説明

流体の流れを滴定するための動電アクチュエータ

【課題】2つのチャンバの間に配置された多孔質絶縁体によって互いに分離された2つのチャンバを含む流体の流れを滴定するための動電アクチュエータを提供する。
【解決手段】第1と第2のチャンバの周囲に複数の電極が配置される。アクチュエータ内に配置された極性電解質は、複数の電極に電界又は電位を印加する際に第1のチャンバと第2のチャンバとの間の多孔質絶縁体を通過することができる。第2のチャンバに接続された機械式弁作動機構が、電気浸透を使用して、最大流量及び/又は完全遮断を含む、流体の流れの細滴定を可能にする。極性電解質は、滴定される流体(脳脊髄液など)との混合を防ぐために分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者における水頭症を管理するための方法及び装置に関する。より詳細には、本発明は、水頭症患者における脳脊髄液(CSF)のドレナージ量を調整、制御又はプログラムするための方法及び装置に関する。より詳細には、本発明は、シャントの開口部圧力及び/又は口径を変更し、したがって脳室腔からの脳脊髄液の流体流量(ドレナージ)を制御するためのシャント・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
水頭症は、患者自身の自然経路を通る脳脊髄液の流れを調整することができない患者を苦しめる症状である。脳脊髄液(CSF)は、通常、脳の脈絡叢によって産生され、脳脊髄液が脳室系を循環するときに脳の様々な部分に必須栄養素、ホルモン及び他の細胞成分を運ぶ。更にまた、CSFは、衝撃の吸収に役立ち、また脳脊髄液が脳と脊髄全体に拡散するときに脳のクッションにもなる。再循環されない脳脊髄液は、最終的に矢状静脈洞に流れ込み、そこで必然的に身体の静脈系によって吸収される。水頭症に苦しむ患者の場合、自然のCSF経路に沿った障害物のため又はCSF形成を増加させる脈絡叢の病気のために、CSF吸収速度が産生速度に追いつかない。吸収されないか又は過剰なCSFは、患者の脳の脳室内に蓄積し、頭蓋内圧の上昇を引き起こす。治療しないでおくと、頭蓋内圧の上昇によって、頭脳組織の圧縮や脳への血流の障害などの深刻な病状が生じる可能性があり、昏睡状態及び/又は死のような結果となる可能性がある。
【0003】
水頭症患者の従来の治療は、過剰な脳骨髄液を脳室から排出し、過剰なCSFを腹膜(腹部)や脈管系などの患者の身体の別の部分に迂回させることを要していた。脳骨髄液を移送して患者内のCSFの産生と吸収との間の平衡を回復させるために、米国特許第4,595,390号に開示されたような一般にシャントと呼ばれる埋め込み型ドレナージ・システムがしばしば使用される。
【0004】
シャントは、幾つかの基本構成要素を有する。第1の部分は、患者の脳の脳室腔に埋め込まれる近位カテーテル、頭部カテーテル又は脳室カテーテルと呼ばれるものである。近位カテーテルは次に、弁とリザーバに接続される。弁は、脳脊髄液を脳から排出し、次に遠位、腹膜又はドレナージ・カテーテルを通って放出されるまでリザーバに蓄積される量を制御する。この場合も、遠位カテーテル又はドレナージ・カテーテルは、過剰なCSFを、CSFが吸収される患者の身体の所定の吸収部位(例えば、腹部(腹膜))に排出させる。
【0005】
シャントは、2つの基本的な操作又は機能を実行する。シャントは、頭蓋内圧が、ある所定値(通常は、シャントの「開口部圧力」と呼ばれる)を超えたときに流体を一方向にだけ流れさせる。このシステムは、身体内のCSFの量を調整して、脳から適正量の流体(多過ぎず少な過ぎない)が放出されるようにする。
【0006】
シャント・システムの近位端と遠位端と間の脳脊髄液の流れを調整するために、シャントの本体は、通常、ポンプ又は制御弁を含む。一般に、シャント・システムは、流体圧力が特定の閾値に達した後だけ流体の流れを許可するように作動する弁機構を含む。即ち、流体は、流体圧力が弁機構の開くことへの抵抗を克服したときだけ弁に入る。幾つかの弁機構は、流体が流れ始める開口部圧力レベルの非侵入的調整、即ちプログラミングを可能にする。
【0007】
開口部圧力及び/又は患者のCSFのドレナージ量を制御し及び/又は調整する弁を有するシャントのように、CSFを一定量で連続的に排出する弁機構を有するシャントは周知である。
【0008】
Codman & Shurtleff社に譲渡された米国特許公開第2005/0055009号は、水頭症患者の脳脊髄液の流量を調整するための調整可能なドレナージシステムを示しており、このシステムでは、患者の脳室容積変化に応じてドレナージ量が調整される。調整可能な抵抗弁40は、複数の異なる抵抗を有するマルチルーメン・カテーテル48と、単一孔46aを有する回転円盤46による選択機構44と、を含む。調整の際、円盤46は、孔46が所望の抵抗を有するルーメンと位置が合うようにアクチュエータ42を介して回転される。調整可能な抵抗弁40の所望の抵抗の選択は、アクチュエータ42の回転によって達成される。このシャント構成は、提供された様々なルーメンの数によって与えられる抵抗の範囲が制限されるという点が不利である。段階的又は漸進的変更だけを行って、使用される様々な抵抗によって定義されたようにドレナージを調整することができる。より小さい圧力増分でより大きい変動が生じる。更に、公開特許そのものに認められているように、抵抗器は、血球などの粒子状物質で詰まりやすい。最後に、埋め込んだ後、調整可能な抵抗弁の特定の抵抗の選択が、埋め込み物と関連付けられた相補的磁石に影響を及ぼす磁気ツールを使用して達成される。周知のとおり、磁石は、望ましくない外部磁気の影響を受ける。
【0009】
1809年にF.F.Reussによって最初に述べられた電気浸透は、印加電界の影響下で膜や他の多孔質構造物を通る極性液体の動きである。
【0010】
米国特許第6,019,882号は、電位が流体に正味出力を与える手段を提供し、この手段によってこの正味出力を伝達し使用してシステム上の作業を行う(力を印加する)、動電高圧液圧システムを開示する。特定の2つの実施形態が開示される。第1の弁実施形態が、図1Aと図1Bに示されている。弁100は、マイクロチャネル110が、出口145より約1〜2チャネル直径だけ突出した多孔質絶縁体120を含むT形フロー・システムを含む。マイクロチャネル110と連通する流体入口140及び流体出口145は、中を通る流体(液体又は気体)150の流れを提供する。流体入口140と流体出口145との間の連通を断つために、電位が電源によって離間電極130に印加されて、電解質115を移動させて流体出口145を閉じ、流体150が出口145を通って流れることを妨げるに必要な電気浸透力を提供する。弁100は、離間電極130に印加された電位を単に遮断することにより開くことができる。更に、離間電極130に印加された電位の符号を単に逆転することによって弁100を逆方向に作動させることができる。この実施形態によれば、(流れを制御するために)システムに使用される電解質は、システムが制御している流体と混合する。CSFと電解質のそのような混合は、混合流体(電解質とCSF)が身体内の別の場所に流れ出るので埋め込み型シャント・システムでは許容できず、そのような電解質を身体内に導入することは生物学的観点から不利益である。そのような混合が許容可能な場合でも、この本発明のシステムは、埋め込まれており、したがって操作により排出された量に取って代わる新しい電解質をポンプに充填するための容易な操作を提供するものではない。
【0011】
代替の弁構成は、米国特許第6,019,882号の図5に示されている。この第2の実施形態では、キャビティが、流体密封柔軟部材30によって分離された2つのチャンバ20及び25に分割される。流体の流れは、チャンバ25に流入管路40を通って入り、流出管路35を通って出る。流体の流れの流量は、電気浸透ポンプ170によって生成された液圧を、流入管路45を介してチャンバ20に収容された流体に加え、次に柔軟部材30にかけて変形させ、それにより流入管路40を遮断し、流体の流れを止めることにより、制御される。弁5を開くには、離間電極130に印加される電位の極性を逆にする。流入管路40を通る流体の流れは、2つの可能な状態だけのどちらかに制御可能である。弁5は、開いて流入管路を通る全流量を可能にするか、完全に閉じられるかいずれかである。したがって、特許権を有するこの代替の実施形態は、流体の流れが最大の状態(開状態)と流体の流れが完全に遮断された状態(閉状態)の2つだけの流れの状態以外に、流体の流れの付加的な調整を可能にする「細滴定(fine titration)」と今後呼ばれるものを可能にしない。即ち、細滴定は、流体の流れが最大の状態と流体の流れが完全に遮断された状態の2つの流れの状態だけに限定されるのではなく、その間の範囲の微調整が可能である。
【0012】
特許権を有する実施形態は、ポンプ電解質と細かく変更又は滴定される流体との混合のない動電ポンプを開示していない。更に、特許権を有するシステムは、全体の開閉制御により17.24MPa(2500psi)(172,368.9mbar又は129,287.3mmHgに対応する)を超える圧力を生成する高圧産業用又は分析システムを対象とする。これと対照的に、埋め込み型でプログラム可能なシャント・システムは、細滴定によりかなり低くかつ限られた圧力範囲で作動する。正常な頭蓋内圧は、振幅変動が約0.4kPa(4mbar)〜約0.7kPa(7mbar)の範囲(約3mmHg〜約5mmHgの範囲に対応する)の場合に、約1.3kPa(13mbar)〜約2kPa(20mbar)の範囲(約10mmHg〜約15mmHgの範囲に対応する)の基準線を有する。一方、最大異常値は、約−4.5kPa(−45mbar)(約−33mmHgに対応する)〜約13kPa(130mbar)(約100mmHgに対応する)の範囲である場合がある。この最大範囲を超える圧力は、致命的か又は最低限でも患者に有害な影響を及ぼすことがある。具体的には、50kPa(500mbar)を超える圧力は生理学的に不適切である。また、埋め込み型シャント弁システムでこの発明の動電アクチュエータを使用するには、比較的少ないmL/日単位のCSFのドレナージを必要とすることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、最大の流体の流れ及び/又は流体の流れの完全な遮断の他に、関心のある生理学的圧力範囲で機能しながら、ポンプ電解質と、滴定される流体との混合なしに、弁機構を通る流体の流れの細滴定を調整、制御又はプログラムすることができる動電アクチュエータを開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の態様は、弁機構を通る流体の流れの細滴定を、電解質と流体との混合なしに、調整し、制御し、又はプログラミングするための動電アクチュエータを対象とする。
【0015】
本発明の別の態様は、閉近位端とその反対側の開遠位端とを有する第1のチャンバを含む、流体の流れを滴定するための動電アクチュエータを対象とする。開近位端とその反対側の開遠位端とを有する第2のチャンバは、その開近位端において、第1のチャンバの開遠位端から、その間に配置された多孔質絶縁体によって分離される。第1と第2のチャンバの周囲に複数の電極が配置される。アクチュエータ内に配置された極性電解質は、複数の電極に電界又は電位が印加されたときに第1のチャンバと第2のチャンバとの間の多孔質絶縁体を通過するように適応される。第2のチャンバの開遠位端に接続された機械式弁作動機構は、電気浸透を使用して流体を細かく滴定するために使用される。極性電解質は、滴定される流体(CSFなど)との混合を防ぐために分離される。
【0016】
更に、本発明の別の態様は、以上の段落で述べたような動電アクチュエータを使用する方法を対象とする。
【0017】
本発明の更に別の態様は、近位カテーテルとドレナージ・カテーテルとの間に配置された弁装置の開口部圧力及び/又は直径を制御することによる近位カテーテルからドレナージ・カテーテルへの脳脊髄液の細滴定のための埋め込み型シャント・システムにおける前述の動電アクチュエータの特定の使用を対象とし、細滴定は、最大の流体の流れ及び/又は流体の流れの完全な遮断を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の以上その他の特徴は、本発明の実例となる実施形態の以下の詳細な説明と図面から、より容易に明らかになり、幾つかの図面全体にわたって類似の参照番号は類似の要素を示す
【図1】患者に埋め込まれた本発明による水頭症患者を治療するための外部からプログラム可能な埋め込み型シャント・システムの斜視図。
【図2a】本発明による図1のシステムにおける埋め込み型シャント装置と外部コントローラの概略図。
【図2b】図2aの動電アクチュエータの部分断面図であり、図2bは、最初の開始位置にある動電アクチュエータを示し、図2cは、電界の印加によりアクチュエータ・ピンが変位したときの最終位置にある動電アクチュエータを示す。
【図2c】図2aの動電アクチュエータの部分断面図であり、図2bは、最初の開始位置にある動電アクチュエータを示し、図2cは、電界の印加によりアクチュエータ・ピンが変位したときの最終位置にある動電アクチュエータを示す。
【図3a】図2aの動電アクチュエータの回転と並進を組み合わせた機械式弁作動機構の概略図であり、機械式弁作動機構は、それぞれ時計回り方向と反時計回り方向に回転するコイルばねと組み合わされたラック・アンド・ピニオン・システム。
【図3b】図2aの動電アクチュエータの回転と並進を組み合わせた機械式弁作動機構の概略図であり、機械式弁作動機構は、それぞれ時計回り方向と反時計回り方向に回転するコイルばねと組み合わされたラック・アンド・ピニオン・システム。
【図4a】図2aの動電アクチュエータの並進機械式弁作動機構の概略図であり、機械式弁作動機構はバイアスばねであり、図4aに、バイアスばねがアクチュエータ・ピンから最小の力を受けた最初の開始位置が示され、図4bに、印加電界がある状態で最大の力を受ける最終位置が示されている。
【図4b】図2aの動電アクチュエータの並進機械式弁作動機構の概略図であり、機械式弁作動機構はバイアスばねであり、図4aに、バイアスばねがアクチュエータ・ピンから最小の力を受けた最初の開始位置が示され、図4bに、印加電界がある状態で最大の力を受ける最終位置が示されている。
【図5a】図2aの動電アクチュエータの並進機械式弁作動機構の概略図であり、機械式弁作動機構はバイアスばねと傾斜増大くさび部材の組み合わせであり、図5aに、バイアスばねがくさび部材から最小の力を受ける最初の開始位置が示され、図5bに、印加電界がある状態で最大の力を受ける最終位置が示される。
【図5b】図2aの動電アクチュエータの並進機械式弁作動機構の概略図であり、機械式弁作動機構はバイアスばねと傾斜増大くさび部材の組み合わせであり、図5aに、バイアスばねがくさび部材から最小の力を受ける最初の開始位置が示され、図5bに、印加電界がある状態で最大の力を受ける最終位置が示される。
【図6】機械式弁作動機構が流体の流れる柔軟な管材料を圧縮するためのコンストリクター・ブロック及び半球コンストリクターである、動電アクチュエータの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、水頭症患者110内に埋め込まれた埋め込み型シャント装置105を含む代表的なシステム100である。シャント装置105は、患者110の脳室腔120に組み込まれた近位カテーテル、頭部カテーテル又は脳室カテーテル115と、患者110の腹膜130内に配置された遠位カテーテル、腹膜カテーテル又はドレナージ・カテーテル125を含む。脳室カテーテル115とドレナージ・カテーテル125との間には、患者110の脳室腔120へのCSFの流れ又は脳室腔120からのCSFの流れを調整するためのプログラム可能な弁装置135が延在する。プログラム可能弁装置135は、近位カテーテル115、遠位カテーテル125又はその間の流体経路に沿った任意の場所に配置されてもよい。プログラム可能な弁装置135は、図1に示したように患者110の腹腔内に配置され、それにより、プログラム可能な弁装置135のサイズ制約は最小にされることが好ましい(例えば、頭蓋の近くではなく腹膜内に、より大きな弁を埋め込むことができる)。
【0020】
患者の生理学的特徴を測定又は検出するために1つ又は複数のセンサ要素140が使用されてもよい。例えば、図1に示した単一のセンサ要素140は、患者の脳室腔又は脳室カテーテル内の体積変動を検出するための体積センサでよい。センサ要素140は、プログラム可能な弁装置135に結合されてもよく、図1に示したように弁装置135と別でもよい。センサ要素140は、シャント・システムのCSF流体経路内に配置されて示されているが、まだ尚患者110の脳室腔120内ではあるが、CSF流体経路の外部に配置されてもよい。更に、センサ要素140は、必要に応じて完全に除去されてもよい。
【0021】
システム100は、外部コントローラが、患者の近くに位置決めされ、シャント装置が通電されたときに、埋め込み型シャント装置105間でデータを通信するために、更に、外部コントローラ145を含む。例えば、外部コントローラ145は、センサ要素140にエネルギーを送り、生理学的特徴の測定値を表すセンサ要素140で生成された入力信号を受け取るように構成されてもよい。本発明の1つの特定の態様では、センサ要素140は体積センサであり、生理学的特徴は、患者110の脳室腔120の測定された体積である。センサ要素140は、閉塞を検出するために、シャント内を流れる流体の体積を測定してシャントの適切な機能を監視してもよい。あるいは、センサ要素140は、排出体積を決定するために使用されてもよい。この排出体積の決定は、大量の電力を消費することになり不利である。外部コントローラ145は、弁にその圧力を調整するように指示する制御信号を生成し、その制御信号をプログラム可能な弁装置135に送るように構成されてもよい。外部コントローラ145は、例えば高周波通信を介して埋め込み型シャントと無線で通信することが好ましい。
【0022】
埋め込み型シャント装置105は、患者の付加的な生理学的特徴を測定するために複数のセンサ要素140を含んでもよい。例えば、第2のセンサ150は、患者の脳室圧力を検出するための圧力センサである場合がある。第1のセンサ要素140と同じように、付加的なセンサ要素は、付加的な生理学的特徴の測定値又は検出値を表わすデータを外部コントローラ145に伝送する。第1のセンサと同じように、任意の付加的なセンサは、弁135に結合されてもよく、弁135と別でもよい。
【0023】
本発明の埋め込み型シャント装置105と外部コントローラ145は、埋め込み物と受信ユニットとの間で生理学的データ(例えば、温度、圧力など)を通信する医療遠隔計測システムの電子回路と類似の電子回路を装備する。例えば、センサ要素140は、埋め込み型シャント装置105によって受信され、デジタル・パルスに電子的に変換される、アナログ信号を生成するように構成される。次に、デジタル・パルスは、埋め込み型シャント装置105から外部コントローラ145に、無線周波数(RF)通信などによって無線で送信される。あるいは、任意の制御信号は、マイクロプロセッサ165を使用して埋め込み型医療機器105自体によって処理されてもよい。当業者は、これらが、本発明に適した遠隔通信の形態の単なる例であり、本発明の範囲を逸脱することなく他の形態の非侵襲的通信を利用してもよいことを理解するであろう。
【0024】
埋め込み型シャント装置105及びそれと無線通信する外部コントローラ145の電子回路の実例が図2aに示される。埋め込み型シャント装置105は、関連付けられた二次コイル155、RF通信ブロック160及びマイクロプロセッサ165を有する。RF通信ブロック160は、RFデータ信号を送信/受信し、それぞれ変調/復調する。埋め込み型医療機器105と、それと関連した全ての構成要素及び回路と、に電力を供給するために、一次電池、スマート充電式バッテリ、スーパーキャパシタなどの内部電源170が使用される。アナログ−デジタル変換器(ADC)175は、センサ要素140によって生成されたアナログ信号を、マイクロプロセッサ165によって処理される前にデジタル信号に変換する。単一センサ要素140だけが示されているが、生理学的特徴に関する情報を収集するために複数のセンサ要素が利用されてもよく、センサ要素が除去されてもよい。
【0025】
外部コントローラ145は、RFデータ信号を送信/受信し、それぞれ変調するRF通信ブロック185に電気的に接続された一次コイル180を含む。RF通信ブロック185の出力は、マイクロプロセッサ190に接続される。外部コントローラ145と関連した全ての構成要素及び回路は、例えばバッテリやスーパーキャパシタなどの電源195によって電力が供給される。好ましい実施形態では、外部装置145及びその関連した回路と構成要素に電力を供給するための電源195は、二次/充電式バッテリ、最も好ましくはスマート充電式バッテリ又はスーパーキャパシタである。外部コントローラ145のマイクロプロセッサ190は、測定された生理学的特徴(例えば、センサ要素140によって検出された測定された体積)を、患者110の所定の目標又は基準値(例えば、目標又は基準体積)と比較する。所定の目標値は、患者110の臨床的評価によって確認されてもよく、したがって特定の各患者ごとにカスタマイズされることが好ましい。次に、この目標値は、外部コントローラ145と関連付けられたメモリに事前設定されるかプログラムされてもよい。操作中、外部コントローラ145は、埋め込み型シャント装置105にエネルギーを送り、センサ要素140によって検出又は測定された生理学的特徴の測定値を検出する。外部コントローラ145と関連付けられたマイクロプロセッサ190は、測定された生理学的特徴値が、目標値より高いか、目標値より低いか、又は目標値の許容範囲内にあるどうかを判定する。この評価に基づいて、マイクロプロセッサ190は、次に、評価に応じて、患者110の目標脳室体積を達成するために、シャントの開口部圧力及び/又は内径又は円周並びにシャントを通る流体の流量を、増大させるべきか、減少させるべきか、維持すべきかを決定する。この場合も、そのような機能は、代替として、埋め込み型医療機器105のマイクロプロセッサ165によって閉ループ方式で実行されてもよい。例えば、測定された体積が目標体積より高い場合には流体流量又はドレナージ流量は増大され、この反対に、測定された体積が目標体積より低い場合にはシャントの流量と内径が減少される。マイクロプロセッサ190は、シャント自体の開口部圧力及び/又は開口部、サイズ、直径又は円周を変化させることによって弁の流量を制御する出力制御信号を生成する。測定された体積が、実質的に目標値と同じか又は目標値の許容範囲内にある場合は、調整は行われない。
【0026】
動電アクチュエータ200は、電位を、シャント内を通るドレナージ量を制御する弁135を調整するために使用され得る運動又は力に変換するために使用される。動電アクチュエータ200の基本構成は、図2bと図2cに示した。動電アクチュエータ200は、多孔質絶縁体210により分離された2つのチャンバ208,209を有する。チャンバ209は、拡張し収縮することができるベローズ211の一端に接続される。線形置換可能なアクチュエータ・ピン212が、ベローズ211の反対端に配置される。離間電極又は電極アレイ220に電界又は電位が印加されたとき、極性電解質215が、多孔質絶縁体210を介してチャンバ208からチャンバ209に渡る。多孔質絶縁体210は、非多孔性粒子、チャネル内に作製された高表面積構造、又はモノリシック高分子網目のような微小孔構造を含んでもよい多孔質絶縁体210は、最小で顕著な抵抗を示すか、必然的に電界又は電位がない状態で極性電解質215がひとつのチャンバから別のチャンバに移動するのを妨げることがある。図2bに示した開始位置でも、動電アクチュエータは、最小の圧力又は力を印加するように付勢されることが好ましい。図2cに示されたように、電極220の両端に電界又は電位が印加されたとき、極性電解質215は、電気浸透流によりチャンバ208から209に送られる。極性電解質215のこの動きは、チャンバ209に取り付けられたベローズ211を、多孔質絶縁体210のダーシー透過性に対応する圧力と、またチャンバ209及び取り付けられたベローズ211の体積によって拡張させる。ベローズ211及びベローズ211を支持する関連圧力を有するアクチュエータ・ピン212の変位量は、シャント内の流体の流れを制御する弁機構135を制御する作動機構として利用される。印加電位1ボルト当たりで生成される圧力に換算したポンプ性能は、多孔質絶縁体の組成、固定相及び幾何学形状の組成、並びに電解質の特性を含む幾つかの要素のうちの任意の1つ又は複数の要素によって決定される。
【0027】
動電アクチュエータ200は、流体経路が開く圧力又は流体経路自体のサイズも滴定又は調整する機械式弁作動機構を含む。図2b及び図2cでは、機械式弁作動機構は、ベローズ211とアクチュエータ・ピン212である。しかしながら、図3a、図3b、図4a、図4b、図5a、図5b及び図6には、回転、並進又はこれらの組み合わせを示す幾つかの代替のより複雑な機械式弁作動機構が示され、これらの様々な機械式弁作動機構は、本発明の意図された範囲内にある。機械式弁作動機構のそれぞれの概要を以下に述べる。
【0028】
図3a及び図3bは、コイルばね並びに線形拡張又はバイアス・プレート241と組み合わされたラック・アンド・ピニオン・ギアを含む機械式弁作動機構を示す。ラック・アンド・ピニオン・ギアは、回転を直線運動に、或いは直線運動を回転に、変換するか又は形を変える。比較的平坦で歯の付いた部品がラック230であり、歯車235がピニオンである。ラック230とピニオン・ギア235にはそれぞれ、互いに噛み合うか又は係合する相補的な歯が形成され又は刻まれている。ラックが前進又は後退するときにピニオン・ギアが回転する速度は、ピニオン・ギアの直径と歯の幾何学的比率によって決定される。ピニオン・ギア235は、次に、コイルばね240の一方の端に接続され、コイルばね240の反対端は、バイアス・プレート241の近位端に接続される。バイアス・プレート241の反対側の遠位端は、ボール・ソケット弁などの弁機構245に取り付けられるか、締結されるか、固定される。バイアス・プレート241は、ガイド/支点216によって支持され固定される。
【0029】
操作において、電源170によって電極220に電界が印加されて電解質215をチャンバ208からチャンバ209の方に動かす電気浸透力が生成され、それによりベローズ211が拡張されアクチュエータ・ピン212が変位し、アクチュエータ・ピン212は、図3aに示したように、ラック230の近位端を押してそれを右に動かし、ピニオン・ギア235を時計回りに回転させる。次に、ピニオン・ギア235の回転により、コイルばね240に張力が加わり、コイルばね240が、バイアス・プレート241を介して弁機構245に高い圧力を加えさせ、それにより流量が制限される。弁機構245へのこの圧力の増大により、弁機構が開く抵抗が増大し、それによりドレナージ量が減少する。当然の結果として、電源170によって電極220に印加される電解を逆にすると、電解質215をチャンバ208の方に移動させる電気浸透力が生じ、それにより、図3bに示したように、ベローズ211がへこみ、ラック230を左に動かし、コイルばね240が巻き戻される。また、このへこみ又は逆の動きは、コイルばね240に蓄積されたエネルギーによって支援される。コイルばね240からエネルギーが開放されると、弁機構245にバイアス・プレート241によって加えられる圧力が減少し、弁機構の開く抵抗が減少し、それによりドレナージ量が増える。
【0030】
並進機械式弁作動機構の代替実施形態が、図4a及び図4bに示されており、ここで、ベローズ211が、アクチュエータ・ピン212と接触し、アクチュエータ・ピン212が、次に、バイアス・プレート241の近位端と接触し、その反対側の遠位端は、ボール・ソケット弁などの弁機構245に取り付けられるか、締結されるか、固定される。操作において、図4bに示したように、電源170によって電極220に電界が印加されて、電解質215をチャンバ208からチャンバ209の方に移動させる電気浸透力が生成され、次に、ベローズ211が拡張され、ベローズ211は、次に、アクチュエータ・ピン212を変位させ、アクチュエータ・ピン212はバイアスばね241の近位端を押してバイアスばね241を歪ませる。それにより、バイアスばね241の反対側の遠位端に、弁機構245の圧力を高める抗力が生成され、それに応じて開口部の抵抗が増大し、それによりドレナージ量が減少する。必然的な結果として、電源170によって電極220に印加される電界が逆にされると、それに応じて電解質215をチャンバ209からチャンバ208の方に移動させる電気浸透力が生成され、それによりベローズ211がへこみ、アクチュエータ・ピン212を左に変位させ、それによりバイアスばね241の近位端の張力が開放されることがある。この逆の動きも、バイアスばね241内に蓄積されたエネルギーによって支援される。バイアスばね241からエネルギーが開放されると、弁機構245に加られた圧力が減少し、それにより弁機構245が開く抵抗が減少し、ドレナージ量が増える。
【0031】
並進機械式弁駆動装置の別の実施形態が、図5aと図5bに示され、ここで、ベローズ211の一方の端が、アクチュエータ・ピン212と接触しており、アクチュエータ・ピンの反対側の端が、ボール・ソケット弁などの弁機構245に取り付けられ、締結され又は固定されたバイアスばね241の作用下で動く傾斜増大くさび部材255と接触する。操作において、図5bに示したように、電源170によって電極220に電界が印加され、電解質215をチャンバ208からチャンバ209の方に移動させる電気浸透力が生成され、それにより、ベローズ211が拡張され、アクチュエータ・ピン212とくさび255が右に変位される。くさび255が、アクチュエータ・ピンに接続された近位端で最も幅広い部分を有するように増大する傾斜を有するので、くさび255の変位は、バイアスばね241の近位端を上方に押し、バイアスばね241に含まれるエネルギーを増大させる。このエネルギーの増大よって、弁機構245に対する圧力が大きくなり、これにより開く抵抗が増大し、それによりドレナージ量が減少する。必然的な結果として、電源170によって電極220に印加される電界が逆にされる、それに応じて、電解質215をチャンバ209からチャンバ208の方に移動させる電気浸透力が生成され、それにより、ベローズ211が収縮されくさび255が左に動く。この逆の動きは、やはりバイアスばね241に蓄積されたエネルギーによって支援され、弁機構245にバイアスばね241によって加えられる圧力が減少し、その結果、開く抵抗が減少し、それによりドレナージ量が増大する。
【0032】
前述の機械式弁アクチュエータ機構の全ての実施形態は、中を通る流体の流れを細かく滴定できるだけでなく、最大の流体の流れを可能にするか又は全ての流体の流れを完全に停止又は遮断させるためにも適応される。
【0033】
図6に示したこの最後の実施形態では、中を通る流体のドレナージが制御又は調整される柔軟な管材料275が、コンストリクター・ブロック241のチャネル243内に収容される。コンストリクター・ブロック241の一側面は、接触面積を最大にするために、ベローズ211の一方の端に直接接続され、それによりアクチュエータ・ピン212を排除することが好ましい。コンストリクター242は、好ましくは形状が半球で、チャネル243内の、柔軟な管材料275と、コンストリクター・ブロック241のベローズ211に接続された側面との間に配置される。コンストリクター242とコンストリクター・ブロック241は、磁気共鳴映像法(MRI)対応熱硬化性樹脂、ガラス、天然石(例えば、ルビー)、焼き入れ金属、又は合金で作製されることが好ましい。コンストリクター242とコンストリクター・ブロック241に使用される材料は、同じでもよく異なってもよい。コンストリクター242は、例えばシリコーンやポリウレタンなどの生体適合性の柔軟な弾性材料で作製された柔軟な管材料275を押す。操作において、電源170によって電極220に電界が印加されて、電解質215をチャンバ208からチャンバ209の方に押す電気浸透力が生成され、それによりベローズ211が拡張し、次に、ベローズ211は、コンストリクター・ブロック241を押し上げる。コンストリクター・ブロック241とコンストリクター242の上方向の変位によって柔軟な管材料275に力が加えられ、柔軟な管材料275が変形し、それにより流体が通って流出できる可能な通路の断面サイズが制限される。コンストリクター242の好ましい半球形状は、尖った端よりも圧力を徐々に分散させ、長期操作による柔軟な管材料の損傷を最小にする。必然的な結果として、電源170によって電極220に印加される電界が逆にされると、電解質215をチャンバ209からチャンバ208の方に移動させる電気浸透力が生成され、それによりベローズ211がへこみ、柔軟な管材料275にコンストリクター242によって印加される圧力が減少し、その結果、弁部材245を開く抵抗が減少し、それによりドレナージ量が増大する。本発明の図6に示した実施形態は、流体通路を完全に遮断するのではなく、流体の流れを細かく滴定するように適応される。したがって、操作は、全ての流体が中を通るのを妨げるように通路を完全に遮断するのではなく、その代わりに、開口部のサイズ並びにチャネル243の、サイズ、直径、円周の調整による流量を、滴定するか、調整するか、制御するだけである。柔軟な管材料275は、コンストリクター242によって加えられた力によって、中を通る全ての流体の通過を完全に遮断し妨げるようには制限されない。
【0034】
以上述べたように、本発明の動電アクチュエータは、本明細書で明示的に開示され図示された機械的弁作動機構のみに限定されない。更に、流体の流れを細かく滴定する本発明の動電アクチュエータは、CSFを排出するための外部からプログラム可能な埋め込み型シャント・システムと共に使用する特定の用途に関して記述されてきた。身体に埋め込まれる場合と身体の外部の場合との他の医学的使用並びに非医学的用途は、熟考されており、本発明の意図された範囲内にある。
【0035】
したがって、本発明の基礎となる新規な特徴を、本発明の好ましい実施形態に適用されるように図示し、説明し、指摘したが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、例示された装置の形と詳細並びにその操作の様々な省略、代用及び変更を行うことができることを理解するであろう。例えば、同じ結果を達成するために実質的に同じ機能を実質的に同じように実行する要素及び/又は段階の全ての組み合わせが、本発明の範囲内であることは明示的に意図される。また、説明されたひとつの実施形態から別の実施形態に要素を代用することも完全に意図され熟考されている。また、図面は、必ずしも同じ縮尺で描かれておらず、本質的に概念的なものに過ぎないことを理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲に示されたようにのみ、限定されることを意図する。
【0036】
本明細書に引用された全ての発行された特許、係属特許出願、出版物、学術論文、書籍又は他の参考資料はそれぞれ、その全体が参照により組み込まれる。
【0037】
〔実施の態様〕
(1) 流体の流れを滴定するための動電アクチュエータであって、
閉近位端とその反対側の開遠位端とを有する第1のチャンバと、
開近位端とその反対側の開遠位端とを有する第2のチャンバであって、前記第1のチャンバの前記開遠位端が、前記第2のチャンバの前記開近位端から、その間に配置された多孔質絶縁体によって分離されている、第2のチャンバと、
前記第1及び第2のチャンバの周囲に配置された複数の電極と、
前記アクチュエータ内に配置され、前記複数の電極に電界又は電位が印加された際に前記第1のチャンバと第2のチャンバとの間の前記多孔質絶縁体を通過するように適応された極性電解質と、
前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続されており、滴定される流体との混合を防ぐために分離された前記極性電解質の電気浸透を使用して流体を細滴定するための機械式弁作動機構と、を含む、動電アクチュエータ。
(2) 前記機械式弁作動機構が、
開近位端とその反対の遠位端とを有するベローズであって、前記ベローズの前記開近位端が、前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続されている、ベローズと、
前記ベローズの前記開遠位端を遮断するように接続された近位端及びその反対の遠位端を有するアクチュエータ・ピンと、
前記アクチュエータ・ピンの前記遠位端に接続され、複数の歯を有するラックと、
相補的な歯を有し、前記ラックの前記歯と係合するように配置されたピニオン・ギアと、
第1の端において前記ピニオン・ギアに接続され、その反対の第2の端を有する、コイルばねと、
近位端において前記コイルばねの前記第2の端及びその反対の遠位端に接続され、支点によって支持され固定されている、バイアス・プレートと、を含む、実施態様1に記載の動電アクチュエータ。
(3) 前記バイアス・プレートの前記遠位端が、弁機構に、前記弁機構の開口部を調整するように接続された、実施態様2に記載の動電アクチュエータ。
(4) 機械式弁作動機構が、
開近位端と反対の遠位端とを有するベローズであって、前記ベローズの前記開近位端が、前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続された、ベローズと、
近位端と反対の遠位端とを有するアクチュエータ・ピンであって、前記アクチュエータ・ピンの前記近位端が、前記ベローズの前記遠位端を遮断するように接続された、アクチュエータ・ピンと、
近位端において前記アクチュエータ・ピンの前記遠位端に接続され、反対の遠位端を有するバイアスばねであって、前記バイアスばねが支点によって支持され固定され、前記バイアス・プレートの前記近位端が、前記複数の電極に電界が印加された際に前記第1のチャンバから前記第2のチャンバに通る前記電解質に応じて変形可能である、バイアスばねと、を含む、実施態様1に記載の動電アクチュエータ。
(5) 前記バイアス・プレートの前記遠位端が、弁機構に、前記弁機構の開口部を調整するように接続されている、実施態様4に記載の動電アクチュエータ。
(6) 前記機械式弁作動機構が、
開近位端と反対の遠位端とを有するベローズであって、前記ベローズの前記開近位端が、前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続されている、ベローズと、
近位端と遠位端とを有するアクチュエータ・ピンであって、前記アクチュエータ・ピンの前記近位端が、前記ベローズの前記遠位端を遮断するように接続された、アクチュエータ・ピンと、
より小さな遠位端と、前記アクチュエータ・ピンの前記遠位端に接続された、反対のより大きな近位端とを有する傾斜増大くさび部材と、
前記くさび部材の前記遠位端によって支持された近位端と反対の遠位端とを有するバイアスばねであって、前記バイアス・プレートが、支点によって支持され固定されている、バイアスばねと、を含む、実施態様1に記載の動電アクチュエータ。
(7) 前記バイアスばねの前記遠位端が、弁機構に、前記弁機構の開口部を調整するように接続された、実施態様6に記載の動電アクチュエータ。
(8) 前記機械式弁作動機構が、
開近位端と反対の開遠位端とを有するベローズであって、前記ベローズの前記開近位端が、前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続されている、ベローズと、
柔軟で弾性の管材料を収容するために中に長手方向に画定されたチャネルを有するコンストリクター・ブロックであって、前記ベローズの前記開遠位端が前記コンストリクター・ブロックの周囲に接続されている、コンストリクター・ブロックと、
前記管材料と前記ベローズに接続された前記コンストリクター・ブロックとの間の前記チャネル内に配置されたコンストリクターと、を含む、実施態様1に記載の動電アクチュエータ。
(9) 前記アクチュエータが、約50kPa(約500mbar)より小さい動水力を加える、実施態様1に記載の動電アクチュエータ。
(10) 前記機械式アクチュエータ機構によって行われる流体の流れの前記細滴定が、最大の流体の流れと完全に遮断された流体の流れの2つの流れの状態だけに限定されない、実施態様1に記載の動電アクチュエータ。
【0038】
(11) 前記機械式作動機構が、流体の流れを完全に遮断させない、実施態様8に記載の動電アクチュエータ。
(12) 弁部材の開口部に前記機械式弁作動機構によって機械力を加えて前記弁部材を通る流体の流れを調整する工程、を含む、実施態様1に記載の動電アクチュエータを使用して流体の流れを細滴定する方法。
(13) 前記加える工程が、
前記複数の電極に電位又は電界を印加して、前記多孔質絶縁体を介して前記2つのチャンバ間で前記電解質を変位させる電気浸透を生成する工程と、
前記電解質の前記電気浸透の結果として前記第2のチャンバに接続されたベローズを拡張/収縮させる工程と、
前記ベローズの拡張/収縮の結果として前記ベローズに接続されたアクチュエータ・ピンを直線的に変位させる工程と、
前記弁部材の前記開口部に加えられる力を、前記アクチュエータ・ピンの前記直線変位に基づいて調整する工程と、を含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記力を調整する工程が、
複数の歯を有し前記アクチュエータ・ピンに接続されたラックを、直線的に変位させる工程と、
コイルばねを回転させその張力を制御するために、前記ラックの前記複数の歯をピニオン・ギアの相補的な歯と係合させる工程と、
支点によって支持され固定されかつ前記コイルばねに一端が接続されたバイアス・プレートを上方/下方に変位させる工程であって、前記バイアス・プレートの反対端が前記弁部材の前記開口部に接続されることで、前記弁部材を通る流体の流れが細かく滴定される、工程と、を含み、
前記ピニオン・ギアの時計回り方向の回転が、前記コイルばねの張力を増大させて前記弁機構の前記開口部を縮小し、反時計回り方向の前記ピニオン・ギアの回転が、前記コイルばねの張力を減少させて前記弁機構の前記開口部を大きくする、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記力を調整する工程が、
前記アクチュエータ・ピンに接続されたバイアスばねの近位端を上方/下方に撓ませる工程であって、前記バイアスばねが、支点によって支持され固定されており、前記バイアスばねの遠位端が、前記弁部材の前記開口部に接続されることにより、前記弁部材を通る流体の流れが細かく滴定される、工程を含み、
前記バイアスばねの前記近位端の上方への撓みにより、前記バイアスばねの前記遠位端に、前記弁機構の前記開口部を縮小して前記弁機構を通る流体の流れを減少させる、対抗する反対方向の力が加えられ、前記バイアスばねの前記近位端の撓みの減少により、前記バイアスばねの前記遠位端への前記対抗する反対方向の力が減少し、前記弁機構の前記開口部が大きくなり前記弁機構を通る流体の流れが増大する、実施態様13に記載の方法。
(16) 前記調整する工程が、
前記アクチュエータ・ピンに接続された近位端での最大幅と遠位端での最小幅とを伴う増大傾斜を有するくさび部材を、直線的に変位させる工程と、
前記くさび部材の前記遠位端によって支持されたバイアスばねの近位端を上方/下方に撓ませる工程であって、前記バイアスばねが、支点によって支持され固定され、前記バイアスばねの遠位端が、前記弁部材の前記開口部に接続されることにより、前記弁部材を通る流体の流れが調整される、工程と、を含み、
前記バイアスばねの前記近位端の上方への撓みにより、前記バイアスばねの前記遠位端に、前記弁機構の前記開口部を縮小して前記弁機構を通る流体の流れを減少させる、対抗する反対の力が加えられ、前記バイアスばねの前記近位端の撓みの減少により、前記バイアスばねの前記遠位端への前記対抗する反対の力が減少され、前記弁機構の前記開口部が大きくなり前記弁機構を通る流体の流れが増大する、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記加える工程が、
前記複数の電極に電位又は電界を印加して、前記2つのチャンバ間で前記多孔質絶縁体を介して前記電解質を変位させる電気浸透を生成する工程と、
前記電解質の前記変位の結果として、前記第2のチャンバに接続されたベローズを拡張/収縮させる工程と、
中に流体が流れる柔軟な管材料に加えられる力を調整することにより、前記柔軟な管材料の断面領域が変形する工程と、を含む、実施態様12に記載の方法。
(18) 前記力を調整する工程が、
中に画定された長手方向のチャネルを有し、前記柔軟な管材料の周囲に配置されたコンストリクター・ブロックに力を加える工程と、
前記柔軟な管材料内にコンストリクターを押し込んで前記柔軟な管材料の前記断面領域を変化させる工程であって、前記コンストリクターが、前記チャネル内で前記柔軟な管材料と前記ベローズの近くの前記コンストリクターの一部分との間に配置される、工程と、を含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記コンストリクターが、半球形状である、実施態様18に記載の方法。
(20) 近位カテーテルと、
ドレナージ・カテーテルと、
前記近位カテーテルと前記ドレナージ・カテーテルとの間に配置された弁装置と、
前記弁装置の開口部圧力及び/又は直径を制御することによる前記近位カテーテルから前記ドレナージ・カテーテルへの脳脊髄液の細滴定のための実施態様1に記載の動電アクチュエータであって、細滴定が、最大の流体の流れ及び/又は流体の流れの完全な遮断を含む、動電アクチュエータと、を含む、埋め込み型シャント・システム。
【0039】
(21) ドレナージ・システムであって、
近位カテーテルと、
ドレナージ・カテーテルと、
前記近位カテーテルと前記ドレナージ・カテーテルとの間に配置された弁装置と、
前記弁装置の開口部圧力及び/又は直径を制御することによる前記近位カテーテルから前記ドレナージ・カテーテルへの流体の細滴定のための実施態様1に記載の動電アクチュエータであって、細滴定が、最大の流体の流れ及び/又は流体の流れの完全な遮断を含む、動電アクチュエータと、を含む、ドレナージ・システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れを滴定するための動電アクチュエータであって、
閉近位端とその反対側の開遠位端とを有する第1のチャンバと、
開近位端とその反対側の開遠位端とを有する第2のチャンバであって、前記第1のチャンバの前記開遠位端が、前記第2のチャンバの前記開近位端から、その間に配置された多孔質絶縁体によって分離されている、第2のチャンバと、
前記第1及び第2のチャンバの周囲に配置された複数の電極と、
前記アクチュエータ内に配置され、前記複数の電極に電界又は電位が印加された際に前記第1のチャンバと第2のチャンバとの間の前記多孔質絶縁体を通過するように適応された極性電解質と、
前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続されており、滴定される流体との混合を防ぐために分離された前記極性電解質の電気浸透を使用して流体を細滴定するための機械式弁作動機構と、を含む、動電アクチュエータ。
【請求項2】
前記機械式弁作動機構が、
開近位端とその反対の遠位端とを有するベローズであって、前記ベローズの前記開近位端が、前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続されている、ベローズと、
前記ベローズの前記開遠位端を遮断するように接続された近位端及びその反対の遠位端を有するアクチュエータ・ピンと、
前記アクチュエータ・ピンの前記遠位端に接続され、複数の歯を有するラックと、
相補的な歯を有し、前記ラックの前記歯と係合するように配置されたピニオン・ギアと、
第1の端において前記ピニオン・ギアに接続され、その反対の第2の端を有する、コイルばねと、
近位端において前記コイルばねの前記第2の端及びその反対の遠位端に接続され、支点によって支持され固定されている、バイアス・プレートと、を含む、請求項1に記載の動電アクチュエータ。
【請求項3】
前記バイアス・プレートの前記遠位端が、弁機構に、前記弁機構の開口部を調整するように接続された、請求項2に記載の動電アクチュエータ。
【請求項4】
機械式弁作動機構が、
開近位端と反対の遠位端とを有するベローズであって、前記ベローズの前記開近位端が、前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続された、ベローズと、
近位端と反対の遠位端とを有するアクチュエータ・ピンであって、前記アクチュエータ・ピンの前記近位端が、前記ベローズの前記遠位端を遮断するように接続された、アクチュエータ・ピンと、
近位端において前記アクチュエータ・ピンの前記遠位端に接続され、反対の遠位端を有するバイアスばねであって、前記バイアスばねが支点によって支持され固定され、前記バイアス・プレートの前記近位端が、前記複数の電極に電界が印加された際に前記第1のチャンバから前記第2のチャンバに通る前記電解質に応じて変形可能である、バイアスばねと、を含む、請求項1に記載の動電アクチュエータ。
【請求項5】
前記バイアス・プレートの前記遠位端が、弁機構に、前記弁機構の開口部を調整するように接続されている、請求項4に記載の動電アクチュエータ。
【請求項6】
前記機械式弁作動機構が、
開近位端と反対の遠位端とを有するベローズであって、前記ベローズの前記開近位端が、前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続されている、ベローズと、
近位端と遠位端とを有するアクチュエータ・ピンであって、前記アクチュエータ・ピンの前記近位端が、前記ベローズの前記遠位端を遮断するように接続された、アクチュエータ・ピンと、
より小さな遠位端と、前記アクチュエータ・ピンの前記遠位端に接続された、反対のより大きな近位端とを有する傾斜増大くさび部材と、
前記くさび部材の前記遠位端によって支持された近位端と反対の遠位端とを有するバイアスばねであって、前記バイアス・プレートが、支点によって支持され固定されている、バイアスばねと、を含む、請求項1に記載の動電アクチュエータ。
【請求項7】
前記バイアスばねの前記遠位端が、弁機構に、前記弁機構の開口部を調整するように接続された、請求項6に記載の動電アクチュエータ。
【請求項8】
前記機械式弁作動機構が、
開近位端と反対の開遠位端とを有するベローズであって、前記ベローズの前記開近位端が、前記第2のチャンバの前記開遠位端に接続されている、ベローズと、
柔軟で弾性の管材料を収容するために中に長手方向に画定されたチャネルを有するコンストリクター・ブロックであって、前記ベローズの前記開遠位端が前記コンストリクター・ブロックの周囲に接続されている、コンストリクター・ブロックと、
前記管材料と前記ベローズに接続された前記コンストリクター・ブロックとの間の前記チャネル内に配置されたコンストリクターと、を含む、請求項1に記載の動電アクチュエータ。
【請求項9】
前記アクチュエータが、約50kPa(約500mbar)より小さい動水力を加える、請求項1に記載の動電アクチュエータ。
【請求項10】
前記機械式アクチュエータ機構によって行われる流体の流れの前記細滴定が、最大の流体の流れと完全に遮断された流体の流れの2つの流れの状態だけに限定されない、請求項1に記載の動電アクチュエータ。
【請求項11】
前記機械式作動機構が、流体の流れを完全に遮断させない、請求項8に記載の動電アクチュエータ。
【請求項12】
弁部材の開口部に前記機械式弁作動機構によって機械力を加えて前記弁部材を通る流体の流れを調整する工程、を含む、請求項1に記載の動電アクチュエータを使用して流体の流れを細滴定する方法。
【請求項13】
前記加える工程が、
前記複数の電極に電位又は電界を印加して、前記多孔質絶縁体を介して前記2つのチャンバ間で前記電解質を変位させる電気浸透を生成する工程と、
前記電解質の前記電気浸透の結果として前記第2のチャンバに接続されたベローズを拡張/収縮させる工程と、
前記ベローズの拡張/収縮の結果として前記ベローズに接続されたアクチュエータ・ピンを直線的に変位させる工程と、
前記弁部材の前記開口部に加えられる力を、前記アクチュエータ・ピンの前記直線変位に基づいて調整する工程と、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記力を調整する工程が、
複数の歯を有し前記アクチュエータ・ピンに接続されたラックを、直線的に変位させる工程と、
コイルばねを回転させその張力を制御するために、前記ラックの前記複数の歯をピニオン・ギアの相補的な歯と係合させる工程と、
支点によって支持され固定されかつ前記コイルばねに一端が接続されたバイアス・プレートを上方/下方に変位させる工程であって、前記バイアス・プレートの反対端が前記弁部材の前記開口部に接続されることで、前記弁部材を通る流体の流れが細かく滴定される、工程と、を含み、
前記ピニオン・ギアの時計回り方向の回転が、前記コイルばねの張力を増大させて前記弁機構の前記開口部を縮小し、反時計回り方向の前記ピニオン・ギアの回転が、前記コイルばねの張力を減少させて前記弁機構の前記開口部を大きくする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記力を調整する工程が、
前記アクチュエータ・ピンに接続されたバイアスばねの近位端を上方/下方に撓ませる工程であって、前記バイアスばねが、支点によって支持され固定されており、前記バイアスばねの遠位端が、前記弁部材の前記開口部に接続されることにより、前記弁部材を通る流体の流れが細かく滴定される、工程を含み、
前記バイアスばねの前記近位端の上方への撓みにより、前記バイアスばねの前記遠位端に、前記弁機構の前記開口部を縮小して前記弁機構を通る流体の流れを減少させる、対抗する反対方向の力が加えられ、前記バイアスばねの前記近位端の撓みの減少により、前記バイアスばねの前記遠位端への前記対抗する反対方向の力が減少し、前記弁機構の前記開口部が大きくなり前記弁機構を通る流体の流れが増大する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記調整する工程が、
前記アクチュエータ・ピンに接続された近位端での最大幅と遠位端での最小幅とを伴う増大傾斜を有するくさび部材を、直線的に変位させる工程と、
前記くさび部材の前記遠位端によって支持されたバイアスばねの近位端を上方/下方に撓ませる工程であって、前記バイアスばねが、支点によって支持され固定され、前記バイアスばねの遠位端が、前記弁部材の前記開口部に接続されることにより、前記弁部材を通る流体の流れが調整される、工程と、を含み、
前記バイアスばねの前記近位端の上方への撓みにより、前記バイアスばねの前記遠位端に、前記弁機構の前記開口部を縮小して前記弁機構を通る流体の流れを減少させる、対抗する反対の力が加えられ、前記バイアスばねの前記近位端の撓みの減少により、前記バイアスばねの前記遠位端への前記対抗する反対の力が減少され、前記弁機構の前記開口部が大きくなり前記弁機構を通る流体の流れが増大する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記加える工程が、
前記複数の電極に電位又は電界を印加して、前記2つのチャンバ間で前記多孔質絶縁体を介して前記電解質を変位させる電気浸透を生成する工程と、
前記電解質の前記変位の結果として、前記第2のチャンバに接続されたベローズを拡張/収縮させる工程と、
中に流体が流れる柔軟な管材料に加えられる力を調整することにより、前記柔軟な管材料の断面領域が変形する工程と、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記力を調整する工程が、
中に画定された長手方向のチャネルを有し、前記柔軟な管材料の周囲に配置されたコンストリクター・ブロックに力を加える工程と、
前記柔軟な管材料内にコンストリクターを押し込んで前記柔軟な管材料の前記断面領域を変化させる工程であって、前記コンストリクターが、前記チャネル内で前記柔軟な管材料と前記ベローズの近くの前記コンストリクターの一部分との間に配置される、工程と、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コンストリクターが、半球形状である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
近位カテーテルと、
ドレナージ・カテーテルと、
前記近位カテーテルと前記ドレナージ・カテーテルとの間に配置された弁装置と、
前記弁装置の開口部圧力及び/又は直径を制御することによる前記近位カテーテルから前記ドレナージ・カテーテルへの脳脊髄液の細滴定のための請求項1に記載の動電アクチュエータであって、細滴定が、最大の流体の流れ及び/又は流体の流れの完全な遮断を含む、動電アクチュエータと、を含む、埋め込み型シャント・システム。
【請求項21】
ドレナージ・システムであって、
近位カテーテルと、
ドレナージ・カテーテルと、
前記近位カテーテルと前記ドレナージ・カテーテルとの間に配置された弁装置と、
前記弁装置の開口部圧力及び/又は直径を制御することによる前記近位カテーテルから前記ドレナージ・カテーテルへの流体の細滴定のための請求項1に記載の動電アクチュエータであって、細滴定が、最大の流体の流れ及び/又は流体の流れの完全な遮断を含む、動電アクチュエータと、を含む、ドレナージ・システム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−136174(P2011−136174A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−292105(P2010−292105)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(511002607)コドマン・ニューロ・サイエンシズ・エスエイアールエル (1)
【氏名又は名称原語表記】Codman Neuro Sciences Sarl
【住所又は居所原語表記】Chemin−Blank 36, 2400 Le Locle Switzerland
【Fターム(参考)】