浄水生成装置
【課題】簡単な構成で浄水器の温度上昇を抑制して吸着剤における吸着性能の低下を防ぐ浄水生成装置を提供すること。
【解決手段】浄水器と、浄水器へ原水を導入する導入流路と、浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、導入流路の途上で分岐される分岐流路と、この分岐流路内を流れる原水が浄水器の外面との間で熱交換するように分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、分岐流路の途上であって熱交換手段より上流側に設けられた開閉弁と、浄水器と熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には開閉弁を閉じ、温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には開閉弁を開くように制御する制御装置と、を備える。
【解決手段】浄水器と、浄水器へ原水を導入する導入流路と、浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、導入流路の途上で分岐される分岐流路と、この分岐流路内を流れる原水が浄水器の外面との間で熱交換するように分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、分岐流路の途上であって熱交換手段より上流側に設けられた開閉弁と、浄水器と熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には開閉弁を閉じ、温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には開閉弁を開くように制御する制御装置と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水生成装置に関し、詳しくは、原水を利用して浄水器を水冷するようにした浄水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、浄水器は、活性炭などの吸着剤と、中空糸膜やセラミック膜などの濾過膜とを具備し、吸着剤によって水道水中の分子レベルの異臭味物質や有害物質を吸着除去し、濾過膜で鉄サビ、コロイド成分、細菌などを捕捉し、除去する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
活性炭などの吸着剤の吸着性能は温度の影響を受けやすく、単位吸着剤あたりの吸着量は、低温ほど多く、高温ほど少ない傾向がある。したがって、活性炭などの吸着剤を利用した浄水器では、低温での使用ほど浄水性能が高く、高温になるほど浄水性能が低下する傾向がある。よって、設計時に設定していた温度よりも高温になると、設計時の想定処理量よりも、吸着処理できる量が少なくなり、浄水性能を満たさなくなる。また、周囲温度が低温から高温に急激に変化すると、吸着されていた物質が吸着剤から脱離し、清浄度の低下した水が吐水されてしまう可能性もある。
【0004】
浄水器を、例えば、気温が高い日に使用したり、また、キッチンにおいて熱を発生する調理機器や給湯器の近傍、キッチン下の収納スペースなど熱のこもりやすい場所等で使用する場合、浄水器の温度が上がり、前述したような吸着性能の低下や、吸着していた物質の放出の可能性がある。
【0005】
なお、例えば、特許文献2には、ペルチェ効果を利用した電子冷却装置で浄水器を冷却することが開示され、また、特許文献3には、圧縮式冷凍器やガス冷凍機により浄水器を冷却することが開示されているが、それら冷却手段を用いることは、省電力化や低コスト化の妨げになる。
【特許文献1】特開平6−339676号公報
【特許文献2】特開平11−90417号公報
【特許文献3】特開平7−952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡単な構成で浄水器の温度上昇を抑制して吸着剤における吸着性能の低下を防ぐ浄水生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、原水が前記浄水器を流れる状態と、原水が前記熱交換手段を流れる状態と、を切り替え可能な切り替え手段と、前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、原水が前記浄水器を流れるように前記切り替え手段を切り替え、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、原水が前記熱交換手段を流れるように前記切り替え手段を切り替える制御を行う制御装置と、を備えたことを特徴とする浄水生成装置が提供される。
【0008】
また、本発明の他の一態様によれば、容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、前記分岐流路の途上であって、前記熱交換手段より上流側に設けられた開閉弁と、前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、前記開閉弁を閉じ、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、前記開閉弁を開くように制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする浄水生成装置が提供される。
【0009】
また、本発明のさらに他の一態様によれば、容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、前記熱交換手段より下流側に設けられた開閉弁と、前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、前記開閉弁を閉じ、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、前記開閉弁を開くように制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする浄水生成装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の浄水生成装置によれば、簡単な構成で浄水器の温度上昇を抑制して活性炭における吸着性能の低下を防ぐことができ、省電力かつ安価な浄水生成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
[第1具体例]
図1は、本発明の第1具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例に係る浄水生成装置は、主として、原水(水道水)を浄水に浄化する浄水器10と、浄水器10と熱交換する熱交換手段20と、を備える。
【0013】
図2は、浄水器10の構造を例示する模式図である。
浄水器10は、活性炭などの吸着剤(以下、活性炭を用いた場合を例に挙げて説明する)32と、中空糸膜フィルタ33と、を有する。これら活性炭32と中空糸膜フィルタ33は、容器31内に収容されている。活性炭32は、例えば、トリハロメタン、カルキ臭などを吸着、除去する。中空糸膜フィルタ33は、例えば、鉄サビ、雑菌などを捕捉する。本具体例では、前段(上流側)に活性炭32が、後段(下流側)に中空糸膜フィルタ33が配設されているが、それら両者の配置関係は逆であってもよく、また材料もこれら具体例には限定されない。なお、浄水器10に、例えばアルカリイオン水の生成機能やミネラル添加機構などを付加してもよい。
【0014】
浄水器10の入口部4は、コネクタ51を介して、浄水器10に原水を導入するための導入流路2に接続されている。導入流路2の途中には、開閉弁(電磁弁)36が設けられている。
【0015】
浄水器10の出口部6は、コネクタ52を介して、浄水器10で浄化した浄水を吐水するための吐水流路8に接続されている。吐水流路8の途中には、開閉弁23が設けられている。本具体例の浄水生成装置は、いわゆる「先止め式」の浄水生成装置であり、使用者は、浄水を使用する際には、開閉弁23を開く。ここで、開閉弁23は、手動式のバルブでもよく、電気信号により開閉する電磁弁でもよい。
【0016】
導入流路2の途上であって、開閉弁36よりも上流側の部分からは、分岐流路12が分岐している。その分岐流路12の途上には、熱交換手段20が設けられている。熱交換手段20は、具体的には、原水が流れる通路(空間)20aを有するウォータージャケットである。通路20aは、浄水器10の上面及び側面を囲んでいる。分岐流路12を流れてきた原水は、入口部14を介して、通路20a内に流入し、この流入した原水は、浄水器10の外面10aに直接接触して、浄水器10との間で熱交換が行われる。
あるいは、熱交換手段20を、浄水器10の外面10aに接する内壁部と、外部の空気に接する外壁部との間に通路(空間)を形成した二重構造としてもよく、この場合には、通路内の原水は、浄水器10の外面10aに接する内壁部を介して、浄水器10と熱交換する。
【0017】
熱交換手段20において、通路20aと、外部の空気とを隔てる外壁部は、断熱性の高い材料(例えば樹脂など)から構成することが望ましい。あるいは、断熱材を巻いたり、断熱構造にするのでもよい。また、二重構造とした場合において、浄水器10の外面10aに接する内壁部は、熱伝導性の高い材料(例えば銅、ステンレスなど)から構成することが望ましい。このようにすれば、空間20b内の原水と浄水器10との熱交換効率を高めることができる。
【0018】
分岐流路12において、熱交換手段20への入口部14よりも上流側には、開閉弁(電磁弁)22が設けられている。開閉弁22と、入口部14との間には、熱交換手段20側から導入流路2側への原水の逆流を防止する逆止弁24が設けられている。また、通路20aからの原水の流出口部16には、排水流路18が接続されている。
【0019】
浄水器10は、コネクタ51、52を介して着脱自在であり、交換時期に達した場合などに交換することができる。浄水器10は、例えば、熱交換手段20の底部に形成された開口(図示せず)を介して、熱交換手段20に対して取り外したり、装着できる。熱交換手段20の底部に形成した開口を介して浄水器10の着脱を行う構成に限らず、熱交換手段20の側面に形成した開口を介して着脱を行う構成としてもよい。
【0020】
上述の具体例では、底部側には通路20aを設けていないが原水と浄水器10とがより広い面積で接触してそれら両者の熱交換効率を高める観点からは、浄水器10の底部と、熱交換手段20の底部との間に、原水が流れる通路を設けて、浄水器10を底部側からも冷却するようにしてもよい。
【0021】
コネクタ51に浄水器10が接続されていない状態では、コネクタ51に一体的に設けられた開閉弁(図示せず)が閉じられ、導入流路2からの原水の流出が防止される。コネクタ51に浄水器10が接続されると、上述の開閉弁が開となる。なお、浄水器10への通水量や使用時間を検知する手段を設けて、浄水器10の交換時期を知らせるようにしてもよい。
【0022】
また、本具体例に係る浄水生成装置は、浄水器10の温度を測定する温度測定手段25または、熱交換手段20の通路20a内の原水の温度を測定する温度測定手段26を備える。温度測定手段25、26は、例えばサーミスタや熱電対を用いた温度測定手段である。なお、これら温度測定手段25、26は、いずれも浄水器10の温度を測定するために用いられる。従って、温度測定手段25と温度測定手段26の両方を設ける必要は必ずしもなく、いずれか一方のみを設ければよい。
【0023】
温度測定手段25、26を設ける位置は、特に限定されないが、温度分布にむらがある場合に、高温部分をより速やかに検知してより速やかに冷却する観点から、より高温になりやすい上部の温度を測定できる位置に設けるのが望ましい。
【0024】
また、熱交換手段20内の原水と、浄水器10との接触部分の材質を熱伝導性のよいものにすれば、局所的に温度が高くなった部分の熱の拡散性を向上でき、その部分の冷却効率を高めることができる。
【0025】
さらに、本具体例に係る浄水生成装置は、図3に表されるように、使用者の操作信号や、温度測定手段25、26からの温度測定値を受けて、前述の開閉弁などを制御する制御装置30を備える。
【0026】
次に、図4は、本発明の実施形態に係る浄水生成装置の動作フローチャートである。
なお、以下の説明において、開閉弁36、22は、制御装置30からの信号により自動的に開閉制御される。開閉弁23は、使用者によって手動で開閉される。あるいは、開閉弁23は、使用者による操作部材の操作を受けて、制御装置30からの信号により開閉される。
【0027】
浄水器10が、コネクタ51、52に接続されていない場合には、ステップS1にて、”No”となり、ステップS2にて、コネクタ51に一体的に設けられた開閉弁が閉じられ、かつ開閉弁22を閉じる。浄水器10が、コネクタ51、52に接続されている場合には、ステップS3に進み、コネクタ51に一体的に設けられた開閉弁が開く。これにより、浄水器10に原水が給水される。
【0028】
次に、ステップS4における温度測定の結果(温度測定手段25、26のいずれか一方の測定値のみでよい)を受け、ステップS5にて、その温度測定値と、設計時にあらかじめ設定された所定値との比較が行われる。ここで、「所定値」は、活性炭の吸着性能が低下する、例えば30〜40℃であり、より好ましくは35℃である。
【0029】
温度測定値が所定値以上であり、活性炭の吸着性能の低下の可能性を示す場合には、ステップS6にて、開閉弁22を開く。これにより、原水は、分岐流路12を介して、熱交換手段20の通路20aに流入し、この流入した原水は、浄水器10と熱交換しながら、通路20a内を流れて排水流路18から排水される。すなわち、原水を利用した、浄水器10の水冷が開始される。
【0030】
そして、次のステップS7にて、使用者が浄水の吐水を要求しているかどうかを判定し、使用者が吐水を要求しない場合、すなわち開閉弁23が開かれない場合には吐水しない(ステップS9)。
【0031】
使用者が吐水を要求し、開閉弁23が開かれた場合には、活性炭の吸着性能が低下する温度以上にあった浄水器10の前述した水冷が開始され始めたばかりであるということを、音や光などで使用者に警告しながら、浄水器10を通過した水が吐水流路8を介して吐水される(ステップS8)。この警告を受け、使用者は浄水器10からの吐水の使用を止めたり、それほど清浄度を必要とされない用途に使用する、あるいはしばらく経ってから浄水器10からの吐水を使用するなどの対応をとれる。
【0032】
ステップS5にて、温度測定値が所定値より小さい場合には、ステップS10にて、温度測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過したかどうかの判定が、制御装置30にてなされる。温度測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過していない場合には、ステップS6に進み開閉弁22を開いて、前述したような浄水器10の水冷を行う。
【0033】
温度測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過した場合には、ステップS11にて、開閉弁22を閉じる。これにより、熱交換手段20の通路20aへの原水の流入が停止され、浄水器10の水冷が停止される。すなわち、温度測定値が所定値より小さくなっても、ただちに開閉弁22を閉じるのではなく、しばらく通路20aに通水が行われるようにし、浄水器10の内部に収容された活性炭が確実に所定温度(吸着性能が低下する温度)より低くなるようにする。もちろん、ステップS10を設定せず、ステップS5にて温度測定値が所定値より小さくなったら、ただちに開閉弁22を閉じるようにしてもよい。
【0034】
そして、ステップS12にて、使用者が浄水の吐水を要求しているかどうかを判定し、使用者が吐水を要求しない場合、すなわち開閉弁23が開かれない場合には吐水しない(ステップS14)。
【0035】
使用者が吐水を要求し、開閉弁23が開かれた場合には、警告などをせずに、浄水器10からの浄水がそのまま吐水される(ステップS13)。先のステップS5及びS10にて”Yes”となることで、活性炭が、吸着性能の低下を起こす温度より低いということになるので、使用者に警告をする必要はない。
【0036】
なお、ステップS6にて、開閉弁22を開き、かつ開閉弁36を閉じるようにすると、使用者の吐水要求があっても(開閉弁23が開かれても)、浄水器10からは吐水されない。すなわち、活性炭の吸着性能が低下した状態での吐水が禁止される。また、ステップS5において測定温度が所定温度以上の場合に、ステップS6において開閉弁23を「閉状態」にロックする、すなわち使用者から指示があっても開閉弁23が開かないようにすれば、開閉弁36を設けなくても、高温時の吐水を禁止することが可能となる。
なお、高温でも浄水器10に通水する場合は、開閉弁36はなくてもよい。
【0037】
また、温度測定値が所定値以上にならず、熱交換手段20の通路20aに通水をしていない状態でも、一定期間ごとに開閉弁22を開き、通路20aへの通水を行うようにしてもよい。このとき、開閉弁36は開いたままでもよいし、閉じていてもよい。
【0038】
以上述べたように、本実施形態によれば、浄水器10が、設置環境下の温度の影響を受け、活性炭の吸着性能が低下する所定温度以上になった場合でも、熱交換手段20を流れる原水との熱交換により冷却され、これにより、活性炭の温度を上記所定温度より低下させることができる。この結果、設置環境下の温度に左右されずに、いつでも清浄度の高い浄水を提供できる。
【0039】
また、熱交換手段20の通路20aに原水が供給されない状態では、その通路20aは、浄水器10と、外部とを断熱する断熱部材として機能し、高温環境下における浄水器10の温度上昇を抑えることができる。この断熱効果を高める観点からは、通路20aの外壁部を、例えば樹脂などの断熱性の高い材料から構成することが望ましい。通路20aの外壁部を断熱性の高い材料から構成することは、原水が通路20a内に供給された際に、原水の温度が外部の温度の影響で上昇することも抑制する。通路20a内に供給された原水と、浄水器10の外面10aとの接触部分は、それら両者間の熱交換効率を良くするために、熱伝導性の高い金属などを用いることが望ましい。
【0040】
表1及び図17は、クロロホルムの平衡濃度が30(ppb)のときの、活性炭への、クロロホルム吸着の温度依存性を表す。
この測定に用いた活性炭は、比表面積が1500(m2/g)のピッチ系繊維状活性炭である。
【0041】
【表1】
【0042】
これら結果から、温度が高くなるにつれ、活性炭へのクロロホルムの吸着量は低下していることがわかる。実用上、活性炭を、例えば30〜40℃より低い温度にすれば十分であり、すなわち一般的な水道水の水温と同等の温度まで冷却すれば、想定の使用温度内に入るため、前述したような原水(水道水)との熱交換による水冷で十分であり、ペルチェ効果を利用した電子冷却装置を用いる特許文献2や、冷凍機を用いる特許文献3に比べて、省電力かつ安価である。
【0043】
また、温度測定手段からの測定温度に基づいて、所定温度以上のときだけ通路20aに原水が流れるようにして浄水器10の水冷を行うので、水の使用量も節約できる。
【0044】
以下、本発明の他の具体例について説明する。なお、前出したものと同様の要素については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0045】
[第2具体例]
図5は、本発明の第2具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、「先止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者は浄水を使用する際には、開閉弁23を開く。ただし、本具体例においては、上記第1具体例における開閉弁36、22を設けず、代わりに、導入流路2と分岐流路12との分岐点に三方弁35を設けている。
【0046】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって導入流路2と浄水器10との間は連通され、導入流路2と分岐流路12との間は遮断される。
【0047】
測定温度が所定温度以上である場合には、導入流路2と分岐流路12との間は連通され、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、導入流路2と浄水器10との間を遮断して浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、導入流路2と浄水器10との間を連通させて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。
【0048】
三方弁35は、制御装置30の制御により切り替わるものでもよいし、浄水器10や通路20aの水の温度に応じて出口が自動的に切り替わる感温型のものでもよい。
【0049】
[第3具体例]
図6は、本発明の第3具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、「先止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者は浄水を使用する際には、開閉弁23を開く。ただし、本具体例においては、分岐流路12ではなく、排水流路18に開閉弁を設け、さらに、導入流路2において、分岐流路12の分岐点よりも下流側に開閉弁36を設けている。なお、高温でも浄水器10に通水する場合は、開閉弁36はなくてもよい。
【0050】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁36は開かれ、開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、開閉弁36を閉じて、浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、開閉弁36を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。また、測定温度が所定温度以上の場合に、開閉弁23を「閉状態」にロックする、すなわち使用者から指示があっても開閉弁23が開かないようにすれば、開閉弁36を設けなくても、高温時の吐水を禁止することが可能となる。
【0051】
[第4具体例]
図7は、本発明の第4具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例は、いわゆる「元止め式」の浄水生成装置である。すなわち、本具体例においては、上記第1具体例における開閉弁22〜23を設けず、代わりに、導入流路2と分岐流路12との分岐点に三方弁35を設け、さらに、導入流路2において、分岐流路12の分岐点よりも下流側に開閉弁36を設けている。使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁36を開にする。
【0052】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって三方弁35と浄水器10との間の流路と、導入流路2との間は連通され、導入流路2と分岐流路12との間は遮断される。測定温度が所定温度以上である場合には、導入流路2と分岐流路12との間は連通され、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、導入流路2と浄水器10との間を遮断して浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、導入流路2と浄水器10との間を連通させて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。
【0053】
[第5具体例]
図8は、本発明の第5具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、図7に表される第4具体例と同様、「元止め式」の浄水生成装置である。ただし、本具体例においては、分岐流路12に開閉弁22を設けている。使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁36を開にする。
【0054】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、開閉弁36を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよいし、あるいは、導入流路2において開閉弁36の上流側に別途開閉弁を設け、その開閉弁を閉じることで、浄水器10からの吐水が禁止されるようにしてもよい。
【0055】
[第6具体例]
図9は、本発明の第6具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、「元止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁36を開にする。そして、本具体例が、前述した図8に表される第5具体例と異なるのは、導入流路2と分岐流路12との分岐点と、開閉弁36との間に開閉弁21を設け、排水流路18に開閉弁22を設けている点である。
【0056】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁21は開かれ、開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、開閉弁21を閉じて、浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、開閉弁21を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。
【0057】
上記第4〜6具体例では、浄水器10の上流側に、浄水器10からの浄水の吐水/止水を切り替える開閉弁を設けることにより、浄水を使用しない状態においては、水道などからの一次圧が浄水器10に負荷されない。したがって、浄水器10の耐水圧が低くてもよく、構造を簡略化できる。
【0058】
[第7具体例]
図10は、本発明の第7具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例は、「先止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁23を開く。そして、本具体例では、熱交換手段として水槽60を用いている。浄水器10は、水槽60の中に収容されている。開閉弁22が開にされて、水槽60内に原水が給水されると、その原水に接する外面10aを通じて、浄水器10と、水槽60内原水との間で熱交換が行われる。
【0059】
水槽60の流体入口部14と流体出口部16は、それぞれ、コネクタ53、54を介して、流路12、18と接続されている。コネクタ51、52に対して浄水器10を着脱し、かつコネクタ53、54に対して水槽60を着脱することで、浄水器10は水槽60ごと設置箇所から取り外したり、装着される。なお、コネクタ51、53は、開閉弁の機能も有し、浄水器10、水槽60が装着されていない場合の導入流路2からの原水の流出が防止できる。
【0060】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁36は開かれ、開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、水槽60に水冷用の原水が給水される。このとき、開閉弁36を閉じて、浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、開閉弁36を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。なお、高温でも浄水器10に通水する場合は、開閉弁36はなくてもよい。また、測定温度が所定温度以上の場合に、開閉弁23を「閉状態」にロックする、すなわち使用者から指示があっても開閉弁23が開かないようにすれば、開閉弁36を設けなくても、高温時の吐水を禁止することが可能となる。
【0061】
[第8具体例]
図11は、本発明の第8具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例は、「元止め式」の浄水生成装置である。そして、本具体例が、前述した図10に表される第7具体例と異なるのは、吐水流路8に開閉弁23を設けず、導入流路2において、分岐流路12との分岐点よりも下流で開閉弁36よりも上流側に開閉弁21を設けている点である。使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁36を開にする。
【0062】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁21は開かれ、開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、水槽60に水冷用の原水が給水される。このとき、開閉弁21を閉じて、浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、開閉弁21を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。なお、高温でも浄水器10に通水する場合は、開閉弁21はなくてもよい。
【0063】
[第9具体例]
図12は、本発明の第9具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、「元止め式」の浄水生成装置である。そして、本具体例では、前述した図7に表される第4具体例の構成に加えて、加熱装置h、排出流路38、三方弁37をさらに備えている。
【0064】
加熱装置hは、例えば浄水器10の底部に設けられている。排出流路38は、浄水の吐水流路8から分岐して設けられ、吐水流路8と排出流路38との分岐点に、三方弁37が設けられている。
【0065】
図13は、本具体例に係る浄水生成装置において、浄水器10の加熱再生モードのフローチャートである。
【0066】
浄水器10から浄水の吐出が可能な浄水モード(熱交換手段20による冷却中も含む)(ステップS101)において、加熱再生条件を満たすかどうかが、制御装置30によりステップS102で判定される。加熱再生条件は、浄水器10の加熱再生が必要な条件であり、例えば、以下のような条件が挙げられる。
・所定時刻になった。
・前回の加熱再生時から所定時間が経過した。
・加熱再生モードを実行するために使用者によって操作されるスイッチ等の操作部材が操作された。
・上記スイッチ等のオンから所定時間が経過した。
・加熱再生条件のリセットから所定時間が経過した。
・浄水器の使用時間が所定時間に達した。
・浄水器への通水量が所定量に達した。
【0067】
加熱再生条件を満たさない場合は、浄水モードが続けられる。加熱再生条件を満たす場合は、ステップS103にて、浄水器10の使用開始、または前回の加熱再生時から、浄水器10への通水があったかどうかが判定される。この通水がない場合は、ステップS104にて加熱再生条件がリセットされ、浄水モードが続けられる。
【0068】
上述の通水があった場合は、ステップS105にて、浄水の吐水中かどうかが判定される。浄水が吐水中でない場合には、加熱再生モード(ステップS106)に移行する。浄水の吐水中である場合には、加熱再生モードに移行せず、浄水の吐水の停止を待ってから加熱再生モード(ステップS106)に移行する。
【0069】
加熱再生モードでは、制御装置30の制御により、加熱装置(ヒーター)hが通電され、浄水器10を加熱する。このとき、三方弁35は、導入流路2と浄水器10との間及び導入流路2と熱交換手段20との間を遮断し、浄水器10及び熱交換手段20への原水の給水は停止される。また、三方弁37は、浄水器10と浄水の吐水流路8との間を遮断し、浄水器10と排出流路38との間を連通させる。
【0070】
加熱装置hによって浄水器10が加熱されると、浄水器10内に残留していた水が蒸気になると共に、活性炭に吸着していた有害物質や異臭味物質が脱離して、蒸気と共に排出流路38から排出される。これにより、浄水器10の活性炭は清浄化され、使用寿命が延びる。また、三方弁37は、浄水器10と浄水の吐水流路8との間を遮断し、浄水器10と排出流路38との間を連通させているので、活性炭から脱離した有害物質等が濃縮された水や蒸気が、浄水の吐水流路8から使用者の元に吐水されるのを防ぐことができる。
【0071】
次に、浄水器10の温度を測定する温度測定手段25の温度測定値に基づいて、ステップS107にて、浄水器10が所定温度(例えば120〜150℃)にまで加熱されたかどうかを判定する。浄水器10がその所定温度に達している場合には、ステップS108にて加熱再生モードが終了され、さらにステップS110にて、加熱再生モード開始から所定時間経過していると判定された場合には、浄水モードに戻る。加熱再生モードの終了から所定時間経過していない場合には、まだ浄水器10は高温である可能性があり、その状態で浄水モードに移行してしまうと、活性炭による有害物質等の吸着作用が十分に得られない可能性があるので、加熱再生モードが終了した後、浄水器10が冷えるのを待ってから浄水モードに戻すようにする。なお、ステップS110はなくてもよく、加熱再生モード終了直後に自動的に熱交換手段20側に原水が流れるようにして、瞬時に浄水器10を水冷してもよい。また、ステップS110の間に熱交換手段20に通水して、浄水器10を急冷するようにしてもよい。
【0072】
加熱再生モード終了前のステップS107にて、浄水器10が所定温度に達していない場合には、ステップS109にて加熱再生モード開始から所定時間経過したかどうかが判定され、加熱再生モード開始から所定時間経過した場合には、加熱再生モードを終了する(ステップS108)。これは、浄水器10の過剰な加熱を防ぐためである。
【0073】
[第10具体例]
図14は、本発明の第10具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。本具体例も、「元止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者が浄水を使用する場合には、開閉弁36を開く。そして、本具体例では、上記第9具体例における排水・排気流路38に対応する排出流路42を、コネクタ52と、浄水器10の出口部6との間から分岐させて設けている。さらに、排出流路42に開閉弁41を設けている。
【0074】
加熱再生モード時には、制御装置30の制御により開閉弁23は閉じられ、開閉弁41は開けられて、加熱装置hからの加熱により活性炭から脱離した有害物質等が濃縮された水や蒸気は、排出流路42から排出される。なお、図示しないが、排出流路42にもコネクタが設けられ、排出流路42に対する浄水器10の着脱を可能にしている。
【0075】
また、前述の第9、10具体例においては、熱交換手段20への給水/止水を切り替える手段は、熱交換手段20の上流側に設けた、いわゆる「元止め式」の構造であり、排水流路18には開閉弁が設けられていないので、加熱再生モード時の加熱により膨張した通路20a内の原水や、蒸気を排水流路18から逃がすことができる。
【0076】
[第11具体例]
図15は、本発明の第11具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。本具体例は、「先止め式」の浄水生成装置である。そして、本具体例では、熱交換手段である水槽60において、入口部14付近の比較的低温の原水と、浄水器10と熱交換した、出口部16付近の比較的温度の高い原水とが混ざり合うのを規制する整流板46を設けている。これにより、すでに浄水器10と熱交換されて温度が上昇した原水によって、水槽60内に給水され浄水器10と熱交換する前の原水が温められてしまうのを防いで、交換効率を高めることができる。
【0077】
[第12具体例]
図16は、本発明の第12具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。本具体例では、浄水器10に、くぼみまたは中空部56を設けて、水槽60内の原水との接触面積を増大させると共に、浄水器10を内側からも冷却するようにしている。このようにすれば、浄水器10の冷却効率をさらに高くできる。
【0078】
なお、上述した各具体例は、技術的に可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、これらも本発明の範囲に包含される。
【0079】
また、温度測定手段の温度によって、熱交換手段側に流入する原水の量を調整しても良い。例えば、夏場などの徐々に温度が上昇していき所定温度を若干越えた場合に比べて、熱の発生する調理器を浄水器の近くで利用した場合は、急激に温度が上昇することが予想されるため、そういった場合は、熱交換手段に流入する原水の水量を増加することで有害物質の吐水を抑制できると共に、浄水が吐水されない状態を瞬時に解消することができる。
【0080】
また、上述したように熱の発生する調理器を浄水器の近くで利用した場合は、急激に温度が上昇してしまうことが想定される。したがって、温度測定手段で測定した温度の単位時間あたりの温度変化量を検知して、その温度変化量が所定値以上の場合には、熱交換手段側へ原水の流れを切り替えるか否かを判定している所定温度以下の場合であっても、未然にその所定温度になることを予想して熱交換手段側に原水が流れるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る浄水生成装置に具備される浄水器の構造を例示する模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る浄水生成装置に具備される制御装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る浄水生成装置の動作フローチャートである。
【図5】本発明の第2具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図6】本発明の第3具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図7】本発明の第4具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図8】本発明の第5具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図9】本発明の第6具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図10】本発明の第7具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図11】本発明の第8具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図12】本発明の第9具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図13】本発明の実施形態に係る浄水生成装置において加熱再生モードのフローチャートである。
【図14】本発明の第10具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図15】本発明の第11具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図16】本発明の第12具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図17】クロロホルムの平衡濃度が30ppbのときの活性炭へのクロロホルム吸着量の温度依存性を表すグラフである。
【符号の説明】
【0082】
2…導入流路、8…吐水流路、10…浄水器、12…分岐流路、18…排水流路、20…熱交換手段、20a…通路、21〜23…開閉弁、24…逆止弁、25〜26…温度測定手段、30…制御装置、32…活性炭、33…中空糸膜フィルタ、35…三方弁、36…開閉弁、37…三方弁、38…排出流路、41…開閉弁、42…排出流路、46…整流板、51〜54…コネクタ、56…空洞、60…熱交換手段、h…加熱装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水生成装置に関し、詳しくは、原水を利用して浄水器を水冷するようにした浄水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、浄水器は、活性炭などの吸着剤と、中空糸膜やセラミック膜などの濾過膜とを具備し、吸着剤によって水道水中の分子レベルの異臭味物質や有害物質を吸着除去し、濾過膜で鉄サビ、コロイド成分、細菌などを捕捉し、除去する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
活性炭などの吸着剤の吸着性能は温度の影響を受けやすく、単位吸着剤あたりの吸着量は、低温ほど多く、高温ほど少ない傾向がある。したがって、活性炭などの吸着剤を利用した浄水器では、低温での使用ほど浄水性能が高く、高温になるほど浄水性能が低下する傾向がある。よって、設計時に設定していた温度よりも高温になると、設計時の想定処理量よりも、吸着処理できる量が少なくなり、浄水性能を満たさなくなる。また、周囲温度が低温から高温に急激に変化すると、吸着されていた物質が吸着剤から脱離し、清浄度の低下した水が吐水されてしまう可能性もある。
【0004】
浄水器を、例えば、気温が高い日に使用したり、また、キッチンにおいて熱を発生する調理機器や給湯器の近傍、キッチン下の収納スペースなど熱のこもりやすい場所等で使用する場合、浄水器の温度が上がり、前述したような吸着性能の低下や、吸着していた物質の放出の可能性がある。
【0005】
なお、例えば、特許文献2には、ペルチェ効果を利用した電子冷却装置で浄水器を冷却することが開示され、また、特許文献3には、圧縮式冷凍器やガス冷凍機により浄水器を冷却することが開示されているが、それら冷却手段を用いることは、省電力化や低コスト化の妨げになる。
【特許文献1】特開平6−339676号公報
【特許文献2】特開平11−90417号公報
【特許文献3】特開平7−952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡単な構成で浄水器の温度上昇を抑制して吸着剤における吸着性能の低下を防ぐ浄水生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、原水が前記浄水器を流れる状態と、原水が前記熱交換手段を流れる状態と、を切り替え可能な切り替え手段と、前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、原水が前記浄水器を流れるように前記切り替え手段を切り替え、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、原水が前記熱交換手段を流れるように前記切り替え手段を切り替える制御を行う制御装置と、を備えたことを特徴とする浄水生成装置が提供される。
【0008】
また、本発明の他の一態様によれば、容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、前記分岐流路の途上であって、前記熱交換手段より上流側に設けられた開閉弁と、前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、前記開閉弁を閉じ、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、前記開閉弁を開くように制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする浄水生成装置が提供される。
【0009】
また、本発明のさらに他の一態様によれば、容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、前記熱交換手段より下流側に設けられた開閉弁と、前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、前記開閉弁を閉じ、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、前記開閉弁を開くように制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする浄水生成装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の浄水生成装置によれば、簡単な構成で浄水器の温度上昇を抑制して活性炭における吸着性能の低下を防ぐことができ、省電力かつ安価な浄水生成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
[第1具体例]
図1は、本発明の第1具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例に係る浄水生成装置は、主として、原水(水道水)を浄水に浄化する浄水器10と、浄水器10と熱交換する熱交換手段20と、を備える。
【0013】
図2は、浄水器10の構造を例示する模式図である。
浄水器10は、活性炭などの吸着剤(以下、活性炭を用いた場合を例に挙げて説明する)32と、中空糸膜フィルタ33と、を有する。これら活性炭32と中空糸膜フィルタ33は、容器31内に収容されている。活性炭32は、例えば、トリハロメタン、カルキ臭などを吸着、除去する。中空糸膜フィルタ33は、例えば、鉄サビ、雑菌などを捕捉する。本具体例では、前段(上流側)に活性炭32が、後段(下流側)に中空糸膜フィルタ33が配設されているが、それら両者の配置関係は逆であってもよく、また材料もこれら具体例には限定されない。なお、浄水器10に、例えばアルカリイオン水の生成機能やミネラル添加機構などを付加してもよい。
【0014】
浄水器10の入口部4は、コネクタ51を介して、浄水器10に原水を導入するための導入流路2に接続されている。導入流路2の途中には、開閉弁(電磁弁)36が設けられている。
【0015】
浄水器10の出口部6は、コネクタ52を介して、浄水器10で浄化した浄水を吐水するための吐水流路8に接続されている。吐水流路8の途中には、開閉弁23が設けられている。本具体例の浄水生成装置は、いわゆる「先止め式」の浄水生成装置であり、使用者は、浄水を使用する際には、開閉弁23を開く。ここで、開閉弁23は、手動式のバルブでもよく、電気信号により開閉する電磁弁でもよい。
【0016】
導入流路2の途上であって、開閉弁36よりも上流側の部分からは、分岐流路12が分岐している。その分岐流路12の途上には、熱交換手段20が設けられている。熱交換手段20は、具体的には、原水が流れる通路(空間)20aを有するウォータージャケットである。通路20aは、浄水器10の上面及び側面を囲んでいる。分岐流路12を流れてきた原水は、入口部14を介して、通路20a内に流入し、この流入した原水は、浄水器10の外面10aに直接接触して、浄水器10との間で熱交換が行われる。
あるいは、熱交換手段20を、浄水器10の外面10aに接する内壁部と、外部の空気に接する外壁部との間に通路(空間)を形成した二重構造としてもよく、この場合には、通路内の原水は、浄水器10の外面10aに接する内壁部を介して、浄水器10と熱交換する。
【0017】
熱交換手段20において、通路20aと、外部の空気とを隔てる外壁部は、断熱性の高い材料(例えば樹脂など)から構成することが望ましい。あるいは、断熱材を巻いたり、断熱構造にするのでもよい。また、二重構造とした場合において、浄水器10の外面10aに接する内壁部は、熱伝導性の高い材料(例えば銅、ステンレスなど)から構成することが望ましい。このようにすれば、空間20b内の原水と浄水器10との熱交換効率を高めることができる。
【0018】
分岐流路12において、熱交換手段20への入口部14よりも上流側には、開閉弁(電磁弁)22が設けられている。開閉弁22と、入口部14との間には、熱交換手段20側から導入流路2側への原水の逆流を防止する逆止弁24が設けられている。また、通路20aからの原水の流出口部16には、排水流路18が接続されている。
【0019】
浄水器10は、コネクタ51、52を介して着脱自在であり、交換時期に達した場合などに交換することができる。浄水器10は、例えば、熱交換手段20の底部に形成された開口(図示せず)を介して、熱交換手段20に対して取り外したり、装着できる。熱交換手段20の底部に形成した開口を介して浄水器10の着脱を行う構成に限らず、熱交換手段20の側面に形成した開口を介して着脱を行う構成としてもよい。
【0020】
上述の具体例では、底部側には通路20aを設けていないが原水と浄水器10とがより広い面積で接触してそれら両者の熱交換効率を高める観点からは、浄水器10の底部と、熱交換手段20の底部との間に、原水が流れる通路を設けて、浄水器10を底部側からも冷却するようにしてもよい。
【0021】
コネクタ51に浄水器10が接続されていない状態では、コネクタ51に一体的に設けられた開閉弁(図示せず)が閉じられ、導入流路2からの原水の流出が防止される。コネクタ51に浄水器10が接続されると、上述の開閉弁が開となる。なお、浄水器10への通水量や使用時間を検知する手段を設けて、浄水器10の交換時期を知らせるようにしてもよい。
【0022】
また、本具体例に係る浄水生成装置は、浄水器10の温度を測定する温度測定手段25または、熱交換手段20の通路20a内の原水の温度を測定する温度測定手段26を備える。温度測定手段25、26は、例えばサーミスタや熱電対を用いた温度測定手段である。なお、これら温度測定手段25、26は、いずれも浄水器10の温度を測定するために用いられる。従って、温度測定手段25と温度測定手段26の両方を設ける必要は必ずしもなく、いずれか一方のみを設ければよい。
【0023】
温度測定手段25、26を設ける位置は、特に限定されないが、温度分布にむらがある場合に、高温部分をより速やかに検知してより速やかに冷却する観点から、より高温になりやすい上部の温度を測定できる位置に設けるのが望ましい。
【0024】
また、熱交換手段20内の原水と、浄水器10との接触部分の材質を熱伝導性のよいものにすれば、局所的に温度が高くなった部分の熱の拡散性を向上でき、その部分の冷却効率を高めることができる。
【0025】
さらに、本具体例に係る浄水生成装置は、図3に表されるように、使用者の操作信号や、温度測定手段25、26からの温度測定値を受けて、前述の開閉弁などを制御する制御装置30を備える。
【0026】
次に、図4は、本発明の実施形態に係る浄水生成装置の動作フローチャートである。
なお、以下の説明において、開閉弁36、22は、制御装置30からの信号により自動的に開閉制御される。開閉弁23は、使用者によって手動で開閉される。あるいは、開閉弁23は、使用者による操作部材の操作を受けて、制御装置30からの信号により開閉される。
【0027】
浄水器10が、コネクタ51、52に接続されていない場合には、ステップS1にて、”No”となり、ステップS2にて、コネクタ51に一体的に設けられた開閉弁が閉じられ、かつ開閉弁22を閉じる。浄水器10が、コネクタ51、52に接続されている場合には、ステップS3に進み、コネクタ51に一体的に設けられた開閉弁が開く。これにより、浄水器10に原水が給水される。
【0028】
次に、ステップS4における温度測定の結果(温度測定手段25、26のいずれか一方の測定値のみでよい)を受け、ステップS5にて、その温度測定値と、設計時にあらかじめ設定された所定値との比較が行われる。ここで、「所定値」は、活性炭の吸着性能が低下する、例えば30〜40℃であり、より好ましくは35℃である。
【0029】
温度測定値が所定値以上であり、活性炭の吸着性能の低下の可能性を示す場合には、ステップS6にて、開閉弁22を開く。これにより、原水は、分岐流路12を介して、熱交換手段20の通路20aに流入し、この流入した原水は、浄水器10と熱交換しながら、通路20a内を流れて排水流路18から排水される。すなわち、原水を利用した、浄水器10の水冷が開始される。
【0030】
そして、次のステップS7にて、使用者が浄水の吐水を要求しているかどうかを判定し、使用者が吐水を要求しない場合、すなわち開閉弁23が開かれない場合には吐水しない(ステップS9)。
【0031】
使用者が吐水を要求し、開閉弁23が開かれた場合には、活性炭の吸着性能が低下する温度以上にあった浄水器10の前述した水冷が開始され始めたばかりであるということを、音や光などで使用者に警告しながら、浄水器10を通過した水が吐水流路8を介して吐水される(ステップS8)。この警告を受け、使用者は浄水器10からの吐水の使用を止めたり、それほど清浄度を必要とされない用途に使用する、あるいはしばらく経ってから浄水器10からの吐水を使用するなどの対応をとれる。
【0032】
ステップS5にて、温度測定値が所定値より小さい場合には、ステップS10にて、温度測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過したかどうかの判定が、制御装置30にてなされる。温度測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過していない場合には、ステップS6に進み開閉弁22を開いて、前述したような浄水器10の水冷を行う。
【0033】
温度測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過した場合には、ステップS11にて、開閉弁22を閉じる。これにより、熱交換手段20の通路20aへの原水の流入が停止され、浄水器10の水冷が停止される。すなわち、温度測定値が所定値より小さくなっても、ただちに開閉弁22を閉じるのではなく、しばらく通路20aに通水が行われるようにし、浄水器10の内部に収容された活性炭が確実に所定温度(吸着性能が低下する温度)より低くなるようにする。もちろん、ステップS10を設定せず、ステップS5にて温度測定値が所定値より小さくなったら、ただちに開閉弁22を閉じるようにしてもよい。
【0034】
そして、ステップS12にて、使用者が浄水の吐水を要求しているかどうかを判定し、使用者が吐水を要求しない場合、すなわち開閉弁23が開かれない場合には吐水しない(ステップS14)。
【0035】
使用者が吐水を要求し、開閉弁23が開かれた場合には、警告などをせずに、浄水器10からの浄水がそのまま吐水される(ステップS13)。先のステップS5及びS10にて”Yes”となることで、活性炭が、吸着性能の低下を起こす温度より低いということになるので、使用者に警告をする必要はない。
【0036】
なお、ステップS6にて、開閉弁22を開き、かつ開閉弁36を閉じるようにすると、使用者の吐水要求があっても(開閉弁23が開かれても)、浄水器10からは吐水されない。すなわち、活性炭の吸着性能が低下した状態での吐水が禁止される。また、ステップS5において測定温度が所定温度以上の場合に、ステップS6において開閉弁23を「閉状態」にロックする、すなわち使用者から指示があっても開閉弁23が開かないようにすれば、開閉弁36を設けなくても、高温時の吐水を禁止することが可能となる。
なお、高温でも浄水器10に通水する場合は、開閉弁36はなくてもよい。
【0037】
また、温度測定値が所定値以上にならず、熱交換手段20の通路20aに通水をしていない状態でも、一定期間ごとに開閉弁22を開き、通路20aへの通水を行うようにしてもよい。このとき、開閉弁36は開いたままでもよいし、閉じていてもよい。
【0038】
以上述べたように、本実施形態によれば、浄水器10が、設置環境下の温度の影響を受け、活性炭の吸着性能が低下する所定温度以上になった場合でも、熱交換手段20を流れる原水との熱交換により冷却され、これにより、活性炭の温度を上記所定温度より低下させることができる。この結果、設置環境下の温度に左右されずに、いつでも清浄度の高い浄水を提供できる。
【0039】
また、熱交換手段20の通路20aに原水が供給されない状態では、その通路20aは、浄水器10と、外部とを断熱する断熱部材として機能し、高温環境下における浄水器10の温度上昇を抑えることができる。この断熱効果を高める観点からは、通路20aの外壁部を、例えば樹脂などの断熱性の高い材料から構成することが望ましい。通路20aの外壁部を断熱性の高い材料から構成することは、原水が通路20a内に供給された際に、原水の温度が外部の温度の影響で上昇することも抑制する。通路20a内に供給された原水と、浄水器10の外面10aとの接触部分は、それら両者間の熱交換効率を良くするために、熱伝導性の高い金属などを用いることが望ましい。
【0040】
表1及び図17は、クロロホルムの平衡濃度が30(ppb)のときの、活性炭への、クロロホルム吸着の温度依存性を表す。
この測定に用いた活性炭は、比表面積が1500(m2/g)のピッチ系繊維状活性炭である。
【0041】
【表1】
【0042】
これら結果から、温度が高くなるにつれ、活性炭へのクロロホルムの吸着量は低下していることがわかる。実用上、活性炭を、例えば30〜40℃より低い温度にすれば十分であり、すなわち一般的な水道水の水温と同等の温度まで冷却すれば、想定の使用温度内に入るため、前述したような原水(水道水)との熱交換による水冷で十分であり、ペルチェ効果を利用した電子冷却装置を用いる特許文献2や、冷凍機を用いる特許文献3に比べて、省電力かつ安価である。
【0043】
また、温度測定手段からの測定温度に基づいて、所定温度以上のときだけ通路20aに原水が流れるようにして浄水器10の水冷を行うので、水の使用量も節約できる。
【0044】
以下、本発明の他の具体例について説明する。なお、前出したものと同様の要素については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0045】
[第2具体例]
図5は、本発明の第2具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、「先止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者は浄水を使用する際には、開閉弁23を開く。ただし、本具体例においては、上記第1具体例における開閉弁36、22を設けず、代わりに、導入流路2と分岐流路12との分岐点に三方弁35を設けている。
【0046】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって導入流路2と浄水器10との間は連通され、導入流路2と分岐流路12との間は遮断される。
【0047】
測定温度が所定温度以上である場合には、導入流路2と分岐流路12との間は連通され、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、導入流路2と浄水器10との間を遮断して浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、導入流路2と浄水器10との間を連通させて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。
【0048】
三方弁35は、制御装置30の制御により切り替わるものでもよいし、浄水器10や通路20aの水の温度に応じて出口が自動的に切り替わる感温型のものでもよい。
【0049】
[第3具体例]
図6は、本発明の第3具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、「先止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者は浄水を使用する際には、開閉弁23を開く。ただし、本具体例においては、分岐流路12ではなく、排水流路18に開閉弁を設け、さらに、導入流路2において、分岐流路12の分岐点よりも下流側に開閉弁36を設けている。なお、高温でも浄水器10に通水する場合は、開閉弁36はなくてもよい。
【0050】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁36は開かれ、開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、開閉弁36を閉じて、浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、開閉弁36を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。また、測定温度が所定温度以上の場合に、開閉弁23を「閉状態」にロックする、すなわち使用者から指示があっても開閉弁23が開かないようにすれば、開閉弁36を設けなくても、高温時の吐水を禁止することが可能となる。
【0051】
[第4具体例]
図7は、本発明の第4具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例は、いわゆる「元止め式」の浄水生成装置である。すなわち、本具体例においては、上記第1具体例における開閉弁22〜23を設けず、代わりに、導入流路2と分岐流路12との分岐点に三方弁35を設け、さらに、導入流路2において、分岐流路12の分岐点よりも下流側に開閉弁36を設けている。使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁36を開にする。
【0052】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって三方弁35と浄水器10との間の流路と、導入流路2との間は連通され、導入流路2と分岐流路12との間は遮断される。測定温度が所定温度以上である場合には、導入流路2と分岐流路12との間は連通され、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、導入流路2と浄水器10との間を遮断して浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、導入流路2と浄水器10との間を連通させて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。
【0053】
[第5具体例]
図8は、本発明の第5具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、図7に表される第4具体例と同様、「元止め式」の浄水生成装置である。ただし、本具体例においては、分岐流路12に開閉弁22を設けている。使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁36を開にする。
【0054】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、開閉弁36を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよいし、あるいは、導入流路2において開閉弁36の上流側に別途開閉弁を設け、その開閉弁を閉じることで、浄水器10からの吐水が禁止されるようにしてもよい。
【0055】
[第6具体例]
図9は、本発明の第6具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、「元止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁36を開にする。そして、本具体例が、前述した図8に表される第5具体例と異なるのは、導入流路2と分岐流路12との分岐点と、開閉弁36との間に開閉弁21を設け、排水流路18に開閉弁22を設けている点である。
【0056】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁21は開かれ、開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、熱交換手段20の通路20aを水冷用の原水が流れる。このとき、開閉弁21を閉じて、浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、開閉弁21を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。
【0057】
上記第4〜6具体例では、浄水器10の上流側に、浄水器10からの浄水の吐水/止水を切り替える開閉弁を設けることにより、浄水を使用しない状態においては、水道などからの一次圧が浄水器10に負荷されない。したがって、浄水器10の耐水圧が低くてもよく、構造を簡略化できる。
【0058】
[第7具体例]
図10は、本発明の第7具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例は、「先止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁23を開く。そして、本具体例では、熱交換手段として水槽60を用いている。浄水器10は、水槽60の中に収容されている。開閉弁22が開にされて、水槽60内に原水が給水されると、その原水に接する外面10aを通じて、浄水器10と、水槽60内原水との間で熱交換が行われる。
【0059】
水槽60の流体入口部14と流体出口部16は、それぞれ、コネクタ53、54を介して、流路12、18と接続されている。コネクタ51、52に対して浄水器10を着脱し、かつコネクタ53、54に対して水槽60を着脱することで、浄水器10は水槽60ごと設置箇所から取り外したり、装着される。なお、コネクタ51、53は、開閉弁の機能も有し、浄水器10、水槽60が装着されていない場合の導入流路2からの原水の流出が防止できる。
【0060】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁36は開かれ、開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、水槽60に水冷用の原水が給水される。このとき、開閉弁36を閉じて、浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、開閉弁36を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。なお、高温でも浄水器10に通水する場合は、開閉弁36はなくてもよい。また、測定温度が所定温度以上の場合に、開閉弁23を「閉状態」にロックする、すなわち使用者から指示があっても開閉弁23が開かないようにすれば、開閉弁36を設けなくても、高温時の吐水を禁止することが可能となる。
【0061】
[第8具体例]
図11は、本発明の第8具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例は、「元止め式」の浄水生成装置である。そして、本具体例が、前述した図10に表される第7具体例と異なるのは、吐水流路8に開閉弁23を設けず、導入流路2において、分岐流路12との分岐点よりも下流で開閉弁36よりも上流側に開閉弁21を設けている点である。使用者が浄水を使用したい場合は、開閉弁36を開にする。
【0062】
前述した測定温度が所定温度より小さい場合には、制御装置30の制御によって開閉弁21は開かれ、開閉弁22は閉じられる。測定温度が所定温度以上である場合には、開閉弁22が開かれ、水槽60に水冷用の原水が給水される。このとき、開閉弁21を閉じて、浄水器10からの吐水が禁止される状態にしてもよいし、開閉弁21を開いて、浄水器10を水冷しながらの吐水が可能な状態にしてもよい。なお、高温でも浄水器10に通水する場合は、開閉弁21はなくてもよい。
【0063】
[第9具体例]
図12は、本発明の第9具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
本具体例も、「元止め式」の浄水生成装置である。そして、本具体例では、前述した図7に表される第4具体例の構成に加えて、加熱装置h、排出流路38、三方弁37をさらに備えている。
【0064】
加熱装置hは、例えば浄水器10の底部に設けられている。排出流路38は、浄水の吐水流路8から分岐して設けられ、吐水流路8と排出流路38との分岐点に、三方弁37が設けられている。
【0065】
図13は、本具体例に係る浄水生成装置において、浄水器10の加熱再生モードのフローチャートである。
【0066】
浄水器10から浄水の吐出が可能な浄水モード(熱交換手段20による冷却中も含む)(ステップS101)において、加熱再生条件を満たすかどうかが、制御装置30によりステップS102で判定される。加熱再生条件は、浄水器10の加熱再生が必要な条件であり、例えば、以下のような条件が挙げられる。
・所定時刻になった。
・前回の加熱再生時から所定時間が経過した。
・加熱再生モードを実行するために使用者によって操作されるスイッチ等の操作部材が操作された。
・上記スイッチ等のオンから所定時間が経過した。
・加熱再生条件のリセットから所定時間が経過した。
・浄水器の使用時間が所定時間に達した。
・浄水器への通水量が所定量に達した。
【0067】
加熱再生条件を満たさない場合は、浄水モードが続けられる。加熱再生条件を満たす場合は、ステップS103にて、浄水器10の使用開始、または前回の加熱再生時から、浄水器10への通水があったかどうかが判定される。この通水がない場合は、ステップS104にて加熱再生条件がリセットされ、浄水モードが続けられる。
【0068】
上述の通水があった場合は、ステップS105にて、浄水の吐水中かどうかが判定される。浄水が吐水中でない場合には、加熱再生モード(ステップS106)に移行する。浄水の吐水中である場合には、加熱再生モードに移行せず、浄水の吐水の停止を待ってから加熱再生モード(ステップS106)に移行する。
【0069】
加熱再生モードでは、制御装置30の制御により、加熱装置(ヒーター)hが通電され、浄水器10を加熱する。このとき、三方弁35は、導入流路2と浄水器10との間及び導入流路2と熱交換手段20との間を遮断し、浄水器10及び熱交換手段20への原水の給水は停止される。また、三方弁37は、浄水器10と浄水の吐水流路8との間を遮断し、浄水器10と排出流路38との間を連通させる。
【0070】
加熱装置hによって浄水器10が加熱されると、浄水器10内に残留していた水が蒸気になると共に、活性炭に吸着していた有害物質や異臭味物質が脱離して、蒸気と共に排出流路38から排出される。これにより、浄水器10の活性炭は清浄化され、使用寿命が延びる。また、三方弁37は、浄水器10と浄水の吐水流路8との間を遮断し、浄水器10と排出流路38との間を連通させているので、活性炭から脱離した有害物質等が濃縮された水や蒸気が、浄水の吐水流路8から使用者の元に吐水されるのを防ぐことができる。
【0071】
次に、浄水器10の温度を測定する温度測定手段25の温度測定値に基づいて、ステップS107にて、浄水器10が所定温度(例えば120〜150℃)にまで加熱されたかどうかを判定する。浄水器10がその所定温度に達している場合には、ステップS108にて加熱再生モードが終了され、さらにステップS110にて、加熱再生モード開始から所定時間経過していると判定された場合には、浄水モードに戻る。加熱再生モードの終了から所定時間経過していない場合には、まだ浄水器10は高温である可能性があり、その状態で浄水モードに移行してしまうと、活性炭による有害物質等の吸着作用が十分に得られない可能性があるので、加熱再生モードが終了した後、浄水器10が冷えるのを待ってから浄水モードに戻すようにする。なお、ステップS110はなくてもよく、加熱再生モード終了直後に自動的に熱交換手段20側に原水が流れるようにして、瞬時に浄水器10を水冷してもよい。また、ステップS110の間に熱交換手段20に通水して、浄水器10を急冷するようにしてもよい。
【0072】
加熱再生モード終了前のステップS107にて、浄水器10が所定温度に達していない場合には、ステップS109にて加熱再生モード開始から所定時間経過したかどうかが判定され、加熱再生モード開始から所定時間経過した場合には、加熱再生モードを終了する(ステップS108)。これは、浄水器10の過剰な加熱を防ぐためである。
【0073】
[第10具体例]
図14は、本発明の第10具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。本具体例も、「元止め式」の浄水生成装置である。すなわち、使用者が浄水を使用する場合には、開閉弁36を開く。そして、本具体例では、上記第9具体例における排水・排気流路38に対応する排出流路42を、コネクタ52と、浄水器10の出口部6との間から分岐させて設けている。さらに、排出流路42に開閉弁41を設けている。
【0074】
加熱再生モード時には、制御装置30の制御により開閉弁23は閉じられ、開閉弁41は開けられて、加熱装置hからの加熱により活性炭から脱離した有害物質等が濃縮された水や蒸気は、排出流路42から排出される。なお、図示しないが、排出流路42にもコネクタが設けられ、排出流路42に対する浄水器10の着脱を可能にしている。
【0075】
また、前述の第9、10具体例においては、熱交換手段20への給水/止水を切り替える手段は、熱交換手段20の上流側に設けた、いわゆる「元止め式」の構造であり、排水流路18には開閉弁が設けられていないので、加熱再生モード時の加熱により膨張した通路20a内の原水や、蒸気を排水流路18から逃がすことができる。
【0076】
[第11具体例]
図15は、本発明の第11具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。本具体例は、「先止め式」の浄水生成装置である。そして、本具体例では、熱交換手段である水槽60において、入口部14付近の比較的低温の原水と、浄水器10と熱交換した、出口部16付近の比較的温度の高い原水とが混ざり合うのを規制する整流板46を設けている。これにより、すでに浄水器10と熱交換されて温度が上昇した原水によって、水槽60内に給水され浄水器10と熱交換する前の原水が温められてしまうのを防いで、交換効率を高めることができる。
【0077】
[第12具体例]
図16は、本発明の第12具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。本具体例では、浄水器10に、くぼみまたは中空部56を設けて、水槽60内の原水との接触面積を増大させると共に、浄水器10を内側からも冷却するようにしている。このようにすれば、浄水器10の冷却効率をさらに高くできる。
【0078】
なお、上述した各具体例は、技術的に可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、これらも本発明の範囲に包含される。
【0079】
また、温度測定手段の温度によって、熱交換手段側に流入する原水の量を調整しても良い。例えば、夏場などの徐々に温度が上昇していき所定温度を若干越えた場合に比べて、熱の発生する調理器を浄水器の近くで利用した場合は、急激に温度が上昇することが予想されるため、そういった場合は、熱交換手段に流入する原水の水量を増加することで有害物質の吐水を抑制できると共に、浄水が吐水されない状態を瞬時に解消することができる。
【0080】
また、上述したように熱の発生する調理器を浄水器の近くで利用した場合は、急激に温度が上昇してしまうことが想定される。したがって、温度測定手段で測定した温度の単位時間あたりの温度変化量を検知して、その温度変化量が所定値以上の場合には、熱交換手段側へ原水の流れを切り替えるか否かを判定している所定温度以下の場合であっても、未然にその所定温度になることを予想して熱交換手段側に原水が流れるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る浄水生成装置に具備される浄水器の構造を例示する模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る浄水生成装置に具備される制御装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る浄水生成装置の動作フローチャートである。
【図5】本発明の第2具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図6】本発明の第3具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図7】本発明の第4具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図8】本発明の第5具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図9】本発明の第6具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図10】本発明の第7具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図11】本発明の第8具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図12】本発明の第9具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図13】本発明の実施形態に係る浄水生成装置において加熱再生モードのフローチャートである。
【図14】本発明の第10具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図15】本発明の第11具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図16】本発明の第12具体例に係る浄水生成装置の構成を例示する模式図である。
【図17】クロロホルムの平衡濃度が30ppbのときの活性炭へのクロロホルム吸着量の温度依存性を表すグラフである。
【符号の説明】
【0082】
2…導入流路、8…吐水流路、10…浄水器、12…分岐流路、18…排水流路、20…熱交換手段、20a…通路、21〜23…開閉弁、24…逆止弁、25〜26…温度測定手段、30…制御装置、32…活性炭、33…中空糸膜フィルタ、35…三方弁、36…開閉弁、37…三方弁、38…排出流路、41…開閉弁、42…排出流路、46…整流板、51〜54…コネクタ、56…空洞、60…熱交換手段、h…加熱装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、
前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、
前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、
前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、
前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、
原水が前記浄水器を流れる状態と、原水が前記熱交換手段を流れる状態と、を切り替え可能な切り替え手段と、
前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、原水が前記浄水器を流れるように前記切り替え手段を切り替え、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、原水が前記熱交換手段を流れるように前記切り替え手段を切り替える制御を行う制御装置と、
を備えたことを特徴とする浄水生成装置。
【請求項2】
前記浄水器を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置による加熱により前記浄水器において生ずる排水及び蒸気の少なくともいずれかを排出する排出流路と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記加熱装置により前記浄水器が加熱されている間は、前記温度測定手段の測定値が所定値以上になっても、原水が前記熱交換手段を流れるように前記切り替え手段を切り替えないことを特徴とする請求項1記載の浄水生成装置。
【請求項3】
容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、
前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、
前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、
前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、
前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、
前記分岐流路の途上であって前記熱交換手段より上流側に設けられた第1の開閉弁と、
前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、前記第1の開閉弁を閉じ、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、前記第1の開閉弁を開くように制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする浄水生成装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過後に、前記第1の開閉弁を閉じることを特徴とする請求項3記載の浄水生成装置。
【請求項5】
前記浄水器を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置による加熱により前記浄水器において生ずる排水及び蒸気の少なくともいずれかを排出する排出流路と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記加熱装置により前記浄水器が加熱されている間は、前記温度測定手段の測定値が所定値以上になっても、前記第1の開閉弁を開にしないことを特徴とする請求項3または4に記載の浄水生成装置。
【請求項6】
容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、
前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、
前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、
前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、
前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、
前記熱交換手段より下流側に設けられた第2の開閉弁と、
前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、前記第2の開閉弁を閉じ、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、前記第2の開閉弁を開くように制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする浄水生成装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過後に、前記第2の開閉弁を閉じることを特徴とする請求項6記載の浄水生成装置。
【請求項8】
前記浄水器を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置による加熱により前記浄水器において生ずる排水及び蒸気の少なくともいずれかを排出する排出流路と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記加熱装置により前記浄水器が加熱されている間は、前記温度測定手段の測定値が所定値以上になっても、前記第2の開閉弁を開にしないことを特徴とする請求項6または7に記載の浄水生成装置。
【請求項9】
前記熱交換手段は、前記浄水器の少なくとも一部に接触し、前記分岐流路を流れてきた原水が流入する空間を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の浄水生成装置。
【請求項10】
前記空間は、前記空間と外部の空気とを隔てる外壁部と、前記浄水器に接する内壁部との間に設けられ、前記外壁部は断熱性材料からなり、前記内壁部は熱伝導性材料からなることを特徴とする請求項9記載の浄水生成装置。
【請求項1】
容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、
前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、
前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、
前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、
前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、
原水が前記浄水器を流れる状態と、原水が前記熱交換手段を流れる状態と、を切り替え可能な切り替え手段と、
前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、原水が前記浄水器を流れるように前記切り替え手段を切り替え、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、原水が前記熱交換手段を流れるように前記切り替え手段を切り替える制御を行う制御装置と、
を備えたことを特徴とする浄水生成装置。
【請求項2】
前記浄水器を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置による加熱により前記浄水器において生ずる排水及び蒸気の少なくともいずれかを排出する排出流路と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記加熱装置により前記浄水器が加熱されている間は、前記温度測定手段の測定値が所定値以上になっても、原水が前記熱交換手段を流れるように前記切り替え手段を切り替えないことを特徴とする請求項1記載の浄水生成装置。
【請求項3】
容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、
前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、
前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、
前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、
前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、
前記分岐流路の途上であって前記熱交換手段より上流側に設けられた第1の開閉弁と、
前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、前記第1の開閉弁を閉じ、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、前記第1の開閉弁を開くように制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする浄水生成装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過後に、前記第1の開閉弁を閉じることを特徴とする請求項3記載の浄水生成装置。
【請求項5】
前記浄水器を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置による加熱により前記浄水器において生ずる排水及び蒸気の少なくともいずれかを排出する排出流路と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記加熱装置により前記浄水器が加熱されている間は、前記温度測定手段の測定値が所定値以上になっても、前記第1の開閉弁を開にしないことを特徴とする請求項3または4に記載の浄水生成装置。
【請求項6】
容器内に吸着剤を収容し、原水を浄水に浄化する浄水器と、
前記浄水器へ原水を導入する導入流路と、
前記浄水器で浄化した浄水を吐水する吐水手段と、
前記導入流路の途上で分岐される分岐流路と、
前記分岐流路内を流れる原水が前記浄水器との間で熱交換するように前記分岐流路の途上に設けられた熱交換手段と、
前記熱交換手段より下流側に設けられた第2の開閉弁と、
前記浄水器と前記熱交換手段のうち少なくとも一方の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度測定手段の測定値が所定値より小さい場合には、前記第2の開閉弁を閉じ、前記温度測定手段の測定値が所定値以上の場合には、前記第2の開閉弁を開くように制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする浄水生成装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記温度測定手段の測定値が所定値より小さくなってから所定時間経過後に、前記第2の開閉弁を閉じることを特徴とする請求項6記載の浄水生成装置。
【請求項8】
前記浄水器を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置による加熱により前記浄水器において生ずる排水及び蒸気の少なくともいずれかを排出する排出流路と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記加熱装置により前記浄水器が加熱されている間は、前記温度測定手段の測定値が所定値以上になっても、前記第2の開閉弁を開にしないことを特徴とする請求項6または7に記載の浄水生成装置。
【請求項9】
前記熱交換手段は、前記浄水器の少なくとも一部に接触し、前記分岐流路を流れてきた原水が流入する空間を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の浄水生成装置。
【請求項10】
前記空間は、前記空間と外部の空気とを隔てる外壁部と、前記浄水器に接する内壁部との間に設けられ、前記外壁部は断熱性材料からなり、前記内壁部は熱伝導性材料からなることを特徴とする請求項9記載の浄水生成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−222840(P2007−222840A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49768(P2006−49768)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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