説明

浮体構造物の係留索利用発電装置

【課題】浮体構造物に作用する力を利用して発電できるようにする。
【解決手段】油圧シリンダ7のキャップ側圧力室8とヘッド側圧力室9とを流路10により接続して、該流路10の途中位置に水車発電機12を設けたタービン室11を設置すると共に、油圧シリンダ7のキャップ側壁部5aとピストン6との間に弾性構造体13を設け、且つ該油圧シリンダ7を、浮体構造物4と係留索1との間、係留索1と係留構造物2,3との間に設ける。浮体構造物4が動揺などすると、ピストン6がヘッド側に移動させられることにより圧油がヘッド側圧力室9からキャップ側圧力室8に移動させられ、その後、弾性構造体13の復元力によりピストン6がヘッド側からキャップ側に移動させられて、圧油がキャップ側圧力室8からヘッド側圧力室9に移動させられる。この際、タービン室11を圧油が通過して水車発電機12のタービン19を回転させるので、発電することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶や海洋構造物等の浮体構造物を係留する係留索に取り付けて該取り付けた部分の伸縮の動きを利用して発電するようにする浮体構造物の係留索利用発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
船舶や海洋構造物等の浮体構造物を係留する場合には、アンカーと係留索を用いるようにしたものが知られている。
【0003】
図4はその一例を示すもので、海洋構造物20を係留する複数の係留索21の各先端(下端)をアンカー22により海底23に沈めるようにして浮体構造物20を海底23に係留するようにし、係留索21を一定の力で引張ることにより浮体構造物20の動揺を低減すると共に、潮流による浮体構造物20の漂流を防止するようにしたものである(たとえば特許文献1)。
【0004】
図5は他の例を示すもので、浮体構造物20の両面側に設けたブラケット24に係留索21の一端を連結すると共に、該係留索21の他端をアンカーブロック25に連結して、浮体構造物20の両側面を係留索21を介してアンカーブロック25に係留させるようにしたものである。26と27は係留索21に取り付けた中間ウェイトとシンカーである(たとえば特許文献2)。
【0005】
又、図6は別の例を示すもので、船舶28が、船舶長手方向が岸壁29の岸壁長手方向に略平行となるように係留される場合に、船舶長手方向に振動するように動揺することを低減するようにするために、係留される船舶28の船首部30に船首ウィンチ32を設け、船尾部31に船尾ウィンチ33を設ける。一方、陸上には岸壁29の船首部30に対応する個所に、陸上船首側ウィンチ34を設け、岸壁29の船尾部31に対応する個所には、陸上船尾側ウィンチ35を設け、上記船首ウィンチ32と陸上船首側ウィンチ34には、船首係留索36を、又、船尾ウィンチ33と陸上船尾側ウィンチ35には、船尾係留索37をそれぞれ装着させて、岸壁29に沿い船舶28を係留させるようにしたものである(たとえば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−289686号公報
【特許文献2】特開昭61−49008号公報
【特許文献3】特開2005−96585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記特許文献1乃至3に記載されたものは、浮体構造物20や船舶28を係留索21,36,37で係留するようにしたものであるが、いずれのものも係留索21,36,37を、浮体構造物20や船舶28を動揺低減以外に有効活用することは今まで考えられていなかった。
【0008】
そこで、本発明は、浮体構造物を係留索で係留しているときに該浮体構造物を動揺させたり移動させたりするエネルギーを有効活用して発電することができる浮体構造物の係留索利用発電装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、係留索を介して係留される浮体構造物の動きにより係留索を介して伸縮されるよう片側にピストンロッドを有するピストンを摺動自在に収納する流体圧シリンダ(たとえば油圧シリンダ)を有し、該流体圧シリンダのキャップ側圧力室とヘッド側圧力室とを接続する流路を流れる圧力流体により発電する発電機を設け、且つ上記流体圧シリンダのピストンをキャップ側に移動させるように付勢する弾性構造体を設けた構成とする。
【0010】
又、請求項2に対応して、上記構成において、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか一方を浮体構造物に連結すると共に、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか他方を係留索に連結するようにして、浮体構造物の動きで係留索を介して流体圧シリンダが伸長するようにした構成とする。
【0011】
更に、請求項3に対応して、上記請求項1において、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか一方を係留構造物に連結すると共に、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか他方を係留索に連結するようにして、浮体構造物の動きで係留索を介して流体圧シリンダが伸長するようにした構成とする。
【0012】
更に又、請求項4に対応して、上記構成における流路の途中位置にタービン室を設けて、該タービン室内に発電機のタービンを設置するようにした構成とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の発電装置によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)係留索を介して係留される浮体構造物の動きにより係留索を介して伸縮されるよう片側にピストンロッドを有するピストンを摺動自在に収納する流体圧シリンダを有し、該流体圧シリンダのキャップ側圧力室とヘッド側圧力室とを接続する流路を流れる圧力流体により発電する発電機を設け、且つ上記流体圧シリンダのピストンをキャップ側に移動させるように付勢する弾性構造体を設けた構成としてあるので、上記浮体構造物の波浪による動揺や潮流などによる移動により係留索を介して上記ピストンをヘッド側に移動させることができると共に、上記弾性構造体の復元力によりピストンをヘッド側からキャップ側にピストンを移動させることができる。これにより、流体圧シリンダのキャップ側圧力室とヘッド側圧力室とを接続する流路を通して圧力流体を往来させることができて、上記発電機により発電をすることができる。又、浮体構造物を動揺させたり移動させたりするエネルギーを電力に変換するようにしてあるので、該浮体構造物の動揺や移動を低減することができる。更に、係留索に作用する引張力を流体圧シリンダにより緩衝することができる。
(2)又、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか一方を浮体構造物に連結すると共に、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか他方を係留索に連結するようにして、浮体構造物の動きで係留索を介して流体圧シリンダが伸長するようにした構成としてあるので、該流体圧シリンダにより浮体構造物と係留索との間に作用する引張力を緩衝することができ、この部分での破断を防ぐことができ、又、上記(1)と同様に、発電機による発電と、浮体構造物の動揺及び移動の低減とを図ることができる。
(3)更に、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか一方を係留構造物に連結すると共に、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか他方を係留索に連結するようにして、浮体構造物の動きで係留索を介して流体圧シリンダが伸長するようにした構成としてあるので、該流体圧シリンダにより係留構造物と係留索との間に作用する引張力を緩衝することができ、この部分での破断を防ぐことができ、又、上記(1)と同様に、発電機による発電と、浮体構造物の動揺及び移動の低減とを図ることができる。
(4)更に又、流路の途中位置にタービン室を設けて、該タービン室内に発電機のタービンを設置するようにした構成としてあるので、タービン室に導かれた圧力流体を発電機のタービンに衝突させることによりタービンを回転させることができ、該発電機により発電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の発電装置の実施の一形態を示す概略図である。
【図2】図1のX部の拡大切断図である。
【図3】図2におけるタービン室及び発電部を矢印A方向から見た切断側面図である。
【図4】浮体構造物の係留方法の一例を示す概略図である。
【図5】浮体構造物の係留方法の他の例を示す概略図である。
【図6】浮体構造物の係留方法の更に他の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1乃至図3は本発明の実施の一形態を示すもので、係留索1を介して沈錘2、係留アンカー3の如き係留構造物に係留するようにしてある浮体構造物4と上記係留索1との間、該係留索1と上記沈錘2との間、及び、上記係留索1と上記係留アンカー3との間に、上記浮体構造物4の波浪による動揺、潮流による移動などにより係留索1を介して伸縮する片側ロッド付きピストン6収納の油圧シリンダ7をそれぞれ設け、且つ該油圧シリンダ7のキャップ側圧力室8とヘッド側圧力室9とを接続する密封された流路10を設けると共に、該流路10の途中位置にタービン室11を設けて、該タービン室11を利用してタービン室11を流れる圧油により発電するペルトン水車発電機、クロスフロー水車発電機の如き衝動水車発電機12を設け、更に、上記油圧シリンダ7のキャップ側圧力室8におけるキャップ側壁部5aと上記ピストン6との間に、常時ピストン6をキャップ側に引き付けるように付勢するスプリングの如き弾性構造体13を設けるようにし、又、油圧シリンダ7のヘッド側圧力室9に面するピストン6の片面にピストンロッド14を取り付けた構成としてある。
【0017】
詳述すると、上記油圧シリンダ7は、図2に示す如く、円筒状の側壁部5cの端部に設けたキャップ側壁部5aの外側に連結部材15を取り付け、他端に設けたヘッド側壁部5bからピストン6に取り付けたピストンロッドの一端側を突出させるようにして、その先端部(一端部)に連結部材16を取り付け、上記油圧シリンダ7を、上記連結部材15と16を利用して前記した浮体構造物4と係留索1との間、係留索1と沈錘2との間、係留索1と係留アンカー3との間等に介装させて組み付けることができるようにする。
【0018】
更に、上記油圧シリンダ7の一側部には、上記ピストン6により仕切られているキャップ側圧力室8とヘッド側圧力室9とを連通接続させる密封回路としての流路10を設けて、上記ピストンロッド14が引張られてピストン6が弾性構造体13に抗してヘッド側に移動させられることにより、該ヘッド側圧力室9内の圧油が流路10を通ってキャップ側圧力室8内に送られるようにすると共に、ピストンロッド14の引張りが解除されてピストン6が弾性構造体13の弾力によりキャップ側へ移動させられることにより、該キャップ側圧力室8内の圧油が流路10を通ってヘッド側圧力室9側へ送られ、ピストン6が往復移動させられることにより、油圧シリンダ7内の油が流路10内を往来させられるようにする。
【0019】
又、上記流路10の中間位置となる油圧シリンダ7の側方位置には、図2に示す如く、断面形状を略卵形に形成したタービン室11を設け、該タービン室11内に上記流路10から導かれた圧油が滑らかに流れ込むようにしてある。上記流路10のうち、タービン室11と上記キャップ側圧力室8とを接続する流路は、キャップ側圧力室8側の出入口に接続する流路10aの径(断面積)よりも該流路10aの端部に接続して上記タービン室11の上部に接続する流路10bの径(断面積)を小さくするようにしてある。同様に、上記タービン室11と上記ヘッド側圧力室9とを接続する流路は、ヘッド側圧力室9側の出入口に接続する流路10cの径(断面積)よりも該流路10cの端部に接続して上記圧力室の下部に接続する流路10dの径(断面積)を小さくするようにしてある。
【0020】
上記衝動水車発電機12は、図2及び図3に示す如く、発電部17の軸18にペルトン水車、クロスフロー水車の如きタービン19を設けるようにしてあり、該タービン19は、図示してない支持部材により上記タービン室11に支持させるようにしてある。又、衝動水車発電機12の軸18は、図3に示す如く、上記タービン室11の側壁に回動自在に連通支持させてあると共に、上記タービン19は、タービン翼19aの側面側を上記タービン室11に接続する流路10b,10dに向けた状態でタービン室11内に設置するようにしてあり、上記流路10b,10dから導かれた圧油を、各タービン翼19aの側面に衝突させて、タービン19が取り付けられた発電部17の軸18を回転させることにより、該発電部17で発電するようにしてある。なお、上記タービン室11内には、図示してないが、上記流路10から導かれる圧油をガイドするノズル、ガイドベーンの如き圧油ガイド部材を設けるようにして、該圧油ガイド部材により上記タービン室11内に設置した衝動水車発電機12の各タービン翼19aに効率よく圧油が衝突するようにしてもよい。
【0021】
又、上記弾性構造体13は、図2ではスプリングとしてあり、該弾性構造体13の一端部をキャップ側壁部5aに取り付けると共に、該弾性構造体13の他端部をピストン6のキャップ側圧力室側面に取り付けるようにして、上記浮体構造物4の動揺や移動により油圧シリンダ7のキャップ側からヘッド側に移動させられた上記ピストン6を、弾性構造体13の復元力によりキャップ側に移動させることができるようにしてある。
【0022】
かかる構成において、浮体構造物4が波浪により動揺させられたり潮流により移動させられたりなどして該浮体構造物4に係留索1が引っ張られると、ピストン6が油圧シリンダ7内をヘッド側に移動させられることにより、油圧シリンダ7のヘッド側圧力室9から流路10c,10dを介してタービン室11に圧油が流れ込むことになる。次に、このタービン室11に流れ込んだ圧油は、該タービン室11内に配置されたタービン19に衝突して上記衝動水車発電機12の軸18を回転させるので、該衝動水車発電機12の発電部17により発電することになる。そして、このタービン19に衝突した圧油は、タービン室11から流路10a,10bを介して油圧シリンダ7のキャップ側圧力室8に流れ込むことになる。その後、浮体構造物4が動揺させられたり潮流が変化して移動させられたりなどして係留索1が緩められると、上記弾性構造体4の復元力によりピストン6が油圧シリンダ7内をヘッド側からキャップ側に移動させられることにより、油圧シリンダ7のキャップ側圧力室8から流路10a,10bを介してタービン室11に圧油が流れ込むことになる。次に、このタービン室11に流れ込んだ圧油は、該タービン室11内に配置されたタービン19に衝突して上記衝動水車発電機12の軸18を回転させるので、該衝動水車発電機12の発電部17により発電することになる。上記タービン19に衝突した圧油は、タービン室11から流路10c,10dを介して油圧シリンダ7のヘッド側圧力室9に流れ込むことになる。
【0023】
このように、本実施の形態によれば、浮体構造物4の動揺や移動によりピストン6をヘッド側に移動させると共に上記弾性構造体13の復元力によりヘッド側からキャップ側にピストン6を移動させることにより、キャップ側圧力室8とヘッド側圧力室9とを接続する流路10に設けたタービン室11に圧油を流すようにしてあるので、該タービン室11に設けた衝動水車発電機12により発電をすることができ、よって、該発電した電力を、たとえば、船舶などに供給することができる。又、浮体構造物4を動揺させたり移動させたりするエネルギーを上記構成により電力に変換するようにしてあるので、該浮体構造物4の動揺や移動を低減することができる。更に、浮体構造物4と係留索1との間、係留索1と沈錘2との間、及び、係留索1と係留アンカー3との間に、油圧シリンダ7を設けるようにしてあるので、これらの間に作用する引張力を緩衝することができ、この部分での破断を防ぐことができる。
【0024】
又、弾性構造体13としてのスプリングの一端部を油圧シリンダ7のキャップ側壁部5aに取り付けると共に、該弾性構造体13の他端部をピストン6のキャップ室側面に取り付けるようにしてあるので、浮体構造物4の動揺や移動により油圧シリンダ7のヘッド側に移動させられた上記ピストン6を、上記弾性構造体13の復元力により油圧シリンダ7のキャップ側に移動させることができ、又、弾性構造体13の復元力の設定も容易に行うことができる。
【0025】
なお、上記実施の形態では、一例として、タービン室11に衝動水車発電機12を設けて発電する場合について説明したが、油圧シリンダ7のキャップ側圧力室8上方にタービン室11を設置すると共に、該タービン室11内の上端部にプロペラ水車などの如き反動水車発電機のタービンを上記油圧シリンダ7に対向させて配置し、且つ油圧シリンダ7のキャップ側壁部5a及びタービン室11の下端部、並びに、上記タービンの背面側となるタービン室11の上端部及び油圧シリンダ7のヘッド側壁部5bを接続する流路を設け、更に、上記油圧シリンダ7のキャップ側壁部5aと上記ピストン6との間に、弾性構造体13を設けるようにして、上記実施の形態と同様にキャップ側圧力室8、ヘッド側圧力室9からタービン室11に流れ込んだ圧油により、反動水車発電機のタービンを回転させて発電するようにしてもよいこと、沈錘2、係留アンカー3の如き係留構造物により係留するようにしてある浮体構造物4と係留索1との間、係留索1と沈錘2との間、及び、係留索1と係留アンカー3との間に、油圧シリンダ7を設けて発電する場合について説明したが、これに限られず、たとえば、船舶などの浮体構造物4と該浮体構造物4を係留索1を介して係留する係留構造物としての岸壁の如き陸地との間に、本発明の発電装置を設けて発電するようにしてもよいこと、上記実施の形態では、弾性構造体13を、油圧シリンダ7のキャップ側壁部5aと上記ピストン6との間に設けるようにしてあるが、弾性構造体13を設ける位置はこれに限られるものではなく、たとえば、油圧シリンダ7のヘッド側壁部5bとピストン6との間、ヘッド側壁部5bとピストンロッド14の先端部14aとの間に設けるようにしてもよいこと、油圧シリンダ7に設置する水車発電機12は単数に限定されるものではなく、たとえば、油圧シリンダ7のキャップ側圧力室8とヘッド側圧力室9とを接続する流路10を該油圧シリンダ7に放射状に複数設けると共に、該各流路10に水車発電機12を設置したタービン室11をそれぞれ設けるようにして、複数の水車発電機12を油圧シリンダ7に設置するようにしてもよいこと、弾性構造体13は、スプリングに限られるものではないこと、油圧シリンダ7を取り付ける向きは、図2に示した向きに限られるものではなく、たとえば、図2に示した向きと180度反対向きにして、浮体構造物4と係留索1、係留索1と沈錘2、係留索1と係留アンカー3にそれぞれ取り付けるようにしてもよいこと、係留索1の途中位置に油圧シリンダ7の連結部材15とピストンロッド14の連結部材15を連結するようにして、本発明の発電装置を係留索1の途中位置に設けるようにしてもよいこと、上記実施の形態では、一例として、圧油を用いる油圧シリンダ7を設けるようにしてあるが、これに代えて、その他の流体を用いる流体圧シリンダを設けるようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0026】
1 係留索
2 沈錘(係留構造物)
3 係留アンカー(係留構造物)
4 浮体構造物
6 ピストン
7 油圧シリンダ(流体圧シリンダ)
8 キャップ側圧力室
9 ヘッド側圧力室
10 流路
11 タービン室
12 衝動水車発電機(発電機)
13 弾性構造体
14 ピストンロッド
19 タービン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
係留索を介して係留される浮体構造物の動きにより係留索を介して伸縮されるよう片側にピストンロッドを有するピストンを摺動自在に収納する流体圧シリンダを有し、該流体圧シリンダのキャップ側圧力室とヘッド側圧力室とを接続する流路を流れる圧力流体により発電する発電機を設け、且つ上記流体圧シリンダのピストンをキャップ側に移動させるように付勢する弾性構造体を設けた構成を有することを特徴とする浮体構造物の係留索利用発電装置。
【請求項2】
流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか一方を浮体構造物に連結すると共に、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか他方を係留索に連結するようにして、浮体構造物の動きで係留索を介して流体圧シリンダが伸長するようにした請求項1記載の浮体構造物の係留索利用発電装置。
【請求項3】
流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか一方を係留構造物に連結すると共に、流体圧シリンダのキャップ側端部又はピストンロッドのいずれか他方を係留索に連結するようにして、浮体構造物の動きで係留索を介して流体圧シリンダが伸長するようにした請求項1記載の浮体構造物の係留索利用発電装置。
【請求項4】
流路の途中位置にタービン室を設けて、該タービン室内に発電機のタービンを設置するようにした請求項1,2又は3記載の浮体構造物の係留索利用発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−149294(P2011−149294A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9442(P2010−9442)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】