説明

流水部材の固定用具

【課題】流水部材の位置調整を容易かつ迅速に行うことができるようにする。
【解決手段】配水管等の流水部材を保持する保持部材2と、この保持部材2の側方に配置されて上下方向に長尺な支持部材3と、保持部材2を支持部材3に対して位置調整自在に固定する固定手段4とを備えた流水部材の固定用具において、固定手段4は、保持部材2を支持部材3に掛止する第1掛止部27を有する固定部17と、支持部材3に形成されるとともに、この第1掛止部27を掛止する第2掛止部3aとを備え、固定部17は、支持部材3の長手方向に対して所定の角度で斜めに交差した状態で、第1掛止部27が第2掛止部3aに掛止されることにより、保持部材2を支持部材3に固定するように構成され、かつ、支持部材3に対する角度が変わるように操作されることにより、第2掛止部3aによる第1掛止部27の掛止を解除するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、配水管等の流水部材の固定用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流水部材の固定用具には、例えば、流水部材(配水管)を保持する保持部材(保持手段)と、この保持部材を所定の高さ位置で固定する一対の支持部材と、保持部材の高さ調整をするための高さ調整手段(位置調整手段)と、支持部材が固定されるベース部材とを備えたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この固定用具の保持部材は、円弧状に形成されていて流水部材を保持する保持部を有し、この保持部には、内側から外側に向かってボルトが突出して設けられており、このボルトおよびボルトに嵌るナットによって高さ調整手段が構成されている。
【0004】
また、支持部材には、保持部のボルトを係止するための係止孔が形成されており、この固定用具は、保持部のボルトを係止孔に挿通するとともに、このボルトにナットを嵌め込んで締結することによって、支持部材に保持部を固定することができ、ナットを緩めると、保持部の高さを変更(調整)できるようになっている。
【特許文献1】特許第3763787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の流水部材の固定用具は、保持部材(保持部)の位置を調整する場合、ボルトに締め付けられているナットを一旦緩め、保持部の位置を変更した後、再びナットを締め付ける必要があり、このナットを緩めて再び締め付ける動作に手間がかかっていた。
【0006】
そこで、本発明は、流水部材の位置調整を容易かつ迅速に行うことができる流水部材の固定用具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためのものであって、配水管等の流水部材を保持する保持部材と、この保持部材の側方に配置されて上下方向に長尺な支持部材と、保持部材を支持部材に対して位置調整自在に固定する固定手段とを備えた流水部材の固定用具において、固定手段は、保持部材を支持部材に掛止する第1掛止部を有する固定部と、支持部材に形成されるとともに、この第1掛止部を掛止する第2掛止部とを備え、固定部は、支持部材の長手方向に対して所定の角度で斜めに交差した状態で、第1掛止部が第2掛止部に掛止されることにより、保持部材を支持部材に固定するように構成され、かつ、支持部材に対する角度が変わるように操作されることにより、第2掛止部による第1掛止部の掛止を解除するように構成されてなることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、支持部材に対する固定部の角度を変更する操作により、保持部材を支持部材に対して固定および固定解除できるようになり、これによって、流水部材の固定用具は、流水部材の位置調整を容易かつ迅速に行うことができるようになる。
【0009】
また、本発明は、上記の課題を解決するためのものであって、配水管等の流水部材を保持する保持部材と、この保持部材の側方に配置されて上下方向に長尺な支持部材と、保持部材を支持部材に対して位置調整自在に固定する固定手段とを備えた流水部材の固定用具において、固定手段は、所定の操作による弾性変形・変形解除によって支持部材に対して接近・離反することで支持部材に掛止・掛止解除可能な第1掛止部を有する固定部と、支持部材に形成されるとともに第1掛止部を掛止する第2掛止部と、第2掛止部による第1掛止部の掛止を維持すべく、第1掛止部の掛止位置とは反対側から支持部材に当接する当接部とを備え、しかも、固定手段は、第1掛止部が第2掛止部に掛止されるとともに、当接部が支持部材に当接した状態で、この第1掛止部と当接部とで支持部材を挟むようにすることで、保持部材を支持部材に固定し、そして、所定の操作により第1掛止部を第2掛止部から離反させて掛止が解除されたときに、保持部材を支持部材の長手方向に沿って位置変更可能にするように構成されてなることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、第1掛止部を支持部材の第2掛止部に掛止させ、第1掛止部と当接部とによって支持部材を挟むようにして、この掛止の状態を維持することにより、保持部材を支持部材に確実かつ強固に固定することができ、流水部材を所望の位置に固定することができるようになる。
【0011】
さらに、この固定の状態から、第1掛止部が第2掛止部から離れるように固定部を弾性変形させることによって、保持部材を支持部材の長手方向に対して移動させることができ、そして、所定の位置で、弾性変形させていた第1掛止部を元の状態(変形解除)に戻すと、第1掛止部は、再び第2掛止部に掛止され、当接部が支持部材に当接することによって、この掛止が維持され、保持部材を支持部材に固定することができる。
【0012】
このように、本発明に係る固定用具は、固定部を弾性変形させ、その弾性変形を解除させるだけの簡単な操作で、保持部材が保持する流水部材の位置調整を容易かつ迅速に行うことができる。
【0013】
また、本発明に係る流水部材の固定用具は、前記固定部に、支持部材が挿通されるとともに、第1掛止部による掛止が解除されたときに、保持部材を支持部材の長手方向に沿って案内するガイド孔が形成される構成を採用できる。
【0014】
かかる構成によれば、ガイド孔に支持部材が挿通されることで、保持部材は、このガイド孔を介して支持部材の長手方向に沿って案内されることになり、これによって、流水部材を保持する保持部材の位置調整を容易に行うことができるようになる。
【0015】
また、本発明に係る流水部材の固定用具は、前記第1掛止部が、ガイド孔の周縁部に形成される構成を採用できる。
【0016】
かかる構成によれば、第1掛止部を第2掛止部から離反させると、即座にガイド孔によって保持部材を支持部材の長手方向に沿って案内できるようになり、保持部材の固定解除、および位置調整を迅速に行うことができるようになる。
【0017】
また、本発明に係る流水部材の固定用具は、前記固定部が、ガイド孔に支持部材が挿通されたときに、この支持部材の長手方向に対して斜めに交差するように構成されていてもよい。
【0018】
かかる構成によれば、固定部が支持部材の長手方向に斜めに交差するように構成されることにより、この固定部を弾性変形させたときに、第1掛止部を第2掛止部から離反させることができるようになる。
【0019】
また、本発明に係る流水部材の固定用具は、前記第2掛止部が、前記支持部材に形成された雄ねじであるような構成を採用してもよい。
【0020】
かかる構成によれば、支持部材に雄ねじを形成することで、雄ねじの山部および谷部が支持部材の長手方向に等ピッチで複数形成されることになり、これによって、第1掛止部を支持部材の長手方向の任意の位置で掛止できるようになり、その掛止位置を変えることで、保持部材が保持する流水部材の位置を調整できるようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、流水部材の位置調整を容易かつ迅速に行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る流水部材の固定用具を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。図1〜図3は流水部材の固定用具(以下、単に「固定用具」という)の第1実施形態を示している。
【0023】
図1に示すように、固定用具1は、円筒状の配水管等の流水部材を保持する保持部材2と、この保持部材2を位置変更可能にする長尺状の支持部材3と、保持部材2を支持部材3に固定する固定手段4と、支持部材3が固定されるベース部材5を備える。
【0024】
保持部材2は、金属製で、側面視ほぼ円弧状の板形状とされている。この保持部材2は、側面視において円弧状に形成されていて、流水部材を保持する保持部10と、流水部材を保持部10に案内するガイド部11と、連結部12とを有する。
【0025】
保持部10は、保持部材2の中途部に形成され、ガイド部11は、保持部材2の2つの端部に形成されている。また、連結部12は、保持部10とガイド部11の間の2箇所に設けられており、各連結部12が固定手段4の作用する箇所となっている。
【0026】
また、ガイド部11は、図1に示すように、流水部材を保持部10に案内できるように、保持部10の円弧の半径(曲率半径)方向(以下、単に「半径方向」という)の外方に反り返るように形成されている。
【0027】
連結部12は、保持部材2の中途部を、半径方向外方に膨出するように形成することにより構成される。これにより、連結部12の内側には、保持部10の内面よりも半径方向外方に底面が位置する凹部(逃がし凹部)12aが形成されている。連結部12には、その厚さ方向に貫通する貫通孔12bが形成されている。
【0028】
支持部材3は、金属製の円柱状とされており、その外面には、全長にわたって雄ねじ3aが形成されている。なお、本実施形態では、支持部材3として全ねじが用いられている。この実施形態に係る固定用具1は、2つの支持部材3によって、保持部材2を支持するようになっている。支持部材3の一端部は、ベース部材5に固定されている。
【0029】
固定手段4は、金属製の板部材を曲げることによって形成された固定部材15を有し、この固定部材15には、保持部材2の連結部12に取り付けられる取付部16と、支持部材3に係合するとともに、この支持部材3に保持部材2を固定するための固定部17(17a,17b)と、この固定部17(17a,17b)を操作するための操作部18(18a,18b)とが設けられている。
【0030】
本実施形態では、1つの固定手段4に対して、2つの固定部17a,17bが形成され、各固定部17a,17bに1つの操作部18(18a,18b)が設けられている。2つの固定部17a,17bは、取付部16を挟むようにして、この取付部16に繋がって形成されている。
【0031】
以下、1つの固定手段4の2つの固定部17a,17bの一方を第1固定部17aといい、この第1固定部17aに繋がる操作部18aを第1操作部18aという。また、2つの固定部17a,17bの他方を第2固定部17bといい、この第2固定部17bに繋がる操作部18bを第2操作部18bという。
【0032】
取付部16は、保持部材2の連結部12に当接する当接面21と、その板厚方向に貫通して形成された貫通孔16aとを有する。固定部材15は、取付部16の貫通孔16aと保持部材2の連結部12の貫通孔12bとを一致させ、連結部12と取付部16とを連結部材であるリベット22で連結することにより、保持部材2に連結されている。このリベット22において、取付部16側を係止する頭部は、保持部材2を支持部材3に固定するときに、支持部材3に当接する当接部14となっている。
【0033】
各固定部17a,17bは、その板厚方向に貫通する孔26を有し、この孔26は、支持部材3が挿通されるとともに、保持部材2をこの支持部材3の長手方向に沿って案内するガイド孔26となっている。このガイド孔26は、図3に示すように、平面視で円形または楕円形に形成されている。
【0034】
また、このガイド孔26は、その周縁部の一部が、支持部材3の雄ねじ3aの谷部または山部に掛止されるようになっている。すなわち、このガイド孔26の一部(符号27で示す)は、保持部材2を固定手段4を介して支持部材3に掛止する掛止部(以下「第1掛止部」という)27となっている。この第1掛止部27は、ガイド孔26の周縁部において、固定部17a,17bの操作部18a,18b側の端部寄りの部分である。
【0035】
この第1掛止部27は、操作部18a,18bを操作することにより、支持部材3に対して掛止・掛止解除自在とされている。掛止の状態にあるとき、第1掛止部27は、支持部材3の雄ねじ3aの谷部に嵌って掛止される。
【0036】
すなわち、この雄ねじ3aの谷部(または山部)は、第1掛止部27を掛止する掛止部(以下「第2掛止部」という)となっている。以下、この「雄ねじ」と「第2掛止部」に共通符号3aを用いる。なお、固定手段4は、固定部材15の第1掛止部27と、この第2掛止部3aと、当接部14とで構成されている。
【0037】
また、各固定部17a,17bは、取付部16に対して所定の角度を為すように、取付部16との境界位置で曲げられている。本実施形態では、各固定部17a,17bのガイド孔26に支持部材3が挿通されていない状態において、各固定部17a,17bと取付部16とが為す角度は、約135°となっている。これにより、各固定部17a,17bに形成されたガイド孔26に支持部材3が挿通された状態では、各固定部17a,17bは、支持部材3の長手方向(軸線方向)に対して所定の角度で斜めに交差した状態となる。
【0038】
図1に示すように、ガイド孔26に支持部材3が挿通され、取付部16と支持部材3とがほぼ平行となった場合において、各固定部17a,17bと支持部材3とが為す角度(すなわち、取付部16と各固定部17a,17bとが為す角度)は約126°なっている。
【0039】
すなわち、各固定部17a,17bは、ガイド孔26に支持部材3が挿通されていない状態(保持部材2が支持部材3に取り付けられていない状態)と、挿通された状態(保持部材2が支持部材3に取り付けられている状態)とで、取付部16に対する角度が異なる。
【0040】
より具体的には、ガイド孔26に支持部材3が挿通されていない場合よりも、挿通された場合の方が、取付部16(または支持部材3)に対する各固定部17a,17bの角度が小さくなる。すなわち、各固定部17a,17bは、支持部材3に取り付けられたとき(ガイド孔26に支持部材3が挿通されたとき)に、支持部材3に対する角度が変わることで弾性変形し、操作部18a,18bが操作されない限り、その弾性復元力をもって支持部材3に押しつけられることとなる。さらに具体的には、各固定部17a,17bの第1掛止部27は、各固定部17a,17bの弾性復元力によって、第2掛止部3aに強く押し当てられ、この第2掛止部3aにより確実に掛止される。
【0041】
また、第1固定部17aと第2固定部17bとは、傾斜の方向が異なる。第1固定部17aおよび第2固定部17bは、図2に示すように、側面視において、取付部16に対して引いた中心線に対して、線対称となるように形成されている。第1固定部17aと第2固定部17bは、取付部16から操作部18(18a,18b)に向かうにつれて、互いに徐々に離れるように傾斜している。
【0042】
したがって、固定手段4が保持部材2を支持部材3に固定している状態(図1参照)では、第1固定部17aは、支持部材3に対して上方(支持部材3の基部から先端に向かう方向)に傾斜(上向傾斜)した状態となる。また、第2固定部17bは、支持部材3に対して下方(支持部材3の先端から基部に向かう方向)に傾斜(下向傾斜)した状態となる。
【0043】
より具体的には、第1固定部17aが支持部材3に対して上方に傾斜した状態とは、この第1固定部17aにおける第1操作部18a側の端部が、取付部16側の端部よりも上方に位置するように第1固定部17aが傾斜した状態である。また、第2固定部17bが支持部材3に対して下方に傾斜した状態とは、この第2固定部17bにおける第2操作部18b側の端部が、取付部16側の端部よりも下方に位置するように第2固定部17bが傾斜した状態である。
【0044】
このように、第1固定部17aが支持部材3に対して上方に傾斜した状態では、この第1固定部17aの第1掛止部27が支持部材3の第2掛止部3aに掛止されたとき、この第1固定部17aの上方側の面の一部が、これよりも上方に位置する、支持部材3の雄ねじ3aの谷部の傾斜面に当接することになり、これによって、第1固定部17aは、保持部材2が支持部材3の上方に移動しないように、特に強く保持部材2の位置規制を行うようになっている。
【0045】
また、第2固定部17bが支持部材3に対して下方に傾斜した状態では、この第2固定部17bの第1掛止部27が支持部材3の第2掛止部3aに掛止されたとき、この第2固定部17bの下方側の面の一部が、これよりも下方に位置する、支持部材3の雄ねじ3aの谷部の傾斜面に当接することになり、これによって、第2固定部17bは、保持部材2が支持部材3の下方に移動しないように、特に強く保持部材2の位置規制を行うようになっている。
【0046】
したがって、固定用具1は、第1固定部17aによって保持部材2が上方に移動しないように強く位置規制をし、しかも第2固定部17bによって保持部材2が下方に移動しないように強く位置規制をすることにより、保持部材2が上下方向に移動しないように支持部材3に対して掛止できる。
【0047】
なお、各固定部17a,17bの第1掛止部27が支持部材3の第2掛止部3aに掛止されている状態では、第1掛止部27が第2掛止部3aに向かう力が各固定部17a,17bに作用するように、これらの固定部17a,17bは、若干弾性変形していることが望ましい。
【0048】
また、固定手段4は、各固定部17a,17bの第1掛止部27が第2掛止部3aに掛止されるとともに、当接部14が支持部材3に当接することによって、保持部材2を支持部材3に固定するようになっている。具体的には、図1に示すように、保持部材2が支持部材3に固定されている状態では、支持部材3は、当接部14と第1掛止部27との間に位置しており、これらによって挟まれることで、保持部材2を支持部材3に対して固定されている。
【0049】
より具体的には、各固定部17a,17bのガイド孔26は、支持部材3を挿通でき、しかも、第1掛止部27が、支持部材3に対して接近・離反できるように、この支持部材3よりも大きく形成されており、このため、第1掛止部27が第2掛止部3aに掛止された状態では、この掛止位置とは支持部材3を挟んで反対側の位置において、ガイド孔26と支持部材3との間に隙間ができるようになっている。
【0050】
この状態において、当接部14は、第1掛止部27が第2掛止部3aから不意に離れないように、前記掛止位置とは、支持部材3を挟んで反対側の位置からこの支持部材3に当接し、第1掛止部27が第2掛止部3aに掛止される状態を維持できようになっている。
【0051】
以上のように、固定用具1は、固定手段4の第1掛止部27が支持部材3の第2掛止部3aに掛止されるとともに、この掛止を維持するように、当接部14が支持部材3に当接することにより、保持部材2を支持部材3に確実かつ強固に固定できるようになっている。
【0052】
各操作部18a,18bは、その中途部が屈曲して形成されている。各操作部18a,18bは、各固定部17a,17bと繋がる第1屈曲部35a,35bと、この第1屈曲部35a,35bに繋がる第2屈曲部36a,36bとを有する。
【0053】
第1屈曲部35a,35bは、側面視において、各固定部17a,17bに対して約90°の角度で屈曲して形成されている。また、第2屈曲部36a,36bは、水平方向に対して所定の角度で傾斜するように、第1屈曲部35a,35bから屈曲されている。本実施形態では、この第2屈曲部36a,36bが水平方向に対して為す角度は、約20°となっており、この第2屈曲部36a,36bを指で操作し易い構成となっている。
【0054】
固定手段4は、第1固定部17aの第1掛止部27が支持部材3の第2掛止部3aに掛止されている状態で、この第1操作部18aを下方に押すように指で操作することによって、第1固定部17aが弾性変形し、その第1掛止部27が第2掛止部3aから離れ、第2掛止部3aによる第1掛止部27の掛止を解除できるようになっている。なお、第1操作部18aを下方に押すように操作すると、支持部材3に対する第1固定部17aの交差角度が変わる。より具体的には、この操作により、支持部材3に対する第1固定部17aの交差角度(または第1固定部17aと取付部16とが為す角度)は、操作前(126°)よりも小さくなる。
【0055】
また、固定手段4は、第2固定部17bの第1掛止部27が第2掛止部3aに掛止されている状態で、この第2操作部18bを上方に押し上げるように操作することによって、第2固定部17bが弾性変形し、その第1掛止部27が第2掛止部3aから離れることで、その掛止を解除できるようになっている。なお、第2操作部18bを上方に押し上げるように操作すると、支持部材3に対する第2固定部17bの交差角度が変わる。より具体的には、この操作により、支持部材3に対する第2固定部17bの交差角度(または第2固定部17bと取付部16とが為す角度)は、操作前(126°)よりも小さくなる。
【0056】
ベース部材5は、平面視長方形状の板形状とされており、その厚さ方向における一方の面に、支持部材3が取り付けられる取付部41が設けられている。この取付部41は、ベース部材5の一方の面から突出する筒形状に構成されており、その内面に雌ねじが形成されている。支持部材3は、この取付部41の雌ねじに嵌め込まれることによって、ベース部材5に固定される。なお、このベース部材5の各端部と取付部41との間には、その板厚方向に貫通する貫通孔5a,5aが形成されている。
【0057】
以下、この固定用具1の使用方法について説明する。
【0058】
この固定用具1を用いて流水部材である配水管を固定するには、予め、ベース部材5に固定された支持部材3に、固定手段4を介して保持部材2を掛止させた状態で、ベース部材5を所定の固定位置に固定する。
【0059】
具体的には、ベース部材5は、例えば、配水管が建物内の床下に設けられる場合(床下配管)には、床下の躯体上面の所定位置に固定される。このベース部材5は、例えば、このベース部材5に形成された孔およびアンカーボルトを介して所定の固定位置に固定される。
【0060】
次に、配水管を保持部材2に取り付ける。このとき、配水管を保持部材2のガイド部11に当接させ、それからこの配水管を保持部10側に押し込むようにする。そうすると、保持部10の内面に配水管が接触した状態となり、これにより、配水管は保持部材2に保持される。
【0061】
そして、配水管を配水物(例えば水、固形物を含んでいる水等)が所定の速度で流れるように、この配水管を傾斜させる。配水管を所定の傾斜角度にするために、固定部材15の操作部18a,18bを操作するとともに、支持部材3に対する保持部材2を位置を変える。このとき、1つの固定手段4に設けられている2つの操作部18a,18bの一方に親指を当て、他方に人差し指を当て、2つの操作部18a,18bが互いに近づくように操作する。
【0062】
そうすると、各固定部17a,17bは、弾性変形しながら支持部材3の軸線方向に対する交差角度が変わり、それぞれのガイド孔26の第1掛止部27が支持部材3の第2掛止部3aから離れる(離反する)。これにより、固定手段4による保持部材2の掛止(固定)が解除され、固定手段4が連結された保持部材2を、支持部材3の長手方向に沿って移動させることができるようになる。
【0063】
上記のように、各固定部17a,17bを弾性変形させたままの状態で、保持部材2を所望の位置に移動させた後、この固定部17a,17bを離すと、固定部17a,17bはその弾性復元力により、元の形状に戻ろうとする。これにより、ガイド部11の掛止部が支持部材3に接近し、そして支持部材3の第2掛止部3aである第2掛止部3a(雄ねじ3aの谷部)に嵌って掛止される。これにより、保持部材2は、固定手段4を介して、再び支持部材3に固定される。
【0064】
以上によって、固定用具1による配水管の固定がなされ、これを繰り返しながら配水管の配管がなされる。
【0065】
上記構成の固定用具1によれば、固定部材15に形成された第1固定部17a,17bの支持部材3に対する交差角度が変わるように、固定部材15(操作部18a,18b)を操作するだけで、第2掛止部3aによる第1掛止部27の掛止を解除して、保持部材2の支持部材3に対する位置を調整できるようになり、これによって、容易かつ迅速に保持部材2の位置調整を行うことができる。
【0066】
また、保持部材2に連結された固定部材15の各固定部17a,17bに形成された第1掛止部27が、支持部材3の第2掛止部3aに掛止され、しかも当接部14がその掛止を維持するように支持部材3に当接することで、流水部材を保持する保持部材2を所定の位置(高さ)に確実に固定でき、これによって流水部材を所望の固定位置で動かないように支持することができる。
【0067】
そして、この固定用具1は、固定手段4の各操作部18a,18bを所定の方向に押して各固定部17a,17bを弾性変形させるだけで、保持部材2の固定を解除でき、しかも、押していた操作部18a,18bを離すと、各固定部17a,17bの弾性復元力によって自動的に保持部材2を支持部材3に対して固定するようになっているため、流水部材の固定作業、位置調整作業を容易かつ迅速にできるようになる。
【0068】
また、各固定手段4の各固定部17a,17bに形成されたガイド孔26に支持部材3が挿通されていることから、保持部材2の支持部材3に対する固定が解除されているときに、この保持部材2は、ガイド孔26を介して、支持部材3の長手方向に沿って位置変更できるようになっており、これによって、保持部材2の位置を調整する場合に、保持部材2が支持部材3から大きく離れることがなくなり、これによって、保持部材2の位置調整を容易に行うことができる。
【0069】
さらに、各固定部17a,17bに形成されたガイド孔26は、支持部材3に沿って保持部材2を案内するのみならず、その周縁部の一部が支持部材3の第2掛止部3aに掛止される第1掛止部27となっていることから、固定部17a,17bに貫通孔(ガイド孔26)を設けるだけで容易に形成でき、これによって、固定用具1の製造コストを低減できるようになる。
【0070】
また、固定部17a,17bは、側面視において、そのガイド孔26に支持部材3が挿通されている状態で、この支持部材3に対して斜めに交差するように設けられていることから、操作部18a,18bを操作して第1掛止部27を第2掛止部3aから離反させるときに、第2掛止部3aに引っ掛かることなくその掛止を解除できる。
【0071】
しかも、操作部18a,18bを離すと、第1掛止部27は、固定部17a,17bの弾性復元力によって、第2掛止部3aに接近することになるが、このとき、第2掛止部3aである雄ねじの谷部または山部に係合しやすくなり、第2掛止部3aによる第1掛止部27の掛止を確実にできる。
【0072】
また、支持部材3に雄ねじ3aを形成して、第1掛止部27を掛止する第2掛止部3aとしていることから、この第2掛止部3aは、等ピッチで複数の山部および谷部が交互に形成されているので、支持部材3の長手方向の任意の位置で、第1掛止部27を掛止できるようになる。
【0073】
図4、図5は、固定用具1の第2実施形態を示している。上述した第1実施形態では、固定手段4の各固定部17a,17bに形成された第1掛止部27が支持部材3に形成された第2掛止部3aに掛止される状態を維持できるように、保持部材2と固定部材15とを連結するリベット22の頭部を当接部14として支持部材3に当接させていたが、本実施形態では、この当接部14とは別に、各固定部17a,17bにも、支持部材3に当接する当接部45a,45bが形成されており、固定手段4がこの当接部45a,45bを含む点が第1実施形態と異なる。
【0074】
第1固定部17aに形成された当接部45aは、この第1固定部17aの上面31から上方に突出して形成されており、その先端部が支持部材3から離れるように曲げられている。この当接部45aは、第1固定部17aの第1掛止部27と対向するように、そのガイド孔26の周縁部に設けられている。支持部材3が第1固定部17aのガイド孔26に挿通されると、この支持部材3は、第1固定部17aの第1掛止部27と当接部45aとの間でこれらに挟まれた状態となる。
【0075】
同様に、第2固定部17bに形成された当接部45bは、第2固定部17bの下面33から下方に突出して形成されており、その先端部が支持部材3から離れるように曲げられている。この当接部45bは、第2固定部17bの第1掛止部27と対向するように、そのガイド孔26の周縁部に設けられている。支持部材3が第2固定部17bのガイド孔26に挿通されると、この支持部材3は、第2固定部17bの第1掛止部27と当接部45bとの間でこれらに挟まれた状態となる。
【0076】
本実施形態に係る固定用具1は、固定手段4の各固定部17a,17bの第1掛止部27が支持部材3の第2掛止部3aに掛止されるとともに、当接部14、第1固定部17aに形成された当接部14、および第2固定部17bに形成された当接部14の3つが、第1掛止部27の掛止位置とは支持部材3を挟んで反対位置からこの支持部材3に当接することにより、第1掛止部27と第2掛止部3aの掛止状態を維持して、保持部材2を支持部材3に確実かつ強固に固定できるようになっている。
【0077】
また、当接部45a,45bの先端部が支持部材3から離れるように曲げられていることから、固定部材15を支持部材3の長手方向に沿って移動させるときに、この先端部が支持部材3の第2掛止部3aに引っ掛かることがなく、しかも、これらの当接部45a,45bが固定部材15を支持部材3の長手方向に沿って案内するようになる。すなわち、この当接部45a,45bは、保持部材2の位置を調整するときに、この保持部材2を支持部材3の長手方向に沿って案内する案内手段をも兼ねているのである。
【0078】
さらに、この当接部45a,45bの先端部が曲げられていることにより、ガイド孔26に支持部材3を挿通しようとするときに、この当接部45a,45bの先端部が、支持部材3をガイド孔26へと案内する案内手段としても機能するようになっている。
【0079】
本実施形態のその他の点は、第1実施形態と同様である。本実施形態が第1実施形態と共通する構成には、共通符号を付して説明を割愛する。本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0080】
図6は、固定用具1の第3実施形態を示している。本実施形態では、第1実施形態と同様な固定手段4と、この固定手段4とは異なる構成の固定手段とによって、保持部材2を支持部材3に固定するようになっており、この点が第1実施形態と異なる。
【0081】
本実施形態では、固定部材15に第1実施形態と同様に、取付部16、第1固定部17a、および第1操作部18aが形成されており、さらに、第1固定部17aの下方位置に、取付部16に対してほぼ直角な方向に突出する突出部51が形成されている。この突出部51には、支持部材3が挿通されるとともに、保持部材2を支持部材3の長手方向に沿って案内するガイド孔51aが形成されている。
【0082】
固定部材15の第1固定部17aは、取付部16に対して為す角度が約120°とされている。この第1固定部17aは、そのガイド孔26に支持部材3が挿通された状態において、この支持部材3と所定の角度で斜めに交差した状態となる。また、第1固定部17aは、ガイド孔26に支持部材3が挿通された状態において、取付部16に対して為す角度が120°よりも小さくなり、これによる弾性復元力を介してその第1掛止部27が支持部材3の第2掛止部3aに掛止されている。
【0083】
その一方で、突出部51は、取付部16に対して為す角度が90°とされていることから、そのガイド孔51aに支持部材3が挿通されたときに、この支持部材3aとほぼ直交することとなり、支持部材3aに対して斜めに交差することはない。
【0084】
支持部材3には、ナット52が嵌め込まれており、前記突出部51は、このナット52に載せられて支持されている。すなわち、固定部材15に形成された突出部51と、この突出部51を受けるナット52とによって、保持部材2を支持部材3の所定位置に固定するための別の固定手段が構成されている。
【0085】
本実施形態では、第1固定部17aの第1掛止部27が支持部材3の第2掛止部3aに掛止され、かつ当接部14が支持部材3に当接することによって、保持部材2が上方に移動しないように固定部材15を支持部材3に対して固定するとともに、突出部51のガイド孔51aに支持部材3が挿通された状態で、この突出部51をナット52で支持することによって、保持部材2が下方に移動しないように固定部材15を支持部材3に対して固定するようになっている。
【0086】
本実施形態のその他の点は、第1実施形態と同様である。本実施形態が第1実施形態と共通する構成には、共通符号を付して説明を割愛する。本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0087】
なお、本発明は、上記の実施形態に限らず、種々の変形・変更が可能である。
【0088】
例えば、上記の実施形態では、固定部材15の第1固定部17a、第2固定部17bに形成された第1掛止部27を支持部材3の第2掛止部3aに掛止させ、さらに、保持部材と固定部材15を連結する連結部材(リベット22)の頭部に形成された当接部14を支持部材3に当接させることによって、保持部材2を支持部材3に固定する例を示したが、これに限らず、この当接部14を省略することも可能である。すなわち、固定手段4を固定部材15の第1掛止部27と支持部材3の第2掛止部3aのみによって構成し、この第1掛止部27を第2掛止部3aに掛止させることのみによって、保持部材2を支持部材3に固定することも可能である。
【0089】
また、上記実施形態では、支持部材3に雄ねじ3aを形成して、これを第2掛止部3aとした例を示したが、第2掛止部は、これに限らず、例えば円柱状に形成された支持部材3に、図7(a)に示すように、その全周にわたって形成された凹溝54を、その長手方向に間隔をおいて複数形成し、この凹溝54に第1掛止部が嵌って掛止されるようにしてもよい。また、図7(b)に示すように、凹溝54をその全周に形成せずに、その一部に形成し、これによって第1掛止部を掛止するようにしてもよい。
【0090】
また、このように、図7(a)、(b)に示すような凹溝54が採用される場合は、支持部材3を円柱状に形成せずに、角柱状、楕円柱状、断面異形形状その他の種々の形状のものを採用できる。
【0091】
また、固定部材15に形成されるガイド孔26の周縁部から、その中心に向かって突出する突起部を形成し、これを第1掛止部とするとともに、この第1掛止部が嵌る穴を支持部材3に形成し、これによって第1掛止部を掛止する構成を採用してもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、固定手段4の固定部17a,17bにガイド孔26を形成し、このガイド孔26を介して保持部材2を支持部材3の長手方向に沿って移動できるように案内する構成を例示したが、これに限らず、固定部17a,17bにガイド孔26に代えて、支持部材3に係合可能な凹部または切欠を形成し、これらを介して保持部材2を案内する構成を採用しても良い。
【0093】
また、上記実施形態では、取付部16に対する固定部17a,17bの角度が135°とされ、固定部17a,17bが支持部材3に対して約126°の角度で傾斜して取り付けられた例(第1実施形態、第2実施形態)、およびこの取付部16に対する固定部17aの角度が120°とされた例(第3実施形態)を示したが、これに限らず、これらの角度を変更してもよい。同様に、上記実施形態では、操作部18(18a,18b)の第1屈曲部35a,35bが固定部17a,17bに対して為す角度が約90°で、第2屈曲部36a,36bが第1屈曲部35a,35bに対して為す角度が約20°とされた例を示したが、これに限らず、これらを変更してもよい。
【0094】
上記実施形態では流水部材として円筒状の配水管を固定用具1で固定する例を説明したが、この流水部材は、配水管に限らず、断面円弧状の樋その他の流水可能な種々の形態のものを含む。
【0095】
上記第2実施形態では、リベット22の頭部による当接部14、各固定部17a,17bに形成された当接部14を支持部材3に当接させることによって、第1掛止部27と第2掛止部3aの掛止を維持する例を示したが、これに限らず、例えば、リベット22の頭部による当接部14は省略することも可能である。
【0096】
上記第3実施形態では、第1実施形態等で示した固定手段4の他に、ガイド孔51aを有する突出部51をナット52で支持することによって保持部材2を支持部材3に固定する例を示したが、これに限らず、このナット52に代えて、支持部材3の雄ねじ3aに係合可能なリング体を用いて突出部51を支持するようにしてもよい。
【0097】
上記実施形態では、流水部材を建物内の床下に配設する場合を例示したが、これに限らず、固定用具1は、流水部材を建物の天井裏に配設する場合や、壁面に配設する場合にも使用可能である。この場合、必要であれば、保持部材2とによって流水部材を挟みこむような押さえ部材を、この保持部材1に対して着脱自在に設けるようにしてもよい。また、このような押さえ部材をヒンジ等の連結手段を介して保持部材2に取り付けることも可能である。
【0098】
上記実施形態では、ベース部材5に形成された取付部41に支持部材3を固定するようにした例を示したが、これに限らず、例えば、2つの支持部材3,3をベース部材5の長手方向に対して移動自在かつ任意位置で固定可能に取り付けるようにして、2つの支持部材3,3の間隔を調整自在にし、この支持部材3,3の間隔に応じた保持部材2をこれらに固定するようにしてもよい。これによって、種々の大きさの流水部材を所定の固定位置に固定できるようになる。
【0099】
上記実施形態では、リベット22の頭部を固定部材15の取付部16から支持部材3に向かって突出するように設けて、これを当接部14とした例を示したが、これに限らず、例えば、取付部16に、支持部材3に向かって突出する突起部を形成し、この突起部を当接部として支持部材3に当接させるようにしてもよい。
【0100】
また、保持部材2の連結部12の貫通孔12bの内面に雌ねじを形成し、ボルト、ねじ等の連結部材をこの貫通孔12bに嵌め込んで、この連結部材の頭部を当接部14として用いても良い。
【0101】
また、このような連結部材の軸部を、連結部12の貫通孔12bおよび取付部16の貫通孔16aに、取付部16側から挿通して連結部12側に突出させ、その端部からナットを嵌め込んで締結することにより、連結部12と取付部16を連結するようにしてもよい。
【0102】
さらに、ボルト、ねじ等の連結部材を用いる場合には、当接部14となるその頭部と取付部16との間に座金等をカラー部材として介在させ、当接部14の取付部16からの突出量を調節できるように構成してもよい。これによって、第2掛止部3aによる第1掛止部27の掛止の強さを調節することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1実施形態を示す固定用具の側面図である。
【図2】同じく固定部材の側面図である。
【図3】同じく固定部材の平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す固定用具の側面図である。
【図5】同じく固定部材の側面図である。
【図6】本発明の第3実施形態を示す固定用具の側面図である。
【図7】支持部材の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0104】
1…固定用具、2…保持部材、3…支持部材、3a…第2掛止部(雄ねじ)、4…固定手段、5…ベース部材、10…保持部、11…ガイド部、12…連結部、14…当接部、15…固定部材、16…取付部、17…固定部、17a…第1固定部、17b…第2固定部、18…操作部、18a…第1操作部、18b…第2操作部、21…当接面、22…リベット、26…ガイド孔、27…第1掛止部、35(35a,35b)…第1屈曲部、36(36a,36b)…第2屈曲部、41…取付部、45…当接部、51…突出部、51a…ガイド孔、52…ナット、54…凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配水管等の流水部材を保持する保持部材と、この保持部材の側方に配置されて上下方向に長尺な支持部材と、保持部材を支持部材に対して位置調整自在に固定する固定手段とを備えた流水部材の固定用具において、
固定手段は、保持部材を支持部材に掛止する第1掛止部を有する固定部と、支持部材に形成されるとともに、この第1掛止部を掛止する第2掛止部とを備え、
固定部は、支持部材の長手方向に対して所定の角度で斜めに交差した状態で、第1掛止部が第2掛止部に掛止されることにより、保持部材を支持部材に固定するように構成され、かつ、支持部材に対する角度が変わるように操作されることにより、第2掛止部による第1掛止部の掛止を解除するように構成されてなることを特徴とする流水部材の固定用具。
【請求項2】
配水管等の流水部材を保持する保持部材と、この保持部材の側方に配置されて上下方向に長尺な支持部材と、保持部材を支持部材に対して位置調整自在に固定する固定手段とを備えた流水部材の固定用具において、
固定手段は、所定の操作による弾性変形・変形解除によって支持部材に対して接近・離反することで支持部材に掛止・掛止解除可能な第1掛止部を有する固定部と、支持部材に形成されるとともに第1掛止部を掛止する第2掛止部と、第2掛止部による第1掛止部の掛止を維持すべく、第1掛止部の掛止位置とは反対側から支持部材に当接する当接部とを備え、
しかも、固定手段は、第1掛止部が第2掛止部に掛止されるとともに、当接部が支持部材に当接した状態で、この第1掛止部と当接部とで支持部材を挟むようにすることで、保持部材を支持部材に固定し、そして、所定の操作により第1掛止部を第2掛止部から離反させて掛止が解除されたときに、保持部材を支持部材の長手方向に沿って位置変更可能にするように構成されてなることを特徴とする流水部材の固定用具。
【請求項3】
前記固定部には、支持部材が挿通されるとともに、第1掛止部による掛止が解除されたときに、保持部材を支持部材の長手方向に沿って案内するガイド孔が形成される請求項1または2に記載の流水部材の固定用具。
【請求項4】
前記第1掛止部は、ガイド孔の周縁部に形成される請求項3に記載の流水部材の固定用具。
【請求項5】
前記固定部は、ガイド孔に支持部材が挿通されたときに、この支持部材の長手方向に対して斜めに交差するように構成される請求項2に記載の流水部材の固定用具。
【請求項6】
前記第2掛止部は、前記支持部材に形成された雄ねじである請求項1から5のいずれか1項に記載の流水部材の固定用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−270603(P2009−270603A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120294(P2008−120294)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000108638)タカヤマ金属工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】