説明

流体内の汚染物質を遠隔モニタするためのシステム及び方法

配管ライン中の汚染物質をモニタするシステム(10)及び方法であって、該システムは、配管ライン内に伸長し、当該配管ライン内の汚染物質の代表的な量がその後に計測できることを確かなものとするように、配管ライン内の流体をサンプリングするプローブを含んでいる。分析装置は、プローブからサンプル流体を受け取り、サンプル流体を光源(31)で照射し、この照射されたサンプル流体内の汚染物質粒子からのあらゆる散乱光を集光する。検出器(34)は、前記分析装置から散乱光を受け取り、この散乱光を汚染物質の粒子サイズに比例した電気信号に変換する。処理装置(35)は、前記検出器から電気信号を受け取り、この電気信号を汚染物質粒子に関連したデジタルデータに変換し、表示および評価のために、少なくとも1つのデジタルデータ処理装置に対して、デジタルデータをイーサネット接続上で伝達し、或いは、無線信号(24,25)を配信のために通信ネットワークに伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔モニタシステム、特に、プロセス配管ライン中の汚染レベルを遠隔で監視(モニタ:monitor)するために設計された光学的なモニタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、商業的に入手可能なガスタービンや、産業上のプロセスに関連して使用されるその他の重要な気体(ガス:gas)又は流体の流れ(フロー:flow)システムは、固形の汚染物質(例えば、粒状物質),液状の汚染物質および/または液体の煙霧物質(液体エーロゾル:liquid aerosol)などのような、プロセス流体のフロー内に存在する汚染に対して、極度に敏感である。
一つの例として、固形の汚染物質は、回転する構成部品を摩耗させ、熱交換器を汚し、冷却液を汚染し、処理装置を詰まらせるように作用し得るだけでなく、製品の品質および数々の他のプロセス上の問題や装置の問題に影響を及ぼす。一方、液状の汚染物質は、時間と共に蓄積または融合することができ、量が増大しながら、配管ライン(パイプライン:pipeline)の側部および底部に沿って移動することができ、流体フローの効率に影響を及ぼす。同様に、液体のエーロゾル又は液滴も、量は少ないけれども、時間と共に同様に蓄積または堆積することができ、流体フローシステムにおける下流側の機器に損傷を及ぼすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような汚染の発生を最小に止めるために、これら流体フローシステムに関連して、濾過および分離装置が採用されており、その結果、流体フローシステム内に存在する汚染物質は除去される。現在では、殆どの製造業者は、自身の処理(プロセス:process)ガス・フローシステムのための清浄さの要求仕様を開発している。
かかる要求に適応するために、現代のフィルタ(filter)やセパレータ(separator)は、粒状の汚染物質を高い効率で除去するように設計されてきた。しかしながら、液状の汚染物質あるいは液体のエーロゾルについての問題は残っている。しかも、適材の汚染物質の適切な除去をもたらす濾過および分離装置の選定は、難題である。
【0004】
特に、異なる用途に関連して異なる汚染物質を取り扱うための濾過および分離装置が、利用可能である。その結果、流体フロー内の汚染物質およびその特性についての知識がなければ、不適切な濾過および分離装置が、選定され購入され、その後、取り付けられることになる。最適の、或いは少なくとも適切な濾過および分離装置の採用の失敗は、多くの場合、汚染物質の不適当な除去に繋がり、下流側の機器の損傷をもたらし製品の品質に有害な影響を及ぼす。更に、汚染物質の不十分な除去に起因する粗末な性能の結果、システムの運転コストが著しく上昇し得る。
【0005】
たとえ適切なフィルタ及びセパレータが使用されるにしても、流体システム内の汚染物質が適切に制御されることを確かなものとするためには、更なる確証ステップ(step)が必要とされるかも知れない。今日では、エネルギ産業の配管ライン内の流体フロー汚染物質の殆どの試験は、その後に行う離れた場所での分析(offsite analysis)のために、流体フローの試料(サンプル:sample)を収集することによって達成される。
しかしながら、多くの場合、特に、サンプルが等速で(isokinetically)採取できないときには、実質的に的確なサンプルは手に入らないかも知れない。換言すれば、もし、採取システム(サンプリング・システム:sampling system)内への流体の流入が、加圧された処理流体フロー内の流体フローと同様の速度および運動エネルギを呈さなければ、流体フロー内の汚染物質の正確な代表(レプリゼンテーション:representation)が収集できないことになる。更に、現在では、収集されたサンプルは、第三者研究機関へ郵送されるか移送され、そこで、サンプルは測定および分析されるのを待つことになる。この間に、サンプルが変化し、汚染物質はサンプル容器に紛れてしまうことがしばしばである。
【0006】
しかも、配管ライン内の汚染レベルは、突然に、また、非常に急速に上昇することが度々ある。例えば、エーロゾル粒子は、高価な機器に対する損傷を回避するのに間に合うように検出されることなく、急速に蓄積して危険な水準(レベル:level)に達することがある。現行の汚染物質粒子の検出器は、典型的には、配管ライン中のエーロゾル汚染物質を遠隔で且つ継続的に監視(モニタ:monitor)し、汚染物質の粒子が特定の閾値レベルに達したことについて迅速な報知および警報を発する能力を欠いている。以下において、汚染物質の粒子または「粒子」への言及は、液体,固体およびエーロゾル粒子を含み得るものであることが、理解されるべきである。
【0007】
従って、流体フロー中の汚染物質粒子のレベルを遠隔で且つ継続して監視することができ、或る閾値に達したことについて警報を発することできるシステムに対する需要が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、或る一つの実施形態において、配管ライン内の流体フロー中の汚染物質レベルを計測し、流体フロー中の汚染物質に関係するデータ(data)を生成するモニタ装置(モニタ:monitor)を含むことができる遠隔式の汚染物質監視システムを提供している。このシステムは、また、前記モニタ装置と通信する遠隔配置されたデータ処理装置(データプロセッサ:data processor)を含み、評価のためにモニタ装置からデータを受信する。評価されたデータを受信するために、第2のデータ処理装置を、前記遠隔配置されたデータ処理装置と通信して、更に設けることができる。或る実施形態では、この第2のデータ処理装置はモニタ装置と通信することができる。
【0009】
今一つの実施形態において、本発明は、通信ネットワーク(コミュニケーション・ネットワーク:communication network)に繋がり、データの更新情報や通知を受信するように構成された、少なくとも一つのデータ処理装置を含むことができる遠隔式の汚染物質監視システムを提供している。このシステムは、また、配管ライン内の流体フロー中の汚染レベルを継続的に監視し、流体フロー中の汚染物質に関係するデジタルデータ(digital data)を通信ネットワークにのせて配信するために、少なくとも一つの汚染物質モニタ装置(contaminant monitor)を含むこともできる。
遠隔配置されたデジタルデータ処理装置が、汚染物質モニタ装置と通信することができ、また、通信ネットワークを介して、少なくとも一つのデジタルデータ処理装置と通信することができる。前記遠隔配置されたデジタルデータ処理装置は、通信ネットワークからデジタルデータにアクセス(access)することができ、また、デジタルデータに関係したデータの更新情報や通知を、通信ネットワークを介して少なくとも一つのデジタルデータ処理装置に伝送することができる。
【0010】
更なる実施形態において、本発明は、配管ライン中の液体エーロゾル汚染物質を遠隔で監視するために、配管ライン汚染物質モニタ装置を提供している。この配管ライン汚染物質モニタ装置は、配管ライン内に伸長する探針子(プローブ:prove)を含むことができ、このプローブは、配管ライン中の流体を等速でサンプリング(isokinetically sampling)し、配管ライン内の汚染物質の代表的な量(representative amount)がその後に計測され得ることを確かなものとする。
配管ライン汚染物質モニタ装置は、また、サンプルとして採取された流体(サンプル流体:sampled fluid)をプローブから受け取り、このサンプル流体を光源で照射し、照射されたサンプル流体中の汚染物質粒子からの散乱光を集光することができる、分析装置(アナライザ:analyzer)を含むことができる。
配管ライン汚染物質モニタ装置は、また、前記散乱光を分析装置から受け取り、この散乱光を電気信号、或る実施形態では汚染物質の粒子サイズ(particle size)に比例した電気信号、に変換することができる、少なくとも一つの検出器(ディテクタ:detector)を含むこともできる。配管ライン汚染物質モニタ装置は、更に、前記検出器から電気信号を受け取り、この電気信号を、例えば粒子分布や粒子サイズなど、汚染物質粒子に関係したデジタルデータに変換する、処理装置(プロセッサ:processor)を含むことができる。この処理装置は、その後、デジタルデータを通信ネットワークに伝送し、表示および評価のために、少なくとも一つのデジタルデータ処理装置に配信することができる。
【0011】
別の実施形態においては、本発明は、配管ライン汚染物質モニタ装置と共に用いる分析装置を提供している。この分析装置は、入口部と、出口部と、両者間の通路と、を有するフローセル(flow cell)を含むことができる。或る実施形態では、フローセルは光透過性(transparent)であり得る。フローセルは、入口部でプローブからのサンプル流体を受け取ることができ、そして、前記通路を通ってこのサンプル流体を出口部から出るように指向させることができる。フローセル内の前記通路は、採取空間(スペース:space)としての役割を果たすことができる。フローセルは、例えば、石英,ガラス,プラスチック,サファイア(sapphire)など、様々な光透過材料で製作することができる。
分析装置は、また、サンプル流体を容れた前記通路の一部分に集束した光ビーム(beam)を伝播させ、その結果、汚染物質の粒子が集束したビームと触れることによって照らし出されたときに、散乱光が発生することができるために、例えばレーザ・ダイオード(laser diode)のような光源を含むことができる。分析装置は、散乱光を集光し、その散乱光を、更なる処理のために光電子倍増管(フォトマルチプライア:photomultiplier)などの検出器に伝送するために、集光レンズ組立体(collection lens assembly)を含むことができる。
【0012】
今一つの実施形態においては、本発明は、配管ライン内の汚染物質を監視する方法を提供している。この方法は、1)配管ライン中の流体を等速でサンプリングし、配管ライン内の汚染物質の代表的な量がその後に計測され得ることを確かなものとするために、配管ライン内にプローブを挿入すること、2)配管ライン中の流体を等速でサンプリングすること、3)採取された流体を光源で照射すること、4)照射されたサンプル流体内の粒子からの散乱光を集光すること、5)この散乱光を、汚染物質の粒子サイズに比例し得る電気信号に変換すること、6)この電気信号を、汚染物質粒子に関係したデジタルデータに変換すること、及び7)このデジタルデータを、表示および評価のために、通信ネットワークを介して少なくとも一つのデジタルデータ処理装置に配信すること、を含んでいる。
【0013】
別の実施形態においては、本発明は、配管ラインの汚染物質モニタ装置を提供しており、このモニタ装置は、1)配管ライン中の流体を等速でサンプリングし、配管ライン内のエーロゾル汚染物質の代表的な量がその後に計測され得ることを確かなものとするために、配管ライン内に伸長するプローブと、2)入口部と出口部と両者間の通路とを有する石英製のフローセルであって、サンプル流体が、入口部で受け取られ、前記通路を通って出口部から出るように指向させられるフローセルと、3)サンプル流体を容れた前記通路の一部分に集束した光ビームを伝播させ、その結果、汚染物質の粒子が集束したビームと触れるときに、散乱光が発生することができるために、レーザ・ダイオードなどの光源と、4)散乱光を集光し、その散乱光を、更なる処理のために検出器に伝送する集光レンズと、を含むことができる。
【0014】
また、更に別の実施形態においては、本発明は、配管ライン内の流体を非等速で(non-isokinetically)サンプリングすることができる配管ラインの汚染物質モニタ装置を提供している。配管ライン内の流体の一定した非等速でのサンプリングは、ある種の流体の流れ(ストリーム:stream)をモニタする必要がある場合に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステム構成の全体図である。
【図2】本発明の或る実施形態に係る流体フロー中の汚染物質を監視するアッセンブリの機能的な構成部品を示す説明図である。
【図3】図2のシステムと結び付いて使用されるサブアッセンブリの説明図である。
【図4】図2のシステムと結び付いて使用されるサブアッセンブリの説明図である。
【図5】図2のシステムと結び付いて使用されるサブアッセンブリの説明図である。
【図6】図2のアッセンブリ内で一旦処理された汚染物質サンプルの配置に対する様々のオプションを示す説明図である。と結び付いて使用されるサブアッセンブリの説明図である。
【図7】図2のアッセンブリの物理的な部品,接続および配列の実施形態を示す説明図である。
【図8】本発明の或る実施形態と結び付いて使用されるプローブの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概して言えば、また、図1を参照すれば、本発明は、一つの実施形態において、例えば配管ライン11等の流体フローシステム内の、例えば液体エーロゾル粒子のような汚染物質を遠隔でモニタするのに用いるシステム10を提供している。配管ライン11内の流体フローは、或る一つの実施形態では、高圧の流体フローであるかも知れない。この代わりに、配管ライン11内の流体フローが、低圧の流体フローであってもよい。
システム10の全体構成は、クライアント・サーバ・アーキテクチュァ(client-server architecture)内に構成され得る複数のデジタルデータ処理装置を含むことができる。例えば、中央サーバ(セントラル・サーバ:central server)23のようなデジタルデータ処理装置が、例えば、インターネット(Internet),ワイヤレス・ネットワーク(wireless network),ランドライン(landline)等のネットワーク22を通じて、例えばクライアント・サーバ20及び汚染物質モニタ装置101に繋がる(リンクする:link)ことができる。この代わりに、中央サーバ23が、衛星(サテライト:satellite)システム102を介して、クライアント・サーバ20及び汚染物質モニタ装置101にリンクすることができる。他の設計および構造も、もちろん可能であろう。
【0017】
或る実施形態では、汚染物質モニタ装置101は、配管ライン11中の流体フロー12内の汚染レベルを継続的にモニタするように設計することができる。流体フロー12内の汚染物質は、液体エーロゾル,液体ミスト(mist),固形粒子、或いは炭化水素凝縮液の煙霧物質(エーロゾル)を含むことができ、大きさ(サイズ:size)も変動し得る。例えば、液体エーロゾルの粒子は、大略0.1ミクロン(micron)から約10ミクロンの範囲で、その大きさが変動する。また、液体ミストの粒子は、大略11ミクロンから約100ミクロンの範囲で、その大きさが変動する。
一方、配管ライン11内の流体フロー12は、液体または気体であってもよく、或いは、液体成分と気体成分の両方を有していてもよい。例えば、或る実施形態では、流体フロー12は、高圧下にある濃厚な天然ガスであってもよい。
【0018】
典型的には、濃厚な天然ガスの流れ(ストリーム)は、圧力および温度の変化に曝されると、液状の形態に凝縮することができる。液体フロー中では、水および炭化水素成分を含み得るこれら凝縮粒子は、約0.1から10ミクロンの範囲で変動するエーロゾル粒子として存在することができる。これらエーロゾルは揮発性であるので、圧力および温度の僅かな変化で蒸発し凝縮することができる。或る実施形態では、汚染物質モニタ装置101は、汚染物質のエーロゾルを、それらが配管ライン11内に存在する状態で、配管ラインの圧力下および温度下で、採取して測定することができる。高圧とは、大気圧を越える圧力であれば、如何なる圧力であってもよい。例えば、或る実施形態では、配管ライン11中の流体フロー12が、2000PSI(ポンド・パー・スクェア・インチ:pounds per square inch);つまり1平方インチ当たり2000ポンドに加圧される。
【0019】
汚染物質モニタ装置101は、また、ネットワーク22を介して、配管ライン11から遠隔配置された中央サーバ23に、データの更新情報や警報通知を送るように設計することもできる。そのために、もし汚染レベルが所定の閾値を越える場合には、汚染物質モニタ装置101は、クライアント・サーバ20に、及び中央サーバ23にも同時に、報知することができる。別の実施形態では、汚染物質モニタ装置101は中央サーバ23のみに報知でき、その後に中央サーバ23がクライアント・サーバ20に報知する。
どちらの実施形態においても、中央サーバ23は、汚染物質モニタ装置101及びそのデータに対し、例えば、制限されない継続的なアクセスを有することができる。中央サーバ23は、また、例えば配管ライン11についての問題を解決または診断するために、参照および比較の目的で、流体フローの汚染物質に関連したデータをデータ格納部103に格納することができる。
【0020】
更に、前記システム10は、汚染レベルが所定の閾値を越える場合に発生されるべき報知警報を与えることができる。前記所定の閾値は、用途(アプリケーション)によって異なるレベルに設定できることに、留意すべきである。警報は、ワイヤレス装置24,25を介して、中央サーバ・サイト(site)からクライアント・サーバ・サイトへ伝送される。ワイヤレス装置の例には、携帯無線電話(セルフォン:cell phone),手持ち式の(ハンドヘルド:hand-held)PDA,ラップトップ式の(laptop)コンピュータなどが含まれる。
【0021】
或る実施形態では、システム10は、流体フロー12を有する配管ライン11内に、例えば弁(バルブ:valve)などのアクセスポイント(access point)を通して挿入することができるプローブ13を含んでいる。或る実施形態では、プローブ13は、例えばエーロゾル粒子のような、流体フロー12中の気体要素(gaseous element)を等速サンプリングするように、設計することができる。
換言すれば、プローブ13は、配管ライン11内の流体フローが呈する流体の速度および圧力と実質的に同様の速度および圧力で、流体サンプルを収集する。等速サンプリング法は、配管ライン11に沿った汚染レベルを代表する汚染レベルで、サンプルが収集されることを確かなものとする。一旦収集されると、流体サンプルは、プローブ13によって汚染物質モニタ装置101内へ指向させられる。
【0022】
別の実施形態では、プローブ13は、配管ライン11内の流体フロー12の気体要素を、非等速でサンプリングするように設計することができる。例えば、プローブ13は、配管ライン11内の流体フローが呈する流体の速度および圧力とは異なった速度および圧力で、流体サンプルを収集することができる。
配管ライン内の流体の定常的な非等速サンプリング(constant non-isokinetic sampling)は、様々なタイプの流体ストリームをモニタする必要がある場合、或いは、相対的なデータの比較を行うために利用されることができる。利用されるサンプリング法に拘わらず、流体サンプルは、プローブ13によって汚染物質モニタ装置101内へ指向させられる。
【0023】
図1に示されるように、汚染物質モニタ装置101は、或る実施形態では、分析装置15,光ファイバケーブル16及び処理装置アッセンブリ17の、3つのサブアッセンブリを含むことができる。この構成は、汚染物質モニタ装置101の単なる一例である。当業者であれば、サブアッセンブリ15,16及び17が単一のアッセンブリ・ユニットに組み合わせ可能であること、若しくは、複数のアッセンブリに製作され得ることを、理解することであろう。
或る実施形態においては、汚染物質モニタ装置101及び/又はそのサブアッセンブリ15,16及び17は、一つのハウジング(housing)内にすっぽり容れることができる。用途に応じて、ハウジング(不図示)は、例えば、クラス1(class 1),デビジョン1又は2(division 1 or 2)の防爆仕様のハウジングとすることができる。
【0024】
図2を参照すれば、或る実施形態においては、モニタ装置101の分析装置15は、フローセル27を含み得る。或る実施形態においては、フローセル27は光透明性であってもよい。フローセル27は、入口部28と、出口部30と、両者間に配置された通路29と、を備えている。フローセル27は、入口部28で、プローブ13から収集された流体を受け取り、流体は、通路29を通って進行し、出口部30から出て行くことができる。或る実施形態では、通路29は、汚染物質の粒子を特定するために流体が光源31によって照射され得るサンプリング空間(スペース:space)としての役割を果たすことができる。
【0025】
或る実施形態では、光源31は、集光された光ビーム201を発生させることができる、レーザシステム若しくは他の光源とすることができる。光源31は、集光された光ビーム201を、フローセル27内のサンプル流体26を容れた通路29の一部分に向かって伝播させるように、設計することができ、その結果、サンプル流体26内の汚染物質の粒子が集光された光ビーム201と触れたときに、散乱光が発生させられる。
図3に示された実施形態では、光源31は、例えば、約658ナノメータ(nanometers)の波長および約50mwのパワー(power)で赤外線を放射することができる赤外線レーザ・ダイオード(infrared laser diode)48を含むことができる。レーザ放射線(laser radiation)の波長および出力パワーは、異なる用途(アプリケーション)に対して、チューニング又は調整を許容するように設計できることが理解されるべきである。光源31は、更に、レーザ・ダイオード48から放射されたビーム201を集束させ、実質的にフローセル27の中心部に指向させる、焦点レンズ(focus lens)「49を含むことができる。
ノイズ(noise)を低減するために、集束したレーザビーム201上に空間的なフィルタ(spatial filter)51を備えることができる。或る実施形態では、光源31は、また、1)光源アッセンブリを一緒に保持する鏡筒(レンズチューブ:lens tube)44,2)焦点レンズ49をレンズチューブ44に結合するアダプタ(adaptor)45,及び3)焦点レンズ49を保持するための焦点レンズチューブ46も、含むことができる。
【0026】
或る実施形態では、フローセル27は、光源31を収容するために、管状もしくは矩形形状、又は他の如何なる幾何学形状であってもよく、また、後に続く分析のために、光源31からの光が進行できるように、光に対して比較的透過性とすることができる。この目的で、フローセル27は、石英材料で製作され得る。勿論、ガラス,プラスチック或いはサファイア(sapphire)など、他の好適な材料も用いることができる。
【0027】
図4を参照すれば、フローセル27の位置を保つために、用いられる高圧の気体フロー用に、フローセル組立体(アッセンブリ:assembly)300が設けられてもよい。或る実施形態では、組立体300は、フローセル27が固定されるベース(base)37を含むことができる。或る実施形態では、ベース37は、ベース37は2つの端末ベース371を含み、この両者間にフローセル27が固定されてもよい。
組立体300は、また、2つの端末ベース371を連結し、これら端末ベース371をお互いの方向に引っ張って両者間にフローセル27を固定する、連結ロッド38を備えることができる。或る実施形態では、フローセル27からのサンプル流体の漏洩を防止するために、封止ガスケット・リング39が用いられる。更に、ベース37の端末部の位置を保持するためにアダプタ板42が備えられてもよく、ベース37の端末部をアダプタ板42に固定するために連結ロッド41,43を用いることができる。
組立体300及びその構成部品は、フローセル27を適切な位置に締め付け固定するための組立機構の、単に一つの実施形態に過ぎないことに留意されるべきである。当業者であれば、フローセル27を固定するのに様々な組立機構を用いることができることを理解しよう。
【0028】
図2をなお参照すれば、分析装置15は、集光レンズ組立体33を含むことができる。集光レンズ組立体33は、フローセル27から放射される散乱光を集光するように設計することができ、集光された散乱光を検出器34に指向させることができる。或る実施形態では、散乱光は光ファイバケーブル16を介して、検出器34に指向させられる。勿論、散乱光の検出器34への指向は、光ファイバケーブルの使用を含まない他の既知の機構を用いて達成することもできる。或る実施形態では、検出器34は、処理装置アッセンブリ17内に位置することができる。
図5に示されるように、集光レンズ組立体33は、光フィルタ52,レンズ系(lens system)54及び光ケーブル・アダプタ57を備えることができる。図に示されるように、光フィルタ52は、光源31から入射するレーザビームのような直接光は遮蔽(ブロック:block)し、粒子からの散乱光はフィルタ52を通過できるように設計するようにしてもよい。或る実施形態では、フィルタ52を通過した散乱光は、レンズ系54によって集光することができる。或る実施形態では、レンズ系54は、粒子からの散乱光32を前方へ向かって集光するように設計された、対向する凸レンズを含むことができる。レンズ系は、他の形態、例えば、1つのレンズが2つのレンズ系の特性を有する限り、その1つのレンズを有していてもよい、ことに留意すべきである。
集光された散乱光は、レンズ系54により、光ファイバケーブル16を介して、例えば検出器34のような、光学センサに指向させられる。或る実施形態では、光ファイバケーブルは、検出器の作動にとって最適レベルの感度に、散乱光を低減する働きをすることができる。或る実施形態では、光ファイバケーブル16は、光ケーブル・アダプタ5757によって集光レンズ組立体33に接続されることができる。
集光レンズ組立体33は、また、レンズ系54を収容する調整可能な管状部分(tube portion)53を有することができるレンズチューブ56レンズ系54をその位置に固定するために、レンズ系54を組立体33の調整可能な管状部分53に維持する止め輪(リテイニング・リング:retaining ring)が設けられてもよい。調整可能な管状部分53は、ロック機構(locking mechanism)58によって、その位置がロックされる。勿論、他のアッセンブリ及び機構を用いて、レンズ系54をその位置に固定することもできる。
【0029】
図6を参照すれば、或る実施形態では、モニタ装置101の分析装置15は、また、流速を制御し、サンプル流体26がもはや不要となったときに、そのサンプル流体26を分析装置15が排出させるのに用いることができ解放弁(リリースバルブ:release valve)を備えることができる。分析装置15を出た後、サンプル流体26の廃棄には、幾つかの選択肢(オプション)がある。
或る選択肢においては、サンプル流体26は、高圧のガスポンプ61又はコンプレッサを用いて、高圧で配管ライン11内へ再注入して戻される。今一つの選択肢においては、サンプル流体26は大気60中に放出される。この選択肢は、費用対効果は高いけれども、放出されるサンプルの量が、温室効果ガスの排出要求(greenhouse gas emissions requirement)に適応する必要があるかも知れない。更なる選択肢として、分析されたサンプル流体26を低圧の配管ライン又はフレア・システム(flare system)に向かわせてもよい。
【0030】
図7は、モニタ装置101の組み立てられた分析装置15の一つの実施形態を示している。図に示されるように、光源31,フローセル27,集光レンズ組立体33及び光ファイバケーブル16が、分析装置15内に一列に並んで配置されている。勿論、他の設計のものが用いられてもよい。サブアッセンブリ及び構成部品を支持し保護するために、外側ケース70と結合ロッド71とが設けられてもよい。
【0031】
図2を再び参照すれば、気が付かれるように、モニタ装置101は、処理装置アッセンブリ17も含み得る。今一つの実施形態では、処理装置アッセンブリ17は、分析装置15内の集光レンズ組立体33から散乱光を受光し、その散乱光をデータに変換し、そのデータを通信ネットワーク22に配信して中央サーバ23へ送るように構成することができる。
或る実施形態では、処理装置アッセンブリ17は、検出器34を含むことができる。検出器34は、例えば光ダイオード(フォトダイオード:photodiode),光電子倍増管(フォトマルチプライア・チューブ:photomultiplier tube)若しくは電荷結合素子(charge-coupled device)のような光学センサであってもよい。検出器34は、集光レンズ組立体33から散乱光を受光し、その散乱光を電気信号に変換することができ、この電気信号は、或る実施形態では、サンプル流体26内の汚染物質粒子のサイズに比例するものであってもよい。これを達成するために、様々なアルゴリズム(algorithm)や商業的に入手可能な技術を用いることができる。散乱光の強度は、粒子の寸法とその屈折率によって定まる。かかる情報を用いて、散乱光の強度から粒子サイズを決定することができる。
【0032】
処理装置アッセンブリ17は、検出器34からの電気信号を受信するように設計された処理装置(プロセッサ:processor)も備えることができる。これらの信号は、その後、定量化され、汚染物質粒子に関連したデジタルデータに変換することができる。このデジタルデータは、例えば粒子サイズ,汚染濃度および粒子分布のような情報を含むことができる。或る実施形態では、処理装置35は、表示および評価のために、デジタルデータを、インターネットを含み得る通信ネットワーク22にのせて中央サーバ23へ送ることもできる。
【0033】
或る実施形態では、処理装置35は、例えば、携帯無線電話(セルフォン:cell phone),衛星(サテライト:satellite)通信装置,ラジオ放送信号もしくはイーサネット(Ethernet:登録商標)接続などの無線通信装置202を介して、デジタルデータを中央サーバ23及び/又は通信ネットワーク22に伝送することができる。或る実施形態では、通信装置22は、処理装置アッセンブリ17の一部分であってもよい。この代わりに、通信装置22が、処理装置アッセンブリ17への外部接続(external connection)であってもよい。
【0034】
別の実施形態においては、処理装置35は、システム10の陸上通信線(ランドライン:landline)又はネットワーク接続18,19にのせて、例えばイーサネット・ハブ(hub)のようなラン(LAN)へデジタルデータを送ることができ、前記LANから、インターネット若しくは他の通信ネットワーク22を介して中央サーバ23及び/又はクライアント・サーバ20により、データがアクセス可能となる。
【0035】
更に、システム10は、例えばセルフォン,PDA等の通信装置24,25を備えることができる。例えば汚染レベルが余りにも高い等の緊急の状況では、中央サーバ側でセルフォン24が用いられて、セルフォン25を呼び出し、緊急事態についてクライアント・サーバの職員に警報を発することができる。
【0036】
図8に示された今一つの実施形態80では、流体フロー12は、低圧の気体フロー或いは高圧の気体フローの何れであってもよい。しばしば、気体フロー中では、液体の膜(フィルム:film)81が生成し、配管ライン11の内面83に沿って移動する。プローブ13を配管ライン11の中心部に向かって余りに遠くに伸長させていれば、ガス流体フロー12の適切なサンプリングはもたらされるが、液体膜81は検出されないままである。
配管ライン11内でのプローブ13の適正な位置決めは、プローブ13に、エーロゾル粒子,ミスト粒子、及びガス状流体フロー12によって移動させられるに十分に小さい、或いはガス状流体フロー12内で飛沫同伴させられるに十分に小さい、固体の粒子を、サンプルとして採取できるようにする。多くのタイプの流体フローに対しては、流体フロー12の精確な代表サンプル(representative sample)を得るのに、プローブ13は、配管ライン11内の事実上どこに配置してもよい。
しかしながら、ガス状流体フロー12だけでなく、配管ライン11の内面に沿って移動する液体膜81をもサンプルとして採取するには、プローブ13は配管ライン11内に最小限に伸長させればよい。例えば、プローブ13は配管ライン11内へ伸長させられ、配管ライン11の内面83を越えて(或いは大きく越えて)伸長しないように、位置決めすればよい。後に続く検出と計測のためにガス状流体フロー12と共にプローブ13内へ移動するに十分に小さいミスト粒子およびエーロゾル粒子82と同様に、液体膜81は、配管ライン11の内面83から逃げ落ちることができる。
【0037】
図1及び図2を再び参照すれば、操作(オペレーション:operation)に際して、配管ライン11内の流体フロー12は、プローブ13により、継続的に若しくは周期的に、等速で(isokinetically)サンプル採取することができる。その後、プローブ13は、汚染物質モニタ装置101内の分析装置15にサンプル流体26を指向させることができる。サンプル流体26は、分析装置15に入ると直ぐに、フローセル27を通って指向させられる。サンプル流体26は、入口部28からフローセル27内に入ることができる。サンプル流体26は、フローセル27内の通路29を通って進行するときに、光源31によって発生させられたレーザビーム201を横切り、このレーザビームによって照射される。或る実施形態では、レーザビーム201は、フローセル27の略中心に向けられる。
【0038】
サンプル流体26内の照射された汚染物質粒子は、照射に応答して、光線32に散乱を生じさせ、フローセル27から様々な方向に光を放射させる。或る実施形態では、散乱光の強度は、粒子の寸法および屈折率によって定められることができる。従って、散乱光の強度から粒子サイズを計算することができる。その後、集光レンズ組立体33は、散乱光32を前方に向かって集光させ、光ファイバケーブル16を介して、分析装置15の外部へ、そして、更なる処理のために処理装置アッセンブリ17内に位置する検出器34に、指向させる。また、サンプル流体26は、一旦、出口部30からフローセル27を出ると、もはや不要かもしれず、リリースバルブ36を通って分析装置15から開放することができる。
【0039】
或る実施形態では、検出器34は、光電子倍増管,光ダイオード、又はその両方を備えることができ、また、処理装置アッセンブリ17内に位置することができ、そして、光ファイバケーブル16から散乱光を受光することができる。或る実施形態では、検出器34は、散乱光を、汚染物質粒子のサイズに比例するモジュール方式の電気信号(modular electrical signal)に変換するように働くことができる。その後、検出器34は、その電気信号を、処理装置35に伝送することができる。この処理装置35は、電気信号を定量化して汚染物質粒子に関連したデジタルデータに変換することができるものである。
このデジタルデータは、粒子サイズ,汚染濃度および粒子分布データを含むことができる。また、このデジタルデータは、その後、汚染物質のレベルが、許容可能な閾値レベル以上であるか否かを定めるのに利用することができる。或る実施形態では、0.1ミクロンから100ミクロンの範囲にある粒子サイズを識別することができる。
【0040】
その後、処理装置35は、デジタルデータを、表示および評価用にクライアント・サーバ20へ直接に伝達するために、イーサネット接続またはワイヤレス通信装置を利用して、当該クライアント・サーバ20への接続リンク(link)19を形成することができる。
本発明の或る実施形態では、デジタルデータは、リンク18及びネットワーク22を介して、遠隔に位置する中央サーバ23へ同時に伝送されることができる。デジタルデータのクライアント・サーバ20及び中央サーバ23への伝達に加えて、警報および緊急事態状況の報知も送ることができる。
【0041】
別の実施形態では、汚染物質モニタ装置101とクライアント・サーバ20との間に、直接の通信リンクが無いかも知れない。かかる構造では、デジタルデータは、通信リンク8にのせネットワーク22を横切って中央サーバ23に伝達することができる。その後、中央サーバ23は、デジタルデータを評価して配管ライン11内の汚染レベル決定し、もし必要であれば、インターネット22及び通信リンク21にのせて伝達されたレポートで、クライアント・サーバ20を更新(アップデート:update)することができる。同様に、中央サーバ23は、例えば、汚染物質の閾値レベルが危険なレベルまで上昇すれば、緊急事態状況について、クライアント・サーバ20に報知し警報を発することができる。
【0042】
本発明は、例えば、発電や超音波ガス(気体)計測など、汚染物質に敏感な重要な用途に用いることができる。本発明は、配管ライン内の高い汚染レベルによって下流側の機器が損傷を受ける危険性がある場合について、顧客(customer/client)に徴候を知らせるのに用いることができる。本発明は、また、汚染レベルの更新情報をもたらすだけでなく、汚染レベルに急激な上昇が見られた場合に迅速な警報を発するサービス(service)として、履行することができる。
【0043】
本発明の利点は、複合的な配管ライン中の汚染レベルを、遠隔式で継続的に、また、単一の中央サーバから複数のサイト(site)で、監視(モニタ)することができる能力を含んでいる。本発明の別の利点は、顧客側(顧客サイト)での機器の損傷を防止するために、顧客サイトでの突然の汚染レベルの上昇について迅速に応答し報知する能力である。
【0044】
本発明は、特定の実施形態に関連して説明されたが、なお一層の変更が可能であることが理解されよう。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野の既知または慣用の実施の範囲内での、この開示からの逸脱も含めて、本発明のあらゆる変形,使用もしくは適用を保護するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管ラインからのサンプル流体を光源を用いて照射し、照射されたサンプル流体中の汚染物質粒子からの散乱光を集光する分析装置と、
前記分析装置からの散乱光から電気信号を生成する少なくとも1つの検出器と、
a)前記検出器からの電気信号を、評価のために、汚染物質粒子に関連したデジタルデータに変換し、b)該デジタルデータを、更なる処理のために、通信ネットワークを介して、少なくとも1つのデジタルデータ処理装置に配信する、処理装置と、
を備える、ことを特徴とする配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項2】
前記配管ライン中の流体を等速でサンプリングして、配管ライン内の汚染物質の代表的な量がその後に計測できることを確かなものとするために、配管ライン内に伸長するプローブを更に備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項3】
前記サンプル流体を配管ライン内へ再注入するポンプを更に備えている、ことを特徴とする請求項2に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項4】
前記配管ライン内の流体は高圧のガスフローである、ことを特徴とする請求項2に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項5】
前記配管ライン中の流体を非等速でサンプリングするために配管ライン内に伸長するプローブを更に備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項6】
前記配管ラインの内面に沿って位置する流体をサンプルとして採取するために、当該配管ライン内へ最小限に伸長するプローブを更に備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項7】
前記分析装置は、入口部と出口部と両者間の通路とを有するフローセルを含み、該フローセルは、入口部でサンプル流体を受け取り、該流体が前記光源によって照射されることを許容するために前記通路を通って出口部へ、前記サンプル流体を指向させる、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項8】
前記分析装置は、前記散乱光を集光し、この散乱光を、更なる処理のために検出器に送る、集光レンズを更に備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項9】
前記配管ライン内の流体は高圧の流体フローである、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項10】
前記配管ライン内の流体は低圧の流体フローである、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項11】
前記光源はレーザ・ダイオードである、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項12】
前記検出器は、光電子倍増管,光ダイオード若しくは電荷結合素子である、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項13】
前記デジタルデータは、粒子分布,粒子サイズデータ及び汚染物質濃度を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項14】
前記分析装置は、約0.1ミクロンから約10ミクロンのサイズを有する液体エーロゾルの汚染物質粒子からの散乱光を集光するように設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項15】
前記分析装置は、約11ミクロンから約100ミクロンのサイズを有する液体ミストの汚染物質粒子からの散乱光を集光するように設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項16】
前記分析装置は、液体,エーロゾル及び固体の汚染物質粒子からの散乱光を集光するように設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項17】
前記処理装置は、デジタルデータを、イーサネット接続上で通信ネットワークに伝達するように設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項18】
前記処理装置は、デジタルデータを、ワイヤレス通信ネットワークにのせて伝達するように設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項19】
前記散乱光を検出器34に向かわせる光ファイバケーブルを更に備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項20】
前記光ファイバケーブルは、最適の感度と検出器の作動のためのレベルに、散乱光を低減するように働く、ことを特徴とする請求項19に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項21】
サンプル内の汚染物質粒子から散乱光を生じさせるように、光源を用いて配管ラインからのサンプル流体を照射するステップと、
前記散乱光を、汚染物質粒子のサイズを表す電気信号に変換するステップと、
この電気信号を、汚染物質粒子に関連したデジタルデータに処理するステップと、
このデジタルデータを、評価のために、遠隔に位置するデジタルデータ処理装置へ通信ネットワークを介して伝達するステップと、
を備える、ことを特徴とする配管ライン内の汚染物質モニタ方法。
【請求項22】
配管ライン内の流体を非等速でサンプリングするステップを更に備える、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
配管ライン内の流体を等速でサンプリングするステップを更に備える、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
サンプル流体を配管ライン内へ再注入するステップを更に備えている、ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
サンプル流体を大気中へ放出するステップを更に備えている、ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
参照および比較のために、汚染物質粒子に関連したデータを蓄えるステップを更に備えている、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記照射のステップは、前記配管ライン中の流体を等速でサンプリングして、配管ライン内の汚染物質の代表的な量がその後に計測できることを確かなものとするために、配管ライン内にプローブを挿入することを含んでいる、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記照射のステップは、サンプル流体中の少なくとも1つの汚染物質粒子が、光源からの光に触れて散乱光を生じさせることができるように、前記サンプル流体を、フローセルを通るように指向させることを含んでいる、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項29】
配信のステップは、デジタルデータを、イーサネット接続上で通信ネットワークへ伝達することを含んでいる、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項30】
配信のステップは、デジタルデータを、ワイヤレス通信ネットワーク若しくは放送信号にのせて伝達することを含んでいる、ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項31】
入口部と出口部と両者間の通路とを有するフローセルであって、入口部で配管ラインからのサンプル流体を受け取り、該サンプル流体を、前記通路を通って出口部へ向かうように指向させるフローセルと、
前記サンプル流体を容れた前記通路を横切って光ビームを伝播させ、汚染物質の粒子が集束したビームと触れたときに散乱光を発生させる、光源と、
前記散乱光を集光し、その散乱光を、更なる処理のために検出器に伝送する、集光レンズと、
を備える、ことを特徴とする配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項32】
前記配管ライン中の流体を等速でサンプリングして、配管ライン内の汚染物質の代表的な量がその後に計測できることを確かなものとするために、配管ライン内に伸長するプローブを更に備えている、ことを特徴とする請求項31に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項33】
前記光源はレーザ・ダイオードである、ことを特徴とする請求項31に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項34】
前記集光レンズから受け取った散乱光を、汚染物質の粒子サイズに比例した電気信号に変換する、少なくとも一つの検出器と、
前記検出器から受け取った電気信号からデジタルデータを生成し、このデジタルデータを、表示および評価のために、通信ネットワークを介して少なくとも一つのデジタルデータ処理装置に配信する処理装置と、
を更に備えている、ことを特徴とする請求項31に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項35】
前記処理装置は、前記デジタルデータを、イーサネット接続上で通信ネットワークへ伝達する、ことを特徴とする請求項31に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項36】
前記処理装置は、前記デジタルデータを、ワイヤレス通信ネットワーク若しくは放送信号にのせて伝達する、ことを特徴とする請求項31に記載の配管ラインの汚染物質モニタ装置。
【請求項37】
配管ライン内の流体フロー中の汚染物質レベルを測定し、前記流体フロー内の汚染物質に関連したデータを生成するモニタ装置と、
評価用に前記モニタ装置からデータを受信するために前記モニタ装置と通信する、遠隔配置されたデータ処理装置と、
評価されたデータを受信するために、前記遠隔配置されたデータ処理装置と通信する、第2のデータ処理装置と、
を備える、ことを特徴とする遠隔式汚染物質モニタシステム。
【請求項38】
参照および比較のために、流体フロー内の汚染物質に関連したデジタルデータを格納するデータ格納部を更に備えている、ことを特徴とする請求項37に記載の遠隔式汚染物質モニタシステム。
【請求項39】
前記第2のデータ処理装置は前記モニタ装置と通信するものである、ことを特徴とする請求項37に記載の遠隔式汚染物質モニタシステム。
【請求項40】
前記流体フローは高圧のガスフローである、ことを特徴とする請求項37に記載の遠隔式汚染物質モニタシステム。
【請求項41】
前記汚染物質の粒子は、固体粒子,液体エーロゾル粒子,液体粒子およびミスト粒子の何れか又は全てを含む、ことを特徴とする請求項40に記載の遠隔式汚染物質モニタシステム。
【請求項42】
前記流体フローは高圧の天然ガスフローである、ことを特徴とする請求項37に記載の遠隔式汚染物質モニタシステム。
【請求項43】
前記汚染物質の粒子は、炭化水素凝縮エーロゾルを含む、ことを特徴とする請求項42に記載の遠隔式汚染物質モニタシステム。
【請求項44】
通信ネットワークに繋がり、データの更新情報や通知を受信するように構成された、少なくとも一つのデジタルデータ処理装置と、
配管ライン内の流体フロー中の汚染物質レベルを継続的にモニタし、流体フロー中の汚染物質に関係するデジタルデータを通信ネットワークにのせて配信する、少なくとも一つの汚染物質モニタ装置と、
通信ネットワークを介して、前記汚染物質モニタ装置および前記少なくとも一つのデジタルデータ処理装置と通信する遠隔配置されたデジタルデータ処理装置であって、前記通信ネットワークからデジタルデータにアクセスし、デジタルデータに関係したデータの更新情報や通知を、前記通信ネットワークを介して、前記少なくとも一つのデジタルデータ処理装置に伝達する、デジタルデータ処理装置と、
を備える、ことを特徴とする遠隔式汚染物質モニタシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−531458(P2010−531458A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514718(P2010−514718)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/015138
【国際公開番号】WO2009/002322
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(510002660)ペリー・イクイップメント・コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】PERRY EQUIPMENT CORPORATION
【Fターム(参考)】