説明

浴室用すのこ

【課題】クッション性や保温性に優れるうえ、消臭や防音、有害物質の吸着等の効果を発揮する浴室用すのこを提供する。
【解決手段】すのこ本体1の上面に炭化コルクからなるコルク板2を敷設したことにより、コルク板2のクッション性により、誤って転倒したとしても従来より安全性が格段に優れる。また、コルク板2が損傷したとしても怪我をする危険性がほとんどない。さらに、コルク板2は保温性が極めて高いため、肌触りも暖かいうえ、光熱費も節減することができる。また、炭化コルクは防音効果に優れることから、湯水を流したり洗面器や浴室椅子から発する音が響くのが大幅に軽減される。さらに、炭化コルクは消臭性に優れ、浴室内にいやな臭いがこもるのが軽減される。しかも、炭化コルクは有害物質を吸着するため、浴室内の環境を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットバス等の浴室の洗い場に敷設するのに適した浴室用すのこに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室にはすのこを敷くことが行なわれ、例えば、下記の特許文献1には、上面をタイル張りとしたすのこが提案されている。
【特許文献1】特開2003−70662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記タイル張りすのこでは、陶磁器製のタイルにはクッション性がないため、誤って足を滑らせたりして転倒すると怪我をしやすいという問題がある。また、陶磁器製のタイルが欠けたり損傷したりすると、損傷箇所が鋭利となり、非常に危険でもある。また、陶磁器製のタイルは保温性が極めて低いため、特に冬場は肌触りが冷たく感じてしまうという問題もある。さらに、陶磁器製タイルでは、消臭や防音、有害物質の吸着等には全く効果を発揮しない。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、クッション性や保温性に優れるうえ、消臭や防音、有害物質の吸着等の効果を発揮する浴室用すのこの提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の浴室用すのこは、すのこ本体の上面に炭化コルクからなるコルク板を敷設したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
すなわち、本発明の浴室用すのこは、すのこ本体の上面に炭化コルクからなるコルク板を敷設しているため、コルク板のクッション性により、誤って転倒したとしても従来より安全性が格段に優れる。また、コルク板が損傷したとしても怪我をする危険性がほとんどない。さらに、コルク板は保温性が極めて高いため、肌触りも暖かいうえ、光熱費も節減することができる。また、炭化コルクは防音効果に優れることから、湯水を流したり洗面器や浴室椅子から発する音が響くのが大幅に軽減される。さらに、炭化コルクは、消臭性に優れ、浴室内にいやな臭いがこもるのが軽減される。さらに、炭化コルクは、有害物質を吸着するため、浴室内の環境を向上させる。
【0007】
本発明において、上記すのこ本体は四角形を呈しているとともに、4辺に隣接するすのこ本体同士を連結するための連結手段が設けられている場合には、すのこ本体を浴室に敷設する際に連結することにより、すのこ本体の位置ずれしたり配置が歪んだりするのを防止でき、簡単な施工で整然としたすのこの設置状態を保つことができる。
【0008】
本発明において、上記コルク板は、四角形のすのこ本体を略等分に分割した四角形を呈しており、すのこ本体上に敷設されたコルク板同士の間には水きり用の間隙が設けられるとともに、上記すのこ本体は敷設されたコルク板同士の間隙の部分でカット可能に構成されている場合には、使用した湯水は水切り用の間隙からスムーズに排出され、施工の際にも、コルク板同士の間隙の部分でカットすることにより、コルク板を途中で切断する必要がないことから、敷設面積を調節する施工を容易に行なうことができるうえ、敷設後の外観も美しく仕上げることができる。
【0009】
本発明において、上記すのこ本体には、敷設されたコルク板同士の間隙の部分でカットされたときの最小カット片となりうる最小カット単位部の少なくとも四隅に、それぞれ高さ調節可能な脚部が設けられている場合には、カット前の浴室用すのこの高さ調節をするときは、カット前の四隅に配置された脚部により高さ調節が可能であり、一部のコルク板単位でカットしたときは、カットされた部分で高さ調節が可能となる。このように、施工の際にコルク板単位でカットしたときでも高さ調節が可能となる。そして、傾斜面に敷設したときにコルク板の上面が水平になるように施工することも容易に行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
つぎに、本発明の浴室用すのこを実施するための最良の形態を説明する。
【0011】
図1〜図3は、本発明の浴室用すのこの一実施形態であり、図1は斜視図、図2は平面図、図3は底面図である。また、図4はすのこ本体を示す平面図である。
【0012】
この浴室用すのこは、合成樹脂からなるすのこ本体1の上面に炭化コルクからなるコルク板2を敷設している。上記すのこ本体1は四角形を呈しており、この例では平面視で略正方形を呈している。また、上記コルク板2は、四角形のすのこ本体1を略等分に分割した四角形を呈している。この例では、平面視ですのこ本体1が呈する正方形を略四等分した正方形を呈している。そして、すのこ本体1の上面に、4枚のコルク板2が敷設されている。
【0013】
上記すのこ本体1には、隣接する2辺に、それぞれ4箇所の第1連結部材3が外側に突出するように形成されている。上記第1連結部材3には、後述する嵌合ピンが嵌合するための嵌合穴5が穿設されている。また、上記すのこ本体1には、上記第1連結部材3が形成された2辺とは異なる隣接する他の2辺に、それぞれ4箇所の第2連結部材4が内側に突出するように形成されている。上記第2連結部材4には、上記第1連結部材3の嵌合穴5に嵌合する嵌合ピン6が形成されている。
【0014】
図5は、上記第1連結部材3と第2連結部材4により、隣接するすのこ本体同士を連結する状態を示している。まず、第2連結部材4を第1連結部材3の上側に位置させ、嵌合ピン6を嵌合穴5に上から差し込んで嵌合する。この状態で、連結された各すのこ本体1の上面が面一になるよう構成されている。上記すのこ本体1の4辺に形成された第1連結部材3、第2連結部材4、嵌合穴5、嵌合ピン6は、本発明の連結手段として機能する。
【0015】
上記すのこ本体1には、四角形のすのこ本体1を略等分に分割した四角形を呈する分割領域7の上面にそれぞれ分割領域7と同じ形状大きさのコルク板2が取り付けられている。この例では、上記分割領域7およびコルク板2は、平面視ですのこ本体1が呈する正方形を略四等分した正方形を呈している。
【0016】
すのこ本体1上面に敷設されたコルク板2同士の間には、水きり用の間隙8が設けられている。また、上記すのこ本体1の分割領域7と分割領域7の間、すなわち上記間隙8に対応する部分には、水きり用のスリット9が形成されている。また、隣接する分割領域7同士の間には、上記スリット9を隔てて隣接する分割領域7同士を接続するブリッジ部10が設けられている。
【0017】
そして、上記すのこ本体1は敷設されたコルク板2同士の間隙8に対応する部分にあるブリッジ部10を切断することにより、上記間隙8およびスリット9の部分からカット可能に構成されている。
【0018】
また、上記すのこ本体1には、敷設されたコルク板2同士の間隙8の部分でカットされたときの最小カット片となりうる最小カット単位部の少なくとも四隅に、それぞれ高さ調節可能な脚部11が設けられている。
【0019】
図6は上記脚部11の一例を示す断面図である。上記脚部11は、この例では、すのこ本体1の下面に突出した突部12にねじ穴13が形成され、上記ねじ穴13に調節ねじ足14がねじ込まれて形成されている。上記調節ねじ足14を回転させることにより、脚部11の長さを調節し、コルク板2上面の高さを調節可能に構成されている。
【0020】
図7は、図1〜図3に示した浴室用すのこを2つにカットした例を示す。また、図8は、図1〜図3に示した浴室用すのこを4つにカットした例を示す。このように、上記すのこ本体1は、上記スリット9を隔てて隣接する分割領域7を最小単位としてカット可能に構成されており、上記分割領域7に対応する最小カット単位部の四隅にそれぞれ脚部11が設けられている。
【0021】
これにより、最小カット単位部までカットされた状態でもその四隅には脚部11が設けられてすのことして機能し、各脚部11での高さ調節が可能となる。また、最小カット単位部が複数接続された状態でカットされたとしても、その少なくとも四隅に脚部11が設けられてすのことして機能し、各脚部11での高さ調節が可能となる。
【0022】
図9は、すのこ本体1へのコルク板2の取り付け状態の一例を示す図である。この例では、コルク板2の下面にナット15が埋設され、上記ナット15に対するねじ16のねじ込みによりコルク板2がすのこ本体1に取り付けられている。すのこ本体1へのコルク板2の取付は、これに限定するものではなく、接着剤、両面テープ、嵌め込み等、各種の手段を用いることができる。
【0023】
以上のように、上記浴室用すのこによれば、すのこ本体1の上面に炭化コルクからなるコルク板2を敷設しているため、コルク板2のクッション性により、誤って転倒したとしても従来より安全性が格段に優れる。また、コルク板2が損傷したとしても怪我をする危険性がほとんどない。さらに、コルク板2は保温性が極めて高いため、肌触りも暖かいうえ、光熱費も節減することができる。また、炭化コルクは防音効果に優れることから、湯水を流したり洗面器や浴室椅子から発する音が響くのが大幅に軽減される。さらに、炭化コルクは、消臭性に優れ、浴室内にいやな臭いがこもるのが軽減される。さらに、炭化コルクは、有害物質を吸着するため、浴室内の環境を向上させる。
【0024】
また、上記すのこ本体1は四角形を呈しているとともに、4辺に隣接するすのこ本体1同士を連結するための連結手段が設けられているため、すのこ本体1を浴室に敷設する際に連結することにより、すのこ本体1の位置ずれしたり配置が歪んだりするのを防止でき、簡単な施工で整然としたすのこの設置状態を保つことができる。
【0025】
また、上記コルク2板は、四角形のすのこ本体1を略等分に分割した四角形を呈しており、すのこ本体1上に敷設されたコルク板2同士の間には水きり用の間隙8が設けられるとともに、上記すのこ本体1は敷設されたコルク板2同士の間隙8の部分でカット可能に構成されているため、使用した湯水は水切り用の間隙8からスムーズに排出され、施工の際にも、コルク板2同士の間隙8の部分でカットすることにより、コルク板2を途中で切断する必要がないことから、敷設面積を調節する施工を容易に行なうことができるうえ、敷設後の外観も美しく仕上げることができる。
【0026】
また、上記すのこ本体1には、敷設されたコルク板2同士の間隙8の部分でカットされたときの最小カット片となりうる最小カット単位部の少なくとも四隅に、それぞれ高さ調節可能な脚部11が設けられているため、カット前の浴室用すのこの高さ調節をするときは、カット前の四隅に配置された脚部11により高さ調節が可能であり、一部のコルク板2単位でカットしたときは、カットした部分で高さ調節が可能となる。このように、施工の際にコルク板2単位でカットしたときでも高さ調節が可能となる。そして、傾斜面に敷設したときにコルク板2の上面が水平になるように施工することも容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態の浴室用すのこを示す斜視図である。
【図2】上記浴室用すのこを示す平面図である。
【図3】上記浴室用すのこを示す底面図である。
【図4】すのこ本体を示す平面図である。
【図5】連結手段を示す断面図である。
【図6】脚部を示す断面図である。
【図7】すのこ本体をカットした状態の第1例を示す図である。
【図8】すのこ本体をカットした状態の第2例を示す図である。
【図9】コルク板の取付状態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1:すのこ本体
2:コルク板
3:第1連結部材
4:第2連結部材
5:嵌合穴
6:嵌合ピン
7:分割領域
8:間隙
9:スリット
10:ブリッジ部
11:脚部
12:突部
13:ねじ穴
14:調節ねじ足
15:ナット
16:ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
すのこ本体の上面に炭化コルクからなるコルク板を敷設したことを特徴とする浴室用すのこ。
【請求項2】
上記すのこ本体は四角形を呈しているとともに、4辺に隣接するすのこ本体同士を連結するための連結手段が設けられている請求項1記載の浴室用すのこ。
【請求項3】
上記コルク板は、四角形のすのこ本体を略等分に分割した四角形を呈しており、すのこ本体上に敷設されたコルク板同士の間には水きり用の間隙が設けられるとともに、上記すのこ本体は敷設されたコルク板同士の間隙の部分でカット可能に構成されている請求項1または2記載の浴室用すのこ。
【請求項4】
上記すのこ本体には、敷設されたコルク板同士の間隙の部分でカットされたときの最小カット片となりうる最小カット単位部の少なくとも四隅に、それぞれ高さ調節可能な脚部が設けられている請求項3記載の浴室用すのこ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−11406(P2009−11406A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173621(P2007−173621)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(301013295)
【Fターム(参考)】