説明

流体機器の加工方法

【課題】流体が流通する2つの通路が斜めに交差する流体機器において、2つの通路が交差する部位の破損を防止する。
【解決手段】一方の通路13aに加工電極50を挿入して鋭角側交差部130xの電解加工を行う場合、加工電極50を挿入していない他方の通路13c側は加工電極50から遠いため電解加工ができず面あれを発生し、この面あれ部を起点として鋭角側交差部130xが破損し易い。そこで、鋭角側交差部130xを、第1通路13aに挿入される第1加工電極50と第2通路13cに挿入される第2加工電極51とを用いて電解加工する。このようにすれば、鋭角側交差部130x全体において加工電極50、51との距離が近いため、鋭角側交差部130x全体において面粗度を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧の流体が流通する通路を有する流体機器の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮着火式内燃機関に燃料を噴射するための燃料噴射装置は、燃料を加圧してコモンレールに供給するサプライポンプを備えている。そのサプライポンプは、シリンダにプランジャ挿入孔が形成され、このプランジャ挿入孔にプランジャが挿入され、シリンダとプランジャによってポンプ室が形成されている。そして、シリンダ内でプランジャが往復動してポンプ室内の燃料が加圧され、シリンダに形成された吐出通路を介して高圧燃料がコモンレール側に吐出されるようになっている。
【0003】
このサプライポンプは、ポンプ室内の燃料が加圧されると、シリンダは燃料圧力によりシリンダ径方向(以下、径方向と略す)外側に膨らむため、ポンプ室に臨むシリンダ内周面にはシリンダ周方向(以下、周方向と略す)の引張応力が発生する。ここで、図7は、従来のサプライポンプにおけるプランジャ挿入孔が形成された部位のシリンダ内周面の展開図であり、図中の多数の矢印は、ポンプ室内の燃料が加圧されたときに発生する引張応力の方向を示している。
【0004】
そして、この図7に示すように、プランジャ挿入孔(通路に相当)と吐出通路13cとが交差する交差部13xには、周方向の引張応力が集中して高応力が発生し、この高応力部を起点に疲労破壊が起こり、交差部13xの破損が生じる虞がある。
【0005】
一方、特許文献1では、交差する2つの通路を有するアキュムレータ(すなわち、コモンレール)において、一方の通路に加工電極を挿入して電解加工を行い、2つの通路が交差する公差部に丸みを持たせることにより、交差部の面粗度の向上(すなわち、面粗度を小さくする)及び応力の分散を図って交差部の破損を防ぐ方法が提案されている。
【特許文献1】特表2003−512559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、2つの通路が垂直に交差する場合には交差部の破損対策として有効であるが、2つの通路が斜めに交差する場合には交差部の破損対策として充分ではなかった。
【0007】
すなわち、図8に示すように、2つの通路13a、13cが斜めに交差する場合には、交差部13xのうち鋭角側交差部130xに特に高い応力が発生するため、2つの通路が垂直に交差する場合よりも交差部の破損が発生しやすくなる。
【0008】
また、一方の通路13aに加工電極50を挿入して鋭角側交差部130xの電解加工を行う場合、加工電極50を挿入していない他方の通路13c側は加工電極50から遠いため電解加工ができず面あれを発生し、この面あれ部132xを起点として鋭角側交差部130xが破損するという問題が生じている。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、流体が流通する2つの通路が斜めに交差する流体機器において、2つの通路が交差する部位の破損を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、斜めに交差する第1通路(13a)と第2通路(13c)との交差部(13x)のうち鋭角側交差部(130x)を、第1通路(13a)に挿入される第1加工電極(50)と第2通路(13c)に挿入される第2加工電極(51)とを用いて電解加工することを特徴とする。
【0011】
このようにすれば、鋭角側交差部(130x)全体において加工電極(50、51)との距離が近いため、鋭角側交差部(130x)全体において電解加工が可能になり、鋭角側交差部(130x)全体において面粗度を小さくすることができるとともに、鋭角側交差部(130x)の応力を分散させることができ、ひいては鋭角側交差部(130x)の破損を防止することができる。
【0012】
この場合、一方の加工電極のみを用いて電解加工した後に、2つの加工電極(50、51)を用いて電解加工することができる。
【0013】
ところで、電解加工の条件によっては(例えば、加工の時間が長い場合)、主に一方の加工電極で電解加工される領域と主に他方の加工電極で電解加工される領域との境界部に、図4に示すような先端が先細りした形状の凸部60が形成されることがある。この場合には凸部に応力が集中しやすくなるため、鋭角側交差部(130x)の破損を防止するうえで望ましくない。
【0014】
そこで、一方の加工電極のみを用いて電解加工して、鋭角側交差部(130x)における先端角部(すなわち、凸部が形成される部位の近傍)の材料を予め除去することにより、その後2つの加工電極(50、51)を用いて電解加工した際に凸部が形成され難くなり、鋭角側交差部(130x)の応力を分散させることができる。
【0015】
また、鋭角側交差部(130x)における先端角部(131x)を切削加工にて除去した後に、2つの加工電極(50、51)を用いて電解加工することができる。
【0016】
これによると、鋭角側交差部(130x)における先端角部(131x)の材料を予め除去することにより、その後2つの加工電極(50、51)を用いて電解加工した際に凸部が形成され難くなり、鋭角側交差部(130x)の応力を分散させることができる。
【0017】
また、電解加工を行う際、基材(13)と加工電極(50、51)間に断続的に通電することができる。
【0018】
ところで、基材(13)と加工電極(50、51)間に連続的に通電する場合は、溶解した材料が鋭角側交差部(130x)に残って面荒れが発生しやすいが、基材(13)と加工電極(50、51)間に断続的に通電した場合は、通電時に溶解した材料は非通電時に電解液によって鋭角側交差部(130x)から他の部位に流されるため、鋭角側交差部(130x)の面荒れが発生し難い。
【0019】
また、第1通路(13a)から第2通路(13c)に向かって電解液を流しつつ、2つの加工電極(50、51)のうち第1加工電極(50)のみを用いて電解加工した後に、2つの加工電極(50、51)を用いて電解加工することができる。
【0020】
これによると、第1加工電極(50)のみを用いて電解加工する際、第1加工電極(50)から発生した陰イオンが電解液によって鋭角側交差部(130x)側に導かれるため、鋭角側交差部(130x)における先端角部の材料が確実に除去される。したがって、その後2つの加工電極(50、51)を用いて電解加工した際に凸部が形成され難くなり、鋭角側交差部(130x)の応力を分散させることができる。
【0021】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1(a)は本実施形態に係る加工方法を適用したポンプの電解加工前の状態を示す要部の断面図、図1(b)は電解加工後の状態を示す要部の断面図である。このポンプは、圧縮着火式内燃機関に燃料を噴射するための燃料噴射装置において、高圧の燃料を蓄えるコモンレールに高圧の燃料を供給するサプライポンプとして用いられる。
【0023】
図1に示すように、金属製のシリンダ13には、円柱状のプランジャ挿入孔13aが形成されており、このプランジャ挿入孔13aに、円柱状のプランジャ(図示せず)が往復動自在に挿入される。そして、プランジャの上端面とシリンダ13の内周面とによりポンプ室15が形成される。なお、シリンダ13は、本発明の基材に相当する。また、プランジャ挿入孔13aは、本発明の第1通路に相当する。
【0024】
シリンダ13の側面には、ポンプ室15に常時連通する吐出通路13cが形成されている。そして、ポンプ室15は、この吐出通路13cおよび図示しない高圧燃料配管を介して図示しないコモンレールに接続されている。
【0025】
吐出通路13cは、プランジャ挿入孔13aに対して斜めに交差しており、このプランジャ挿入孔13aと吐出通路13cとが交差する交差部13xは、電解加工によって金属材料が除去される(詳細後述)。なお、吐出通路13cは、本発明の第2通路に相当する。
【0026】
次に、交差部13xの電解加工について説明する。吐出通路13cはプランジャ挿入孔13aに対して斜めに交差しているため、プランジャ挿入孔13aと吐出通路13cとが交差する交差部13xの一部は、鋭角な交差部となる。以下、この鋭角な交差部を鋭角側交差部130xという。
【0027】
本実施形態では、図1(a)に示すように、2つの加工電極50、51を用いて、鋭角側交差部130xの電解加工を行う。第1加工電極50の一端は、プランジャ挿入孔13aに挿入され、鋭角側交差部130xにおけるプランジャ挿入孔13a側の面に対向して配置される。第2加工電極51の一端は、吐出通路13cに挿入され、鋭角側交差部130xにおける吐出通路13c側の面に対向して配置される。
【0028】
そして、図示しない直流電源の−極に2つの加工電極50、51の他端を接続し、直流電源の+極にシリンダ13を接続して、2つの加工電極50、51とシリンダ13間に電圧を加えるとともに、鋭角側交差部130xに電解液を流すことにより、図1(b)に示すように、鋭角側交差部130xの金属材料が溶解される。なお、この電解加工を行う際、2つの加工電極50、51とシリンダ13間に連続的に通電してもよいし、あるいは、2つの加工電極50、51とシリンダ13間に断続的に通電してもよい(所謂、パルス電解加工でもよい)。
【0029】
ここで、鋭角側交差部130x全体(すなわち、鋭角側交差部130xにおけるプランジャ挿入孔13a側の領域および鋭角側交差部130xにおける吐出通路13c側の領域)において加工電極50、51との距離が近いため、鋭角側交差部130x全体において電解加工が確実に行われる。これにより、鋭角側交差部130x全体において面粗度が小さくなるとともに、鋭角側交差部130xの応力が分散されるため、鋭角側交差部130xの破損を防止することができる。
【0030】
また、2つの加工電極50、51とシリンダ13間に連続的に通電する場合は、溶解した金属材料が鋭角側交差部130xに残って面荒れが発生しやすいが、2つの加工電極50、51とシリンダ13間に断続的に通電した場合は、通電時に溶解した金属材料は非通電時に電解液によって鋭角側交差部130xから他の部位に流されるため、鋭角側交差部130xの面荒れが発生し難い。
【0031】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図2(a)は本実施形態に係る加工方法における電解加工前の状態を示す断面図、図2(b)は電解加工の中間状態を示す断面図、図2(c)は電解加工後の状態を示す断面図である。第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0032】
ところで、電解加工の条件によっては(例えば、加工の時間が長い場合)、図3に示すように、主に第1加工電極50で電解加工される領域と主に第2加工電極51で電解加工される領域との境界部に、先端が先細りした形状の凸部60が形成されることがある。この場合には凸部60に応力が集中しやすくなるため、鋭角側交差部130xの破損を防止するうえで望ましくない。本実施形態は、このような凸部60が形成されることを防止するようにしたものである。
【0033】
本実施形態では、以下述べるように、2つの加工電極50、51のうち第1加工電極50のみを用いて鋭角側交差部130xの電解加工を行った後に、2つの加工電極50、51を用いて鋭角側交差部130xの電解加工を行う。
【0034】
まず、第1加工電極50の一端を、プランジャ挿入孔13aに挿入し、鋭角側交差部130xにおけるプランジャ挿入孔13a側の面に対向して配置する(図2(a)参照)。
【0035】
続いて、第1加工電極50とシリンダ13間に電圧を加えるとともに、鋭角側交差部130xに電解液を流して、第1電解加工工程を実施する。これにより、図2(b)に示すように、鋭角側交差部130xにおけるプランジャ挿入孔13a側の面の金属材料が溶解され、鋭角側交差部130xにおける先端角部131x(すなわち、凸部60が形成される部位の近傍)の金属材料も除去される。
【0036】
続いて、図2(c)に示すように、第2加工電極51の一端を、吐出通路13cに挿入し、鋭角側交差部130xにおける吐出通路13c側の面に対向して配置する。そして、2つの加工電極50、51とシリンダ13間に電圧を加えるとともに、鋭角側交差部130xに電解液を流して、第2電解加工工程を実施する。これにより、鋭角側交差部130xの金属材料が溶解される。
【0037】
そして、第1電解加工工程にて鋭角側交差部130xにおける先端角部131xの金属材料が予め除去されているため、第2電解加工工程を実施した際に凸部60が形成され難くなる。
【0038】
なお、本実施形態の第1電解加工工程では、第1加工電極50の代わりに第2加工電極51を用い、第2加工電極51を吐出通路13cに挿入して電解加工を行ってもよい。この場合においても、第1電解加工工程にて鋭角側交差部130xにおける先端角部131xの金属材料が予め除去されるため、第2電解加工工程を実施した際に凸部60が形成され難くなる。
【0039】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図4は本実施形態に係る加工方法を示す断面図である。第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
本実施形態では、まず図4(a)に示すように、図示しないドリル盤に装着したドリル70の一端をプランジャ挿入孔13aに挿入し、図4(b)に示すようにドリル70による切削加工にて鋭角側交差部130xにおける先端角部131xを除去する。
【0041】
続いて、図4(c)に示すように、第1加工電極50の一端を、プランジャ挿入孔13aに挿入し、鋭角側交差部130xにおけるプランジャ挿入孔13a側の面に対向して配置するとともに、第2加工電極51の一端を、吐出通路13cに挿入し、鋭角側交差部130xにおける吐出通路13c側の面に対向して配置する。そして、2つの加工電極50、51とシリンダ13間に電圧を加えるとともに、鋭角側交差部130xに電解液を流して、電解加工工程を実施する。これにより、鋭角側交差部130xの金属材料が溶解される。
【0042】
そして、切削加工工程にて鋭角側交差部130xにおける先端角部131xの金属材料が予め除去されているため、電解加工工程を実施した際に凸部60が形成され難くなる。
【0043】
なお、切削加工工程では鋭角側交差部130xにおける先端角部131xの金属材料が除去されればよいため、プランジャ挿入孔13aの軸線に対する先端角部131xの切削面の角度(すなわち、プランジャ挿入孔13aの軸線に対するドリル70の軸線の角度)は任意に設定することができる。
【0044】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。図5は本実施形態に係る加工方法を示す断面図である。第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
本実施形態では、まず図5(a)に示すように図示しないスロッターに装着したスロッターバイト80の一端をプランジャ挿入孔13aに挿入し、図5(b)に示すようにスロッターバイト80による切削加工にて鋭角側交差部130xにおける先端角部131xを除去する。
【0046】
続いて、図5(c)に示すように、第1加工電極50の一端を、プランジャ挿入孔13aに挿入し、鋭角側交差部130xにおけるプランジャ挿入孔13a側の面に対向して配置するとともに、第2加工電極51の一端を、吐出通路13cに挿入し、鋭角側交差部130xにおける吐出通路13c側の面に対向して配置する。そして、2つの加工電極50、51とシリンダ13間に電圧を加えるとともに、鋭角側交差部130xに電解液を流して、電解加工工程を実施する。これにより、鋭角側交差部130xの金属材料が溶解される。
【0047】
そして、切削加工工程にて鋭角側交差部130xにおける先端角部131xの金属材料が予め除去されているため、電解加工工程を実施した際に凸部60が形成され難くなる。
【0048】
なお、切削加工工程では鋭角側交差部130xにおける先端角部131xの金属材料が除去されればよいため、プランジャ挿入孔13aの軸線に対する先端角部131xの切削面の角度は任意に設定することができる。
【0049】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。図6(a)は本実施形態に係る加工方法における電解加工前の状態を示す断面図、図6(b)は電解加工の中間状態を示す断面図である。第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
本実施形態は、第2実施形態における第1電解加工工程、すなわち、第1加工電極50のみを用いて鋭角側交差部130xの電解加工を行う工程での、電解液の流れ向きを規定したものである。
【0051】
本実施形態では、図6(a)に矢印Aで示すように、プランジャ挿入孔13a側から吐出通路13cに向かって電解液を流すようにしている。そして、第1加工電極50の一端を、電解液の流入側であるプランジャ挿入孔13aに挿入し、鋭角側交差部130xにおけるプランジャ挿入孔13a側の面に対向して配置する。
【0052】
続いて、プランジャ挿入孔13a側から吐出通路13cに向かって電解液を流しつつ、第1加工電極50とシリンダ13間に電圧を加えて、第1電解加工工程を実施する。ここで、電解加工においては、加工電極から発生した陰イオンが電解液を通って移動し、その陰イオンがワークに到達すると陰イオンとワークが反応してワークが溶解される。そして、本実施形態では、第1加工電極50を、電解液の流入側であるプランジャ挿入孔13aに挿入しているため、第1加工電極50から発生した陰イオンは電解液によって鋭角側交差部130x側に導かれる。したがって、図6(b)に示すように、鋭角側交差部130xにおける先端角部131x(図6(a)参照)の金属材料が確実に除去される。
【0053】
続いて、第2実施形態と同様に、2つの加工電極50、51を用いて第2電解加工工程を実施する。そして、第1電解加工工程にて鋭角側交差部130xにおける先端角部131xの金属材料が予め除去されているため、第2電解加工工程を実施した際に凸部60(図3参照)が形成され難くなる。
【0054】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、燃料噴射装置のサプライポンプに本発明を適用した例を示したが、高圧の流体が流通する通路を有する流体機器に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る加工方法における電解加工前の状態を示す断面図、(b)は電解加工後の状態を示す断面図である。
【図2】(a)は本発明の第2実施形態に係る加工方法における電解加工前の状態を示す断面図、(b)は電解加工の中間状態を示す断面図、(c)は電解加工後の状態を示す断面図である。
【図3】電解加工後に凸部60が残る例を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る加工方法を示す断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る加工方法を示す断面図である。
【図6】(a)は本発明の第5実施形態に係る加工方法における電解加工前の状態を示す断面図、(b)は電解加工の中間状態を示す断面図である。
【図7】従来のサプライポンプにおけるシリンダ内周面の展開図である。
【図8】課題の説明に供するための流体機器の加工方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0056】
13 シリンダ(基材)
13a プランジャ挿入孔(第1通路)
13c 吐出通路(第2通路)
13x 交差部
50 第1加工電極
51 第2加工電極
130x 鋭角側交差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通する第1通路(13a)と第2通路(13c)が斜めに交差して形成された基材(13)を有する流体機器の加工方法であって、
前記第1通路(13a)と前記第2通路(13c)との交差部(13x)のうち鋭角側交差部(130x)を、前記第1通路(13a)に挿入される第1加工電極(50)と前記第2通路(13c)に挿入される第2加工電極(51)とを用いて電解加工することを特徴とする流体機器の加工方法。
【請求項2】
前記2つの加工電極(50、51)のうち一方の加工電極のみを用いて電解加工した後に、前記2つの加工電極(50、51)を用いて電解加工することを特徴とする請求項1に記載の流体機器の加工方法。
【請求項3】
前記鋭角側交差部(130x)における先端角部(131x)を切削加工にて除去した後に、前記2つの加工電極(50、51)を用いて電解加工することを特徴とする請求項1に記載の流体機器の加工方法。
【請求項4】
前記電解加工を行う際、前記基材(13)と前記加工電極(50、51)間に断続的に通電することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の流体機器の加工方法。
【請求項5】
前記第1通路(13a)から前記第2通路(13c)に向かって電解液を流しつつ、前記2つの加工電極(50、51)のうち前記第1加工電極(50)のみを用いて電解加工した後に、前記2つの加工電極(50、51)を用いて電解加工することを特徴とする請求項1に記載の流体機器の加工方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の流体機器の加工方法を用いて流体機器を製造することを特徴とする流体機器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−148873(P2009−148873A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158977(P2008−158977)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】