説明

流体処理装置及びその方法

【解決手段】 直交流構成の、第1(171)及び第2(152)の交互に配された流路(171)を有する流体処理ユニット(110)が開示されている。第1流路(171)は、第2流路(152)より相当に長く、第2流路内の圧力低下を比較的低いレベルに維持し、第2流路に亘る温度変化を低減できるようになっている。1つ又は複数の流路は、マイクロチャネルとしてもよい。蒸発器及び/又は過熱器として用いる場合、長い方の第1流路(171)は、上流の液体流れ部分(172)と、断面積の拡大した下流の蒸気流れ部分(176)とを含んでいる。1つ又は複数の曲がりくねった流れチャネル(172a)を使って、上流の液体流れ部分に亘って、相当な圧力低下が維持される。ユニットは、長さ又は高さより相当に小さな幅を有する薄いパネルであり、他の薄い金属シートと共に、薄い金属シートが接合されたスタックとして製造される。個々のユニットは、接合後に、スタックから切り分けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体処理ユニット及びその製造方法に関する。より具体的には、限定するものではないが、本発明は、圧力低下の小さいマイクロチャネル熱交換器、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、米国政府の支援の下、米国エネルギー省承認の契約第DE−AC06−76RLO1830号に基づいて成されたものである。米国政府は、本発明に一定の権利を留保する。
【0003】
二、三例を挙げると、軍用、自動車及び遠隔地での使用を含む様々な用途に対して、軽量で小型の流体処理ユニットが開発されてきた。しかし、そのようなユニットの運転及び
/又は製作の費用には制限の課されることも多い。特に、気体側の圧力低下を低く抑えて熱伝達を行えるマイクロチャネル流体処理システムが必要とされている。熱を効率的に、小型パッケージで伝達できる装置も必要とされている。装置内で相転移を行う流体の流れを高い信頼性で制御できる装置も必要とされている。経費効率に優れた方法で製造できる流体処理システムも必要とされている。具体的な幾つかの実施形態において、本発明は上記及びその他の要求を満たしている。
【0004】
なお本出願は、2001年6月6日付の米国仮特許出願第60/296,295号、及び2002年3月11日付の米国仮特許出願第60/363,269号の恩典を請求し、同号の開示を、参考文献としてここに援用する。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/296,295号
【特許文献1】米国仮特許出願第60/363,269号
【特許文献1】米国特許第6,192,596号
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明の原理をよく理解頂くために、以下、添付図面に示す実施形態に言及し、説明に際しては規定された用語を使用する。但し、これによって本発明の範囲に限定を加える意図は無い旨理解頂きたい。本発明に関係する分野の当業者であれば、図示の実施形態に更に修正や変更を加え、ここに説明する本発明の原理を更に適用することは、容易に思慮できるものと考えられる。
【0006】
図1A−1Cに、本発明の実施形態による熱交換器アッセンブリ100を示す。交換器アッセンブリ100は、2つの流体ストリームの間で熱を伝達するよう構成されている。具体的には、アッセンブリ100は、熱を気体ストリームから液体ストリームへ伝達し、蒸発器と呼ばれる熱交換器要素を使って液体ストリームを蒸発させる。更に具体的には、この代表的な実施形態では、高温の気体ストリームは燃焼ガスを含んでおり、液体ストリームは水を含んでいる。
【0007】
交換器100は、注入気体ヘッダー120に気体を供給する少なくとも1つの燃焼側気体注入口102と、少なくとも1つの気体排出口104に気体を供給する気体排出ヘッダー122を含んでいる。燃焼側ヘッダー120及び122は、燃焼ガスが、蒸発器110を通過して送られるよう構成されており、蒸発器110に入る前に気体側の速度分布を平準化するため拡散器要素即ちスクリーン(図示せず)を設けていてもよい。ヘッダー120及び122は、蒸発器の周囲116に接合されており、燃焼ガスを、略均一に蒸発器110の注入面112に送り、排出面114から出すように構成されている。それにより、流体が水注入口106から蒸発器110を通って蒸気排出口108から出る際に、熱が、燃焼ガスから蒸発器110内の水及び/又は蒸気へ伝達される。
【0008】
図2に、蒸発器110の更に具体的な構造を示す。蒸発器110は、マイクロチャネル流体処理ユニットを形成する薄いシート即ちシムのスタックとして形成されている。シム150は、積み重ねられた対として配置され、シム170が、相対するシム150の対の間に交互に積み重ねられている。積み重ねられたシム150と170の配列は、蒸気側注入口及び排出口(106、108)と、気体側ヘッダー(120、122)への取付点を形成する端部キャップ130と132との間に保持されている。以下に詳細に説明するように、シム150のへこみ領域は、面114を貫通して伸張し燃焼ガスが蒸発器110を通過できるようにする複数の燃焼ガスマイクロチャネル152(図3A参照)を形成している。シム170は、シム150の対の間に間隔を空けて配置されており、長さLに亘って、面114に略平行な方向に水及び蒸気を運ぶ水及び蒸気のマイクロチャネル172及び176を備えている(図3B参照)。
【0009】
本明細書では、マイクロチャネルは、約1000マイクロメータより小さく、250マイクロメータより小さいことも多い(深さのような)少なくとも1つの寸法を有する流体流路を指す。マイクロチャネルの(長さや幅のような)残りの寸法は、どのような値でもよいが、幅は、通常、約250から約6000マイクロメータの範囲にある。マイクロチャネルの流れの長さは、マイクロチャネル流れ長さと呼ばれる。
【0010】
図3A及び3Bに示すように、シム150は、略長方形の薄い部片(例えば、幅1.27cm(0.5インチ)、長さ11.43cm(4.5インチ)、厚さ0.038cm(0.015インチ))であり、両端部近くに、水ヘッダー穴156と蒸気ヘッダー穴158を備えている。穴156と158は、水と蒸気分配器を収容し、蒸発器110を通して均一な大きさになっている。シム170には、合わせ穴156、158も設けられている。別の構成では、注入口106及び排出口108からの距離が増すにつれて、シム150及び170の穴156及び158が徐々に小さくなっている。寸法低減は、シムスタックの穴156及び158の整列によって形成されているヘッダー内の速度変化に関係する圧力変動を減らすように選択することができる。
【0011】
図3Aの斜線領域で示すように、へこみ部分は、シム150の穴156と158の間に設けられている。これらのへこみ部分は、例えば深さ0.025cm(0.01インチ)である。蒸発器110では、シム150のこれらのへこみ領域のそれぞれが、シムの幅Wに亘る蒸発マイクロチャネル152の3つの側面の少なくとも一部を形成している。複数の異なるへこみ領域で示すように、燃焼ガスを運ぶようになっている複数の平行なマイクロチャネル152がある。図示の実施形態では、マイクロチャネル152は、穴156と158の中心を繋ぐ線に略垂直に向いている。別の実施形態では、マイクロチャネル152は、この線に対する垂線(90度)から約60度の範囲内にある。各マイクロチャネル152は、チャネル152への出入り口で先細になっている細い非へこみサポート部分154で分離されている。サポート154の幅は、へこみ部分の深さ(略0.025cm(0.01インチ))とほぼ等しい。サポートは、製造及び使用の間に受ける荷重を支え合えるだけの距離、互いに離して配置されている。以下に説明するように、積み重ねられたシムを貼り合わせるために拡散接合法を採用している場合、蒸気が燃焼ガス内に漏れるのを防ぐために、サポートは、シム170とシム150の裏面との間に良好な拡散接合が行われるほど十分に近接して配置されている。満足できるように機能すると判定された間隔は、約0.023cm(0.090インチ)である。
【0012】
シム170も、略長方形の薄い部片であり、水穴及び蒸気穴156、158を備えている。シム170は、更に、穴156と158との間に伸びるへこんだ蒸気及び水チャネル171を備えている。水部分172は、オリフィス174を介して蒸気部分176と連通している。オリフィス174は、シムが作られた後で追加される非常に小さなレーザー加工のへこみ領域であってもよい。以下に更に論じるように、チャネル171の水部分172には、オリフィス174に加えて、或いはその代わりに、例えば蛇行チャネル構造のような細長い流路を設けてもよい。蒸気部分176は、液体に比べて体積が膨張した蒸気を収容するため、例えば約15−20倍ほど、水部分172より相当幅広くなっている。蒸気部分176は、更に、蒸気マイクロチャネルの長さに亘って伸びるサポートリブ178を含んでおり、蒸気排出穴158付近には追加サポート180が設けられている。シム170の寸法は、シム150と同じでも異なっていてもよいが、或る好適実施形態では、シム170は、長さと幅がシム150と同じで、シム150より僅かに薄い(例えば、厚さが僅か0.025cm(0.01インチ)で、へこみ部分は0.013cm(0.005インチ)へこんでいる)。
【0013】
シム150と170の下側は、両方共、図3Cに示すように実質的に平坦である。上記のように、蒸発器110を形成する際、一対のシム150は、マイクロチャネル152と
サポート154が整列するように向かい合わせに配置され、1つの拡大チャネルを形成しており、対になったシム150とシム170とが交互になっている。使用時、マイクロチャネル152を流れる高温の流体は、熱を、マイクロチャネル152の床151(又は天井)を通して、シム170へ伝達する。この熱伝達は、シムの面及びマイクロチャネル152内の流体の流れの方向に略垂直に起こる。つまり、直接気体からチャネル152の床151(又は天井)を通過し、蒸気部分176までの熱伝導経路が存在する。或る実施形態では、この熱伝導経路は、一次熱伝導経路と考えることができ、シム170の蒸気部分176と重なる床151(又は天井)の部分によって画定される。
【0014】
或る態様では、1つ又は複数の追加の熱伝達経路も存在している。この追加経路には、シム170の外周部182と、蒸気チャネル部分176の注入及び排出両側の外周部182と重なっているチャネルの床151の部分が含まれる。熱は、チャネル152を流れる気体から、床151(又は天井)を通り、外周部182の材料182へ伝達される。次いで、熱は外周部182からチャネル171内の流体へ伝達される。二次熱伝導経路と考えることのできるこの熱伝達経路では、外周部182が熱伝達フィンと同じ様に作用して、燃焼ガス側の有効熱伝達面積を増やし、熱をチャネル171の流体内に伝導する。このフィンは、シム170の外周部182と、外周部182と接触しているシム150の床151の該当部分とによって形成されると理解される。このフィンは、略平坦で、一次熱伝達面(上記の、部分176と重なっている床151)から、マイクロチャネル152内の流体の流れの方向と略平行な方向に伸張している。外周部182の幅として定義されるこのフィンの長さは、蒸気即ち水蒸気マイクロチャネル176の最小寸法より大きいか又は相当に大きく、例えば最小マイクロチャネル寸法の少なくとも2、5又は10倍である。或る態様では、このフィンは、水蒸気マイクロチャネル176の2番目に小さい寸法(幅)程度である。或る実施形態では、蒸気チャネル部分176は幅約0.76cm(0.3インチ)で、外周部182は、幅約0.25cm(0.1インチ)であり、シム170の残り部分と同じ厚さである。
【0015】
上記一次及び二次熱伝導経路の両方が在る場合、マイクロチャネル152を通過する流体(例えば高温燃焼ガス)は、第1伸張面上を通り、次に一次熱伝達面上を、次いで第2伸張面上を通る。以下に更に詳細に説明するが、蒸発器110は、薄いシート又はシムのスタックとして形成されており、一次及び二次熱伝達面は、それぞれ平坦である。別の実施形態では、一次及び二次熱伝達面は、それぞれ粗くても湾曲していてもよい。図示の実施形態では、各伸張面(二次熱伝達面)は、一次熱伝達面に平行である。別の実施形態では、熱伝達面は、互いの相対角度が、平行(180度)から数度以内、例えば平行から45度内以内、30度以内、又は10度以内に配位されていてもよい。
【0016】
総熱伝達面積(伸張面と一次熱伝達面の合計)に対する伸張面の形成する熱伝達面積の割合は、どの様な値でもよい。代表的な値は約10%から約75%で、例えば、総熱伝達面積の30%から50%が伸張面で形成される。満足できる値は約33%である。
【0017】
1つ又は複数のマイクロチャネル171又は152は、随意的に大規模流路でもよい。流路は、例えば約1cm未満又は約1mm未満の最小寸法を有する小さい寸法であるのが望ましい。或る態様では、流路の少なくとも1つ(例えば171又は152)の最小寸法は、その流路内の流れのレイノルズ数が、約3000未満、例えば2000未満、1000未満、500未満となるように選択される。レイノルズ数(Re)は、流れている流体の粘性力に対する慣性力の割合に比例しており、通常、Re=D・v・rho/muで定義され、ここにDは流路の特性長であり、vは流れの速度であり、rhoは流体の密度であり、muは流体の粘性である。本明細書では、特性長Dは水力直径であり、通常、水力直径は、流れの断面積の4倍を濡れ縁で除したもので定義される。満杯の長方形パイプ又は管では、水力直径は2ab/(a+b)に等しく、ここにa及びbは、長方形の各辺で
ある。水力直径に基づくレイノルズ数が約3000未満の流れは、通常は層流であるが、流れチャネルへの入口における背景乱流の量に依っては、10,000を超えるレイノルズ数で層流を持続することができる。別の態様では、流路(171又は152)の寸法は、層流が、蒸発チャネルの液体流れ部分の相当部分及び気体側流路の相当部分のような異なる両方の流路の少なくとも一部分で発生するように選択される。相転移(蒸発)がある場合は、多重相の流れがあり、それは通常は層流と特徴付けられることはない。この多重相の流れは、蒸発流路の拡張された蒸気流部分の入口付近で発生することが多い。
【0018】
別の様態では、シム150の幅W、具体的には蒸気側マイクロチャネル152の長さは、水/蒸気のマイクロチャネルの長さLより遙かに短い。この態様では、蒸気側の圧力低下を低レベルに維持することができる。例えば、幅Wは、長さLの約40%未満、約25%未満、又は約12.5%未満に維持することができる。すなわち、蒸気側マイクロチャンネル152の長さは、穴106と穴108の間の距離の約2/5以下、約1/4以下、又は約1/8以下に維持することができる。或いは、水/蒸気マイクロチャンネルの長さは、蒸気側マイクロチャンネル152のマイクロチャンネル流れ長さの少なくとも2.5倍、少なくとも4倍、又は少なくとも8倍とすることができる。マイクロチャネル152の流路の距離は、蒸気部分176の長さよりも相当短く維持するのが望ましい。
【0019】
上記のように燃焼ガスマイクロチャネル(152)が比較的短い場合、熱伝達密度を犠牲にすることなく、蒸気側圧力低下を低レベルに維持することができる。例えば、雰囲気(局所大気)圧近くで作動させる場合、約25.4cm(10インチ)水柱以下の圧力で効率的に作動させることができる。別の例では、周囲圧力において、絶対圧力低下が約12.7cm(5インチ)水柱未満で、望ましくは約6.35cm(2.5インチ)水柱未満で、更に望ましくは約2.54cm(1インチ)水柱未満での作動でも、なお有用な熱伝達密度及び/又は効率を満足できる状態で提供することができる。周囲圧力近くでの作動の例には、燃焼ガス排出口が、直接に、或いは或る程度下流で処理した後に、流体を大気に向かって放出するシステムでの作動が含まれている。そのようなシステム内の蒸発器110での圧力低下は、ファン又はブロアーによってもたらされる。
【0020】
加圧された環境での作動についても考慮しており、装置を通しての絶対圧力低下は、絶対圧力の関数になると理解頂きたい。理想気体が完全な層流状態にあると近似すれば、気体側の絶対圧力低下は、概略、気体の絶対圧力に逆比例する。従って、蒸発器110を、約1気圧で25.4cm(10インチ)水柱の圧力低下で或る効率で作動させる場合、約2気圧まで加圧されたシステム内では、約12.7cm(5インチ)水柱の圧力低下で同様の性能を達成することができる。この様に、或る態様では、本装置は、パネルに亘る絶対圧力低下をセンチメートル水柱で測定して、大気中で測定される絶対圧力(注入口面で測定される)の逆数の約25.4倍未満で作動する(dP<25.4/Pabs)。マイクロチャネル152に亘る圧力低下の絶対値は、マイクロチャネル152の長さに略比例するので、幅Wを、約5.08cm(2インチ)未満か、約3.81cm(1.5インチ)未満か、又は約0.76cm(0.3インチ)と約2.54cm(1インチ)の間に有用に維持することができる。
【0021】
別の態様では、蒸発器110は、気体の流れを受け入れるために、面112及び114に比較的大きな断面積を有しており、面112、114は、蒸発器の、燃焼ガスが通過する部分を包含している。例えば、面112及び114は、長さ及び/又は幅が、蒸発器110の厚さTの数倍、例えば5−10倍以上大きいの方形又は長方形であってもよい。面112又は114の長さと幅は、随意的に互いの約50%以内であってもよい。図示の実施形態では、蒸発器の厚さTは、個々のシム150、170の幅Wと同じである。
【0022】
別の態様では、蒸発器110の長さLは、介在しているマイクロチャネルの高さより大
きい。図示の実施形態では、介在するマイクロチャネルの高さは、図2に示すようにシムスタックの高さHであり、面112、114の寸法の1つである。この態様では、蒸発器110は、長さ方向(L)に細長く、液体注入口106と蒸気排出口108との間の物理的間隔が長くなっている。この態様では、高さHに対する長さLの割合L/Hは、1より相当に大きく、例えば1.5、2、2.5、3又はそれ以上である。蒸発器110の厚さTを一定とすれば、長さ対高さの割合(L/H)が増すにつれ、長手方向の熱伝導(長さL方向)に利用できる断面積(HxT)が減少する。或る態様では、長手方向の熱伝導に利用できる断面積は、液体が、蒸発チャネル176に達する前に、液体チャネル172、172a内で早過ぎる蒸発を起こさないように選択される。
【0023】
個々のシムは、システムの作動状況に適合していれば、どの様な材料で作ってもよい。一般的には、温度及び/又は圧力が上がると、金属、例えば銅、ステンレス鋼又はインコネルのような高ニッケル合金を使用する必要がある。金属の場合、シムの切断又はへこみ形成方法には、光化学エッチングが適している。このパターン化工程は、表面にバリをつけることなく、非常に複雑なパターンを有するシムを作る能力を持っている。特定の用途又は大量生産でシムを作るのには、レーザー加工、電気化学加工又はスタンピングのような他のパターン化工程を用いることもできる。
【0024】
積み重ねられたシム150、170を挟み、流体を相互接続させるのに用いられている端部ブロック即ち端部キャップ130、132は、部片毎ベースで機械加工されており、加工工程は、積み重ね装置を大量に製造するために自動化することができる。アッセンブリ前に、パターン化工程からの残留フォトレジスト及びその他の有機汚染物質を取り除くため、パターン化されたシムは、洗浄、望ましくは蒸気脱脂される。更に、シム150、170の一方又は両方は、例えば、ベネット他に発行の米国特許第6,192,596号に記載されている一連の積み重ねプレートとして形成することができ、同特許を、参考文献としてここに援用する。
【0025】
積み重ねたシム/端部ブロックアッセンブリを、金属製の単一の固体部片に接合するのは、減圧下で、高温/高圧拡散接合工程で行うことができる。積み重ねられたシムのアッセンブリを、事前酸化済みの高温合金クランプ装置内に配置して、整列及び側面支持を行う。次に、真空熱圧で接合を行う。合金端部プレート(モリブデン合金のような)及びラム拡張部を使って、熱圧ラムから積み重ねられたサブアッセンブリへ圧力を伝える。ステンレス鋼の場合、接合条件は、摂氏920度で、280kg/cm(1平方インチ当たり4000ポンド)の荷重を4時間加えることである。勿論、当業者には理解頂けるように、拡散接合は、時間、圧力及び温度可変の工程なので、様々な条件の下で行うことができる。例えば、別の条件では、温度を摂氏950度まで上げ、210kg/cm(3000psi)まで上げた圧力を8時間加える。
【0026】
別の拡散接合工程では、外部ラムを使用しない。ラム無し工程は、サブアッセンブリ材料とクランプ装置材料の熱膨張係数の正差に依存して、高温での接合に必要な圧力を作り出す。超音波接合工程を用いてもよい。代わりに、金属接合には、拡散蝋付け、熱間静水圧圧縮成形及びそれらの組み合わせが含まれるが、それ等に限定されるわけではない。
【0027】
シムの接合を促進するために、様々なコーティングを行ってもよい。例えば、ステンレス鋼製シムを接合するのに、拡散接合と組み合わせて、無電解ニッケルめっきを行ってもよい。この方法では、先ず接合する金属面を核生成薬剤に曝す。使用できる核生成薬剤の1つに、塩化第1スズ溶液(SnCl)がある。次に表面を還元剤とニッケル塩の溶液に曝し、表面上に薄い金属ニッケル層を形成する。可能な選択として、塩としてNiClを用い、還元剤として次亜リン酸ナトリウム(HNaPO)を用いることができる。全工程は、約70℃で行われる。別の実施形態では、別のタイプのめっきを、様々な条
件の下で、別の試薬を使って行うことができる。
【0028】
拡散接合方法で接合する場合、各シム150及び170には、へこみ部分162を設けて、両端部にタブ160を形成するのが望ましい。隣接するシムのタブ160と接触していれば、拡散接合処理の間にタブ160は互いに接合し、部分162は接合しない。蒸発器110を蒸発ヘッダー部分に取り付けるために溶接又は取付部分として用いる場合、取付又は溶接によって生じる応力はタブ162に限定され、シムスタックに亘って容易に伝達されることはない。従って、取付又は取り扱いによって生じる拡散接合に関連する劣化は、犠牲タブ160に限定することができ、開口部158及び156の周りの接続部に容易に伝播されることはない。
【0029】
特に、蒸気側圧力低下の低い用途に用いる場合、蒸発側ヘッダー120及び122は、シム縁部116に沿って及び/又はタブ160において金属対金属の非密封嵌めによって取り付けてもよい。そのような非密封接合部を通る漏れは、蒸発器110に亘る圧力低下が低いため非常に小さい。更に、漏れ経路がマイクロチャネル152よりも小さい寸法に維持されている限り、漏れ経路は、追加の気体側熱伝達面積として作用する。更に、作動時に、気体側の静圧が低い場合、気体側ヘッダー120及び122は、高い蒸気圧を入れなければならない拡散接合構造に必要な材料よりも相当薄い材料で作ることができる。
【0030】
別の態様では、蒸発器110は、少なくとも部分的には別の蒸発器110と連結して形成されている。図4A及びBでは、相互接続されたシム250の配列を示している。シム250は、チャネル152aにチャネル152a内に伸張する突出部154aが設けられていることを除けば、シム150と全く同じである。突出部154aは、形成された蒸発器内で水部分172aに隣接して配置されるチャネル152aを通る気体の流れを減じ、当該チャネルによる熱伝達を減少させる。水部分172aへの熱伝達を減少させることにより、水部分172a内での流体の早すぎる蒸発を防ぐ助けとすることもできる。配列201内のシム250は、マイクロチャネル152及び152aと同じ深さまでへこんでいる細いへこみ領域205によって分離されている。整列穴212は、8個の同じ形状のシム250の配列201の境界を成す金属部分210及び220内に設けられている。
【0031】
図5A及び5Bは、蒸気及び水シムを含むシム配列202を示している。シム270は、液体部分172aが蛇行チャネルを含んでおり、部分172aと部分176の間にオリフィスが無いことを除けば、シム170と同じである。更に具体的には、蒸気部分172aは、流れ長さに沿って略一定寸法(断面)の一対の対応する蛇行即ち曲がりくねったチャネルを含んでおり、蛇行チャネルの寸法は、蒸気部分176の寸法より相当に小さい。蛇行チャネルは、その流れ長さに沿って明確に異なっており、共通の蒸気部分176へ繋がっている。液体部分172aの流れ長さは、部分172aを通って流れる液体が適切な圧力低下を維持するように選択され、蛇行パターンにより、シム170の単位長さ当たりの流れ長さが長くなっている。或る態様では、曲がりくねった流路は、それぞれが約60度より大きい数多くの方向転換部を、例えば少なくとも3、5又は10個、画定している。図示の実施形態では、液体部分172aは、16個の90度方向転換部を含んでおり、1つの180度方向転換部は、流路内の一対の90度方向転換部で構成されるよう考慮されている。配列202は、更に、両端部に整列穴212を備えた金属部分210及び220を含んでおり、個々のシム270は、へこみ部分225によって分離されている。
【0032】
シムを作るのに用いられるエッチング、スタンピング又はコイニング加工の対象となるこれらの曲がりくねった流路は、液相の流れを通すと圧力低下を引き起こす。この圧力低下は、蒸発器チャネルの蒸発区画における圧力低下と比べ無視できないものである。或る態様では、曲がりくねったチャネルに亘る圧力低下は、蒸発器チャネルの幅広の蒸気流れ区画に亘る圧力低下と比べて、少なくともほぼ等しいか、或いは相当に大きい。各シムへ
の入口における曲がりくねったチャネル内での圧力低下の効果は、装置の異なる水準にある部位の間(即ち、スタック内の異なる高さにある各蒸発チャネル176の間)に生じる不安定な流れの振動を防ぐことになり、もしそうしなければ、流れの分配が巧く行かず、熱交換器の性能が劣ったものとなる。流れの分配が巧く行かないと、装置からの蒸気の流れが脈動したり不安定になったりする。
【0033】
流れの不良分配の問題を回避する1つの伝統的な方法は、実際に蒸発できる量よりも相当多量の液体を送り、流れの不良分配とは関係なく、蒸発器の全てのチャネルに十分な水を確実に供給できるようにすることである。しかしながら、この伝統的な方法では、過剰な液体供給により装置を出る全ての蒸気が飽和状態になるので、蒸気の過熱を別のユニットで行う必要がある。更に、特に、通常は蒸発しなかった液体の分離と再循環が必要になるシステム圧力変動の間に蒸発速度を維持しようとする場合、過剰な液体の供給は過渡応答を鈍らせることになる。或る態様では、本発明は、蒸発チャネルへの入口で液体部分の相当な圧力低下を確立することによって、流れの不良分配を防ぐ。この態様では、本発明は、過剰な液体供給の必要性を避け、迅速な過渡応答が行えるようにし、単一のユニットで蒸発と過熱が行えるようにする。別の実施形態では、本発明は、過剰な液体を供給することによって、及び/又は蒸発した液体を過熱することなく、作動させることができる。
【0034】
スタックを組み立てる際には、対になった向かい合うシムの配列201が、シム配列202の間に交互に積み重ねられ、最初と最後は向かい合う一対の配列201となる。端部部片132a(図6参照)には、シム配列201及び202の整列穴212と整列するように、受け入れポスト212aが設けられている。スタック、例えば120シムのセットが形成された後、上部プレート(図7参照)が取り付けられ、ブロック300が形成される(図8参照)。次に、全ブロック300を拡散接合して1つの接合体とする。次に、蒸発器110の間の境界線に沿って切断することにより、個々の蒸発器110をスタックから分離する。
【0035】
ブロック300を拡散接合するための1つの方法は、外部ラムを使用して、上記条件の下でブロック300に圧力を掛ける方法である。ブロック300が、変形することなくラムの圧力に耐えられるほどの構造剛性を有している場合、例えば、図示の実施形態に構築されている場合、側面サポートは一般的に必要無い。
【0036】
シムを配列201及び202のように整えて接合スタック300を形成すると、幾つかの利点が生じる。個々に形成する方法と比べて、時間と無駄な金属が減る。更に、積層構造にすることによって個々の蒸発器110の構造剛性が上がり、拡散接合の厳しい条件に耐えられるようになり、高くて幅広だが薄い蒸発器要素を形成できるようになる。例えば蒸発器110は、幅と高さ12.7cm(5インチ)、厚さ僅かに1.27cm(0.5インチ)に作ることができる。
【0037】
スタックから蒸発器を切り分ける1つの技法は、ワイヤEDMである。各シムの端部まで伸張するへこみ又はエッチングされた部分225及び205が先に設けられているので、オペレーターは、エッチング部分225及び205の可視部分を利用して切断ワイヤを整列させ、確実に個々の蒸発器110を正確に切り離すことができる。部分225及び205の幅は、切断ワイヤの切断寸法に合わせて選択し、更に無駄な金属量を最小化することができる。更に、シム160の間のへこみ部分205を線EDMで切断すると、蒸気チャネル152への入口が、略丸み付形状になる。チャネル152への入口及び出口に鋭利な縁部を作らないようにすることにより、遷移領域効果に起因する圧力低下を、更に低減することができる。
【0038】
代替シム材料としては、限定するわけではないが、プラスチック、セラミックス、ガラ
ス、炭素繊維複合材及びそれらの組み合わせを挙げることができ、それぞれ適した接合技術と組み合わせて使用することができる。例えば、アルミナのセラミックをアルミナシリカの生テープと交互に重ねたものは、燃焼で接合する。プラスチックは、熱接合してもよいし、糊接合してもよい。
【0039】
接合した蒸発器110は、1つの固体材料部品として扱えるので、接合後は積層部分に追加の機械加工を施すこともできる。そのような機械加工は、Oリング又はガスケットシール用に面を滑らかにしたり、追加の流体注入口又は排出口ポートを設けたり、仕上がり部品の全体質量を減らしたり、外観を美しくするのに必要なものである。好適な実施形態では、蒸発器110の端部キャップ130、132は、アッセンブリ100へ取り付ける前に、約0.25cm(0.1インチ)厚さに機械加工される。
【0040】
接合後、蒸発器110の流体注入及び排出ポートには、配管に相当する材料が取り付けられる。金属の場合は、ろう付け又は溶接が、密封接続部を作る好適な方法である。この接続方法は、仕上げ部品上の表面積が非常に少なくて済み、機械加工嵌め込みのような他の接続方法より材料深さも少なくて済む。
【0041】
本発明による別の蒸発器を形成するためのシムのパターンを、図9A−11Bに示す。この蒸発器では、図9A及び9Bの互いに向かい合うシム350の対を使って、気体側マイクロチャネルを形成する。図11A−11Bのシム380と向かい合う図10A−10Bのシム370は、一緒になって蒸気側マイクロチャネルを形成する。シムは、多数のシムシート351、371、381にそれぞれ設けられ、端部プレート390と396の間に、各蒸発排出穴がプレート390の蒸気排出口ヘッダー穴394と整列し、各第1液体注入穴312がプレート396の液体注入口ヘッダー穴398と整列した状態で挟まれている。次に、シムスタックは、上記のように接合され、個々の蒸発器要素に分離される。図1Aと比較すると、この構成では、注入口106と排出口108は、装置の同じ側ではなく反対側にある。
【0042】
蒸発マイクロチャネルは、液体流れ部分と、液体流れ部分の断面積より相当に広い断面積を有する蒸気流れ部分を含んでいる。液体流れ部分は、液体注入貫通穴310と連通する曲がりくねったチャネル372を含んでいる。チャネル372は、平行な流れとして配置されている複数の曲がりくねったチャネル376a―376eと連通するマイクロチャネルヘッダー部分374に繋がっている。曲がりくねったチャネル376a―376eは、それぞれ、チャネル376とチャネル378の間の接合部付近に追加のサポート379を有する、対応する蒸気流れ部分378a―378eと連通している。蒸気流れ部分378a―378eは、シム370の長さに沿って互いに分離されており、共通の蒸気排出口ヘッダー穴に開いている。シム380は、シム370の部分378a―378eに対応する蒸気流れ部分388a―388eを含んでおり、蒸気マイクロチャネルの蒸気流れ部分に追加の断面積を形成している。シム380は、シム370の液体流れ部分372、374及び376a―376eを覆うエッチングされていない平坦な領域を有している。
【0043】
上記のように、シム370、380、350は、それぞれ、第2液体注入穴310を備えている。穴310と312は、各シムに独立して設けられ、端部プレート390には、2つの穴310、312の間に流体連通を形成するチャネル392が設けられている。また上記のように、シム370の蒸気マイクロチャネル378a―378eと流体連通しているのは第2穴310であり、一方第1穴312は、端部プレート396の液体注入穴398と流体連通している。従って、組み立てると、蒸発器への液体注入口は、先ず全ての穴312を通過し、その後、各蒸発シム370に分配するため穴310に送られる。従って、注入液体の全ストリームは各シム370を通過し、その後、液体は全て蒸発マイクロチャネル378a―378eへ送られる。注入液体は比較的冷たいのでシム370の液体
端部を冷却する手段となり、早過ぎる蒸発、又は各シム370の間の望ましくない温度変動を防ぐ手助けとなる。注入液体を同様の方法で追加して送り込むことによって、冷却効果を増すことができる。
【0044】
液体がまだ液体流れ部分376a―376e内にある間に液体の中に蒸気が存在することになる液体の早過ぎる蒸発を防ぐもう1つの方法は、液体流れ部分にある液体の直接加熱を避けることである。上記の多重通路自己冷却液体供給と組合わせて用いることも、組合せないで用いることもできるこの態様では、気体側マイクロチャネル352は、液体流れ部分376a―376eに亘ってシム350には無い。気体側マイクロチャネル352も、例えば蒸気流れ部分378の長さの最初の5−10%のような、蒸気流れ部分の最初の部分には無い。図示の実施形態では、第1気体側チャネル352の前縁356は、チャネル378のサポートリブ379の下流端部とほぼ一列に並んでいる。
【0045】
又別の実施形態では、蒸発器は、気体マイクロチャネル152を差し挟むことなく、蒸発マイクロチャネル171だけを有して形成することもできる。そのような構造の例が、シム150、270又は370を差し挟むことなく、シム170、270又は370のスタックで形成される蒸発器である。蒸発器への加熱は、蒸発マイクロチャネル171の側方に沿って配置されている加熱器によって供給される。この目的で電気カートリッジ加熱器を用いることができる。この変形例では、面112、114は、加熱流体流路を画定するのではなく、電気加熱器又は加熱要素の配列を含むことになる。これらの加熱要素は、加熱要素の外側に適切な断熱材料を施して、シム170、270、370の外周部182内に予め形成されている穴の中に差し込むことができる。この代替構造の1つの用途は、オンデマンド電気蒸気発生器である。
【0046】
実施例
実施例1
図4及び5に示すシム設計に従い、121対のシム250を120個のシム270と交互に積み重ねて水蒸発器を構築した。シムは、全てステンレス鋼製で、長さ(タブ160からタブ160までの全長)11.76cm(4.4インチ)、幅1.27cm(0.5インチ)であった。燃焼側シムは、厚さ0.039cm(0.0155インチ)で、蒸気チャネルを深さ0.025cm(0.01インチ)にエッチングしたものである。蒸気側シムは、厚さ0.025cm(0.01インチ)で、蒸気/水チャネルを深さ0.017cm(0.005インチ)にエッチングしたものである。拡散接合後、ステンレス鋼の端部プレートを厚さ0.25cm(0.1インチ)に機械加工し、蒸発器を、図1のアッセンブリ内に装着した。
【0047】
周囲温度(約20℃)で注入した水を蒸発させ周囲圧力で蒸気を排出させて得られた、合計パネル容積ベースの熱伝達は、立方センチメートル当たり10ワット(W/cm)であった。燃焼ガスは500℃で注入し、流量は毎分約900標準リットル(slpm)とした。燃焼ガスの圧力低下は、大気への排出口で6.35cm(2.5インチ)水柱であった。この実施例の熱伝達密度を計算するための容積は、機械加工した端部プレートを含み、気体側ヘッダーを含まない、蒸発器110の容積とした。端部プレートは、性能に悪影響を与えることなく、製作後に機械加工で除くこともできるし、最初からもっと小さくしておいてもよい。熱伝達密度を測定するための別の公式化は、活性領域の容積をベースとするものである。活性領域は、中で差し挟まれた流れのチャネルが熱的に接触している装置の容積である。図示の実施形態では、活性領域は、燃焼ガスが流れる断面積(面112又は114に相当)にシムの幅Wを掛けたものである。これをベースに測定すると、熱伝達の密度は、ここに報告する値より21%高くなる。
【0048】
実施例2
実施例1の装置を使い、周囲温度で毎秒1立方センチメートルの水を供給し、480℃の燃焼ガスを900slpmで注入し開放放出したところ、気体側圧力低下は6.35cm(2.5インチ)水柱よりも少ないく、蒸気の排出口温度は約425℃であった。
【0049】
実施例3
実施例1の装置を使用すると、燃焼ガスによる水の蒸発に対する水圧低下101.6cm(40インチ)で、合計パネル容積ベースで、約80W/cmの熱伝達が得られると推測される。
【0050】
実施例4
実施例1の装置を使用すると、燃焼ガスから少なくとも約70%の熱効率で、熱伝達を得ることができると期待される。ここで用いる「熱効率」は、通常通り、各注入口作動条件において無限に長い向流熱交換器内で生じるエネルギー伝達に対する実際に伝達されるエネルギーと定義する。熱伝達は、少なくとも約80%の熱効率又は約70%から90%の間の熱効率で得ることができると予測される。
【0051】
実施例5
図9−11のシムを使い、61対のシム350を向かい合うシム370、380の対と交互に積み重ねて、装置を構成した。端部プレート390、396と共に6つの装置を形成し、上記のように、拡散接合後に、ワイヤEDMで分離した。シムは全てステンレス鋼製で、長さ22.2cm(8.74インチ)、幅1.78cm(0.7インチ)であった。燃焼側シムは、厚さ0.025cm(0.01インチ)で、蒸気チャネルを深さ0.13cm(0.005インチ)にエッチングしたものである。蒸気側シムは、厚さ0.038cm(0.015インチ)で、蒸気/水チャネルを全て深さ0.019cm(0.0075インチ)にエッチングしたものである。この蒸発器の作動パラメーターの例を、2つの異なる作動条件に対して表1に示している。
【0052】
【表1】

【0053】
活性領域は、燃焼ガスが流れる断面積で定義される。これには、蒸発チャネルを密封するためのシム縁部の固体金属の体積が含まれる。この領域を測定すると、253cm
容積に対して、17.8cmx8.00cmx1.78cm(7インチx3.15インチx0.7インチ)である。
【0054】
合計パネル容積には、合計シム容量に、総容積401cmに対して22.2cmx10.2cmx1.78cm(8.75インチx4インチx0.7インチ)の端部プレートを加えたものである。市販用途では、端部プレートを小型にしてもよいし、製作後に、性能に悪影響を与えることなく機械加工で除去することもできる。
【0055】
燃焼排出温度の予測値は、注入水と燃焼ガスの流量及び温度と、最終蒸気温度とを用いて、熱平衡によって求めることができる。測定された燃焼排出温度が変わるのは、排出気体が完全に再混合する機会を得る前に、パネル排出口面に比較的近い1つの熱電対で排出温度を測定したという事実に起因している。測定した排出温度の値は、排出口面に沿う熱電対の位置によって、+/−約15℃の範囲で変動した。
【0056】
実施例6
例5による装置は、約1150℃の送気管気体注入口温度、及び水飽和蒸気を作ることができる流量で供給される液体水で作動し、水を蒸発させることができると期待される。実施例5の装置によって提供される蒸気側への効率的熱伝達は、排出を維持するよう選択された受容可能な低レベルにシムの金属の温度を維持するよう期待されている。
【0057】
上記実施形態では、使用されている個々のシムは全て、面112及び114が略平行になるように一定幅のシムとなっているが、別の構成も考えられる。例えば、シムは、蒸気の流れの方向に徐々に大きくなるテーパ付形状となっていてもよい。更に、蒸気チャネル176は、蒸気シムの幅が増すにつれ、徐々に寸法が大きくなってもよい。代わりに、又は加えて、何れかのマイクロチャネルの寸法は、1つのシムでそれを広く又は深くすることにより、或いは隣接するシムの向かい合う表面に対応するエッチングを施すことにより、変えてもよい。
【0058】
また、アッセンブリ120を水の蒸発に関して説明してきたが、これを使えば、例えば燃料電池の用途に有用なように、ガソリン又は他の流体を蒸発させることもできる。迅速な始動を必要とする用途では、装置を通る流量を増すことによりこれを達成することも考えられる。迅速な始動を要する用途の1つの例は、自動車で使う蒸気改質器である。
【0059】
例えば、気体側を冷却して蒸気を逆方向に流すことによる、気体と蒸発している液体との間の、又は気体と凝縮している液体との間の熱伝達も、相変化を含む熱伝達利用法の例と考えられる。相転移が起こらない熱伝達利用法も考えられる。例えば、本発明の熱交換器を用いて、気体と液体の間、気体と蒸発した液体の間、又は高圧気体と低圧気体の間で熱を伝達することもできる。これら又は他の用途では、マイクロチャネル171は、長さに沿って実質的に均一な断面であってもよい。限定するわけではないが、或る特定の用途では、本発明の熱交換器を、オンデマンドの水加熱器システムの一部として、蒸気過熱器として、或いはコンデンサーとして利用するものもある。
【0060】
更に、本装置、或いは本装置と直列に連結されている別の装置では、追加のユニット作動を行わせることもできる。例えば、触媒を一方又は両方の流路に設け、一方又は両方の流体のストリームに、化学反応を起こさせることもできる。或る有用な態様では、化学反応は、温度に敏感で、及び/又は発熱性か吸熱性の何れかである。この態様では、加熱又は冷却流体を一方の流路に供給し、他方の流路で反応が起こるようにして、反応を制御することもできる。
【0061】
本発明のパネル熱交換構成を利用すると、1つの反応又は競合する反応の温度を制御す
るための効率的な機構が構築される。可逆反応は、本発明によって制御するのに適した対象である。有用な発熱反応の例には、サバティエ、選択酸化、部分酸化及び水性ガス転化反応が含まれる。有用な吸熱反応の例には、蒸気改質、逆水性ガス転化を含む。この他に考えられる反応としては、アンモニア合成、メタノール合成、エステル化、オレフィン水和反応、MTBE合成及び選択性メタン化反応が挙げられる。マイクロチャネル内で触媒反応を行わせるための、ここに記載の技法及び代表的な技法による反応の熱制御のこの他の例は、「温度制御のためのマイクロチャネル反応器」と題し、本出願と同じ譲受人に譲渡されている2002年3月11日出願の米国仮特許出願第60/363,269号と、2002年5月9日に出願の米国仮特許出願(未定)号に述べられている。
【0062】
反応触媒は、粉末状又はペレット状で流路内に設けても、フェルト又は発泡体のようなシート状の工学的支持材上に堆積させても、流路の壁上に堆積させてもよい。適切な反応触媒は、各マイクロチャネルを通して概ね均一に分布させてもよいし、随意的に、各マイクロチャネルを通して、始めの位置又は離れた位置に局地的に集中させておくこともできる。例えば、短い流路内の燃焼反応を加熱に用いる(例えば、熱を、長い方の流路内で起こる吸熱反応に供給する)場合、燃焼触媒を気体注入面付近に集中させると有用である。
【0063】
制御された温度反応を行わせるために本パネル流体処理装置を使う1つの形態は、反応を長い方の流路内で起こさせ、熱交換流体を短い方の流路に通してその反応を冷却(又は加熱)するものである。熱交換流体が短い方の流路内にある場合、相対的に安定した冷却流体温度を、長い方の流路である反応流路の全て又は少なくとも相当な部分で維持することができる。この様にすると、熱交換流体によって供給されるか又は取り除かれる熱を消費する(吸熱する)か又は発生させる(発熱する)反応が起こる多数の同じ反応流路の間で、比較的安定した温度プロファイルを維持することができる。この態様では、長い方の流路は、関連する流れ長さを通して一定の断面積にすることができる。熱交換流路は、装置を通して均一であってもよいし、例えば、反応パネルの異なる部分では更に大きな熱伝達密度となるように、寸法及び/又は離隔距離を変化させてもよい。
【0064】
本発明による反応温度の制御を使えば、関心対象の特定の反応を最適化し、又は競合する反応がある場合には特定の反応を最適化することができる。代わりに、又は追加して、温度制御を使えば、反応器内の高温及び低温に関して極値を抑えて、腐食(低い方の最大温度)、硫黄中毒(高い方の最小温度)及び炭素堆積(硫黄中毒と、高い方の最小温度が下がる)のような別の要因に関する反応性能を改良することができる。
【0065】
短い流路を通って流れる流体を利用する加熱又は冷却は、長い加熱又は冷却チャネルで使う場合よりも、より高温又は低温の流体を用いることができるため、システムの作動範囲を拡大することができる。理由の1つは、比較的短い流れ長さは、パネルの前面から背面までの熱伝導を促進して、熱を、注入口面から効果的に広げて、短い流路に亘る過剰な温度変化を防ぐということである。その結果、長い方の流路の幅Wに亘る温度勾配も最小になる。
【0066】
燃焼ガスが短い流路内を流れる場合、燃焼は、反応器パネルの金属を高温に上げることなく、より高い温度で生じさせることができるので、システムは相当な効率利得を得ることができる。これらの効率利得は、多段燃焼の代替案に比べ複雑にすることなく入手できる。燃焼流路内の温度変化を抑えるのは、腐食の防止にも有用である。
【0067】
長い方の流路内で発生する発熱反応を冷却するために、短い流路に冷却気体を流す場合も同様の状況となる。発熱反応の多くは、均衡又は生成物分配の要件のため冷却する必要があるが、反応が運動論的に抑制されるほど冷却してはならない。これらの反応の例は、水性ガス転位及び選択酸化反応である。このパネル構成では、運動論的挙動を維持するた
めの最低温度より遙かに冷たい少量の流れを用いて、冷却材にパネルの面を通過させ、冷却材の流れの方向の伝導により温度を平坦にして冷却材注入口付近の反応が抑制されるのを防ぐことにより、装置を冷却することができる。冷却材の流れの方向の伝導の効果で、反応と接触して反応の抑制を決めることになる金属壁は、冷却材温度が反応抑制温度より低くても、なお反応抑制温度より上に保つことができる。代わりに、冷却材温度を必要最低温度付近かそれ以上にして、より一般的な方法で反応の抑制を回避することもできる。
【0068】
当業者には理解頂けるように、本発明の1つの形態は、第一流体を注入口から排出口へ運ぶための少なくとも1つの第1チャネルと、前記第1チャネルと関係付けて配置されている少なくとも1つの第2チャネルであって、2つのチャネル間で熱を伝達するためのものであり、前記第1チャネルより相当に短い長さを有している第2チャネルと、を備えている熱伝達装置である。好適な形態では、第2チャネルは、気体のような第2流体を、第1チャネルを横切って導くことができ、第2チャネルを流れる気体の圧力低下は、通常の作動条件下では低レベルに維持される。更に改良した又別の形態では、本装置は、熱交換器要素内に形成され、少なくとも第1面と第2面を有する複数の第1及び第2チャネルを備えている。更に改良した又別の形態では、前記複数の第1チャネルの少なくとも一部は、第1面と第2面の間の要素内に形成され、第1面と第2面の間に配置されている流路を通して第1流体を運ぶようになっている。更に改良した又別の形態では、前記複数の第2チャネルは、前記装置内に形成され、少なくとも第1から第2面に伸張しており、第2流体を第1から第2面へ導くようになっている。更に改良した又別の形態では、前記第2チャネルを、平行な第1チャネルの間に配置して、熱を、第2流体と前記平行な第1チャネル内の第1流体との間で伝導させることができる。更に改良した又別の形態では、熱伝導要素は、薄い金属シムの積み重ねた配列を接合することにより形成されている。隣接する流体壁を経由する熱伝導に加えて、第1チャネルの外周部の少なくとも一部を形成する熱伝導フィンを通して熱伝導を起こすこともできる。外周部の少なくとも一部を形成している熱伝導フィンは、拡散接合過程で要素を形成する間に、第1チャネルを密閉する接合面として働くこともできる。更に改良した又別の形態では、第2チャネルは、薄いシムの向かい合う面を接合させて形成されており、各面には、第2チャネルの一部を形成するへこみ部分が設けられている。更に改良した又別の形態では、第1チャネルの少なくとも一部は蛇行流路を含んでいる。更に改良した又別の形態では、第1及び第2チャネルは、直交流形熱交換器を形成する直交する流路を画定している。好適な形態では、1つ又は複数のチャネルはマイクロチャネルである。別の好適な形態では、熱交換器要素を形成する接合された積み重ねシムの容積を基に測定して、少なくとも約10W/cmの熱伝達が、気体側圧力低下約6.35cm(2.5インチ)水柱未満で得られる。
【0069】
又別の形態では、本発明は、一体化金属対金属接合によって接合された薄い金属シートのスタックから成る直交流形流体熱交換器であり、前記スタックは、互いに反対側の両端に穴を有するへこみ付シートを交互に配して構成され、へこみ付シートの内の第1シートは前記穴と穴の間の少なくとも1つの第1流路の少なくとも一部を画定し、へこみ付シートの内の第2シートは、前記穴から離れ前記2つの穴を繋ぐ線に略直交する方向の、少なくとも1つの第2流路の少なくとも一部を画定する。更に改良した又別の形態では、第2流路は、第1流路より相当に短く、シートの内の第2シート上の隣接する流路の間に複数のサポートが配置されている。更に改良した又別の形態では、1つの第1流路だけが第1シートの1つに形成されている。更に改良した又別の形態では、第1流路は、蛇行流路を含んでいる。更に改良した又別の形態では、第1流路は、第2へこみ付シートの内の1つのシートの面に接合することにより、少なくとも部分的には密閉されている。更に改良した又別の形態では、薄いシートの面に接合させるために、サポートが第1流路内に設けられている。更に改良した又別の形態では、穴が整列して、第1流路を通して流体を分配するためのヘッダーを形成しており、穴は、スタック全体に亘るヘッダー内の圧力の変動が少なくなるように、非均一な寸法となっている。
【0070】
本発明の又別の形態では、流体処理装置を形成するための技術は、複数の個別流体処理ユニットを一体に形成する段階と、次に、そのユニットを、ある程度組み立てた後で分離する段階とを含んでいる。更に改良した又別の形態では、複数の薄いシートが2つの端部プレート間に積み重ねられており、各シートは、複数の個別流体処理ユニットの区画を有しており、複数の区画が組み合わされて、流体処理ユニット内に1つ又は複数のマイクロチャネルを画定している。更に改良した又別の形態では、端部プレートからの少なくとも1つの整列ポストを受け入れるために、整列穴がシートの両端の犠牲帯片内に設けられており、積み重ねられたシートの配列は端部プレートの間に配置され、側方サポート無しで拡散接合できるようになっている。更に改良した又別の形態では、接合後、各個別流体処理ユニットは、ユニット間で材料を切断することにより分離される。更に改良した又別の形態では、分離は、ワイヤEDMを使って行われる。更に改良した又別の形態では、個別区画は、幅よりも相当に大きい長さと、シムの厚さよりも相当に大きい幅を有する薄いシムで形成されている。更に改良した又別の形態では、各区画が積み重ねられ、個々のシムの幅によって画定される幅より相当に大きい高さを有する個別流体処理ユニットを形成している。代わりに、或いはそれに加えて、個々の流体処理ユニットは、個々の流体処理ユニットの区画の間の境界に開口部を有するマイクロチャネルを備えることができ、ワイヤEDMを使って個々の流体処理ユニットを分離すると、開口部を通って流れる気体の圧力低下を低レベルに維持できるように、マイクロチャネルの開口部は丸みの付いた形状となる。更に改良した又別の形態では、丸みの付いた形状を形成し易くするために、マイクロチャネルの開口部に隣接する個々の流体処理ユニットの区画の間の境界には、個々のユニットをEDMを使って分離する前に形成され、マイクロチャネルに丸みの付いた開口部を形成するマイクロチャネル開口部部分と実質的に一致する形状を有している部分が設けられている。更に改良した又別の形態では、形成された流体処理ユニットは、複数のマイクロチャネルと流体連通する少なくとも2つの流体分配ヘッダーと、流体ヘッダーを備えていない第2複数のマイクロチャネルとを画定する積み重ねられたシムを含んでおり、本方法は、形成された流体処理ユニットを個別に形成された気体ヘッダーに取り付ける段階を含んでいる。
【0071】
更に別の形態では、熱交換器システムを形成するための技術は、流体処理システムの一部を形成する薄いシートの積み重ねられた配列を形成する段階と、積み重ねられた配列を、積み重ねられた配列内の複数の個別の気体チャネルへ気体を分配するための個別に形成された気体ヘッダーと接続する段階とを含んでいる。更に改良した又別の形態では、積み重ねられた配列は、接合されて金属対金属接合を形成している。更に改良した又別の形態では、配列は、拡散接合工程で接合され、個別に形成された気体ヘッダーは無い。
【0072】
以上、本発明を、添付図面と上記説明とで詳しく示し説明してきたが、これらは発明を分かり易くするためのものであり、発明の特徴を制限するものではなく、好適な実施形態のみを図示し説明しており、ここに記載する本発明の精神に当てはまる全ての変更、等価物及び修正は、保護されるものと理解戴きたい。ここに提供する全ての実験、実験例又は実験結果は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を制限し又は拘束するものではない。更に、ここに述べた何れの理論、作用の機構、証明又は発見も、本発明の理解を促進するためのものであり、本発明を、そのような理論、作用の機構、証明又は発見に制限する意図は全くない。本明細書に引用した全ての発行物、特許及び特許出願は、各個々の発行物、特許及び特許出願を具体的且つ個々に、参考文献として援用し、その全てをここで述べたかのように、参考文献として本明細書に援用するものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1Aは、本発明の1つの実施形態の熱交換器アッセンブリの側面立面図である。図1Bは、図1Aの熱交換器アッセンブリの上面図である。図1Cは、図1Aの熱交換器アッセンブリの端部立面図である。
【図2】図1A−1Cのアッセンブリの熱交換器要素の側面立面図である。
【図3】図3A及び図3Bは、それぞれ、図2の熱交換器要素を形成するために積み重ねることのできる個々の薄いシートの上面図である。図3Cは、図3A及び図3Bの薄いシートの底面図である。
【図4】図4Aは、本発明の別の実施形態によるシム配列の上面図であり、Xは貫通穴を示している。図4Bは、図4Aの配列の一部分の拡大詳細図であり、クロスハッチングはへこみ部分を示している。
【図5】図5Aは、本発明の又別の実施形態によるシム配列の上面図であり、Xは貫通穴を示している。図5Bは、図5Aの配列の一部分の拡大詳細図であり、クロスハッチングはへこみ部分を示している。
【図6】図6A−6Cは、それぞれ、例1に示した図4及び図5のシム配列を備えた蒸発器要素を形成するための底部プレートの図面である。
【図7】図7A−7Cは、それぞれ、例1に示した図4及び図5のシム配列と図6の底部プレートとを備えた蒸発器要素を形成するための上部プレートの図面である。
【図8】個々の蒸発器要素に分離する前の積み重ねブロックの斜視図である。
【図9】図9Aは、本発明の更に又別の実施形態による気体側シム配列の上面図であり、クロスハッチングはへこみ部分を示している。図9Bは、図9Aの一部分の拡大詳細図である。
【図10】図10Aは、本発明の更に又別の実施形態による蒸発器側シム配列の上面図であり、クロスハッチングはへこみ部分を示している。図10Bは、図10Aの配列の一部分の拡大詳細図である。
【図11】図11Aは、図10Aの蒸発器側シム配列と組み合わせて使用するための蒸発器側シム配列の上面図であり、クロスハッチングはへこみ部分を示している。図11Bは、図11Aの配列の一部分の拡大詳細図である。
【図12】例5に示した図9A−11Bのシム配列を備えた蒸発器要素を形成するための端部プレートの斜視図である。
【図13】例5に示した図9A−11Bのシム配列を備えた蒸発器要素を形成するための端部プレートの斜視図である。
【図14】個々の蒸発器要素に分離する前の、図12−13の端部プレートを備えた図9A−11Bのシム配列の積み重ねブロックの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第1及び第2流体を運ぶための複数の第1マイクロチャネルと複数の第2マイクロチャネルとを備えている熱交換器において、
前記第1マイクロチャネルは、前記第2マイクロチャネルと、少なくとも第1値のマイクロチャネル流れ長さに亘って熱接触し、
前記第2マイクロチャネルは、前記第1マイクロチャネルと、第2値より大きくないマイクロチャネル流れ長さに亘って熱接触し、
前記第1値は、前記第2値の少なくとも4倍であリ、前記複数の第1マイクロチャンネルは蒸発マイクロチャンネルであって、各該蒸発マイクロチャンネルは対応する蒸気通路と流体連通している各液体流路を有し、該蒸気通路は対応する液体流路の断面積よりも相当に大きい断面積を有しており、
前記液体流路は該液体流路内に圧力低下を確立して前記複数の第1マイクロチャネル間の前記第1流体の分配を少なくとも部分的に制御するために曲がりくねった部分を含んでいる、熱交換器。
【請求項2】
前記複数の第2マイクロチャネルは、前記第1マイクロチャネルの間に挟まれている、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第1マイクロチャネルと熱接触する一次熱伝達表面と、前記一次熱伝達表面から、前記第1マイクロチャネルの最小寸法を相当に上回る距離だけ伸張している、少なくとも1つの二次熱伝達表面と、を更に備えている、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記二次熱伝達表面は、前記一次熱伝達表面から、前記一次熱伝達表面に実質的に平行な方向に伸張している、請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1値は、前記第2値の少なくとも8倍である、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項6】
一体に接合された薄いシートのスタックとして形成され、前記スタックは、互いに反対側の両端部に穴を有するへこみ付シートを交互に含んでおり、前記シートの前記へこみは、前記第1及び第2マイクロチャネルの少なくとも一部分を画定している、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1の複数のマイクロチャネルは前記穴と穴の間に流路を画定し、前記第2の複数のマイクロチャネルは、前記穴とは分離された流路を、前記穴と穴とを繋ぐ線に略直交する方向に画定する、請求項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1マイクロチャネルは、反応触媒を含む反応マイクロチャネルである、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記反応触媒は、サバティエ反応、選択酸化反応、水蒸気改質反応、部分酸化反応、水性ガス転化反応、逆水性ガス転化反応、アンモニア合成反応、メタノール合成反応、エステル化反応、オレフィン水和反応、MTBE合成反応、又は選択性メタン化反応のための触媒である、請求項に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記第2流路は、反応触媒を含む反応マイクロチャネルである、請求項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記第2流路内の前記反応触媒は燃焼触媒である、請求項に記載の熱交換器。
【請求項12】
蒸発する流体を運ぶための複数の略平行な第1蒸発流路が、熱交換流体を運ぶための複数の第2の略平行な流路に挟まれ、これと熱接触するように構成されている蒸発器において、
前記第1蒸発流路は、それぞれ、互いに流体連通している液体流れ部分と対応する蒸気流れ部分を含んでいて、前記蒸気流れ部分は対応する前記液体流れ部分の断面積より相当に大きい断面積を有しており、
前記液体流れ部分は、複数の第1蒸発流路間の流れの分配を制御するために、前記各液体流れ部分に亘る相当な圧力低下を確立すべく、60度より大きい少なくとも3つの方向転換部を有する少なくとも1つの曲がりくねったマイクロチャネルを含んでいる、蒸発器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの曲がりくねったマイクロチャネルは、90度の少なくとも5個の方向転換部を含んでいる、請求項12に記載の蒸発器。
【請求項14】
前記少なくとも1つの曲がりくねったマイクロチャネルは、90度の少なくとも10個の方向転換部を含んでいる、請求項13に記載の蒸発器。
【請求項15】
第2熱交換流体用の前記第2流路は、前記第2流路と熱接触する前記第1蒸発流路の部分の流れ長さよりも相当に短いマイクロチャネル流れ長さを有するマイクロチャネルである、請求項12に記載の蒸発器。
【請求項16】
前記第1蒸発流路それぞれの前記液体流れ部分は、平行に流れ、それぞれが少なくとも60度の少なくとも3個の方向転換部を有する複数の曲がりくねったマイクロチャネルを含んでいる、請求項12に記載の蒸発器。
【請求項17】
前記複数の曲がりくねったマイクロチャネルは、共通の曲がりくねったマイクロチャネルと流体連通している、請求項16に記載の蒸発器。
【請求項18】
前記複数の曲がりくねったマイクロチャネルは、前記曲がりくねったマイクロチャネルとの連結点付近で互いに離れて対応する複数の蒸気流れ部分と連通している、請求項16に記載の蒸発器。
【請求項19】
前記対応する複数の蒸気流れ部分は、共通の蒸気排出口ヘッダーと流体連通しているマイクロチャネルである、請求項18に記載の蒸発器。
【請求項20】
前記蒸気流路は、共通の蒸気排出口ヘッダーと流体連通している、請求項19に記載の蒸発器。
【請求項21】
熱交換流体を運ぶための前記第2流路は、前記液体流れ部分の前記曲がりくねったマイ
クロチャネルとは直接熱接触してはおらず、前記蒸発する流体が前記曲がりくねったマイクロチャネルを通って流れるときには、前記蒸発する流体の蒸発を実質的に防ぐようになっている、請求項12に記載の蒸発器。
【請求項22】
蒸発する流体は、前記蒸発マイクロチャネル内にあり、前記第1流路の前記液体流れ部分に亘る圧力低下は、前記第1流路の前記蒸気流れ部分に亘る圧力低下と、少なくともほぼ等しい、請求項12に記載の蒸発器。
【請求項23】
一体に接合された薄いシートのスタックとして形成され、前記スタックは、互いに反対側の両端部に穴を有するへこみ付シートを交互に含んでおり、前記シートの前記へこみは、前記第1及び第2流路の少なくとも一部分を画定している、請求項12に記載の蒸発器。
【請求項24】
一体に接合された薄いシートのスタックを備えている蒸発器において、
前記スタックは、互いに反対側の両端部に穴を有するへこみ付シートを交互に含んでおり、前記シートの前記へこみは、第1及び第2の別々の流路の少なくとも一部分を画定しており、
前記第1流路は、蒸発する流体を穴と穴の間で運ぶように機能し、互いに連通している液体流れ部分と蒸気流れ部分を含んでおり、前記蒸気流れ部分は増大した特定の容積の蒸気相を受け入れるために前記液体流れ部分の断面積よりも相当に大きい断面積を有しており、前記液体流れ部分は複数の第1の流路間の流れの分配を制御するために各液体流れ部分を介して相当大きな圧力低下を確立すべく少なくとも1つの対応する曲がりくねったマイクロチャネルを含んでおり、
前記第2流路は、前記穴から分離されており、対応する前記第1流路の前記蒸気流れ部分の少なくとも一部分と熱接触している、蒸発器。
【請求項25】
前記第1流路の前記液体流れ部分は、それぞれ、平行流れ配置に形成された複数の曲がりくねったマイクロチャネルを含んでいる、請求項24に記載の蒸発器。
【請求項26】
前記第2流路それぞれの長さは、前記穴と穴の間の距離より相当に短い、請求項24に記載の蒸発器。
【請求項27】
前記第2流路それぞれの長さは、前記穴と穴の間の距離の1/8より短い、請求項24に記載の蒸発器。
【請求項28】
第1流路と第2流路を交互に配して構成され、前記第1及び第2流路の少なくとも一方はマイクロチャネルを含んでいるワンパス直交流熱交換器を準備する段階と、
第1流体を前記第1流路に流す段階と、
燃焼ガスを前記第2流路に前記熱交換器の活性高温気体流れ領域を通して流し、熱を前記第1流路に伝達する段階と、から成る方法において、
前記活性高温気体流れ領域の容積に基づく容積熱伝達度は、少なくとも30W/cmであり、各流体注入条件下における、無限に長い向流熱交換器に対して定義される熱効率は、少なくとも70%であり、
前記第2流路に亘る燃焼ガスの圧力低下は、センチメートル水柱で、前記第2流路への注入口における大気中での燃焼ガスの圧力の逆数の25.4倍未満である、方法。
【請求項29】
前記容積熱伝達度は、少なくとも40W/cmである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
センチメートル水柱での圧力低下は、前記第2流路への注入口における大気中での燃焼ガスの圧力の逆数の12.7倍より小さい、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
センチメートル水柱での圧力低下は、前記第2流路への注入口における大気中での燃焼ガスの圧力の逆数の12.7倍より小さい、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記熱交換器内の高温気体の流れのレイノルズ数は、500より小さい、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記第1流体は液体を含んでおり、前記第1流路は、互いに連通している液体流れ区画と蒸気流れ区画を含む蒸発流路であり、前記蒸気流れ区画は前記液体流れ区画より相当に大きな断面積を有している、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1及び第2流路は、それぞれ少なくとも1つのマイクロチャネルを含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
液体を蒸発させる方法において、
それぞれ、互いに流体連通している液体流れ部分と蒸気流れ部分を含んでおり、前記蒸気流れ部分は前記液体流れ部分の断面積よりも相当大きな断面積を有し、前記各液体流れ部分は複数の第1蒸発マイクロチャンネル間の第1ストリームの分配に影響を与えるべく前記液体流れ部分に亘る圧力低下を確立するための曲がりくねったマイクロチャネル液体流路を含むように構成されている前記複数の第1蒸発マイクロチャネルを通して、液体を含んでいる第1ストリームを流す段階と、
前記第1ストリームを、前記第1蒸発マイクロチャネルの前記蒸気流れ部分と熱接触する第2流路を通って流れる第2流体によって加熱し、前記蒸気流れ部分内の前記第1ストリームの少なくとも一部分を蒸発させる段階と、
前記第1ストリームを加熱する際に、前記複数の第1蒸発マイクロチャネルそれぞれの前記液体流れ部分に亘る圧力低下を、少なくとも前記蒸気流れ部分に亘る圧力低下とほぼ等しく維持して、前記複数の第1蒸発マイクロチャネル間の前記第1ストリームの流れの分配を制御する段階と、から成る液体を蒸発させる方法。
【請求項36】
前記曲がりくねったマイクロチャネルの液体流路から最も近い第2流路までの距離は、前記第1蒸発マイクロチャネルの前記蒸気流れ部分から最も近い第2流路までの距離より相当に大きく、前記曲がりくねったマイクロチャネル液体流路と前記第2流路との間の直接の熱接触を避け、前記曲がりくねったマイクロチャネル液体流路内の前記第1ストリームの蒸発を実質的に防ぐことができるようになっている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1ストリームは水を含んでおり、前記第1ストリームを加熱する段階は、前記水を蒸気に蒸発させる段階を含んでいる、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記第1ストリームは、前記第1蒸発マイクロチャネルの出口では、実質的に液体の水を含んでいない、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1ストリームを加熱する段階は、前記蒸気を相当程度過熱する段階を含んでいる、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
液体を蒸発させる方法において、
それぞれ、互いに流体連通している液体流れ部分と蒸気流れ部分を含んでおり、前記蒸気流れ部分は前記液体流れ部分の断面積よりも相当大きな断面積を有するように構成されている複数の第1蒸発マイクロチャネルを通して、液体を含んでいる第1ストリームを流す段階と、
前記第1ストリームを、前記第1蒸発マイクロチャネルと熱接触する第2熱交換マイクロチャネルを通って流れる第2流体によって加熱し、前記第1ストリームの少なくとも一
部分を蒸発させる段階と、から成り、
前記第2熱交換マイクロチャネル内の前記第2流体の流れのレイノルズ数は、1000未満であり、前記第2熱交換マイクロチャネルを通る前記第2流体の圧力低下は、センチメートル水柱で、前記第2熱交換マイクロチャネルへの注入口における大気中での前記第2流体の圧力の逆数の25.4倍未満である、方法。
【請求項41】
一体化金属対金属接合により接合された薄い金属シートのスタックとして形成され、前記スタックは、互いに反対側の両端部に穴を有するへこみ付シートを交互に含んでおり、前記シートの前記へこみは、前記第1及び第2マイクロチャネルの少なくとも一部分を画定するように構成されている蒸発器を準備する段階を更に備えている、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
複数の個別流体処理ユニットを一体で形成する段階と、或る程度組み立てた後で前記ユニットを個々の部分間の境界に沿って切断することにより個別ユニットに分離する段階とから成る方法において、
前記複数の個別ユニットを一体で形成する段階は、へこみ付シートを交互に含み、前記シートの前記へこみが前記個別流体処理ユニット用の流路の少なくとも一部分を画定するように構成されている、薄い金属シートのスタックとして一体化金属対金属接合を形成する段階を含んでおり、
分離した後の前記個別ユニットの幅は、前記薄い金属シートのスタックの高さよりも相当に小さくなる、方法。
【請求項43】
前記一体化金属対金属接合を形成する段階は、拡散接合段階を含んでいる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記一体化金属対金属接合を形成する段階は、前記薄い金属シートのスタックに圧力を掛ける段階を含んでいる、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記ユニットを分離する段階は、前記ユニットとユニットの間で材料を切断する段階を含んでいる、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記切断する段階は、ワイヤEDMによって実行される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記シートの前記へこみは、第1及び第2の略直交する流路の少なくとも一部分を画定し、前記第2流路は前記個別ユニットの全幅に亘っており、前記第1流路は前記ユニットのほぼ全長に亘っており、前記ユニットの長さは、前期ユニットの幅の少なくとも4倍はある、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記第1及び第2流路はマイクロチャネルである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
液体を蒸発させて過熱蒸気を生成する方法において、
マイクロチャネル注入口とマイクロチャネル排出口との間に配置されている、それぞれが互いに流体連結している液体流れ部分と蒸気流れ部分を含んでおり、前記蒸気流れ部分は前記液体流れ部分の断面積より相当に大きな断面積を有するように構成されている、複数の第1蒸発マイクロチャネルを通して、液体を含む第1ストリームを流す段階と、
前記第1蒸発マイクロチャネル内の前記第1ストリームを、前記第1蒸発マイクロチャネルのマイクロチャネル流れ長さに沿って前記第1蒸気マイクロチャネルと熱接触している第2熱交換マイクロチャネルを通って流れる第2流体により第1ストリームを加熱することによって、蒸発させ実質的に過熱する段階と、から成り、
各液体流れ部分は各液体流れ部分間にわたる圧力低下を各蒸気流れ部分にわたる圧力低
下とほぼ等しくしするように形状づけられた曲がりくねった部分を有し、これにより複数の第1蒸発マイクロチャンネル間の第1ストリームを所望に分配するようにしたことを特徴とする方法。
【請求項50】
前記第1蒸発マイクロチャネルの前記マイクロチャネル流れ長さは、前記第2熱交換マイクロチャネルのマイクロチャネル流れ長さの少なくとも4倍はある、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第1及び第2マイクロチャネルは、それぞれ長さと高さを有する第1及び第2面を有するパネル内に形成されており、前記第2熱交換マイクロチャネルは、前記第1面と前記第2面の間に伸張しており、前記第1面と前記第2面の間の前記パネルの幅は、各面の長さ及び高さよりも相当に短くなっている、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記第1ストリームを流す段階は、前記第1ストリームを、曲がりくねったマイクロチャネルを通して流し、前記液体流れ部分で相当な圧力低下を維持する段階を含んでいる、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
一体に接合された薄いシートのスタックであって、前記スタックは、互いに反対側の両端部に穴を有する複数のへこみ付シートを含んでおり、前記シートの前記へこみは、それぞれ、前記穴と穴の間で蒸発する流体を運ぶように機能し、互いに連通する液体流れ部分と蒸気流れ部分を含む複数の概ね平行な第1蒸気流路の少なくとも一部を画定しており、前記蒸気流れ部分は、前記液体流れ部分の断面積よりも相当に大きい断面積を有しており、前記各第1蒸発流路の前記液体流れ部分は、前記第1蒸発流路の前記液体流れ部分に亘る圧力低下を確立するために、少なくとも1つの曲がりくねったマイクロチャネルを含んでいるように構成されたスタックを準備する段階と、
液体を含んでいる第1流体を、前記液体流れ部分内で、前記第1流体の前記各第1蒸発流路への分配を制御できるほどの圧力低下を維持させながら、前記各第1蒸発流路に流す段階と、
前記第1流体を流す間に、前記第1流体を加熱し、前記蒸気流れ部分内にある間に、前記液体の少なくとも一部を蒸発させる段階と、から成る方法。
【請求項54】
前記第1流体を加熱する段階は、前記第1流路の間に挟まれ、前記積み重ねられたシートの前記へこみで形成されている第2流路を通って流れる第2流体によって、前記第1流体を加熱する段階を含んでいる、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記第1流体を加熱する段階は、電気加熱器で加熱する段階を含んでいる、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
流体処理装置において、
1cmより小さい最小寸法を有しており、反応触媒を含んでいる複数の第1反応流路と、
間に挟まれており、前記第1反応流路のマイクロチャネルと熱接触する複数の第2熱交換マイクロチャネルと、を備えており、
前記第1流路は、前記第2マイクロチャネルと少なくとも第1値の流れ長さに亘って熱接触し、
前記第2マイクロチャネルは、前記第1流路と第2値より大きくないマイクロチャネル流れ長さに亘って熱接触し、
前記第1値は、前記第2値の少なくとも8倍であり、前記第2熱交換マイクロチャネルの各々は各マイクロチャネルを通る流れのレイノルズ数が1000以下となるように寸法づけられており、前記第1反応流路と第2熱交換マイクロチャネルとの間の熱接触は内部で生ずる感熱反応を制御すべく一つ以上の第一反応流路の間で比較的安定した温度プロファイルを維持することを特徴とする、装置。
【請求項57】
熱交換器システムを形成するための方法において、
流体処理システムの複数の個々の部分を形成する薄いシートの積み重ねられた配列を形成する段階と、
個々の部分の間の境界に沿って切断することにより個々の部分を分離する段階であって、個々の部分の少なくとも一つが複数の別個の気体マイクロチャネルを間に有する第1及び第2面を画定するように分離する段階と、
前記少なくとも一つの個々の部分を、前記該少なくとも一つの個々の部分内の前記複数の別個の気体マイクロチャネルに気体を分配するための別に形成された気体ヘッダーに接続する段階と、から成り、
前記第1及び第2面は、それぞれ、前記面と面の間の距離より相当に大きな長さと幅を有している、方法。
【請求項58】
前記積み重ねられた配列が接合され金属対金属接合を形成している、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記配列が拡散接合処理で接合され、別に形成された気体ヘッダーは無い、請求項57に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−257755(P2009−257755A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172783(P2009−172783)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【分割の表示】特願2003−536674(P2003−536674)の分割
【原出願日】平成14年6月6日(2002.6.6)
【出願人】(500037481)バッテル・メモリアル・インスティチュート (18)
【Fターム(参考)】