濯時の回転角度に比べて小さな角度でN回(例えば、2回)、または設定時間(1ないし3秒)の間回転させる。このように左右の回転を2回実施するのは、モータまたは機構的な異常によってカップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221とのかみ合いが完全に解けていない状態で動作することを予め防止するためである。
【0050】
一方、S33段階における判断結果、スイッチ650がオフにならなかったらクラッチモータ60を駆動した時点から第1設定時間、例えば7秒が経過したかどうかを判断する(S37)。
S37段階における判断結果、第1設定時間が経過したらマイクロコンピュータ100はM(スイッチオフ未感知回数)を「1」ずつ増加させて(S38)、Mが設定回数N(例えば、4回)以上であるかどうかを判断する(S39)。
前記S39段階における判断結果、Mが設定回数N未満であれば、第2設定時間、例えば1秒間前記クラッチモータ60をオフにした後(S40)、クラッチモータ60を再び駆動させる(S32)。
【0051】
一方、S39段階における判断結果、Mが設定回数N以上であれば、マイクロコンピュータ100はディスプレイ部700にエラーメッセージを表示させる(S41)。即ち、第1設定時間の間、スイッチ650がオフにならずスイッチ650がオフにならなかった回数が設定回数N以上であれば、マイクロコンピュータ100はカム600またはスイッチ650に異常が発生したものと認識してディスプレイ部700にエラーメッセージを表示する。
【0052】
上述したように第1実施形態によるクラッチ誤動作感知方法は、洗濯機がパルセータモードに転換するか脱水槽モードに転換する時、クラッチの誤動作を感知する。したがってクラッチの誤動作による洗濯機の破損を防止することができ、安定的なモード転換が可能である。
【実施形態2】
【0053】
図10は、本発明の第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置を示したブロック図で,図11は、本発明の第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
図10に示したように,第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置は、ユーザーの要求命令を入力するためのキー入力部110と、入力部100を通じて入力されるユーザーの命令による制御信号を出力するためのマイクロコンピュータ200と、マイクロコンピュータ200の制御信号によって駆動するモータ7及びクラッチ6と、モータ7の回転速度を感知する速度感知部120と、洗濯機の動作及び機能に関するプログラムを保存するEEPROM130と、マイクロコンピュータ200の制御信号によってユーザーにメッセージを表示するためのディスプレイ部700を含んでいる。
【0054】
このように構成された第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置は、ユーザーがキー入力部110を介して動作命令を入力すると、マイクロコンピュータ200はこれを感知してモータ7及びクラッチ6などの各種負荷に制御信号を出力して洗濯機が動作できるように制御する。
洗濯機が動作している間に、ユーザーがキー入力部110を介して制動命令を入力すると、マイクロコンピュータ200はこれを感知してモータ7に制御信号を出力して、モータ7を予め設定された最小回転速度まで減少させる。
【0055】
モータ7の回転速度が予め設定された最小回転速度まで減少すると、マイクロコンピュータ200はモータ7の制動が終了したものと判断し、モータ7が制動が終了したと判断された後の予め設定された所定時間内にモータ7が再び加速されるかどうかどうかを判断する。これは、もしクラッチ6に異常がある場合、モータ7は制動されるが、内槽2b(図1参照)は回転し続けてモータ7が再び加速される場合が発生するからである。従って、モータ7が予め設定された所定時間内に特定速度まで再び加速が行われると、クラッチ6に異常が発生したものと判断してディスプレイ部700にクラッチ6の異常発生を表示する。
【0056】
このような第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置の感知方法を説明すれば次の通りである。
図11に示したように、先にユーザーがキー入力部100を通じて洗濯、濯ぎまたは脱水に該当する洗濯機の動作命令110を入力すると、マイクロコンピュータ200は制御命令を出力してユーザーの命令に該当する動作を始める(S51)。
そしてユーザーの命令に該当する動作中、マイクロコンピュータ200は、ユーザーが制動命令を入力したかどうか判断する(S52)。
【0057】
S52段階における判断結果、制動命令が入力されたと判断すれば、マイクロコンピュータ200はモータ7を予め設定した最小回転速度まで減速させる(S53)。そしてマイクロコンピュータ200はモータ7の制動が終了したかどうかどうかを判断する(S54)。
S54段階における判断結果、モータ7の制動が終了すればマイクロコンピュータ200は予め設定された所定時間が経過したかどうかどうかを判断する(S55)。
【0058】
次いで、S55段階における判断結果、予め設定された所定時間が経過しなければマイクロコンピュータ200はモータ7の再加速を感知したかどうかどうかを判断する(S56)。
S56段階における判断結果、予め設定された所定時間が経過する以前にモータ7の再加速が感知されれば、マイクロコンピュータ200はクラッチ6の異常と判断してディスプレイ部700にクラッチエラーメッセージを表示する(S57)。この時クラッチエラーメッセージとともにクラッチ修理要請メッセージを表示するようにしても良い。
一方、S52段階における判断結果、洗濯機の動作中制動命令が入力されなかったらユーザーが設定したコースによって該当の動作を続ける(S58)。
【0059】
上述したように、第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置及び感知方法は、ユーザーが動作中に制動命令を加え、クラッチに何の異常がない場合には予め設定された最小回転速度まで減速して制動が終了するが、クラッチ6が破損したなどの異常がある場合には、制動終了後予め設定された所定時間以内にモータ7が再加速される現象が速度感知部120によって感知される。
したがって、モータ7の再加速現象が感知されると、マイクロコンピュータ200はクラッチ6の破損または異常と見做してディスプレイ部700にクラッチ6に異常が発生したことを表示する。したがって、ユーザーはこれを見て迅速に対応することができる。
【実施形態3】
【0060】
図12は、本発明の第3実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置を示したもので,これを参照して第3実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置を説明すれば次の通りである。
図12に示したように、本発明による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置は、電源部71と、電源部71から電源電圧を印加されてモータ7を駆動させるモータ駆動部310と、クラッチ6のカップリング15(図2a、図2b参照)の位置を調整するためにクラッチモータ60を駆動させるクラッチ駆動部330と、カップリング15の位置を感知するためのカップリング位置感知部340と、モータ駆動部310の入力端に接続され電源部71からモータ駆動部310に供給される電源電圧を感知する電圧感知部320と、モータ7とクラッチ6が動作するようにモータ駆動部310とクラッチ駆動部330を制御し、電圧感知部320を介して感知された電源電圧が予め設定された電圧以上であればクラッチ誤動作と認識するマイクロコンピュータ300と、マイクロコンピュータ300の制御信号によってクラッチ誤動作メッセージを表示するディスプレイ部700を含んで構成される。
【0061】
本発明では、マイクロコンピュータ300は、タブ回転方式駆動時に電圧感知部320を通してモータ駆動部310に入力される電源電圧を感知する。ここで、タブ回転方式とは、図13(B)に示したように、カップリング15を上昇させることでカップリング15と、洗濯槽2bに連結されているアウトタブ13とを結合させてモータ7の回転力をパルセータ3と洗濯槽2bに同時に伝達する方式である。
電圧感知部320は、直列連結された第1及び第2抵抗(R11、R12)から構成されて第1抵抗と第2抵抗(R11、R12)との間の連結部がマイクロコンピュータ300のA/D入力ポートに接続されている。
そして、マイクロコンピュータ300は、電圧感知部320で感知された電圧をA/D入力ポートを介して入力された電圧が予め設定された電圧以下ならばタブ回転方式を駆動時クラッチ動作が正常であると認識し、一方、入力された電圧が予め設定された電圧以上であればクラッチカップリングの破損による誤動作であると認識する。
【0062】
タブ回転方式を駆動時、クラッチカップリング15がアウトタブ13に結合されてモータ7の回転力をパルセータと洗濯槽に同時に伝達するとき、クラッチカップリング15が破損されていたり定位置にない場合、クラッチカップリング15とアウトタブ13が正常に結合されずにモータ駆動部330の両入力端に正常な場合より大きい電圧が発生する。
電圧感知部320が正常でない大きい電圧を感知すると、即ち、クラッチカップリング15破損による誤動作が発生すると、マイクロコンピュータ300はディスプレイ部700に該当する制御信号を出力してエラーメッセージを表示させる。
【0063】
前記のような本発明の第3実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知方法を説明すれば次の通りである。
図14に示したように、マイクロコンピュータ300は現在進行中のモードがタブ回転方式かどうかを判断する(S61)。
S61段階における判断結果、タブ回転方式でなければ、マイクロコンピュータ300はクラッチモータ60を駆動させてクラッチカップリング15をアウトタブ(13)と分離させて、該当するモードをインペラ回転方式で遂行する(S62)。ここで、インペラ回転方式とは、図13Aに示したようにクラッチカップリング15とアウトタブ13を分離させてモータ7の回転力をパルセータ3にだけ伝達する方式である。
一方、S61段階における判断結果、現在進行中のモードがタブ回転方式であれば、電圧感知部320はモータ駆動部330の両端に入力されるDC電圧を調べる(S63)。
【0064】
次いで、電圧感知部320で感知した電圧をマイクロコンピュータ300にA/D入力ポートを介して入力した後、マイクロコンピュータ300はその感知された電圧のレベルが予め設定された電圧レベルより以下であるかどうかどうかを判断する(S64)。
S64段階における判断結果、感知された電圧が予め設定された電圧以下であればマイクロコンピュータ300はタブ回転方式で進行中のモードを継続して行う(S65)。
一方、S64段階における判断結果、感知された電圧が予め設定された電圧以上なら、マイクロコンピュータ300はクラッチカップリング15が誤動作している、または破損されたものと認識して(S66)、該当のエラーメッセージをディスプレイ部700に表示するか信号音を出力する(S67)。
したがって、本発明はタブ回転方式を通じて洗濯制御時モータ駆動部310の入力両端にかかる電圧が正常電圧より大きい場合、クラッチカップリング15破損による誤動作であると認識し、これに該当するエラーメッセージを表示する。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置及び感知方法は、クラッチの異常有無を判断してその判断結果をユーザーに知らせることで、クラッチの動作不良及び破損を予め防止することができる。また、クラッチの誤動作や破損による洗濯槽または脱水槽の誤動作を防止することができるのでユーザーの危険負担を減らすことができる。
以上本発明の好適な一実施形態について説明したが、前記実施形態に限定されず、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0066】
6…クラッチ、7…モータ、71…電源部、72…パルス計数部、100…マイクロコンピュータ、110…キー入力部、120…カウンタ、700…ディスプレイ部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機、特に洗濯機のクラッチの誤動作を感知することができる感知装置及び感知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、洗濯機は洗剤の乳化作用及び洗濯翼の回転による水流の摩擦作用、及びパルセータが洗濯物に加える衝撃作用などを利用して衣服,寝具などに附着した各種汚染物質をとり除く製品であって、センサーによって洗濯物の量と種類を検出して洗濯方法を自動で設定し、また洗濯物の量と種類によって洗濯水を適切に給水した後、マイクロコンピュータの制御を受けて洗濯を行う。
【0003】
従来の全自動洗濯機の駆動方式は大きく二つに区分される。一つは動力伝達用ベルトやプーリーなどを利用して駆動モータの回転動力を洗濯軸や脱水軸に伝達してパルセータまたは脱水槽を回転させる方式であり、他の一つはブラシレス直流モータ(BLDCモータ)の速度制御によって洗濯槽や脱水槽を洗濯及び脱水時にそれぞれ異なる速度で回転させる方式である。
【0004】
しかしこのような従来の洗濯機は、動力伝達経路の切換えのために使われるクラッチの誤動作を認識することができないという問題点を有していた。従って、クラッチの誤動作による洗濯機の破損を防止することができなかった。
また、クラッチが破損した場合、モータを停止させても洗濯槽の制動を制御することができないのでユーザーに危険を与えるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためのもので、クラッチの異常の有無を判断してその判断結果をユーザーに知らせることで、クラッチの動作不良及び破損を予め防止することができるクラッチの誤動作感知装置及び感知方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を果たすための本発明によるクラッチ誤動作感知装置は、モータの動力を洗濯軸と脱水軸に選択的に伝達するカップリング、カップリングを駆動するクラッチモータ、クラッチモータと連動回転してその連動回転によってスイッチング信号を出力するカムを備えたクラッチと、クラッチモータに電圧を供給する電源部と、電源部からクラッチモータに供給される電圧のパルス数をカウントするパルス計数部と、カムが第1設定時間の間にスッイチング信号を出力しない場合、クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動する過程を繰り返し、その過程が設定回数繰り返される間にカムがスイッチング信号を出力しなければクラッチの異常と判断するマイクロコンピュータとを含む。
【0007】
本発明の他の態様として、クラッチ誤動作感知装置は、洗濯軸または脱水軸にモータの動力を伝達するカップリングと、カップリングに動力を与えるクラッチモータと,カップリングを制御するスイッチと、クラッチモータに連動回転して、その連動回転によってスイッチをオンまたはオフにするカムを備えたクラッチと、モータ及びクラッチモータに電圧を供給する電源部と、電源部からクラッチモータに供給される電圧のパルス数をカウントするパルス計数部と、クラッチモータの駆動開始以後の第1設定時間の間スイッチがスイッチングされない場合、クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動する過程を繰り返し、その過程が設定回数繰り返される間にスイッチがスイッチングされなければユーザーにクラッチの異常を知らせるマイクロコンピュータとを含む。
【0008】
本発明のもう一つの態様として、クラッチ誤動作感知装置は、モータの回転速度を感知する速度感知部と、モータの制動終了後の所定時間の間モータが再加速されるかどうかによってクラッチの異常有無を判断するマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータの制御によってクラッチの異常を知らせるメッセージを表示するディスプレイ部とを含む。
【0009】
本発明の他の態様として、クラッチ誤動作感知装置は、洗濯軸または脱水軸にモータの動力を伝達するカップリングと、カップリングに動力を提供するクラッチモータと、クラッチモータを駆動するクラッチ駆動部を具備したクラッチと、電源部からモータ駆動部に供給される電圧を感知する電圧感知部と、カップリングの位置を感知するカップリング位置感知部と、電圧感知部を介して感知した電圧レベルが設定電圧のレベルより高ければクラッチ誤動作と判断するマイクロコンピュータとを含む。
【0010】
本発明によるクラッチ誤動作の感知方法は、(a)クラッチモータを駆動してカムを回転させる段階と、(b)カムがスイッチング信号を出力するかどうか判断する段階と、(c)カムが第1設定時間の間スイッチング信号を出力しない場合、クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動する過程を繰り返す段階と、(d)その過程が設定回数繰り返す間にカムがスイッチング信号を出力しなければエラーメッセージを表示する段階を含む。
【0011】
本発明の他の態様として、クラッチ誤動作感知方法は、(a)クラッチモータを駆動してカムを回転させる段階と、(b)スイッチがスイッチングされたかどうか判断する段階と、(c)スイッチが第1設定時間の間スイッチングされない場合、クラッチモータを第2設定時間の間停止させてから再駆動する過程を繰り返し、その過程の繰り返し回数をカウントする段階と、(d)前記過程が設定回数繰り返するまでスイッチがスイッチングされなければエラーメッセージを表示するか警告音を出す段階を含む。
【0012】
本発明のさらに他の態様として、クラッチ誤動作感知方法は、(a)ユーザーが制動命令を入力するとモータの制動が終了したかどうか判断する段階と、(b)モータの制動が終了した場合、所定時間の間モータが再加速されるかどうか判断する段階と、(c)モータが再加速されればクラッチの異常と判断してクラッチの異常を知らせるメッセージを表示する段階とを含む。
【0013】
本発明のさらに他の態様として、クラッチ誤動作感知方法は、(a)電源部からモータ駆動部に供給される電圧レベルを感知する段階と、(b)感知された電圧レベルを設定電圧レベルと比べる段階と、(c)感知された電圧レベルが設定電圧レベルより大きければクラッチの異常と判断する段階とを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置及び感知方法によれば、クラッチの異常の有無を判断して、その判断結果をユーザーに知らせるようにしたので、クラッチの動作不良と破損を予め防止することができる。また、クラッチの誤動作や破損による洗濯槽または脱水槽の誤動作を防止することができるので、ユーザーの危険負担を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による洗濯機の概路図である。
【図2A】図1のクラッチ及びモータを示した断面図である。
【図2B】図1のクラッチ及びモータを示した断面図である。
【図3】本発明によるクラッチモータの斜視図である。
【図4】図3の分解斜視図である。
【図5A】クラッチモータの駆動時のカムとスイッチとの動作関係を説明するための図である。
【図5B】クラッチモータの駆動時のカムとスイッチとの動作関係を説明するための図である。
【図5C】クラッチモータの駆動時のカムとスイッチとの動作関係を説明するための図である。
【図6】クラッチモータとカムとスイッチとの動作を説明するためのチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態によるクラッチ誤動作感知装置を示したブロック図である。
【図8】本発明の第1実施形態によるクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態によるクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態によるクラッチ誤動作感知装置を示したブロック図である。
【図11】本発明の第2実施形態によるクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
【図12】本発明の第3実施形態によるクラッチ誤動作感知装置を示したブロック図である。
【図13】インペラ回転方式及びタブ回転方式に従ったクラッチカップリングの位置を示した図である。
【図14】本発明の第3実施形態によるクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、前記目的を具体的に実現することができる本発明の望ましい実施形態を添付された図面を参照して説明する。実施形態を説明するにおいて,同一構成に対しては同一名称及び同一符号が使われているため、これによる付加的な説明は下記で省略する。
図1は本発明による全自動洗濯機を簡略に示した縦断図である。
図1に示したように、自動洗濯機は本体1と、本体1内に設置された外槽2aと、外槽2aの内部で回転可能な内槽2bを含む。そして、内槽2b内の下部中央には洗濯及び脱水時に左、右に回転するパルセータ3が設置される。
また,全自動洗濯機は、内槽2bに回転動力を伝達する脱水軸5と、パルセータ3に回転動力を伝達する洗濯軸4とを有し、さらに洗濯行程か脱水行程かによってモータ7の動力を洗濯軸4か脱水軸5のいずれかに伝えるクラッチ6を含む。
【0017】
クラッチ6の構成は次の通りである。図2a及び図2bに示したように、外槽1の下部にクラッチモータ60が設置され、そのクラッチモータ60の駆動部602にはカム600が結合されている。軸支持ベアリングケース20内にレバーガイド30が固定され、そのレバーガイド30の案内を受けて、レバー8がクラッチモータ60の駆動時に直線運動する。レバー8は傾斜面801を有する凹所800と傾斜面801の下端から水平に延びる平坦面802を有する。
クラッチモータ60のカム600とレバー8との間にコネクティングロッド17が設置されており、クラッチモータ60がオンのとき、そのロッド17がレバー8をクラッチモータ60の方に引く。リターンスプリング14がレバーガイド30の一方の端部とレバー8の掛止突起803との間に取り付けられており、レバー8がレバーガイド30の先端から離れたとき、レバー8に復帰力を付与する。
【0018】
中空シリンダ型の稼動子9が脱水時にレバー8の凹所800に挿入されているように設けられており、洗濯モードへの転換時にそれが傾斜面801に沿って当接したまま下降して平坦面802の下に移動させられる。
また、プランジャ10が稼動子9の中空の案内中空部900に沿って昇降可能に設けられており、緩衝スプリング11が稼動子9とプランジャ10との間に設けられている。カップリングストッパー22が軸支持ベアリングケース20の下部に固定されており、ストッパーは軸支持ベアリングケース20の円周方向に沿って形成されたギヤ歯221を有する。フォーク形態の一方の先端がプランジャ10の下端部にヒンジ結合された稼動ロッド12が、カップリングストッパー22の下部に形成された支持ブラケット220の下端部に中間部の一箇所でヒンジ結合されており、プランジャ10の昇降時に、そのヒンジ結合された中間部の一箇所を中心としてシーソ運動させられるようになっている。BLDCモータ7の回転動力の伝達経路を転換させるカップリング15が、稼動ロッド12によって脱水軸5に沿って昇降するように設けられている。コネクタアセンブリ16がローター7bの回転力を洗濯軸4に伝達するように設けられている。
【0019】
図3及び図4のようにカム600が駆動部602に直接結合されて駆動部602の回転時に等速回転し、駆動部602が止まる位置でカム600も止まるようになっている。
カム600とスイッチ650との動作関係を説明すると次の通りである。
当初、カム600は初期地点と一致する状態にあり、その状態ではスイッチ650がオフ状態を維持する。
ここで前記カム600が初期地点と一致する状態とは、図5cのようにカム600のロッド連結軸601が図示の初期地点に位置する状態である。
この状態で洗濯のために動力伝達経路を転換させる時には、クラッチモータ60がオンになって駆動され、これによってカム600が反時計方向に回転する。この時カム600の回転角が初期地点から150度の角度になる位置に到逹するまではスイッチ650の突出部650aがカム凹所面600aに位置しているので、スイッチ650はオフ状態を維持する。
【0020】
その後,カム600の初期地点からの回転角が150度に到逹すると、スイッチ650の突出部650aがカム600のカム凹所面600aを脱してスイッチ650をオンとさせる。
このように、カム600の初期地点からの回転角が150度に達すると、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221が互いにかみ合った状態になる。
【0021】
さらに,図5aのようにカム600が初期地点から170度の維持地点に到逹すると、クラッチモータ60がオフになる。このようにカム600が維持地点と一致する地点でクラッチモータ60をオフさせる理由は、より確実に洗濯モードへの動力転換が成されるようにするためである。
【0022】
一方,洗濯終了後の脱水時には、カム600が初期地点と一致する位置に復帰しなければならない。このために脱水モードへの動力転換時にはクラッチモータ60が再びオンとさせられてカム600を反時計方向に回転させる。この時、図5bに示したように、スイッチ650のオン状態を維持しながらカム600が回転し、初期地点から反時計方向に328度角度になる地点(維持地点から反時計方向に158度地点)を通過してスイッチ650の突出部650aがカム凹所面600aに位置し、これによってスイッチ650はオフ状態に転換する。
【0023】
スイッチ650がオフ状態に転換されても、カム600が初期地点と一致する地点に到逹するまでマイクロコンピュータの制御によってクラッチモータ60にオン状態を維持させ、カム600が初期地点と一致する地点に位置してオフにさせる。この時、スイッチ650がオフになった直後からカム600が初期地点と一致する地点に到逹するまで、クラッチモータ60をオン状態に維持する間、クラッチモータ60に供給されるAC電源のパルスの数をカウントする。そのパルス数を利用して前記したクラッチモータ60の制御が行われる。
【0024】
一方、前記したようにカム600が初期地点に位置した状態では、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221とのかみ合いが解除されるだけでなく、上側セレーション150aと下側セレーション150bがコネクタアセンブリのインナーコネクタ16bの上端部の外周面上のセレーション161b及び脱水軸5の下端部のセレーションにそれぞれ同時に係合し、洗濯軸4と脱水軸5の同時回転による脱水が行われる。
【0025】
本発明によるクラッチ6は、洗濯が始まる前にはクラッチモータ60に電源が印加されないオフ状態とされており、その状態では図2bのようにカップリング15が下降した状態を維持する。この時、稼動子9はレバー8の傾斜面801を有する凹所800に位置している。
【0026】
このような状態でクラッチモータ60に電源が印加されてクラッチモータ60がオンになれば、クラッチモータ60の駆動力がカム600に伝達されて、カム600の回転運動によってコネクティングロッド17がクラッチモータ60の方に移動し、これによってレバー8がレバーガイド30に沿ってクラッチモータ60方へ引かれる。この時、レバーガイド30の後端部に設置されたリターンスプリング14が延びる。
【0027】
一方、カム600の回転時にレバー8の傾斜面801に接触していた稼動子9は傾斜面801に沿って降り、カム600が維持地点に位置する時点では図2aのようにレバー8の平坦面802の下に稼動子9が位置するようになる。
このようにカム600の回転及びレバー8のクラッチモータ側への移動によって稼動子9が下降すると、稼動子9は緩衝スプリング11を圧縮し、これによって案内中空部900に沿って昇降するように設置されたプランジャ10も下降する。
プランジャ10の下降によってプランジャ10にヒンジ結合した稼動ロッド12が、カップリングストッパー22の支持ブラケット220を通っている中間部の固定ピン12bを中心として反時計方向に回転する。
【0028】
このように、稼動ロッド12が固定ピン12bを中心に反時計方向に回転すると、稼動ロッド12の先端はカップリング15の下部面に接触して脱水軸5に沿ってカップリング15を軸の上側方向に押し上げる。これによって、洗濯モードへの動力転換終了時、カップリング15上端部に形成されたギヤ歯151は、図2aに示したように、カップリングストッパー22に備えられたギヤ歯221にかみ合う。
【0029】
このようにカップリング15のギヤ歯151がカップリングストッパー22のギヤ歯221と噛み合うようになれば、カップリング15がコネクタアセンブリ16を外れ、ローター7bが回転すると洗濯軸4だけが回転することになる。即ち、洗濯時にカップリング15は、脱水軸5の外周面のセレーションとだけ噛み合い、洗濯軸4と噛み合ったインナーコネクタ16bの上端部のセレーション161bとは噛み合わない状態であるので、ローター7bの回転動力は洗濯軸4を通じてパルセータ3にだけ伝達される。
そして、カップリング15のギヤ歯151がカップリングストッパー22のギヤ歯221に噛み合った状態では、カップリング15の回転はカップリングストッパー22のギヤ歯221によって阻止される。
【0030】
図2aのようにして洗濯が行われてから、洗濯が終了して脱水のために脱水槽モードへの動力伝達経路転換が要求される時には、再びクラッチモータ60に電源が印加されてクラッチモータ60が駆動してカム600が回転する。
そして、クラッチモータ60のカム600が回転して脱水位置に移動すると、レバー8はリターンスプリング14の復元力によってクラッチモータ60から離れる方向へ動く。これによって、洗濯モードではレバー8の平坦面802に接していた稼動子9は図2bのようにレバー8の復帰が終了した時点では、傾斜面801を備えたレバー8の凹所800に位置する。
【0031】
このように、レバー8の移動による稼動子9の上昇時に、緩衝スプリング11に加えられた圧縮力が緩和され、これによってプランジャ10は稼動子9の案内中空部900に沿って上昇する。プランジャ10の上昇によってプランジャ10にヒンジ結合された稼動ロッド12が固定ピン12bを中心に図面(図2a参照)上時計方向に回転する。
稼動ロッド12が固定ピン12bを中心として時計方向に回動することによって、稼動ロッド12の先端でカップリング15を支持していた力は除かれる。したがって、カップリング15は自重と圧縮スプリング40の復元力によって下降し、これによってカップリング15のギヤ歯151はカップリングストッパー22のギヤ歯221から離れる。
【0032】
カップリング15が降りきると、カップリング15の内周面のセレーション150a、150bは、セレーション161bと脱水軸5の下端のセレーションとそれぞれ噛み合い、これによってローター7bの高速回転時に洗濯軸4と脱水軸5が高速に回転して脱水が行われる。
【実施形態1】
【0033】
図7に示したように、本発明の第1実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置は,電源部71、パルス計数部72、マイクロコンピュータ100、モータ7、クラッチ6そしてディスプレイ部700を含む。
クラッチ6は、図3及び図4に示したように洗濯または脱水行程によってカップリング15を上昇または下降させるクラッチモータ60と、そのクラッチモータ60と連動回転し、その連動回転によってスイッチング信号を出力するカム600を備えている。
電源部71はモータ7とクラッチモータ60に電圧を供給して、パルス計数部72は電源部71からクラッチモータ60に供給されるAC電源のパルス数をカウントする。
【0034】
クラッチモータ60が駆動された後にカム600が設定時間以内にスイッチング信号を出力させなければ、マイクロコンピュータ100はクラッチモータ60をオフさせてから再駆動させ、カム600がスイッチング信号を出力するかどうかを再確認する。もしカム600がスイッチング信号を出力させなければ、マイクロコンピュータ100はクラッチモータ60の再駆動とスイッチング信号確認過程を繰り返す。
【0035】
このような繰り返し過程があらかじめ設定した回数以上繰り返してもカム600がスイッチング信号を出力しなければ、マイクロコンピュータ100はクラッチ6に異常が発生したものと認識する。そしてマイクロコンピュータ100はエラーメッセージを表示するか、又は警告音を発するための制御信号を出力する。即ち、カム600がスイッチング信号を出力できなかった回数をカウントし、そのカウント値が設定数以上であれば、ディスプレイ部700にエラーメッセージを表示するか、警告音を出す。
【0036】
また、マイクロコンピュータ100は、カム600が正常にスイッチング信号を出力した場合に、クラッチモータ600の駆動を一定時間の間維持させるためにパルス計数部72のカウントしたパルス数を利用する。即ち、カウントされたパルス数が設定されたパルス数になるまでクラッチモータ600を駆動させ続ける。
【0037】
本発明の第1実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知方法を二つのモードによって区分して説明する。二つのモードのうち、一つは洗濯または濯ぎ遂行時に使われるパルセータモードで,他の一つは脱水遂行時に使われる脱水槽モードである。
まず、洗濯機の動力伝達モード転換方法のうち、パルセータモードへの転換過程を説明すれば次の通りである。
【0038】
図8に示したように、マイクロコンピュータ100の制御によってBLDCモータ7を瞬間的にN回(例えば、2回)または設定時間(1乃至3秒)の間、洗濯時の回転角度に比べて小さな角度で左右に交互に回転させる(S11)。
S11段階でBLDCモータ7を回転させる理由は、カップリング15の上昇を抑制する要因をとり除くためである。カップリング15の上昇を抑制する現象は、カップリング15と噛み合う脱水軸5とインナーコネクタ16bのズレにより、セレーション150a、150bが脱水軸5の下端部のセレーション及びインナーコネクタ16bの上端部のセレーション161bと互いに反対方向に作用する面圧によって発生する。したがってカップリング15を洗濯モード位置に上昇させる段階を行う前に、カップリング15の上昇を抑制する要因をとり除くためにBLDCモータ7を左右に回転させる段階を行う。
【0039】
その後、マイクロコンピュータ100はカム600を回転させるためにクラッチモータ60を駆動させる(S12)。そして、マイクロコンピュータ100はカム600の回転によってスイッチ650がオンになったか否かを判断する(S13)。ここで,スイッチ650がオンになるということは、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221とが互いにかみ合ったことを意味する。従って、スイッチ650がオン状態であるか否かを判断することで、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221とがかみ合ったかどうかが分かる。
【0040】
次いで、S13段階における判断結果、スイッチ650がオンになったと判断されれば、パルス計数部72はスイッチ650がオン状態であるうちにクラッチモータ60に供給されるAC電圧のパルス数をカウントする。そしてマイクロコンピュータ100はカウントされたパルス数が予め設定されたパルス数、例えば、「66」以上であるかどうかを判断する(S14)。
【0041】
S14段階における判断結果、カウントされたパルス数が予め設定されたパルス数より小さければS13段階に戻る。そしてカウントされたパルス数が予め設定されたパルス数より大きいか同じになるまで、S13段階とS14段階を繰り返す。このようにS13段階とS14段階が繰り返されている間、クラッチモータ60はずっと駆動し続ける。したがってカップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221がさらに堅固にかみ合わされる。
【0042】
反対にS14段階における判断結果、AC電圧のパルス数が予め設定されたパルス数より大きいか同じであれば、マイクロコンピュータ100の制御によってクラッチモータ60は停止させられ(S15)、BLDCモータ7は瞬間的に左右に回転させられる(S16)。この時はBLDCモータ7を洗濯時の回転角度に比べて小さな角度でN回(例えば、2回)、または設定時間(1ないし3秒)の間回転させる。このように前記左右の回転を2回実施するのは、モータまたは機構的な異常によってカップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯22とのかみ合いが完全ではない状態で動作するのを予め防止するためである。
【0043】
一方、S13段階における判断結果、スイッチ650がオンにならないと、クラッチモータ60を駆動した時点から第1設定時間、例えば7秒が経過したかどうかを判断する(S17)。
S17段階における判断結果、第1設定時間が経過したらマイクロコンピュータ100はM(スイッチオン未感知回数)を「1」ずつ増加させて(S18)、MがN(設定回数、例えば4回)以上であるかどうかどうかを判断する(S19)。
【0044】
S19段階における判断結果、Mが設定回数N未満の場合、第2設定時間例えば,1秒間クラッチモータ60をオフにした後(S20)、クラッチモータ60を再び駆動させる(S12)。
一方、S19段階における判断結果、Mが設定回数N以上であれば、マイクロコンピュータ100はディスプレイ部700にエラーメッセージを表示するS21。即ち、第1設定時間の間、スイッチ650がオンにならなず、またスイッチ650がオンにならなかった回数が設定回数N以上であれば、マイクロコンピュータ100はカム600、またはスイッチ650に異常が発生したものと認識してディスプレイ部700にエラーメッセージを表示する。
【0045】
以下、本発明による洗濯機の動力伝達モード転換方法での脱水槽モードへの転換過程について説明すれば次の通りである。
図9に示したように、マイクロコンピュータ100の制御によってBLDCモータ7は瞬間的にN回(例えば、2回)、または設定時間(1ないし3秒)の間、左右に回転する(S31)。この時のBLDCモータ7の回転角度は洗濯時の回転角度に比べて小さな角度で回転する。
S31段階でBLDCモータ7を回転させる理由は、カップリング15の上昇を抑制する要因をとり除くためである。カップリング15の上昇を抑制する現象は、カップリング15と噛み合う脱水軸5とインナーコネクタ16bのズレによりセレーション150a、150bが脱水軸5の下端部のセレーションとインナーコネクタ16bの上端部のセレーション161bと互いに反対方向に作用する面圧によって発生する。したがってカップリング15を洗濯モード位置に上昇させる段階を行う前に、カップリング15の上昇を抑制する要因をとり除くためにBLDCモータ7を左右に回転させる段階を行う。
【0046】
その後、マイクロコンピュータ100は、カム600を回転させるためにクラッチモータ60を駆動させる(S32)。そして、マイクロコンピュータ100はカム600の回転によってスイッチ650がオフになったかどうかどうかを判断する(S33)。ここでスイッチ650がオフになるということは、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221のかみ合い(結合)が解けることを意味する。したがってスイッチ650がオフ状態であるかどうかどうかを判断することで、カップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221の結合が解けたかどうかが分かる。
【0047】
次いで、S33段階における判断結果、スイッチ650がオフになったと判断されると、パルス計数部72は、スイッチ650がオフ状態であるうちにクラッチモータ60に供給されるAC電圧のパルス数をカウントする。そしてマイクロコンピュータ100はカウントされたパルス数が予め設定されたパルス数、例えば、「66」以上であるかどうか判断する(S34)。
【0048】
S34段階における判断結果、カウントされたパルス数が予め設定されたパルス数より少なければS33段階に戻る。そしてカウントされたパルス数が予め設定されたパルス数より大きいか同一になるまでS33段階とS34段階を繰り返す。このようにS33段階とS34段階が繰り返されている間、クラッチモータ60は駆動し続ける。したがってカップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221との結合が完全に解ける。
【0049】
反対に、S34段階における判断結果、AC電圧のパルス数が予め設定されたパルス数以上であればマイクロコンピュータ100の制御によってクラッチモータ60は停止させられ(S35)、BLDCモータ7は瞬間的に左右に回転させられる(S36)。
この時、BLDCモータ7を洗濯時の回転角度に比べて小さな角度でN回(例えば、2回)、または設定時間(1ないし3秒)の間回転させる。このように左右の回転を2回実施するのは、モータまたは機構的な異常によってカップリング15のギヤ歯151とカップリングストッパー22のギヤ歯221とのかみ合いが完全に解けていない状態で動作することを予め防止するためである。
【0050】
一方、S33段階における判断結果、スイッチ650がオフにならなかったらクラッチモータ60を駆動した時点から第1設定時間、例えば7秒が経過したかどうかを判断する(S37)。
S37段階における判断結果、第1設定時間が経過したらマイクロコンピュータ100はM(スイッチオフ未感知回数)を「1」ずつ増加させて(S38)、Mが設定回数N(例えば、4回)以上であるかどうかを判断する(S39)。
前記S39段階における判断結果、Mが設定回数N未満であれば、第2設定時間、例えば1秒間前記クラッチモータ60をオフにした後(S40)、クラッチモータ60を再び駆動させる(S32)。
【0051】
一方、S39段階における判断結果、Mが設定回数N以上であれば、マイクロコンピュータ100はディスプレイ部700にエラーメッセージを表示させる(S41)。即ち、第1設定時間の間、スイッチ650がオフにならずスイッチ650がオフにならなかった回数が設定回数N以上であれば、マイクロコンピュータ100はカム600またはスイッチ650に異常が発生したものと認識してディスプレイ部700にエラーメッセージを表示する。
【0052】
上述したように第1実施形態によるクラッチ誤動作感知方法は、洗濯機がパルセータモードに転換するか脱水槽モードに転換する時、クラッチの誤動作を感知する。したがってクラッチの誤動作による洗濯機の破損を防止することができ、安定的なモード転換が可能である。
【実施形態2】
【0053】
図10は、本発明の第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置を示したブロック図で,図11は、本発明の第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知方法を示したフローチャートである。
図10に示したように,第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置は、ユーザーの要求命令を入力するためのキー入力部110と、入力部100を通じて入力されるユーザーの命令による制御信号を出力するためのマイクロコンピュータ200と、マイクロコンピュータ200の制御信号によって駆動するモータ7及びクラッチ6と、モータ7の回転速度を感知する速度感知部120と、洗濯機の動作及び機能に関するプログラムを保存するEEPROM130と、マイクロコンピュータ200の制御信号によってユーザーにメッセージを表示するためのディスプレイ部700を含んでいる。
【0054】
このように構成された第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置は、ユーザーがキー入力部110を介して動作命令を入力すると、マイクロコンピュータ200はこれを感知してモータ7及びクラッチ6などの各種負荷に制御信号を出力して洗濯機が動作できるように制御する。
洗濯機が動作している間に、ユーザーがキー入力部110を介して制動命令を入力すると、マイクロコンピュータ200はこれを感知してモータ7に制御信号を出力して、モータ7を予め設定された最小回転速度まで減少させる。
【0055】
モータ7の回転速度が予め設定された最小回転速度まで減少すると、マイクロコンピュータ200はモータ7の制動が終了したものと判断し、モータ7が制動が終了したと判断された後の予め設定された所定時間内にモータ7が再び加速されるかどうかどうかを判断する。これは、もしクラッチ6に異常がある場合、モータ7は制動されるが、内槽2b(図1参照)は回転し続けてモータ7が再び加速される場合が発生するからである。従って、モータ7が予め設定された所定時間内に特定速度まで再び加速が行われると、クラッチ6に異常が発生したものと判断してディスプレイ部700にクラッチ6の異常発生を表示する。
【0056】
このような第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置の感知方法を説明すれば次の通りである。
図11に示したように、先にユーザーがキー入力部100を通じて洗濯、濯ぎまたは脱水に該当する洗濯機の動作命令110を入力すると、マイクロコンピュータ200は制御命令を出力してユーザーの命令に該当する動作を始める(S51)。
そしてユーザーの命令に該当する動作中、マイクロコンピュータ200は、ユーザーが制動命令を入力したかどうか判断する(S52)。
【0057】
S52段階における判断結果、制動命令が入力されたと判断すれば、マイクロコンピュータ200はモータ7を予め設定した最小回転速度まで減速させる(S53)。そしてマイクロコンピュータ200はモータ7の制動が終了したかどうかどうかを判断する(S54)。
S54段階における判断結果、モータ7の制動が終了すればマイクロコンピュータ200は予め設定された所定時間が経過したかどうかどうかを判断する(S55)。
【0058】
次いで、S55段階における判断結果、予め設定された所定時間が経過しなければマイクロコンピュータ200はモータ7の再加速を感知したかどうかどうかを判断する(S56)。
S56段階における判断結果、予め設定された所定時間が経過する以前にモータ7の再加速が感知されれば、マイクロコンピュータ200はクラッチ6の異常と判断してディスプレイ部700にクラッチエラーメッセージを表示する(S57)。この時クラッチエラーメッセージとともにクラッチ修理要請メッセージを表示するようにしても良い。
一方、S52段階における判断結果、洗濯機の動作中制動命令が入力されなかったらユーザーが設定したコースによって該当の動作を続ける(S58)。
【0059】
上述したように、第2実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置及び感知方法は、ユーザーが動作中に制動命令を加え、クラッチに何の異常がない場合には予め設定された最小回転速度まで減速して制動が終了するが、クラッチ6が破損したなどの異常がある場合には、制動終了後予め設定された所定時間以内にモータ7が再加速される現象が速度感知部120によって感知される。
したがって、モータ7の再加速現象が感知されると、マイクロコンピュータ200はクラッチ6の破損または異常と見做してディスプレイ部700にクラッチ6に異常が発生したことを表示する。したがって、ユーザーはこれを見て迅速に対応することができる。
【実施形態3】
【0060】
図12は、本発明の第3実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置を示したもので,これを参照して第3実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置を説明すれば次の通りである。
図12に示したように、本発明による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置は、電源部71と、電源部71から電源電圧を印加されてモータ7を駆動させるモータ駆動部310と、クラッチ6のカップリング15(図2a、図2b参照)の位置を調整するためにクラッチモータ60を駆動させるクラッチ駆動部330と、カップリング15の位置を感知するためのカップリング位置感知部340と、モータ駆動部310の入力端に接続され電源部71からモータ駆動部310に供給される電源電圧を感知する電圧感知部320と、モータ7とクラッチ6が動作するようにモータ駆動部310とクラッチ駆動部330を制御し、電圧感知部320を介して感知された電源電圧が予め設定された電圧以上であればクラッチ誤動作と認識するマイクロコンピュータ300と、マイクロコンピュータ300の制御信号によってクラッチ誤動作メッセージを表示するディスプレイ部700を含んで構成される。
【0061】
本発明では、マイクロコンピュータ300は、タブ回転方式駆動時に電圧感知部320を通してモータ駆動部310に入力される電源電圧を感知する。ここで、タブ回転方式とは、図13(B)に示したように、カップリング15を上昇させることでカップリング15と、洗濯槽2bに連結されているアウトタブ13とを結合させてモータ7の回転力をパルセータ3と洗濯槽2bに同時に伝達する方式である。
電圧感知部320は、直列連結された第1及び第2抵抗(R11、R12)から構成されて第1抵抗と第2抵抗(R11、R12)との間の連結部がマイクロコンピュータ300のA/D入力ポートに接続されている。
そして、マイクロコンピュータ300は、電圧感知部320で感知された電圧をA/D入力ポートを介して入力された電圧が予め設定された電圧以下ならばタブ回転方式を駆動時クラッチ動作が正常であると認識し、一方、入力された電圧が予め設定された電圧以上であればクラッチカップリングの破損による誤動作であると認識する。
【0062】
タブ回転方式を駆動時、クラッチカップリング15がアウトタブ13に結合されてモータ7の回転力をパルセータと洗濯槽に同時に伝達するとき、クラッチカップリング15が破損されていたり定位置にない場合、クラッチカップリング15とアウトタブ13が正常に結合されずにモータ駆動部330の両入力端に正常な場合より大きい電圧が発生する。
電圧感知部320が正常でない大きい電圧を感知すると、即ち、クラッチカップリング15破損による誤動作が発生すると、マイクロコンピュータ300はディスプレイ部700に該当する制御信号を出力してエラーメッセージを表示させる。
【0063】
前記のような本発明の第3実施形態による洗濯機のクラッチ誤動作感知方法を説明すれば次の通りである。
図14に示したように、マイクロコンピュータ300は現在進行中のモードがタブ回転方式かどうかを判断する(S61)。
S61段階における判断結果、タブ回転方式でなければ、マイクロコンピュータ300はクラッチモータ60を駆動させてクラッチカップリング15をアウトタブ(13)と分離させて、該当するモードをインペラ回転方式で遂行する(S62)。ここで、インペラ回転方式とは、図13Aに示したようにクラッチカップリング15とアウトタブ13を分離させてモータ7の回転力をパルセータ3にだけ伝達する方式である。
一方、S61段階における判断結果、現在進行中のモードがタブ回転方式であれば、電圧感知部320はモータ駆動部330の両端に入力されるDC電圧を調べる(S63)。
【0064】
次いで、電圧感知部320で感知した電圧をマイクロコンピュータ300にA/D入力ポートを介して入力した後、マイクロコンピュータ300はその感知された電圧のレベルが予め設定された電圧レベルより以下であるかどうかどうかを判断する(S64)。
S64段階における判断結果、感知された電圧が予め設定された電圧以下であればマイクロコンピュータ300はタブ回転方式で進行中のモードを継続して行う(S65)。
一方、S64段階における判断結果、感知された電圧が予め設定された電圧以上なら、マイクロコンピュータ300はクラッチカップリング15が誤動作している、または破損されたものと認識して(S66)、該当のエラーメッセージをディスプレイ部700に表示するか信号音を出力する(S67)。
したがって、本発明はタブ回転方式を通じて洗濯制御時モータ駆動部310の入力両端にかかる電圧が正常電圧より大きい場合、クラッチカップリング15破損による誤動作であると認識し、これに該当するエラーメッセージを表示する。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明による洗濯機のクラッチ誤動作感知装置及び感知方法は、クラッチの異常有無を判断してその判断結果をユーザーに知らせることで、クラッチの動作不良及び破損を予め防止することができる。また、クラッチの誤動作や破損による洗濯槽または脱水槽の誤動作を防止することができるのでユーザーの危険負担を減らすことができる。
以上本発明の好適な一実施形態について説明したが、前記実施形態に限定されず、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0066】
6…クラッチ、7…モータ、71…電源部、72…パルス計数部、100…マイクロコンピュータ、110…キー入力部、120…カウンタ、700…ディスプレイ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ、モータ駆動部及び電源部を備えた洗濯機のクラッチ誤動作感知装置において、
洗濯軸または脱水軸にモータの動力を伝達するカップリングと、
前記カップリングに動力を提供するクラッチモータと、
前記クラッチモータを駆動するクラッチ駆動部を備えたクラッチと、
前記電源部から前記モータ駆動部に供給される電圧を感知する電圧感知部と、
前記カップリングの位置を感知するカップリング位置感知部と、
前記電圧感知部を通じて感知された電圧レベルが設定電圧のレベルより更に高ければクラッチ誤動作と判断するマイクロコンピュータと
を含む洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項2】
前記マイクロコンピュータの制御によって前記クラッチ誤動作を知らせるメッセージを表示するディスプレイ部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項3】
前記電圧感知部は、
直列に繋がった2個の抵抗を含むことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項4】
前記電圧感知部は、
前記2個の抵抗間の連結部の電圧レベルを出力することを特徴とする請求項3に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項5】
前記マイクロコンピュータは、
前記電圧感知部で感知された電圧レベルをA/Dポートを通じて提供されることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項6】
前記カップリングの位置を感知するカップリング位置感知部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項7】
モータ、モータ駆動部、クラッチ、そして電源部を備えた洗濯機のクラッチ誤動作感知方法において、
(a)前記電源部から前記モータ駆動部に供給される電圧レベルを感知する段階と、
(b)前記感知された電圧レベルを設定電圧レベルと比べる段階と、
(c)前記感知された電圧レベルが前記設定電圧レベルより大きいとき、前記クラッチを異常と判断する段階を含む洗濯機のクラッチ誤動作感知方法。
【請求項8】
前記クラッチに異常があると判断した段階以後に、前記クラッチの異常を知らせるメッセージを表示するか、または警告音を出す段階を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知方法。
【請求項1】
モータ、モータ駆動部及び電源部を備えた洗濯機のクラッチ誤動作感知装置において、
洗濯軸または脱水軸にモータの動力を伝達するカップリングと、
前記カップリングに動力を提供するクラッチモータと、
前記クラッチモータを駆動するクラッチ駆動部を備えたクラッチと、
前記電源部から前記モータ駆動部に供給される電圧を感知する電圧感知部と、
前記カップリングの位置を感知するカップリング位置感知部と、
前記電圧感知部を通じて感知された電圧レベルが設定電圧のレベルより更に高ければクラッチ誤動作と判断するマイクロコンピュータと
を含む洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項2】
前記マイクロコンピュータの制御によって前記クラッチ誤動作を知らせるメッセージを表示するディスプレイ部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項3】
前記電圧感知部は、
直列に繋がった2個の抵抗を含むことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項4】
前記電圧感知部は、
前記2個の抵抗間の連結部の電圧レベルを出力することを特徴とする請求項3に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項5】
前記マイクロコンピュータは、
前記電圧感知部で感知された電圧レベルをA/Dポートを通じて提供されることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項6】
前記カップリングの位置を感知するカップリング位置感知部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知装置。
【請求項7】
モータ、モータ駆動部、クラッチ、そして電源部を備えた洗濯機のクラッチ誤動作感知方法において、
(a)前記電源部から前記モータ駆動部に供給される電圧レベルを感知する段階と、
(b)前記感知された電圧レベルを設定電圧レベルと比べる段階と、
(c)前記感知された電圧レベルが前記設定電圧レベルより大きいとき、前記クラッチを異常と判断する段階を含む洗濯機のクラッチ誤動作感知方法。
【請求項8】
前記クラッチに異常があると判断した段階以後に、前記クラッチの異常を知らせるメッセージを表示するか、または警告音を出す段階を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の洗濯機のクラッチ誤動作感知方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−195719(P2009−195719A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101752(P2009−101752)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【分割の表示】特願2004−505430(P2004−505430)の分割
【原出願日】平成15年5月16日(2003.5.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(596066770)エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド (384)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【分割の表示】特願2004−505430(P2004−505430)の分割
【原出願日】平成15年5月16日(2003.5.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(596066770)エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド (384)
【Fターム(参考)】
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