説明

浄水器および燃料電池用改質システム

【課題】貯留室に貯留されている水から発生した気泡を集合させ、貯留室に貯留されている水の流れの円滑化を図り得、更に、大気への気泡の放出性を高めることができ、貯留室における水の浄化効率を高く維持することができる浄水器および燃料電池用改質システムを提供する。
【解決手段】浄水器1は、上方から原水が供給される貯留室3を有する容器2と、容器2の貯留室3に収容され原水を浄化させる浄水生成要素4と、容器2の貯留室3の上側に設けられ通水性をもつ仕切部材5とを備えている。仕切部材5は、M重力方向の上側に設けられ貯留室3で発生した気泡7Mを集合させると共に集合させた気泡7Mを大気に放出可能な気泡集合部7と、貯留室3で発生した気泡7Mを気泡集合部7に案内させる気泡案内部8とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原水を浄化させる浄水器および燃料電池用改質システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図9に示すように、上方から原水が供給される貯留室3Xを有する容器2Xと、容器2Xの貯留室3Xに収容され原水を浄化させる浄水生成要素4Xと、容器2Xの貯留室3Xの上側に設けられ通水性をもつ水平板状をなす仕切部材5Xとを備える浄水器が知られている(特許文献1)。このものによれば、上方から原水が貯留室3Xに供給される。貯留室3Xに供給された原水は、浄水生成要素4Xにより浄化され、底側から吐出される。
【特許文献1】特開2002−263641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した浄水器によれば、図9に示すように、仕切部材5Xは水平板状をなしており、気泡を案内させる機能を有する気泡案内部が仕切部材5Xに設けられていない。このため、図9に示すように、仕切部材5Xと浄水生成要素4Xとの間隔が開いた場合など原水や浄水生成要素4Xに含まれていた空気や炭酸ガス等の気体が、気泡として貯留室3Xにおいて仕切部材5Xの下面側に過剰に残留することがある。この場合、貯留室3Xにおける水の円滑な流れを阻害するおそれがある。このため、貯留室3Xに原水を投入したとしても、貯留室3Xにおける水の流れの均一性が充分でなくなるおそれがある。この場合、貯留室3Xに貯留されている水の浄化効率を高めるためには、好ましくない。このため気泡を積極的に集合させ、大気への放出性を高めることが要請されている。
【0004】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、貯留室に貯留されている水から発生した気泡を集合させ、貯留室に貯留されている水の流れの円滑化を図り得、更に、大気への気泡の放出性を高めることができ、貯留室における水の浄化効率を高く維持することができる浄水器および燃料電池用改質システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
様相1に係る浄水器は、上方から原水が供給される貯留室を有する容器と、容器の貯留室に収容され貯留室に貯留されている水を浄化させる浄水生成要素と、容器の貯留室に設けられた気泡処理部材とを具備しており、気泡処理部材は、貯留室で発生した気泡を集合させると共に集合させた気泡を大気に放出可能な気泡集合部と、貯留室で発生した気泡を気泡集合部に案内させる気泡案内部とを有することを特徴とする。
【0006】
仮に気泡が貯留室の水面全体に過剰に分散されると、気泡が貯留室の水面全体に広く拡がるおそれがある(図9参照)。この場合、容器の貯留室に原水を投入するとき、原水の円滑な流れを妨げる面積が増加するおそれがある。この点について本発明によれば、貯留室において発生した気泡は、気泡案内部に案内されて気泡集合部に集合する。故に、気泡が貯留室の水面全体に過剰に広く拡がるおそれが低減される。従って、容器の貯留室に原水を投入するとき、気泡が原水の円滑な流れを妨げることが抑制される。
【0007】
更に、貯留室において発生した気泡は、気泡案内部に案内されて気泡集合部に集合し、大気へ放出され易くなる。この意味においても、気泡が原水の円滑な流れを妨げることが抑制される。故に、貯留室に貯留されている原水を効率よく浄化させるのに有利となる。更に浄化された水の流れの円滑化も図り得る。
【0008】
容器は、上方から原水が供給される貯留室を有する。容器は円筒形状でも、四角筒形状でも、三角筒形状でも良い。原水とは、浄水の原料となる水を意味し、水道水、井戸水、凝縮水、雨水、自然界の水、工業用の水等が例示される。凝縮水は水蒸気が凝縮した水を意味する。凝縮水といえども、配管経路から物質を含むことがある。浄水生成要素は容器の貯留室に収容されており、原水を浄化させる機能を有する。浄水とは、浄化されて不純物が原水よりも少ないか、あるいは、無い水を意味する。浄化させるとは、原水に含まれているHO以外の物質を低減または除去させることをいう。浄水生成要素は原水を浄化させる機能を有すれば、材質および構造は何でも良く、イオン交換樹脂、活性炭等が例示され、その形態としては粒の集合体、シート状、繊維状等が例示される。
【0009】
気泡処理部材は容器の貯留室に設けられている。気泡処理部材は複数の通水孔をもつ部材で形成したり、あるいは、多孔質性を有する材質で形成したりできる。気泡集合部は、気泡案内部よりも重力方向の上側に設けられており、貯留室で発生した気泡を集合させると共に集合させた気泡を大気に放出可能とする。本明細書では、『重力方向の上側』とは、重力方向の直上側、重力方向に沿った斜め上側側を含む意味である。気泡案内部は、貯留室で発生した原水中の気泡を気泡集合部に向けて案内させる機能をもつ。気泡処理部材は、重力方向の上側に凸を形成する形状が例示される。
【0010】
様相2に係る浄水器によれば、上記様相において、気泡処理部材の気泡集合部は、貯留室に貯留されている水の水面の高さ位置、または、水面の高さ位置よりも重力方向の上側に配置されていることを特徴とする。この場合、気泡集合部は水面の高さ位置、または、水面の高さ位置よりも上側に位置するため、気泡集合部に集合した気泡は大気と接触して破裂し、大気に放出され易くなる。
【0011】
様相3に係る浄水器によれば、上記様相において、気泡処理部材は、容器の高さ方向に沿った断面で、斜辺部と斜辺部の上端部に繋がる頂角部とを有する三角形状をもつ部分を有しており、頂角部の下方は気泡集合部を構成すると共に、斜辺部は気泡案内部を構成することを特徴とする。この場合、貯留室で発生した気泡は、斜辺部である気泡案内部に沿って、頂角部である気泡集合部に向けて上昇し、頂角部である気泡集合部から大気に放出され易くなる。頂角部の角度としては特に限定されず、10〜160°の範囲内、殊に20〜140°の範囲内、45〜120°の範囲内で適宜設定できる。
【0012】
様相4に係る浄水器によれば、上記様相において、気泡処理部材は、容器の高さ方向に沿った断面で、複数の斜辺部と斜辺部の上端部同士が交差する頂角部と、頂角部から重力方向の上側に向けて延設された延設部を有する逆漏斗形状を有しており、頂角部の下方は気泡集合部を構成すると共に、斜辺部は気泡案内部を構成しており、延設部は気泡集合部で集合された気泡を大気に放出させる気泡放出孔を形成することを特徴とする。この場合、貯留室で発生した気泡は、斜辺部である気泡案内部に沿って、頂角部である気泡集合部に向けて上昇し、頂角部である気泡集合部から気泡放出孔に至り、気泡放出孔から大気に放出される。
【0013】
様相5に係る浄水器によれば、上記様相において、容器の貯留室に貯留されている水の水面の高さ位置を一定値または一定幅に設定する水位設定手段が設けられていることを特徴とする。この場合、貯留室において水面の高さ位置を一定値または一定幅に維持することができるため、気泡が大気に接触する位置(水面の位置)を一定値または一定幅に維持することができる。つまり、気泡が大気に放出される位置を一定値または一定幅に維持することができる。
【0014】
様相6に係る浄水器によれば、上記様相において、気泡処理部材は、貯留室に設けられ浄水生成要素の脱落および/または飛散を抑える仕切部材を兼用することを特徴とする。この場合、気泡処理部材は仕切部材を兼用するため、部品点数の増加を抑えることができる。
【0015】
様相7に係る燃料電池用改質システムは、燃料原料を水蒸気で改質することにより水素を含む改質ガスを生成する改質部と、改質部に供給する水蒸気を生成する蒸発部と、原水を浄化させて浄水とする浄水器と、浄水器で浄化された浄水を蒸発部に供給する供給通路とを有する改質システムにおいて、浄水器は上記した様相に係る浄水器で構成されていることを特徴とする。この場合、貯留室において発生した気泡は気泡案内部に沿って移動し、気泡を放出可能な気泡集合部に集合される。従って、貯留室における気泡を集合させ、その放出性を高めることができる。従って、気泡が貯留室に残留することが低減される。故に、貯留室に貯留されている水の流れが過剰の気泡で影響されることが低減される。故に、貯留室に貯留されている原水の浄化に有利となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、貯留室において発生した気泡は、気泡案内部に案内されて気泡集合部に集合する。故に、気泡が貯留室の水面全体に過剰に広く拡がるおそれが低減される。従って、容器の貯留室に原水を投入するとき、気泡が原水の円滑な流れを妨げることが抑制される。
【0017】
更に、貯留室において発生した気泡は、気泡案内部に案内されて気泡集合部に集合し、大気へ放出され易くなる。この意味においても、気泡が原水の円滑な流れを妨げることが抑制される。故に、貯留室に貯留されている原水を効率よく浄化させるのに有利となる。更に浄化された水の流れの円滑化も図り得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態1)
本実施形態は、燃料電池改質システム等の産業機器、家庭用機器に使用される浄水器に適用したものである。図1は実施形態1に係る浄水器の断面を示す。図1は重力方向(矢印G方向)に沿って、つまり容器1の高さ方向に沿って切断した断面を示す。図1に示すように、浄水器1は、自重濾過型の浄水器であり、容器2(材質:例えば金属、硬質樹脂、セラミックス)を有する。容器2は、第1貯留室3fをもつ第1容器2fと、第2貯留室3sをもつ第2容器2sと、第1貯留室3fの底部と第2貯留室3sの底部とを連通する連通管2mとをもつ。第1容器2fおよび第2容器2sは横に並設されている。第2容器2sは大気連通口2wをもつ。
【0019】
第1容器2fの第1貯留室3f、第2容器2sの第2貯留室3sには、浄水生成要素4がそれぞれ収容されている。浄水生成要素4は原水を浄化させる機能を有する。浄水生成要素4は、イオン交換樹脂、活性炭等の粒子(サイズ:例えば1〜30ミリメートルの範囲内の任意値)の集合体で形成されている。第1貯留室3fに貯留されている水の水面30fよりも上側は、大気に連通されている。第2貯留室3sに貯留されている水の水面30sよりも上側は、大気に連通されている。
【0020】
第1容器2fは、第1貯留室3fの上面開口で形成され大気に連通する原水投入開口20を有する。第1容器2fの第1貯留室3fの上側には、気泡処理部材として機能できる仕切部材5が設けられている。
【0021】
仕切部材5は、第1貯留室3fの全面を包囲しており、重力方向の上方に向けて凸となる形状を有する。仕切部材5は第1容器2fの第1貯留室3fに対して重力方向(矢印G方向)の真上側に設けられており、原水投入開口20の全域に対面している。仕切部材5は厚み方向に通水可能であり、複数の通水孔をもつ多孔部材で形成したり、あるいは、連通状態の細孔を有する発泡材料などの多孔質性を有する材質で形成したりできる。第2仕切部材6は第1容器2fの第1貯留室3fの下側に設けられており、通水性をもち、浄水吐出開口21に対面している。第2仕切部材6は仕切部材5と同様に、複数の通水孔をもつ多孔部材で形成したり、あるいは、多孔質性を有する材質で形成したりできる。仕切部材5および第2仕切部材6により、第1容器1fからの浄水生成要素4の脱落および飛散は、防止されている。このように仕切部材5は、浄水生成要素4の脱落および飛散を防止する機能と、気泡7Mを消失処理する機能とを併有する。このため部品点数の増加が抑制される。なお、図1は浄水器1の概念図を示すため、浄水生成要素4のサイズ、気泡7Mのサイズは図1に制約されるものではない。
【0022】
図1に示すように、第2容器2sの第2貯留室3sの上側には、通水性をもつ仕切部材5Bが設けられている。第2容器2sの第2貯留室3sの下側には、第2仕切部材6Bが設けられている。仕切部材5Bおよび第2仕切部材6Bにより、第2容器1sからの浄水生成要素4の脱落および/または飛散は、防止されている。
【0023】
さて使用時には、原水投入開口20から原水(純度が必ずしも充分でない水)が第1貯留室3fに投入される。投入された原水は、第1貯留室3f内の浄水生成要素4により浄化され、純水度が次第に高くなる。このように浄化された水は連通管2mから第2貯留室3sに至り、第2貯留室3s内の浄水生成要素4により更に浄化される。このように水の純水度は更に高くなる。このように浄化された水は、第2容器2sの上側の浄水吐出開口21Bから自然に吐出される。浄水吐出開口21Bの高さ位置HAは、第2貯留室3sの水面30sの高さを規定する。ここで、第2貯留室3sの水面30sの高さ位置と、第1貯留室3fの水面30fの高さ位置とは、等しく設定されている。第2貯留室3sと第1貯留室3fとは連通管2mで連通されているためである。従って、浄水吐出開口21Bおよび連通管2mは、第1容器2fの第1貯留室3sに貯留されている水の水面30fの高さ位置を一定値または一定幅に設定する水位設定手段として機能することができる。
【0024】
上記したように吐出開口21Bの高さ位置HAと、第2貯留室3sの水面30sの高さ位置と、第1貯留室3fの水面の高さ位置とが同一である場合には、第1貯留室3fに新しく投入される原水に相当する流量の水が第2貯留室3sの吐出開口21Bから吐出される。
【0025】
さて本実施例によれば、図1に示すように、第1貯留室3fに設けられているM仕切部材5は、気泡集合部7と、気泡案内部8とを構成する。気泡集合部7は、気泡7Mが集合する部位であり、第1貯留室3fの水面30fに対して重力方向(矢印G方向)の上側に設けられている。従って、気泡集合部7は、第1貯留室3f内の水または浄水生成要素4から発生した気泡7Mを集合させる機能を有すると共に、集合させた気泡7Mを水面30fから大気に放出可能とする機能を有する。
【0026】
気泡案内部8は、第1貯留室3fで溜められている水から発生した気泡7Mを気泡集合部7に向けて矢印W2方向に案内させる機能をもつ。ここで、第1貯留室3fにおいて発生した気泡7Mは、水に比較して低比重であるため、第1貯留室3fの水の内部を浮上して気泡案内部8に当たる。すると気泡7Mは気泡案内部8の傾斜に沿って案内されて移動し、気泡集合部7に集合する。気泡集合部7に集合された気泡7Mは水面30fにおいて破裂し、気泡7Mを形成していたガスは、水面30fの大気に放出される。
【0027】
ここで、図1に示すように、気泡集合部7は、第1貯留室3fに貯留されている水の水面30f上、あるいは、水面30fよりも重力方向(矢印G方向)の上側に位置している。このため、気泡集合部7に集合した気泡7Mは、水面30fにおいて破裂し、気泡7Mのガスは水面30f上の大気に放出される。このように気泡集合部7に集合した気泡7Mが水面30f上において大気に放出されると、過剰の気泡7Mが第1貯留室3fに残留しないことになる。このため第1貯留室3fに残留する過剰の気泡7Mの影響で、第1貯留室3fを流れる水の流れが損なわれることが抑制される。よって、第1貯留室3fにおいて浄水生成要素4で原水を均一的に浄化させることができる。故に、第1貯留室3fにおいて浄水を生成させる浄化効率を高めることができる。
【0028】
図1は、重力方向(矢印G方向)に沿って切断した断面を示す。図1に示すように、仕切部材5は、互いに対向する第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bと、頂角部5mとを有する三角形状をもつ部分を備えている。第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bについては、体積比で、半分程度または半分以上は、第1貯留室3f内の水に浸漬されている。頂角部5mでは、第1斜辺部5aの上端部および第2斜辺部5bの上端部が交差する。ここで、頂角部5mの下方(真下)は空間状の気泡集合部7とされている。気泡集合部7は、第1貯留室3fの水面30fの高さ位置、または、水面30fの高さ位置よりも重力方向の上側に位置している。
【0029】
第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bは重力方向に対して傾斜しており、気泡7Mを案内させる気泡案内部8を構成する。この場合、貯留室3において発生した気泡7Mは水よりも比重が軽いため、水中を浮上し、第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5b(気泡案内部8)に当たる。すると、気泡7Mは、第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5b(気泡案内部8)の傾斜に沿って矢印W2方向に向けて上側に移動し、頂角部5mの下方、すなわち気泡集合部7に至り、気泡集合部7において大気に触れて破裂し、気泡の空気は水面30f上の大気に放出される。なお、頂角部5mの交差角度θ1としては特に限定されず、10〜160°の範囲内、殊に20〜140°の範囲内、45〜120°の範囲内で適宜設定できる。
【0030】
以上説明したように本実施形態によれば、浄水器1の第1貯留室3fにおいて発生した気泡は、第1貯留室3f内の水中を浮上すると、気泡案内部8に当たり、気泡案内部8(斜辺部5a,5b)の傾斜に案内されて移動し、気泡集合部7に局部的に集合する。故に、気泡が第1貯留室3fの水面30f全体に過剰に広く拡がるおそれが低減される。従って、第1容器2fの第1貯留室3fに原水を投入するとき、気泡が原水の円滑な流れを妨げることが抑制される。
【0031】
更に、第1貯留室3fにおいて発生した気泡は、気泡案内部8の傾斜に案内されて気泡集合部7に局部的に集合し、気泡案内部8の空気、すなわち、水面30fの大気に触れて、大気へ放出され易くなる。この意味においても、気泡が原水の円滑な流れを妨げることが抑制される。更に浄化された水の流れの円滑化も図り得る。よって、第1貯留室3fにおいて浄水生成要素4で原水を浄化させて浄水を生成させる浄化効率を高めることができる。故に、第1貯留室3fに貯留されている原水の浄化に有利となる。
【0032】
前述したように、浄水吐出開口21Bおよび連通管2mは、第1容器2fの第1貯留室3sに貯留されている水の水面30fの高さ位置を一定値に設定する水位設定手段として機能することができる。このため仕切部材5の頂角部5mの下方に存在する水面30fの高さ位置を一定に設定することができる。このため頂角部5mの下方に位置する気泡集合部7に集合させた気泡7Mを水面30fの大気に触れさせて破裂させ、水面30f上の大気に効率よく放出させることができる。
【0033】
更に、浄水生成要素4が消耗品である場合には、浄水生成要素4を交換するときがある。このように浄水生成要素4を交換するとき、乾燥状態の浄水生成要素4が使用される。この場合には浄水生成要素4は空気等のガスを含むことがある。このため、浄水生成要素4を交換したときには、第1貯留室3fにおいて浄水生成要素4等から多数の気泡7Mが生成されることがあるが、この点について本実施形態によれば、上記した構造により、生成された気泡7Mの集合性、大気への排出性を高めることができる。
【0034】
なお、第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bの気孔率は高く設定されており、原水投入開口20から第1貯留室3fに投入された原水は、ほぼ鉛直方向に沿って第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bを通過する。この場合、万一、頂角部5m(気泡集合部7)の下方に気泡7Mが残留しているときであっても、残留している気泡7Mは、投入される原水の重量に基づく衝撃によって破裂されるため、気泡集合部7に集合している気泡7Mの消失化を促進させる効果を期待できる。
【0035】
また図1に示すように、第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bは、頂角部5m(気泡集合部7)から離間するように下降傾斜している。従って第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bの気孔率を少な目に設定すれば、原水投入開口20から第1貯留室2fに供給される原水を頂角部5m(気泡集合部7)からできるだけ遠ざけるように矢印W1方向に沿って案内させる比率を高めることができる。故に、万一、頂角部5m(気泡集合部7)に気泡7Mが過剰に残留しているときであっても、原水供給が気泡7Mの影響を受けることを低減させることができる。
【0036】
なお、第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bは、断面において、頂角部5m(気泡集合部7)から離間するように下降傾斜している。このため仕切部材5の構造としては、第1容器1fが円筒形状の場合には、頂角部5mを頂点とする円錐構造でも良い。あるいは、第1容器1fが四角筒形状の場合には、第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bは、図1の紙面の厚み方向にほぼ平行にされている構造でも良い。また本実施形態によれば、気泡7Mの移動性を高めるべく、必要に応じて、第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bの下面に、フッ素樹脂等の撥水材(撥水膜)を設けることもできる。
【0037】
(実施形態2)
図2は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。図2に示すように、第1容器2fの上側には、気泡処理部材としての仕切部材5が設けられている。仕切部材5は、第1容器2fの高さ方向に沿った断面で、互いに対向する第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bと、第1斜辺部5aの上端部および第2斜辺部5bの上端部が交差する頂角部5mと、頂角部5mから重力方向の上側に向けて鉛直方向に沿って延設されたパイプ形状の延設部9を有する。従って、仕切部材5は断面で逆漏斗形状を有する。
【0038】
ここで前記した実施形態と同様に、頂角部5mの下方は気泡集合部7を構成する。第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bは、第1貯留室3fの水に浸漬されており、気泡案内部8を構成する。延設部9は縦筒形状をなしており、頂角部5mから重力方向(矢印G方向)の真上(上側)に向けて延設されている。図2に示すように、延設部9の下端部9dは、第1貯留室3fの水面30fよりも下方に位置している。延設部9の上端部9uは、第1貯留室3fの水面30fよりも上側に突出しており、大気に臨んでいる。延設部9の上端部9uは、気泡集合部7で集合された気泡7Mを水面30f上の大気に放出させる気泡放出孔9kを形成する。この場合、気泡7Mは水に比較して低比重であるため、貯留室3の水中を浮上し、第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5b(気泡案内部8)に当たる。すると、気泡7Mは第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5b(気泡案内部8)の傾斜に沿って移動し、頂角部5mの下方の気泡集合部7に至る。更に気泡7Mは気泡集合部7から延設部9内を上昇し、延設部9の上端部9uの気泡放出孔9kから大気に放出される。なお、気泡7Mの放出性を高めるべく、必要に応じて、延設部9の内壁面9iには、フッ素樹脂等の撥水材(撥水膜)を保持しておくこともできる。
【0039】
(実施形態3)
図3実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。図3に示すように、気泡処理部材として機能できる仕切部材5は、断面で、互いに対向する第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bと、疎水性フィルタ部材60とを有する。疎水性フィルタ部材60は、第1斜辺部5aの上端部および第2斜辺部5bの上端部が交差する頂角部に相当する領域に設けられている。疎水性フィルタ部材60は、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の撥水材で撥水化処理された多数の通気孔60cをもつ。通気孔60cは上下方向に沿って連通している。疎水性フィルタ部材60は強い疎水性をもつ。このため、疎水性フィルタ部材60の通気孔60cの内壁面に水が接触することは制限されており、気体の通過を促進できる。
【0040】
ここで、疎水性フィルタ部材60の下面60dは、気泡集合部7として機能することができる。第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bは気泡案内部8を構成する。この場合、第1貯留室3fにおいて気泡7Mは、浮上して第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5b(気泡案内部8)に当たると、第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5b(気泡案内部8)に傾斜に沿って移動し、疎水性フィルタ部材60に至り、疎水性フィルタ部材60の通気孔60cから上側に流れ、更に、水面30fから大気に放出される。
【0041】
(実施形態4)
図4は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。図4に示すように、上記した仕切部材5Cは、重力方向(矢印G方向)に沿って切断した断面で、互いに対向する第1斜辺部5aおよび第2斜辺部5bと、第1斜辺部5aの上端部および第2斜辺部5bの上端部が交差する頂角部5mとを有する三角形状をもつ部分を備えている。図4に示すように、仕切部材5Cは、上記した三角形状をもつ部分を複数備えている。従って頂角部5mの下方の気泡集合部7は複数個設けられている。従って気泡集合部7が複数個設けられているため、気泡7Mの放出性を高めることができる。
【0042】
(実施形態5)
図5は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。図5に示すように、上記した仕切部材5については、頂角部5mは、第1貯留室3fに貯留されている水の水面30fよりも重力方向の上側に位置している。頂角部5mの下方は気泡集合部7を構成している。そして、フロート200が頂角部5mの下方に位置するように水面30fに浮遊する。水の表面張力、水に含まれている成分等の影響によっては、気泡7Mが破裂しにくくなることがある。原水投入時等において、原水投入の衝撃により水面30f上をフロート20が揺動する。従って、万一、頂角部5mの下方の気泡集合部7に気泡7Mが過剰に残留するようなときであっても、水面30fにおいて揺動するフロート200が残留気泡7Mに当たる。すると、気泡集合部7において残留している気泡7Mの破裂をフロート200が促進させる。このように気泡7Mの破裂性を高めるため、フロート200は針等の突起201を有することができる。なお、突起201を有していなくても良い。
【0043】
(実施形態6)
図6は実施形態6を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。図6に示すように、容器2は、第1貯留室3fをもつ第1容器2fと、縦長の第2貯留室3sをもつ縦長の第2容器2sと、第1貯留室3fの底部と第2貯留室3sの底部とを連通する連通管2mとをもつ。第1容器2fの第1貯留室3fには浄水生成要素4が収容されている。第2容器2sの第2貯留室3sには浄水生成要素4が収容されていない。
【0044】
(実施形態7)
図7は実施形態7を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。図7に示すように、容器2は、貯留室3と、貯留室3の上面開口で形成された原水投入開口20と、貯留室3の底部に設けられた浄水吐出開口21Wとを有する。浄水吐出開口21Wから下方に延設された吐水管27に開閉弁28が設けられている。貯留室3に設けられた第1水位センサ3wが貯留室3の水面30fを検知すると、その検知信号は制御部29に入力され、制御部29は開閉弁28を開弁させる。貯留室3に設けられた第2水位センサ3yが貯留室3の水面30fの低下を検知すると、その検知信号は制御部29に入力され、制御部29は開閉弁28を閉弁させる。第1水位センサ3wよりも下方に第2水位センサ3yは設けられている。上記したように貯留室3の水面30fの水位は、上側の第1水位センサ3wと下側の第2水位センサ3yとの間に維持される。この結果、頂角部5mは、貯留室3に溜められている水の水面30fよりも上側に位置している。このため頂角部5mの下方の気泡集合部7に集合させた気泡7Mを、水面30fにおいて破裂させて大気に放出させ易い。従って、第1水位センサ3w、第2水位センサ3y、開閉弁28および制御部29は、容器2の貯留室3に貯留されている水の水面30fの高さ位置を一定幅に設定する水位設定手段として機能することができる。
【0045】
(適用形態1)
図8は適用形態1を示す。本適用形態は定置用または車両用の燃料電池用改質システムに適用している。図8に示すように、改質システムは、第1容器2fおよび第2容器2sを並設して有する浄水器1と、浄水器1で浄化された改質用の水を溜めるタンク100と、燃料電池のスタック101と、タンク100に溜められている水を蒸発部103に向けて水搬送源(例えばポンプ)102により供給する供給通路104と、燃料原料(例えば炭化水素系のガス)を水蒸気改質によりアノードガス(水素含有ガスまたは水素ガス)とする改質部105と、蒸発部103と改質部105とを繋ぐ水蒸気供給通路106と、アノードガスとなる燃料原料を改質部105に供給する燃料通路107と、改質反応に適するように改質部105を高温に加熱する燃焼部108と、燃焼部108に燃焼用燃料を供給する燃焼用燃料供給通路109と、改質部105で生成されたアノードガス(水素含有ガス)を凝縮器211を介して燃料電池のスタック101のアノードに供給するアノードガス供給通路110と、スタック101で発電された発電済みのアノードオフガスを凝縮器213を介して燃焼部108に供給して燃焼部108で燃焼させるアノードオフガス通路215と、燃焼部108で燃焼済みの排ガスを凝縮器217を介して排気させる排気通路219とを有する。
【0046】
図8に示すように、凝縮器211と浄水器1の第1容器2fとを開閉弁311を介して連通させる連通路310が設けられている。凝縮器213と浄水器1の第1容器2fとを開閉弁313を介して連通させる連通路314が設けられている。凝縮器217と浄水器1の第1容器2fとを開閉弁316を介して連通させる連通路317が設けられている。更に、浄水器1の第1容器2sに水道水(原水)を開閉弁112を介して供給する水道水通路111(原水供給通路)が設けられている。上記したスタック101は膜電極接合体を有する。膜電極接合体は、電解質膜をアノード極およびカソード極で挟持して形成されている。電解質膜は、炭化フッ素系,炭化水素系等の高分子系膜、または、無機系膜とされている。
【0047】
浄水器1は上記実施形態に係る浄水器に相当する。従って、第1容器2fおよび第2容器2sには、浄水生成要素4がそれぞれ収容されている。浄水生成要素4は、イオン交換樹脂の粒子の集合体で形成されている。第1容器2fの浄水生成要素4で浄化された水は、第2容器2sの浄水吐出開口21Bから吐出され、連通管2mを介して第2容器2sに供給される。第2容器2sに溜められた水は、タンク100に供給される。タンク100内の水は水搬送源102により蒸発部103に供給され、蒸発部103で加熱されて水蒸気となる。その水蒸気は改質部105に供給される。改質部105に供給された燃料原料は、水蒸気により改質され、水素を含むアノードガスとなる。アノードガスは凝縮器211を介してスタック101のアノードに供給される。カソードガスはカソードガス供給通路400からスタック101のカソードに供給される。これによりスタック101で発電反応が発生する。発電反応を経たアノードオフガスは燃焼成分を有するため、凝縮器213を介して燃焼部108に供給されて燃焼される。燃焼部108で燃焼された排ガスは凝縮器217を経て大気に排出される。凝縮器211,213,217では、これらを通過するガスに含まれている水蒸気が凝縮するため、凝縮水が生成される。凝縮器211の凝縮水は、開閉弁311が開閉すると、浄水器1の第1容器2fに原水として供給される。凝縮器213の凝縮水は、開閉弁313が開閉すると、浄水器1の第1容器2fに原水として供給される。凝縮器217の凝縮水は、開閉弁316が開閉すると、浄水器1の第1容器2fに原水として供給される。凝縮水は配管経路から物質が含有されることがあるため、浄水器1で凝縮水を清浄化させることは重要である。このように燃料電池システムで発生した凝縮水を水蒸気改質するための改質用水として利用するため、水循環サイクルが実現されている。凝縮水が不足する場合には、開閉弁112が開放し、水道水が浄水器1の第1容器2fに原水として供給される。水道水は塩素や鉄分等を含むため、浄水器1で水道水を清浄化させることは重要である。
【0048】
上記した燃料電池用改質システムにおいては、浄水器1の第1容器2fの第1貯留室3fにおいて、過剰に残留する気泡により水の円滑な流れが損なわれると、蒸発部103に供給される浄水(改質用の水)の単位時間あたりの流量を過剰に減少させるおそれがある。この場合、スタック101における発電出力が低下するおそれがある。このため浄水器1の内部における残留気泡を積極的に除去することが好ましい。この点について、上記した実施形態に係る浄水器1によれば、浄水器1の第1容器2fの第1貯留室3fにおける残留気泡を積極的に除去することができるため、スタック101の発電出力の低下を抑制するためには、有意義である。
【0049】
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。浄水器は燃料電池用改質システム以外にも適用でき、例えば、飲料用浄水システム、工業用浄水システムに利用できる。原水としては上記した水に限定されず、家庭用機器、産業機器で発生した水でも良い。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。浄水生成要素4は粒状に限定されず、シート状でも、繊維状でも、ブロック状でも良い。
[付記項1]上方から原水が供給される貯留室を有する容器と、前記容器の前記貯留室に収容され前記貯留室に貯留されている水を浄化させる浄水生成要素とを具備する浄水器であって、貯留室の水面上に浮遊する気泡破裂用のフロートが設けられていることを特徴とする浄水器。原水の投入よりフロートが揺動するため、水面上に残留する気泡の破裂が期待される。
[付記項2]上方から原水が供給される貯留室を有する容器と、前記容器の前記貯留室に収容され前記貯留室に貯留されている水を浄化させる浄水生成要素と、前記容器の前記貯留室に設けられた気泡処理部材とを具備しており、前記気泡処理部材は、前記貯留室で発生した気泡を集合させると共に集合させた気泡を大気に放出可能な気泡集合部と、前記貯留室で発生した気泡を前記気泡集合部に案内させる気泡案内部とを有しており、気泡集合部および/または気泡案内部は撥水材を有することを特徴とする浄水器。撥水材は水の接触角を大きくさせ、水を弾くため、気泡の移動性の確保に有利である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は例えば定置用、車両用、電子機器用、電機機器用、可搬用の燃料電池システムに利用できる。更には産業機器用の浄水器、飲食用の浄水器に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態1に係り、浄水器の概念を示す断面図である。
【図2】実施形態2に係り、浄水器の概念を示す断面図である。
【図3】実施形態3に係り、浄水器の概念を示す断面図である。
【図4】実施形態4に係り、浄水器の概念を示す断面図である。
【図5】実施形態5に係り、浄水器の概念を示す断面図である。
【図6】実施形態6に係り、浄水器の概念を示す断面図である。
【図7】実施形態7に係り、浄水器の概念を示す断面図である。
【図8】適用形態に係り、燃料電池用改質システムの概念を示すシステム図である。
【図9】従来技術に係り、浄水器の概念を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1は浄水器、2fは第1容器、2mは連通管(水位設定手段)、21Bは浄水吐出開口(水位設定手段)、2sは第2容器、3fは第1貯留室、3sは第2貯留室、30fは水面、30sは水面、4は浄水生成要素、5は仕切部材(気泡処理部材)、5aは第1斜辺部、5bは第2斜辺部、5mは頂角部、6は仕切部材、7は気泡集合部、8は気泡案内部、9は延設部、60はフィルタ部材、28は開閉弁、100はタンク、101はスタック、102は水搬送源、103は蒸発部、104は供給通路、105は改質部、106は水蒸気供給通路、107は燃料通路、108は燃焼部、109は燃焼用燃料供給通路、110はアノードガス供給通路、111は水道水通路、211,213,217は凝縮器を示す。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方から原水が供給される貯留室を有する容器と、前記容器の前記貯留室に収容され前記貯留室に貯留されている水を浄化させる浄水生成要素と、前記容器の前記貯留室に設けられた気泡処理部材とを具備しており、
前記気泡処理部材は、前記貯留室で発生した気泡を集合させると共に集合させた気泡を大気に放出可能な気泡集合部と、前記貯留室で発生した気泡を前記気泡集合部に案内させる気泡案内部とを有する浄水器。
【請求項2】
請求項1において、前記気泡処理部材の前記気泡集合部は、前記貯留室に貯留されている水の水面の高さ位置、または、水面の高さ位置よりも重力方向の上側に配置されていることを特徴とする浄水器。
【請求項3】
請求項1または2において、前記気泡処理部材は、前記容器の高さ方向に沿って切断した断面で、斜辺部と前記斜辺部の上端部に繋がる頂角部とを有する三角形状をもつ部分を有しており、前記頂角部の下方は前記気泡集合部を構成すると共に、前記斜辺部は前記気泡案内部を構成することを特徴とする浄水器。
【請求項4】
請求項1または2において、前記気泡処理部材は、前記容器の高さ方向に沿って切断した断面で、複数の斜辺部と斜辺部の上端部同士が交差する頂角部と、前記頂角部から重力方向の上側に向けて延設された延設部を有する逆漏斗形状を有しており、前記頂角部の下方は前記気泡集合部を構成すると共に、前記斜辺部は前記気泡案内部を構成しており、前記延設部は前記気泡集合部で集合された気泡を大気に放出させる気泡放出孔を形成することを特徴とする浄水器。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記容器の前記貯留室に貯留されている水の水面の高さ位置を一定値または一定幅に設定する水位設定手段が前記容器に設けられていることを特徴とする浄水器。
【請求項6】
請求項1〜5のうちの一項において、前記気泡処理部材は、前記貯留室に設けられ前記浄水生成要素の脱落および/または飛散を抑える仕切部材を兼用することを特徴とする浄水器。
【請求項7】
燃料原料を水蒸気で改質することにより水素を含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質部に供給する水蒸気を生成する蒸発部と、原水を浄化させて浄水とする浄水器と、前記浄水器で浄化された浄水を前記蒸発部に供給する供給通路とを有する燃料電池用改質システムにおいて、前記浄水器は請求項1〜6のうちの一項に係る浄水器で構成されていることを特徴とする燃料電池用改質システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−195792(P2009−195792A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38575(P2008−38575)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】