浮力可変フロート
【課題】 拡大作業をする際にエア源を必要とせずに容易かつ迅速に作業を行うことができると共に、最小体積時の運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートを提供する。
【解決手段】 可動式の外郭(上部構造体2,下部構造体3)と、この外郭に内包されると共に開閉可能な開口部2d(4d)を有して外郭と共に拡大収縮する気室4とを備えた。気室4は塑性体で構成されて、その体積を拡大する方向に外郭を介して力を与えることで開口部2d(4d)から吸気して浮力を拡大させ、また開口部2d(4d)から排気してその体積を減少することで外郭を収縮させる。
【解決手段】 可動式の外郭(上部構造体2,下部構造体3)と、この外郭に内包されると共に開閉可能な開口部2d(4d)を有して外郭と共に拡大収縮する気室4とを備えた。気室4は塑性体で構成されて、その体積を拡大する方向に外郭を介して力を与えることで開口部2d(4d)から吸気して浮力を拡大させ、また開口部2d(4d)から排気してその体積を減少することで外郭を収縮させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、浮桟橋や生け簀等の水上構造物の主浮力体や追加浮力体として使用される他、水上遊具やボート等の浮力体として利用することが可能な浮力可変フロートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、水上に浮かぶことを目的とした浮力体は、その自重よりも水没時に発生する浮力を大きくすることで上載荷重を水面上に保持している。
【0003】
このような浮力体には、形状が一定のもの(発泡樹脂フロートやボート等)と、塑性体で構成されて形状が可変のもの(ゴムボート等)がある。
【0004】
形状可変のものは通常、塑性体で成形された密閉空間にエアを送り込み、外気圧よりも内部圧力を高めることで形状を保持しつつ浮力を発生している。
【0005】
浮力を変化させる機構を持つものとして、形状が一定のものでは、特許文献1に記載されているように内部に水を流入出させて浮力を調整するものがあり、形状可変のものとしては、特許文献2に記載されている水中気球のように塑性体で構成された気室にエアを流入出させて浮力を調整しているものがある。
【特許文献1】特開2001−95424号公報
【特許文献2】特許第34245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、主浮力体の場合、塑性体で構成された気室を膨張させるためにはエアポンプ等でエアを供給しなければならないが、電源のない場所では人力によるエア供給を行わなければならず大きな労力と時間を必要とする。
【0007】
また、所要の浮力を得るために形状が一定のものであればエアの供給は必要ないが、運搬に要する労力が大きく、また収納時にかさばる。
【0008】
一方、水上にある構造物に対して追加浮力を供給する際、浮力可変フロート等を用いるが、形状一定のものでは重量,体積が大きく運搬の労力が大きい。
【0009】
同じく、水上にある構造物に対して追加浮力を供給する際、塑性体で構成された浮力体はバーストの可能性が高く使用が難しい。
【0010】
そこで、本願発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、水上構造物や水上遊具やボート等に使用可能で、その没水部の体積を調整することで発生する浮力を調整可能なフロートであって、拡大作業をする際にエア源を必要とせずに容易かつ迅速に作業を行うことができると共に、最小体積時の運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートを提供することを目的とするものである。
【0011】
また、エアを注入することで、水上構造物等に対して所要の追加浮力を与えることができると共に、運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような目的を達成するために、本願発明は、可動式の外郭と、この外郭に内包されると共に開閉可能な開口部を有して前記外郭と共に拡大収縮する気室とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
具体的には、前記気室は塑性体で構成されて、その体積を拡大する方向に前記外郭を介して力を与えることで前記開口部から吸気して浮力を拡大させることを特徴とするものである。
【0014】
また、前記気室は塑性体で構成されて、前記開口部から排気してその体積を減少することで前記外郭を収縮させることを特徴とするものである。
【0015】
一方、前記気室は前記外郭自体で構成されて、その体積を拡大する方向に力を与えることで前記開口部から吸気して浮力を拡大させることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記気室は前記外郭自体で構成されて、前記開口部から排気してその体積を減少することで前記外郭を収縮させることを特徴とするものである。
【0017】
さらに、前記気室の体積を拡大する方向に付勢された弾性部材を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
また、前記外郭として、少なくとも上面と下面に剛体を配置したことを特徴とするものである。
【0019】
さらに、前記上面と下面の平行を保持したまま、それら間の距離を変化させるガイドを設けたことを特徴とするものである。
【0020】
また、前記気室にエアを注入するためのバルブを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本願発明によれば、外郭を可動式とし、この可動により開口部から気室への吸気又は気室から開口部への排気を伴う体積変化を起こすことで、発生する浮力を変化させることにより、拡大作業をする際にエア源を必要とせずに容易かつ迅速に作業を行うことができると共に、最小体積時の運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートを提供することができる。
【0022】
具体的には、塑性体で製作された気室を内包し、その体積を拡大する方向に外郭を介して外力を与えることで、開口部から吸気して浮力を拡大させることができる。
【0023】
また、塑性体で製作された気室のエアを開口部から排出することで、体積を減少させ、収納性,運搬性を高めることができる。
【0024】
一方、外郭自体で構成された気室を内包し、その体積を拡大する方向に外力を与えることで、開口部から吸気して浮力を拡大させることができる。
【0025】
また、外郭自体で構成された気室のエアを開口部から排出することで、体積を減少させ、収納性,運搬性を高めることができる。
【0026】
さらに、気室の体積を拡大する方向にバネ等の弾性部材による弾性力を働かせることで、自立して体積を拡大することが可能となる。
【0027】
また、外郭として、少なくとも上面及び下面に剛体を配置することで、気室を保護することができる。
【0028】
さらに、上面と下面の並行を保持したまま距離を変化させるガイドを設けることにより、座屈現象を発生することなく高さを高くして浮力を大きくすることができる。
【0029】
また、水面上でバルブからエアを注入することで、体積変化して浮力を増大させ、フロート上の載荷物をリフトアップさせることができるので、水上構造物等に対して所要の追加浮力を与えることができると共に、運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本願発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1〜図4は、本願発明による浮力可変フロートの一実施形態を示す図で、図1は拡大時の斜視図、図2は拡大時の縦断面図、図3は収縮時の斜視図、図4は収縮時の縦断面図である。
【0032】
本実施形態の浮力可変フロート1は、可動式の外郭を構成する上部構造体2及び下部構造体3と、塑性体で構成されて上部構造体2及び下部構造体3に内包される塑性体気室4とから構成されている。
【0033】
上部構造体2は、円形の天板2aの周縁が下方に延ばされて側板2bが形成された形状で、側板2bの両側には一対の取手2cが設けられている。天板2aの中央部には円形の開口部2dが形成されており、この開口部2dは、その下方に延びる筒状部2eの内周に形成されたネジ部2fに螺合するネジ部5fを有する蓋体5で密閉することができるようになっている。蓋体5の上面5aにはネジ回し用の十字溝5bが形成されている。
【0034】
また、下部構造体3は、円形の底板3aの周縁が上方に延ばされて側板3bが形成された形状で、側板3bの両側には上部構造体2と同様な位置に一対の取手3cが設けられている。
【0035】
上述した上部構造体2及び下部構造体3は、強度,耐候性,耐水性に富むアルミ合金,ポリエチレン樹脂,FRP(繊維強化プラスチック)等で成形されている。各構造体2,3の直径は約800mmとなっており、板厚は3mm程度に成形されている。また、蓋体5には、PVC(ポリ塩化ビニル)成形品等を用いることができる。
【0036】
一方、塑性体気室4は、気体透過性がないブチルゴム成形体やターポリン縫製品で蛇腹状に伸縮可能に成形されている。この塑性体気室4の上面中央には開口部4dが形成されており、この開口部4dが前述した上部構造体2の開口部2dから下方に延びる筒状部2eの外周に密着するようにして、塑性体気室4の上面が上部構造体2の下面に固着されている。また、塑性体気室4の下面は下部構造体3の底面に固着されている。
【0037】
以上の構成において、収納,運搬時は図3,図4に示すように上部構造体2の下縁と下部構造体3の上縁とが合致した状態で塑性体気室4は収縮された状態となっており、収納スペースが僅かで済むと共に、上部構造体2と下部構造体3の取手2c,3cを持って容易に持ち運ぶことができる。
【0038】
一方、使用時は、図4に示すように上部構造体2の上面(天板2a)の蓋体5を外して開口部2d(4d)を開いてから、上部構造体2の両側の取手2cを持って上部構造体2と下部構造体3間の距離を離す方向,すなわち上方に力を作用させる。これにより、開口部2d(4d)から塑性体気室4にエアが流入して、図2に示すように塑性体気室4の蛇腹部が上方に伸びて内部体積が拡大する。この状態で、図1に示すように開口部2d(4d)を蓋体5で閉じることにより、所要の浮力を持ったフロートとなり、水上構造物等に取り付けられる。これにより、エアポンプ等で外部からエアを供給することなく、浮力を発生させる塑性体気室4を拡大させ、初期形状で発生する浮力よりも大きな浮力を発生させることができる。
【0039】
上記のようにしてフロートとして用いられた後に回収し、運搬,収納する場合は、図2に示すように上部構造体2の上面(天板2a)の蓋体5を外して開口部2d(4d)を開き、自重又は上部構造体2と下部構造体3間の距離を近づける方向,すなわち下方に力を作用させる。これにより、上部構造体2の上面(天板2a)の開口部2d(4d)からエアが排出され、図4に示すように全体の体積が収縮して、収納性や運搬性が向上する。
【0040】
以上のように、本実施形態の浮力可変フロート1は、拡大作業をする際にエア源を必要とせずに容易かつ迅速に作業を行うことができると共に、最小体積時の運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートとなる。
【0041】
また、外郭として、少なくとも上面と下面に剛体を配置したことにより、塑性体気室4を保護することができる。
【0042】
ところで、上記のような拡大,収縮により浮力を変化させる過程において、下部構造体3の底面積に対する高さが一定の値を超えると座屈現象が発生する。この対策としては、上部構造体2と下部構造体3が平行を保ったまま可動する図5に示すようなテレスコピック型スライド機構を設けることができる。
【0043】
図5は、本願発明による浮力可変フロートの他の実施形態における拡大時の斜視図、図6は拡大時の縦断面図、図7は収縮時の斜視図、図8は収縮時の縦断面図であり、前記実施形態と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0044】
本実施形態では、上部構造体2の側板2bと下部構造体3の側板3bを約1000mmの長さの筒状に形成すると共に、上部構造体2の筒状側板2bの外周側及び下部構造体3の筒状側板3bの内周側に嵌合してスライドする両面開口の筒状で約1000mmの長さの中間部構造体6を設けている。従って、それぞれの径は、上部構造体2<中間部構造体6<下部構造体3となるように形成されている。
【0045】
上記中間部構造体6は、上部構造体2や下部構造体3と同様に、強度,耐候性,耐水性に富むアルミ合金,ポリエチレン樹脂,FRP等で、板厚は3mm程度に成形されている。この中間部構造体6と上部構造体2の筒状側板2b及び下部構造体3の筒状側板3bは、上部構造体2の上面(天板2a)と下部構造体3の下面(底板3a)の平行を保持したまま、それら間の距離を変化させるガイドとして機能する。なお、図示はしないが、上部構造体2の筒状側板2bの下端部と中間部構造体6の上端部、及び下部構造体3の筒状側板3bの上端部と中間部構造体6の下端部には抜止処理が施されている。
【0046】
また、上部構造体2の取手2cは、前記実施形態のように側板2b側に設けると、その外周側をスライドする中間部構造体6と干渉するので、上部構造体2の上面(天板2a)の左右に立設されている。また、下部構造体3の筒状側板3bには取手が設けられていないが、収縮時に下部構造体3の筒状側板3bの上端部を上部構造体2の上面(天板2a)に係止する係止部材を設ければ、上部構造体2の取手2cを拡大時と運搬時で共用することができるので、下部構造体3の取手を省略できる分、低コスト化を図ることができる。なお、下部構造体3にも取手を設ければ係止部材は省略できる。
【0047】
以上のように構成することにより、前記実施形態と同様な作用効果が得られると共に、塑性体気室4の拡大時の体積をより大きくすることができるので、大きな浮力を得ることができる。具体的には、中間部構造体6を一つ以上備えることにより、前記実施形態と同様な外径で、前記実施形態の数倍の浮力を得ることができる。なお、中間部構造体6を設けずに、上部構造体2の筒状側板2bと下部構造体3の筒状側板3bだけでスライドさせるように構成することも可能である。
【0048】
上述してきた実施形態の浮力可変フロート1は、収縮状態での収納性と運搬性が良いため、仮設水上浮力体や折畳式ボート向け浮力体等、非使用時は収納する用途に適したフロートとなる。
【0049】
また、拡大作業をする際にエア源を必要とせずに容易かつ迅速に作業を行うことができるので、非常用の浮力体や折畳式ボート等に適したフロートを提供できる。
【0050】
図9は、本願発明による浮力可変フロートの更に他の実施形態における収縮時の縦断面図、図10はその使用時のエア注入前の模式図、図11はエア注入後の模式図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0051】
本実施形態においては、上部構造体2の上面の開口部2d(4d)を開閉する蓋体5にエアポンプ7等からエアを注入可能なバルブ5cを備えたものである。すなわち、本実施形態では、拡大収縮時の大流量のエアを通過させるための蓋体5と共に、追加浮力を得るためのエア注入用バルブ5cを備えている。
【0052】
以上の構成において、図10,図11に示すような水上構造物8等に対して追加浮力を与える際は、使用場所までフロート1は収縮状態で運搬し、前述してきた実施形態のようにして必要な高さまで予め拡大しておく。そして、図10に示すように水上構造物8等の追加浮力を与える箇所に設置し、エアポンプ7を用いて図9に示したバルブ5cからエアを供給することで、フロート1はさらに拡大して、水上構造物8等の所要箇所に追加浮力を与えることが可能となる。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、バルブ5cからエアを注入することで水上構造物8等に対して追加浮力を与えることができる収納性や運搬性に優れたフロートを提供できる。
【0054】
上述してきた実施形態では塑性体気室4を用いたが、外郭自体で気室を構成することも可能である。
【0055】
図12は、その実施形態を示す拡大時の縦断面図であり、前記実施形態と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0056】
本実施形態では、前記実施形態と同様なテレスコピック構造で外殻自体が気室9となるため、中間部構造体6と上部構造体2の筒状側板2b及び下部構造体3の筒状側板3bとのスライド部にシリコンゴム等で製作されたシール部材10を使用している。
【0057】
このように構成することにより、前記実施形態と同様な作用効果が得られると共に、塑性体気室4が不要となるため、大幅な低コスト化を図ることができる。
【0058】
なお、前述してきた実施形態の上部構造体2の天板2aと下部構造体3の底板3aをコイルバネ等の弾性部材で繋ぐことにより、収縮状態で圧縮されたコイルバネの弾性力により、開口部2dを開放すると気室4又は9が自立して拡大する様な構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本願発明の一実施形態に係る浮力可変フロートの拡大時の斜視図。
【図2】同じく拡大時の縦断面図。
【図3】同じく収縮時の斜視図。
【図4】同じく収縮時の縦断面図。
【図5】本願発明の他の実施形態に係る浮力可変フロートの拡大時の斜視図。
【図6】同じく拡大時の縦断面図。
【図7】同じく収縮時の斜視図。
【図8】同じく拡大時の縦断面図。
【図9】本願発明の更に他の実施形態に係る浮力可変フロートの収縮時の縦断面図。
【図10】同じくその使用時のエア注入前の模式図。
【図11】同じくエア注入後の模式図。
【図12】本願発明の更に他の実施形態に係る浮力可変フロートの拡大時の縦断面図。
【符号の説明】
【0060】
1 浮力可変フロート
2 上部構造体
2a 天板
2b 側板
2c 取手
2d 開口部
2e 筒状部
2f ネジ部
3 下部構造体
3a 底板
3b 側板
3c 取手
4 塑性体気室
4d 開口部
5 蓋体
5c バルブ
5f ネジ部
6 中間部構造体
7 エアポンプ
8 水上構造物
9 気室
10 シール部材
【技術分野】
【0001】
本願発明は、浮桟橋や生け簀等の水上構造物の主浮力体や追加浮力体として使用される他、水上遊具やボート等の浮力体として利用することが可能な浮力可変フロートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、水上に浮かぶことを目的とした浮力体は、その自重よりも水没時に発生する浮力を大きくすることで上載荷重を水面上に保持している。
【0003】
このような浮力体には、形状が一定のもの(発泡樹脂フロートやボート等)と、塑性体で構成されて形状が可変のもの(ゴムボート等)がある。
【0004】
形状可変のものは通常、塑性体で成形された密閉空間にエアを送り込み、外気圧よりも内部圧力を高めることで形状を保持しつつ浮力を発生している。
【0005】
浮力を変化させる機構を持つものとして、形状が一定のものでは、特許文献1に記載されているように内部に水を流入出させて浮力を調整するものがあり、形状可変のものとしては、特許文献2に記載されている水中気球のように塑性体で構成された気室にエアを流入出させて浮力を調整しているものがある。
【特許文献1】特開2001−95424号公報
【特許文献2】特許第34245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、主浮力体の場合、塑性体で構成された気室を膨張させるためにはエアポンプ等でエアを供給しなければならないが、電源のない場所では人力によるエア供給を行わなければならず大きな労力と時間を必要とする。
【0007】
また、所要の浮力を得るために形状が一定のものであればエアの供給は必要ないが、運搬に要する労力が大きく、また収納時にかさばる。
【0008】
一方、水上にある構造物に対して追加浮力を供給する際、浮力可変フロート等を用いるが、形状一定のものでは重量,体積が大きく運搬の労力が大きい。
【0009】
同じく、水上にある構造物に対して追加浮力を供給する際、塑性体で構成された浮力体はバーストの可能性が高く使用が難しい。
【0010】
そこで、本願発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、水上構造物や水上遊具やボート等に使用可能で、その没水部の体積を調整することで発生する浮力を調整可能なフロートであって、拡大作業をする際にエア源を必要とせずに容易かつ迅速に作業を行うことができると共に、最小体積時の運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートを提供することを目的とするものである。
【0011】
また、エアを注入することで、水上構造物等に対して所要の追加浮力を与えることができると共に、運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような目的を達成するために、本願発明は、可動式の外郭と、この外郭に内包されると共に開閉可能な開口部を有して前記外郭と共に拡大収縮する気室とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
具体的には、前記気室は塑性体で構成されて、その体積を拡大する方向に前記外郭を介して力を与えることで前記開口部から吸気して浮力を拡大させることを特徴とするものである。
【0014】
また、前記気室は塑性体で構成されて、前記開口部から排気してその体積を減少することで前記外郭を収縮させることを特徴とするものである。
【0015】
一方、前記気室は前記外郭自体で構成されて、その体積を拡大する方向に力を与えることで前記開口部から吸気して浮力を拡大させることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記気室は前記外郭自体で構成されて、前記開口部から排気してその体積を減少することで前記外郭を収縮させることを特徴とするものである。
【0017】
さらに、前記気室の体積を拡大する方向に付勢された弾性部材を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
また、前記外郭として、少なくとも上面と下面に剛体を配置したことを特徴とするものである。
【0019】
さらに、前記上面と下面の平行を保持したまま、それら間の距離を変化させるガイドを設けたことを特徴とするものである。
【0020】
また、前記気室にエアを注入するためのバルブを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本願発明によれば、外郭を可動式とし、この可動により開口部から気室への吸気又は気室から開口部への排気を伴う体積変化を起こすことで、発生する浮力を変化させることにより、拡大作業をする際にエア源を必要とせずに容易かつ迅速に作業を行うことができると共に、最小体積時の運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートを提供することができる。
【0022】
具体的には、塑性体で製作された気室を内包し、その体積を拡大する方向に外郭を介して外力を与えることで、開口部から吸気して浮力を拡大させることができる。
【0023】
また、塑性体で製作された気室のエアを開口部から排出することで、体積を減少させ、収納性,運搬性を高めることができる。
【0024】
一方、外郭自体で構成された気室を内包し、その体積を拡大する方向に外力を与えることで、開口部から吸気して浮力を拡大させることができる。
【0025】
また、外郭自体で構成された気室のエアを開口部から排出することで、体積を減少させ、収納性,運搬性を高めることができる。
【0026】
さらに、気室の体積を拡大する方向にバネ等の弾性部材による弾性力を働かせることで、自立して体積を拡大することが可能となる。
【0027】
また、外郭として、少なくとも上面及び下面に剛体を配置することで、気室を保護することができる。
【0028】
さらに、上面と下面の並行を保持したまま距離を変化させるガイドを設けることにより、座屈現象を発生することなく高さを高くして浮力を大きくすることができる。
【0029】
また、水面上でバルブからエアを注入することで、体積変化して浮力を増大させ、フロート上の載荷物をリフトアップさせることができるので、水上構造物等に対して所要の追加浮力を与えることができると共に、運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本願発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1〜図4は、本願発明による浮力可変フロートの一実施形態を示す図で、図1は拡大時の斜視図、図2は拡大時の縦断面図、図3は収縮時の斜視図、図4は収縮時の縦断面図である。
【0032】
本実施形態の浮力可変フロート1は、可動式の外郭を構成する上部構造体2及び下部構造体3と、塑性体で構成されて上部構造体2及び下部構造体3に内包される塑性体気室4とから構成されている。
【0033】
上部構造体2は、円形の天板2aの周縁が下方に延ばされて側板2bが形成された形状で、側板2bの両側には一対の取手2cが設けられている。天板2aの中央部には円形の開口部2dが形成されており、この開口部2dは、その下方に延びる筒状部2eの内周に形成されたネジ部2fに螺合するネジ部5fを有する蓋体5で密閉することができるようになっている。蓋体5の上面5aにはネジ回し用の十字溝5bが形成されている。
【0034】
また、下部構造体3は、円形の底板3aの周縁が上方に延ばされて側板3bが形成された形状で、側板3bの両側には上部構造体2と同様な位置に一対の取手3cが設けられている。
【0035】
上述した上部構造体2及び下部構造体3は、強度,耐候性,耐水性に富むアルミ合金,ポリエチレン樹脂,FRP(繊維強化プラスチック)等で成形されている。各構造体2,3の直径は約800mmとなっており、板厚は3mm程度に成形されている。また、蓋体5には、PVC(ポリ塩化ビニル)成形品等を用いることができる。
【0036】
一方、塑性体気室4は、気体透過性がないブチルゴム成形体やターポリン縫製品で蛇腹状に伸縮可能に成形されている。この塑性体気室4の上面中央には開口部4dが形成されており、この開口部4dが前述した上部構造体2の開口部2dから下方に延びる筒状部2eの外周に密着するようにして、塑性体気室4の上面が上部構造体2の下面に固着されている。また、塑性体気室4の下面は下部構造体3の底面に固着されている。
【0037】
以上の構成において、収納,運搬時は図3,図4に示すように上部構造体2の下縁と下部構造体3の上縁とが合致した状態で塑性体気室4は収縮された状態となっており、収納スペースが僅かで済むと共に、上部構造体2と下部構造体3の取手2c,3cを持って容易に持ち運ぶことができる。
【0038】
一方、使用時は、図4に示すように上部構造体2の上面(天板2a)の蓋体5を外して開口部2d(4d)を開いてから、上部構造体2の両側の取手2cを持って上部構造体2と下部構造体3間の距離を離す方向,すなわち上方に力を作用させる。これにより、開口部2d(4d)から塑性体気室4にエアが流入して、図2に示すように塑性体気室4の蛇腹部が上方に伸びて内部体積が拡大する。この状態で、図1に示すように開口部2d(4d)を蓋体5で閉じることにより、所要の浮力を持ったフロートとなり、水上構造物等に取り付けられる。これにより、エアポンプ等で外部からエアを供給することなく、浮力を発生させる塑性体気室4を拡大させ、初期形状で発生する浮力よりも大きな浮力を発生させることができる。
【0039】
上記のようにしてフロートとして用いられた後に回収し、運搬,収納する場合は、図2に示すように上部構造体2の上面(天板2a)の蓋体5を外して開口部2d(4d)を開き、自重又は上部構造体2と下部構造体3間の距離を近づける方向,すなわち下方に力を作用させる。これにより、上部構造体2の上面(天板2a)の開口部2d(4d)からエアが排出され、図4に示すように全体の体積が収縮して、収納性や運搬性が向上する。
【0040】
以上のように、本実施形態の浮力可変フロート1は、拡大作業をする際にエア源を必要とせずに容易かつ迅速に作業を行うことができると共に、最小体積時の運搬性や収納性に優れた浮力可変フロートとなる。
【0041】
また、外郭として、少なくとも上面と下面に剛体を配置したことにより、塑性体気室4を保護することができる。
【0042】
ところで、上記のような拡大,収縮により浮力を変化させる過程において、下部構造体3の底面積に対する高さが一定の値を超えると座屈現象が発生する。この対策としては、上部構造体2と下部構造体3が平行を保ったまま可動する図5に示すようなテレスコピック型スライド機構を設けることができる。
【0043】
図5は、本願発明による浮力可変フロートの他の実施形態における拡大時の斜視図、図6は拡大時の縦断面図、図7は収縮時の斜視図、図8は収縮時の縦断面図であり、前記実施形態と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0044】
本実施形態では、上部構造体2の側板2bと下部構造体3の側板3bを約1000mmの長さの筒状に形成すると共に、上部構造体2の筒状側板2bの外周側及び下部構造体3の筒状側板3bの内周側に嵌合してスライドする両面開口の筒状で約1000mmの長さの中間部構造体6を設けている。従って、それぞれの径は、上部構造体2<中間部構造体6<下部構造体3となるように形成されている。
【0045】
上記中間部構造体6は、上部構造体2や下部構造体3と同様に、強度,耐候性,耐水性に富むアルミ合金,ポリエチレン樹脂,FRP等で、板厚は3mm程度に成形されている。この中間部構造体6と上部構造体2の筒状側板2b及び下部構造体3の筒状側板3bは、上部構造体2の上面(天板2a)と下部構造体3の下面(底板3a)の平行を保持したまま、それら間の距離を変化させるガイドとして機能する。なお、図示はしないが、上部構造体2の筒状側板2bの下端部と中間部構造体6の上端部、及び下部構造体3の筒状側板3bの上端部と中間部構造体6の下端部には抜止処理が施されている。
【0046】
また、上部構造体2の取手2cは、前記実施形態のように側板2b側に設けると、その外周側をスライドする中間部構造体6と干渉するので、上部構造体2の上面(天板2a)の左右に立設されている。また、下部構造体3の筒状側板3bには取手が設けられていないが、収縮時に下部構造体3の筒状側板3bの上端部を上部構造体2の上面(天板2a)に係止する係止部材を設ければ、上部構造体2の取手2cを拡大時と運搬時で共用することができるので、下部構造体3の取手を省略できる分、低コスト化を図ることができる。なお、下部構造体3にも取手を設ければ係止部材は省略できる。
【0047】
以上のように構成することにより、前記実施形態と同様な作用効果が得られると共に、塑性体気室4の拡大時の体積をより大きくすることができるので、大きな浮力を得ることができる。具体的には、中間部構造体6を一つ以上備えることにより、前記実施形態と同様な外径で、前記実施形態の数倍の浮力を得ることができる。なお、中間部構造体6を設けずに、上部構造体2の筒状側板2bと下部構造体3の筒状側板3bだけでスライドさせるように構成することも可能である。
【0048】
上述してきた実施形態の浮力可変フロート1は、収縮状態での収納性と運搬性が良いため、仮設水上浮力体や折畳式ボート向け浮力体等、非使用時は収納する用途に適したフロートとなる。
【0049】
また、拡大作業をする際にエア源を必要とせずに容易かつ迅速に作業を行うことができるので、非常用の浮力体や折畳式ボート等に適したフロートを提供できる。
【0050】
図9は、本願発明による浮力可変フロートの更に他の実施形態における収縮時の縦断面図、図10はその使用時のエア注入前の模式図、図11はエア注入後の模式図であり、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を用いている。
【0051】
本実施形態においては、上部構造体2の上面の開口部2d(4d)を開閉する蓋体5にエアポンプ7等からエアを注入可能なバルブ5cを備えたものである。すなわち、本実施形態では、拡大収縮時の大流量のエアを通過させるための蓋体5と共に、追加浮力を得るためのエア注入用バルブ5cを備えている。
【0052】
以上の構成において、図10,図11に示すような水上構造物8等に対して追加浮力を与える際は、使用場所までフロート1は収縮状態で運搬し、前述してきた実施形態のようにして必要な高さまで予め拡大しておく。そして、図10に示すように水上構造物8等の追加浮力を与える箇所に設置し、エアポンプ7を用いて図9に示したバルブ5cからエアを供給することで、フロート1はさらに拡大して、水上構造物8等の所要箇所に追加浮力を与えることが可能となる。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、バルブ5cからエアを注入することで水上構造物8等に対して追加浮力を与えることができる収納性や運搬性に優れたフロートを提供できる。
【0054】
上述してきた実施形態では塑性体気室4を用いたが、外郭自体で気室を構成することも可能である。
【0055】
図12は、その実施形態を示す拡大時の縦断面図であり、前記実施形態と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【0056】
本実施形態では、前記実施形態と同様なテレスコピック構造で外殻自体が気室9となるため、中間部構造体6と上部構造体2の筒状側板2b及び下部構造体3の筒状側板3bとのスライド部にシリコンゴム等で製作されたシール部材10を使用している。
【0057】
このように構成することにより、前記実施形態と同様な作用効果が得られると共に、塑性体気室4が不要となるため、大幅な低コスト化を図ることができる。
【0058】
なお、前述してきた実施形態の上部構造体2の天板2aと下部構造体3の底板3aをコイルバネ等の弾性部材で繋ぐことにより、収縮状態で圧縮されたコイルバネの弾性力により、開口部2dを開放すると気室4又は9が自立して拡大する様な構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本願発明の一実施形態に係る浮力可変フロートの拡大時の斜視図。
【図2】同じく拡大時の縦断面図。
【図3】同じく収縮時の斜視図。
【図4】同じく収縮時の縦断面図。
【図5】本願発明の他の実施形態に係る浮力可変フロートの拡大時の斜視図。
【図6】同じく拡大時の縦断面図。
【図7】同じく収縮時の斜視図。
【図8】同じく拡大時の縦断面図。
【図9】本願発明の更に他の実施形態に係る浮力可変フロートの収縮時の縦断面図。
【図10】同じくその使用時のエア注入前の模式図。
【図11】同じくエア注入後の模式図。
【図12】本願発明の更に他の実施形態に係る浮力可変フロートの拡大時の縦断面図。
【符号の説明】
【0060】
1 浮力可変フロート
2 上部構造体
2a 天板
2b 側板
2c 取手
2d 開口部
2e 筒状部
2f ネジ部
3 下部構造体
3a 底板
3b 側板
3c 取手
4 塑性体気室
4d 開口部
5 蓋体
5c バルブ
5f ネジ部
6 中間部構造体
7 エアポンプ
8 水上構造物
9 気室
10 シール部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動式の外郭と、この外郭に内包されると共に開閉可能な開口部を有して前記外郭と共に拡大収縮する気室とを備えたことを特徴とする浮力可変フロート。
【請求項2】
前記気室は塑性体で構成されて、その体積を拡大する方向に前記外郭を介して力を与えることで前記開口部から吸気して浮力を拡大させることを特徴とする請求項1記載の浮力可変フロート。
【請求項3】
前記気室は塑性体で構成されて、前記開口部から排気してその体積を減少することで前記外郭を収縮させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の浮力可変フロート。
【請求項4】
前記気室は前記外郭自体で構成されて、その体積を拡大する方向に力を与えることで前記開口部から吸気して浮力を拡大させることを特徴とする請求項1記載の浮力可変フロート。
【請求項5】
前記気室は前記外郭自体で構成されて、前記開口部から排気してその体積を減少することで前記外郭を収縮させることを特徴とする請求項1又は請求項4記載の浮力可変フロート。
【請求項6】
前記気室の体積を拡大する方向に付勢された弾性部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の浮力可変フロート。
【請求項7】
前記外郭として、少なくとも上面と下面に剛体を配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の浮力可変フロート。
【請求項8】
前記上面と下面の平行を保持したまま、それら間の距離を変化させるガイドを設けたことを特徴とする請求項7記載の浮力可変フロート。
【請求項9】
前記気室にエアを注入するためのバルブを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の浮力可変フロート。
【請求項1】
可動式の外郭と、この外郭に内包されると共に開閉可能な開口部を有して前記外郭と共に拡大収縮する気室とを備えたことを特徴とする浮力可変フロート。
【請求項2】
前記気室は塑性体で構成されて、その体積を拡大する方向に前記外郭を介して力を与えることで前記開口部から吸気して浮力を拡大させることを特徴とする請求項1記載の浮力可変フロート。
【請求項3】
前記気室は塑性体で構成されて、前記開口部から排気してその体積を減少することで前記外郭を収縮させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の浮力可変フロート。
【請求項4】
前記気室は前記外郭自体で構成されて、その体積を拡大する方向に力を与えることで前記開口部から吸気して浮力を拡大させることを特徴とする請求項1記載の浮力可変フロート。
【請求項5】
前記気室は前記外郭自体で構成されて、前記開口部から排気してその体積を減少することで前記外郭を収縮させることを特徴とする請求項1又は請求項4記載の浮力可変フロート。
【請求項6】
前記気室の体積を拡大する方向に付勢された弾性部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の浮力可変フロート。
【請求項7】
前記外郭として、少なくとも上面と下面に剛体を配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の浮力可変フロート。
【請求項8】
前記上面と下面の平行を保持したまま、それら間の距離を変化させるガイドを設けたことを特徴とする請求項7記載の浮力可変フロート。
【請求項9】
前記気室にエアを注入するためのバルブを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の浮力可変フロート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−177406(P2007−177406A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373961(P2005−373961)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000138244)株式会社モルテン (105)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000138244)株式会社モルテン (105)
【Fターム(参考)】
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