説明

浄化装置

【課題】 従来、浄化装置自身が回転及び自走し、湯面、及び湯の上層部に浮遊する毛髪等不純物を回収し、また浴槽に付いた汚れを除去し、浴槽の湯水、及び浴槽を清潔に保ものは存在しなかった。
【解決手段】 本発明は、取水口と、複数の排水口を備えた容器内に駆動部、浄化部と、及び流路内に磁気プレートを備えた浴槽内の湯面に浮く浄化装置で、浄化部を、容器内に形成される取水口とし、流路には部屋を形成し、その出口に複数の排水口を設け、駆動部に設けた羽根車を設け、複数の排水口は、水平方向で、放射方向に設けた数本の排水口で、容器に旋回力を付与し、また、他の排水口で浴槽の湯水を攪拌する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽内の湯面に浮かべて浴槽内を回転及び自走することによって浴槽を清掃及び浴湯を浄化する浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭用の浴槽においては、風呂水の水質を維持するために、様々な種類の風呂湯の浄化装置がある。ここで、一般家庭用の風呂湯の浄化装置に関する先行文献を、以下列挙する。
【0003】
文献(1)は、特開2000−15016の「浄化装置」であり、この発明は、「槽体内に配設する本体部の液中に配される下部に吸込口部を設けると共に、本体部の上部に吐出口部を設け、この吸込口部より槽液を吸い込み吐出口部より吐出させる循環駆動装置を前記本体部内に設け、この本体部内の槽液通過部に浄化材を収納した収納部を設ける」ことを特徴とする浄化装置である。
文献(2)は、特開2008−307319の「浴槽内での浴槽の浄化装置」であり、この発明は、「浴槽の湯面に浮遊する浮体を有し、浮体は、湯面の近傍に複数の吸込み口を配した湯面浮遊部と、湯面浮遊部の中央に吸込み口から吸い込んだ浴湯を集合しフィルターを介して排水口から湯面の下方に排出するために内部にスクリューを有する垂下管と、スクリューを駆動するモーター部とを備えた」ことを特徴とする浄化装置である。
文献(3)は、特開2007−37931の「風呂の湯および浴槽の浄化装置」であり、この発明は、「舟形あるいは魚形等の玩具のごとき形状にて、湯面の外周を廻ることにより水流を発生させ、浮遊する毛髪、湯垢、石鹸滓等を、風呂の湯面および湯面の外周部に移動させることにより、効率よく回収することを特徴とし、また湯面の外周部を廻る際には、浴槽の湯面との接触部に付着する湯垢、石鹸滓等を擦り取りながら進行する」ことを特徴とする浄化装置である。
【0004】
【特許文献1】特開2000−15016
【特許文献2】特開2008−307319
【特許文献3】特開2007−37931
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、文献(1)は、浴槽内の槽液を本体部の下部に設けた吸込口部から吸込み、この吸込んだ槽液を本体部の上部に設けた吐出口から吐き出す構成であるため、本願発明のように、浄化装置の上方に設けた取水口より湯水を浄化装置の内部に取り込み、浄化された湯水を浄化装置の下方に設けた排水口より排出し、湯水を攪拌を発生させ、浴槽の中層部、下層部の不純物を浮き上がらせ、上層部の不純物等と共に回収し、湯水との分離を図るものとは相違する。また、本願発明のように、浄化装置自体が回転及び自走する構成のものではない。
【0006】
文献(2)は、浄化装置が湯面の外周を廻ることによって水流を発生させ、浮遊する毛髪、湯垢、石鹸滓等を風呂の湯面、及び湯面の外周部に移動させることにより、効率よく回収する構成であるが、本願発明のように、主に浄化装置を回転及び自走させるための湯水を排水する排水口と、主に風呂の湯水を攪拌させるための排水口を構成し、この排水口からの排水によって浄化装置自体が回転及び自走する構成のものではない。
【0007】
文献(3)は、電気エネルギーによって浄化装置が自走し、湯面の外周を廻ることにより水流を発生させ、浴槽の湯面との接触部に付着する湯垢、石鹸滓等を擦り取りながら進行するものであるが、本願発明のように浄化装置自体は回転しないため、浴槽の湯垢等の回収効果に課題が残る。
【0008】
本願発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、浄化装置を風呂湯に浮かべ、浄化装置自身が回転及び自走し、湯面、及び湯の上層部に浮遊する毛髪、湯垢、石鹸滓等不純物を回収して、湯水との分離を図り風呂湯を浄化する一方、浴槽や排水溝等のヌメリ(バイオフィルム)を付着しにくくし、すでに付いた汚れをも取り除き、浴槽の湯水、及び浴槽の清潔感を保ち、減菌、殺菌、及び健康衛生面でも効果を提供することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、取水口と、複数の排水口を備えた容器内に駆動部、浄化部と、及び流路内に磁気プレートを備えた浴槽内の湯面に浮く浄化装置であって、前記浄化部を、前記容器内に形成される流路に設けるとともに、この流路の入口は、前記取水口に、また、該流路の中間には部屋を形成し、さらに、該流路の出口は、前記複数の排水口にそれぞれ連通する構造とし、また、前記駆動部の出力軸に設けた羽根車を、前記部屋に設ける構造とし、前記複数の排水口は、容器の水平方向で、かつその放射方向に設けた数本の第一排水口と、この水平方向で、かつその放射方向より偏倚した方向に向かった数本の第二排水口と、前記容器の垂直方向に開設した第三排水口とで構成することで、この第一、第二排水口で、容器に旋回力を付与し、また、前記第三排水口で、浴槽の湯水を攪拌させる構造としたことを特徴とする回転式及び自走式の浄化装置である。
【0010】
したがって、請求項1の発明は、浄化装置を湯面に浮かべて、駆動部の出力軸に設けた羽根車(インペラ−)の回転により取水口から湯水を毛髪、湯垢、石鹸滓等の不純物と共に浄化装置の内部に取り込み、浄化された湯水を排水口より排出し、浴槽内の湯水を攪拌させ、浴槽の中層部、及び下層部の不純物を浮き上がらせ、上層部の不純物等と共に回収し、湯水との分離を図ることで浄化効率を上げる効果があるものとした。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、前記容器を内外筒の構造とし、前記外筒の内部には浮遊手段を設け、この浮遊手段で前記外筒を上下動することによって浄化装置の浮力を調整することを特徴とする回転式及び自走式の浄化装置である。
【0012】
したがって、請求項2の発明は、外筒内に設けた浮遊手段によってエアーポケットの大きさを調整することにより、湯面の最も適切な位置に浄化装置を設定することができるため、湯水の上層部に浮遊する毛髪、湯垢、石鹸滓等の不純物Dを最も効率的に回収し、湯水を浄化することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、前記容器の外周面には、清掃手段を設けることを特徴とする浄化装置である。
【0014】
したがって、請求項3の発明は、浄化装置の外周面には、清掃手段を設けることを特徴とすることによって、特に不純物が付着しやすい浴槽と湯面との接触部付近とその周辺を浄化装置の回転及び/又は自走により付着した異物を擦り取りながら移動するため、浴槽を清潔に保つことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、前記容器の外周面には、カバーを回動自在に設け、このカバーを回動させることによって前記容器に設けた前記第一排水口、第二排水口を塞ぐ一方、該カバーを回動させることによって前記容器に設けた前記第一排水口、第二排水口を開放することを特徴とする浄化装置である。
【0016】
したがって、請求項4の発明は、浄化装置の外周面に取り付けられたカバーを回して水平方向へ排水する排水口を完全に塞ぎ、湯水を垂直方向へ排水する排水口のみから排水(噴射)させることにより浄化装置の回転及び/又は自走を停止し、所定の場所に留まり湯水の浄化を持続するため、入浴中、あるいは、浄化装置を所定の場所に固定して使用することもできる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、前記浄化部を銅製とすることを特徴とする浄化装置である。
【0018】
したがって、請求項5の発明は、浄化部を銅製とするため、銅イオンによる減菌、殺菌効果を更に高め、有効せしめる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明は、浄化装置を湯面に浮かべて、駆動部の出力軸に設けた羽根車(インペラ−)の回転により取水口から湯水を毛髪、湯垢、石鹸滓等の不純物と共に浄化装置の内部に取り込み、浄化された湯水を排水口より排出し、浴槽内の湯水を攪拌させ、浴槽の中層部、及び下層部の不純物を浮き上がらせ、上層部の不純物等と共に回収し、湯水との分離を図ることで浄化効率を上げる効果があるものとした。また、特に不純物が付着しやすい浴槽と湯面との接触部付近とその周辺を浄化装置の回転及び/又は自走により付着した異物を擦り取りながら移動するため、浴槽を清潔に保つことができる。
【0020】
請求項1は、取水口と、複数の排水口を備えた容器内に駆動部、浄化部と、及び流路内に磁気プレートを備えた浴槽内の湯面に浮く浄化装置であって、浄化部を、容器内に形成される流路に設けるとともに、流路の入口は、取水口に、また、流路の中間には部屋を形成し、さらに、流路の出口は、複数の排水口にそれぞれ連通する構造とし、また、駆動部の出力軸に設けた羽根車を、部屋に設ける構造とし、複数の排水口は、容器の水平方向で、かつ放射方向に設けた数本の第一排水口と、水平方向で、かつ放射方向より偏倚した方向に向かった数本の第二排水口と、容器の垂直方向に開設した第三排水口とで構成することで、第一、第二排水口で、容器に旋回力を付与し、また、第三排水口で、浴槽の湯水を攪拌させる構造としたことを特徴とする回転式及び自走式の浄化装置である。
【0021】
請求項2の発明は、外筒内に設けた浮遊手段によってエアーポケットの大きさを調整することにより、湯面の最も適切な位置に浄化装置を設定することができるため、湯水の上層部に浮遊する毛髪、湯垢、石鹸滓等の不純物Dを最も効率的に回収し、湯水を浄化することができる。
【0022】
請求項2は、請求項1に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、容器を内外筒の構造とし、外筒の内部には浮遊手段を設け、浮遊手段で前記外筒を上下動することによって浄化装置の浮力を調整することを特徴とする回転式及び自走式の浄化装置である。
【0023】
請求項3の発明は、浄化装置の外周面には、清掃手段を設けることを特徴とすることによって、特に不純物が付着しやすい浴槽と湯面との接触部付近とその周辺を浄化装置の回転及び/又は自走により付着した異物を擦り取りながら移動するため、浴槽内を清潔に保つことができる。
【0024】
請求項3は、請求項1又は請求項2に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、容器の外周面には、清掃手段を設けることを特徴とする浄化装置である。
【0025】
請求項4の発明は、浄化装置の外周面に取り付けられたカバーを回して水平方向へ排水する排水口を完全に塞ぎ、湯水を垂直方向へ排水する排水口のみから排水(噴射)させることにより浄化装置の回転及び/又は自走を停止し、所定の場所に留まり湯水の浄化を持続するため、入浴中、あるいは、浄化装置を所定の場所に固定して使用することもできる。
【0026】
請求項4は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、容器の外周面には、カバーを回動自在に設け、カバーを回動させることによって容器に設けた第一排水口、第二排水口を塞ぐ一方、カバーを回動させることによって容器に設けた第一排水口、第二排水口を開放することを特徴とする浄化装置である。
【0027】
請求項5の発明は、浄化部を銅製とするため、銅イオンによる減菌、殺菌効果を更に高め、有効がある。
【0028】
請求項5は、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、浄化部を銅製とすることを特徴とする浄化装置である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の断面図である。
【図2】本発明のA方向矢視図である。
【図3】本発明のB−B断面図である。
【図4】本発明を浴槽に浮かべた状態を表した図である。
【図5】本発明の軌道の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
まず、一の実施例である浄化装置100について説明する。一の浄化装置100の主要な構成物品を大別すると、外筒1、内筒2、駆動部3とからなり、外筒1内に内筒2が挿入されて容器50を形成し、この容器50の中心位置に駆動部3が挿通される。
【0031】
そして、容器50内には、湯水(水)が流れる流路23を設け、この流路23の中間には部屋50bを形成する。この流路23の入口は取水口12で、流路23の出口である複数の排水口の第一排水口61,第二排水口62,第三排水口63にそれぞれ連通する構造である。
【0032】
外筒1は、上端1a、及び下端1dが開口している円筒状である。また、外筒1には、上端1aの開口を開閉する蓋体11を備えており、この蓋体11は、図1のような係止手段11aを設けることによって、ロック又は解除することができる。
【0033】
そして、外筒1の上端1aの開口の下方には、不純物Dを含んだ湯水が浄化装置100内へ流れ込むための複数の取水口12を設けている。なお、取水口12の数としては、例えば、4箇所程度が望ましい。また、この取水口12は、様々な大きさとすることができる。
【0034】
取水口12の下方であり、かつ外筒1の内周面1eには浮遊手段13を設けている。浮遊手段13を構成する浮力調整具13aによってエアーポケット15の大きさを調整することができ、このエアーポケット15を調整することにより浄化装置100の浮力を調整する。具体的には、浮力調整具13aを調節することによって外筒1を上下動させ、エアーポケット15の大きさを変え、浄化装置100の浮力を調整する。このように、浄化装置100の浮力を調整することによって、浄化装置100を湯面の最も適切な位置に設定し、湯水の上層部に浮遊する毛髪、湯垢、石鹸滓等の不純物Dを最も効率的に回収し、湯水を浄化することができる。
【0035】
外筒1の外周面1cには、例えば、スポンジや織布等の清掃手段14を設けている。清掃手段14を設ける位置としては、清掃目的を達成することができればどの位置に設けてもよい。そして、清掃手段14が設けられた浄化装置100が、浴槽A内を回転及び/又は自走することにより、この清掃手段14が浴槽Aの内側に接触し、浴槽Aと湯面Bとの接触部C付近に付着する毛髪、湯垢、石鹸滓等の不純物Dを擦り取りながら移動することによって浴槽Aを清潔にする。
【0036】
外筒1内に挿入される内筒2は、上端2aが開口しており、下端2dには底部2eを設けている円筒状である。
【0037】
また、外筒1と内筒2で構成される容器50の内部には、浄化部22を設ける。この浄化部22を構成する物品としては、例えば、フィルター22aやケースが挙げられる。
【0038】
まず、フィルター22aについて説明する。フィルター22aは、取水口12から浄化装置100の内部に流れ込んだ不純物Dを含んだ湯水がフィルター22aを介することによって毛髪、湯垢、石鹸滓等の不純物Dと分離されることを目的とする。
【0039】
このフィルター22aの素材としては、例えば、プラスチックや合成樹脂等が挙げられる。そして、フィルター22aの目合も、例えば、目に見える比較的大きな不純物Dを除去するための大きいものから、比較的小さな不純物Dを除去するため不織布等のような小さいもの、あるいは、中空糸や細菌等も分離可能とする極めて微細なものまで様々なものを使用できる。このように、フィルター22aの素材等を変えることによって様々な大きさの不純物Dを除去できる。
【0040】
また、このフィルター22aの形状は、不純物Dを回収し易くするために、その表面積をできるだけ大きくすることができ、傾斜面の他、円錐形や円筒形、波形等にすることもでき、方形状のものを多数設ける構成でもよい。
【0041】
なお、フィルター22aは、容器50の内部から着脱自在とすることもできる。この場合は、外筒1の蓋体11を開いて、外筒1の上端1aの開口からフィルター22aを取り出し、このフィルター22aを水道水で容易に洗浄することができるため、回収した不純物Dをフィルター22aから取り去ることができる。もちろん、フィルター22a自体の交換も可能である。
【0042】
次に、銀イオンセラミックボール等を収納するケースについて説明する。ケースとしては、様々な組み合わせがあるが、一例として、図1で図示する、以下のような組み合わせが考えられる。
【0043】
ケースは、外側ケース22bと内側ケース22cに分類でき、この外側ケース22b、及び内側ケース22cを内筒2に内設する。そして、外側ケース22b内及び内側ケース22c内には、後述する殺菌剤、除菌剤、減菌剤、消臭剤、銀イオンセラミックボール等を収納し、外側ケース22b、及び内側ケース22cに設けた穴から浄化された湯水が流れ出る。
【0044】
具体的な収納物として、例えば、外側ケース22bには、湯水の消臭、清浄効果、あるいは、健康衛生効果があるとされる活性炭、備長炭、竹炭、ハーブミント、及び種々のセラミックボール等をメッシュの袋等に入れた状態で収納する。また、例えば、内側ケース22cには、湯水の浄化、脱臭、抗菌、殺菌等の効果があるとされる銀イオンセラミックボール等の殺菌、抗菌セラミックボールを収納する。
【0045】
そして、外側ケース22bや内側ケース22cをレジオネラ菌や大腸菌等に対して殺菌効果があるとされる銅製とすることによって、銅イオンによって減菌、殺菌効果をさらに高めることができる。
【0046】
また、この浄化装置100の、後述する駆動部3のスイッチ31を切り、モーター34を停止させた状態で浴槽Aの湯水に浮かべて置くだけで、内側ケース22cの内容物である種々の殺菌抗菌セラミックボールの効力で湯水を減菌、殺菌する効果や、健康衛生でもその効果は持続する。
【0047】
さらに、この外側ケース22b内、及び内側ケース22cも容器50から着脱自在とすることができ、この場合、蓋体11を開いて外筒1の上端1aの開口から外側ケース22b、及び内側ケース22cを取り出し洗浄あるいは交換することもできる。この時、外側ケース22b内や内側ケース22c内に収納された活性炭等やセラミックボール等の殺菌剤、除菌剤、減菌剤、消臭剤は、自分の好みの種類に入れ換えるのも自由である。
【0048】
容器50に設置した外側ケース22bの下方の流路23には、2枚の磁気プレート24を設ける構成も可能である。この2枚の磁気プレート24を一定の間隔(例えば、約1mm〜5mm)で設けて磁場を形成し、この2枚の磁気プレート24の間に湯水を通すことにより磁気イオン化された活水を作り、健康衛生面での効果(血行の促進、新陳代謝の促進)を有効せしめると共に、浴槽Aや排水溝等に湯垢、ヌメリ等を付着し難くし、既に付着した汚れをも取り除く効果で浴槽Aや排水溝等を清潔に保ち細菌等の発生を防ぐものである。したがって、このお湯で入浴すれば温まり易く、湯上りも湯冷めし難くなる。なお、水平方向の流路25や垂直方向の流路27に2枚の磁気プレート24を設ける構成でもよい。
【0049】
そして、この流路23は、湯面に対して水平方向の流路25、及び垂直方向の流路27に分岐された後、水平方向の流路25は、内筒2に設けた湯水を水平方向へ排水する水平方向の排水口26へ、垂直方向の流路27は、内筒2の下端2dの底部2eに設けた湯水を垂直方向へ排水する垂直方向の排水口28に至る。すなわち、この浄化装置100の排水口は、浄化装置100の回転、及び/又は自走が主な目的である水平方向の流路25と水平方向の排水口26と、浴槽Aの湯水を攪拌させるのが主な目的の垂直方向の流路27と垂直方向の排水口28の2種類を持つ特徴を有する。
【0050】
このように、この浄化装置100は、水平方向の流路25と垂直方向の流路27の2方向の流路を各々複数本持つ。そして、水平方向の流路25は、それぞれが内筒2の水平断面(B−B断面)において所定の角度間隔をおいて配置されている。
【0051】
水平方向の流路25、及び水平方向の排水口26からの浄化された湯水の噴射圧力によって浄化装置100が回転、及び/又は自走する機能を有するため、水平方向の流路25、及び/又は水平方向の排水口26の角度(方向)や大きさを変更することにより湯水の噴射方向、及び圧力を変えることができ、浄化装置100の回転、及び/又は自走の速さを変更調整することができる。例えば、水平方向の流路25のうち4本を内筒2の水平断面において角度間隔30°とすることによって浄化装置100自体が回転し易くなり、また、水平方向の流路25のうち4本を内筒2の水平断面において角度間隔90°とすることによって浄化装置100自体が自走し易くなる。
【0052】
また、この水平方向の流路25の所定の角度間隔は、各々相違する角度、例えば、図3のように、30°間隔、60°間隔、90°間隔、120°間隔とすることができる。
【0053】
水平方向の流路25の角度間隔を上記のようにすると、水平方向の流路25の数は図3のように4本となるが、水平方向の流路25の角度間隔によっては水平方向の流路25の数が増減する。具体的には、水平方向の流路25の角度間隔が全て60°間隔の場合は水平方向の流路25の数は6本、水平方向の流路25の角度間隔が全て90°間隔の場合は水平方向の流路25の数は4本、水平方向の流路25の角度間隔が全て120°間隔の場合は水平方向の流路25の数は3本となる。
【0054】
図1で示すように、容器50の中心位置に挿通された駆動部3は、スイッチ31と、ケース33に収容された電池32、及びモーター34と、このモーター34の出力軸36を介して連動する羽根車(インペラ−)35とからなる。そして、流路23の中間に形成された部屋50bに駆動部3の出力軸36に設けた羽根車35を設ける。
電池32を動力源とするモーター34により羽根車35を回転させ、取水口12より浴槽Aの不純物Dを含んだ湯水を浄化装置100内に取り込み循環させ、浄化した湯水を水平方向の排水口26、及び垂直方向の排水口28より排出して湯水を攪拌させ、中層部や下層部にある不純物Dも浮き上がらせ、上層部に浮遊する不純物Dと共に回収して効率よく湯水を浄化する。
【0055】
なお、この浄化装置100は、モーター34の周囲にも湯水を循環させ、モーター34の過熱を防ぐ機能を有すると共に、モーター34の出力もロータリースイッチ37等で2〜3段階に切り替えることにより浄化装置100の回転、及び/又は自走する速度を調整する機能も有するものである。すなわち、ロータリースイッチ37等を操作してモーター34の回転数を変えることで湯水の排水圧を変化させることもできる。
【0056】
また、この浄化装置100の動力源である電池32やモーター34は、完全防水の密閉されたケース33に収納されている。また、電池32の交換は、ハンドル30でネジを緩め配線室38を開き、電池32を取り出し交換する。なお、電池32としては、マンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池の他、ニッケル・カドミウム蓄電池等の充電式電池等を使用することもできる。
【0057】
さらに、この浄化装置100は、内筒2の外周面2cの水平方向の排水口26周辺に、例えば、円筒状のカバー40を設けることによって、この円筒状のカバー40を回して水平方向の排水口26を塞ぎ、垂直方向の排水口28のみから浄化された湯水を噴射(排水)することにより、浄化装置100の回転、及び/又は自走を停止して所定の位置に留まり、湯水の浄化作用を持続することを特徴とするものである。これにより、入浴時等、浄化装置100を停止して使用したい時に浄化装置100を所定の場所に留めておくことも可能である。なお、カバー40は、水平方向の排水口26を塞ぐことができれば、どのような構成であってもよい。
【0058】
次に、図示しない他の実施例の浄化装置100を説明する。他の実施例の浄化装置100は、一つの容器50で構成され、この容器50の外部、及び/又は内部に浮遊手段13である風船又は発泡体を設ける構成である点以外は、一の実施例とほぼ同様である。
【0059】
他の実施例での浮遊手段13としては、例えば、空気を入れた風船や、EVAフォーム等の発泡体等を容器50の外部に巻き付けることによって浄化装置100を湯面において浮遊させる。その他、風船や、EVAフォーム等の発泡体等を容器50の内部に収納する構成でもよい。なお、この風船や発泡体等にキャラクターをプリントすれば、子供にも喜ばれる。
【0060】
以上説明したように、不純物Dを含んだ浴湯が入口である取水口12から流入し、浄化部22を経由した後に浄化され、この浄化された浴湯が水平方向の流路25を通過して、水平方向の排水口26からの排水によって浄化装置100が回転、及び/又は自走する。
この浄化装置100の回転、及び/又は自走によって浴槽Aの上層部の不純物Dは勿論のこと、浄化装置100の回転、及び/又は自走による湯水の攪拌効果によって、浴槽Aの中層部や下層部の不純物Dも上層部へ移動して複数の取水口12から入るため、浴槽A全体の不純物Dが処理できる。
【0061】
また、浄化部22を経由した後に浄化された浴湯が内筒2の下端2dの底部2eに設けた垂直方向の排水口28から排水されることによって浴槽Aの下層部や中層部の湯水に含まれる不純物Dが上層部へ移動するため、浴槽A全体の不純物Dの処理に有効である。
【0062】
さらに、清掃手段14を設けた浄化装置100が回転、及び/又は自走することによって浴槽Aや排水溝等を清潔に保つことができる。
【0063】
この浄化装置100で浄化された湯水は毎日交換する必要はなく、浴槽Aや排水溝等も清潔に保たれ、少なくとも数日間は追い焚きのみで入浴できる。したがって、風呂に掛かる経費を節減できるため、節水、省エネ、CO2削減にも貢献できるものである。
【符号の説明】
【0064】
1 外筒
1a 上端
1c 外周面
1d 下端
1e 内周面
2 内筒
2a 上端
2c 外周面
2d 下端
2e 底部
3 駆動部
11 蓋体
11a 係止手段
12 取水口
13 浮遊手段
13a 浮遊調整具
14 清掃手段
15 エアーポケット
22 浄化部
22a フィルター
22b 外側ケース
22c 内側ケース
23 流路
24 磁気プレート
25 水平方向の流路
26 水平方向の排水口
27 垂直方向の流路
28 垂直方向の排水口
30 ハンドル
31 スイッチ
32 電池
33 ケース
34 モーター
35 羽根車
36 出力軸
37 ロータリースイッチ
38 配線室
40 カバー
50 容器
50b 部屋
61 第一排水口
62 第二排水口
63 第三排水口
100 浄化装置
A 浴槽
B 湯面
C 接触部
D 不純物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取水口と、複数の排水口を備えた容器内に駆動部、浄化部と、及び流路内に磁気プレートを備えた浴槽内の湯面に浮く浄化装置であって、
前記浄化部を、前記容器内に形成される流路に設けるとともに、この流路の入口は、前記取水口に、また、該流路の中間には部屋を形成し、さらに、該流路の出口は、前記複数の排水口にそれぞれ連通する構造とし、
また、前記駆動部の出力軸に設けた羽根車を、前記部屋に設ける構造とし、
前記複数の排水口は、容器の水平方向で、かつその放射方向に設けた数本の第一排水口と、この水平方向で、かつその放射方向より偏倚した方向に向かった数本の第二排水口と、前記容器の垂直方向に開設した第三排水口とで構成することで、この第一、第二排水口で、容器に旋回力を付与し、また、前記第三排水口で、浴槽の湯水を攪拌させる構造としたことを特徴とする回転式及び自走式の浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、
前記容器を内外筒の構造とし、
前記外筒の内部には浮遊手段を設け、この浮遊手段で前記外筒を上下動することによって浄化装置の浮力を調整することを特徴とする回転式及び自走式の浄化装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、
前記容器の外周面には、清掃手段を設けることを特徴とする浄化装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、
前記容器の外周面には、カバーを回動自在に設け、
このカバーを回動させることによって前記容器に設けた前記第一排水口、第二排水口を塞ぐ一方、該カバーを回動させることによって前記容器に設けた前記第一排水口、第二排水口を開放することを特徴とする浄化装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の回転式及び自走式の浄化装置において、
前記浄化部を銅製とすることを特徴とする浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−160855(P2011−160855A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23915(P2010−23915)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(510034339)株式会社 一進技研 (1)
【Fターム(参考)】