説明

流体の圧送方法、圧送装置、燃料ガス供給装置及びガス輸送ラインの中継基地

【課題】
本発明は、圧縮機を駆動する原動機を連続運転させることにより停止時の起動準備等が不要となる、或いは過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる圧送方法、圧送装置、燃料ガス供給装置及びガス輸送ラインの中継基地を提供することを目的とするものである。
【解決手段】
そのために、本発明は、圧縮機と、圧縮機の吸入口に接続された流体供給ラインと、圧縮機の吐出口に接続された出口ラインと、圧縮機の吸入口と吐出口とを接続するリサイクルラインと、リサイクルラインに介装されたリサイクル弁とを備えた流体の圧送方法において、出口ラインの圧力を検出して圧縮機及びリサイクル弁をフィードバック制御すると共に、流体供給ラインに入口流体圧力調整弁を備え、入口流体圧力調整弁より上流側の圧力を検出して入口流体圧力調整弁の開度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガス等の流体を圧送する流体圧送装置へ流体を供給するときの流体の圧送方法、圧送装置、燃料ガス供給装置及びガス輸送ラインの中継基地に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のガスタービン用燃料ガス供給装置として、図13に図示のように、制御手段90を、吐出圧力を検出する圧力検出器91からの信号を比例、積分演算して、この信号が設定値より低い場合にはバイパス弁(リサイクル弁)14の開度を小とする一方、この信号が設定値より高い場合には、この開度を大とするバイパス弁操作信号を出力するPI演算部と、ガスタービン3の回転速度を検出して、この検出速度に基づいて、ガスタービン3への燃料ガス供給流路である吐出流路(ガスタービン供給流路)11に設けたガスタービン調速弁93の開度を調節するガスタービン調速器92からの調速弁操作信号を入力信号とし、この弁開度が大である程、燃料ガス消費量を大とする燃料信号を出力する第1演算回路と、この燃料信号を入力信号とし、PI演算部からの弁操作信号に加算される出力信号を、燃料ガス消費量が大である程、バイパス弁14の開度を小とする弁操作信号とする第2演算回路とから形成してあるものが提案されている。
なお、10は吐出流路(ヘッダタンク供給ライン)、7は吸込流路(圧縮機吸入ライン)、9はバイパス流路(リサイクルライン)である(例えば、特許文献1。)。
【0003】
また、ガスタービン等において燃料ガスを圧縮する圧縮機の制御装置として、図14に図示のように、圧縮機1に対する燃料ガスの流入量を調整する流入量調整手段95と、圧縮機1から吐出される燃料ガスを圧縮機1の入口側に戻すためのリサイクル弁14と、圧縮機1を所定の運転点で運転させるための制御操作値を設定し、その制御操作値に基づいて流入量調整手段95およびリサイクル弁14を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、制御操作値が所定値以上であるときに、その操作値の増大に伴って増加する信号を流入量調整手段95の制御信号として発生する第1の制御信号発生手段96と、制御操作値が所定値未満であるときに、その操作値の増大に伴って減少する信号をリサイクル弁14の制御信号として発生する第2の制御信号発生手段97と、を有するものも提案した。
なお、6は燃料ガス供給ライン、12はヘッダタンク、15は逆止弁15、16は開閉弁(遮断弁)である(例えば、特許文献2。)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−66159号公報
【特許文献2】特開2005−76461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のものは、圧縮機へのガス供給源のガス圧力が所定の一定圧力であることを前提としており、ガス供給源が変動する場合には、圧縮機の制御が不安定になるという問題がある。
また、ガス供給源のガス圧力が必要以上に高圧力になった場合、圧縮機を停止させることも行われる。
このとき、例えば圧縮機の駆動機が電動モータであり、その電動モータが数千KWと大容量の場合、電動モータを停止させ、すぐに再起動するとき、電動モータが熱を持ったままの状態では起動電流が大電流且つ過負荷となり、発熱するために故障の原因となる。
また、その対策として起動時間も長くしたり、冷却用のファンを大容量にして冷却させる必要があるという問題がある。
なお、圧縮機を駆動するものが電動モータ以外の原動機(例えばタービン)の場合にも、大容量の原動機の発停を行うことは、停止時の起動準備等が必要となる。
【0006】
そこで、ガス供給源が変動する場合には、燃料ガス供給ラインに入口ガス圧力調整弁を介装して、ガス供給圧力を一定にすることが考えられる。
この場合の想定図を、図12に基づき説明する。
図12に図示の圧縮機への導入ガスの制御装置においては、燃料ガス供給源5からの燃料ガス供給ライン6に入口ガス圧力調整弁84が介装されると共に、圧縮機1への圧縮機吸入ライン7、リサイクルライン9及び燃料ガス供給ライン6のライン合流点17付近に吸入ガス圧力計21が設けられている。
そして、圧縮機1への吸入ガス圧力の制御は、吸入ガス圧力計21により圧縮機1への吸入ガス圧力を検出し、その検出値に基づきPID演算器63等にて入口ガス圧力調整弁84の開度をフィードバック制御することにより行う。
【0007】
図12に図示のものは、燃料ガス供給源5のガス圧力が高くなっても、入口ガス圧力調整弁84の開度を制御することにより、圧縮機1、圧縮機吸入ライン7及びリサイクルライン9へのガス供給圧力を調整することが可能となる。
上述の構成とすることにより、圧縮機1を駆動する電動モータの発停を繰返す必要がなくなり、電動モータの過負荷状態を低減することが可能となる。
このとき、同時に、リサイクルライン9に介装されたリサイクル弁14及び圧縮機1も、吸入ガス圧力計21或いは図示略の圧力計によりフィードバック制御されている。
この場合、入口ガス圧力調整弁84及びリサイクル弁14の2個の弁が同時にフィードバック制御されるため、フィードバック制御同士が干渉し、ガス供給圧力が不安定になる。
【0008】
本発明は、このような、問題点を解決しようとするものであり、圧縮機を駆動する原動機を連続運転させることにより停止時の起動準備等が不要となる、或いは過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる圧送方法、圧送装置、燃料ガス供給装置及びガス輸送ラインの中継基地を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の問題点に対し本発明は、以下の各手段を以って課題の解決を図る。
(1)第1の手段の流体の圧送方法は、圧縮機と、前記圧縮機の吸入口に接続された流体供給ラインと、前記圧縮機の吐出口に接続された出口ラインと、前記圧縮機の吸入口と吐出口とを接続するリサイクルラインと、前記リサイクルラインに介装されたリサイクル弁とを備えた流体の圧送方法において、前記出口ラインの圧力を検出して前記圧縮機及び前記リサイクル弁をフィードバック制御すると共に、前記流体供給ラインに入口流体圧力調整弁を備え、前記入口流体圧力調整弁より上流側の圧力を検出して前記入口流体圧力調整弁の開度を制御することを特徴とする。
【0010】
(2)第2の手段の流体の圧送方法は、上記第1の手段において、前記前記入口流体圧力調整弁の開度の制御は、前記入口流体圧力調整弁より上流側の圧力が圧力下限値以下では前記入口流体圧力調整弁の開度を全開にし、前記入口流体圧力調整弁の開度を所定の開度以下にならないようにすることを特徴とする。
【0011】
(3)第3の手段の流体の圧送方法は、上記第2の手段において、前記圧力下限値以上では、前記入口流体圧力調整弁より上流側の圧力の増加に応じて前記入口流体圧力調整弁の開度を減少させる減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁の開度を演算し、前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする。
【0012】
(4)第4の手段の流体の圧送方法は、上記第3の手段において、前記圧縮機の吸入口側の圧力に基づきPID演算された弁操作信号と、前記減少係数に基づき演算された前記入口流体圧力調整弁の開度の信号との大きい方を選択し、前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする。
【0013】
(5)第5の手段の流体の圧送方法は、上記第3の手段において、前記出口ラインの流量が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように前記減少係数を補正することを特徴とする。
【0014】
(6)第6の手段の流体の圧送方法は、上記第3の手段において、前記圧縮機の吸入流体圧力に基づきPID演算された弁操作信号と、前記出口ラインの流量が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように前記減少係数を補正して得られた前記入口流体圧力調整弁の開度の信号との大きい方を選択し、前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする。
【0015】
(7)第7の手段の流体の圧送方法は、上記第3の手段において、前記圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように前記減少係数を補正することを特徴とする。
【0016】
(8)第8の手段の流体の圧送方法は、上記第3の手段において、前記圧縮機の吸入流体圧力に基づきPID演算された弁操作信号と、前記圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように前記減少係数を補正して得られた前記入口流体圧力調整弁の開度の信号との大きい方を選択し、前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする。
【0017】
(9)第9の手段の流体の圧送方法は、上記第3の手段において、前記圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように補正された減少係数と、前記出口ラインの流量が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように補正された第2の減少係数との大きい方を選択し、選択された減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする。
【0018】
(10)第10の手段の流体の圧送方法は、上記第3の手段において、前記圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように補正された減少係数と、前記出口ラインの流量が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように補正された第2の減少係数との大きい方を選択し、選択された減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁の開度を演算し、前記圧縮機の吸入流体圧力に基づき弁操作信号をPID演算し、前記入口流体圧力調整弁の開度と前記弁操作信号との大きい方を選択し、前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする。
【0019】
(11)第11の手段の流体の圧送装置は、圧縮機と、前記圧縮機の吸入口に接続された流体供給ラインと、前記圧縮機の吐出口に接続された出口ラインと、前記圧縮機の吸入口と吐出口とを接続するリサイクルラインと、前記出口ラインの圧力を検出する出口圧力計と、前記リサイクルラインに介装されたリサイクル弁とを備えた流体の圧送装置において、前記出口圧力計からの検出信号に基づき前記圧縮機及び前記リサイクル弁をフィードバック制御する圧縮機の制御装置と、前記流体供給ラインに介装された入口流体圧力調整弁と、前記流体供給ラインの前記入口流体圧力調整弁より上流側の圧力を検出し入口圧力計測値を出力する入口流体圧力計と、前記入口圧力計測値に基づき前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する入口流体圧力制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0020】
(12)第12の手段の流体の圧送装置は、上記第11の手段において、前記入口流体圧力制御装置は、減少係数を出力する信号発生器と、前記入口圧力計測値を受信すると共に前記信号発生器から前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁に入口弁操作値を出力する関数発生器とを備え、前記関数発生器は、前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁への前記入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする。
【0021】
(13)第13の手段の流体の圧送装置は、上記第11の手段において、前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計を有し、前記入口流体圧力制御装置は、減少係数を出力する信号発生器と、前記入口圧力計測値を受信すると共に前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁に入口弁操作値を演算し出力する関数発生器と、前記吸入圧力計測値を受信してPID演算を行い弁操作信号を出力するPID演算器と、前記関数発生器からの入口弁操作値と前記PID演算器からの弁操作信号とを比較し高い方の値を選択し前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する最大値選択器とを備え、前記関数発生器は、前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記最大値選択器への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする。
【0022】
(14)第14の手段の流体の圧送装置は、上記第11の手段において、前記出口ラインの流量を検出し流量計測値を出力する出口ライン流量計を有し、前記入口流体圧力制御装置は、減少係数を出力する信号発生器と、前記流量計測値及び前記減少係数を受信して前記流量計測値が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、前記入口圧力計測値を受信すると共に前記乗算器から前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁に入口弁操作値を出力する関数発生器とを備え、前記関数発生器は、前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする。
【0023】
(15)第15の手段の流体の圧送装置は、上記第11の手段において、前記出口ラインの流量を検出し流量計測値を出力する出口ライン流量計と、前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計とを有し、前記入口流体圧力制御装置は、減少係数を出力する信号発生器と、前記流量計測値及び前記減少係数を受信して前記流量計測値が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、前記入口圧力計測値を受信すると共に前記乗算器から前記減少係数を受信して入口弁操作値を出力する関数発生器と、前記吸入圧力計測値を受信してPID演算を行い弁操作信号を出力するPID演算器と、前記関数発生器からの入口弁操作値と前記PID演算器からの弁操作信号とを比較し高い方の値を選択し前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する最大値選択器とを備え、前記関数発生器は、前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記最大値選択器への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする。
【0024】
(16)第16の手段の流体の圧送装置は、上記第11の手段において、前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計と、前記圧縮機の吐出ラインの圧力を検出し吐出圧力計測値を出力する吐出流体圧力計とを有し、前記入口流体圧力制御装置は、減少係数を出力する信号発生器と、前記吸入圧力計測値と前記吐出圧力計測値とにより圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比を演算する除算器と、前記吐出圧力と吸入圧力の比及び前記減少係数を受信して前記吐出圧力と吸入圧力の比が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、前記入口圧力計測値を受信すると共に前記乗算器から前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁に入口弁操作値を出力する関数発生器とを備え、前記関数発生器は、前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする。
【0025】
(17)第17の手段の流体の圧送装置は、上記第11の手段において、前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計と、前記圧縮機1の吐出ラインの圧力を検出し吐出圧力計測値を出力する吐出流体圧力計とを有し、前記入口流体圧力制御装置は、減少係数を出力する信号発生器と、前記吸入圧力計測値と前記吐出圧力計測値とにより圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比を演算する除算器と、前記吐出圧力と吸入圧力の比及び前記減少係数を受信して前記吐出圧力と吸入圧力の比が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、前記入口圧力計測値を受信すると共に前記減少係数を受信して入口弁操作値を出力する関数発生器と、前記吸入圧力計測値を受信してPID演算を行い弁操作信号を出力するPID演算器と、前記関数発生器からの入口弁操作値と前記PID演算器からの弁操作信号とを比較し高い方の値を選択し前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する最大値選択器とを備え、前記関数発生器は、前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記最大値選択器への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする。
【0026】
(18)第18の手段の流体の圧送装置は、上記第11の手段において、前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計と、前記圧縮機の吐出ラインの圧力を検出し吐出圧力計測値を出力する吐出流体圧力計と、前記出口ラインの流量を検出し流量計測値を出力する出口ライン流量計とを有し、前記入口流体圧力制御装置は、減少係数を出力する信号発生器と、前記吸入圧力計測値と前記吐出圧力計測値とにより圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比を演算する除算器と、前記吐出圧力と吸入圧力の比及び前記減少係数を受信して前記吐出圧力と吸入圧力の比が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、第2の減少係数を出力する第2の信号発生器と、前記流量計測値及び前記第2の減少係数を受信して前記流量計測値が大きい程前記第2の減少係数の絶対値を小さくする第2の乗算器と、前記乗算器からの減少係数と第2の乗算器からの第2の減少係数とを受信して比較し高い方の値を選択し出力する最大値選択器と、前記入口圧力計測値を受信すると共に前記最大値選択器から前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する関数発生器とを備え、前記関数発生器は、前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする請求項11に記載の流体の圧送装置。
【0027】
(19)第19の手段の流体の圧送装置は、上記第11の手段において、前記圧縮機の吸入ライン力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計と、前記圧縮機の吐出ラインの圧力を検出し吐出圧力計測値を出力する吐出流体圧力計と、前記出口ラインの流量を検出し流量計測値を出力する出口ライン流量計とを有し、前記入口流体圧力制御装置は、減少係数を出力する信号発生器と、前記吸入圧力計測値と前記吐出圧力計測値とにより圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比を演算する除算器と、前記吐出圧力と吸入圧力の比及び前記減少係数を受信して前記吐出圧力と吸入圧力の比が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、第2の減少係数を出力する第2の信号発生器と、前記流量計測値及び前記第2の減少係数を受信して前記流量計測値が大きい程前記第2の減少係数の絶対値を小さくする第2の乗算器と、前記乗算器からの減少係数と第2の乗算器からの第2の減少係数とを受信して比較し高い方の値を選択し出力する最大値選択器と、前記入口圧力計測値を受信すると共に前記最大値選択器から前記減少係数を受信して入口弁操作値を出力する関数発生器と、前記吸入圧力計測値を受信してPID演算を行い弁操作信号を出力するPID演算器と、前記関数発生器からの入口弁操作値と前記PID演算器からの弁操作信号とを比較し高い方の値を選択し前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する第2の最大値選択器とを備え、前記関数発生器は、前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記第2の最大値選択器への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする。
【0028】
(20)第20の手段のガスタービン用の燃料ガス供給装置は、前記出口ラインの下流側に接続されたヘッダタンクと、前記ヘッダタンクに接続されたガスタービン供給ラインと、前記ガスタービン供給ラインの下流側に接続され発電機を駆動するガスタービンとを備え、前記出口圧力計は前記ヘッダタンクの圧力を検出するものであり、前記(11)乃至(19)の手段のいずれかに記載の流体の圧送装置はガスタービンへ燃料ガスを供給するものであることを特徴とする。
【0029】
(21)第21の手段のガス輸送ラインの中継基地は、前記(11)乃至(19)の手段のいずれかに記載の流体の圧送装置と、前記出口ラインの上流側と前記燃料ガス供給ラインの下流側とを接続するバイパスラインと、前記バイパスラインに介装されたバイパス弁とを備え、前記出口ラインの上流側及び前記燃料ガス供給ラインの下流側はガス輸送ラインに接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
特許請求の範囲に記載の各請求項に係る発明は、上記の(1)〜(21)に記載の各手段を採用しており、圧縮機を駆動する原動機を連続運転させることにより停止時の起動準備等が不要となる、或いは過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の各実施の形態を図1〜図12に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る流体の圧送方法及び圧送装置の全体構成図である。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る流体の圧送方法及び圧送装置の全体構成図である。
図3は、図1、図2の入口流体圧力制御装置の制御ブロック図、図4は、図3の関数発生器における圧力と弁開度のとの関係を例示した特性図である。
【0032】
図5〜図11は、本発明の第3〜9の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置の制御ブロック図である。
【0033】
(第1の実施の形態)
まず、図1、図3、図4に基づき、本発明の第1の実施の形態に係る流体の圧送方法及び圧送装置につき説明する。
図1に図示のように、燃料ガス(流体)供給源5に接続された燃料ガス(流体)供給ライン6の上流側には、ライン内を流れる燃料ガス(流体)の圧力を調整する入口流体圧力調整装置82が介装されている。
なお、ラインとは、配管、ダクト等、流体を搬送する各種の形態を含むものとする(以下、同様)。
【0034】
また、燃料ガス供給ライン6の入口流体圧力調整装置82より下流側には、燃料ガスを所定の圧力に昇圧する流体圧送装置81が接続されている。
そして、流体圧送装置81の下流側にはガスタービン供給ライン11が接続され、ガスタービン供給ライン11の下流端には発電機4を駆動するガスタービン3が接続されている。
【0035】
次に、入口流体圧力調整装置82につき詳細に説明する。
なお、燃料ガス供給源5から搬送される燃料ガス圧力は、圧力変動を考慮して、必要な最低圧力以上になるようにすることが望ましく、プラントによっては最低圧力以上になるように設定されている。
入口流体圧力調整装置82は、入口ガス(流体)圧力調整弁84と、入口ガス(流体)圧力計83と、入口流体圧力制御装置60とから構成されている。
【0036】
即ち、図1に図示のように、燃料ガス供給ライン6には、入口ガス圧力調整弁84が介装されている。
また、入口ガス圧力調整弁84より上流側の燃料ガス供給ライン6には、ライン内の燃料ガスの圧力を検出する入口ガス圧力計83が設けられている。
なお、この入口ガス圧力計83は、上述のごとく、入口ガス圧力調整弁84の上流側に設ける必要がある。
【0037】
圧力を一定に制御するという観点のみからみれば、入口ガス圧力計83は入口ガス圧力調整弁84の下流側に設けた方が、より精確に圧力を制御できる。
しかしながら、入口ガス圧力計83を、入口ガス圧力調整弁84の下流側に設けた場合、図12の想定図に基づき説明したように、後述する流体圧送装置81におけるリサイクル弁14のフィードバック制御と干渉し、圧縮機1の制御が不安定になるからである。
【0038】
そして、入口ガス圧力計83は、上流側の燃料ガス供給ライン6内の燃料ガスの圧力を検出し、入口圧力計測値PV9を入口流体圧力制御装置60に出力する。
【0039】
入口流体圧力制御装置60は、図3に図示のように、信号発生器68及び関数発生器61を備えている。
信号発生器68には、図4に図示のような、圧力と弁開度との関係を示す減少係数αが設定、記憶されている。
減少係数αは、圧力の増加に応じて弁開度が小さくなるような負の傾きを持った係数である。
なお、この減少係数αは、必ずしも直線状のものである必要はなく、上方に湾曲した関数でも下方に湾曲した関数でも良い。
また、減少係数αは、グラフ、演算式等各種の形態で設定、記憶することができる。
【0040】
図3に図示のように、入口ガス圧力計83からの入口圧力計測値PV9及び、信号発生器68に記憶された減少係数αは、関数発生器61に送信される。
関数発生器61では、図4に図示のような、入口圧力計測値PV9が圧力下限値Pset以下の時は開度上限値MVo(例えば、開度100%)となるような入口弁操作値(開度)MV11が演算され、入口圧力計測値PV9が圧力下限値Psetと圧力上限値Phとの間の時は減少係数αに基づく入口弁操作値MV11が演算され、入口圧力計測値PV9が圧力上限値Ph以上の時は開度下限値MV(例えば、開度20%)となるような入口弁操作値MV11が演算される。
なお、圧力上限値Phは、後述するように減少係数αが補正されることにより、変更される。
【0041】
関数発生器61で演算された入口弁操作値MV11は、図1、図2に図示のように、入口ガス圧力調整弁84に出力され、入口ガス圧力調整弁84は、入口弁操作値MV11に応じた開度に制御される。
【0042】
このようにして、燃料ガス供給ライン6内の燃料ガスは、入口流体圧力調整装置82により所定の許容変動範囲内の圧力に制御されて、流体圧送装置81に輸送される。
【0043】
次に、流体圧送装置81の概要につき説明する。
なお、図1における、流体圧送装置81の構成については、本願の出願人が出願した特願2004−332622にて説明したものと同じである。
燃料ガス供給ライン6には、圧縮機吸入ライン7及び燃料ガスの流入を調整する流入量調整手段としての入口ガイドベーン(inlet guide vane、又は入口案内翼。以下、「IGV」と称する。)13を介して、圧縮機1の吸入口が接続されている。
また、圧縮機1の回転軸は、図示略のクラッチ等を介して蒸気タービン、電動モータ等の原動機2に連結されている。
【0044】
圧縮機1の吐出口は、圧縮機吐出ライン8、逆止弁15、遮断弁16、ヘッダタンク供給ライン10を介して、ヘッダタンク12の入口に接続されている。
ヘッダタンク12の出口は、ガスタービン供給ライン11を介して、ガスタービン3に接続されている。
ガスタービン3の回転軸は、図示略のクラッチ等を介して発電機4に連結されている。
なお、ガスタービン3のガス入り口には、要求される負荷(発電機の発電量)に応じて燃料ガスの導入量を調整する図示略のガバナ(流量調整弁)が配設されている。
【0045】
そして、燃料ガス供給ライン6と圧縮機吸入ライン7とのライン合流点17と、圧縮機吐出ライン8とヘッダタンク供給(出口)ライン10とのライン分岐点18とは、リサイクル弁(或いは、戻り弁、又はRCV(Recycle Valve)という)14が介在されたリサイクルライン(或いは、戻り配管、バイパス配管ともいう)9により接続されている。
なお、リサイクルライン9には、圧縮機1により圧縮されて高温となった燃料ガスを冷却するための冷却器19も介装されている。
【0046】
なお、リサイクル弁14は、アンチサージ制御機能も持っており、圧縮機1がサージング状態に入ったときに、速やかにその状態から抜け出すために開いて吐出圧力を低下させる機能を有している。
このために、リサイクル弁14は、IGV13に比べて応答性、制御精度に優れたものが使用される。
【0047】
上述の構成において、入口流体圧力調整装置82により圧力が所定の範囲内に調整された燃料ガスは、燃料ガス供給ライン6、ライン合流点17、圧縮機吸入ライン7及びIGV13を介して、圧縮機1により吸引され圧縮される。
圧縮機1によって圧縮された燃料ガスは、圧縮機吐出ライン8、ライン分岐点18、逆止弁15、遮断弁16及びヘッダタンク供給ライン10を介してヘッダタンク12に供給、貯蔵される。
このヘッダタンク12は、燃料ガスの急激な圧力、流量等の変動を緩和する機能を有する。
そして、ヘッダタンク12内の燃料ガスは、ガスタービン供給ライン11を介して発電機4を駆動するガスタービン3に供給され、ここで燃焼される。
【0048】
更に、IGV13より上流側の圧縮機吸入ライン7には、圧縮機1に供給される燃料ガスの温度を計測し入口温度計測値を出力する吸入ガス温度計20、圧力を計測し吸入圧力計測値PV6を出力する吸入ガス圧力計21、及び比重を計測し比重計測値を出力するガス比重計22が取り付けられている。
なお、吸入ガス圧力計21は、燃料ガス供給ライン6、又はリサイクルライン9のライン合流点17付近に設けても良い(以下、この場合も含むものとする)。
圧縮機吐出ライン8には、圧縮機1から吐出される燃料ガスの圧力を計測し吐出圧力計測値PV8を出力するする吐出ガス圧力計23、及び流量を計測し吐出流量計測値を出力する吐出ガス流量計24が取り付けられている。
【0049】
また、ヘッダタンク供給ライン10には、ヘッダタンク12に供給される燃料ガスの供給量を計測しタンク供給流量計測値PV4を出力するヘッダタンク供給ライン流量計25が取り付けられている。
ヘッダタンク12、或いはヘッダタンク供給ライン10のヘッダタンク12近傍には、ヘッダタンク12内の燃料ガスの圧力を検出しタービン供給圧力計測値を出力するヘッダタンク圧力計26が取り付けられている。
ガスタービン供給ライン11には、ガスタービン3へ供給される燃料ガスの流量を計測しガスタービン供給流量計測値PV3を出力するガスタービン供給ライン流量計27が取り付けられている。
【0050】
ガスタービン3の運転時には、上述の吸入ガス温度計20、吸入ガス圧力計21、ガス比重計22、吐出ガス圧力計23、吐出ガス流量計24、ヘッダタンク供給ライン流量計25、ヘッダタンク圧力計26及びガスタービン供給ライン流量計27での計測値は、信号電線を介して圧縮機の制御装置30に出力される。
一方、圧縮機の制御装置30の圧縮状態補正器31には、ガスタービン制御監視装置50或いは中央制御監視装置から、ガスタービン3に必要な燃料ガスへの吐出流量である負荷指令値が入力される。
【0051】
次に、制御装置30における演算内容につき説明する。
制御装置30内の圧縮状態補正器31では、吸入ガス温度計20からの燃料ガスの吸入温度計測値、吸入ガス圧力計21からの燃料ガスの吸入圧力計測値PV6、ガス比重計22からの燃料ガスの比重計測値、吐出ガス圧力計23からの燃料ガスの吐出圧力計測値PV8に基づき、ガスタービン制御監視装置50からの負荷指令値を増減する補正が行われる。
この補正は、吸入温度計測値が高くなるに従い高くなるような補正、吸入圧力計測値PV6に比例して低くなるような補正、比重計測値に比例して低くなるような補正、吸入圧力計測値PV6と吐出圧力計測値PV8との圧力比率が低くなるに従い低くなるような補正の少なくとも1つを乗算或いは加算するものである。
【0052】
この補正された負荷指令値は、指令値関数発生器32に出力される。
指令値関数発生器32では、圧縮状態補正器31からの補正後の負荷指令値と、圧縮機の制御装置30内の圧力設定器40から入力された供給圧力設定値とに基づき、所定の関数にて弁操作値が演算される。
指令値関数発生器32にて演算された弁操作値は、開度指令加算器33に出力される。
【0053】
また、圧縮機1の制御装置30には、ガスタービン3へ供給される燃料ガスの供給圧力設定値を設定する圧力設定器40が配設されている。
この供給圧力設定値は、圧力調節器41に入力される。
一方、圧力調節器41には、ヘッダタンク圧力計26によって検出されたタービン供給圧力計測値も入力される。
圧力調節器41では、供給圧力設定値とタービン供給圧力計測値との偏差に基づきPI(比例、積分)演算処理が行われて圧力操作値が演算され、この圧力操作値はフィードバック制御用の操作信号として加算器42に出力される。
【0054】
加算器42では、この圧力操作値とガスタービン供給ライン流量計27から入力されたガスタービン供給流量計測値PV3(フィードフォワード制御用)とが加算されて、圧力操作補正値として流量調節器43に出力される。
流量調節器43には、ヘッダタンク供給ライン流量計25からタンク供給流量計測値PV4(フィードフォワード制御用)も入力される。
【0055】
流量調節器43では、圧力操作補正値とタンク供給流量計測値PV4との偏差に基づきPI(比例、積分)演算処理が行われて操作増減値(フィードフォワード信号用)が演算される。
このようにして、最終的に、圧力調節器41加算器42及び流量調節器43において、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組合せた補正操作値が演算され、この補正操作は開度指令加算器33に出力される。
【0056】
開度指令加算器33では、指令値関数発生器32から入力された弁操作値と、流量調節器43から出力された補正操作値とを加算して弁操作補正値を求め、弁操作補正値を流量調整手段用関数発生器34及びリサイクル弁用関数発生器35に出力する。
【0057】
そして、弁操作補正値に基づき流量調整手段用関数発生器34により流量調整開度指令値が演算され、流量調整開度指令値に基づきIGV13が制御される。
これと並行して、流量調整手段用関数発生器34からの流量調整開度指令値と、出口ガス流量計24で検出された吐出流量計測値とに基づき、吐出流量制御設定値関数発生器37、流量調節器38、リサイクル弁用関数発生器35、高位選択器36により、リサイクル弁14も制御される。
【0058】
このように、流体圧送装置81では、圧縮機の制御装置30により、IGV13及びリサイクル弁14は、ヘッダタンク圧力計26によって検出されたタービン供給圧力計測値等によりフィードバック制御される。
【0059】
以上の構成により、燃料ガス供給源5から燃料ガス供給ライン6を通り輸送された燃料ガスは、入口流体圧力調整装置82の入口ガス圧力調整弁84、入口ガス圧力調整弁84より上流側に設けられた入口ガス圧力計83、入口流体圧力制御装置60に基づき、その圧力が所定の範囲内に制御され、所定の圧力の範囲内に制御された燃料ガスは、流体圧送装置81に導入される。
流体圧送装置81内では、IGV13、リサイクル弁14は、ヘッダタンク圧力計26によって検出されたタービン供給圧力計測値等によりフィードバック制御され、要求される発電機4の発電量に応じた燃料ガス量がガスタービン3に供給される。
【0060】
このように、流体圧送装置81でのガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量のフィードバック制御と、流体圧送装置81の上流側での入口流体圧力調整装置82による燃料ガスの圧力調整とを別個に独立して行うことにより、圧縮機1を駆動する原動機2を連続運転させることができるため、原動機2を発停する必要がなく、原動機2の起動に伴う過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
次に、図2、図3、図4に基づき、本発明の第2の実施の形態に係る流体圧送装置及び流体圧送装置へ流体を供給する入口流体圧力調整装置につき説明する。
図2に図示のものは、本発明の第1の実施の形態(図1)において説明した入口流体圧力調整装置82及び図1の流体圧送装置81を簡略化した流体圧送装置81を、天然ガス等のガス輸送ライン85に適用した形態である。
【0062】
即ち、図2に図示のように、数百〜数千kmにもおよぶガス輸送ライン85には、所定間隔で、入口流体圧力調整装置82及び流体圧送装置81からなる複数個の中継基地88が設置されている。
そして、複数の中継基地88は、パイプライン制御監視装置50により監視、制御されている。
なお、ガス輸送ライン85の中継基地88の場合、図2には、入口流体圧力調整装置82及び流体圧送装置81は一組しか図示していないが、実際には、二組設置されており、一方の入口流体圧力調整装置82或いは流体圧送装置81が使用不能となった場合に、他方の入口流体圧力調整装置82及び流体圧送装置81により、ガスの圧送が継続できるようになっている。
【0063】
更に、運用上、或いは圧縮機1の点検時に、圧縮機1を停止して、圧縮機1をバイパスしてガスを下流に送る場合に、入口流体圧力調整装置82の上流側のガス供給ライン6と流体圧送装置81の下流側の出口ライン10とは、バイパスライン86により接続され、バイパスライン86には、バイパス弁87が介装されている。
したがって、このバイパス弁87は、圧縮機1が運転中の場合には、閉じている。
【0064】
上述の本発明の第2の実施の形態においては、図1、図3、図4に図示の本発明の第1の実施の形態と同様に、ガス供給ライン6に、入口ガス圧力計83、入口ガス圧力調整弁84、入口流体圧力制御装置60からなる入口流体圧力調整装置82が設けられている。
また、図2に図示のように、入口流体圧力調整装置82の下流側には、図1に図示の流体圧送装置81を簡略にした流体圧送装置81が接続されている。
【0065】
即ち、ガス輸送ライン85においては、図1に図示のヘッダタンク12を省略することができる。
この場合、出口圧力計26は、ヘッダタンク12にではなく、流体圧送装置81の下流側の出口ライン10に設けられている。
また、図1に図示のガスタービン供給ライン流量計27も不要となる。
なお、その他の圧縮機1、原動機2、圧縮機吸入ライン7、圧縮機吐出ライン8、リサイクルライン9、IGV13、リサイクル弁14、逆止弁15、遮断弁16、ライン合流点17、ライン分岐点18、吸入ガス温度計20、吸入ガス圧力計21、ガス比重計22、吐出ガス圧力計23、吐出ガス流量計24、出口ライン流量計25、出口圧力計26等は、図1に図示のものと同様に設けられている。
【0066】
そして、圧縮機の制御装置30においても、図1に図示のものと同様に、圧縮状態補正器31、指令値関数発生器32、開度指令加算器33、流量調整手段用関数発生器34、リサイクル弁用関数発生器35、高位選択器36、吐出流量制御設定値関数発生器37及び流量調節器38により、IGV13及びリサイクル弁14が制御される。
但し、図1のものと異なる点は、圧力設定器40からのガスの供給圧力設定値と出口圧力計26からの出口圧力計測値との偏差に基づきPI(比例、積分)演算処理が行われてフィードバック制御用の圧力操作値を演算し、圧力操作値を、そのまま補正操作値として開度指令加算器33に入力するようにしている。
【0067】
以上の構成において、ガス輸送ライン85を通り輸送されてきたガスは、数百kmにもおよぶガス輸送ライン85の管抵抗等により圧力が低下している。
そこで、各中継基地88において、ガスは、ガス供給ライン6に設けられた入口流体圧力調整装置82の入口ガス圧力調整弁84、入口ガス圧力調整弁84より上流側に設けられた入口ガス圧力計83、入口流体圧力制御装置60に基づき、その圧力が所定の範囲内に制御される。
所定の圧力の範囲内に制御されたガスは、流体圧送装置81に導入される。
流体圧送装置81内では、IGV13、リサイクル弁14は、出口圧力計26によって検出された出口圧力計測値等によりフィードバック制御され、ガスは圧縮機1により所定の圧力に昇圧されて、次のガス輸送ライン85、中継基地88へと圧送される。
【0068】
このように、流体圧送装置81での昇圧の制御と、流体圧送装置81の上流側での入口流体圧力調整装置82によるガスの圧力調整とを別個に独立して行うことにより、圧縮機1を駆動する原動機2を連続運転させることができるため、原動機2を発停する必要がなく、原動機2の起動に伴う過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる。
【0069】
(第3の実施の形態)
次に、図5に基づき、本発明の第3の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置につき説明する。
なお、本発明の第3の実施の形態は、本発明の第1の実施の形態(図1)と同様に、燃料ガス供給源5に接続された燃料ガス供給ライン6の上流側には、ライン内を流れる燃料ガスの圧力を調整する入口流体圧力調整装置82が介装されている。
この入口流体圧力調整装置82は、燃料ガス供給ライン6に介装された入口ガス圧力調整弁84と、入口ガス圧力調整弁84より上流側の燃料ガス供給ライン6に設けられた入口ガス圧力計83と、入口流体圧力制御装置60aとから構成されている。
【0070】
燃料ガス供給ライン6の入口流体圧力調整装置82より下流側には、燃料ガスを所定の圧力に昇圧する流体圧送装置81が接続されている。
そして、流体圧送装置81の下流側にはガスタービン供給ライン11が接続され、ガスタービン供給ライン11の下流端には発電機4を駆動するガスタービン3が接続されている。
【0071】
入口流体圧力調整装置82において、入口ガス圧力計83は、上流側の燃料ガス供給ライン6内の燃料ガスの圧力を検出し、入口圧力計測値PV9を入口流体圧力制御装置60aに出力する。
また、吸入ガス圧力計21は、圧縮機吸入ライン7の燃料ガスの圧力を検出し、吸入圧力計測値PV6を入口流体圧力制御装置60aに出力する。
【0072】
入口流体圧力制御装置60aは、図5に図示のように、信号発生器68、関数発生器61、PID演算器63、最大値選択器66を備えている。
【0073】
信号発生器68には、本発明の第1の実施の形態と同様に、図4に図示のような、圧力と弁開度との関係を示す減少係数αが設定、記憶されている。
入口ガス圧力計83からの入口圧力計測値PV9及び、信号発生器68に記憶された減少係数αは、関数発生器61に送信される。
関数発生器61では、第1の実施の形態と同様に、図4に図示のような、入口圧力計測値PV9が圧力下限値Pset以下の時は開度上限値MVo(例えば、開度100%)となるような入口弁操作値(開度)MV11が演算され、入口圧力計測値PV9が圧力下限値Psetと圧力上限値Phとの間の時は減少係数αに基づく入口弁操作値MV11が演算され、入口圧力計測値PV9が圧力上限値Ph以上の時は開度下限値MV(例えば、開度20%)となるような入口弁操作値MV11が演算される。
関数発生器61で演算された入口弁操作値MV11は、最大値選択器66に出力される。
【0074】
一方、吸入ガス圧力計21にて検出された吸入圧力計測値PV6は、PID演算器63に入力される。
PID演算器63では、吸入圧力計測値PV6に基づくPID演算が行われ、吸入圧力計測値PV6が低いほど弁開度を大きくする弁操作信号(入口ガス圧力調整弁84の開度の信号)が最大値選択器66に出力される。
【0075】
最大値選択器66では、関数発生器61から出力された入口弁操作値MV11と、PID演算器63から出力された弁操作信号とが比較され、高い方の値が選択され入口弁操作値MV11として入口ガス圧力調整弁84に出力され、入口ガス圧力調整弁84は、入口弁操作値MV11に応じた開度に制御される。
【0076】
上述の構成によれば、通常の運転状態においては、本発明の第1の実施の形態(図1)と同様に、入口ガス圧力調整弁84は入口ガス圧力計83からの入口圧力計測値PV9に基づき制御されるため、流体圧送装置81でのガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量のフィードバック制御と、流体圧送装置81の上流側での入口流体圧力調整装置82による燃料ガスの圧力調整とを別個に独立して行うことにより、圧縮機1を駆動する原動機2を連続運転させることができるため、原動機2を発停する必要がなく、原動機2の起動に伴う過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる。
【0077】
これに加えて、本発明の第3の実施の形態においては、例えば、ガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量が急増し、圧縮機吸入ライン7の燃料ガス圧力が急減し、吸入ガス圧力計21からの吸入圧力計測値PV6に基づくPID制御による弁操作信号が、関数発生器61から出力された入口弁操作値MV11より大きくなったとき、それが最大値選択器66にて選択、即ち補正が行われて、これに基づき入口ガス圧力調整弁84が制御される。
したがって、需要先の要求する燃料ガスの供給量の急増に対応でき、且つ、圧縮機1の吸入口の異常低下に起因するサージングを防止することができる。
【0078】
(第4の実施の形態)
次に、図6に基づき、本発明の第4の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置につき説明する。
なお、本発明の第4の実施の形態は、本発明の第1の実施の形態(図1)と同様に、燃料ガス供給源5に接続された燃料ガス供給ライン6の上流側には、ライン内を流れる燃料ガスの圧力を調整する入口流体圧力調整装置82が介装されている。
この入口流体圧力調整装置82は、燃料ガス供給ライン6に介装された入口ガス圧力調整弁84と、入口ガス圧力調整弁84より上流側の燃料ガス供給ライン6に設けられた入口ガス圧力計83と、入口流体圧力制御装置60bとから構成されている。
【0079】
燃料ガス供給ライン6の入口流体圧力調整装置82より下流側には、燃料ガスを所定の圧力に昇圧する流体圧送装置81が接続されている。
そして、流体圧送装置81の下流側にはガスタービン供給ライン11が接続され、ガスタービン供給ライン11の下流端には発電機4を駆動するガスタービン3が接続されている。
【0080】
入口流体圧力調整装置82において、入口ガス圧力計83は、上流側の燃料ガス供給ライン6内の燃料ガスの圧力を検出し、入口圧力計測値PV9を入口流体圧力制御装置60bに出力する。
また、ヘッダタンク供給ライン流量計25或いはガスタービン供給ライン流量計27は、ヘッダタンク供給ライン10或いはガスタービン供給ライン11内を流れる燃料ガスの流量を検出し、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3を入口流体圧力制御装置60bに出力する。
【0081】
入口流体圧力制御装置60bは、図6に図示のように、関数発生器61、信号発生器68、乗算器69、逆数演算器70を備えている。
信号発生器68には、第1の実施の形態と同様に、図4に図示のような、圧力と弁開度との関係を示す減少係数αが設定、記憶されており、減少係数αは乗算器69に出力される。
【0082】
一方、ヘッダタンク供給ライン流量計25或いはガスタービン供給ライン流量計27にて検出されたタンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3は、逆数演算器70に入力される。
逆数演算器70では、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3の逆数Yが演算され、その演算結果Yは乗算器69に出力される。
乗算器69では、逆数演算器70から入力された逆数Yと信号発生器68から入力された減少係数αとを乗算する補正が行われる。
この補正された減少係数αは、関数発生器61に出力される。
【0083】
関数発生器61では、補正された減少係数αに基づき、図4において開度上限値MVo、圧力下限値Psetを固定点として補正された減少係数αのグラフ(変換関数)を作成する。
即ち、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3等が増加した場合には、補正された減少係数αの傾きは小さくなるため、図4に一点鎖線で図示のように、減少係数αの線は、開度上限値MVo、圧力下限値Psetを固定点として反時計周りに旋回する(即ち、減少係数αの絶対値は小さくなる。)
これにより、入口弁操作値MV11の値は大きくなる。
そして、入口ガス圧力計83から入力された入口圧力計測値PV9と、関数発生器61からの補正された減少係数αに基づき、入口弁操作値MV11が演算され、演算された入口弁操作値MV11は入口ガス圧力調整弁84に出力され、入口ガス圧力調整弁84は、入口弁操作値MV11に応じた開度に制御される。
【0084】
上述の構成によれば、通常の運転状態においては、本発明の第1の実施の形態(図1)と同様に、入口ガス圧力調整弁84は入口ガス圧力計83からの入口圧力計測値PV9に基づき制御されるため、流体圧送装置81でのガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量のフィードバック制御と、流体圧送装置81の上流側での入口流体圧力調整装置82による燃料ガスの圧力調整とを別個に独立して行うことにより、圧縮機1を駆動する原動機2を連続運転させることができるため、原動機2を発停する必要がなく、原動機2の起動に伴う過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる。
【0085】
また、ガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量(即ち、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3)が急増したとき、圧縮機1の流量を増加させるため、流体圧送装置81においてリサイクルライン9により戻る燃料ガス量が減少すると共に、配管圧損が大きくなり圧縮機1の吸入口の圧力が低下する。
このため、入口流体圧力調整装置82の入口ガス圧力調整弁84で圧力を無理に減圧する必要がなくなる。
そこで、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3にて燃料ガスの流量を検出して、計測値PV3又はPV4が少ないときには入口ガス圧力調整弁84を開く方向に減少係数αにより関数発生器61の関数(Fx)を補正して、入口ガス圧力調整弁84を制御して減圧量を低減させる。
【0086】
入口ガス圧力調整弁84で減圧するのは、圧縮機1にとって運転効率が悪くなる(一度減圧して圧縮機1で再び昇圧するため)ことから、本発明の第4の実施の形態のものにおいては、上述の構成により圧縮機1の運転効率を向上させることができる。
【0087】
(第5の実施の形態)
次に、図7に基づき、本発明の第5の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置につき説明する。
本発明の第5の実施の形態は、本発明の第3の実施の形態(図5)のものと、第4の実施の形態(図6)のものとを組み合わせたものである。
【0088】
即ち、本発明の第5の実施の形態は、本発明の第1の実施の形態(図1)のものと同様に、燃料ガス供給源5に接続された燃料ガス供給ライン6の上流側には、ライン内を流れる燃料ガスの圧力を調整する入口流体圧力調整装置82が介装されている。
また、燃料ガス供給ライン6の入口流体圧力調整装置82より下流側には、燃料ガスを所定の圧力に昇圧する流体圧送装置81が接続されている。
【0089】
流体圧送装置81の下流側にはガスタービン供給ライン11が接続され、ガスタービン供給ライン11の下流端には発電機4を駆動するガスタービン3が接続されている。
また、入口流体圧力調整装置82は、燃料ガス供給ライン6に介装された入口ガス圧力調整弁84と、入口ガス圧力調整弁84より上流側の燃料ガス供給ライン6に設けられた入口ガス圧力計83と、入口流体圧力制御装置60cとから構成されている。
【0090】
入口流体圧力調整装置82において、入口ガス圧力計83は、上流側の燃料ガス供給ライン6内の燃料ガスの圧力を検出し、入口圧力計測値PV9を入口流体圧力制御装置60cに出力する。
また、圧縮機吸入ライン7に設けられている吸入ガス圧力計21は、圧縮機吸入ライン7の燃料ガスの圧力を検出し、吸入圧力計測値PV6を入口流体圧力制御装置60cに出力する。
更に、ヘッダタンク供給ライン流量計25或いはガスタービン供給ライン流量計27は、ヘッダタンク供給ライン10或いはガスタービン供給ライン11内を流れる燃料ガスの流量を検出し、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3を入口流体圧力制御装置60cに出力する。
【0091】
入口流体圧力制御装置60cは、図7に図示のように、本発明の第3の実施の形態(図5)のものと、第4の実施の形態(図6)のものとを組み合わせたものであり、関数発生器61、逆数演算器70、信号発生器68、乗算器69、PID演算器63及び最大値選択器66を備えている。
【0092】
そして、本発明の第4の実施の形態(図6)のものと同様に、入口ガス圧力計83から入力された入口圧力計測値PV9と、ヘッダタンク供給ライン流量計25或いはガスタービン供給ライン流量計27から入力されたタンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3とに基づき、関数発生器61にて入口弁操作値MV11が演算され、入口弁操作値MV11は最大値選択器66に出力される。
そして、本発明の第3の実施の形態(図5)のものと同様に、最大値選択器66にて、吸入ガス圧力計21から入力された吸入圧力計測値PV6に基づくPID演算器63でのPID演算値と比較され、高い方の値が選択され入口弁操作値MV11として入口ガス圧力調整弁84に出力され、入口ガス圧力調整弁84は、入口弁操作値MV11に応じた開度に制御される。
【0093】
上述の構成によれば、通常の運転状態においては、本発明の第1の実施の形態(図1)と同様に、入口ガス圧力調整弁84は入口ガス圧力計83からの入口圧力計測値PV9に基づき制御されるため、流体圧送装置81でのガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量のフィードバック制御と、流体圧送装置81の上流側での入口流体圧力調整装置82による燃料ガスの圧力調整とを別個に独立して行うことにより、圧縮機1を駆動する原動機2を連続運転させることができるため、原動機2を発停する必要がなく、原動機2の起動に伴う過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる。
【0094】
また、ガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量(即ち、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3)が急増したとき、圧縮機1の流量を増加させるため、流体圧送装置81においてリサイクルライン9により戻る燃料ガス量が減少すると共に、ラインの圧力損失により圧縮機1の吸入口の圧力が低下する。
このため、入口流体圧力調整装置82の入口ガス圧力調整弁84で圧力を無理に減圧する必要がなくなる。
そこで、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3にて燃料ガスの流量を検出して、計測値PV3又はPV4が少ないときには入口ガス圧力調整弁84を開く方向に補正した入口弁操作値MV11が演算される。
【0095】
一方、例えば、ガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量が急増し、圧縮機吸入ライン7の燃料ガス圧力が急減したとき、吸入ガス圧力計21からの吸入圧力計測値PV6に基づきPID演算器63にて弁操作信号が演算される。
【0096】
そして、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3により補正された入口弁操作値MV11、又は吸入圧力計測値PV6に基づく弁操作信号のどちらか高い方が選択され、入口ガス圧力調整弁84が制御されるため、より確実に、需要先の要求する燃料ガスの供給量の急増に対応でき、且つ、圧縮機1の吸入口の異常低下に起因するサージングを防止することができる。
【0097】
(第6の実施の形態)
次に、図8に基づき、本発明の第6の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置につき説明する。
本発明の第6の実施の形態は、第1の実施の形態(図1)と同様に、燃料ガス供給源5に接続された燃料ガス供給ライン6の上流側には、ライン内を流れる燃料ガスの圧力を調整する入口流体圧力調整装置82が介装されている。
この入口流体圧力調整装置82は、燃料ガス供給ライン6に介装された入口ガス圧力調整弁84と、入口ガス圧力調整弁84より上流側の燃料ガス供給ライン6に設けられた入口ガス圧力計83と、入口流体圧力制御装置60dとから構成されている。
【0098】
燃料ガス供給ライン6の入口流体圧力調整装置82より下流側には、燃料ガスを所定の圧力に昇圧する流体圧送装置81が接続されている。
そして、流体圧送装置81の下流側にはガスタービン供給ライン11が接続され、ガスタービン供給ライン11の下流端には発電機4を駆動するガスタービン3が接続されている。
【0099】
入口流体圧力調整装置82において、入口ガス圧力計83は、上流側の燃料ガス供給ライン6内の燃料ガスの圧力を検出し、入口圧力計測値PV9を入口流体圧力制御装置60dに出力する。
更に、吸入ガス圧力計21は、圧縮機吸入ライン7の吸入圧力を計測し吸入圧力計測値PV6を入口流体圧力制御装置60dに出力し、吐出ガス圧力計23は、圧縮機吐出ライン8の吐出圧力を計測し吐出圧力計測値PV8を入口流体圧力制御装置60dに出力する。
【0100】
入口流体圧力制御装置60dは、図8に図示のように、関数発生器61、除算器64、逆数演算器70、信号発生器68及び乗算器69を備えている。
信号発生器68には、第1の実施の形態と同様に、図4に図示のような、圧力と弁開度との関係を示す減少係数αが設定、記憶されており、減少係数αは乗算器69に出力される。
【0101】
一方、吸入ガス圧力計21にて計測された吸入圧力計測値PV6及び吐出ガス圧力計23にて計測された吐出圧力計測値PV8は、除算器64にて両者の比C(=PV8/PV6)が演算され、その比Cは逆数演算器70に出力される。
逆数演算器70では、その逆数Y(=1/C)が演算され、その演算結果Yは乗算器69に出力される。
乗算器69では、逆数演算器70から入力された逆数Yと信号発生器68から入力された減少係数αとを乗算する補正が行われる。
この補正された減少係数αは、関数発生器61に出力される。
【0102】
関数発生器61では、補正された減少係数αに基づき、図4において開度上限値MVo、圧力下限値Psetを固定点として補正された減少係数αのグラフ(変換関数)を作成する。
即ち、比C(=吐出圧力計測値PV8/吸入圧力計測値PV6)が増加した場合には、補正された減少係数αの傾きは小さくなるため、図4に一点鎖線で図示のように、減少係数αの線は、開度上限値MVo、圧力下限値Psetを固定点として反時計周りに旋回する。(即ち、減少係数αの絶対値は小さくなる。)
これにより、入口弁操作値MV11の値は大きくなる。
そして、入口圧力計測値PV9と、関数発生器61からの補正された減少係数αに基づき、入口弁操作値MV11が演算され、演算された入口弁操作値MV11は入口ガス圧力調整弁84に出力され、入口ガス圧力調整弁84は、入口弁操作値MV11に応じた開度に制御される。
【0103】
上述の構成によれば、通常の運転状態においては、第1の実施の形態のものと同様に、入口ガス圧力調整弁84は入口ガス圧力計83からの入口圧力計測値PV9に基づき制御されるため、流体圧送装置81でのガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量の制御と、流体圧送装置81の上流側での入口流体圧力調整装置82による燃料ガスの圧力調整とを別個に独立して行うことにより、圧縮機1を駆動する原動機2を連続運転させることができるため、原動機2を発停する必要がなく、原動機2の起動に伴う過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる。
【0104】
また、ガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量が急増したとき、圧縮機1の圧縮比C(=吐出圧力計測値PV8/吸入圧力計測値PV6)が増加すると、圧縮機1の運転点がサージング領域に近づく。圧縮機1の運転点がサージング領域に入る運転になると、圧縮機1が故障する。
これに対し、本発明の第6の実施の形態のものでは、圧縮機1前後の圧力(吸入圧力計測値PV6及び吐出圧力計測値PV8)を検出して圧縮比Cを計算し、圧縮比Cが小さいときには入口ガス圧力調整弁84を閉じる方向に制御して減圧し、逆に圧縮比Cが大きくなりサージング領域に近づくときには、入口ガス圧力調整弁84を開く方向に減少係数αにより関数発生器61の関数(Fx)を補正し、入口ガス圧力調整弁84を制御して減圧量を低減させて、圧縮機1の運転点をサージング領域から回避する。
これによって、圧縮機1の運転点をサージング領域から離して運転することで、圧縮機1の故障を回避することができる。
【0105】
(第7の実施の形態)
次に、図9に基づき、本発明の第7の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置につき説明する。
本発明の第7の実施の形態は、第1の実施の形態(図1)と同様に、燃料ガス供給源5に接続された燃料ガス供給ライン6の上流側には、ライン内を流れる燃料ガスの圧力を調整する入口流体圧力調整装置82が介装されている。
この入口流体圧力調整装置82は、燃料ガス供給ライン6に介装された入口ガス圧力調整弁84と、入口ガス圧力調整弁84より上流側の燃料ガス供給ライン6に設けられた入口ガス圧力計83と、入口流体圧力制御装置60eとから構成されている。
【0106】
燃料ガス供給ライン6の入口流体圧力調整装置82より下流側には、燃料ガスを所定の圧力に昇圧する流体圧送装置81が接続されている。
そして、流体圧送装置81の下流側にはガスタービン供給ライン11が接続され、ガスタービン供給ライン11の下流端には発電機4を駆動するガスタービン3が接続されている。
【0107】
入口流体圧力調整装置82において、入口ガス圧力計83は、上流側の燃料ガス供給ライン6内の燃料ガスの圧力を検出し、入口圧力計測値PV9を入口流体圧力制御装置60eに出力する。
更に、吸入ガス圧力計21は、圧縮機吸入ライン7の吸入圧力を計測し吸入圧力計測値PV6を入口流体圧力制御装置60eに出力し、吐出ガス圧力計23は、圧縮機吐出ライン8の吐出圧力を計測し吐出圧力計測値PV8を入口流体圧力制御装置60eに出力する。
【0108】
入口流体圧力制御装置60eは、図9に図示のように、関数発生器61、除算器64、逆数演算器70、信号発生器68、乗算器69、PID演算器63及び最大値選択器66を備えている。
そして、関数発生器61から、本発明の第6の実施の形態(図8)と同様に、入口ガス圧力計83から出力された入口圧力計測値PV9、吸入ガス圧力計21にて計測された吸入圧力計測値PV6及び吐出ガス圧力計23にて計測された吐出圧力計測値PV8に基づき、補正された入口弁操作値MV11が最大値選択器66に出力される。
【0109】
更に、吸入圧力計測値PV6は、PID演算器63に入力されて、PID演算され、その演算結果も最大値選択器66に出力される。
最大値選択器66では、関数発生器61から出力された補正された入口弁操作値MV11と、PID演算器63からの演算結果とが比較され、高い方の値が選択され入口弁操作値MV11として入口ガス圧力調整弁84に出力され、入口ガス圧力調整弁84は、入口弁操作値MV11に応じた開度に制御される。
【0110】
上述の構成により、本発明の第6の実施の形態(図8)における作用効果に加えて、吸入圧力計測値PV6に基づく弁操作信号が最大値選択器66にて選択、即ち補正が行われて、これに基づき入口ガス圧力調整弁84が制御される。
したがって、需要先の要求する燃料ガスの供給量の急増に対応でき、且つ、圧縮機1の吸入口の異常低下に起因するサージングを防止することができる。
【0111】
(第8の実施の形態)
次に、図10に基づき、本発明の第8の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置につき説明する。
本発明の第8の実施の形態は、第1の実施の形態(図1)と同様に、燃料ガス供給源5に接続された燃料ガス供給ライン6の上流側には、ライン内を流れる燃料ガスの圧力を調整する入口流体圧力調整装置82が介装されている。
入口流体圧力調整装置82は、燃料ガス供給ライン6に介装された入口ガス圧力調整弁84と、入口ガス圧力調整弁84より上流側の燃料ガス供給ライン6に設けられた入口ガス圧力計83と、入口流体圧力制御装置60fとから構成されている。
【0112】
燃料ガス供給ライン6の入口流体圧力調整装置82より下流側には、燃料ガスを所定の圧力に昇圧する流体圧送装置81が接続されている。
そして、流体圧送装置81の下流側にはガスタービン供給ライン11が接続され、ガスタービン供給ライン11の下流端には発電機4を駆動するガスタービン3が接続されている。
【0113】
入口流体圧力調整装置82において、入口ガス圧力計83は、上流側の燃料ガス供給ライン6内の燃料ガスの圧力を検出し、入口圧力計測値PV9を入口流体圧力制御装置60fに出力する。
また、吸入ガス圧力計21は、圧縮機吸入ライン7の吸入圧力を計測し吸入圧力計測値PV6を入口流体圧力制御装置60fに出力し、吐出ガス圧力計23は、圧縮機吐出ライン8の吐出圧力を計測し吐出圧力計測値PV8を入口流体圧力制御装置60fに出力する。
更に、ヘッダタンク供給ライン流量計25或いはガスタービン供給ライン流量計27は、ヘッダタンク供給ライン10或いはガスタービン供給ライン11内を流れる燃料ガスの流量を検出し、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3を入口流体圧力制御装置60fに出力する。
【0114】
入口流体圧力制御装置60fは、図10に図示のように、関数発生器61、除算器64、2個の逆数演算器70、70a、2個の信号発生器68、68a、2個の乗算器69、69a、及び最大値選択器66を備えている。
【0115】
そして、本発明の第6の実施の形態(図8)と同様に、吸入ガス圧力計21にて計測された吸入圧力計測値PV6及び吐出ガス圧力計23にて計測された吐出圧力計測値PV8は、除算器64にて両者の比C(=PV8/PV6)が演算され、その比Cは逆数演算器70に出力される。
逆数演算器70では、その逆数Y(=1/C)が演算され、その演算結果Yは乗算器69に出力される。
乗算器69では、逆数演算器70から入力された逆数Yと信号発生器68から入力された減少係数αとを乗算する補正が行われる。
この補正された減少係数αは、最大値選択器66に出力される。
【0116】
一方、本発明の第4の実施の形態(図6)と同様に、ヘッダタンク供給ライン流量計25或いはガスタービン供給ライン流量計27にて検出されたタンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3は、第2の逆数演算器70aに入力される。
逆数演算器70aでは、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3の逆数Yが演算され、その演算結果Yは第2の乗算器69aに出力される。
第2の乗算器69aでは、第2の逆数演算器70aから入力された逆数Yと信号発生器68から入力された減少係数αとを乗算する補正が行われる。
この補正された第2の減少係数αは、最大値選択器66に出力される。
【0117】
最大値選択器66では、乗算器69からの補正された減少係数αと、第2の乗算器69aからの補正された第2の減少係数αとが比較され、高い方の補正された減少係数αが選択されて関数発生器61に出力される。
【0118】
関数発生器61では、最大値選択器66から入力された補正された減少係数αに基づき、図4において開度上限値MVo、圧力下限値Psetを固定点として補正された減少係数αのグラフ(変換関数)を作成する。
即ち、比C(=吐出圧力計測値PV8/吸入圧力計測値PV6)が増加した場合、或いはタンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3等が増加した場合には、補正された減少係数αの傾きは小さくなるため、図4に一点鎖線で図示のように、減少係数αの線は、開度上限値MVo、圧力下限値Psetを固定点として反時計周りに旋回する。
【0119】
そして、入口ガス圧力計83から出力された入口圧力計測値PV9に基づき、入口弁操作値MV11が演算され、演算された入口弁操作値MV11は入口ガス圧力調整弁84に出力され、入口ガス圧力調整弁84は、入口弁操作値MV11に応じた開度に制御される。
【0120】
上述の構成によれば、通常の運転状態においては、第1の実施の形態(図3)のものと同様に、入口ガス圧力調整弁84は入口ガス圧力計83からの入口圧力計測値PV9に基づき制御されるため、流体圧送装置81でのガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量の制御と、流体圧送装置81の上流側での入口流体圧力調整装置82による燃料ガスの圧力調整とを別個に独立して行うことにより、圧縮機1を駆動する原動機2を連続運転させることができるため、原動機2を発停する必要がなく、原動機2の起動に伴う過負荷を低減することができ、且つ、ガス供給圧力を安定化することができる。
【0121】
更に、本発明の第4の実施の形態(図6)又は第6の実施の形態(図8)の内、圧縮機1の運転点におけるサージング領域からの回避がより良い方が選択された制御ができる。
即ち、ガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量(即ち、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3)が急増し、配管圧損が大きくなり圧縮機1の吸入口の圧力が低下したときには、第2の乗算器69aにて演算された減少係数α2が最大値選択器66にて選択される。
また、ガスタービン3等の需要先の要求する燃料ガスの供給量が急増し、圧縮機1の圧縮比Cが増加し、圧縮機1の運転点がサージング領域に近づくときには、乗算器69にて演算された減少係数α1が最大値選択器66にて選択される。
この選択された減少係数α1又はα2により、入口ガス圧力調整弁84を開く方向に関数発生器61の関数(Fx)は補正され、入口ガス圧力調整弁84を制御して減圧量を低減させて、圧縮機1の運転点をサージング領域から回避する。
【0122】
(第9の実施の形態)
次に、図11に基づき、本発明の第9の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置につき説明する。
本発明の第9の実施の形態は、第1の実施の形態(図1)と同様に、燃料ガス供給源5に接続された燃料ガス供給ライン6の上流側には、ライン内を流れる燃料ガスの圧力を調整する入口流体圧力調整装置82が介装されている。
この入口流体圧力調整装置82は、燃料ガス供給ライン6に介装された入口ガス圧力調整弁84と、入口ガス圧力調整弁84より上流側の燃料ガス供給ライン6に設けられた入口ガス圧力計83と、入口流体圧力制御装置60gとから構成されている。
【0123】
燃料ガス供給ライン6の入口流体圧力調整装置82より下流側には、燃料ガスを所定の圧力に昇圧する流体圧送装置81が接続されている。
そして、流体圧送装置81の下流側にはガスタービン供給ライン11が接続され、ガスタービン供給ライン11の下流端には発電機4を駆動するガスタービン3が接続されている。
【0124】
流体圧送装置81において、入口ガス圧力計83は、上流側の燃料ガス供給ライン6内の燃料ガスの圧力を検出し、入口圧力計測値PV9を入口流体圧力制御装置60gに出力する。
また、吸入ガス圧力計21は、圧縮機吸入ライン7の吸入圧力を計測し吸入圧力計測値PV6を入口流体圧力制御装置60gに出力し、吐出ガス圧力計23は、圧縮機吐出ライン8の吐出圧力を計測し吐出圧力計測値PV8を入口流体圧力制御装置60gに出力する。
更に、ヘッダタンク供給ライン流量計25或いはガスタービン供給ライン流量計27は、ヘッダタンク供給ライン10或いはガスタービン供給ライン11内を流れる燃料ガスの流量を検出し、タンク供給流量計測値PV4或いはガスタービン供給流量計測値PV3を入口流体圧力制御装置60gに出力する。
【0125】
入口流体圧力制御装置60gは、図11に図示のように、第8の実施の形態(図10)と同様に関数発生器61、除算器64、2個の逆数演算器70、70a、2個の信号発生器68、68a、2個の乗算器69、69a、及び最大値選択器66を備えている。
更に、PID演算器63及び第2の最大値選択器66aを備えている。
【0126】
そして、関数発生器61では、第8の実施の形態(図10)と同様に、入口弁操作値MV11が演算され、第2の最大値選択器66aに出力される。
一方、吸入ガス圧力計21から出力された吸入圧力計測値PV6は、PID演算器63に入力されて、PID演算され、その演算結果は第2の最大値選択器66aに出力される。
第2の最大値選択器66aでは、関数発生器61から出力された補正された入口弁操作値MV11と、PID演算器63からの演算結果とが比較され、高い方の値が選択され入口弁操作値MV11として入口ガス圧力調整弁84に出力され、入口ガス圧力調整弁84は、入口弁操作値MV11に応じた開度に制御される。
【0127】
上述の構成により、本発明の第8の実施の形態(図10)における作用効果に加えて、更に、圧縮機1のサージングを防止することができる。
【0128】
なお、上述の各計測機器、或いは各操作盤から出力される各計測値、或いは出力信号は、言うまでもなく一般に用いられている所定の電気信号に変換されたものである。
更に、ガスタービン発電プラントにおいては、圧縮機の制御装置30、入口流体圧力制御装置60、60a〜60gは、ガスタービン制御監視装置50と一体或いは別個のコンピュータの形態をなしており、圧縮機の制御装置30、入口流体圧力制御装置60a〜60g内の各関数発生器、演算器等は、それを実行するプログラム、シーケンスブロック、或いはメモリの形態をなしているが、これに限定されるものではなく、個々の電気回路により構成するようにしても良い。
【0129】
また、本発明の第3〜9の実施の形態のものは、図2に図示の本発明の第2の実施の形態の天然ガス等のガス輸送ライン85にも適用可能である。
しかしながら、ガス輸送ライン85が破損して燃料ガスが漏洩する場合にも、出口ライン10内を流れる燃料ガス流量が急減するので、別途、安全装置を設ける必要がある。
【0130】
また、圧縮する対象は、燃料ガスに限定されるものではなく、その他の流体にも適用可能である。
更に、上述の本発明の第3〜9の実施の形態に記載の入口流体圧力調整装置82は、図13、14に図示の従来の装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る流体の圧送方法及び圧送装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る流体の圧送方法及び圧送装置の全体構成図である。
【図3】図1、図2の入口流体圧力制御装置の制御ブロック図である。
【図4】図3の関数発生器における圧力と弁開度のとの関係を例示した特性図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置の制御ブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置の制御ブロック図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置の制御ブロック図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置の制御ブロック図である。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置の制御ブロック図である。
【図10】本発明の第8の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置の制御ブロック図である。
【図11】本発明の第9の実施の形態に係る入口流体圧力調整装置の制御ブロック図である。
【図12】ガス供給源が変動する場合の圧縮機制御の想定図である。
【図13】従来の燃料ガス供給装置を供えたガスタービン発電設備の全体構成図である。
【図14】従来の燃料ガスを圧縮する圧縮機の制御装置の構成図である。
【符号の説明】
【0132】
1 圧縮機
2 原動機
3 ガスタービン
4 発電機
5 燃料ガス(流体)供給源
6 (燃料)ガス(流体)供給ライン
7 圧縮機吸入ライン
8 圧縮機吐出ライン
9 リサイクルライン
10 ヘッダタンク供給(出口)ライン
11 ガスタービン供給ライン
12 ヘッダタンク
13 IGV(入口ガイドベーン)
14 リサイクル弁
15 逆止弁
16 遮断弁
17 ライン合流点
18 ライン分岐点
19 冷却器
20 吸入ガス温度計
21 吸入ガス圧力計
22 ガス比重計
23 吐出ガス圧力計
24 吐出ガス流量計
25 ヘッダタンク供給(出口)ライン流量計
26 ヘッダタンク(出口)圧力計
27 ガスタービン供給ライン流量計
30 圧縮機の制御装置
31 圧縮状態補正器
32 指令値関数発生器
33 開度指令加算器
34 流量調整手段用関数発生器
35 リサイクル弁用関数発生器
36 高位選択器
37 吐出流量制御設定値関数発生器
38 流量調節器
40 圧力設定器
41 圧力調節器
42 加算器
43 流量調節器
50 ガスタービン(パイプライン)制御監視装置
60、60a〜60g 入口流体圧力制御装置
61 関数発生器
62 加算器
63 PID演算器
64 除算器
66、66a 最大値選択器
67 減算器
68、68a 信号発生器
69、69a 乗算器
70、70a 逆数演算器
81 流体圧送装置
82 入口流体圧力調整装置
83 入口ガス(流体)圧力計
84 入口ガス(流体)圧力調整弁
85 ガス輸送ライン
86 バイパスライン
87 バイパス弁
88 中継基地
PV3 ガスタービン供給流量計測値
PV4 タンク供給(出口)流量計測値
PV6 吸入圧力計測値
PV8 吐出圧力計測値
PV9 入口圧力計測値
MV11 入口弁操作値
α 減少係数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、
前記圧縮機の吸入口に接続された流体供給ラインと、
前記圧縮機の吐出口に接続された出口ラインと、
前記圧縮機の吸入口と吐出口とを接続するリサイクルラインと、
前記リサイクルラインに介装されたリサイクル弁とを備えた流体の圧送方法において、
前記出口ラインの圧力を検出して前記圧縮機及び前記リサイクル弁をフィードバック制御すると共に、
前記流体供給ラインに入口流体圧力調整弁を備え、
前記入口流体圧力調整弁より上流側の圧力を検出して前記入口流体圧力調整弁の開度を制御する
ことを特徴とする流体の圧送方法。
【請求項2】
前記前記入口流体圧力調整弁の開度の制御は、
前記入口流体圧力調整弁より上流側の圧力が圧力下限値以下では前記入口流体圧力調整弁の開度を全開にし、
前記入口流体圧力調整弁の開度を所定の開度以下にならないようにする
ことを特徴とする請求項1に記載の流体の圧送方法。
【請求項3】
前記圧力下限値以上では、前記入口流体圧力調整弁より上流側の圧力の増加に応じて前記入口流体圧力調整弁の開度を減少させる減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁の開度を演算し、
前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の流体の圧送方法。
【請求項4】
前記圧縮機の吸入口側の圧力に基づきPID演算された弁操作信号と、前記減少係数に基づき演算された前記入口流体圧力調整弁の開度の信号との大きい方を選択し、
前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の流体の圧送方法。
【請求項5】
前記出口ラインの流量が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように前記減少係数を補正する
ことを特徴とする請求項3に記載の流体の圧送方法。
【請求項6】
前記圧縮機の吸入流体圧力に基づきPID演算された弁操作信号と、
前記出口ラインの流量が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように前記減少係数を補正して得られた前記入口流体圧力調整弁の開度の信号との大きい方を選択し、
前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の流体の圧送方法。
【請求項7】
前記圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように前記減少係数を補正する
ことを特徴とする請求項3に記載の流体の圧送方法。
【請求項8】
前記圧縮機の吸入流体圧力に基づきPID演算された弁操作信号と、
前記圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように前記減少係数を補正して得られた前記入口流体圧力調整弁の開度の信号との大きい方を選択し、
前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の流体の圧送方法。
【請求項9】
前記圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように補正された減少係数と、
前記出口ラインの流量が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように補正された第2の減少係数との大きい方を選択し、
選択された減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の流体の圧送方法。
【請求項10】
前記圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように補正された減少係数と、
前記出口ラインの流量が大きくなるに従い、前記入口流体圧力調整弁の開度が大きくなるように補正された第2の減少係数との大きい方を選択し、
選択された減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁の開度を演算し、
前記圧縮機の吸入流体圧力に基づき弁操作信号をPID演算し、
前記入口流体圧力調整弁の開度と前記弁操作信号との大きい方を選択し、
前記入口流体圧力調整弁の開度を制御するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の流体の圧送方法。
【請求項11】
圧縮機と、
前記圧縮機の吸入口に接続された流体供給ラインと、
前記圧縮機の吐出口に接続された出口ラインと、
前記圧縮機の吸入口と吐出口とを接続するリサイクルラインと、
前記出口ラインの圧力を検出する出口圧力計と、
前記リサイクルラインに介装されたリサイクル弁とを備えた流体の圧送装置において、
前記出口圧力計からの検出信号に基づき前記圧縮機及び前記リサイクル弁をフィードバック制御する圧縮機の制御装置と、
前記流体供給ラインに介装された入口流体圧力調整弁と、
前記流体供給ラインの前記入口流体圧力調整弁より上流側の圧力を検出し入口圧力計測値を出力する入口流体圧力計と、
前記入口圧力計測値に基づき前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する入口流体圧力制御装置とを備えたことを特徴とする流体の圧送装置。
【請求項12】
前記入口流体圧力制御装置は、
減少係数を出力する信号発生器と、
前記入口圧力計測値を受信すると共に前記信号発生器から前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁に入口弁操作値を出力する関数発生器とを備え、
前記関数発生器は、
前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、
前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、
前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁への前記入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする請求項11に記載の流体の圧送装置。
【請求項13】
前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計を有し、
前記入口流体圧力制御装置は、
減少係数を出力する信号発生器と、
前記入口圧力計測値を受信すると共に前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁に入口弁操作値を演算し出力する関数発生器と、
前記吸入圧力計測値を受信してPID演算を行い弁操作信号を出力するPID演算器と、
前記関数発生器からの入口弁操作値と前記PID演算器からの弁操作信号とを比較し高い方の値を選択し前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する最大値選択器とを備え、
前記関数発生器は、
前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、
前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、
前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記最大値選択器への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする請求項11に記載の流体の圧送装置。
【請求項14】
前記出口ラインの流量を検出し流量計測値を出力する出口ライン流量計を有し、
前記入口流体圧力制御装置は、
減少係数を出力する信号発生器と、
前記流量計測値及び前記減少係数を受信して前記流量計測値が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、
前記入口圧力計測値を受信すると共に前記乗算器から前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁に入口弁操作値を出力する関数発生器とを備え、
前記関数発生器は、
前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、
前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、
前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする請求項11に記載の流体の圧送装置。
【請求項15】
前記出口ラインの流量を検出し流量計測値を出力する出口ライン流量計と、
前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計とを有し、
前記入口流体圧力制御装置は、
減少係数を出力する信号発生器と、
前記流量計測値及び前記減少係数を受信して前記流量計測値が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、
前記入口圧力計測値を受信すると共に前記乗算器から前記減少係数を受信して入口弁操作値を出力する関数発生器と、
前記吸入圧力計測値を受信してPID演算を行い弁操作信号を出力するPID演算器と、
前記関数発生器からの入口弁操作値と前記PID演算器からの弁操作信号とを比較し高い方の値を選択し前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する最大値選択器とを備え、
前記関数発生器は、
前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、
前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、
前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記最大値選択器への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする請求項11に記載の流体の圧送装置。
【請求項16】
前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計と、
前記圧縮機の吐出ラインの圧力を検出し吐出圧力計測値を出力する吐出流体圧力計とを有し、
前記入口流体圧力制御装置は、
減少係数を出力する信号発生器と、
前記吸入圧力計測値と前記吐出圧力計測値とにより圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比を演算する除算器と、
前記吐出圧力と吸入圧力の比及び前記減少係数を受信して前記吐出圧力と吸入圧力の比が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、
前記入口圧力計測値を受信すると共に前記乗算器から前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁に入口弁操作値を出力する関数発生器とを備え、
前記関数発生器は、
前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、
前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、
前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする請求項11に記載の流体の圧送装置。
【請求項17】
前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計と、
前記圧縮機の吐出ラインの圧力を検出し吐出圧力計測値を出力する吐出流体圧力計とを有し、
前記入口流体圧力制御装置は、
減少係数を出力する信号発生器と、
前記吸入圧力計測値と前記吐出圧力計測値とにより圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比を演算する除算器と、
前記吐出圧力と吸入圧力の比及び前記減少係数を受信して前記吐出圧力と吸入圧力の比が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、
前記入口圧力計測値を受信すると共に前記減少係数を受信して入口弁操作値を出力する関数発生器と、
前記吸入圧力計測値を受信してPID演算を行い弁操作信号を出力するPID演算器と、
前記関数発生器からの入口弁操作値と前記PID演算器からの弁操作信号とを比較し高い方の値を選択し前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する最大値選択器とを備え、
前記関数発生器は、
前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、
前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、
前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記最大値選択器への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする請求項11に記載の流体の圧送装置。
【請求項18】
前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計と、
前記圧縮機の吐出ラインの圧力を検出し吐出圧力計測値を出力する吐出流体圧力計と、
前記出口ラインの流量を検出し流量計測値を出力する出口ライン流量計とを有し、
前記入口流体圧力制御装置は、
減少係数を出力する信号発生器と、
前記吸入圧力計測値と前記吐出圧力計測値とにより圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比を演算する除算器と、
前記吐出圧力と吸入圧力の比及び前記減少係数を受信して前記吐出圧力と吸入圧力の比が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、
第2の減少係数を出力する第2の信号発生器と、
前記流量計測値及び前記第2の減少係数を受信して前記流量計測値が大きい程前記第2の減少係数の絶対値を小さくする第2の乗算器と、
前記乗算器からの減少係数と第2の乗算器からの第2の減少係数とを受信して比較し高い方の値を選択し出力する最大値選択器と、
前記入口圧力計測値を受信すると共に前記最大値選択器から前記減少係数を受信して前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する関数発生器とを備え、
前記関数発生器は、
前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、
前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、
前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記入口流体圧力調整弁への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする請求項11に記載の流体の圧送装置。
【請求項19】
前記圧縮機の吸入ライン圧力を検出し吸入圧力計測値を出力する吸入流体圧力計と、
前記圧縮機の吐出ラインの圧力を検出し吐出圧力計測値を出力する吐出流体圧力計と、
前記出口ラインの流量を検出し流量計測値を出力する出口ライン流量計とを有し、
前記入口流体圧力制御装置は、
減少係数を出力する信号発生器と、
前記吸入圧力計測値と前記吐出圧力計測値とにより圧縮機の吐出圧力と吸入圧力の比を演算する除算器と、
前記吐出圧力と吸入圧力の比及び前記減少係数を受信して前記吐出圧力と吸入圧力の比が大きい程前記減少係数の絶対値を小さくする乗算器と、
第2の減少係数を出力する第2の信号発生器と、
前記流量計測値及び前記第2の減少係数を受信して前記流量計測値が大きい程前記第2の減少係数の絶対値を小さくする第2の乗算器と、
前記乗算器からの減少係数と第2の乗算器からの第2の減少係数とを受信して比較し高い方の値を選択し出力する最大値選択器と、
前記入口圧力計測値を受信すると共に前記最大値選択器から前記減少係数を受信して入口弁操作値を出力する関数発生器と、
前記吸入圧力計測値を受信してPID演算を行い弁操作信号を出力するPID演算器と、
前記関数発生器からの入口弁操作値と前記PID演算器からの弁操作信号とを比較し高い方の値を選択し前記入口流体圧力調整弁へ入口弁操作値を出力する第2の最大値選択器とを備え、
前記関数発生器は、
前記入口圧力計測値が圧力下限値以下では前記入口弁操作値を全開にし、
前記入口圧力計測値が圧力上限値以上では前記入口弁操作値を所定の開度にし、
前記入口圧力計測値が圧力下限値と前記圧力上限値との間では前記減少係数に基づき前記第2の最大値選択器への入口弁操作値を演算するものであることを特徴とする請求項11に記載の流体の圧送装置。
【請求項20】
前記出口ラインの下流側に接続されたヘッダタンクと、
前記ヘッダタンクに接続されたガスタービン供給ラインと、
前記ガスタービン供給ラインの下流側に接続され発電機を駆動するガスタービンとを備え、
前記出口圧力計は前記ヘッダタンクの圧力を検出するものであり、
前記請求項11乃至19のいずれかに記載の流体の圧送装置はガスタービンへ燃料ガスを供給するものであることを特徴とするガスタービン用の燃料ガス供給装置。
【請求項21】
前記請求項11乃至19のいずれかに記載の流体の圧送装置と、
前記出口ラインの上流側と前記燃料ガス供給ラインの下流側とを接続するバイパスラインと、
前記バイパスラインに介装されたバイパス弁とを備え、
前記出口ラインの上流側及び前記燃料ガス供給ラインの下流側はガス輸送ラインに接続されていることを特徴とするガス輸送ラインの中継基地。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−316687(P2006−316687A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139737(P2005−139737)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】