流体圧を制御するためのシステムおよび方法
【課題】 流体の温度および圧力を制御するための改善されたシステムおよび方法を提供すること。流体の温度を迅速にかつ正確に変化させる流体ルート決定システムを提供すること。
【解決手段】 少なくとも1つのレギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:流体を該少なくとも1つのレギュレーターの圧力設定値ポートに適用する工程;流体を該圧力設定値ポートから大気に排出する工程;ならびに 該設定値圧力を所定の圧力に設定するために、該適用工程および該排出工程を制御する工程、を包含する、方法。
【解決手段】 少なくとも1つのレギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:流体を該少なくとも1つのレギュレーターの圧力設定値ポートに適用する工程;流体を該圧力設定値ポートから大気に排出する工程;ならびに 該設定値圧力を所定の圧力に設定するために、該適用工程および該排出工程を制御する工程、を包含する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、流体の温度および圧力を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
流体(例えば、気体、液体およびこれらの混合物)は、多くの異なる適用において使用されている。例えば、流体は、化学プロセスシステム、産業プロセスシステム、および発電システムにおいて使用されている。このようなシステムが機能するために、そのシステムは、その流体が所定の温度および圧力を有することを要し得る。例えば、圧縮気体を利用して、タービン発電機を駆動する発電システムは、気体がタービン発電機の運転効率を最大にする所定の温度および圧力を有することを要し得る。
【0003】
いくつかの自動化技術および非自動化技術が、このようなシステムにおいて使用されている流体の温度および圧力を制御するために使用されてきた。しかし、これらの技術は、いくつかの欠点を有する。例えば、非自動化技術は、その流体を利用しているシステムの確率的性質が原因で、流体の温度および圧力を維持することができない。すなわち、非自動化技術は、その流体の温度および圧力に影響を及ぼす、寄生的(parasitic)熱キャパシタンス、圧力の振れ、ならびにマスフロー(mass flow)および圧力要求(pressure demand)のような要因を考慮することができない。さらに、たとえ圧力および温度を制御するための自動化システムが使用されているとしても、それらの性能および実用性は、しばしば、以下の要因のうちの1つ以上によって制限される:
(1)遅いダイナミックレスポンス(dynamic response);
(2)制限された動作範囲および精度;
(3)最大動作圧力の制限;
(4)度を超えた大きさ;および
(5)過大な費用。
さらに、温度および圧力における変化を補償しようとする試みにより、その所望の温度および圧力を得るにあたってオーバーシュートまたはアンダーシュートを生じる。なぜなら、そのシステムは、雑な調節をするにすぎないからであり得る。
【0004】
その温度および圧力を制御する技術が自動化されていようと、自動化されていまいと、このような技術は、代表的には、温度および圧力の制御を実行するために、圧力レギュレーター、流動制御バルブ、またはこれらの組み合わせを利用する。電子制御システムは、温度および圧力の制御技術に従って、圧力レギュレーターおよび/または流動制御バルブを作動することが必要であり得る。このような制御システムは、レギュレーター(例えば、ドームロード圧力レギュレーター(dome loaded pressure regulator))の設定値圧力を設定することによって、そのレギュレーターの作動を制御するように特別に設計されたデバイスを備え得る。その設定値圧力は、そのレギュレーターの内部機構によって引き起こされる所定の圧力低下を引いて、そのレギュレーターの圧力出力を設定する。これらのデバイスは、代表的には、電気シグナルを適切に率に応じて定められた(scaled)圧力に変換し、サーボレギュレーター、電流から空気圧(I/P)への変換器(transducer)もしくは変換器(converter)または電圧から空気圧(E/P)への(transducer)もしくは変換器(converter)のようなデバイスを備える。従って、この適切に率に応じて定められた圧力は、圧力レギュレーターの設定値圧力を設定するために使用され得る。
【0005】
しかし、その設定値圧力を制御するためのこれらの従来の電子圧力制御デバイスは、制限されている。例えば、特定の従来の制御デバイスは、150PSIまでの最大出力圧力を提供するように制限されており、作動の間に大気への一定の抽気を要し得る。150PSIの最大出力圧力は、その設定値圧力が150PSIを上回る圧力に設定されないので、制限的である。大気圧への一定の抽気は、望ましくない。なぜなら、このような流体の供給源は、一定の補充を必要とし得るからである。このことは高価であり得るか、または運転効率を低下させ得る。他の制御デバイスは、1000PSIに近い圧力で作動可能であり得るが、特に制御システムが電力を失うと、危険な作動状態になりやすい。従来の圧力制御デバイスの別の欠点は、多くの余分なまたは不要な電子的構成部品または機械的構成部品(例えば、デジタル−アナログ変換器、空気式機器(pneumatics)など)が、従来の圧力制御システムが機能できるようにするために必要とする点である。これは、費用を付加し、信頼性を減少させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述に鑑みて、本発明の目的は、流体の温度および圧力を制御するための改善されたシステムおよび方法を提供することである。
【0007】
本発明の目的はまた、流体の温度を迅速にかつ正確に変化させる流体ルート決定システム(fluid routing system)を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、圧力レギュレーターに付与されている設定値圧力を正確に制御するための改善されたシステムおよび方法を提供することである。
【0009】
本発明のなおさらなる目的は、フェイルセーフ作動を提供し得ると同時に、不要な漏出を制限する改善された圧力制御デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1) 少なくとも1つのレギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
流体を該少なくとも1つのレギュレーターの圧力設定値ポートに適用する工程;
流体を該圧力設定値ポートから大気に排出する工程;ならびに
該設定値圧力を所定の圧力に設定するために、該適用工程および該排出工程を制御する工程、
を包含する、方法。
(項目2) 項目1に記載の方法であって、さらに以下:
フェイルセーフ状態の場合に、該圧力設定値ポートを大気に自動的に接続する工程、
を包含する、方法。
(項目3) 項目1に記載の方法であって、さらに以下:
流体を前記少なくとも1つのレギュレーターの入口ポートに供給する工程;および
前記設定値圧力に基づく圧力で、該少なくとも1つのレギュレーターの下流に流体を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目4) 項目3に記載の方法であって、さらに以下:
前記少なくとも1つのレギュレーターの下流で前記圧力をモニタリングする工程;および
該モニタリングに基づいて、前記設定値圧力を調節する工程、
を包含する、方法。
(項目5) 項目1に記載の方法であって、前記適用工程が、前記圧力設定値ポートに適用される圧力を増加する工程を包含する、方法。
(項目6) 項目1に記載の方法であって、前記排出する工程が、前記圧力設定値ポートに適用される圧力を減少させる工程を包含する、方法。
(項目7) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記適用する工程および排出する工程を制御するためにデューティサイクルを使用する工程を包含する、方法。
(項目8) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を排出しないで、該流体を適用する工程を包含する、方法。
(項目9) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を適用しないで、該流体を排出する工程を包含する、方法。
(項目10) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を同時に適用および排出する工程を包含する、方法。
(項目11) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を同時に適用および排出しないことを包含する、方法。
(項目12) 項目1に記載の方法であって、さらに以下:
流体の供給源を提供する工程;および
前記圧力設定値を設定するために、該供給源からの流体を使用する工程、
を包含する、方法。
(項目13) 項目1に記載の方法であって、前記流体が、気体である、方法。
(項目14) 項目1に記載の方法であって、前記流体が、液体である、方法。
(項目15) レギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
サーボレギュレーターによって提供される出力圧力レベルを制御する工程;
増幅圧力レベルを提供するために、所定の比によって該出力圧力レベルを増幅する工程;および
該設定値圧力を設定するために、該増幅圧力レベルを該レギュレーターの設定値圧力ポートに適用する工程、
を包含する、方法。
(項目16) 項目15に記載の方法であって、さらに以下:
フェイルセーフ状態の場合に、前記出力圧力レベルおよび前記増幅圧力レベルを大気に排出する工程、
を包含する、方法。
(項目17) 項目15に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記設定値圧力を変更するために、前記出力圧力レベルを調節する工程を包含する、方法。
(項目18) 項目15に記載の方法であって、さらに以下:
前記サーボレギュレーターの前記出力圧力レベルを制御するために、電気信号または空気信号を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目19) 項目15に記載の方法であって、さらに以下:
前記レギュレーターのレギュレーター圧力出力レベルをモニタリングする工程、
を包含し、
ここで、前記制御する工程が、該モニタリングに基づいて前記設定値圧力を変更するために、該出力圧力レベルを調節する工程を包含する、
方法。
(項目20) 項目15に記載の方法であって、さらに以下:
流体の供給源を提供する工程であって、前記レギュレーターが、該供給源から受容する流体を、前記設定値圧力に等しい圧力、またはほぼ等しい圧力に調節する、工程;および
該調節された流体をタービン発電機に提供する工程であって、該タービン発電機が、該調節された流体を受容する場合に電力を発生する、工程、
を包含する、方法。
(項目21) レギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
二重バルブシステム圧力を提供するために、二重バルブシステムのバルブをONおよびOFFに選択的に切り替える工程;
増幅圧力を提供するために、該二重バルブシステム圧力を所定の比によって増幅する工程;および
該設定値圧力を設定するために、該増幅圧力を該レギュレーターの設定値圧力ポートに適用する工程、
を包含する、方法。
(項目22) 項目21に記載の方法であって、ここで、前記二重バルブシステムのバルブをONおよびOFFに選択的に切り替える工程が、以下:
該二重バルブシステム圧力を増加させるために、流体を適用する工程;
該二重バルブシステム圧力を減少させるために、液体を排出する工程;および
該適用工程および該排出工程を制御して、前記設定値圧力を提供するために増幅される圧力まで、該二重バルブシステム圧力を設定する、工程、
を包含する、方法。
(項目23) 項目21に記載の方法であって、さらに、フェイルセーフ状態の場合、(a)前記二重バルブシステム圧力、(b)前記増幅圧力、または(c)該二重バルブシステム圧力および該増幅圧力の両方を、大気に排出する工程を包含する、方法。
(項目24) レギュレーターの設定値圧力を制御するためのシステムであって、該システムが、以下:
設定値圧力ノード;
流体を受容するように接続される入口および該設定値圧力ノードに接続される出口を有する、第1バルブ;
該設定値圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第2バルブ;
該設定値圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する第3バルブであって、該第3バルブが、フェイルセーフ状態の場合、自動的に開くように作動する、第3バルブ;ならびに
該設定値圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために、該第1バルブおよび該第2バルブを選択的に開閉するように作動する、制御回路、
を備える、システム。
(項目25) 項目24に記載のシステムであって、ここで、前記圧力ノードに提供される圧力が、設定値圧力である、システム。
(項目26) 項目24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源および前記第1バルブの入口に接続される圧力レギュレーターであって、該圧力レギュレーターが、該流体供給源から受容される流体を調節する、圧力レギュレーター、
を備える、システム。
(項目27) 項目24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源から受容された流体に接続される圧力レギュレーターであって、該圧力レギュレーターが、該受容された流体を所定の圧力に調節する、圧力レギュレーター;および
該圧力レギュレーターおよび前記第1バルブの入口に接続されるアキュムレーターであって、該アキュムレーターが、該第1バルブおよび第2バルブが開閉する場合の圧力の揺れを最小化する、アキュムレーター、
を備える、システム。
(項目28) 項目24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源であって、前記第1バルブが前記流体供給源の下流に接続される、流体供給源;および
該流体供給源から流体を受容するように接続されるレギュレーターであって、該レギュレーターが、前記設定値圧力ノードに接続される設定値圧力ポートを有し、そして該設定値圧力ポートに適用される流体の圧力に基づいて下流に流体を提供するように作動する、レギュレーター、
を備える、システム。
(項目29) 項目24に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、第2バルブ、および第3バルブが、電気的に作動するソレノイドバルブである、システム。
(項目30) 項目29に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブおよび前記第2バルブが、通常閉じているソレノイドバルブである、システム。
(項目31) 項目29に記載のシステムであって、ここで、前記第3バルブが、通常開いているソレノイドバルブである、システム。
(項目32) 項目24に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、および前記第3バルブが、気泡を通さないソレノイドバルブである、システム。
(項目33) 項目24に記載のシステムであって、ここで、該システムがスタンバイモードで作動している場合、前記第1バルブおよび前記第2バルブが、閉じており、そして前記第3バルブが、開いている、システム。
(項目34) 項目24に記載のシステムであって、ここで、該システムが前記設定値圧力ノードに適用される圧力を制御している場合、前記第3バルブが、閉じている、システム。
(項目35) 項目24に記載のシステムであって、さらに以下:
増幅レギュレーターであって、該増幅レギュレーターが、流体を受容するために接続される入口、前記設定値圧力ノードに接続される増幅器設定値ポート、および増幅器出口を有し、該増幅レギュレーターが、該増幅器設定値ポートに適用される圧力を増幅圧力に増幅し、該増幅圧力を該増幅器出口に提供し、該増幅圧力が前記設定値圧力である、増幅レギュレーター、
を備える、システム。
(項目36) 項目35に記載のシステムであって、さらに、前記増幅器出口に接続される入口および大気に接続される出口を有する第4バルブを備え、該第4バルブが、フェイルセーフ状態の場合、開くように作動する、システム。
(項目37) 発電システムであって、以下:
流体の供給源;
圧力レギュレーターであって、圧力レギュレーターが、該供給源から流体を受容するために接続される設定値ポートを有し、該設定値ポートに適用される圧力に基づいて、受容される流体圧力を調節するように作動する、圧力レギュレーター;
タービン発電機であって、該タービン発電機が、該調節された流体を受容するように接続され、該調節された流体を受容する場合に電力を発生するように作動する、タービン発電機;および
該供給源およびレギュレーターに接続される項目24に記載の圧力制御システムであって、該制御システムが、該設定値ポートに適用される圧力を制御するように作動する、圧力制御システム、
を備える、発電システム。
(項目38) 少なくとも2つのレギュレーターの設定値圧力を制御するためのシステムであって、該システムが、以下:
第1設定値圧力ノードおよび第2設定値圧力ノード;
第1バルブであって、該第1バルブが、流体を受容するように接続される入口および該第1圧力ノードに接続される出口を有する、第1バルブ;
第2バルブであって、該第1圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第2バルブ;
第3バルブであって、該流体を受容するように接続される入口および該第2圧力ノードに接続される出口を有する、第3バルブ;
第4バルブであって、該第2圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第4バルブ;
第5バルブであって、該第1圧力ノードおよび該第2圧力ノードに接続される入口、ならびに大気に接続される出口を有し、該第5バルブが、フェイルセーフ状態の場合、自動的に開くように作動する、第5バルブ;ならびに
制御回路であって、(a)該第1圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために該第1バルブおよび該第2バルブを選択的に開閉し、そして(b)第2圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために、該第3バルブおよび該第4バルブを選択的に開閉するように作動する、制御回路、
を備える、システム。
(項目39) 項目38に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、第2バルブ、第3バルブ、第4バルブ、および第5バルブが、ソレノイドバルブである、システム。
(項目40) 項目39に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記第4バルブが、通常閉じているソレノイドバルブである、システム。
(項目41) 項目39に記載のシステムであって、ここで、前記第5バルブが、通常開いているソレノイドバルブである、システム。
(項目42) 項目38に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、前記第4バルブ、および前記第5バルブが、気泡を通さないソレノイドバルブである、システム。
(項目43) 項目38に記載のシステムであって、ここで、該システムがスタンバイモードで作動している場合、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記第4バルブが、閉じており、そして前記第5バルブが、開いている、システム。
(項目44) 項目38に記載のシステムであって、ここで、該システムが前記第1設定値圧力ノードおよび前記第2設定値圧力ノードに適用される流体の圧力を制御している場合、前記第5バルブが、閉じている、システム。
(項目45) 発電システムであって、以下:
少なくとも1つの流体の供給源;
第1圧力レギュレーターであって、該第1圧力レギュレーターが、前記少なくとも1つの供給源から流体を受容するように接続される第1設定値ポートを有し、そして該第1設定値ポートに適用される圧力に基づいて受容される流体圧力を調節するように作動する、第1圧力レギュレーター;
第2圧力レギュレーターであって、該第2圧力レギュレーターが、前記少なくとも1つの供給源から流体を受容するように接続される第2設定値ポートを有し、そして該第2設定値ポートに適用される圧力に基づいて受容される流体圧力を調節するように作動する、第2圧力レギュレーター;
タービン発電機であって、該タービン発電機が、該第1圧力レギュレーターおよび該第2圧力レギュレーターの両方から該調節された流体を受容するように接続され、該調節された流体を受容する場合に電力を発生するように作動する、タービン発電機;ならびに
該供給源ならびに該第1レギュレーターおよび該第2レギュレーターに接続される項目38に記載の圧力制御システムであって、該制御システムが、該第1設定値ポートおよび該第2設定値ポートに適用される圧力を制御するように作動する、圧力制御システム、
を備える、システム。
【0011】
本発明のこれらおよび他の目的は、二重経路(dual−path)流体ルート決定システムおよび圧力設定値制御システムを提供することによって、本発明の原理に従って達成される。本発明に従う二重経路流体ルート決定システムは、2つの別個の経路を通して流体をルート決定することによって、流体の温度および圧力を正確に制御する。その経路のうちの一方は、両方の経路の流体を合わせて、望ましい流体の温度および圧力を得る前に、そこを流れている流体の温度を実質的に変化させる。その流体ルート決定システムは、そのマスフローを各経路を通して制御して、異なる温度の流体を選択的に一緒に混合し、所定の温度を得ると同時に、所定の圧力を維持する。
【0012】
その流体ルート決定システムは、その経路のうちの一方を通って流れる流体を加熱または冷却する熱交換器を備え得る。例えば、蓄積空気エネルギーシステムにおいて、熱交換器(例えば、蓄熱ユニット(thermal storage unit))は、流体を加熱するために使用され得る。提示の明瞭さおよび簡潔さのために、一方の経路は、加熱された流体を提供し得、他方の経路は、冷却流体を提供し得る。他の実施形態において、その流体ルート決定システムは、熱交換器を使用しなくてもよいが、2つの別個の供給源からの流体を受容し得る。ここで一方の供給源は、他方の供給源とは実質的に異なる温度の流体を提供する。例えば、一方の供給源は、比較的高い温度の流体を提供し得、他方の供給源は、周囲温度の流体を提供し得る。
【0013】
所望の温度は、その2つの経路を通る流体のマスフローを制御することによって生じる。マスフローを制御することによって、一緒に混合される加熱流体:冷却流体の比は、制御され得る。例えば、その合わされた流体の温度は、流体を加熱しない経路(バイパス経路)に対してその流体を加熱する経路(主要経路)を通る流体のマスフローを増大させることによって上昇され得る。その合わされた流体の温度は、そのバイパス経路を通るマスフローに対して、主要経路を通るマスフローを減少させることによって、低下され得る。
【0014】
本発明の利点は、マスフローを制御する能力が、先行技術より実質的に改善されていることであり、以前には達成されていなかったより優れた温度制御分解能(resolution)が得られる。このようなより優れた温度制御は、本発明に従う流体ルート決定システムが各経路におけるマスフローに対して正確な制御を行い得るので、可能であり得る。より詳細には、一方の経路におけるマスフローの制御は、他方の経路におけるマスフローとは無関係に行われ得る。このような独立した制御は、マスフローの制御を担う流動制御手段(例えば、レギュレーターおよび/または流動制御バルブ)が、互いから作動的に「切り離される」ので、たとえ両方の経路が同じ流体供給源に接続され得、そして/または共通の出口ノードにそれらそれぞれの流体を提供し得るとしても、可能であり得る。
【0015】
この作動的な切り離しは、流動制限デバイス(例えば、オリフィス、バルブ、またはスクリーン)を使用して、その経路のうちの一方におけるマスフローを制限することによって実現され得る。このようなデバイスは、マスフローを実質的に制限し得、それによって、高い抵抗経路を作り出し得る。従って、一方の経路は、比較的妨害されていないマスフローを提供するのに対して、他方の経路は、制限されたマスフローを提供する。結果として、一方の経路(主要経路)は、その合わされた流体の圧力および温度の制御を主に担い得、他方の経路(バイパス経路)は、合わされた流体の圧力および温度に影響を及ぼすか、またはこれらを微細に調節する。他方の経路は、その流動制限デバイスが制限デバイスの上流の圧力を操作することによって、その制限経路を通るマスフローを正確に変化させる能力を提供するので、その圧力および温度を微細に調節することができる。
【0016】
本発明の一実施形態において、流体ルート決定システムは、2つの圧力レギュレーターを使用して、流体の温度および圧力を制御し得る。その流体システムは、レギュレーターおよび熱交換器を備える主要経路、ならびにレギュレーターおよび流動制限デバイスを備えるバイパス経路を有するように構築され得る。その主要経路およびバイパス経路の両方が、流体供給源からの流体を受容するように接続され得、両方の経路の出力は、出力ノードにおいて一緒に連結される。その熱交換器は、その主要経路を通って流れる流体を加熱または冷却し得る。その合わされた気体の圧力および温度は、主要経路によって主に制御され得るが、そのバイパス経路を通って流れる流体の圧力および温度によって影響を受ける。
【0017】
作動の間に、一方のレギュレーターは、その主要経路を通ってルート決定される流体の圧力およびマスフローを制御し、他方のレギュレーターは、そのバイパス経路を通ってルート決定される流体の圧力およびマスフローを制御する。流体の所定の温度および圧力は、そのレギュレーターの設定値圧力を調節することによって維持される。その設定値圧力は、そのレギュレーターの出口において維持される流体圧力であり、その流体圧力は、そのレギュレーターの内部構成部品の関数である圧力オフセットを含む。特定のレギュレーターの設定値圧力が増すと、マスフローの増大が生じ、その逆もまた同様である。従って、その圧力を変化させることによって、特定の経路を通るそのマスフローを変化させ得る。このマスフローは、本発明の原理に従って、出口ノードに提供される熱量に影響を及ぼす。例えば、その出口ノード温度が熱すぎると、そのバイパスレギュレーターは、その設定値圧力を増大させて、より冷たい流体を出口ノードにルート決定し、その温度を低下させる。
【0018】
特定のレギュレーター(例えば、ドーム−ロードレギュレーター(dome−loaded regulator))は、このレギュレーターを通過する流体のマスフロー(mass flow)を制御するための内部機構または内部構成部材を有することに注意する。この内部機構は、このレギュレーターを通過するマスフローを変化させ得、その結果、出力圧力は、設定値圧力からレギュレーターの内部構成に起因する所定のオフセットを差し引いたものと実質的に等しい。この内部機構は、設定値圧力と下流への圧力との間の不均衡に対して反応する。従って、この機構は、下流の条件の変化および設定値の圧力の変化に応答してマスフローを変化させ得る。例えば、この設定値の圧力が、所定の圧力レベルに設定され、レギュレーターの出口圧力が、所定の圧力レベルを越える場合、その内部機構は自動的に、そのレギュレーターを通過するマスフローを減少させ、そのレギュレーター出口における所定の圧力レベルを維持する。そのレギュレーター出口での圧力が、設定値の圧力を下回る場合、このレギュレーターは自動的に、マスフローを増加させ、所定の圧力レベルを維持する。
【0019】
主要経路のレギュレーターおよびバイパス経路のレギュレーターは、互いに連動して作動し、所望される圧力および温度を維持する。例えば、このバイパスレギュレーター圧力の設定値が、増加され、バイパス経路を通過するマスフローを増加させる場合、共通の出口ノードでの圧力が、上昇する。この圧力の増加を妨げるために、その主要経路レギュレーターは、(その内部構成部材を調節することによって)その設定値の圧力を維持するために必要な程度にそのマスフローを減少させ得、それによってその出口ノードの所望される圧力を維持する。従って、設定値圧力およびマスフローにおける変化の相互作用(内部機構によって実施されるマスフロー調節を含む)は、出口ノードでの流体圧力および温度を制御する。
【0020】
本発明の別の実施形態において、流体ルート決定システム(fluid routing system)は、レギュレーターおよび流体制御バルブを使用し、出口ノードに提供される流体の温度および圧力を制御し得る。この配置において、レギュレーター、流動制限デバイス、および熱交換器は、主要経路を形成し得、そしてその流動制御バルブは、バイパス経路を形成し得る。このレギュレーターは、流体供給源からの流体を受容するように接続され、そして熱交換器と流動制御バルブの両方は、出口ノードに接続される。流動制御バルブのインプットは、そのレギュレーターと流動制限デバイスとの間のノードに接続され得る。
【0021】
レギュレーターは、出口ノードに提供される流体の圧力を制御し得、そして流動制御バルブは、主要経路とバイパス経路の両方を通過する流体のマスフローを制御する。本実施形態は、バイパス経路を通過するマスフローが、主要経路を通過するマスフローと反比例するように構築され得る。例えば、流動制御バルブが、バイパス経路を通過するマスフロー速度を増加させた場合、主要経路を通過するマスフロー速度は、減少される。従って、流動制御バルブのマスフロー速度を調節することによって、出口ノードに提供される流体の温度が、制御され得る。
【0022】
本発明の別の局面は、圧力設定値制御システムである。このシステムは、広範な圧力(例えば、0〜1000PSI)にわたって作動する能力を有すると同時に、レギュレーター(例えば、ドーム−ロードレギュレーター)に適用されている設定値圧力を正確に制御する。さらに、圧力設定値システムは、パワー不足または他の異常な操作の事象において、設定値ポートに適用されている任意の流体を大気へ排出することによるフェイルセーフ操作を提供する。このような圧力設定値制御システムは、例えば、上記で議論されるように、二重経路流体ルート決定システム(dual−path fluid routing system)の一以上の圧力レギュレーターを制御するために用いられ得るか、または従来の流体ルート決定システムの圧力レギュレーターを制御するために用いられ得る。
【0023】
圧力設定値制御システムは、レギュレーターに選択的に流体を適用することによって、およびレギュレーターの設定値ポートからの流体を排出することによって、レギュレーターの設定値圧力を制御し得る。流体は、適用され、二つのバルブ(例えば、ソレノイドバルブ)を用いて設定値ポートから排出され得る。これらの二つのバルブは、制御回路によって提供されるデューティーサイクルに従ってオン、オフされる。このバルブは、連続して流体を受容するように接続されるそのインプットならびに第二のバルブの設定値ポートおよびインプットに接続されるその出力を有する第一のバルブと接続され得る。第二のバルブの出口は、大気に接続される。第一のバルブが、オンでありそして第二のバルブが、オフである場合、流体は、設定値ポートに適用され、設定値圧力の増加を生じる。第一のバルブが、オフであり、そして第二のバルブが、オンである場合、流体は、設定値ポートから排出され、設定値圧力の減少を生じる。両方のバルブが、オンであるか、または両方のバルブがオフである場合があり得ることに注意する。
【0024】
圧力設定値制御システムは、フェイルセーフ操作を確立するために別のバルブの使用を採用し得る。このフェイルセーフバルブは、レギュレーターの設定値ポートに接続された入口および大気に接続された出口を有し得る。このフェイルセーフバルブは、その制御システムが、一般的な作動様式で作動し、その結果第一および第二のバルブが、設定値圧力を制御し得る場合、閉められ得る。しかし、フェイルセーフ条件の事象において(例えば、他の異常な条件のパワー不足)、フェイルセーフバルブは自動的に開き、それによって設定値ポートの流体を大気へ排出する。
【0025】
本発明による二重経路流体ルート決定システムおよび圧力設定値制御システムは、流体を用いる化学プロセスシステム、産業プロセスシステム、および発電システムに用いられ得る。熱および圧縮空気の保存システムのような発電システムにおいて、圧縮空気は、タービン発電機に動力を供給するために空気源から抜き出され得る。流体ルート決定システムは、タービン発電機に空気の温度および圧力を供給する前に、空気の熱および圧力を制御することによって、圧縮空気を適切な状態にし得る。例えば、流体ルート決定システムは、加熱し、圧縮空気を調節し、その結果、タービン入り口に供給された空気の温度および圧力は、所定の入口条件を満たし得る。所望される場合に、本発明による圧力設定値制御システムは、発電システムに用いられる流体ルート決定システムの一以上の圧力レギュレーターを制御するために用いられ得る。
【0026】
さらに、流体ルート決定システムは、貯蔵された流体発電システムの確率演算にもかかわらず、所望されるタービン入り口ガスをタービン発電機に提供し得る。すなわち、流体ルート決定システムは、種々の因子(流体供給圧力変化、流体の膨張により生じた温度変化、無給電熱キャパシタンス、圧力および温度の需要の変化、ならびに熱貯蔵単位(thermal storage unit)のような熱源の変化を含むが、これらに限定されない)に応答し得、ならびにタービンに所定のタービン入り口条件を提供し得る。
【0027】
さらに、圧力設定値制御システムは、高圧制御(例えば、0から1000PSIの間にわたる圧力)、最小漏出、および安全操作を必要とする流体システムにおいて作動し得る。さらに、圧力設定値制御システムは、簡易化かつ非過剰制御エレクトロニクスを用いて制御され得、それによって信頼性を増しコストを下げる。
【0028】
(発明の詳細な説明)
図1A〜Cは、圧力を制御するための複数の先行技術システムを示す。図1Aは、圧力を制御するための先行技術の流動制御バルブ圧力システム10を示す。流動制御バルブ12は、マスフロー速度を調節することによる流体レザバ11によって提供される流体の下流の圧力を調節する。フィードバックループが、バルブ12の下流の圧力に依存して、バルブ12によって設定される流動速度を制御するために提供され得る。例えば、圧力が、低すぎる場合、バルブ12は、流動を増加させるために開き、それによって圧力を増加させる。圧力が高すぎる場合、バルブ12は、流体の流動を制限するために閉じ、それによって圧力を減少させる。
【0029】
図1Bおよび図1Cは、それぞれ、圧力を制御するための先行技術のレギュレーターシステム20およびレギュレーターシステム30を示す。レギュレーター22およびレギュレーター32は、レギュレーター22およびレギュレーター32の設定値ポートに適用される設定値圧力に基づく所定の圧力を出力し得る。レギュレーター22およびレギュレーター32は、下流に提供されるマスフローを変えるためにそれらの内部部材を自動的に調節することによって、所定の出口圧力を維持し得、その結果下流の圧力は、レギュレーターの圧力設定値から所定のオフセット(例えば、レギュレーターの内部構成の関数である名目上のオフセット)を差し引いたものと等しいか、またはほとんど等しい。レギュレーターシステム20は、流体レザバ21によって提供される流体の圧力を制御するために内部感知スキームを用い得る。このようなスキームは、レギュレーターの出口で測定される圧力に基づいてレギュレーターの内部構成部材を調節し得る。レギュレーターシステム30は、レザバ31によって供給される流体の圧力を制御するために遠隔感知スキームを用い得る。このようなスキームは、レギュレーターから下流のポイントで測定される圧力に基づくレギュレーターの内部構成部材を調節し得る。
【0030】
図1A〜Cに示される圧力システムは、圧力を調節し得るが、このようなシステムは、レギュレーターの下流に与えられる流体の温度、または流れ制御バルブを正確に制御し得ない。さらに、システム10、20および30がマスフローまたは圧力を調節して、下流に供給される圧力を変化させる場合、このような変化の分解能は、一般に粗く、すなわち、これらのシステムは、比較的小さい圧力調節を行なうことが不可能であり得る。
【0031】
図1D〜Fは、温度を制御するためのいくつかの先行技術のシステムを示す。図1Dは、主要供給源から熱交換機42を通して供給された流体を加熱/冷却する、先行技術の温度制御システム40を示す。熱交換器42に供給される、加熱/冷却された流体の量は、流れ制御バルブ41により制御される。例えば、主要供給源により供給される流体を加熱するために、流れ制御バルブ41は、熱交換器42に供給される加熱された流体の流速を増加し得る。
【0032】
図1Eは、温度を制御するための、代替的な先行技術のシステム50を示す。システム50は、加熱/冷却された流体を熱交換器52に、そして加熱/冷却された流体の復帰のためのルート決定する、三方向バルブ51を備える。これが、システム40に対する改善である。なぜならば、この三方向バルブ51は、加熱/冷却の安定性、および温度を制御する応答時間を改善するからである。図1Fは、温度を制御するための、なお別の先行技術のシステム60を示す。作動の間、三方向バルブ61が、熱い流体供給および冷たい流体供給をブレンドして、所望の流体温度を達成する。
【0033】
上記の温度制御システムの各々は、温度を迅速に変化させる能力、および高い程度の分解能で温度を変化する能力において制限される。さらに、このようなシステムは、圧力を制御し得ない。さらに、三方向制御バルブは、高価で、かつ、かさ高い。
【0034】
図2A〜Cは、流体の温度および圧力を制御することを試みている、先行技術の二重経路流体ルート決定システムを示す。一般に、二重経路システムは、流体を単一の経路に混合する前に、2つの別個の経路に流体をルート決定する。一方の経路における流体の温度は、他方の経路における流体の温度よりも高いか、または低い温度へと駆動され得る。温度におけるこの相違は、所望の温度を生じるための手段を提供する。例えば、一方の経路における流体が加熱され、かつもう一方の経路における流体が加熱されないと仮定する。これらの加熱された流体および加熱されない流体は、共に単一の経路で混合されて、所望の温度を提供する。しかし、図2A〜Cのシステムにより提供される温度および圧力の制御について、速度および分解能、または制御の程度は、制限される。
【0035】
図2Aは、先行技術の二重経路流体ルート決定システムの模式図を示す。二重経路流体ルート決定システム100は、レギュレーター120、FCV 140および145、ならびに熱交換システム150を備える。作動の間、レギュレーター120は、下流から出口ノードに提供される流体の圧力を設定する。レギュレーター120は、1つ以上の流体供給源から流体を受容するために連結され得る(しかし、このような流体供給源の1つのみが示される)。FCV 145は、熱交換システム150を通る流体のマスフロー(例えば、主要経路)を調節する。熱交換システム150は、そこを通過する流体を加熱または冷却し得る。提示を明瞭かつ容易にするために、図2Bの熱交換システム150、250、および図2Cの熱交換システム280が流体を加熱すると仮定する。FCV 140は、迂回経路を通るようにルート決定される流体のマスフローを調節する。FCV 140および145の両方が、完全に閉鎖(CLOSED)、完全に開放(OPEN)に設定され得るか、または、完全に開放と完全に閉鎖との間のどこかに設定され得る。
【0036】
FCV 140およびFCV 145を通るマスフローは、出口ノードに提供される流体の温度を制御する。特に、FCV 140は、出口ノードへの冷たい流体の流れを制御し、そして、FCV 145は、出口ノードへの加熱された流体の流れを制御する。従って、出口ノードにおいて流体の所望の温度を達成するために、FCV 140および145のマスフロー速度は、それに応じて調節される。例えば、出口ノードにおける流体の温度を冷却するために、FCV 140のマスフロー速度は、FCV 145のマスフロー速度と比較して増加され得る。出口ノードにおける流体の温度を加熱するために、FCV 145のマスフロー速度は、FCV 140のマスフロー速度と比較して増加される。
【0037】
図2Bは、別の、先行技術の二重経路流体ルート決定システムの模式図を示す。二重経路流体ルート決定システム200は、レギュレーター220、三方向ルート決定バルブ230、および熱交換システム250を備える。作動の間、レギュレーター220は、流体供給源により供給される流体の圧力を調節する。調節された流体は、三方向ルート決定バルブ230へと提供され、この三方向ルート決定バルブ230は、流体の一部を熱交換システム250に、そして、流体の残りの部分を、熱交換システム250の周りへとルート決定する。熱交換システム250に存在する流体は、熱交換システム250を迂回する流体と混合されて、所望の流体の温度を提供する。
【0038】
三方向ルート決定バルブ230は、熱交換システム250に提供される流体のマスフロー、および、熱交換システム250を迂回する流体のマスフローを制御し得る。こうして、ルート決定バルブ230は、加熱システム250を迂回する流体のマスフローを、加熱システム250を通って流れる流体のマスフローと比較して増加させることによって、出口ノードにおける流体の温度を冷却させ得る。さらに、ルート決定バルブ230は、熱交換システム250を迂回する流体のマスフローを、熱交換システム250を通って流れる流体のマスフローと比較して減少させることによって、出口ノードにおける流体の温度を冷却させ得る。
【0039】
図2Cは、なお別の、先行技術の二重経路流体ルート決定システムの模式図を示す。二重経路流体ルート決定システム260は、レギュレーター270、流体加熱システム280、および三方向バルブ290を備える。作動の間、三方向バルブは、熱交換システム280を迂回する流体(冷たい流体)を、加熱システム280を通る流体(加熱された流体)と選択的にブレンドして、出口ノードにおいて所望の流体温度を提供する。レギュレーター270は、流体供給源により提供される流体の圧力を、所望の圧力に調節する。
【0040】
より冷たい流体温度が所望される場合、三方向バルブ290は、熱交換システム280を通るマスフローと比較して、迂回経路を通るマスフローを増加させ得る。より熱い流体温度が所望される場合、三方向バルブ290は、熱交換システム280を通る流体のマスフローと比較して、迂回経路を通るマスフローを減少させ得る。
【0041】
流体システム100、200および260は、出口ノードに提供される温度および流体に対する制御を提供し得るが、システム100、200および260は、流れ制御バルブおよび三方向バルブのその使用に起因して、高価かつ比較的かさ高い。さらに、システム100、200および260は、出口ノードに提供される流体の温度および圧力に対する正確な制御を実施する能力を欠如し得る。なぜならば、このバルブは、完全な、必要とされる作動範囲に対する適切な制御を実施し得ないからである。例えば、流れ制御バルブおよび三方向バルブは、その作動範囲の10%と90%との間のマスフローを正確に制御し得るのみであり得る。従って、FCVまたは三方向バルブを必要とするシステム100、200または260に対して、特定の条件を改善して、10%〜90%の範囲の外側で作動する場合、システム100、200または260は、流体の圧力または温度を正確に制御し得るわけではない。
【0042】
さらに、システム100、200および260は、作動条件(例えば、(流体供給源により供給される)流体供給圧力および熱交換システムの熱交換能力)が変化する場合、所望の流体の温度および圧力を維持することが不可能であり得る。例えば、流体供給源により供給される流体の圧力が、4,500 PSI〜約1,000 PSIまで変化する場合、システム100、200および260は、この変化を迅速かつ正確に補正することが不可能であり得、従って、所望の温度および圧力を有する流体を提供し損ない得る。別の例として、システム100、200および280はまた、熱交換システムの加熱能力が変化する場合、所望の温度および圧力を有する流体を提供し損ない得る。
【0043】
本発明は、増強された温度および圧力の制御を提供するために流れ制限デバイスを使用する、二重経路流体ルート決定システムを提供することによって、先行技術の欠点を克服する。一般に、経路に流れ制限デバイスを含めることは、図2A〜Cに示されるもののような従来の二重経路システムにより達成され得ない程度まで正確に、この経路を通るマスフローの正確な操作を可能にする。このような高度に正確なマスフローの制御は、流れ制限デバイスが、マスフロー 対 圧力の関係に対する制御を増加するので、達成され得る。本発明に従う実施形態は、流れ制限デバイスが、圧力レギュレーターの下流に配置された流体ルート決定システムを提供することにより、この関係性を利用する。従って、このような圧力レギュレーターが、(流れ制限デバイスにより提供される)固定された制限に対して機能する場合、この経路(例えば、圧力レギュレーターおよび流れ制限デバイス)を通るマスフローは、レギュレーターの設定値圧力が変化するにつれ、正確に制御され得る。例えば、レギュレーターの設定値圧力が所定の圧力まで増加する場合、マスフローは、既知の値まで増加し得るが、制限デバイスの流れ特徴は既知であり、このデータは、既知の流れ特徴に基づいて、マスフローを算出するのに利用可能である。レギュレーターの設定値圧力が所定の圧力まで減少する場合、マスフローは、既知の値まで減少し得る。
【0044】
レギュレーターの圧力設定値を設定することが、特定の経路を通るマスフローを制御する1つの方法であり得ることが理解される。レギュレーターはまた、圧力設定値と無関係なその内部の構成要素または機構を調節することにより、特定の経路を通るマスフローを制御し得るかもしれない。このような内部の構成要素または機構は、例えば、内部または遠隔の検出スキームを使用して、所望の出口圧力を維持するように、マスフローを自動的に調節し得る。例えば、特定のレギュレーターの圧力設定値が450 PSIに設定されると仮定する。このような場合、このレギュレーターは、約450 PSIから所定の圧力下降(レギュレーターの内部機構により生じる)を差し引いた出口圧力を提供し得る。さらに、このような圧力設定値において、レギュレーターを通るマスフローは、固定されたレベルに到達する。外来性因子(例えば、共通の出口ノードまたはレギュレーターの出口における圧力の増加)が、レギュレーターの圧力出力に影響を与える場合、レギュレーターの内部構成要素は、約450 PSIから所定の圧力下降を差し引いた出口圧力を維持するために、レギュレーターを通るマスフローを、自動的に減少または増加し得る。従って、圧力レギュレーターは、2つの異なる方法でマスフローを制御し得る:1つは圧力設定値を設定することにより、そしてもう1つは、所望の出口圧力を維持するために、マスフローを自動的に調節することによる。
【0045】
流れ制限デバイスは、本発明に従う二重経路流体ルート決定システムが、この流体ルート決定システムにおいて使用されるレギュレーターおよび/または流れ制御バルブの全作動範囲にわたって作動することを可能にし得る。例えば、レギュレーターおよび流れ制御バルブは、全作動範囲(例えば、約0.1%〜99.9%)にわたる正確な制御を実施し得る。このような正確な制御は、本発明に従う流体ルート決定システムが、供給圧力の変化および熱交換システムの加熱能力のような変化する条件に、正確かつ迅速に応答し得ることを保証する。
【0046】
図3は、本発明の原理に従う、二重経路流体ルート決定システム300の模式図を示す。流体ルート決定システム300は、レギュレーター320、流れ制御デバイス330、レギュレーター340、および熱交換システム350を備える。図3において、接続のための媒体は特に示されていないが、例えば、流体供給源310に対するレギュレーター320は、パイプ、ホース、チューブ、バルブ、フィッティングおよび他の内部接続構成要素のような従来の流体ルート決定デバイスを備える。このような媒体は、本発明に従う他の実施形態において使用され得ることが理解される。
【0047】
レギュレーター320および340は、流体供給源310から流体を受容するように、連結される。レギュレーター320および340は、1つより多い流体供給源に連結され得るが、図を煩雑にすることを回避するために、1つのみが示される。レギュレーター320および340は、下流に提供される入口圧力を、レギュレーター320および340に付与される際に、設定値圧力に基づいて、予め決定された圧力に調節するように、設定され得る圧力レギュレーターであり得る。一般に、レギュレーターの圧力設定値は、予め決定された圧力をレギュレーターの設定値ポートに付与することによって、設定され得る。レギュレーター320の圧力設定値は、レギュレーター340の圧力設定値とは独立して設定され得る。レギュレーター320および340は、内部感知技術または遠隔感知技術を使用して、レギュレーターによって下流に供給される圧力を決定し得る。このような感知技術は、レギュレーター出口における設定値圧力を維持するために、このレギュレーターの内部構成要素を調節することを担い得る。流体システム300において使用され得るレギュレーター320および340の具体的な例は、U.S.ParaPlate Corporation,Corona,Californiaによって販売される、1354 シリーズ、Dome Loaded Regulatorであり得る。
【0048】
圧力設定値は、手動でかまたは電子的に、調節可能であり、そして設定され得る。レギュレーターの圧力設定値を手動で設定することは、予め決定され圧力を、このレギュレーターの設定値ポートに付与することによって、実施され得る。設定値圧力の電子的設定は、電子的に制御されたデバイス(例えば、トランスデューサ、コンバータ、またはサーボレギュレーター)を使用して、実施され得る。これらのデバイスは、このデバイスに付与される電流または電圧のレベルに基づいて、設定値ポートへの圧力を出力する。なお他の、より進歩した圧力設定値システム(例えば、図10〜14を伴う文章に関連して以下に議論されるシステム)が、レギュレーター320および340の設定値圧力を電子的に設定するために、使用され得る。
【0049】
流れ制限デバイス330の入口は、レギュレーター320の下流の流体を受容するように連結され、そして流体制限デバイス330の出口は、出口ノードに連結され、この出口ノードは、熱交換システム350の出口に連結される。この出口ノードは、主要経路(これは、レギュレーター340および熱交換システム350を含む)およびバイパス経路(これは、レギュレーター320および流れ制限デバイス330を含む)の収束を提示する。従って、出口ノードにおける流体は、システム300によって提供されるような、予め決定された圧力および温度を有する、合わせられた流体を提示し得る。
【0050】
流れ制限デバイス330は、レギュレーター320から出口ノードへの流体の流れを制限し、そしてレギュレーター340の作動を、レギュレーター320の作動から効果的に切り離し、これによって、レギュレーター320および340が、互いに独立して作動することを可能にする。より具体的には、デバイス330は、レギュレーター320および340が、主要経路およびバイパス経路が互いに接続されている場合でさえも、これらの経路を通るマスフローを独立して制御することを可能にする。すなわち、レギュレーター320は、バイパス経路を通るマスフローを独立して制御し、そしてレギュレーター340は、主要経路を通るマスフローを独立して制御する。このような独立した制御は、先行技術の流体ルート決定システム(例えば、図1および2に示されるもの)によっては達成されない程度の温度制御を提供する。
【0051】
流れ制限デバイス330は、流体の流れの一定した制限を提供する、任意のデバイスであり得る。例えば、流れ制限デバイス330は、予め決定されたサイズ(すなわち、オリフィス330をレギュレーター320に接続するパイプの直径より小さいサイズ)のスルーホールを通る流体の流れを制限する。別の例として、流れ制限デバイス330は、流体の流れを制限するように調節されているバルブであり得る。なおさらなる例として、スクリーンが、流体の流れの一定した制限を提供するために使用され得る。
【0052】
熱交換システム350は、レギュレーター340から下流の流体を受容するように連結され、そしてその出口は、出口ノードに連結される。熱交換システム350は、レギュレーター350によって供給される流体を、予め決定された温度まで加熱または冷却する能力を有するシステムであり得る。システムにおいて使用される熱交換システムの型は、流体が主要経路において加熱されるのか冷却されるのかに依存し得る。いくつかの実施形態において、熱交換システム350は、流体を加熱するために1つの熱交換器または熱交換器の組み合わせを備え得る。例えば、加熱システム350は、熱貯蔵ユニットおよび/または燃料によって動力供給される熱交換器が挙げられ得る。さらなる例としては、熱交換システム350としては、固定子ハウジング、電源エレクトロニクス熱だめ、および熱貯蔵ユニットを備え得る。熱交換システム350は、本明細書中に記載される例に限定されないこと、ならびに他の熱交換器およびこれらの組み合わせ(上記熱交換器が挙げられる)が、流体を加熱するために使用され得ることが、理解される。
【0053】
流体ルート決定システム300は、流体供給源310によって提供される流体(例えば、気体)の温度および圧力を、レギュレーター320および340の圧力設定値を独立して調節すること、ならびにレギュレーター320および340の内部構成要素または機構によって実施される、自動のマスフロー調節に依存することによって、制御する。圧力設定値を調節することによって、システム300は、出口ノードにおける流体の温度を制御するように、主要経路およびバイパス経路を通るマスフローを故意に制御し得る。さらに、レギュレーター320および340の圧力設定値は、この出口ノードに、予め決定された圧力を提供するように調節される。
【0054】
システム300が作動している場合、流体供給源310からの圧力は、レギュレーター320および340によって段階的に低下され、その後、主要経路およびバイパス経路を通して、下流に送られる。圧力がより低い圧力に段階的に低下されるにつれて、流体の膨張は、温度の低下を生じる。当業者は、気体の膨張が、液体を膨張させることによって達成されるよりかなり大きい温度変化を生じることを理解する。その結果、レギュレーター320および340を出る流体の温度は、レギュレーター320および340に入る流体の温度より低くあり得る。
【0055】
この冷たい流体は、流体を加熱する主要経路(熱交換器350が流体を加熱するとする)およびバイパス経路を通してルート決定される。加熱された流体および冷たい流体は、一緒に混合されて、予め決定された圧力および温度の合わせられた流体を、出口ノードにて提供する。主要経路は、主として、出口ノードにおける流体の圧力および温度を制御することを担い得る。バイパス経路は、出口ノードにおける流体の圧力および温度を制御することを、二次的に担い得る。バイパス経路は、二次的に担い得るが、流れ制限デバイスに起因して、出口ノードへの冷たい流体のマスフローに対する高度な制御を実施する。
【0056】
温度および圧力の制御は、圧力設定値の変化と、その結果のマスフローの変化との相互作用によって得られる。本発明の原理によれば、設定値圧力の既知の増加は、既知のマスフロー増加を生じ、そしてその逆もまたそうである。例えば、出口ノードにおける流体の温度が高すぎる場合、バイパス経路のマスフローは、レギュレーター320の設定値圧力を増加させて、より多くの冷たい流体を出口ノードにルート決定することにより、温度を低下させ得る。レギュレーター320の設定値圧力の増加は、出口ノードにおける圧力を上昇させ得るので、レギュレーター340は、その内部構成要素を、このレギュレーターを通るマスフローを減少させてこのような増加を補償するように、そして出口ノードにおける所望の圧力を維持するように、自動的に調節し得る。レギュレーター340に付与される圧力設定値は、共通ノードにおける圧力が予め決定された圧力レベルより一時的に高くあり得る場合でさえも、一定に維持され得る。
【0057】
出口ノードにおける流体の温度が低すぎる場合、バイパス経路のマスフローが低下されて、温度を上昇させ得る。このことは、レギュレーター320の圧力設定値を低下させることによって、なされ得る。バイパス経路における圧力が低下するにつれて、マスフローもまた減少し、その結果、より少ない冷却流体が、出口ノードに提供される。このマスフローの減少は、レギュレーター340によって、圧力低下を保障するための、そのマスフローの引き続く増加(内部構成要素を自動的に調節することによる)を示唆する圧力の低下として、検出され、これによって、出口ノードへの所望の圧力を維持する。
【0058】
システム300の作動の間、レギュレーター320の設定値圧力は、レギュレーター340の設定値圧力より頻繁に調節され得る。このことは、レギュレーター340が、主として、共通の出口ノードにおける流体の圧力を制御することを担うことに起因し得る。従って、レギュレーター340の圧力設定値を、比較的一定のレベルに維持することが好ましくあり得る。さらに、レギュレーター320は、流れ制限デバイス330の上流に接続されるので、レギュレーター/流れ制限デバイスの組み合わせによって実現される高度なマスフロー制御に起因して、レギュレーター320の設定値圧力を変化させるために、より有利であり得る。
【0059】
しかし、特定の条件が、共通の出口ノードにおける圧力の変化(例えば、上昇)を必要とする場合、レギュレーター340の設定値圧力が、それに従って変化(例えば、増加)し得ることが注目される。レギュレーター340の設定値圧力におけるこのような変化は、種々の条件(例えば、共通の出口ノードにおける圧力の様々な要求の流体供給圧力の変化)に応答し得る。
【0060】
流れ制限デバイス330は、流体の温度制御を有利に増強する。なぜなら、制限デバイス330は、一定の制限を提供し、これが、バイパス経路におけるマスフロー速度を制御する際の融通性を促進するからである。すなわち、流れ制限デバイス330は、制限デバイスの上流の圧力を操作することによって、バイパス経路を通るマスフローを正確に変化させる能力を提供する。このような流れ制限デバイスを欠く流体システム(たとえば、図1および2に示されるもの)において、圧力の比較的小さい変化が、温度の比較的大きい変化を生じ得、これによって、温度制御を困難にする。一方で、流れ制限デバイスを有する流体システムにおいては、圧力の比較的小さい変化は、温度の比較的小さい変化またはより制御された変化を生じ得る。さらに、この正確な制御は、レギュレーター320および340の作動範囲全体にわたって、提供され得る。
【0061】
流体ルート決定システム300の議論は、より多いかまたはより少ない冷たい流体を、加熱された流体に注入して、この加熱された流体を所望の温度に冷却するように注入するための、作動の観点で記載されるが、ルート決定システム300の作動は、より多いかまたはより少ない加熱された流体が冷たいストリーム、に注入されて、この冷たい流体を所望の温度まで温めるような作動であり得ることが、理解される。例えば、このことは、熱交換システム350に流体を冷却させることによって、達成され得る。
【0062】
図4は、本発明の原理に従う図3の流体ルート決定システム300の変化形の模式図を示す。示されるように、流動抵抗デバイス430が、レギュレーター420の下流に配置されるのではなく、熱交換システム450の下流に配置されている。流体ルート決定システム400は、図3に関して上記されたのと類似する原理を使用して、出口ノードにて提供される流体の温度および圧力を制御する。システム300とシステム400との間の差異の1つは、主要経路を通るマスフローが、バイパス経路を通るマスフローよりも制限されることである。これにより、主要経路は、バイパス経路よりも高い程度の制御をマスフローに対して発揮することが可能になり得る。望ましい場合、流れ制限デバイス430が、図5に示されるように、レギュレーター440と熱交換システム450との間に配置されて、より高い抵抗を主要経路に提供し得る。
【0063】
図6は、本発明の原理に従う別の二重レギュレーター二重経路流体ルート決定システム600の模式図を示す。システム600は、さらなる流れ制限デバイス632がレギュレーター640の下流に配置されている(本明細書中では、レギュレーター640と熱交換システム650との間に示されるが、望ましい場合は、熱交換システム650の後に配置され得る)こと以外は、図3のシステム300と同様である。流れ制限デバイス630に加えて、流れ制限デバイス632を含めることによって、システム600は、出口ノードにて提供される流体の圧力および温度に対してなおさらに増強された制御を提供することが可能になり得る。
【0064】
流れ制限デバイス630および632は、同じ流れ制限能力を有する必要はなく、同じ型のデバイス(例えば、オリフィス、篩、バルブなど)を有する必要もない。例えば、デバイス632のマスフロー制限能力は、デバイス630よりも低いものであり得る。別の実施形態において、両方のデバイス630および632は、ほぼ同じ流れ制限能力を有し得る。
【0065】
図7は、本発明の原理に従うなお別の二重経路流体ルート決定システム700の模式図を示す。流体ルート決定システム700は、レギュレーター720、流れ制限デバイス730、およびレギュレーター740を備える。流体ルート決定システム700は、出口ノードに所定の圧力および温度の流体を提供するように作動する。流体ルート決定システム700の作動原理は、ルート決定システム300に関して上記されたのと類似し、従って、ここで繰り返す必要はない。
【0066】
しかし、システム300とシステム700との間の顕著な差異としては、2つの独立した流体供給源の使用および熱交換システムの省略が挙げられる。示されるように、流体供給源710は、レギュレーター720の上流に接続され、流体供給源712は、レギュレーター740の上流に接続される。一方の流体供給源(例えば、流体供給源710)は、熱い流体を含み得、もう一方の流体供給源(例えば、流体供給源712)は、冷たい流体を含み得る。用語「熱い」および「冷たい」とは、相対的な用語であることが理解される。例えば、「冷たい」流体は、周囲温度を有し得、「熱い」流体は、周囲温度の2倍であり得る。
【0067】
作動の間に、レギュレーター720および740は、それぞれの流体供給源から引き込まれた流体の圧力(およびマスフロー)を制御して、出口ノードに所定の圧力および温度の流体を提供する。例えば、主要経路がレギュレーター740を備え、バイパス経路が、レギュレーター720および流れ制限デバイス730を備えると仮定する。流体供給源712が冷たい流体を供給し、流体供給源710が熱い流体を供給する場合、システム700は、主要経路を通って流れるその冷たい流体中に、バイパス経路を介して多少熱い流体を選択的に注入することによって、所定の温度および圧力の流体を提供するように作動する。あるいは、流体供給源712が熱い流体を供給し、流体供給源710が冷たい流体を供給する場合、システム700は、主要経路を通って流れるその熱い流体中に、バイパス経路を介して多少冷たい流体を選択的に注入することによって、所定の圧力および温度の流体を提供するように作動する。
【0068】
システム700とともに使用される二重流体供給源配置は、液体(例えば、水)とともに使用するために特に有利であり得る。これは、高圧から低圧へと段階的に低下している液体の温度低下は、無視できるかまたは存在しないからであり得る。従って、一方の流体供給源が熱く、もう一方の流体供給源が冷たい場合、システム700は、その熱い液体と冷たい液体との組み合わせを調節して、所定の温度および圧力を有する流体を提供し得る。
【0069】
従って、レギュレーター340の圧力設定値に対するレギュレーター320の圧力設定値のずれの操作は、出力ノードにて流体の温度および圧力を制御する際に有効であることが理解される。
【0070】
本発明の流体ルート決定システム(例えば、図3〜7に示されるシステム)の利点は、これらのシステムが、広範な範囲のマスフローに対する正確な制御を提供することである。このことは、同様に、出口ノードにて提供される温度に対して、より優れた制御(例えば、温度回復)を提供する。そのような温度制御は、上記で考察されたような流体制限デバイスを含めることによって、さらに増強される。本発明に従うルート決定システムの別の利点は、これらのシステムが小型であることである。先行技術において使用されるような大きく高価なバルブ(例えば、流れ制御バルブおよび三方向バルブ)を使用する必要はない。さらに、本発明に従うルート決定システムは、製造するのが比較的安価であり、メンテナンスをほぼ必要としないかまたは全く必要としない。
【0071】
本発明に従うルート決定システムのなお別の利点は、これらのシステムが、出口ノードにて提供される流体の温度および圧力を調整する際に迅速な動的応答時間を有することである。例えば、このルート決定システムは、制御回路(図3〜7には示されない)によって、種々の要因(流体供給圧力の変化、流体膨張により引き起こされる温度変化、寄生(parasitic)熱キャパシタンス、圧力需要および温度需要の変化、ならびに熱源(例えば、熱貯蔵ユニット)の変化が挙げられるが、これらに限定されない)に迅速に応答するように制御され得る。
【0072】
上記の迅速な動的応答時間は、少なくとも、レギュレーターがマスフローを自動調整してその設定値圧力を維持する能力が原因で、本発明に従う二重経路流体システムによって実現され得る。従って、条件が、例えば、レギュレーター320の設定値圧力に対する変化をもたらす条件が変化する場合、レギュレーター340は、その設定値変化を自動的に考慮に入れる。
【0073】
図8は、本発明の原理に従う別の二重経路流体ルート決定システムの模式図を示す。流体ルート決定システム800は、レギュレーター820、流れ制限デバイス830、流れ制御バルブ(FCV)840、および熱交換システム850を備える。システム800における使用のために適切であり得るFCV840の特定の例は、Baumann,Inc.(Portsmouth,New Hampshire)により販売されるBaumann 24000SB Series Valveであり得る。上記のレギュレーター、流れ制限デバイス、および熱交換システムは、システム300に関して既に上記で考察されており、そのような構成要素および/またはサブシステムの詳細は、ここで反復される必要がない。
【0074】
レギュレーター820は、流れ源810からの流体を受容するように接続される。レギュレーター820の出口は、流れ制限デバイス830の入口およびFCV840の入口に接続されている。流れ制限デバイス830の出口は、熱交換システム850に接続されている。FCV840の出力および熱交換システム850の出力は、その出力ノードに接続される。出力ノードにおける流体は、所定の圧力および温度を有する制御された流体を示す。
【0075】
FCV840は、バイパス経路を通る流体のマスフローを制御する。このバイパス経路は、流れ制限デバイス830の入口をFCV840経由で熱交換システム850の出口に接続する経路である。さらに、システム800の構築が原因で、FCV840はまた、主要経路を通る流体のマスフローを制御する。この主要経路とは、流れ制限デバイス830の入口を、流れ制限デバイス830および加熱システム850経由で出口ノードに接続する経路である。FCV840は、下流にて提供されるマスフローを決定する、中間検知流れ制御バルブまたは遠隔検知流れ制御バルブであり得る。FCV840は、手動制御され得るか、または電子制御され得る。電子制御されるFCV840は、変化する温度条件および圧力条件に対する迅速な応答時間を促進し得る。
【0076】
作動の間、レギュレーター820とFCV840との間の相互作用は、出口ノードにおける流体の圧力および温度を制御する。レギュレーター820は、望ましい圧力がその出口ノードにて得られるように圧力設定値を調整することによって、その圧力を主に制御する。レギュレーター820の下流の圧力は、作動の間は比較的一定のままであり得る。従って、その圧力設定値は、バイパス経路および主要経路における異なる質量の流量によって引き起こされる圧力変化を補償するように調整される必要はないかもしれない。むしろ、そのレギュレーターの内部構成要素は、所定の出口圧力を維持するようにマスフローを自動調整し得る。レギュレーター820の圧力設定値は、出口ノードにて提供される流体の圧力に影響を与える要因を補償するように調整され得ることが理解される。そのような要因としては、例えば、出口ノードに接続されているロードおよび流体供給源810により提供される流体の圧力変化が挙げられる。
【0077】
流れ制限デバイス830と組み合わせて作動するFCV840は、バイパス経路を通るマスフローおよび主要経路を通る流体のマスフローを主に制御する。バイパス経路を通るマスフローと主要経路を通るマスフローとの比は、FCV840により設定される質量の流量および流れ制限デバイス830の大きさの関数である。流れ制限デバイス830の利点は、そのデバイスは、バイパス経路を通るマスフローと主要経路を通るマスフローとの比をFCV840が制御する能力を増強することである。流れ制限デバイス830は、そのマスフローの大部分が、FCV840が完全に開(OPEN)である場合にバイパスラインを通過するような大きさであり得る。流れ制限デバイス830の存在により、レギュレーター820から加熱システム850への流体流れを妨害する高抵抗経路が生成される。従って、FCV840が完全に開(OPEN)である場合、その流体は、最小抵抗である経路を採り得、バイパス経路を通って流れ得る。FCV840が完全に閉(CLOSED)である場合、流体は、主要経路を通過し得る。FCV840が、完全に閉(CLOSED)と完全に開(OPEN)との間のどこかに設定される場合、流体は、バイパス経路および主要経路の両方を通って流れる。従って、バイパス経路および主要経路を通る流体の流れを制御することによって、温度制御は、加熱された流体と冷たい流体とを出口ノードにて一緒に混合することによって、達成される。
【0078】
例えば、その流体の温度が非常に高すぎる場合、FCV840は、その質量の流量を増加して、より冷たい流体がバイパス経路を通るようにルート決定して、熱交換システム850から流れる熱い流体を冷却し得る。あるいは、出口ノードにおける流体の温度が非常に低すぎる場合、FCV840は、その質量の流量を減少して、より冷たくない流体はバイパス経路を通るようにルート決定され、より多くのマスフローが主要経路を通るようにルート決定されるようにし得る。
【0079】
従って、圧力レギュレーター820およびFCV840を通る質量の流量の操作は、出口ノードにて提供される流体の温度および圧力を制御する際に有効であることが、理解される。先行技術を超えるシステム800の利点は、広範囲のマスフローに対して正確な制御を提供することである。上記のルート決定システム800の別の利点は、このシステムは、出口ノードにて提供される流体の温度および圧力を調整する際に迅速な動的応答時間を有することである。例えば、ルート決定システム800は、種々の要因(流体供給圧力の変化、流体膨張により引き起こされる温度変化、寄生(parasitic)熱キャパシタンス、圧力需要および温度需要の変化、ならびに熱源(例えば、熱貯蔵ユニット)の変化
が挙げられるが、これらに限定されない)に応答するように制御回路(図8においては示されない)によって制御され得る。
【0080】
当業者は、この二重経路流体ルート決定の実施形態の自明の変形形態(図3〜図8に示されるような形態)が実施され得るということを、理解する。例えば、バルブの設計に依存して、二以上のレギュレーターが直列に接続されて、最大貯蔵圧から所定の圧力(例えば、タービン入口圧)へと下がる安定な調整を提供し得る。別の例としては、二以上のレギュレーター(または流れ制御バルブ)は、並列に接続されて、例えば、バイパス経路において、圧力およびマスフローの制御を高め得る。
【0081】
本発明の原理に従う二重経路流体システムは、流体を利用する数多くの型のシステムにおいて実施され得る。例えば、この二重経路流体システムは、発電システム、化学的処理システム、HVACシステム、および工業的処理システムにおいて使用され得る。発電システムとしては、圧縮空気式貯蔵エネルギーシステム、ならびに熱的圧縮空気式貯蔵エネルギーシステムが挙げられ得、これらは、(例えば、主電源が故障した場合の)バックアップ電力または継続的電力を提供するシステムであり得る。
【0082】
図9は、本発明の原理に従う二重経路流体ルート決定システムを利用する、熱的圧縮空気式貯蔵バックアップエネルギーシステム900の模式図を示す。バックアップエネルギーシステム900は、ユーティリティー電力908の妨害(例えば、電力系統低下)の場合には、負荷970に対してバックアップ電力を生成する。ユーティリティー電力908が故障した場合、システム900は、緊急モードで作動する。このモードにおいて、流体供給源910に貯蔵される圧縮ガスは、本発明に従う二重経路流体ルート決定システム(例えば、300/400/500/600/700/800)を通じてルート決定されて、タービン960を駆動する。次いで、タービン960は、シャフト(示さず)を介して電力ジェネレーター962に動力供給する。ジェネレーター962は、負荷970に電力を提供する一方、タービン960によって動力供給される。ユーティリティー電力908が利用可能である場合、システム900は、スタンバイモードで作動する。スタンバイの間、ユーティリティー電力908は、負荷908およびモーター904に電力を供給する。モーター904は、コンプレッサー903を選択的に駆動する。コンプレッサー903は、一方向バルブ902を通じて流体供給源910へと圧縮ガスをルート決定する。
【0083】
貯蔵空気式発電システムのより詳細な例は、例えば、同時係属中の、同一に譲受されている、米国特許出願番号10/361,728(2003年2月5日出願)、および米国特許出願番号10/361,729(2003年2月5日出願)(これら両方は、その全体が、本明細書において参考として援用される)において見出され得る。
【0084】
タービン960からジェネレーター962への軸動力の効率良い移送を促進するため、タービン960は、作業流体(例えば、ガスまたは蒸気)が、所定の温度および圧力で、または所望される入口圧および入口温度の所定の範囲内で、送達されることを必要とし得る。制御回路980は、本発明に従う二重経路流体ルート決定システムの作動を制御するように提供され得、それによって所定の温度および圧力の流体がタービン960の入口に提供される。より詳細には、制御回路980は、この二重経路流体ルート決定システムのレギュレーターおよび/または流れ制御バルブを制御し得る。制御回路980は、タービン960に供給されているガスの温度および圧力をモニタリングし得、そして、バックアップエネルギーシステム900の確率論的な作動条件(例えば、流れの源の変化する圧力、熱交換システムの温度の変動、ロード要求の変化など)を補償するために適切な信号を提供することによって、このレギュレーターおよび/または流れ制御バルブを調節し得る。制御回路980は、流れ制御バルブへ適切な電気信号または空気式信号を提供することによって、流れ制御バルブの質量流量を調節し得る。制御回路980は、圧力設定値システム(例えば、図10〜図14に対応する文に関連して以下で考察されるシステム)への適切な電気信号または空気式信号によって、レギュレーターの出力圧を調節し得る。
【0085】
本発明に従う圧力設定値制御システムは、本発明に従う二重経路流体ルート決定システムにおいてレギュレーターとともに使用するために、または他のレギュレーターとともに使用するために、特に有利である。なぜなら、これは、広い範囲の設定圧力(例えば、0〜1000PSI)を正確に提供し得、泡機密遮断(bubble tight shutoff)を利用して漏れを最小化し得、そして電力損失または他の異常な作動条件の場合にフェールセーフ動作を提供し得るからである。一般的に、この圧力設定値制御システムは、レギュレーターの設定値ポートに選択的に流体を適用し、このレギュレーターの設定値ポートから流体を抜くことによって、レギュレーターの設定圧力を制御し得る。流体は、2つのバルブ(例えば、電磁バルブ)を用いて、この設定値ポートに適用され得、そしてこの設定値ポートから排出され得る。これらのバルブは、制御回路によって提供されるデューティサイクルに従ってオンおよびオフに換わる。これらのバルブは、直列に接続され得る(第一バルブは、その入力を、流体を受容するように接続させ、そしてその出力を(レギュレーターの)設定値ポートおよび第二バルブの入力に接続させる)。第二バルブの出力は、大気へとつながる。第一バルブがオンであり、そして第二バルブがオフである場合、流体は設定値ポートに適用され、設定圧力の上昇を引き起こす。第一バルブがオフであり、そして第二バルブがオンである場合、流体は設定値ポートから排出され、設定圧力の低下を引き起こす。
【0086】
圧力設定値制御システムは、他のバルブの使用を利用して、フェールセーフ動作を確実にし得る。このフェールセーフバルブは、その入口をレギュレーターの設定値ポートに接続させ得、そしてその出口を、大気へとつなげ得る。このフェールセーフバルブは、制御システムが正常動作モードで作動している場合、閉(CLOSED)であり得、それによって第一バルブおよび第二バルブは、設定圧力を制御し得る。しかし、フェールセーフ条件の場合(例えば、他の異常な条件の電力故障)、このフェールセーフバルブは、自動的に開(OPEN)となり、それによって設定値ポート中の流体を大気へと排出する。
【0087】
図10は、本発明の原理に従う圧力設定値制御システム1000の模式図を示す。制御システム1000は、レギュレーターの圧力設定値を調節するように作動する。例えば、制御システムは、レギュレーター320/340/420/440/620/640/720/740/820のうちの一つの圧力設定値を制御し得る。制御システム1000はまた、従来のシステム(例えば、図1および図2に示されるようなシステム)において使用される圧力レギュレーターの設定圧力を調節するために、使用され得る。その設定圧力をシステム1000によって制御させるレギュレーターは、ドームロードレギュレーターであり得る。当該分野で公知であるように、ドームロードレギュレーターは、その設定圧力ポートに適用された圧力と等しいかまたはほぼ等しい圧力を出力し得る。レギュレーター出口圧とその設定圧力との間の差は、レギュレーターの内部構造の変動によってもたらされ得る。例えば、レギュレーター内部でのプレロードと圧力/面積との不均衡は、400PSIの設定圧力に対してレギュレーター出力圧を350PSIにさせ得る。
【0088】
制御システム1000が、レギュレーター1016、アキュムレーター1018、バルブ1050、1052および1060、ならびに制御回路1080を備えることが示される。制御システム1000の構成が一例に過ぎず、さらなる構成要素が追加され得ること、または特定の構成要素が除外され得ることが、理解される。例えば、制御システム1000は、流体供給源1010およびレギュレーター1040を備え得る。別の例としては、アキュムレーター1018が除外され得る。
【0089】
レギュレーター1016は、流体供給源1010によって供給される圧力を所定の圧力へと段階的に下げる、手動で調節可能なレギュレーターであり得る。流体供給源1010は、レギュレーター1040と接続される。アキュムレーター1018(例えば、プレナム)は、レギュレーター1016に接続され、そしてレギュレーター1016の下流に提供された流体の圧力およびマスフローを安定化させるように作動し得る。例えば、制御システム1000が、レギュレーター1040の圧力設定値を調節する場合、アキュムレーター1018は、このような調節の間に所望されない圧力低下を防ぎ得る。バルブ1050の入力は、アキュムレーター1018に接続される。バルブ1050の出力は、バルブ1052およびバルブ1060の入力ならびにレギュレーター1040に接続される。バルブ1052およびバルブ1060の出力は、大気に対して開いている。バルブ1050、バルブ1052、およびバルブ1060は、制御回路1080に接続され得る。
【0090】
バルブ1050、バルブ1052、およびバルブ1060は、制御回路1080によって電気的にオンとオフとに換わる電磁バルブであり得る。本発明に従う圧力設定値制御システムで使用され得るようなバルブの具体的な例は、Parker Hannifen Corporationによって販売される、モデル7122電磁バルブ、またはPeter Paul Electronics Company,Inc.によって販売されるモデル52およびモデルEH22電磁バルブである(両方とも、コネチカット州、ニューブリテンの企業である)。さらに、バルブ1050、バルブ1052、およびバルブ1060は、泡機密バルブ(bubble tight valve)であり得、したがって、これらのバルブが閉(CLOSED)の位置にある場合、流体漏れは無視できる。バルブ1050およびバルブ1052は、通常は閉じている電磁バルブ(すなわち、電力が供給されない場合、閉(CLOSED)であるバルブ)であり得る。バルブ1050およびバルブ1052は、(以下でより詳細に考察されるように)圧力設定値全体にわたって正確な制御を提供するような大きさであり得る。バルブ1060は、通常は開放している電磁バルブ(すなわち、電力が供給されない場合、開(OPEN)であるバルブ)であり得る。バルブ1060は、電力故障または他の異常な作動状態の場合にレギュレーター1040に適用される圧力の急速な上昇を促進するような大きさであり得る。
【0091】
制御システム1000の作動をここに記載する。スタンバイ作動モードが最初に記載され、続いてアクティブ作動モードが記載される。制御システム1000が、TACASシステム(例えば、図9に記載されるようなシステム)において実施される場合、スタンバイモードは、ユーティリティー電力が利用可能である場合に作動し得、そしてアクティブモードは、ユーティリティー電力が利用できない場合に作動し得る。制御システム1000がどちらの作動モードにあるかに関わらず、レギュレーター1016は、所定の圧力レベルに設定され得る。
【0092】
スタンバイモードにおいて、バルブ1050およびバルブ1052は閉(CLOSED)であり、そしてバルブ1060は開(OPEN)である。この構成において、レギュレーター1040の圧力設定値は、大気に対して設定される。さらに、バルブ1050が閉(CLOSED)の状態では、レギュレーター1040のドームに対してどのような圧力も適用される可能性はなく、これによって、流体供給源1010からの流体が下流に経路を定められるのを防ぐ。バルブ1050を閉じることによって、流体供給源1010からの流体は、好ましくは漏出せず、これによって、流体供給源1010における、流体のあらゆる所望されない放出を防ぐ。しかし、バルブ1050が誤動作し、またはそれを通して流体が漏出する場合、レギュレーター1040のドームに対して適用され得る何らかの圧力は、バルブ1060が開(OPEN)であるので、大気へと排出される。
【0093】
バルブ1060は、制御システム1000のフェールセーフ作動を確実にする。フェールセーフ条件(例えば、アクティブ作動モードの間の、例えば、電力故障、等)の場合、バルブ1060は、自動的に開(OPEN)となり、それによって、圧力設定値を大気圧へと設定する。
【0094】
アクティブ作動モードの間、バルブ1060は、閉(CLOSED)であり、そしてバルブ1050および1052は、選択的にオンとオフとに換わって、レギュレーター1040に適用された設定圧力を調節する。バルブ1050がオンに換わる場合、圧力は、レギュレーター1040のドームに適用される。バルブ1052がオンに換わる場合、圧力は、大気へと排出されるので、このドームから解放される。デューティサイクルは、制御回路(示さず)によって提供され得、バルブ1050およびバルブ1052のオン状態およびオフ状態を制御するために使用され得る。
【0095】
バルブ1050およびバルブ1052に適用されるデューティサイクルは、多くの要因(所望の設定圧力、レギュレーター1016によって設定されるような圧力、バルブ1050およびバルブ1052の開口部の大きさ、レギュレーター1040の設定圧力、およびレギュレーター1040の下流での圧力要求の変化、が挙げられるが、これらに限定されない)に依存し得る。例えば、制御システム1000が、二重経路流体ルート決定システムとともに作動する場合、バルブ1050およびバルブ1052に適用されるデューティサイクルは、特定のレギュレーターに対して適用される必要がある設定値圧力に依存し得る。バルブ1050およびバルブ1052が、互いに排他的にオンおよびオフされる必要はなく、所定の期間の間、両バルブがオンであってもよく、または所定の期間の間、両バルブがオフであってもよいということが、当業者によって理解される。
【0096】
流体ルート決定システム300(図3)のような流体ルート決定システムにおいて、一つの制御システム1000がレギュレーター320に接続され得、そして別の制御システム1000がレギュレーター340に接続され得ることが理解される。特定の構成要素(例えば、圧力レギュレーター1016、アキュムレーター1018、および制御回路1080)が、レギュレーター320とレギュレーター340とに接続された両制御システムの間で共有され得ることが、さらに理解される。例えば、流体ルート決定システム800(図8)のような流体ルート決定システムにおいては、唯一の制御システム1000が必要とされて、レギュレーター820の作動を制御し得る。
【0097】
図11は、本発明の原理に従った二重常時圧力設定値制御システム1100の回路図を示す。制御システム1100は、二つのレギュレーターの圧力設定値を調節するように作動可能である。例えば、制御システム1100が図3の流体経路システム300と組み合わせて使用される場合、システム1100は、レギュレーター320およびレギュレーター340を制御して、予定した圧力および温度で流体を提供し得る。
【0098】
制御システム1100は、流体供給源1110、レギュレーター1116、アキュムレーター1118、バルブ1120、1122、1130、1132および1150、レギュレーター1124および1134、一方向バルブ1140および1142、ならびに制御回路1180を備えることが示される。制御システム1100の構成が、単に例示的であり、さらなる構成要素が付加され得るか、特定の構成要素が取り除かれ得ることが理解される。
【0099】
レギュレーター1116およびアキュムレーター1118は、レギュレーター1016およびアキュムレーター1018と同一である。従って、これら二つの構成要素の考察は、再度詳細に考察する必要はない。バルブ1120、1122、1130、1132および1150は、制御回路1180によって電気的にオンおよびオフにされる電磁バルブであり得る。さらに、バルブ1120、1122、1130、1132および1150は、泡機密性(bubble tight)バルブであり得、バルブが「閉」位置にある場合、流体漏出は、ごくわずかである。バルブ1120、1122、1130および1132は、通常「閉」の電磁バルブであり得、バルブ1150は、通常「開」の電磁バルブであり得る。バルブ1120、1122、1130および1132は、レギュレーター1124および1134の圧力設定値を上回る制御の増強を促進させるような大きさであり得る。バルブ1150は、電源異常または他の異常な作動の際に、レギュレーター1124および1134に加えられる圧力の迅速な放出を促進するような大きさであり得る。レギュレーター1124およびレギュレーター1134は、例えば、上記のようなドームロードレギュレーターであり得る。一方向バルブ1140おyび1142は、レギュレーター1124および1134を互いから分離する。
【0100】
制御システム1100は、作動のスタンバイモードおよびアクティブモードで作動し得る。作動のスタンバイモードでは、バルブ1150は、「開」であり、レギュレーター1124および1134に加えられる任意の圧力が、大気に発散する。バルブ1150はまた、システム1000のバルブ1060が提供するフェイルセーフ作動と同じモードで、システム1100のフェイルセーフ作動を確実にする。
【0101】
作動のアクティブモードの間に、バルブ1120および1122は、レギュレーター1124の圧力設定値を制御するように作動しており、バルブ1130および1132は、レギュレーター1134の圧力設定値を制御するように作動している。レギュレーター1124および1134の圧力設定値を調整するために、制御回路1180は、バルブ1120、1122、1130および1132を選択的にオンおよびオフにするデューティサイクルを提供し得る。図10と関連してこれまでに記載されたデューティサイクルの議論は、図11に使用されるデューティサイクルに適用され得る。従って、デューティサイクルおよび選択的に作動されたバルブの操作は、繰り返される必要なない。
【0102】
図12は、レギュレーターの圧力設定値を、本発明の原則に従って調節するように作動する代替的な圧力設定値制御システム1200の回路図を示す。制御システム1200は、流体供給源1210、レギュレーター1212、バルブ1220、1222および1224、サーボレギュレーター1230、増幅レギュレーター1232およびレギュレーター1234を備えることが示されている。制御システム1200の構成要素が単に例示的であり、さらなる構成要素が付加され得るか、特定の構成要素が取り除かれ得ることが理解される。例えば、アキュムレーターが取り除かれ得る。別の例としては、バルブ1220が取り除かれ得る。
【0103】
レギュレーター1212は、流体供給源1210により供給された圧力を所定の圧力(例えば、サーボレギュレーター1230に適した圧力)へ低下させる、手動で調整可能なレギュレーターであり得る。流体供給源1210はまた増幅レギュレーター1232およびレギュレーター1234に接続している。レギュレーター1212は、バルブ1220の入力に接続している。バルブ1220は、サーボレギュレーター1230に接続していて、サーボレギュレーター1230は、バルブ1222および増幅レギュレーター1232に接続している。バルブ1222および1224の出力は、分離していて、かつ周囲環境に接触している。増幅レギュレーター1232は、バルブ1224およびレギュレーター1234に接続している。
【0104】
バルブ1220、1222および1224は、手動で、または電子的に制御されるバルブであり得る。電子的に制御される場合、このようなバルブは、制御回路(示さず)によりオンおよびオフにされ得る電磁バルブであり得る。さらに、このようなバルブが電磁バルブである場合、バルブ1220は、通常「閉」のバルブであり得、バルブ1222および1224は、通常「開」のバルブであり得る。サーボレギュレーターが完全にオフになり得ない場合、またはサーボレギュレーター1230が定常流出型のレギュレーターである場合、バルブ1220は、漏出を防止するために通常「閉」であり得る。バルブ1222および1224は、フェイルセーフ作動を提供するために、通常「開」であり得る。例えば、電源異常または他の異常な作動の際に、バルブ1222およびバルブ1224は、自動的に「開」になり得、そして、増幅レギュレーター1232およびレギュレーター1234に加えられるあらゆる圧力を迅速に発散させ得る。
【0105】
制御システム1200は、操作のスタンバイモードおよびアクティブモードで作動し得る。作動のアクティブモードの間に、サーボレギュレーター1230の圧出力は、増幅レギュレーター1232の圧力設定値を設定する。サーボレギュレーター1230の圧出力は、制御回路(示さず)により提供される電流シグナルまたは圧シグナルによって制御され得る。増幅レギュレーター1232は、サーボレギュレーター出力圧を、所定の割合で増幅する。この所定の割合は、使用される増幅レギュレーターの型に依存して事前に設定され得るか、または調節可能であり得る。この増幅された圧力は、レギュレーター1234の圧力設定値を設定するために使用され得る。従って、制御システム1200は、サーボレギュレーター1230に提供される電流シグナルまたは圧シグナルを制御することによってレギュレーター1234の圧力設定値を制御する。
【0106】
また、作動のアクティブモードの間、バルブ1220は、「開」であり、バルブ1222および1224は、増強された圧コントロール(例えば、二方向性圧コントロール)を提供するために、選択的に「開」および「閉」であり得る。作動のスタンバイモードの間に、バルブ1220は、「閉」であり、バルブ1222およびバルブ1224は、「開」であり、それによって、レギュレーター1234が、下流に流体を提供することを防止する。
【0107】
図13は、本発明の原則に従った別の代替的な圧制御システムの回路図を示す。一般に、制御システム1300は、流体供給源から供給される流体が制御システム1300によって設定される設定圧力に調節されるように、レギュレーター1334(例えば、レギュレーター320、340、420、520、540、620、720または820)の設定圧力を調節するように作動している。制御システム1300は、制御システム1200の構成要素と同一の構成要素を多数共有し、従って、システム1200の一般的作動原則がシステム1300に適用され得る。すなわち、制御システム1300は、増幅レギュレーター1332に適用される圧力を制御し、次に、レギュレーター1334の圧力設定値を設定するために使用される増幅された圧力を生じるように、所定の割合でその圧力を増幅することにより、レギュレーター1334の圧力設定値を制御する。
【0108】
システム1200とシステム1300との間の構造的な相違は、サーボレギュレーターが取り除かれ、さらなるバルブ1326が付加されているということである。バルブ1322に連結したバルブ1320およびバルブ1326の組合せは、図10および図11に関して既に上に議論したバルブ構造を提供する。すなわち、バルブ1320、1322および1326が、制御回路(示さず)によって電子的に制御されていると仮定すると、制御回路は、ノードAにおける圧力を制御するように、デューティサイクルをバルブ1320および1326に適用し得る。
【0109】
ノードAにおける圧力は、増幅レギュレーター1332に加えられ、それによりノードAにおける圧力を所定の割合で増幅して、増幅された圧力を提供する。この増幅された圧力は、レギュレーター1334の圧力設定値を設定するためにレギュレーター1334に加えられる。従って、制御システム1300は、バルブ1320および1326に加えられるデューティサイクルを制御することにより、レギュレーター1334の圧力設定値を制御する。
【0110】
操作のアクティブモードの間、バルブ1322および1324は「閉」になっており、それにより制御システム1300が、レギュレーター1334の圧力設定値の制御を可能にするということが理解される。電源異常または他の異常の際に、バルブ1322および1324は、自動的に「開」になり、増幅レギュレーター1332およびレギュレーター1334に加えられるあらゆる圧力を発散させる。このことにより、作動のフェイルセーフモードを確実にする。
【0111】
デューティサイクルを、本発明に従うバルブ(例えば、図10のバルブ1050および1052、図11のバルブ1120、1122、1130および1132、ならびに図13のバルブ1320および1326)を制御するために使用することの利点は、制御用電子装置の効率的な使用を可能にするということである。より詳細には、バルブは、直接的に制御回路に駆動され得、それによって、設定圧力を調節するための電流制御デバイスまたは空気圧制御デバイス(例えば、サーボレギュレーター)を使用する必要性を取り除く。例えば、サーボレギュレーターが圧力設定値を調節するために使用される場合、デジタル−アナログ変換器、サーボ電子装置、圧力トランスデューサーおよびさらなるバルブが必要であり得る。
【0112】
図14は、本発明の原則に従った設定圧力を制御するためのコントローラー配置の回路図を示す。破線で輪郭を描いた図14の部分は、制御システム(例えば、図10、11および13に示される制御システム)を大まかに表す。従って、流体供給源、バルブおよびレギュレーターの作動は、繰り返される必要はない。例えば、破線の四角が、図10の制御システム1000を表す場合、バルブ1420は、バルブ1050、1052および1060を含み得る。制御システム構成に依存して、レギュレーター1430は、ドームロードレギュレーターまたは増幅レギュレーターであり得る。
【0113】
制御回路1480は、シグナルを継電器1490(例えば、電気的に駆動されるスイッチ)に適用し、次に、レギュレーター1430に加えられた圧力を制御するため、そのシグナルに基づいて、バルブ1420を選択的に駆動および停止させる。このようなシグナルは、設定圧力を制御するために必要であるデューティサイクルを変動する制御アルゴリズムに由来し得る。制御回路1480は、(レギュレーター1430の設定圧力を調節することにより)出力圧の所望の変化を達成させるために、制御回路1480に、継電器1490へ種々のシグナルを加えさせ得る、レギュレーター1430の出力からのフィードバックシグナルを受け得る。
【0114】
図14に示される制御回路配置の利点は、不必要な構成要素(例えば、デジタル−アナログ変換器、およびバルブ1420の作動を制御するための従来の制御回路配置に使用される空気圧制御デバイス)が比較的ないことであり、これらの削除は、より高い信頼性およびより低いコストをもたらす。
【0115】
流体の温度および圧力制御を向上するために流れ制限デバイスを使用する二重経路流体ルート決定システムを使用するためのシステムおよび方法が、提供される。レギュレーターの設定値圧力を正確に制御するために設定値圧力制御システムを使用するためのシステムおよび方法もまた提供される。
【0116】
従って、流体の温度および圧力を正確に制御するためのいくつかのシステムおよび方法、ならびにレギュレーターの設定圧力を調節するためのシステムおよび方法が提供される。当業者は、本発明が、限定ではなく、例示の目的のために提示される記載した実施形態以外によって実施され得ること、および本発明が上記特許請求の範囲のみによって限定されることを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
本発明の上記のおよび他の物質ならびに利点は、以下の詳細な説明を、添付図面とともに考慮することによって明らかとなり、その図面中の類似の参照記号は、全体にわたって類似の部分を参照する。
【図1A】図1Aは、圧力を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1B】図1Bは、圧力を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1C】図1Cは、圧力を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1D】図1Dは、温度を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1E】図1Eは、温度を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1F】図1Fは、温度を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図2A】図2Aは、温度および圧力を制御するための複数の先行技術の二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図2B】図2Bは、温度および圧力を制御するための複数の先行技術の二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図2C】図2Cは、温度および圧力を制御するための複数の先行技術の二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図3】図3は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図4】図4は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための図3の二重経路流体ルート決定システムの変更物の略図を示す。
【図5】図5は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための図3の二重経路流体ルート決定システムの別の変更物の略図を示す。
【図6】図6は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための図3の二重経路流体ルート決定システムのさらに別の変更物の略図を示す。
【図7】図7は、本発明の原理による温度および圧力を制御するために二つの流体供給源を用いる選択的な二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図8】図8は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための単一レギュレーターの二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図9】図9は、本発明の原理による二重経路流体ルート決定システムを組み込む熱および圧縮空気の貯蔵システムの略図を示す。
【図10】図10は、本発明の原理による圧力レギュレーター制御システムの略図を示す。
【図11】図11は、本発明の原理による選択的な圧力レギュレーター制御システムの略図を示す。
【図12】図12は、本発明の原理による別の圧力レギュレーター制御システムの略図を示す。
【図13】図13は、本発明の原理による図12の制御システムに類似する選択的な圧力レギュレーター制御システムの略図を示す。
【図14】図14は、本発明の原理による圧力レギュレーター制御システムを制御するためのコントローラー構成の図を示す。
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、流体の温度および圧力を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
流体(例えば、気体、液体およびこれらの混合物)は、多くの異なる適用において使用されている。例えば、流体は、化学プロセスシステム、産業プロセスシステム、および発電システムにおいて使用されている。このようなシステムが機能するために、そのシステムは、その流体が所定の温度および圧力を有することを要し得る。例えば、圧縮気体を利用して、タービン発電機を駆動する発電システムは、気体がタービン発電機の運転効率を最大にする所定の温度および圧力を有することを要し得る。
【0003】
いくつかの自動化技術および非自動化技術が、このようなシステムにおいて使用されている流体の温度および圧力を制御するために使用されてきた。しかし、これらの技術は、いくつかの欠点を有する。例えば、非自動化技術は、その流体を利用しているシステムの確率的性質が原因で、流体の温度および圧力を維持することができない。すなわち、非自動化技術は、その流体の温度および圧力に影響を及ぼす、寄生的(parasitic)熱キャパシタンス、圧力の振れ、ならびにマスフロー(mass flow)および圧力要求(pressure demand)のような要因を考慮することができない。さらに、たとえ圧力および温度を制御するための自動化システムが使用されているとしても、それらの性能および実用性は、しばしば、以下の要因のうちの1つ以上によって制限される:
(1)遅いダイナミックレスポンス(dynamic response);
(2)制限された動作範囲および精度;
(3)最大動作圧力の制限;
(4)度を超えた大きさ;および
(5)過大な費用。
さらに、温度および圧力における変化を補償しようとする試みにより、その所望の温度および圧力を得るにあたってオーバーシュートまたはアンダーシュートを生じる。なぜなら、そのシステムは、雑な調節をするにすぎないからであり得る。
【0004】
その温度および圧力を制御する技術が自動化されていようと、自動化されていまいと、このような技術は、代表的には、温度および圧力の制御を実行するために、圧力レギュレーター、流動制御バルブ、またはこれらの組み合わせを利用する。電子制御システムは、温度および圧力の制御技術に従って、圧力レギュレーターおよび/または流動制御バルブを作動することが必要であり得る。このような制御システムは、レギュレーター(例えば、ドームロード圧力レギュレーター(dome loaded pressure regulator))の設定値圧力を設定することによって、そのレギュレーターの作動を制御するように特別に設計されたデバイスを備え得る。その設定値圧力は、そのレギュレーターの内部機構によって引き起こされる所定の圧力低下を引いて、そのレギュレーターの圧力出力を設定する。これらのデバイスは、代表的には、電気シグナルを適切に率に応じて定められた(scaled)圧力に変換し、サーボレギュレーター、電流から空気圧(I/P)への変換器(transducer)もしくは変換器(converter)または電圧から空気圧(E/P)への(transducer)もしくは変換器(converter)のようなデバイスを備える。従って、この適切に率に応じて定められた圧力は、圧力レギュレーターの設定値圧力を設定するために使用され得る。
【0005】
しかし、その設定値圧力を制御するためのこれらの従来の電子圧力制御デバイスは、制限されている。例えば、特定の従来の制御デバイスは、150PSIまでの最大出力圧力を提供するように制限されており、作動の間に大気への一定の抽気を要し得る。150PSIの最大出力圧力は、その設定値圧力が150PSIを上回る圧力に設定されないので、制限的である。大気圧への一定の抽気は、望ましくない。なぜなら、このような流体の供給源は、一定の補充を必要とし得るからである。このことは高価であり得るか、または運転効率を低下させ得る。他の制御デバイスは、1000PSIに近い圧力で作動可能であり得るが、特に制御システムが電力を失うと、危険な作動状態になりやすい。従来の圧力制御デバイスの別の欠点は、多くの余分なまたは不要な電子的構成部品または機械的構成部品(例えば、デジタル−アナログ変換器、空気式機器(pneumatics)など)が、従来の圧力制御システムが機能できるようにするために必要とする点である。これは、費用を付加し、信頼性を減少させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述に鑑みて、本発明の目的は、流体の温度および圧力を制御するための改善されたシステムおよび方法を提供することである。
【0007】
本発明の目的はまた、流体の温度を迅速にかつ正確に変化させる流体ルート決定システム(fluid routing system)を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、圧力レギュレーターに付与されている設定値圧力を正確に制御するための改善されたシステムおよび方法を提供することである。
【0009】
本発明のなおさらなる目的は、フェイルセーフ作動を提供し得ると同時に、不要な漏出を制限する改善された圧力制御デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1) 少なくとも1つのレギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
流体を該少なくとも1つのレギュレーターの圧力設定値ポートに適用する工程;
流体を該圧力設定値ポートから大気に排出する工程;ならびに
該設定値圧力を所定の圧力に設定するために、該適用工程および該排出工程を制御する工程、
を包含する、方法。
(項目2) 項目1に記載の方法であって、さらに以下:
フェイルセーフ状態の場合に、該圧力設定値ポートを大気に自動的に接続する工程、
を包含する、方法。
(項目3) 項目1に記載の方法であって、さらに以下:
流体を前記少なくとも1つのレギュレーターの入口ポートに供給する工程;および
前記設定値圧力に基づく圧力で、該少なくとも1つのレギュレーターの下流に流体を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目4) 項目3に記載の方法であって、さらに以下:
前記少なくとも1つのレギュレーターの下流で前記圧力をモニタリングする工程;および
該モニタリングに基づいて、前記設定値圧力を調節する工程、
を包含する、方法。
(項目5) 項目1に記載の方法であって、前記適用工程が、前記圧力設定値ポートに適用される圧力を増加する工程を包含する、方法。
(項目6) 項目1に記載の方法であって、前記排出する工程が、前記圧力設定値ポートに適用される圧力を減少させる工程を包含する、方法。
(項目7) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記適用する工程および排出する工程を制御するためにデューティサイクルを使用する工程を包含する、方法。
(項目8) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を排出しないで、該流体を適用する工程を包含する、方法。
(項目9) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を適用しないで、該流体を排出する工程を包含する、方法。
(項目10) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を同時に適用および排出する工程を包含する、方法。
(項目11) 項目1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を同時に適用および排出しないことを包含する、方法。
(項目12) 項目1に記載の方法であって、さらに以下:
流体の供給源を提供する工程;および
前記圧力設定値を設定するために、該供給源からの流体を使用する工程、
を包含する、方法。
(項目13) 項目1に記載の方法であって、前記流体が、気体である、方法。
(項目14) 項目1に記載の方法であって、前記流体が、液体である、方法。
(項目15) レギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
サーボレギュレーターによって提供される出力圧力レベルを制御する工程;
増幅圧力レベルを提供するために、所定の比によって該出力圧力レベルを増幅する工程;および
該設定値圧力を設定するために、該増幅圧力レベルを該レギュレーターの設定値圧力ポートに適用する工程、
を包含する、方法。
(項目16) 項目15に記載の方法であって、さらに以下:
フェイルセーフ状態の場合に、前記出力圧力レベルおよび前記増幅圧力レベルを大気に排出する工程、
を包含する、方法。
(項目17) 項目15に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記設定値圧力を変更するために、前記出力圧力レベルを調節する工程を包含する、方法。
(項目18) 項目15に記載の方法であって、さらに以下:
前記サーボレギュレーターの前記出力圧力レベルを制御するために、電気信号または空気信号を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目19) 項目15に記載の方法であって、さらに以下:
前記レギュレーターのレギュレーター圧力出力レベルをモニタリングする工程、
を包含し、
ここで、前記制御する工程が、該モニタリングに基づいて前記設定値圧力を変更するために、該出力圧力レベルを調節する工程を包含する、
方法。
(項目20) 項目15に記載の方法であって、さらに以下:
流体の供給源を提供する工程であって、前記レギュレーターが、該供給源から受容する流体を、前記設定値圧力に等しい圧力、またはほぼ等しい圧力に調節する、工程;および
該調節された流体をタービン発電機に提供する工程であって、該タービン発電機が、該調節された流体を受容する場合に電力を発生する、工程、
を包含する、方法。
(項目21) レギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
二重バルブシステム圧力を提供するために、二重バルブシステムのバルブをONおよびOFFに選択的に切り替える工程;
増幅圧力を提供するために、該二重バルブシステム圧力を所定の比によって増幅する工程;および
該設定値圧力を設定するために、該増幅圧力を該レギュレーターの設定値圧力ポートに適用する工程、
を包含する、方法。
(項目22) 項目21に記載の方法であって、ここで、前記二重バルブシステムのバルブをONおよびOFFに選択的に切り替える工程が、以下:
該二重バルブシステム圧力を増加させるために、流体を適用する工程;
該二重バルブシステム圧力を減少させるために、液体を排出する工程;および
該適用工程および該排出工程を制御して、前記設定値圧力を提供するために増幅される圧力まで、該二重バルブシステム圧力を設定する、工程、
を包含する、方法。
(項目23) 項目21に記載の方法であって、さらに、フェイルセーフ状態の場合、(a)前記二重バルブシステム圧力、(b)前記増幅圧力、または(c)該二重バルブシステム圧力および該増幅圧力の両方を、大気に排出する工程を包含する、方法。
(項目24) レギュレーターの設定値圧力を制御するためのシステムであって、該システムが、以下:
設定値圧力ノード;
流体を受容するように接続される入口および該設定値圧力ノードに接続される出口を有する、第1バルブ;
該設定値圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第2バルブ;
該設定値圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する第3バルブであって、該第3バルブが、フェイルセーフ状態の場合、自動的に開くように作動する、第3バルブ;ならびに
該設定値圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために、該第1バルブおよび該第2バルブを選択的に開閉するように作動する、制御回路、
を備える、システム。
(項目25) 項目24に記載のシステムであって、ここで、前記圧力ノードに提供される圧力が、設定値圧力である、システム。
(項目26) 項目24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源および前記第1バルブの入口に接続される圧力レギュレーターであって、該圧力レギュレーターが、該流体供給源から受容される流体を調節する、圧力レギュレーター、
を備える、システム。
(項目27) 項目24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源から受容された流体に接続される圧力レギュレーターであって、該圧力レギュレーターが、該受容された流体を所定の圧力に調節する、圧力レギュレーター;および
該圧力レギュレーターおよび前記第1バルブの入口に接続されるアキュムレーターであって、該アキュムレーターが、該第1バルブおよび第2バルブが開閉する場合の圧力の揺れを最小化する、アキュムレーター、
を備える、システム。
(項目28) 項目24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源であって、前記第1バルブが前記流体供給源の下流に接続される、流体供給源;および
該流体供給源から流体を受容するように接続されるレギュレーターであって、該レギュレーターが、前記設定値圧力ノードに接続される設定値圧力ポートを有し、そして該設定値圧力ポートに適用される流体の圧力に基づいて下流に流体を提供するように作動する、レギュレーター、
を備える、システム。
(項目29) 項目24に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、第2バルブ、および第3バルブが、電気的に作動するソレノイドバルブである、システム。
(項目30) 項目29に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブおよび前記第2バルブが、通常閉じているソレノイドバルブである、システム。
(項目31) 項目29に記載のシステムであって、ここで、前記第3バルブが、通常開いているソレノイドバルブである、システム。
(項目32) 項目24に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、および前記第3バルブが、気泡を通さないソレノイドバルブである、システム。
(項目33) 項目24に記載のシステムであって、ここで、該システムがスタンバイモードで作動している場合、前記第1バルブおよび前記第2バルブが、閉じており、そして前記第3バルブが、開いている、システム。
(項目34) 項目24に記載のシステムであって、ここで、該システムが前記設定値圧力ノードに適用される圧力を制御している場合、前記第3バルブが、閉じている、システム。
(項目35) 項目24に記載のシステムであって、さらに以下:
増幅レギュレーターであって、該増幅レギュレーターが、流体を受容するために接続される入口、前記設定値圧力ノードに接続される増幅器設定値ポート、および増幅器出口を有し、該増幅レギュレーターが、該増幅器設定値ポートに適用される圧力を増幅圧力に増幅し、該増幅圧力を該増幅器出口に提供し、該増幅圧力が前記設定値圧力である、増幅レギュレーター、
を備える、システム。
(項目36) 項目35に記載のシステムであって、さらに、前記増幅器出口に接続される入口および大気に接続される出口を有する第4バルブを備え、該第4バルブが、フェイルセーフ状態の場合、開くように作動する、システム。
(項目37) 発電システムであって、以下:
流体の供給源;
圧力レギュレーターであって、圧力レギュレーターが、該供給源から流体を受容するために接続される設定値ポートを有し、該設定値ポートに適用される圧力に基づいて、受容される流体圧力を調節するように作動する、圧力レギュレーター;
タービン発電機であって、該タービン発電機が、該調節された流体を受容するように接続され、該調節された流体を受容する場合に電力を発生するように作動する、タービン発電機;および
該供給源およびレギュレーターに接続される項目24に記載の圧力制御システムであって、該制御システムが、該設定値ポートに適用される圧力を制御するように作動する、圧力制御システム、
を備える、発電システム。
(項目38) 少なくとも2つのレギュレーターの設定値圧力を制御するためのシステムであって、該システムが、以下:
第1設定値圧力ノードおよび第2設定値圧力ノード;
第1バルブであって、該第1バルブが、流体を受容するように接続される入口および該第1圧力ノードに接続される出口を有する、第1バルブ;
第2バルブであって、該第1圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第2バルブ;
第3バルブであって、該流体を受容するように接続される入口および該第2圧力ノードに接続される出口を有する、第3バルブ;
第4バルブであって、該第2圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第4バルブ;
第5バルブであって、該第1圧力ノードおよび該第2圧力ノードに接続される入口、ならびに大気に接続される出口を有し、該第5バルブが、フェイルセーフ状態の場合、自動的に開くように作動する、第5バルブ;ならびに
制御回路であって、(a)該第1圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために該第1バルブおよび該第2バルブを選択的に開閉し、そして(b)第2圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために、該第3バルブおよび該第4バルブを選択的に開閉するように作動する、制御回路、
を備える、システム。
(項目39) 項目38に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、第2バルブ、第3バルブ、第4バルブ、および第5バルブが、ソレノイドバルブである、システム。
(項目40) 項目39に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記第4バルブが、通常閉じているソレノイドバルブである、システム。
(項目41) 項目39に記載のシステムであって、ここで、前記第5バルブが、通常開いているソレノイドバルブである、システム。
(項目42) 項目38に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、前記第4バルブ、および前記第5バルブが、気泡を通さないソレノイドバルブである、システム。
(項目43) 項目38に記載のシステムであって、ここで、該システムがスタンバイモードで作動している場合、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記第4バルブが、閉じており、そして前記第5バルブが、開いている、システム。
(項目44) 項目38に記載のシステムであって、ここで、該システムが前記第1設定値圧力ノードおよび前記第2設定値圧力ノードに適用される流体の圧力を制御している場合、前記第5バルブが、閉じている、システム。
(項目45) 発電システムであって、以下:
少なくとも1つの流体の供給源;
第1圧力レギュレーターであって、該第1圧力レギュレーターが、前記少なくとも1つの供給源から流体を受容するように接続される第1設定値ポートを有し、そして該第1設定値ポートに適用される圧力に基づいて受容される流体圧力を調節するように作動する、第1圧力レギュレーター;
第2圧力レギュレーターであって、該第2圧力レギュレーターが、前記少なくとも1つの供給源から流体を受容するように接続される第2設定値ポートを有し、そして該第2設定値ポートに適用される圧力に基づいて受容される流体圧力を調節するように作動する、第2圧力レギュレーター;
タービン発電機であって、該タービン発電機が、該第1圧力レギュレーターおよび該第2圧力レギュレーターの両方から該調節された流体を受容するように接続され、該調節された流体を受容する場合に電力を発生するように作動する、タービン発電機;ならびに
該供給源ならびに該第1レギュレーターおよび該第2レギュレーターに接続される項目38に記載の圧力制御システムであって、該制御システムが、該第1設定値ポートおよび該第2設定値ポートに適用される圧力を制御するように作動する、圧力制御システム、
を備える、システム。
【0011】
本発明のこれらおよび他の目的は、二重経路(dual−path)流体ルート決定システムおよび圧力設定値制御システムを提供することによって、本発明の原理に従って達成される。本発明に従う二重経路流体ルート決定システムは、2つの別個の経路を通して流体をルート決定することによって、流体の温度および圧力を正確に制御する。その経路のうちの一方は、両方の経路の流体を合わせて、望ましい流体の温度および圧力を得る前に、そこを流れている流体の温度を実質的に変化させる。その流体ルート決定システムは、そのマスフローを各経路を通して制御して、異なる温度の流体を選択的に一緒に混合し、所定の温度を得ると同時に、所定の圧力を維持する。
【0012】
その流体ルート決定システムは、その経路のうちの一方を通って流れる流体を加熱または冷却する熱交換器を備え得る。例えば、蓄積空気エネルギーシステムにおいて、熱交換器(例えば、蓄熱ユニット(thermal storage unit))は、流体を加熱するために使用され得る。提示の明瞭さおよび簡潔さのために、一方の経路は、加熱された流体を提供し得、他方の経路は、冷却流体を提供し得る。他の実施形態において、その流体ルート決定システムは、熱交換器を使用しなくてもよいが、2つの別個の供給源からの流体を受容し得る。ここで一方の供給源は、他方の供給源とは実質的に異なる温度の流体を提供する。例えば、一方の供給源は、比較的高い温度の流体を提供し得、他方の供給源は、周囲温度の流体を提供し得る。
【0013】
所望の温度は、その2つの経路を通る流体のマスフローを制御することによって生じる。マスフローを制御することによって、一緒に混合される加熱流体:冷却流体の比は、制御され得る。例えば、その合わされた流体の温度は、流体を加熱しない経路(バイパス経路)に対してその流体を加熱する経路(主要経路)を通る流体のマスフローを増大させることによって上昇され得る。その合わされた流体の温度は、そのバイパス経路を通るマスフローに対して、主要経路を通るマスフローを減少させることによって、低下され得る。
【0014】
本発明の利点は、マスフローを制御する能力が、先行技術より実質的に改善されていることであり、以前には達成されていなかったより優れた温度制御分解能(resolution)が得られる。このようなより優れた温度制御は、本発明に従う流体ルート決定システムが各経路におけるマスフローに対して正確な制御を行い得るので、可能であり得る。より詳細には、一方の経路におけるマスフローの制御は、他方の経路におけるマスフローとは無関係に行われ得る。このような独立した制御は、マスフローの制御を担う流動制御手段(例えば、レギュレーターおよび/または流動制御バルブ)が、互いから作動的に「切り離される」ので、たとえ両方の経路が同じ流体供給源に接続され得、そして/または共通の出口ノードにそれらそれぞれの流体を提供し得るとしても、可能であり得る。
【0015】
この作動的な切り離しは、流動制限デバイス(例えば、オリフィス、バルブ、またはスクリーン)を使用して、その経路のうちの一方におけるマスフローを制限することによって実現され得る。このようなデバイスは、マスフローを実質的に制限し得、それによって、高い抵抗経路を作り出し得る。従って、一方の経路は、比較的妨害されていないマスフローを提供するのに対して、他方の経路は、制限されたマスフローを提供する。結果として、一方の経路(主要経路)は、その合わされた流体の圧力および温度の制御を主に担い得、他方の経路(バイパス経路)は、合わされた流体の圧力および温度に影響を及ぼすか、またはこれらを微細に調節する。他方の経路は、その流動制限デバイスが制限デバイスの上流の圧力を操作することによって、その制限経路を通るマスフローを正確に変化させる能力を提供するので、その圧力および温度を微細に調節することができる。
【0016】
本発明の一実施形態において、流体ルート決定システムは、2つの圧力レギュレーターを使用して、流体の温度および圧力を制御し得る。その流体システムは、レギュレーターおよび熱交換器を備える主要経路、ならびにレギュレーターおよび流動制限デバイスを備えるバイパス経路を有するように構築され得る。その主要経路およびバイパス経路の両方が、流体供給源からの流体を受容するように接続され得、両方の経路の出力は、出力ノードにおいて一緒に連結される。その熱交換器は、その主要経路を通って流れる流体を加熱または冷却し得る。その合わされた気体の圧力および温度は、主要経路によって主に制御され得るが、そのバイパス経路を通って流れる流体の圧力および温度によって影響を受ける。
【0017】
作動の間に、一方のレギュレーターは、その主要経路を通ってルート決定される流体の圧力およびマスフローを制御し、他方のレギュレーターは、そのバイパス経路を通ってルート決定される流体の圧力およびマスフローを制御する。流体の所定の温度および圧力は、そのレギュレーターの設定値圧力を調節することによって維持される。その設定値圧力は、そのレギュレーターの出口において維持される流体圧力であり、その流体圧力は、そのレギュレーターの内部構成部品の関数である圧力オフセットを含む。特定のレギュレーターの設定値圧力が増すと、マスフローの増大が生じ、その逆もまた同様である。従って、その圧力を変化させることによって、特定の経路を通るそのマスフローを変化させ得る。このマスフローは、本発明の原理に従って、出口ノードに提供される熱量に影響を及ぼす。例えば、その出口ノード温度が熱すぎると、そのバイパスレギュレーターは、その設定値圧力を増大させて、より冷たい流体を出口ノードにルート決定し、その温度を低下させる。
【0018】
特定のレギュレーター(例えば、ドーム−ロードレギュレーター(dome−loaded regulator))は、このレギュレーターを通過する流体のマスフロー(mass flow)を制御するための内部機構または内部構成部材を有することに注意する。この内部機構は、このレギュレーターを通過するマスフローを変化させ得、その結果、出力圧力は、設定値圧力からレギュレーターの内部構成に起因する所定のオフセットを差し引いたものと実質的に等しい。この内部機構は、設定値圧力と下流への圧力との間の不均衡に対して反応する。従って、この機構は、下流の条件の変化および設定値の圧力の変化に応答してマスフローを変化させ得る。例えば、この設定値の圧力が、所定の圧力レベルに設定され、レギュレーターの出口圧力が、所定の圧力レベルを越える場合、その内部機構は自動的に、そのレギュレーターを通過するマスフローを減少させ、そのレギュレーター出口における所定の圧力レベルを維持する。そのレギュレーター出口での圧力が、設定値の圧力を下回る場合、このレギュレーターは自動的に、マスフローを増加させ、所定の圧力レベルを維持する。
【0019】
主要経路のレギュレーターおよびバイパス経路のレギュレーターは、互いに連動して作動し、所望される圧力および温度を維持する。例えば、このバイパスレギュレーター圧力の設定値が、増加され、バイパス経路を通過するマスフローを増加させる場合、共通の出口ノードでの圧力が、上昇する。この圧力の増加を妨げるために、その主要経路レギュレーターは、(その内部構成部材を調節することによって)その設定値の圧力を維持するために必要な程度にそのマスフローを減少させ得、それによってその出口ノードの所望される圧力を維持する。従って、設定値圧力およびマスフローにおける変化の相互作用(内部機構によって実施されるマスフロー調節を含む)は、出口ノードでの流体圧力および温度を制御する。
【0020】
本発明の別の実施形態において、流体ルート決定システム(fluid routing system)は、レギュレーターおよび流体制御バルブを使用し、出口ノードに提供される流体の温度および圧力を制御し得る。この配置において、レギュレーター、流動制限デバイス、および熱交換器は、主要経路を形成し得、そしてその流動制御バルブは、バイパス経路を形成し得る。このレギュレーターは、流体供給源からの流体を受容するように接続され、そして熱交換器と流動制御バルブの両方は、出口ノードに接続される。流動制御バルブのインプットは、そのレギュレーターと流動制限デバイスとの間のノードに接続され得る。
【0021】
レギュレーターは、出口ノードに提供される流体の圧力を制御し得、そして流動制御バルブは、主要経路とバイパス経路の両方を通過する流体のマスフローを制御する。本実施形態は、バイパス経路を通過するマスフローが、主要経路を通過するマスフローと反比例するように構築され得る。例えば、流動制御バルブが、バイパス経路を通過するマスフロー速度を増加させた場合、主要経路を通過するマスフロー速度は、減少される。従って、流動制御バルブのマスフロー速度を調節することによって、出口ノードに提供される流体の温度が、制御され得る。
【0022】
本発明の別の局面は、圧力設定値制御システムである。このシステムは、広範な圧力(例えば、0〜1000PSI)にわたって作動する能力を有すると同時に、レギュレーター(例えば、ドーム−ロードレギュレーター)に適用されている設定値圧力を正確に制御する。さらに、圧力設定値システムは、パワー不足または他の異常な操作の事象において、設定値ポートに適用されている任意の流体を大気へ排出することによるフェイルセーフ操作を提供する。このような圧力設定値制御システムは、例えば、上記で議論されるように、二重経路流体ルート決定システム(dual−path fluid routing system)の一以上の圧力レギュレーターを制御するために用いられ得るか、または従来の流体ルート決定システムの圧力レギュレーターを制御するために用いられ得る。
【0023】
圧力設定値制御システムは、レギュレーターに選択的に流体を適用することによって、およびレギュレーターの設定値ポートからの流体を排出することによって、レギュレーターの設定値圧力を制御し得る。流体は、適用され、二つのバルブ(例えば、ソレノイドバルブ)を用いて設定値ポートから排出され得る。これらの二つのバルブは、制御回路によって提供されるデューティーサイクルに従ってオン、オフされる。このバルブは、連続して流体を受容するように接続されるそのインプットならびに第二のバルブの設定値ポートおよびインプットに接続されるその出力を有する第一のバルブと接続され得る。第二のバルブの出口は、大気に接続される。第一のバルブが、オンでありそして第二のバルブが、オフである場合、流体は、設定値ポートに適用され、設定値圧力の増加を生じる。第一のバルブが、オフであり、そして第二のバルブが、オンである場合、流体は、設定値ポートから排出され、設定値圧力の減少を生じる。両方のバルブが、オンであるか、または両方のバルブがオフである場合があり得ることに注意する。
【0024】
圧力設定値制御システムは、フェイルセーフ操作を確立するために別のバルブの使用を採用し得る。このフェイルセーフバルブは、レギュレーターの設定値ポートに接続された入口および大気に接続された出口を有し得る。このフェイルセーフバルブは、その制御システムが、一般的な作動様式で作動し、その結果第一および第二のバルブが、設定値圧力を制御し得る場合、閉められ得る。しかし、フェイルセーフ条件の事象において(例えば、他の異常な条件のパワー不足)、フェイルセーフバルブは自動的に開き、それによって設定値ポートの流体を大気へ排出する。
【0025】
本発明による二重経路流体ルート決定システムおよび圧力設定値制御システムは、流体を用いる化学プロセスシステム、産業プロセスシステム、および発電システムに用いられ得る。熱および圧縮空気の保存システムのような発電システムにおいて、圧縮空気は、タービン発電機に動力を供給するために空気源から抜き出され得る。流体ルート決定システムは、タービン発電機に空気の温度および圧力を供給する前に、空気の熱および圧力を制御することによって、圧縮空気を適切な状態にし得る。例えば、流体ルート決定システムは、加熱し、圧縮空気を調節し、その結果、タービン入り口に供給された空気の温度および圧力は、所定の入口条件を満たし得る。所望される場合に、本発明による圧力設定値制御システムは、発電システムに用いられる流体ルート決定システムの一以上の圧力レギュレーターを制御するために用いられ得る。
【0026】
さらに、流体ルート決定システムは、貯蔵された流体発電システムの確率演算にもかかわらず、所望されるタービン入り口ガスをタービン発電機に提供し得る。すなわち、流体ルート決定システムは、種々の因子(流体供給圧力変化、流体の膨張により生じた温度変化、無給電熱キャパシタンス、圧力および温度の需要の変化、ならびに熱貯蔵単位(thermal storage unit)のような熱源の変化を含むが、これらに限定されない)に応答し得、ならびにタービンに所定のタービン入り口条件を提供し得る。
【0027】
さらに、圧力設定値制御システムは、高圧制御(例えば、0から1000PSIの間にわたる圧力)、最小漏出、および安全操作を必要とする流体システムにおいて作動し得る。さらに、圧力設定値制御システムは、簡易化かつ非過剰制御エレクトロニクスを用いて制御され得、それによって信頼性を増しコストを下げる。
【0028】
(発明の詳細な説明)
図1A〜Cは、圧力を制御するための複数の先行技術システムを示す。図1Aは、圧力を制御するための先行技術の流動制御バルブ圧力システム10を示す。流動制御バルブ12は、マスフロー速度を調節することによる流体レザバ11によって提供される流体の下流の圧力を調節する。フィードバックループが、バルブ12の下流の圧力に依存して、バルブ12によって設定される流動速度を制御するために提供され得る。例えば、圧力が、低すぎる場合、バルブ12は、流動を増加させるために開き、それによって圧力を増加させる。圧力が高すぎる場合、バルブ12は、流体の流動を制限するために閉じ、それによって圧力を減少させる。
【0029】
図1Bおよび図1Cは、それぞれ、圧力を制御するための先行技術のレギュレーターシステム20およびレギュレーターシステム30を示す。レギュレーター22およびレギュレーター32は、レギュレーター22およびレギュレーター32の設定値ポートに適用される設定値圧力に基づく所定の圧力を出力し得る。レギュレーター22およびレギュレーター32は、下流に提供されるマスフローを変えるためにそれらの内部部材を自動的に調節することによって、所定の出口圧力を維持し得、その結果下流の圧力は、レギュレーターの圧力設定値から所定のオフセット(例えば、レギュレーターの内部構成の関数である名目上のオフセット)を差し引いたものと等しいか、またはほとんど等しい。レギュレーターシステム20は、流体レザバ21によって提供される流体の圧力を制御するために内部感知スキームを用い得る。このようなスキームは、レギュレーターの出口で測定される圧力に基づいてレギュレーターの内部構成部材を調節し得る。レギュレーターシステム30は、レザバ31によって供給される流体の圧力を制御するために遠隔感知スキームを用い得る。このようなスキームは、レギュレーターから下流のポイントで測定される圧力に基づくレギュレーターの内部構成部材を調節し得る。
【0030】
図1A〜Cに示される圧力システムは、圧力を調節し得るが、このようなシステムは、レギュレーターの下流に与えられる流体の温度、または流れ制御バルブを正確に制御し得ない。さらに、システム10、20および30がマスフローまたは圧力を調節して、下流に供給される圧力を変化させる場合、このような変化の分解能は、一般に粗く、すなわち、これらのシステムは、比較的小さい圧力調節を行なうことが不可能であり得る。
【0031】
図1D〜Fは、温度を制御するためのいくつかの先行技術のシステムを示す。図1Dは、主要供給源から熱交換機42を通して供給された流体を加熱/冷却する、先行技術の温度制御システム40を示す。熱交換器42に供給される、加熱/冷却された流体の量は、流れ制御バルブ41により制御される。例えば、主要供給源により供給される流体を加熱するために、流れ制御バルブ41は、熱交換器42に供給される加熱された流体の流速を増加し得る。
【0032】
図1Eは、温度を制御するための、代替的な先行技術のシステム50を示す。システム50は、加熱/冷却された流体を熱交換器52に、そして加熱/冷却された流体の復帰のためのルート決定する、三方向バルブ51を備える。これが、システム40に対する改善である。なぜならば、この三方向バルブ51は、加熱/冷却の安定性、および温度を制御する応答時間を改善するからである。図1Fは、温度を制御するための、なお別の先行技術のシステム60を示す。作動の間、三方向バルブ61が、熱い流体供給および冷たい流体供給をブレンドして、所望の流体温度を達成する。
【0033】
上記の温度制御システムの各々は、温度を迅速に変化させる能力、および高い程度の分解能で温度を変化する能力において制限される。さらに、このようなシステムは、圧力を制御し得ない。さらに、三方向制御バルブは、高価で、かつ、かさ高い。
【0034】
図2A〜Cは、流体の温度および圧力を制御することを試みている、先行技術の二重経路流体ルート決定システムを示す。一般に、二重経路システムは、流体を単一の経路に混合する前に、2つの別個の経路に流体をルート決定する。一方の経路における流体の温度は、他方の経路における流体の温度よりも高いか、または低い温度へと駆動され得る。温度におけるこの相違は、所望の温度を生じるための手段を提供する。例えば、一方の経路における流体が加熱され、かつもう一方の経路における流体が加熱されないと仮定する。これらの加熱された流体および加熱されない流体は、共に単一の経路で混合されて、所望の温度を提供する。しかし、図2A〜Cのシステムにより提供される温度および圧力の制御について、速度および分解能、または制御の程度は、制限される。
【0035】
図2Aは、先行技術の二重経路流体ルート決定システムの模式図を示す。二重経路流体ルート決定システム100は、レギュレーター120、FCV 140および145、ならびに熱交換システム150を備える。作動の間、レギュレーター120は、下流から出口ノードに提供される流体の圧力を設定する。レギュレーター120は、1つ以上の流体供給源から流体を受容するために連結され得る(しかし、このような流体供給源の1つのみが示される)。FCV 145は、熱交換システム150を通る流体のマスフロー(例えば、主要経路)を調節する。熱交換システム150は、そこを通過する流体を加熱または冷却し得る。提示を明瞭かつ容易にするために、図2Bの熱交換システム150、250、および図2Cの熱交換システム280が流体を加熱すると仮定する。FCV 140は、迂回経路を通るようにルート決定される流体のマスフローを調節する。FCV 140および145の両方が、完全に閉鎖(CLOSED)、完全に開放(OPEN)に設定され得るか、または、完全に開放と完全に閉鎖との間のどこかに設定され得る。
【0036】
FCV 140およびFCV 145を通るマスフローは、出口ノードに提供される流体の温度を制御する。特に、FCV 140は、出口ノードへの冷たい流体の流れを制御し、そして、FCV 145は、出口ノードへの加熱された流体の流れを制御する。従って、出口ノードにおいて流体の所望の温度を達成するために、FCV 140および145のマスフロー速度は、それに応じて調節される。例えば、出口ノードにおける流体の温度を冷却するために、FCV 140のマスフロー速度は、FCV 145のマスフロー速度と比較して増加され得る。出口ノードにおける流体の温度を加熱するために、FCV 145のマスフロー速度は、FCV 140のマスフロー速度と比較して増加される。
【0037】
図2Bは、別の、先行技術の二重経路流体ルート決定システムの模式図を示す。二重経路流体ルート決定システム200は、レギュレーター220、三方向ルート決定バルブ230、および熱交換システム250を備える。作動の間、レギュレーター220は、流体供給源により供給される流体の圧力を調節する。調節された流体は、三方向ルート決定バルブ230へと提供され、この三方向ルート決定バルブ230は、流体の一部を熱交換システム250に、そして、流体の残りの部分を、熱交換システム250の周りへとルート決定する。熱交換システム250に存在する流体は、熱交換システム250を迂回する流体と混合されて、所望の流体の温度を提供する。
【0038】
三方向ルート決定バルブ230は、熱交換システム250に提供される流体のマスフロー、および、熱交換システム250を迂回する流体のマスフローを制御し得る。こうして、ルート決定バルブ230は、加熱システム250を迂回する流体のマスフローを、加熱システム250を通って流れる流体のマスフローと比較して増加させることによって、出口ノードにおける流体の温度を冷却させ得る。さらに、ルート決定バルブ230は、熱交換システム250を迂回する流体のマスフローを、熱交換システム250を通って流れる流体のマスフローと比較して減少させることによって、出口ノードにおける流体の温度を冷却させ得る。
【0039】
図2Cは、なお別の、先行技術の二重経路流体ルート決定システムの模式図を示す。二重経路流体ルート決定システム260は、レギュレーター270、流体加熱システム280、および三方向バルブ290を備える。作動の間、三方向バルブは、熱交換システム280を迂回する流体(冷たい流体)を、加熱システム280を通る流体(加熱された流体)と選択的にブレンドして、出口ノードにおいて所望の流体温度を提供する。レギュレーター270は、流体供給源により提供される流体の圧力を、所望の圧力に調節する。
【0040】
より冷たい流体温度が所望される場合、三方向バルブ290は、熱交換システム280を通るマスフローと比較して、迂回経路を通るマスフローを増加させ得る。より熱い流体温度が所望される場合、三方向バルブ290は、熱交換システム280を通る流体のマスフローと比較して、迂回経路を通るマスフローを減少させ得る。
【0041】
流体システム100、200および260は、出口ノードに提供される温度および流体に対する制御を提供し得るが、システム100、200および260は、流れ制御バルブおよび三方向バルブのその使用に起因して、高価かつ比較的かさ高い。さらに、システム100、200および260は、出口ノードに提供される流体の温度および圧力に対する正確な制御を実施する能力を欠如し得る。なぜならば、このバルブは、完全な、必要とされる作動範囲に対する適切な制御を実施し得ないからである。例えば、流れ制御バルブおよび三方向バルブは、その作動範囲の10%と90%との間のマスフローを正確に制御し得るのみであり得る。従って、FCVまたは三方向バルブを必要とするシステム100、200または260に対して、特定の条件を改善して、10%〜90%の範囲の外側で作動する場合、システム100、200または260は、流体の圧力または温度を正確に制御し得るわけではない。
【0042】
さらに、システム100、200および260は、作動条件(例えば、(流体供給源により供給される)流体供給圧力および熱交換システムの熱交換能力)が変化する場合、所望の流体の温度および圧力を維持することが不可能であり得る。例えば、流体供給源により供給される流体の圧力が、4,500 PSI〜約1,000 PSIまで変化する場合、システム100、200および260は、この変化を迅速かつ正確に補正することが不可能であり得、従って、所望の温度および圧力を有する流体を提供し損ない得る。別の例として、システム100、200および280はまた、熱交換システムの加熱能力が変化する場合、所望の温度および圧力を有する流体を提供し損ない得る。
【0043】
本発明は、増強された温度および圧力の制御を提供するために流れ制限デバイスを使用する、二重経路流体ルート決定システムを提供することによって、先行技術の欠点を克服する。一般に、経路に流れ制限デバイスを含めることは、図2A〜Cに示されるもののような従来の二重経路システムにより達成され得ない程度まで正確に、この経路を通るマスフローの正確な操作を可能にする。このような高度に正確なマスフローの制御は、流れ制限デバイスが、マスフロー 対 圧力の関係に対する制御を増加するので、達成され得る。本発明に従う実施形態は、流れ制限デバイスが、圧力レギュレーターの下流に配置された流体ルート決定システムを提供することにより、この関係性を利用する。従って、このような圧力レギュレーターが、(流れ制限デバイスにより提供される)固定された制限に対して機能する場合、この経路(例えば、圧力レギュレーターおよび流れ制限デバイス)を通るマスフローは、レギュレーターの設定値圧力が変化するにつれ、正確に制御され得る。例えば、レギュレーターの設定値圧力が所定の圧力まで増加する場合、マスフローは、既知の値まで増加し得るが、制限デバイスの流れ特徴は既知であり、このデータは、既知の流れ特徴に基づいて、マスフローを算出するのに利用可能である。レギュレーターの設定値圧力が所定の圧力まで減少する場合、マスフローは、既知の値まで減少し得る。
【0044】
レギュレーターの圧力設定値を設定することが、特定の経路を通るマスフローを制御する1つの方法であり得ることが理解される。レギュレーターはまた、圧力設定値と無関係なその内部の構成要素または機構を調節することにより、特定の経路を通るマスフローを制御し得るかもしれない。このような内部の構成要素または機構は、例えば、内部または遠隔の検出スキームを使用して、所望の出口圧力を維持するように、マスフローを自動的に調節し得る。例えば、特定のレギュレーターの圧力設定値が450 PSIに設定されると仮定する。このような場合、このレギュレーターは、約450 PSIから所定の圧力下降(レギュレーターの内部機構により生じる)を差し引いた出口圧力を提供し得る。さらに、このような圧力設定値において、レギュレーターを通るマスフローは、固定されたレベルに到達する。外来性因子(例えば、共通の出口ノードまたはレギュレーターの出口における圧力の増加)が、レギュレーターの圧力出力に影響を与える場合、レギュレーターの内部構成要素は、約450 PSIから所定の圧力下降を差し引いた出口圧力を維持するために、レギュレーターを通るマスフローを、自動的に減少または増加し得る。従って、圧力レギュレーターは、2つの異なる方法でマスフローを制御し得る:1つは圧力設定値を設定することにより、そしてもう1つは、所望の出口圧力を維持するために、マスフローを自動的に調節することによる。
【0045】
流れ制限デバイスは、本発明に従う二重経路流体ルート決定システムが、この流体ルート決定システムにおいて使用されるレギュレーターおよび/または流れ制御バルブの全作動範囲にわたって作動することを可能にし得る。例えば、レギュレーターおよび流れ制御バルブは、全作動範囲(例えば、約0.1%〜99.9%)にわたる正確な制御を実施し得る。このような正確な制御は、本発明に従う流体ルート決定システムが、供給圧力の変化および熱交換システムの加熱能力のような変化する条件に、正確かつ迅速に応答し得ることを保証する。
【0046】
図3は、本発明の原理に従う、二重経路流体ルート決定システム300の模式図を示す。流体ルート決定システム300は、レギュレーター320、流れ制御デバイス330、レギュレーター340、および熱交換システム350を備える。図3において、接続のための媒体は特に示されていないが、例えば、流体供給源310に対するレギュレーター320は、パイプ、ホース、チューブ、バルブ、フィッティングおよび他の内部接続構成要素のような従来の流体ルート決定デバイスを備える。このような媒体は、本発明に従う他の実施形態において使用され得ることが理解される。
【0047】
レギュレーター320および340は、流体供給源310から流体を受容するように、連結される。レギュレーター320および340は、1つより多い流体供給源に連結され得るが、図を煩雑にすることを回避するために、1つのみが示される。レギュレーター320および340は、下流に提供される入口圧力を、レギュレーター320および340に付与される際に、設定値圧力に基づいて、予め決定された圧力に調節するように、設定され得る圧力レギュレーターであり得る。一般に、レギュレーターの圧力設定値は、予め決定された圧力をレギュレーターの設定値ポートに付与することによって、設定され得る。レギュレーター320の圧力設定値は、レギュレーター340の圧力設定値とは独立して設定され得る。レギュレーター320および340は、内部感知技術または遠隔感知技術を使用して、レギュレーターによって下流に供給される圧力を決定し得る。このような感知技術は、レギュレーター出口における設定値圧力を維持するために、このレギュレーターの内部構成要素を調節することを担い得る。流体システム300において使用され得るレギュレーター320および340の具体的な例は、U.S.ParaPlate Corporation,Corona,Californiaによって販売される、1354 シリーズ、Dome Loaded Regulatorであり得る。
【0048】
圧力設定値は、手動でかまたは電子的に、調節可能であり、そして設定され得る。レギュレーターの圧力設定値を手動で設定することは、予め決定され圧力を、このレギュレーターの設定値ポートに付与することによって、実施され得る。設定値圧力の電子的設定は、電子的に制御されたデバイス(例えば、トランスデューサ、コンバータ、またはサーボレギュレーター)を使用して、実施され得る。これらのデバイスは、このデバイスに付与される電流または電圧のレベルに基づいて、設定値ポートへの圧力を出力する。なお他の、より進歩した圧力設定値システム(例えば、図10〜14を伴う文章に関連して以下に議論されるシステム)が、レギュレーター320および340の設定値圧力を電子的に設定するために、使用され得る。
【0049】
流れ制限デバイス330の入口は、レギュレーター320の下流の流体を受容するように連結され、そして流体制限デバイス330の出口は、出口ノードに連結され、この出口ノードは、熱交換システム350の出口に連結される。この出口ノードは、主要経路(これは、レギュレーター340および熱交換システム350を含む)およびバイパス経路(これは、レギュレーター320および流れ制限デバイス330を含む)の収束を提示する。従って、出口ノードにおける流体は、システム300によって提供されるような、予め決定された圧力および温度を有する、合わせられた流体を提示し得る。
【0050】
流れ制限デバイス330は、レギュレーター320から出口ノードへの流体の流れを制限し、そしてレギュレーター340の作動を、レギュレーター320の作動から効果的に切り離し、これによって、レギュレーター320および340が、互いに独立して作動することを可能にする。より具体的には、デバイス330は、レギュレーター320および340が、主要経路およびバイパス経路が互いに接続されている場合でさえも、これらの経路を通るマスフローを独立して制御することを可能にする。すなわち、レギュレーター320は、バイパス経路を通るマスフローを独立して制御し、そしてレギュレーター340は、主要経路を通るマスフローを独立して制御する。このような独立した制御は、先行技術の流体ルート決定システム(例えば、図1および2に示されるもの)によっては達成されない程度の温度制御を提供する。
【0051】
流れ制限デバイス330は、流体の流れの一定した制限を提供する、任意のデバイスであり得る。例えば、流れ制限デバイス330は、予め決定されたサイズ(すなわち、オリフィス330をレギュレーター320に接続するパイプの直径より小さいサイズ)のスルーホールを通る流体の流れを制限する。別の例として、流れ制限デバイス330は、流体の流れを制限するように調節されているバルブであり得る。なおさらなる例として、スクリーンが、流体の流れの一定した制限を提供するために使用され得る。
【0052】
熱交換システム350は、レギュレーター340から下流の流体を受容するように連結され、そしてその出口は、出口ノードに連結される。熱交換システム350は、レギュレーター350によって供給される流体を、予め決定された温度まで加熱または冷却する能力を有するシステムであり得る。システムにおいて使用される熱交換システムの型は、流体が主要経路において加熱されるのか冷却されるのかに依存し得る。いくつかの実施形態において、熱交換システム350は、流体を加熱するために1つの熱交換器または熱交換器の組み合わせを備え得る。例えば、加熱システム350は、熱貯蔵ユニットおよび/または燃料によって動力供給される熱交換器が挙げられ得る。さらなる例としては、熱交換システム350としては、固定子ハウジング、電源エレクトロニクス熱だめ、および熱貯蔵ユニットを備え得る。熱交換システム350は、本明細書中に記載される例に限定されないこと、ならびに他の熱交換器およびこれらの組み合わせ(上記熱交換器が挙げられる)が、流体を加熱するために使用され得ることが、理解される。
【0053】
流体ルート決定システム300は、流体供給源310によって提供される流体(例えば、気体)の温度および圧力を、レギュレーター320および340の圧力設定値を独立して調節すること、ならびにレギュレーター320および340の内部構成要素または機構によって実施される、自動のマスフロー調節に依存することによって、制御する。圧力設定値を調節することによって、システム300は、出口ノードにおける流体の温度を制御するように、主要経路およびバイパス経路を通るマスフローを故意に制御し得る。さらに、レギュレーター320および340の圧力設定値は、この出口ノードに、予め決定された圧力を提供するように調節される。
【0054】
システム300が作動している場合、流体供給源310からの圧力は、レギュレーター320および340によって段階的に低下され、その後、主要経路およびバイパス経路を通して、下流に送られる。圧力がより低い圧力に段階的に低下されるにつれて、流体の膨張は、温度の低下を生じる。当業者は、気体の膨張が、液体を膨張させることによって達成されるよりかなり大きい温度変化を生じることを理解する。その結果、レギュレーター320および340を出る流体の温度は、レギュレーター320および340に入る流体の温度より低くあり得る。
【0055】
この冷たい流体は、流体を加熱する主要経路(熱交換器350が流体を加熱するとする)およびバイパス経路を通してルート決定される。加熱された流体および冷たい流体は、一緒に混合されて、予め決定された圧力および温度の合わせられた流体を、出口ノードにて提供する。主要経路は、主として、出口ノードにおける流体の圧力および温度を制御することを担い得る。バイパス経路は、出口ノードにおける流体の圧力および温度を制御することを、二次的に担い得る。バイパス経路は、二次的に担い得るが、流れ制限デバイスに起因して、出口ノードへの冷たい流体のマスフローに対する高度な制御を実施する。
【0056】
温度および圧力の制御は、圧力設定値の変化と、その結果のマスフローの変化との相互作用によって得られる。本発明の原理によれば、設定値圧力の既知の増加は、既知のマスフロー増加を生じ、そしてその逆もまたそうである。例えば、出口ノードにおける流体の温度が高すぎる場合、バイパス経路のマスフローは、レギュレーター320の設定値圧力を増加させて、より多くの冷たい流体を出口ノードにルート決定することにより、温度を低下させ得る。レギュレーター320の設定値圧力の増加は、出口ノードにおける圧力を上昇させ得るので、レギュレーター340は、その内部構成要素を、このレギュレーターを通るマスフローを減少させてこのような増加を補償するように、そして出口ノードにおける所望の圧力を維持するように、自動的に調節し得る。レギュレーター340に付与される圧力設定値は、共通ノードにおける圧力が予め決定された圧力レベルより一時的に高くあり得る場合でさえも、一定に維持され得る。
【0057】
出口ノードにおける流体の温度が低すぎる場合、バイパス経路のマスフローが低下されて、温度を上昇させ得る。このことは、レギュレーター320の圧力設定値を低下させることによって、なされ得る。バイパス経路における圧力が低下するにつれて、マスフローもまた減少し、その結果、より少ない冷却流体が、出口ノードに提供される。このマスフローの減少は、レギュレーター340によって、圧力低下を保障するための、そのマスフローの引き続く増加(内部構成要素を自動的に調節することによる)を示唆する圧力の低下として、検出され、これによって、出口ノードへの所望の圧力を維持する。
【0058】
システム300の作動の間、レギュレーター320の設定値圧力は、レギュレーター340の設定値圧力より頻繁に調節され得る。このことは、レギュレーター340が、主として、共通の出口ノードにおける流体の圧力を制御することを担うことに起因し得る。従って、レギュレーター340の圧力設定値を、比較的一定のレベルに維持することが好ましくあり得る。さらに、レギュレーター320は、流れ制限デバイス330の上流に接続されるので、レギュレーター/流れ制限デバイスの組み合わせによって実現される高度なマスフロー制御に起因して、レギュレーター320の設定値圧力を変化させるために、より有利であり得る。
【0059】
しかし、特定の条件が、共通の出口ノードにおける圧力の変化(例えば、上昇)を必要とする場合、レギュレーター340の設定値圧力が、それに従って変化(例えば、増加)し得ることが注目される。レギュレーター340の設定値圧力におけるこのような変化は、種々の条件(例えば、共通の出口ノードにおける圧力の様々な要求の流体供給圧力の変化)に応答し得る。
【0060】
流れ制限デバイス330は、流体の温度制御を有利に増強する。なぜなら、制限デバイス330は、一定の制限を提供し、これが、バイパス経路におけるマスフロー速度を制御する際の融通性を促進するからである。すなわち、流れ制限デバイス330は、制限デバイスの上流の圧力を操作することによって、バイパス経路を通るマスフローを正確に変化させる能力を提供する。このような流れ制限デバイスを欠く流体システム(たとえば、図1および2に示されるもの)において、圧力の比較的小さい変化が、温度の比較的大きい変化を生じ得、これによって、温度制御を困難にする。一方で、流れ制限デバイスを有する流体システムにおいては、圧力の比較的小さい変化は、温度の比較的小さい変化またはより制御された変化を生じ得る。さらに、この正確な制御は、レギュレーター320および340の作動範囲全体にわたって、提供され得る。
【0061】
流体ルート決定システム300の議論は、より多いかまたはより少ない冷たい流体を、加熱された流体に注入して、この加熱された流体を所望の温度に冷却するように注入するための、作動の観点で記載されるが、ルート決定システム300の作動は、より多いかまたはより少ない加熱された流体が冷たいストリーム、に注入されて、この冷たい流体を所望の温度まで温めるような作動であり得ることが、理解される。例えば、このことは、熱交換システム350に流体を冷却させることによって、達成され得る。
【0062】
図4は、本発明の原理に従う図3の流体ルート決定システム300の変化形の模式図を示す。示されるように、流動抵抗デバイス430が、レギュレーター420の下流に配置されるのではなく、熱交換システム450の下流に配置されている。流体ルート決定システム400は、図3に関して上記されたのと類似する原理を使用して、出口ノードにて提供される流体の温度および圧力を制御する。システム300とシステム400との間の差異の1つは、主要経路を通るマスフローが、バイパス経路を通るマスフローよりも制限されることである。これにより、主要経路は、バイパス経路よりも高い程度の制御をマスフローに対して発揮することが可能になり得る。望ましい場合、流れ制限デバイス430が、図5に示されるように、レギュレーター440と熱交換システム450との間に配置されて、より高い抵抗を主要経路に提供し得る。
【0063】
図6は、本発明の原理に従う別の二重レギュレーター二重経路流体ルート決定システム600の模式図を示す。システム600は、さらなる流れ制限デバイス632がレギュレーター640の下流に配置されている(本明細書中では、レギュレーター640と熱交換システム650との間に示されるが、望ましい場合は、熱交換システム650の後に配置され得る)こと以外は、図3のシステム300と同様である。流れ制限デバイス630に加えて、流れ制限デバイス632を含めることによって、システム600は、出口ノードにて提供される流体の圧力および温度に対してなおさらに増強された制御を提供することが可能になり得る。
【0064】
流れ制限デバイス630および632は、同じ流れ制限能力を有する必要はなく、同じ型のデバイス(例えば、オリフィス、篩、バルブなど)を有する必要もない。例えば、デバイス632のマスフロー制限能力は、デバイス630よりも低いものであり得る。別の実施形態において、両方のデバイス630および632は、ほぼ同じ流れ制限能力を有し得る。
【0065】
図7は、本発明の原理に従うなお別の二重経路流体ルート決定システム700の模式図を示す。流体ルート決定システム700は、レギュレーター720、流れ制限デバイス730、およびレギュレーター740を備える。流体ルート決定システム700は、出口ノードに所定の圧力および温度の流体を提供するように作動する。流体ルート決定システム700の作動原理は、ルート決定システム300に関して上記されたのと類似し、従って、ここで繰り返す必要はない。
【0066】
しかし、システム300とシステム700との間の顕著な差異としては、2つの独立した流体供給源の使用および熱交換システムの省略が挙げられる。示されるように、流体供給源710は、レギュレーター720の上流に接続され、流体供給源712は、レギュレーター740の上流に接続される。一方の流体供給源(例えば、流体供給源710)は、熱い流体を含み得、もう一方の流体供給源(例えば、流体供給源712)は、冷たい流体を含み得る。用語「熱い」および「冷たい」とは、相対的な用語であることが理解される。例えば、「冷たい」流体は、周囲温度を有し得、「熱い」流体は、周囲温度の2倍であり得る。
【0067】
作動の間に、レギュレーター720および740は、それぞれの流体供給源から引き込まれた流体の圧力(およびマスフロー)を制御して、出口ノードに所定の圧力および温度の流体を提供する。例えば、主要経路がレギュレーター740を備え、バイパス経路が、レギュレーター720および流れ制限デバイス730を備えると仮定する。流体供給源712が冷たい流体を供給し、流体供給源710が熱い流体を供給する場合、システム700は、主要経路を通って流れるその冷たい流体中に、バイパス経路を介して多少熱い流体を選択的に注入することによって、所定の温度および圧力の流体を提供するように作動する。あるいは、流体供給源712が熱い流体を供給し、流体供給源710が冷たい流体を供給する場合、システム700は、主要経路を通って流れるその熱い流体中に、バイパス経路を介して多少冷たい流体を選択的に注入することによって、所定の圧力および温度の流体を提供するように作動する。
【0068】
システム700とともに使用される二重流体供給源配置は、液体(例えば、水)とともに使用するために特に有利であり得る。これは、高圧から低圧へと段階的に低下している液体の温度低下は、無視できるかまたは存在しないからであり得る。従って、一方の流体供給源が熱く、もう一方の流体供給源が冷たい場合、システム700は、その熱い液体と冷たい液体との組み合わせを調節して、所定の温度および圧力を有する流体を提供し得る。
【0069】
従って、レギュレーター340の圧力設定値に対するレギュレーター320の圧力設定値のずれの操作は、出力ノードにて流体の温度および圧力を制御する際に有効であることが理解される。
【0070】
本発明の流体ルート決定システム(例えば、図3〜7に示されるシステム)の利点は、これらのシステムが、広範な範囲のマスフローに対する正確な制御を提供することである。このことは、同様に、出口ノードにて提供される温度に対して、より優れた制御(例えば、温度回復)を提供する。そのような温度制御は、上記で考察されたような流体制限デバイスを含めることによって、さらに増強される。本発明に従うルート決定システムの別の利点は、これらのシステムが小型であることである。先行技術において使用されるような大きく高価なバルブ(例えば、流れ制御バルブおよび三方向バルブ)を使用する必要はない。さらに、本発明に従うルート決定システムは、製造するのが比較的安価であり、メンテナンスをほぼ必要としないかまたは全く必要としない。
【0071】
本発明に従うルート決定システムのなお別の利点は、これらのシステムが、出口ノードにて提供される流体の温度および圧力を調整する際に迅速な動的応答時間を有することである。例えば、このルート決定システムは、制御回路(図3〜7には示されない)によって、種々の要因(流体供給圧力の変化、流体膨張により引き起こされる温度変化、寄生(parasitic)熱キャパシタンス、圧力需要および温度需要の変化、ならびに熱源(例えば、熱貯蔵ユニット)の変化が挙げられるが、これらに限定されない)に迅速に応答するように制御され得る。
【0072】
上記の迅速な動的応答時間は、少なくとも、レギュレーターがマスフローを自動調整してその設定値圧力を維持する能力が原因で、本発明に従う二重経路流体システムによって実現され得る。従って、条件が、例えば、レギュレーター320の設定値圧力に対する変化をもたらす条件が変化する場合、レギュレーター340は、その設定値変化を自動的に考慮に入れる。
【0073】
図8は、本発明の原理に従う別の二重経路流体ルート決定システムの模式図を示す。流体ルート決定システム800は、レギュレーター820、流れ制限デバイス830、流れ制御バルブ(FCV)840、および熱交換システム850を備える。システム800における使用のために適切であり得るFCV840の特定の例は、Baumann,Inc.(Portsmouth,New Hampshire)により販売されるBaumann 24000SB Series Valveであり得る。上記のレギュレーター、流れ制限デバイス、および熱交換システムは、システム300に関して既に上記で考察されており、そのような構成要素および/またはサブシステムの詳細は、ここで反復される必要がない。
【0074】
レギュレーター820は、流れ源810からの流体を受容するように接続される。レギュレーター820の出口は、流れ制限デバイス830の入口およびFCV840の入口に接続されている。流れ制限デバイス830の出口は、熱交換システム850に接続されている。FCV840の出力および熱交換システム850の出力は、その出力ノードに接続される。出力ノードにおける流体は、所定の圧力および温度を有する制御された流体を示す。
【0075】
FCV840は、バイパス経路を通る流体のマスフローを制御する。このバイパス経路は、流れ制限デバイス830の入口をFCV840経由で熱交換システム850の出口に接続する経路である。さらに、システム800の構築が原因で、FCV840はまた、主要経路を通る流体のマスフローを制御する。この主要経路とは、流れ制限デバイス830の入口を、流れ制限デバイス830および加熱システム850経由で出口ノードに接続する経路である。FCV840は、下流にて提供されるマスフローを決定する、中間検知流れ制御バルブまたは遠隔検知流れ制御バルブであり得る。FCV840は、手動制御され得るか、または電子制御され得る。電子制御されるFCV840は、変化する温度条件および圧力条件に対する迅速な応答時間を促進し得る。
【0076】
作動の間、レギュレーター820とFCV840との間の相互作用は、出口ノードにおける流体の圧力および温度を制御する。レギュレーター820は、望ましい圧力がその出口ノードにて得られるように圧力設定値を調整することによって、その圧力を主に制御する。レギュレーター820の下流の圧力は、作動の間は比較的一定のままであり得る。従って、その圧力設定値は、バイパス経路および主要経路における異なる質量の流量によって引き起こされる圧力変化を補償するように調整される必要はないかもしれない。むしろ、そのレギュレーターの内部構成要素は、所定の出口圧力を維持するようにマスフローを自動調整し得る。レギュレーター820の圧力設定値は、出口ノードにて提供される流体の圧力に影響を与える要因を補償するように調整され得ることが理解される。そのような要因としては、例えば、出口ノードに接続されているロードおよび流体供給源810により提供される流体の圧力変化が挙げられる。
【0077】
流れ制限デバイス830と組み合わせて作動するFCV840は、バイパス経路を通るマスフローおよび主要経路を通る流体のマスフローを主に制御する。バイパス経路を通るマスフローと主要経路を通るマスフローとの比は、FCV840により設定される質量の流量および流れ制限デバイス830の大きさの関数である。流れ制限デバイス830の利点は、そのデバイスは、バイパス経路を通るマスフローと主要経路を通るマスフローとの比をFCV840が制御する能力を増強することである。流れ制限デバイス830は、そのマスフローの大部分が、FCV840が完全に開(OPEN)である場合にバイパスラインを通過するような大きさであり得る。流れ制限デバイス830の存在により、レギュレーター820から加熱システム850への流体流れを妨害する高抵抗経路が生成される。従って、FCV840が完全に開(OPEN)である場合、その流体は、最小抵抗である経路を採り得、バイパス経路を通って流れ得る。FCV840が完全に閉(CLOSED)である場合、流体は、主要経路を通過し得る。FCV840が、完全に閉(CLOSED)と完全に開(OPEN)との間のどこかに設定される場合、流体は、バイパス経路および主要経路の両方を通って流れる。従って、バイパス経路および主要経路を通る流体の流れを制御することによって、温度制御は、加熱された流体と冷たい流体とを出口ノードにて一緒に混合することによって、達成される。
【0078】
例えば、その流体の温度が非常に高すぎる場合、FCV840は、その質量の流量を増加して、より冷たい流体がバイパス経路を通るようにルート決定して、熱交換システム850から流れる熱い流体を冷却し得る。あるいは、出口ノードにおける流体の温度が非常に低すぎる場合、FCV840は、その質量の流量を減少して、より冷たくない流体はバイパス経路を通るようにルート決定され、より多くのマスフローが主要経路を通るようにルート決定されるようにし得る。
【0079】
従って、圧力レギュレーター820およびFCV840を通る質量の流量の操作は、出口ノードにて提供される流体の温度および圧力を制御する際に有効であることが、理解される。先行技術を超えるシステム800の利点は、広範囲のマスフローに対して正確な制御を提供することである。上記のルート決定システム800の別の利点は、このシステムは、出口ノードにて提供される流体の温度および圧力を調整する際に迅速な動的応答時間を有することである。例えば、ルート決定システム800は、種々の要因(流体供給圧力の変化、流体膨張により引き起こされる温度変化、寄生(parasitic)熱キャパシタンス、圧力需要および温度需要の変化、ならびに熱源(例えば、熱貯蔵ユニット)の変化
が挙げられるが、これらに限定されない)に応答するように制御回路(図8においては示されない)によって制御され得る。
【0080】
当業者は、この二重経路流体ルート決定の実施形態の自明の変形形態(図3〜図8に示されるような形態)が実施され得るということを、理解する。例えば、バルブの設計に依存して、二以上のレギュレーターが直列に接続されて、最大貯蔵圧から所定の圧力(例えば、タービン入口圧)へと下がる安定な調整を提供し得る。別の例としては、二以上のレギュレーター(または流れ制御バルブ)は、並列に接続されて、例えば、バイパス経路において、圧力およびマスフローの制御を高め得る。
【0081】
本発明の原理に従う二重経路流体システムは、流体を利用する数多くの型のシステムにおいて実施され得る。例えば、この二重経路流体システムは、発電システム、化学的処理システム、HVACシステム、および工業的処理システムにおいて使用され得る。発電システムとしては、圧縮空気式貯蔵エネルギーシステム、ならびに熱的圧縮空気式貯蔵エネルギーシステムが挙げられ得、これらは、(例えば、主電源が故障した場合の)バックアップ電力または継続的電力を提供するシステムであり得る。
【0082】
図9は、本発明の原理に従う二重経路流体ルート決定システムを利用する、熱的圧縮空気式貯蔵バックアップエネルギーシステム900の模式図を示す。バックアップエネルギーシステム900は、ユーティリティー電力908の妨害(例えば、電力系統低下)の場合には、負荷970に対してバックアップ電力を生成する。ユーティリティー電力908が故障した場合、システム900は、緊急モードで作動する。このモードにおいて、流体供給源910に貯蔵される圧縮ガスは、本発明に従う二重経路流体ルート決定システム(例えば、300/400/500/600/700/800)を通じてルート決定されて、タービン960を駆動する。次いで、タービン960は、シャフト(示さず)を介して電力ジェネレーター962に動力供給する。ジェネレーター962は、負荷970に電力を提供する一方、タービン960によって動力供給される。ユーティリティー電力908が利用可能である場合、システム900は、スタンバイモードで作動する。スタンバイの間、ユーティリティー電力908は、負荷908およびモーター904に電力を供給する。モーター904は、コンプレッサー903を選択的に駆動する。コンプレッサー903は、一方向バルブ902を通じて流体供給源910へと圧縮ガスをルート決定する。
【0083】
貯蔵空気式発電システムのより詳細な例は、例えば、同時係属中の、同一に譲受されている、米国特許出願番号10/361,728(2003年2月5日出願)、および米国特許出願番号10/361,729(2003年2月5日出願)(これら両方は、その全体が、本明細書において参考として援用される)において見出され得る。
【0084】
タービン960からジェネレーター962への軸動力の効率良い移送を促進するため、タービン960は、作業流体(例えば、ガスまたは蒸気)が、所定の温度および圧力で、または所望される入口圧および入口温度の所定の範囲内で、送達されることを必要とし得る。制御回路980は、本発明に従う二重経路流体ルート決定システムの作動を制御するように提供され得、それによって所定の温度および圧力の流体がタービン960の入口に提供される。より詳細には、制御回路980は、この二重経路流体ルート決定システムのレギュレーターおよび/または流れ制御バルブを制御し得る。制御回路980は、タービン960に供給されているガスの温度および圧力をモニタリングし得、そして、バックアップエネルギーシステム900の確率論的な作動条件(例えば、流れの源の変化する圧力、熱交換システムの温度の変動、ロード要求の変化など)を補償するために適切な信号を提供することによって、このレギュレーターおよび/または流れ制御バルブを調節し得る。制御回路980は、流れ制御バルブへ適切な電気信号または空気式信号を提供することによって、流れ制御バルブの質量流量を調節し得る。制御回路980は、圧力設定値システム(例えば、図10〜図14に対応する文に関連して以下で考察されるシステム)への適切な電気信号または空気式信号によって、レギュレーターの出力圧を調節し得る。
【0085】
本発明に従う圧力設定値制御システムは、本発明に従う二重経路流体ルート決定システムにおいてレギュレーターとともに使用するために、または他のレギュレーターとともに使用するために、特に有利である。なぜなら、これは、広い範囲の設定圧力(例えば、0〜1000PSI)を正確に提供し得、泡機密遮断(bubble tight shutoff)を利用して漏れを最小化し得、そして電力損失または他の異常な作動条件の場合にフェールセーフ動作を提供し得るからである。一般的に、この圧力設定値制御システムは、レギュレーターの設定値ポートに選択的に流体を適用し、このレギュレーターの設定値ポートから流体を抜くことによって、レギュレーターの設定圧力を制御し得る。流体は、2つのバルブ(例えば、電磁バルブ)を用いて、この設定値ポートに適用され得、そしてこの設定値ポートから排出され得る。これらのバルブは、制御回路によって提供されるデューティサイクルに従ってオンおよびオフに換わる。これらのバルブは、直列に接続され得る(第一バルブは、その入力を、流体を受容するように接続させ、そしてその出力を(レギュレーターの)設定値ポートおよび第二バルブの入力に接続させる)。第二バルブの出力は、大気へとつながる。第一バルブがオンであり、そして第二バルブがオフである場合、流体は設定値ポートに適用され、設定圧力の上昇を引き起こす。第一バルブがオフであり、そして第二バルブがオンである場合、流体は設定値ポートから排出され、設定圧力の低下を引き起こす。
【0086】
圧力設定値制御システムは、他のバルブの使用を利用して、フェールセーフ動作を確実にし得る。このフェールセーフバルブは、その入口をレギュレーターの設定値ポートに接続させ得、そしてその出口を、大気へとつなげ得る。このフェールセーフバルブは、制御システムが正常動作モードで作動している場合、閉(CLOSED)であり得、それによって第一バルブおよび第二バルブは、設定圧力を制御し得る。しかし、フェールセーフ条件の場合(例えば、他の異常な条件の電力故障)、このフェールセーフバルブは、自動的に開(OPEN)となり、それによって設定値ポート中の流体を大気へと排出する。
【0087】
図10は、本発明の原理に従う圧力設定値制御システム1000の模式図を示す。制御システム1000は、レギュレーターの圧力設定値を調節するように作動する。例えば、制御システムは、レギュレーター320/340/420/440/620/640/720/740/820のうちの一つの圧力設定値を制御し得る。制御システム1000はまた、従来のシステム(例えば、図1および図2に示されるようなシステム)において使用される圧力レギュレーターの設定圧力を調節するために、使用され得る。その設定圧力をシステム1000によって制御させるレギュレーターは、ドームロードレギュレーターであり得る。当該分野で公知であるように、ドームロードレギュレーターは、その設定圧力ポートに適用された圧力と等しいかまたはほぼ等しい圧力を出力し得る。レギュレーター出口圧とその設定圧力との間の差は、レギュレーターの内部構造の変動によってもたらされ得る。例えば、レギュレーター内部でのプレロードと圧力/面積との不均衡は、400PSIの設定圧力に対してレギュレーター出力圧を350PSIにさせ得る。
【0088】
制御システム1000が、レギュレーター1016、アキュムレーター1018、バルブ1050、1052および1060、ならびに制御回路1080を備えることが示される。制御システム1000の構成が一例に過ぎず、さらなる構成要素が追加され得ること、または特定の構成要素が除外され得ることが、理解される。例えば、制御システム1000は、流体供給源1010およびレギュレーター1040を備え得る。別の例としては、アキュムレーター1018が除外され得る。
【0089】
レギュレーター1016は、流体供給源1010によって供給される圧力を所定の圧力へと段階的に下げる、手動で調節可能なレギュレーターであり得る。流体供給源1010は、レギュレーター1040と接続される。アキュムレーター1018(例えば、プレナム)は、レギュレーター1016に接続され、そしてレギュレーター1016の下流に提供された流体の圧力およびマスフローを安定化させるように作動し得る。例えば、制御システム1000が、レギュレーター1040の圧力設定値を調節する場合、アキュムレーター1018は、このような調節の間に所望されない圧力低下を防ぎ得る。バルブ1050の入力は、アキュムレーター1018に接続される。バルブ1050の出力は、バルブ1052およびバルブ1060の入力ならびにレギュレーター1040に接続される。バルブ1052およびバルブ1060の出力は、大気に対して開いている。バルブ1050、バルブ1052、およびバルブ1060は、制御回路1080に接続され得る。
【0090】
バルブ1050、バルブ1052、およびバルブ1060は、制御回路1080によって電気的にオンとオフとに換わる電磁バルブであり得る。本発明に従う圧力設定値制御システムで使用され得るようなバルブの具体的な例は、Parker Hannifen Corporationによって販売される、モデル7122電磁バルブ、またはPeter Paul Electronics Company,Inc.によって販売されるモデル52およびモデルEH22電磁バルブである(両方とも、コネチカット州、ニューブリテンの企業である)。さらに、バルブ1050、バルブ1052、およびバルブ1060は、泡機密バルブ(bubble tight valve)であり得、したがって、これらのバルブが閉(CLOSED)の位置にある場合、流体漏れは無視できる。バルブ1050およびバルブ1052は、通常は閉じている電磁バルブ(すなわち、電力が供給されない場合、閉(CLOSED)であるバルブ)であり得る。バルブ1050およびバルブ1052は、(以下でより詳細に考察されるように)圧力設定値全体にわたって正確な制御を提供するような大きさであり得る。バルブ1060は、通常は開放している電磁バルブ(すなわち、電力が供給されない場合、開(OPEN)であるバルブ)であり得る。バルブ1060は、電力故障または他の異常な作動状態の場合にレギュレーター1040に適用される圧力の急速な上昇を促進するような大きさであり得る。
【0091】
制御システム1000の作動をここに記載する。スタンバイ作動モードが最初に記載され、続いてアクティブ作動モードが記載される。制御システム1000が、TACASシステム(例えば、図9に記載されるようなシステム)において実施される場合、スタンバイモードは、ユーティリティー電力が利用可能である場合に作動し得、そしてアクティブモードは、ユーティリティー電力が利用できない場合に作動し得る。制御システム1000がどちらの作動モードにあるかに関わらず、レギュレーター1016は、所定の圧力レベルに設定され得る。
【0092】
スタンバイモードにおいて、バルブ1050およびバルブ1052は閉(CLOSED)であり、そしてバルブ1060は開(OPEN)である。この構成において、レギュレーター1040の圧力設定値は、大気に対して設定される。さらに、バルブ1050が閉(CLOSED)の状態では、レギュレーター1040のドームに対してどのような圧力も適用される可能性はなく、これによって、流体供給源1010からの流体が下流に経路を定められるのを防ぐ。バルブ1050を閉じることによって、流体供給源1010からの流体は、好ましくは漏出せず、これによって、流体供給源1010における、流体のあらゆる所望されない放出を防ぐ。しかし、バルブ1050が誤動作し、またはそれを通して流体が漏出する場合、レギュレーター1040のドームに対して適用され得る何らかの圧力は、バルブ1060が開(OPEN)であるので、大気へと排出される。
【0093】
バルブ1060は、制御システム1000のフェールセーフ作動を確実にする。フェールセーフ条件(例えば、アクティブ作動モードの間の、例えば、電力故障、等)の場合、バルブ1060は、自動的に開(OPEN)となり、それによって、圧力設定値を大気圧へと設定する。
【0094】
アクティブ作動モードの間、バルブ1060は、閉(CLOSED)であり、そしてバルブ1050および1052は、選択的にオンとオフとに換わって、レギュレーター1040に適用された設定圧力を調節する。バルブ1050がオンに換わる場合、圧力は、レギュレーター1040のドームに適用される。バルブ1052がオンに換わる場合、圧力は、大気へと排出されるので、このドームから解放される。デューティサイクルは、制御回路(示さず)によって提供され得、バルブ1050およびバルブ1052のオン状態およびオフ状態を制御するために使用され得る。
【0095】
バルブ1050およびバルブ1052に適用されるデューティサイクルは、多くの要因(所望の設定圧力、レギュレーター1016によって設定されるような圧力、バルブ1050およびバルブ1052の開口部の大きさ、レギュレーター1040の設定圧力、およびレギュレーター1040の下流での圧力要求の変化、が挙げられるが、これらに限定されない)に依存し得る。例えば、制御システム1000が、二重経路流体ルート決定システムとともに作動する場合、バルブ1050およびバルブ1052に適用されるデューティサイクルは、特定のレギュレーターに対して適用される必要がある設定値圧力に依存し得る。バルブ1050およびバルブ1052が、互いに排他的にオンおよびオフされる必要はなく、所定の期間の間、両バルブがオンであってもよく、または所定の期間の間、両バルブがオフであってもよいということが、当業者によって理解される。
【0096】
流体ルート決定システム300(図3)のような流体ルート決定システムにおいて、一つの制御システム1000がレギュレーター320に接続され得、そして別の制御システム1000がレギュレーター340に接続され得ることが理解される。特定の構成要素(例えば、圧力レギュレーター1016、アキュムレーター1018、および制御回路1080)が、レギュレーター320とレギュレーター340とに接続された両制御システムの間で共有され得ることが、さらに理解される。例えば、流体ルート決定システム800(図8)のような流体ルート決定システムにおいては、唯一の制御システム1000が必要とされて、レギュレーター820の作動を制御し得る。
【0097】
図11は、本発明の原理に従った二重常時圧力設定値制御システム1100の回路図を示す。制御システム1100は、二つのレギュレーターの圧力設定値を調節するように作動可能である。例えば、制御システム1100が図3の流体経路システム300と組み合わせて使用される場合、システム1100は、レギュレーター320およびレギュレーター340を制御して、予定した圧力および温度で流体を提供し得る。
【0098】
制御システム1100は、流体供給源1110、レギュレーター1116、アキュムレーター1118、バルブ1120、1122、1130、1132および1150、レギュレーター1124および1134、一方向バルブ1140および1142、ならびに制御回路1180を備えることが示される。制御システム1100の構成が、単に例示的であり、さらなる構成要素が付加され得るか、特定の構成要素が取り除かれ得ることが理解される。
【0099】
レギュレーター1116およびアキュムレーター1118は、レギュレーター1016およびアキュムレーター1018と同一である。従って、これら二つの構成要素の考察は、再度詳細に考察する必要はない。バルブ1120、1122、1130、1132および1150は、制御回路1180によって電気的にオンおよびオフにされる電磁バルブであり得る。さらに、バルブ1120、1122、1130、1132および1150は、泡機密性(bubble tight)バルブであり得、バルブが「閉」位置にある場合、流体漏出は、ごくわずかである。バルブ1120、1122、1130および1132は、通常「閉」の電磁バルブであり得、バルブ1150は、通常「開」の電磁バルブであり得る。バルブ1120、1122、1130および1132は、レギュレーター1124および1134の圧力設定値を上回る制御の増強を促進させるような大きさであり得る。バルブ1150は、電源異常または他の異常な作動の際に、レギュレーター1124および1134に加えられる圧力の迅速な放出を促進するような大きさであり得る。レギュレーター1124およびレギュレーター1134は、例えば、上記のようなドームロードレギュレーターであり得る。一方向バルブ1140おyび1142は、レギュレーター1124および1134を互いから分離する。
【0100】
制御システム1100は、作動のスタンバイモードおよびアクティブモードで作動し得る。作動のスタンバイモードでは、バルブ1150は、「開」であり、レギュレーター1124および1134に加えられる任意の圧力が、大気に発散する。バルブ1150はまた、システム1000のバルブ1060が提供するフェイルセーフ作動と同じモードで、システム1100のフェイルセーフ作動を確実にする。
【0101】
作動のアクティブモードの間に、バルブ1120および1122は、レギュレーター1124の圧力設定値を制御するように作動しており、バルブ1130および1132は、レギュレーター1134の圧力設定値を制御するように作動している。レギュレーター1124および1134の圧力設定値を調整するために、制御回路1180は、バルブ1120、1122、1130および1132を選択的にオンおよびオフにするデューティサイクルを提供し得る。図10と関連してこれまでに記載されたデューティサイクルの議論は、図11に使用されるデューティサイクルに適用され得る。従って、デューティサイクルおよび選択的に作動されたバルブの操作は、繰り返される必要なない。
【0102】
図12は、レギュレーターの圧力設定値を、本発明の原則に従って調節するように作動する代替的な圧力設定値制御システム1200の回路図を示す。制御システム1200は、流体供給源1210、レギュレーター1212、バルブ1220、1222および1224、サーボレギュレーター1230、増幅レギュレーター1232およびレギュレーター1234を備えることが示されている。制御システム1200の構成要素が単に例示的であり、さらなる構成要素が付加され得るか、特定の構成要素が取り除かれ得ることが理解される。例えば、アキュムレーターが取り除かれ得る。別の例としては、バルブ1220が取り除かれ得る。
【0103】
レギュレーター1212は、流体供給源1210により供給された圧力を所定の圧力(例えば、サーボレギュレーター1230に適した圧力)へ低下させる、手動で調整可能なレギュレーターであり得る。流体供給源1210はまた増幅レギュレーター1232およびレギュレーター1234に接続している。レギュレーター1212は、バルブ1220の入力に接続している。バルブ1220は、サーボレギュレーター1230に接続していて、サーボレギュレーター1230は、バルブ1222および増幅レギュレーター1232に接続している。バルブ1222および1224の出力は、分離していて、かつ周囲環境に接触している。増幅レギュレーター1232は、バルブ1224およびレギュレーター1234に接続している。
【0104】
バルブ1220、1222および1224は、手動で、または電子的に制御されるバルブであり得る。電子的に制御される場合、このようなバルブは、制御回路(示さず)によりオンおよびオフにされ得る電磁バルブであり得る。さらに、このようなバルブが電磁バルブである場合、バルブ1220は、通常「閉」のバルブであり得、バルブ1222および1224は、通常「開」のバルブであり得る。サーボレギュレーターが完全にオフになり得ない場合、またはサーボレギュレーター1230が定常流出型のレギュレーターである場合、バルブ1220は、漏出を防止するために通常「閉」であり得る。バルブ1222および1224は、フェイルセーフ作動を提供するために、通常「開」であり得る。例えば、電源異常または他の異常な作動の際に、バルブ1222およびバルブ1224は、自動的に「開」になり得、そして、増幅レギュレーター1232およびレギュレーター1234に加えられるあらゆる圧力を迅速に発散させ得る。
【0105】
制御システム1200は、操作のスタンバイモードおよびアクティブモードで作動し得る。作動のアクティブモードの間に、サーボレギュレーター1230の圧出力は、増幅レギュレーター1232の圧力設定値を設定する。サーボレギュレーター1230の圧出力は、制御回路(示さず)により提供される電流シグナルまたは圧シグナルによって制御され得る。増幅レギュレーター1232は、サーボレギュレーター出力圧を、所定の割合で増幅する。この所定の割合は、使用される増幅レギュレーターの型に依存して事前に設定され得るか、または調節可能であり得る。この増幅された圧力は、レギュレーター1234の圧力設定値を設定するために使用され得る。従って、制御システム1200は、サーボレギュレーター1230に提供される電流シグナルまたは圧シグナルを制御することによってレギュレーター1234の圧力設定値を制御する。
【0106】
また、作動のアクティブモードの間、バルブ1220は、「開」であり、バルブ1222および1224は、増強された圧コントロール(例えば、二方向性圧コントロール)を提供するために、選択的に「開」および「閉」であり得る。作動のスタンバイモードの間に、バルブ1220は、「閉」であり、バルブ1222およびバルブ1224は、「開」であり、それによって、レギュレーター1234が、下流に流体を提供することを防止する。
【0107】
図13は、本発明の原則に従った別の代替的な圧制御システムの回路図を示す。一般に、制御システム1300は、流体供給源から供給される流体が制御システム1300によって設定される設定圧力に調節されるように、レギュレーター1334(例えば、レギュレーター320、340、420、520、540、620、720または820)の設定圧力を調節するように作動している。制御システム1300は、制御システム1200の構成要素と同一の構成要素を多数共有し、従って、システム1200の一般的作動原則がシステム1300に適用され得る。すなわち、制御システム1300は、増幅レギュレーター1332に適用される圧力を制御し、次に、レギュレーター1334の圧力設定値を設定するために使用される増幅された圧力を生じるように、所定の割合でその圧力を増幅することにより、レギュレーター1334の圧力設定値を制御する。
【0108】
システム1200とシステム1300との間の構造的な相違は、サーボレギュレーターが取り除かれ、さらなるバルブ1326が付加されているということである。バルブ1322に連結したバルブ1320およびバルブ1326の組合せは、図10および図11に関して既に上に議論したバルブ構造を提供する。すなわち、バルブ1320、1322および1326が、制御回路(示さず)によって電子的に制御されていると仮定すると、制御回路は、ノードAにおける圧力を制御するように、デューティサイクルをバルブ1320および1326に適用し得る。
【0109】
ノードAにおける圧力は、増幅レギュレーター1332に加えられ、それによりノードAにおける圧力を所定の割合で増幅して、増幅された圧力を提供する。この増幅された圧力は、レギュレーター1334の圧力設定値を設定するためにレギュレーター1334に加えられる。従って、制御システム1300は、バルブ1320および1326に加えられるデューティサイクルを制御することにより、レギュレーター1334の圧力設定値を制御する。
【0110】
操作のアクティブモードの間、バルブ1322および1324は「閉」になっており、それにより制御システム1300が、レギュレーター1334の圧力設定値の制御を可能にするということが理解される。電源異常または他の異常の際に、バルブ1322および1324は、自動的に「開」になり、増幅レギュレーター1332およびレギュレーター1334に加えられるあらゆる圧力を発散させる。このことにより、作動のフェイルセーフモードを確実にする。
【0111】
デューティサイクルを、本発明に従うバルブ(例えば、図10のバルブ1050および1052、図11のバルブ1120、1122、1130および1132、ならびに図13のバルブ1320および1326)を制御するために使用することの利点は、制御用電子装置の効率的な使用を可能にするということである。より詳細には、バルブは、直接的に制御回路に駆動され得、それによって、設定圧力を調節するための電流制御デバイスまたは空気圧制御デバイス(例えば、サーボレギュレーター)を使用する必要性を取り除く。例えば、サーボレギュレーターが圧力設定値を調節するために使用される場合、デジタル−アナログ変換器、サーボ電子装置、圧力トランスデューサーおよびさらなるバルブが必要であり得る。
【0112】
図14は、本発明の原則に従った設定圧力を制御するためのコントローラー配置の回路図を示す。破線で輪郭を描いた図14の部分は、制御システム(例えば、図10、11および13に示される制御システム)を大まかに表す。従って、流体供給源、バルブおよびレギュレーターの作動は、繰り返される必要はない。例えば、破線の四角が、図10の制御システム1000を表す場合、バルブ1420は、バルブ1050、1052および1060を含み得る。制御システム構成に依存して、レギュレーター1430は、ドームロードレギュレーターまたは増幅レギュレーターであり得る。
【0113】
制御回路1480は、シグナルを継電器1490(例えば、電気的に駆動されるスイッチ)に適用し、次に、レギュレーター1430に加えられた圧力を制御するため、そのシグナルに基づいて、バルブ1420を選択的に駆動および停止させる。このようなシグナルは、設定圧力を制御するために必要であるデューティサイクルを変動する制御アルゴリズムに由来し得る。制御回路1480は、(レギュレーター1430の設定圧力を調節することにより)出力圧の所望の変化を達成させるために、制御回路1480に、継電器1490へ種々のシグナルを加えさせ得る、レギュレーター1430の出力からのフィードバックシグナルを受け得る。
【0114】
図14に示される制御回路配置の利点は、不必要な構成要素(例えば、デジタル−アナログ変換器、およびバルブ1420の作動を制御するための従来の制御回路配置に使用される空気圧制御デバイス)が比較的ないことであり、これらの削除は、より高い信頼性およびより低いコストをもたらす。
【0115】
流体の温度および圧力制御を向上するために流れ制限デバイスを使用する二重経路流体ルート決定システムを使用するためのシステムおよび方法が、提供される。レギュレーターの設定値圧力を正確に制御するために設定値圧力制御システムを使用するためのシステムおよび方法もまた提供される。
【0116】
従って、流体の温度および圧力を正確に制御するためのいくつかのシステムおよび方法、ならびにレギュレーターの設定圧力を調節するためのシステムおよび方法が提供される。当業者は、本発明が、限定ではなく、例示の目的のために提示される記載した実施形態以外によって実施され得ること、および本発明が上記特許請求の範囲のみによって限定されることを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
本発明の上記のおよび他の物質ならびに利点は、以下の詳細な説明を、添付図面とともに考慮することによって明らかとなり、その図面中の類似の参照記号は、全体にわたって類似の部分を参照する。
【図1A】図1Aは、圧力を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1B】図1Bは、圧力を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1C】図1Cは、圧力を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1D】図1Dは、温度を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1E】図1Eは、温度を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図1F】図1Fは、温度を制御するための複数の先行技術のバルブ構成を示す。
【図2A】図2Aは、温度および圧力を制御するための複数の先行技術の二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図2B】図2Bは、温度および圧力を制御するための複数の先行技術の二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図2C】図2Cは、温度および圧力を制御するための複数の先行技術の二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図3】図3は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図4】図4は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための図3の二重経路流体ルート決定システムの変更物の略図を示す。
【図5】図5は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための図3の二重経路流体ルート決定システムの別の変更物の略図を示す。
【図6】図6は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための図3の二重経路流体ルート決定システムのさらに別の変更物の略図を示す。
【図7】図7は、本発明の原理による温度および圧力を制御するために二つの流体供給源を用いる選択的な二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図8】図8は、本発明の原理による温度および圧力を制御するための単一レギュレーターの二重経路流体ルート決定システムの略図を示す。
【図9】図9は、本発明の原理による二重経路流体ルート決定システムを組み込む熱および圧縮空気の貯蔵システムの略図を示す。
【図10】図10は、本発明の原理による圧力レギュレーター制御システムの略図を示す。
【図11】図11は、本発明の原理による選択的な圧力レギュレーター制御システムの略図を示す。
【図12】図12は、本発明の原理による別の圧力レギュレーター制御システムの略図を示す。
【図13】図13は、本発明の原理による図12の制御システムに類似する選択的な圧力レギュレーター制御システムの略図を示す。
【図14】図14は、本発明の原理による圧力レギュレーター制御システムを制御するためのコントローラー構成の図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのレギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
流体を該少なくとも1つのレギュレーターの圧力設定値ポートに適用する工程;
流体を該圧力設定値ポートから大気に排出する工程;ならびに
該設定値圧力を所定の圧力に設定するために、該適用工程および該排出工程を制御する工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに以下:
フェイルセーフ状態の場合に、該圧力設定値ポートを大気に自動的に接続する工程、
を包含する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに以下:
流体を前記少なくとも1つのレギュレーターの入口ポートに供給する工程;および
前記設定値圧力に基づく圧力で、該少なくとも1つのレギュレーターの下流に流体を提供する工程、
を包含する、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、さらに以下:
前記少なくとも1つのレギュレーターの下流で前記圧力をモニタリングする工程;および
該モニタリングに基づいて、前記設定値圧力を調節する工程、
を包含する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記適用工程が、前記圧力設定値ポートに適用される圧力を増加する工程を包含する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記排出する工程が、前記圧力設定値ポートに適用される圧力を減少させる工程を包含する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記適用する工程および排出する工程を制御するためにデューティサイクルを使用する工程を包含する、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を排出しないで、該流体を適用する工程を包含する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を適用しないで、該流体を排出する工程を包含する、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を同時に適用および排出する工程を包含する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を同時に適用および排出しないことを包含する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、さらに以下:
流体の供給源を提供する工程;および
前記圧力設定値を設定するために、該供給源からの流体を使用する工程、
を包含する、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記流体が、気体である、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、前記流体が、液体である、方法。
【請求項15】
レギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
サーボレギュレーターによって提供される出力圧力レベルを制御する工程;
増幅圧力レベルを提供するために、所定の比によって該出力圧力レベルを増幅する工程;および
該設定値圧力を設定するために、該増幅圧力レベルを該レギュレーターの設定値圧力ポートに適用する工程、
を包含する、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、さらに以下:
フェイルセーフ状態の場合に、前記出力圧力レベルおよび前記増幅圧力レベルを大気に排出する工程、
を包含する、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記設定値圧力を変更するために、前記出力圧力レベルを調節する工程を包含する、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、さらに以下:
前記サーボレギュレーターの前記出力圧力レベルを制御するために、電気信号または空気信号を提供する工程、
を包含する、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、さらに以下:
前記レギュレーターのレギュレーター圧力出力レベルをモニタリングする工程、
を包含し、
ここで、前記制御する工程が、該モニタリングに基づいて前記設定値圧力を変更するために、該出力圧力レベルを調節する工程を包含する、
方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法であって、さらに以下:
流体の供給源を提供する工程であって、前記レギュレーターが、該供給源から受容する流体を、前記設定値圧力に等しい圧力、またはほぼ等しい圧力に調節する、工程;および
該調節された流体をタービン発電機に提供する工程であって、該タービン発電機が、該調節された流体を受容する場合に電力を発生する、工程、
を包含する、方法。
【請求項21】
レギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
二重バルブシステム圧力を提供するために、二重バルブシステムのバルブをONおよびOFFに選択的に切り替える工程;
増幅圧力を提供するために、該二重バルブシステム圧力を所定の比によって増幅する工程;および
該設定値圧力を設定するために、該増幅圧力を該レギュレーターの設定値圧力ポートに適用する工程、
を包含する、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、ここで、前記二重バルブシステムのバルブをONおよびOFFに選択的に切り替える工程が、以下:
該二重バルブシステム圧力を増加させるために、流体を適用する工程;
該二重バルブシステム圧力を減少させるために、液体を排出する工程;および
該適用工程および該排出工程を制御して、前記設定値圧力を提供するために増幅される圧力まで、該二重バルブシステム圧力を設定する、工程、
を包含する、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、さらに、フェイルセーフ状態の場合、(a)前記二重バルブシステム圧力、(b)前記増幅圧力、または(c)該二重バルブシステム圧力および該増幅圧力の両方を、大気に排出する工程を包含する、方法。
【請求項24】
レギュレーターの設定値圧力を制御するためのシステムであって、該システムが、以下:
設定値圧力ノード;
流体を受容するように接続される入口および該設定値圧力ノードに接続される出口を有する、第1バルブ;
該設定値圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第2バルブ;
該設定値圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する第3バルブであって、該第3バルブが、フェイルセーフ状態の場合、自動的に開くように作動する、第3バルブ;ならびに
該設定値圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために、該第1バルブおよび該第2バルブを選択的に開閉するように作動する、制御回路、
を備える、システム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、前記圧力ノードに提供される圧力が、設定値圧力である、システム。
【請求項26】
請求項24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源および前記第1バルブの入口に接続される圧力レギュレーターであって、該圧力レギュレーターが、該流体供給源から受容される流体を調節する、圧力レギュレーター、
を備える、システム。
【請求項27】
請求項24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源から受容された流体に接続される圧力レギュレーターであって、該圧力レギュレーターが、該受容された流体を所定の圧力に調節する、圧力レギュレーター;および
該圧力レギュレーターおよび前記第1バルブの入口に接続されるアキュムレーターであって、該アキュムレーターが、該第1バルブおよび第2バルブが開閉する場合の圧力の揺れを最小化する、アキュムレーター、
を備える、システム。
【請求項28】
請求項24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源であって、前記第1バルブが前記流体供給源の下流に接続される、流体供給源;および
該流体供給源から流体を受容するように接続されるレギュレーターであって、該レギュレーターが、前記設定値圧力ノードに接続される設定値圧力ポートを有し、そして該設定値圧力ポートに適用される流体の圧力に基づいて下流に流体を提供するように作動する、レギュレーター、
を備える、システム。
【請求項29】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、第2バルブ、および第3バルブが、電気的に作動するソレノイドバルブである、システム。
【請求項30】
請求項29に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブおよび前記第2バルブが、通常閉じているソレノイドバルブである、システム。
【請求項31】
請求項29に記載のシステムであって、ここで、前記第3バルブが、通常開いているソレノイドバルブである、システム。
【請求項32】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、および前記第3バルブが、気泡を通さないソレノイドバルブである、システム。
【請求項33】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、該システムがスタンバイモードで作動している場合、前記第1バルブおよび前記第2バルブが、閉じており、そして前記第3バルブが、開いている、システム。
【請求項34】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、該システムが前記設定値圧力ノードに適用される圧力を制御している場合、前記第3バルブが、閉じている、システム。
【請求項35】
請求項24に記載のシステムであって、さらに以下:
増幅レギュレーターであって、該増幅レギュレーターが、流体を受容するために接続される入口、前記設定値圧力ノードに接続される増幅器設定値ポート、および増幅器出口を有し、該増幅レギュレーターが、該増幅器設定値ポートに適用される圧力を増幅圧力に増幅し、該増幅圧力を該増幅器出口に提供し、該増幅圧力が前記設定値圧力である、増幅レギュレーター、
を備える、システム。
【請求項36】
請求項35に記載のシステムであって、さらに、前記増幅器出口に接続される入口および大気に接続される出口を有する第4バルブを備え、該第4バルブが、フェイルセーフ状態の場合、開くように作動する、システム。
【請求項37】
発電システムであって、以下:
流体の供給源;
圧力レギュレーターであって、圧力レギュレーターが、該供給源から流体を受容するために接続される設定値ポートを有し、該設定値ポートに適用される圧力に基づいて、受容される流体圧力を調節するように作動する、圧力レギュレーター;
タービン発電機であって、該タービン発電機が、該調節された流体を受容するように接続され、該調節された流体を受容する場合に電力を発生するように作動する、タービン発電機;および
該供給源およびレギュレーターに接続される請求項24に記載の圧力制御システムであって、該制御システムが、該設定値ポートに適用される圧力を制御するように作動する、圧力制御システム、
を備える、発電システム。
【請求項38】
少なくとも2つのレギュレーターの設定値圧力を制御するためのシステムであって、該システムが、以下:
第1設定値圧力ノードおよび第2設定値圧力ノード;
第1バルブであって、該第1バルブが、流体を受容するように接続される入口および該第1圧力ノードに接続される出口を有する、第1バルブ;
第2バルブであって、該第1圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第2バルブ;
第3バルブであって、該流体を受容するように接続される入口および該第2圧力ノードに接続される出口を有する、第3バルブ;
第4バルブであって、該第2圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第4バルブ;
第5バルブであって、該第1圧力ノードおよび該第2圧力ノードに接続される入口、ならびに大気に接続される出口を有し、該第5バルブが、フェイルセーフ状態の場合、自動的に開くように作動する、第5バルブ;ならびに
制御回路であって、(a)該第1圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために該第1バルブおよび該第2バルブを選択的に開閉し、そして(b)第2圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために、該第3バルブおよび該第4バルブを選択的に開閉するように作動する、制御回路、
を備える、システム。
【請求項39】
請求項38に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、第2バルブ、第3バルブ、第4バルブ、および第5バルブが、ソレノイドバルブである、システム。
【請求項40】
請求項39に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記第4バルブが、通常閉じているソレノイドバルブである、システム。
【請求項41】
請求項39に記載のシステムであって、ここで、前記第5バルブが、通常開いているソレノイドバルブである、システム。
【請求項42】
請求項38に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、前記第4バルブ、および前記第5バルブが、気泡を通さないソレノイドバルブである、システム。
【請求項43】
請求項38に記載のシステムであって、ここで、該システムがスタンバイモードで作動している場合、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記第4バルブが、閉じており、そして前記第5バルブが、開いている、システム。
【請求項44】
請求項38に記載のシステムであって、ここで、該システムが前記第1設定値圧力ノードおよび前記第2設定値圧力ノードに適用される流体の圧力を制御している場合、前記第5バルブが、閉じている、システム。
【請求項45】
発電システムであって、以下:
少なくとも1つの流体の供給源;
第1圧力レギュレーターであって、該第1圧力レギュレーターが、前記少なくとも1つの供給源から流体を受容するように接続される第1設定値ポートを有し、そして該第1設定値ポートに適用される圧力に基づいて受容される流体圧力を調節するように作動する、第1圧力レギュレーター;
第2圧力レギュレーターであって、該第2圧力レギュレーターが、前記少なくとも1つの供給源から流体を受容するように接続される第2設定値ポートを有し、そして該第2設定値ポートに適用される圧力に基づいて受容される流体圧力を調節するように作動する、第2圧力レギュレーター;
タービン発電機であって、該タービン発電機が、該第1圧力レギュレーターおよび該第2圧力レギュレーターの両方から該調節された流体を受容するように接続され、該調節された流体を受容する場合に電力を発生するように作動する、タービン発電機;ならびに
該供給源ならびに該第1レギュレーターおよび該第2レギュレーターに接続される請求項38に記載の圧力制御システムであって、該制御システムが、該第1設定値ポートおよび該第2設定値ポートに適用される圧力を制御するように作動する、圧力制御システム、
を備える、システム。
【請求項1】
少なくとも1つのレギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
流体を該少なくとも1つのレギュレーターの圧力設定値ポートに適用する工程;
流体を該圧力設定値ポートから大気に排出する工程;ならびに
該設定値圧力を所定の圧力に設定するために、該適用工程および該排出工程を制御する工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに以下:
フェイルセーフ状態の場合に、該圧力設定値ポートを大気に自動的に接続する工程、
を包含する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに以下:
流体を前記少なくとも1つのレギュレーターの入口ポートに供給する工程;および
前記設定値圧力に基づく圧力で、該少なくとも1つのレギュレーターの下流に流体を提供する工程、
を包含する、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、さらに以下:
前記少なくとも1つのレギュレーターの下流で前記圧力をモニタリングする工程;および
該モニタリングに基づいて、前記設定値圧力を調節する工程、
を包含する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記適用工程が、前記圧力設定値ポートに適用される圧力を増加する工程を包含する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記排出する工程が、前記圧力設定値ポートに適用される圧力を減少させる工程を包含する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記適用する工程および排出する工程を制御するためにデューティサイクルを使用する工程を包含する、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を排出しないで、該流体を適用する工程を包含する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を適用しないで、該流体を排出する工程を包含する、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を同時に適用および排出する工程を包含する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記流体を同時に適用および排出しないことを包含する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、さらに以下:
流体の供給源を提供する工程;および
前記圧力設定値を設定するために、該供給源からの流体を使用する工程、
を包含する、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記流体が、気体である、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、前記流体が、液体である、方法。
【請求項15】
レギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
サーボレギュレーターによって提供される出力圧力レベルを制御する工程;
増幅圧力レベルを提供するために、所定の比によって該出力圧力レベルを増幅する工程;および
該設定値圧力を設定するために、該増幅圧力レベルを該レギュレーターの設定値圧力ポートに適用する工程、
を包含する、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、さらに以下:
フェイルセーフ状態の場合に、前記出力圧力レベルおよび前記増幅圧力レベルを大気に排出する工程、
を包含する、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記制御する工程が、前記設定値圧力を変更するために、前記出力圧力レベルを調節する工程を包含する、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、さらに以下:
前記サーボレギュレーターの前記出力圧力レベルを制御するために、電気信号または空気信号を提供する工程、
を包含する、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、さらに以下:
前記レギュレーターのレギュレーター圧力出力レベルをモニタリングする工程、
を包含し、
ここで、前記制御する工程が、該モニタリングに基づいて前記設定値圧力を変更するために、該出力圧力レベルを調節する工程を包含する、
方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法であって、さらに以下:
流体の供給源を提供する工程であって、前記レギュレーターが、該供給源から受容する流体を、前記設定値圧力に等しい圧力、またはほぼ等しい圧力に調節する、工程;および
該調節された流体をタービン発電機に提供する工程であって、該タービン発電機が、該調節された流体を受容する場合に電力を発生する、工程、
を包含する、方法。
【請求項21】
レギュレーターの設定値圧力を制御するための方法であって、該方法が、以下:
二重バルブシステム圧力を提供するために、二重バルブシステムのバルブをONおよびOFFに選択的に切り替える工程;
増幅圧力を提供するために、該二重バルブシステム圧力を所定の比によって増幅する工程;および
該設定値圧力を設定するために、該増幅圧力を該レギュレーターの設定値圧力ポートに適用する工程、
を包含する、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、ここで、前記二重バルブシステムのバルブをONおよびOFFに選択的に切り替える工程が、以下:
該二重バルブシステム圧力を増加させるために、流体を適用する工程;
該二重バルブシステム圧力を減少させるために、液体を排出する工程;および
該適用工程および該排出工程を制御して、前記設定値圧力を提供するために増幅される圧力まで、該二重バルブシステム圧力を設定する、工程、
を包含する、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、さらに、フェイルセーフ状態の場合、(a)前記二重バルブシステム圧力、(b)前記増幅圧力、または(c)該二重バルブシステム圧力および該増幅圧力の両方を、大気に排出する工程を包含する、方法。
【請求項24】
レギュレーターの設定値圧力を制御するためのシステムであって、該システムが、以下:
設定値圧力ノード;
流体を受容するように接続される入口および該設定値圧力ノードに接続される出口を有する、第1バルブ;
該設定値圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第2バルブ;
該設定値圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する第3バルブであって、該第3バルブが、フェイルセーフ状態の場合、自動的に開くように作動する、第3バルブ;ならびに
該設定値圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために、該第1バルブおよび該第2バルブを選択的に開閉するように作動する、制御回路、
を備える、システム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、前記圧力ノードに提供される圧力が、設定値圧力である、システム。
【請求項26】
請求項24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源および前記第1バルブの入口に接続される圧力レギュレーターであって、該圧力レギュレーターが、該流体供給源から受容される流体を調節する、圧力レギュレーター、
を備える、システム。
【請求項27】
請求項24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源から受容された流体に接続される圧力レギュレーターであって、該圧力レギュレーターが、該受容された流体を所定の圧力に調節する、圧力レギュレーター;および
該圧力レギュレーターおよび前記第1バルブの入口に接続されるアキュムレーターであって、該アキュムレーターが、該第1バルブおよび第2バルブが開閉する場合の圧力の揺れを最小化する、アキュムレーター、
を備える、システム。
【請求項28】
請求項24に記載のシステムであって、さらに以下:
流体供給源であって、前記第1バルブが前記流体供給源の下流に接続される、流体供給源;および
該流体供給源から流体を受容するように接続されるレギュレーターであって、該レギュレーターが、前記設定値圧力ノードに接続される設定値圧力ポートを有し、そして該設定値圧力ポートに適用される流体の圧力に基づいて下流に流体を提供するように作動する、レギュレーター、
を備える、システム。
【請求項29】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、第2バルブ、および第3バルブが、電気的に作動するソレノイドバルブである、システム。
【請求項30】
請求項29に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブおよび前記第2バルブが、通常閉じているソレノイドバルブである、システム。
【請求項31】
請求項29に記載のシステムであって、ここで、前記第3バルブが、通常開いているソレノイドバルブである、システム。
【請求項32】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、および前記第3バルブが、気泡を通さないソレノイドバルブである、システム。
【請求項33】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、該システムがスタンバイモードで作動している場合、前記第1バルブおよび前記第2バルブが、閉じており、そして前記第3バルブが、開いている、システム。
【請求項34】
請求項24に記載のシステムであって、ここで、該システムが前記設定値圧力ノードに適用される圧力を制御している場合、前記第3バルブが、閉じている、システム。
【請求項35】
請求項24に記載のシステムであって、さらに以下:
増幅レギュレーターであって、該増幅レギュレーターが、流体を受容するために接続される入口、前記設定値圧力ノードに接続される増幅器設定値ポート、および増幅器出口を有し、該増幅レギュレーターが、該増幅器設定値ポートに適用される圧力を増幅圧力に増幅し、該増幅圧力を該増幅器出口に提供し、該増幅圧力が前記設定値圧力である、増幅レギュレーター、
を備える、システム。
【請求項36】
請求項35に記載のシステムであって、さらに、前記増幅器出口に接続される入口および大気に接続される出口を有する第4バルブを備え、該第4バルブが、フェイルセーフ状態の場合、開くように作動する、システム。
【請求項37】
発電システムであって、以下:
流体の供給源;
圧力レギュレーターであって、圧力レギュレーターが、該供給源から流体を受容するために接続される設定値ポートを有し、該設定値ポートに適用される圧力に基づいて、受容される流体圧力を調節するように作動する、圧力レギュレーター;
タービン発電機であって、該タービン発電機が、該調節された流体を受容するように接続され、該調節された流体を受容する場合に電力を発生するように作動する、タービン発電機;および
該供給源およびレギュレーターに接続される請求項24に記載の圧力制御システムであって、該制御システムが、該設定値ポートに適用される圧力を制御するように作動する、圧力制御システム、
を備える、発電システム。
【請求項38】
少なくとも2つのレギュレーターの設定値圧力を制御するためのシステムであって、該システムが、以下:
第1設定値圧力ノードおよび第2設定値圧力ノード;
第1バルブであって、該第1バルブが、流体を受容するように接続される入口および該第1圧力ノードに接続される出口を有する、第1バルブ;
第2バルブであって、該第1圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第2バルブ;
第3バルブであって、該流体を受容するように接続される入口および該第2圧力ノードに接続される出口を有する、第3バルブ;
第4バルブであって、該第2圧力ノードに接続される入口および大気に接続される出口を有する、第4バルブ;
第5バルブであって、該第1圧力ノードおよび該第2圧力ノードに接続される入口、ならびに大気に接続される出口を有し、該第5バルブが、フェイルセーフ状態の場合、自動的に開くように作動する、第5バルブ;ならびに
制御回路であって、(a)該第1圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために該第1バルブおよび該第2バルブを選択的に開閉し、そして(b)第2圧力ノードに適用される流体の圧力を制御するために、該第3バルブおよび該第4バルブを選択的に開閉するように作動する、制御回路、
を備える、システム。
【請求項39】
請求項38に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、第2バルブ、第3バルブ、第4バルブ、および第5バルブが、ソレノイドバルブである、システム。
【請求項40】
請求項39に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記第4バルブが、通常閉じているソレノイドバルブである、システム。
【請求項41】
請求項39に記載のシステムであって、ここで、前記第5バルブが、通常開いているソレノイドバルブである、システム。
【請求項42】
請求項38に記載のシステムであって、ここで、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、前記第4バルブ、および前記第5バルブが、気泡を通さないソレノイドバルブである、システム。
【請求項43】
請求項38に記載のシステムであって、ここで、該システムがスタンバイモードで作動している場合、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記第4バルブが、閉じており、そして前記第5バルブが、開いている、システム。
【請求項44】
請求項38に記載のシステムであって、ここで、該システムが前記第1設定値圧力ノードおよび前記第2設定値圧力ノードに適用される流体の圧力を制御している場合、前記第5バルブが、閉じている、システム。
【請求項45】
発電システムであって、以下:
少なくとも1つの流体の供給源;
第1圧力レギュレーターであって、該第1圧力レギュレーターが、前記少なくとも1つの供給源から流体を受容するように接続される第1設定値ポートを有し、そして該第1設定値ポートに適用される圧力に基づいて受容される流体圧力を調節するように作動する、第1圧力レギュレーター;
第2圧力レギュレーターであって、該第2圧力レギュレーターが、前記少なくとも1つの供給源から流体を受容するように接続される第2設定値ポートを有し、そして該第2設定値ポートに適用される圧力に基づいて受容される流体圧力を調節するように作動する、第2圧力レギュレーター;
タービン発電機であって、該タービン発電機が、該第1圧力レギュレーターおよび該第2圧力レギュレーターの両方から該調節された流体を受容するように接続され、該調節された流体を受容する場合に電力を発生するように作動する、タービン発電機;ならびに
該供給源ならびに該第1レギュレーターおよび該第2レギュレーターに接続される請求項38に記載の圧力制御システムであって、該制御システムが、該第1設定値ポートおよび該第2設定値ポートに適用される圧力を制御するように作動する、圧力制御システム、
を備える、システム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−85713(P2006−85713A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267712(P2005−267712)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(505339324)アクティブ パワー, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(505339324)アクティブ パワー, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
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