説明

浴室収納箱

【課題】浴室暖房乾燥機を有効に利用して内部の収納空間を乾燥させることができる浴室収納箱を提供する。
【解決手段】浴室暖房乾燥機1を備えた浴室2に設けられる浴室収納箱3であって、浴室2内に臨む開口30を有してその内部が収納空間31となる箱体32を設けると共に前記開口30に開閉自在な扉33を設け、浴室2外に設置した浴室暖房乾燥機本体11に接続されて吸気が可能なダクト12の先端を前記箱体32に接続して収納空間31と連通し、箱体32に吸気管34の一端を接続して収納空間31と連通すると共に、吸気管34の他端を浴室2内よりも低湿度の浴室2外の空間に連通した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室暖房乾燥機を備えた浴室に設ける浴室収納箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室収納箱を備えた浴室が知られている(例えば特許文献1参照)。浴室収納箱は、浴室内に向けて開口する箱体を浴室壁に埋設等により設置すると共に、箱体の開口に扉を設け、箱体内をシャンプー、リンス等のボトルや洗面用具等を収納する収納空間とするものである。
【0003】
上記浴室収納箱を備えた浴室においては、ボトルや洗面用具等を箱体内に収納することができるものの、浴室内は高湿度であるため、箱体内に収納した収納物にかびが生えてしまうものであった。
【0004】
ところで近年、浴室暖房乾燥機を備えた浴室が広く普及してきている(例えば特許文献2参照)。浴室暖房乾燥機は、本体を浴室外に設置すると共にダクトを浴室内に接続して、浴室内の暖房、乾燥及び換気を行うものである。
【特許文献1】特開平8−131269号公報
【特許文献2】特開2002−206782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、浴室暖房乾燥機を備えた浴室にあっては、浴室暖房乾燥機を有効に利用して浴室収納箱内を乾燥させることが望まれていた。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、浴室暖房乾燥機を有効に利用して内部の収納空間を乾燥させることができる浴室収納箱を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、浴室暖房乾燥機1を備えた浴室2に設けられる浴室収納箱3であって、浴室2内に臨む開口30を有してその内部が収納空間31となる箱体32を設けると共に前記開口30に開閉自在な扉33を設け、浴室2外に設置した浴室暖房乾燥機本体11に接続されて吸気が可能なダクト12の先端を前記箱体32に接続して収納空間31と連通し、箱体32に吸気管34の一端を接続して収納空間31と連通すると共に、吸気管34の他端を浴室2内よりも低湿度の浴室2外の空間に連通して成ることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、浴室暖房乾燥機1によって収納空間31から高湿度の空気を排出すると共に、浴室2内よりも低湿度の空気を収納空間31内に導入することができて、収納空間31内を乾燥させて低湿度を維持することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、扉33と箱体32の開口30周縁部との間にパッキン35を介在させて成ることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、収納空間31内の低湿度の維持がより一層確実に行えるものであると共に、パッキン35が湿気を吸いこんで劣化が促進されることもない。
【発明の効果】
【0011】
本発明にあっては、浴室暖房乾燥機によって収納空間から高湿度の空気を排出すると共に、浴室内よりも低湿度の空気を収納空間内に導入することができて、浴室に備えた浴室暖房乾燥機を有効に利用して、収納空間内を乾燥させて低湿度を維持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について添付図面に基づいて説明する。図1に本発明の一実施例の浴室の斜視図を示し、図2には図1とは配置が異なる他例の浴室の正面図を示し、図3に浴室収納箱の斜視図を示す。図1中の符号は浴槽21を示し、符号は浴室への出入口22を示す。
【0013】
浴室2は、浴室暖房乾燥機1を備えている。浴室暖房乾燥機1については一般に普及しているもので、特に限定はされないが、浴室2外(例えば浴室2の天井)に浴室暖房乾燥機本体11を設置してあり、浴室暖房乾燥機本体11の内部を直接又はダクト12を介して浴室2内に連通してあり、浴室暖房乾燥機本体11から浴室2内に暖気を供給したり、あるいは浴室2内の空気を吸気して浴室2外に排気することで換気を行ったり、あるいは浴室2内の空気を吸気して除湿を行い、再び浴室2内に供給して乾燥を行ったりすることができる。
【0014】
浴室収納箱3は、前面に浴室2内に臨む開口30を有する箱体32を浴室2壁面に埋設固定したり浴室2内に設置することで設け、前記開口30に開閉自在な扉33を設け、箱体32の内部を収納空間31とするもので、収納空間31にシャンプー、リンス等のボトルや洗面用具、その他浴室2で使用する物を収納する。扉33は、その一辺を箱体32の開口30周縁部の一辺に丁番等(図示せず)により枢支して開閉自在としている。また、図3に示すように、箱体32の開口30周縁部(図3では見えないが開口30の扉33を枢支する側の辺を含む全ての辺)にパッキン35を取り付けて、扉33と箱体32の開口30周縁部との間にパッキン35が介在するようにしており、扉33を閉じた時に扉33と箱体32との間を介して高湿度の浴室2内の空気が収納空間31内に侵入しないようにして気密性を高めている。
【0015】
浴室収納箱3には、浴室暖房乾燥機1のダクト12の先端が接続されて収納空間31と連通しており、ダクト12を介して浴室暖房乾燥機本体11により収納空間31の空気を吸気して換気を行うことが可能となっている。そして、収納空間31の空気を吸気する際に、収納空間31内に低湿度の空気を導入するための吸気管34を設けるものである。
【0016】
吸気管34は、一端を箱体32に接続して内部の収納空間31と連通すると共に、他端を浴室2内よりも低湿度の浴室2外の空間に連通している。浴室2内よりも低湿度の浴室2外の空間としては、例えば浴室2と隣接する脱衣室や、屋根裏や、屋外等が挙げられるが、特に限定されない。吸気管34は、浴室2の出入口22を通して浴室2外へと導出したり、浴室2壁を貫通して浴室2外へと導出したり、あるいは箱体32を浴室2壁面に埋設固定するものにあっては箱体32の奥壁を貫通して浴室2外へと導出してもよい。
【0017】
上記浴室収納箱3は、使用者が浴室2内から扉33を開けてボトルや洗面用具等を収納空間31に収納し、扉33を閉める。収納空間31内の空気は、浴室暖房乾燥機本体11によってダクト12を介して吸気されると共に、吸気管34を介して低湿度の空気が導入される。これにより、収納空間31内に浴室2内から高湿度の空気が流入しても、この高湿度の空気を浴室暖房乾燥機1によって収納空間31から排出すると共に、浴室2内よりも低湿度の空気を浴室2外から収納空間31内に導入することができて、収納空間31内を乾燥させて低湿度を維持することが可能となる。
【0018】
また、扉33と箱体32の開口30周縁部との間にパッキン35を介在させるには、収納空間31内を乾燥させて低湿度を維持することができないと、パッキン35が湿気を吸いこんで劣化が促進されてしまうため、パッキン35を設けようとするとパッキン35を頻繁に交換する必要があると共に手間がかかるという問題があり、従来はパッキン35を設けるのを回避してきたが、本発明のように収納空間31内を乾燥させて低湿度を維持することが可能であると、パッキン35が湿気を吸いこんで劣化が促進されることがないため、パッキン35を設けても上記のような問題がなく、パッキン35により収納空間31内の低湿度の維持がより一層確実に行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例の浴室の斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例の浴室の正面図である。
【図3】浴室収納箱の斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1 浴室暖房乾燥機
11 浴室暖房乾燥機本体
12 ダクト
2 浴室
21 浴槽
22 出入口
3 浴室収納箱
30 開口
31 収納空間
32 箱体
33 扉
34 吸気管
35 パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室暖房乾燥機を備えた浴室に設けられる浴室収納箱であって、浴室内に臨む開口を有してその内部が収納空間となる箱体を設けると共に前記開口に開閉自在な扉を設け、浴室外に設置した浴室暖房乾燥機本体に接続されて吸気が可能なダクトの先端を前記箱体に接続して収納空間と連通し、箱体に吸気管の一端を接続して収納空間と連通すると共に、吸気管の他端を浴室内よりも低湿度の浴室外の空間に連通して成ることを特徴とする浴室収納箱。
【請求項2】
扉と箱体の開口周縁部との間にパッキンを介在させて成ることを特徴とする請求項1記載の浴室収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−52852(P2009−52852A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−221829(P2007−221829)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(505154956)パナソニック電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】