説明

浄化装置

【課題】簡単な構成により全体のコンパクト化を図りつつ高い殺菌・浄化性能を維持することができる浄化装置を提供する。
【解決手段】この浄化装置は、循環ライン1と、除菌浄化ユニット2と、ろ過装置3とを有し、被処理水Wを循環させる循環ライン1に対して、被処理水Wを砂・砂利等のろ過材60でろ過するろ過装置3と、このろ過装置3を通過した被処理水Wを除菌浄化して有機物を除去する除菌浄化ユニット2とを接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、温泉水やプール水などの被処理水を殺菌・浄化する浄化装置に関し、特に、大量の被処理水を循環させて再利用する場合に好適な浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、大量の被処理水を浄化しながら循環させて再利用する場合、砂や砂利をろ過材とした砂式のろ過器が用いられることがある。砂ろ過器は、水質の変動に強く、比較的安定した水質の処理水が得られるため一般的に多く利用されている。
砂ろ過器は、一般的には、下層から上層まで、3段階から5段階程度の粒度の異なる大量の砂利や砂等がろ過材として積層されている。砂ろ過器に上流側から被処理水を流すと、上層側の細かい粒度の砂側からこの被処理水が入り、被処理水に含まれる不純物やゴミがろ過されるようになっている。
【0003】
一方において、特許文献1においては、螺旋形ろ過材が開示されている。このろ過材は、バクテリアを付着させる機能を有し、これにより浄化能力を高めようとするものである。
【0004】
他方、特許文献2の微生物の不活性・浄化処理システムは、オゾン供給・処理装置と、砂ろ過装置とが設けられている。この処理システムは、オゾンが有する殺菌・分解能力により水中の微生物の不活性・浄化と有害成分の殺菌・分解とを行い、続いて、砂ろ過装置のろ過機能により、更に微生物の不活性・浄化、有害成分の除去を行なおうとするものである。
【0005】
また、特許文献3の浄化装置は、浮遊物濾過器と、微細濾過器と、光触媒殺菌分解器と、活性炭素触媒分解除去器と、浮遊微細菌死骸除去器とを有している。浮遊物濾過器は、網からなり大きなゴミを除去する。微細濾過器は、前段・後段のフィルターからなり前段フィルターでゴミを除去し、後段フィルターでかび等やレジオネラ菌を除去する。また、光触媒殺菌分解器は、細菌類の殺菌等を行い、活性炭素触媒分解除去器は、残留有機物を2次分解し、浮遊微細菌死骸除去器は、細菌等を除去しようとするものである。
【0006】
【特許文献1】特許第3328349号公報
【特許文献2】特公平6−59474号公報
【特許文献3】特開2003−190989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
砂ろ過器の場合、不純物やゴミは、砂ろ過器内に蓄積されるため、この砂ろ過器を定期的に逆洗浄してこれらを外部に排出する必要がある。
しかし、粒度の異なる砂利や砂等を積層したろ過器により被処理水をろ過した場合、被処理水中の垢等の有機物がその粘度により、ろ過材に絡み易くなっている。そのため、仮に逆洗浄を実施したとしても、この有機物は排出され難くなっている。しかも、有機物は、一般に温泉やプールで利用されている除菌剤の次亜塩素酸で分解しようとしても、その濃度が低いため、ほとんど分解されることがない。
【0008】
これが原因となって、有機物がろ過材内部に徐々に溜まって固まりとなって残ることがある。そして、この固まりにより、被処理水がろ過材を通過し難しくなりろ過されない水の通り道が形成されることがある。また、蓄積した有機物に被処理水内に含まれる鉱物等が絡まると、ろ過材が堅くなることがある。これらの場合、ろ過材がろ過機能を発揮できなくなるため、定期的にろ過材を交換することが必要になる。
【0009】
その場合、ろ過材が大量であることからコストがかかり、また、ろ過材に付着した有機物内に繁殖した菌を殺菌するための消毒が必要になり、しかも、交換作業中には、十分に注意を払う必要もある。例えば、毎時20tのろ過能力を有するろ過器のろ過材は、通常、300L程度の砂と100L程度の砂利・小石とを有している。大量に菌が付着した場合、これらの大量のろ過材を産業廃棄物として処理する必要が生じるため処理にかかる費用が大になる。
【0010】
また、特許文献1の螺旋形ろ過材は、主に、生活排水や産業廃棄物を含む汚水をろ過するために利用されるものである。そのため、このろ過材は細かいゴミや垢等をろ過することができず、温泉やプール等の水処理システムにおいてはろ過材としての十分な機能が得られない。
【0011】
一方、特許文献2の処理システムは、オゾン処理装置と、砂ろ過装置とを組合わせることにより水浄化性能を向上させようとしているが、同文献2にはシステム全体の小型化については記載されておらず、機能の異なるオゾン処理装置と砂ろ過装置とを組合わせた場合、システム全体が大型化することになる。しかも、この処理システムにおいて砂ろ過装置のろ過機能を発揮させるためには大量のろ過材が必要となるため、前述したろ過材の問題も解消されることはない。
【0012】
特許文献3の浄化装置は、複数の濾過器、分解器、除去器を有しているためシステム全体が複雑化していた。また、この浄化装置では、浮遊物濾過器と、前段・後段の微細濾過器とによりゴミや菌を除去しようとしているため、特に、濾過器を構成する部分の大型化を防ぐことが難しくなっている。更に、濾過器として特殊なフィルターを用いているため汎用的ではない。
【0013】
本発明は、上記した実情に鑑み、鋭意検討の結果開発に至ったものであり、その目的とするところは、簡単な構成により全体のコンパクト化を図りつつ高い殺菌・浄化性能を維持することができる浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、被処理水を循環させる循環ラインに、被処理水を砂・砂利等のろ過材でろ過するろ過装置と、このろ過装置を通過した被処理水を除菌浄化して有機物を除去する除菌浄化ユニットとを接続した浄化装置である。
【0015】
請求項2記載の発明は、除菌浄化ユニットは、被処理水に紫外線を照射する紫外線照射機能と、被処理水にオゾンを供給するオゾン供給機能と、被処理水に光触媒を作用させる光触媒作用機能とを有するユニットである浄化装置である。
【0016】
請求項3記載の発明は、除菌浄化ユニットで生成されるオゾンを被処理水と混合させてオゾン水を生成し、このオゾン水をろ過装置の1次側に供給した浄化装置である。
【0017】
請求項4記載の発明は、除菌浄化ユニットは、除菌浄化装置を有し、この除菌浄化装置は、被処理水に紫外線を照射する紫外線光源と、電極の帯電によりオゾンを発生させるオゾン発生部と、チタン又はチタン合金製の大表面積材料からなる光触媒とを有する浄化装置である。
【0018】
請求項5記載の発明は、除菌浄化ユニットは、気液混合装置を有し、この気液混合装置は、除菌浄化装置とは別体に設けられ、除菌浄化装置を通過した被処理水と除菌浄化装置により発生させたオゾンとを攪拌・混合する装置である浄化装置である。
【0019】
請求項6記載の発明は、ろ過装置のろ過材をパッケージ化した浄化装置である。
【0020】
請求項7記載の発明は、ろ過装置の上流側と下流側とをそれぞれ分岐管により分岐し、この各分岐管の一方側を被処理水の流入側、他方側を被処理水の流出側とすると共に、各分岐管の分岐箇所に開閉弁を設け、この開閉弁の切換えによりろ過装置に順流又は逆流に被処理水を流すようにした浄化装置である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る発明によると、簡単な構成により全体のコンパクト化を図りつつ、被処理水中に含まれる有機物とそれ以外の不純物・ゴミなどを別々に除去することで浄化機能の急速な低下を防いで高い殺菌・浄化性能を長期に亘って維持することができる浄化装置である。しかも少量のろ過材で不純物やゴミを除去できることにより、このろ過材の再利用や廃棄も簡単に実施できる。
【0022】
請求項2に係る発明によると、オゾンと紫外線と光触媒とを併用することにより高い除菌・浄化機能を発揮して除菌・浄化された被処理水を常に循環ラインに供給できる浄化装置である。
【0023】
請求項3に係る発明によると、オゾン水の作用により有機物を除去し、このオゾン水をろ過装置の1次側に供給することでろ過装置に対する有機物の詰まり、腐食、ぬめり等を防ぐことができる浄化装置である。
【0024】
請求項4に係る発明によると、簡単な構成により有機的にオゾンと紫外線と光触媒とを被処理水に作用させて、高い除菌・浄化機能を発揮する浄化装置である
【0025】
請求項5に係る発明によると、被処理水とオゾンとを浄化装置と別体の気液混合装置で攪拌・混合することができるため、浄化装置を通過した被処理水のうちの一部に対して気液混合装置によりオゾンガスを混合させ、これをろ過装置に供給して有機物の分解をより迅速に行うことができる浄化装置である。
【0026】
請求項6に係る発明によると、流水時のろ過材の移動による傷が防がれ、樹脂等の比較的軟らかい材料により外装したろ過材を提供できる浄化装置である。また、ろ過材を一度に交換することができるためメンテナンスが容易であり、被処理水に対する除菌浄化作用を殆ど断つことなくろ過材を交換可能な浄化装置である。
【0027】
請求項7に係る発明によると、ろ過装置への流路を順流に切換えた場合には、このろ過装置で不純物やゴミ等を除去して被処理水をろ過し、ろ過装置への流路を逆流に切換えた場合には、ろ過装置内のろ過材を逆洗浄してろ過材内部に蓄積した不純物・ゴミ等を外部に排出する浄化装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明における浄化装置の好ましい実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、本発明の浄化装置は、被処理水Wが循環する循環ライン1に、被処理水Wをろ過するろ過装置3と、このろ過装置3を通過した被処理水Wを除菌浄化して有機物を除去する除菌浄化ユニット2とを接続し、このろ過装置3と除菌浄化ユニット2とにより、被処理水Wに除菌浄化処理を施して再利用可能に設けたものである。被処理水Wとしては、例えば、温泉の湯やプールの水がある。循環ライン1には、除菌浄化ユニット2、ろ過装置3以外にも、熱交換器4と、浴槽5と、ヘアキャッチャー6と、循環ポンプ7とが接続されている。また、これらの間には、第1流出流路11、第2流出流路12、管路13、14、15、16、合流流路18、気液混合流路19、流入流路20、エア供給流路21、オゾン供給流路22が設けられている。
【0029】
循環ライン1において、除菌浄化ユニット2の2次側の流路12と熱交換器4とが接続されている。熱交感器4と浴槽5とは、管路13により接続されている。浴槽5とヘアキャッチャー6とは管路14により接続されている。ヘアキャッチャー6と循環ポンプ7とは、管路15により接続されている。循環ポンプ7の2次側の管路16と第1流出流路11は、気液混合装置26により、オゾンと混合され、オゾン水となって気液混合流路19を介して合流流路18に繋がれ、この合流流路18は、ろ過装置3に繋がっている。ろ過装置3と除菌浄化ユニット2とは、流入流路20により接続されている。
【0030】
除菌浄化ユニット2は、除菌浄化装置25と気液混合装置(ミキシングポンプ)26、及び、制御盤27、エアポンプ(又は、酸素濃縮器)28を有し、被処理水Wに紫外線を照射する紫外線照射機能と、紫外線が照射されない部分(ろ過装置3から除菌浄化装置25の範囲の被処理水)にオゾンを供給するオゾン供給機能と、オゾンよりも強い除菌能力と有機物の分解能力とを有し、この有機物を除去する光触媒を被処理水Wに作用させる光触媒作用機能とを有している。除菌浄化ユニット2は、この3つの機能により、被処理水Wを除菌浄化して有機物を除去する。
【0031】
図2、3において、除菌浄化装置25は、第1流出流路11とオゾン供給流路22とにより気液混合装置26に接続されている。この除菌浄化装置25は、ケース30と接続体31、32とを有している。ケース30は、保護筒33と取付筒34、35とからなり、このケース30の内部には内筒36と外筒37とが収納されている。保護筒33は、断熱性を有する適宜の材料により略円筒状に形成される。また、取付筒34、35は、保護筒33及び内筒36、外筒37を両端側から挟むように設けてこれらを一体化するものであり、内筒36、外筒37、保護筒33を所定間隔に装着するための段部38、39、40を有している。
【0032】
取付筒34、35の内部には、それぞれエア流路34a、35aが形成され、このエア流路34a、35aは、内筒36と外筒37とを一体化したときに形成される後述する空間Sと連通している。また、取付筒34、35と内筒36、外筒37との間には、Oリング41、42が設けられている。このOリング41、42は、例えば、EPDM(エチレンとプロピレン及び架橋用ジェンモノマーとの三元共重合体)製から成る。
【0033】
接続体31、32は、内部に被処理水Wが流れる流入路31a、流出路32aをそれぞれ有し、また、ケース30への取付け側と外部への取付け側にそれぞれフランジ31b、32bを有している。接続体31、32は、フランジ31b、32bを介してケース30の上流、下流側にボルト43で取付けられ、更に、残りのフランジ部と外部の流路とが接続可能になっている。更に、接続体32には分岐口32cが形成され、内部を流れる被処理水Wがこの分岐口32cからも流出するようになっている。
【0034】
内筒36と外筒37は、非導電性であり、紫外線を透過可能な透明或は半透明のガラス材料によって形成される。このガラス材料としては、石英ガラスやホウ珪酸ガラス、高珪酸ガラスなどがある。ホウ珪酸ガラス、高珪酸ガラスは比較的安価であるが、紫外線透過率、耐熱性、強度等の点を考慮した場合には石英ガラスが最も好ましい。
【0035】
内筒36は、内部側に被処理水Wが流れる流体流路36aを有している。この流体流路36aには、網やチタン線、繊維状チタン材料の集合体、或は、その他の多孔性チタン材料等からなるチタン又はチタン合金製の大表面積材料45が収納されている。大表面積材料45は、光触媒となり、上記の光触媒作用機能を発することができるようになっている。更に、大表面積材料45の表面側には、予め二酸化チタンが光触媒として設けられている。特に、大表面積材料45を細状に設けた場合には、この大表面積材料45とオゾンとの反応性が高くなって光触媒が形成されやすくなる。大表面積材料は、チタンやチタン合金以外の材料製であってもよく、例えば、ガラスやステンレス、シリカゲル等を材料としてもよい。
【0036】
外筒37は、内筒36から所定の間隔の空間Sを空けて配設される。この空間Sの幅は、例えば、0.5〜2mm程度とすることがよい。更には、空間の幅を0.6〜1.5mmまでの範囲内とすることが最も望ましく、この場合、後述するオゾンの発生時において、異なる電圧に対しても収縮比が高まって発生量がより多くなる。また、外筒37は、内筒36に対して同心状に設けられ、空間Sが円周方向において均一の幅になっている。
【0037】
また、外筒37の内周側には、導電性材料からなる電極46が配設され、この電極46は、図示しない外部の高圧電源のプラス極に接続され、この高圧電源により高圧に帯電可能に設けられている。高圧電源から電極46に電圧が加わったときには、内筒36方向に放電するようになっている。電極46は、帯状の単純な形状であればよく、本実施形態においては、外筒37の長さ方向に沿って概ね10〜50mm程度の幅で断面略C字状に形成されている。また、電極46は、断面C字形状以外であってもよく、外筒37の内周面に沿ってほぼ1周(全周)に亘って配設してもよい。
【0038】
更に、電極46は、例えば、ステンレス製材料により薄膜状に形成されているが、これ以外にも、ニッケルクロムを真空蒸着で装着してもよく、この場合、放電とオゾンの両方に対して強い薄膜となる。電極46は、アルミや銅、或は、チタン等を材料とすることもできるが、特に、アルミ、銅を材料とする場合には、耐オゾン用として塗装等による表面処理を行う必要がある。ただし、空気や酸素の水分含有率が低ければ問題なく使用できる。
上記の電極46と、内筒36と外筒37とによりオゾン発生部47が構成され、電極46の帯電によりこのオゾン発生部47よりオゾンを発生するオゾン供給機能が発揮される。
【0039】
外筒37の外側には紫外線光源50が配設され、この紫外線光源50は、外筒37に対して紫外線を照射する紫外線照射機能を有している。紫外線光源50は、例えば、蛍光灯等からなり、より具体的には、光触媒45が正孔および電子を効率良く生じることができる波長の紫外線(例えば、波長410nm以下)を多く含むことが望ましい。このため、紫外線光源50は、蛍光灯以外にも、例えば、紫外線ランプや低圧又は高圧水銀ランプ、又は、300〜400nmの波長の蛍光ランプや、紫外線を照射するLEDを複数個並べたものであってもよい。LEDランプを紫外線光源50としたときには、寿命が延び、また、全体が小型化し、発熱量も抑えられてより効率の高い紫外線照射が可能になる。
【0040】
更に、紫外線光源50は、直線(ストレート)形、円筒(サークル)形、螺旋形、波形などのうちの適宜の形状に形成され、光触媒45に対してより効率的に紫外線を照射することが必要である。また、本実施形態における紫外線光源50は、無電極によって放電する無電極放電管であり、これにより、オゾン生成時における放電時に、この無電極放電管50を電極46に近接させるだけで無電極による発光が可能になっている。紫外線光源50を無電極放電管とした場合、この無電極放電管50を明るく点灯させるためには、高電圧・高周波の電極46を用いればよい。また、紫外線光源50は、無電極放電管以外にも、通常の電極を設けて発光させるタイプであってもよい。何れの紫外線光源であっても、電極46の間隔を調整して被処理水Wや大表面積材料45まで紫外線が到達できるようにする。
【0041】
紫外線光源50は、保護筒33と外筒37との間の形成される断熱空間R内に収納される。なお、保護筒33の内周面側には、図示しないアルミなどの反射部材を蒸着等の手段により貼り付けてもよく、この場合、反射部材により紫外線が反射されて高効率の照射が可能になる。
【0042】
図1において、気液混合装置26は、除菌浄化装置25を通過した被処理水Wと除菌浄化装置25により発生させたオゾンとを攪拌・混合し、オゾンを被処理水Wに溶け込ませるものであり、被処理水Wの流入口である液体流入口51と、オゾン流入口52と、オゾンが混合した被処理水(オゾン水)Wを流出する気液流出口53とを有している。液体流入口51は、分岐口32cと接続され、オゾン流入口52は、オゾン供給流路22と接続され、また、気液流出口53は、ろ過装置3にオゾン水Wを供給するための気液混合流路19に接続されている。これにより、気液混合装置26は、除菌浄化装置25内に流れ込む被処理水Wの一部を第1流出流路11を介して取り込み、この被処理水Wにオゾンを混合させてオゾン水として気液混合流路19に送るようになっている。
【0043】
制御盤27は、除菌浄化装置25に接続され、この除菌浄化装置25の紫外線照射動作とオゾン供給動作と光触媒作用動作とを制御できるようになっている。制御盤27の内部には、例えば、図示しないタイマーが内蔵され、このタイマーにより除菌浄化装置25のオゾン発生をオンオフし、この除菌浄化装置25からのオゾン供給量を制御する。ただし、オゾンは、ろ過装置3を経て除菌浄化装置25に入った場合には、ろ過装置3内で有機物と反応を起こすことにより濃度が減少することになり、しかも、ろ過装置3を経た後に残ったオゾンも除菌浄化装置25内の紫外線照射や光触媒により効率よく消費される。このため、オゾンが浴槽に進入することはほとんどない。また、紫外線照射と光触媒作用の動作も同様にして制御盤27により制御される。
【0044】
エアポンプ28は、取付筒35のエア流路35aの一次側に接続され、このエアポンプ28よりエア供給流路21に気体を供給可能になっている。このエアポンプ28は、空気、又は空気よりも酸素濃度の高い気体を生成できるようになっている。
【0045】
一方、ろ過装置3は、図4に示すように、循環ポンプから送られてくる被処理水Wを砂・砂利からなるろ過材60でろ過する機能を有し、ヘアキャッチャー6により回収できない微細な異物等を除去可能になっている。ろ過装置3の内部には、図5に示したろ過材60をパッケージ化したカートリッジ61が収納されている。ろ過材60は、ステンレスメッシュなどの被覆体62内にパッケージ化される。ろ過材60が被覆体62によりパッケージ化されると、ろ過材によるろ過器内面の摩耗が無くなるので、ケース63は、アクリル樹脂、塩ビ等の透明又は半透明の材料でも成形でき、視認性のよいろ過装置の製作が可能となる。また、ケース63は、ステンレス、ライニング材等の非透明材料により形成されてもよい。
【0046】
ここで、通常の砂濾過装置は、例えば、砂の層が7割、砂利・石の層が3割程度の割合で砂の層が多く、内径も大きくなっているが、本実施形態のカートリッジ61は、被処理水W中の有機物以外の固形物等を濾過すればよいため、ケース63の内径が小さく、このケース63内に収納されるろ過材60の量も少なくなっている。
また、カートリッジ61は、パッケージ化されているため、このカートリッジ61のみをろ過装置3から取り出してろ過材60を交換することが可能になっている。
【0047】
また、ろ過装置3は、カートリッジ61内に砂のみを収納し、この砂が通過できない目の大きさの網を設けることで砂利を省略することも可能である。また、砂や砂利の代わりに活性炭等の図示しない機能性ろ過材を利用することも可能であり、この機能性ろ過材による脱臭や促進酸化により、より早い有機物の処理が可能となる。
【0048】
図4に示すように、ろ過装置3の上流側の合流流路18は、第1分岐流路65と第2分岐流路66により分岐され、更に、第1分岐流路65は、分岐管であるチーズ67によりろ過装置3の上流側と外部流路68とに分岐され、一方、第2分岐流路66は、チーズ69によりろ過装置3の下流側と流入流路20に接続される側とに分岐されている。そして、外部流路68は、図示しない排水管に接続され、また、流入流路は、除菌浄化ユニット2の流入路31bに接続されている。
【0049】
更に、上流側チーズ67の分岐箇所には、第1開閉弁71、第2開閉弁72がそれぞれ設けられ、下流側チーズ69の分岐箇所には、第3開閉弁73、第4開閉弁74がそれぞれ設けられている。各開閉弁71、72、73、74は、2方弁であり、制御盤27によりそれぞれ開閉制御され、これにより、ろ過装置3に対する流路が切換えられ、このろ過装置3に順流又は逆流により被処理水Wが流れるようになっている。
【0050】
また、ろ過装置3の上流側には、空気抜き弁75が設けられている。この空気抜き弁75は、ろ過器63内部に溜まった空気を抜き、被処理水Wの流れを円滑にして配管内部が腐食することを防止する。
【0051】
循環ライン1において、熱交換器4は、除菌浄化装置25からの被処理水Wの温度を調節し、所定温度に昇温させることが可能になっている。浴槽5は、被処理水Wを溜めており、この浴槽5内には、熱交換器4によって温められた被処理水が供給される。ヘアキャッチャー6は、浴槽5内の被処理水Wに混じった髪の毛やゴミなどの比較的大きな混入物を除去する。また、循環ポンプ7は、浴槽5内の被処理水Wを汲み上げ、この被処理水Wをろ過装置3から循環ライン1、除菌浄化ユニット2へ流し、循環させる。
【0052】
次に、本発明の浄化装置の上記実施形態における動作並びに作用を説明する。
浄化装置を動作させると、浴槽5内の被処理水Wが循環ポンプ7により加圧されて循環ライン1内を循環する。ここで、便宜上、被処理水Wが流入流路20から除菌浄化ユニット2の除菌浄化装置25内に流入する地点から説明する。
【0053】
被処理水Wが流入流路20から除菌浄化ユニット2の流入路31aから流れ込むと、この被処理水Wは、内筒36の流体流路36a内に流れ込む。
また、この除菌浄化ユニット2にはエアポンプ(又は、酸素濃縮器)28からエア供給流路21を介してエア(又は、酸素)が導入され、エア流路34を通って空間Sまで導かれている。この状態で高圧電源により電極46を高圧に帯電させると、この帯電に対して内筒36内に満たされた被処理水Wがアース電極の働きをして空間S内で放電が行われる。この放電は、電極46と誘電体である内筒36とを介しているため無声放電となる。なお、流体流路36a内に被処理水Wが流れていないときにはアース電極が存在しないため放電は行われない。
【0054】
電極46が放電すると、この放電により紫外線が発生し、この紫外線が被処理水Wに照射され、被処理水Wの紫外線による浄化が行われる。このとき、内筒36が紫外線透過型の材料により形成されているため、紫外線は、内筒36を透過して被処理水Wに照射される。
【0055】
更に、放電時には、その放電エネルギーによって紫外線光源50が発光して紫外線が照射される。この紫外線は、内筒36と外筒37とを透過して電極46の無い部分から被処理水Wに照射される。このように、電極46からの紫外線と紫外線光源50からの紫外線とが被処理水Wに照射され、これらの2種類の紫外線により浄化効果が向上した状態で被処理水Wが除菌浄化される。更に、紫外線光源50を一般的な紫外線ランプとした場合には、より強力な紫外線を被処理水Wに照射して除菌浄化することもできる。
【0056】
また、上記の放電時においては、放電区間を気体が通過することでオゾン発生部によりオゾンが生成される。このオゾンは、溶存酸素とともに内筒36と外筒37との間の空間Sを通ってエア流路34aより吐出され、更に、オゾン供給流路22を介して気液混合装置26内に流入する。
【0057】
また、被処理水Wが内筒36内を通過する際には、大表面積材料45の隙間を通過する。このとき、上述したように、電極46からの紫外線が大表面積材料45まで達するため、この大表面積材料45が被処理水Wに対して除菌能力と有機物の分解能力とを有する光触媒作用が発揮し、被処理水Wが除菌浄化される。
【0058】
このときの光触媒45による除菌浄化作用の原理を説明する。光触媒45である二酸化チタン等に波長が400nm以下の紫外線が照射されると、価電子帯に正孔が発生するとともに伝導帯に電子が生じる。この正孔の酸化電位は、フッ素、オゾン、過酸化水素等の酸化電位よりも高いため、有機物は光触媒作用により完全に酸化分解され、最終的には二酸化炭素と水に完全分解される。光触媒は、紫外線が照射された際に生じる正孔またはこの正孔と水が反応して生じる極めて反応活性に富むヒドロオキシルラジカル(OHラジカル)により酸化反応が起こる。このとき、紫外線が照射された際に生じる正孔と同時に発生する電子と酸素ガス等との還元反応が平行して進行する。
【0059】
光触媒45は、このような強力な酸化反応によって従来のオゾンや過酸化水素、塩素等の除菌剤よりも強い除菌能力を発揮でき、また、有機物の分解能力も備えている。更に、光照射により生じた正孔やOHラジカルの寿命はミリ秒以下と短いので、オゾンや過酸化水素等の酸化剤のように処理後に残留することがなく、残留酸化剤を処理する装置が不要であるという利点がある。以上により、大表面積材料45を用いて光触媒作用を発揮させて被処理水Wに残存しているオゾンにより浄化のできなかった混入物を効果的に浄化できる。
【0060】
しかも、前述のように内筒36を紫外線透過型の材料により設けているので、電極46からの紫外線が大表面積材料45に対して高効率で照射され、光触媒作用による浄化機能が向上する。また、電極46を外筒37の長さ方向に任意の幅で配設しているので、大表面積材料45全体に紫外線が照射され、それ以外の範囲には外部の紫外線が照射されることで大表面積材料45の深部まで紫外線が照射されるようになっている。
【0061】
なお、紫外線光源50からの紫外線は、電極46が影となることでその一部が遮られるが、この電極46からも紫外線が放射されることで、前述のように大表面積材料45の全体に照射できる。また、紫外線光源50は、外筒37の外側に設けられているので、被処理水Wがこの紫外線光源50に対して直接接触することがなく、紫外線光源50に被処理水Wの汚れ等が付着することが抑えられている。これにより、紫外線光源50は、常に一定の紫外線照射量を維持している。
【0062】
除菌浄化装置25内において、紫外線の照射と光触媒作用が行われた被処理水Wは、その一部が第1流出流路11を介して気液混合装置26内に流入する。このとき、オゾン発生部47により発生した前述のオゾンと溶存酸素とがこの被処理水W内に混入され、被処理水Wとオゾンとが攪拌・混合する。
【0063】
このように、除菌浄化ユニット2は、被処理水Wに対して、紫外線照射機能と、オゾン及び溶存酸素供給機能と、光触媒作用機能とによる複合的な除菌浄化作用を施すことができ、これらの相乗効果により効果的な除菌浄化が可能となる。そして、この除菌浄化ユニット2により有機物の除去が行われて気液混合装置26の2次側から流出する被処理水W内に有機物が残留することが防がれている。また、この有機物の分解作用により、被処理水Wが温泉水やプール水であるとき、これらの濁度が改善され、また、これらが塩素を含んでいる場合にはその塩素臭も少なくなる。
気液混合装置26によりオゾンが攪拌・混合された被処理水Wは、気液混合流路19を介して合流流路18に送られる。
【0064】
一方、除菌浄化装置25内を通過した残りの被処理水Wは、第2流出流路12から熱交換器4に送られ、この熱交換器4により所定温度に昇温された後に管路13を介して浴槽5内に送られる。
次に、浴槽5内の被処理水Wは、管路14を介してヘアキャッチャー6に送られ、このヘアキャッチャー6により髪の毛等が除去された後に、管路15、16を介して合流流路18方向に流れる。この合流流路18により、除菌浄化装置25で紫外線照射と光触媒作用とが発揮された管路16側からの被処理水Wと、この被処理水Wに更に気液混合装置26によりオゾンが攪拌・混合された気液混合流路19からの被処理水Wとが合流し、これらが混ざり合った状態でろ過装置3に送られる。そのため、管路16側から合流する被処理水Wに対しても有機物の処理が行われ、合流流路18内を流れる被処理水W内に有機物が残留することが防がれる。このように、除菌装置は、除菌浄化ユニット2で生成されるオゾンを被処理水Wと混合させてオゾン水を生成し、このオゾン水をろ過装置3の1次側に供給するようになっている。これにより、除菌浄化ユニット2の2次側のろ過装置3に対する有機物の詰まり、腐食、ぬめり等が防がれる。
【0065】
続いて、被処理水Wは、ろ過装置3により砂ろ過される。被処理水Wをろ過する場合には、このろ過装置3内を被処理水Wが順流で流れるように開閉弁71、72、73、74を制御盤27で開閉制御する。この場合、図4において、第1開閉弁71が開状態、第2開閉弁72が閉状態、第3開閉弁73が閉状態、第4開閉弁74が開状態となる。図2において、被処理水Wが順流により流れる場合を実線の矢印で示す。
【0066】
合流流路18から被処理水Wが流れると、被処理水Wは、第1開閉弁71を通過してろ過装置3の一次側からカートリッジ61内に流れ込み、被覆体62を通過してろ過材60によりろ過される。このとき、ろ過装置3内のろ過時の流速は、例えば、0.04〜0.16m/sであり、一般的な砂濾過装置の流速である0.01m/sよりも早い流速になっている。これにより、ろ過速度が速まっている。
【0067】
次いで、この被処理水Wは、第4開閉弁74を通過して流入流路20に流れ込み、この流入流路20を介して除菌浄化ユニット2に送られる。以降、上述と同様に被処理水Wが除菌浄化ユニット2により除菌浄化されるため、その説明を省略する。
【0068】
一方、ろ過装置3を逆洗浄する場合には、このろ過装置3内を被処理水Wが逆流で流れるように各開閉弁71、72、73、74を制御盤27により制御して流路を切換える。この場合、図4において、第1開閉弁71が閉状態、第2開閉弁72が開状態、第3開閉弁73が開状態、第4開閉弁74が閉状態となる。図2において、被処理水Wが逆流により流れる場合を破線の矢印で示す。
【0069】
この状態で合流流路18から被処理水Wが流れると、この被処理水Wは、第3開閉弁73を通過してろ過装置3の二次側からカートリッジ61内に流れ込んでろ過材60を逆洗浄する。これにより、ろ過材60内に蓄積している不純物やゴミ等がろ過材60から取り除かれ、これらが外部流路68を介して排水管から排出される。このとき、気液混合流路19から合流するオゾン混合水(オゾン水)により、有機物が分解され、ろ過装置3内の有機物が減少する。そのため、逆洗浄により効果的に不純物等を排出することができる。また、順流の場合と同様に気液混合装置26を介してオゾン水が混入されているため、ろ過装置3内にあらたに有機物が混入することが防がれている。
【0070】
このようにして、ろ過材60を逆洗浄することでこのろ過材60を再利用でき、長期に亘ってろ過装置3のろ過性能を維持できる。
また、ろ過材60をカートリッジ61としてパッケージ化しているので、ろ過材60の再利用が困難になった場合には、このろ過材60をカートリッジ61ごと容易に交換することができる。更には、ろ過材60をカートリッジ61から取り出すこともできるため、このろ過材60に逆洗浄以外の適宜の処理を施して再利用したり、或は、産業廃棄物として簡単に処分することもできる。この場合、カートリッジ61を再利用することができる。
【0071】
本発明の浄化装置は、前記のように、ろ過装置3の上流側で除菌浄化ユニット2により除菌浄化しているため、有機物の総量が大幅に少なくなり、ろ過装置3内に有機物が蓄積することを防いでいるのでろ過材60の使用量を大幅に削減でき、例えば、一般的な砂濾過装置のみによる濾過の場合と比較してろ過材の量をおよそ1/10以下に抑えることができる。このため、ろ過装置全体を小型化することができ、例えば、一般的な砂濾過装置のみによる濾過システムの砂濾過装置に対して、径方向において1/2〜1/4程度、縦方向において1/2〜1/3程度の大きさに小型化できる。更に、上記したように、ろ過材60の使用量が少ないことによりろ過時の抵抗を少なくでき、ろ過速度を速めることができる。
また、除菌浄化ユニット2は、ろ過装置のみを有する既存の浄化装置に対しても取付けることが可能であり、装置全体が大型化することなく大幅に除菌浄化機能を高めることが可能である。
【0072】
なお、上記実施形態においては、除菌浄化ユニット2が紫外線照射機能と、オゾン供給機能と、光触媒作用機能とを有する場合を説明したが、除菌浄化ユニット2は、オゾン供給機能のみ、或は、オゾン供給機構と紫外線供給機能とを有するものであってもよい。
しかし、上記実施形態のように3つの機能を組合わせた場合や、オゾン供給機能と紫外線供給機能とを組み合わせた場合には、酸化を促進することができ、効率よく有機物を処理することができる。
また、上記において、開閉弁として4つの2方弁を利用したシステムとしたが、図示しない3方弁を2台用いたり、5方弁を1台用いて流路の切換えを制御することもできる。
【0073】
図6のグラフにおいては、上記実施形態において、オゾン供給機能と紫外線照射機能と光触媒作用機能とを働かせた場合と、オゾン供給機能と紫外線照射機能とを働かせた場合と、オゾン供給機能のみを働かせた場合と、被処理水Wに塩素のみを含有させた場合との比較を示している。実線に示したように、3つの機能を併用した場合には、その他の場合に比較して有機物を効果的に分解できる。また、塩素のみによる場合には有機物を分解することはほとんどできない。
【実施例】
【0074】
本発明の浄化装置を用いて浴槽内の被処理水を除菌浄化したときの濁度を測定した。このとき、除菌浄化ユニットには、オゾン供給機能と紫外線照射機能と光触媒作用機能とである3つの機能を働かせた。また、ろ過装置場合におけるろ過材の層をおよそ4cmとした。
この状態で浄化装置を動作させて被処理水を循環させ、循環を開始した基準日から12週間後までの入浴者と濁度を測定した。その結果を図7に示す。
【0075】
図7の結果より、濁度は、入浴者数の増減と経過日数に関係なくほぼ0.1度前後で推移している。風呂の濁度の基準値は5度以下であるため、測定結果は、この基準値よりも大幅に低くなっている。なお、プールの濁度の基準値は2度以下であり、測定結果は、この値についてもクリヤしている。以上のように、入浴者数と経過日数にかかわらず、濁度が安定し、その数値も低く抑えられた。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明における浄化装置の一例を示した模式図である。
【図2】除菌浄化ユニットを示した正面図である。
【図3】除菌浄化ユニットの要部を示した拡大断面図である。
【図4】図1のろ過装置付近を示した拡大模式図である。
【図5】ろ過カートリッジを示した概略断面図である。
【図6】有機物の削減効果を示したグラフである。
【図7】浴槽への入浴者数に対する濁度を示したグラフである。
【符号の説明】
【0077】
1 循環ライン
2 除菌浄化ユニット
3 ろ過装置
25 除菌浄化装置
26 気液混合装置
45 大表面積材料(光触媒)
46 電極
47 オゾン発生部
50 紫外線光源
60 ろ過材
61 カートリッジ
67、69 チーズ(分岐管)
71、72、73、74 開閉弁
W 被処理水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水を循環させる循環ラインに、被処理水を砂・砂利等のろ過材でろ過するろ過装置と、このろ過装置を通過した被処理水を除菌浄化して有機物を除去する除菌浄化ユニットとを接続したことを特徴とする浄化装置。
【請求項2】
前記除菌浄化ユニットは、被処理水に紫外線を照射する紫外線照射機能と、被処理水にオゾンを供給するオゾン供給機能と、被処理水に光触媒を作用させる光触媒作用機能とを有するユニットである請求項1に記載の浄化装置。
【請求項3】
前記除菌浄化ユニットで生成されるオゾンを被処理水と混合させてオゾン水を生成し、このオゾン水を前記ろ過装置の1次側に供給した請求項2記載の浄化装置。
【請求項4】
前記除菌浄化ユニットは、除菌浄化装置を有し、この除菌浄化装置は、被処理水に紫外線を照射する紫外線光源と、電極の帯電によりオゾンを発生させるオゾン発生部と、チタン又はチタン合金製の大表面積材料からなる光触媒とを有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の浄化装置。
【請求項5】
前記除菌浄化ユニットは、気液混合装置を有し、この気液混合装置は、前記除菌浄化装置とは別体に設けられ、前記除菌浄化装置を通過した被処理水と前記除菌浄化装置により発生させたオゾンとを攪拌・混合する装置である請求項4に記載の浄化装置。
【請求項6】
前記ろ過装置のろ過材をパッケージ化した請求項1乃至5の何れか1項に記載の浄化装置。
【請求項7】
前記ろ過装置の上流側と下流側とをそれぞれ分岐管により分岐し、この各分岐管の一方側を被処理水の流入側、他方側を被処理水の流出側とすると共に、前記各分岐管の分岐箇所に開閉弁を設け、この開閉弁の切換えにより前記ろ過装置に順流又は逆流に被処理水を流すようにした請求項1乃至6の何れか1項に記載の浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−69353(P2010−69353A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236304(P2008−236304)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(304017476)東洋バルヴ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】