説明

流量測定装置

【課題】流量測定装置において、逆流領域における測定精度を向上させる。
【解決手段】流量測定装置の逆流領域の換算マップは、逆流を含む脈動発生時における出力と流量の関係に基づいて設定されている。流量測定装置の使用時に生じる逆流は動特性を有するが、本発明によれば、流量測定装置の使用時に近い逆流特性を表す換算マップを予め備えることになる。このため、流量測定装置の使用時に換算マップを補正するという複雑な処理をすることなく、簡便に逆流領域における測定精度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主流の一部を取り込むバイパス流路に配設され、空気の流量に応じた電気信号を出力する流量センサと、出力−流量換算特性を用いて流量センサの出力を流量に変換する出力変換手段とを備える流量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流量測定装置は、流量センサから流量に応じた電気信号を出力する。そして出力された電気信号は所定の出力−流量換算特性(以下、換算マップと呼ぶ)によって流量に換算される。
なお、換算マップは、流量センサと通信可能な電子制御装置(ECU)の記憶手段に記憶されており、ECU内で換算マップに基づき電気信号を流量に換算される。
【0003】
主流において、上流から下流に向かう流れを順流とし、下流から上流に向かう流れを逆流としたときに、順流だけでなく逆流についても流量を測定できる流量測定装置において、換算マップは順流領域と逆流領域とを分けて設定されている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の流量測定装置では、図9に示すように、順流領域でも逆流領域でも静的な空気流状態に置かれた静特性での出力と流量の関係から作成された換算マップを有している。しかし、流量測定装置の使用時にバイパス流路に実際に発生する逆流は瞬間的なものであるため、静特性を前提として作成された図9の換算マップを用いると、逆流領域では測定誤差が生じる。
なお、特許文献1の技術では、流量測定装置の使用時に換算マップを補正しているが、補正処理が複雑となるため、補正をすることなく逆流領域の測定誤差を低減できることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−15013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、流量測定装置において、逆流領域における測定精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の流量測定装置は、主流の一部を取り込むバイパス流路に配設され、空気の流量に応じた電気信号を出力する流量センサと、出力−流量換算特性を用いて流量センサの出力を流量に変換する出力変換手段とを備える。
【0008】
そして、主流において、上流から下流に向かう流れを順流とし、下流から上流に向かう流れを逆流としたときに、逆流領域の出力−流量換算特性は、逆流を含む脈動発生時における出力と流量の関係に基づいて設定されている。
【0009】
流量測定装置の使用時にバイパス流路に発生する逆流は瞬間的なものである。すなわち、エンジンの駆動の影響を受けて主流に脈動が生じ、この脈動によってバイパス流路に動的な逆流が生じる。
そこで、本手段では、動特性によって逆流領域の出力−流量換算特性を設定している。つまり、予め、逆流領域の出力−流量換算特性は動特性に基づいて作成されている。
この逆流領域の出力−流量換算特性を用いて出力を換算するならば、逆流領域での流量測定が高精度に行える。
そして、従来のような流量測定装置の使用時に換算マップを補正するという複雑な処理が不要となり、簡便に逆流領域における測定精度を向上させることができる。
【0010】
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の流量測定装置によれば、所定の応答時間で、逆流を含む脈動環境下の空気挙動を測定することによって得られる空気挙動波形を基準流量波形とし、基準流量波形に対して、流量センサの応答時間に合わせるように応答進み処理もしくは応答遅れ処理を施して得られる波形を流量センサ応答相当の流量波形とすると、逆流領域の出力−流量換算特性は、流量センサ応答相当の流量波形に、脈動環境下での流量センサによる流量波形が適合するように設定されている。
本手段は、動特性によって逆流領域の出力−流量換算特性を設定するための一手段を開示するものである。これより、請求項1と同様の作用効果を奏する。
【0011】
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の流量測定装置によれば、請求項2に記載の基準流量波形は、流量センサよりも応答性の高い高応答センサによって測定された波形であり、流量センサ応答相当の流量波形は、基準流量波形に対して、流量センサの応答時間に合わせるように応答遅れ処理を施すことにより得られる。
【0012】
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の流量測定装置によれば、所定の応答時間で、逆流を含む脈動環境下で流量を測定することによって得られる空気挙動波形を基準流量波形とし、脈動環境下での流量センサによる流量波形に対して、所定の応答時間に合わせるように応答進み処理もしくは応答遅れ処理を施して得られる波形を基準応答相当の流量波形とすると、逆流領域の出力−流量換算特性は、基準流量波形に、基準応答相当の流量波形が適合するように設定されている。
本手段は、動特性によって逆流領域の出力−流量換算特性を設定するための一手段を開示するものである。これより、請求項1と同様の作用効果を奏する。
【0013】
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の流量測定装置によれば、請求項4に記載の基準流量波形は、流量センサよりも応答性の高い高応答センサによって測定された波形であり、基準応答相当の流量波形は、流量センサによる流量波形に対して、所定の応答時間に合わせるように応答進み処理を施すことにより得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は流量測定装置の内部を示す断面図であり、(b)は流量測定装置を主流の下流側から見た図である(実施例1)。
【図2】流量センサの要部を説明する図である(実施例1)。
【図3】逆流領域の換算マップの作成方法の流れを説明する図である(実施例1)。
【図4】出力−流量換算特性を示す図である(実施例1)。
【図5】(a)は基準流量波形及び流量センサ応答相当の流量波形であり、(b)は流量センサによる流量波形である(実施例1)。
【図6】流量センサ出力波形から流量センサによる流量波形への換算を説明する図である(実施例1)。
【図7】流量センサ出力波形から流量センサによる流量波形への換算を説明する図である(実施例1)。
【図8】(a)は基準流量波形であり、(b)は流量センサによる流量波形及び基準応答相当の流量波形である(実施例2)。
【図9】出力−流量換算特性を示す図である(従来例)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態の流量測定装置は、主流の一部を取り込むバイパス流路が形成されたハウジングと、バイパス流路に配設され、空気の流量に応じた電気信号を出力する流量センサと、出力−流量換算特性を用いて流量センサの出力を流量に変換する出力変換手段とを備える。
そして、主流において、上流から下流に向かう流れを順流とし、下流から上流に向かう流れを逆流としたときに、逆流領域の出力−流量換算特性は、逆流を含む脈動発生時における出力と流量の関係に基づいて設定されている。
【実施例】
【0016】
〔実施例1〕
〔実施例1の流量測定装置〕
実施例1の流量測定装置1の構成を、図1、図2を用いて説明する。
流量測定装置1は、例えば、自動車用エンジンへの吸入空気量を計測するエアフロメータであって、自動車用エンジンへの吸気路に取り付けられて使用されるものである。
流量測定装置1は、以下に説明するハウジング2、流量センサ3、回路チップ4、ECU(図示せず)などにより構成される。
【0017】
ハウジング2は、吸気路を流れる空気の流れ(主流)の上流側に向かって開口し、吸気路を順方向に流れる空気の一部を取り込む吸入口6と、吸入口6から取り込んだ空気を通すとともに流量センサ3を収容する内部流路7と、吸気路の下流側に向かって開口し、吸入口6から取り込まれて流量センサ3を通過した空気を吸気路に戻す放出口8とを備える。そして、流量センサ3は、吸入口6から取り込まれた空気との間に伝熱現象を発生させて質量流量相当の出力値を発生する。
【0018】
なお、内部流路7における空気の流れ方向は、吸入口6を上流端とし放出口8を下流端とし、吸入口6から放出口8に向かう流れが順流となり、放出口8から吸入口6に向かう流れが逆流となる。
つまり、主流に順流(主流の上流から下流への流れ)が発生しているときは、吸入口6から放出口8へ空気が流れ、主流に逆流(主流の下流から上流への流れ)が発生しているときは、放出口8から吸入口6へ空気が流れる。
【0019】
内部流路7は、例えば、吸入口6から下流側に連続する吸入流路10と、放出口8から上流側に連続する放出流路11と、流量センサ3を収容するとともに吸入流路10と放出流路11とを接続するように周回する周回流路12とを有する。
【0020】
吸入流路10は、吸入口6から下流側に直線的に伸びるように設けられており、吸入流路10における流れは、主流における順流と平行になる。そして、吸入流路10の下流端には、吸入口6から取り込まれた空気に含まれるダストを直進させて排出するためのダスト排出流路13が接続している。また、ダスト排出流路13の下流端はダスト排出口14を形成しており、ダスト排出流路13は、ダスト排出口14に向かって流路幅が先細りしている。
【0021】
周回流路12は、例えば、吸入流路10と放出流路11とに略C字状に接続し、吸入口6から取り込まれた空気を吸入流路10から放出流路11に向かって周回させる。また、流量センサ3は、周回流路12において吸入流路10における流れ方向とは逆の方向に流れる部分に収容されている。
すなわち、周回流路12は主流の一部が取り込まれるバイパス流路となっており、この周回流路12に配置された流量センサ3によって流量が検出される。
【0022】
ここで、周回流路12は、吸入流路10の下流端において、吸入流路10とダスト排出流路13とからなる直線的な流路から略直角に曲がるように分岐している。つまり、吸入流路10は、下流端において周回流路12とダスト排出流路13とに分岐しており、ダストは、慣性力により吸入流路10からダスト排出流路13に直進してダスト排出口14から吸気路に排出され、空気は、吸入流路10から周回流路12に流れ方向を変えて流入する。
【0023】
放出流路11は、周回流路12の下流端に接続して、周回流路12の下流端から略直角に旋回させる曲がりをなしており、放出口8は曲がりの下流端に形成される(図1(a)参照)。
また、放出流路11は、吸入流路10に跨るように上流端から2つに分岐し、放出口8は、吸入流路10の両側(図1(b))の2箇所に形成されている。そして、放出口8は主流下流に向かって開口している。
【0024】
流量センサ3は、周回流路12を流れる空気の流量に応じて電気的な信号(例えば電圧信号)を出力するものである。
具体的には、図2に示すように、半導体基板に設けられたメンブレン17上に、薄膜抵抗体で形成された発熱素子18と感温素子19とを有し、これらの素子18、19が回路チップ4に内蔵される回路基板(図示せず)に接続されている。
【0025】
感温素子19は、発熱素子18の上流側に設けられる2つの測温抵抗体21、22と、発熱素子18の下流側に設けられる2つの測温抵抗体23、24とを有している。そして、発熱素子18および感温素子19は、回路チップ4に内蔵される回路基板に電気的に接続されており、回路基板に設けられた出力回路及び増幅回路を介して、測温抵抗体21、22と測温抵抗体23、24との温度差に基づいて生じる電気信号を出力する。
【0026】
回路チップ4は、発熱素子18を設定温度に制御するための発熱体制御回路と、流量に応じた電圧を出力するための出力回路と、この出力回路の出力電圧を増幅する増幅回路とを有している。増幅回路は、書き込み可能なメモリを有しており、ゲイン及びオフセットを書き込める構成となっている。
【0027】
ECUは、流量センサ3と通信可能な電子制御装置であって、流量センサ3の出力(電気信号)を流量(物理量)に変換するための換算マップ(出力−流量換算特性)を記憶するメモリと、換算マップを用いて流量センサ3の出力を流量に変換する演算回路とを備える。つまり、ECUは、本発明の出力変換手段として機能する。
【0028】
〔実施例1の特徴〕
実施例1の特徴を図3〜図7を用いて説明する。
本実施例の逆流領域の換算マップは、逆流を含む脈動発生時における出力と流量の関係に基づいて設定されている。
以下に、逆流領域の換算マップの作成方法について説明する。
【0029】
まず、図3のAに示すように、逆流を含む脈動を発生させた空気流内に、流量測定装置1よりも応答性の高い高応答センサを配置して、高応答センサによって流量波形(図5(a)の実線波形)を得る。この流量波形を基準流量波形とする。
【0030】
そして、図3のI→IIに示すように、高応答センサが配されたのと同じ脈動条件下の空気流内に、流量測定装置1を配置して、流量センサ3からの出力を、順流領域における換算マップ(図4の実線)のみが設定された仮の換算マップによって流量に変換して、流量センサ3からの流量波形(図5(b)の実線波形)を得る。
ここで、順流領域における換算マップは、静特性によって設定されている。すなわち、順流領域における換算マップは静的な空気流状態での出力流量関係から作成されている。
なお、図6は、図3のI→IIで行う換算を説明する図である。図3のI→IIで用いる仮の換算マップは、順流領域における換算マップのみが設定されており、逆流領域では流量をゼロとして出力する。
【0031】
一方、図3のA→Bに示すように、基準流量波形に対しては、流量センサ3の応答相当に遅らせる応答遅れ処理を施して、流量センサ応答相当の流量波形(図5(a)の1点鎖線波形)を得る。ここで、応答遅れ処理とは、例えば、任意の時定数で1次遅れ処理をすることである。
そして、流量センサ3からの流量波形の逆流部分が、この流量センサ応答相当の流量波形の逆流部分の波形形状に適合するように、逆流領域の換算マップ(図4の破線)を作成する。
【0032】
つまり、図7に示すように、流量センサ3からの出力を換算マップによって換算した流量波形の逆流部分(図5(b)の破線波形)が、流量センサ応答相当の流量波形の逆流部分の波形形状に適合するように、逆流領域の換算マップが作成されている。
これにより、本実施例の逆流領域の換算マップは、逆流を含む脈動発生時における出力と流量の関係に基づいて設定される。
【0033】
〔実施例1の作用効果〕
本実施例では、逆流領域の換算マップは、逆流を含む脈動発生時における出力と流量の関係に基づいて設定されている。
【0034】
流量測定装置1の使用時に周回流路12に発生する逆流は瞬間的なものである。すなわち、エンジンの駆動の影響を受けて主流に脈動が生じ、この脈動によって周回流路12に動的な逆流が生じる。
そこで、本実施例では、流量測定装置1の使用時に近い特性を表す換算マップを持つために、動特性によって逆流領域の換算マップを設定している。つまり、予め、逆流領域の出力−流量換算特性は動特性に基づいて作成されている。
【0035】
この逆流領域の出力−流量換算特性を用いて出力を換算するならば、逆流領域での流量測定が高精度に行える。
そして、従来のような流量測定装置の使用時に換算マップを補正するという複雑な処理が不要となり、簡便に逆流領域における測定精度を向上させることができる。
【0036】
〔実施例2〕
実施例2を、図4、図8を用いて、実施例1とは異なる点を中心に説明する。
本実施例でも、逆流領域の換算マップは、逆流を含む脈動発生時における出力と流量の関係に基づいて設定されている。
以下に、本実施例での逆流領域の換算マップの作成方法について説明する。
【0037】
まず、逆流を含む脈動を発生させた空気流内に、流量測定装置1よりも応答性の高い高応答センサを配置して、高応答センサによって流量波形を得る(図8(a)の実線波形参照)。この流量波形を基準流量波形とする。
そして、高応答センサが配されたのと同じ脈動条件下の空気流内に、流量測定装置1を配置して、流量センサ3からの流量波形を得る(図8(b)の実線波形参照)。
【0038】
そして、流量センサ3からの流量波形に対して、高応答センサ応答相当に進ませる応答進み処理を施して、高応答センサ応答相当の流量波形を得る。この流量波形を基準応答相当の流量波形と呼ぶ。
そして、基準応答相当の流量波形の逆流部分が、基準流量波形の逆流部分の波形形状に適合するように、逆流領域の換算マップ(図4の破線)を作成する。
これにより、本実施例の逆流領域の換算マップは、逆流を含む脈動発生時における出力と流量の関係に基づいて設定される。
これにより、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0039】
〔変形例〕
実施例では、周回流路12によって主流の一部を取り込むバイパス流路を設けていたが、バイパス流路の態様はこれに限らず、例えば、特許文献1の図7に記載のような、バイパス流路における順流が主流における順流と同じ方向であるバイパス流路の態様であってもよい。
【0040】
また、実施例では、ECUが換算マップを有していたが、流量測定装置1の回路チップ4内に換算マップを有し、流量信号をECUに送信する態様であってもよい。
【0041】
また、実施例では、脈動状態の空気挙動を高応答センサによって測定していたが、高応答センサに限らず、例えば、流量センサ3よりも応答遅れの大きいセンサを用いてもよい。その場合、実施例1では、基準流量波形に応答進み処理を施して流量センサ応答相当の流量波形を得る。そして、実施例2では、流量センサ3からの流量波形に応答遅れ処理を施して基準応答相当の流量波形を得る。
また、高応答センサに代えて、流量センサ3と同等の応答遅れを有するセンサを用いてもよい。
【0042】
また、実施例では、順流領域における換算マップのみが設定された仮の換算マップによって、流量センサ3からの出力を流量に変換して流量波形を得ていたが、この仮の換算マップはこれに限定されるものではなく、例えば、逆流領域についても所定の出力−流量関数を有していてもよい。その場合、流量センサ3からの流量波形の逆流部分は、所定の出力−流量関数に応じた波形となるが、その波形が基準流量波形に基づく波形形状となるように、逆流領域の換算マップを定義し直すことになる。
【符号の説明】
【0043】
1 流量測定装置
2 ハウジング
3 流量センサ
12 周回流路(バイパス流路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主流の一部を取り込むバイパス流路(12)に配設され、空気の流量に応じた電気信号を出力する流量センサ(3)と、
出力−流量換算特性を用いて、前記流量センサ(3)の出力を流量に変換する出力変換手段とを備える流量測定装置(1)であって、
前記主流において、上流から下流に向かう流れを順流とし、下流から上流に向かう流れを逆流としたときに、
逆流領域の前記出力−流量換算特性は、逆流を含む脈動発生時における出力と流量の関係に基づいて設定されていることを特徴とする流量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流量測定装置において、
所定の応答時間で、逆流を含む脈動環境下の空気挙動を測定することによって得られる空気挙動波形を基準流量波形とし、
前記基準流量波形に対して、前記流量センサ(3)の応答時間に合わせるように応答進み処理もしくは応答遅れ処理を施して得られる波形を流量センサ応答相当の流量波形とすると、
逆流領域の前記出力−流量換算特性は、前記流量センサ応答相当の流量波形に、前記脈動環境下での前記流量センサ(3)による流量波形が適合するように設定されていることを特徴とする流量測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の流量測定装置において、
前記基準流量波形は、前記流量センサ(3)よりも応答性の高い高応答センサによって測定された波形であり、
前記流量センサ応答相当の流量波形は、前記基準流量波形に対して、前記流量センサ(3)の応答時間に合わせるように応答遅れ処理を施すことにより得られることを特徴とする流量測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の流量測定装置において、
所定の応答時間で、逆流を含む脈動環境下で流量を測定することによって得られる空気挙動波形を基準流量波形とし、
前記脈動環境下での前記流量センサ(3)による流量波形に対して、前記所定の応答時間に合わせるように応答進み処理もしくは応答遅れ処理を施して得られる波形を基準応答相当の流量波形とすると、
逆流領域の前記出力−流量換算特性は、前記基準流量波形に、前記基準応答相当の流量波形が適合するように作成されていることを特徴とする流量測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の流量測定装置において、
前記基準流量波形は、前記流量センサ(3)よりも応答性の高い高応答センサによって測定された波形であり、
前記基準応答相当の流量波形は、前記流量センサ(3)による流量波形に対して、前記所定の応答時間に合わせるように応答進み処理を施すことにより得られることを特徴とする流量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−255768(P2012−255768A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−61985(P2012−61985)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】