活性物質拡散装置およびその提供、使用方法
活性物質拡散装置が容器と活性物質放出用装置とを備え、この装置は使用時には容器の内部に配設されるようになっている。拡散装置は更に、容器の頂部に配置され、かつこの装置の不使用時に装置を容器内部に囲い込むカバーを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は拡散装置に関し、特に活性物質の拡散用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
市場には多数の活性物質用拡散装置または拡散器が存在する。このような装置の多くは、その中の液体活性物質を分散させるのに周囲の空気の流れのみを必要とする受動装置である。他の装置はバッテリ駆動ないしは電気プラグから電力の供給を受けるものである。電気プラグと装置の間はコードでつないでもよいし、装置にプラグが直接組み込まれていてもよい。
【0003】
活性物質を拡散装置から分与するさまざまな手段もまた、当分野において知られている。例えば、ある種の拡散装置は、活性物質を加熱して、その蒸発を促進するための加熱素子あるいは他の加熱用熱源を備えている。またほかの拡散装置は、ファンを用いて空気流を発生させ、活性物質を拡散装置から周囲の環境へ向かわせる。別のタイプの拡散装置では、空気パルスを発生して活性物質のリングを追い出すボーラス(bolus)発生器を利用して、活性物質が装置から放出される。更に別の拡散装置は、超音波振動子を利用して活性物質を飛沫に分解して装置から放出する。
【0004】
振動方式による液体の噴霧装置は、Helf他による特許文献1、Martin他による特許文献2、Tomkins他による特許文献3、Martens,III他による特許文献4、Helf他による特許文献5、Boticki他による特許文献6に説明されている。これらはすべて本出願の譲受人に譲渡されており、本願に引用して援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,293,474号明細書
【特許文献2】米国特許第6,341,732号明細書
【特許文献3】米国特許第6,382,522号明細書
【特許文献4】米国特許第6,450,419号明細書
【特許文献5】米国特許第6,706,988号明細書
【特許文献6】米国特許第6,843,430号明細書
【0006】
これらの特許は液体噴霧プレートに結合された圧電アクチュエータ素子を備える装置を開示している。圧電アクチュエータ素子は、アクチュエータ素子に印加される交流電圧に応答して液体噴霧プレートを振動させる。このプレートの振動によって液体送出システムから供給される液体を噴霧化する。アクチュエータ素子の相対向する両側の電気接触用の導体素子に交流電圧を供給する電気回路が設けられている。この導電素子はアクチュエータ素子および液体噴霧プレートを、装置を内蔵しているハウジング内に支持する役目も果たしている。
【0007】
ろうそくを模したさまざまな発光装置が当分野では知られている。そのような装置の1つは、円筒形本体を備え、その内部に発光ダイオード(LED)が配設されて柱状のろうそくを模擬している。この装置はスイッチ素子を含み、その入・切によりLEDをオン・オフする。LEDがオンされるとタイマがスタートし、所定時間の経過後にLEDがオフされるようにタイマが設定される。他の発光装置はワックスあるいはワックス様の材料でできている。他のものでは、本物のろうそくが揺らめくようにLEDを明滅させるための明滅プログラムが実装されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、活性物質拡散装置が、容器と、活性物質放出用の装置とを備え、この装置は使用時において容器の内部に配設されるようになっている。拡散装置は更に、容器の頂部に配設され、かつこの装置の不使用時に装置を容器内部に囲い込むカバーを備える。
【0009】
本発明の別の態様によれば、活性物質拡散装置が、開口を有する容器と、活性物質放出用の装置とを備え、この装置は容器の開口内に配設される。 拡散装置は、開口を閉じかつ容器内に装置を囲い込むための、容器に取り外し自在に取り付けられた可撓性カバーを更に備え、カバーの一部に加えられた圧力が装置に伝達されて装置を作動させる。
【0010】
本発明の更なる態様によれば、活性物質拡散装置を提供する方法が、容器と、活性物質放出用の装置と、容器のカバーとを提供するステップを含む。本方法は更に、装置が容器の中に配設され、カバーが容器に取り外し自在に取り付けられている場合に、ユーザにカバーを下向きに押させて装置を作動させるステップを含む。
【0011】
本発明の更に別の態様によると、活性物質拡散装置の使用方法が、装置が活性物質を放出する容器内部の位置に装置を配置するステップを含む。この方法は更に、容器内に装置を囲い込むために容器の頂部にカバーを配置し、装置を作動させるためにカバーに押圧するステップを含む。
【0012】
本発明のその他の態様及び利点は以下の詳細な説明および添付の図面とによって明らかとなるであろう。図面において、同様な要素には同様な符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】光および活性物質放出装置の上面等角投影図である。
【図2】図1の装置の上面等角投影図である。
【図3】図1の装置からカバー部分を除去した状態を示す上面等角投影図である。
【図4】図1の装置からカバー部分とハウジングカバーとを取り除いた分解組立図である。
【図5】図1の装置に描かれているハウジングカバーを示す上面等角投影図である。
【図6】図1の線6−6に概ね沿った断面図である。
【図6A】図1の装置に挿入するための、活性物質を含む貯蔵器の上面不等角投影図である。
【図7】図1の装置の電子回路を示す上面等角投影図である。
【図8】図1の装置の底面図である。
【図9】図1の線9−9に概ね沿った断面図であり、カバー部を示している。
【図10】容器に配設された図1の装置を示す等角投影図である。
【図11】図10の線11−11に概ね沿った断面図である。
【図12】図10の容器用のカバーの側立面図である。
【図13】図12の線13−13に概ね沿った断面図である。
【図14】図12のカバーの底面立面図である。
【図15】図12のカバーの底面不等角投影図である。
【図16】図11と同様の断面図である。ここでは図12のカバーが容器の頂部に配設されている。
【図17】図11と同様の断面図である。ここでは図12のカバーが容器の下に配設されている。 全図面を通じて、同様もしくは対応する符号は同様もしくは対応する部品に使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
光および活性物質を放出する装置400の実施形態を図1〜図9に示す。図1、図2、図4を参照すると、装置400は通常、カバー部404およびベース部406とを含んでいる。ベース部406は通常、ベース408と、装置400用の制御回路(後述する)を取り囲むベース408の上に配設されたハウジング410とを含む。柱412はハウジング410から上方に伸長し、好ましくはハウジング410と一体をなしている。更に、アーム部414が柱412から直交方向に伸長し、柱412と一体をなしている。アーム部414は、その中心部418を貫通して伸長するアトマイザアセンブリ(噴霧器組立体)416の形をした活性物質分与器(散布器)を含む。
【0015】
Helf他による米国特許第6,293,474号明細書、Denen他による米国特許第6,296,196号明細書、Martin他による米国特許第6,341,732号明細書、Tomkins他による米国特許第6,382,522号明細書、Martens,III他による米国特許第6,450,419号明細書、Helf他による米国特許第6,706,988号明細書、Boticki他による米国特許第6,843,430号明細書、Helf他による米国特許第6,896,193号明細書に記載のアトマイザアセンブリの任意のものが、アトマイザアセンブリ416として利用可能である。これらはすべて本出願の譲受人に譲渡されており、本願に引用して援用する。一般的にこれらのアセンブリは交流電圧を圧電素子に印加して素子の伸縮を生じさせる。圧電素子は穴開きオリフィスプレート419に結合しており、オリフィスプレートが表面張力で順次液体ソースと接触する。圧電素子の伸縮がオリフィスプレートの上下振動を引き起こし、その結果オリフィスプレートの開口を通して液体が追い出され、それがエアロゾール粒子となって上方へ放出される。
【0016】
好ましくは、活性物質放出のために、活性物質を内蔵する貯蔵器420が、アトマイザアセンブリ416に隣接して活性物質ディスペンサの中へ挿入される。活性物質は好ましくは液体物質であり、1つまたは複数の香料、殺菌剤、消毒剤、昆虫防除活性成分薬剤(殺虫剤、昆虫忌避剤、昆虫誘引剤、およびその他の昆虫の行動および成長を阻止ないしは緩和する活性成分などを含む。ただしこれに限定されるものではない。ここで、実際の昆虫と共に、一般的に同様の手段で制御される節足動物を含めて“昆虫”と定義する。)、空気浄化剤、アロマセラピ香料、防腐剤、除臭剤、エアフレッシュナ、脱臭剤、およびその他の空気中へ効果的に散布される活性成分を含む。
【0017】
図3、図4、図6、図6Aに示すように、貯蔵器420はネック424(図6A参照)のある透明円筒容器422からなる。図6Aを参照すると、栓兼用の芯ホルダ426がネック424に取り付けられ、栓兼芯ホルダ426が等間隔で横方向へ伸長する3つの取付突起428a〜428cを含む。芯430は貯蔵器422の内部に配設され、その内部の流体と接触している。芯432の上端432はネック424を越えて伸長し、また芯430の下端434は貯蔵器420の内部でその底面440に向かって配設される。芯430は毛管現象によって、貯蔵器420の内部から芯430の上端432まで液体を移送する。取付突起428a〜428cをアーム部414の対応する差込みピンスロット(bayonet slot)(図示せず)に位置合わせし、貯蔵器420を上に押し込んで取付突起428a〜428cをそれぞれに対応する差込みピンスロットに挿入することによって、液体貯蔵器420はアーム部414へ挿入される。貯蔵器420をその後回転させて、それぞれの差込みピンスロットの回転止め部を画定している壁に取付突起428a〜428cを係合させる。そうして貯蔵器420を装置400の内部に固定する。所望によっては、取付突起428a〜428cとそれぞれの差込みピンスロットとは、等間隔に配置されていなくてもよいし、また任意の数の取付突起428a〜428cおよび差込みピンスロットを用いてもよい。
【0018】
図3および図4で最もよく分かるように、キャップ524がアトマイザアセンブリ416を覆って配設され、アトマイザアセンブリ416の部品を隠す。図4および図6で分かるように、アーム部414は好ましくはアーム部から上向きに伸長した複数の突起526を含み、この上向きに伸長した突起526から外方向に伸長する突起528がある。外方向に伸長する突起528はキャップ524の内周532から伸びる環状リップ530と係合するようになっており、キャップ524がアトマイザアセンブリ416を覆って固定される。キャップ524は更にその中に中央円形開口534を含み、アトマイザアセンブリ416から放出された活性物質が開口534を通るように方向づけられる。
【0019】
図3および図5を参照すると、ベース部406は、ハウジング410の頂部に配設されたハウジングカバー540を更に含む。図5から分かるように、ハウジングカバー540が複数の下向きに伸長する突起542を含む。ここで、この下向きに伸長する突起542のそれぞれの底部546から外向きに突起544が伸長する。ハウジング410はその頂部548に複数の切り込み部547を含む。ここで、下向きに伸長する突起542が切り込み部547の内部へ入り込み、外向きに伸長する突起544の頂部550がハウジング410の内側上面552(図6)と係合して、ハウジングカバー540をハウジング410上に保持するようにする。
【0020】
図5において最もよく分かるように、ハウジングカバー540が上方向に伸びる柱554を更に備え、これがハウジング410から伸びる柱412と相互に合わさって、ハウジングカバー540がハウジング410上に配設されている場合に通路555を形成する。好ましくは、制御回路の電気部品からアトマイザアセンブリ416へ伸びる結線は通路555内に配設され、結線が隠され、保護される。また、好ましくは柱412,554は透明もしくは半透明の材料、好ましくは透明化されたプロピレンなどの透明化物質でできていて、柱412、554の中を光が通過することができる。更には、ハウジングカバー540が、光拡散器や光パイプ、レンズあるいはその類の光制御装置556をカバーの中心部560に備え、この光制御装置556は好ましくはハウジングカバー540に固定されているかもしくは一体に組み込まれている。図6でよく分かるように、光制御装置556は一般に、その底部564に空洞562を含む。光制御装置556の種々の実施形態については後で詳述する。
【0021】
図6に示すように、装置のベース部406は570で示す制御回路を囲む。特にベース408はベースから上に伸びプリント回路基板(PCB)574を支える支持構造572を含む。LED576はPCB574と動作的に連結し、PCB574の中央部578から上に伸びている。図7および図8からよく分かるように、オプションの周波数アクチュエータアーム580がベース408の底部にある矩形の開口582を通って伸長する。放出周波数アクチュエータアーム580がある場合には、これはスライドスイッチ583と動作的に連結し、スライドスイッチ583はPCB574と動作的に連結している。アクチュエータアーム580は5つの選択位置を含み、アトマイザアセンブリ416の放出周波数を制御する。オプションとしてアクチュエータアーム580は、代わりに2つの選択可能位置の間を動くことが可能であってもよい。アクチュエータアーム580が第1の位置に配置された場合には、装置400がオンされ、アクチュエータアーム580が第2の位置に配置された場合には、装置400がオフされる。更に、アクチュエータアーム580は、代わりに任意の数の選択位置の間を動くことが可能であってもよい。スライドスイッチ583はスイッチから伸びたボタン584を含み、このボタンがスライドスイッチ583にあるスロット586に沿って5つの停止位置のいずれかへ動くことができる。アクチュエータアーム580から伸びたヨーク588がボタン584の両サイドを囲み、ボタン584をスロット586に沿って動かす。アクチュエータアーム580の位置をユーザが選択をすると、スロット内のボタンが動いて、アクチュエータアーム580の現在位置をスライドスイッチ583に指示する。スライドスイッチ583の位置はPCB574で検知される。PCB574に搭載された部品が、アクチュエータアーム580の位置に応答してアトマイザアセンブリ416を制御する。それぞれの位置によって滞留時間、すなわちアトマイザアセンブリ416による活性物質の放出から放出までの時間を画定する時間間隔が異なる。一実施形態ではアクチュエータアーム580が5つの選択可能位置を含み、それぞれの位置が滞留時間で250ミリ秒、335ミリ秒、425ミリ秒、500ミリ秒、およびオフ(活性物質の放出なし)に対応する。そのような滞留時間は、ある領域に活性物質を連続的に充満しておくのに効果を発揮し、昆虫防除活性成分のようなある種の活性物質の効能を増加させる。前に述べたように、PCB574からアトマイザアセンブリ416まで結線が伸びており、アクチュエータアーム580の位置に基づいてアトマイザアセンブリ416を作動させる。
【0022】
PCB574は、上方向に伸びた押込みボタン602を有するスイッチ600を更に含む。ボタン602を押すと、LED576の通電状況に応じてLED576がオンあるいはオフする。オプションとして、ボタン602を押すことで、アトマイザアセンブリ416のオン・オフ状態を切り替えることもできる。ボタン602の作動および制御回路570の操作については更に詳細を以下で述べる。
【0023】
上記のように、ハウジング410はPCB574やその他の制御回路およびLED576を囲んでいる。ハウジング410にハウジングカバー540が付いている場合には、既に詳細を述べたように、LED576は光制御装置556の底部564にある空洞562の中に配設されて、LED576から放出された光が光制御装置556で反射および屈折される。
【0024】
図8を参照すると、装置400の底部406には電池用の窓620があり、その第1の端にヒンジ622を、第2の端628にラッチ機構626を含んでいる。ラッチ機構626は、ベース部406にあるロック用窪み630と相互に作用して電池用の窓620を閉位置に保持する。ラッチ機構626は撓ませることによってロック用窪みからラッチ機構626を開放することができ、電池用の窓620はヒンジ622を中心に回動して(電池用の窓620を)開くことができ、電池室631へのアクセスが可能となる。
【0025】
図6から更に分かるように、装置400の底部406には2つの電池640が含まれ、好ましくはここから直流が供給され、それが高周波交流電力に変換されてアトマイザアセンブリ406およびLED576へ選択的に印加される。オプションとして、装置400は家庭用交流を使用できる。これは整流され、高周波交流電力へ変換された後電圧を下げて、アトマイザアセンブリ416および/またはLED576へ間歇的に印加される。電池640は、“A”、“AA”、“AAA”、“C”、“D”電池などの任意の普通の乾電池、ボタン電池、時計用電池、太陽電池であってよい。ただし好ましくは、電池640は“AA”もしくは“AAA”の乾電池である。2つの電池が望ましいが、装置400の内部に好適に収まり、適正な電力レベルおよび使用寿命があれば任意の数の電池を利用してよい。
【0026】
ベース部406は更に、活性物質放出装置400を固定する一助となる、ベースから伸長した脚642を所望により含んでよい。4つの脚642が図示されているが、装置を固定するために任意の好適な数の脚642を利用してもよい。
【0027】
図9を参照すると、カバー部404が、第1の直径を有する下側円筒壁650と、好ましくは第1の直径よりも小さい第2の直径を有する上側円筒壁652とを含む。斜めの壁654が下側円筒壁650を上側円筒壁652に接続する。カバー部404は更に、上側円筒壁652に隣接し、かつその中央部分に配設された円形開口658を有する、円形頂部壁656を備える。
【0028】
図6に示すように、カバー部404は、装置400の使用時にはベース部406を覆って配置される。特に、図9に詳細を示すように、カバー部404が、下側円筒壁650の外周662に互いに相対向する位置に配設された第1および第2の開口660a、660bを含む。ベース部406は、図3に示すように、ハウジング410の対向する側から伸長する第1および第2のばね挟み664a、664bを含む。それぞれのばね挟み664a、664bは、そこから外方向に伸びる突起666a、666bをそれぞれ含む。使用時にはカバー部404がベース部406を覆って配置され、上側円筒壁652が柱412、アーム部414およびアトマイザアセンブリ416を囲み、下側円筒壁650がハウジング410の外壁668に当接する。カバー部404は更に、アトマイザアセンブリ416がカバー部404の頂部壁656にある開口658に整列するようにベース部406を覆う。開口658は、アトマイザアセンブリ416で噴霧化されて装置400から放出される活性物質の出口を提供する。カバー部404をベース部406を覆って配置する際に、ばね挟み664a、664bをユーザが内側に押しつける。下側円筒壁650の開口660a、660bが、ばね挟み664a,664bから伸びる突起666a、666bに整列すると、ユーザはばね挟み664a、664bを離してよい。ばね挟み664a、664bが離されると、突起666a、666bが外側に動いて開口660a、660bに入る。これにより、突起666a、666bをそれぞれ画定する壁670a、670bが、それぞれの開口660a、660bを画定する壁672a、672bと干渉してカバー部404がベース部406から外れないようにする。ユーザがカバー部404を外そうとする場合には、ばね挟み664a、664bを内側に押してカバー部404を外せばよい。
【0029】
図9でよく分かるように、カバー部404の上側円筒壁652と斜めの接続壁654との交点部分から下に伸長する環状リング680を、カバー部404は更に含む。図5に示すように、ハウジングカバー540が、ハウジングカバー540の外周686から内側方向へ伸びた細孔684により部分的に画定される複数のばね板682を含む。ばね板682のそれぞれは、図5でよく分かるようにそこから下方向へ伸びる突起688を含む。環状リング680はこのばね板682の上に乗る。ばね板は弾力があり、上方向に付勢された曲げ材として作用する。こうして図1及び図2に示すように、突起666a、666bの上側面692a、692bが開口660a、660bの上側壁694a、694bから離れて間に空隙690a,690bができるような位置にカバー部404が付勢される。空隙690a,690bにより、カバー部404はハウジング410に対して相対的に上下方向の移動が可能となる。従ってユーザは、曲げ材として作用する弾力のあるばね板682の付勢力に抗してカバー部404を下方向へ押しつけることができる。この圧力によって、ばね挟み664a、664bの突起666a、666bの上側面692a、692bが開口660a、660bの上側壁694a、694bにそれぞれ接するまでカバー部404を下方向へ動かすことが可能となる。カバー部404が下へ動くと、環状リング680がばね板682を下方向へ曲げる。ばね板682が下方向へ動くと、ばね板682から下に伸びて押込みボタン602に整列している(位置合わせられている)突起688の1つが、押込みボタン602に接触し、スイッチ600を作動させる。スイッチ600の状態の変化はPCB574で検知され、後に詳述するように、LED576および/またはアトマイザアセンブリ416が、LED576および/またはアトマイザアセンブリ416の通電状態に応じて(既定の時間内だけ)オンされたり、オフされたりする。
【0030】
カバー部404は好ましくはガラスおよび/または高分子樹脂などの透明もしくは半透明材料でできていて、カバー部404が光の拡散器として機能する。カバー部404を通る光を均一に分散させるために、カバー部404の内表面696および/または外表面698のすべてもしくは一部分が、艶消し面、被膜、粗面、テキスチャ面、および/または類似の表面処理を含んでもよい。オプションとして、ハウジング410の下側部分699(図6)あるいはカバー部404の下側円筒壁650の1つまたは複数が、装置400の外から装置400の電子回路が見えないように移し絵や他の目隠し要素を含んでもよい。更に別のオプションとして、移し絵や他の目隠し要素をカバー部404の上側円筒壁652に配置してもよい。
【0031】
図10、図11から分かるように、活性物質放出装置400はその使用のために容器700の中に配置してもよいし、表面に置いて単独で使用してもよい。容器700は好ましくは光拡散器として作用し、ガラスおよび/または高分子樹脂などの透明あるいは半透明材料でできていてもよい。容器700を通過する光を相対的に均一に分散させるために、容器の内表面702および/または外表面704のすべてもしくは一部分が、艶消し面、被膜、粗面、テキスチャ面、および/またはその類似の表面処理を含んでもよい。オプションとして、ステッカ705やその他の像形成装置(移し絵など)をその表面に配置することにより1つまたは複数の像を容器700上に形成してもよい。更なるオプションとして、所望の形や影を投影するために光制御装置556にエッチング画像を形成してもよい。
【0032】
ここで容器の一形態が示されたが、装置400がその内部に十分収納できさえすれば、任意の容器形状が検討されてもよい。
【0033】
図11を参照すると活性物質放出装置400が容器700の内部に配設され、装置400の脚642が容器700の底部708の上側面706上に乗っている。好ましくは、下側および上側の円筒壁650、652の部分が容器700の内表面702に接触することなしに、装置400が容器700内に納まる。図11で更に分かるように、ハウジングカバー540の頂部壁656が、容器700の頂部722の環状縁720に整列する。オプションとして、ハウジングカバー540の頂部壁656は、環状縁720の下あるいは上に配設されてもよい。
【0034】
LED576から装置400の縦方向の軸730に沿って上方向に放出された光は、LED576の上部に配置されているアトマイザアセンブリ416および貯蔵器420のために装置400から出ることが妨げられる。LED576の上および周りを取り囲むように配設された光制御装置556は、LED576から放出された光を反射および/または屈折するようになっている。縦方向軸730に沿って上方向に放出された光の大部分は、光制御装置556によって反射および/または屈折され、装置400の中央部分を通って放射状に外方向へ放出される。図10で分かるように、このため光は、容器700および装置400の頂部742付近ではなく、その中央部分740辺りに向けられる。
【0035】
容器700用のカバー800を図12〜図17に示す。図12に示すように、カバー800が、第1の直径D1および第1の環状フランジ804を有する上部壁802を含み、環状フランジ804は上部壁802から下方向かつ外方向に伸びている。第1の環状フランジ804は第2の直径D2を有する下部拡がり806を有し、好ましくはD2は第1の直径D1より大きい。
【0036】
カバー800は好ましくは滑りやすさを低減するためのテキスチャ面を有し、ゴムや可撓性熱可塑性プラスチックなどの可撓性材料でできている。好ましい材料は低密度のポリエチレンかサントプレンであり、好ましくは通常の(当業者には材料および製造手段が周知の)UV遮蔽剤が添加されている。
【0037】
図13〜図15を参照すると、第2の環状フランジ810が上部壁802の下側面809から下方向に伸びていて、第1の環状フランジ804より半径方向の内側に配設されている。第2の環状フランジ810は3つの部分フランジ811a〜811cで構成されており、それぞれが傾斜側面812および略垂直の側面814を含んでいる。ここで、傾斜面812および垂直面814はそれぞれ第1の高さH1、および第2の高さH2を有する(図13)。必ずしもそうである必要はないが、好ましくは傾斜面812の高さH1が垂直面814の高さH2よりも小さい。傾斜面812はその底部のフットすなわち滑り止め(クリート)815を終端としている。フットすなわちクリート815は、傾斜面812と垂直面814との間に広がるテーパ面816で画定される。第1の垂直面812の高さH1が第2の垂直面814の高さH2よりも小さい場合には、テーパ面816は対角線方向を向き、テーパ面816が第1の垂直面812から第2の垂直面814へ向かって下向きに傾斜している。
【0038】
少なくとも1つの、そして好ましくは3つのリブ807a〜807cが、第1の環状フランジ804の内側を向いた面を横切って半径方向内側に伸長する。これはカバー800の下側面809を半径方向内向きに横切り、第2の環状フランジ810の半径位置を越えた場所まで続く。好ましくは、807a〜807cの1つのリブが3つの部分フランジ811a〜811cの間の空間部分にそれぞれ配置され、相互に約120度ずつの間隔が置かれる。カバー800が容器700の縁720上に配置されると、それぞれのリブ807a〜807cによってカバーが縁からわずかに持ち上げられ、カバーと縁の間にギャップ826が形成される。ギャップ826は、カバー800が容器700および装置400を覆って配設される場合に容器700に空気を出し入れする通気用の流路となる。
【0039】
更に図13〜図15に示すように、第3の環状フランジ820が上部壁802の下側面809から下方向に伸び、第2の環状フランジ810より内径側に配設される。第3の環状フランジ820が第2の略垂直面822と、第3の垂直面822の底部826からカバー800の上部壁802まで内方向に拡がる対角面824とを含む。ここで垂直面822と対角面824とは略三角形断面を画定する。
【0040】
図16から分かるように、カバー800は容器700および装置400の頂部に、第1の環状フランジ804が容器700の外表面704に隣接して配設されるようにして配置される。部分フランジ811a〜811cの傾斜面812とクリート815が、容器700の内表面828を弾性的に支えて、容器700の環状縁720を部分フランジ811a〜811cと第1の環状フランジ804との間に固定する。第2の環状フランジ810は、容器700に関して第2の環状フランジ810が引っ掛かるのを防ぐために、部分フランジ811a〜811cの形で与えられる。この不連続的な設計形状によって、容器700の環状縁720の多少の寸法変化を補償する。更に、第3の環状フランジ820の対角面824が、装置400のカバー部404の外縁830に接して支え、装置400のカバー部404に係合して中央に配置する。カバー800はこうして容器700の頂部にぴったりと保持される。このように、容器700および/または装置400が戸外に置かれても、第1の環状フランジ804が雨、雪、虫などが容器700および/または装置400に入るのを防ぐ。部分フランジ811a〜811bの傾斜面812およびクリート815および第1の環状フランジ804は、容器700の環状縁720との間にとまり嵌め(snug fit)を形成し、カバー800を容器700から着脱するには力を必要とする。このように、風やその他の戸外の自然条件ではカバー800は容器700から外れない。
【0041】
更に、対角面824とカバー部404の外縁830との間には閉じ込め嵌め(confining fit)が形成される。この閉じ込め嵌めは、装置400を容器700の中に入れて保存したり、輸送する際に、容器700の中で装置400が過度に動くことを防ぐ。しかし、閉じ込め嵌めはカバー部404が下方向に押されて装置400の予定外の作動を生じるほどきつくはない。また同様に、嵌め合いがその程度であるので、装置400を使い終えた後カバー800を容器700の上に戻す場合、対角面824とカバー部404との間のスペースが十分あって、カバー部およびその上方に残存している揮発材料を蒸発させて逃がすことができる。
【0042】
図13〜図17に示すように、好ましくはフランジ804と820が連続的で、かつフランジ810が不連続的であるが、これらのフランジが代わりに連続的あるいは分断化されていてもよいし、および/または個別のフランジ804、810、820がそれぞれに担っている機能を任意の数のフランジを利用して果たしてもよい。
【0043】
カバー800は装置400をオン・オフする手段を提供する。図16で分かるように、カバー800が容器700の頂部に配設され、装置400が容器700の内部に配設されている場合、カバー800に下向きの力Fを掛けることができる。カバー800は可撓性であるので、力Fによってカバー800が下方向に撓み、装置400のカバー部404に接触して下方向に押しつける。既に詳細を述べたように、カバー部404は押されると下方向に動き、押込みボタン602に整列しているばね板682が押込みボタン602に接触し、スイッチ600を作動させる。スイッチ600がオンされてしまえば、その後カバー800を取り外して容器700の底部708の下に配置することができる。この時図17に示されるように、容器700は好ましくは第2および第3の環状フランジ810、820の両方の上に乗る。オプションとしては、カバー800は別の方法で収納してもよい。更に別のオプションとして、スイッチ600をオンしてからアトマイザアセンブリ416が活性物質の分与を開始するまでに遅延時間があって、活性物質がカバー800やその他の場所へ分与される前にユーザがカバー800を取り外す時間を持てるようにしてもよい。
【0044】
装置400をオフするために、カバー800を元の位置へ戻す、すなわち容器700の底部708の下から取り外して、図12〜図15に関連して前述した方法で容器700の頂部に配置する。その後、再度カバー800に力Fを下向きに掛けて装置400のカバー部404を下方向に押す。こうしてばね板682が押込みボタン602に接触し、スイッチ600をオフする。オプションとして、単純にユーザがカバー部404に下向きの力をかけてスイッチ600をオフしてもよい。この手順の結果としてカバー800に付着した揮発性物質はすべて、分散リブ(spaced rib)807a〜807cにより形成された空隙826を通ってカバーの下から排気され、カバー部404に対向する、カバー800の下面809を迅速に乾燥させてそのような物質のない状態とする。
【0045】
装置400の1つの利用法が、所望により装置をスライドスイッチ583でオンにするステップと、装置400を容器700の中に配置するステップと、容器800にカバー800を取り付けるステップと、カバー800の中央部を下へ押してスイッチ600を作動させるステップとを含む。装置400、容器700およびカバー800が組立てられて売られている場合には、その使用にはスイッチ600のみを作動させればよい。
【0046】
オプションとして、装置400、容器700およびカバー800は一緒に売られても、ばらばらに売られてよいし、任意の部品は、1つまたは複数の装置400、容器700、および/またはカバー800の利用方法を説明した指示書と共に売られてもよい。
【0047】
関連出願の相互参照
該当なし
【0048】
連邦政府資金援助研究開発に関する参照
該当なし
【0049】
配列表
該当なし
【産業上の利用可能性】
【0050】
光および活性物質放出装置が光および/または活性物質の放出器を提供する。この装置は、室内もしくは戸外の場所などの領域に全体として望ましい美的雰囲気を提供する。
【0051】
以上の説明を読めば、当業者には本発明に対する多数の修正が明らかとなろう。したがって、この説明は例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、その目的は、当業者が本発明を行いかつ使用できるようにすると共に、当業者に発明実施の最良の形態を教示することである。また、添付の特許請求の範囲内にあるすべての修正についての独占権が留保されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は拡散装置に関し、特に活性物質の拡散用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
市場には多数の活性物質用拡散装置または拡散器が存在する。このような装置の多くは、その中の液体活性物質を分散させるのに周囲の空気の流れのみを必要とする受動装置である。他の装置はバッテリ駆動ないしは電気プラグから電力の供給を受けるものである。電気プラグと装置の間はコードでつないでもよいし、装置にプラグが直接組み込まれていてもよい。
【0003】
活性物質を拡散装置から分与するさまざまな手段もまた、当分野において知られている。例えば、ある種の拡散装置は、活性物質を加熱して、その蒸発を促進するための加熱素子あるいは他の加熱用熱源を備えている。またほかの拡散装置は、ファンを用いて空気流を発生させ、活性物質を拡散装置から周囲の環境へ向かわせる。別のタイプの拡散装置では、空気パルスを発生して活性物質のリングを追い出すボーラス(bolus)発生器を利用して、活性物質が装置から放出される。更に別の拡散装置は、超音波振動子を利用して活性物質を飛沫に分解して装置から放出する。
【0004】
振動方式による液体の噴霧装置は、Helf他による特許文献1、Martin他による特許文献2、Tomkins他による特許文献3、Martens,III他による特許文献4、Helf他による特許文献5、Boticki他による特許文献6に説明されている。これらはすべて本出願の譲受人に譲渡されており、本願に引用して援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,293,474号明細書
【特許文献2】米国特許第6,341,732号明細書
【特許文献3】米国特許第6,382,522号明細書
【特許文献4】米国特許第6,450,419号明細書
【特許文献5】米国特許第6,706,988号明細書
【特許文献6】米国特許第6,843,430号明細書
【0006】
これらの特許は液体噴霧プレートに結合された圧電アクチュエータ素子を備える装置を開示している。圧電アクチュエータ素子は、アクチュエータ素子に印加される交流電圧に応答して液体噴霧プレートを振動させる。このプレートの振動によって液体送出システムから供給される液体を噴霧化する。アクチュエータ素子の相対向する両側の電気接触用の導体素子に交流電圧を供給する電気回路が設けられている。この導電素子はアクチュエータ素子および液体噴霧プレートを、装置を内蔵しているハウジング内に支持する役目も果たしている。
【0007】
ろうそくを模したさまざまな発光装置が当分野では知られている。そのような装置の1つは、円筒形本体を備え、その内部に発光ダイオード(LED)が配設されて柱状のろうそくを模擬している。この装置はスイッチ素子を含み、その入・切によりLEDをオン・オフする。LEDがオンされるとタイマがスタートし、所定時間の経過後にLEDがオフされるようにタイマが設定される。他の発光装置はワックスあるいはワックス様の材料でできている。他のものでは、本物のろうそくが揺らめくようにLEDを明滅させるための明滅プログラムが実装されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、活性物質拡散装置が、容器と、活性物質放出用の装置とを備え、この装置は使用時において容器の内部に配設されるようになっている。拡散装置は更に、容器の頂部に配設され、かつこの装置の不使用時に装置を容器内部に囲い込むカバーを備える。
【0009】
本発明の別の態様によれば、活性物質拡散装置が、開口を有する容器と、活性物質放出用の装置とを備え、この装置は容器の開口内に配設される。 拡散装置は、開口を閉じかつ容器内に装置を囲い込むための、容器に取り外し自在に取り付けられた可撓性カバーを更に備え、カバーの一部に加えられた圧力が装置に伝達されて装置を作動させる。
【0010】
本発明の更なる態様によれば、活性物質拡散装置を提供する方法が、容器と、活性物質放出用の装置と、容器のカバーとを提供するステップを含む。本方法は更に、装置が容器の中に配設され、カバーが容器に取り外し自在に取り付けられている場合に、ユーザにカバーを下向きに押させて装置を作動させるステップを含む。
【0011】
本発明の更に別の態様によると、活性物質拡散装置の使用方法が、装置が活性物質を放出する容器内部の位置に装置を配置するステップを含む。この方法は更に、容器内に装置を囲い込むために容器の頂部にカバーを配置し、装置を作動させるためにカバーに押圧するステップを含む。
【0012】
本発明のその他の態様及び利点は以下の詳細な説明および添付の図面とによって明らかとなるであろう。図面において、同様な要素には同様な符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】光および活性物質放出装置の上面等角投影図である。
【図2】図1の装置の上面等角投影図である。
【図3】図1の装置からカバー部分を除去した状態を示す上面等角投影図である。
【図4】図1の装置からカバー部分とハウジングカバーとを取り除いた分解組立図である。
【図5】図1の装置に描かれているハウジングカバーを示す上面等角投影図である。
【図6】図1の線6−6に概ね沿った断面図である。
【図6A】図1の装置に挿入するための、活性物質を含む貯蔵器の上面不等角投影図である。
【図7】図1の装置の電子回路を示す上面等角投影図である。
【図8】図1の装置の底面図である。
【図9】図1の線9−9に概ね沿った断面図であり、カバー部を示している。
【図10】容器に配設された図1の装置を示す等角投影図である。
【図11】図10の線11−11に概ね沿った断面図である。
【図12】図10の容器用のカバーの側立面図である。
【図13】図12の線13−13に概ね沿った断面図である。
【図14】図12のカバーの底面立面図である。
【図15】図12のカバーの底面不等角投影図である。
【図16】図11と同様の断面図である。ここでは図12のカバーが容器の頂部に配設されている。
【図17】図11と同様の断面図である。ここでは図12のカバーが容器の下に配設されている。 全図面を通じて、同様もしくは対応する符号は同様もしくは対応する部品に使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
光および活性物質を放出する装置400の実施形態を図1〜図9に示す。図1、図2、図4を参照すると、装置400は通常、カバー部404およびベース部406とを含んでいる。ベース部406は通常、ベース408と、装置400用の制御回路(後述する)を取り囲むベース408の上に配設されたハウジング410とを含む。柱412はハウジング410から上方に伸長し、好ましくはハウジング410と一体をなしている。更に、アーム部414が柱412から直交方向に伸長し、柱412と一体をなしている。アーム部414は、その中心部418を貫通して伸長するアトマイザアセンブリ(噴霧器組立体)416の形をした活性物質分与器(散布器)を含む。
【0015】
Helf他による米国特許第6,293,474号明細書、Denen他による米国特許第6,296,196号明細書、Martin他による米国特許第6,341,732号明細書、Tomkins他による米国特許第6,382,522号明細書、Martens,III他による米国特許第6,450,419号明細書、Helf他による米国特許第6,706,988号明細書、Boticki他による米国特許第6,843,430号明細書、Helf他による米国特許第6,896,193号明細書に記載のアトマイザアセンブリの任意のものが、アトマイザアセンブリ416として利用可能である。これらはすべて本出願の譲受人に譲渡されており、本願に引用して援用する。一般的にこれらのアセンブリは交流電圧を圧電素子に印加して素子の伸縮を生じさせる。圧電素子は穴開きオリフィスプレート419に結合しており、オリフィスプレートが表面張力で順次液体ソースと接触する。圧電素子の伸縮がオリフィスプレートの上下振動を引き起こし、その結果オリフィスプレートの開口を通して液体が追い出され、それがエアロゾール粒子となって上方へ放出される。
【0016】
好ましくは、活性物質放出のために、活性物質を内蔵する貯蔵器420が、アトマイザアセンブリ416に隣接して活性物質ディスペンサの中へ挿入される。活性物質は好ましくは液体物質であり、1つまたは複数の香料、殺菌剤、消毒剤、昆虫防除活性成分薬剤(殺虫剤、昆虫忌避剤、昆虫誘引剤、およびその他の昆虫の行動および成長を阻止ないしは緩和する活性成分などを含む。ただしこれに限定されるものではない。ここで、実際の昆虫と共に、一般的に同様の手段で制御される節足動物を含めて“昆虫”と定義する。)、空気浄化剤、アロマセラピ香料、防腐剤、除臭剤、エアフレッシュナ、脱臭剤、およびその他の空気中へ効果的に散布される活性成分を含む。
【0017】
図3、図4、図6、図6Aに示すように、貯蔵器420はネック424(図6A参照)のある透明円筒容器422からなる。図6Aを参照すると、栓兼用の芯ホルダ426がネック424に取り付けられ、栓兼芯ホルダ426が等間隔で横方向へ伸長する3つの取付突起428a〜428cを含む。芯430は貯蔵器422の内部に配設され、その内部の流体と接触している。芯432の上端432はネック424を越えて伸長し、また芯430の下端434は貯蔵器420の内部でその底面440に向かって配設される。芯430は毛管現象によって、貯蔵器420の内部から芯430の上端432まで液体を移送する。取付突起428a〜428cをアーム部414の対応する差込みピンスロット(bayonet slot)(図示せず)に位置合わせし、貯蔵器420を上に押し込んで取付突起428a〜428cをそれぞれに対応する差込みピンスロットに挿入することによって、液体貯蔵器420はアーム部414へ挿入される。貯蔵器420をその後回転させて、それぞれの差込みピンスロットの回転止め部を画定している壁に取付突起428a〜428cを係合させる。そうして貯蔵器420を装置400の内部に固定する。所望によっては、取付突起428a〜428cとそれぞれの差込みピンスロットとは、等間隔に配置されていなくてもよいし、また任意の数の取付突起428a〜428cおよび差込みピンスロットを用いてもよい。
【0018】
図3および図4で最もよく分かるように、キャップ524がアトマイザアセンブリ416を覆って配設され、アトマイザアセンブリ416の部品を隠す。図4および図6で分かるように、アーム部414は好ましくはアーム部から上向きに伸長した複数の突起526を含み、この上向きに伸長した突起526から外方向に伸長する突起528がある。外方向に伸長する突起528はキャップ524の内周532から伸びる環状リップ530と係合するようになっており、キャップ524がアトマイザアセンブリ416を覆って固定される。キャップ524は更にその中に中央円形開口534を含み、アトマイザアセンブリ416から放出された活性物質が開口534を通るように方向づけられる。
【0019】
図3および図5を参照すると、ベース部406は、ハウジング410の頂部に配設されたハウジングカバー540を更に含む。図5から分かるように、ハウジングカバー540が複数の下向きに伸長する突起542を含む。ここで、この下向きに伸長する突起542のそれぞれの底部546から外向きに突起544が伸長する。ハウジング410はその頂部548に複数の切り込み部547を含む。ここで、下向きに伸長する突起542が切り込み部547の内部へ入り込み、外向きに伸長する突起544の頂部550がハウジング410の内側上面552(図6)と係合して、ハウジングカバー540をハウジング410上に保持するようにする。
【0020】
図5において最もよく分かるように、ハウジングカバー540が上方向に伸びる柱554を更に備え、これがハウジング410から伸びる柱412と相互に合わさって、ハウジングカバー540がハウジング410上に配設されている場合に通路555を形成する。好ましくは、制御回路の電気部品からアトマイザアセンブリ416へ伸びる結線は通路555内に配設され、結線が隠され、保護される。また、好ましくは柱412,554は透明もしくは半透明の材料、好ましくは透明化されたプロピレンなどの透明化物質でできていて、柱412、554の中を光が通過することができる。更には、ハウジングカバー540が、光拡散器や光パイプ、レンズあるいはその類の光制御装置556をカバーの中心部560に備え、この光制御装置556は好ましくはハウジングカバー540に固定されているかもしくは一体に組み込まれている。図6でよく分かるように、光制御装置556は一般に、その底部564に空洞562を含む。光制御装置556の種々の実施形態については後で詳述する。
【0021】
図6に示すように、装置のベース部406は570で示す制御回路を囲む。特にベース408はベースから上に伸びプリント回路基板(PCB)574を支える支持構造572を含む。LED576はPCB574と動作的に連結し、PCB574の中央部578から上に伸びている。図7および図8からよく分かるように、オプションの周波数アクチュエータアーム580がベース408の底部にある矩形の開口582を通って伸長する。放出周波数アクチュエータアーム580がある場合には、これはスライドスイッチ583と動作的に連結し、スライドスイッチ583はPCB574と動作的に連結している。アクチュエータアーム580は5つの選択位置を含み、アトマイザアセンブリ416の放出周波数を制御する。オプションとしてアクチュエータアーム580は、代わりに2つの選択可能位置の間を動くことが可能であってもよい。アクチュエータアーム580が第1の位置に配置された場合には、装置400がオンされ、アクチュエータアーム580が第2の位置に配置された場合には、装置400がオフされる。更に、アクチュエータアーム580は、代わりに任意の数の選択位置の間を動くことが可能であってもよい。スライドスイッチ583はスイッチから伸びたボタン584を含み、このボタンがスライドスイッチ583にあるスロット586に沿って5つの停止位置のいずれかへ動くことができる。アクチュエータアーム580から伸びたヨーク588がボタン584の両サイドを囲み、ボタン584をスロット586に沿って動かす。アクチュエータアーム580の位置をユーザが選択をすると、スロット内のボタンが動いて、アクチュエータアーム580の現在位置をスライドスイッチ583に指示する。スライドスイッチ583の位置はPCB574で検知される。PCB574に搭載された部品が、アクチュエータアーム580の位置に応答してアトマイザアセンブリ416を制御する。それぞれの位置によって滞留時間、すなわちアトマイザアセンブリ416による活性物質の放出から放出までの時間を画定する時間間隔が異なる。一実施形態ではアクチュエータアーム580が5つの選択可能位置を含み、それぞれの位置が滞留時間で250ミリ秒、335ミリ秒、425ミリ秒、500ミリ秒、およびオフ(活性物質の放出なし)に対応する。そのような滞留時間は、ある領域に活性物質を連続的に充満しておくのに効果を発揮し、昆虫防除活性成分のようなある種の活性物質の効能を増加させる。前に述べたように、PCB574からアトマイザアセンブリ416まで結線が伸びており、アクチュエータアーム580の位置に基づいてアトマイザアセンブリ416を作動させる。
【0022】
PCB574は、上方向に伸びた押込みボタン602を有するスイッチ600を更に含む。ボタン602を押すと、LED576の通電状況に応じてLED576がオンあるいはオフする。オプションとして、ボタン602を押すことで、アトマイザアセンブリ416のオン・オフ状態を切り替えることもできる。ボタン602の作動および制御回路570の操作については更に詳細を以下で述べる。
【0023】
上記のように、ハウジング410はPCB574やその他の制御回路およびLED576を囲んでいる。ハウジング410にハウジングカバー540が付いている場合には、既に詳細を述べたように、LED576は光制御装置556の底部564にある空洞562の中に配設されて、LED576から放出された光が光制御装置556で反射および屈折される。
【0024】
図8を参照すると、装置400の底部406には電池用の窓620があり、その第1の端にヒンジ622を、第2の端628にラッチ機構626を含んでいる。ラッチ機構626は、ベース部406にあるロック用窪み630と相互に作用して電池用の窓620を閉位置に保持する。ラッチ機構626は撓ませることによってロック用窪みからラッチ機構626を開放することができ、電池用の窓620はヒンジ622を中心に回動して(電池用の窓620を)開くことができ、電池室631へのアクセスが可能となる。
【0025】
図6から更に分かるように、装置400の底部406には2つの電池640が含まれ、好ましくはここから直流が供給され、それが高周波交流電力に変換されてアトマイザアセンブリ406およびLED576へ選択的に印加される。オプションとして、装置400は家庭用交流を使用できる。これは整流され、高周波交流電力へ変換された後電圧を下げて、アトマイザアセンブリ416および/またはLED576へ間歇的に印加される。電池640は、“A”、“AA”、“AAA”、“C”、“D”電池などの任意の普通の乾電池、ボタン電池、時計用電池、太陽電池であってよい。ただし好ましくは、電池640は“AA”もしくは“AAA”の乾電池である。2つの電池が望ましいが、装置400の内部に好適に収まり、適正な電力レベルおよび使用寿命があれば任意の数の電池を利用してよい。
【0026】
ベース部406は更に、活性物質放出装置400を固定する一助となる、ベースから伸長した脚642を所望により含んでよい。4つの脚642が図示されているが、装置を固定するために任意の好適な数の脚642を利用してもよい。
【0027】
図9を参照すると、カバー部404が、第1の直径を有する下側円筒壁650と、好ましくは第1の直径よりも小さい第2の直径を有する上側円筒壁652とを含む。斜めの壁654が下側円筒壁650を上側円筒壁652に接続する。カバー部404は更に、上側円筒壁652に隣接し、かつその中央部分に配設された円形開口658を有する、円形頂部壁656を備える。
【0028】
図6に示すように、カバー部404は、装置400の使用時にはベース部406を覆って配置される。特に、図9に詳細を示すように、カバー部404が、下側円筒壁650の外周662に互いに相対向する位置に配設された第1および第2の開口660a、660bを含む。ベース部406は、図3に示すように、ハウジング410の対向する側から伸長する第1および第2のばね挟み664a、664bを含む。それぞれのばね挟み664a、664bは、そこから外方向に伸びる突起666a、666bをそれぞれ含む。使用時にはカバー部404がベース部406を覆って配置され、上側円筒壁652が柱412、アーム部414およびアトマイザアセンブリ416を囲み、下側円筒壁650がハウジング410の外壁668に当接する。カバー部404は更に、アトマイザアセンブリ416がカバー部404の頂部壁656にある開口658に整列するようにベース部406を覆う。開口658は、アトマイザアセンブリ416で噴霧化されて装置400から放出される活性物質の出口を提供する。カバー部404をベース部406を覆って配置する際に、ばね挟み664a、664bをユーザが内側に押しつける。下側円筒壁650の開口660a、660bが、ばね挟み664a,664bから伸びる突起666a、666bに整列すると、ユーザはばね挟み664a、664bを離してよい。ばね挟み664a、664bが離されると、突起666a、666bが外側に動いて開口660a、660bに入る。これにより、突起666a、666bをそれぞれ画定する壁670a、670bが、それぞれの開口660a、660bを画定する壁672a、672bと干渉してカバー部404がベース部406から外れないようにする。ユーザがカバー部404を外そうとする場合には、ばね挟み664a、664bを内側に押してカバー部404を外せばよい。
【0029】
図9でよく分かるように、カバー部404の上側円筒壁652と斜めの接続壁654との交点部分から下に伸長する環状リング680を、カバー部404は更に含む。図5に示すように、ハウジングカバー540が、ハウジングカバー540の外周686から内側方向へ伸びた細孔684により部分的に画定される複数のばね板682を含む。ばね板682のそれぞれは、図5でよく分かるようにそこから下方向へ伸びる突起688を含む。環状リング680はこのばね板682の上に乗る。ばね板は弾力があり、上方向に付勢された曲げ材として作用する。こうして図1及び図2に示すように、突起666a、666bの上側面692a、692bが開口660a、660bの上側壁694a、694bから離れて間に空隙690a,690bができるような位置にカバー部404が付勢される。空隙690a,690bにより、カバー部404はハウジング410に対して相対的に上下方向の移動が可能となる。従ってユーザは、曲げ材として作用する弾力のあるばね板682の付勢力に抗してカバー部404を下方向へ押しつけることができる。この圧力によって、ばね挟み664a、664bの突起666a、666bの上側面692a、692bが開口660a、660bの上側壁694a、694bにそれぞれ接するまでカバー部404を下方向へ動かすことが可能となる。カバー部404が下へ動くと、環状リング680がばね板682を下方向へ曲げる。ばね板682が下方向へ動くと、ばね板682から下に伸びて押込みボタン602に整列している(位置合わせられている)突起688の1つが、押込みボタン602に接触し、スイッチ600を作動させる。スイッチ600の状態の変化はPCB574で検知され、後に詳述するように、LED576および/またはアトマイザアセンブリ416が、LED576および/またはアトマイザアセンブリ416の通電状態に応じて(既定の時間内だけ)オンされたり、オフされたりする。
【0030】
カバー部404は好ましくはガラスおよび/または高分子樹脂などの透明もしくは半透明材料でできていて、カバー部404が光の拡散器として機能する。カバー部404を通る光を均一に分散させるために、カバー部404の内表面696および/または外表面698のすべてもしくは一部分が、艶消し面、被膜、粗面、テキスチャ面、および/または類似の表面処理を含んでもよい。オプションとして、ハウジング410の下側部分699(図6)あるいはカバー部404の下側円筒壁650の1つまたは複数が、装置400の外から装置400の電子回路が見えないように移し絵や他の目隠し要素を含んでもよい。更に別のオプションとして、移し絵や他の目隠し要素をカバー部404の上側円筒壁652に配置してもよい。
【0031】
図10、図11から分かるように、活性物質放出装置400はその使用のために容器700の中に配置してもよいし、表面に置いて単独で使用してもよい。容器700は好ましくは光拡散器として作用し、ガラスおよび/または高分子樹脂などの透明あるいは半透明材料でできていてもよい。容器700を通過する光を相対的に均一に分散させるために、容器の内表面702および/または外表面704のすべてもしくは一部分が、艶消し面、被膜、粗面、テキスチャ面、および/またはその類似の表面処理を含んでもよい。オプションとして、ステッカ705やその他の像形成装置(移し絵など)をその表面に配置することにより1つまたは複数の像を容器700上に形成してもよい。更なるオプションとして、所望の形や影を投影するために光制御装置556にエッチング画像を形成してもよい。
【0032】
ここで容器の一形態が示されたが、装置400がその内部に十分収納できさえすれば、任意の容器形状が検討されてもよい。
【0033】
図11を参照すると活性物質放出装置400が容器700の内部に配設され、装置400の脚642が容器700の底部708の上側面706上に乗っている。好ましくは、下側および上側の円筒壁650、652の部分が容器700の内表面702に接触することなしに、装置400が容器700内に納まる。図11で更に分かるように、ハウジングカバー540の頂部壁656が、容器700の頂部722の環状縁720に整列する。オプションとして、ハウジングカバー540の頂部壁656は、環状縁720の下あるいは上に配設されてもよい。
【0034】
LED576から装置400の縦方向の軸730に沿って上方向に放出された光は、LED576の上部に配置されているアトマイザアセンブリ416および貯蔵器420のために装置400から出ることが妨げられる。LED576の上および周りを取り囲むように配設された光制御装置556は、LED576から放出された光を反射および/または屈折するようになっている。縦方向軸730に沿って上方向に放出された光の大部分は、光制御装置556によって反射および/または屈折され、装置400の中央部分を通って放射状に外方向へ放出される。図10で分かるように、このため光は、容器700および装置400の頂部742付近ではなく、その中央部分740辺りに向けられる。
【0035】
容器700用のカバー800を図12〜図17に示す。図12に示すように、カバー800が、第1の直径D1および第1の環状フランジ804を有する上部壁802を含み、環状フランジ804は上部壁802から下方向かつ外方向に伸びている。第1の環状フランジ804は第2の直径D2を有する下部拡がり806を有し、好ましくはD2は第1の直径D1より大きい。
【0036】
カバー800は好ましくは滑りやすさを低減するためのテキスチャ面を有し、ゴムや可撓性熱可塑性プラスチックなどの可撓性材料でできている。好ましい材料は低密度のポリエチレンかサントプレンであり、好ましくは通常の(当業者には材料および製造手段が周知の)UV遮蔽剤が添加されている。
【0037】
図13〜図15を参照すると、第2の環状フランジ810が上部壁802の下側面809から下方向に伸びていて、第1の環状フランジ804より半径方向の内側に配設されている。第2の環状フランジ810は3つの部分フランジ811a〜811cで構成されており、それぞれが傾斜側面812および略垂直の側面814を含んでいる。ここで、傾斜面812および垂直面814はそれぞれ第1の高さH1、および第2の高さH2を有する(図13)。必ずしもそうである必要はないが、好ましくは傾斜面812の高さH1が垂直面814の高さH2よりも小さい。傾斜面812はその底部のフットすなわち滑り止め(クリート)815を終端としている。フットすなわちクリート815は、傾斜面812と垂直面814との間に広がるテーパ面816で画定される。第1の垂直面812の高さH1が第2の垂直面814の高さH2よりも小さい場合には、テーパ面816は対角線方向を向き、テーパ面816が第1の垂直面812から第2の垂直面814へ向かって下向きに傾斜している。
【0038】
少なくとも1つの、そして好ましくは3つのリブ807a〜807cが、第1の環状フランジ804の内側を向いた面を横切って半径方向内側に伸長する。これはカバー800の下側面809を半径方向内向きに横切り、第2の環状フランジ810の半径位置を越えた場所まで続く。好ましくは、807a〜807cの1つのリブが3つの部分フランジ811a〜811cの間の空間部分にそれぞれ配置され、相互に約120度ずつの間隔が置かれる。カバー800が容器700の縁720上に配置されると、それぞれのリブ807a〜807cによってカバーが縁からわずかに持ち上げられ、カバーと縁の間にギャップ826が形成される。ギャップ826は、カバー800が容器700および装置400を覆って配設される場合に容器700に空気を出し入れする通気用の流路となる。
【0039】
更に図13〜図15に示すように、第3の環状フランジ820が上部壁802の下側面809から下方向に伸び、第2の環状フランジ810より内径側に配設される。第3の環状フランジ820が第2の略垂直面822と、第3の垂直面822の底部826からカバー800の上部壁802まで内方向に拡がる対角面824とを含む。ここで垂直面822と対角面824とは略三角形断面を画定する。
【0040】
図16から分かるように、カバー800は容器700および装置400の頂部に、第1の環状フランジ804が容器700の外表面704に隣接して配設されるようにして配置される。部分フランジ811a〜811cの傾斜面812とクリート815が、容器700の内表面828を弾性的に支えて、容器700の環状縁720を部分フランジ811a〜811cと第1の環状フランジ804との間に固定する。第2の環状フランジ810は、容器700に関して第2の環状フランジ810が引っ掛かるのを防ぐために、部分フランジ811a〜811cの形で与えられる。この不連続的な設計形状によって、容器700の環状縁720の多少の寸法変化を補償する。更に、第3の環状フランジ820の対角面824が、装置400のカバー部404の外縁830に接して支え、装置400のカバー部404に係合して中央に配置する。カバー800はこうして容器700の頂部にぴったりと保持される。このように、容器700および/または装置400が戸外に置かれても、第1の環状フランジ804が雨、雪、虫などが容器700および/または装置400に入るのを防ぐ。部分フランジ811a〜811bの傾斜面812およびクリート815および第1の環状フランジ804は、容器700の環状縁720との間にとまり嵌め(snug fit)を形成し、カバー800を容器700から着脱するには力を必要とする。このように、風やその他の戸外の自然条件ではカバー800は容器700から外れない。
【0041】
更に、対角面824とカバー部404の外縁830との間には閉じ込め嵌め(confining fit)が形成される。この閉じ込め嵌めは、装置400を容器700の中に入れて保存したり、輸送する際に、容器700の中で装置400が過度に動くことを防ぐ。しかし、閉じ込め嵌めはカバー部404が下方向に押されて装置400の予定外の作動を生じるほどきつくはない。また同様に、嵌め合いがその程度であるので、装置400を使い終えた後カバー800を容器700の上に戻す場合、対角面824とカバー部404との間のスペースが十分あって、カバー部およびその上方に残存している揮発材料を蒸発させて逃がすことができる。
【0042】
図13〜図17に示すように、好ましくはフランジ804と820が連続的で、かつフランジ810が不連続的であるが、これらのフランジが代わりに連続的あるいは分断化されていてもよいし、および/または個別のフランジ804、810、820がそれぞれに担っている機能を任意の数のフランジを利用して果たしてもよい。
【0043】
カバー800は装置400をオン・オフする手段を提供する。図16で分かるように、カバー800が容器700の頂部に配設され、装置400が容器700の内部に配設されている場合、カバー800に下向きの力Fを掛けることができる。カバー800は可撓性であるので、力Fによってカバー800が下方向に撓み、装置400のカバー部404に接触して下方向に押しつける。既に詳細を述べたように、カバー部404は押されると下方向に動き、押込みボタン602に整列しているばね板682が押込みボタン602に接触し、スイッチ600を作動させる。スイッチ600がオンされてしまえば、その後カバー800を取り外して容器700の底部708の下に配置することができる。この時図17に示されるように、容器700は好ましくは第2および第3の環状フランジ810、820の両方の上に乗る。オプションとしては、カバー800は別の方法で収納してもよい。更に別のオプションとして、スイッチ600をオンしてからアトマイザアセンブリ416が活性物質の分与を開始するまでに遅延時間があって、活性物質がカバー800やその他の場所へ分与される前にユーザがカバー800を取り外す時間を持てるようにしてもよい。
【0044】
装置400をオフするために、カバー800を元の位置へ戻す、すなわち容器700の底部708の下から取り外して、図12〜図15に関連して前述した方法で容器700の頂部に配置する。その後、再度カバー800に力Fを下向きに掛けて装置400のカバー部404を下方向に押す。こうしてばね板682が押込みボタン602に接触し、スイッチ600をオフする。オプションとして、単純にユーザがカバー部404に下向きの力をかけてスイッチ600をオフしてもよい。この手順の結果としてカバー800に付着した揮発性物質はすべて、分散リブ(spaced rib)807a〜807cにより形成された空隙826を通ってカバーの下から排気され、カバー部404に対向する、カバー800の下面809を迅速に乾燥させてそのような物質のない状態とする。
【0045】
装置400の1つの利用法が、所望により装置をスライドスイッチ583でオンにするステップと、装置400を容器700の中に配置するステップと、容器800にカバー800を取り付けるステップと、カバー800の中央部を下へ押してスイッチ600を作動させるステップとを含む。装置400、容器700およびカバー800が組立てられて売られている場合には、その使用にはスイッチ600のみを作動させればよい。
【0046】
オプションとして、装置400、容器700およびカバー800は一緒に売られても、ばらばらに売られてよいし、任意の部品は、1つまたは複数の装置400、容器700、および/またはカバー800の利用方法を説明した指示書と共に売られてもよい。
【0047】
関連出願の相互参照
該当なし
【0048】
連邦政府資金援助研究開発に関する参照
該当なし
【0049】
配列表
該当なし
【産業上の利用可能性】
【0050】
光および活性物質放出装置が光および/または活性物質の放出器を提供する。この装置は、室内もしくは戸外の場所などの領域に全体として望ましい美的雰囲気を提供する。
【0051】
以上の説明を読めば、当業者には本発明に対する多数の修正が明らかとなろう。したがって、この説明は例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、その目的は、当業者が本発明を行いかつ使用できるようにすると共に、当業者に発明実施の最良の形態を教示することである。また、添付の特許請求の範囲内にあるすべての修正についての独占権が留保されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質拡散装置であって、
容器と、
活性物質放出用の装置であって、前記装置はその使用時において前記容器の内部に配設されるようにされている装置と、
前記容器の頂部に配設され、かつ前記装置の不使用時に前記装置を前記容器内部に囲い込むカバーと、
を含む活性物質拡散装置。
【請求項2】
前記カバーが可撓性材料でできていることを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項3】
前記活性物質が昆虫防除活性成分であることを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項4】
前記装置が前記活性物質を放出するためのアトマイザアセンブリを備え、前記活性物質の放出速度が活性物質の噴出から噴出までの滞留時間で約250ミリ秒から約500ミリ秒の間であることを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項5】
前記装置が光も放出することを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項6】
前記カバーが、その表面から伸長する第1、第2および第3の環状フランジを備えることを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項7】
前記カバーが前記容器の頂部に配設されているときに、前記第1の環状フランジが前記容器の外表面に隣接して配設されることを特徴とする請求項6に記載の拡散装置。
【請求項8】
前記第1の環状フランジと前記容器の前記外表面との間に空気の流路を形成するために、前記第1の環状フランジがその内表面から伸びる少なくとも1つの分散リブを備えることを特徴とする請求項7に記載の拡散装置。
【請求項9】
前記第2の環状フランジは前記第1の環状フランジの内方向に配設され、前記カバーが前記容器の頂部に配設されているときに前記容器の内表面に隣接して配設される3つの部分フランジを備え、ここで前記第1および第2の環状フランジは前記容器の環状縁ととまり嵌めを形成して前記カバーを前記容器に固定することを特徴とする請求項7に記載の拡散装置。
【請求項10】
前記第2の環状フランジの内側に第3の環状フランジが配設され、前記装置が前記容器の中に配設されかつ前記カバーが前記容器の頂部に配設されている場合に、前記第3の環状フランジは前記装置のカバー部分との間に閉じ込め嵌めを更に形成して前記装置を前記容器の中心に配設しかつ固定するようにすることを特徴とする請求項9に記載の拡散装置。
【請求項11】
前記カバーの中央部への加圧が前記装置に伝達されて、前記カバーの中央部が下向きに動かされると前記装置内のスイッチが起動されることを特徴とする請求項2に記載の拡散装置。
【請求項12】
活性物質拡散装置であって、
開口を有する容器と、
前記容器の前記開口の内部に配設された、活性物質を放出する装置と、
前記開口を閉じかつ前記容器内に前記装置を囲い込むために、前記容器に取り外し自在に取り付けられた可撓性カバーと、
を備え、
前記カバーの一部に加えられた圧力が前記装置に伝達されて前記装置を作動させることを特徴とする活性物質拡散装置。
【請求項13】
前記カバーが、前記カバーから伸長し、前記カバーが前記容器の頂部に配設されている場合に前記容器の外表面に隣接して配設される第1の環状フランジを備えることを特徴とする請求項12に記載の拡散装置。
【請求項14】
前記カバーが、前記カバーから伸長し、前記第1の環状フランジの内側に配設され、かつ前記カバーが前記容器の頂部に配設されているときに前記容器の内表面に隣接する、第2の環状フランジを備え、かつ、前記第1および第2の環状フランジは前記容器の環状縁ととまり嵌めを形成して前記カバーを前記容器上に固定することを特徴とする請求項13に記載の拡散装置。
【請求項15】
前記カバーが、前記第2の環状フランジの内側に配設された第3の環状フランジを備え、かつ、前記装置が前記容器の中に配設されかつ前記カバーが前記容器の頂部に配設されている場合に、前記第3の環状フランジは前記装置のカバー部分との間に閉じ込め嵌めを更に形成して前記装置を前記容器の中心に配設して固定することを特徴とする請求項15に記載の拡散装置。
【請求項16】
活性物質を提供する方法であって、
容器と、活性物質を放出するために前記容器の中に収容された装置と、前記容器用のカバーとを提供するステップと、
前記装置が前記容器の中に配設され、前記カバーが前記容器に取り外し自在に取り付けられている場合に、ユーザにカバーを下向きに押させて前記装置を作動させ、その後前記カバーを前記容器から取り外すように指示するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記装置が作動された後に、前記カバーを前記容器の下に置くステップを更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項1】
活性物質拡散装置であって、
容器と、
活性物質放出用の装置であって、前記装置はその使用時において前記容器の内部に配設されるようにされている装置と、
前記容器の頂部に配設され、かつ前記装置の不使用時に前記装置を前記容器内部に囲い込むカバーと、
を含む活性物質拡散装置。
【請求項2】
前記カバーが可撓性材料でできていることを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項3】
前記活性物質が昆虫防除活性成分であることを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項4】
前記装置が前記活性物質を放出するためのアトマイザアセンブリを備え、前記活性物質の放出速度が活性物質の噴出から噴出までの滞留時間で約250ミリ秒から約500ミリ秒の間であることを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項5】
前記装置が光も放出することを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項6】
前記カバーが、その表面から伸長する第1、第2および第3の環状フランジを備えることを特徴とする請求項1に記載の拡散装置。
【請求項7】
前記カバーが前記容器の頂部に配設されているときに、前記第1の環状フランジが前記容器の外表面に隣接して配設されることを特徴とする請求項6に記載の拡散装置。
【請求項8】
前記第1の環状フランジと前記容器の前記外表面との間に空気の流路を形成するために、前記第1の環状フランジがその内表面から伸びる少なくとも1つの分散リブを備えることを特徴とする請求項7に記載の拡散装置。
【請求項9】
前記第2の環状フランジは前記第1の環状フランジの内方向に配設され、前記カバーが前記容器の頂部に配設されているときに前記容器の内表面に隣接して配設される3つの部分フランジを備え、ここで前記第1および第2の環状フランジは前記容器の環状縁ととまり嵌めを形成して前記カバーを前記容器に固定することを特徴とする請求項7に記載の拡散装置。
【請求項10】
前記第2の環状フランジの内側に第3の環状フランジが配設され、前記装置が前記容器の中に配設されかつ前記カバーが前記容器の頂部に配設されている場合に、前記第3の環状フランジは前記装置のカバー部分との間に閉じ込め嵌めを更に形成して前記装置を前記容器の中心に配設しかつ固定するようにすることを特徴とする請求項9に記載の拡散装置。
【請求項11】
前記カバーの中央部への加圧が前記装置に伝達されて、前記カバーの中央部が下向きに動かされると前記装置内のスイッチが起動されることを特徴とする請求項2に記載の拡散装置。
【請求項12】
活性物質拡散装置であって、
開口を有する容器と、
前記容器の前記開口の内部に配設された、活性物質を放出する装置と、
前記開口を閉じかつ前記容器内に前記装置を囲い込むために、前記容器に取り外し自在に取り付けられた可撓性カバーと、
を備え、
前記カバーの一部に加えられた圧力が前記装置に伝達されて前記装置を作動させることを特徴とする活性物質拡散装置。
【請求項13】
前記カバーが、前記カバーから伸長し、前記カバーが前記容器の頂部に配設されている場合に前記容器の外表面に隣接して配設される第1の環状フランジを備えることを特徴とする請求項12に記載の拡散装置。
【請求項14】
前記カバーが、前記カバーから伸長し、前記第1の環状フランジの内側に配設され、かつ前記カバーが前記容器の頂部に配設されているときに前記容器の内表面に隣接する、第2の環状フランジを備え、かつ、前記第1および第2の環状フランジは前記容器の環状縁ととまり嵌めを形成して前記カバーを前記容器上に固定することを特徴とする請求項13に記載の拡散装置。
【請求項15】
前記カバーが、前記第2の環状フランジの内側に配設された第3の環状フランジを備え、かつ、前記装置が前記容器の中に配設されかつ前記カバーが前記容器の頂部に配設されている場合に、前記第3の環状フランジは前記装置のカバー部分との間に閉じ込め嵌めを更に形成して前記装置を前記容器の中心に配設して固定することを特徴とする請求項15に記載の拡散装置。
【請求項16】
活性物質を提供する方法であって、
容器と、活性物質を放出するために前記容器の中に収容された装置と、前記容器用のカバーとを提供するステップと、
前記装置が前記容器の中に配設され、前記カバーが前記容器に取り外し自在に取り付けられている場合に、ユーザにカバーを下向きに押させて前記装置を作動させ、その後前記カバーを前記容器から取り外すように指示するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記装置が作動された後に、前記カバーを前記容器の下に置くステップを更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2010−518853(P2010−518853A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550879(P2009−550879)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/001513
【国際公開番号】WO2008/103238
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/001513
【国際公開番号】WO2008/103238
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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