説明

洗濯用組成物

【課題】衣類等の繊維製品などの対象表面へのオルガノポリシロキサン系化合物の吸着性を向上させた洗濯用組成物を提供する。
【解決手段】(a)一般式(I)で表されるポリグリセリルモノエーテルと、(b)オルガノポリシロキサン系化合物とを含有する洗濯用組成物。
R−O−(C362n−H (I)
(式中、Rは炭素数6〜22の炭化水素基を、nは整数を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維製品の洗濯工程で用いる洗濯用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類等の繊維製品は、着用・使用と洗濯・乾燥を繰り返すうちに繊維処理剤が洗い落とされたり、繊維が本来保有している柔らかさ・嵩高さ・しっかり感等の風合いが損なわれたり、繊維同士の摩擦力が上昇して損傷が促進されることによって風合いが低下する。従来、これを防止するために洗濯工程に使用される洗剤、仕上げ剤(柔軟剤、糊剤等)等には繊維処理剤が使用されている。家庭で用いられる洗濯用組成物に用いられる繊維処理剤としては、オルガノポリシロキサン系化合物が知られている。オルガノポリシロキサン系化合物は、繊維に吸着すると繊維間や繊維表面の摩擦を軽減して、優れた柔軟性、平滑性、滑らかさ、感触の良い肌触り、絹のような感触、ふんわり感、弾力性、乾燥時の非油性感、帯電防止性、防皺性等の良好な風合いを付与し、加えて、再湿潤時間の低減、縮み防止、皺除去、へたり防止、ごわつき防止、乾燥時間の短縮、アイロンかけを容易にする等の効果が発現することが知られている。
【0003】
繊維処理剤に用いるオルガノポリシロキサン系化合物は一般に水に不溶性の化合物であり、一般家庭において衣類等の繊維製品の洗濯に用いられる洗濯用組成物に応用する場合には、界面活性剤などにより乳化させて配合することが行われている。また、このような洗濯用組成物は洗濯工程で大過剰の水によって希釈されて衣類等の繊維製品に接触させる方法が採用されている。ところが、界面活性剤などで乳化されたオルガノポリシロキサン系化合物は、大過剰の水に希釈されると界面活性剤の乳化力が極端に低下し乳化が壊れ、オルガノポリシロキサン系化合物が安定に存在できなくなる。このため、繊維にオルガノポリシロキサン系化合物を効率よく吸着することができず、洗濯用組成物中のオルガノポリシロキサン系化合物の大部分は排水に流出するかもしくは洗濯槽に付着し、オルガノポリシロキサン系化合物の効果を十分に繊維製品に付与することが困難な状況にある。
【0004】
オルガノポリシロキサン系化合物の繊維製品などの対象表面への吸着性を向上させる技術として、特定の変性を施したポリシロキサン(特許文献1、2、3等参照)の使用が試みられている。しかし、対象表面への吸着性は十分ではない。
また、特定の界面活性剤を用いることで希釈時の乳化安定性を改善する試み(特許文献4、5等参照)が知られている。しかし、対象表面への吸着性は十分ではない。
【0005】
また、特定の高分子を用いることで希釈時の乳化安定性を改善する試み(特許文献6、7、8、9等参照)が知られている。しかし、シリコーン化合物の乳化操作を伴うため、より簡便にオルガノポリシロキサン系化合物の吸着量を向上できる技術が望まれる。
【特許文献1】特開2005−82925号公報
【特許文献2】特開2002−339259号公報
【特許文献3】特開2001−336071号公報
【特許文献4】特開2000−319698号公報
【特許文献5】特開平10−219567号公報
【特許文献6】特開2007−119964号公報
【特許文献7】特開2005−325505号公報
【特許文献8】特開2006−321900号公報
【特許文献9】特開2006−45714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、衣類等の繊維製品などの対象表面へのオルガノポリシロキサン系化合物の吸着性を向上させた洗濯用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記(a)成分及び(b)成分を含有する洗濯用組成物に関する。
(a)成分:一般式(I)で表されるポリグリセリルモノエーテル
R−O−(C362n−H (I)
(式中、Rは炭素数6〜22の炭化水素基を、nはグリセリンの縮合度であり、整数を示す。)
(b)成分:オルガノポリシロキサン系化合物
【0008】
また、本発明は、上記本発明の洗濯用組成物と水とを含有し、(a)成分の含有量が0.1〜1000ppmである液体組成物を、繊維製品と接触させる繊維製品の処理方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の洗濯用組成物は、衣類等の繊維製品などの対象表面へのオルガノポリシロキサン系化合物の吸着性を向上させることができ、目的とするオルガノポリシロキサン系化合物の効果が無駄なく発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<洗濯用組成物>
〔(a)成分〕
本発明の(a)成分は、一般式(I)で示されるポリグリセリルエーテルであり、グリセリルモノエーテル、ポリグリセリルモノエーテル又はそれらを併用したもの(以下、これらを総称して「グリセリルモノエーテル等」という)である。
【0011】
一般式(I)中のRは、直鎖、分岐鎖、飽和、不飽和の何れでも良く、炭素数6〜22、更に12〜14、特に12のアルキル基が好ましい。
【0012】
(a)成分は、一般式(I)中のRが炭素数12〜14、特に炭素数12及び14のアルキル基であるグリセリルモノエーテル等の比率が、合計で40質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、更に90質量%以上、最も好ましくは95%以上である。
【0013】
(a)成分は、一般式(I)中のnが3〜5であるものが好ましい。なお、(a)成分が、一般式(I)中のnが単一のもののみからなる場合は結晶化しやすいため、特に低温で水への溶解性が劣り、その結果、安定性は低下する傾向を示す。一方、(a)成分が、一般式(I)中のnが異なる複数のグリセリルモノエーテル等を含む場合、結晶化が抑制されるため低温でも高い溶解性を示し、その結果良好な安定性が得られる。従って、(a)成分は、一般式(I)中のnが異なる複数のグリセリルモノエーテル等からなるものが好ましく、特にnが3〜5で、且つn=3及び4、n=3及び5、n=4及び5、又はn=3、4及び5のグリセリルモノエーテル等を含むものがより好ましく、特にn=3、4及び5のグリセリルモノエーテル等を含むものが好ましい。
【0014】
(a)成分中、一般式(I)の縮合度n=3〜5の化合物は、20質量%以上含まれることが好ましい。
【0015】
一般式(I)中のnは、安定性の観点から、n=4が最も好ましく、(a)成分中、n=4であるグリセリルモノエーテル等の比率が10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、特に30質量%以上であることが好ましい。
【0016】
また、一般式(I)中のnが1又は2であるグリセリルモノエーテル等の比率は合計で50質量%未満、更に35質量%以下であることが好ましい場合がある。又、(a)成分中、nが1であるグリセリルモノエーテル等の含有量が30質量%未満、更に20質量%以下であることが好ましい場合がある。
【0017】
(a)成分は、一般式(I)中のRが炭素数12及び/又は炭素数14のアルキル基であって、且つnが3〜5であるグリセリルモノエーテル等が好ましく、その比率が40質量%以上であることが低温溶解性の観点から好ましい。前記比率は、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上である。また、低温での洗浄性能の観点から上限は、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下、特に好ましくは85質量%以下である。
【0018】
(a)成分は、一般式(I)中のRが炭素数12及び/又は炭素数14のアルキル基であって、且つnが3〜5であるポリグリセリルモノエーテルの合計の比率を99質量%以下とした場合には、低温での溶解性が著しく向上する。一般にこの含有量が低いほど低温での溶解性は向上するが、安定性が低下する傾向にあるため、上記した下限値と上限値の範囲が好ましい。
【0019】
(a)成分は、一般式(I)中のRが炭素数12のアルキル基で、nが3〜5であるグリセリルモノエーテル等(a−1)と、一般式(I)中のRが炭素数14のアルキル基で、nが3〜5であるグリセリルモノエーテル等(a−2)の両方を含んでいることが好ましい。更に(a−1)成分及び(a−2)成分は、いずれもnの異なる複数のグリセリルモノエーテル等、特にn=3、4、5の3種のグリセリルモノエーテル等を含有することが好ましい。(a)成分中の(a−1)成分及び(a−2)成分の合計の比率は、一般式(I)で表されるポリグリセリン全体に対して20質量%以上であること、あるいは、一般式(I)中のグリセリンの縮合度nが1〜7である化合物の合計量に対して40質量%以上であることが好ましい。
【0020】
(a)成分を構成するグリセリンの縮合度nの質量割合〔(a)成分中の質量割合〕は、ガスクロマトグラフィー(GC)法のエリア%から求めることができる。
【0021】
本発明の(a)成分は、例えば、炭素数6〜22のアルコールに所定量の2,3−エポキシ−1−プロパノール(グリシドール)をアルカリ触媒の存在下で反応させることで得られる。また、特開2000−160190号公報の段落0007〜0011に記載されたような方法で製造することもできる。
【0022】
なお、一般式(I)中のn=3〜5のグリセリルモノエーテル等が所定比率にあるものを用いる場合には、必要に応じて反応物を蒸留等により精製することで、所定範囲の縮合度の化合物を得ることができる。
【0023】
例えば、一般式(I)中のn=1、2のものは、減圧下で蒸留することにより留去することができる。n=1、2の成分を減らすことで、3〜5モル成分の割合を増やすことができる。蒸留装置に限定は無いが、薄膜蒸留を行うことにより、これら成分を効率的に分離することができる。至適蒸留温度は、真空度によって大きく変化するが、真空度が0.13kPaの場合、150℃以上300℃以下、好ましくは170℃以上300℃以下、さらに200℃以上300℃以下が好ましい。300℃以上の温度で蒸留すると着色等品質の劣化が生じる場合がある。
【0024】
また例えば、一般式(I)中の縮合度が高いもの(nが大きいもの)を取り除く場合は、カラムによる分離を行うことができる。カラムによる分離は、条件を工夫することにより、n=1、2成分の除去に利用することもできる。
【0025】
本発明の組成物中、溶解性、安定性の観点より、(a)成分の含有量は0.1〜50質量%が好ましく、0.3〜40質量%がより好ましく、0.5〜30質量%が更に好ましく、1〜25質量%が特に好ましい。
【0026】
〔(b)成分〕
本発明の(b)成分のオルガノポリシロキサン系化合物は、水不溶性のシリコーン化合物であることが繊維製品への残留性の観点で好ましく、水不溶性とは、20℃のイオン交換水1Lに溶解する量が1g以下の化合物である。
【0027】
本発明の(b)成分としては、例えばジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチル水素シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキルアラルキル変性シリコーン、アルキルポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、高級アルコールエステル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、フルオロアルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビトール変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、オキサドリン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ヒドロキシ変性シリコーン等が挙げられる。特に、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ジメチルシリコーンが好ましく、特にアミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、ジメチルシリコーンが好ましい。
【0028】
(b)成分は、重量平均分子量が好ましくは千〜100万、より好ましくは3千〜100万、特に好ましくは5千〜100万である。また、25℃における粘度が好ましくは2〜100万mm2/s、より好ましくは500〜100万mm2/s、特に好ましくは1千〜100万mm2/sである。
【0029】
また(b)成分のうち、流動性の低いものは、流動パラフィン、流動イソパラフィン、低級アルコール、低級脂肪酸、低分子量エステル化合物と混合して用いることができる。
【0030】
本発明の洗濯用組成物中の(b)成分の含有量は、0.1〜60質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましく、3〜45質量%が特に好ましい。
【0031】
また、本発明の組成物において、(a)成分/(b)成分の質量比は、1/100〜100/1が好ましく、1/50〜50/1がより好ましく、1/30〜30/1が特に好ましい。
【0032】
〔その他成分〕
本発明の組成物は(a)成分以外の界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤等が挙げられる。
【0033】
陰イオン界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルコールのエトキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩若しくはそのエステル塩、又は脂肪酸塩が挙げられる。特に、アルキル鎖の炭素数が10〜18(好ましくは12〜14)の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数が10〜20のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩が好ましい。また、対イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アルカノールアミン等が挙げられる。
【0034】
非イオン界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキシド(以下「EO」という)付加物、若しくはEO/プロピレンオキシド(以下「PO」という)付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキル(ポリ)グリコシド等が挙げられる。特に炭素数が10〜16のアルコールのEO1〜10モル付加物が皮脂汚れの除去、耐硬水性、生分解性の点で好ましい。
【0035】
陽イオン界面活性剤として、アミン塩又は第4級アンモニウム塩等を用いることができる。特にジ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩が好適であり、アルキル基中に−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−のような連結基を含むものであってもよい。
【0036】
両性界面活性剤として、カルボベタイン型、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0037】
その他、洗剤、仕上げ剤(柔軟剤、糊剤等)等、洗濯用組成物として特徴的な性質を付与できる成分を含有することができる。
【0038】
また、従来知られている洗剤、仕上げ剤(柔軟剤、糊剤等)等の洗濯用組成物に本発明の(a)成分及び(b)成分を添加することで、本発明の組成物とすることができる。
【0039】
本発明の洗濯用組成物は、衣料、寝具等の繊維製品を対象とすることが好ましい。また、本発明の洗濯用組成物は、洗剤組成物、柔軟剤組成物、糊剤組成物などの洗濯用組成物としての応用が可能である。
【0040】
〔繊維製品の処理方法〕
本発明の洗濯用組成物による衣類等の繊維製品の処理方法は特に制限されるものではなく、従来知られている洗剤、仕上げ剤(柔軟剤、糊剤等)等と同様に処理できる。
【0041】
洗濯工程後の繊維製品へのオルガノポリシロキサンの残留性の点で、本発明の洗濯用組成物と水とを含有し、(a)成分の含有量が0.1〜1000ppmである液体組成物を、繊維製品と接触させることが好ましい。
【実施例】
【0042】
<グリセリルモノエーテル(1)の合成方法>
ラウリルアルコール93.2g(0.50mol)、ランタントリフラート2.94g(0.0050mol)を300mL四つ口フラスコに入れ、窒素気流下、撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を保持しながらグリシドール148.16g(2.0mol)を24時間で滴下し、そのまま2時間撹拌を続け、反応生成物251.5gを得た。得られた反応生成物をガスクロマトグラフィーによって分析した結果、グリシドール転化率99.9%以上、ラウリルアルコール6.0質量%、ポリグリセリンの含有量は2.2質量%であった。また得られたラウリルポリグリセリルエーテルのうち、グリセリンの縮合度nが3〜5のものの割合は、nが1〜7のものの合計に対して43.3質量%であった。またn=1〜7のラウリルポリグリセリルエーテルの含有率は60.2質量%、8モル以上の縮合度のものは31.6質量%であった。よって、該生成物〔グリセリルモノエーテル(1)〕は、グリセリンの縮合度nが異なる複数の化合物を確認し、nが3〜5に関してはいずれのものも含まれていた。
【0043】
<洗濯用組成物(1)による繊維処理方法>
表1に示す組成で実施例及び比較例の洗濯用組成物を得た。この組成物26.7gと肌着(グンゼ(株)製、グンゼYG)2kgをナショナル製全自動洗濯機、NA−F70AP2型に投入し、水位少量(40L)、標準コース(洗い7分、注水濯ぎ2回、脱水4分)で洗濯を行った。温度25℃、湿度65%rhの条件で12時間乾燥を行った後、下記の方法で官能評価を行った。結果を表1に示す。また、表1で用いた成分は以下のものである。
【0044】
ジメチルシリコーン:信越化学工業(株)製KF−96H−30000CS(有効分100%)を用いた。
アミノ変性シリコーン:信越化学工業(株)製のKF−864(有効分100%)を用いた。
AS:花王(株)製エマール0を用いた。
エトキシレートノニオン:アルキル鎖長が炭素数12で、EO平均付加モル数6の、花王(株)製エマルゲン108を用いた。
ゼオライト:平均粒径3μmのA型ゼオライト、ゼオビルダー(株)製を用いた。
炭酸ナトリウム(デンス灰):セントラル硝子(株)製を用いた。
硫酸ナトリウム:四国化成(株)製の無水ボウ硝を用いた。
【0045】
<洗濯用組成物(2)による繊維処理方法>
表2に示す組成で実施例及び比較例の洗濯用組成物を得た。市販洗剤(花王(株)、アタック)26.7gと肌着(グンゼ(株)製、グンゼYG)2kgをナショナル製全自動洗濯機、NA−F70AP2型に投入し、水位少量(40L)、標準コース(洗い7分、注水濯ぎ2回、脱水4分)で洗濯を行った。この際、2回目の濯ぎが開始されたと同時に洗濯用組成物15gを投入した。温度25℃、湿度65%rhの条件で12時間乾燥を行った後、下記の方法で官能評価を行った。結果を表2に示す。また、表2で用いた成分は洗濯用組成物(1)と同じのものである。
【0046】
<官能評価の方法>
繊維処理を行った肌着(以下処理肌着)10枚のやわらかさを、新品の肌着(グンゼYG)10枚を対照として、パネラー3名で一対比較により官能評価を行った。なおこの際、新品の肌着も温度25℃、湿度65%rhの条件で12時間調湿を行った。評価は処理肌着が対照よりも柔らかい場合は+1点、同等の場合0点、対照が処理肌着よりも柔らかい場合は−1点とし、10枚×3名の合計30枚について点数を合計した。得点が25点以上の場合◎、15点以上25点未満の場合○、10点以上15点未満の場合は△、10点未満の場合は×として表した。
【0047】
<洗浄力評価>
いずれの実施例や比較例もJISK3362(標準洗剤を用いた洗濯洗浄試験)の結果、標準洗剤より洗浄力が上回ることを確認した。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)成分及び(b)成分を含有する洗濯用組成物。
(a)成分:一般式(I)で表されるポリグリセリルモノエーテル
R−O−(C362n−H (I)
(式中、Rは炭素数6〜22の炭化水素基を、nはグリセリンの縮合度であり、整数を示す。)
(b)成分:オルガノポリシロキサン系化合物
【請求項2】
(a)成分中、Rが炭素数12及び又は炭素数14のアルキル基であって且つグリセリンの縮合度nが3〜5である化合物の比率が、一般式(I)中のグリセリンの縮合度nが1〜7である化合物の合計量に対して、40質量%以上である請求項1記載の洗濯用組成物。
【請求項3】
(a)成分/(b)成分の質量比が1/100〜100/1である請求項1又は2何れか記載の洗濯用組成物。
【請求項4】
請求項1〜3何れか記載の洗濯用組成物と水とを含有し、(a)成分の含有量が0.1〜1000ppmである液体組成物を、繊維製品と接触させる繊維製品の処理方法。

【公開番号】特開2009−161594(P2009−161594A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339817(P2007−339817)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】