説明

活性汚泥処理法、活性汚泥処理剤、活性汚泥処理装置および活性汚泥処理システム

【課題】汚泥の沈降性に優れた活性汚泥処理法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、活性汚泥を用いて排水処理を行う活性汚泥処理法であって、排水にストレプトミセス属放線菌を投与して前記排水処理を行うことを特徴としている。本発明は、さらに、腐植酸を投与するのが好ましい。また、本発明は、活性汚泥を用いて排水処理を行う活性汚泥処理法であって、ストレプトミセス属放線菌を含む排水に腐植酸を投与して前記排水処理を行うことを特徴としている。本発明は、さらに、金属イオンを投与するのが好ましい。前記ストレプトミセス属放線菌としてストレプトミセス・ガーナエンシスを用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性汚泥を用いて排水処理を行う活性汚泥処理法と、これに用いられる活性汚泥処理剤、活性汚泥処理装置および活性汚泥処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理に代表される活性汚泥処理施設を適切に維持管理していくことは、公衆衛生上および水質保全上の観点から極めて重要である。活性汚泥の維持管理上の問題としては、処理に伴って発生する汚泥の沈降性の悪化、これに伴う水質の悪化や脱水不良のほか、汚泥自体から発生する硫化水素等の悪臭がある。
【0003】
これらの問題を解決するために、活性汚泥中の微生物に関する研究が、主に有用微生物群と総称される菌群に着目して進められ、処理性能の向上に関与する菌の特定や、それらの菌群を効率よく制御するための運転条件の設定等が試みられてきた。
【0004】
しかし、例えば、菌の特定については、解析手法として免疫学的手法や分子生物学的手法を用いた精密な研究がなされる一方、得られた解析・評価結果と菌群の相関は必ずしも一致しているわけではなく、明確な機能を発揮する微生物相や菌株の実質的な特定には至っていない。また、こうした有用微生物群に関する研究成果には、他の処理場へは適用できないといった水平展開の難しさも指摘されている。このような実情から、活性汚泥による下水等の処理は複合的な微生物群による総合的な処理機能の発現に大きく依存するものであり、特定の菌の優占化や菌相の人工的な制御は難しいとされてきた。
【0005】
なお、特定の菌の優占化や菌相の人工的な制御を行うことを目的とした技術として、例えば、特許文献1〜3がある。
【0006】
特許文献1には、アクチノミセス属およびストレプトコッカス属等の放線菌群と、ロード・シルドモナス・カプシュラーター、クロマチューム等の光合成細菌体を含んだ液体を含浸させたゼオライト、モンゴリオナイトおよび火山ガラス等の活性珪酸微粉末と、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸カルシューム、塩化カルシューム等の浄化微生物以外の細菌類の抑制作用を有する助剤とを混合してなることを特徴とする水処理用微生物粉剤が記載されている。
この特許文献1によれば、かかる水処理用微生物粉剤を投入することにより、バルキングを解消し、アンモニアの硝酸化による悪臭防止、脱窒および菌体化を図り、硫化水素、メルカプタン、ガダベリン等の悪臭物質および酢酸等の低級脂肪酸を分解して悪臭の発生を消滅させ、処理水質を安定化して排水処理の維持管理を容易化することができる旨記載されている。
【0007】
特許文献2には、汚泥処理系において汚泥循環槽との間で汚泥を循環させる汚泥接触槽内に充填され、汚泥と接触する汚泥接触槽の充填剤であって、バチルス菌および放線菌を含む優占菌を種菌として有する腐植質に、マグネシウム化合物、セルロースおよびキチン質を混合したことを特徴とする汚泥接触槽の充填剤が記載されている。
この特許文献2によれば、かかる充填剤を槽内に充填して汚泥と接触させることで、バチルス菌や放線菌等を種菌として優占的に増殖させることができる旨記載されている。そして、これにより、汚泥中の有害菌を十分に除去することができる旨記載されている。
【0008】
また、特許文献3には、4倍量以下の処理液を10分間以上pHが4.0以下になるまで腐植ペレットに接触させて、当該腐植ペレットから縮合力を有する腐植酸またはその鉄錯体を抽出し、当該抽出液の全量を前記腐植ペレットの約500倍の有機性廃水中に投入して脱臭と浄化を行わせることを特徴とする腐植ペレットによる有機性廃水の処理方法が記載されている。
この特許文献3によれば、汚泥の臭気も無くなり、従来の所要日数の半分以下で土壌に戻すことができた旨記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−146600号公報
【特許文献2】特許第3251895号公報
【特許文献3】特開平11−090478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
活性汚泥法における排水処理は、スカムと呼ばれる浮遊性の塊が形成されることによって生物処理工程(曝気槽)や沈殿工程における汚泥の沈降が妨げられ、深刻な処理不全に陥る。なお、これまでの研究で、スカムは一部の放線菌(主にノカルジア属)が異常増殖することによって引き起こされる可能性が高いと示唆されており、放線菌は活性汚泥処理におけるいわゆる悪玉菌とされている。
【0011】
特許文献1〜3をはじめとして多くの技術が提案されているが、前述したように水平展開が難しいという状況は変わらず、スカムの発生を広く有効に防止するには至っていない。そのため、スカムが発生した場合は消泡水の噴霧によりそれを物理的に解消し、沈降性を示す良好な状態に復帰させる対処がなされているが、その効率は悪く、常に費用面および衛生面で深刻な問題を引き起こしかねない状態にある。
【0012】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、汚泥の沈降性に優れた活性汚泥処理法、活性汚泥処理剤、活性汚泥処理装置および活性汚泥処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究した結果、土壌中に広く存在している糸状性のバクテリアである放線菌群の中に、腐植酸に対するめざましい吸着能と分解能を有する菌株が存在することを見出した。そして、本発明者らは、かかる菌株のこのような能力が活性汚泥処理法における生物処理の過程で優位に働くと考え、さらに研究を進めた結果、かかる菌株の生育環境を整えることで従来から問題となっている汚泥の沈降性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
つまり、本発明では、ノカルジア属とは性質の大きく異なるストレプトミセス属に着目し、その一部の菌株に見出された全く新しい性質に基づいて、これまでにない放線菌を活性化、増殖させる活性汚泥処理法、活性汚泥処理剤、活性汚泥処理装置および活性汚泥処理システムを提案するものである。
【0015】
前記課題を解決した本発明は、活性汚泥を用いて排水処理を行う活性汚泥処理法であって、排水にストレプトミセス属放線菌を投与して前記排水処理を行うことを特徴としている。本発明は、さらに、腐植酸を投与するのが好ましい。
また、本発明は、活性汚泥を用いて排水処理を行う活性汚泥処理法であって、ストレプトミセス属放線菌を含む排水に腐植酸を投与して前記排水処理を行うことを特徴としている。
前記した本発明は、さらに、金属イオンを投与するのが好ましい。前記ストレプトミセス属放線菌としてストレプトミセス・ガーナエンシスを用いることができる。
【0016】
また、本発明は、前記した活性汚泥処理法に用いられる活性汚泥処理剤であって、ストレプトミセス属放線菌を含むことを特徴としている。本発明は、さらに、腐植酸を含むのが好ましい。
また、本発明は、前記した活性汚泥処理法に用いられる活性汚泥処理剤であって、腐植酸を含むことを特徴としている。
前記した本発明は、さらに、金属イオンを含むのが好ましい。前記ストレプトミセス属放線菌としてストレプトミセス・ガーナエンシスを用いることができる。
【0017】
また、本発明は、前記した活性汚泥処理法に用いられる活性汚泥処理装置であって、ストレプトミセス属放線菌を含む活性汚泥処理剤または腐植酸を含む活性汚泥処理剤を保持する保持部を有することを特徴としている。
【0018】
本発明は、前記した活性汚泥処理法に用いられる活性汚泥処理システムであって、排水に空気を曝す曝気槽と、前記曝気槽に臨んで設けられ、ストレプトミセス属放線菌を含む活性汚泥処理剤または腐植酸を含む活性汚泥処理剤を保持する保持部を有する活性汚泥処理装置と、を有し、所定の信号に基づいて、前記保持部から前記曝気槽内へ前記活性汚泥処理剤を投与させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、汚泥の沈降性に優れた活性汚泥処理法、活性汚泥処理剤、活性汚泥処理装置および活性汚泥処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る活性汚泥処理装置を説明する斜視図である。
【図2】本発明の別の実施形態に係る活性汚泥処理装置を説明する構成断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る活性汚泥処理システムを説明する構成概念図である。
【図4】良好な曝気槽から採取した汚泥を用いて行ったキノンプロファイル分析のクロマトチャートである。なお、横軸は保持時間(min)であり、縦軸は吸光度(AU)である。
【図5】良好でない曝気槽から採取した汚泥を用いて行ったキノンプロファイル分析のクロマトチャートである。なお、横軸は保持時間(min)であり、縦軸は吸光度(AU)である。
【図6】汚泥抽出物の抗菌性試験の結果を示す写真である。写真中、右下はコントロールとして酢酸エチルのみをフィルターディスクに染み込ませた区画であり、右上は銅イオンを10ppm(上)と1ppm(下)をフィルターディスクに染み込ませた区画であり、左下は汚泥抽出物をフィルターディスクに染み込ませた区画であり、左上は汚泥抽出物と銅イオンをフィルターディスクに染み込ませた区画である。
【図7】ストレプトミセス属放線菌が優占化した汚泥に銅イオンを加えると汚泥の沈降性が向上する様子を示した写真である。(a)〜(c)はそれぞれ異なる曝気槽の汚泥であり、(a)〜(c)のそれぞれにおいて右側は銅イオンを添加したものであり(+Cu2+)、左側は銅イオンを添加していないものである(−Cu2+)。
【図8】得られた株の増殖が腐植酸の物性に及ぼす影響を調べるために、腐植酸を添加した栄養液体培地を用いて振盪培養を実施した様子を示す写真である。
【図9】図8に示したku156、ku160およびku162と類似の活性を示すht132株およびストレプトミセス・ガーナエンシスを用いて、腐植酸を添加した栄養液体培地にて振盪培養を実施した様子を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る活性汚泥処理法、活性汚泥処理剤、活性汚泥処理装置および活性汚泥処理システムを実施するための形態について詳細に説明する。
【0022】
《活性汚泥処理法》
本発明の一実施形態に係る活性汚泥処理法は、活性汚泥を用いて排水処理を行うものであって、排水にストレプトミセス(Streptomyces)属放線菌を投与して排水処理を行うというものである。このようにすると、排水中にストレプトミセス属放線菌が存在しない場合であっても、排水中でこれを増殖させ、優占化させることが可能となる。
【0023】
ここで、活性汚泥を用いた排水処理とは、排水処理施設において、一般的に、曝気槽(反応タンク、活性汚泥処理槽、接触槽などとも呼ばれている。)で行われる処理をいう。排水処理施設全体としては、当該曝気槽の前に流入タンクや沈砂槽などが設けられていてもよく、また曝気槽の後に汚泥沈殿槽や汚泥貯留槽、ろ過施設、消毒施設、高度処理施設などが設けられていてもよい。
活性汚泥とは、排水に含まれている有機物を酸化分解する微生物を繁殖させて生じる泥状の沈殿物をいう。
処理対象となる排水としては、汚水、厨房排水、雑排水、特殊排水、感染性排水、有害物質含有排水、放射性排水、雨水などが挙げられる。ここで、汚水とは、便器、汚物流しなどに類する衛生器具から排出されるもので、屎尿を含む排水をいう。厨房排水とは、大規模な厨房設備から排出され、多くの有機物質を含む排水をいう。雑排水とは、風呂、洗面台、洗濯機、小規模厨房など比較的汚染物濃度の低い排水をいう。特殊排水とは、工場、病院、研究所などから排出される排水のうち、一般の下水処理場で処理できない物質を含む排水をいう。感染性排水とは、感染性のある細菌等を含む排水をいう。有害物質含有排水とは、有害物質含む排水をいい、放射性排水とは、放射能を含む排水をいう。雨水とは、降雨や湧水などをいう。なお、厨房排水は、含有されている有機物質を減らす前処理を行ったものであるのが好ましく、特殊排水は、一般の下水処理場で処理できない物質を除去する処理を行ったものであるのが好ましい。また、感染性排水は、滅菌などして感染力をなくしたものであるのが好ましく、有害物質含有排水は、有害物質を取り除いたものであるのが好ましく、放射性排水は、放射能が減衰するまで貯留しておくのが好ましい。
【0024】
また、ストレプトミセス属放線菌は、抗菌活性物質(抗生物質)などの有用物質を豊富に生産する産業微生物であり、天然の生理活性物質として知られる化合物の約7割を生産することで知られている。生産された抗菌活性物質は、それに感受性を示す細菌群の増殖を抑制することで微生物群集の構造に影響を与えていると考えられている。また、放線菌による抗菌活性物質の生産はA−ファクターと呼ばれる低分子化合物に代表される細胞間シグナルによって調節されることが知られており、微生物間の相互作用に基づいてその機能が発現されることでさらに複雑な微生物群集構造の構築に関わっていると考えられている。また、放線菌は、腐植質の成分である腐植酸を主な炭素源として生育できる代謝系を有していると考えられており、その腐生性の生活環において多様な物質を分解する酵素を生産することも知られている。
【0025】
本発明においては、ストレプトミセス属放線菌のもつ前記した優れた特性によって、汚泥の物理化学的性状と微生物群集構造に作用し、沈降性を向上させていると考えられる。また、前記した優れた特性、例えば、抗菌活性物質により、悪臭源である硫黄化合物を生産する菌や病原菌などの増殖および/または働きを抑制する機能を発揮していると考えられる。そのため、ストレプトミセス属放線菌が排水中で優占化し易いように、ストレプトミセス属放線菌を排水に直接投与することで排水中での優占化を図っている。
【0026】
ストレプトミセス属放線菌を投与する排水処理を行うにあたっては、さらに腐植酸を投与するのが好ましい。
ストレプトミセス属放線菌は腐植酸に対して特に高い親和性を示すため、これを同時に投与して排水処理を行うと、汚泥中でストレプトミセス属放線菌が優占化する状況をつくり出すことができる。そのため、汚泥中の抗菌活性物質の濃度が高くなり、スカムの発生を抑制するとともに、硫酸還元菌等の生育を阻害して臭気を抑制することができるようになり、より良好な排水処理を行うことが可能となる。
【0027】
腐植酸は、腐植土や腐葉土などとも呼ばれている腐植質の構成成分であり、酸性の無定形高分子有機物である。腐植酸はフミン酸とも呼ばれており、腐植質のうちアルカリ性水溶液に可溶でかつ酸性水溶液に不溶なゲル状沈殿物として得ることができる。
腐植酸は、前記したように腐植質のうちアルカリ性水溶液に可溶でかつ酸性水溶液に不溶なゲル状沈殿物として得ることができるので、このようにして得られたものを投与することができる。なお、排水処理施設等の状況が許せば、腐植質(腐葉土)をそのまま投与してもよい。
かかる腐植酸の投与量としては、例えば、1〜1000ppmとすることができる。
【0028】
本発明においては、ストレプトミセス属放線菌の中でもストレプトミセス・ガーナエンシス(Streptomyces ghanaensis)を用いると、汚泥の沈降性を確実に向上させることができる。
ストレプトミセス属放線菌、特にストレプトミセス・ガーナエンシスは、自然界や活性汚泥処理施設などから単離したものを用いることができるが、市販品を用いることもできる。ストレプトミセス・ガーナエンシスは、例えば、NBRC(NITE Biological Resource Center)からNBRC番号15414にて購入可能である。
【0029】
ストレプトミセス属放線菌の排水への投与は、後述するペレット状の活性汚泥処理剤の形態で行うのが好ましいがこれに限定されるものではない。
【0030】
さらに、ストレプトミセス属放線菌を用いた排水処理にあたっては、金属イオンを投与するのがより好ましい。かかる金属イオンとしては、銅イオンが好ましい。金属イオンの投与により汚泥の沈降性が向上する。Microbial.Biotech.,2,p.343−360,2009によれば、銅酵素リジルオキシダーゼによりタンパク質分子を架橋して繊維構造に変化させ、菌体を凝集し、沈降させることが報告されている。従って、金属イオン、特に銅イオンの排水中への投与により、菌体の凝集にともなって汚泥の沈降性が向上するものと考えられる。
【0031】
金属イオンは、排水中で当該金属イオンを発生させることができれば投与形態はどのようなものであっても構わない。例えば、当該金属イオンを発生させ得る純金属体、合金体または有機物もしくは無機物との結合体として排水中に投与することができる。具体的には、銅イオンを投与する場合であれば純銅体、銅合金体、酢酸銅、硫酸銅などの形態で投与することができる。排水中における金属イオンの濃度は、銅イオンであれば、例えば、0.5〜100ppmなどとすればよい。
【0032】
また、本発明の他の実施形態に係る活性汚泥処理法は、活性汚泥を用いて排水処理を行うものであって、ストレプトミセス属放線菌を含む排水に腐植酸を投与して排水処理を行うというものである。
このような態様とすれば、排水中にもともと含まれているストレプトミセス属放線菌を増殖させて優占化し、排水を処理させることができるため、より簡便な方法である点で好ましい。
【0033】
以上に説明したように、本実施形態に係る活性汚泥処理法によれば、排水にストレプトミセス属放線菌を投与し、または、ストレプトミセス属放線菌を含む排水に腐植酸を投与して、活性汚泥を用いた排水処理を行うので、有機物濃度が高く且つ嫌気的な環境(排水および汚泥)であっても、排水処理によって曝気されることにより活性汚泥中で優占化させることができる。その結果、前記した優れた特性により汚泥の沈降性を向上させることができる。かかる効果は、金属イオンを投与することによってさらに向上させることができる。
【0034】
《活性汚泥処理剤》
次に、本発明の一実施形態に係る活性汚泥処理剤について説明する。
【0035】
一実施形態に係る活性汚泥処理剤は、前記した活性汚泥処理法に用いられるものであって、ストレプトミセス属放線菌を含んでなる。このようにすると、排水中にストレプトミセス属放線菌が存在しない場合であっても、排水中でこれを増殖させ、優占化させることが可能となる。
なお、かかるストレプトミセス属放線菌としてストレプトミセス・ガーナエンシスを用いることができることは既に述べたとおりである。
【0036】
かかる活性汚泥処理剤は、固形化してペレット剤とすることもできるが、ストレプトミセス属放線菌の培養液を水剤として用いることもできる。
ペレット剤の場合は、培養したストレプトミセス属放線菌を遠心分離等して沈殿物を得た後、必要に応じて乾燥を行って半乾燥状態から乾燥状態とし、市販の造粒機等によって任意の形状に成形することでこれを製造することができる。ペレット剤の大きさは、例えば、数mmから数cm程度であればよい。
水剤の場合は、ストレプトミセス属放線菌の培養液をそのまま用いることもできるし、必要に応じて遠心分離等を行って濃縮させたものを用いることもできる。
【0037】
かかる活性汚泥処理剤には、腐植酸および/または金属イオンを添加しておくことができる。腐植酸や金属イオンを含ませておくことのメリットは既に述べているので説明を省略する。また、腐植酸や金属イオンの投与形態、すなわち添加形態も既に述べているので説明を省略する。
活性汚泥処理剤には、必要に応じてpH調節剤や賦形剤等の添加剤を添加させておくこともできる。
また、腐植酸および/または金属イオンは、活性汚泥処理剤と別体で添加することも可能である。この場合、腐植酸や金属イオンの的確な維持、管理、添加量の調整が可能になる点で好ましい。
【0038】
また、他の実施形態に係る活性汚泥処理剤は、前記したストレプトミセス属放線菌を含む排水に腐植酸を投与して排水処理を行う活性汚泥処理法に用いられるものであって、腐食酸を含んでなる。活性汚泥処理剤におけるこのような態様は、排水中にもともと含まれているストレプトミセス属放線菌を増殖させて優占化し、排水を処理させることができるため、簡便な方法である点で好ましい。
【0039】
かかる活性汚泥処理剤は、前記したように、腐植質のうちアルカリ性水溶液に可溶でかつ酸性水溶液に不溶なゲル状沈殿物として得られるので、これをそのまま、または必要に応じて乾燥、濃縮、希釈、添加剤の添加などを行い、ペレット剤または水剤として提供することができる。
【0040】
以上に説明した活性汚泥処理剤によれば、ストレプトミセス属放線菌や腐食酸を含んでいるので本発明に係る活性汚泥処理方法に好適に用いることができるだけでなく、当該処理方法の効果を確実に奏することができる。また、かかる活性汚泥処理剤によれば、より好ましい態様として、ストレプトミセス属放線菌を含む活性汚泥処理剤に腐植酸を含ませたり、金属イオンを含ませたり、当該ストレプトミセス属放線菌がストレプトミセス・ガーナエンシスであったりするので、汚泥の沈降性に優れるという本発明所望の効果をより確実に奏することが可能となる。
【0041】
《活性汚泥処理装置》
次に、図1を参照して本発明に係る活性汚泥処理装置について説明する。
本発明に係る活性汚泥処理装置は、前記した活性汚泥処理法に用いられる装置である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る活性汚泥処理装置10は、頂点を下にした四角斜錘体の保持部11と、頂点部分に設けられた排出口12と、排出口12を開閉するシャッター13とを有してなる。
【0042】
この活性汚泥処理装置10では、ペレット剤の活性汚泥処理剤14を保持部11の上部の開口部から補充可能である。活性汚泥処理剤14は、排出口12がシャッター13によって閉状態となっている限り、当該保持部11内に保持され続ける。シャッター13が、排出口2の開口部付近に設けられた軸を中心にして、図示しないアクチュエータによって回動すると排出口12が露出する(つまり、開動作が行われる。)。シャッター13の開動作によって保持部11内に保持されていた活性汚泥処理剤14が排出口12から排出される。排出された活性汚泥処理剤14は、排出口12の下に設けられている曝気槽33(図1には図示せず、図3参照)の排水中に投与される。活性汚泥処理剤14を所定量投与した後、シャッター13が閉動作を行うことで活性汚泥処理剤14の投与を終了させることができる。
【0043】
なお、図1に記載の活性汚泥処理装置10は、その態様の一例を示したに過ぎず、前記したものに限定されるものではない。例えば、保持部11の形状は円柱状などとすることができ、シャッター13は排出口12の開口部に対して水平方向にスライドする平板であってもよい。また、活性汚泥処理材の排出を促すための振動装置を付設することもできる。
【0044】
活性汚泥処理剤が水剤である場合、活性汚泥処理装置は、図2に示すような態様とすることもできる。図2に示す活性汚泥処理装置20は、空気を送る送気ポンプ21と、送気ポンプ21と送気管22によって繋がれ、内部に水剤である活性汚泥処理剤23を収める保持部24と、保持部24の底部近傍に一方の開口端25aが配置され、他方の開口端25bが保持部24外に配置された導出管25とを有している。
【0045】
かかる活性汚泥処理装置20は、送気管22を介して送気ポンプ21から保持部24内に空気が送られると、保持部24内の圧力が高まり、活性汚泥処理剤23が導出管25を介して開口端25bから導出される。導出された活性汚泥処理剤23は、そのまますぐ下に設けられている曝気槽33(図2には図示せず、図3参照)の排水中に投与される。活性汚泥処理剤23を所定量投与した後、送気ポンプ21からの送気を止めることで活性汚泥処理剤23の投与を終了させることができる。
なお、送気ポンプ21は空気を送ることのできる市販されている一般的なポンプであればどのようなものでも用いることができる。また、保持部24は、送気ポンプ21からの送気によって容易に内圧を高められる程度の気密性を実現できる蓋体26とともに使用するのが好ましい。図2による図示では、この蓋体26に送気管22と導出管25を貫通させて設けているが、これらのうちの少なくとも一方を、保持部24を貫通させて設けることもできる。
【0046】
以上に説明した活性汚泥処理装置によれば、排水中にストレプトミセス属放線菌を確実に投与することが可能であるので、前述した活性汚泥処理方法を好適に実施させることができる。そのため、汚泥の沈降性に優れるという本発明所望の効果をより確実に奏することが可能となる。
【0047】
《活性汚泥処理システム》
次に、図3を参照して本発明に係る活性汚泥処理システムについて説明する。
本発明に係る活性汚泥処理システムは、前記した活性汚泥処理法に用いられるシステムである。
図3に示すように、本発明の一実施形態に係る活性汚泥処理システム30は、排水が流入されてこれを一時的に貯留する流入タンク31と、流入タンク31から流入された排水中の砂や小さな石を沈降除去させる沈砂槽32と、沈砂槽32で砂等が除去された排水に空気を曝す曝気槽33と、曝気槽33で処理した処理水に含まれる汚泥を沈殿させ、処理水のみを放流する汚泥沈殿槽34と、汚泥沈殿槽34で沈殿させた汚泥を貯留する汚泥貯留槽35と、を有してなる排水処理施設において、各槽および各槽を繋ぐ配管のうちの少なくとも一つに、前記した活性汚泥処理装置10が設けられている。なお、汚泥沈殿槽34で回収された処理水や汚泥は曝気槽33に戻される場合があり、汚泥貯留槽35で貯留された汚泥や処理水は、曝気槽33や流入タンク31に戻される場合もある。また、汚泥貯留槽35で貯留された汚泥は、いわゆる余剰汚泥として廃棄されるものもある。
【0048】
かかる活性汚泥処理システム30において、活性汚泥処理装置10は、例えば、流入タンク31の直前の配管に設けたり、沈砂槽32と曝気槽33の間の配管に設けたり、汚泥沈殿槽34と曝気槽33の間の配管に設けたり、汚泥貯留槽35に設けたりすることができる。
図3に示す活性汚泥処理システム30では、活性汚泥処理装置10に替えて、またはこれとともに図3において図示しない、活性汚泥処理剤23を収めた活性汚泥処理装置20(図2参照)を併用することもできる。以下、代表的に活性汚泥処理装置10を用いた場合について説明する。
【0049】
活性汚泥処理システム30は、所定の信号に基づいて、保持部11(図1参照)から曝気槽33内へ活性汚泥処理剤14を投与させる。
【0050】
前記した所定の信号としては、活性汚泥処理装置10と電気的に接続された検知器(図示せず)からの検知信号や、活性汚泥処理装置10と電気的に接続されたコンピュータ等の制御装置(図示せず)に予め入力されたプログラムが実行されて所定の間隔で発信される信号などが挙げられる。これらの信号は単独で用いることもできるが併用することも可能である。
【0051】
検知器の検知対象としては、例えば、汚泥沈殿槽34内の臭気が挙げられる。臭気としては、例えば、硫化水素が挙げられ、これの濃度が予め設定された所定値以上になったら検知信号を発信するにようにするとよい。硫化水素の濃度を測定する硫化水素濃度計は市販のものを使用することができる。
なお、信号は、SV(活性汚泥沈殿率:sludge volume)30を指標として発信させるようにすることもできる。ここで、SV30とは、曝気槽混合液を1Lのメスシリンダーに1L入れ、30分静置した後の沈殿汚泥の容積(mL)の割合(%)をいう。
プログラムによって発信される信号の所定の間隔としては、数時間から数週間の間で任意に設定することができる。
これらの所定の信号は、各排水処理施設にて通常運行できる範囲を維持できるように設定され、発信されればよい。
【0052】
以上に説明した活性汚泥処理システムによれば、排水中にストレプトミセス属放線菌を適宜または定期的に、確実に投与することが可能であるので、前述した活性汚泥処理方法を好適に実施させることができる。そのため、汚泥の沈降性に優れるという本発明所望の効果をより確実に奏することが可能となる。
【実施例】
【0053】
次に、本発明の効果を確認した実施例を示して具体的に説明する。
〔1〕予備的な検証
本発明者らは、実稼働している複数の排水処理施設において、汚泥の沈降と臭気の抑制が良好なものとそうでないものがあることに気づいた。そこで、これらの施設に存在する微生物の種類に着目した予備的な検証を行った。なお、検証はキノンプロファイル分析により行った。
キノンプロファイル分析は、アセトンに試料を溶解して沈殿してくる油脂成分を除去する前処理法を採用した。
【0054】
その結果、良好な曝気槽から採取した汚泥からは、ストレプトミセス属放線菌の存在を示唆するデータが得られた。すなわち、図4に示すように、良好な曝気槽の活性汚泥から抽出した呼吸鎖キノン種に、ストレプトミセス属放線菌群が保有するキノン種MK9−(H8)(図4において9H8と表示)が高い頻度で検出された。なお、これとは対照的に良好でない曝気槽では、図5に示すように、キノン種MK9−(H8)(図5において9H8と表示)の検出頻度は低かった。
【0055】
また、良好な曝気槽の汚泥から酢酸エチルを用いて抽出した物質(汚泥抽出物質)および銅イオンのうちの少なくとも一方をフィルターディスクに染み込ませ、検定菌を一面に播いたシャーレ内に置いて培養した。なお、コントロールとして、酢酸エチルのみを染み込ませたフィルターディスクも当該シャーレ内に置いた。
【0056】
その結果、図6に示すように、汚泥抽出物質を染み込ませたフィルターディスク(左下)、および汚泥抽出物質と銅イオンを染み込ませたフィルターディスク(左上)の周囲は透き通り、検定菌が増殖していないことが確認された。つまり、これらについて顕著な抗菌活性が認められた。
【0057】
ここで、前記した良好な曝気槽では、臭気の抑制と汚泥の沈降性向上に実効性が期待されている腐植ペレットを投入していた。腐植質は土壌を主な棲息域とする放線菌群の生理にとって重要な役割を果たしていると考えられている。実際、放線菌を分離する作業には腐植質の構成成分である腐植酸を成分とする培地を使用することで、放線菌の分離を高い確率で行えることが知られている。これは放線菌群が腐植酸を主な炭素源として生育できる代謝系を有しているためと考えられる。
【0058】
以上の状況証拠から、一つの可能性として、腐植ペレットを投入した曝気槽では、それによって増殖が促進されるストレプトミセス属放線菌の生育が活発になることでその優占化が進み、その結果として汚泥中の抗菌活性物質の濃度が高まったものと考えられた。また、この抗菌活性により、臭気の原因菌群である硫酸還元菌等の生育が阻害され、臭気の抑制にプラスに作用している可能性が考えられた。
【0059】
なお、ストレプトミセス属放線菌の優占化がなぜ汚泥の沈降に促進的に働くかについての理由は不明であるが、示唆的な観察として、ストレプトミセス属放線菌が優占化した汚泥に銅イオンを加えると汚泥の沈降性が向上するという結果が得られた。その様子を図7に示す。
【0060】
図7の(a)〜(c)はそれぞれ異なる曝気槽の汚泥である。(a)〜(c)のそれぞれにおいて右側は銅イオンを添加したものであり(+Cu2+)、左側は銅イオンを添加していないものである(−Cu2+)。(a)〜(c)のいずれにおいても図7に示すように、銅イオンを添加したものは汚泥の沈降性が向上し、汚泥の色が濃くなっていた。
Microbial.Biotech.,2,p.343−360,2009)によれば、ストレプトミセス属放線菌は銅酵素リジルオキシダーゼの活性を介して菌体の凝集・沈降を引き起こすことが報告されている。従って、蛋白質分子を架橋することで繊維構造の物性を変化させることが知られる本酵素の働きが銅イオンの添加によって促進され、それによって菌体の凝集が引き起こされ、汚泥の沈降性を向上させている可能性が考えられる。
【0061】
〔2〕放線菌の分離と腐植酸親和性の確認
以上の予備的な検証から、実稼働している排水処理施設の曝気槽の良好な運転にストレプトミセス属放線菌が関与していることが示唆された。当該菌群は、抗菌活性物質をはじめとする様々な生理活性物質を生産することで知られる産業微生物であり、特にその抗菌活性物質生産のメカニズムとカビに似た形態を形成する分化メカニズムについて分子生物学的な研究が詳しく進められてきたが、その一方で環境動態に関する知見は乏しい。
【0062】
予備的な検証で確認された現象は、有機物濃度が高く嫌気的な環境である汚泥に腐植酸を添加して得られる、ストレプトミセス属放線菌のこれまでに知られていない振る舞いによるものと推察された。
【0063】
そこで、特に良好な処理が行われている曝気槽の汚泥試料から放線菌の分離を試みた。放線菌の分離はSDS前処理法にて行った。つまり、土壌試料をSDS−酵母エキス(製品名)溶液に懸濁して35℃で熱処理を行い、腐植酸を添加した培地(HV培地)に処理した土壌懸濁液を塗布して放線菌を選択的に分離した。その結果、回分槽から7株、接触槽から7株、貯留槽から4株が得られた。
【0064】
次に、得られた株の増殖が腐植酸の物性に及ぼす影響を調べるために、腐植酸を添加した栄養液体培地(Bennett’s−maltose培地:0.1%Yeast Extract(Difco社製)、0.1%魚エキス(極東製薬工業社製)、0.2%NZアミン(和光純薬工業社製)、1.0%マルトース(国産)、pH7.2(1N NaOHで調整))を用いて振盪培養を実施した。その結果、図8に示すように、回分槽から得られた1株(ku156)および接触槽から得られた2株(ku160およびku162)が栄養液体培地中の黒色の腐植成分を除去する(放線菌が腐植成分を吸着し、試験管上部の内壁に付着させる)活性を持つことがわかった。特に、接触槽から得られた2株(ku160およびku162)は、栄養液体培地中の腐植成分を沈降させる性質も示した。
【0065】
そこで、これに類似の活性を示す放線菌を、日本大学生物資源科学部応用生物科学科生命工学研究室で保有する放線菌株約200株を対象に検索した結果、図9に示すように、ht132株およびストレプトミセス・ガーナエンシス(Streptomyces ghanaensis)の2株に、分離されたku160およびku162と同様かつ顕著な活性が認められた。
【0066】
特に、ストレプトミセス・ガーナエンシスはめざましい腐植酸除去活性を示した(図9右図参照)。また、ストレプトミセス・ガーナエンシスを含むいくつかの株には、吸着と同時に脱色する酵素活性を示すものが認められた。これらの菌株、特にストレプトミセス・ガーナエンシスを培養することによって腐植質が取り除かれた培養液は脱色され、顕著に清澄化した。脱色の理由としては、菌体が腐植酸を吸着して沈降および試験管上部の内壁に付着させて除去したためと、腐植酸を代謝する酵素活性によって分解が進んだための双方が考えられた。
【0067】
以上の結果から、一部の放線菌には腐植質に特に高い親和性を有するものが存在し、その作用によって腐植酸の物性に顕著な変化が引き起こされることが明らかになった。
また、ストレプトミセス属放線菌のもつこれらの特性を活かした活性汚泥処理法、活性汚泥処理剤、活性汚泥処理装置および活性汚泥処理システムを実現すれば、排水処理施設の曝気槽における排水処理において、汚泥の沈降性を優れたものとすることができることが強く示唆された。
【符号の説明】
【0068】
10 活性汚泥処理装置
11 保持部
12 排出口
13 シャッター
14 活性汚泥処理剤
20 活性汚泥処理装置
21 送気ポンプ
22 送気管
23 活性汚泥処理剤
24 保持部
25 導出管
25a、25b 開口端
26 蓋体
30 活性汚泥処理システム
31 流入タンク
32 沈砂槽
33 曝気槽
34 汚泥沈殿槽
35 汚泥貯留槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性汚泥を用いて排水処理を行う活性汚泥処理法であって、
排水にストレプトミセス属放線菌を投与して前記排水処理を行う
ことを特徴とする活性汚泥処理法。
【請求項2】
請求項1に記載の活性汚泥処理法であって、
さらに、腐植酸を投与することを特徴とする活性汚泥処理法。
【請求項3】
活性汚泥を用いて排水処理を行う活性汚泥処理法であって、
ストレプトミセス属放線菌を含む排水に腐植酸を投与して前記排水処理を行う
ことを特徴とする活性汚泥処理法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の活性汚泥処理法であって、
さらに、金属イオンを投与することを特徴とする活性汚泥処理法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の活性汚泥処理法であって、
前記ストレプトミセス属放線菌がストレプトミセス・ガーナエンシスである
ことを特徴とする活性汚泥処理法。
【請求項6】
請求項1、2、4または5に記載の活性汚泥処理法に用いられる活性汚泥処理剤であって、
ストレプトミセス属放線菌を含む
ことを特徴とする活性汚泥処理剤。
【請求項7】
請求項6に記載の活性汚泥処理剤であって、
さらに、腐植酸を含む
ことを特徴とする活性汚泥処理剤。
【請求項8】
請求項3〜5のうちのいずれかに記載の活性汚泥処理法に用いられる活性汚泥処理剤であって、
腐植酸を含む
ことを特徴とする活性汚泥処理剤。
【請求項9】
請求項6〜8のうちのいずれかに記載の活性汚泥処理剤であって、
さらに、金属イオンを含む
ことを特徴とする活性汚泥処理剤。
【請求項10】
請求項6〜9のうちのいずれかに記載の活性汚泥処理剤であって、
前記ストレプトミセス属放線菌がストレプトミセス・ガーナエンシスである
ことを特徴とする活性汚泥処理剤。
【請求項11】
請求項1〜5のうちのいずれかに記載の活性汚泥処理法に用いられる活性汚泥処理装置であって、
ストレプトミセス属放線菌を含む活性汚泥処理剤または腐植酸を含む活性汚泥処理剤を保持する保持部を有する
ことを特徴とする活性汚泥処理装置。
【請求項12】
請求項1〜5のうちのいずれかに記載の活性汚泥処理法に用いられる活性汚泥処理システムであって、
排水に空気を曝す曝気槽と、
前記曝気槽に臨んで設けられ、ストレプトミセス属放線菌を含む活性汚泥処理剤または腐植酸を含む活性汚泥処理剤を保持する保持部を有する活性汚泥処理装置と、を有し、
所定の信号に基づいて、前記保持部から前記曝気槽内へ前記活性汚泥処理剤を投与させる
ことを特徴とする活性汚泥処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−99712(P2013−99712A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244314(P2011−244314)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】