説明

流体噴霧量測定装置及び流体噴霧量測定方法

【課題】ユーザーによって誤った情報が入力されるおそれを抑制すること。
【解決手段】水噴霧量測定装置は、複数のスプリンクラーがそれぞれ噴霧した水の流量を個別に検出する複数の流量検出手段と、各スプリンクラーが噴霧した水の流量に関する信号を複数の流量検出手段から取得する制御装置と、を備え、制御装置は、並んで配置される複数の流量検出手段の実際の順序に関する情報を取得し、各流量検出手段が流量の検出を担当するスプリンクラーを指定するための入力を補助する画像として複数の入力欄81−86を、複数の入力欄を複数の流量検出手段の実際の順序と同様の順で画像表示装置に表示させ、各流量検出手段が複数のスプリンクラーのうちのどのスプリンクラーが噴霧した水の流量を検出するのかを指定する情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体噴霧装置の点検の際に用いられる流体噴霧量測定装置及び流体噴霧量測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体噴霧装置は、消火用設備として例えばトンネルに設けられる。流体噴霧装置は、消火剤として例えば水を噴霧する。流体噴霧装置は、水を必要な流量分噴霧できるか否かを定期的に点検される必要がある。このような点検時に用いられる装置として、例えば、特許文献1には、水噴霧装置の無駄な水の噴霧を抑制できる水噴霧量測定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−319548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体噴霧装置は、一般的に複数設けられる。例えば、トンネルでは、複数の流体噴霧装置が、一列に並べられて配置される。そして、流体噴霧量測定装置は、流体噴霧装置から噴霧される流体の流量を検出する流量検出手段を複数備え、この複数の流量検出手段がそれぞれ流体噴霧装置に1つずつ割り当てられることになる。流体噴霧量測定装置は、複数の流量検出手段から複数の検出結果を一度に取得する。よって、ユーザーは、あらかじめ、どの流量検出手段が、どの流体噴霧装置の流量を検出するのかを指定する情報を流体噴霧量測定装置に入力しておく必要がある。
【0005】
しかしながら、実際の現場では、流量検出手段を搭載する車両の順序が入れ替わることにより、流量検出手段の順序も入れ替わることがある。このような場合、ユーザーは、どの流量検出手段が、どの流体噴霧装置の流量を検出するのかを指定する際に、各流量検出手段と、各流体噴霧装置との組み合わせを考える必要がある。これにより、従来の流体噴霧装置では、ユーザーの負担が増加するおそれがある。ユーザーの負担が増加すると、ユーザーによって誤った情報が入力されるおそれも考えられる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザーによって誤った情報が入力されるおそれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る流体噴霧量測定装置は、複数の流体噴霧装置がそれぞれ噴霧した流体の流量を個別に検出する複数の流量検出手段と、各前記流体噴霧装置が噴霧した流体の流量に関する信号を前記複数の流量検出手段から取得する制御装置と、を備え、前記制御装置は、並んで配置される前記複数の流量検出手段の実際の順序に関する情報を取得し、各前記流量検出手段が流量の検出を担当する前記流体噴霧装置を指定するための入力を補助する画像として、複数の入力欄を前記複数の流量検出手段の実際の順序と同様の順で画像表示装置に表示させ、各前記流量検出手段が前記複数の流体噴霧装置のうちのどの流体噴霧装置が噴霧した流体の流量を検出するのかを指定する情報を取得することを特徴とする。
【0008】
本発明の好ましい態様としては、前記制御装置は、前記複数の入力欄を、前記複数の流量検出手段の順序と同様の順に並べて前記画像表示装置に表示させることが望ましい。また、本発明の好ましい態様としては、前記制御装置は、前記複数の入力欄を、前記複数の流量検出手段の順序と同様の順に、前記画像表示装置に順次表示させることが望ましい。
【0009】
上記構成により、本発明に係る流体噴霧量測定装置を用いれば、ユーザーは、入力を補助するための画像としての入力欄を、流量検出手段の実際の順序と同様の順で確認できる。よって、本発明に係る流体噴霧量測定装置は、各流量検出手段がどの流体噴霧装置が噴霧した水の流量を検出するのかをユーザーが指定する際に、ユーザーの負担を低減できる。結果として、本発明に係る流体噴霧量測定装置は、ユーザーによって誤った情報が入力されるおそれを抑制できる。
【0010】
本発明の好ましい態様としては、前記複数の流量検出手段は、複数の車両に分けられて搭載され、前記制御装置は、並んで配置される前記複数の車両の順序に関する情報を取得することで、前記複数の流量検出手段の順序に関する情報を取得することが望ましい。
【0011】
本発明の好ましい態様としては、前記制御装置は、並んで配置される前記複数の流量検出手段の順序に関する情報を取得する際に、前記複数の流量検出手段のうちの特定の流量検出手段が、所定の基準から数えて何番目に配置されているのかを指定する入力を補助する画像を前記表示装置に表示させることが望ましい。
【0012】
本発明の好ましい態様としては、前記制御装置は、並んで配置される前記複数の流量検出手段の順序に関する情報を取得する際に、所定の基準から数えて特定の位置に配置されている流量検出手段が、前記複数の流量検出手段のうちのいずれかであるかを指定する入力を補助する画像を前記表示装置に表示させることが望ましい。
【0013】
上記構成により、本発明に係る流体噴霧量測定装置を用いれば、ユーザーは、現場で配列されている流量検出手段の番号を見て、その順序通りに、所定の基準から数えて特定の位置に配置されている流量検出手段が前記複数の流量検出手段のうちのどれかを指定する情報を入力できる。よって、本発明に係る流体噴霧量測定装置は、ユーザーの負担を低減できる。結果として、本発明に係る流体噴霧量測定装置は、ユーザーが誤った情報を入力するおそれを抑制できる。
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る流体噴霧量測定方法は、複数の流体噴霧装置がそれぞれ噴霧した流体の流量を検出する複数の流量検出手段から取得した信号に基づいて、各前記流体噴霧装置が噴霧した流体の流量を計測する流体噴霧量測定方法であって、並んで配置される前記複数の流量検出手段の実際の順序を指定する入力を補助する画像を画像表示装置に表示させる手順と、並んで配置される前記複数の流量検出手段の実際の順序に関する情報を取得する手順と、各前記流量検出手段が流量の検出を担当する前記流体噴霧装置を指定するための入力を補助する画像として複数の入力欄を、前記複数の流量検出手段の順序と同様の順に画像表示装置に表示させる手順と、各前記流量検出手段が前記複数の流体噴霧装置のうちのどの流体噴霧装置から噴霧された流体の流量を検出するかを指定する情報を取得する手順と、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る流体噴霧量測定方法を用いれば、ユーザーは、入力を補助するための画像としての入力欄を、流量検出手段の実際の順序と同様の順で確認できる。よって、本発明に係る流体噴霧量測定方法を用いれば、各流量検出手段がどの流体噴霧装置が噴霧した水の流量を検出するのかをユーザーが指定する際に、ユーザーの負担を低減できる。結果として、本発明に係る流体噴霧量測定装置を用いれば、ユーザーによって誤った情報が入力されるおそれを抑制できる。
【0016】
本発明は、ユーザーによって誤った情報が入力されるおそれを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、水噴霧量測定用車両を示す概略図である。
【図2】図2は、水噴霧量測定装置を用いてスプリンクラーの点検をする様子を示す説明図である。
【図3】図3は、制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、第1制御装置の主処理部が有する機能を示すブロック図である。
【図5】図5は、第2制御装置から第6制御装置の各制御装置の主処理部が有する機能を示すブロック図である。
【図6】図6は、モード選択画面の画像を示す説明図である。
【図7】図7は、第1制御装置が実行する手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、車両順序入力用画像を示す説明図である。
【図9】図9は、他の車両順序入力用画像を示す説明図である。
【図10】図10は、スプリンクラー割当入力用画像を示す説明図である。
【図11】図11は、水噴霧量測定結果を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
【0019】
(実施形態)
図1は、水噴霧量測定用車両を示す概略図である。以下、流体噴霧装置としてのスプリンクラーは、流体として水を噴霧するものとして説明する。但し、流体噴霧装置は、水以外の液体消火剤を噴霧してもよい。流体噴霧量測定装置としての水噴霧量測定装置1は、例えば、道路用トンネルに複数設けられるスプリンクラーの点検に用いられる装置である。水噴霧量測定装置1は、図1に示すような水噴霧量測定用車両10に搭載される。水噴霧量測定用車両10は、車両本体17と、リフト装置18と、リフト台19とを含んで構成される。リフト装置18は、車両本体17に取り付けられる。リフト装置18は、リフト台19を鉛直方向に移動させる装置である。水噴霧量測定装置1は、リフト台19に取り付けられる。
【0020】
水噴霧量測定装置1は、第1集水器具21a及び第2集水器具21bと、流量検出手段としての第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bと、制御装置30とを含んで構成される。第1集水器具21a及び第2集水器具21bは、スプリンクラーから噴霧される水を集めるための容器である。第1集水器具21a及び第2集水器具21bは、水平方向で間隔をあけて水噴霧量測定用車両10のリフト台19に設けられる。第1流量センサ22aは、第1集水器具21aに設けられて第1集水器具21aが集めた水の流量を検出する。第2流量センサ22bは、第2集水器具21bに設けられて第2集水器具21bが集めた水の流量を検出する。なお、ここでいう流量とは、水の流れの中の或る断面を単位時間に通過する体積である。
【0021】
制御装置30は、第1流量センサ22aと、第2流量センサ22bとにそれぞれ電気的に接続される。制御装置30は、第1流量センサ22aから第1集水器具21aが集めた水の流量に関する信号、及び、第2流量センサ22bから第2集水器具21bが集めた水の流量に関する信号を取得する。本実施形態では、水噴霧量測定装置1は、集水器具を2つ有するものとして説明するが、水噴霧量測定装置1の構成はこれに限定されない。水噴霧量測定装置1は、例えば、集水器具を3つ以上備え、それぞれの集水器具に1つずつ流量センサが設けられてもよい。この場合、制御装置30は、3つ以上の流量センサから、それぞれの集水器具が集めた水の流量を取得する。
【0022】
図2は、水噴霧量測定装置を用いてスプリンクラーの点検をする様子を示す説明図である。本実施形態では、道路用トンネルに複数設けられるスプリンクラーの点検のために水噴霧量測定装置1が用いられる。道路用トンネルは、複数のスプリンクラーが設けられている。本実施形態では、これらの複数のスプリンクラーを、説明の便宜上、図2に示すように1番スプリンクラー41から12番スプリンクラー52の12個のスプリンクラーに区別する。これらの12個のスプリンクラーは、1番スプリンクラー41から12番スプリンクラー52まで順番に配列される。説明の便宜上、1番スプリンクラー41を先頭側とし、12番スプリンクラー52を後尾側とする。なお、道路用トンネルに設けられるスプリンクラーの数は12個というわけではない。図2には、12個以上設けられるスプリンクラーのうちの12個が示されている。
【0023】
本実施形態では、例えば、6台の水噴霧量測定用車両10が用いられる。説明の便宜上、6台の水噴霧量測定用車両10を、1号車11から6号車16とする。また、1号車11に搭載される制御装置を第1制御装置31とし、2号車12に搭載される制御装置を第2制御装置32とし、3号車13に搭載される制御装置を第3制御装置33とし、4号車14に搭載される制御装置を第4制御装置34とし、5号車15に搭載される制御装置を第5制御装置35とし、6号車16に搭載される制御装置を第6制御装置36とする。本実施形態の制御装置30は、以上の第1制御装置31から第6制御装置36の各制御装置を含んで構成される。
【0024】
第1制御装置31から第6制御装置36の各制御装置は、有線式や無線式の通信回線によって各制御装置間で情報をやり取りできるように構成される。本実施形態では、第1制御装置31から第6制御装置36の各制御装置は、無線式の通信回線によって各制御装置間で情報をやり取りする。水噴霧量測定装置1は、第1制御装置31が親機としての機能を実現し、第2制御装置32から第6制御装置36の各制御装置が子機としての機能を実現する。すなわち、水噴霧量測定装置1は、第2制御装置32から第6制御装置36の各子機から、親機である第1制御装置31へ各測定結果が無線式の通信回線によって集められる構成である。ここで、測定結果とは、各制御装置に接続される第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bが検出した水の流量である。
【0025】
ここで、複数の水噴霧量測定用車両10は、実際の現場では、1号車11から6号車16まで順序良く並んで隊列を組めるとは限らない。例えば、複数の水噴霧量測定用車両10のうちの1台に不具合が生じた場合、不具合が生じた水噴霧量測定用車両10を隊列から外し、隊列から外された水噴霧量測定用車両10の分を詰めて水噴霧量測定を行うこともある。また、現場に到着した順に隊列を構成したために、車両の並び順がランダムになる場合もある。現場では、水噴霧量測定用車両10以外の車両も道路用トンネルを通行するため、順序良く隊列を組みなおすことが困難である場合も考えられる。図2には、水噴霧量測定用車両10の並び順がランダムな状態で水噴霧量測定を行う様子を示す。本実施形態では、複数の水噴霧量測定用車両10は、先頭側から後尾側に向かって、2号車12、3号車13、1号車11、5号車15、4号車14、6号車16の順に隊列が組まれているとする。
【0026】
ここで、1番スプリンクラー41から12番スプリンクラー52の各スプリンクラーが噴霧した水の流量を、1番スプリンクラー41から12番スプリンクラー52の順に、流量F01から流量F12とする。以上のように、複数の水噴霧量測定用車両10が隊列を組むことにより、第2制御装置32は、第1流量センサ22aが検出した流量F01と、第2流量センサ22bが検出した流量F02とを取得する。また、第3制御装置33は、第1流量センサ22aが検出した流量F03と、第2流量センサ22bが検出した流量F04とを取得する。また、第1制御装置31は、第1流量センサ22aが検出した流量F05と、第2流量センサ22bが検出した流量F06とを取得する。また、第5制御装置35は、第1流量センサ22aが検出した流量F07と、第2流量センサ22bが検出した流量F08とを取得する。また、第4制御装置34は、第1流量センサ22aが検出した流量F09と、第2流量センサ22bが検出した流量F10とを取得する。また、第6制御装置36は、第1流量センサ22aが検出した流量F11と、第2流量センサ22bが検出した流量F12とを取得する。
【0027】
図3は、制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示す第2制御装置32から第6制御装置36の各制御装置は、第1制御装置31と構成が共通する部分がある。よって、図3では、制御装置30の構成の一例として、第1制御装置31の構成を示す。制御装置30は、I/Oインターフェイス60と、記憶装置61と、主処理部62とを含んで構成される。I/Oインターフェイス60は、通信アンテナ63と、画像表示装置としての表示装置64と、入力装置65と、第1流量センサ22aと、第2流量センサ22bとが電気的に接続される。主処理部62は、I/Oインターフェイス60を介して、通信アンテナ63や、入力装置65や、第1流量センサ22aや、第2流量センサ22bからの各信号を取得する。また、主処理部62は、I/Oインターフェイス60を介して通信アンテナ63や、表示装置64へ信号を送信する。
【0028】
記憶装置61は、例えば、ハードディスクやメモリーカードである。記憶装置61は、主処理部62が実行するプログラムや、主処理部62が演算する際に用いる一時ファイルや、主処理部62によって算出された値、表示装置64に表示させるための画像ファイルなどを記憶する。主処理部62は、I/Oインターフェイス60を介して信号を取得したり送信したりする。また、主処理部62は、記憶装置61から情報を取得したり、記憶装置61に情報を格納したりする。主処理部62は、I/Oインターフェイス60を介して通信アンテナ63から信号を受信したり信号を送信したりする。これにより、制御装置30は、無線式の通信回線による各制御装置間での情報のやり取りを実現する。
【0029】
また、主処理部62は、表示装置64に画像を表示させる信号をI/Oインターフェイス60を介して表示装置64に送ることにより、表示装置64に画像を表示させる。また、主処理部62は、I/Oインターフェイス60を介して入力装置65から信号を取得することにより、ユーザーが入力装置65に対して入力した情報を取得する。また、主処理部62は、第1流量センサ22aからI/Oインターフェイス60を介して信号を取得することにより、第1流量センサ22aが検出した水の流量を算出する。また、主処理部62は、第2流量センサ22bからI/Oインターフェイス60を介して信号を取得することにより、第2流量センサ22bが検出した水の流量を算出する。
【0030】
図2に示す第2制御装置32から第6制御装置36の各制御装置は、ユーザーによる情報の入力を受け付ける必要がない。また、第2制御装置32から第6制御装置36の各制御装置は、測定結果を示す画像や、入力を補助する画像を表示させる必要がない。よって、第2制御装置32から第6制御装置36の各制御装置は、表示装置64及び入力装置65を備えなくてもよい。
【0031】
図4は、第1制御装置の主処理部が有する機能を示すブロック図である。本実施形態では、図3に示す主処理部62は、単一の装置であって、その単一の装置が次に説明する複数の機能を有するものとして説明する。但し、主処理部62は、異なる機能をそれぞれ有する複数の装置が互いに電気的に接続されて、前記複数の装置全体で次に説明する複数の機能を有する構成でもよい。まずは、親機である第1制御装置31の主処理部62aが有する各機能を説明する。
【0032】
主処理部62aは、通信部70aと、情報取得部71aと、演算部72aと、判定部73と、情報格納部74aと、画像生成表示部75との機能を有する。通信部70aは、通信アンテナ63から信号を送受信する。情報取得部71aは、記憶装置61から必要なプログラムを取得したり、記憶装置61から演算に必要な数値を取得したりする。また、情報取得部71aは、第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bから信号を取得する。また、情報取得部71aは、入力装置65から信号を取得する。また、情報取得部71aは、通信部70aが受信した信号を取得する。
【0033】
演算部72aは、情報取得部71aが第1流量センサ22aから取得した信号に基づいて、5番スプリンクラー45が噴霧した水の流量F05を算出する。また、演算部72aは、情報取得部71aが第2流量センサ22bから取得した信号に基づいて、6番スプリンクラー46が噴霧した水の流量F06を算出する。情報格納部74aは、演算部72aが算出した値や、情報取得部71aが取得した情報を記憶装置61に格納させる。画像生成表示部75は、表示装置64に表示させる画像を生成し、表示装置64に前記画像を表示させる。前記画像は、ユーザーによる数値や指令の入力を補助するための画像である。
【0034】
図5は、第2制御装置から第6制御装置の各制御装置の主処理部が有する機能を示すブロック図である。第2制御装置32から第6制御装置36の各主処理部62bは、通信部70bと、情報取得部71bと、演算部72bと、情報格納部74bとの機能を有する。通信部70bは、通信アンテナ63から信号を送信する。ここで、通信部70bが送信する信号は、演算部72bが算出した値に関する信号である。情報取得部71bは、記憶装置61から必要なプログラムを取得したり、記憶装置61から演算に必要な数値を取得したりする。情報取得部71bは、第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bから信号を取得する。演算部72bは、情報取得部71bが第1流量センサ22aから取得した信号に基づいて、第1流量センサ22aが検出した水の流量を算出する。また、演算部72bは、情報取得部71bが第2流量センサ22bから取得した信号に基づいて、第2流量センサ22bが検出した水の流量を算出する。情報格納部74bは、演算部72bが算出した値を記憶装置61に一時的に格納させる。
【0035】
図6は、モード選択画面の画像を示す説明図である。ユーザーは、第1制御装置31の表示装置64に表示される画像を確認しながら、入力装置65に数値や指令を入力する。図6に示す画像は、第1制御装置31にこれから実行させる処理を指定する入力を補助するための画像である。ユーザーは、次に説明する各ボタンを選択する(クリックする)ことにより、次に第1制御装置31に次に実行させる処理を指定する。ここで、本実施形態では、以下に説明する各ボタンは、表示装置64に表示された画像であって仮想のスイッチとしての機能を有するものである。但し、各ボタンは、例えば、実在するスイッチであって、例えば2つの接点間の通電を検出するスイッチでもよい。
【0036】
図6に示すように、画像生成表示部75は、表示装置64に、測定開始ボタン80aと、設定ボタン80bと、機器接続状態確認ボタン80cと、終了ボタン80dとを表示させる。測定開始ボタン80aは、水噴霧量測定装置1による水噴霧量の測定を開始するためのボタンである。設定ボタン80bは、表示装置64に現在表示されている画像から、水噴霧量測定を開始する前に必要な設定事項の入力を補助する画像に切り替えるためのボタンである。
【0037】
機器接続状態確認ボタン80cは、表示装置64に現在表示されている画像から、例えば、第1制御装置31と、第1流量センサ22aや第2流量センサ22bとの接続状態を確認するための画像に切り替えるためのボタンである。ここで、水噴霧量測定装置1は、第1制御装置31以外の第2制御装置32から第6制御装置36の各制御装置と、それぞれの第1流量センサ22aや第2流量センサ22bとの接続状態に関する情報を、通信回線によって第1制御装置31が取得できる構成であると好ましい。この場合、画像生成表示部75は、第1制御装置31以外の第2制御装置32から第6制御装置36の各制御装置と、それぞれの第1流量センサ22aや第2流量センサ22bとの接続状態を確認するための画像も表示装置64に表示できる。終了ボタン80dは、制御装置30による処理の実行を終了させるためのボタンである。
【0038】
本実施形態の水噴霧量測定装置1は、水噴霧量の測定を開始する前に、必要な設定事項をユーザーによって入力される必要がある。本実施形態の水噴霧量測定装置1は、表示装置64に表示させる画像であって、上述のようなユーザーによる情報の入力を補助するための画像に特徴がある。以下に、ユーザーが設定ボタン80bを操作した後に、第1制御装置31が実行する手順と、画像生成表示部75が表示装置64に表示させる画像とを説明する。
【0039】
図7は、第1制御装置が実行する手順を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップST101で、図4に示す情報取得部71aは、記憶装置61から車両初期順序情報を取得する。車両仮順序情報とは、1号車11から6号車16までの各車両の順序に関する情報である。但し、車両仮順序情報は、1号車11から6号車16までの各車両の仮想の順序に関する情報であって、1号車11から6号車16までの各車両の実際の順序に関する情報ではない。車両仮順序情報は、例えば、1号車11から6号車16までの各車両が順序良く並べられたデフォルトの情報や、前回、水噴霧量測定を行った際に保存された車両順序情報と同一の情報である。
【0040】
図8は、車両順序入力用画像を示す説明図である。次に、図7に示すステップST102で、画像生成表示部75は、車両仮順序情報に基づいて図8に示す車両順序入力用画像を表示装置64に表示させる。車両順序入力用画像は、1号車順番入力欄81と、2号車順番入力欄82と、3号車順番入力欄83と、4号車順番入力欄84と、5号車順番入力欄85と、6号車順番入力欄86とを含む。これらの図8に太線枠で示す各入力欄は、水噴霧量測定用車両10が隊列を組む際に、1号車11から6号車16までの各水噴霧量測定用車両10が所定の基準から数えて何番目に配置されているかを示す情報をユーザーが入力することを補助するための欄である。なお、ここでいう「欄」は、ユーザーによる入力がなされるまではステップST101で取得した車両仮順序情報に基づいた値(初期値)を示す画像によって表現され、ユーザーによる入力がなされた後はユーザーが入力した値を示す画像によって表現される。また、所定の基準とは、本実施形態では、図2に示す最も先頭側の水噴霧量測定用車両10である。
【0041】
ユーザーは、図8に示す車両順序入力用画像を確認しながら、水噴霧量測定用車両10が隊列を組む際に、1号車11から6号車16までの複数の水噴霧量測定用車両10のうち、特定の車両が何番目に配置されているかを示す情報を入力装置65に入力する。具体的には、図2に示すように水噴霧量測定用車両10が隊列を組む場合、ユーザーは、1号車順番入力欄81に3を入力し、2号車順番入力欄82に1を入力し、3号車順番入力欄83に2を入力し、4号車順番入力欄84に5を入力し、5号車順番入力欄85に4を入力し、6号車順番入力欄86に6を入力する。ユーザーは最後に完了ボタン87を操作することで、車両順序の入力を完了する。
【0042】
図9は、他の車両順序入力用画像を示す説明図である。ここで、車両順序入力用画像は、図8に示す画像に限定されない。例えば、車両順序入力用画像は、図9に示すように、1番目車両番号入力欄81aと、2番目車両番号入力欄82aと、3番目車両番号入力欄83aと、4番目車両番号入力欄84aと、5番目車両番号入力欄85aと、6番目車両番号入力欄86aとを含む。ユーザーは、図9に示す車両順序入力用画像を確認しながら、水噴霧量測定用車両10が隊列を組む際に、所定の基準から数えて特定の位置の車両が何号車であるかを示す情報を入力装置65に入力する。なお、ここでいう「所定の基準から数えて特定の位置の車両」とは、先頭側の水噴霧量測定用車両10から数えて特定の台数目の水噴霧量測定用車両10のことである。
【0043】
具体的には、図2に示すように水噴霧量測定用車両10が隊列を組む場合、ユーザーは、1番目車両番号入力欄81aに2を入力し、2番目車両番号入力欄82aに3を入力し、3番目車両番号入力欄83aに1を入力し、4番目車両番号入力欄84aに5を入力し、5番目車両番号入力欄85aに4を入力し、6番目車両番号入力欄86aに6を入力する。図9に示す車両順序入力用画像を表示装置64に表示させる場合、ユーザーは、現場で隊列を成す複数の水噴霧量測定用車両10の車両番号を見て、その順序通りに1番目車両番号入力欄81aから6番目車両番号入力欄86aまでの各入力欄に数値を入力できる。よって、水噴霧量測定装置1は、ユーザーによる思考量を低減できる。結果として、水噴霧量測定装置1は、ユーザーが誤った数値を入力するおそれを抑制できる。
【0044】
ここで、各水噴霧量測定用車両10の順序と、複数の流量センサの順序とは互いに関係がある。よって、本実施形態では、第1制御装置31は、複数の水噴霧量測定用車両10の順序に関する情報を取得することで、結果として複数の流量センサの順序に関する情報を取得している。例えば、第1制御装置31は、図7に示すステップST102で、複数の水噴霧量測定用車両10の順序ではなく、複数の流量センサの順序の入力を補助する画像を表示させてもよい。この場合であっても、水噴霧量測定装置1は、複数の流量センサの順序に関する情報を取得するという目的を達成できる。
【0045】
第1制御装置31が実行する手順の説明に戻る。図7に示すステップST103で、図4に示す判定部73は、車両順序の入力がなされたか否かを判定する。具体的には、判定部73は、図8及び図9に示す完了ボタン87が操作された場合に車両順序情報の入力がなされたと判定し、図8及び図9に示すキャンセルボタン88が操作された場合に車両順序情報の入力がなされていないと判定する。車両順序情報の入力がなされた場合(ステップST103、Yes)、ステップST104で、情報取得部71aは、ユーザーによって入力された車両順序情報を取得する。ここで、車両順序情報とは、1号車11から6号車16までの各車両の実際の順序に関する情報である。
【0046】
次に、ステップST105で、情報格納部74aは、図8に示す1号車順番入力欄81から6号車順番入力欄86や、図9に示す1番目車両番号入力欄81aから6番目車両番号入力欄86aの各入力欄にユーザーによって入力された値に基づいて、車両順序情報を記憶装置61に格納する。すなわち、情報格納部74aは、1号車11から6号車16までが隊列を成す時の水噴霧量測定用車両10の実際の順序に関する情報が記載された設定ファイルを、ユーザーによって入力された値に基づいて新たに生成し、その新たな設定ファイルを記憶装置61に格納する。ここで生成される設定ファイルには、1号車11から6号車16の各車両を識別する車両識別番号と、隊列内での順序を識別する車両順序識別番号とが組み合わされて記載されている。
【0047】
車両順序の入力がなされていない場合(ステップST103、No)、情報格納部74aは、ステップST111で、車両仮順序情報を車両順序情報として記憶装置61に格納する。ステップST111は、1号車11から6号車16の各車両の実際の順序が、デフォルトの情報である車両順序情報が示す順序と同一であるとユーザーが判断した場合に、情報格納部74aが実行するステップである。ステップST111を実行すると、第1制御装置31は、ステップ106を実行する。
【0048】
図10は、スプリンクラー割当入力用画像を示す説明図である。次に、ユーザーは、複数設けられる各流量センサが、複数のスプリンクラーのうちのどのスプリンクラーが噴霧した水の流量を検出するかを指定する情報を入力装置65に入力する。図10に示すスプリンクラー割当入力用画像は、ユーザーによるこれらの情報の入力を補助するための画像である。ステップST106で、画像生成表示部75は、図10に示すスプリンクラー割当入力用画像を表示装置64に表示させる。
【0049】
スプリンクラー割当入力用画像は、図10に示すように、1号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91aと、1号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91bと、2号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄92aと、2号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄92bと、3号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄93aと、3号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄93bと、4号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄94aと、4号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄94bと、5号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄95aと、5号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄95bと、6号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96aと、6号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96bとを含む。ユーザーは、図10に示すスプリンクラー割当入力用画像を確認しながら、複数設けられる各流量センサが複数のスプリンクラーのうちのどのスプリンクラーを担当するのかを入力装置65に入力する。なお、ここでいう「担当する」とは、噴霧された水の流量を検出するということである。
【0050】
ここで、第1制御装置31は、図2に示す各流量センサの実際の順序と、図10に示すスプリンクラー割当入力用画像での各入力欄(91a〜96b)の順序が同様である点に特徴がある。画像生成表示部75は、ステップST106で、車両順序情報に基づいて、図2に示す各流量センサの実際の順序と、図10に示すスプリンクラー割当入力用画像での各入力欄(91a〜96b)が同様になるように、スプリンクラー割当入力用画像を生成する。
【0051】
ここで、1号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91aから6号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96bまでの各入力欄を表示する順序の決定方法を説明する。まず、情報取得部71aは、記憶装置61から車両順序情報を取得する。具体的には、情報取得部71aは、記憶装置61に格納されている設定ファイルを取得する。ここで、設定ファイルには、上述のように、1号車11から6号車16の各車両を識別する車両識別番号と、隊列内での順序を識別する車両順序識別番号とが組み合わされて記載されている。そして、画像生成表示部75は、設定ファイルに記載されている車両順序識別番号を大小関係で整理することで、車両識別番号を大小関係で整理する。
【0052】
車両識別番号は、1号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91a及び1号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91bのペアから、6号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96a及び6号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96bのペアまでの各入力欄と、それぞれ関連付けられている。画像生成表示部75は、大小関係で整理された車両識別番号の並びと同じ順序となるように、1号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91aから6号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96bまでの各入力欄を表示させる位置を決定される。なお、ここでいう位置とは、表示装置64の画像表示領域内での位置である。
【0053】
ここで、各水噴霧量測定用車両10が図2に示す順序で隊列を成す場合を説明する。各流量センサが図2に示す順序で配置される場合、図4に示す画像生成表示部75は、図10に示すように、2号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄92a、2号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄92b、3号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄93a、3号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄93b、1号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91a、1号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91b、5号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄95a、5号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄95b、4号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄94a、4号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄94b、6号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96a、6号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96bの順に各入力欄を配置する。
【0054】
図2に示すように各流量センサが配置される場合、ユーザーは、2号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄92aに41を入力し、2号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄92bに42を入力し、3号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄93aに43を入力し、3号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄93bに44を入力し、1号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91aに45を入力し、1号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄91bに46を入力し、5号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄95aに47を入力し、5号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄95bに48を入力する。
【0055】
ところで、複数のスプリンクラーのうち、点検の対象外となるスプリンクラーもある。例えば、9番スプリンクラー49から噴霧される水の流量を測定しない場合、ユーザーは、4号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄94aには0を入力する。ここでいう「0」は、水噴霧量測定の対象外であるということを意味する。ユーザーは、4号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄94bに50を入力し、6号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96aに51を入力し、6号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄96bに52を入力する。
【0056】
ここで、従来の水噴霧量測定装置では、各流量センサの実際の順序と、表示装置に表示される画像での複数の入力欄の順序が同様ではないため、ユーザーは、各水噴霧量測定用車両10の各流量センサが、どのスプリンクラーを担当して水の流量を検出しているのかを考えて、入力装置に情報を入力する必要があった。しかしながら、本実施形態の水噴霧量測定装置1は、以上のように、図2に示す各流量センサの実際の順序と、表示装置64に表示される画像での複数の入力欄の順序が同様となるスプリンクラー割当入力用画像を画像生成表示部75が表示装置64に表示させる。これにより、ユーザーは、実際のスプリンクラーの順序に基づいて、順序よくスプリンクラー番号を入力できる。よって、水噴霧量測定装置1は、ユーザーの負担を低減できる。結果として、水噴霧量測定装置1は、ユーザーによって誤った情報が入力されるおそれを抑制できる。
【0057】
ここで、第1制御装置31は、複数の流量センサの順序と同様の順に、複数の入力欄を必ずしも並べて表示装置64に表示さなくてもよい。第1制御装置31は、例えば、複数の入力欄を、複数の流量検出手段の順序と同様の順に、表示装置64に1つずつ順次表示させてもよい。この場合、ユーザーが数値を1つ入力すると、第1制御装置31は、次の入力欄を表示装置64に表示させる。この場合でも、水噴霧量測定装置1は、ユーザーの負担を低減できる。結果として、水噴霧量測定装置1は、ユーザーによって誤った情報が入力されるおそれを抑制できる。
【0058】
第1制御装置31が実行する手順の説明に戻る。図7に示すステップST107で、判定部73は、各流量センサがどのスプリンクラーから噴霧された水の流量を検出するのかを指定する入力が完了されたか否かを判定する。具体的には、判定部73は、図10に示す完了ボタン87が操作された場合にこれらの入力が完了されたと判定する。前記入力が完了された場合(ステップST107、Yes)、ステップST108で、情報取得部71aは、ステップST107でユーザーによって入力された情報、すなわち各流量センサがどのスプリンクラーから噴霧された水の流量を検出するのかを示す情報を取得する。
【0059】
次に、ステップST109で、情報格納部74aは、各水噴霧量測定用車両10の第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bと、各スプリンクラーとの組み合わせの情報を、設定情報として記憶装置61に格納させる。次に、ステップST110で、画像生成表示部75は、例えば、図6に示すモード選択画面の画像を表示装置64に表示させて、一連の手順を終了する。ここで、ユーザーによる入力が完了されない場合(ステップST107、No)、第1制御装置31は、ステップST106に戻る。つまり、画像生成表示部75は、前記入力が完了するまで、スプリンクラー割当入力用画像を表示する。
【0060】
図11は、水噴霧量測定結果を示す図表である。水噴霧量の計測に要する事前設定が完了し、図6に示すモード選択画面の画像で測定開始ボタン80aをユーザーが選択すると、水噴霧量測定装置1は、水噴霧量測定を開始する。第1制御装置31から第6制御装置36の各制御装置の演算部72aまたは演算部72bは、各制御装置に接続される第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bから取得した信号に基づいて、各流量センサが検出した水の流量を算出する。次に、第2制御装置32から第6制御装置36の各通信部70bは、各流量センサが検出した水の流量に関する信号を送信する。
【0061】
次に、第1制御装置31の通信部70aは、前記信号を受信する。次に、第1制御装置31の情報取得部71aは、図7に示すステップST107で記憶装置61に格納された設定情報を取得する。次に情報格納部74aは、第2制御装置32から第6制御装置36の各制御装置に接続される第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bが検出した水の流量と、設定情報とに基づいて、図11に示すように、どのスプリンクラーがどれだけの量の水を噴霧したかを示す情報を組み合わせて、記憶装置61にこの情報を水噴霧量測定結果として格納する。
【0062】
より具体的には、本実施形態では、第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bは、所定時間が経過する度に、それぞれが担当するスプリンクラーから噴霧される水の流量を検出する。本実施形態では、前記所定時間を1秒とする。第1制御装置31から第6制御装置36の各制御装置の情報取得部71aまたは情報取得部71bは、1秒間隔で、第1流量センサ22a及び第2流量センサ22bから検出結果に関する信号を取得する。そして、第1制御装置31から第6制御装置36の各制御装置の演算部72aまたは演算部72bは、各スプリンクラーから噴霧される水の流量をその都度算出する。
【0063】
第2制御装置32から第6制御装置36の各制御装置の通信部70bは、各スプリンクラーから噴霧される水の流量に関する信号をその都度送信する。第1制御装置31の通信部70aは、前記信号を受信する。そして、第1制御装置31の情報格納部74aは、各スプリンクラーから噴霧された水の流量に関する情報を、記憶装置61に格納して蓄積していく。このようにして、第1制御装置31は、図11に示すように、時期T1の時に1番スプリンクラー41が噴霧した水の流量F01(1)から、時期Tnの時に1番スプリンクラー41が噴霧した水の流量F01(n)までの検出結果を、各時期別に記憶装置61に蓄積させる。また、第1制御装置31は、2番スプリンクラー42から12番スプリンクラー52の各スプリンクラーに関しても、同様に、時期T1の時に各スプリンクラーが噴霧した水の流量F02(1)からF12(1)を始めとして、時期Tnの時に各スプリンクラーが噴霧した水の流量F02(n)からF12(n)までの検出結果を記憶装置61に蓄積させる。
【0064】
ここで、本実施形態の制御装置30は、複数の制御装置で構成されると説明したが、制御装置30の構成はこれに限定されない。制御装置30は、単一の制御装置で構成され、水噴霧量測定装置1が有するすべての流量センサに電気的に接続されてもよい。この場合であっても、制御装置30は、各スプリンクラーから噴霧された水の流量を複数の流量センサから取得できる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように、本発明に係る流体噴霧量測定装置及び流体噴霧量測定方法は、流体噴霧装置を点検する技術に有用であり、特に、ユーザーによって誤った情報が入力されるおそれを抑制することに適している。
【符号の説明】
【0066】
1 水噴霧量測定装置
10 水噴霧量測定用車両
11−16 1号車−6号車
17 車両本体
18 リフト装置
19 リフト台
21a 第1集水器具
21b 第2集水器具
22a 第1流量センサ
22b 第2流量センサ
30 制御装置
31−36 第1制御装置−第6制御装置
41−52 1番スプリンクラー−12番スプリンクラー
60 I/Oインターフェイス
61 記憶装置
62 主処理部
63 通信アンテナ
64 表示装置
65 入力装置
70a、70b 通信部
71a、71b 情報取得部
72a、72b 演算部
73 判定部
74a、74b 情報格納部
75 画像生成表示部
80a 測定開始ボタン
80b 設定ボタン
80c 機器接続状態確認ボタン
80d 終了ボタン
81−86 1号車順番入力欄−6号車順番入力欄
81a−86a 1番目車両番号入力欄−6番目車両番号入力欄
87 完了ボタン
88 キャンセルボタン
91a−96b 1号車第1流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄−6号車第2流量センサ担当スプリンクラー番号入力欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流体噴霧装置がそれぞれ噴霧した流体の流量を個別に検出する複数の流量検出手段と、
各前記流体噴霧装置が噴霧した流体の流量に関する信号を前記複数の流量検出手段から取得する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
並んで配置される前記複数の流量検出手段の実際の順序に関する情報を取得し、
各前記流量検出手段が流量の検出を担当する前記流体噴霧装置を指定するための入力を補助する画像として、複数の入力欄を前記複数の流量検出手段の実際の順序と同様の順で画像表示装置に表示させ、
各前記流量検出手段が前記複数の流体噴霧装置のうちのどの流体噴霧装置が噴霧した流体の流量を検出するのかを指定する情報を取得することを特徴とする流体噴霧量測定装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記複数の入力欄を、前記複数の流量検出手段の順序と同様の順に並べて前記画像表示装置に表示させることを特徴とする請求項1に記載の流体噴霧量測定装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記複数の入力欄を、前記複数の流量検出手段の順序と同様の順に、前記画像表示装置に順次表示させることを特徴とする請求項1に記載の流体噴霧量測定装置。
【請求項4】
前記複数の流量検出手段は、複数の車両に分けられて搭載され、
前記制御装置は、並んで配置される前記複数の車両の順序に関する情報を取得することで、前記複数の流量検出手段の順序に関する情報を取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の流体噴霧量測定装置。
【請求項5】
前記制御装置は、
並んで配置される前記複数の流量検出手段の順序に関する情報を取得する際に、
前記複数の流量検出手段のうちの特定の流量検出手段が、所定の基準から数えて何番目に配置されているのかを指定する入力を補助する画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の流体噴霧量測定装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
並んで配置される前記複数の流量検出手段の順序に関する情報を取得する際に、
所定の基準から数えて特定の位置に配置されている流量検出手段が、前記複数の流量検出手段のうちのいずれかであるかを指定する入力を補助する画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の流体噴霧量測定装置。
【請求項7】
複数の流体噴霧装置がそれぞれ噴霧した流体の流量を検出する複数の流量検出手段から取得した信号に基づいて、各前記流体噴霧装置が噴霧した流体の流量を計測する流体噴霧量測定方法であって、
並んで配置される前記複数の流量検出手段の実際の順序を指定する入力を補助する画像を画像表示装置に表示させる手順と、
並んで配置される前記複数の流量検出手段の実際の順序に関する情報を取得する手順と、
各前記流量検出手段が流量の検出を担当する前記流体噴霧装置を指定するための入力を補助する画像として複数の入力欄を、前記複数の流量検出手段の順序と同様の順に画像表示装置に表示させる手順と、
各前記流量検出手段が前記複数の流体噴霧装置のうちのどの流体噴霧装置から噴霧された流体の流量を検出するかを指定する情報を取得する手順と、
を含むことを特徴とする流体噴霧量測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−78642(P2011−78642A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234445(P2009−234445)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(506122246)三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社 (111)
【出願人】(505398963)西日本高速道路株式会社 (105)
【出願人】(594191434)東朋テクノロジー株式会社 (9)
【Fターム(参考)】