説明

津波に対する防波堤

【課題】防波堤は、海岸に数メートルの高さのものが多く、海岸に沿うようにあるだけであったが、津波に対して、うまく波を逃がしてあげることにより、建物への津波の侵入を最小限に押さえる防波堤を提供する。
【解決手段】防波堤に加えて、各箇所、各家、各建物の前部、または前後部の両方に鋭角な面、または曲面の防波堤であり、鋭角な面、または曲面は津波の方向に対して、凸な形状をしており、鉛直方向には垂直または傾斜しており、この防波堤により、津波に対して、うまく波を逃がしてあげることにより、各箇所、各家、各建物への津波の侵入を最小限に押さえるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の前または前後に防波堤を設け、津波による被害を最小限に抑える防波堤の方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
従来は海岸沿いに防波堤を設ける方法が考えられていた。防波堤をより、高くすることもあるが、2回目、3回目の津波を何度も受けることになることもあり、これだけでは防ぎようもない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許公開2005−201026
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の防波堤は、海岸に数メートルの高さのものが多く、海岸に沿うようにあるだけであった。
本発明は、従来の防波堤に加えて、各箇所、各家、各建物の前、または前後に鋭角な面、または曲面状の防波堤を設け、津波に対して、うまく波を逃がしてあげることにより、建物への津波の侵入を最小限に押さえるものとする。
【0005】
特許公開2005−201026に津波防御対策が示されているが、ブロック状で空間のあるものを積み上げている点で、本特許は防波堤に波を通過させるような空間はなく、異なる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
防波堤を各箇所、各家、各建物に設置する。この防波堤の形状は各箇所、各家、各建物の前、または前後に鋭角な面、または曲面状である。高さ方向にはほぼ断面が一定であればいいが、傾斜を持たせてもよい。また、その防波堤の軸は地形上、津波が来ると予想される方向にあわせる。曲面は円弧、惰円状でもよく、双曲線関数を用いた形状でも良い。また、一般に円、惰円、双曲線、放物線のような2次形式で凸形状で表わされる関数であり、この形状を用いても良い。円、惰円はcos関数、sin関数で表されるが、双曲線余弦関数はcoshと表記されるが、この関数はcos、sin関数で表され同類の凸形状をd表す関数である。
【0007】
津波は戻ってくる波もあるので各箇所、各家、各建物においては、予想される津波の進行方向の前面だけでなく、後方にも同様の形状で防波堤を形成しても良い。
【0008】
津波の過去の高さから考慮して、防波堤の高さは2メートル以上にするのが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は各箇所、各家、各建物の前、または前後に鋭角な面、または曲面状の防波堤を設け、津波に対して、うまく波を逃がしてあげることにより、建物への津波の侵入を最小限に押さえるものとする。
以下の説明では各箇所、各家、各建物を建物という言葉で統一する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】防波堤を上から見た上面図を示す。建物の前面に円弧状の防波堤を設置する。
【図2】防波堤を上から見た上面図を示す。建物の前面に鋭角な面状の防波堤を設置する。
【図3】防波堤を上から見た上面図を示す。建物の前面に双曲線関数状の防波堤を設置する。
【図4】防波堤を上から見た上面図を示す。防波堤がブロック状で構成される防波堤の例を示す。
【図5】建物の前面、後面に防波堤を設けた例を示す。
【図6】建物の前面、後面を接続した防波堤を設けた例を示す。
【図7】建物の前面、後面の間の側面にも防波堤を設けた例を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
図1に建物の前面に曲面の一つである円弧状の防波堤を設けた例を示す。津波が来た時、この曲面状にそって、海水が分岐され、家または建物内への侵入をある程度押さえることができる。曲面の軸は地形上、津波が来ると予想される方向に向いていることが望ましい。
【実施例2】
【0012】
図2に建物の前面に鋭角な面な防波堤を設けた例示す。
【実施例3】
【0013】
図3に建物の前面に双曲線余弦関数に沿うように防波堤を設けた例を示す。双曲線余弦関数はひもを垂らした時、重力場を受け、その時のエネルギー、応力が最小になる最適な形状である。津波も同様の等分布荷重と考えられるので、この双曲線余弦関数を防波堤に用いるのは最適な形状になる。
図1、図3の防波堤は曲面だが、凸形状の曲面なら、いずれでも効果がある。例えば、2次形式の関数である、惰円、放物線、双曲線でも良い。円弧もまた、2次形式の関数の仲間であり、双曲線関数も円弧を形成するcos関数とsin関数で表され、2次形式の関数の凸形状を示す関数の仲間である。
【実施例4】
【0014】
図4に図1〜図3の防波堤をブロック形状で近似した例を示す。コンクリートブロック塀、レンガ塀で防波堤を製造する時に、設置される形状になる。
外周面だけがブロック形状、内側はコンクリートのような形態でも良い。
また、外周面と防波堤の内側の面にブロック形状を用い、間にはコンクリートのような形態でも良い。
【実施例5】
【0015】
図5に建物の前面、後面の両方に防波堤を設ける例を示す。
【0016】
図6に建物の前面、後面が接続された防波堤を設ける例を示す。
図7に建物の前面、侯面の両方に加えて側面にも防波堤を設ける例を示す。
図6、図7の場合、建物全体が防波堤に覆われることになるが、例えばドアを設けて、出入りすることを可能にさせれば良い。
また、高さ方向にはほぼ断面が一定であればいいが、傾斜を持たせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、従来の防波堤に加えて各箇所、各家、各建物の前または前後に、鋭角な面、または曲面状の防波堤を設け、津波に対して、うまく波を逃がしてあげることにより、建物への津波の侵入を最小限に押さえるものとする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
津波に対する防波堤において、津波の予想される進行方向に対して凸形状に沿う防波堤を設ける防波堤
【請求項2】
請求項1の津波に対する防波堤において、津波の進行方向に対して2次形式の凸形状の関数の曲線に沿う防波堤を設ける防波堤
【請求項3】
請求項1の津波に対する防波堤において、津波の進行方向に対して建物の前面に鋭角な面に沿う防波堤を設ける防波堤
【請求項4】
請求項2の防波堤の形状は、円弧または惰円または双曲線余弦関数または放物線または双曲線である防波堤
【請求項5】
請求項1乃至4の防波堤は鋭角な面、曲面に沿うようにブロック塀で構成される防波堤
【請求項6】
請求項1乃至4の防波堤は鋭角な面、曲面に沿うように木による生垣で構成される防波堤
【請求項7】
請求項1乃至4の防波堤はコンクリートで構成される防波堤
【請求項8】
請求項1乃至5の防波堤はブロック塀とコンクリートで構成される防波堤
【請求項9】
請求項1乃至8の防波堤は津波の予想される進行方向対して前側と後側の両側に防波堤を設けた防波堤
【請求項10】
請求項9の防波堤の間は離れている防波堤
【請求項11】
請求項9の前後の防波堤の間は直線部分の防波堤で構成される防波堤
【請求項12】
請求項1乃至11の防波堤は傾斜を持たせている防波堤
【請求項13】
請求項1乃至12の防波堤は地面より2メートル以上ある防波堤


















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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