説明

洗濯機

【課題】細菌やカビなどの微生物の繁殖を防ぎ、清潔に保つことができる洗濯機を提供する。
【解決手段】標準モード制御部50は、水槽2に供給する銀イオン水の銀イオン濃度を、予め設定した標準濃度に制御する。工程実施回数判定部51は、メモリ48に記憶させた工程実施回数が、予め設定された設定回数に到達したか否を判定する。第1銀イオン濃度設定部52は、工程実施回数判定部51によって、工程実施回数が設定回数に到達したと判定されたとき、水槽2内に供給すべき銀イオン水の銀イオン濃度を、上記標準濃度よりも高くなるように設定する。第1銀イオン水強制供給部52は、最終すすぎ工程において、第1銀イオン濃度設定部52で設定された銀イオン濃度を有する銀イオン水を水槽2内に強制的に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム式洗濯機や縦型洗濯機などの洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機において、回転槽を回転させることよって、回転槽内の洗濯物を洗濯すると、回転槽の内壁面や、排水ホースの内壁面などに石鹸カスが蓄積する。この石鹸カスを栄養源として、細菌またはカビといった微生物が繁殖する。
【0003】
このため、回転槽などを銀イオンで抗菌・除菌可能な洗濯機が提案されている(例えば特開2004−166940号公報(特許文献1)参照)。この洗濯機では、ユーザが銀モードを設定することによって、最終すすぎ工程で、所定濃度の銀イオン水が水槽内に投入されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−166940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の洗濯機では、銀イオン水が水槽内に投入されるのは、ユーザが銀モードを設定した場合に限られている。別の言い方をすれば、ユーザが銀モードを設定しなかった場合、銀イオン水は水槽内に投入されない。
【0006】
したがって、ユーザが銀モードを知らなかったり、ユーザが銀モードの設定をし忘れたりした場合は、銀イオンによる抗菌・除菌が行われず、細菌やカビなどの微生物が繁殖してしまうという問題がある。
【0007】
特に、上記水槽内の洗濯水を排水するための排水ホースは、最短距離でストレートに排水口へ接続されている場合を除いては、屈曲部や蛇腹部分に水や石鹸カスが溜まりやすくなっており、細菌やカビなどの微生物が繁殖しやすい。この微生物による異臭が洗濯機内に逆流することで、洗濯機内から異臭が発生し、ユーザの苦情となるケースが非常に多い。
【0008】
そこで、本発明の課題は、細菌やカビなどの微生物の繁殖を防ぎ、清潔に保つことができる洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の洗濯機は、
外箱と、
上記外箱内に配置された水槽と、
上記水槽内に回転可能に配置され、洗濯物を収容する回転槽と、
上記水槽または回転槽内の液体を排水するための排水ホースと、
上記回転槽を回転駆動する駆動装置と、
上記水槽または回転槽内に向かって流れる水を金属イオン水にする金属イオン水生成装置と、
上記駆動装置および金属イオン水生成装置を制御して、すすぎ工程を1回または複数回実施する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記水槽または回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、予め設定した標準濃度に制御する標準モード制御手段と、
運転回数を記憶するメモリと、
上記メモリに記憶させた運転回数が、予め設定された設定回数に到達したか否を判定する運転回数判定手段と、
上記運転回数判定手段によって、上記運転回数が上記設定回数に到達したと判定されたとき、上記水槽または回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、上記標準濃度よりも高くなるように設定する第1金属イオン濃度設定手段と、
上記すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、上記第1金属イオン濃度設定手段で設定された金属イオン濃度を有する金属イオン水を上記水槽または回転槽内に強制的に供給する第1金属イオン水強制供給手段と
を有する
ことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、上記運転回数判定手段は、メモリに記憶させた運転回数が、予め設定された設定回数に到達したか否を判定する。この運転回数判定手段によって、運転回数が設定回数に到達したと判定されたとき、第1金属イオン濃度設定手段が、水槽内または回転槽に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、標準濃度よりも高くなるように設定する。そして、上記第1金属イオン水強制供給手段は、すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、第1金属イオン濃度設定手段で設定された金属イオン濃度を有する金属イオン水を水槽または回転槽内に強制的に供給する。
【0011】
このように、上記運転回数が設定回数に到達すれば、すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、標準濃度よりも高い金属イオン濃度の金属イオン水が水槽または回転槽内に強制的に供給されるので、金属イオン水を使うモードをユーザが知らなかったり、そのモードをユーザが設定し忘れたりしても、水槽や回転槽に繁殖してしまった微生物を殺菌して金属イオン水と共に水槽外へ排出できる。すなわち、上記微生物の殺菌除去を自動的かつ定期的に行うことができる。したがって、上記洗濯機を清潔に保つことができる。
【0012】
また、上記水槽または回転槽内に強制的に供給された金属イオン水は、最終すすぎ工程の終了後、排水ホースを流れる。これにより、仮に、上記排水ホースは屈曲していて、排水ホースの屈曲部に石鹸カスが溜まっても、その屈曲部には金属イオン水を溜めることができるので、その屈曲部内の微生物を確実に殺菌できる。したがって、上記微生物による異臭が洗濯機内に逆流するのを防ぐことができる。
【0013】
一実施形態の洗濯機では、
上記制御装置は、
上記水槽または回転槽内に金属イオン水を供給するモードが設定されているか否かを判定するモード判定手段と、
上記モード判定手段によって、上記水槽または回転槽内に金属イオン水を供給するモードが設定されていないと判定されたとき、上記水槽または回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、上記標準濃度よりも低くなるように設定する第2金属イオン濃度設定手段と、
上記すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、上記第2金属イオン濃度設定手段で設定された金属イオン濃度を有する金属イオン水を上記水槽または回転槽内に強制的に供給する第2金属イオン水強制供給手段と
を有する。
【0014】
上記実施形態によれば、上記モード判定手段は、水槽または回転槽内に金属イオン水を供給するモードが設定されているか否かを判定する。このモード判定手段によって、水槽または回転槽内に金属イオン水を供給するモードが設定されていないと判定されたとき、第2金属イオン濃度設定手段が、水槽または回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、標準濃度よりも低くなるように設定する。そして、上記第2金属イオン水強制供給手段が、すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、第2金属イオン濃度設定手段で設定された金属イオン濃度を有する金属イオン水を水槽または回転槽内に強制的に供給する。
【0015】
このように、上記水槽または回転槽内に金属イオン水を供給するモードが設定されていなくても、すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、標準濃度よりも低い金属イオン濃度の金属イオン水が水槽または回転槽内に強制的に供給されるので、水槽、回転槽および排水ホースを自動的かつ定期的に抗菌できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の洗濯機は、運転回数判定手段によって、運転回数が設定回数に到達したと判定されたとき、第1金属イオン濃度設定手段が、水槽または回転槽内に供給される金属イオン水の金属イオン濃度を、標準濃度よりも高くなるように設定して、第1金属イオン水強制供給手段が、すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、第1金属イオン濃度設定手段で設定された金属イオン濃度を有する金属イオン水を水槽または回転槽内に強制的に供給するので、金属イオン水を使うモードをユーザが知らなかったり、そのモードをユーザが設定し忘れたりしても、水槽や回転槽に繁殖してしまった微生物を殺菌して金属イオン水と共に水槽外へ自動的かつ定期的に排出できる。したがって、上記洗濯機を清潔に保つことができる。
【0017】
また、上記水槽または回転槽内に強制的に供給された金属イオン水は、最終すすぎ工程の終了後、排水ホースを流れることによって、排水ホースが屈曲部を有していても、その屈曲部には金属イオン水を溜めることができるので、その屈曲部内の微生物を確実に殺菌できる。したがって、上記微生物による異臭が洗濯機内に逆流するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の一実施形態のドラム式洗濯乾燥機の概略斜視図である。
【図2】図2は上記ドラム式洗濯乾燥機の概略断面図である。
【図3】図3は上記ドラム式洗濯乾燥機の制御ブロック図である。
【図4】図4は上記ドラム式洗濯乾燥機の洗濯工程のフローチャートである。
【図5】図5は上記ドラム式洗濯乾燥機のすすぎ工程のフローチャートである。
【図6】図6は上記ドラム式洗濯乾燥機の最終すすぎ工程のフローチャートの一部である。
【図7】図7は上記ドラム式洗濯乾燥機の最終すすぎ工程のフローチャートの他の一部である。
【図8】図8は上記ドラム式洗濯乾燥機の最終すすぎ工程のフローチャートの他の一部である。
【図9】図9は上記ドラム式洗濯乾燥機の銀イオン濃度決定工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の洗濯機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態のドラム式洗濯乾燥機を斜め上方から見た概略図である。
【0021】
上記ドラム式洗濯乾燥機は、外箱開口部6を前面部に有する外箱1を備えている。外箱1の前面部には、外箱開口部6を閉鎖するためのドア7をヒンジで左右方向に回動可能に取り付けている。外箱開口部6をドア7で閉鎖しているときに、ドア開ボタン8を押すと、図示しない付勢部材の付勢力によって、ドア7が少し開くようになっている。また、外箱1の上部には、操作キーや表示部を有する操作部9を設けている。この操作部9の裏側(外箱1の内部側)には、ドラム式洗濯乾燥機の動作を制御する制御装置11(図2参照)を配置している。
【0022】
また、図示しないが、上記操作部9は、Ag(銀イオン)標準モードまたはAg強モードを設定するためのAgボタンを有している。デフォルトでは、Ag標準モードおよびAg強モードのどちらも設定されていない状態になっているが、Agボタンを1回押すと、Ag標準モードが設定された状態となる。また、Ag標準モードが設定された状態において、Agボタンを1回押すと、Ag強モードが設定された状態となる。また、Ag強モードが設定された状態において、Agボタンを1回押すと、Ag標準モードおよびAg強モードのどちらも設定されていない状態となる。なお、Ag標準モードは標準モードの一例である。
【0023】
上記Ag標準モードは、銀イオン溶出装置40(図2参照)を使って、銀イオン濃度150ppbの銀イオン水を水槽2内に供給するためのモードである。一方、Ag強モードは、銀イオン溶出装置40(図2参照)を使って、銀イオン濃度300ppbの銀イオン水を水槽2内に供給するためのモードである。このAg標準モードおよびAg強モードのどちらのモードを設定しても、金属イオン水に洗濯物を漬け置く時間が設けられる。なお、150ppbは標準濃度の一例である。
【0024】
図2は、上記ドラム式洗濯乾燥機を側方から見た概略断面図である。
【0025】
上記ドラム式洗濯乾燥機は、外箱1内に配置された有底筒形状の水槽2と、この水槽2内に回転可能に配置され、洗濯物を収容する有底円筒形状のドラム3と、水槽2の後部に取り付けられ、ドラム3を回転駆動するブラシレスモータ4と、水槽2の後部を弾性支持する2本のダンパ12(図2では1本のみ図示)とを備えている。なお、ドラム3は回転槽の一例であり、ブラシレスモータ4は駆動装置の一例である。
【0026】
上記外箱1の上面部の後部には給水口10を設けている。この給水口10は、図示しない給水ホースを介して水道の蛇口に接続される。また、給水口10を外箱1内で給水弁13の注入口に接続している。これにより、水道水が、給水ダクト15と、図示を省略した洗剤ケースとを経由して、水槽2の上部から水槽2内に流入したり、あるいは、冷却水ダクト14を流れて、水槽2の下部から水槽2内に流入したりすることが可能になっている。
【0027】
上記水槽2の前面部には、斜め上方を向いて外箱開口部6に対向する水槽開口部16を設けている。この水槽開口部16の開口縁は、筒状の接続部材17を介して外箱開口部6の開口縁に接続されている。また、水槽開口部16の開口縁には、ゴムや軟質樹脂等の弾性体から成るパッキン18を固着している。これにより、ドア7を閉じると、ドア7がパッキン18に密着して、水槽2内の液体が水槽2外へ漏れ出るのを防げるようになっている。また、排水モータ23が排水弁22を開放すると、水槽2内の液体は、排水ダクト19、接続ケース20および排水ホース21を順次流れて外箱1外へ流れる。また、排水弁22を閉鎖した状態で循環ポンプ24を駆動すると、水槽2内の液体を水槽2外に出して、排水ダクト19および循環ダクト25を介して水槽2内に戻せるようになっている。また、接続ケース20は糸屑フィルタ70を収容している。
【0028】
上記ドラム3は前側に対して後側が下がるように水平方向に対して傾斜するように配置されている。また、ドラム3の前面部には、外箱開口部6および水槽開口部16に対向するドラム開口部26を設けている。また、ドラム3の周壁には複数の小孔27(図2では6個のみ図示)を全周にわたって設けている。また、ドラム3の周壁の内面には、半径方向内側に向かって突出する複数のバッフル28(図2では1個のみ図示)を設けている。また、ドラム3のドラム開口部26には液体バランサ29を取り付けている。
【0029】
また、上記ドラム式洗濯乾燥機は、洗濯物を乾燥させるために、金属性の冷却板30と、送風機33と、ヒータ34とを備えている。乾燥運転時、冷却板30の周辺の空気が、水槽2の後面部(底部)の下部の導出口31から水槽2外に出た後、導出ダクト32、送風機33、ヒータ34および導入ダクト35を順次流れて、ドラム3の後面部の環状の導入孔36からドラム3内に吹き出る。なお、37はエアフィルタである。
【0030】
また、上記導入ダクト35には、銀イオン水を噴出するノズル38を取り付けている。このノズル38には、冷却水ダクト14の上端部から分岐した分岐ダクト39の下端部を接続している。また、分岐ダクト39内の水道水は銀イオン溶出装置40を経由して銀イオン水となる。また、分岐ダクト39の下端部には逆止弁41を設けて、銀イオン水が逆流しないようにしている。なお、銀イオン溶出装置40は金属イオン水生成装置の一例である。
【0031】
上記銀イオン溶出装置40は、特開2004−166940号公報のイオン溶出ユニットと同様に構成され、水道水に銀イオンを添加するものである。この銀イオンが添加された水道水(銀イオン水)は、ノズル38、導入ダクト35および導入孔36を通って、ドラム3内に流れ出る。
【0032】
上記ダンパ12は、オイルが封入されたシリンダ部42と、上端部がシリンダ部42内に入ったピストンロッド43とを有している。このピストンロッド43の下端部は、弾性材(例えばNBR(ニトリルゴム))からなるダンパブッシュ44を介してダンパ支持金具45に取り付けられている。
【0033】
図3は上記ドラム式洗濯機の制御ブロック図である。
【0034】
上記制御装置11は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなり、ブラシレスモータ4,操作部9,給水弁13,排水モータ23,循環ポンプ24,送風機33,ヒータ34,銀イオン溶出装置40,第1温度センサ46A,第2温度センサ46Bおよびブザー47が接続されている。この操作部9からの信号や、第1温度センサ46Aおよび第2温度センサ46Bからの検出信号などに基づいて、制御装置11は、ブラシレスモータ4,給水弁13,排水モータ23,循環ポンプ24,送風機33,ヒータ34,銀イオン溶出装置40,ブザー47などを制御して、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程または乾燥工程を実施する。図2では図示していないが、第1温度センサ46Aは、導出ダクト32の上流側の端部に取り付けられていて、その端部内の空気の温度を示す検出信号を制御装置11へ送出する。一方、第2温度センサ46Bは、導入ダクト35の下流側の端部に取り付けられていて、その端部内の空気の温度を示す検出信号を制御装置11へ送出する。
【0035】
また、上記制御装置11は、読み出し書き換え可能な不揮発性のメモリ48と、タイマー49と、標準モード制御手段の一例としての標準モード制御部50と、運転回数判定手段の一例としての工程実施回数判定部51と、第1金属イオン濃度設定手段の一例としての第1銀イオン濃度設定部52と、第1金属イオン水強制供給手段の一例としての第1銀イオン水強制供給部52と、モード判定手段の一例としてのモード判定部54と、第2金属イオン濃度設定手段の一例としての第2銀イオン濃度設定部55と、第2金属イオン水強制供給手段の一例としての第2銀イオン水強制供給部56とを有している。このメモリ48には、ブラシレスモータ4,給水弁13,排水モータ23,循環ポンプ24,送風機33,ヒータ34,銀イオン溶出装置40などを制御するための制御プログラムを予め記憶させている。なお、標準モード制御部50、工程実施回数判定部51、第1銀イオン濃度設定部52、第1銀イオン水強制供給部52、モード判定部54、第2銀イオン濃度設定部55および第2銀イオン水強制供給部56はプログラムで構成されている。
【0036】
上記標準モード制御部50は、操作部9のAgボタンでAg標準モードが設定されたときに、水槽2内に供給する銀イオン水の銀イオン濃度を、予め設定した150ppbに制御する。
【0037】
上記工程実施回数判定部51は、メモリ48に記憶させた工程実施回数が、予め設定された設定回数に到達したか否を判定する。なお、上記工程実施回数は運転回数の一例である。
【0038】
上記第1銀イオン濃度設定部52は、工程実施回数判定部51によって、工程実施回数が設定回数に到達したと判定されたとき、水槽2内に供給すべき銀イオン水の銀イオン濃度を450ppbに設定する。
【0039】
上記第1銀イオン水強制供給部52は、最終すすぎ工程において、銀イオン濃度450ppbの銀イオン水を水槽2内に強制的に供給する。
【0040】
上記モード判定部54は、上記AgボタンによるAg標準モード,Ag強モードが設定さているか否かを判定する。
【0041】
上記第2銀イオン濃度設定部55は、モード判定部54によって、Ag標準モード,Ag強モードが設定されていないと判定されたとき、水槽2内に供給される銀イオン水の銀イオン濃度を90ppbに設定する。
【0042】
上記第2銀イオン水強制供給部56は、最終すすぎ工程において、銀イオン濃度90ppbの銀イオン水を水槽2内に強制的に供給する。
【0043】
また、上記ブラシレスモータ4はホールセンサ57を搭載し、ブラシレスモータ4のロータ(図示せず)の回転位置を示す信号がホールセンサ57から制御装置11へ送出される。
【0044】
図4は上記ドラム式洗濯乾燥機の洗濯工程全体のフローチャートである。
【0045】
上記洗濯工程が開始されると、まず、ステップS101で、洗い工程が選択されているか否かを判定する。このステップS101で、洗い工程が選択されていないと判定すると、直ちにステップS102に進む。一方、ステップS101で、洗い工程が選択されていると判定すると、ステップS200−1の洗い工程、ステップS200−2の工程実施回数カウントを順次行った後、ステップS102に進む。
【0046】
上記ステップS200−2では、メモリ48が工程実施回数を記憶する。例えば、ステップS200−1の洗い工程が、製品購入後に始めて行われたとき、ステップS200−2では、メモリ48が「1」を記憶する。ここで、メモリ48が記憶した工程実施回数は、電源がオフになっても保持される。
【0047】
次に、ステップS102で、すすぎ工程が選択されているか否かを判定する。このステップS102で、すすぎ工程が選択されていないと判定すると、直ちにステップS103に進む。一方、ステップS102で、すすぎ工程が選択されていると判定すると、ステップS300−1のすすぎ工程、ステップS300−2の最終すすぎ工程、ステップS300−3の工程実施回数カウントを順次行った後、ステップS103に進む。
【0048】
上記ステップS300−3では、ステップS200−2と同様に、メモリ48が工程実施回数を記憶する。例えば、ステップS200−1の洗い工程と、ステップS300−1のすすぎ工程と、ステップS300−2の最終すすぎ工程とが、製品購入後に始めて行われたとき、ステップS300−3では、メモリ48が「3」を記憶する。ここで、メモリ48が記憶した工程実施回数は、電源がオフになっても保持される。なお、ステップS300−3は、通常、メモリ48の工程実施回数を2加算するが、後述する図9のステップS502の工程実施回数クリアが行われているときは、メモリ48の工程実施回数の加算を行わない。
【0049】
次に、ステップS103で、脱水工程が選択されているか否かを判定する。ステップS103で、脱水工程が選択されていないと判定すると、直ちにステップS104に進む。一方、ステップS103で、脱水工程が選択されていると判定すると、ステップS400で脱水工程を行った後、ステップS104に進む。
【0050】
最後に、ステップS104で、制御装置11、特にその中に含まれるマイクロコンピュータによる終了処理が手順に従って自動的に進められる。このとき、制御装置11は、洗濯工程が完了したことをユーザに報知するため、ブザー47に終了音を出力させる。そうすると、洗濯工程が終了して、ドラム式洗濯乾燥機は次の洗濯工程に備えて待機状態に戻る。
【0051】
なお、図4のフローチャートでは、乾燥工程の判定は行っていなかったが、ステップS103の後に行ってもよい。より詳しくは、ステップS400の脱水工程が終わった後、乾燥工程に進むようにしてもよい。この乾燥工程では、例えば、ドラム3内に温風を供給することで、洗濯物が乾燥される。ドラム3から排出される高温多湿の空気は、冷却水ダクト14から水槽2の下部内に入った水道水によって冷却される。これにより、上記空気中の水分から凝縮水が生じて、排水ダクト19などを介して、外箱1外へ流れる。
【0052】
図5は上記すすぎ工程のフローチャートである。
【0053】
上記すすぎ工程が開始されると、ステップS301で、中間脱水を行う。このステップS301の中間脱水では、ステップS400の脱水工程と同じ制御が行われる。
【0054】
次に、ステップ302で、給水弁13を開放して、ドラム3内の水位が設定水位になるまで、水道水を水槽2内に給水する。
【0055】
次に、ステップS303で、なじませタンブリングを行う。このなじませタンブリングでは、ドラム3が低速で回転し、洗濯物を水道水から出しては再び水道水の中に落下させて、洗濯物に水道水を十分に吸収させる。
【0056】
次に、ステップS304で、ユーザの設定に従い、ドラム3をすすぎタンブリングの制御パターンで回転させる。ドラム3は、回転により洗濯物を水道水にくぐらせ、また上の方に持ち上げては落下させる。これにより、洗濯物のすすぎが行われる。このようなすすぎタンブリングが設定時間行われる。
【0057】
最後に、ステップS305で、ドラム3をゆるやかに回転させて、洗濯物をほぐしながら、洗濯物のすすぎに使った水を排水させて、すすぎ工程が終了する。
【0058】
図6は上記最終すすぎ工程のフローチャートである。
【0059】
上記最終すすぎ工程が開始されると、図5のステップS301と同様に、ステップS311で、中間脱水を行う。
【0060】
次に、ステップS312で、Agモードなしか否かを判定する。すなわち、ステップS312で、Ag標準モードまたはAg強モードが設定されているか否かを判定する。このステップS312で、Ag標準モードとAg強モードとのどちらも設定されていないと判定すると、ステップS313に進む。一方、ステップS312で、Ag標準モードまたはAg強モードが設定されていると判定すると、図7のステップS318に進む。
【0061】
上記ステップS312からステップS313に進んだ場合は、図6に示すように、水槽2内へ供給する銀イオン水の銀イオン濃度を90ppbまたは450ppbに設定する。このステップS313で設定する銀イオン濃度は、別途図9のフローチャートで説明する銀イオン濃度決定工程により決定される。そして、ステップS314で、給水弁13を開放して、ドラム3内の水位が設定水位になるまで、水道水を水槽2内に給水すると共に、銀イオン濃度を90ppbまたは450ppbに設定した銀イオン水を水槽2内に供給する。その後、図5のステップS303,S304,S305と同様に、ステップS315,S316,S317を行って、最終すすぎ工程が終了する。
【0062】
また、上記ステップS312からステップS318に進んだ場合は、図7に示すように、Ag標準モードが設定されているか否かを判定する。このステップS318で、Ag標準モードが設定されていると判定すると、ステップS319に進む。一方、ステップS318で、Ag標準モードが設定されていないと判定すると、図8のステップS325に進む。
【0063】
また、上記ステップS318からステップS319に進んだ場合、図7に示すように、水槽2内へ供給する銀イオン水の銀イオン濃度をAg標準モードの150ppbに設定する。そして、ステップS314で、給水弁13を開放して、ドラム3内の水位が設定水位になるまで、水道水を水槽2内に給水すると共に、銀イオン濃度を150ppbに設定した銀イオン水を水槽2内に供給する。そして、図5のステップS313と同様に、ステップS321を行った後、ステップS322で、予め設定された時間、銀イオン水に洗濯物を漬け置く。そして、図5のステップS304,S305と同様に、ステップS323,S324を行って、最終すすぎ工程が終了する。なお、ステップS322では、水槽2内の銀イオン水に洗濯物の少なくとも一部を漬かるようにすればよい。
【0064】
また、上記ステップS318からステップS325に進んだ場合、図8に示すように、水槽2内へ供給する銀イオン水の銀イオン濃度をAg強モードの300ppbに設定する。そして、ステップS323で、給水弁13を開放して、ドラム3内の水位が設定水位になるまで、水道水を水槽2内に給水すると共に、銀イオン濃度を300ppbに設定した銀イオン水を水槽2内に供給する。そして、図7のステップS321,S322,S323,S324と同様に、ステップS327,S328,S329,S330を行って、最終すすぎ工程が終了する。
【0065】
図9は上記銀イオン濃度決定工程のフローチャートである。
【0066】
上記銀イオン濃度決定工程が開始すると、まず、ステップS501で、メモリ48の記憶内容に基づき、工程実施回数が予め設定された設定回数(例えば7回)に到達したか否を判定する。このステップS501で、工程実施回数が上記設定回数に到達したと判定すると、次のステップS502に進む。一方、ステップS501で、工程実施回数が上記設定回数に到達していないと判定すると、水槽2内へ供給する銀イオン水の銀イオン濃度を90ppbに決定して、銀イオン濃度決定工程が終了する。
【0067】
次に、ステップS502で、メモリ48に記憶された、工程実施回数を示す数値をクリアする。
【0068】
最後に、ステップS503で、水槽2内へ供給する銀イオン水の銀イオン濃度を450ppbに決定して、銀イオン濃度決定工程が終了する。
【0069】
このように、ユーザがAg標準モードとAg強モードのどちらも選択していない場合でも、最終すすぎ工程の給水時に、Ag標準モードの銀イオン濃度150ppbよりも高い銀イオン濃度450ppbの銀イオン水が水槽2内に強制的に供給されたり、Ag標準モードの銀イオン濃度150ppbよりも低い銀イオン濃度90ppbの銀イオン水が水槽2内に強制的に供給されたりする。
【0070】
したがって、上記銀イオン濃度450ppbの銀イオン水が水槽2内に強制的に供給される場合は、水槽2やドラム3に繁殖してしまった微生物を殺菌して銀イオン水と共に水槽2外へ排出できる。その結果、上記微生物の殺菌除去を自動的かつ定期的に行うことができるので、ドラム式洗濯乾燥機を清潔に保つことができる。
【0071】
また、上記銀イオン濃度450ppbの銀イオン水が、最終すすぎ工程の終了後、排水ホース21へ流れる。これにより、仮に、上記排水ホース2に屈曲部があって、この屈曲部に石鹸カスが溜まっても、上記屈曲部に銀イオン水を溜めることができるので、上記屈曲部内の微生物を確実に殺菌できる。したがって、上記微生物による異臭が水槽2内に逆流するのを防ぐことができる。
【0072】
また、上記銀イオン濃度90ppbの銀イオン水が水槽2内に強制的に供給される場合は、水槽2やドラム3を抗菌できる。したがって、水槽2やドラム3での微生物の繁殖を抑制できる。
【0073】
また、ユーザがAg標準モードとAg強モードのどちらかを選択した場合は、予め設定された時間、銀イオン水に洗濯物を漬け置く。これに対して、上記銀イオン濃度450ppbの銀イオン水が水槽2内に強制的に供給される場合、および、上記銀イオン濃度90ppbの銀イオン水が水槽2内に強制的に供給される場合は、そのような時間、銀イオン水に洗濯物を漬け置くことはない。したがって、上記銀イオン濃度450ppbの銀イオン水が水槽2内に強制的に供給される場合、および、上記銀イオン濃度90ppbの銀イオン水が水槽2内に強制的に供給される場合は、ユーザがAg標準モードとAg強モードのどちらかを選択した場合よりも、最終すすぎ工程を短くできる。
【0074】
以下、カビに対して殺菌効果を発揮するために好適な銀イオン濃度について調べるために行った実験について述べる。
【0075】
洗剤に用いられる界面活性剤であるオレイン酸ナトリウムと銀イオンとを混入した寒天培地を作製し、この培地上に撒かれたカビのコロニーの形成数を調べた。カビとしては、Scolecobasidium、Exophiala、Cladosporiumの三種を用いた。オレイン酸ナトリウム濃度は0.1%とし、銀イオン濃度は0ppb、90ppb、450ppb、900ppbとした四種類の寒天培地を作製した。ただし、カビとしてExophialaを用いた実験では、オレイン酸ナトリウムの代わりにPDA(PotatoDextroseAgar:ポテトデキストロース寒天培地)を用いた。
【0076】
実験結果を下表1に示す。表1では、銀イオン濃度が0ppbの寒天培地におけるカビのコロニー数を、各銀イオン濃度の寒天培地におけるカビのコロニー数で割った値を有効数値2桁の対数値にし、その数値が0〜1.9のとき×、2.0〜3.9のとき△、4.0〜のとき○と示した。例えば、銀イオンによって、カビのコロニー数が1/100に減少した場合、上記の数値が2.0となり、△となる。
【0077】
【表1】

【0078】
上記表1に示す結果から、カビに対しては、銀イオン濃度が900ppbの銀イオン水を用いると非常に殺菌効果があることがわかる。また、特に、洗濯機で多く見られるとされるScolecobasidium、Exophialaに対しては、銀イオン濃度が450ppbの銀イオン水を用いても十分な殺菌効果があることがわかる。
【0079】
なお、上述したように、細菌に対しては、銀イオン濃度が90ppbで十分な殺菌効果がある。さらに銀イオン濃度を高くして450ppb以上にすることによって、細菌だけでなく、カビに対しても十分な殺菌効果を発揮することができる。
【0080】
上記実施形態では、銀電極を有する銀イオン溶出装置40をドラム式洗濯乾燥機に搭載してたが、銅電極、銀と銅の合金からなる電極、または、亜鉛電極を有する金属イオン溶出装置をドラム式洗濯乾燥機に搭載してもよい。
【0081】
上記実施形態では、分岐ダクト39に銀イオン溶出装置40を設けていたが、給水ダクト15に銀イオン溶出装置40を設けてもよい。
【0082】
上記実施形態では、工程実施回数を運転回数の一例としてメモリ48に記憶させていたが、例えば、ドラム式洗濯乾燥機の主電源がオンされた回数を運転回数の一例としてメモリ48に記憶させてもよい。
【0083】
上記実施形態では、定期的な殺菌除去の手段として、運転回数に応じて実施しているが、運転回数に限らず、洗いやすすぎ等の工程の実施回数や運転時間等に応じて定期的に殺菌除去動作を行うようにしてもよい。このようにする場合、洗濯機は、外箱と、上記外箱内に配置された水槽と、上記水槽内に回転可能に配置され、洗濯物を収容する回転槽と、上記水槽または回転槽内の液体を排水するための排水ホースと、上記回転槽を回転駆動する駆動装置と、上記水槽または回転槽内に向かって流れる水を金属イオン水にする金属イオン水生成装置と、上記駆動装置および金属イオン水生成装置を制御して、洗い工程およびすすぎ工程のそれぞれを少なくとも1回実施することが可能な制御装置とを備え、上記制御装置は、上記水槽または回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、予め設定した標準濃度に制御する標準モード制御手段と、洗い工程およびすすぎ工程のそれぞれの通算実施回数、または、洗い工程およびすすぎ工程の少なくとも一方の通算実施時間を記憶するメモリと、上記メモリに記憶させた上記通算実施回数または上記通算実施時間が、予め設定された設定回数または設定時間に到達したか否を判定する判定手段と、上記判定手段によって、上記通算実施回数または上記通算実施時間が上記設定回数または上記設定時間に到達したと判定されたとき、上記水槽または回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、上記標準濃度よりも高くなるように設定する金属イオン濃度設定手段と、上記すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、上記金属イオン濃度設定手段で設定された金属イオン濃度を有する金属イオン水を上記水槽または回転槽内に強制的に供給する金属イオン水強制供給手段とを有するものとしてもよい。このようにした洗濯機では、上記通算実施回数または上記通算実施時間が上記設定回数または上記設定時間に到達すれば、すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、標準濃度よりも高い金属イオン濃度の金属イオン水が水槽または回転槽内に強制的に供給されるので、金属イオン水を使うモードをユーザが知らなかったり、そのモードをユーザが設定し忘れたりしても、水槽や回転槽に繁殖してしまった微生物を殺菌して金属イオン水と共に水槽外へ排出できる。すなわち、上記微生物の殺菌除去を自動的かつ定期的に行うことができる。したがって、上記洗濯機を清潔に保つことができる。また、上記水槽または回転槽内に強制的に供給された金属イオン水は、最終すすぎ工程の終了後、排水ホースを流れる。これにより、仮に、上記排水ホースは屈曲していて、排水ホースの屈曲部に石鹸カスが溜まっても、その屈曲部には金属イオン水を溜めることができるので、その屈曲部内の微生物を確実に殺菌できる。したがって、上記微生物による異臭が洗濯機内に逆流するのを防ぐことができる。
【0084】
上記実施形態では、ステップS102で、すすぎ工程が選択されていると判定すると、ステップS300−1のすすぎ工程と、ステップS300−2の最終すすぎ工程とを行っていたが、ステップS300−2の最終すすぎ工程だけを行うようにしてもよい。
【0085】
上記実施形態では、ステップS300−2の最終すすぎ工程の前に、ステップS300−1のすすぎ工程を1回行っていたが、ステップS300−2の最終すすぎ工程の前に、ステップS300−1のすすぎ工程を複数回行うようにしてもよい。
【0086】
上記実施形態では、ステップS501で、工程実施回数が上記設定回数に到達していないと判定すると、水槽2内へ供給する銀イオン水の銀イオン濃度を90ppbに決定していたが、水槽2内へ供給する銀イオン水の銀イオン濃度を0ppbに決定してもよい。すなわち、ステップS501で、工程実施回数が上記設定回数に到達していないと判定すると、水槽2に銀イオン水を供給しないようにしてもよい。このようにした場合、上記実施形態よりも、銀イオン溶出装置40が有する高価な銀電極の寿命を延ばすことができる。
【0087】
上記実施形態において、ステップS322,S328では、予め設定された回転パターンでドラム3を回転させてもよいし、ドラム3の回転を止めてもよい。
【0088】
上記実施形態では、150ppbは標準濃度の一例として用いていたが、150ppb以外の濃度(例えば100ppb〜200ppbの範囲内の濃度)を標準濃度の一例として用いてもよい。
【0089】
上記実施形態では、給水ダクト15の先端部から水槽2とドラム3との間の空間に向かって洗濯水が流れ出るようになっていたが、給水ダクト15の先端部からドラム3内の空間に向かって洗濯水が流れ出るようにしてもよい。
【0090】
本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、本発明は、乾燥機能を有さないドラム式洗濯機、ドラム式洗濯乾燥機、乾燥機能を有さない縦型洗濯機、縦型洗濯乾燥機などといったあらゆるタイプの洗濯機に適用できる。特開2007−215593号のような縦型洗濯機に本発明を適用した場合、本発明の一実施形態の洗濯機は、外箱と、上記外箱内に配置された水槽と、上記水槽内に回転可能に配置され、洗濯物を収容する回転槽と、上記回転槽内の液体を排水するための排水ホースと、上記回転槽を回転駆動する駆動装置と、上記回転槽内に向かって流れる水を金属イオン水にする金属イオン水生成装置と、上記駆動装置および金属イオン水生成装置を制御して、すすぎ工程を1回または複数回実施する制御装置とを備え、上記制御装置は、上記回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、予め設定した標準濃度に制御する標準モード制御手段と、運転回数を記憶するメモリと、上記メモリに記憶させた運転回数が、予め設定された設定回数に到達したか否を判定する運転回数判定手段と、上記運転回数判定手段によって、上記運転回数が上記設定回数に到達したと判定されたとき、上記回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、上記標準濃度よりも高くなるように設定する第1金属イオン濃度設定手段と、上記すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、上記第1金属イオン濃度設定手段で設定された金属イオン濃度を有する金属イオン水を上記水槽回転槽内に強制的に供給する第1金属イオン水強制供給手段とを有する。
【符号の説明】
【0091】
1…外箱
2…水槽
3…ドラム
4…ブラシレスモータ
11…制御装置
21…排水ホース
48…メモリ
50…標準モード制御部
51…工程実施回数判定部
52…第1銀イオン濃度設定部
53…第1銀イオン水強制供給部
54…モード判定部
55…第2銀イオン濃度設定部
56…第2銀イオン水強制供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱と、
上記外箱内に配置された水槽と、
上記水槽内に回転可能に配置され、洗濯物を収容する回転槽と、
上記水槽または回転槽内の液体を排水するための排水ホースと、
上記回転槽を回転駆動する駆動装置と、
上記水槽または回転槽内に向かって流れる水を金属イオン水にする金属イオン水生成装置と、
上記駆動装置および金属イオン水生成装置を制御して、すすぎ工程を1回または複数回実施する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記水槽または回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、予め設定した標準濃度に制御する標準モード制御手段と、
運転回数を記憶するメモリと、
上記メモリに記憶させた運転回数が、予め設定された設定回数に到達したか否を判定する運転回数判定手段と、
上記運転回数判定手段によって、上記運転回数が上記設定回数に到達したと判定されたとき、上記水槽または回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、上記標準濃度よりも高くなるように設定する第1金属イオン濃度設定手段と、
上記すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、上記第1金属イオン濃度設定手段で設定された金属イオン濃度を有する金属イオン水を上記水槽または回転槽内に強制的に供給する第1金属イオン水強制供給手段と
を有する
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機において、
上記制御装置は、
上記水槽または回転槽内に金属イオン水を供給するモードが設定されているか否かを判定するモード判定手段と、
上記モード判定手段によって、上記水槽または回転槽内に金属イオン水を供給するモードが設定されていないと判定されたとき、上記水槽または回転槽内に供給する金属イオン水の金属イオン濃度を、上記標準濃度よりも低くなるように設定する第2金属イオン濃度設定手段と、
上記すすぎ工程のうちの最終すすぎ工程において、上記第2金属イオン濃度設定手段で設定された金属イオン濃度を有する金属イオン水を上記水槽または回転槽内に強制的に供給する第2金属イオン水強制供給手段と
を有する
ことを特徴とする洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−81687(P2013−81687A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224692(P2011−224692)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】