説明

流体注入装置

【課題】流体のガスへの及び液体への改善された分離を行い、コンテナ内におけるガスの均一な分配を実現することが可能な、コンテナ内に流体を分配するための装置を提供すること。
【解決手段】コンテナ3の内部スペース4内に流体2を案内及び分配するための装置1が、注入通路5及び分配通路6を備え、注入通路5は、流体が注入通路5から分配通路6内に誘導され得るように、分配通路6内に開口する。分配通路6は、少なくとも1つの排出開口11、12を有するジャケット10を有する。注入通路5は、分配通路6のジャケット10中に設置された少なくとも1つの開口8を介して分配通路6に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載のコンテナ内に流体、とりわけ液体を含むガスを案内及び分配するための、装置及び方法に関する。このコンテナは、デバイス又は分離デバイスとして作製することが可能である。さらに、本発明は、かかる装置を有するコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナ内に流体を案内する最も簡易な可能な手段は、コンテナ壁部に装着された注入スタブである。流体は、液滴の形態にて細かい状態で分散された液体を含むガスである。コンテナ内への流体のこの分配は、注入スタブの下流においては作用を受けられない。流体は、コンテナの内部スペース内に均一には分配されない。例えば特許文献1などにより、流体の分配を改善した流体注入装置が知られている。この装置は、注入スタブに接合され、コンテナのほぼ全直径にわたって延在する垂直方向の通路を備える。この分配通路は、複数のガイド・プレートを有する。ガイド・プレートはそれぞれ、第1の流体の一部の流れのそれぞれを位置合わせし、この第1の流体を実質的に90°だけ偏向させる。これにより、流体は、コンテナの左側及び右側にて、コンテナ内に案内される。同時に、残留液体の一部分を含むガスとしてガイド・プレートを去る流体からの、液体の分離が行われる。
【0003】
ガスは、コンテナを通り流れ、接触表面に到達し、そこにおいて、ガスと残留液体とは、それらの密度差によって分離される。液体は、この接触表面にて分離され、ガスは、接触表面を通り流れる。この接触表面は、例えば編成セパレータとして作製され得る。
【0004】
特許文献1による装置においては、ガスがコンテナ内により均一に分配されることにより、注入スタブに関する改善が見られる。しかし、液体のこの分離は、十分には行われず、液体が、接触表面の下流に配置されたコンテナの部分内に引き込まれることが判明している。
【0005】
さらに、特許文献1による装置の下流のコンテナの断面は、ガスの流速が、断面の残りの部分においてよりも速い、それぞれの2つの領域を有することが判明している。
【0006】
つまり、特許文献1による装置は、コンテナ壁部における従来の注入スタブに対しては改善が明らかに見られるが、コンテナ内におけるガスの非均一な分配、いわゆる不均衡分配が依然としてあり、装置の下流に位置するコンテナの部分内に液体が引き込まれるために、依然として不十分なものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第06/122940号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、流体のガスへの及び液体への改善された分離を行い、コンテナ内におけるガスの均一な分配を実現することが可能な、コンテナ内に流体を分配するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、コンテナの内部スペース内に流体を案内及び分配するための装置によって果たされる。この装置は、注入通路及び分配通路を備える。注入通路は、流体が注入通路から分配通路内に誘導され得るように、分配通路内に開口する。分配通路は、少なくとも1つの排出開口を有するジャケットを有する。注入通路は、分配通路のジャケット中に設置された少なくとも1つの開口を介して分配通路に連結される。したがって、この開口は、分配通路の内部スペース内において回転流が生成され得るように、開口に対して接線方向に分配通路内に流体が進入するように設置される。分配通路は、有利には、チューブ要素として作製され、このチューブ要素は、とりわけ回転対称断面を、好ましくは円形断面を有する。この開口は、とりわけチューブ要素として形成される分配通路のチューブ・ジャケットであるジャケット中に設置され、したがって、流体は、開口を介してチューブ・ジャケットに対して接線方向に流れる。
【0010】
流体は、とりわけ、圧縮可能流体であり、典型的には、液滴の形態にてガス中に分散される液体を含むガスである。したがって、このガスは、注入通路からもたらされ、開口を通り、少なくとも1つの分配通路中に、好ましくは複数の分配通路中に送られる。分配通路は、注入通路に対して0°を上回り180°を下回る角度を、とりわけ注入通路に対して60°を上回り120°を下回る角度を有する。ある特定の好ましい一実施例によれば、注入通路と分配通路との間の角度は、約90°となる。
【0011】
重要なことは、先行技術との比較において、分配通路中の開口の設置が異なることである。開口は、特に、ジャケットの上半部及び/又は下半部中に設置することが可能である。これにより、分配通路への流れが、接線方向となる。これは、一方においては、一部の流れが後の分配通路の方に分岐され得るが、他方においては、この流体が開口を通り分配通路内に接線方向に進入するという利点を有する。この点において、接線方向とは、流体が、注入通路の上部又はベースに対して最も近い分配通路のポイントにおける接線に対して実質的に平行な開口を通り流れることを意味する。流体が、分配通路中に位置する場合には、この流体は、分配通路の内方壁部によって進路を支えられる。これにより、流体は、回転状態になされ、ガス中の液体の液滴は、チューブ壁部の方向に加速され、次いでジャケットの内側部にて分離され、液体収集要素を通り出される。この点において、ガスからの液体の分離の有効性は、分配通路の内方壁部とのより強力な接触によって、高められる。したがって、液体は、その時までに分離され、コンテナ内への注入口の前で出され、したがって、ガスの主流には達しない。好ましい一実施例によれば、複数の開口が、とりわけジャケットの上半部中に設置され、とりわけ好ましい一実施例によれば、2つの開口が、ジャケットの上半部中に設置される。
【0012】
さらに、この開口は、ガイド要素を有することが可能である。ガイド要素は、とりわけ、分配通路の壁部からスタンプ加工され、その後曲げられた、タブとして作製される。代替として、又はこれに加えて、複数のガイド要素を設けることも可能である。ガイド要素は、分配通路の内部中に突出することが可能であるが、さらに、流体注入口の方向に分配通路の外側に延在することも可能である。ガイド要素は、とりわけ、分配通路の内部スペースの方向に、及び流体流が初めに届く開口の端部にて、突出することが可能であり、流体流が最後に到達する(register)開口の端部にて上流に配向され得る。これにより、回転流において液体の分離に対して不利な影響を与え得る境界渦が殆ど発生しなくなるように、より正確に規定された流れ方向を流体に与えるための流入通路を形成することが可能となる。さらに、ガイド要素は、分配通路を形成するチューブ要素に対して個別に溶接することも可能である。
【0013】
有利には、注入通路自体であることが可能な、又は分配通路若しくは分配要素の壁部に配置され、分配通路若しくは分配要素の壁部中の液体排出開口に連結される、通路部材であることが可能な、液体収集要素が設けられる。ジャケットの内方壁部にて分離された液体は、液体ガイド要素により、分配要素又は分配通路のジャケットの外側に導かれ得る。液体収集要素は、少なくとも1つの穴を含むことが可能であり、この穴は、液体の排出を見越したものである。
【0014】
事前分離要素は、液体収集要素の環境内に又は液体収集要素の上流に設置することが可能である。さらに、この液体分離は、この事前分離要素により改善され得る。事前分離要素が、スクリーン、編成材料、織成材料、又はフェルトなどの中空スペースを含む構造物として作製される場合には、液滴は、この構造物中に捕獲され、そこで合着し、液体排出開口の方向に誘導され得る。この代替として、事前分離要素は、ブロック要素として作製することが可能であり、このブロック要素に対して、流体は衝突し、強制的な偏向を被る。さらに、ブロック要素は、制限効果を有することも可能である。さらに、ブロック要素は、分離された液体が、液体排出開口に直接的に誘導されるように、設置され得る。開口の幅が変わらない状態で開口の長さが短くなるほど、回転流はより明白なものとなる。これは、比較的短い開口では、開口から排出開口までの経路長が長くなり、流体が排出開口に達するまで、回転工程の回数がより増えるためである。この開口は、とりわけスリットとして作製することが可能であり、この開口の第1のスリット端部と第2のスリット端部との間の間隔が、開口の長さとなる。この開口の第1の壁部と第2の壁部との間の間隔が、開口幅となる。この点において、第1の壁部及び第2の壁部は、第1のスリット端部と第2のスリット端部との間に延在する。
【0015】
好ましい一実施例によれば、分配要素を分配通路に接合することが可能であり、分配通路及び分配要素は、流体が分配通路から分配要素内に誘導され得るように、排出開口を介して連結される。
【0016】
分配要素は、ジャケットを有し、突破口が、ジャケット中に設けられ、この突破口を介して、流体がコンテナの内部スペース内に送られ得る。突破口は、ガス流が実質的にコンテナの長手方向軸の方向に生じるように、分配要素に設置される。つまり、液体から分離されたガスは、とりわけスリット様開口として設計され得る突破口を出て、コンテナの長手方向軸の方向に進むこととなる。とりわけ、分配要素は、チューブ要素として構成することが可能である。
【0017】
分配要素のジャケットは、第1のジャケット端部及び第2のジャケット端部を有し、そのためジャケットは、第1のジャケット端部と第2のジャケット端部との間に延在する。ジャケットは、ジャケットが注入要素内に分配通路を形成するように、注入通路を通り誘導され得る。この代替として、分配要素は、分配通路を通り誘導されてよく、分配通路の内側部中に切欠部を含むことが可能である。この代替として、分配要素の第1のジャケット端部は、分配通路と接合することが可能であり、又は分配通路内に突出することが可能である。
【0018】
突破口は、スリットとして作製することが可能であり、このスリットは、スリットの第1の端部と第2の端部との間に延在する長手方向次元を有する。第1の壁部及び第2の壁部が、スリットの第1の端部と第2の端部との間に延在する。スリットの第1の壁部と第2の壁部との間の平均間隔が、スリット幅となる。長手方向次元は、スリット幅の少なくとも2倍、好ましくは3倍、特に好ましくは少なくとも5倍の大きさであり、これにより、コンテナの断面に対して可能な限り均一なガスの分配が実現される。
【0019】
好ましくは、分配通路中の開口の開口幅は、とりわけ突破口の長手方向次元が開口の幅よりも大きいか、又は複数の突破口が互いに隣接して設けられる場合には、突破口のスリット幅よりも大きい。
【0020】
有利には、先述の実施例のいずれか1つによるこの装置は、分離デバイスにおいて、又は質量伝達デバイスにおいて使用される。
【0021】
先述の態様のいずれか1つによる装置を有する質量伝達デバイスの内部スペース内に流体を分配するための方法が、以下のステップ、すなわち、分配通路及び複数の分配要素中に注入通路を介して流体を誘導するステップと、分配通路から分配要素内に流体を偏向させるステップと、分配要素の少なくとも1つの各スリット様開口のそれぞれを介して質量伝達デバイスの内部スペース内に流体を排出するステップとを含み、スリット様開口は、第1の流体の流れ方向がコンテナの長手方向軸に対して実質的に平行となるように設置される。
【0022】
図面を参照として、本発明を以下において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明によるコンテナの一部及び装置を示す図である。
【図2】図1による、本発明による装置の上面図である。
【図3】第2の実施例による、本発明による装置の注入装置の方向における図である。
【図4】第3の実施例による、本発明による装置の注入装置の方向における図である。
【図5】第4の実施例による、本発明による装置の平面図である。
【図6】第5の実施例による、本発明による装置の側面図である。
【図7a】図1による装置の断面図である。
【図7b】図7aによる装置の線A−Aに沿った断面図である。
【図8a】第6の実施例による、本発明による装置の断面図である。
【図8b】図8aによる装置による線A−Aに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1による本発明の第1の実施例による、コンテナ3の内部スペース4内に流体2を案内及び分配するための装置は、注入通路5及び複数の分配通路6を備える。注入通路5は、コンテナの外部にて、流体2を供給するための通路(図示せず)に連結される。この代替として、通路は、コンテナ3の内部スペース内に延在することも可能である。注入通路5は、流体が注入通路5から分配通路6内に誘導され得るように、分配通路6内に開口する。分配通路6は、少なくとも1つの排出開口11、12を有するジャケット10を有する。注入通路5は、分配通路6のジャケット10中に設置された少なくとも1つの開口8を介して、分配通路6に連結される。分配通路6は、コンテナ内に流体を分配するための役割を果たす。流体は、注入通路5を過ぎ開口8を通り分配通路6内に移動する。分配通路6はそれぞれ、少なくとも1つのかかる開口8を含む。一般的には、この流体は、中に液体が液滴の形態で分散されたガスである。開口8は、分配通路6の内部スペース内において回転流が生成され得るように、開口に対して接線方向に分配通路内へと流体が進入するように、設置される。この流体は、コンテナ軸及び中央に配置された注入通路5の長手方向軸を含む平面に対して対称的に図1において配置される排出開口11、12まで、分配通路6の内部内を流れる。排出開口11、12は、分配通路6のジャケット10中の突破口15として作製される。
【0025】
分配通路6は、ヘッド端部18とフット端部19とを有し、これらは、流体2が排出開口11、12からのみ出ることが可能となるように、少なくとも部分的に閉鎖される。
【0026】
図1は、参照符号を伴う分配通路に対して平行に延在する複数の分配通路6を示す。これらの分配通路6は、長さにおいて互いに異なり、さらに、異なる直径を有することも可能であり、そのことが図3において示される。コンテナ内におけるこれらの分配通路の配置は、コンテナの断面の可能な限り広い部分が、分配通路6によって覆われるようになされる。
【0027】
図2は、図1による、本発明による装置の上面図である。図2は、分配通路6の上半部中に位置する開口8の配置を示す。さらに、分配通路のジャケットは、対応する排出開口11、12を含む。垂直方向の通路6は、図2によれば、互いに対して隣接して位置し、すなわち、隣り合う分配通路間には、隙間は存在しない。代替の実施例によれば、隣り合う分配通路間に、隙間が与えられてもよい。図3は、第2の実施例による、本発明による装置の注入通路の方向における図を示す。注入通路5は、円筒状断面を有する。注入通路6の直径は、中空スペース内の流体が分配通路の上方及び下方を流れることが可能となるように、分配通路の直径よりも大きい。これにより、流体が全ての分配通路に届くようになる。第2の実施例は、分配通路6の直径がそれぞれ異なる点において、第1の実施例と異なるに過ぎない。さらに、開口8は、ジャケット10の下半部中に配置される。
【0028】
図4は、第3の実施例による、本発明による装置の注入通路の方向における図である。図3とは異なり、注入通路5は、箱型形状である。さらに、開口8は、ジャケット10の下半部中に配置される。さらに、図には示さないが、ジャケット10の上方及び下方に開口8を設置することが可能である。
【0029】
図5は、第4の実施例による、本発明による装置の平面図を示す。先述の実施例とは異なり、複数の排出開口11、12が、各分配通路6の各側部上に配置される。これらの排出開口は、当然ながら、異なる配置とすることが可能であり、例えば、互いに偏移させて配置することが可能であり、また、図には示さないが、ジャケット10の上側が穿孔された金属シートの態様で形成されるように、穴として作製することも可能である。さらに、排出開口は、互いに対して平行に配置されなくともよい。さらに、各排出開口の長さ及び/又は幅は、様々であることが可能である。
【0030】
図6は、第5の実施例による、本発明による装置の側面図である。分配通路は、この側面図においては断面の形態で示される。注入通路5は、概略的にのみ示され、分配通路6の開口8が見えるように、分配通路の領域において破断されている。分配通路6は、互いに対して偏移させて配置され、すなわち、異なる高さに配置される。注入開口20に最も近い分配通路が、最も低い位置を占め、それに続く各分配通路6は、前の分配通路よりも高い位置を占める。この配置は、開口8がジャケット10の上半部中に設置される場合に有利である。この場合には、これらの開口のそれぞれに向かう流体の流れは、妨げを受けない。
【0031】
図7aは、図1による装置の断面図を示す。注入通路5と分配通路6の中の1つとの両方が、断面において示されている。この断面図は、開口8が断面の前方に位置し、したがって見ることができないように、配置される。流体2の流れの程度が、図7aにおいて示される。流体2は、図7bに図示される態様で開口8を通り進み、ジャケット10により偏向されて、回転流が生じる。さらに、この回転流は、軸方向成分を有し、それにより、流体は、開口8から始まり、排出開口11、12の方向に誘導される。液体の一部分は、この回転移動に従うことができず、ジャケット10の内方壁部27に付着する。この液体は、液体収集要素13内に開口した液体排出開口21まで内方壁部に沿って流れる。さらに、この液体収集要素は、注入通路5内に設置することも可能である。液体収集要素13は、ジャケットの外側部17に設置される。
【0032】
さらに、事前分離要素29が、液体収集要素13の上流に設置され得る。この事前分離要素は、とりわけ、分配通路6中に設置することが可能である。図7aに図示される実施例によれば、この事前分離要素は、チューブ要素9の断面の少なくとも一部分にわたって延在する、スクリーン、編成材料、織成材料、又はフェルト様構造物などの、中空スペースを含む構造物である。図7bは、図7aによる装置の線A−Aに沿った断面図を示す。開口8が、断面において示される。この開口は、分配通路6の上半部中に位置する。この開口は、注入通路5の上部24に対して最も近くに配設された分配通路6のポイント22に可能な限り近くに設置される。したがって、流体2の流れ方向は、この位置において、この図においては水平である接線方向に実質的に対応する。この理由により、この流体は、開口8に対して接線方向に分配通路6内に進入する。さらに、開口8は、ガイド要素28を有することが可能である。このガイド要素28は、図7bに図示される。ガイド要素28は、とりわけタブとして作製され得る。ガイド要素28は、開口8を作製するためにチューブ要素9から切り出される又はスタンプ加工されるチューブ要素9の壁部部分から形成される。したがって、この壁部部分は、タブが形成されるように、3つの部分のみにて切り込まれる。タブは、開口8が得られるように、第4の辺を中心として曲げられる。
【0033】
図8aは、第6の実施例による、本発明による装置の断面図を示す。図8aは、注入通路5内に設置された分配通路6を示す。この分配通路6は、注入通路5の外部にかなりの度合いに延在する分配要素7に合体する。分配要素7は、少なくとも1つの突破口15を含むジャケット14を有する。
【0034】
同様に、分配通路は、ヘッド端部18及びフット端部19を含むジャケット10を有する。ヘッド端部18は、この場合には、排出開口21を含み、フット端部19は、排出開口31を含む。したがって、分配要素7の直径は、分配通路6の直径よりも小さい。これにより、各排出開口21、31はそれぞれ、リング形状ギャップとして作製されることとなる。さらに、図示されないが、排出開口21、31は、注入通路の側壁部に設置されることも可能である。
【0035】
排出開口21、31が、注入通路5内に設置される場合には、ジャケット10の内方壁部にて分離されたガス中の液体の少なくとも幾分かが、この排出開口21、31を通り注入通路内に戻ることが可能となるという追加の利点がもたらされる。したがって、注入通路5は、液体収集要素の機能を引き継ぐ。
【0036】
図8bは、図8aによる装置の線A−Aに沿った断面図を示す。さらに、流体流の程度が、図8bに図示される。破線は、液体の流れを示す。この図から、液体は、ガス流に比べて容易には回転移動に従うことができないことが、明らかである。したがって、液体は、リング・ギャップを介して排出され、注入通路5のベース25まで移動する。
【符号の説明】
【0037】
1 装置
2 流体
3 コンテナ
4 内部スペース
5 注入通路
6 分配通路
7 分配要素
8 開口
9 チューブ要素
10 ジャケット
11 排出開口
12 排出開口
13 液体収集要素
14 ジャケット
15 突破口
16 分配通路
17 外側部
18 ヘッド端部
19 フット端部
20 注入開口
21 液体排出開口
22 ポイント
24 上部
25 ベース
27 内方壁部
28 ガイド要素
29 事前分離要素
31 排出開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ(3)の内部スペース(4)内に流体(2)を案内及び分配するための装置(1)であって、注入通路(5)及び分配通路(6)を備え、前記注入通路(5)は、前記流体が前記注入通路(5)から前記分配通路(6)内に誘導され得るように、前記分配通路(6)内に開口し、前記分配通路(6)は、少なくとも1つの排出開口(11、12)を有するジャケット(10)を有する、装置(1)において、前記注入通路(5)は、前記分配通路(6)の前記ジャケット(10)中に設置された少なくとも1つの開口(8)を介して前記分配通路(6)と連通状態にあり、前記開口(8)は、前記分配通路(6)の前記内部スペース内において回転流が生成され得るように、前記開口(8)に対して接線方向に前記分配通路(6)内に前記流体が進入するように設置されることを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記分配通路(6)は、前記注入通路(5)に対して0°を上回り180°を下回る角度を、とりわけ前記注入通路(5)に対して60°を上回り120°を下回る角度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記分配通路(6)は、チューブ要素(9)として作製される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記開口(8)は、ガイド要素(28)を有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記開口(8)は、前記ジャケット(10)の上半部及び/又は下半部中に設置される、請求項1から4までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記流体は、ガス及び液体を含み、前記液体は、滴の形態にて前記ガス中に分散され、前記液体は、前記ジャケット(10)内において少なくとも部分的に分離され得る、請求項1から5までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
液体収集要素(5、13)が設けられる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
事前分離要素(29)が、前記液体収集要素(5、13)の環境内に又は上流に設置される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
分配要素(7)が、前記分配通路(6)に接合され、前記分配通路(6)及び前記分配要素(7)は、前記流体が前記分配通路(6)から前記分配要素(7)内に誘導され得るように、前記排出開口(21、31)を介して連結される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記分配要素(7)は、ジャケット(14)を有し、突破口(15)が、前記ジャケット(14)中に設けられ、前記突破口(15)を介して、前記流体は前記コンテナ(3)の前記内部スペース(4)内に誘導され得る、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記分配要素(7)は、前記ジャケット(14)の内方壁部(27)にて前記分配要素(7)の前記ジャケット(14)の外側部(17)の方に分離された液体を誘導するための液体収集要素(13)を有する、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
複数の分配通路(6)が、前記注入通路(5)中に設置される、請求項1から11までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つの第1の分配通路及び少なくとも1つの第2の分配通路(6、16)が設けられ、前記第1の分配通路(6)は、前記注入開口に対して前記第2の分配通路(16)とは異なる高さに設置される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の装置を備える分離デバイス。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか一項に記載の装置を備える質量伝達デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【公開番号】特開2011−110551(P2011−110551A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238093(P2010−238093)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(505150095)スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト (40)
【Fターム(参考)】