説明

流体処理システム用の導電率測定および監視システム

給水ディスペンサーとして用いる逆浸透水ろ過システム。本システムは、流出アセンブリ、マニホールド、および制御ユニットを含んでいてよい。流出アセンブリは、少なくとも1個の状態インジケータおよび電源を含み、給水ディスペンサーに取り付けるべく適合されていてよい。マニホールドは、各種の流入流出チャネルおよび流路を画定するマニホールド・ハウジング、ろ材、および各種のセンサ素子を含んでいてよい。マニホールドは、出口アセンブリから離して取付けることができる。例えば、マニホールドをシンクまたはカウンタの下に取付けてよく、一方、出口アセンブリは住宅用水ろ過システムの一実施形態において蛇口に取付けることができる。制御ユニットは、本システムが入口と生成水流との間の相対導電率に基づいて、ろ材の有効性を判定できるように、内部レシオメトリック・コンパレータを備えたマイクロプロセッサを含んでいてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、水ろ過システムの分野に関する。より具体的には、本開示は、例えば消費者の住宅で用いる逆浸透水ろ過システム等の流体配送および/または処理システム用の導電率測定および監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商用および消費者向け流体配送システム、例えば住宅用に設計された水ろ過システムは広く知られている。特定の例として、水質およびこれに付随する健康問題に対する関心が高まる中で、井戸または水道のいずれから供給されるかによらず、消費者向けろ過システムに対する関心が著しく高まっている。住宅用に設計される水ろ過システム、例えば冷蔵庫用システム、シンク系統、および家全体のシステムを用いて、給水から汚濁物を除去することができる。例えば、かつては冷蔵庫に水ろ過システムを組み込むことは贅沢な機能と考えられていたが、現在では低価格帯の冷蔵庫設計を除いて多くのモデルで標準機能として組み込まれている。
【0003】
いくつかの水ろ過システムは逆浸透ろ過機能を組み込んでいる。一般に、逆浸透システムは、逆浸透膜アセンブリ、制御要素、浄化水出口、および各種の流路を画定する配管/パイピングアセンブリを含んでいる。いくつかの逆浸透システムはさらに圧力タンクを含んでいることにより、より高速且つ即時的な配送速度を可能にする。一般に、入口水源が膜アセンブリへ供給され、そこで浄化水流(一般に透過水と呼ぶ)と濃縮廃水流(一般に濃縮水と呼ぶ)に分けられる。透過水は圧力タンクへ流れて、そこで引き続き純水蛇口を介して取得することができる。濃縮水は、下水管へ直接パイプで送ることができる。配管/パイピングアセンブリおよび純水蛇口における一連のバルブと協働する制御素子は一般に、システムの動作を監視することができ、システムが適切に機能しているか否かを評価すべく各種の監視センサ、例えば、導電率/抵抗力および流量センサを含んでいてよい。
【0004】
逆浸透ろ過システム、例えば、本明細書に記載しているような住宅用逆浸透水ろ過システムは、マニホールド、第1および第2のセンサ素子、出口アセンブリ、および制御ユニットを含んでいてよい。マニホールドは、ハウジング、入口チャネル、および生成チャネルを含んでいてよい。ろ材が入口チャネルおよび生成チャネルとの間の流れに配置されていて、逆浸透メンブランであってよい。第1および第2のセンサ素子は各々、入口および出口チャネル内に配置されていてよく、その場合第1のセンサ素子をろ材の入口側の流れの中に配置し、また第2のセンサ素子を生成側の流れの中に配置されていてよい。出口アセンブリは、少なくとも1個の状態インジケータおよび電源を含んでいてよい。制御ユニットは、マニホールドに取付けて出口アセンブリと電気的に結合していてよく、現在好適である代表的実施形態において、マイクロコントローラ・ポートにおいて第1および第2のセンサ素子と電気的に導通しているレシオメトリック・コンパレータを含むマイクロコントローラを含んでいる。ポートにおける信号は、第1/第2のセンサ素子間の相対導電率に関係する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本明細書に記載している現在好適な代表的実施形態による逆浸透ろ過システムの制御ユニットは、レシオメトリック・コンパレータおよび少なくとも1個の出力ポートを含むマイクロコントローラを備えている。当該制御ユニットはまた、直列に配置された第1のセンサ素子インターフェイスおよび第2のセンサ素子インターフェイスを含んでいて、第1および第2のセンサ素子の間のノードが当該レシオメトリック・コンパレータに電気的に接続可能である。制御ユニットの出力インターフェイスは、マイクロコントローラの少なくとも1個の出力ポートに電気的に接続していてよい。制御ユニットはまた、遠隔電源用のインターフェイスを含んでいてよい。
【0006】
別の態様において、本発明の現在好適な代表的実施形態の一つによる逆浸透ろ過システムの監視方法は、流体流を検知するステップと、入口流体流に配置された第1のセンサ素子を交流電流により励起するステップと、生成流体流に配置された第2のセンサ素子を交流電流により励起するステップと、第1のセンサ素子と第2のセンサ素子との間の電圧を測定するステップとを含んでいる。本方法はさらに、電圧から、入口および生成流体流の相対導電率を決定するステップと、総溶解固体量(TDS)減少率が受容可能な性能基準を満たすか否かを判定するステップと、TDS減少率に基づいてシステム状態インジケータを出力するステップとを含んでいてよい。
【0007】
本開示の各種態様の上記概要は、本開示で例示する各々の実施形態または全ての実装方式の詳細を記述することを意図していない。以下の詳細説明における図面は、特にこれらの現在好適な代表的実施形態を例示するものである。これらは、本開示の他の目的および利点と同様に、現在好適な代表的実施形態の以下のより詳細な説明を添付の図面と合わせて参照することにより、理解が深まろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書において、流体処理システムを通過する前後の流体品質の評価に適した測定システムを記述している。評価は、導電率の相対的な測定値に基づいている。評価に適した流体として、例えば、商用または住宅用水のような水が含まれる。導電率の測定には、電圧測定値、コンパレータおよびタイマーを利用することができる。本測定システムは、逆浸透水処理システム用途に特に適している。
【0009】
逆浸透水処理システムは、商用または住宅用システムであってよい。逆浸透処理システム5の現在好適な代表的実施形態の一つを図1に模式的に示す。住宅用システムは、住居の任意の部分を通る水流全体のろ過すべく、または冷蔵庫等の特定装置で使用すべく設計することができる。いくつかの現在好適な実施形態において、逆浸透処理システム5は、水ディスペンサー6、例えば蛇口、を含んでいてよい。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、水ディスペンサー6は、少なくとも1個の状態インジケータ7および電源8を含む出力アセンブリを備えていてよい。交換可能な電池等の電源8を水ディスペンサー6内にパッケージングすることができる、代替的な実施形態では、電源をマニホールドその他の場所に配置してよく、あるいは住宅用電源に接続している変圧器等の電源への接続で代替することができる。
【0010】
逆浸透処理システム5はさらにマニホールド9を含んでいてよく、現在好適な実施形態の一つにおいて各種の流入流出チャネルまたは流路を画定する。逆浸透ろ材13を含むカートリッジ・フィルタ11をマニホールド9に取り付けて、供給流15をろ過済み透過流17および濃縮廃水19にろ過することができる。本明細書では簡潔明快のため、ろ材という用語が、ろ過に使用する単一種類の媒体または組み合わせて使用する複数の種類の媒体を指す。各種の検知素子、例えば流量センサ、導電率センサ、pHセンサ等を、供給流15、透過流17および濃縮廃水19を通過する流れを検知および測定すべくマニホールド9内に一体的に配置したり、あるいは代替的に、検知素子をマニホールド9から離して配置することができる。現在好適な代表的実施形態のいくつかにおいて、マニホールド9は水ディスペンサー6から離れて配置されている。例えば、マニホールド9をシンクやカウンターの下に、または地下室等の離れた場所に取付けることができる一方、少なくとも1個の状態インジケータ7および電源8を含む水ディスペンサー6はシンクまたは器具に取付けることができる。
【0011】
逆浸透処理システム5はさらに、例えばマニホールド9内に取付けられたシステム監視回路10を含んでいてよい。システム監視回路10は、マイクロコントローラ24、各種のセンサー・インターフェイスを有するPCB(印刷回路基板)アセンブリ12、および出口アセンブリ・インターフェイスを含んでいてよい。マイクロコントローラ24は、逆浸透処理システム5の動作を制御すると共にシステム監視回路10と検知素子との間、およびシステム監視回路と水ディスペンサー6との間の通信を管理するアルゴリズムを含んでいてよい。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、本アルゴリズムは、逆浸透処理システム5の状態に従ういくつかの相互運用的部分を含んでいる。すなわち、開始状態部、リセットおよび初期化部、メイン状態装置ルーチン部、休止状態部、流れ状態部、タイマー期限超過状態部、生成試験状態部、サブルーチン部、および割り込み部である。
【0012】
逆浸透処理システム5は、一つ以上の利点、例えば制御ユニット設計の簡素化、相対導電率測定効率およびろ過効果の向上、並びに電力供給、制御ユニットレイアウトおよびインターフェイスの改良をもたらすることができる。本発明の代表的実施形態の逆浸透処理システム5は、相対導電率測定値に基づいて、受容可能/受容不可能にかかわらずシステム効率を示す少なくとも1個の状態インジケータ7を提供し、これによりエネルギー効率的および簡素化されたシステム設計の一部として、ろ材の有効性出力をも導くことができる。簡素化された設計はさらに、正確且つ高速な読み取りを提供する。
【0013】
水ディスペンサー6の現在好適な実施形態は、制御ユニットインターフェイスおよび電源8を含んでいる。水ディスペンサー6はさらに、少なくとも1個の状態インジケータ7を含んでいてよい。一つの代表的実施形態において、状態インジケータ7は、共陽極に接続されていて、制御ユニットにより駆動される発光ダイオード(LED)を含んでいる。状態インジケータ7はその代表的な実施形態に、例えば、流量インジケータ7a、タイマー・インジケータ7b、およびフィルタ監視インジケータ7c等、各々が異なる色その他の顕著な特徴を有する個々のインジケータを含んでいてよい。流量インジケータ7aは、一般に、蛇口が開いて水が流れている場合、ろ過システムが正常に動作していることを示す。タイマー・インジケータ7bは、経過時間または総流量に基づいて、電源の交換が必要な時期を示す。フィルタ監視インジケータ7cは、フィルタ・メンブランが所望の効果を以って機能していない場合、例えば、総溶解固体量(TDS)のレベルの減少が使用時の所定の閾値を下回ったことを示す。状態インジケータとして他の種類の視覚的ディスプレイを用いてよく、また視覚的ディスプレイに加え、またはその代わりに、音声信号を用いてもよい。
【0014】
水ディスペンサー6は、配線インターフェイスによりシステム監視回路10に電気的に接続可能である。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、ケーブルの第1端部が出口アセンブリにおける水ディスペンサー6インターフェイスに、第2端部が印刷回路基板(PCB)コネクタに接続されている。制御ユニットインターフェイスおよびPCBコネクタの両方について以下に詳述する。
【0015】
いくつかの代表的実施形態において、電源8は電池である。当該電池は、例えば、3ボルトのCR2032リチウムコイン型セル電池であってよい。この特定の実施形態において、電源8は少なくとも6ヶ月間、最大限のシステム電力を提供することができ、その後電源8はサービスが必要である旨を一定期間警告するタイマー・インジケータを動作するのに十分な電力を維持する。代表的実施形態の一つにおいて、警告機能を提供する期間は少なくとも37日間であるが、各種の実施形態において他の期間も利用できる。電源8は水ディスペンサー6に取り付け可能であって、電池がサービスまたは交換を必要とする場合に、より簡単且つ便利な交換場所を提供するが、便宜上他の場所を利用してもよい。
【0016】
マニホールド9は、各種の流入流出チャネル/流路を画定するマニホールド・ハウジングを含んでいてよい。カートリッジ・フィルタ11および各種の検知素子はマニホールド9に関して取り付けおよび配置することができる。カートリッジ・フィルタ11は、フィルタ媒体が交換されるときにカートリッジ全体が交換されるように封止することができる。フィルタ・カートリッジは、動作可能にフィルタ・カートリッジとのインターフェイスを提供するカートリッジ接続におけるマニホールド・ハウジングに接続することができる。
【0017】
検知素子は一般に、流入および生成された透過水の相対導電率を測定するセンサプローブを含んでいて、流入および流出チャネルに配置することができる。本発明の現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、センサプローブは、各々がハウジング内で直列に取付けられた2対の電極を含んでいて、第1のセンサプローブ21が供給流15に配置され、第2のセンサプローブ23がろ過済み透過流17に配置されている。センサプローブ21、23は一般に、温度補償を必要としないように配置することができ、金メッキまたは相応の電気特性を有する当業者に公知の真鍮その他の材料を含んでいてよい。センサプローブ21、23は以下に詳述するように、システム監視回路10と電気的および通信可能なようにインターフェイスを提供する。検知素子はまた、チャネルに配置された流量測定要素を含んでいてよい。
【0018】
図2を参照するに、逆浸透水ろ過導電率測定および監視システムは、システム監視回路10を備えた制御ユニットを含んでいる。回路10は、図2に示すようにPCBアセンブリ12に取付けることができ、出口アセンブリおよび検知素子との電気的インターフェイスを提供する。PCBアセンブリ12は、マニホールド内に取り付け可能であるが、PCBアセンブリを他の場所に取付けることも適当である。
【0019】
回路10は一般に、内部ソフトウェア、センサ、および関連回路要素を備えたマイクロコントローラを含んでいる。特に、回路10の現在好適な実施形態の一つは、発振器および制御部20と、流量計検知部30と、逆浸透検知部40と、状態インジケータ駆動部50と、電力入力部60とを含んでいる。
【0020】
発振器および制御部20は、水晶22およびマイクロコントローラ24を含んでいる。現在好適な実施形態の一つにおいて、水晶22は32.768キロヘルツ(kHz)、+/−20ppmの表面装着素子(SMD)腕時計用水晶であるが、別の代替的な実施形態において他の適当な結晶を用いても本開示の概念または範囲から逸脱しない。
【0021】
マイクロコントローラ24は、現在好適な代表的実施形態の一つにテキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)製MSP430F1111Aマイクロコントローラを含んでいてよく、これは内蔵コンパレータ・モジュールおよび水晶22との直接インターフェイスを提供する内蔵回路および構成要素を含んでいる。例えば内蔵コンパレータ・モジュールを備えたTIMSP430ファミリーに含まれるような他の適当なマイクロコントローラを用いてもよい。TIMSP430F1111Aマイクロコントローラのコンパレータ・モジュールは、例えばマイクロコントローラへの2個の外部入力の比較、各々0.25×Vccまたは0.5×Vccである外部入力の比較、または各外部入力と内部基準電圧との比較等の比較結果を提供して、電圧、電流、電気抵抗および容量の測定を可能にする。従って、内部コンパレータ・モジュールの機能は、2個の外部または内部基準電圧のどちらが高いかを示して、それに応じて出力ピンを高くまたは低く動かすことであってよい。1999年10月発行のテキサス・インスツルメンツ社アプリケーション報告(Texas Instruments Application Report)SLAA071「コンパレータAモジュールによる経済的な測定技術(Economic Measurement Techniques with the Comparator A Module)」に、TIMSP430ファミリーのコンパレータ・モジュールをさらに詳しく記述している。マイクロコントローラ24もまた、内蔵高速発振器を含んでいる。
【0022】
流量計検知部30の現在好適な実施形態の一つは、スイッチ32、抵抗素子34、36、および容量素子38を含んでいる。代表的実施形態の一つにおいて、スイッチ32はリードスイッチ、具体的にはメーダー(Meder)製MK22−B−4である。スイッチ32は通常、開いており、抵抗素子34を介してマイクロコントローラ24と電気的に通信する。スイッチ32は、逆浸透水ろ過システムのインペラの回転磁化フィンにより動作可能に閉じる。インペラの回転と、これに続くスイッチ32の閉止により、システム内を水が流れていることを示す。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、約3328パルス/分のパルス速度は毎分約1.0ガロンのろ過システムの流量と相関があり、一方、約4160パルス/分のパルス速度は毎分約1.25ガロンの流量と相関がある。その結果生じる期間は、約14.42ミリ秒(mS)である。この代表的な実施形態において、スイッチ32の最長動作時間は約0.5mSおよび最長解除時間は約0.1msであり、両方の時間共に上述のパルス速度と整合している。
【0023】
逆浸透検知回路40は、抵抗素子41、42、容量素子43、44、流入水チャネル・センサプローブ・インターフェイス45、46、および生成水チャネル・センサプローブ・インターフェイス47、48を現在好適な実施形態の一つに含んでいる。抵抗素子41、42は、プローブ45〜48にわたって適当な低電圧が確実に流れるようにすべく配置されている。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、抵抗素子41、42が各々1メガオーム(MΩ)の抵抗を含んでいるが、他のレジスタ値を用いて、抵抗素子により若干の電流をプローブ45〜48全体に流して、流入/生成水チャネルの間の比例導電率を測定することができる。容量素子43、44は、ノイズとスイッチング遷移を分離すべく構成されていて、現在好適な実施形態の一つにおいて各々が0.1マイクロファラッド(μF)コンデンサを含んでいる。流入プローブ・インターフェイス45、46、および生成プローブ・インターフェイス47、48が直列に構成されており、上述のように、ろ過システムのマニホールド流チャネル内の電極ペア、およびマイクロコントローラ24にコンパレータ入力部において、動作可能に各々接続している。
【0024】
回路10の現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、状態インジケータ駆動部50は、抵抗素子51、52および53と、容量素子54、55、56、57と、コネクタ58とを含んでいる。コネクタ58は、出口アセンブリに取り付けられたろ過システム状態インジケータを回路10のリモート端に電気的に接続する。コネクタ58は、例えば、6本のピンを有する雌型RJ−11電話ジャック型コネクタであって、第2端部が出口アセンブリに動作可能に接続されている電話ケーブル・アセンブリの第1端部とのインターフェイスを提供すべく適合されていてよい。図に示す実施形態において、コネクタ58のピン配列は以下の通りである。ピン1はリセットである。ピン2は電池の陽極およびLED陽極共通端子(+Vcc)に接続する。ピン3はフィルタ監視インジケータに接続する。ピン4は流量インジケータに接続する。ピン5はタイマー・インジケータに接続する。ピン6はアースである。当業者には理解されるように、上述の配列は一つの代表的実施形態の例に過ぎず、他のピン配列を用いてもよい。ピン3、4、5および状態インジケータ7は、抵抗素子51、52、53によりマイクロコントローラ24に接続している。抵抗素子51、52、53は、使用する特定の状態インジケータに応じて一つの実施形態において異なる場合がある。例えば、抵抗素子51、52、53のサイズを、コネクタ58に電気的に接続している特定のLED状態インジケータの駆動に必要な電流に応じて設定することができる。現在好適な実施形態の一つにおいて、抵抗素子51、52、53は、各々220Ω、150Ω、220Ωの抵抗を含んでいるが、他の代表的実施形態において抵抗素子51、52、53として他の値およびの構成を用いてもよい。容量素子54、55、56、57はノイズを分離すべく配置されていて、現在好適な典型的な実施形態において各々0.01μFのコンデンサを含んでいる。
【0025】
電力入力部60は、コネクタ62、あるいは代替的にコネクタ58および容量素子64、66を含んでいてよい。コネクタ62またはコネクタ58のどちらでも電源8とのインターフェイスを提供することができ、上述のように本発明の一つの代表的な例証的実施形態において3ボルトのCR2032リチウムコイン型セル電池であってよい。電源8とのインターフェイスを提供するコネクタ58の場合、電話ケーブル・アセンブリは、3ボルトの電池から電力入力部60へエネルギーを供給する。容量素子64は、高周波減結合コンデンサである。容量素子66は、回路10の待機または休止モードと、稼動中の給電要求との間での電圧安定性を提供するローカル・バルクコンデンサである。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、コンデンサ素子66は10μFのコンデンサを含んでいるが、他の容量のコンデンサを用いてもよい。
【0026】
図に示すように、回路10は抵抗素子70、72を含んでいる。抵抗素子70、72はマイクロコントローラ24に接続されたプルアップおよびプルダウン抵抗であってよい。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、抵抗素子70、72は100キロΩ(kΩ)および20kΩの抵抗を含んでいる。
【0027】
マイクロコントローラ24は、本発明のろ過システムの動作を制御および監視すべく動作可能であって、一般に制御アルゴリズムを含んでいてよい。制御アルゴリズムは、マイクロコントローラ24の動作プラットフォームであって、マイクロコントローラ24、検知素子、および出口アセンブリの各々の間の通信を管理する。制御アルゴリズムはマイクロコントローラのフラッシュ/ROM(読出し専用メモリ)に書き込まれていてよいが、使用する特定のマイクロコントローラに応じて異なっていてよい。マイクロコントローラ24、上述の制御システム、および現在好適な代表的実施形態の開示に関係する制御アルゴリズムの現在好適な代表的実施形態を、本明細書と共にプログラム・リストと題された以下の節に掲示する。
【0028】
制御アルゴリズムは、ろ過システムの各種の動作状態に応じて、システムと構成要素の通信、動作、および出力を管理するいくつかの相互運用的部分を含んでいてよい。特に、制御アルゴリズムは、初期電源投入開始状態から各種の動作状態および休止状態を経て電源切断状態まで、マイクロコントローラ24の動作および機能を制御することができる。
【0029】
図4を参照するに、マイクロコントローラ24の常駐している、現在好適な代表的実施形態による制御アルゴリズムは、開始状態部125と、リセットおよび初期化部100と、主状態機械ルーチン部105と、休止状態部110と、流動状態部115と、タイマー期限超過状態部120と、生成試験状態部130と、割り込み部135、140、145、150、155と、サブルーチン部とを含んでいてよい。
【0030】
リセットおよび初期化部100において、マイクロコントローラ24はハードウェアに準拠すべくシステム入力および出力の初期化を実行し、発振器22およびマイクロコントローラ24に内蔵された高速発振器のタイミングを設定し、レジスタおよびメモリ変数を初期化して状態機械主ループ・ルーチン部105の実行を開始する。
【0031】
開始状態部125において、マイクロコントローラ24は、図5のフロー図に示すように状態インジケータ7を開始時パターン170で点滅させる。例えば、LEDを0.05秒間点灯した後で0.95秒消灯する動作を以下の順序で2回繰り返すことができる。流量インジケータ、タイマー・インジケータ、フィルタ監視インジケータ。この開始時パターンおよびタイミングは、制御アルゴリズムの他の適切な実施形態では異なっていてよい。上述のパターンにおける後半の秒でスイッチ32により水流が検知された場合(図2参照)、マイクロコントローラ24は生成試験状態130に入る。開始時パターンの後半の秒で水流が検知されなかった場合、コントローラ24は休止状態110に入る。
【0032】
現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、全ての状態ルーチンは、主ループ・ルーチン105へ戻る。図4の実施形態における主ループ・ルーチン105の主な目的は、マイクロコントローラ24を電流が極めて微弱な休止モードにして、マイクロコントローラ24が実時間時計の1秒刻みの割り込みにより起動されるまで電力を節約し、起動された時点でマイクロコントローラ24は適切な状態ルーチンを実行する。
【0033】
マイクロコントローラ24は、休止状態110およびタイマー期限超過状態120では休止している。タイマー期限超過状態120は、タイマー閾値が超えられた後、休止状態110の代わりになる。電力を節約すべく、マイクロコントローラ24は可能な場合は常に休止状態110に入る。例えば、マイクロコントローラ24は、開始状態部125に関して上に述べた初期パターンにおいて流体流が検知されない場合、および製造試験状態130に関して後述する流量計試験に続いて流体流が検知されない場合、休止状態に入ることができる。また、電力の節約が望ましく、且つマイクロコントローラ24の能動的な動作が必要でない場合、マイクロコントローラ24は他の時点でも休止状態110に入ることができる。
【0034】
現在好適な代表的実施形態の一つにおいて流動状態115は8個の主要部分を含んでいてよい。マイクロコントローラ24は、インペラの回転、または代替的な流量計からのスイッチ32の閉止により水流が検知された場合、流動状態115に入る。流動状態115の第1部分において、マイクロコントローラ24はポート、タイマー、コンパレータおよび新たな逆浸透測定のための変数を設定する。
【0035】
次いで、マイクロコントローラ24は新たな逆浸透測定を行なう。本開示の現在好適な代表的実施形態によれば、マイクロコントローラ24は内部コンパレータ・モジュールを用いて、ろ材の有効性のレシオメトリックな決定を行なう。換言すれば、マイクロコントローラ24は、ろ材の対向する側の流れに配置されていてプローブ・インターフェイス45、46、47、48でマイクロコントローラ24と通信する流入および生成水センサプローブ21、23と協働して、流入水および生成水の相対導電率に基づいてTDS減少率を決定してろ材の有効性を判定する。流入水が純水ではなく、ある程度の量の分解された固体を有し、流入と生成水プローブとの間に電圧が導かれた場合、センサプローブ21、23の間にイオン流(電流)が導かれ、その電流は水中のTDSレベルに比例する。
【0036】
本システムの現在好適な代表的実施形態に従い水の導電率を測定して、それによりTDS減少率およびろ材の有効性を判定すべく、マイクロコントローラ24は、センサプローブ21、23に接続しているマイクロコントローラ24のポート出力を切替えるポート・トグル切替えループを開始する。図2に示す回路10の実施形態において、これらのポートは、ピン3(流入水)および10(生成水)である。測定に際して、マイクロコントローラ24は、一方が電池の陽極、他方を電池の陰極に接続された状態でピン3(45)と10(48)のトグル切り換えを行ない、印加された極性を反転させて反対方向にイオン流を設定する。直列接続されたセンサプローブ21、23はこのように、マイクロコントローラ24のポートにより駆動された交流により励起される。第1の方向にイオン流を導くことは電極のメッキも行ない、次いでイオン流の方向を切り替えるとプローブのメッキを剥がすことにより、センサプローブ21、23を清潔に保つのに役立つ。マイクロコントローラ24は素早くポートをトグル切り換えすることができ、高速な読み取りおよび測定感度を微調整する機能の両方を提供する。ポートのタイミングおよびサービスは割り込み駆動される。
【0037】
流入水センサプローブ21と生成水センサプローブ23の直列接続を通過する電流により、2個のチャネル内における流入水と生成水の導電率の差に関係する電極対間に電圧を生成する。この分圧器は、コンパレータ・モジュール入力であるピン11におけるインターフェイス46、47での電極ペアの共通接合部を介してマイクロコントローラ24により検知される。現在好適な代表的実施形態の一つについて先に述べたように、マイクロコントローラ24は内部コンパレータ・モジュールを含んでいる。本実施形態におけるコンパレータ・モジュールへの第2の(内部)入力は、内部0.25*Vcc基準電圧であり、従って基準電圧および測定刺激の両方がVccから導かれる。マイクロコントローラ24のコンパレータ・モジュールは従って、流入チャネル内の流体と生成チャネル内の流体との導電率の差に関係する流入および生成センサプローブ21、23間の電圧を測定することにより、ろ材の有効性を判定する。電圧と相対導電率の関係は比例的であってよい。本発明の主題の代表的実施形態の相対導電率のこのような直接測定により、多くの非線形要因を相殺し、ろ過効果の判定に必要な回路10のアナログ回路部品の数を減らして、入口または生成水の導電率の絶対の測定値およびこれに続く相対導電率の計算を必要としない。
【0038】
従って、生成水プローブ(インターフェイス48)が電池の陽極に切り替えられるループに対して測定が実行される。共通水プローブインターフェイス46、47に接続されたマイクロコントローラ24のコンパレータ(ピン11)が起動されて、内部コンパレータが状態を変えた場合に、コンパレータ割り込みルーチンにより電流ポート・トグル・タイマー値が取得される。測定コンパレータの基準値は内部0.25*Vcc電圧であり、Vccは電池の陽極値に等しい。比較的良好なTDS除去比を有する逆浸透フィルタ・メンブランの場合、ピン11における電圧は、測定パルスの持続期間中コンパレータ閾値より低く、且つその状態に留まる。
【0039】
TDS除去比が減少するにつれて、コンパレータ入力電圧は上昇して電池の電圧/2に近づく。TDS除去が少ない関心領域において、コンパレータ入力電圧は測定パルスの開始時点で基準電圧を下回る。水チャネルを通って電流が流れるにつれて、電気化学的特性により生成水チャネルに電流がより多く流れて抵抗が下がる。これにより、マイクロコントローラ24の内部コンパレータが検知する電圧が次第に上昇して、当該電圧が基準電圧に達したときに内部コンパレータを起動する。換言すれば、内部コンパレータの切替えに必要な時間は、TDS除去比の高解像度表示と見なすことができる。従って、TDS除去比が著しく低ければピン11における内部コンパレータ入力電圧は常に基準電圧を上回る結果となり、TDS除去比が高ければ内部コンパレータ入力電圧は常に基準電圧を下回る結果となる。マイクロコントローラ24は従って、3段階の読取りを有することができる。すなわち除去比の良い読み取り、悪い読み取り、およびの高解像度中間読み取りである。高解像度中範囲は、除去比が受容可能/容認不可能な除去比の間を遷移している除去比の範囲に対応している。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、高解像度中距離は、約75%の除去比に設定されている。すなわち、75%を超える除去比は受容可能な除去比を表わし、一方75%未満の除去比は受容不可能な除去比を表わす。代替的に、高解像度中間範囲は、ろ過システム変数、例えばメンブランの種類、供給水質、供給水種類、および透過水水質の受容可能な基準に基づいて、各種の代替的な除去比に設定することができる。
【0040】
マイクロコントローラ24は、流動状態115の当該測定部分の開始時点で制限試験を実行して、初期内部コンパレータ状態が正常であることを検証する。また、マイクロコントローラ24はまた、測定期間中に内部コンパレータが遷移しない場合、結果を取得する。測定が実行されるにつれて、マイクロコントローラ24は、安定化を見込んで最初の2個の測定値を破棄し、代表的実施形態において、次の4個の測定値の平均を求める。次に、平均化された読み取りを試験閾値と比較して、読み取りが合格するか失敗するかを判定する。
【0041】
平均化された読み取り値を評価した後で、マイクロコントローラ24は蓄積された結果を調べてフィルタ監視インジケータの状態を変えるべきか否かを判定する。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、インジケータの状態を変えるには25個の連続的な閾値未満の結果が必要とされる。これらの蓄積された結果は、FIFO(先入先出法)に従いマイクロコントローラ24のRAM(ランダム・アクセス・メモリ)のバッファに一時的に保存される。
【0042】
流動状態115の一実施形態の最終的な部分において、対応する状態インジケータ(群)が点灯されて、マイクロコントローラ24に内蔵されたタイマーが点滅のため初期化される。タイマー割り込みルーチンはタイマーを無効にする。電力消費を減らすべく、内部コンパレータおよび参照機能が停止される。次いでマイクロコントローラ24は前の状態に戻る。
【0043】
タイマー期限超過状態120において、6ヶ月の期間または流れ閾値の合計を超えた後、マイクロコントローラ24はタイマー・インジケータ7bを点滅させる。マイクロコントローラ24は、内部経過時間カウンタを更新すべく周期的に起動することができ、現在好適な実施形態の一つは、延長された期間、例えば数日間、数週間、数ヶ月について経過時間を記録することができ、その間は休止状態110またはタイマー期限超過状態120のいずれかにあることにより電力消費が減少する。この延長期間を超過した後、マイクロコントローラ24はタイマー・インジケータ7bを起動する。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、流れ閾値の合計は約900ガロンに設定することができ、この閾値を超えたならばタイマー・インジケータ7bが起動される。タイマー割り込みルーチンは、タイマー・インジケータ7bをオフにする。マイクロコントローラ24がこの状態にある間に水流が検知された場合、マイクロコントローラ24が流動状態115に入り、上述のような測定が実行され、マイクロコントローラ24は次いでタイマー期限超過状態120に戻る。
【0044】
現在好適な実施形態の一つにおいて、タイマー・インジケータ7bの再設定は、システム監視回路10から電源8を取り除いて交換することにより達成することができる。他の現在考察されている実施形態において、システム監視回路10は、回路を開いてタイマー・インジケータ7bを再設定するための再設定スイッチまたはボタンを含んでいてよい。このようなスイッチまたは再設定信号は、適当な実施形態でフィルタの交換を行なったならば自動的に送ることができる。
【0045】
生成試験状態130において、第1のフェーズは、図5に示すように、流量計試験172である。状態130で最初の1.95秒間に水流が検知された場合、インペラにより検知された各々のパルスについてタイマー・インジケータ7bが発光する。一実施形態において、タイマー・インジケータ7bは、スイッチが閉じている間、点灯されている。これにより、リードスイッチ32およびその起動インペラ磁石の整合性の試験を可能にする。
【0046】
流量計試験フェーズ172に続いて、マイクロコントローラ24は逆浸透測測定フェーズ174を実行し、依然として流れが検知される場合、測定は毎秒1回行なわれる。フェーズ174は、流動状態115に関して上で述べたものと同一ルーチンを使用する。このように、現在好適な代表的実施形態において、最初の1.95秒の流量計試験の後で、以下のシーケンスおよび近似的タイミングが生じ得る。
【0047】
・逆浸透測定状態への50mS遷移(181)
・60mS逆浸透測定(182)
・50mS流量インジケータ・フラッシュ(183)
・次の1秒クロック刻みだけ遅延(ほぼ890mS)(184)
・60mS逆浸透測定(185)
・50mS流量インジケータ・フラッシュ(186)
・次の1秒クロック刻みだけ遅延(約890mS)(187)
・60mS逆浸透測定(188)
・50mSフィルタ監視インジケータが、逆浸透試験フェーズの間に、受容可能な流入および生成水が流路に存在しなかった場合、閃光する(189)
流量インジケータ7aまたはフィルタ監視インジケータ7cは、2個の連続する異なる測定値だけがインジケータ(群)の状態を変える結果になる点を除いて、通常動作について定められる通りに発光する。逆浸透測定試験フェーズにおいて流れが検知されなかった場合、マイクロコントローラは通常動作に戻って、休止状態110に入る。逆浸透測定試験フェーズで約25秒経過した後、マイクロコントローラ24は通常動作(190)に戻るが、これは現在好適な代表的実施形態の一つでは、状態インジケータの状態を切り換えるために、25個の連続的な異なる状態読み取り、すなわち、ろ材が満足であった場合は失敗読み取りへの、ろ材が失敗を示していた場合は成功読み取りへの、切り替えを必要とする。
【0048】
当業者には理解されるように、本明細書全般を通じて、且つ図面に示す特定の時間は、本発明の代表的実施形態を図解および説明することを目的としており、変動し得るものである。
【0049】
上述のように、制御アルゴリズム部105、110、120、125、130において、一実施形態で5種の割り込み、すなわち、ウォッチドッグ/実時間割り込み135、スイッチ割り込み140、測定ポート・トグル割り込み145、インジケータ点滅割り込み150、逆浸透測定割り込み155が存在する。
【0050】
現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、ウォッチドッグ/リアルタイム割り込み135は1秒に1回発生し、そのときマイクロコントローラ24は超省電力休止モードにある。時間基準として発振器22が用いられ、1秒経過した後で、マイクロコントローラ24が稼動モードを開始して割り込み135を実行する。経過した秒数および時間がカウントされて、生成試験タイムアウトおよびタイマー期限と比較される。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、タイマー期限は、予め設定されており、例えば6ヶ月である。この6ヶ月の閾値を超えた場合、タイマー期限超過状態120が次に呼ばれる。割込み135から戻ったならば、マイクロコントローラ24は稼動モードに留まって主状態機主ループ105を実行する。本発明の一つの代表的実施形態において、割り込み135は常に有効である。
【0051】
スイッチ32が閉じたことが検知された場合、スイッチ割り込み140が発生し得る。流量カウンタの合計が増分されて、ガロンのカウント値が所定の流量閾値の合計と比較される。閾値を超えた場合、タイマー期限超過状態120が呼ばれる。マイクロコントローラ24は、割込み140から戻ったならば先の休止状態に戻る。次の1秒刻みで、流動状態115が実行される。割り込み140は開始状態125の後で有効にされ、生成試験状態130に入ったならば、流量計試験フェーズの間は無効にされる。
【0052】
現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、流動状態115の逆浸透測定ポート・トグルが時間切れになった場合、測定ポート・トグル割り込み145が発生する。カウント閾値に達しない限り、割り込み145はポート駆動を切替えてトグルカウンタを増分する。割り込み145は、マイクロコントローラ24が稼動モードにある状態で流動状態115に戻り、上述の測定ルーチンの次のステップへ進む。一実施形態において、測定ポートがオンになった場合にのみ、流動状態115において割り込み145がオンにされる。
【0053】
インジケータ点滅割り込み150は、点滅時間が経過した後で、状態インジケータ7sをオフにすることができる。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、点滅時間は予め約50mSに設定されているが、他の点滅時間を定めてもよい。マイクロコントローラ24は、割込み150から戻ったならば以前の休止状態に戻り、一実施形態では状態インジケータがオンにされた場合のみに割り込み150を有効化される。
【0054】
逆浸透測定コンパレータがトリップした場合に逆浸透測定割り込み155を用いて測定ポート・トグル・タイマー数を取得する。マイクロコントローラ24は、稼動モードでフロッシング状態115に戻って、上述の測定ルーティングにおける次ステップを続行する。現在好適な代表的実施形態の一つにおいて、コンパレータ出力が正しい場合にのみ、流動状態115において割り込み155が有効にされる。
【0055】
本発明の代表的実施形態の逆浸透ろ過システムは、相対導電率を示す出力を提供する。ろ材の有効性の出力もまた、相対導電率から導くことができる。逆浸透ろ過システムは、より正確且つ速い読取りを提供しつつ、改良されたエネルギー効率および簡素化されたシステム設計を提供する。
【0056】
本発明の各種の代表的実施形態を本明細書に開示してきたが、本発明の概念および範囲から逸脱することなく、各種の変更、変型、および代替が組み込み可能である点を理解されたい。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
【表7】

【0064】
【表8】

【0065】
【表9】

【0066】
【表10】

【0067】
【表11】

【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】逆浸透ろ過システムの現在好適な代表的実施形態で模式的なフロー図である。
【図2】逆浸透水ろ過導電率の測定および監視システムの現在好適な代表的実施形態の模式的回路図である。
【図2A】逆浸透水ろ過導電率の測定および監視システムの現在好適な代表的実施形態の模式的回路図である。
【図2B】逆浸透水ろ過導電率の測定および監視システムの現在好適な代表的実施形態の模式的回路図である。
【図3】逆浸透水ろ過導電率の測定および監視システムの印刷回路基板の現在好適な代表的実施形態の模式図である。
【図4】逆浸透水ろ過導電率の測定および監視システムのマイクロコントローラの制御プログラムのフロー図である。
【図5】逆浸透水ろ過導電率の測定および監視システムの制御システムのフロー図である。
【図5A】逆浸透水ろ過導電率の測定および監視システムの制御システムのフロー図である。
【図5B】逆浸透水ろ過導電率の測定および監視システムの制御システムのフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口チャネルおよび生成チャネルを含むマニホールドと、
前記入口チャネルおよび前記生成チャネルとの間に動作可能に接続された流体処理媒体と、
前記入口チャネル内に配置された第1センサ素子と、
前記生成チャネル内に配置された第2センサ素子と、
少なくとも1個の状態インジケータ
と、
前記少なくとも1個の状態インジケータに電気的に接続された制御ユニットと、前記制御ユニットが、マイクロコントローラを含み、前記マイクロコントローラが、第1入力ポート、第2入力ポート、および出力ポートを備えた電圧コンパレータを含み、
ここで、前記第1入力ポートが、前記第1センサ素子および第2センサ素子と電気的に導通していて、前記第2入力ポートが、基準電圧と電気的に導通しており、前記出力ポートにおける信号が、前記第1センサ素子および第2センサ素子を用いて各々評価された、流体の相対導電率に関係し、
を含む流体処理システム。
【請求項2】
前記第1入力ポートの前記第1センサ素子および第2センサ素子との電気的接続の結果、前記電圧コンパレータが、良好な除去比、不良な除去比、および中間的な除去比の範囲を決定すべく基準電圧に関して前記流体の前記相対導電率を評価する、請求項1に記載の流体処理システム。
【請求項3】
前記制御ユニットが、前記相対導電率が中間的な除去比範囲内にある場合に高解像度測定を提供すべく、前記コンパレータの前記出力ポートにより制御されるタイマーを含む、請求項2に記載の流体処理システム。
【請求項4】
前記中間的な除去比範囲が、前記流体処理媒体に対して選択された合格/不合格除去閾値に対応する、請求項3に記載の流体処理システム。
【請求項5】
前記流体処理媒体が、逆浸透ろ材を含み、かつ前記合格/不合格除去閾値が、前記ろ材に対する75%の除去比に対応する、請求項4に記載の流体処理システム。
【請求項6】
前記流体処理媒体が、ろ材を含む、請求項1に記載の流体処理システム。
【請求項7】
前記流体処理媒体が、逆浸透ろ材を含む、請求項1に記載の流体処理システム。
【請求項8】
電源を含む、請求項1に記載の流体処理システム。
【請求項9】
前記生成チャネルに動作可能に接続している蛇口を含む出口アセンブリを含む、請求項1に記載の流体処理システム。
【請求項10】
電源と、3個の状態インジケータを含む前記少なくとも1個の状態インジケータとを含み、前記電源および前記3個の状態インジケータが、出口アセンブリとパッケージ化されている、請求項1に記載の流体処理システム。
【請求項11】
1個の状態インジケータが、流動状態を示すべく設定されており、別の状態インジケータが、前記電源の状態を示すべく構成されていて、更に別の状態インジケータが、流体品質を示すべく構成されている、請求項10に記載の流体処理システム。
【請求項12】
流体処理システムを監視する方法であって、
入口流体流に配置された第1センサ素子を電流により励起するステップと、
生成流体流に配置された第2センサ素子を電流により励起するステップと、
前記第1センサ素子と前記第2センサ素子との間の電圧を測定するステップと、
前記電圧に基づいてシステム状態インジケータを出力するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
流体流が、前記入口流体流と前記生成流体流との間の逆浸透ろ過要素を通過する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1センサの励起に用いる電流および前記第二センサの励起に用いる電流が、交流電流である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
流体流が、前記センサ素子の両方を励起する前に検知される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記入口流体流および前記生成流体流の相対導電率が、前記電圧から決定される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
総溶解固体量の減少率が、前記相対導電率から決定される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電圧が、マイクロコントローラを用いて基準電圧に関して評価される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記マイクロコントローラが、非揮発性メモリを用いてプログラムされている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
インジケータが、所望の流体品質値が前記生成流に得られていないかどうかを識別する、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
逆浸透ろ過システム用の制御ユニットであって、
電圧コンパレータおよび少なくとも1個の出力ポートを含むマイクロコントローラと、前記電圧コンパレータが、第1コンパレータ入力ポート、第2コンパレータ入力ポート、およびコンパレータ出力を含み、前記第1コンパレータ入力ポートが、基準電圧に接続し、
1個のセンサが流入流チャネルに配置されると共に、第2センサが生成流チャネルに配置されている2個のセンサを通って流れる電流を生成すべく直列に電気的に接続された第1センサ素子インターフェイスおよび第2センサ素子インターフェイスと、電気的接続が、前記第1センサ素子インターフェイスおよび第2センサ素子インターフェイスの間で、前記第2コンパレータ入力ポートと接続し、
前記マイクロコントローラに電気的に接続されている遠隔電源インターフェイスと、
前記マイクロコントローラの少なくとも1個の出力ポートに電気的に接続されている出力インターフェイスと、
ここで前記少なくとも1個の出力ポートにおける電気信号が、前記コンパレータ出力における信号に関係し、
を含む制御ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2008−527331(P2008−527331A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549555(P2007−549555)
【出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/047077
【国際公開番号】WO2006/071867
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(506067903)スリーエム イノベーティブ プロパティーズ カンパニー (23)
【Fターム(参考)】