流体投与装置
流体投与装置
流体投与装置であって、容器(10)と、投与開口部(21)が組み込まれた投与ヘッド(20)と、定量チャンバ(30)と、そして前記定量チャンバ(30)の中で休止位置と投与位置との間をスライド移動することができるピストン(40)とを有し、前記ピストン(40)は、前記容器(10)に静止した形で設置され、前記ピストンは、前記容器(10)および/あるいは前記容器(10)に固定されるよう作られた固定手段(100)と一体化された形で作られている、という装置。
流体投与装置であって、容器(10)と、投与開口部(21)が組み込まれた投与ヘッド(20)と、定量チャンバ(30)と、そして前記定量チャンバ(30)の中で休止位置と投与位置との間をスライド移動することができるピストン(40)とを有し、前記ピストン(40)は、前記容器(10)に静止した形で設置され、前記ピストンは、前記容器(10)および/あるいは前記容器(10)に固定されるよう作られた固定手段(100)と一体化された形で作られている、という装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体投与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体投与装置は、一般的に、流体(液体、ペースト、または粉末)が格納された容器と、前記容器の内容物を選択的に投与するよう前記容器に設置された投与部材(たとえば、ポンプまたは弁)とを有する。投与部材を駆動するよう前記投与部材には投与ヘッドが組み付けられ、1回の駆動につき1ドーズ分の流体が手動で投与される。投与部材がポンプであれば、ポンプは一般的にポンプ本体を有し、前記ポンプ本体には定量ポンプチャンバが形作られ、前記チャンバの中で、ピストンが休止位置と投与位置との間をスライド移動する。ユーザが投与ヘッドに圧力を加えることで、ピストンはその休止位置から投与位置の方へ移動される。定量チャンバは入り口弁と出口弁とを有し、装置は、通常投与ヘッドに設けられる投与開口部に閉鎖部材を有するだろう。従来の様態において、ポンプ本体は何らかの公知の方法(たとえば、固定リング)により容器に固定されている。また、ピストンは、前記ポンプ本体の内部にスライド移動可能な形で設置され、前記投与ヘッドにより移動される。この構成にはいくつかの問題点が見られる。つまり、ポンプ本体中のピストンのスライド面は、密封性の欠如またはピストンの閉塞といったポンプの機能不全を回避するよう完全に平滑かつ平坦でなければならない。このことにより、ポンプ本体の容器への組み付け中には、組み立て中のポンプ本体の変形を回避するよう極めて多くの予防措置が課される。具体的には、ポンプ本体を容器のネックに固定しようとする際に実現が極めて困難な組み立て方法も中にはある。このことは、ネックの内側へのスナップ留め操作が伴われる場合に特に当てはまる。なぜなら、ネックに剛性がある場合は通常、スナップ留め可能な部分、すなわちポンプ本体を変形可能とする必要があり、したがって、ピストンのスライド面の変形というリスクが生じ、これは上記の問題点につながるためである。
【0003】
従来のポンプのもう1つの問題点は、定量チャンバが一般的に投与開口部から比較的遠く離れた形で配置されており、そのため、定量ドーズ分を正確に規定するよう定量チャンバの出口弁を、そして、駆動と駆動の合間の流体の汚染のリスクを回避するよう投与開口部に閉鎖部材を、それぞれ設けなければならないことである。加えて、このことは一般的に、2つのスプリングの使用を意味し、前記スプリングのうち1つはピストンをその休止位置の方へ戻し、もう1つは閉鎖部材をその閉位置の方へ動かす。
【0004】
さらに、既存のポンプのもう1つの問題点は、固定リングまたはそれと同様のものを用いてポンプ(またはポンプのいくつかの部品)を容器に固定するための組み立て操作に関する。固定されるポンプの部分がポンプ本体の場合は、固定リングを用いた前記ポンプ本体の容器への組み立てに大きな問題は見られないが、それでもなお2つの別個の組み立てステップ(リングまたは容器へのポンプ本体の事前組み立て、それからリングの固定)が必要とされる。容器に組み付けられるポンプ部品がポンプの内側部分である場合は、組み立てはさらに困難となり前記部品の密封部分の破損のリスクが生じることになりかねない。結果として、ポンプの製造および組み立ては通常複雑となり、結局はポンプの性能とコストという点に支障が出ることが考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を生じない流体投与装置を提供することを目的とする。
さらに具体的に言えば、本発明は、装置の組み立て中にピストンのスライド面が傷つけられるリスクを完全に排除する、という流体投与装置を提供することを目的とする。
また、本発明のもう1つの目的は、最小の数の構成部品で成る、という流体投与装置を提供することである。具体的に言えば、本発明では、ピストンを固定手段と一体化した形で作ることにより組み立て部分を1つ、あるいは、ピストンを容器と一体化した形で作ることにより組み立て部品を2つ排除する。さらに、本発明では、定量チャンバの出口弁と投与開口部の閉鎖部材との両方の必要性が排除され、たった1つのスプリングを有する閉鎖部材を備えたポンプを作ることが可能となる。
【0006】
さらに、本発明のもう1つの目的は、製造および組み立てが容易かつ低コストで、動作が安全かつ信頼性があり、格納された流体の汚染のリスクを完全に回避する、という流体投与装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、流体投与装置であって、容器と、投与開口部が組み込まれた投与ヘッドと、定量チャンバと、そして前記定量チャンバの中で休止位置と投与位置との間をスライド移動することができるピストンとを有し、前記ピストンは、前記容器に静止した形で設置され、前記ピストンは、前記容器および/あるいは前記容器に固定されるよう作られた固定手段と一体化された形で作られている、という装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
効果的な構成として、前記ピストンは、固定手段により容器に固定され、前記固定手段は前記ピストンに一体化された形で接続されていることとする。
また、効果的な構成として、前記固定手段は、スナップ留め、圧力嵌め、あるいはネジ留め手段であることとする。
第1の変形例の実施の形態において、前記ピストンは、前記容器のネックの外側に固定されていることとする。
【0009】
第2の変形例の実施の形態において、前記ピストンは、容器のネックの内部に固定されていることとする。
第3の変形例の実施の形態において、前記ピストンは、前記容器のネックの外側と内側との両方に固定されていることとする。
第4の変形例の実施の形態において、前記ピストンは前記容器と一体化された形で作られていることとする。
【0010】
また、効果的な構成として、前記ピストンは、投与ヘッド内に配置されたポンプ本体の中でスライド移動することとする。
また、効果的な構成として、前記ポンプ本体は閉鎖部材の一部分を形成しており、前記部材は、前記投与ヘッドの中で投与開口部の閉位置と開位置との間をスライド移動できるものであることとする。
【0011】
また、効果的な構成として、前記閉鎖部材は第2のピストンを有し、前記ピストンは前記投与ヘッドのシリンダの中でスライド移動できることとする。
また、効果的な構成として、前記ピストンは、ポンプチャンバの入り口弁を有することとする。
また、効果的な構成として、ガスケットがピストンと容器との間に置かれた形で、前記ピストンは容器に固定されていることとする。
また、効果的な構成として、前記ガスケットは、前記ピストンの前記容器への固定中に変形されることとする。
【0012】
また、効果的な構成として、ピストンは固定手段を有し、前記固定手段は容器のネックの外側と協働し、前記ガスケットは前記ネックの内側と協働することとする。
変形例において、ピストンは固定手段を有し、前記固定手段は容器のネックの内部と協働することとする。
また、効果的な構成として、前記固定手段は前記ガスケットを有し、前記ガスケットは、ピストンと容器のネックの内側との間で変形し、それによって、ピストンは前記ネックに耐漏洩様態の圧力嵌めの形で固定されることとする。
【0013】
また、効果的な構成として、容器のネックの内面とピストンの対応する外面とのうち一方は密封プロフィールを有し、前記プロフィールは設置された状態において、前記ガスケット、好ましくは前記ガスケットの相補的な密封プロフィール、と協働することとする。
また、効果的な構成として、前記ガスケットは突起部分を有し、ピストンが圧力嵌めされる間に、前記部分自体が容器のネックの下方、前記容器の内部で変形され、それによってピストンを永続的な形で固定することとする。
【0014】
また、効果的な構成として、前記ピストンはスナップ留め手段を有し、前記手段は前記容器のネックの内面および/あるいは外面と協働することとする。
また、効果的な構成として、前記スナップ留め手段はスナップ留めプロフィールで成り、前記プロフィールは前記ネックの中に、またはこれを囲む形でスナップ留めされるよう作られていることとする。
【0015】
また、効果的な構成として、前記ネックは相補的なスナップ留めプロフィールを有し、前記プロフィールは前記ピストンの前記スナップ留めプロフィールと協働することとする。
また、効果的な構成として、ピストンはネジスレッドを有し、前記スレッドは容器のネックの内側または外側に設けられた対応するスレッドと協働することとする。
【0016】
また、効果的な構成として、前記スレッドのうち少なくとも1つは、ネジが外れるのを防止する手段を、つぶれ部分などの形で有することとする。
また、効果的な構成として、前記ピストンは第1のスナップ留め手段と第2のスナップ留め手段とを有し、前記第1のスナップ留め手段は容器のネックの内部と協働し、前記第2のスナップ留め手段は前記ネックの外部と協働することとする。
【0017】
また、効果的な構成として、前記ネックの内部および/あるいは外部は、相補的なスナップ留めプロフィールを有することとする。
また、効果的な構成として、容器のネックの上側エッジは、2本の軸方向のブランチを有し、前記ブランチは、好ましくはガスケットが間に置かれた形で、それぞれ前記ピストンと協働することとする。
【0018】
また、効果的な構成として、前記固定手段はピストンに直接形成されていることとする。
また、効果的な構成として、ブッシングは、ピストンと前記容器のネックとの間に置かれていることとする。
また、効果的な構成として、前記スナップ留め手段は前記ブッシングに形成されていることとする。
【0019】
また、効果的な構成として、ガスケットは、前記ブッシングと容器のネックとの間に置かれていることとする。
また、効果的な構成として、前記ピストンは、前記容器のネックの内部に直接圧力嵌めされていることとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に関する他の特徴および効果については、添付の図面を参照しながら、非限定的な例として示すいくつかの実施の形態に関する以下の詳細な説明を読めば、さらに明らかになるだろう。
本発明は、流体(たとえば、医薬品、化粧品、または香水)が格納された容器10を有する流体投与装置に関する。好ましい構成として、容器10は開口を形作るネック11を有し、その開口によってポンプなどの投与部材を後に説明するように挿入および固定することができる。投与ヘッド20が容器10に対し移動可能な形で組み付けられている。ヘッド20は投与開口部21を有し、ここから駆動のたびに流体が投与される。定量チャンバ30がさらに形作られており、前記定量チャンバの中でピストン40は休止位置と投与位置との間をスライド移動する。定量チャンバにより、1回の駆動につき投与される流体の量を正確に規定することが可能となり、前記ピストン40を移動させれば定量ドーズ分の流体が放出される。
【0021】
本発明において、前記ピストン40は、容器または前記容器に固定するのに適した固定手段と直接一体化された形で作られ、静的な形で前記容器10に設置されている。したがって、既存の組み立て方法に比べて少なくとも1つの構成部品を省略することができる。さまざまな図に、本発明のいくつかの実施の形態を示している。たとえば図21において、前記ピストン40は前記容器10と一体化された形で作られ、この実施の形態において、流体は前記容器の底部を介して容器の中に挿入され、挿入後には、容器を耐漏洩様態で閉じるために、適切なプラグが何らかの適当な方法で固定される。他の図において、ピストン40は固定手段100により容器に固定されている。色々な実施の形態を示すさまざまな図を参照しながら、以下、さまざまな固定手段について説明する。
【0022】
さまざまな図で1つの特定の流体投与装置が示されているが、当然のことながら、本発明は、特に装置のうちピストン40を容器10に固定するための固定手段100が形成されていない部分に関しては、図示された特徴に限定されない。つまり、投与ヘッド20の形状はいかなるものであってもよく、開口21は軸方向である必要はない。さらに、図示された実施の形態において、ピストン40はシリンダ50の中をスライド移動し、前記シリンダ50はポンプ本体を形成し、その内部には定量チャンバ30が形作られている。効果的な構成として、ポンプ本体50は、投与開口部21の上流に配置された閉鎖部材55と一体化された形で作られている。また、ポンプ本体50は第2のピストン58を有し、前記ピストン58は、投与ヘッド20のシリンダ28の中でスライド移動するよう作られている。閉鎖部材55は、戻しスプリング80によりその閉位置の方へ動かされて投与開口部21を閉じる。また駆動中は、前記閉鎖部材55は、流体の圧力の作用を受けて開位置の方へスライド移動し、投与開口部21を開けることができる。この圧力によって、前記第2のピストン58は戻しスプリングの力に逆らう形でシリンダ28の中で移動し、その結果、投与開口部が開いて定量チャンバ30に格納された流体の1ドーズ分の放出が可能になる。閉鎖部材55の移動中に、ピストン40は本体50の中でスライド移動し、1ドーズ分が投与される。効果的な構成として、定量チャンバ30の上流には入り口弁45が設けられ、入り口弁は、効果的な構成として前記ピストン40に形成することができる。図示された実施の形態において、弁シートがピストン40に形成され、弁部品はボール45である。当然のことながら、入り口弁は他のいかなる形であっても考えられる。ディップチューブ90をピストン40に組み入れ、容器10に格納された流体全てが放出できるようにしてもよい。効果的な構成として、投与ヘッド20のシリンダ28は、装置が駆動または投与位置にある際は、容器10のネック11の内部に延び、組み立て物の安定性を向上させ装置の全体的なサイズを小さくする。安定性と簡易かつ容易なピストン40の容器10への固定方法とを実現するため、効果的な構成として、ピストン40は、密封部分41(厳密に言えばピストンに形成されポンプ本体50の中でスライド移動する部分)から遠く離れた方の端部に径方向フランジ42を有し、前記フランジ42は、容器10のネック11の上側エッジに載り、また、前記フランジ42が延びた先は軸方向の流体溜め43となっている。前記流体溜め43は、容器10のネック11の内部に入り込み、管状の部分44へと接続されている。前記部分44もまた軸方向で、その(図示された向きから見て)上側の端部に前記ピストンを形成する密封部分41を有する。効果的な構成として、筒状の部品44はショルダー46を有し、前記ショルダーは、戻しスプリング80の端部のうちポンプ本体50の第2のピストン58から遠く離れた方の端部を受け止めるよう作られている。管状の部品44は中空で、ディップチューブ90を入り口弁45、したがって定量チャンバ30に接続している。効果的な構成としてさらに、投与ヘッド20は、ピストン40、容器10のネック11、またはそれら2つの部品の一方に固着された何らかの部品にスナップ留めされ、前記ヘッド20が前記容器10から望まない形で、または誤って取り外されるリスクを完全に排除する。先術したように、これらのさまざまな特徴は単に例としてのみ示されたもので、さらに他の変形例(図示せず)も考えられる。
【0023】
そのため、図21に示された本発明の第1の実施の形態において、ピストン40は容器10と一体化された形で作られている。
本発明のもう1つの実施の形態において、ピストン40は容器のネック11の外側に固定されている。図1乃至4には、スナップ留めによるそうした固定が示されている。このため、ネック11の外部と協働するスナップ留めプロフィール120を形成するスナップ留め手段が設けられ、前記手段は、ピストン40と一体化された形で作られていることが好ましい。効果的な構成として、ネック11はスナップ留め手段のスナップ留めプロフィール120と協働する相補的なスナップ留めプロフィール16を有する。好ましい構成として、ピストン40と容器のネック11との間にはガスケット60が置かれている。図1乃至4に示されているように、好ましい構成として、ピストン40の容器10への固定中にガスケットは変形され、それによりその位置における高度な密封性が実現できる。
【0024】
図3(a)および3(b)は、ガスケット60の変形例の実施の形態を示している。このガスケットは密封プロフィール61を有し、前記プロフィール61は、容器のネック11の内部に延びたピストン40の軸方向の流体溜め43の外面に設けられた相補的な密封プロフィール70と協働するよう作られている。図示された実施の形態において、相補的なスナップ留めプロフィール70は突起部分の形で作られており、前記突起部分はたとえばガスケット60の2つの可撓性タブ61と協働し、前記タブ61は、ピストン40が容器10に固定される間に前記突起部分に押し付けられて平たくなる。
【0025】
図4に示す変形例の実施の形態では、スナップ留めプロフィール70は容器のネック11の内面に形成され、また、ガスケット60は効果的な構成として同様に相補的なスナップ留めプロフィール61を有するが、前記プロフィール61は、図3(a)および3(b)を参照しながら示した変形例とは反対の側に配置されている。当然のことながら、スナップ留めの変形例として、容器のネック11の外側にスレッド留めまたは圧接で固定することも考えられる。
【0026】
本発明の別の変形例の実施の形態において、ピストンは容器10のネック11の内側に固定されている。図5に示された実施の形態において、ピストン40の軸方向の流体溜め43は容器のネック11の内側に直接圧力嵌めされている。この圧力嵌めにより固定と密封との両方が実現され、前記圧力嵌めは特に確実性がある。これは、圧力嵌めされる部分が、内部でポンプのピストンがスライド移動させられるポンプ本体をもはや形成していないためである。つまり、圧力嵌めされる部分は、圧力嵌めの間に必要なだけ変形し、容器のネックの内側に確実に配置することができる。
【0027】
図6は変形例の実施の形態を示している。この実施の形態において、ピストン40(特に、軸方向の流体溜め)にはネジスレッド80が設けられ、前記ネジスレッドは、容器のネック11の内側に設けられた対応するスレッド85と協働する。効果的な構成として、ピストン40と容器10の上側エッジとの間にはガスケット60が置かれており、ネジが外れるのを防止するための手段を、前記スレッド80、85のうち一方にたとえばつぶれ部分の形で設けることができる。
【0028】
図7および8は、容器10のネック11の内側へのスナップ留めの2つの変形例の実施の形態を示している。どちらの場合においても、ピストン40(具体的に言えば、軸方向の流体溜め43)はスナップ留め手段を有し、前記スナップ留め手段は、容器のネック11と協働するのに適したスナップ留めプロフィール110で成る。効果的な構成として、前記ネック11の内側には相補的なスナップ留めプロフィール15を設けることができる。ここでも、こうしたスナップ留めプロフィール15が可能となる理由は、ピストン40のうち容器10のネック11に固定される部分がスライド面を形成していないためである。こうした形でなければスライド面は固定中に不可逆的な形で変形されかねず、そうなれば装置の適切な動作が妨害されるリスクが生じる。図示し上で述べたピストン40の構造であれば、その反対に、ピストンを内向きに変形させて、それによって容器のネック11の内側に容易にスナップ留めすることができる。ここでもやはり、ピストン40と容器10との間にはガスケット60を置くことができる。
【0029】
図9乃至13(b)は他のさまざまな変形例の実施の形態を示している。これらの実施の形態において、ガスケット60がピストン40と容器ネック11の内面との間に置かれている。図9、10、11(a)、11(b)は第1の変形例の実施の形態を示している。この第1の変形例において、ピストン40と容器のネック11との間にはブッシング150がさらに置かれ、前記ブッシング150はガスケット60を収容している。ガスケット60は端部延長部分65を有し、前記部分65は装置の組み立ての最後の瞬間に変形され、その変形によりガスケット60は圧縮され、それにより高度な密封性が保証される。図9、10、11(a)、11(b)から見て取れるように、ブッシング150は上側ショルダーと下側ショルダーとを有し、組み立て前、それらショルダーの間にガスケット60は非ストレス状態で置かれている。組み立ての最後の段階中に、ガスケット60の上側延長部分65は、この例では軸方向下向きに移動させられ変形し、それによりガスケット60は容器のネック11の内面上で膨らむ。こうして径方向に膨らむことで、ピストン40は容器10中に固定され密封も実現される。
【0030】
図12(a)および12(b)は、先述した実施の形態の変形例を示している。この変形例において、ブッシング150の下側ショルダーはスナップ留めプロフィール110をさらに有し、前記プロフィール110は、容器のネック11の内部に設けられた相補的プロフィール15にスナップ留めされているか、バーブによって引っ掛けられた形で接している。
【0031】
図13(a)および13(b)はもう1つの変形例の実施の形態を示しており、この形態においてブッシングはないが、ガスケット60は図3(a)および3(b)を参照しながら説明したものに似ている。この変形例が図3(a)および3(b)の変形例と異なっているのは、容器のネック11の外側にスナップ留め手段が存在しない、という点である。そのため、この実施の形態においては、容器10のネック11とピストン40の軸方向の流体溜め43との間にガスケット60を径方向にクランプ留めすることでも固定は実現される。
【0032】
図14乃至19はさらに別の変形例の実施の形態を示している。この実施の形態において、ガスケット60は突起部分65を有し、前記部分65は、ピストン40の組み付け中に前記容器のネック11の下方(容器の内部)の位置に入り、装置を永続的な形で固定して向上した密封性を実現する、という形で変形するように作られている。図16および17は図14および15の細部C、Dの拡大図で、組み立て前はピストン40に接していた突起部分65が、組み立て中に前記突起部分65と協働するピストンの軸方向の流体溜め43の下側端部の円錐台形の形状により変形する仕組みを明らかに示している。図18および19は、それぞれ組み立て前と組み立て後の2つの変形例の実施の形態を示しており、図18は、ピストン40と容器のネック11との間に置かれたブッシング150を示し、ガスケット60はブッシング150とネック11との間に置かれている。図19に示されたガスケット60は、異なった素材で作られた径方向フランジの形をしたガスケットの一部分と協働し、それにより密封性および可撓性の必要条件に適合することを可能にする。図9乃至19を参照しながら説明したガスケットは全て、特に図11(a)乃至12(b)に示されているようにブッシング150と協働する場合は、効果的な構成としてオーバーモールディングにより作られている。この場合、ガスケット60は前記ブッシング150を囲む形に注入され、それによって、組み立ての最後にガスケット60を変形させる、という前記上部延長部分65を形成することが可能になる。
【0033】
図20および図22乃至24はもう1つの実施の形態を示しており、この形態において、ピストンは容器10のネック11の内側と外側との両方に固定されている。図20乃至22を参照する。図22は図20の細部Eの拡大図である。注目すべき点として、ピストン40は外部スナップ留めプロフィール120を有し、前記プロフィール120は容器のネック11の外部に設けられた対応するプロフィールと協働し、前記容器のネックはその内面にフランジまたはその他の内側プロフィールをさらに有し、これらはピストン40と協働して密封を実現するよう作られている。当然のことながら、プロフィールは容器のネック11ではなくピストン40に設けてもよい。したがって、この実施の形態においては、容器のネックの外側へのスナップ留めとネックの内側への圧力嵌めとによって固定が実現される。
【0034】
図23は変形例の実施の形態を示しており、この形態において、ピストン40は容器の内側と外側との両方へのスナップ留めによりネック11に固定される。この実施の形態において、ピストン40は外側スナップ留めプロフィール110と内側スナップ留めプロフィール120とを有し、これらはそれぞれ容器11のネックの対応するプロフィール15、16と協働する。
【0035】
最後に、図24の実施の形態において、容器10のネック11の上側エッジは2本の軸方向のブランチ18、19を有し、前記ブランチはほぼ平行で、それぞれがピストン40と、好ましくは両ブランチの間に置かれたガスケット60と協働する。この実施の形態において、片方のブランチ18の内側でスナップ留めを実現し、もう一方のブランチは前記ガスケット60を支持する、ということにしてもよい。当然のことながら、こうした複雑な形の容器のネックを持たない固定および密封手段を考えることもできる。注目すべき点として、ポンプ本体の容器への固定には内外二重スナップ留めを用いてもよい。
【0036】
このように、本発明によって作られる流体投与装置は、組み立てが簡易かつ容易であって、ポンプの動作に対するリスクが組み立てに全く見当たらず、特にポンプ本体50のスライド面または前記ポンプ本体50の中でスライド移動可能な密封部分41におけるピストン40そのもののスライド面を決して傷付けない。それどころか逆に、容器に固定されるのはポンプ本体である、という従来の装置とは対照的に、ピストン40を容器に直接固定するので、その結果として、安全、簡易、かつ信頼性のある形での固定をさまざまな異なった方法で実現することが可能になる。また、この実施の形態の別の効果として、本発明では定量またはポンプチャンバ30を投与開口部21のすぐ上流に形成することができ、それにより閉鎖部材55と定量チャンバ30の出口弁とを単一部品として作ることが可能になる。したがって、既存の多くの装置の場合に見られる、定量チャンバの出口弁と、それから、投与ヘッドを貫通する形で延びる放出チャネルの後ろで投与開口部に別個に置かれる閉鎖部材とは、もはや設ける必要がない。そのため、本発明により、さらにコンパクトで、より少ない構成部品から成り、そのためより低コストである、というポンプを作ることが可能になる。加えて、本発明はスプリング80を1つのみ有し、前記スプリング80は、ポンプを戻し閉鎖部材55を閉じる戻しスプリングとして働く。一方、既存の装置においては、投与開口部21のすぐ上流に置かれる形で閉鎖部材が存在する場合は、通常2つのスプリングがあり、そのうち一方は閉鎖部材を閉位置の方へ押しやり、もう一方はピストンをその休止位置の方へ戻す。つまりこの点で、本発明によれば、従来技術のポンプの改善と簡易化との両方が可能になる。
【0037】
本発明について、いくつかの変形例の実施の形態および図を参照しながらここまで説明してきたが、当然のことながら、前記さまざまな変形例の形態は限定的なものではなく、それどころか逆に、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱しない形でさまざまな変形を施すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の効果的な実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て前における概略側面図である。
【図2】本発明の効果的な実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て後における概略側面図である。
【図3】(a)固定手段の変形例の実施の形態の組み立て前における詳細図である。 (b)固定手段の変形例の実施の形態の組み立て後における詳細図である。
【図4】図3bと同様の図であって、固定手段の別の変形例の実施の形態を組み立て後の状態において示す図である。
【図5】本発明の別の効果的な実施の形態を構成する流体投与装置の概略部分断面図である。
【図6】本発明の流体投与装置のもう1つの変形例の実施の形態の部分断面図である。
【図7】図5と同様の図であって、固定手段のもう1つの変形例の実施の形態を組み立て位置において示す図である。
【図8】図5および7と同様の図であって、本発明のさらに別の変形例の実施の形態を示す図である。
【図9】本発明のさらに別の変形例の実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て前における概略断面図である。
【図10】本発明のさらに別の変形例の実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て後における概略断面図である。
【図11】(a)図9の細部Aの拡大概略断面図である。 (b)図10の細部Bの拡大概略断面図である。
【図12】(a)図11(a)と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。 (b)図11(b)と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。
【図13】(a)図12(a)と同様の図であって、本発明の別の変形例の実施の形態を示す図である。 (b)図12(b)と同様の図であって、本発明の別の変形例の実施の形態を示す図である。
【図14】本発明のさらに別の実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て前における概略断面図である。
【図15】本発明のさらに別の実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て後における概略断面図である。
【図16】図14の細部Cの概略断面図である。
【図17】図15の細部Dの概略断面図である。
【図18】図16と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。
【図19】図17と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。
【図20】本発明のさらに別の実施の形態を構成する流体投与装置の概略断面図である。
【図21】図20と同様の図であって、やはり本発明のさらに別の実施の形態を示す図である。
【図22】図20の細部Eの概略断面図である。
【図23】図22と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。
【図24】本発明の固定手段のさらに別の変形例の部分概略断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体投与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体投与装置は、一般的に、流体(液体、ペースト、または粉末)が格納された容器と、前記容器の内容物を選択的に投与するよう前記容器に設置された投与部材(たとえば、ポンプまたは弁)とを有する。投与部材を駆動するよう前記投与部材には投与ヘッドが組み付けられ、1回の駆動につき1ドーズ分の流体が手動で投与される。投与部材がポンプであれば、ポンプは一般的にポンプ本体を有し、前記ポンプ本体には定量ポンプチャンバが形作られ、前記チャンバの中で、ピストンが休止位置と投与位置との間をスライド移動する。ユーザが投与ヘッドに圧力を加えることで、ピストンはその休止位置から投与位置の方へ移動される。定量チャンバは入り口弁と出口弁とを有し、装置は、通常投与ヘッドに設けられる投与開口部に閉鎖部材を有するだろう。従来の様態において、ポンプ本体は何らかの公知の方法(たとえば、固定リング)により容器に固定されている。また、ピストンは、前記ポンプ本体の内部にスライド移動可能な形で設置され、前記投与ヘッドにより移動される。この構成にはいくつかの問題点が見られる。つまり、ポンプ本体中のピストンのスライド面は、密封性の欠如またはピストンの閉塞といったポンプの機能不全を回避するよう完全に平滑かつ平坦でなければならない。このことにより、ポンプ本体の容器への組み付け中には、組み立て中のポンプ本体の変形を回避するよう極めて多くの予防措置が課される。具体的には、ポンプ本体を容器のネックに固定しようとする際に実現が極めて困難な組み立て方法も中にはある。このことは、ネックの内側へのスナップ留め操作が伴われる場合に特に当てはまる。なぜなら、ネックに剛性がある場合は通常、スナップ留め可能な部分、すなわちポンプ本体を変形可能とする必要があり、したがって、ピストンのスライド面の変形というリスクが生じ、これは上記の問題点につながるためである。
【0003】
従来のポンプのもう1つの問題点は、定量チャンバが一般的に投与開口部から比較的遠く離れた形で配置されており、そのため、定量ドーズ分を正確に規定するよう定量チャンバの出口弁を、そして、駆動と駆動の合間の流体の汚染のリスクを回避するよう投与開口部に閉鎖部材を、それぞれ設けなければならないことである。加えて、このことは一般的に、2つのスプリングの使用を意味し、前記スプリングのうち1つはピストンをその休止位置の方へ戻し、もう1つは閉鎖部材をその閉位置の方へ動かす。
【0004】
さらに、既存のポンプのもう1つの問題点は、固定リングまたはそれと同様のものを用いてポンプ(またはポンプのいくつかの部品)を容器に固定するための組み立て操作に関する。固定されるポンプの部分がポンプ本体の場合は、固定リングを用いた前記ポンプ本体の容器への組み立てに大きな問題は見られないが、それでもなお2つの別個の組み立てステップ(リングまたは容器へのポンプ本体の事前組み立て、それからリングの固定)が必要とされる。容器に組み付けられるポンプ部品がポンプの内側部分である場合は、組み立てはさらに困難となり前記部品の密封部分の破損のリスクが生じることになりかねない。結果として、ポンプの製造および組み立ては通常複雑となり、結局はポンプの性能とコストという点に支障が出ることが考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を生じない流体投与装置を提供することを目的とする。
さらに具体的に言えば、本発明は、装置の組み立て中にピストンのスライド面が傷つけられるリスクを完全に排除する、という流体投与装置を提供することを目的とする。
また、本発明のもう1つの目的は、最小の数の構成部品で成る、という流体投与装置を提供することである。具体的に言えば、本発明では、ピストンを固定手段と一体化した形で作ることにより組み立て部分を1つ、あるいは、ピストンを容器と一体化した形で作ることにより組み立て部品を2つ排除する。さらに、本発明では、定量チャンバの出口弁と投与開口部の閉鎖部材との両方の必要性が排除され、たった1つのスプリングを有する閉鎖部材を備えたポンプを作ることが可能となる。
【0006】
さらに、本発明のもう1つの目的は、製造および組み立てが容易かつ低コストで、動作が安全かつ信頼性があり、格納された流体の汚染のリスクを完全に回避する、という流体投与装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、流体投与装置であって、容器と、投与開口部が組み込まれた投与ヘッドと、定量チャンバと、そして前記定量チャンバの中で休止位置と投与位置との間をスライド移動することができるピストンとを有し、前記ピストンは、前記容器に静止した形で設置され、前記ピストンは、前記容器および/あるいは前記容器に固定されるよう作られた固定手段と一体化された形で作られている、という装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
効果的な構成として、前記ピストンは、固定手段により容器に固定され、前記固定手段は前記ピストンに一体化された形で接続されていることとする。
また、効果的な構成として、前記固定手段は、スナップ留め、圧力嵌め、あるいはネジ留め手段であることとする。
第1の変形例の実施の形態において、前記ピストンは、前記容器のネックの外側に固定されていることとする。
【0009】
第2の変形例の実施の形態において、前記ピストンは、容器のネックの内部に固定されていることとする。
第3の変形例の実施の形態において、前記ピストンは、前記容器のネックの外側と内側との両方に固定されていることとする。
第4の変形例の実施の形態において、前記ピストンは前記容器と一体化された形で作られていることとする。
【0010】
また、効果的な構成として、前記ピストンは、投与ヘッド内に配置されたポンプ本体の中でスライド移動することとする。
また、効果的な構成として、前記ポンプ本体は閉鎖部材の一部分を形成しており、前記部材は、前記投与ヘッドの中で投与開口部の閉位置と開位置との間をスライド移動できるものであることとする。
【0011】
また、効果的な構成として、前記閉鎖部材は第2のピストンを有し、前記ピストンは前記投与ヘッドのシリンダの中でスライド移動できることとする。
また、効果的な構成として、前記ピストンは、ポンプチャンバの入り口弁を有することとする。
また、効果的な構成として、ガスケットがピストンと容器との間に置かれた形で、前記ピストンは容器に固定されていることとする。
また、効果的な構成として、前記ガスケットは、前記ピストンの前記容器への固定中に変形されることとする。
【0012】
また、効果的な構成として、ピストンは固定手段を有し、前記固定手段は容器のネックの外側と協働し、前記ガスケットは前記ネックの内側と協働することとする。
変形例において、ピストンは固定手段を有し、前記固定手段は容器のネックの内部と協働することとする。
また、効果的な構成として、前記固定手段は前記ガスケットを有し、前記ガスケットは、ピストンと容器のネックの内側との間で変形し、それによって、ピストンは前記ネックに耐漏洩様態の圧力嵌めの形で固定されることとする。
【0013】
また、効果的な構成として、容器のネックの内面とピストンの対応する外面とのうち一方は密封プロフィールを有し、前記プロフィールは設置された状態において、前記ガスケット、好ましくは前記ガスケットの相補的な密封プロフィール、と協働することとする。
また、効果的な構成として、前記ガスケットは突起部分を有し、ピストンが圧力嵌めされる間に、前記部分自体が容器のネックの下方、前記容器の内部で変形され、それによってピストンを永続的な形で固定することとする。
【0014】
また、効果的な構成として、前記ピストンはスナップ留め手段を有し、前記手段は前記容器のネックの内面および/あるいは外面と協働することとする。
また、効果的な構成として、前記スナップ留め手段はスナップ留めプロフィールで成り、前記プロフィールは前記ネックの中に、またはこれを囲む形でスナップ留めされるよう作られていることとする。
【0015】
また、効果的な構成として、前記ネックは相補的なスナップ留めプロフィールを有し、前記プロフィールは前記ピストンの前記スナップ留めプロフィールと協働することとする。
また、効果的な構成として、ピストンはネジスレッドを有し、前記スレッドは容器のネックの内側または外側に設けられた対応するスレッドと協働することとする。
【0016】
また、効果的な構成として、前記スレッドのうち少なくとも1つは、ネジが外れるのを防止する手段を、つぶれ部分などの形で有することとする。
また、効果的な構成として、前記ピストンは第1のスナップ留め手段と第2のスナップ留め手段とを有し、前記第1のスナップ留め手段は容器のネックの内部と協働し、前記第2のスナップ留め手段は前記ネックの外部と協働することとする。
【0017】
また、効果的な構成として、前記ネックの内部および/あるいは外部は、相補的なスナップ留めプロフィールを有することとする。
また、効果的な構成として、容器のネックの上側エッジは、2本の軸方向のブランチを有し、前記ブランチは、好ましくはガスケットが間に置かれた形で、それぞれ前記ピストンと協働することとする。
【0018】
また、効果的な構成として、前記固定手段はピストンに直接形成されていることとする。
また、効果的な構成として、ブッシングは、ピストンと前記容器のネックとの間に置かれていることとする。
また、効果的な構成として、前記スナップ留め手段は前記ブッシングに形成されていることとする。
【0019】
また、効果的な構成として、ガスケットは、前記ブッシングと容器のネックとの間に置かれていることとする。
また、効果的な構成として、前記ピストンは、前記容器のネックの内部に直接圧力嵌めされていることとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に関する他の特徴および効果については、添付の図面を参照しながら、非限定的な例として示すいくつかの実施の形態に関する以下の詳細な説明を読めば、さらに明らかになるだろう。
本発明は、流体(たとえば、医薬品、化粧品、または香水)が格納された容器10を有する流体投与装置に関する。好ましい構成として、容器10は開口を形作るネック11を有し、その開口によってポンプなどの投与部材を後に説明するように挿入および固定することができる。投与ヘッド20が容器10に対し移動可能な形で組み付けられている。ヘッド20は投与開口部21を有し、ここから駆動のたびに流体が投与される。定量チャンバ30がさらに形作られており、前記定量チャンバの中でピストン40は休止位置と投与位置との間をスライド移動する。定量チャンバにより、1回の駆動につき投与される流体の量を正確に規定することが可能となり、前記ピストン40を移動させれば定量ドーズ分の流体が放出される。
【0021】
本発明において、前記ピストン40は、容器または前記容器に固定するのに適した固定手段と直接一体化された形で作られ、静的な形で前記容器10に設置されている。したがって、既存の組み立て方法に比べて少なくとも1つの構成部品を省略することができる。さまざまな図に、本発明のいくつかの実施の形態を示している。たとえば図21において、前記ピストン40は前記容器10と一体化された形で作られ、この実施の形態において、流体は前記容器の底部を介して容器の中に挿入され、挿入後には、容器を耐漏洩様態で閉じるために、適切なプラグが何らかの適当な方法で固定される。他の図において、ピストン40は固定手段100により容器に固定されている。色々な実施の形態を示すさまざまな図を参照しながら、以下、さまざまな固定手段について説明する。
【0022】
さまざまな図で1つの特定の流体投与装置が示されているが、当然のことながら、本発明は、特に装置のうちピストン40を容器10に固定するための固定手段100が形成されていない部分に関しては、図示された特徴に限定されない。つまり、投与ヘッド20の形状はいかなるものであってもよく、開口21は軸方向である必要はない。さらに、図示された実施の形態において、ピストン40はシリンダ50の中をスライド移動し、前記シリンダ50はポンプ本体を形成し、その内部には定量チャンバ30が形作られている。効果的な構成として、ポンプ本体50は、投与開口部21の上流に配置された閉鎖部材55と一体化された形で作られている。また、ポンプ本体50は第2のピストン58を有し、前記ピストン58は、投与ヘッド20のシリンダ28の中でスライド移動するよう作られている。閉鎖部材55は、戻しスプリング80によりその閉位置の方へ動かされて投与開口部21を閉じる。また駆動中は、前記閉鎖部材55は、流体の圧力の作用を受けて開位置の方へスライド移動し、投与開口部21を開けることができる。この圧力によって、前記第2のピストン58は戻しスプリングの力に逆らう形でシリンダ28の中で移動し、その結果、投与開口部が開いて定量チャンバ30に格納された流体の1ドーズ分の放出が可能になる。閉鎖部材55の移動中に、ピストン40は本体50の中でスライド移動し、1ドーズ分が投与される。効果的な構成として、定量チャンバ30の上流には入り口弁45が設けられ、入り口弁は、効果的な構成として前記ピストン40に形成することができる。図示された実施の形態において、弁シートがピストン40に形成され、弁部品はボール45である。当然のことながら、入り口弁は他のいかなる形であっても考えられる。ディップチューブ90をピストン40に組み入れ、容器10に格納された流体全てが放出できるようにしてもよい。効果的な構成として、投与ヘッド20のシリンダ28は、装置が駆動または投与位置にある際は、容器10のネック11の内部に延び、組み立て物の安定性を向上させ装置の全体的なサイズを小さくする。安定性と簡易かつ容易なピストン40の容器10への固定方法とを実現するため、効果的な構成として、ピストン40は、密封部分41(厳密に言えばピストンに形成されポンプ本体50の中でスライド移動する部分)から遠く離れた方の端部に径方向フランジ42を有し、前記フランジ42は、容器10のネック11の上側エッジに載り、また、前記フランジ42が延びた先は軸方向の流体溜め43となっている。前記流体溜め43は、容器10のネック11の内部に入り込み、管状の部分44へと接続されている。前記部分44もまた軸方向で、その(図示された向きから見て)上側の端部に前記ピストンを形成する密封部分41を有する。効果的な構成として、筒状の部品44はショルダー46を有し、前記ショルダーは、戻しスプリング80の端部のうちポンプ本体50の第2のピストン58から遠く離れた方の端部を受け止めるよう作られている。管状の部品44は中空で、ディップチューブ90を入り口弁45、したがって定量チャンバ30に接続している。効果的な構成としてさらに、投与ヘッド20は、ピストン40、容器10のネック11、またはそれら2つの部品の一方に固着された何らかの部品にスナップ留めされ、前記ヘッド20が前記容器10から望まない形で、または誤って取り外されるリスクを完全に排除する。先術したように、これらのさまざまな特徴は単に例としてのみ示されたもので、さらに他の変形例(図示せず)も考えられる。
【0023】
そのため、図21に示された本発明の第1の実施の形態において、ピストン40は容器10と一体化された形で作られている。
本発明のもう1つの実施の形態において、ピストン40は容器のネック11の外側に固定されている。図1乃至4には、スナップ留めによるそうした固定が示されている。このため、ネック11の外部と協働するスナップ留めプロフィール120を形成するスナップ留め手段が設けられ、前記手段は、ピストン40と一体化された形で作られていることが好ましい。効果的な構成として、ネック11はスナップ留め手段のスナップ留めプロフィール120と協働する相補的なスナップ留めプロフィール16を有する。好ましい構成として、ピストン40と容器のネック11との間にはガスケット60が置かれている。図1乃至4に示されているように、好ましい構成として、ピストン40の容器10への固定中にガスケットは変形され、それによりその位置における高度な密封性が実現できる。
【0024】
図3(a)および3(b)は、ガスケット60の変形例の実施の形態を示している。このガスケットは密封プロフィール61を有し、前記プロフィール61は、容器のネック11の内部に延びたピストン40の軸方向の流体溜め43の外面に設けられた相補的な密封プロフィール70と協働するよう作られている。図示された実施の形態において、相補的なスナップ留めプロフィール70は突起部分の形で作られており、前記突起部分はたとえばガスケット60の2つの可撓性タブ61と協働し、前記タブ61は、ピストン40が容器10に固定される間に前記突起部分に押し付けられて平たくなる。
【0025】
図4に示す変形例の実施の形態では、スナップ留めプロフィール70は容器のネック11の内面に形成され、また、ガスケット60は効果的な構成として同様に相補的なスナップ留めプロフィール61を有するが、前記プロフィール61は、図3(a)および3(b)を参照しながら示した変形例とは反対の側に配置されている。当然のことながら、スナップ留めの変形例として、容器のネック11の外側にスレッド留めまたは圧接で固定することも考えられる。
【0026】
本発明の別の変形例の実施の形態において、ピストンは容器10のネック11の内側に固定されている。図5に示された実施の形態において、ピストン40の軸方向の流体溜め43は容器のネック11の内側に直接圧力嵌めされている。この圧力嵌めにより固定と密封との両方が実現され、前記圧力嵌めは特に確実性がある。これは、圧力嵌めされる部分が、内部でポンプのピストンがスライド移動させられるポンプ本体をもはや形成していないためである。つまり、圧力嵌めされる部分は、圧力嵌めの間に必要なだけ変形し、容器のネックの内側に確実に配置することができる。
【0027】
図6は変形例の実施の形態を示している。この実施の形態において、ピストン40(特に、軸方向の流体溜め)にはネジスレッド80が設けられ、前記ネジスレッドは、容器のネック11の内側に設けられた対応するスレッド85と協働する。効果的な構成として、ピストン40と容器10の上側エッジとの間にはガスケット60が置かれており、ネジが外れるのを防止するための手段を、前記スレッド80、85のうち一方にたとえばつぶれ部分の形で設けることができる。
【0028】
図7および8は、容器10のネック11の内側へのスナップ留めの2つの変形例の実施の形態を示している。どちらの場合においても、ピストン40(具体的に言えば、軸方向の流体溜め43)はスナップ留め手段を有し、前記スナップ留め手段は、容器のネック11と協働するのに適したスナップ留めプロフィール110で成る。効果的な構成として、前記ネック11の内側には相補的なスナップ留めプロフィール15を設けることができる。ここでも、こうしたスナップ留めプロフィール15が可能となる理由は、ピストン40のうち容器10のネック11に固定される部分がスライド面を形成していないためである。こうした形でなければスライド面は固定中に不可逆的な形で変形されかねず、そうなれば装置の適切な動作が妨害されるリスクが生じる。図示し上で述べたピストン40の構造であれば、その反対に、ピストンを内向きに変形させて、それによって容器のネック11の内側に容易にスナップ留めすることができる。ここでもやはり、ピストン40と容器10との間にはガスケット60を置くことができる。
【0029】
図9乃至13(b)は他のさまざまな変形例の実施の形態を示している。これらの実施の形態において、ガスケット60がピストン40と容器ネック11の内面との間に置かれている。図9、10、11(a)、11(b)は第1の変形例の実施の形態を示している。この第1の変形例において、ピストン40と容器のネック11との間にはブッシング150がさらに置かれ、前記ブッシング150はガスケット60を収容している。ガスケット60は端部延長部分65を有し、前記部分65は装置の組み立ての最後の瞬間に変形され、その変形によりガスケット60は圧縮され、それにより高度な密封性が保証される。図9、10、11(a)、11(b)から見て取れるように、ブッシング150は上側ショルダーと下側ショルダーとを有し、組み立て前、それらショルダーの間にガスケット60は非ストレス状態で置かれている。組み立ての最後の段階中に、ガスケット60の上側延長部分65は、この例では軸方向下向きに移動させられ変形し、それによりガスケット60は容器のネック11の内面上で膨らむ。こうして径方向に膨らむことで、ピストン40は容器10中に固定され密封も実現される。
【0030】
図12(a)および12(b)は、先述した実施の形態の変形例を示している。この変形例において、ブッシング150の下側ショルダーはスナップ留めプロフィール110をさらに有し、前記プロフィール110は、容器のネック11の内部に設けられた相補的プロフィール15にスナップ留めされているか、バーブによって引っ掛けられた形で接している。
【0031】
図13(a)および13(b)はもう1つの変形例の実施の形態を示しており、この形態においてブッシングはないが、ガスケット60は図3(a)および3(b)を参照しながら説明したものに似ている。この変形例が図3(a)および3(b)の変形例と異なっているのは、容器のネック11の外側にスナップ留め手段が存在しない、という点である。そのため、この実施の形態においては、容器10のネック11とピストン40の軸方向の流体溜め43との間にガスケット60を径方向にクランプ留めすることでも固定は実現される。
【0032】
図14乃至19はさらに別の変形例の実施の形態を示している。この実施の形態において、ガスケット60は突起部分65を有し、前記部分65は、ピストン40の組み付け中に前記容器のネック11の下方(容器の内部)の位置に入り、装置を永続的な形で固定して向上した密封性を実現する、という形で変形するように作られている。図16および17は図14および15の細部C、Dの拡大図で、組み立て前はピストン40に接していた突起部分65が、組み立て中に前記突起部分65と協働するピストンの軸方向の流体溜め43の下側端部の円錐台形の形状により変形する仕組みを明らかに示している。図18および19は、それぞれ組み立て前と組み立て後の2つの変形例の実施の形態を示しており、図18は、ピストン40と容器のネック11との間に置かれたブッシング150を示し、ガスケット60はブッシング150とネック11との間に置かれている。図19に示されたガスケット60は、異なった素材で作られた径方向フランジの形をしたガスケットの一部分と協働し、それにより密封性および可撓性の必要条件に適合することを可能にする。図9乃至19を参照しながら説明したガスケットは全て、特に図11(a)乃至12(b)に示されているようにブッシング150と協働する場合は、効果的な構成としてオーバーモールディングにより作られている。この場合、ガスケット60は前記ブッシング150を囲む形に注入され、それによって、組み立ての最後にガスケット60を変形させる、という前記上部延長部分65を形成することが可能になる。
【0033】
図20および図22乃至24はもう1つの実施の形態を示しており、この形態において、ピストンは容器10のネック11の内側と外側との両方に固定されている。図20乃至22を参照する。図22は図20の細部Eの拡大図である。注目すべき点として、ピストン40は外部スナップ留めプロフィール120を有し、前記プロフィール120は容器のネック11の外部に設けられた対応するプロフィールと協働し、前記容器のネックはその内面にフランジまたはその他の内側プロフィールをさらに有し、これらはピストン40と協働して密封を実現するよう作られている。当然のことながら、プロフィールは容器のネック11ではなくピストン40に設けてもよい。したがって、この実施の形態においては、容器のネックの外側へのスナップ留めとネックの内側への圧力嵌めとによって固定が実現される。
【0034】
図23は変形例の実施の形態を示しており、この形態において、ピストン40は容器の内側と外側との両方へのスナップ留めによりネック11に固定される。この実施の形態において、ピストン40は外側スナップ留めプロフィール110と内側スナップ留めプロフィール120とを有し、これらはそれぞれ容器11のネックの対応するプロフィール15、16と協働する。
【0035】
最後に、図24の実施の形態において、容器10のネック11の上側エッジは2本の軸方向のブランチ18、19を有し、前記ブランチはほぼ平行で、それぞれがピストン40と、好ましくは両ブランチの間に置かれたガスケット60と協働する。この実施の形態において、片方のブランチ18の内側でスナップ留めを実現し、もう一方のブランチは前記ガスケット60を支持する、ということにしてもよい。当然のことながら、こうした複雑な形の容器のネックを持たない固定および密封手段を考えることもできる。注目すべき点として、ポンプ本体の容器への固定には内外二重スナップ留めを用いてもよい。
【0036】
このように、本発明によって作られる流体投与装置は、組み立てが簡易かつ容易であって、ポンプの動作に対するリスクが組み立てに全く見当たらず、特にポンプ本体50のスライド面または前記ポンプ本体50の中でスライド移動可能な密封部分41におけるピストン40そのもののスライド面を決して傷付けない。それどころか逆に、容器に固定されるのはポンプ本体である、という従来の装置とは対照的に、ピストン40を容器に直接固定するので、その結果として、安全、簡易、かつ信頼性のある形での固定をさまざまな異なった方法で実現することが可能になる。また、この実施の形態の別の効果として、本発明では定量またはポンプチャンバ30を投与開口部21のすぐ上流に形成することができ、それにより閉鎖部材55と定量チャンバ30の出口弁とを単一部品として作ることが可能になる。したがって、既存の多くの装置の場合に見られる、定量チャンバの出口弁と、それから、投与ヘッドを貫通する形で延びる放出チャネルの後ろで投与開口部に別個に置かれる閉鎖部材とは、もはや設ける必要がない。そのため、本発明により、さらにコンパクトで、より少ない構成部品から成り、そのためより低コストである、というポンプを作ることが可能になる。加えて、本発明はスプリング80を1つのみ有し、前記スプリング80は、ポンプを戻し閉鎖部材55を閉じる戻しスプリングとして働く。一方、既存の装置においては、投与開口部21のすぐ上流に置かれる形で閉鎖部材が存在する場合は、通常2つのスプリングがあり、そのうち一方は閉鎖部材を閉位置の方へ押しやり、もう一方はピストンをその休止位置の方へ戻す。つまりこの点で、本発明によれば、従来技術のポンプの改善と簡易化との両方が可能になる。
【0037】
本発明について、いくつかの変形例の実施の形態および図を参照しながらここまで説明してきたが、当然のことながら、前記さまざまな変形例の形態は限定的なものではなく、それどころか逆に、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱しない形でさまざまな変形を施すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の効果的な実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て前における概略側面図である。
【図2】本発明の効果的な実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て後における概略側面図である。
【図3】(a)固定手段の変形例の実施の形態の組み立て前における詳細図である。 (b)固定手段の変形例の実施の形態の組み立て後における詳細図である。
【図4】図3bと同様の図であって、固定手段の別の変形例の実施の形態を組み立て後の状態において示す図である。
【図5】本発明の別の効果的な実施の形態を構成する流体投与装置の概略部分断面図である。
【図6】本発明の流体投与装置のもう1つの変形例の実施の形態の部分断面図である。
【図7】図5と同様の図であって、固定手段のもう1つの変形例の実施の形態を組み立て位置において示す図である。
【図8】図5および7と同様の図であって、本発明のさらに別の変形例の実施の形態を示す図である。
【図9】本発明のさらに別の変形例の実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て前における概略断面図である。
【図10】本発明のさらに別の変形例の実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て後における概略断面図である。
【図11】(a)図9の細部Aの拡大概略断面図である。 (b)図10の細部Bの拡大概略断面図である。
【図12】(a)図11(a)と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。 (b)図11(b)と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。
【図13】(a)図12(a)と同様の図であって、本発明の別の変形例の実施の形態を示す図である。 (b)図12(b)と同様の図であって、本発明の別の変形例の実施の形態を示す図である。
【図14】本発明のさらに別の実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て前における概略断面図である。
【図15】本発明のさらに別の実施の形態を構成する流体投与装置の組み立て後における概略断面図である。
【図16】図14の細部Cの概略断面図である。
【図17】図15の細部Dの概略断面図である。
【図18】図16と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。
【図19】図17と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。
【図20】本発明のさらに別の実施の形態を構成する流体投与装置の概略断面図である。
【図21】図20と同様の図であって、やはり本発明のさらに別の実施の形態を示す図である。
【図22】図20の細部Eの概略断面図である。
【図23】図22と同様の図であって、本発明の変形例の実施の形態を示す図である。
【図24】本発明の固定手段のさらに別の変形例の部分概略断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体投与装置であって、
容器(10)と、投与開口部(21)が組み込まれた投与ヘッド(20)と、定量チャンバ(30)と、そして前記定量チャンバ(30)の中で休止位置と投与位置との間をスライド移動することができるピストン(40)とを有し、前記ピストン(40)は、前記容器(10)に静止した形で設置され、
特徴となるのは、
前記ピストンが、前記容器(10)および/あるいは前記容器(10)に固定されるよう作られた固定手段(100)と一体化された形で作られていることである、
という装置。
【請求項2】
前記ピストン(40)は、固定手段(100)により容器(10)に固定され、前記固定手段(100)は前記ピストン(40)に一体化された形で接続されていること、
を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記固定手段(100)は、スナップ留め、圧力嵌め、あるいはネジ留め手段であること、
を特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ピストン(40)は、前記容器(10)のネック(11)の外側に固定されていること、
を特徴とする請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記ピストン(40)は、容器(10)のネック(11)の内部に固定されていること、
を特徴とする請求項2または3に記載の装置。
【請求項6】
前記ピストン(40)は、前記容器(10)のネック(11)の外側と内側との両方に固定されていること、
を特徴とする請求項2または3に記載の装置。
【請求項7】
前記ピストン(40)は前記容器(10)と一体化された形で作られていること、
を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ピストン(40)は、投与ヘッド(20)内に配置されたポンプ本体(50)の中でスライド移動すること、
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記ポンプ本体(50)は閉鎖部材(55)の一部分を形成しており、前記部材(55)は、前記投与ヘッド(20)の中で投与開口部(21)の閉位置と開位置との間をスライド移動できるものであること、
を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記閉鎖部材(55)は第2のピストン(58)を有し、前記ピストン(58)は前記投与ヘッド(20)のシリンダ(28)の中でスライド移動できること、
を特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ピストン(40)は、ポンプチャンバ(30)の入り口弁(45)を有すること、
を特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
ガスケット(60)がピストン(40)と容器(10)との間に置かれた形で、前記ピストン(40)は容器(10)に固定されていること、
を特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記ガスケット(60)は、前記ピストン(40)の前記容器(10)への固定中に変形されること、
を特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ピストン(40)は固定手段(100)を有し、前記固定手段(100)は容器(10)のネック(11)の外側と協働し、前記ガスケット(60)は前記ネック(11)の内側と協働すること、
を特徴とする請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
ピストン(40)は固定手段(100)を有し、前記固定手段(100)は容器(10)のネック(11)の内部と協働すること、
を特徴とする請求項12または13に記載の装置。
【請求項16】
前記固定手段(100)は前記ガスケット(60)を有し、前記ガスケット(60)は、ピストン(40)と容器(10)のネック(11)の内側との間で変形し、それによって、ピストン(40)は前記ネック(11)に耐漏洩様態の圧力嵌めの形で固定されること、
を特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
容器(10)のネック(11)の内面とピストン(40)の対応する外面とのうち一方は密封プロフィール(70)を有し、前記プロフィール(70)は設置された状態において、前記ガスケット(60)、好ましくは前記ガスケット(60)の相補的な密封プロフィール(61)、と協働すること、
を特徴とする請求項14または16に記載の装置。
【請求項18】
前記ガスケット(60)は突起部分(65)を有し、ピストン(40)が圧力嵌めされる間に、前記部分(65)自体が容器(10)のネック(11)の下方、前記容器の内部で変形され、それによってピストン(40)を永続的な形で固定すること、
を特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記ピストン(40)はスナップ留め手段(110、120)を有し、前記手段(110、120)は前記容器(10)のネック(11)の内面および/あるいは外面と協働すること、
を特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記スナップ留め手段(110、120)はスナップ留めプロフィール(110、120)で成り、前記プロフィール(110、120)は前記ネック(11)の中に、またはこれを囲む形でスナップ留めされるよう作られていること、
を特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ネック(11)は相補的なスナップ留めプロフィール(15、16)を有し、前記プロフィール(15、16)は前記ピストン(40)の前記スナップ留めプロフィール(110、120)と協働すること、
を特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
ピストン(40)はネジスレッド(80)を有し、前記スレッド(80)は容器(10)のネック(11)の内側または外側に設けられた対応するスレッド(85)と協働すること、
を特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記スレッド(80、85)のうち少なくとも1つは、ネジが外れるのを防止する手段を、つぶれ部分などの形で有すること、
を特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ピストン(40)は第1のスナップ留め手段(110)と第2のスナップ留め手段(120)とを有し、前記第1のスナップ留め手段(110)は容器(10)のネック(11)の内部と協働し、前記第2のスナップ留め手段(120)は前記ネック(11)の外部と協働すること、
を特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記ネック(11)の内部および/あるいは外部は、相補的なスナップ留めプロフィール(15、16)を有すること、
を特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
容器(10)のネック(11)の上側エッジは、2本の軸方向のブランチ(18、19)を有し、前記ブランチ(18、19)は、好ましくはガスケット(60)が間に置かれた形で、それぞれ前記ピストン(40)と協働すること、
を特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記固定手段(110、120)は、ピストンに直接形成されていること、
を特徴とする請求項20または21に記載の装置。
【請求項28】
ブッシング(150)は、ピストン(40)と前記容器(10)のネック(11)との間に置かれていること、
を特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
前記スナップ留め手段(110)は前記ブッシング(150)に形成されていること、
を特徴とする請求項28、および20または21に記載の装置。
【請求項30】
ガスケット(60)は、前記ブッシング(150)と容器(10)のネック(11)との間に置かれていること、
を特徴とする請求項28または29に記載の装置。
【請求項31】
前記ピストン(40)は、前記容器(10)のネック(11)の内部に直接圧力嵌めされていること、
を特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載の装置。
【請求項1】
流体投与装置であって、
容器(10)と、投与開口部(21)が組み込まれた投与ヘッド(20)と、定量チャンバ(30)と、そして前記定量チャンバ(30)の中で休止位置と投与位置との間をスライド移動することができるピストン(40)とを有し、前記ピストン(40)は、前記容器(10)に静止した形で設置され、
特徴となるのは、
前記ピストンが、前記容器(10)および/あるいは前記容器(10)に固定されるよう作られた固定手段(100)と一体化された形で作られていることである、
という装置。
【請求項2】
前記ピストン(40)は、固定手段(100)により容器(10)に固定され、前記固定手段(100)は前記ピストン(40)に一体化された形で接続されていること、
を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記固定手段(100)は、スナップ留め、圧力嵌め、あるいはネジ留め手段であること、
を特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ピストン(40)は、前記容器(10)のネック(11)の外側に固定されていること、
を特徴とする請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記ピストン(40)は、容器(10)のネック(11)の内部に固定されていること、
を特徴とする請求項2または3に記載の装置。
【請求項6】
前記ピストン(40)は、前記容器(10)のネック(11)の外側と内側との両方に固定されていること、
を特徴とする請求項2または3に記載の装置。
【請求項7】
前記ピストン(40)は前記容器(10)と一体化された形で作られていること、
を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ピストン(40)は、投与ヘッド(20)内に配置されたポンプ本体(50)の中でスライド移動すること、
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記ポンプ本体(50)は閉鎖部材(55)の一部分を形成しており、前記部材(55)は、前記投与ヘッド(20)の中で投与開口部(21)の閉位置と開位置との間をスライド移動できるものであること、
を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記閉鎖部材(55)は第2のピストン(58)を有し、前記ピストン(58)は前記投与ヘッド(20)のシリンダ(28)の中でスライド移動できること、
を特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ピストン(40)は、ポンプチャンバ(30)の入り口弁(45)を有すること、
を特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
ガスケット(60)がピストン(40)と容器(10)との間に置かれた形で、前記ピストン(40)は容器(10)に固定されていること、
を特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記ガスケット(60)は、前記ピストン(40)の前記容器(10)への固定中に変形されること、
を特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ピストン(40)は固定手段(100)を有し、前記固定手段(100)は容器(10)のネック(11)の外側と協働し、前記ガスケット(60)は前記ネック(11)の内側と協働すること、
を特徴とする請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
ピストン(40)は固定手段(100)を有し、前記固定手段(100)は容器(10)のネック(11)の内部と協働すること、
を特徴とする請求項12または13に記載の装置。
【請求項16】
前記固定手段(100)は前記ガスケット(60)を有し、前記ガスケット(60)は、ピストン(40)と容器(10)のネック(11)の内側との間で変形し、それによって、ピストン(40)は前記ネック(11)に耐漏洩様態の圧力嵌めの形で固定されること、
を特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
容器(10)のネック(11)の内面とピストン(40)の対応する外面とのうち一方は密封プロフィール(70)を有し、前記プロフィール(70)は設置された状態において、前記ガスケット(60)、好ましくは前記ガスケット(60)の相補的な密封プロフィール(61)、と協働すること、
を特徴とする請求項14または16に記載の装置。
【請求項18】
前記ガスケット(60)は突起部分(65)を有し、ピストン(40)が圧力嵌めされる間に、前記部分(65)自体が容器(10)のネック(11)の下方、前記容器の内部で変形され、それによってピストン(40)を永続的な形で固定すること、
を特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記ピストン(40)はスナップ留め手段(110、120)を有し、前記手段(110、120)は前記容器(10)のネック(11)の内面および/あるいは外面と協働すること、
を特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記スナップ留め手段(110、120)はスナップ留めプロフィール(110、120)で成り、前記プロフィール(110、120)は前記ネック(11)の中に、またはこれを囲む形でスナップ留めされるよう作られていること、
を特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ネック(11)は相補的なスナップ留めプロフィール(15、16)を有し、前記プロフィール(15、16)は前記ピストン(40)の前記スナップ留めプロフィール(110、120)と協働すること、
を特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
ピストン(40)はネジスレッド(80)を有し、前記スレッド(80)は容器(10)のネック(11)の内側または外側に設けられた対応するスレッド(85)と協働すること、
を特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記スレッド(80、85)のうち少なくとも1つは、ネジが外れるのを防止する手段を、つぶれ部分などの形で有すること、
を特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ピストン(40)は第1のスナップ留め手段(110)と第2のスナップ留め手段(120)とを有し、前記第1のスナップ留め手段(110)は容器(10)のネック(11)の内部と協働し、前記第2のスナップ留め手段(120)は前記ネック(11)の外部と協働すること、
を特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記ネック(11)の内部および/あるいは外部は、相補的なスナップ留めプロフィール(15、16)を有すること、
を特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
容器(10)のネック(11)の上側エッジは、2本の軸方向のブランチ(18、19)を有し、前記ブランチ(18、19)は、好ましくはガスケット(60)が間に置かれた形で、それぞれ前記ピストン(40)と協働すること、
を特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記固定手段(110、120)は、ピストンに直接形成されていること、
を特徴とする請求項20または21に記載の装置。
【請求項28】
ブッシング(150)は、ピストン(40)と前記容器(10)のネック(11)との間に置かれていること、
を特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
前記スナップ留め手段(110)は前記ブッシング(150)に形成されていること、
を特徴とする請求項28、および20または21に記載の装置。
【請求項30】
ガスケット(60)は、前記ブッシング(150)と容器(10)のネック(11)との間に置かれていること、
を特徴とする請求項28または29に記載の装置。
【請求項31】
前記ピストン(40)は、前記容器(10)のネック(11)の内部に直接圧力嵌めされていること、
を特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2008−502469(P2008−502469A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516016(P2007−516016)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050454
【国際公開番号】WO2006/003343
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(502343252)バルワー エス.アー.エス. (144)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050454
【国際公開番号】WO2006/003343
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(502343252)バルワー エス.アー.エス. (144)
【Fターム(参考)】
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