流体コネクターへのアクセスを提供するための開放可能な埋め込み型ハウジングを備えた流体供給装置
体の部位への流体の供給、特に、脳の部位への流体の供給のための流体供給装置(2,4)が開示される。装置は、第一端部を有する一本の埋め込み型の第一チューブ(6)を含み、第一流体コネクター部(8)が、一本の埋め込み型の第一チューブ(6)の第一端部に取り付けられる。第一流体コネクター部(8)は、相補的な第二流体コネクター部(18)に着脱自在に結合される。埋め込み型のハウジング(36)が、また、第一流体コネクター部(8)の収容および保護のために設けられる。埋め込み型のハウジング(36)は、第一流体コネクター部(8)へのアクセスを提供するため開放可能である。例えば、ハウジング(36)は、ヒンジ式の蓋またはカバー部分を有する。対応する方法が、また、開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人間または動物の異なる部分へ薬剤のような流体を供給するための装置に関する。特に、この発明は、脳へ薬剤を供給するためのモジュラー式の薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの神経変性の疾患、遺伝性の神経病、脳腫瘍、および、神経系の他の病気の薬剤処置は、血管システムまたは脳脊髄液から脳物質への薬剤の移送を妨げる血液脳関門の存在により妥協される。血液脳関門を適切に通過しない薬剤の例は、腫瘍の処置のための多くの細胞障害性の薬剤と同様に、神経栄養剤、モノクロナール抗体、遺伝子治療のためのウィルス粒子のような蛋白分子を含む。
【0003】
そのような薬剤は、内在するカテーテルを通した実質への直接注入によって脳へ供給される。カテーテルを出ることによって、薬剤は、伝達の進行による、下り濃度勾配(すなわち、拡散により)および/または下り圧力勾配で脳物質を通して分散される。巨大分子は不完全に拡散し、脳への薬剤の供給は、薬剤の注入率、したがって、薬剤が伝達される程度を制御することによって最良に調節される。伝達される注入剤は、間質腔を通る大きな流れによって蛋白質およびウィルスのような巨大分子を運び、選択された脳容積を満たす。
【0004】
多くの病気のために、単一のカテーテルからの薬剤供給量を最大化することと同時に、処置容積を通して均一な濃度を達成することが望まれる。これが達成される方法は、伝達促進供給と称される。このことは小さな外径を備えるカテーテルを挿入することによって達成される。例えば、特許文献1に記述されたタイプのカテーテルが用いられ得る。薬剤は、それから、組織に損傷を生じない耐えられる最大の流量であるが、また、カテーテルと組織のインターフェースに沿った顕著な逆流を生じない流量である、間質液に注入剤を優先的に推進する流量で注入される。
【0005】
多くの神経系の病気のために、中枢神経系の大きな容積に薬剤を供給することが望ましく、これらは、原発性または続発性脳腫瘍、遺伝性疾患、および、多発性硬化のような病気の処置を含み、そこで、中枢神経系の何らかの部分が影響される。これらの環境下で、薬剤で組織の望まれる容積を満たすために中枢神経系に複数のカテーテルを埋め込むことがしばしば望まれる。他の病気において、副作用を最小限にするために特定の組織容積へ薬剤を集中すること、例えば、ドーパミン作用性ニューロンを備える再神経分布を促進するために線条体へのDDNFの供給、が望まれる。これらの条件下では、望まれる処置容積は、単一のカテーテルで満たされ、流量は、望まれる容積のみを満たすように調整される。
【0006】
多くの埋め込み型薬剤供給システムは知られており、一般的には、腹部に埋め込まれる薬剤ポンプアセンブリ、および、ポンプから望まれる解剖学的場所に薬剤を運ぶ、一つまたはそれ以上の柔軟性カテーテルを含む。そのような埋め込み型のポンプの例は、特許文献2に記述されている。
【0007】
【特許文献1】国際公開第2003/077758号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0216714号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、複数の応用例にとって、ポンプの長期間の埋め込みの必要性を否定する、数ヶ月毎のような、不定期に繰り返される処置が要求されるので、薬剤供給のためのポンプを埋め込むことが望まれない。加えて、中枢神経系の実質的な部分への薬剤供給を要求する処置にとって、例えば、50mlを超える、注入剤の大量の容積が要求され、それは、不定期の使用にとって不適切である、過度に大きなポンプリザーバーが埋め込まれることを要求する。さらに、いくつかの薬剤は体温で貯蔵されると不安定であり、したがって、埋め込まれたリザーバー内にそのような薬剤の長期間の貯蔵を妨げる。
【0009】
外部ポンプアセンブリを用いて脳に間欠的に薬剤を供給できるようにするため、臨床医学者はいくつかの問題と直面される。最も重要な問題は、ポンプに実質細胞内カテーテルを結合しているチューブが皮膚を出る箇所での感染の危険である。静脈系への薬剤供給のためのチューブは、数ヶ月間埋め込まれ得て細心の無菌法で実質的に感染のないままであり、その例が、ヒックマン・ラインであることが知られているが、この解決策は、感染の影響がはるかに大きく、間欠的な治療が与えられる期間が数年を超えて延びるため、脳への間欠的な薬剤供給にとって適切でない。
【0010】
代わりとなる薬剤供給の解決策は、皮膚を通して、皮下の薬剤注入ポートに針を通すことであるが、皮膚は清潔にされ得るけれども、針は殺菌されず、バクテリアを皮下の注入ポートに運ぶ針のささいでない危険が残る。注入期間が数時間または二、三日間継続されると、針の通った跡に沿って感染の危険が著しく増大する。鋭利な針は、また、それと一緒に皮膚の破片を運ぶことができ、これは、脳内に運ばれるか、または、代わりに、伝達促進供給のために使用される非常に細いチューブをブロックする。伝達促進供給のための注入圧は、要求される非常に細い内径のカテーテルチューブおよび伸張チューブのせいで相当高い。注入ポートに皮膚を通しての針の保持は、この環境下では、また、懸案事項である。さらに、薬剤供給が中枢神経系の複数の箇所、例えば、六箇所またはそれ以上、に要求される場合には、これらの問題は、同様に、増加させられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の第一の態様によれば、流体供給装置は、第一端部を有する一本の第一の埋め込み型チューブ、一本の第一の埋め込み型チューブの第一端部に結合される第一流体コネクター部であって、相補的な第二流体コネクター部に着脱可能に結合される第一流体コネクター部、および、第一流体コネクター部を収容するための埋め込み型ハウジングを含み、埋め込み型ハウジングは第一流体コネクター部へのアクセスを提供するために開放可能である。
【0012】
この発明の装置は、したがって、埋め込み型のハウジングに収容される第一流体コネクター部で終わる第一端部を有する一本の第一のチューブを含む。一本の第一のチューブ、第一流体コネクター部、および、埋め込み型のハウジングは、ここでは、まとめて、(モジュラー式)流体供給装置の第一部分と称される。モジュラー式第一部分を埋め込むための最初の外科処置の後に、第一部分は、完全に体内に収納され、したがって、感染源として作用しない。そのような最初の外科処置はかなり複雑である。例えば、第一部分は、また、高度の精密技術を用いて体内(例えば、脳内)のある領域に位置されるカテーテルまたはそれに類するものを含む。埋め込み後、流体供給装置の第一部分は、流体コネクター部が線維組織の形成により詰まったり、塞がったり、壊されたりしないことを確実にする機能を達成する埋め込み型のハウジングと共に、長期間(例えば、数ヶ月または数年)体内に残る。流体供給が要求される期間中、簡単な外科的処置が行われ、埋め込み型のハウジングを開放するために切開がなされる。第一流体コネクター部は、それから、埋め込み型のハウジングを開放することによってアクセスされる。
【0013】
以下にもっと詳細に記載されるように、装置は、さらに、第二流体コネクター部が取り付けられる第一端部を有する一本の第二のチューブを含む。第二流体コネクター部は第一流体コネクター部に着脱可能に結合され、それにより、一本の第一のチューブと一本の第二のチューブのルーメン間に確立される流体連通を許容する。一本の第二のチューブと第二流体コネクター部は、ここでは、まとめて、(モジュラー式)流体供給装置の第二部分と称される。外部ポンプアセンブリが、また、一本の第二のチューブの第二端部に結合される。モジュラー式流体供給装置の第二部分は、好ましくは、流体供給が要求されるときのみ、比較的に短期間(数時間または数日)、第一部分に結合される。例えば、薬剤供給は毎月二、三時間または二、三日間かそこらで要求される。第二部分が第一部分に結合されている間、一本の第二のチューブは、皮膚の切開部を通る。
【0014】
外科的処置は、第一部分の埋め込み後、埋め込み型ハウジングにアクセスするために一般的に要求されるが、そのような処置は、第一部分の埋め込みと比較して非常に減少された複雑さであり、単に、モジュラー式装置の第一および第二部分間の必要な流体結合を形成するために埋め込み型のハウジングにアクセスすることを含むだけである。流体の供給が要求されない期間は、第二部分は除去され、皮膚を通る切開部は、直るまでそのままにされ、体内に感染を持ち込み得る皮膚を出るチューブまたはコネクターが存在しない。この発明は、したがって、長期間、皮膚を通るチューブの精細な清浄が要求される(薬剤の供給が実際に要求されない延長期間であっても)、ヒックマン・ラインおよびその類似のもの以上に利点があるように見られる。この発明の装置の供給は、したがって、伝統的に外部ポンプアセンブリを用いることに伴う多くの問題を克服する。
【0015】
この発明の装置は、また、上述したタイプの完全に埋め込まれるポンプシステム以上の多くの利点を有する。例えば、埋め込まれたポンプは、大量の流体の供給に対して不適当にする限定されたリザーバー容量を有する。埋め込まれたリザーバーは経皮的に再充填されるが、そのような再充填の工程は、供給される流体中に、外部要素(例えば、皮膚の小片および/またはバクテリア)を導入する。これに対して、外部ポンプは、完全に殺菌状態に保たれ、すばやく充填される大きなリザーバーを含む。外部ポンプアセンブリの使用は、短い半減期を有するか、使用に先立ってある条件(例えば、低温)で貯蔵されねばならない薬剤が投薬されるのを許容する。埋め込まれるハウジング(コネクターで終了される一本のチューブとは対照的に)の提供は、外科医が、ハウジング内に含まれる第一流体コネクター部にアクセスするために、処置中、コネクター部または一本の第一のチューブを損傷する減少された機会でもって切開することを許容することが、また、留意されるべきである。
【0016】
有利には、埋め込み型のハウジングは、一本の第一のチューブの巻き部分を収容する空所を画成する。チューブの巻き部分を収容する空所を備えることは、対象の動きが制限されないことを保証する。対象が動くと、一本の第一のチューブの張力は、巻き部分の巻き戻しまたは締めによって解放される。ハウジング内に巻き部分を備えることは、長い間に、可能な巻き部分の動きを減少する巻き部分の中を通る組織の成長を妨げる。埋め込み可能なハウジングは、一本の第一のチューブが埋め込み可能なハウジングの内部から外部へ通される流体シールされた孔を含む。
【0017】
開放可能な埋め込み型ハウジングは、ステンレス鋼、チタニウム、プラスチックなどの、適当な弾力性の物質から形成される。好都合には、埋め込み型ハウジングは、閉鎖されると、第一コネクター部を保護する。例えば、埋め込み型のハウジングは、外部の環境に対してシールされる空所内に第一流体コネクター部を収容する。好都合には、埋め込み型ハウジングは、第一流体コネクター部がアクセスされる開口を有する本体部を含む。埋め込み型のハウジングの開口を閉鎖するカバーが、また、設けられ、そのようなカバーは、ヒンジまたは螺子により本体部に取り付けられる。好ましい具体例において、ハウジングは、その中に含まれている第一流体コネクター部へのアクセスを許容するため、螺子またはそれに類するものを用いてベースまたは本体部に固定される蓋を含む。チューブまたはケーブルの巻き部分を収容するための空所を画成するそのような埋め込み型のハウジングは、他の応用において使用されることが留意されるべきである。換言すると、埋め込み型のハウジングは、チューブまたはケーブルの巻き部分を収容するための空所を画成することを与えられる。
【0018】
有利には、シールメンバーは、第一流体コネクター部が相補的な第二流体コネクター部から外されたとき、一本の第一チューブの第一端部から流体が流出するのを防止するために設けられる。換言すれば、第一流体コネクター部は、取り付けられる相補的なコネクター部が存在しないときは、一本の第一チューブの第一端部からの流体の流出が妨げられるように配置されている。第一流体コネクター部は、したがって、自己シールまたは自動停止コネクター部であり、例えば、それは、セプタムシールを含む。それが、相補的な第二流体コネクター部に取り付けられていないときに、第一流体コネクター部をシールするために、キャップが設けられ、キャップは、埋め込み型ハウジングの部分を形成し、または、ハウジング内に収容される。好都合には、第一流体コネクター部は、取り付けられた相補的なコネクター部との実質的に無菌の流体結合を提供するよう配置されている。
【0019】
有利には、埋め込み型ハウジングは、胴体内での皮下埋め込みのために構成されている。例えば、埋め込み型ハウジングは、皮下組織に取り付けられ得る手段を有する。ハウジングが埋め込まれる箇所はどこでもかなり容易にアクセスできる。
【0020】
好ましくは、一本の第一チューブは、保護シースに囲まれた一つまたはそれ以上のシングルルーメンチューブの束を含む。択一的に、一つまたはそれ以上のルーメンは、シースとして作用する一体成形の物質に形成される。いずれにせよ、シースは強化され、例えば、強化されたコーティングを含む。一本のチューブは、外部の保護シース内でスライドできる内部のマルチルーメンの束(例えば、複数の分離チューブまたはマルチルーメンチューブ)を有するように、また、設けられる。内部のマルチルーメンの束は、外部のシースが体内に埋め込まれた後でさえ、外部のシースに挿入され、および、引き出される。このことは、内部のマルチルーメンの束が、外部のシースを除去することなく、容易に置き換えられること(例えば、もし、ルーメンが、ブロックされるか、漏れが始まるようになったら)を許容し、要求される外科的な診療の複雑さは、したがって、減少される。好ましくは、一本の第一チューブは柔軟性である。
【0021】
有利には、一本の第一チューブは、Nが少なくとも2に等しいNルーメンを含む。換言すると、一本の第一チューブは、流体を運搬する複数の内部コアまたはルーメンを有する。この方法によると、第一流体コネクター部から一本の第一チューブの第二端部まで、分離した流体通路が用意される。
【0022】
好都合には、第一流体ルーターが、一本の第一チューブの第二端部に取り付けられ、第一流体ルーターは、一本の第一チューブのN本のルーメンの各々とN個の出力ポートとの間の流体連通を確立するように配置される。有利には、N本のカテーテルは、各々のカテーテルが、第一流体ルーターの一つの出力ポートと流体連通にあるように、また、設けられる。第一流体ルーターは、したがって、種々のルーメンから分離したカテーテルへの流体結合を扇形に展開する手段を提供する。好ましくは、各々のカテーテルは、中枢神経系に流体を供給するのに適している。例えば、カテーテルは、脳中への埋め込みのために設計されている。そのようなカテーテルの遠位端は、要求に応じ、脳内に正確に位置される。そのような場合、第一流体ルーターは、頭蓋骨に装架可能であり、例えば、第一流体ルーターは、螺子または縫合を用いて頭蓋骨に取り付けられるのを許容するフランジまたは突起を含む。複数本のシングルルーメンチューブが、流体ルーターからカテーテルまで走らせられる。
【0023】
第一流体コネクター部は多くの形状をとる。例えば、第一流体コネクター部は、モジュラー装置の第二部分の相補的なコネクターと結合され得る、複数の分離されたコネクター(ルーメンに対し一つ)を含む。これらのコネクターの各々は、ハウジングの中に入れられる。第一流体コネクターは、有利には、複数の流体結合を提供する単一のコネクターを含む。有利には、第一流体コネクター部は、複数のチャンバーを含み、各々のチャンバーは、中空の針が通される弾力性の(再シール可能な)膜またはセプタムシールを含む。そのような雌型のコネクター部、および、結合される相補的な雄型コネクター部の好ましい態様は、以下に、さらに詳細に述べられる。
【0024】
上述したように、装置は、また、第一端部および一本の第二チューブの第一端部に取り付けられる第二流体コネクター部を有する一本の第二チューブを含み、第二流体コネクター部は、第一流体コネクター部に着脱自在に結合される。このモジュラー装置の第二部分は、流体の供給が望まれるとき第一部分に接続される。
【0025】
有利には、一本の第二チューブは、保護シース内に収容された一つまたはそれ以上のシングルルーメンチューブの束を含む。一本の第二チューブは、M個のルーメンを含み、Mは、少なくとも2に等しい。換言すると、マルチコアチューブが提供される。一本の第二チューブは、上述された一本の第一チューブに類似の構造である。第一部分の一本の第一チューブのルーメンの数は、第二部分の一本の第二チューブのルーメンの数と同じであり、すなわち、NはMに等しい。しかしながら、必要なら、NはMと異なってもよい。
【0026】
有利には、第二流体コネクター部は、複数の中空の針を含む。そのような雄型コネクター部、および、結合される相補的な雌型コネクター部の好ましい態様は、以下に述べられる。
【0027】
好ましくは、第二流体ルーターは、一本の第二チューブの第二端部に取り付けられ、第二流体ルーターは、一本の第二チューブのM個のルーメンの各々とM個のインプットポートとの間の流体連通を確立するよう配置される。第二流体ルーターは、体の外部に位置されるように配置され、結合される(外部の)ポンプアセンブリへの容易な取り付けを許容するためにインプットチューブを扇形に展開するよう作用する。
【0028】
有利には、装置は、第二流体ルーターのM個のインプットポートの何れか一つまたはそれ以上に流体をポンプ輸送するための外部のポンプアセンブリを含む。ポンプアセンブリは、各々のインプットポートへ送られる流体の圧力および/または流速のコントロールを有するよう配置される。ポンプアセンブリは、各々のインポートポートに順番に流体を送るように構成され、または、同時の供給を提供する。ポンプは、第二流体ルーターを含むことが、また、留意される。したがって、モジュラー式の流体供給装置が組み立てられたとき、外部ポンプは、カテーテルの各々にポンプ輸送される流体の圧力および/または流速のコントロールを提供することが、理解され得る。
【0029】
この発明の装置の全てまたは選択される部分は、部分のキットとして供給される。特に、上述した、第一および第二部分は、単一のキットとして供給される。この発明は、また、装置の第一および第二部分を分離したアイテムとして供給することを含む。モジュラー式の流体供給装置の第一部分は、そのように提供され、第一部分は体内への埋め込みに適しており、第一端部および第二端部を有する一本の第一チューブを含んでおり、第一端部は、それに結合される第一流体コネクター部を有しており、第一部分は、さらに、第一流体コネクター部を収容するための埋め込み得るハウジングを含む。モジュラー式の流体供給装置の第二部分は、また、分離して供給され、第二部分は、第一端部および第二端部を有する一本の第二チューブを含み、チューブの第二長さの第一端部は、第二流体コネクター部を含み、第二コネクター部は、上述の第一部分の第一流体コネクター部に結合可能である。第一部分の第一第一流体コネクター部は、使用中、第二部分の第二流体コネクター部に結合される。第二部分(または、その構成要素)は、使い捨て(例えば、第一部分に結合するために一度使用され、それから、廃棄される)であっても、再使用可能(流体供給が要求される度毎に第一部分に結合される)であってもよい。
【0030】
この発明の第二の態様によれば、埋め込み型の装置は、第一端部および第二端部を有するチューブを含み、第一端部は、それに結合される流体コネクター部を有し、第二端部は、対象の脳へ流体を供給するための一つまたはそれ以上のカテーテルに結合され、流体コネクター部は、外部のポンプアセンブリから流体を受け取るように配置され、チューブは、流体コネクター部が、対象の胴体内に埋め込まれるのを可能にするため十分に長い。
【0031】
この方法によれば、チューブは、中枢神経系から遠い位置にある体の外部まで通され、そこに到達する感染の機会を減少する。チューブは、複数のルーメンを含み、複数の結合されるカテーテルが備えられる。
【0032】
この発明の第三の態様によれば、薬剤の供給方法は、(i)モジュラー式の流体供給装置の第一部分が、第一端部および第二端部を有する一本の第一チューブを含み、第一端部が、それに取り付けられた第一流体コネクター部を有し、および、第二端部が、対象内の一つまたはそれ以上の解剖学的位置に流体を供給するために埋め込まれた一つまたはそれ以上のカテーテルに結合される、埋め込まれたモジュラー式の流体供給装置の第一部分を有する対象(動物または人間の体)を選択する工程、(ii)第二部分が、第二流体コネクター部を含む第三端部を有する一本の第二チューブを含む、モジュラー式の流体供給装置の第二部分を選択し、モジュラー式の流体供給装置の第一部分の第一流体コネクター部へのアクセスを得るために対象に切開部を形成し、上述の第一流体コネクター部を上述の第二流体コネクター部に結合することの工程を含む。
【0033】
当業者によって理解されるように、工程(ii)は、第一流体コネクター部にアクセスを提供するための小さな切開部を形成することを含む簡単な外科手術のみを要求する。工程(i)は、対象にモジュラー式の流体供給装置の第一部分を埋め込むことを含み、好都合には、対象の脳に複数本のカテーテルを埋め込む工程を含む。これは、カテーテルが、高度の正確さで位置される必要がある、さらに一層の複雑かつ込み入った外科手術である。
【0034】
有利には、方法は、モジュラー式の流体供給装置の第一および第二部分を通して、埋め込まれた一つまたはそれ以上のカテーテルに流体をポンプ輸送することの工程(iii)を含む。流体は薬剤、例えば、図14に関連して以下に詳細に記述されるタイプの薬剤である。
【0035】
有利には、方法は、第二流体コネクター部から第一流体コネクター部を取り外し、完全に、対象からモジュラー式の流体供給装置の第二部分を引き出す、さらなる工程(iv)を含む。再び、これは、かなり容易な外科手術である。有利には、工程(ii)から(iv)は、複数回、順に繰り返される。例えば、これらの工程は、薬剤の供給が要求されるたびに繰り返される。
【0036】
この発明の装置への包含のために好適なコネクター部は、同時継続特許出願である英国0604952.2号に記載されており、その内容は、参照として本明細書に組み込まれる。特に、そして、上述のように、複数の中空の針を含む雄型流体コネクター部が備えられる。好ましい具体例において、複数のルーメンを有するチューブのための雄型流体コネクター部が設けられ、雄型流体コネクター部は、相補的な雌型コネクター部と着脱自在に結合され得、雄型流体コネクター部は、中空の針が、複数のルーメンを有するチューブが雄型の流体コネクター部に結合されるとき、各々の中空の針が、チューブの一つのルーメンと流体連通にあるように中空の針が配置される、複数の中空の針と、中空の針が、結合される相補的な雌型流体コネクター部の対応するセプタムシールと特異的に整列されることを許容する整列ガイドとを含む。
【0037】
各々の中空の針は、流体が通過する通路または中央チャネルを画成する長い管を含む。各々の中空の針は、流体供給チューブに結合される近位端と、結合される雌型のコネクター部の膜を貫通することを許容するように形成される(例えば、テーパが付けられるか鋭く尖った先端にせん断される)遠位端(または先端)を有する。穴が針の先端および/または先端近くの針の側面に設けられる。
【0038】
複数の針を設けることは、相補的な雌型のコネクター部と共に形成される複数の分離した流体結合を許容する。そのようなマルチルーメンコネクターは、速やかに結合され、および/または、要求に応じて取り外される、複数本のマルチルーメンチューブを可能にする。そのような雄型流体コネクター部は、また、殺菌した結合が形成されるのを許容し、一般的には、複数の単一コネクター部を用いる配列よりももっとコンパクトである。このタイプの雄型流体コネクター部は、上述のモジュラー式流体供給装置における使用に特に向いているが、種々の異なる薬剤の使用に、また用いられる。
【0039】
有利には、雄型流体コネクター部は、上述の雄型流体コネクター部および結合される雌型流体コネクター部が係合に持ち込まれるとき、上述の雄型流体コネクター部の、相補的な雌型流体コネクター部との整列を提供するための整列ガイドを含む。整列ガイドは、コネクターの整列を確実にする物理的な整列態様を含む。例えば、整列ガイドは、一つまたはそれ以上の突出する整列用突起または相補的なスロットおよび/または溝等を含む。整列ガイドは、針自身の相対的な位置取りによって、またもたらされる。択一的に、整列ガイドは、適正なコネクターの整列を助ける一つまたはそれ以上の可視マークを含む。整列ガイドは、そのように配列され、その結果、雄型の流体コネクター部の中空の針は、部分同士が一緒に結合されるとき、雌型流体コネクター部のそれぞれの弾力性の膜と特異的に整列される。このことは、雄型および雌型の流体コネクター部に取り付けられたチューブの要求されたルーメン間に流体連通が分離して確立されることを確実にする。
【0040】
好都合には、雄型の流体コネクター部は、雌型のコネクターの相補的な螺子と係合する螺子を有する実質的に円筒状の部分を含む。有利には、雄型の流体コネクター部の実質的に円筒状の部分は、雄型流体コネクター部の残りの部分に対して相対的に回転可能である。円筒状の部分は、したがって、内面に形成された螺子を有する回転可能な円筒状部分であり、円筒状部分の螺子が相補的な雌型コネクターの螺子と係合するとき、回転可能な円筒状部分の回転は、雄型および雌型コネクターを係合させるように作用する。この方法により、雄型および雌型流体コネクター部は単純な螺子作動を用いて結合される。
【0041】
有利には、上述の複数の中空針の各々の遠位の先端は、円筒状部によって囲まれる容積内に位置される。換言すると、円筒状部は中空の針を収容し、それによって、結合に先立って、または結合中に、そのような針への不注意な損傷を防止する。
【0042】
好ましくは、上述の複数の中空の針の各々の長手方向軸は、上述の円筒状部分の長手方向軸に実質的に平行である。もし、雄型の流体コネクター部が一つまたはそれ以上の突出する整列用の突起を有する整列ガイドを含むなら、各々の突出する整列用の突起の長手方向軸は、また、上述の円筒状部の長手方向軸に実質的に平行である。さらに、上述の一つまたはそれ以上の整列用突起の一つは、好都合には、上述の円筒状部分に実質的に同軸で整列される。
【0043】
有利には、各々の整列用の突起の遠位端は、円筒状部分によって囲まれる容積を超えて突出する。換言すると、整列用突起の遠位端は、雄型の流体コネクター部のケーシングを超えて延びるように配列される。好ましくは、少なくとも二つの整列用突起が、雄型および雌型のコネクタター部の方向が特異的に整列されることを許容するように備えられる。この配列は、整列用突起を、対応する雌型コネクター部の凹所に入れることを許容し、それによって、中空針が雌型のコネクター部の弾力性の膜と接触させられる前に、角度的に、および、軸的に雄型および雌型の部分を整列させる。後述するように、結合操作中に中空の針に横方向の力が与えられるのを防止する。
【0044】
複数の中空針および整列用の突起は、好ましくは、第一パターンによって配列される。例えば、円筒状部分の長手方向軸から半径方向のある距離に角度的に均一に配置される。要求に応じていくつかの他の配置が可能である。後述するように、雌型のコネクター部は、好ましくは、一連の凹所および上述の第一パターンに相補的であるパターンに適合する膜を有するように配置される。
【0045】
広い範囲の異なる物質が、中空の針を形成するために用いられる。中空の針は、異なる物質の組み合わせから形成されるか、また、必要に応じて、外面および/または内面に一つまたはそれ以上の被覆を含む。例えば、中空の針は、好都合には、シリカ、ステンレス鋼、タングステン、タングステンカーバイド、チタニウム、チタニウムカーバイド、セラミックおよびプラスチックの少なくとも一つを含む。中空の針は、好都合には、各々が、流体の運搬用チューブ(例えば、結合される一本のチューブからの)が位置される中空のコアを含む。以下に記述される好ましい具体例において、中空の針は、ステンレス鋼から形成され、流体が通過される内部のシリカのコアを含む。シリカは、外部マター(例えば、バクテリア)の増加に対して感染し易くないため有利である。
【0046】
雄型の流体コネクター部は、要求に応じて同じ数だけの中空の針を含む。もし、マルチルーメンチューブが、上述の雄型コネクター部で終結されるなら、コネクター部は、各々の上述のルーメンと分離した流体リンクを確立するに十分な中空の針を含む。雄型の流体コネクター部は針の最大数を保持するように配置されるが、使用時は、要求に応じて、上述の最大数より少ない針を含むように配置される。雄型の流体コネクター部は、好ましくは、少なくとも三本の中空針、少なくとも四本の中空針、少なくとも五本の中空針、少なくとも六本の中空針、少なくとも七本の中空針、少なくとも八本の中空針、少なくとも十本の中空針または少なくとも十五本の中空針を含む。
【0047】
有利には、雄型の流体コネクター部は、複数のルーメンを含むチューブを受け入れるように配置され、流体連通が、各々のルーメンと複数の中空針の結合される一本との間に提供される。雄型のコネクター部は、また、複数のルーメンを有する一本のチューブに取り付けられ(例えば、永久的に)、各々のルーメンは、上述の中空の針の一つと流体連通にされる。チューブは、例えば、複数のチューブを含むシースを含む。そのような場合、シースは切り取られ、中空針の近位端は各々のチューブに取り付けられる。シースは、また、その端部に、コネクターからチューブが引き抜かれることを防止する、一体成形されるかまたは取り付けられる部分を有するように配置される。チューブは好ましくは柔軟性であるが、シースは、また、要求に応じて強化される。
【0048】
上述によれば、複数のチャンバーを含む雌型の流体コネクター部が、有利には提供され、各々のチャンバーは、中空針が通過される弾力性の膜を含む。そのような雌型のコネクター部は、上述のタイプの雄型のコネクター部に結合される。雌型流体コネクター部の各々のチャンバーは、アウトレットチューブのルーメンと流体連通にあり、弾力性の膜は、雄型コネクターの中空針が通過され、それにより、中空針のコアとチャンバーとの流体連通を確立する、再シール可能な壁を提供するように配置される。好ましい具体例において、複数のルーメンを有するチューブのための雌型の流体コネクター部が提供され、雌型の流体コネクター部は、相補的な雄型の流体コネクター部と着脱自在に結合可能とされ、雌型の流体コネクター部は、各々のチャンバーが中空の針が通過されるセプタムシールを含み、複数のルーメンを有するチューブが、雌型のコネクター部と結合されるとき、各々のルーメンが上述のチャンバーの一つと流体連通にある、複数のチャンバー、および、セプタムシールが結合される相補的な雄型流体コネクター部の対応する中空針と特異的に整列されるのを許容する整列ガイドを含む。
【0049】
雌型の流体コネクター部は、好ましくは、整列ガイドを含む。整列ガイドまたは整列ガイド手段は、上述の雌型および雄型の流体コネクター部が、係合に持ち込まれるとき、上述の雌型流体コネクター部と、相補的な雄型流体コネクターとの整列を提供するように配置される。整列ガイドは、物理的な態様であり、例えば、雌型流体コネクター部の整列ガイドは、結合される雄型の流体コネクター部の整列用突起を受け入れる、少なくとも一つの細長い凹所を含む。整列ガイドは、択一的に、少なくとも一つの可視的なマークを含む。そのようなガイド手段は、雄型のコネクター部との関連において上記で詳述される。雄型コネクター部のガイド手段は、雌型コネクターの整列用突起(または複数の突起)を受け入れる凹所または複数の凹所を含み、雄型および雌型コネクター部の定義は、ここでは、中空針の存在または不存在にのみ基づいている。
【0050】
有利には、雌型の流体コネクター部は、雄型のコネクターの相補的な螺子と係合するための螺子を有する第二の円筒状部分を含む。もし、整列ガイド手段が、結合される雄型の流体コネクター部の整列用突起を受け入れるための少なくとも一つの細長い凹所を含むように提供されるなら、上述の少なくとも一つの細長い凹所の長手方向軸は、好ましくは、上述の第二円筒状部分の長手方向軸と実質的に平行である。好都合には、相補的な雄型の流体コネクター部の回転可能な螺子が、雌型のコネクターの螺子に係合し、相対的に回転されるとき、結合される雄型のコネクター部の中空の針は、上述の弾力性の膜の平面に実質的に垂直である方向にのみ移動される。この方法によれば、結合された雄型の流体コネクター部の中空の針のいかなる実質的に横方向の動きも防止され、このことは、そのような針が、結合がなされるとき、せん断、折れまたは曲げを生じないことを確実にする。
【0051】
好都合には、雌型コネクター部は、各々のチャンバーの弾力性の膜がアクセスされ得る複数の開口を含む環状の末端部を有する外部ケーシングを含む。有利には、各々のチャンバーの弾力性の膜は、環状の末端部の内部表面に対して保持される、一般的な環状の弾力性のメンバーによって提供される。そのような一般的な環状の弾力性のメンバーは、整列ガイド手段の一つまたは複数の凹所と整列される一つまたはそれ以上の開口を含む。
【0052】
有利には、雌型の流体コネクター部は、複数のルーメンを含むチューブを受け入れるように配置され、それにより、各々のルーメンと結合される上述のチャンバーの一つとの流体連通が提供される。チューブのルーメンの数は、チャンバーの数に等しい。雌型のコネクター部は、また、複数のルーメンを有する一本のチューブに結合され、各々のルーメンは、上述のチャンバーの一つと流体連通にされる。
【0053】
好ましくは、各々のチャンバーの弾力性の膜は、ゴム状の物質を含む。有利には、弾力性の膜は、針が挿入されていないとき、膜を通して流体の流出を防止する流体シールを提供するように配置されている。この方法において、自己シール性の雌型コネクター部が提供される。
【0054】
したがって、コネクターは、有利には、雄型コネクター部および雌型コネクター部を含むように提供される。好ましい具体例において、複数のルーメンを有するチューブのためのコネクターが提供され、コネクターは、複数の中空針を含む雄型部と、上述の複数の中空の針が通過され得る複数のセプタムシールを含む雌型部を含み、コネクターは、雄型の流体コネクター部および相補的な雌型の流体コネクター部が係合に持ち込まれたとき、雄型部の中空の針を雌型の流体コネクターの画成されたセプタムシールと特異的に整列させるための整列ガイドを含む。コネクターは医療用のコネクターであり、例えば、上述したモジュラー式の流体供給装置の一部として埋め込みに適している。
【0055】
さらに、上述したタイプの、少なくとも一つの雄型流体コネクター部および雌型流体コネクター部を含むコネクター装置のキットが提供される。キットは、少なくとも一本のチューブ、カテーテル、流体ポンプおよび上述のコネクター部を収容するための埋め込み型ハウジングを含む。上述されたモジュラー式の流体供給装置の第一部分は、その第一端部に第一流体コネクター部を有する一本の第一チューブを含み、その第二端部で一つまたはそれ以上のカテーテルに結合される。モジュラー式の流体供給装置の第一部分は、人間または動物の体に埋め込まれる。
【0056】
そのような埋め込みを支援するために、外科的装置(また、導入器と称される)が、体内に細長い柔軟性のメンバーを導入するために設けられ、装置は、細長い変形可能なロッドの遠位端に位置される第一コネクター部を含む。有利には、上述のコネクター部は、結合される細長い柔軟性のメンバーに備えられた相補的なコネクター部に着脱自在に取り付け可能である。このタイプの導入装置は、したがって、人間または動物の体内に上述のタイプのモジュラー式の流体供給装置の第一部分、または、コネクター部で終結される他の細長い柔軟性のメンバー(例えば、一本の電気的なケーブルまたはチューブ)を埋め込むために使用される。
【0057】
装置は、体に形成された第一切開部への挿入のために適しており、十分に堅く、その結果、体内に押し進められることができ、第二切開部を通ってそこから出る。細長い変形可能な棒は、したがって、好ましくは、半径方向に曲げ可能であり、軸方向に堅い。換言すると、棒は、太いワイヤ様の形状をとり、半径方向に変形される(曲げる)ことができるが、長さに沿って十分に堅いので、体を通って押し進められる。この方法において、体への進入に先立って、または、その間に、棒は曲げられて体に入り、その結果、その遠位端は、一対の切開部(例えば、頭皮および胸)の間の体を通る任意のルートに沿って外科医によって案内される。有利には、細長い変形可能な棒は金属を含む。
【0058】
チューブが通過されるスリーブを含む従来の導入器とは異なり、この発明の装置は、体を通って送られる、既にそれに取り付けられたコネクターを有する細長い柔軟性のメンバー(例えば、ケーブルおよび/またはチューブ)を許容する。このことは、コネクターが、体内への挿入の前にチューブに形成されるか取り付けられること、それにより、外科的手術の間、チューブとコネクターとの複数の結合を形成することの要求を無視することを許容する。導入器は、また、中空のスリーブタイプの配置より実質的により堅く、それにより、組織を通る進入の容易性を向上させる。
【0059】
有利には、細長い変形可能な棒の近位端にハンドル部が備えられる。このことは、体内を通されるときに装置の動きの向上されたコントロールを提供する。
【0060】
好ましくは、第一コネクター部は、流体コネクター部である。例えば、装置のコネクター部は、上述したタイプの、相補的に雄型および雌型の流体コネクター部を結合するために配置される。コネクター部は、また、一つまたはそれ以上の電気的結合を提供する。
【0061】
好都合には、導入器は、さらに、端部キャップを含み、端部キャップは、細長い変形可能な棒のコネクター部に着脱自在に取り付けられる相補的なコネクター部を含む。好ましくは、端部キャップは、傾斜した最も外部の表面を有する。例えば、端部キャップは、円錐型、尖った、または、ドーム状の形状とされる。端部キャップは、体に挿入される前に、棒の遠位端のコネクター部に取り付けられる。装置が体内に押し進められると、端部キャップの最も外部の表面は、その結果、必要な通路を形成する。端部キャップは、棒の一つの遠位端が、第二切開部を通って体から出たら除去されるものであり、それによって、細長い柔軟性のメンバーのコネクター部の取り付けを許容する。
【0062】
有利には、装置はさらに埋め込まれる細長い柔軟性のメンバーを含み、細長い柔軟性のメンバーは、細長い変形可能な棒の遠位端に位置されるコネクター部に取り付けられるコネクター部を含む。細長い柔軟性のメンバーは、有利には複数のルーメンを含むチューブを好ましくは含む。換言すると、チューブは、流体を運ぶための多くの内部コアを含む。
【0063】
さらに、人間または動物の体に細長い柔軟性のメンバーを導入する方法が提供され、方法は、(i)上述の体に第一切開部および第二切開部を形成し、(ii)その遠位端に位置される第一コネクター部を有する細長い変形可能な棒を用意し、上述の細長い変形可能な棒を上述の第一切開部に挿入し、第二切開部を通って遠位端が体から出るまで、上述の体を通して細長い変形可能な棒を案内し、および、(iii)第二コネクター部を含む細長い柔軟性のメンバーを用意し、第二コネクター部を第一コネクター部に結合し、上述の第一切開部を通して体から細長い変形可能な棒を引き出すという工程を含む。
【0064】
好都合には、工程(i)は、胴における第一切開部、頭皮における第二切開部を形成することを含む。この方法において、細長い柔軟性のメンバーは、首を通って頭皮から胴部まで貫通される。有利には、工程(ii)は、第一コネクター部に結合された端部キャップを有する細長い変形可能な棒を用意することを含み、端部キャップは、傾斜した外部表面を有する。上述したように、そのような端部キャップは、体内への棒の挿入を容易にする。端部キャップは、工程(iii)の結合に先立って除去される。
【0065】
好都合には、工程(ii)は、体を通って上述の細長い変形可能な棒を皮下に案内することを含む。換言すると、細長い柔軟性のメンバーは、皮膚の表面下を貫通される。
【0066】
この発明は、添付する図面を参照して、実施例のみによって、これから記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
図1を参照すると、対象の脳に薬剤を供給するための装置が示される。装置はモジュール式であり、第一部分2および第二部分4を含む。
【0068】
装置の第一部分2は、雌型のセブンルーメンコネクター部8を埋め込み型流体ルーター10に繋ぐ第一のセブンルーメンチューブ6を含む。流体ルーター10は、七個のアウトプット11a〜11gを有する。各々のアウトプット11は、一本のシングルルーメンチューブ14(ただ一つのそのようなカテーテルが図1に示されることを意味する。)を経て組み合わせられるカテーテル12に接続される。装置の第二部分は、雄型のセブンルーメンコネクター部18を外部の流体ルーター20に繋ぐ第二のセブンルーメンチューブ16を含む。外部の流体ルーター20は、七つのインプット22a〜22gを有し、各々のインプットは、ポンプアッセンブリーからの圧力によって流体を受け入れるために適している。
【0069】
第二部分の雄型セブンルーメンコネクター部18は、第一部分の雌型セブンルーメンコネクター部8と結合するように配置され、第一のセブンルーメンチューブ6と第二のセブンルーメンチューブ16の各々のルーメン間に流体連通が確立され得る。このようにして、流体連通が、セブンルーターインプット22の各々と組み合わされるカテーテル12との間で別々に確立される。
【0070】
図2および図3を参照すると、対象30の脳に薬剤を供給するように配置されるときの図1の装置が示される。特に、図2は、対象30の上半身を示し、図3は、対象の頭頂の展開された図を描写する。
【0071】
装置の第一部分2は、対象30内に完全に埋め込まれ、一連の治療の継続期間(薬剤供給の複数の期間を含む)の間、一般的には、そのまま留まる。装置の第一部分2の埋め込みは、実質細胞間カテーテル12の先端が脳内の求められる場所に注意深く位置される、複雑な外科的処置を必然的に含む。この処置は、また、種々の複数本のシングルルーメンチューブ14の埋め込み、埋め込み型の流体ルーター10の頭蓋骨への装架、および、頭皮から胸部への第一マルチルーメンチューブ6の皮下トンネル形成を要求する。
【0072】
対象の頭への外科的な埋め込み後の、埋め込み型の流体ルーター10、シングルルーメンチューブ14およびカテーテル12の近位端の詳細な図が、図3に描写される。図3に示される七本のカテーテルの配列は、脳の全体への薬剤の供給を許容する。二本のカテーテル(F1およびF2)が、左右の前頭葉に薬剤を供給するために挿入される。さらに一対のカテーテル(P1およびP2)が、左右の頭頂後頭葉への供給を許容するために挿入される。さらなる二本のカテーテル(T1およびT2)が、左右の側後頭葉へ薬剤を供給するために挿入され、カテーテル(PS)が、大脳白質通路を経て小脳に薬剤が推進されるのを許容するため橋に挿入される。
【0073】
装置の第二部分4の雄型セブンルーメンコネクター部18は、装置の第一部分2の雌型セブンルーメンコネクター部8に結合される。コネクターは、対象に固定される(例えば、縫合によって)ハウジング36に保持される。一本の第二セブンルーメンチューブは、切開部32を通って胸部(例えば、胸)に挿入され、外部の流体ルーター20の各々のインプットは、外部ポンプアセンブリ34の流体アウトプットに結合される。チューブ16は、中枢神経系(CNS)から大きな距離にある解剖学的配置で体内に入るため、開口におけるCNSに至るいかなる感染の可能性も最小限にされる。
【0074】
一度埋め込まれると、装置は、ポンプアセンブリ4の七個のアウトプットの各々から、七本のカテーテル18のうちの組み合わせられる一本に至る別々の流体通路を提供する。このことは、流体が、要求に応じ、七本のカテーテルのいずれか一本に送られることを許容する。薬剤供給プロフィール(例えば、薬剤濃度、流体圧力、流速)は、臨床医学者の要求に応じ、外部ポンプアセンブリ34を適切にプログラミングすることによって定められる。ポンプアセンブリ34は、いかなる望まれる方法でも、カテーテルに流体をポンプ送りできるよう配置されており、例えば、薬剤は、異なるカテーテルに、連続して、または、同時に供給される。
【0075】
図2に示されるように、ポンプアセンブリは、その各々が、ルーターインプット22の一つと結合される七つの異なるアウトプットを含む。そのような外部ポンプアセンブリの提供は、短い半減期を有し、および/または、低温で貯蔵される必要があり、および/または、大量に供給される必要がある薬剤の管理を許容する。外部ポンプは、また、不具合または故障の場合、容易にアクセスできる(埋め込み型ポンプに比して)という利点を有する。
【0076】
ここに記述されるモジュール式の装置は、薬剤の供給がもはや要求されないとき、装置の第二部分4が、装置の第一部分2から切り離されるのを許容する。第二部分4の除去は、胸の切開部が再度開かれ、装置の第一および第二部分が切り離されるという、比較的単純な外科的処置を含む。その後、薬剤の追加の投薬量が供給されるべきとき、第二部分4は、そのような手順を逆にすることによって、第一部分2と結合される。
【0077】
装置は、したがって、装置の第一および第二部分が上述のように埋め込まれる、最初の、いくぶん複雑な、遂行されるべき外科的処置を甘受する。必要な薬剤の最初の投薬がそれから投与され、その後、比較的単純な外科的処置が、対象から装置の第二部分を除去するために実行され得る。装置の第二部分が除去された後、対象は、一時的に医療的ケアから放免され、残る装置の第一部分は体内に完全に埋め込まれているので、体から外に出る、感染を防止するために無菌状態に保たれる必要があるチューブは存在しない。適切な期間の後、対象は、胸に切開部を形成し装置の第二部分を装置の第一部分に結合することを含む、更なる、再び相対的に単純な外科的処置を受ける。この後に、要求される薬剤の更なる投薬の管理、および、その後の、装置の第二部分の外科的除去が続く。このことは、複数回、要求されるなら頻繁に繰り返される。処置が完全に成功したら、装置の第一部分もまた対象から除去される。
【0078】
図4ないし図6を参照して、雄型のセブンルーメンコネクター部18および組み合わせられるセブンルーメンチューブ16がこれから記述される。
【0079】
コネクター部18によって受容されるチューブ16は、七本のシングルルーメンチューブ44の束が保持される外側のケーブルシース40を含む。ケーブルシースは、また、放射方向に延びる末端部42を含む。雄型のコネクター部18は、チューブ16が挿入される孔を有するエンドキャップ部46を含む。ケーブルシース40の放射方向に延びる末端部42は、エンドキャップ部46の孔を通ってケーブルが引き戻されるのを防止するように配置されている。七本のシングルルーメンチューブ44は、エンドキャップ部46内で扇形に広がり、各々、中空ニードル47に通される。明確にするために、ただ一本のシングルルーメンチューブが図4および図6に図解されることが、留意されるべきである。
【0080】
各々の中空ニードル47は、弾力性のある、望ましくは硬い材料から形成されている。中空ニードル47は、したがって、金属、または、何らかの適当な材料から形成され、例えば、中空ニードルは、ステンレス鋼、タングステン、タングステンカーバイド、チタン、炭化チタン、プラスチック等を含む。図4の差し込み図に示されるように、シングルルーメンチューブ44の各々は、保護用樹脂被膜51によって囲まれた、内側の石英ガラス管49(すなわち、ルーメンを画成している)を含む。シングルルーメンチューブ44をニードル47に結合するために、被覆51は、各々のチューブ44の遠位端で領域から除去される。各々のニードル47は、したがって、内側の石英ガラス管(いかなる被覆もない)が、ニードルの遠位端(または先端)に達する中空コア53を貫通することができるように配置されており、その近位端に、その上に装着された被覆51を備える石英ガラス管49を受容するための孔55をまた含む。チューブ44(その末端から取り除かれた被覆を備える)は、したがって、被覆が孔55を満たすまでニードルに挿入されることができ、チューブ44の末端の一本の露出した石英コアは、中空ニードルの先端に延ばすために十分に長く形成され得る。一度挿入されると、チューブは接着剤または何らかの他の適当な結合手段を用いてニードル47に結合される。この方法により流体シールは容易に達成される。
【0081】
雄型のコネクター部は、中央孔および中央孔の周りに角度的に間隔をあけられている八つの更なる放射状の孔を有する保持ブロック48を含む。第一の整列用突起50が保持ブロック48の中央孔に保持され、第二整列用突起52が、保持ブロック48の放射状の孔の一つに保持される。七本のニードル47が保持ブロック48の残りの放射状の孔に保持される。ニードル47および整列用突起50および52は、何らかの適切な手段によって(例えば、接着、溶着、固着によって、または、適切な固定手段を備える等)によって、保持ブロック48に固定される。螺子54は、エンドキャップ部46を保持ブロック48に固定するために、また備えられる。
【0082】
円筒状ケース部56がまた備えられ、保持ブロック48に回転可能に装着される。円筒状ケース部56は、雌型コネクター部の相補的な螺子と対になる内部螺子58を有する。コネクター部18は、七本の突出するニードル47および二本の整列用突起50および52が、円筒状のケース部56の中心軸に実質的に平行である方向に延びるように配列される。ニードル47は、円筒状のケース部56の末端よりさらに延びないように配列され、それにより、ニードルが偶発的に壊され、または、損傷される可能性を減少している。第一および第二の整列用突起50および52は、円筒状のケース56を超えて延びるように配列され、第一の(中央の)整列用突起50は、コネクター部から、第二の整列用突起よりさらに延びるように配列されている。第一および第二の整列用突起ならびに組み合わされたニードルの放射方向の配列は、図4のI−I線に沿った断面図である図5に詳細に示される。
【0083】
図7および図8を参照して、上述の雄型コネクター部18と相補である雌型のセブンルーメンコネクター部8の構造が示される。
【0084】
雌型のコネクター部8により受容されるチユーブ6は、七本のシングルルーメンチューブ72の束が保持される外側のケーブルシース70を含む。ケーブルシースは、放射方向に延びる末端部74をまた含む。
【0085】
雌型のコネクター部8は、チューブ6が挿入される孔を有するエンドキャップ76を含む。ケーブルシース70の放射方向に延びる末端部74は、エンドキャップ76の孔を通ってケーブルが引き戻されるのを防止するように配置されている。七本のシングルルーメンチューブ72は、エンドキャップ部76内で扇形に広がるよう配置されている。
【0086】
キャビティーブロック78がまた備えられ、中央孔および中央孔の周りに角度的に間隔をあけられている八つの更なる放射方向の孔を有する。キャビティーブロック78の九つの孔の相対的位置は、相補的な雄型のコネクター部18の保持ブロック48の孔の位置に適合させられる。第一の管状部80および第二の管状部82は、キャビティーブロックの中央孔およびキャビティーブロック78の放射方向の孔内にそれぞれ位置される。他の七つの放射方向の孔は、シングルルーメンチューブ72の末端をそれぞれ受容する。シングルルーメンチューブ72の末端ならびに第一および第二の管状部80および82は、キャビティーブロック78の孔内に、適切な固定手段77(例えば、接着、溶着、固着を用いて、または、適切な固定手段を備える等)によって保持される。固定手段77は、シングルルーメンチューブ72とキャビティーブロックの組み合わされる孔との間の流体シールをまた提供する。
【0087】
螺子88が、エンドキャップ部76および螺子が形成された末端部86を、キャビティーブロック78まで貫通させられ、それによって、そのような部品を固定され間隔をあけられた関係に保持する。環状のゴム栓84が、螺子が形成された末端部86内にまた保持され、キャビティーブロック78の末端と強制的に係合させられる。環状のゴム栓84は、整列される二つの孔を有し、第一および第二の管状部80および82がそこに挿入される。螺子が形成された末端部86は、キャビティーブロック78の孔と適合する孔の配列と、雄型コネクター部18の螺子との係合に適した外側の螺子とを有する。
【0088】
組み立てられた雌型コネクター部8は、したがって、ニードルを受容する七つのシールされた孔(すなわち、ゴム栓84によりシールされた)、相補的な雄型コネクター部の整列用突起を受容する二つの孔を含む。整列用の突起を受容するための孔は、シールされた孔より大きな直径を有するように配列される。シールされた孔の一つに挿入されるニードルは、ゴム栓84を通過し、キャビティーブロックの組み合わされる空洞に入る。この方法により、ニードルと、キャビティーによって保持される、組み合わされるシングルルーメンチューブとの間の流体連通が確立される。そのようなニードルが存在しないと、孔はゴム栓84によってシールされ、したがって、組み合わされたチューブへの、または、チューブからの流体の流通を防止する。
【0089】
図9を参照して、図7および図8に関連して記述されたタイプの雌型コネクター部8と結合され、従って、コネクター100を形成している、図4ないし図6に関連して記述されたタイプの雄型コネクター部18が示される。一度、雌型のコネクター部8が、雄型のコネクター部18と結合されると、第一および第二のセブンルーメンチューブ6および16の七本のルーメン間に、七つの分離した流体結合が確立される。図9の点線90は、第二のセブンルーメンチューブ16の一つのルーメンから、中空のニードルを通って、第一のセブンルーメンチューブ6の組み合わされるルーメンに至る流路を図解する。
【0090】
雄型のコネクター部18は、雌型のコネクター部8と、次の方法で結合される。最初に、雄型のコネクター部の中央の整列用突起50が、結合される雌型の中央の第一の管状部80に位置される。雄型のコネクター部は、それから、第二の整列用突起52が第二の管状部82に入るまで、雌型のコネクター部に対して相対的に回転させられる。この時点で、雄型コネクター部18の円筒状ケース部56が回転させられ、その内側の螺子58が、雌型のコネクター部18の螺子が形成された末端部86の相補的なねじ山に係合する。雄型コネクター部18の円筒状ケース部56の更なる回転は、ゴム栓84を通して、キャビティーブロックの空洞にニードル47を推し進める。一度、整列用の突起が管状部と整列させられると、螺子の締結は、雄型および雌型のコネクター部の長手方向軸線に実質的に平行な方向にニードルが動くことを引き起こすことが留意される。換言すると、ニードルは、栓に垂直な方向から、すなわち、そのようなニードルに変形や折れを引き起こすかもしれない何らかの大きな横の動きなしに、ゴム栓を通して推し進められる。
【0091】
雌型のコネクター部8の螺子が形成された末端部86から円筒状ケース86を螺脱することは、再び、実質的な横の動きなしに、ゴム栓からニードルの後退を生ぜしめる。一度、結合が外れたら、ゴム栓84は、再び、キャビティーブロック78の各々の空洞をシールするように作用し、それにより、第一のセブンルーメンチューブ6からの流体の流出を防止する。
【0092】
図10ないし図12を参照して、これから、図2に関連して上述したタイプのハウジング36が示される。特に、図10は、その中に保持されるコネクター100を備えたハウジング36を貫いた平面図を示し、さらに、図11は、図10のII−II線に沿った断面図を与える。図12は、保持されるコネクターのないハウジングの更なる図を与える。
【0093】
ハウジング36は、上述のタイプのコネクター100を保持し、取り囲むように設計される。コネクターは、第一のセブンルーメンチューブ6と第二のセブンルーメンチューブ16のルーメン間の流体結合を提供する。ハウジングは、また、ハウジング36を、それが例えば縫合を用いて埋め込まれる、人間または動物の体に固定するための結合フランジ102を含む。
【0094】
薬剤供給装置の埋め込み後に対象の運動を許容するために、ハウジングは、また、一本の第一チューブ6のゆるい巻き部分が位置される内部空洞104を含む。チューブ6は、孔106を通ってハウジング36を出て行くように配置される。そうであるから、そのような巻き部分は、対象が自由に動くことを可能にし、チューブの巻き部分はそのような動きと共に必要に応じて延びまたは後退する。薬剤供給装置の第一および第二の部分の簡単な結合および分離を許容するため、ハウジングは、螺子108でベースに固定される引き上げ式の蓋を含む。螺子108の螺脱は、ハウジングの内部、したがって、コネクター100へのアクセスを許容する。
【0095】
図13を参照して、これから、頭皮から胸領域まで第一セブンルーメンチューブを皮下にトンネリングするための外科的な導入装置が示される。導入装置は、その近位端のハンドル、その遠位端に取り付けられる擬似雄型コネクター部118を有する、変形可能で柔軟な一本の材料122を含む。
【0096】
擬似雄型コネクター部118は、ニードル47を含まず、セブンルーメンチューブ16に結合されていないことを除き、図4ないし図6に関連して上述した雄型コネクター部18に類似している。擬似雄型コネクター部118は、したがって、図7および図8に関連して記述されたタイプの雌型コネクター部8に物理的に取り付けられることを許容する、回転可能な円筒状部分および整列用の突起を含む。しかしながら、雌型コネクター部8を擬似雄型コネクター部118に取り付けることは、雌型コネクター部8のゴム栓によって提供される流体シールを壊さない。
【0097】
擬似雌型コネクター部120が、また、提供される。擬似雌型コネクター部120は、擬似雄型コネクター部118と係合する螺子、擬似雄型コネクター部118の整列用突起を受容するための孔を有する。擬似雄型コネクター部118の遠位端は円錐形状とされている。
【0098】
導入装置は次の方法で使用される。最初に、切開部が対象の頭皮に形成され、カテーテルおよび埋め込まれ得る流体ルーター等が、要求に応じて埋め込まれるのを許容する。切開部は、それから、対象の胸に形成される。擬似雌型コネクター部120が、導入装置の擬似雄型コネクター部118に取り付けられる。導入装置がそれから胸の切開部に挿入され、頭皮の切開部に向け上方に押し進められる。一度、導入装置の遠位端が頭皮の切開部を通って対象から出ると、擬似雌型コネクター部120は、擬似雄型コネクター部118から外される。薬剤供給装置の第一部分2の雌型コネクター部8が、それから擬似雄型コネクター部118に結合され、導入装置は、胸の切開部を通して引き戻される。この引き戻しは、雌型コネクター部8および取り付けられた第一のセブンルーメンチューブを、頭皮から胸に引く。擬似雄型コネクター部118は、それから雌型コネクター部8から分離されることができ、雄型および雌型コネクターが結合されて、ハウジング36内に位置されるコネクター100を形成する。
【0099】
一度埋め込まれると、上述したモジュール式装置は、多種多様な異なる処置のために使用され得る。図14を参照して、脳への伝達促進供給のための多くの潜在用途が提供される。特に、薬剤のタイプと、そのような薬剤を供給するために求められる0.2mmmの外径のカテーテルの本数が示される。ある環境においては、供給計画は、連続的な供給を要求し、しかし一方で、他の処置は、パルス(ボーラス)供給を要求する。図14のリストは、決して完全でないことが留意されるべきである。当業者は、上述したタイプの装置が使用される多くの適用を認識する。
【0100】
上述の装置は、特に、七本のカテーテルを通した脳への薬剤の供給を記述する。これらの態様はこの発明の本質的な要素ではないことが再び留意されるべきである。特に中枢神経系に薬剤を供給するのに適しているにもかかわらず、上述の装置は、人間または動物のいずれかの部分にいずれかのタイプの流体を供給するために使用され得る。さらに、装置は、外部ポンプから内部に埋め込まれたカテーテルへのいくつかの流体通路を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】モジュラー式薬剤供給装置を示す図である。
【図2】対象に埋め込まれた図1の装置を示す図である。
【図3】図2の対象の頭の展開図を説明する図である。
【図4】雄型のコネクター部に沿った断面図である。
【図5】図4の雄型のコネクター部の横断面図である。
【図6】図4および図5に示されるタイプのコネクター部の分解組立図である。
【図7】雌型のコネクター部に沿った断面図である。
【図8】図7に示されるタイプのコネクター部の分解組立図である。
【図9】図7および図8の雌型コネクター部に結合される図4ないし図6の雄型コネクター部を示す図である。
【図10】コネクターを保持する埋め込み型ハウジングの切断平面図である。
【図11】図10のハウジングの横断面図である。
【図12】図10および図11のハウジングの外形を示す図である。
【図13】導入器を示す図である。
【図14】図1ないし図12の装置を用いて供給される種々の薬剤のリストを示す図である。
【技術分野】
【0001】
この発明は、人間または動物の異なる部分へ薬剤のような流体を供給するための装置に関する。特に、この発明は、脳へ薬剤を供給するためのモジュラー式の薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの神経変性の疾患、遺伝性の神経病、脳腫瘍、および、神経系の他の病気の薬剤処置は、血管システムまたは脳脊髄液から脳物質への薬剤の移送を妨げる血液脳関門の存在により妥協される。血液脳関門を適切に通過しない薬剤の例は、腫瘍の処置のための多くの細胞障害性の薬剤と同様に、神経栄養剤、モノクロナール抗体、遺伝子治療のためのウィルス粒子のような蛋白分子を含む。
【0003】
そのような薬剤は、内在するカテーテルを通した実質への直接注入によって脳へ供給される。カテーテルを出ることによって、薬剤は、伝達の進行による、下り濃度勾配(すなわち、拡散により)および/または下り圧力勾配で脳物質を通して分散される。巨大分子は不完全に拡散し、脳への薬剤の供給は、薬剤の注入率、したがって、薬剤が伝達される程度を制御することによって最良に調節される。伝達される注入剤は、間質腔を通る大きな流れによって蛋白質およびウィルスのような巨大分子を運び、選択された脳容積を満たす。
【0004】
多くの病気のために、単一のカテーテルからの薬剤供給量を最大化することと同時に、処置容積を通して均一な濃度を達成することが望まれる。これが達成される方法は、伝達促進供給と称される。このことは小さな外径を備えるカテーテルを挿入することによって達成される。例えば、特許文献1に記述されたタイプのカテーテルが用いられ得る。薬剤は、それから、組織に損傷を生じない耐えられる最大の流量であるが、また、カテーテルと組織のインターフェースに沿った顕著な逆流を生じない流量である、間質液に注入剤を優先的に推進する流量で注入される。
【0005】
多くの神経系の病気のために、中枢神経系の大きな容積に薬剤を供給することが望ましく、これらは、原発性または続発性脳腫瘍、遺伝性疾患、および、多発性硬化のような病気の処置を含み、そこで、中枢神経系の何らかの部分が影響される。これらの環境下で、薬剤で組織の望まれる容積を満たすために中枢神経系に複数のカテーテルを埋め込むことがしばしば望まれる。他の病気において、副作用を最小限にするために特定の組織容積へ薬剤を集中すること、例えば、ドーパミン作用性ニューロンを備える再神経分布を促進するために線条体へのDDNFの供給、が望まれる。これらの条件下では、望まれる処置容積は、単一のカテーテルで満たされ、流量は、望まれる容積のみを満たすように調整される。
【0006】
多くの埋め込み型薬剤供給システムは知られており、一般的には、腹部に埋め込まれる薬剤ポンプアセンブリ、および、ポンプから望まれる解剖学的場所に薬剤を運ぶ、一つまたはそれ以上の柔軟性カテーテルを含む。そのような埋め込み型のポンプの例は、特許文献2に記述されている。
【0007】
【特許文献1】国際公開第2003/077758号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0216714号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、複数の応用例にとって、ポンプの長期間の埋め込みの必要性を否定する、数ヶ月毎のような、不定期に繰り返される処置が要求されるので、薬剤供給のためのポンプを埋め込むことが望まれない。加えて、中枢神経系の実質的な部分への薬剤供給を要求する処置にとって、例えば、50mlを超える、注入剤の大量の容積が要求され、それは、不定期の使用にとって不適切である、過度に大きなポンプリザーバーが埋め込まれることを要求する。さらに、いくつかの薬剤は体温で貯蔵されると不安定であり、したがって、埋め込まれたリザーバー内にそのような薬剤の長期間の貯蔵を妨げる。
【0009】
外部ポンプアセンブリを用いて脳に間欠的に薬剤を供給できるようにするため、臨床医学者はいくつかの問題と直面される。最も重要な問題は、ポンプに実質細胞内カテーテルを結合しているチューブが皮膚を出る箇所での感染の危険である。静脈系への薬剤供給のためのチューブは、数ヶ月間埋め込まれ得て細心の無菌法で実質的に感染のないままであり、その例が、ヒックマン・ラインであることが知られているが、この解決策は、感染の影響がはるかに大きく、間欠的な治療が与えられる期間が数年を超えて延びるため、脳への間欠的な薬剤供給にとって適切でない。
【0010】
代わりとなる薬剤供給の解決策は、皮膚を通して、皮下の薬剤注入ポートに針を通すことであるが、皮膚は清潔にされ得るけれども、針は殺菌されず、バクテリアを皮下の注入ポートに運ぶ針のささいでない危険が残る。注入期間が数時間または二、三日間継続されると、針の通った跡に沿って感染の危険が著しく増大する。鋭利な針は、また、それと一緒に皮膚の破片を運ぶことができ、これは、脳内に運ばれるか、または、代わりに、伝達促進供給のために使用される非常に細いチューブをブロックする。伝達促進供給のための注入圧は、要求される非常に細い内径のカテーテルチューブおよび伸張チューブのせいで相当高い。注入ポートに皮膚を通しての針の保持は、この環境下では、また、懸案事項である。さらに、薬剤供給が中枢神経系の複数の箇所、例えば、六箇所またはそれ以上、に要求される場合には、これらの問題は、同様に、増加させられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の第一の態様によれば、流体供給装置は、第一端部を有する一本の第一の埋め込み型チューブ、一本の第一の埋め込み型チューブの第一端部に結合される第一流体コネクター部であって、相補的な第二流体コネクター部に着脱可能に結合される第一流体コネクター部、および、第一流体コネクター部を収容するための埋め込み型ハウジングを含み、埋め込み型ハウジングは第一流体コネクター部へのアクセスを提供するために開放可能である。
【0012】
この発明の装置は、したがって、埋め込み型のハウジングに収容される第一流体コネクター部で終わる第一端部を有する一本の第一のチューブを含む。一本の第一のチューブ、第一流体コネクター部、および、埋め込み型のハウジングは、ここでは、まとめて、(モジュラー式)流体供給装置の第一部分と称される。モジュラー式第一部分を埋め込むための最初の外科処置の後に、第一部分は、完全に体内に収納され、したがって、感染源として作用しない。そのような最初の外科処置はかなり複雑である。例えば、第一部分は、また、高度の精密技術を用いて体内(例えば、脳内)のある領域に位置されるカテーテルまたはそれに類するものを含む。埋め込み後、流体供給装置の第一部分は、流体コネクター部が線維組織の形成により詰まったり、塞がったり、壊されたりしないことを確実にする機能を達成する埋め込み型のハウジングと共に、長期間(例えば、数ヶ月または数年)体内に残る。流体供給が要求される期間中、簡単な外科的処置が行われ、埋め込み型のハウジングを開放するために切開がなされる。第一流体コネクター部は、それから、埋め込み型のハウジングを開放することによってアクセスされる。
【0013】
以下にもっと詳細に記載されるように、装置は、さらに、第二流体コネクター部が取り付けられる第一端部を有する一本の第二のチューブを含む。第二流体コネクター部は第一流体コネクター部に着脱可能に結合され、それにより、一本の第一のチューブと一本の第二のチューブのルーメン間に確立される流体連通を許容する。一本の第二のチューブと第二流体コネクター部は、ここでは、まとめて、(モジュラー式)流体供給装置の第二部分と称される。外部ポンプアセンブリが、また、一本の第二のチューブの第二端部に結合される。モジュラー式流体供給装置の第二部分は、好ましくは、流体供給が要求されるときのみ、比較的に短期間(数時間または数日)、第一部分に結合される。例えば、薬剤供給は毎月二、三時間または二、三日間かそこらで要求される。第二部分が第一部分に結合されている間、一本の第二のチューブは、皮膚の切開部を通る。
【0014】
外科的処置は、第一部分の埋め込み後、埋め込み型ハウジングにアクセスするために一般的に要求されるが、そのような処置は、第一部分の埋め込みと比較して非常に減少された複雑さであり、単に、モジュラー式装置の第一および第二部分間の必要な流体結合を形成するために埋め込み型のハウジングにアクセスすることを含むだけである。流体の供給が要求されない期間は、第二部分は除去され、皮膚を通る切開部は、直るまでそのままにされ、体内に感染を持ち込み得る皮膚を出るチューブまたはコネクターが存在しない。この発明は、したがって、長期間、皮膚を通るチューブの精細な清浄が要求される(薬剤の供給が実際に要求されない延長期間であっても)、ヒックマン・ラインおよびその類似のもの以上に利点があるように見られる。この発明の装置の供給は、したがって、伝統的に外部ポンプアセンブリを用いることに伴う多くの問題を克服する。
【0015】
この発明の装置は、また、上述したタイプの完全に埋め込まれるポンプシステム以上の多くの利点を有する。例えば、埋め込まれたポンプは、大量の流体の供給に対して不適当にする限定されたリザーバー容量を有する。埋め込まれたリザーバーは経皮的に再充填されるが、そのような再充填の工程は、供給される流体中に、外部要素(例えば、皮膚の小片および/またはバクテリア)を導入する。これに対して、外部ポンプは、完全に殺菌状態に保たれ、すばやく充填される大きなリザーバーを含む。外部ポンプアセンブリの使用は、短い半減期を有するか、使用に先立ってある条件(例えば、低温)で貯蔵されねばならない薬剤が投薬されるのを許容する。埋め込まれるハウジング(コネクターで終了される一本のチューブとは対照的に)の提供は、外科医が、ハウジング内に含まれる第一流体コネクター部にアクセスするために、処置中、コネクター部または一本の第一のチューブを損傷する減少された機会でもって切開することを許容することが、また、留意されるべきである。
【0016】
有利には、埋め込み型のハウジングは、一本の第一のチューブの巻き部分を収容する空所を画成する。チューブの巻き部分を収容する空所を備えることは、対象の動きが制限されないことを保証する。対象が動くと、一本の第一のチューブの張力は、巻き部分の巻き戻しまたは締めによって解放される。ハウジング内に巻き部分を備えることは、長い間に、可能な巻き部分の動きを減少する巻き部分の中を通る組織の成長を妨げる。埋め込み可能なハウジングは、一本の第一のチューブが埋め込み可能なハウジングの内部から外部へ通される流体シールされた孔を含む。
【0017】
開放可能な埋め込み型ハウジングは、ステンレス鋼、チタニウム、プラスチックなどの、適当な弾力性の物質から形成される。好都合には、埋め込み型ハウジングは、閉鎖されると、第一コネクター部を保護する。例えば、埋め込み型のハウジングは、外部の環境に対してシールされる空所内に第一流体コネクター部を収容する。好都合には、埋め込み型ハウジングは、第一流体コネクター部がアクセスされる開口を有する本体部を含む。埋め込み型のハウジングの開口を閉鎖するカバーが、また、設けられ、そのようなカバーは、ヒンジまたは螺子により本体部に取り付けられる。好ましい具体例において、ハウジングは、その中に含まれている第一流体コネクター部へのアクセスを許容するため、螺子またはそれに類するものを用いてベースまたは本体部に固定される蓋を含む。チューブまたはケーブルの巻き部分を収容するための空所を画成するそのような埋め込み型のハウジングは、他の応用において使用されることが留意されるべきである。換言すると、埋め込み型のハウジングは、チューブまたはケーブルの巻き部分を収容するための空所を画成することを与えられる。
【0018】
有利には、シールメンバーは、第一流体コネクター部が相補的な第二流体コネクター部から外されたとき、一本の第一チューブの第一端部から流体が流出するのを防止するために設けられる。換言すれば、第一流体コネクター部は、取り付けられる相補的なコネクター部が存在しないときは、一本の第一チューブの第一端部からの流体の流出が妨げられるように配置されている。第一流体コネクター部は、したがって、自己シールまたは自動停止コネクター部であり、例えば、それは、セプタムシールを含む。それが、相補的な第二流体コネクター部に取り付けられていないときに、第一流体コネクター部をシールするために、キャップが設けられ、キャップは、埋め込み型ハウジングの部分を形成し、または、ハウジング内に収容される。好都合には、第一流体コネクター部は、取り付けられた相補的なコネクター部との実質的に無菌の流体結合を提供するよう配置されている。
【0019】
有利には、埋め込み型ハウジングは、胴体内での皮下埋め込みのために構成されている。例えば、埋め込み型ハウジングは、皮下組織に取り付けられ得る手段を有する。ハウジングが埋め込まれる箇所はどこでもかなり容易にアクセスできる。
【0020】
好ましくは、一本の第一チューブは、保護シースに囲まれた一つまたはそれ以上のシングルルーメンチューブの束を含む。択一的に、一つまたはそれ以上のルーメンは、シースとして作用する一体成形の物質に形成される。いずれにせよ、シースは強化され、例えば、強化されたコーティングを含む。一本のチューブは、外部の保護シース内でスライドできる内部のマルチルーメンの束(例えば、複数の分離チューブまたはマルチルーメンチューブ)を有するように、また、設けられる。内部のマルチルーメンの束は、外部のシースが体内に埋め込まれた後でさえ、外部のシースに挿入され、および、引き出される。このことは、内部のマルチルーメンの束が、外部のシースを除去することなく、容易に置き換えられること(例えば、もし、ルーメンが、ブロックされるか、漏れが始まるようになったら)を許容し、要求される外科的な診療の複雑さは、したがって、減少される。好ましくは、一本の第一チューブは柔軟性である。
【0021】
有利には、一本の第一チューブは、Nが少なくとも2に等しいNルーメンを含む。換言すると、一本の第一チューブは、流体を運搬する複数の内部コアまたはルーメンを有する。この方法によると、第一流体コネクター部から一本の第一チューブの第二端部まで、分離した流体通路が用意される。
【0022】
好都合には、第一流体ルーターが、一本の第一チューブの第二端部に取り付けられ、第一流体ルーターは、一本の第一チューブのN本のルーメンの各々とN個の出力ポートとの間の流体連通を確立するように配置される。有利には、N本のカテーテルは、各々のカテーテルが、第一流体ルーターの一つの出力ポートと流体連通にあるように、また、設けられる。第一流体ルーターは、したがって、種々のルーメンから分離したカテーテルへの流体結合を扇形に展開する手段を提供する。好ましくは、各々のカテーテルは、中枢神経系に流体を供給するのに適している。例えば、カテーテルは、脳中への埋め込みのために設計されている。そのようなカテーテルの遠位端は、要求に応じ、脳内に正確に位置される。そのような場合、第一流体ルーターは、頭蓋骨に装架可能であり、例えば、第一流体ルーターは、螺子または縫合を用いて頭蓋骨に取り付けられるのを許容するフランジまたは突起を含む。複数本のシングルルーメンチューブが、流体ルーターからカテーテルまで走らせられる。
【0023】
第一流体コネクター部は多くの形状をとる。例えば、第一流体コネクター部は、モジュラー装置の第二部分の相補的なコネクターと結合され得る、複数の分離されたコネクター(ルーメンに対し一つ)を含む。これらのコネクターの各々は、ハウジングの中に入れられる。第一流体コネクターは、有利には、複数の流体結合を提供する単一のコネクターを含む。有利には、第一流体コネクター部は、複数のチャンバーを含み、各々のチャンバーは、中空の針が通される弾力性の(再シール可能な)膜またはセプタムシールを含む。そのような雌型のコネクター部、および、結合される相補的な雄型コネクター部の好ましい態様は、以下に、さらに詳細に述べられる。
【0024】
上述したように、装置は、また、第一端部および一本の第二チューブの第一端部に取り付けられる第二流体コネクター部を有する一本の第二チューブを含み、第二流体コネクター部は、第一流体コネクター部に着脱自在に結合される。このモジュラー装置の第二部分は、流体の供給が望まれるとき第一部分に接続される。
【0025】
有利には、一本の第二チューブは、保護シース内に収容された一つまたはそれ以上のシングルルーメンチューブの束を含む。一本の第二チューブは、M個のルーメンを含み、Mは、少なくとも2に等しい。換言すると、マルチコアチューブが提供される。一本の第二チューブは、上述された一本の第一チューブに類似の構造である。第一部分の一本の第一チューブのルーメンの数は、第二部分の一本の第二チューブのルーメンの数と同じであり、すなわち、NはMに等しい。しかしながら、必要なら、NはMと異なってもよい。
【0026】
有利には、第二流体コネクター部は、複数の中空の針を含む。そのような雄型コネクター部、および、結合される相補的な雌型コネクター部の好ましい態様は、以下に述べられる。
【0027】
好ましくは、第二流体ルーターは、一本の第二チューブの第二端部に取り付けられ、第二流体ルーターは、一本の第二チューブのM個のルーメンの各々とM個のインプットポートとの間の流体連通を確立するよう配置される。第二流体ルーターは、体の外部に位置されるように配置され、結合される(外部の)ポンプアセンブリへの容易な取り付けを許容するためにインプットチューブを扇形に展開するよう作用する。
【0028】
有利には、装置は、第二流体ルーターのM個のインプットポートの何れか一つまたはそれ以上に流体をポンプ輸送するための外部のポンプアセンブリを含む。ポンプアセンブリは、各々のインプットポートへ送られる流体の圧力および/または流速のコントロールを有するよう配置される。ポンプアセンブリは、各々のインポートポートに順番に流体を送るように構成され、または、同時の供給を提供する。ポンプは、第二流体ルーターを含むことが、また、留意される。したがって、モジュラー式の流体供給装置が組み立てられたとき、外部ポンプは、カテーテルの各々にポンプ輸送される流体の圧力および/または流速のコントロールを提供することが、理解され得る。
【0029】
この発明の装置の全てまたは選択される部分は、部分のキットとして供給される。特に、上述した、第一および第二部分は、単一のキットとして供給される。この発明は、また、装置の第一および第二部分を分離したアイテムとして供給することを含む。モジュラー式の流体供給装置の第一部分は、そのように提供され、第一部分は体内への埋め込みに適しており、第一端部および第二端部を有する一本の第一チューブを含んでおり、第一端部は、それに結合される第一流体コネクター部を有しており、第一部分は、さらに、第一流体コネクター部を収容するための埋め込み得るハウジングを含む。モジュラー式の流体供給装置の第二部分は、また、分離して供給され、第二部分は、第一端部および第二端部を有する一本の第二チューブを含み、チューブの第二長さの第一端部は、第二流体コネクター部を含み、第二コネクター部は、上述の第一部分の第一流体コネクター部に結合可能である。第一部分の第一第一流体コネクター部は、使用中、第二部分の第二流体コネクター部に結合される。第二部分(または、その構成要素)は、使い捨て(例えば、第一部分に結合するために一度使用され、それから、廃棄される)であっても、再使用可能(流体供給が要求される度毎に第一部分に結合される)であってもよい。
【0030】
この発明の第二の態様によれば、埋め込み型の装置は、第一端部および第二端部を有するチューブを含み、第一端部は、それに結合される流体コネクター部を有し、第二端部は、対象の脳へ流体を供給するための一つまたはそれ以上のカテーテルに結合され、流体コネクター部は、外部のポンプアセンブリから流体を受け取るように配置され、チューブは、流体コネクター部が、対象の胴体内に埋め込まれるのを可能にするため十分に長い。
【0031】
この方法によれば、チューブは、中枢神経系から遠い位置にある体の外部まで通され、そこに到達する感染の機会を減少する。チューブは、複数のルーメンを含み、複数の結合されるカテーテルが備えられる。
【0032】
この発明の第三の態様によれば、薬剤の供給方法は、(i)モジュラー式の流体供給装置の第一部分が、第一端部および第二端部を有する一本の第一チューブを含み、第一端部が、それに取り付けられた第一流体コネクター部を有し、および、第二端部が、対象内の一つまたはそれ以上の解剖学的位置に流体を供給するために埋め込まれた一つまたはそれ以上のカテーテルに結合される、埋め込まれたモジュラー式の流体供給装置の第一部分を有する対象(動物または人間の体)を選択する工程、(ii)第二部分が、第二流体コネクター部を含む第三端部を有する一本の第二チューブを含む、モジュラー式の流体供給装置の第二部分を選択し、モジュラー式の流体供給装置の第一部分の第一流体コネクター部へのアクセスを得るために対象に切開部を形成し、上述の第一流体コネクター部を上述の第二流体コネクター部に結合することの工程を含む。
【0033】
当業者によって理解されるように、工程(ii)は、第一流体コネクター部にアクセスを提供するための小さな切開部を形成することを含む簡単な外科手術のみを要求する。工程(i)は、対象にモジュラー式の流体供給装置の第一部分を埋め込むことを含み、好都合には、対象の脳に複数本のカテーテルを埋め込む工程を含む。これは、カテーテルが、高度の正確さで位置される必要がある、さらに一層の複雑かつ込み入った外科手術である。
【0034】
有利には、方法は、モジュラー式の流体供給装置の第一および第二部分を通して、埋め込まれた一つまたはそれ以上のカテーテルに流体をポンプ輸送することの工程(iii)を含む。流体は薬剤、例えば、図14に関連して以下に詳細に記述されるタイプの薬剤である。
【0035】
有利には、方法は、第二流体コネクター部から第一流体コネクター部を取り外し、完全に、対象からモジュラー式の流体供給装置の第二部分を引き出す、さらなる工程(iv)を含む。再び、これは、かなり容易な外科手術である。有利には、工程(ii)から(iv)は、複数回、順に繰り返される。例えば、これらの工程は、薬剤の供給が要求されるたびに繰り返される。
【0036】
この発明の装置への包含のために好適なコネクター部は、同時継続特許出願である英国0604952.2号に記載されており、その内容は、参照として本明細書に組み込まれる。特に、そして、上述のように、複数の中空の針を含む雄型流体コネクター部が備えられる。好ましい具体例において、複数のルーメンを有するチューブのための雄型流体コネクター部が設けられ、雄型流体コネクター部は、相補的な雌型コネクター部と着脱自在に結合され得、雄型流体コネクター部は、中空の針が、複数のルーメンを有するチューブが雄型の流体コネクター部に結合されるとき、各々の中空の針が、チューブの一つのルーメンと流体連通にあるように中空の針が配置される、複数の中空の針と、中空の針が、結合される相補的な雌型流体コネクター部の対応するセプタムシールと特異的に整列されることを許容する整列ガイドとを含む。
【0037】
各々の中空の針は、流体が通過する通路または中央チャネルを画成する長い管を含む。各々の中空の針は、流体供給チューブに結合される近位端と、結合される雌型のコネクター部の膜を貫通することを許容するように形成される(例えば、テーパが付けられるか鋭く尖った先端にせん断される)遠位端(または先端)を有する。穴が針の先端および/または先端近くの針の側面に設けられる。
【0038】
複数の針を設けることは、相補的な雌型のコネクター部と共に形成される複数の分離した流体結合を許容する。そのようなマルチルーメンコネクターは、速やかに結合され、および/または、要求に応じて取り外される、複数本のマルチルーメンチューブを可能にする。そのような雄型流体コネクター部は、また、殺菌した結合が形成されるのを許容し、一般的には、複数の単一コネクター部を用いる配列よりももっとコンパクトである。このタイプの雄型流体コネクター部は、上述のモジュラー式流体供給装置における使用に特に向いているが、種々の異なる薬剤の使用に、また用いられる。
【0039】
有利には、雄型流体コネクター部は、上述の雄型流体コネクター部および結合される雌型流体コネクター部が係合に持ち込まれるとき、上述の雄型流体コネクター部の、相補的な雌型流体コネクター部との整列を提供するための整列ガイドを含む。整列ガイドは、コネクターの整列を確実にする物理的な整列態様を含む。例えば、整列ガイドは、一つまたはそれ以上の突出する整列用突起または相補的なスロットおよび/または溝等を含む。整列ガイドは、針自身の相対的な位置取りによって、またもたらされる。択一的に、整列ガイドは、適正なコネクターの整列を助ける一つまたはそれ以上の可視マークを含む。整列ガイドは、そのように配列され、その結果、雄型の流体コネクター部の中空の針は、部分同士が一緒に結合されるとき、雌型流体コネクター部のそれぞれの弾力性の膜と特異的に整列される。このことは、雄型および雌型の流体コネクター部に取り付けられたチューブの要求されたルーメン間に流体連通が分離して確立されることを確実にする。
【0040】
好都合には、雄型の流体コネクター部は、雌型のコネクターの相補的な螺子と係合する螺子を有する実質的に円筒状の部分を含む。有利には、雄型の流体コネクター部の実質的に円筒状の部分は、雄型流体コネクター部の残りの部分に対して相対的に回転可能である。円筒状の部分は、したがって、内面に形成された螺子を有する回転可能な円筒状部分であり、円筒状部分の螺子が相補的な雌型コネクターの螺子と係合するとき、回転可能な円筒状部分の回転は、雄型および雌型コネクターを係合させるように作用する。この方法により、雄型および雌型流体コネクター部は単純な螺子作動を用いて結合される。
【0041】
有利には、上述の複数の中空針の各々の遠位の先端は、円筒状部によって囲まれる容積内に位置される。換言すると、円筒状部は中空の針を収容し、それによって、結合に先立って、または結合中に、そのような針への不注意な損傷を防止する。
【0042】
好ましくは、上述の複数の中空の針の各々の長手方向軸は、上述の円筒状部分の長手方向軸に実質的に平行である。もし、雄型の流体コネクター部が一つまたはそれ以上の突出する整列用の突起を有する整列ガイドを含むなら、各々の突出する整列用の突起の長手方向軸は、また、上述の円筒状部の長手方向軸に実質的に平行である。さらに、上述の一つまたはそれ以上の整列用突起の一つは、好都合には、上述の円筒状部分に実質的に同軸で整列される。
【0043】
有利には、各々の整列用の突起の遠位端は、円筒状部分によって囲まれる容積を超えて突出する。換言すると、整列用突起の遠位端は、雄型の流体コネクター部のケーシングを超えて延びるように配列される。好ましくは、少なくとも二つの整列用突起が、雄型および雌型のコネクタター部の方向が特異的に整列されることを許容するように備えられる。この配列は、整列用突起を、対応する雌型コネクター部の凹所に入れることを許容し、それによって、中空針が雌型のコネクター部の弾力性の膜と接触させられる前に、角度的に、および、軸的に雄型および雌型の部分を整列させる。後述するように、結合操作中に中空の針に横方向の力が与えられるのを防止する。
【0044】
複数の中空針および整列用の突起は、好ましくは、第一パターンによって配列される。例えば、円筒状部分の長手方向軸から半径方向のある距離に角度的に均一に配置される。要求に応じていくつかの他の配置が可能である。後述するように、雌型のコネクター部は、好ましくは、一連の凹所および上述の第一パターンに相補的であるパターンに適合する膜を有するように配置される。
【0045】
広い範囲の異なる物質が、中空の針を形成するために用いられる。中空の針は、異なる物質の組み合わせから形成されるか、また、必要に応じて、外面および/または内面に一つまたはそれ以上の被覆を含む。例えば、中空の針は、好都合には、シリカ、ステンレス鋼、タングステン、タングステンカーバイド、チタニウム、チタニウムカーバイド、セラミックおよびプラスチックの少なくとも一つを含む。中空の針は、好都合には、各々が、流体の運搬用チューブ(例えば、結合される一本のチューブからの)が位置される中空のコアを含む。以下に記述される好ましい具体例において、中空の針は、ステンレス鋼から形成され、流体が通過される内部のシリカのコアを含む。シリカは、外部マター(例えば、バクテリア)の増加に対して感染し易くないため有利である。
【0046】
雄型の流体コネクター部は、要求に応じて同じ数だけの中空の針を含む。もし、マルチルーメンチューブが、上述の雄型コネクター部で終結されるなら、コネクター部は、各々の上述のルーメンと分離した流体リンクを確立するに十分な中空の針を含む。雄型の流体コネクター部は針の最大数を保持するように配置されるが、使用時は、要求に応じて、上述の最大数より少ない針を含むように配置される。雄型の流体コネクター部は、好ましくは、少なくとも三本の中空針、少なくとも四本の中空針、少なくとも五本の中空針、少なくとも六本の中空針、少なくとも七本の中空針、少なくとも八本の中空針、少なくとも十本の中空針または少なくとも十五本の中空針を含む。
【0047】
有利には、雄型の流体コネクター部は、複数のルーメンを含むチューブを受け入れるように配置され、流体連通が、各々のルーメンと複数の中空針の結合される一本との間に提供される。雄型のコネクター部は、また、複数のルーメンを有する一本のチューブに取り付けられ(例えば、永久的に)、各々のルーメンは、上述の中空の針の一つと流体連通にされる。チューブは、例えば、複数のチューブを含むシースを含む。そのような場合、シースは切り取られ、中空針の近位端は各々のチューブに取り付けられる。シースは、また、その端部に、コネクターからチューブが引き抜かれることを防止する、一体成形されるかまたは取り付けられる部分を有するように配置される。チューブは好ましくは柔軟性であるが、シースは、また、要求に応じて強化される。
【0048】
上述によれば、複数のチャンバーを含む雌型の流体コネクター部が、有利には提供され、各々のチャンバーは、中空針が通過される弾力性の膜を含む。そのような雌型のコネクター部は、上述のタイプの雄型のコネクター部に結合される。雌型流体コネクター部の各々のチャンバーは、アウトレットチューブのルーメンと流体連通にあり、弾力性の膜は、雄型コネクターの中空針が通過され、それにより、中空針のコアとチャンバーとの流体連通を確立する、再シール可能な壁を提供するように配置される。好ましい具体例において、複数のルーメンを有するチューブのための雌型の流体コネクター部が提供され、雌型の流体コネクター部は、相補的な雄型の流体コネクター部と着脱自在に結合可能とされ、雌型の流体コネクター部は、各々のチャンバーが中空の針が通過されるセプタムシールを含み、複数のルーメンを有するチューブが、雌型のコネクター部と結合されるとき、各々のルーメンが上述のチャンバーの一つと流体連通にある、複数のチャンバー、および、セプタムシールが結合される相補的な雄型流体コネクター部の対応する中空針と特異的に整列されるのを許容する整列ガイドを含む。
【0049】
雌型の流体コネクター部は、好ましくは、整列ガイドを含む。整列ガイドまたは整列ガイド手段は、上述の雌型および雄型の流体コネクター部が、係合に持ち込まれるとき、上述の雌型流体コネクター部と、相補的な雄型流体コネクターとの整列を提供するように配置される。整列ガイドは、物理的な態様であり、例えば、雌型流体コネクター部の整列ガイドは、結合される雄型の流体コネクター部の整列用突起を受け入れる、少なくとも一つの細長い凹所を含む。整列ガイドは、択一的に、少なくとも一つの可視的なマークを含む。そのようなガイド手段は、雄型のコネクター部との関連において上記で詳述される。雄型コネクター部のガイド手段は、雌型コネクターの整列用突起(または複数の突起)を受け入れる凹所または複数の凹所を含み、雄型および雌型コネクター部の定義は、ここでは、中空針の存在または不存在にのみ基づいている。
【0050】
有利には、雌型の流体コネクター部は、雄型のコネクターの相補的な螺子と係合するための螺子を有する第二の円筒状部分を含む。もし、整列ガイド手段が、結合される雄型の流体コネクター部の整列用突起を受け入れるための少なくとも一つの細長い凹所を含むように提供されるなら、上述の少なくとも一つの細長い凹所の長手方向軸は、好ましくは、上述の第二円筒状部分の長手方向軸と実質的に平行である。好都合には、相補的な雄型の流体コネクター部の回転可能な螺子が、雌型のコネクターの螺子に係合し、相対的に回転されるとき、結合される雄型のコネクター部の中空の針は、上述の弾力性の膜の平面に実質的に垂直である方向にのみ移動される。この方法によれば、結合された雄型の流体コネクター部の中空の針のいかなる実質的に横方向の動きも防止され、このことは、そのような針が、結合がなされるとき、せん断、折れまたは曲げを生じないことを確実にする。
【0051】
好都合には、雌型コネクター部は、各々のチャンバーの弾力性の膜がアクセスされ得る複数の開口を含む環状の末端部を有する外部ケーシングを含む。有利には、各々のチャンバーの弾力性の膜は、環状の末端部の内部表面に対して保持される、一般的な環状の弾力性のメンバーによって提供される。そのような一般的な環状の弾力性のメンバーは、整列ガイド手段の一つまたは複数の凹所と整列される一つまたはそれ以上の開口を含む。
【0052】
有利には、雌型の流体コネクター部は、複数のルーメンを含むチューブを受け入れるように配置され、それにより、各々のルーメンと結合される上述のチャンバーの一つとの流体連通が提供される。チューブのルーメンの数は、チャンバーの数に等しい。雌型のコネクター部は、また、複数のルーメンを有する一本のチューブに結合され、各々のルーメンは、上述のチャンバーの一つと流体連通にされる。
【0053】
好ましくは、各々のチャンバーの弾力性の膜は、ゴム状の物質を含む。有利には、弾力性の膜は、針が挿入されていないとき、膜を通して流体の流出を防止する流体シールを提供するように配置されている。この方法において、自己シール性の雌型コネクター部が提供される。
【0054】
したがって、コネクターは、有利には、雄型コネクター部および雌型コネクター部を含むように提供される。好ましい具体例において、複数のルーメンを有するチューブのためのコネクターが提供され、コネクターは、複数の中空針を含む雄型部と、上述の複数の中空の針が通過され得る複数のセプタムシールを含む雌型部を含み、コネクターは、雄型の流体コネクター部および相補的な雌型の流体コネクター部が係合に持ち込まれたとき、雄型部の中空の針を雌型の流体コネクターの画成されたセプタムシールと特異的に整列させるための整列ガイドを含む。コネクターは医療用のコネクターであり、例えば、上述したモジュラー式の流体供給装置の一部として埋め込みに適している。
【0055】
さらに、上述したタイプの、少なくとも一つの雄型流体コネクター部および雌型流体コネクター部を含むコネクター装置のキットが提供される。キットは、少なくとも一本のチューブ、カテーテル、流体ポンプおよび上述のコネクター部を収容するための埋め込み型ハウジングを含む。上述されたモジュラー式の流体供給装置の第一部分は、その第一端部に第一流体コネクター部を有する一本の第一チューブを含み、その第二端部で一つまたはそれ以上のカテーテルに結合される。モジュラー式の流体供給装置の第一部分は、人間または動物の体に埋め込まれる。
【0056】
そのような埋め込みを支援するために、外科的装置(また、導入器と称される)が、体内に細長い柔軟性のメンバーを導入するために設けられ、装置は、細長い変形可能なロッドの遠位端に位置される第一コネクター部を含む。有利には、上述のコネクター部は、結合される細長い柔軟性のメンバーに備えられた相補的なコネクター部に着脱自在に取り付け可能である。このタイプの導入装置は、したがって、人間または動物の体内に上述のタイプのモジュラー式の流体供給装置の第一部分、または、コネクター部で終結される他の細長い柔軟性のメンバー(例えば、一本の電気的なケーブルまたはチューブ)を埋め込むために使用される。
【0057】
装置は、体に形成された第一切開部への挿入のために適しており、十分に堅く、その結果、体内に押し進められることができ、第二切開部を通ってそこから出る。細長い変形可能な棒は、したがって、好ましくは、半径方向に曲げ可能であり、軸方向に堅い。換言すると、棒は、太いワイヤ様の形状をとり、半径方向に変形される(曲げる)ことができるが、長さに沿って十分に堅いので、体を通って押し進められる。この方法において、体への進入に先立って、または、その間に、棒は曲げられて体に入り、その結果、その遠位端は、一対の切開部(例えば、頭皮および胸)の間の体を通る任意のルートに沿って外科医によって案内される。有利には、細長い変形可能な棒は金属を含む。
【0058】
チューブが通過されるスリーブを含む従来の導入器とは異なり、この発明の装置は、体を通って送られる、既にそれに取り付けられたコネクターを有する細長い柔軟性のメンバー(例えば、ケーブルおよび/またはチューブ)を許容する。このことは、コネクターが、体内への挿入の前にチューブに形成されるか取り付けられること、それにより、外科的手術の間、チューブとコネクターとの複数の結合を形成することの要求を無視することを許容する。導入器は、また、中空のスリーブタイプの配置より実質的により堅く、それにより、組織を通る進入の容易性を向上させる。
【0059】
有利には、細長い変形可能な棒の近位端にハンドル部が備えられる。このことは、体内を通されるときに装置の動きの向上されたコントロールを提供する。
【0060】
好ましくは、第一コネクター部は、流体コネクター部である。例えば、装置のコネクター部は、上述したタイプの、相補的に雄型および雌型の流体コネクター部を結合するために配置される。コネクター部は、また、一つまたはそれ以上の電気的結合を提供する。
【0061】
好都合には、導入器は、さらに、端部キャップを含み、端部キャップは、細長い変形可能な棒のコネクター部に着脱自在に取り付けられる相補的なコネクター部を含む。好ましくは、端部キャップは、傾斜した最も外部の表面を有する。例えば、端部キャップは、円錐型、尖った、または、ドーム状の形状とされる。端部キャップは、体に挿入される前に、棒の遠位端のコネクター部に取り付けられる。装置が体内に押し進められると、端部キャップの最も外部の表面は、その結果、必要な通路を形成する。端部キャップは、棒の一つの遠位端が、第二切開部を通って体から出たら除去されるものであり、それによって、細長い柔軟性のメンバーのコネクター部の取り付けを許容する。
【0062】
有利には、装置はさらに埋め込まれる細長い柔軟性のメンバーを含み、細長い柔軟性のメンバーは、細長い変形可能な棒の遠位端に位置されるコネクター部に取り付けられるコネクター部を含む。細長い柔軟性のメンバーは、有利には複数のルーメンを含むチューブを好ましくは含む。換言すると、チューブは、流体を運ぶための多くの内部コアを含む。
【0063】
さらに、人間または動物の体に細長い柔軟性のメンバーを導入する方法が提供され、方法は、(i)上述の体に第一切開部および第二切開部を形成し、(ii)その遠位端に位置される第一コネクター部を有する細長い変形可能な棒を用意し、上述の細長い変形可能な棒を上述の第一切開部に挿入し、第二切開部を通って遠位端が体から出るまで、上述の体を通して細長い変形可能な棒を案内し、および、(iii)第二コネクター部を含む細長い柔軟性のメンバーを用意し、第二コネクター部を第一コネクター部に結合し、上述の第一切開部を通して体から細長い変形可能な棒を引き出すという工程を含む。
【0064】
好都合には、工程(i)は、胴における第一切開部、頭皮における第二切開部を形成することを含む。この方法において、細長い柔軟性のメンバーは、首を通って頭皮から胴部まで貫通される。有利には、工程(ii)は、第一コネクター部に結合された端部キャップを有する細長い変形可能な棒を用意することを含み、端部キャップは、傾斜した外部表面を有する。上述したように、そのような端部キャップは、体内への棒の挿入を容易にする。端部キャップは、工程(iii)の結合に先立って除去される。
【0065】
好都合には、工程(ii)は、体を通って上述の細長い変形可能な棒を皮下に案内することを含む。換言すると、細長い柔軟性のメンバーは、皮膚の表面下を貫通される。
【0066】
この発明は、添付する図面を参照して、実施例のみによって、これから記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
図1を参照すると、対象の脳に薬剤を供給するための装置が示される。装置はモジュール式であり、第一部分2および第二部分4を含む。
【0068】
装置の第一部分2は、雌型のセブンルーメンコネクター部8を埋め込み型流体ルーター10に繋ぐ第一のセブンルーメンチューブ6を含む。流体ルーター10は、七個のアウトプット11a〜11gを有する。各々のアウトプット11は、一本のシングルルーメンチューブ14(ただ一つのそのようなカテーテルが図1に示されることを意味する。)を経て組み合わせられるカテーテル12に接続される。装置の第二部分は、雄型のセブンルーメンコネクター部18を外部の流体ルーター20に繋ぐ第二のセブンルーメンチューブ16を含む。外部の流体ルーター20は、七つのインプット22a〜22gを有し、各々のインプットは、ポンプアッセンブリーからの圧力によって流体を受け入れるために適している。
【0069】
第二部分の雄型セブンルーメンコネクター部18は、第一部分の雌型セブンルーメンコネクター部8と結合するように配置され、第一のセブンルーメンチューブ6と第二のセブンルーメンチューブ16の各々のルーメン間に流体連通が確立され得る。このようにして、流体連通が、セブンルーターインプット22の各々と組み合わされるカテーテル12との間で別々に確立される。
【0070】
図2および図3を参照すると、対象30の脳に薬剤を供給するように配置されるときの図1の装置が示される。特に、図2は、対象30の上半身を示し、図3は、対象の頭頂の展開された図を描写する。
【0071】
装置の第一部分2は、対象30内に完全に埋め込まれ、一連の治療の継続期間(薬剤供給の複数の期間を含む)の間、一般的には、そのまま留まる。装置の第一部分2の埋め込みは、実質細胞間カテーテル12の先端が脳内の求められる場所に注意深く位置される、複雑な外科的処置を必然的に含む。この処置は、また、種々の複数本のシングルルーメンチューブ14の埋め込み、埋め込み型の流体ルーター10の頭蓋骨への装架、および、頭皮から胸部への第一マルチルーメンチューブ6の皮下トンネル形成を要求する。
【0072】
対象の頭への外科的な埋め込み後の、埋め込み型の流体ルーター10、シングルルーメンチューブ14およびカテーテル12の近位端の詳細な図が、図3に描写される。図3に示される七本のカテーテルの配列は、脳の全体への薬剤の供給を許容する。二本のカテーテル(F1およびF2)が、左右の前頭葉に薬剤を供給するために挿入される。さらに一対のカテーテル(P1およびP2)が、左右の頭頂後頭葉への供給を許容するために挿入される。さらなる二本のカテーテル(T1およびT2)が、左右の側後頭葉へ薬剤を供給するために挿入され、カテーテル(PS)が、大脳白質通路を経て小脳に薬剤が推進されるのを許容するため橋に挿入される。
【0073】
装置の第二部分4の雄型セブンルーメンコネクター部18は、装置の第一部分2の雌型セブンルーメンコネクター部8に結合される。コネクターは、対象に固定される(例えば、縫合によって)ハウジング36に保持される。一本の第二セブンルーメンチューブは、切開部32を通って胸部(例えば、胸)に挿入され、外部の流体ルーター20の各々のインプットは、外部ポンプアセンブリ34の流体アウトプットに結合される。チューブ16は、中枢神経系(CNS)から大きな距離にある解剖学的配置で体内に入るため、開口におけるCNSに至るいかなる感染の可能性も最小限にされる。
【0074】
一度埋め込まれると、装置は、ポンプアセンブリ4の七個のアウトプットの各々から、七本のカテーテル18のうちの組み合わせられる一本に至る別々の流体通路を提供する。このことは、流体が、要求に応じ、七本のカテーテルのいずれか一本に送られることを許容する。薬剤供給プロフィール(例えば、薬剤濃度、流体圧力、流速)は、臨床医学者の要求に応じ、外部ポンプアセンブリ34を適切にプログラミングすることによって定められる。ポンプアセンブリ34は、いかなる望まれる方法でも、カテーテルに流体をポンプ送りできるよう配置されており、例えば、薬剤は、異なるカテーテルに、連続して、または、同時に供給される。
【0075】
図2に示されるように、ポンプアセンブリは、その各々が、ルーターインプット22の一つと結合される七つの異なるアウトプットを含む。そのような外部ポンプアセンブリの提供は、短い半減期を有し、および/または、低温で貯蔵される必要があり、および/または、大量に供給される必要がある薬剤の管理を許容する。外部ポンプは、また、不具合または故障の場合、容易にアクセスできる(埋め込み型ポンプに比して)という利点を有する。
【0076】
ここに記述されるモジュール式の装置は、薬剤の供給がもはや要求されないとき、装置の第二部分4が、装置の第一部分2から切り離されるのを許容する。第二部分4の除去は、胸の切開部が再度開かれ、装置の第一および第二部分が切り離されるという、比較的単純な外科的処置を含む。その後、薬剤の追加の投薬量が供給されるべきとき、第二部分4は、そのような手順を逆にすることによって、第一部分2と結合される。
【0077】
装置は、したがって、装置の第一および第二部分が上述のように埋め込まれる、最初の、いくぶん複雑な、遂行されるべき外科的処置を甘受する。必要な薬剤の最初の投薬がそれから投与され、その後、比較的単純な外科的処置が、対象から装置の第二部分を除去するために実行され得る。装置の第二部分が除去された後、対象は、一時的に医療的ケアから放免され、残る装置の第一部分は体内に完全に埋め込まれているので、体から外に出る、感染を防止するために無菌状態に保たれる必要があるチューブは存在しない。適切な期間の後、対象は、胸に切開部を形成し装置の第二部分を装置の第一部分に結合することを含む、更なる、再び相対的に単純な外科的処置を受ける。この後に、要求される薬剤の更なる投薬の管理、および、その後の、装置の第二部分の外科的除去が続く。このことは、複数回、要求されるなら頻繁に繰り返される。処置が完全に成功したら、装置の第一部分もまた対象から除去される。
【0078】
図4ないし図6を参照して、雄型のセブンルーメンコネクター部18および組み合わせられるセブンルーメンチューブ16がこれから記述される。
【0079】
コネクター部18によって受容されるチューブ16は、七本のシングルルーメンチューブ44の束が保持される外側のケーブルシース40を含む。ケーブルシースは、また、放射方向に延びる末端部42を含む。雄型のコネクター部18は、チューブ16が挿入される孔を有するエンドキャップ部46を含む。ケーブルシース40の放射方向に延びる末端部42は、エンドキャップ部46の孔を通ってケーブルが引き戻されるのを防止するように配置されている。七本のシングルルーメンチューブ44は、エンドキャップ部46内で扇形に広がり、各々、中空ニードル47に通される。明確にするために、ただ一本のシングルルーメンチューブが図4および図6に図解されることが、留意されるべきである。
【0080】
各々の中空ニードル47は、弾力性のある、望ましくは硬い材料から形成されている。中空ニードル47は、したがって、金属、または、何らかの適当な材料から形成され、例えば、中空ニードルは、ステンレス鋼、タングステン、タングステンカーバイド、チタン、炭化チタン、プラスチック等を含む。図4の差し込み図に示されるように、シングルルーメンチューブ44の各々は、保護用樹脂被膜51によって囲まれた、内側の石英ガラス管49(すなわち、ルーメンを画成している)を含む。シングルルーメンチューブ44をニードル47に結合するために、被覆51は、各々のチューブ44の遠位端で領域から除去される。各々のニードル47は、したがって、内側の石英ガラス管(いかなる被覆もない)が、ニードルの遠位端(または先端)に達する中空コア53を貫通することができるように配置されており、その近位端に、その上に装着された被覆51を備える石英ガラス管49を受容するための孔55をまた含む。チューブ44(その末端から取り除かれた被覆を備える)は、したがって、被覆が孔55を満たすまでニードルに挿入されることができ、チューブ44の末端の一本の露出した石英コアは、中空ニードルの先端に延ばすために十分に長く形成され得る。一度挿入されると、チューブは接着剤または何らかの他の適当な結合手段を用いてニードル47に結合される。この方法により流体シールは容易に達成される。
【0081】
雄型のコネクター部は、中央孔および中央孔の周りに角度的に間隔をあけられている八つの更なる放射状の孔を有する保持ブロック48を含む。第一の整列用突起50が保持ブロック48の中央孔に保持され、第二整列用突起52が、保持ブロック48の放射状の孔の一つに保持される。七本のニードル47が保持ブロック48の残りの放射状の孔に保持される。ニードル47および整列用突起50および52は、何らかの適切な手段によって(例えば、接着、溶着、固着によって、または、適切な固定手段を備える等)によって、保持ブロック48に固定される。螺子54は、エンドキャップ部46を保持ブロック48に固定するために、また備えられる。
【0082】
円筒状ケース部56がまた備えられ、保持ブロック48に回転可能に装着される。円筒状ケース部56は、雌型コネクター部の相補的な螺子と対になる内部螺子58を有する。コネクター部18は、七本の突出するニードル47および二本の整列用突起50および52が、円筒状のケース部56の中心軸に実質的に平行である方向に延びるように配列される。ニードル47は、円筒状のケース部56の末端よりさらに延びないように配列され、それにより、ニードルが偶発的に壊され、または、損傷される可能性を減少している。第一および第二の整列用突起50および52は、円筒状のケース56を超えて延びるように配列され、第一の(中央の)整列用突起50は、コネクター部から、第二の整列用突起よりさらに延びるように配列されている。第一および第二の整列用突起ならびに組み合わされたニードルの放射方向の配列は、図4のI−I線に沿った断面図である図5に詳細に示される。
【0083】
図7および図8を参照して、上述の雄型コネクター部18と相補である雌型のセブンルーメンコネクター部8の構造が示される。
【0084】
雌型のコネクター部8により受容されるチユーブ6は、七本のシングルルーメンチューブ72の束が保持される外側のケーブルシース70を含む。ケーブルシースは、放射方向に延びる末端部74をまた含む。
【0085】
雌型のコネクター部8は、チューブ6が挿入される孔を有するエンドキャップ76を含む。ケーブルシース70の放射方向に延びる末端部74は、エンドキャップ76の孔を通ってケーブルが引き戻されるのを防止するように配置されている。七本のシングルルーメンチューブ72は、エンドキャップ部76内で扇形に広がるよう配置されている。
【0086】
キャビティーブロック78がまた備えられ、中央孔および中央孔の周りに角度的に間隔をあけられている八つの更なる放射方向の孔を有する。キャビティーブロック78の九つの孔の相対的位置は、相補的な雄型のコネクター部18の保持ブロック48の孔の位置に適合させられる。第一の管状部80および第二の管状部82は、キャビティーブロックの中央孔およびキャビティーブロック78の放射方向の孔内にそれぞれ位置される。他の七つの放射方向の孔は、シングルルーメンチューブ72の末端をそれぞれ受容する。シングルルーメンチューブ72の末端ならびに第一および第二の管状部80および82は、キャビティーブロック78の孔内に、適切な固定手段77(例えば、接着、溶着、固着を用いて、または、適切な固定手段を備える等)によって保持される。固定手段77は、シングルルーメンチューブ72とキャビティーブロックの組み合わされる孔との間の流体シールをまた提供する。
【0087】
螺子88が、エンドキャップ部76および螺子が形成された末端部86を、キャビティーブロック78まで貫通させられ、それによって、そのような部品を固定され間隔をあけられた関係に保持する。環状のゴム栓84が、螺子が形成された末端部86内にまた保持され、キャビティーブロック78の末端と強制的に係合させられる。環状のゴム栓84は、整列される二つの孔を有し、第一および第二の管状部80および82がそこに挿入される。螺子が形成された末端部86は、キャビティーブロック78の孔と適合する孔の配列と、雄型コネクター部18の螺子との係合に適した外側の螺子とを有する。
【0088】
組み立てられた雌型コネクター部8は、したがって、ニードルを受容する七つのシールされた孔(すなわち、ゴム栓84によりシールされた)、相補的な雄型コネクター部の整列用突起を受容する二つの孔を含む。整列用の突起を受容するための孔は、シールされた孔より大きな直径を有するように配列される。シールされた孔の一つに挿入されるニードルは、ゴム栓84を通過し、キャビティーブロックの組み合わされる空洞に入る。この方法により、ニードルと、キャビティーによって保持される、組み合わされるシングルルーメンチューブとの間の流体連通が確立される。そのようなニードルが存在しないと、孔はゴム栓84によってシールされ、したがって、組み合わされたチューブへの、または、チューブからの流体の流通を防止する。
【0089】
図9を参照して、図7および図8に関連して記述されたタイプの雌型コネクター部8と結合され、従って、コネクター100を形成している、図4ないし図6に関連して記述されたタイプの雄型コネクター部18が示される。一度、雌型のコネクター部8が、雄型のコネクター部18と結合されると、第一および第二のセブンルーメンチューブ6および16の七本のルーメン間に、七つの分離した流体結合が確立される。図9の点線90は、第二のセブンルーメンチューブ16の一つのルーメンから、中空のニードルを通って、第一のセブンルーメンチューブ6の組み合わされるルーメンに至る流路を図解する。
【0090】
雄型のコネクター部18は、雌型のコネクター部8と、次の方法で結合される。最初に、雄型のコネクター部の中央の整列用突起50が、結合される雌型の中央の第一の管状部80に位置される。雄型のコネクター部は、それから、第二の整列用突起52が第二の管状部82に入るまで、雌型のコネクター部に対して相対的に回転させられる。この時点で、雄型コネクター部18の円筒状ケース部56が回転させられ、その内側の螺子58が、雌型のコネクター部18の螺子が形成された末端部86の相補的なねじ山に係合する。雄型コネクター部18の円筒状ケース部56の更なる回転は、ゴム栓84を通して、キャビティーブロックの空洞にニードル47を推し進める。一度、整列用の突起が管状部と整列させられると、螺子の締結は、雄型および雌型のコネクター部の長手方向軸線に実質的に平行な方向にニードルが動くことを引き起こすことが留意される。換言すると、ニードルは、栓に垂直な方向から、すなわち、そのようなニードルに変形や折れを引き起こすかもしれない何らかの大きな横の動きなしに、ゴム栓を通して推し進められる。
【0091】
雌型のコネクター部8の螺子が形成された末端部86から円筒状ケース86を螺脱することは、再び、実質的な横の動きなしに、ゴム栓からニードルの後退を生ぜしめる。一度、結合が外れたら、ゴム栓84は、再び、キャビティーブロック78の各々の空洞をシールするように作用し、それにより、第一のセブンルーメンチューブ6からの流体の流出を防止する。
【0092】
図10ないし図12を参照して、これから、図2に関連して上述したタイプのハウジング36が示される。特に、図10は、その中に保持されるコネクター100を備えたハウジング36を貫いた平面図を示し、さらに、図11は、図10のII−II線に沿った断面図を与える。図12は、保持されるコネクターのないハウジングの更なる図を与える。
【0093】
ハウジング36は、上述のタイプのコネクター100を保持し、取り囲むように設計される。コネクターは、第一のセブンルーメンチューブ6と第二のセブンルーメンチューブ16のルーメン間の流体結合を提供する。ハウジングは、また、ハウジング36を、それが例えば縫合を用いて埋め込まれる、人間または動物の体に固定するための結合フランジ102を含む。
【0094】
薬剤供給装置の埋め込み後に対象の運動を許容するために、ハウジングは、また、一本の第一チューブ6のゆるい巻き部分が位置される内部空洞104を含む。チューブ6は、孔106を通ってハウジング36を出て行くように配置される。そうであるから、そのような巻き部分は、対象が自由に動くことを可能にし、チューブの巻き部分はそのような動きと共に必要に応じて延びまたは後退する。薬剤供給装置の第一および第二の部分の簡単な結合および分離を許容するため、ハウジングは、螺子108でベースに固定される引き上げ式の蓋を含む。螺子108の螺脱は、ハウジングの内部、したがって、コネクター100へのアクセスを許容する。
【0095】
図13を参照して、これから、頭皮から胸領域まで第一セブンルーメンチューブを皮下にトンネリングするための外科的な導入装置が示される。導入装置は、その近位端のハンドル、その遠位端に取り付けられる擬似雄型コネクター部118を有する、変形可能で柔軟な一本の材料122を含む。
【0096】
擬似雄型コネクター部118は、ニードル47を含まず、セブンルーメンチューブ16に結合されていないことを除き、図4ないし図6に関連して上述した雄型コネクター部18に類似している。擬似雄型コネクター部118は、したがって、図7および図8に関連して記述されたタイプの雌型コネクター部8に物理的に取り付けられることを許容する、回転可能な円筒状部分および整列用の突起を含む。しかしながら、雌型コネクター部8を擬似雄型コネクター部118に取り付けることは、雌型コネクター部8のゴム栓によって提供される流体シールを壊さない。
【0097】
擬似雌型コネクター部120が、また、提供される。擬似雌型コネクター部120は、擬似雄型コネクター部118と係合する螺子、擬似雄型コネクター部118の整列用突起を受容するための孔を有する。擬似雄型コネクター部118の遠位端は円錐形状とされている。
【0098】
導入装置は次の方法で使用される。最初に、切開部が対象の頭皮に形成され、カテーテルおよび埋め込まれ得る流体ルーター等が、要求に応じて埋め込まれるのを許容する。切開部は、それから、対象の胸に形成される。擬似雌型コネクター部120が、導入装置の擬似雄型コネクター部118に取り付けられる。導入装置がそれから胸の切開部に挿入され、頭皮の切開部に向け上方に押し進められる。一度、導入装置の遠位端が頭皮の切開部を通って対象から出ると、擬似雌型コネクター部120は、擬似雄型コネクター部118から外される。薬剤供給装置の第一部分2の雌型コネクター部8が、それから擬似雄型コネクター部118に結合され、導入装置は、胸の切開部を通して引き戻される。この引き戻しは、雌型コネクター部8および取り付けられた第一のセブンルーメンチューブを、頭皮から胸に引く。擬似雄型コネクター部118は、それから雌型コネクター部8から分離されることができ、雄型および雌型コネクターが結合されて、ハウジング36内に位置されるコネクター100を形成する。
【0099】
一度埋め込まれると、上述したモジュール式装置は、多種多様な異なる処置のために使用され得る。図14を参照して、脳への伝達促進供給のための多くの潜在用途が提供される。特に、薬剤のタイプと、そのような薬剤を供給するために求められる0.2mmmの外径のカテーテルの本数が示される。ある環境においては、供給計画は、連続的な供給を要求し、しかし一方で、他の処置は、パルス(ボーラス)供給を要求する。図14のリストは、決して完全でないことが留意されるべきである。当業者は、上述したタイプの装置が使用される多くの適用を認識する。
【0100】
上述の装置は、特に、七本のカテーテルを通した脳への薬剤の供給を記述する。これらの態様はこの発明の本質的な要素ではないことが再び留意されるべきである。特に中枢神経系に薬剤を供給するのに適しているにもかかわらず、上述の装置は、人間または動物のいずれかの部分にいずれかのタイプの流体を供給するために使用され得る。さらに、装置は、外部ポンプから内部に埋め込まれたカテーテルへのいくつかの流体通路を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】モジュラー式薬剤供給装置を示す図である。
【図2】対象に埋め込まれた図1の装置を示す図である。
【図3】図2の対象の頭の展開図を説明する図である。
【図4】雄型のコネクター部に沿った断面図である。
【図5】図4の雄型のコネクター部の横断面図である。
【図6】図4および図5に示されるタイプのコネクター部の分解組立図である。
【図7】雌型のコネクター部に沿った断面図である。
【図8】図7に示されるタイプのコネクター部の分解組立図である。
【図9】図7および図8の雌型コネクター部に結合される図4ないし図6の雄型コネクター部を示す図である。
【図10】コネクターを保持する埋め込み型ハウジングの切断平面図である。
【図11】図10のハウジングの横断面図である。
【図12】図10および図11のハウジングの外形を示す図である。
【図13】導入器を示す図である。
【図14】図1ないし図12の装置を用いて供給される種々の薬剤のリストを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端部を有する一本の第一の埋め込み型チューブ、一本の埋め込み型の第一チューブの第一端部に結合される第一流体コネクター部であって、相補的な第二流体コネクター部に着脱自在に結合される第一流体コネクター部、および、第一流体コネクター部を収容するための埋め込み型ハウジングを含む流体供給装置であって、埋め込み型ハウジングは、第一流体コネクター部へのアクセスを提供するために開放可能であることを特徴とする流体供給装置。
【請求項2】
請求項1の装置であって、埋め込み型ハウジングが、第一流体コネクター部がアクセスされる開口を有する本体部、および、開口を閉鎖するカバーを有することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2の装置であって、カバーがヒンジにより本体部に取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項2の装置であって、カバーが螺子により本体部に取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの装置であって、埋め込み型ハウジングが、閉鎖されると、第一流体コネクター部を保護することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかの装置であって、埋め込み型ハウジングが、上述の一本の第一チューブの巻き部分を収容するための空所を画成することを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかの装置であって、第一流体コネクター部が相補的な第二流体コネクター部から外されたとき、一本の第一チューブの第一端部から流体が流出するのを防止するシールメンバーを含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかの装置であって、第一流体コネクター部が、相補的な第二流体コネクター部と実質的に無菌の流体結合を提供するよう配置されていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかの装置であって、埋め込み型のハウジングが、胴体内での皮下埋め込みのために構成されていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかの装置であって、一本の第一チューブが、保護シースに囲まれた一つまたはそれ以上のシングルルーメンチューブの束を含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかの装置であって、一本の第一チューブが、N本のルーメンを含み、Nが少なくとも2に等しいことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11の装置であって、第一流体ルーターが、一本の第一チユーブの第二端部に取り付けられ、第一流体ルーターは、一本の第一チューブのN本のルーメンの各々とN個の出力ポートとの間の流体連通を確立するように配置されることを含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12の装置であって、各々のカテーテルが第一流体ルーターの一つの出力ポートと流体連通にあるN本のカテーテルを含むことを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13の装置であって、各々のカテーテルが中枢神経系に流体を供給するのに適していることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項12から14のいずれかの装置であって、第一流体ルーターが、頭蓋骨に装架可能であることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかの装置であって、第一流体コネクター部が、複数のチャンバーを含み、各々のチャンバーは、針が通されるセプタムシールを含むことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかの装置であって、第一端部を有する一本の第二チューブ、および、一本の第二チューブの第一端部に取り付けられる第二流体コネクター部を含み、第二流体コネクター部は、第一流体コネクター部に着脱自在に結合されることを含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17の装置であって、第二流体コネクター部が、一つまたはそれ以上の中空の針を含むことを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項17から18のいずれかの装置であって、一本の第二チューブが、保護シース内に収容された一つまたはそれ以上のシングルルーメンチューブの束を含むことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項17から19のいずれかの装置であって、一本の第二チューブが、M個のルーメンを含み、Mは少なくとも2に等しいことを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項20の装置であって、第二流体ルーターが、一本の第二チューブの第二端部に取り付けられ、第二流体ルーターは、一本の第二チューブのM個のルーメンの各々とM個のインプットポートとの間の流体連通を確立するよう配置されることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21の装置であって、第二流体ルーターのM個のインプットポートの何れか一つまたはそれ以上に流体をポンプ輸送するための外部ポンプアセンブリを含むことを特徴とする装置。
【請求項23】
第一および第二端部を有するチューブを含む埋め込み型の装置であって、第一端部は、それに結合される第一流体コネクター部を有し、第二端部は、対象の脳へ流体を供給するための一つまたはそれ以上のカテーテルに結合され、流体コネクター部は、外部のポンプアセンブリから流体を受け取るように配置され、上述のチューブは、流体コネクター部が、対象の胴体内に埋め込まれるのを可能にするため十分に長いことを特徴とする装置。
【請求項24】
薬剤の供給方法であって、(i)モジュラー式の流体供給装置の第一部分が、第一端部および第二端部を有する一本の第一チューブを含み、第一端部が、それに取り付けられた第一流体コネクター部を有し、および、第二端部が、対象内の一つまたはそれ以上の解剖学的位置に流体を供給するために埋め込まれた一つまたはそれ以上のカテーテルに結合される、埋め込まれたモジュラー式の流体供給装置の第一部分を有する対象を選択する工程、(ii)第二部分が、第二流体コネクター部を含む第三端部を有する一本の第二チューブを含む、モジュラー式の流体供給装置の第二部分を選択し、モジュラー式の流体供給装置の第一部分の第一流体コネクター部へのアクセスを得るために対象に切開部を形成し、上述の第一流体コネクター部を上述の第二流体コネクター部に結合することの工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24の方法であって、モジュラー式の流体供給装置の第一および第二部分を通して、埋め込まれた一つまたはそれ以上のカテーテルに流体をポンプ輸送する工程(iii)を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25の方法であって、第二流体コネクター部から第一流体コネクター部を取り外し、完全に、対象からモジュラー式の流体供給装置の第二部分を引き出す、さらなる工程(iv)を含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26の方法であって、工程(ii)から(iv)が、複数回、順に繰り返されることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項24の方法であって、工程(i)が、対象にモジュラー式の流体供給装置の第一部分を埋め込むことを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28の方法であって、工程(i)が、対象の脳に複数本のカテーテルを埋め込む工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項1】
第一端部を有する一本の第一の埋め込み型チューブ、一本の埋め込み型の第一チューブの第一端部に結合される第一流体コネクター部であって、相補的な第二流体コネクター部に着脱自在に結合される第一流体コネクター部、および、第一流体コネクター部を収容するための埋め込み型ハウジングを含む流体供給装置であって、埋め込み型ハウジングは、第一流体コネクター部へのアクセスを提供するために開放可能であることを特徴とする流体供給装置。
【請求項2】
請求項1の装置であって、埋め込み型ハウジングが、第一流体コネクター部がアクセスされる開口を有する本体部、および、開口を閉鎖するカバーを有することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2の装置であって、カバーがヒンジにより本体部に取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項2の装置であって、カバーが螺子により本体部に取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの装置であって、埋め込み型ハウジングが、閉鎖されると、第一流体コネクター部を保護することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかの装置であって、埋め込み型ハウジングが、上述の一本の第一チューブの巻き部分を収容するための空所を画成することを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかの装置であって、第一流体コネクター部が相補的な第二流体コネクター部から外されたとき、一本の第一チューブの第一端部から流体が流出するのを防止するシールメンバーを含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかの装置であって、第一流体コネクター部が、相補的な第二流体コネクター部と実質的に無菌の流体結合を提供するよう配置されていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかの装置であって、埋め込み型のハウジングが、胴体内での皮下埋め込みのために構成されていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかの装置であって、一本の第一チューブが、保護シースに囲まれた一つまたはそれ以上のシングルルーメンチューブの束を含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかの装置であって、一本の第一チューブが、N本のルーメンを含み、Nが少なくとも2に等しいことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11の装置であって、第一流体ルーターが、一本の第一チユーブの第二端部に取り付けられ、第一流体ルーターは、一本の第一チューブのN本のルーメンの各々とN個の出力ポートとの間の流体連通を確立するように配置されることを含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12の装置であって、各々のカテーテルが第一流体ルーターの一つの出力ポートと流体連通にあるN本のカテーテルを含むことを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13の装置であって、各々のカテーテルが中枢神経系に流体を供給するのに適していることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項12から14のいずれかの装置であって、第一流体ルーターが、頭蓋骨に装架可能であることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかの装置であって、第一流体コネクター部が、複数のチャンバーを含み、各々のチャンバーは、針が通されるセプタムシールを含むことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかの装置であって、第一端部を有する一本の第二チューブ、および、一本の第二チューブの第一端部に取り付けられる第二流体コネクター部を含み、第二流体コネクター部は、第一流体コネクター部に着脱自在に結合されることを含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17の装置であって、第二流体コネクター部が、一つまたはそれ以上の中空の針を含むことを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項17から18のいずれかの装置であって、一本の第二チューブが、保護シース内に収容された一つまたはそれ以上のシングルルーメンチューブの束を含むことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項17から19のいずれかの装置であって、一本の第二チューブが、M個のルーメンを含み、Mは少なくとも2に等しいことを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項20の装置であって、第二流体ルーターが、一本の第二チューブの第二端部に取り付けられ、第二流体ルーターは、一本の第二チューブのM個のルーメンの各々とM個のインプットポートとの間の流体連通を確立するよう配置されることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21の装置であって、第二流体ルーターのM個のインプットポートの何れか一つまたはそれ以上に流体をポンプ輸送するための外部ポンプアセンブリを含むことを特徴とする装置。
【請求項23】
第一および第二端部を有するチューブを含む埋め込み型の装置であって、第一端部は、それに結合される第一流体コネクター部を有し、第二端部は、対象の脳へ流体を供給するための一つまたはそれ以上のカテーテルに結合され、流体コネクター部は、外部のポンプアセンブリから流体を受け取るように配置され、上述のチューブは、流体コネクター部が、対象の胴体内に埋め込まれるのを可能にするため十分に長いことを特徴とする装置。
【請求項24】
薬剤の供給方法であって、(i)モジュラー式の流体供給装置の第一部分が、第一端部および第二端部を有する一本の第一チューブを含み、第一端部が、それに取り付けられた第一流体コネクター部を有し、および、第二端部が、対象内の一つまたはそれ以上の解剖学的位置に流体を供給するために埋め込まれた一つまたはそれ以上のカテーテルに結合される、埋め込まれたモジュラー式の流体供給装置の第一部分を有する対象を選択する工程、(ii)第二部分が、第二流体コネクター部を含む第三端部を有する一本の第二チューブを含む、モジュラー式の流体供給装置の第二部分を選択し、モジュラー式の流体供給装置の第一部分の第一流体コネクター部へのアクセスを得るために対象に切開部を形成し、上述の第一流体コネクター部を上述の第二流体コネクター部に結合することの工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24の方法であって、モジュラー式の流体供給装置の第一および第二部分を通して、埋め込まれた一つまたはそれ以上のカテーテルに流体をポンプ輸送する工程(iii)を含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25の方法であって、第二流体コネクター部から第一流体コネクター部を取り外し、完全に、対象からモジュラー式の流体供給装置の第二部分を引き出す、さらなる工程(iv)を含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26の方法であって、工程(ii)から(iv)が、複数回、順に繰り返されることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項24の方法であって、工程(i)が、対象にモジュラー式の流体供給装置の第一部分を埋め込むことを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28の方法であって、工程(i)が、対象の脳に複数本のカテーテルを埋め込む工程を含むことを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−529936(P2009−529936A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558885(P2008−558885)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000850
【国際公開番号】WO2007/104953
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(391002306)レニショウ パブリック リミテッド カンパニー (166)
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000850
【国際公開番号】WO2007/104953
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(391002306)レニショウ パブリック リミテッド カンパニー (166)
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
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