説明

流体特定量の流れ制御器送達

流体送達プロファイルに基づいて流れ制御器を使用することにより、流体の特定量を送達するためのシステムおよび方法を説明する。一実施形態は、送達時間ウィンドウ内の時間における特定の瞬間とそれぞれ対応する複数の設定値を有する、送達時間ウィンドウを含む流体送達プロファイルを含む。この方法はまた、流れ制御器と、流れセンサからのフィードバック信号とを使用して、可変弁を介して流体送達プロファイルに従って流体を送達するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は制御システムに関し、特に、本発明は、限定するものではないが、流体の流れを制御するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流れ制御器は、典型的には、流体流れに関する設定値(set point)(例えば、立方センチメートル毎分、またはグラム毎分)に基づいて、流体を送達するように構成されている。設定値が受け取られると、流れ制御器は、例えば、弁を調整して、定常状態モードにおいて特定の流体流れ設定値で流体を送達する。流れ制御器は、概して弁の位置を調整し、例えば、比例積分微分(PID)制御に基づく制御アルゴリズムを使用して、設定値の近傍で流体の流れを制御する。
【0003】
既知の流れ制御器は、例えば、まさに燃料噴射器のように、パルス幅および設定値を受け取ることによって、流体を送達するようにプログラムされることができる。しかし、例えば、圧力変化の結果として、設定値から外れた流体流れの予期しない偏差によって、設定値に対応して送達された流体の最終量に著しい偏差が生まれ得る。現在の流れ制御器は、設定値および/または送達時間(例えば、送達時間ウィンドウ)を変更/調整して、流体の特定量を正確に送達するフィードバック制御に基づく能力を有していない。さらに、既知の流れ制御器は、定常状態での流体流れの設定値から外れた偏差を補正することができるが、量についての設定値から外れた偏差を補正するようには構成されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の流れ制御器は機能的ではあるが、流体の特定量を送達するために使用する場合には十分に正確ではないか、またはその他の点で満足できるものではない。従って、フィードバック制御に基づいて、量の設定値の受領に対応して流体の特定量を受け取り、送達する方法および装置へのニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図面に示される、本発明の典型的な実施形態を以下に要約する。これらおよび他の実施形態を、発明を実装するための最良の形態においてより完全に説明する。しかしながら、本発明の開示または発明を実装するための最良の形態で述べる形式に、本発明を限定する意図がないことは理解されるものとする。当業者は、請求項に述べるような、本発明の精神および範囲内において種々の修正、同等物、および代替の構成が存在することを理解することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、本発明を、流体送達プロファイルに従って流体の特定量を送達するためのシステムおよび方法として特徴付けてもよい。これらの実施形態における流体送達プロファイルは、送達時間ウィンドウ内の時間における特定の瞬間と各々対応する複数の設定値を有する、送達時間ウィンドウを含む。変形物においては、流れセンサからのフィードバック信号は、流体の送達と関連して利用される。
【0007】
別の実施形態では、本発明を、流れ制御器の可変位置弁の位置を閉口位置から第1の位置に変更し、流体の特定量を指示する量指標の受け取りに応答して、流体の送達を開始させるステップと、流体の特定量が送達されるまで、可変位置弁の位置を、第1の位置から調整するステップとを含む流体送達のための方法として特徴付けてもよい。本実施形態では、調整するステップは、流体の流れを示している流れ指標と、流体送達プロファイルとに基づく。
【0008】
さらに別の実施形態では、本発明を、流体送達プロファイルを保存するように構成される、メモリを含む装置として特徴付けてもよい。加えて、本実施形態の装置は、流体送達プロファイルに従って流体の特定量を送達するために、流体送達プロファイルにアクセスし、可変弁を制御するように構成されるプロセッサを含む。
【0009】
本発明の様々な目的および利点、ならびにより完全な理解は、添付の図面と共に、続く詳細な説明、および付随する請求項を参照することにより、明らかとなり、より容易に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によると、流体の特定量は、流体の特定量に対する要求に応えて、流れ制御器によって送達される。多くの実施形態では、例えば、流れ制御器は、流体の総モル数または総質量を指示する設定値として、特定量の指標を受け取り、フィードバック信号を使用して、流れ制御器は、流体の特定量が送達されるまで、流体送達プロファイルに従い流体流れを制御し、可変弁を調整する。一実施形態におけるフィードバック信号は、例えば、流れセンサからの測定値であるが、さらに本願で論じるように、他のフィードバック指標は、他の実装において利用される。
【0011】
ある変形においては、流れ制御器もまた、必要な場合は、流体送達プロファイルを調整して、流体の特定量の送達を確実なものとするために、フィードバック信号を使用し、流体の送達量を監視する。多くの実装において、流体送達プロファイルは、ある期間の間、一定量の流体を送達するのに使用される、1組の指標である。ある実施形態では、例えば、流体送達プロファイルは、対応する時間を有する1組の弁指標である。ある実装における流体送達プロファイルは、数学的な計算から導かれ、変形物においては、特性は、最小送達ウィンドウ、または弁の特徴のような制約に基づく。
【0012】
有利なことに、いくつかの典型的な実施形態により、流体の特定量に対する要求に応えて、流体を送達することが可能となる。半導体製造環境の関連では、例えば、製造に関連する処方はしばしば、質量(例えば、モル)の量に関して画定されるため、特定量の反応物を送達するのは、特に有益であることが分かっている。
【0013】
これより図面を参照する上で、同一または類似要素は、いくつかの図を通して、同一の参照番号に設定され、特に図1を参照すると、流れ制御器100が、流体容器120から反応槽180へ流体の特定量を送達するように構成されている、典型的な環境を図示している。例えば、流速の点において、設定値指標を受け取るというよりはむしろ、本実施形態の流れ制御器100は、反応槽180に送達される特定量の、流体指標である量設定値110(例えば、総質量設定値、または総モル設定値)を受け取るように構成されている。量設定値110は、例えば、反応槽180内の反応に必要な、流体の総モル数に基づく。
【0014】
動作の際、本実施形態の流れ制御器100は、流体送達プロファイルに従い、量設定値110の受け取りに応じて、流体容器120から反応槽180へ流体を送達する。量設定値110は、使用者から、例えば、制御サーバを介して受け取られる。他の実施形態では、量設定値110は、必要な際にアクセスされる流れ制御器110に局所的に保存された、事前にプログラムされた値である。
【0015】
流体流れのように、本実施形態の流れ制御器100はまた、流体送達プロファイル、および量設定値110を参照して送達される、流体の総モル数を監視し、加えて、流れ制御器100により、量設定値110によって指し示される、流体の特定量が送達されるまで、監視に基づき流れおよび/または流体送達プロファイルを調整する。いくつかの実施形態では、流体容器120および流れ制御器100は、流体容器120が、流れ制御器100へ継続的な上流圧力を送達するように配置される。
【0016】
ある実施形態では、流体は液体(例えば、硫酸)であり、他の実施形態では、気体(例えば、窒素)であるが、当業者は、本開示の利益があるならば、流れ制御器100によって送達される流体は、例えば、気体または液体等、任意の段階の要素および/または化合物の混合物を含む、任意の種類の流体であってもよいことを理解するであろう。多くの実施形態の流れ制御器100は、高圧力下、低温度で、異なる型の容器または槽へ、流体を送達するように構成される。
【0017】
次に図2を参照すると、図1の参照の際に述べた、流れ制御器100の一実施形態が示される。特に、図2に示される流れ制御器200は、流れセンサ202、プロセッサ204、可変弁206、およびメモリ208を含む。多くの実施形態における流れセンサ202は、熱流れセンサによって実現されるが、他の実施形態では、層流れセンサ、コリオリ流れセンサ、超音波流れセンサ、または差圧センサが利用される。変形物において、流れセンサ102は、他のセンサのうちの任意の組み合わせとも併用して使用され、流れ(例えば、温度センサおよび/または圧力トランスデューサ)を正確に測定する。ある実施形態では、流れセンサ102は、流れセンサ以外のセンサで置き換えられ、センサからの1つ以上の値は、所定の時間における流体の送達量を計算するために、流れ制御器200によって使用される。
【0018】
本実装形の可変弁106は、流体の流れを何らかの方法で変化させる、任意の適切な型の可変弁である。例えば、可変弁106は、可変開口部を有する弁、または複数の事前設定位置を有する弁である。いくつかの実施形態では、開口および/または閉口する際、可変弁106は、送達される流体から継続的な上流圧力を受ける。
【0019】
いくつかの実施形態のメモリ208は、未加工の測定値および対応する計測時間を保存するために使用される。他の実施形態では、未加工の測定値および対応する計測時間に加えて(または、その代わりに)、メモリ208が、流れ制御器200によって、送達されている流体の現総計を保存する。一実施形態では、例えば、プロセッサ204は、所定の時間に流体の送達量を計算し、メモリ208に値を保存する。しばらく経て2回目に、プロセッサ204は流体の最新の送達量を計算し、送達量の値は最新の送達量の値と置き換えられる。本願でさらに論じる通り、これら実施形態における現総計は、量設定値110によって使用され、可変弁106の位置に対し調整がなされるべきか否かを決定する。
【0020】
動作の際、典型的な流れ制御器200が、フィードバックループを使用し、流体送達プロファイルに従って量設定値によって指示される流体の特定量を送達する。ある典型的なフィードバックループを、図4および7を参照の上、本願でさらに論じる。本実施形態の流体送達プロファイルは、メモリ208に保存されるが、これは必ずしも必要ではなく、他の実施形態では、1つ以上の流体送達プロファイルは、制御器の外部に保存され、必要な場合には検索される。
【0021】
いくつかの実施形態では、流体送達プロファイルは、1つ以上の要因に基づき、適応可能である。多くの実施形態では、例えば、指標(例えば、弁設定指標)、および流体送達プロファイルの対応する時間(本願で流体送達プロファイルの形として言及されてもいる)の組の値は、例えば、精度の望ましい水準、流体送達のための望ましい時間ウィンドウ、流速、および本願でさらに論じられるような、1つ以上の他の制約を含む、1つ以上の要因に基づき変化する。
【0022】
例として、多くの実施形態における流体送達プロファイルの形は、1つ以上の要因に従って、可変弁206を流体送達ウィンドウ上で開閉する態様を変更するように構成される。多くの実装において、プロファイル送達は、短時間(例えば、500ms)の内に流体を送達するように設計されるが、ある実装においては、流体送達プロファイルは、流体を送達する期間および/または流速だけではなく、1つ以上の他の制約にも基づき設計される。
【0023】
例として、流体送達プロファイルは、ある実施形態では、可変弁206が徐々に開き、センサ(例えば、流れセンサ202)が飽和点に達するのを防止するように設定される指標を含む。しかしながら、他の実施形態では、流体送達プロファイルは、可変弁206が、1つ以上のセンサを飽和させる速度で、流体を送達するように構成される。
【0024】
ある実施形態では、流体送達プロファイルは、例えば、一次方程式、対数関数、双曲型方程式、階段関数、過渡関数、および微分方程式を含む、数学方程式の組み合わせに基づき、いくつかの実装では、流体送達プロファイルは、特定の型の流体を送達するために、特に構成される。
【0025】
多くの実施形態によると、流体が送達されている間、流れセンサ102からの測定値は、プロセッサ204によって使用され、流体送達プロファイルに従って可変弁206の位置を調整する。この方法では、流れセンサ102からの測定値は、流れが流体送達プロファイルから逸脱していることを指示する際、可変弁106の位置を調整し、流体送達プロファイルに従わせる。ある実施形態では、流れ制御器100は、比例積分微分(PID)制御アルゴリズムを利用するが、他の実施形態では、他の制御アルゴリズムが適用される。
【0026】
多くの実装において、流体送達プロファイルは、可変弁206が流体を送達している間に調整される。一実施形態では、例えば、流れセンサ202からの測定値は、流体送達プロファイルを変更するために、プロセッサ204によって使用される。例として、プロセッサ104が、(例えば、流れセンサ202からの測定値を使用して)流体送達プロファイルが、既存の状態において、流体の特定量を送達しないことを決定する場合、流体送達プロファイルは、特定量を送達するように調整される。
【0027】
典型的な実施形態の流れ制御器200は、流れセンサ202およびその対応する計測時間に基いて流体の送達量を計算する。流体の送達量(本願では流体の現送達量とも称される)は、直近の測定値を使用して、流れ制御器100によって送達されてきた流体の量である。送達量を計算するために使用される、測定値および対応する計測時間は、本実施形態ではメモリ208に保存される。他の実施形態では、測定値および対応する計測時間は、セントラルサーバ(図示せず)に保存され、プロセッサ204によってアクセスされる。
【0028】
典型的な実施形態における流体の送達量は、適切な流体方程式および/または数学的手法を使用して計算される。例えば、リットル毎秒の流れ測定値およびミリ秒の対応する計測時間は、例えば、任意の所与の計測時間に、モルの総数を計算するために、有限要素解析を使用して統合される。例えば、流れ制御器、弁、圧力、および/または温度に関係する非理想流体の方程式、経験的な方程式ならびに/あるいは係数等、正確な流れ測定値を得るための任意の手法を使用する、例えば、流れセンサ202および/またはプロセッサ204の任意の組み合わせを使用して、流れ測定値に対して調整がなされる。変形において、例えば、処理時間または構成要素の物理的制約によって生じる遅延を相殺するために、他の測定値または計算値に対しても調整がなされる。
【0029】
ある実施形態の単一機器では、流れセンサ202、プロセッサ204、可変弁206、およびメモリ208が、流れ制御器200に統合されることを、図2は示しているが、構成要素は、異なる構成要素および/または機器へ組み合わされるか、あるいは分離される。例えば、一実施形態のメモリ208は、例えば、小さなキャッシュとして、プロセッサ204の中に埋め込まれるか、あるいは、代替の実施形態では、流れ制御器200、もしくはいくつかの分配および/または直列流れ制御器のために、データを保存する分離した集中サーバ(図示せず)に統合される。同様に、他の実施形態では、可変弁206は、例えば、流れセンサ202および/または流れ制御器200から上流、あるいは下流のいずれかにある流れ制御器200から分離した構成要素である。同じく、代替の実施形態における流れセンサ202は、流れ制御器200に関連する他の構成要素のうちのいずれかから、上流または下流のいずれかにある流れ制御器200から分離した構成要素である。
【0030】
本願に記載する任意の多くの実施形態を参照すると、設定値、測定値、および計算値はモルで表されているが、他の実施形態では、これらの値は、グラム等、他の単位で表されるか、または単位の組み合わせで表される。いくつかの実施形態では、測定値は、プロセッサ204、および/または流れ制御器200の構成要素に関連するプロセッサを使用して、適当なもしくは特定の単位に換算される。
【0031】
次に図3A〜Cを参照すると、典型的な流体送達プロファイル300、時間に対する弁の位置310、および時間に対する流体の送達量330をそれぞれ示すグラフが表されている。図3A〜Cに示されるように、時間Aでは、量設定値は、送達される流体の特定量を指示する流れ制御器によって受け取られ、時間Bでは、流体の特定量320が送達される。
【0032】
図3Aに示されるように、本例の流体送達プロファイル300は、設定値によって特定化された流体の量を送達するために、計算される。特に、本例の流体送達プロファイル300は、時間Aと、時間Bとの間に、一定量の流体を流れ制御器によって送達させる対応する時間を有する、1組の弁指標である。本流体送達プロファイル300により、弁は時間Aで50%まで開き、弁が時間Bで締まるまで、その位置で維持される。時間Aと、時間Bとの間の期間は、送達時間ウィンドウと称される。ある実施形態では、送達時間ウィンドウの持続時間は、流れ制御器に置かれた制約ではないが、多くの実施形態では、最大送達時間ウィンドウまたは最小送達時間ウィンドウ等、流体送達時間ウィンドウの持続時間は、流体送達プロファイルに反映される制約である。
【0033】
ある実施形態では、送達時間ウィンドウは、例えば、送達される流体の特定量および/または流れ制御器の特徴に基いて決定される。例えば、大量の流体が送達され、流れ制御器が物理的に、一定の送達時間ウィンドウ内で流体を送達することができない場合、送達時間ウィンドウは増加する。一方で、流体の特定量が小さい場合、流れ制御器に基づいて、流体送達時間ウィンドウは短くなる。
【0034】
多くの実施形態では、流体送達プロファイル内の弁指標および/または弁指標のうちの少なくとも1つと対応する時間は、1つ以上の制約に基づいて修正されるが、他の実施形態では、流れ制御器は、流体送達プロファイルが制約の変更に基いて変化しないようにプログラムされる。
【0035】
図3Bは、流れ制御器が量設定値を受け取る時間Aの際、弁の変位310は、図3Aに示す流体送達プロファイル300に従って即座に50%にまで増加することを示している。図示されるように、弁の変位310は、図3Cの流体の送達量330の値が、設定値320に達するまで50%に維持され、その後は、弁が閉じられ、弁の変位はゼロへと変わる。図3Cに示す流体送達量のグラフは、図3Bに示す弁の位置の変化に対応して、図3Bに示されるように、流体の送達量330は、量設定値が受け取られる時間Aにはゼロであり、時間Bでの流体の送達量330は、設定値320に達するまで増加する。
【0036】
図3A〜Cは、流体の流れを実質的に一定して監視することと、図3Aの流体送達プロファイルと対応するために、弁の変位の調整へとを含む、流れ制御器の典型的な動作を示している。本例では、流体送達プロファイル300は、流体の特定量を送達するために調整される必要はなかった。しかしながら、ある実施形態では、流体送達プロファイルもまた、流体の正確な量を提供するように調整される。
【0037】
多くの実施形態では、流体送達プロファイルは、量設定値が受け取られると、流れ制御器によって計算される。一実施形態では、例えば、流れ制御器は、時間送達ウィンドウ制約および/または可変弁特徴等の制約に基づき、流体の特定量を送達するために、方程式を使用して最適な流体送達プロファイルを計算/決定する。例として、可変弁が、特定の流速で流体を正確には送達することができない開口部を含む場合、流速は、流体送達プロファイルの計算から除外される。
【0038】
ある実施形態では、流れ制御器は、例えば、量設定値によって特定された特定の量の流体を、送達するように調整される典型的な流体送達プロファイルの形で、プログラムされる。例えば、量設定値を受け取る際、これらの実施形態の流れ制御器が、先細の開口および閉口のプロファイルで、流体を通常送達するようにプログラムされる場合、流れ制御器は、概して先細の形を維持しながら、量設定値によって特定された特定の量の流体を確実に送達するように、開口プロファイルおよび閉口プロファイル以内の特定値を調整する。
【0039】
次に図4を参照すると、流体送達プロファイルに従って、流体の特定量を送達するための典型的な過程を示す、流れ図が示されている。図示されるように、流れ制御器(例えば、流れ制御器100、200)によって、送達される流体の特定量を指示する量設定値が受け取られ(ブロック400)、それに応じて、弁(例えば、弁206)は、流体送達プロファイルに従って開かれ、流体の送達を開始する(ブロック410)。
【0040】
多くの実施形態では、流体送達プロファイルは、量設定値によって指示される流体の量に基づいて、流れ制御器が所定の点まで弁を開くように構成される。例えば、量設定値が、弁の送達能力および応答時間に対して、少量の流体を送達すべきと指示する場合、流体送達プロファイルは、弁が全送達能力の一部分に対して開くように構成される。ある実施形態では、可変弁は、正確に特徴付けられた位置に対して開かれる。
【0041】
流体が、弁を介して流れ始めた後、フィードバックループは、特定量が完全に送達されるまで、流体の送達量を監視し、可変弁および/または流体送達プロファイルを調整するために使用される。図4に示されるように、例えば、弁が一度開くと(ブロック410)、流体流れは測定され、流れが測定された時間を指示する対応する計測時間と関連付けられる(ブロック420)。それから、流体の送達量が、測定された流れおよび対応する計測時間に基づき計算される(ブロック430)。本実施形態では、流体の送達量に対する値のみが保存され、この値は、新しいデータ点が測定されると更新される(ブロック420)。他の実施形態では、各流れ測定値および対応する計測時間が保存され、流体の送達量が、保存された流体流れおよび時間測定値の組に基づいて計算される。
【0042】
図4に示されるように、それから計算された流体の送達量は、量設定値および流体送達プロファイルを参照して処理される(ブロック440)。量設定値がまだ届いていない場合、必要であれば、流体送達プロファイルが調整され(ブロック450)、および/または可変弁の位置が調整される(ブロック460)。例えば、計算された流体の送達量に基づき、および流体送達プロファイルに基づき、流体の特定量が、特定された時間送達ウィンドウ内に送達されないと予測される場合、流体送達プロファイルは、流体の送達を加速するように調整され、信号が送られ、新しい流体送達プロファイルに基づき、可変弁の位置を調整する。ある実施形態では、流体送達プロファイルは、流体送達プロファイルの減速により調整される。
【0043】
ある実施形態では、流体送達プロファイルを調整する決定は、予測される流体の送達量からの偏差に対する閾値に基づく。例えば、予測される最終送達量が、量設定値によって指示される通りに送達される流体の特定量から、+/−3%以上である場合、流れ制御器は、流体送達プロファイルを調整するようにプログラムされる。これらの実施形態の流れ制御器は、現在の計算された流体の送達量、および最終流体送達量を予測する流体送達プロファイルを使用し、流体の特定量の95%のみが送達される場合、流れ制御器は流体送達プロファイルを調整する。この筋書きでは、流体送達プロファイルは、例えば、流体送達プロファイルの流れ指標を増加させることによって、流体をより積極的に送達するように調整される。他の実施形態では、例えば、測定されたおよび/または計算された値のうち2つより多い値が、閾値を超えて始めて、流体送達プロファイルを調整する。
【0044】
いくつかの実施形態では、弁調整(ブロック460)は、流体送達プロファイルが450で調整されない場合に行われる。例えば、測定された流体流れが流体送達プロファイルから逸脱したが、流体送達プロファイル調整(ブロック450)を誘発するには十分ではない場合、信号が送られ、流体送達プロファイルと対応するように可変弁をその位置(ブロック460)に調整する。
【0045】
流体送達プロファイル(ブロック450)および/または可変弁(ブロック460)に対し、任意の必要な調整がなされた後、流れ制御器は、流体流れを測定し、測定値を計測時間(ブロック420)と関連付けることを継続する。また、流体送達プロファイルに対する調整が必ずしも必要ではなく(ブロック450)、可変弁の位置に対する調整も必ずしも必要ではない(ブロック460)と決定される場合、流れ制御器は、流体流れを測定し、測定値を計測時間(ブロック420)と関連付けることを継続する。
【0046】
典型的な実施形態では、ブロック420〜460は、量設定値が到達されたと決定されるまで(ブロック440)繰り返されるフィードバックループを繰り返し、量設定値が到達された場合、その後に信号が送られ可変弁を閉じる(ブロック470)。例として、計算された流体の送達量が量設定値以上である場合、閉口信号が可変弁に送られる。多くの実施形態では、量設定値に到達する前に信号が送られて、可変弁を閉じる。例えば、可変弁の応答時間が遅い場合、可変弁が反応して実際に閉じる際には、量設定値に合致していることを期待して、可変弁を閉じるための信号が送られる。
【0047】
ブロック460を通ってブロック420に至るステップを実行するために必要な時間であるフィードバックループのサイクル時間は、数ある中でも、可変弁の応答時間、流体の特定量、流体を送達するための時間ウィンドウ、および流体の特定量を受け取るシステム要件を含む、1つ以上の変数により調整される。例えば、可変弁の応答時間が、フィードバックループを実行するためにかかる時間に比べて非常に長い場合、反応するのに妥当な時間を可変弁に割り当てるように、フィードバックループのサイクル時間が増加され、流体流れ測定値は不必要に処理されることはない。遅い弁の反応に基づき、フィードバックループが矯正され過ぎる信号を送ることがあるため、この筋書きに適切に合わせられないフィードバックループは、システム不安定の結果を導く。ある実施形態では、流体の特定量が比較的小さいか、または送達時間ウィンドウが短い場合、フィードバックループのサイクル時間は、測定値が処理され、弁の調整が流体の特定量を正確に送達するのに十分速く行われることを確実にするために、減少させられる。
【0048】
ある実施形態では、図4に示す流れ図および/またはフィードバックループのステップの順が調整される。例えば、多くの実施形態では、流体送達プロファイルを調整する前に、信号が送られ、可変弁の位置を調整する。他の実施形態では、流体の送達量を計算する前に、信号が送られ、流体流れの測定に基づき可変弁を調整し、さらに他の実施形態では、測定、計算、および調整の速度は異なる。例えば、流体流れの値は、流体送達プロファイルおよび/または可変弁の位置に対して調整が行われるより、速い速度で測定されてもよい。加えて、流体送達プロファイルの調整速度、および可変弁の位置の調整速度は、異なってもよく、並行のフィードバックループ内で実行されることさえできる。
【0049】
次に図5A〜Cを参照すると、流れ制御器(例えば、流れ制御器100)に対応して、量設定値および送達時間ウィンドウ制約に対応する、流体送達プロファイル500、時間510に対する弁の変位、ならびに時間520に対する流体の送達量を示すグラフがそれぞれ表されている。図5Aに示されるように、本例の流体送達プロファイルは、流れ制御器による計算、および送達時間ウィンドウ制約530に基づき、初期の流体送達プロファイル500から、修正された流体送達プロファイル505へと変更される。時間Wでは、図5A〜Cに示されるように、量設定値は、送達される流体の量を指示する流れ制御器によって受け取られる。Wでの開始時間、および送達時間ウィンドウの持続時間に基づき、流れ制御器は、時間Zの前に流体の特定量540を送達することが求められる。
【0050】
図5Bに示されるように、時間Wでは、流れ制御器が量設定値を受け取ると、本例における弁の変位510は、図5Aに示す初期の流体送達プロファイル500によって直ちに50%にまで増加するが、弁の位置は、弁が時間Yで閉じるまで50%に維持されることも示している。図5Cに示されるように、流体520の送達量は、弁が開いているとき、送達量520が特定量540に達するまで、時間Wでのゼロから徐々に増加する。本例では、流れ制御器は、アルゴリズム(例えば、図4を参照した際に説明したアルゴリズム)を使用して、流体流れの測定値を監視し処理することにより、流体の特定量540を送達する。
【0051】
図5Cに示されるように、本例の流れ制御器は、流体520の現在の送達量、および図5Aに示した初期の流体送達プロファイル500に基づいて、時間Xにおける流体560の予測される送達量を計算する。本例では、流体560の予測される送達量は、50%の弁の変位を使用しても、時間Zの前には特定量540には達しないことを示し、計算の結果として、時間Xにおいて、図5Aの流体送達プロファイルは、初期の流体送達プロファイル500から修正された流体送達プロファイル505に変更される。図5Bに示されるように、図5Aの流体送達プロファイル変更に対応して、弁の変位510は80%にまで変更される。変位におけるこの変更により、流体の送達における加速、および図5Cに示されるような時間Xの時点での曲線520の屈曲が引き起こされる。
【0052】
図5Bに示されるように、図5Aの修正された流体送達プロファイル505により、時間Yで弁は閉じられ、弁の変位はゼロにまで変更され、それによって、到達される特定量540に対応する。
【0053】
次に図6Aを参照すると、本願で、開口プロファイル632、中間プロファイル634、および閉口プロファイル636とも称される、開口部分632、中間部分634、および閉口部分636の3つの部分を有する、典型的な流体送達プロファイル600が示されている。本例では、流体送達プロファイル600は、送達される流体の特定量を指示する量設定値に応えて、および流体を送達するための制約に応えて、流れ制御器によって計算されるプロファイルである。量設定値に応えて流れ制御器は信号を送り、流体送達プロファイル600と合致する対応時間で、流速を送達するように可変弁を調整する。
【0054】
図6に示されるように、本例の流体送達プロファイル600は、対応する時間を有する1組の流速から成る。流体送達プロファイル600下の領域は、流体送達プロファイル600を使用し、流れ制御器によって送達される、流体の総量に対応し、図示されるように、領域604、606、および608は、開口プロファイル632、中間プロファイル634、および閉口プロファイル636、それぞれの間に、送達される流体の量である。図示されるように、開口プロファイル632により、流速はゆっくりと増加し、一度中間プロファイル634に到達すると、閉口プロファイル636により、流速がゆっくりと減少するまで、流速は実質的に一定に維持される。
【0055】
本例では、流体送達プロファイル600は、(例えば、流れ制御器によって)計算され、開口プロファイル632の間に流体のおよそ15%、流速Qで中間プロファイル634の間に流体の65%、閉口プロファイル636の間に流体の残りを送達する。より具体的には、流体送達プロファイル600の開口部分632の勾配は、流れ制御器が流体の特定量の15%を送達し、流速Qに到達するように計算される。中間プロファイル634の持続時間は、流体の65%(80%の送達量)が送達されるように計算され、閉口プロファイル636の勾配は、流れ制御器が、流体の特定量の最終20%を送達するように計算される。
【0056】
必要ではないが、ある実施形態では、流れ制御器が量設定値を受け取り、流体送達プロファイル600の計算を完成した後、流れ制御器(例えば、流れ制御器100)は、開口プロファイル632により、流体を送達し始める。これらの実施形態のうちのいくつかの変形において、流体送達プロファイル600の計算を完成してから、一定の期間が経過した後、流れ制御器は(例えば、制御信号を介して)プログラムされ、流体の送達を開始する。全流体送達プロファイル600は、流れ制御器が流体の特定量を送達し始める前に、これらの実施形態で計算されるが、多くの実装では、流体送達プロファイル600の部分は、流体の流れの監視に基づき、計算および/または調整される。いくつかの実施形態では、流体送達プロファイルの部分は、すぐに調整されるだけではなく、流体が送達される際、すぐに最初に計算される。例えば、流れ制御器は、流体送達プロファイル632の開口部分のみを計算し、後にそれらのプロファイルを使用する直前に、中間634および閉口636のプロファイルを計算する。
【0057】
図6Bおよび6Cを参照すると、図6Aに示される流体送達プロファイル600にそれぞれ対応する、時間に対する流体610の送達量、および時間に対する弁の変位620が示されている。図6A〜Cに示されるように、典型的なプロファイル600に従って動作する流れ制御器は、開口プロファイル632に従って弁の変位620を調整することによって、時間Lから流体を送達し始める。流体610の送達量が、図6Bでおよそ15%(616に図示)であるとき、流れ制御器は、中間プロファイル634に従って、時間Mから流体を送達し始める。流体610の送達量が、図6Bで、およそ80%(614に図示)に達する時間Nでは、流れ制御器は、流体送達プロファイル600の閉口プロファイル636に従い、弁の変位620を調整することによって、流体を送達し始める。図BおよびCに示されるように、流体610の送達量が、時間Oで量設定値612に達する際に、弁の変位は、流体送達プロファイル600と対応してゼロである。
【0058】
3つの構成要素プロファイルを参照して、典型的な流体送達プロファイル600を説明しているが、他の実施形態による送達プロファイルは、例えば、異なる制約によって別々に決定されてもよい、識別可能な副プロファイルの他の量および/または形を含むことは、認識されるべきである。
【0059】
次に図7を参照すると、開口プロファイルおよび閉口プロファイルの2つの部分を有する流体送達プロファイルに従って流体の特定量を送達するために、流れ制御器(例えば、流れ制御器100)によって行われる、典型的な方法を示す流れ図が示されている。この実施形態では、流れ制御器は、開口プロファイルに従って、飽和位置(すなわち、流れセンサが飽和する位置)まで可変弁を開き、量設定値によって指示される流体の量のうちの特定割合が送達されるまで、流体を送達する。特定割合が送達されると、流れ制御器は流体の全特定量が送達されるまで、閉口プロファイルに従って流体を送達する。流体のその他の割合は、確実に特定化されてもよいが、本例に対しては、量設定値の50%が送達されると、流れ制御器は、閉口プロファイルに従って可変弁を閉じ始めると想定される。
【0060】
図示されるように、量設定値指標および/または流体送達制約が受け取られる(ブロック700)際に、流体送達プロファイルは、開口プロファイルおよび閉口プロファイルを保有するために計算される(ブロック710)。図示されているように、本実施形態では、可変弁はその飽和位置まで開かれ(ブロック720)、その後に流体流れ測定値を受け取る(ブロック730)。
【0061】
本実施形態では、流体の送達量は、流体流れ測定値に基づいて計算され、流れ制御器は閉口プロファイルに切り替えられるべきか否かを決定する(ブロック740)。図示されているように、計算された送達量が、量設定値によって指示される流体の特定量の50%より少ない場合には、流体流れ測定値は継続して受け取られ、開口プロファイル(ブロック730)に従って流体は送達される。図示されているように、送達量が50%を超える場合、流体測定値は受け取られ、閉口プロファイル(ブロック750)に従って流体は送達される。
【0062】
図7に示されるように、本実施形態では、流体測定値に基づき、流れ制御器は、量設定値に到達したか否か(ブロック760)を決定し、量設定値に到達した場合、流れ制御器は可変弁を閉じる(ブロック780)。多くの実装において、弁が実際に閉じる時間までに特定量が送達されるように、流れ制御器は、到達される量設定値に先行して変数の閉鎖を開始する。
【0063】
量設定値に到達しなかった場合、必要であれば、流れ制御器により、流体測定値に基づいて可変弁の位置または閉口プロファイルに調整を行い(ブロック770)、流れ制御器は、量設定値に到達するまで、ブロック750、760、および770を繰り返す。
【0064】
次に図8Aおよび8Bを参照すると、流体の送達量における偏差に応じて、時間に対して調整される、典型的な流体送達プロファイル(本明細書では閉口プロファイルとも称される)800の閉口部分を示すグラフ、および流体840の送達量を示すグラフが、それぞれ示されている。本例では、流れ制御器は、完了時間828には、流体の量の送達を完了させるようにプログラムされ、図示されるように、本例の閉口プロファイルは、第1の初期の閉口プロファイル800から、第2の閉口プロファイル805(2回目は824)へ、それから再び、第3の閉口プロファイル810(3回目は826)へ2度修正され、流体の特定量812を送達する。
【0065】
図8Bに示されるように、本例における流体の送達量840は、例えば、初期時間822からの速度の増加に対して、急速に増加する。流体送達速度のかかる変化は、例えば、流体流れの圧力における変化を含む、様々な要因に基づく場合がある。図8Bに示されるように、第2の時間824で計算されるような、流体の最終送達量の予測842は、時間制約を破って、完成時間828の前に特定量812にうまく到達するであろうことを示す。結果として、本実施形態では、初期の流体送達プロファイル800は、予測842に対応して、第2の時間824において、より低い流体送達率に対する第2の閉口プロファイル805へ修正された。
【0066】
図8Bに示されるように、第2の閉口プロファイル805によって導入されたより低い送達率に応じて、第1の時間824と第3の時間826との間の、流体の送達量における増加は比較的平坦であった。図8Bの第3の時間826で計算された、最終送達量の別の予測844は、望ましい完了時間828の後の受け入れ不可能な時間において、量設定値が首尾よく到達するであろうことを示している。結果として、図8Aに示されるように、望ましい完了時間828に、流体の特定量812を送達するためには比較的低い率の流体送達をもたらした第2の流体送達プロファイル805から、より高い率の流体送達をもたらす第3の閉口プロファイル810へと変更した。
【0067】
閉口プロファイルへの修正が、多くの実施形態(例えば、図8Aおよび8Bを参照して説明した実施形態)と関連して行われるが、他の実施形態では、流体送達プロファイル(例えば、開口プロファイルおよび/または中間プロファイル)の他の部分が調整される。さらに、ある実施形態では、全流体送達プロファイルまたは流体送達プロファイルの全部分よりむしろ、単一の指標(例えば、弁設定指標)および対応する流体送達プロファイル内における時間が修正されている。さらに他の実施形態では、流体送達プロファイルの修正は、流体の送達の間の任意の点で受け取られる制約によって誘発される。
【0068】
結論として、本発明は、特に、流体の流れを制御するためのシステムおよび方法を提供することにより、流体の特定量を送達する。当業者は、本発明では、種々の修正および代替が行われる場合があり、その使用およびその構成は、本願で述べた実施形態によって達成されるような、実質的に同じ結果が達成されることを容易に理解することができる。従って、開示された典型的な形態には、本発明を限定する意図はない。多くの変形、修正、および代替の構成は、請求項で述べる通り、開示される本発明の範囲及び精神に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達するように構成される、流れ制御器の概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達するように構成される流れ制御器の、構成要素の概略図である。
【図3】図3Aは、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達するための、流体送達プロファイルのグラフである。図3Bは、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達する間の時間に対する弁の変位のグラフである。図3Cは、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達する間の時間に対する流体の送達量のグラフである。
【図4】図4は、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達するための方法を図示する、流れ図である。
【図5】図5Aは、本発明の実施形態による、流れ制御器によって変更される流体送達プロファイルを示すグラフである。図5Bは、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達する間の時間に対する弁の変位のグラフである。図5Cは、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達する間の時間に対する流体の送達量のグラフである。
【図6】図6Aは、本発明の実施形態による、いくつかの部分を有する、流体送達プロファイルのグラフである。図6Bは、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達する間の時間に対する流体の送達量のグラフである。図6Cは、本発明の実施形態による、流体の特定量を送達する間の時間に対する弁の変位のグラフである。
【図7】図7は、本発明の実施形態による、2つの部分を有する流体送達プロファイルに従い、流体の特定量を送達するための方法を図示する流れ図である。
【図8】図8Aは、本発明の実施形態による、時間と共に変化する流体送達プロファイルの、閉口部分のグラフである。図8Bは、本発明の実施形態による、図8Aの流体送達プロファイルに従って、流体の特定量を送達する間の時間に対する流体の送達量のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の特定量を送達するために、流れ制御器によって使用される流体送達プロファイルを受け取ることであって、該流体送達プロファイルは、送達時間ウィンドウと、複数の設定値とを含み、該複数の設定値からの各設定値は、該送達時間ウィンドウ内の時間おける特定の瞬間と関連付けられる、ことと、
該流れ制御器を使用して、該流体送達プロファイルに従って該流体を送達することであって、該複数の設定値からの各設定値は、該流れ制御器の可変弁の位置に対応する、ことと
を備える、方法。
【請求項2】
前記送達時間ウィンドウは、前記流体の特定量のうちの少なくとも1つ、または前記流れ制御器の特性に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記流体送達プロファイルは、前記流体の特定量に基づき、かつ、前記送達時間ウィンドウまたは前記流れ制御器の特性のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
流体の送達量に基づいて前記流体送達プロファイルを修正することをさらに備え、該送達量は、流れセンサによって測定される少なくとも1つの値を使用して計算され、該少なくとも1つの値は計測時間に対応し、該修正することは、該流体送達プロファイル内の該記複数の設定値からの少なくとも1つの設定値を修正することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記流体の特定量と前記流体の送達量との間の差に基づいて、前記流体送達プロファイルを修正することをさらに備えており、該送達量は、流れセンサによって計測される少なくとも1つの値を使用して計算され、該少なくとも1つの値は、計測時間に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記流体送達プロファイルは数学モデルに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記流体送達プロファイルは、開口プロファイルと、中間プロファイルと、閉口プロファイルとのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記特定量は、モル数と、質量とのうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記流体の流れを、熱流れセンサで感知することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記流体送達プロファイルは少なくとも一部分を含み、該少なくとも一部分は数学モデルに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記流体送達プロファイルは、少なくとも一部分を含み、
前記方法は、前記流体の送達量に基づいて該少なくとも一部分を修正することをさらに備え、該送達量は、流れセンサによって計測される少なくとも1つの値を使用して計算され、該少なくとも1つの値は送達時間に対応し、該送達時間は該送達時間ウィンドウ内の時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記流体送達プロファイルは、少なくとも一部分を含み、
前記方法は、前記流体の送達量に基づいて該流体送達プロファイルの該少なくとも一部分を開始することをさらに備え、該送達量は、流れセンサによって測定される少なくとも1つの値を使用して計算され、該少なくとも1つの値は送達時間に対応し、該送達時間は該送達時間ウィンドウ内の時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
量指標の受け取りに応答して流体の送達を開始するために、流れ制御器の可変位置弁の位置を閉口位置から第1の位置へ変更することであって、該量指標は前記流体の特定量を指示する、ことと、
該流体の特定量が送達されるまで、該可変位置弁の位置を該第1の位置から調整することであって、該流体の特定量が送達される際に、該位置は該閉口位置であり、該調整することは流れ指標と流体送達プロファイルとに基づいて該流れ指標は該流体の流れを示している、ことと
を備える、方法。
【請求項14】
前記第1の位置は、前記流体の特定量に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の位置は、前記可変位置弁と関連付けられたセンサを飽和させる、該可変位置弁の位置である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記調整することは、流体の送達量に基づいて調整することを含み、該流体の送達量は、前記流れ指標に基づいて決定される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記流体送達プロファイルは、前記流体の特定量と、特定の送達時間ウィンドウとのうちの少なくとも1つに基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記流れ指標と、前記流体の送達量と、送達時間と、送達時間ウィンドウと、前記流体の特定量とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記流体送達プロファイルを修正することをさらに備え、前記送達時間は、前記送達時間ウィンドウ内の時間である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記特定量の前記流体と、前記流体の送達量との間の差に基づいて、前記流体送達プロファイルを修正するステップをさらに備え、該送達量は、前記流れ指標を使用して計算される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
流体を送達する装置であって、
送達時間ウィンドウ上に可変弁に対する弁の位置を画定する、流体送達プロファイルを保存するように構成されるメモリと、
該流体の流速の指示と、該流体の特定量の要求とを受け取るように構成されるプロセッサであって、該要求と該流速の指示とに応答して、該プロセッサは、該送達時間ウィンドウの間に該流体の特定量を送達するために、該流体送達プロファイルと該流速とに従って、該可変弁を制御するように構成される、プロセッサと
を備える、装置。
【請求項21】
前記流体の流速を、調整するように構成される可変弁を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記流速の指示を、前記プロセッサに提供するように構成される流れセンサを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記流速の指示を使用して、前記流体の送達量を計算するように構成され、前記プロセッサは、前記流体の送達量に応じて、前記流体送達プロファイルを修正するように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記プロセッサは、前記流速の指示、前記流体の特定量、または前記送達時間ウィンドウのうちの少なくとも1つに基づいて、前記流体送達プロファイルを修正するように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
温度指標を送るように構成される温度センサと、圧力指標を送るように構成される圧力トランスデューサとのうちの少なくとも1つをさらに備え、前記プロセッサは、該温度指標または圧力指標のうちの少なくとも1つを使用して、前記可変弁を制御する、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
温度指標を送るように構成される温度センサと、圧力指標を送るように構成される圧力トランスデューサとのうちの少なくとも1つをさらに備え、前記プロセッサは、該温度指標または該圧力指標のうちの少なくとも1つを使用して、前記流体送達プロファイルを修正する、請求項20に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−534756(P2009−534756A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506745(P2009−506745)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/066880
【国際公開番号】WO2007/124324
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(597088476)アドバンスド エナジー インダストリーズ, インコーポレイテッド (18)
【住所又は居所原語表記】1625 Sharp Point Drive, Fort Collins, Colorado 80525 U.S.A.
【Fターム(参考)】