説明

洗車料金精算装置

【課題】 洗車利用者へのきめ細かいポイントサービス運用を行なうこと。
【解決手段】 洗車料金精算装置20において、特定の条件に応じて通常ポイントを割増するための割増ポイント倍率を定め、通常ポイントに対して割増ポイント倍率を用いて割増ポイントを算出し、通常ポイントに割増ポイントを加算して今回の取得ポイントを算出する手段を有するもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗車料金精算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗車料金精算装置として、洗車料金の精算時に、記録媒体カードに対してポイント情報を読み書き可能にするリードライタを有するものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では、1ポイントを付与する洗車料金の単位を、商品価格帯、洗車時間帯、洗車キャンペーン期間等に関係なく、一律のポイント付与単位料金として定め、今回の洗車料金に対してそのポイント付与単位料金を用いて今回の取得ポイントを算出している。このため、高額商品、洗車が少ない時間帯、洗車キャンペーン期間中等の付加価値を高め、売上向上を図ることのポイントサービス運用に困難がある。
【0004】
本発明の課題は、洗車利用者へのきめ細かいポイントサービス運用を行なうことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、洗車料金の精算時に、記録媒体カードに対してポイント情報を読み書き可能にするリードライタを有する洗車料金精算装置において、1ポイントを付与する洗車料金の単位をポイント付与単位料金として定め、今回の洗車料金に対してポイント付与単位料金を用いて通常ポイントを算出し、特定の条件に応じて通常ポイントを割増するための割増ポイント倍率を定め、通常ポイントに対して割増ポイント倍率を用いて割増ポイントを算出し、通常ポイントに割増ポイントを加算して今回の取得ポイントを算出し、この取得ポイントを従前からの残りである残有効ポイントに加算して新有効ポイントを算出し、新有効ポイントを記録媒体カードに記録する手段を有するようにしたものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、複数の条件毎の割増ポイント倍率を定め、それらの割増ポイント倍率の合算値を用いて前記割増ポイントを算出する手段を有するようにしたものである。
【0007】
請求項3の発明は、洗車料金の精算時に、記録媒体カードに対してポイント情報を読み書き可能にするリードライタを有する洗車料金精算装置において、今回の取得ポイントを従前からの残りである残有効ポイントに加算して新有効ポイントを算出するに際し、今回の取得ポイントの換金額が今回の洗車料金を超えることのないように、今回の取得ポイントを制限する手段を有するようにしたものである。
【0008】
請求項4の発明は、洗車料金の精算時に、従前からの利用済ポイントを含む旧総取得ポイントに今回の取得ポイントを加算した新総取得ポイントを記録媒体カードに記録可能にするリードライタを有する洗車料金精算装置において、将来の総取得ポイントを複数段階をなす到達ポイント毎に区切るとともに、総取得ポイントが到達ポイントに到達したときに付与するサービスポイントを定め、今回の新総取得ポイントが到達ポイントに到達する度に、今回の取得ポイントにサービスポイントを加算して今回の決定取得ポイントとし、この決定取得ポイントを従前からの残りである残有効ポイントに加算して新有効ポイントを算出し、新有効ポイントを記録媒体カードに記録する手段を有するようにしたものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の洗車料金精算装置を付帯する洗車機である。
【発明の効果】
【0010】
(請求項1)
(a)洗車料金精算装置は、商品価格帯、洗車時間帯、洗車キャンペーン期間等の特定の条件に応じて通常ポイントを割増するための割増ポイント倍率を定め、通常ポイントに対して割増ポイント倍率を用いて割増ポイントを算出し、通常ポイントに割増ポイントを加算して今回の取得ポイントを算出する。従って、高額商品、洗車が少ない時間帯、洗車キャンペーン期間中等の付加価値を高め、売上向上を図り、洗車利用者へのきめ細かいポイントサービス運用を行なうことができる。
【0011】
(請求項2)
(b)洗車料金精算装置は、複数の条件毎の割増ポイント倍率を定め、それらの割増ポイント倍率の合算値を用いて前記割増ポイントを算出することにより、割増ポイントの算出効率を向上できる。
【0012】
(請求項3)
(c)洗車料金精算装置は、今回の取得ポイントの換金額が今回の洗車料金を超えることのないように、今回の取得ポイントを制限することができる。
【0013】
(請求項4)
(d)洗車料金精算装置は、今回の新総取得ポイントが到達ポイントに到達する度に、今回の取得ポイントに更にサービスポイントを加算して今回の取得ポイントを決定する。これにより、洗車利用頻度の高い洗車利用者へ付加価値を還元することができ、また洗車利用者のポイントを集める意識を高め、洗車リピート率を向上できる。
【0014】
(請求項5)
(e)上述(a)〜(d)の洗車料金精算装置を洗車機に付帯させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は洗車機に付帯した洗車料金精算装置を示す模式図、図2はポイント算出用設定値を示す図表、図3は取得ポイントの制限処理フローを示す流れ図、図4はサービスポイントの加算処理フローを示す流れ図である。
【実施例】
【0016】
洗車機10は、図1に示す如く、洗車料金精算装置20を付帯して備える。洗車料金精算装置20は、洗車受付コントローラ21に、カードリードライタ22、硬貨識別装置23、紙幣識別装置24、操作パネル25、表示器26、領収書発行装置27を接続して構成される。
【0017】
カードリードライタ22は、洗車料金の精算時に、洗車利用者が携帯する記録媒体カード1に記録されている金額、従前からの残りである残有効ポイント、今回の取得ポイント、残有効ポイントに従前からの利用済ポイントを含む総取得ポイント、カードのグレード種別等の情報を読み書きする。硬貨識別装置23は投入硬貨枚数のカウントと返金処理を行なう。紙幣識別装置24は挿入紙幣枚数のカウントと返金処理を行なう。操作パネル25は商品(洗車メニュー)釦による選択と、選択可能商品を示すランプ表示を行なう。表示器26は投入金額、選択された商品内容や商品金額の表示を行なう。領収書発行装置27は精算内容の印字を行なう。
【0018】
洗車受付コントローラ21は、各機器22〜27との接続により、洗車商品の選択処理や精算処理を行ない、洗車機10へ洗車情報を送る。洗車機10は、洗車受付コントローラ21から送られた洗車情報により、洗車対象車両に対する洗車処理を行なう。
【0019】
しかるに、洗車料金精算装置20は、記録媒体カード1に対して残有効ポイント、取得ポイント、総取得ポイント等のポイント情報を読み書きするに際し、(A)割増ポイントの算出処理、(B)取得ポイントの制限処理、(C)サービスポイントの加算処理を以下の如くに行なう。
【0020】
(A)割増ポイントの算出処理(図2)
(1)1ポイントを付与する洗車料金の単位をポイント付与単位料金として定める(図2)。
【0021】
(2)今回の洗車料金に対してポイント付与単位料金を用いて通常ポイントを算出する。
通常ポイント=洗車料金÷ポイント付与単位料金 …(1)
【0022】
(3)特定の条件に応じて通常ポイントを割増するための割増ポイント倍率を定める(図2)。例えば洗車コース毎の割増ポイント倍率を洗車商品別倍率Pmとし、カードのグレード毎の割増ポイント倍率をカードグレード別倍率Pgとし、洗車曜日毎の割増ポイント倍率を曜日別倍率Pwとし、限定期間中の割増ポイント倍率を期間限定倍率Pdとし、限定時間帯中の割増ポイント倍率を時間帯限定倍率Ptとする。
【0023】
(4)上述(2)の通常ポイントに対して上述(3)の割増ポイント倍率を用いて割増ポイントを算出する。このとき、複数の条件毎の割増ポイント倍率の合算値ΣPiを用いて割増ポイントを算出する。
ΣPi=Pm+Pg+Pw+Pd+Pt …(2)
割増ポイント=通常ポイント×ΣPi …(3)
【0024】
(5)通常ポイントに割増ポイントを加算して今回の取得ポイントを算出する。
取得ポイント=通常ポイント+割増ポイント …(4)
但し、取得ポイントは下記(5)式により算出することもできる。
取得ポイント=通常ポイント×(1.0+ΣPi) …(5)
【0025】
(6)上述(5)の取得ポイントを従前からの残りである残有効ポイントに加算して新有効ポイントを算出し、新有効ポイントを記録媒体カード1に記録する。
新有効ポイント=残有効ポイント+取得ポイント …(6)
【0026】
この割増ポイントの算出処理によれば以下の作用効果を奏する。
(a)洗車料金精算装置20は、商品価格帯、洗車時間帯、洗車キャンペーン期間等の特定の条件に応じて通常ポイントを割増するための割増ポイント倍率を定め、通常ポイントに対して割増ポイント倍率を用いて割増ポイントを算出し、通常ポイントに割増ポイントを加算して今回の取得ポイントを算出する。従って、高額商品、洗車が少ない時間帯、洗車キャンペーン期間中等の付加価値を高め、売上向上を図り、洗車利用者へのきめ細かいポイントサービス運用を行なうことができる。
【0027】
(b)洗車料金精算装置20は、今回の新総取得ポイントが到達ポイントに到達する度に、今回の取得ポイントに更にサービスポイントを加算して今回の取得ポイントを決定する。これにより、洗車利用頻度の高い洗車利用者へ付加価値を還元することができ、また洗車利用者のポイントを集める意識を高め、洗車リピート率を向上できる。
【0028】
(B)取得ポイントの制限処理(図3)
(1)前述(A)の割増ポイントの算出処理の(6)において、今回の取得ポイントを従前からの残りである残有効ポイントに加算して新有効ポイントを算出するに際し、今回の取得ポイントの換金額を算出する。
換金額=取得ポイント×ポイント換金レート …(7)
【0029】
(2)上述(1)の換金額が今回の洗車料金を超えることのないように、今回の取得ポイントを制限する。即ち、上述(1)の換金額が今回の洗車料金を超えないならば今回の取得ポイントをそのまま適用する。他方、上述(1)の換金額が今回の洗車料金を超えるときには、今回の洗車料金をポイント換金レートで除した値を修正取得ポイントとして採用する。
修正取得ポイント=洗車料金÷ポイント換金レート …(8)
【0030】
例えば、ポイント換金レート100のとき、今回の取得ポイントが15、今回の洗車料金が1000円であると、(7)式の換金額=1500円であり、これは今回の洗車料金1000円を超えるから、修正取得ポイントとしての(8)式の10を採用する。
【0031】
この取得ポイントの制限処理によれば以下の作用効果を奏する。
洗車料金精算装置20は、今回の取得ポイントの換金額が今回の洗車料金を超えることのないように、今回の取得ポイントを制限することができる。
【0032】
(C)サービスポイントの加算処理(図4)
(1)洗車料金の精算時に、カードリードライタ22が、従前からの利用済ポイントを含む旧総取得ポイントに今回の取得ポイントを加算した新総取得ポイントを記録媒体カード1に記録するものとする。
【0033】
(2)将来の総取得ポイントを複数段階をなす到達ポイント毎に区切るとともに、総取得ポイントが到達ポイントに到達したときに付与するサービスポイントを定める。
【0034】
(3)今回の新総取得ポイントが到達ポイントに到達したか否か判定する。
(旧総取得ポイント+取得ポイント)÷到達ポイント
>旧総取得ポイント÷到達ポイント
注:小数点以下切捨て …(9)
【0035】
例えば、到達ポイントを1000とし、旧総取得ポイントを1800、今回の取得ポイントを200とするとき、(9)式の左辺は2になり、右辺は1(1.8の小数点以下切捨てによる)になり、今回の新総取得ポイントは到達ポイントに到達したものと判定される。
【0036】
(4)今回の新総取得ポイントが到達ポイントに到達する度に、今回の取得ポイントにサービスポイント(例えば50)を加算して今回の決定取得ポイントとする。
決定取得ポイント=取得ポイント+サービスポイント …(10)
【0037】
(5)上述(4)の取得ポイントを従前からの残りである残有効ポイントに加算して新有効ポイントを算出し、(前述(6)式)、新有効ポイントを記録媒体カード1に記録する。
【0038】
このサービスポイントの加算処理によれば以下の作用効果を奏する。
洗車料金精算装置20は、今回の新総取得ポイントが到達ポイントに到達する度に、今回の取得ポイントに更にサービスポイントを加算して今回の取得ポイントを決定する。これにより、洗車利用頻度の高い洗車利用者へ付加価値を還元することができ、また洗車利用者のポイントを集める意識を高め、洗車リピート率を向上できる。
【0039】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は洗車機に付帯した洗車料金精算装置を示す模式図である。
【図2】図2はポイント算出用設定値を示す図表である。
【図3】図3は取得ポイントの制限処理フローを示す流れ図である。
【図4】図4はサービスポイントの加算処理フローを示す流れ図である。
【符号の説明】
【0041】
1 記録媒体カード
10 洗車機
20 洗車料金精算装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗車料金の精算時に、記録媒体カードに対してポイント情報を読み書き可能にするリードライタを有する洗車料金精算装置において、
1ポイントを付与する洗車料金の単位をポイント付与単位料金として定め、
今回の洗車料金に対してポイント付与単位料金を用いて通常ポイントを算出し、
特定の条件に応じて通常ポイントを割増するための割増ポイント倍率を定め、
通常ポイントに対して割増ポイント倍率を用いて割増ポイントを算出し、
通常ポイントに割増ポイントを加算して今回の取得ポイントを算出し、この取得ポイントを従前からの残りである残有効ポイントに加算して新有効ポイントを算出し、
新有効ポイントを記録媒体カードに記録する手段を有することを特徴とする洗車料金精算装置。
【請求項2】
複数の条件毎の割増ポイント倍率を定め、それらの割増ポイント倍率の合算値を用いて前記割増ポイントを算出する手段を有する請求項1に記載の洗車料金精算装置。
【請求項3】
洗車料金の精算時に、記録媒体カードに対してポイント情報を読み書き可能にするリードライタを有する洗車料金精算装置において、
今回の取得ポイントを従前からの残りである残有効ポイントに加算して新有効ポイントを算出するに際し、
今回の取得ポイントの換金額が今回の洗車料金を超えることのないように、今回の取得ポイントを制限する手段を有することを特徴とする洗車料金精算装置。
【請求項4】
洗車料金の精算時に、従前からの利用済ポイントを含む旧総取得ポイントに今回の取得ポイントを加算した新総取得ポイントを記録媒体カードに記録可能にするリードライタを有する洗車料金精算装置において、
将来の総取得ポイントを複数段階をなす到達ポイント毎に区切るとともに、総取得ポイントが到達ポイントに到達したときに付与するサービスポイントを定め、
今回の新総取得ポイントが到達ポイントに到達する度に、今回の取得ポイントにサービスポイントを加算して今回の決定取得ポイントとし、この決定取得ポイントを従前からの残りである残有効ポイントに加算して新有効ポイントを算出し、
新有効ポイントを記録媒体カードに記録する手段を有することを特徴とする洗車料金精算装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の洗車料金精算装置を付帯する洗車機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−228051(P2006−228051A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42937(P2005−42937)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000114695)株式会社ヤスヰ (41)
【Fターム(参考)】