説明

浮遊夾雑物回収装置

【課題】 クリーン槽に浮遊した夾雑物を回収する浮遊夾雑物回収装置を提供する。
【解決手段】 工作機械2のから切屑とクーラントをダーティ槽10で受け、濾過ドラムにより濾過されたクーラントを第1クーラント槽20で受ける。クーラントはクリーン配管40を経由して、第2クーラント槽30に導入される。第2クーラント槽30においては、周囲の壁から離れた平面視中央付近にポンプ31が設けられており、第2クーラント槽30からクーラントを汲み上げて工作機械2にクーラントを循環させている。第2クリーン槽30には、ポンプ31の吸い込み口よりも高い位置を底面とする仕切板4が設けられている。仕切板4は、側壁からポンプ31を中心として半径が短縮されていく螺旋状となっており、ポンプ31により発生した渦の上に浮遊する夾雑物を集積し、オイルスキマー34により回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械から排出されるクーラントからスラッジ及び油を回収してクーラントの清浄度を維持する浮遊夾雑物回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械は、歯具及び被加工品にクーラントを噴出しながらから切削加工を行う。工作機械から排出されるクーラントは、切り屑とともにダーティ槽にて受けられ、ダーティ槽内を巡回するスクレーパコンベアによりかき上げて切屑投棄口から投棄される。クーラントは、ダーティ槽から濾過フィルタにより濾過されてクリーン槽と呼ばれる容器に駐留された後、再び工作機械に送られて再利用される。このような装置において、クリーン槽に駐留されたクーラントには、濾過フィルタを通り抜けたスラッジがまだ含まれている。スラッジは,工作機械で用いられる油と共に、クーラント液面に夾雑物として浮遊するものがある(浮遊スラッジ)。これをこのまま放置すると、油にバクテリアが繁殖し,腐食を生じ,異臭が発生するもととなる。
【0003】
クーラント液面に浮遊する夾雑物は、クリーン槽内部のクーラントの流れに乗りにくく、クリーン槽に滞留しやすいものである。このような、浮遊する夾雑物をクリーン槽内から取り出すものとして、特許文献1に示されるようなオイルスキマーが知られている。
【特許文献1】特開平11−179351公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のクリーン槽は角型のものであり、クーラントを浮遊する夾雑物が角部に滞留していた。浮遊する夾雑物を除去するためには、クリーン槽内の角部に夫々、オイルスキマーを設置しなければならなかった。一方、浮遊する夾雑物の回収に適したものとするため、クリーン槽内のクーラントの構造そのものを検討するものは無かった。
【0005】
本発明の目的は、クリーン槽に浮遊する夾雑物を一箇所に集めて除去する浮遊夾雑物の回収装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的に鑑み、本発明は、工作機械から排出されたクーラントに浮遊する夾雑物を回収する浮遊夾雑物回収装置において、濾過されたクーラントを流すクリーン配管と、前記クリーン配管が接続され周囲を側壁で囲われたクリーン槽であって、前記クリーン配管の一方側の側壁面が連続して延長されており、かつ前記クリーン配管の壁面が連続した側壁から前記クリーン配管の他方側の壁面に至る周囲の側壁は凹曲面を含む連続的な面として構成されているクリーン槽と、前記クーラント槽の周囲の壁から離れて平面視中央付近に設けられクーラント槽からクーラントを汲み上げて工作機械にクーラントを循環させるポンプと、前記クーラント槽の側壁から前記ポンプを中心として平面視において中心からの距離を縮小させて3/4周の範囲で終端し、かつその高さ方向の底面の位置は前記ポンプの汲み上げ口よりも高く、クーラント液面上まで延在した螺旋状の仕切板と、前記仕切板の終端位置に配置され、クーラント液面から夾雑物を回収するオイルスキマーとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この構成により、クリーン槽にはポンプを中心とした渦が発生し、螺旋状の仕切板によって夾雑物が渦にのって仕切板の終端位置に集積し、この場所にオイルスキマーが設置されることにより、夾雑物を効率良く回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。
本実施例において使用されるクーラントは、水を主体とした親水性の液体である。
図1に、本実施例による浮遊夾雑物回収装置1を示す。浮遊夾雑物回収装置1は、図1Aに破線で示す工作機械2の後方(図中右側)に配置される。工作機械2においては、被加工物にクーラントを供給しながら、切削加工を行う。クーラントと切削により発生した切屑は、ダーティ槽10の先端部の開口11に落される。ダーティ槽10は、工作機械2の後ろ側に伸びており、その内部にはスクレーパを多数設けたスクレーパコンベア(図示せず)が矢印イ方向に周回している。ダーティ槽の底に沈下した切屑をスクレーパでかき出し、工作機械2の後方に位置する切屑投棄口12までかき上げて、バケット(図示せず)に投棄する。スクレーパの各々は、無端チェーン機構に取付けられており、周回駆動される。
【0009】
工作機械2の後方において、ダーティ槽10の両側にクリーン槽が2つに分離されて設けられており、図1A中下側のクリーン槽を第1クリーン槽20、上側のクリーン槽を第2クリーン槽30と呼ぶ。第1クリーン槽20から第2クリーン槽30へは、ダーティ槽10の後端においてクリーン配管40(図1B参照)が設けられている。第1クリーン槽20及び第2クリーン槽30とも、上面視において、角部が曲線となった周壁を有している。第1クリーン槽20、ダーティ槽10、第2クリーン槽30を合わせた幅W1は、工作機械2の幅W2と等しい或いは小さいものとなっており、これにより、複数の工作機械を縦列に配置した際の設置効率を良くするものとなっている。
【0010】
第2クリーン槽30の上下左右における中心付近には、ポンプ31が設置されており、その後方には、オイルスキマー34が設置されている。ポンプ31からは、工作機械2に向けて配管36が設けられている。ポンプ31からの配管36は途中で分岐し、ダーティ槽10内の濾過ドラム70、80に導入されている。
【0011】
図2は、第2クリーン槽30側から見た一部断面図である。ダーティ槽10内部には、スクレーパコンベア60がイ方向に周回しており、スクレーパコンベア60は、無端チェーン機構61にスクレーパ62を多数設けられている。図において、無端チェーン機構61は、切屑投棄口12に設けられたチェーン回転軸63により回転駆動され、この軸で折り返されて、ダーティ槽10の先端部の開口11に向かう。チェーン回転軸は、図1に示される動力源13が接続されている。ダーティ槽10の先端部には、従動軸(図示せず)が設けられており、折り返されて周回駆動されるのである。ダーティ槽10の左右側壁14、15には、スクレーパコンベア60の搬送方向に直交する方向の軸に支持された2台の濾過ドラム70、80が設けられている。図では、濾過ドラム70をダーティ槽から取り外した状態を示している。濾過ドラム70、80の一端の周部には、無端チェーン機構61と噛み合うスプロケット71、81が敷設されており、無端チェーン機構61の周動により回転駆動される。濾過ドラム70、80の他端の周部(図2の77)には、無端チェーン機構61と噛み合うスプロケットが設けられておらず、単なる円板状となっており、無端チェーン機構61はその上を滑る状態となっている。濾過ドラム70、80は、円筒状に巻かれたシート状フィルタ72、82を有しており、ダーティ槽10に漬って、そのクーラントを円筒内部に濾過するようになっている。
【0012】
ダーティ槽10の第1クリーン槽20側の壁14には第1クリーン槽20に至る開口144、145が設けられている。濾過ドラム80内に濾過されたクーラントは、スプロケット71、81の開口73、83及び壁14の開口144、145を通して、第1クリーン槽20に導入される。
【0013】
ポンプ31からの配管36は途中で分岐して、配管36a、74、84に接続されている。配管36aは、ポンプ31からクーラントを第2クリーン槽30内に案内し、周方向に吐出する。一方、配管74、84は、夫々濾過ドラム70、80の軸となるパイプ管76、86に接続して、クーラントを濾過ドラム70、80内に送っている。このようにして送られたクーラントは、ノズル(図中、濾過ドラム80内のノズル85を示した)から、シート状フィルタの内壁面に向けて噴出させている。パイプ管76、86は、第1クリーン槽20側の壁14、15に固定されており、スプロケット71、81はパイプ管76、86を軸として回転するようにベアリングを介してパイプ管76、86に接続されている。
【0014】
第2クリーン槽は、ポンプ31の横壁の位置から延びる螺旋状の仕切板4を有している。図3は、図2のA−A断面を示す図であって、図に示すように、仕切板はポンプ31の吸い込み口311の位置H1よりも高い位置H2を底面として、第2クリーン槽30にぶら下がるように設置されている。邪魔板7はポンプ31を取り囲む筒31aの側方に取り付けられており、螺旋状の仕切板4の端部5とポンプ31との間の通路を遮るものである。この邪魔板の底面は仕切板4と同様に、ポンプ31の吸い込み口311よりも高い位置にある。邪魔板7と仕切板4の端部5との間には、隙間6が設けられている。尚、図中、H3、H4は、第2クリーン槽30の最高水位、最低水位を示している。
【0015】
図4は、ダーティ槽10から第1、2クリーン槽20、30に至るクーラントの流れを示す図である。濾過ドラム70、80から開口73、83を介して第1クリーン槽20へ導入されたクーラントは、ガイド板21により、一端工作機械2側に流れ、その後流れの向きを180度転換してクリーン配管40に向けて流れる方向に転換し、第2クリーン槽30へ導入される。
【0016】
クリーン配管40は、筒状の経路であり、第1クリーン槽20と第2クリーン槽とを接続している。クリーン配管40の第2クリーン槽出口付近の断面を200により示したが、流れるクーラントの断面積(第1の断面積)はL1となっている。
【0017】
第2クリーン槽ではクーラントを工作機械2側へ循環供給するために、第2クリーン槽30の中央部においてポンプ31がクーラントを汲み上げている。クリーン配管40を経て第2クリーン槽30に流れ込んだクーラントは、側壁35に倣って進行し、90度方向を変えてポンプ31の横壁32を通り、前方側壁38に至る。側壁38の曲面により、クーラントの流れは連続的に180度転換する。これらの側壁35、38により、ポンプ31を中心として平面左向きの渦が発生する。図中の矢印ロは、クーラントの流れを示している。第1クリーン20槽及び第2クリーン槽30の側壁の形状は曲線で連続しているので、クーラントは第1クリーン槽20及び第2クリーン槽30の凹状の曲面により構成された側壁を伝わって、途中に滞留することなく、第2クリーン槽30のポンプ31に吸い込まれる。
【0018】
第1クリーン槽20と第2クリーン槽30のクーラントの流路の形状を説明する。
第1クリーン槽20は、断面矩形の箱状体であり、ガイド板21により分割されてクーラントの流路が形成されている。ガイド板21は、第1クリーン槽20の底からクーラント液面上まで延長されている。第1クリーン槽20の側壁22に倣ってクーラントが流れ、ガイド板21の裏側の流路に至る。濾過ドラムから流入したクーラントは、第1クリーン槽20の前方壁側22に流れ、曲線を描く前部側壁22を伝わって流れの向きを180度転換し、後部側壁23の曲面により、クリーン配管40を流れる方向に転換される。
【0019】
第2クリーン槽30は、断面が矩形状の箱状体であり、周囲を底部から垂直に立ち上がった壁で囲まれている。ポンプ31は、第2クリーン槽30の中心に設置される。具体的には、第2クリーン槽30の幅方向長さD2の中央であり、長さ方向の長さD3の中央である。ポンプ31がクーラントを汲み上げることにより、ポンプ31を中心とした渦がポンプ31の回りに発生する。この渦を維持するためには、第2クリーン槽30の形状は、図中、破線で示すように、ポンプ31を中心とし、直近の壁(横壁32)を半径する円とするのが良い。
【0020】
以降、クーラント断面積と言う語を使用するが、これはクーラントの流れる方向にクーラントを垂直に切った断面の面積であり、第2クリーン槽30及びクリーン配管40の側壁で構成される流路の形状が矩形で無い場合を想定して、本明細書において使用するものとする。尚、第2クリーン槽30及びクリーン配管40の側壁で構成される流路が垂直に起立した状態であって、クーラント底面が同一高さであるならば、クーラント断面積を規定する部材間の幅と読み替えても良いことは明らかである。
【0021】
クリーン配管40の流速を早くするため、第2クリーン槽30で作られる渦の断面積(断面202、203で示すポンプ31と壁42又は壁43との間のクーラント断面積L5、或いは断面204、205で示すポンプ31と壁32又は壁44との間のクーラント断面積L3)を、クリーン配管40のクーラントが流れる断面200のクーラント断面積L1よりも大きくなるようにしている。言い換えると、第2クリーン槽30は側壁が垂直に立ち上がっているため、ポンプ31は少なくともクーラント断面積L1をクーラント液面高さで除した値よりも大きな距離で周囲の壁から離れた位置に置かれている。
【0022】
尚、ポンプ31と壁との間のクーラント断面積の算定に当たっては、ポンプ31の吸い込み口311の直径は含まないものとする。
【0023】
配管36aにより、渦の旋回を補助するようにクーラントが流されている。配管36aによる流れを強くすれば、上記に規定したクーラント断面積の関係L1、L3、L5の関係は多少崩れても良くなる。すなわち、クーラント断面積L1がクーラント断面積L3或いはL5よりも大きくても渦を維持できるようになるが、ポンプ31の能力のうち渦発生のために用いる割合が増加し効率は下がる。
【0024】
ダーティ槽10から第1クリーン槽20に流れ込む水量が直径D2の円で規定される範囲に蓄えておける水量よりも大きい場合を想定して、第2クリーン槽30の幅として許容できる長さD3までポンプの中心Oを前後O1、O2に、移動した場合の円c1、c2の一部を側壁の凹曲面としている。その結果、直近の壁32又は、44を半径する円よりも大きい容量を第2クリーン槽30は有することになる。
【0025】
第2クリーン槽30の仕切板4は、横壁32からポンプ31を中心として、中心からの距離S1〜S6(45度ずつ図示した)を短縮する螺旋を描いており、ポンプ31の周囲を3/4周したところで終端する端部6を有する。この端部位置付近30aから第2クリーン槽30の側壁42或いは32までを流れるクーラントの断面積が、断面積L1以上となる位置に端部位置付近30aに離れて配置されている。第2クリーン槽30の側壁からこのように離したのは、クリーン配管40から、第2クリーン槽30に直接流入するクーラントの流れを阻害することを避けるためである。3/4周以上回ると、夾雑物が新たな渦に巻き込まれることになる。この終端の地点30aにおいて、浮遊している夾雑物を集積させる。図4において、白抜きの矢印ハは浮遊している夾雑物の流れる様子を示している。仕切板4の開始位置は、クーラントが90度方向転換した横壁32の位置が良いが、他の場所から開始しても構わない。尚、S1〜S6の全てにおいて順次、距離を短縮していく必要はなく、一つ飛ばし或いは2つ飛ばし、或いは任意に短縮してもかまわない。
【0026】
邪魔板7は、集積した夾雑物が再度、クリーン配管40から流れてくるクーラントの渦にのらないようにせき止めておくため、仕切板4による螺旋の半径方向に長さを持って設定されている。集積地点30aにおいては、オイルスキマー34が設置されており、夾雑物を救い上げている。オイルスキマー34については、後述するが、その吸着ベルトの面は螺旋の半径方向に設定される。従って、仕切板4の螺旋の半径を短縮することにより、クーラントの液面近くの領域の流速が低下しないようにする一方、クーラントに浮遊している夾雑物を一箇所に集積しやすいようにしている。
【0027】
クリーン配管40の後側の側壁41が第2クリーン槽の後側の側壁42に連続するものであり、かつ渦の半径がクリーン配管40の幅よりも大きいため、クリーン配管40から流れ込むクーラントは、渦に吸い込まれることになる。クーラントは、壁35に倣って進行し、方向を変えてポンプ31の横壁32を通り、壁38に至る。側壁38の曲面により、クーラントの流れは連続的に180度転換する。第2クリーン槽30の中央部において、クーラントはポンプ31から汲み上げられる。このように、第1クリーン槽20及び第2クリーン槽30の側壁の形状が曲線で連続しており、クーラントは滞留することなく第1ポンプ31に吸い込まれる。第1クリーン槽20と第2クリーン槽30及びクリーン配管40の底面は同一の水平レベルにある。
【0028】
一方、ポンプ31から吸い上げられた細かな異物を含むクーラントは工作機械2に供給されたり、再度濾過ドラム70、80のフィルタの洗浄、或いは第2クリーン槽の渦生成の補助に利用されるが、このように循環している間に、クーラント中の細かな異物は大きな切り屑に付着して最終的には切屑投棄口12(図1から)掻き出されることになる。
【0029】
図5は、オイルスキマー34を示している。このオイルスキマー34は、一般的なもので、ポンプ31の後ろ側の位置に設けられる。ポンプ31の後ろ側としたのは、ポンプ31の工作機械2側には、工作機械2への配管36が伸びているからである。
【0030】
第2クリーン槽30内のクーラントの渦により、液面に浮遊した油とスラッジとからなる夾雑物Qが、仕切板4を伝わってポンプ31の後方の地点30aへ流れる。オイルスキマー34は、この位置に流れ着いた夾雑物Qを吸着して取り出す。オイルスキマー34は第2クリーン槽30の中にクーラントに浸漬させて配設した従動ロール101と,従動ロールの上方に配設した戻しロール102と,両者の間に,回動可能に張設した吸着ベルト103とを有する。吸着ベルト103のベルト面は、ダーティ槽10の壁面15側に向けて設定されている。戻しロール102には,駆動用モータ(図示せず)が接続されている。
【0031】
戻しロール102から戻ってくる吸着ベルト103の側面には,夾雑物P及び水分からなる混合物が吸着しており、これを掻きとるための掻き取りシュート104を有する。また,掻き取りシュート104の下方には,混合物を収容するタンク105が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施例の浮遊夾雑物回収装置を示す図である。
【図2】浮遊夾雑物回収装置の一部断面図である。
【図3】仕切板の設置状況を示す図である。
【図4】第1、第2クリーン槽内におけるクーラントの流れを示す図である。
【図5】オイルスキマーを示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1…浮遊夾雑物回収装置1
4…仕切板
7…邪魔板
10…ダーティ槽
20…第1クリーン槽
30…第2クリーン槽
31…ポンプ
34…オイルスキマー
40…クリーン配管
60…無端チェーン機構
70、80…濾過ドラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械から排出されたクーラントに浮遊する夾雑物を回収する浮遊夾雑物回収装置において、
濾過されたクーラントを流すクリーン配管と、
前記クリーン配管が接続され周囲を側壁で囲われたクリーン槽であって、前記クリーン配管の一方側の側壁面が連続して延長されており、かつ前記クリーン配管の壁面が連続した側壁から前記クリーン配管の他方側の壁面に至る周囲の側壁は凹曲面を含む連続的な面として構成されているクリーン槽と、
前記クーラント槽の周囲の壁から離れて平面視中央付近に設けられクーラント槽からクーラントを汲み上げて工作機械にクーラントを循環させるポンプと、
前記クーラント槽の側壁から前記ポンプを中心として平面視において中心からの距離を縮小させて3/4周の範囲で終端し、かつその高さ方向の底面の位置は前記ポンプの汲み上げ口よりも高く、クーラント液面上まで延在した螺旋状の仕切板と、
前記仕切板の終端位置に配置され、クーラント液面から夾雑物を回収するオイルスキマーとを有することを特徴とする浮遊夾雑物回収装置。
【請求項2】
請求項1の浮遊夾雑物回収装置において、前記クリーン配管は濾過されたクーラントを第1の断面積で流す配管であって、前記ポンプと周囲の壁とは、これらの間のクーラントが前記第1の断面積よりも大きな断面積を持つように配置されていることを特徴とする浮遊夾雑物回収装置。
【請求項3】
請求項1の浮遊夾雑物回収装置において、前記オイルスキマーの後方であって、前記ポンプと前記仕切板の終端との間に配置され、高さ方向の底面の位置は前記ポンプの汲み上げ口よりも高く、クーラント液面上まで延在した邪魔板を有することを特徴とする浮遊夾雑物回収装置。
【請求項4】
請求項1の浮遊夾雑物回収装置において、前記クリーン配管の壁面が連続した側壁と前記仕切板の終端との間を流れるクーラントは前記第1の断面積よりも大きな断面積を持つように離れて配置されていることを特徴とする浮遊夾雑物回収装置。
【請求項5】
請求項1の浮遊夾雑物回収装置において、前記オイルスキマーは、クーラント液面下から上方に向けてベルトを周回させることを特徴とする浮遊夾雑物回収装置。
【請求項6】
請求項1の浮遊夾雑物回収装置において、前記ポンプからクーラントをクリーン槽内に案内し、周方向に吐出させる配管を有することを特徴とする浮遊夾雑物回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−226493(P2009−226493A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70971(P2008−70971)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000133939)テラル株式会社 (48)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】