説明

浴室戸

【課題】 ガラリの掃除が簡単に行える浴室戸の提供。
【解決手段】 浴室側に上垂下片2を有する上側下框材1と、脱衣室側に立上げ片4を有する下側下框材3と、上側下框材1と下側下框材3の間に設けた遮蔽ユニット5とを備え、遮蔽ユニット5は、左右のサイドプレート6,6と、サイドプレート間に上側下框材1の上垂下片2と連続するように設けた浴室側垂下片7と、サイドプレート間の下部に設けた横材8とを有し、浴室側から操作可能な操作部9を操作することで操作部の突起10がサイドプレート6を越えて竪框11,12側に係脱し、遮蔽ユニット5を浴室側に着脱自在とすると共に、浴室側垂下片7の下方に浴室側開口部36を形成し、上垂下片2の脱衣室側に脱衣室側開口部27を形成し、浴室側開口部36と脱衣室側開口部27間に通気路42を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部に換気用のガラリを備えた浴室戸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の浴室戸においては、換気のために下部にガラリを設けたものがある。浴室戸の換気ガラリはカビや湯垢等で汚れやすく、簡単にガラリ内部を掃除できる構造が求められている。
特許文献1には、浴室側に上垂下片を有する上側下框構成材と、脱衣室側に下立上げ片を有する下側下框構成材と、上側下框構成材と下側下框構成材の間に配置したクランク状の中間下框構成材とでガラリ部が構成され、上垂下片を可動式にして換気通路を浴室側に開放し得るようにしたもの、下立上げ片を可動式にして換気通路を脱衣室側に開放し得るようにしたもの、中間下框構成材を可動式にしたものが開示されている。しかしこの浴室戸は、上垂下片と下立上げ片と中間下框構成材のうちの何れかを可動させられるだけで、これを可動させても浴室側から掃除しづらい部分が残り、例えば中間下框構成材を可動させた場合には、上垂下片の脱衣室側の面は浴室側からは掃除しづらい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4017569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、ガラリの掃除が簡単に行える浴室戸の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による浴室戸は、浴室側に上垂下片を有する上側下框材と、脱衣室側に立上げ片を有する下側下框材と、上側下框材と下側下框材の間に設けた遮蔽ユニットとを備え、遮蔽ユニットは、左右のサイドプレートと、サイドプレート間に上側下框材の上垂下片と連続するように設けた浴室側垂下片と、サイドプレート間の下部に設けた横材とを有し、浴室側から操作可能な操作部を操作することで操作部の突起がサイドプレートを越えて竪框側に係脱し、遮蔽ユニットを浴室側に着脱自在とすると共に、浴室側垂下片の下方に浴室側開口部を形成し、上垂下片の脱衣室側に脱衣室側開口部を形成し、浴室側開口部と脱衣室側開口部間に通気路を形成したことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明による浴室戸は、請求項1記載の発明の構成に加え、サイドプレートは横材の内部に挿入する突部を有し、突部に形成した左右方向の長孔に操作部がガイドされていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明による浴室戸は、請求項1又は2記載の発明の構成に加え、下側下框材の立上げ片が遮蔽ユニットの横材よりも上方までのび、浴室側垂下片の脱衣室側に重なっていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明による浴室戸は、請求項1記載の発明の構成に加え、操作部がサイドプレートに形成した突起にガイドされて左右にスライド可能としてあることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明による浴室戸は、請求項1又は4記載の発明の構成に加え、遮蔽ユニットの横材に立上げ片を有し、横材の立上げ片が浴室側垂下片の脱衣室側に重なっていることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明による浴室戸は、請求項1,2,3,4又は5記載の発明の構成に加え、遮蔽ユニットを取り外したときに、浴室側垂下片を分離できることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明による浴室戸は、請求項1,2,3,4,5又は6記載の発明の構成に加え、操作部の突起は、竪框のパネル嵌め込み溝に係合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明による浴室戸は、浴室側から操作部を操作して遮蔽ユニットを簡単に着脱でき、遮蔽ユニットを取り外すことでガラリの掃除が簡単に行える。遮蔽ユニットは、左右のサイドプレート間に浴室側垂下片と横材を設けたシンプルな構造のため、掃除がしやすい。遮蔽ユニットは、上側下框材の上垂下片と下側下框材の立上げ片とで見込み方向位置が規制され、且つ操作部の突起が竪框側に係合することで、安定して取付けできる。
【0013】
請求項2記載の発明による浴室戸は、サイドプレートの突部を横材の内部に挿入することで遮蔽ユニットの組立てが容易に行える。また、サイドプレートの突部に形成した左右方向の長孔に操作部をガイドすることで、遮蔽ユニットの着脱操作が安定して行える。さらに、操作部のガイド部が外部に露出しないので、意匠性もよい。
【0014】
請求項3記載の発明による浴室戸は、下側下框材の立上げ片が遮蔽ユニットの横材よりも上方までのび、浴室側垂下片の脱衣室側に重なっていることで、シャワーの水等を浴室側垂下片と立上げ片とで確実に遮断でき、遮蔽ユニットを取り外すことで浴室側垂下片と立上げ片とが分離するため、浴室側垂下片と立上げ片の内側面の掃除が容易に行える。
【0015】
請求項4記載の発明による浴室戸は、操作部をサイドプレートに形成した突起にガイドして左右にスライド可能としたので、操作部をサイドプレートに容易に組み付けでき、遮蔽ユニットの着脱操作も安定して行える。
【0016】
請求項5記載の発明による浴室戸は、遮蔽ユニットの横材に立上げ片を有し、横材の立上げ片が浴室側垂下片の脱衣室側に重なるようにしたので、シャワーの水等を浴室側垂下片と横材の立上げ片とで確実に遮断できる。下側下框材の立上げ片は換気通路とは無関係になるので、下側下框材の立上げ片を短くできる。
【0017】
請求項6記載の発明による浴室戸は、遮蔽ユニットを取り外したときに浴室側垂下片を分離できるため、遮蔽ユニットの掃除が一層容易になる。特に、横材に浴室側垂下片の脱衣室側に重なる立上げ片を設けた場合に、浴室側垂下片を取り外すことで浴室側垂下片と立上げ片の内側面を容易に掃除でき、効果的である。
【0018】
請求項7記載の発明による浴室戸は、竪框のパネル嵌め込み溝を利用して遮蔽ユニットを合理的に取付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図3のA−A断面図である。
【図2】第1実施形態の浴室戸の遮蔽ユニットの分解斜視図である。
【図3】第1実施形態の浴室戸の下部を拡大して示す浴室側正面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】図3のC−C断面図である。
【図6】本発明の浴室戸の第1実施形態を示す浴室側正面図である。
【図7】図3のC−C断面図であって、遮蔽ユニットを取外すときの状態を示す。
【図8】遮蔽ユニットを着脱するときの状態を示す浴室戸下部の縦断面図である。
【図9】第1実施形態の浴室戸の遮蔽ユニットの変形例を示す縦断面図である。
【図10】図9に示す遮蔽ユニットを浴室戸から取外した上で、その浴室側垂下片を分離した状態を示す縦断面図である。
【図11】第1実施形態の浴室戸の他の変形例を示す横断面図である。
【図12】本発明の浴室戸の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図13】第2実施形態の浴室戸の遮蔽ユニットの分解斜視図である。
【図14】同遮蔽ユニットを浴室戸から取外した上で、その浴室側垂下片を分離した状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜6は、本発明の浴室戸の第1実施形態を示している。本浴室戸は、図6に示すように、ドア枠18と、ドア枠18に上下のピボットヒンジ19a,19bにより支持された浴室戸本体20とで構成され、浴室戸本体20は浴室側に回動して開くようになっている。浴室戸本体20は、アルミニウム合金の押出形材で形成した上框21と下框22と戸先框11と吊元框12とを框組みし、この框体に樹脂製のパネル23を組み込んで構成してあり、下框22の部分に換気用のガラリ24を備えている。
【0021】
下框22は、図1に示すように、上側下框材1と、その下方に間隔をおいて設けた下側下框材3と、上側下框材1と下側下框材3との間に設けた遮蔽ユニット5とで構成されている。遮蔽ユニット5は、図8に示すように、浴室側に着脱できるようになっている。
上側下框材1は、図1に示すように、上面にパネル嵌め込み溝25を有し、パネル嵌め込み溝25内にパネル23の下縁部をグレチャン26を介して保持している。上側下框材1の浴室側面には、短い上垂下片2を有している。
下側下框材3は、上面が脱衣室側が高くなるように略階段状に形成されており、脱衣室側面に上方に高く立ち上がる立上げ片4を有しており、上側下框材1と立上げ片4との間に脱衣室側開口部27を形成している。脱衣室側開口部27は、上垂下片2の脱衣室側に位置している。
【0022】
戸先框11と吊元框12は、図4に示すように、内周側に開口したパネル嵌め込み溝17を有し、パネル嵌め込み溝17内にパネル23の側縁部をグレチャン26を介して保持している。上側下框材1から下の部分では、図5に示すように、パネル嵌め込み溝17の開口縁部が切除され、パネル嵌め込み溝17内に樹脂製の縁部材28を設けている。縁部材28は、図3,5に示すように、上側下框材1及び下側下框材3の小口とパネル嵌め込み溝17の底面間に挟み込むようにして取付けてある。縁部材28は、下側下框材3の立上げ片4の左右両側の縁部の脱衣室側を被うカバー片29を有している。さらに縁部材28は、後述するツマミ9の突起10が係合する受け孔30を有している。
【0023】
遮蔽ユニット5は、図1〜3に示すように、左右のサイドプレート6,6と、サイドプレート6,6間の上部に設けた浴室側垂下片7と、サイドプレート6,6間の下部に設けた横材8とを有している。左右のサイドプレート6,6は樹脂製で、浴室側垂下片7と横材8はアルミニウム合金の押出形材で形成してある。浴室側垂下片7は、上部にタッピングホール31を有しており、サイドプレート6に形成した溝32に両側の縁部が保持されると共に、タッピングホール31に螺入するネジ33でサイドプレート6に固定してある。浴室側垂下片7は、図1に示すように、上側下框材1の上垂下片2の下端より連続して垂下するように配置され、浴室側垂下片7と下側下框材3の立上げ片4とが見込み方向に重なっている。
横材8は中空材となっており、中空部内の下部にタッピングホール34を有しており、サイドプレート6に形成した突部13を横材8の中空部内に挿入し、且つタッピングホール34に螺入するネジ35でサイドプレート6に固定してある。横材8の上面は、脱衣室側が高くなるように傾斜しており、脱衣室側の端部が下側下框材3の立上げ片4に当接している。横材8は、下側下框材3の上面に載置され、下側下框材3の立上げ片4が横材8よりも上方まで立ち上がっている。浴室側垂下片7の下方の横材8との間に浴室側開口部36が形成され、この浴室側開口部36と脱衣室側開口部27間に浴室側と脱衣室側とに連通する通気路42がクランク状に形成されている。
【0024】
横材8上の左右両端部の位置には、遮蔽ユニット5の着脱用のツマミ9,9が設けてある。ツマミ9は、図2に示すように、下面に下向き突部37を有し、サイドプレート6の突部13と横材8の上面に形成した左右方向の長孔14に下向き突部37を係合し、左右方向にスライド可能に設けてある。下向き突部37には、抜け止め用の爪38が設けてある。また、ツマミ9の竪框(戸先框,吊元框)11,12側の面には突起10が設けてあり、この突起10は図5に示すようにサイドプレート6の孔43を貫通し、竪框11,12のパネル嵌め込み溝17内に設けた縁部材28の受け孔30に係合している。
【0025】
ガラリ24の内部を掃除する際には、図7に示すように、浴室側からツマミ9,9を竪框11,12から離れる方向にスライド操作し、するとツマミ9,9の突起10,10が受け孔30,30から抜けるので、その後、図8に示すように、下部側を手前に回動させながら斜め下方に引き出すようにして、遮蔽ユニット5を浴室側に簡単に取外すことができる。このように遮蔽ユニット5を取外すことで、ガラリ24の内部、即ち浴室側垂下片7の脱衣室側の面や、横材8の上面、下側下框材3の立上げ片4の浴室側面、上側下框材1の上垂下片2の脱衣室側の面まで、容易に掃除することができる。
遮蔽ユニット5を取付ける際は、浴室側から遮蔽ユニット5を脱衣室側に倒しつつ遮蔽ユニット5の上部を上側下框材1の上垂下片2の脱衣室側に差し入れ、遮蔽ユニット5の横材8を下側下框材3上に載置することで、遮蔽ユニット5を仮置きする。このとき、上側下框材1の上垂下片2と下側下框材3の立上げ片4とで遮蔽ユニット5の見込み方向位置が規制される。その後、左右のツマミ9,9を竪框11,12側にスライドさせてツマミの突起10,10を竪框11,12の受け孔30,30に係合することで、遮蔽ユニット5が固定される。このように、遮蔽ユニット5を仮置きしてからツマミ9を操作して固定するため、遮蔽ユニット5の取付けも簡単に行うことができる。
【0026】
以上に述べたように本浴室戸は、浴室側からのツマミ9の操作により遮蔽ユニット5を浴室側に簡単に取外すことができ、遮蔽ユニット5を取外すことでガラリ24の内部の掃除が隅々まで容易に行うことができる。こうして浴室掃除のついでに手早く掃除できるので、ガラリ24がカビ等で汚れるのを防ぎ、常に清潔な状態に保つのが容易である。遮蔽ユニット5は、左右のサイドプレート6,6間に浴室側垂下片7と横材8を設けたシンプルな構造のため、掃除がしやすい。浴室側垂下片7と横材8とにタッピングホール31,34を設け、浴室側垂下片7と横材8をサイドプレート6にネジ33,35で固定したので、遮蔽ユニット5に堅牢性を持たせられる。また遮蔽ユニット5は、上側下框材1の上垂下片2と下側下框材3の立上げ片4とで見込み方向位置が規制され、且つツマミ9の突起10が竪框11,12のパネル嵌め込み溝17内に設けた縁部材28の受け孔30に係合することで、安定して取付けできる。サイドプレート6の突部13を横材8の中空部内に挿入することで、遮蔽ユニット5の組立てが容易に行える。また、サイドプレート6の突部13に形成した左右方向の長孔14にツマミ9をガイドすることで、遮蔽ユニット5の着脱操作が安定して行える。さらに、ツマミ9のガイド部が外部に露出しないので、意匠性もよい。下側下框材3の立上げ片4が遮蔽ユニット5の横材8よりも上方までのび、浴室側垂下片7の脱衣室側に重なっていることで、シャワーの水等を浴室側垂下片7と立上げ片4とで確実に遮断でき、遮蔽ユニット5を取り外すことで浴室側垂下片7と立上げ片4とが分離するため、浴室側垂下片7と立上げ片4の内側面の掃除が容易に行える。また、上側下框材1の上垂下片2は短いため、上垂下片2の脱衣室側の面や上側下框材1の下面も浴室側から容易に掃除できる。ツマミ9の突起10を竪框11,12のパネル嵌め込み溝17内に係合することで、遮蔽ユニット5の取付けがパネル嵌め込み溝17を利用して合理的に行える。さらに、竪框11,12のパネル嵌め込み溝17内に設けた縁部材28により、サイドプレート6と竪框11,12の間から脱衣室側に水が浸入するのを防止できる。
【0027】
図9は、第1実施形態の浴室戸の変形例を示している。この例では、遮蔽ユニット5の浴室側垂下片7にタッピングホール31が設けてなく、浴室側垂下片7は左右のサイドプレート6の溝32に両側の縁部を上方から差し入れただけで保持してある。浴室側垂下片の上部7aが脱衣室側に曲がっているため、浴室側垂下片7が下方に抜け落ちることはない。
このような構成とすると、遮蔽ユニット5を浴室戸から取外したときに、図10に示すように、浴室側垂下片7を上方に抜き取り、遮蔽ユニット5と分離することができる。これにより掃除がより一層簡単に行え、浴室側垂下片7の交換も容易に行える。
【0028】
図11は、第1実施形態の浴室戸の他の変形例を示している。この例では、ツマミ9の突起10が竪框11,12のパネル嵌め込み溝17の開口縁部に直接係合するようにしている。
このように構成すれば、竪框11,12に別部材を設けたり、パネル嵌め込み溝17を切り欠いたりすることなく遮蔽ユニット5を取付けでき、より一層の合理化が図られる。
【0029】
図12,13は、本発明の浴室戸の第2実施形態を示している。本実施形態では、下側下框材3の立上げ片4を短くし、遮蔽ユニット5の横材8に浴室側垂下片7の脱衣室側に重なる立上げ片16を設けている。横材8の脱衣室側面には、下側下框材3の立上げ片4に当接するタイト材39を設けている。タイト材39は、横材8の立上げ片16と下側下框材3の立上げ片4とで隠れ、外部から見えないようになっている。横材8にはタッピングホール34が下向きに開口して設けてあり、タッピングホール34内に水やゴミ等が溜まらないようにしている。
左右のサイドプレート6,6間の上部には上横材40がネジ41で取付けてあり、浴室側垂下片7は両側の縁部をサイドプレート6の溝32に上方から差し入れると共に、脱衣室側に曲がった上部7aを上横材40に係止させて取付けてある。
ツマミ9は、サイドプレート6に形成した突起15をガイド孔44に挿入することで、左右方向にスライド可能に取付けてある。ツマミ9の突起10は、図3,5に示すように、竪框11,12のパネル嵌め込み溝17内に設けた縁部材28の受け孔30に係合させてもよいし、図11に示すように、竪框11,12のパネル嵌め込み溝17に直接係合させてもよい。
【0030】
上記第2実施形態の浴室戸は、第1実施形態のものと同様に、浴室側からのツマミ9の操作により遮蔽ユニット5を浴室側に簡単に取外すことができる。遮蔽ユニット5を取外すと、図14に示すように、浴室側垂下片7を上方に抜き取り、遮蔽ユニット5と分離することができ、これによりガラリ24の内部を隅々まで容易に掃除することができる。サイドプレート6,6間に上横材40をネジ41で固定して設けたので、上述のように浴室側垂下片7を簡単に分離できる構造としながら、遮蔽ユニット5の堅牢性を確保できる。遮蔽ユニット5の横材8に浴室側垂下片7の脱衣室側に重なる立上げ片16を設けたので、遮蔽ユニット5だけで通気路42が構成され、下側下框材3の立上げ片4は通気路42とは無関係になるので、下側下框材3の立上げ片4を短くでき、下側下框材3の掃除が容易になる。また、下側下框材3の短い立上げ片4により、遮蔽ユニット5の下部側の位置を規制できると共に、下側下框材3と横材8の間から浸入した水を堰き止めることができる。さらに、横材8に下側下框材3の立上げ片4に当接するタイト材39を設けたので、遮蔽ユニット5と下側下框材3の間からの水の浸入を確実に防止できる。ツマミ9をサイドプレート6の突起15にガイドして設けたことで、ツマミ9をサイドプレート6に容易に組み付けることができ、横材8等にはツマミ9取付用の長孔等を設ける必要がないため、ツマミ9の取付部分の構造を簡略化できる。横材8は非中空材のため、横材8の浴室側から見た見付寸法をスリムにできる。
【0031】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。本発明の浴室戸は、開き戸に限らず折戸や引戸等とすることもできる。戸自体のデザインは任意である。操作部の形状や動かし方は適宜変更することができ、実施形態のような浴室側面に突部を有するツマミ9に限らず、例えば浴室側面に指を引っ掛けるための凹部を形成したもの等であってもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 上側下框材
2 上垂下片
3 下側下框材
4 立上げ片
5 遮蔽ユニット
6 サイドプレート
7 浴室側垂下片
8 横材
9 ツマミ(操作部)
10 ツマミ(操作部)の突起
11 戸先框(竪框)
12 吊元框(竪框)
13 サイドプレートの突部
14 長孔
15 サイドプレートの突起
16 立上げ片
17 竪框のパネル嵌め込み溝
24 ガラリ
27 脱衣室側開口部
36 浴室側開口部
42 通気路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室側に上垂下片を有する上側下框材と、脱衣室側に立上げ片を有する下側下框材と、上側下框材と下側下框材の間に設けた遮蔽ユニットとを備え、遮蔽ユニットは、左右のサイドプレートと、サイドプレート間に上側下框材の上垂下片と連続するように設けた浴室側垂下片と、サイドプレート間の下部に設けた横材とを有し、浴室側から操作可能な操作部を操作することで操作部の突起がサイドプレートを越えて竪框側に係脱し、遮蔽ユニットを浴室側に着脱自在とすると共に、浴室側垂下片の下方に浴室側開口部を形成し、上垂下片の脱衣室側に脱衣室側開口部を形成し、浴室側開口部と脱衣室側開口部間に通気路を形成したことを特徴とする浴室戸。
【請求項2】
サイドプレートは横材の内部に挿入する突部を有し、突部に形成した左右方向の長孔に操作部がガイドされていることを特徴とする請求項1記載の浴室戸。
【請求項3】
下側下框材の立上げ片が遮蔽ユニットの横材よりも上方までのび、浴室側垂下片の脱衣室側に重なっていることを特徴とする請求項1又は2記載の浴室戸。
【請求項4】
操作部がサイドプレートに形成した突起にガイドされて左右にスライド可能としてあることを特徴とする請求項1記載の浴室戸。
【請求項5】
遮蔽ユニットの横材に立上げ片を有し、横材の立上げ片が浴室側垂下片の脱衣室側に重なっていることを特徴とする請求項1又は4記載の浴室戸。
【請求項6】
遮蔽ユニットを取り外したときに、浴室側垂下片を分離できることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の浴室戸。
【請求項7】
操作部の突起は、竪框のパネル嵌め込み溝に係合することを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の浴室戸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−233341(P2012−233341A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102448(P2011−102448)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【Fターム(参考)】