説明

洗米装置の排水構造

【課題】洗米タンクの下部に設けた排水ジャケットと、排水ジャケットの側方に設けた排水ボックスとを接続する排水パイプに洗米水が残らないようにする。
【解決手段】排水ジャケット18に接続される排水パイプ27の入口側接続部27aよりも排水ボックス26に接続される排水パイプ27の出口側接続部27bが低位置となるように排水パイプ27を形成し、排水パイプ27の出口側接続部27bを排水ボックス26に設けたパイプ接続部104に挿入することにより接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米を洗米して排出する洗米装置における排水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗米装置として、特許文献1に開示された洗米装置がある。
この洗米装置は、米を洗米する洗米タンクの下部に排水ジャケットを備え、この排水ジャケットに米を排出する排米口と、洗米水(米のとぎ汁)を排出する排水口とを形成している。
排水ジャケットの側方には排水ボックスが設けられ、この排水ボックスには洗米水を流入させるための流入口が設けられている。
【0003】
排水ジャケットの排水口と排水ボックスの流入口とは横向き配置された排水パイプで接続されており、排水ジャケットの排水口から排出された洗米水は排水パイプを介して排水ボックスに流れ、この排水ボックスから排水ホース等を介して排水溝に排水するようにしている。
前記排水ジャケットには排水口に連通する筒状のパイプ接続口部が排水ボックスに向けて突出形成され、このパイプ接続口部に排水パイプの入口側接続部が外嵌されて接続されている。
【0004】
また、排水ボックスには流入口に連通する筒状のパイプ接続口部が排水ジャケットに向けて突出形成され、このパイプ接続口部に排水パイプの出口側接続部が外嵌されて接続されている。
前記排水ジャケットのパイプ接続口部と排水ボックスのパイプ接続口部とは同じ高さ位置に設けられ、排水パイプは直管状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−20040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の洗米装置にあっては、排水ジャケットのパイプ接続口部と排水ボックスのパイプ接続口部とは同じ高さ位置に設けられ、排水パイプは直管状に形成されていることから、排水パイプの底部に洗米水が残る。排水パイプの底部に洗米水が残ると、これを除去するために、頻繁に清掃をしなければならない。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、排水パイプに洗米水が残るのを防止した洗米装置の排水構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、米を洗米する洗米タンクの下部に排水ジャケットを有し、この排水ジャケットと排水ボックスとを横向き配置された排水パイプによって接続し、洗米タンク内の洗米水を排水ジャケットから排水パイプを介して排水ボックスへと排水するようにした洗米装置の排水構造において、
前記排水ジャケットに接続される排水パイプの入口側接続部よりも排水ボックスに接続される排水パイプの出口側接続口部が低位置となるように排水パイプを形成し、
排水パイプの出口側接続部を排水ボックスに設けたパイプ接続部に挿入することにより接続したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記排水パイプを弾性部材で形成し、この排水パイプの出口側端部を排水ボックス内に突出するように設け、この排水パイプの出口側端部に、該排水パイプの出口側を開閉する排水弁を接当させるようにしたことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記排水パイプの出口側端部に接当する排水弁の接当部分を弾性部材によって形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、横向き配置された排水パイプの入口側接続部よりも該排水パイプの出口側接続口部が低位置となるように排水パイプを形成し、且つ、排水パイプの出口側接続部を排水ボックスのパイプ接続部に挿入するようにしたので、排水パイプに洗米水が残るのを防止することができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、弾性部材で形成した排水パイプの出口側端部を排水ボックス内に突出させ、該排水パイプの出口側端部に排水弁を接当させるようにしており、排水パイプの弾性によってシール性が良好となる。
請求項3に係る発明によれば、排水パイプの出口側端部に接当する排水弁の接当部分を弾性部材によって形成し、これを弾性部材で形成した排水パイプの出口側端部に接当させるようにしており、弾性部材同士が接触することにより、さらにシール性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】洗米機の斜視図である。
【図2】洗米機の正面概略図である。
【図3】洗米タンク下部及び排水ボックスの正面断面図である。
【図4】洗米タンク下部の正面断面図である。
【図5】排米弁及び装着具の正面断面図である。
【図6】排米弁を下方からみた斜視図である。
【図7】装着具の分解斜視図である。
【図8】(a)はロック部材及びロック解除部材の平面図、(b)は(a)のA矢視図、(c)は(a)のB矢視図である。
【図9】(a)はホルダの平面図、(b)はホルダの正面図である。
【図10】排米弁の底面図である。
【図11】排水ジャケットと排水ボックスとの連結部分の正面断面図である。
【図12】排水ジャケット、排水パイプ及び排水ボックスの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2において、符号1は、米の計量、洗米をマイコン制御によって自動で行う自動洗米機である。
この自動洗米機1は、上下の貯米庫2,3と、上側の貯米庫2の下方に設けられた洗米タンク4とを有する。
【0013】
上下の貯米庫2,3は貯米ケース5,6内に米を貯留するホッパ7,8を備えてなる。
下側の貯米庫3の貯米ケース6の背面には支持フレーム9が該貯米ケース6から上方突出状に設けられ、この支持フレーム9の上部に上側の貯米庫2が取付固定されている。
下側の貯米庫3の貯米ケース6内にはブロワ10が設けられ、このブロワ10は吸引パイプ等によって上側の貯米庫2のホッパ7に接続され、上側の貯米庫2のホッパ7と下側の貯米庫3のホッパ8とは米搬送パイプ等によって接続されている。
【0014】
そして、ブロワ10によって上側の貯米庫2のホッパ7内の空気を吸引パイプ等を介して吸引することにより、下側の貯米庫3のホッパ8から米搬送パイプ等を介して上側の貯米庫2のホッパ7に米が空気搬送される。
上側の貯米庫2のホッパ7下方には、該ホッパ7内の米を計量して洗米タンク4内に落下供給する米計量器11が設けられている。
【0015】
洗米タンク4と下側の貯米庫3の間には、炊飯器の内釜等の受け容器を配置可能な空間が設けられ、下側の貯米庫3の上面が受け容器を載置する載置面とされている。
洗米タンク4の下方の受け容器の配置空間の後部には、受け容器の後方移動を規制する規制バー12と、受け容器を検知する検知部材13とが設けられている。
規制バー12は支持フレーム9に取り付けられた左右一対の支持アーム14によって支持されている。検知部材13は支持フレーム9に取り付けられた支持部材15に前後揺動自在に取付支持されている。
【0016】
洗米タンク4は、上側の貯米庫2の貯米ケース5の下壁に取付固定されたタンク取付部16と、このタンク取付部16の下端側に着脱自在に取り付けられたタンク本体17と、このタンク本体17の下端側に着脱自在に取り付けられた排水ジャケット18とを有する。
タンク取付部16は円筒状の本体の内部に隔壁を設けてなる。タンク本体17は上部が円筒状で下部が下方に行くに従って先窄まりとなる漏斗状に形成され、上下開口状とされている。排水ジャケット18は円筒状の本体を有し、上下開口状に形成され、下端側に排米口22を有する。
【0017】
タンク本体17の上端開口はタンク取付部16に連通し、タンク本体17の下端開口は排水ジャケット18に連通している。
洗米タンク4内には攪拌部材19と弁棒20とが設けられている。
前記攪拌部材19は、上側の貯米庫2の貯米ケース5内に設けられた攪拌モータによって上下方向の軸心回りに回転駆動可能とされている。
【0018】
前記弁棒20は上下方向の軸心を有し洗米タンク4の中心部分に上下方向に配置されている。図3に示すように、該弁棒20の下端側には排水ジャケット18の下端側の排米口22を開閉する排米弁23が設けられている。
弁棒20は上側の貯米庫2の貯米ケース5内に設けられた昇降モータによって昇降可能とされている。排米弁23はその上面が排米口22の周縁に下側から接当することにより排米口22を塞ぎ、該排米弁23を下方移動させることにより排米口22が開かれる。
【0019】
図3に示すように、排水ジャケット18の側方には排水ボックス26が設けられ、この排水ボックス26と排水ジャケット18とは横向き配置された排水パイプ27で接続されている。
なお、排水ボックス26は排水ジャケット18の真横に配置されていなくてもよく、排水ボックス26が排水ジャケット18に対して前側又は後側に位置ずれしていてもよい(排水ボックス26が排水ジャケット18の前斜め側方または後斜め側方に配置されていてもよい)。また、排水ボックス26は排水ジャケット18の後方側に配置されていてもよい。
【0020】
排水ボックス26内の排水は、排水孔28から排水ホース等を介して排水溝等に排水可能とされている。
また、排水ボックス26は縦配水管29を介して洗米タンク4のタンク取付部16に設けられたオーバーフロー部30に接続されている。
排水ボックス26内には、排水パイプ27の出口側を開閉する排水弁31を備えた排水弁装置32が設けられている。この排水弁装置32は、上側の貯米庫2の貯米ケース5内に設けられた排水モータによって駆動可能とされている。
【0021】
排水ジャケット18内には、タンク本体17の下端開口と排米口22との間の空間を取り囲むように截頭円錐筒状に形成された分離板34が設けられている。
この分離板34は水は通すが米は通さない小孔が多数形成されており、排水ジャケット18から排水ボックス26へと米のとぎ汁(洗米水)が小さな不純物と共に流れるようになっている。
【0022】
上側の貯米庫2の貯米ケース5内には、洗米タンク4内に水(水道水)を供給する給水装置が設けられている。
前記構成の自動洗米機1にあっては、排米弁23を閉じた状態で洗米タンク4に米が供給され、この供給された米は、排水弁31を開いた状態で洗米タンク4に給水しながら攪拌部材19を回転駆動させることや、排水弁31を閉じた状態で給水しながら攪拌部材19を回転駆動させると共に洗米タンク4内の洗米水をオーバーフロー部30からオーバーフローさせること等によって洗米される。
【0023】
米を洗米した後は、排水弁31を開けて水切りした後に該排水弁31を閉じ、次に、水加減水を供給した後に排米弁23を下方移動させて排米口22を開くことにより、洗米タンク4下方に配置した受け容器へと、米及び水加減水が落下排出される。
図4、図5、図6及び図10に示すように、排米弁23は上方に向かうに従って漸次小径となる円錐筒状に形成された弁本体51を有する。
【0024】
この弁本体51の下面側(内側)には、該弁本体51の中心側に設けられ且つ上下方向の軸心を有する内筒部52と、この内筒部52を囲むように該内筒部52と同心状に設けられた外筒部53と、内筒部52の左右両側(径方向両側)に一対づつ設けられた回止め部54と、内筒部52の前方側に設けられた位置決め部55と、内筒部52と外筒部53とを連結する複数の第1リブ壁56と、外筒部53の外面上部から放射状に延出する複数の第2リブ壁57とが設けられている。
【0025】
前記内筒部52は弁本体51の下面から下方突出状に形成され、弁本体51の上部には内筒部52の内孔52aに連通する上下方向の貫通孔51aが形成されている。この貫通孔51a及び内筒部52の内孔52aで弁棒20の下端側が挿通する弁棒挿通孔58が構成されている。
この弁棒挿通孔58に挿通される弁棒20の挿通部59は、上部部分60と、該上部部分60の下側に位置する中間部分61と、下端側の先端部62と、この先端部62と中間部分61の間に位置し且つ先端部62の上部及び中間部分61より小径に形成されたロック部材嵌合部63とから主構成されている。
【0026】
この挿通部59の上部部分60は、弁棒20の挿通部59より上側の部分よりも小径に形成され、該上部部分60にはシール部材64が嵌合する嵌合溝65が形成されている。
挿通部59の中間部分61は上部部分60よりも小径に形成され、上部部分60の下端側が弁棒20に対する排米弁23の上方への相対移動を規制する上動規制部66とされている。
【0027】
前記弁棒挿通孔58の上部部分67は挿通部59の上部部分60に対応する外径に形成され、弁棒挿通孔58の下部部分68は挿通部59の中間部分61に対応する外径に形成されており、弁棒挿通孔58の上下中途部に段付き状の当り部69が形成されている。この当り部69は前記上動規制部66の下方側に位置しており、該当り部69が上動規制部66に接当することにより、弁棒20に対する排米弁23の上方移動が規制される。したがって、弁棒20を下降させると、上動規制部66が当り部69に接当することにより、排米弁23が弁棒20と共に下降する。
【0028】
前記挿通部59の先端部62は排米弁23の内筒部52の下面より下方に突出しており、該先端部62は下方に向かうにしたがって先窄まりの円錐状に形成されている。この先端部62の上端側が、弁棒20に対する排米弁23の下方への相対移動を規制する下動規制部70とされている。
前記外筒部53の下端は内筒部52の下面よりも下方に延出していると共に弁本体51の下端よりも上方に位置している。この外筒部53の外面下部には雄ネジ71が形成されている。
【0029】
前記回止め部54は、上下方向の軸心を有する円柱状に形成され、内筒部52と外筒部53との間の内筒部52寄りに設けられている。この回止め部54は内筒部52の左右両側に前後一対設けられ、該回止め部54の下端は内筒部52の下面よりも下方に位置している。
前記位置決め部55は、上下方向の軸心を有する円柱状に形成され、内筒部52と外筒部53との間の外筒部53寄りに設けられ、内筒部52の下面よりも下方に延出している。
【0030】
第1リブ壁56と第2リブ壁57とは弁本体51の下面から下方に延出され、また、これら第1リブ壁56と第2リブ壁57とは排米弁23の周方向に間隔をおいて設けられている。
第1リブ壁56の下面は内筒部52の下面と同じ高さ位置に形成されている。
前記排米弁23の下部の弁本体51内側には、該排米弁23を弁棒20に着脱自在に装着するための装着具72が設けられている。
【0031】
この装着具72は、図5及び図7に示すように、弁棒20のロック部材嵌合部63に嵌合することにより排米弁23が弁棒20から外れるのを阻止するロック部材73と、このロック部材73の下側に位置するプレート部材74と、ロック部材嵌合部63に対するロック部材73の嵌合を解除するロック解除部材75と、排米弁23に着脱自在に取り付けられてこれらロック部材73,プレート部材74及びロック解除部材75を排米弁23に対して保持するホルダ76とから主構成されている。
【0032】
この装着具72は、排米弁23に対してビス(小ネジ)によって取り付けないビスレス(ネジレス)構造とされている。これによって、ビスが脱落することに起因する不具合を解消することができる。
前記ロック部材73は、図5、図7、図8及び図10に示すように、排米弁23の外筒部53の内側に配置されていて、内筒部52下面及び第1リブ壁56の下面に接当している。
【0033】
このロック部材73は、ロック部材嵌合部63の左右両側(ロック部材嵌合部63を挟むように該ロック部材嵌合部63の径方向両側)に位置する(左右方向で対向配置された)左右一対の挟持アーム77と、左右挟持アーム77を連結する連結部78とから主構成されている。
このロック部材73はバネ鋼等のバネ部材(弾性部材)によって形成され、左右の挟持アーム77は、該左右挟持アーム77の間隔が左右方向(弁棒20の径方向)に弾性的に拡縮自在とされている。
【0034】
挟持アーム77は、前後方向(長手方向)中途部の挟持部79と、この挟持部79から前後に突出する被押圧部80と、挟持部79から左右方向外方に突出する係合突起81とから構成されている。
挟持部79の左右方向内方側(対向側)には、ロック部材嵌合部63に嵌合する円弧状の嵌合凹部82が形成されている。したがって、左右挟持アーム77の縮小状態において左右挟持部79の嵌合凹部82がロック部材嵌合部63に嵌合することにより、左右挟持部79が弁棒20の下動規制部70に上方から接当し、これにより弁棒20に対する排米弁23の下方移動が規制され、弁棒20に対して排米弁23が外れ止め(排米弁23に対して弁棒20が相対的に抜け止め)されている。
【0035】
係合突起81は、左右方向外方(突出方向)に向かうにしたがって漸次幅狭となるように形成されており、左右方向で同じ側に位置する前後の回止め部54の間に挿入状とされている。これによって、ロック部材73が排米弁23に対して上下軸回りに回り止めされている。
連結部78は、一方の挟持アーム77の前端(一端)から挟持アーム77の対向方向とは反対側に延出されると共に他方の挟持アーム77の前端(一端)へと外筒部53の内周面に沿うように延出されていて該他方の挟持アーム77の前端に接続されている。したがって、連結部78は平面視切欠きリング状(C型リング状)に形成されている。
【0036】
前記プレート部材74は、図5及び図7に示すように、平面視円形状の板材によって形成されており、排米弁23の外筒部53内に内嵌されてロック部材73下面に接当可能とされている。このプレート部材74の中心部分には弁棒20の挿通部59の先端部62が挿通する挿通孔83が貫通形成されている。また、このプレート部材74には、該プレート部材74の中心を中心とする円弧状の長穴84が前後一対貫通形成されている。また、プレート部材74の前部には、排米弁23の位置決め部55に嵌合する嵌合孔85(又は切欠き)が形成され、位置決め部55に嵌合孔85が嵌合することによりプレート部材74が排米弁23に対して軸芯回りに回り止めされている。
【0037】
前記ロック解除部材75は、図5、図7及び図8に示すように、ロック部材73及びプレート部材74の下方に配置され、上下方向の軸心を有する筒状(円筒状)の筒壁86と、この筒壁86の上端から上方に突出された前後一対(筒壁径方向一対)の拡開爪87と、筒壁86の下端開口を塞ぐように設けられた底壁88と、筒壁86の外周面上部から径方向外方に延出されたフランジ壁89とから構成されている。
【0038】
前記筒壁86は弁棒20と同芯状に配置され、筒壁86内に弁棒20の先端部62が挿入状とされている。
前記一対の拡開爪87は、挟持アーム77に沿う方向で弁棒20を挟むように配置され、前後方向で同じ側に位置するプレート部材74の長穴84を挿通して上部87aが挟持アーム77の被押圧部80の間に挿入状とされている。この拡開爪87の上部87aが挟持アーム77の被押圧部80の間に挿入され且つロック部材73が排米弁23に対して回り止めされているので、排米弁23に対してロック解除部材75が回り止めされている。また、この拡開爪87の上部87aの挟持アーム対向方向の幅(筒壁周方向幅)は上下方向にわたって同幅とされている。
【0039】
また、拡開爪87の下部87bの挟持アーム対向方向の幅(筒壁周方向幅)は下方に向かうにしたがって漸次幅広となるように形成されていて、上方に向けて先窄まりとなる山形状に形成されている。この拡開爪87の下部87bが一対の挟持アーム77を拡開させる拡開作動部とされている。
このロック解除部材75の底壁88には弁棒20の先端部62との干渉を防止する通孔90が形成されている。フランジ壁89は筒壁86の全周にわたって設けられている。
【0040】
なお、前記筒壁86と底壁88とで有底円筒状のロック解除部材75の本体を構成しているともいえる。
前記ホルダ76は、図5、図7及び図9に示すように、内周面に雌ネジ91が形成された取付筒92と、この取付筒92の下端から径内側に延出されたリング状のプレート受壁93と、このプレート受壁93の内周縁から下方に延出された縦筒壁94と、この縦筒壁94の下端から径内側に延出されたリング状のフランジ受壁95と、取付筒92及び縦筒壁94の外面に形成された滑り止め96とから構成されている。
【0041】
前記フランジ受壁95はホルダ76の底部に設けられ、したがって、このホルダ76の底部には挿通孔97が形成されている。また、ホルダ76の下面は弁本体51の下端と略同じ位置に位置している。
取付筒92の雌ネジ91を排米弁23の外筒部53の雄ネジ71に下側からネジ込むことにより、該取付筒92(ホルダ76)が排米弁23の外筒部53に装着されている。
【0042】
ロック部材73及びプレート部材74は取付筒92内(ホルダ76内)のプレート受壁93の上方に収納状とされている。したがってプレート受壁93はプレート部材74の下側に位置していて該プレート部材74を受持可能である。
ロック解除部材75のフランジ壁89は縦筒壁94内に配置され、ロック解除部材75の筒壁86下部は挿通孔97(フランジ受壁95)から下方に突出している。したがって、フランジ受壁95はロック解除部材75のフランジ壁89の下方に位置していて該フランジ壁89を受持可能である。
【0043】
また、ロック解除部材75のフランジ壁89がフランジ受壁95(挿通孔97周囲の上面)に接当した状態で、拡開爪87の上部87aが挟持アーム77の被押圧部80の間に挿入状とされ且つフランジ壁89とプレート部材74との間に間隔が設けられている。したがって、フランジ壁89はプレート部材74とフランジ受壁95との間で上下移動可能であり、このフランジ壁89の上下移動範囲でロック解除部材75が上下動自在である。
【0044】
滑り止め96は取付筒92及び縦筒壁94の外面から径方向外方に突出され、周方向に間隔をおいて複数(本実施形態では4つ)設けられている。
前記排米弁23及び装着具72は弁棒20に対して周方向の回り止めは、されていなく、弁棒20に対して該弁棒20の軸芯回りに回動可能である。
前記排米弁23を弁棒20から取り外すには、装着具72のロック解除部材75の底壁88下面(押し部)を押圧することにより該ロック解除部材75を押し上げ操作する。すると、拡開爪87の下部87bが挟持アーム77の被押圧部80の間に挿入していくことにより、ロック部材73の挟持アーム77の被押圧部80の間隔が押し広げられ、連結部78が弾性変形することにより該挟持アーム77が拡開する。そして、挟持アーム77の挟持部79の間隔が、弁棒20の挿通部59の先端部62が通行可能な間隔になると、排米弁23が弁棒20から下方に取り外し可能となる。
【0045】
本実施形態にあっては、排米弁23を弁棒20から取外す際においては、排米弁23の上面に人差し指、中指、薬指、小指を接当させ、親指でロック解除部材75を押し操作することができ、ロック部材73に対して力が入れやすく、排米弁23の取り外し操作を容易に行える。
また、排米弁23を弁棒20に装着するには、弁棒20の挿通部59に排米弁23の弁棒挿通孔58を外嵌する(弁棒20の挿通部59を排米弁23の弁棒挿通孔58に相対的に挿通させる)。すると、挿通部59の先端部62がロック部材73の挟持部79の嵌合凹部82間を挿通していくことにより、連結部78等が弾性変形して該嵌合凹部82の間隔が押し広げられ、挿通部59の先端部62が嵌合凹部82間を通過する。挿通部59の先端部62が嵌合凹部82間を通過すると、連結部78等の弾性復元力によりロック部材73の挟持部79の嵌合凹部82がロック部材嵌合部63に嵌合し、排米弁23が弁棒20に装着される。
【0046】
図4、図11、図12に示すように、前記排水ジャケット18の排水ボックス26に対応(対向)する側には、該排水ジャケット18から米のとぎ汁(洗米水)を排出させるための排水口101が形成されていると共に、この排水口101に連通する筒状のパイプ接続口部102が排水ボックス26に向けて側方突出状に設けられている。
一方、排水ボックス26の排水ジャケット18に対応(対向)する側には、該排水ボックス26内に米のとぎ汁を流入させるための流入口103が形成されていると共に、この流入口103に連通する筒状のパイプ接続口部104が排水ジャケット18に向けて側方突出状に設けられている。
【0047】
排水ジャケット18のパイプ接続口部102には排水パイプ27の入口側接続部27aが接続され、排水ボックス26のパイプ接続口部104には排水パイプ27の出口側接続部27bが接続されている。
排水ボックス26の流入口103及びパイプ接続口部104は、排水ジャケット18の排水口101及びパイプ接続口部102よりも低位置に位置している。したがって、排水パイプ27の出口側接続部27bは入口側接続部27aよりも低位置となるように形成されている。
【0048】
また、排水パイプ27の入口側接続部27aと出口側接続部27bとをつなぐ中間部位27cは、入口側接続部27aから出口側接続部27bにかけて下り傾斜となる傾斜状に形成されている(したがって、排水パイプ27は側面視でクランク形状を呈している)。この排水パイプ27はシリコン等の弾性樹脂(弾性部材)によって形成されている。また、排水パイプ27の入口側接続部27aは排水ジャケット18のパイプ接続口部102に外嵌されて接続され、排水パイプ27の出口側接続部27bは排水ボックス26のパイプ接続口部104に挿入されて接続されている。
【0049】
前記構成により、米のとぎ汁(洗米水)が排水ジャケット18から排水ボックス26へとスムーズに流れ、排水パイプ27内に米のとぎ汁が溜まることがないという効果を奏する。
排水パイプ27の出口側接続部27bの外周面には、排水ボックス26のパイプ接続口部104の入口側端部104aに接当する外向きフランジ105が径方向外方突出状に形成されている。また、排水パイプ27の出口側の端部27dは、排水ボックス26の流入口103から(排水ボックス26内面から)排水ボックス26内に突出している。
【0050】
さらに、排水パイプ27の出口側接続部27bの外周面の上部には、パイプ長手方向に長い突部106が上方に突出形成され、この突部106は排水ボックス26のパイプ接続口部104の内面に形成された溝部107に嵌合している。これによって、排水パイプ27の出口側接続部27bの回り止めが図られていると共に、排水パイプ27が上下逆に取り付けられないようになっている。
【0051】
排水パイプ27の入口側接続部27aは排水ジャケット18のパイプ接続口部102に対して図示省略の固定バンドによって固定され、排水パイプ27の出口側接続部27bは排水ボックス26のパイプ接続口部104にネジ式の固定具108によって固定されている。
前記固定具108は、筒状の本体部109と、この本体部109の外周面に周方向に間隔をおいて形成された滑止め部110と、本体部109の軸方向一端側に径方向内方に突出状に設けられた内向きフランジ111とを有する。
【0052】
本体部109の内周面には、排水ボックス26のパイプ接続口部104の外面に形成された雄ネジ112に螺合する雌ネジ113が形成されている。
内向きフランジ111は、前記外向きフランジ105が排水ボックス26のパイプ接続口部104に接当する接当面とは反対側の面に接当し、固定具108を排水ボックス26のパイプ接続口部104に対してネジ込み装着することにより、外向きフランジ105が排水ボックス26のパイプ接続口部104の端部と内向きフランジ111とで挟持されて排水パイプ27の出口側接続部27bが排米ボックスに取付固定される。
【0053】
排水ボックス26内に設けられた排水弁装置32は、前記排水弁31と、この排水弁31を開き方向に付勢する弁バネ114と、排水弁31を閉じ方向に押動する押動レバー115とを有する。
排水弁31は、排水パイプ27の出口側端部27dを開閉する弁部116と、この弁部116から突出された軸部117とから構成されている。
【0054】
弁部116は、円形プレートからなる芯材118にシリコン等の弾性樹脂(弾性部材)からなる弾性カバー119を被せてなり、弁部116が排水パイプ27の出口側端部27dと接当する部分は弾性部材によって構成されている。
排水ボックス26への米のとぎ汁の流入口を排水ボックス26を形成する硬質の樹脂により一体形成し、この流入口に弁部116を接当させるようにすると、シール性があまくなるが、本実施形態では、弁部116の外側(排水パイプ27の出口側端部27dと接当する面)を弾性部材で形成し、これを弾性部材で形成した部位を排水パイプ27に接当させており、排水パイプ27と排水弁31との両方の弾力(弾性)によってシール性が向上し、確実に止水することができる。
【0055】
排水弁31の軸部117は支持部材120によって軸心方向移動自在に支持され、該軸部117の弁部116と反対側の端部にはバネ受け121が設けられ、このバネ受け121と支持部材120との間に弁バネ114が圧縮状に介装されている。
押動レバー115はL字形に形成され、中途部が排水ボックス26に前後軸回りに回動自在に枢支されている。この押動レバー115の一端側は排水弁31のバネ受け121に接当しており、他端側には操作ワイヤ122の一端側が連結されている。
【0056】
この操作ワイヤ122は上側の貯米庫2の貯米ケース5内に設けられた排水モータに連動連結されていて、該排水モータによって操作ワイヤ122が上方に引き上げられることにより、押動レバー115が排水弁31を閉じ方向に押動し、弁部116によって排水パイプ27の出口側端部27dを塞ぐ。また、操作ワイヤ122が下方に下げられることにより、弁バネ114が排水弁31を開き方向に押動して、弁部116が排水パイプ27の出口側端部27dを開く。
【0057】
排水ボックス26の排水孔28は、該排水ボックス26の背面壁123下部の流入口103から離れたところに形成されている。また、排水ボックス26の底壁124には、排水孔28の下端側から前方に延びるように溝125が形成され、排水ボックス26の底壁124の溝125と流入口103との間は、流入口103から排水孔28に向けて下り傾斜に形成されている。
【0058】
本発明は、前述した上下の貯米庫2,3を有する自動洗米機1の他、貯米庫を有しないパック米対応の自動洗米機や、米の計量、洗米、炊飯をマイコン制御によって自動で行う自動炊飯機の洗米装置に採用される。
【符号の説明】
【0059】
4 洗米タンク
18 排水ジャケット
26 排水ボックス
27 排水パイプ
27a 入口側接続部
27b 出口側接続部
27d 出口側端部
31 排水弁
104 パイプ接続口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を洗米する洗米タンク(4)の下部に排水ジャケット(18)を有し、この排水ジャケット(18)と排水ボックス(26)とを横向き配置された排水パイプ(27)によって接続し、洗米タンク(4)内の洗米水を排水ジャケット(18)から排水パイプ(27)を介して排水ボックス(26)へと排水するようにした洗米装置の排水構造において、
前記排水ジャケット(18)に接続される排水パイプ(27)の入口側接続部(27a)よりも排水ボックス(26)に接続される排水パイプ(27)の出口側接続部(27b)が低位置となるように排水パイプ(27)を形成し、
排水パイプ(27)の出口側接続部(27b)を排水ボックス(26)に設けたパイプ接続口部(104)に挿入することにより接続したことを特徴とする洗米装置の排水構造。
【請求項2】
前記排水パイプ(27)を弾性部材で形成し、この排水パイプ(27)の出口側端部(27d)を排水ボックス(26)内に突出するように設け、この排水パイプ(27)の出口側端部(27d)に、該排水パイプ(27)の出口側を開閉する排水弁(31)を接当させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の洗米装置の排水構造。
【請求項3】
前記排水パイプ(27)の出口側端部(27d)に接当する排水弁(31)の接当部分を弾性部材によって形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の洗米装置の排水構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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